〓　パルマの中田さん　その245　〓(応援専用）

２人の“現状”は、ピッチではっきりと表れた。後半１２分。　　　
俊輔は、中田のＣＫが味方に合わずクリアされたボールを中央で受けた。
そしてスピードに乗ったドリブルから、左サイドのディミケーレに鮮やかな
キラーパス。「あれだけ走ってくれればあとは出すだけ」決勝点を演出しても
控え目に話した。　　

　これまでは右ＦＷに近いポジションだったが、今季初めてトップ下に入った。
コロンバ監督は「今日やったポジションが彼には合う」とうなずいた。俊輔は、
後半３９分にはＰＫを蹴り、ＧＫフレイの手に当てたが、きっちりダメ押し。
今季から就任した指揮官に「（ＰＫは）ブレシアにはバッジオがいる。
ユーベにはデルピエロ。ミランにはピルロがいる。そして我々には中村という
キッカーがいる」と最高の信頼感を植え付けた。

　一方、中田はなんと初の左サイドで登場。何度か見せ場を作ったが、
俊輔のＰＫの１分後に右からのセンタリングに右ボレーを合わせ損ねて決定機を逃すなど、
不発に終わった。プランデッリ監督は中田の左サイドでの起用に
「『右が嫌だ』と言ったから」と笑えないジョークを飛ばし
「左も右と同じようにできると思ったからだよ」と冷たく言い直した。

　　
「『右が嫌だ』と言ったから」と笑えないジョークを飛ばし
「左も右と同じようにできると思ったからだよ」と冷たく言い直した。

中田は指揮官を批判し、移籍を希望。だが高額な年俸がネックで移籍が
決まらず、不安定な状況が続く。４度ボールを奪い合い「代表の日程とか」
（俊輔）少々の会話もあった２人。しかし「ブラボー、ナカムラ」の声ばかり
が響いたスタンドも２人に生じた“差”を象徴した。

しかし「ブラボー、ナカムラ」の声ばかり

　　　２人に生じた“差”を象徴した。

２人の“現状”は、ピッチではっきりと表れた。

事務所関係者も「残留の可能性もある。それはそれでありがたいことです」と残留の可能性をにおわせたが、