「それで、もうひとつの質問というのはうちの選手たちのことだろう?」
「そうだよ」
フェリペは長いあいだ黙っていた。手がこすりあわされ、それからため息が聞えた。
「彼らのことについてはできれば話したくなかったんだ。レーハーゲルは計算外のファクターだったからね」
「計算外?」
「うん。ポルトガルとしてはこれは強国だけのダンスパーティーのつもりだったんだ。そこにギリシャが入り込んできた。
レアルはベッカムを取るべきじゃなかったんだ。
君も知っているようにフィーゴは素晴しい能力を持っている。いろんなものを引き寄せる能力さ。
でも全ての試合には出すべきじゃなかった。この時期の試合は彼らの体力を遥かに超えたものなんだ」
「ルイ・コスタはどうだったんだ?」
「ルイ・コスタは大丈夫だよ。元気だよ。」とフェリペは言った。
「ただルイ・コスタはもう君をひきつけることはないだろうね。可哀そうだとは思うけれどね」
「何故?」
「消えたんだよ。ルイ・コスタの中で何かが消えてしまったんだ」
僕は黙り込んだ。
「君の気持はわかるよ」とフェリペは続けた。
「でもそれは遅かれ早かれいつかは消えるはずのものだったんだ。
プラティニやジーコや、それからいろんな選手たちの中で何かが消えていったようにね」
僕は肯いた。
「あんたがはじめて酔払った時のことをまだ覚えてるよ。あれは何年前だっけね?」
「十三年前」
「もうそんなになるんだね」
廃れてるに一票
廃れてるに二票、動議採択
854 :
:04/07/09 17:08 ID:qjH1G5Sy
やれやれ、、、
855 :
トッティ:04/07/09 18:58 ID:Zg7AwV5x
やがて時計の針は45分を指し、夏の昼の光がフィールドに差し込んで、芝にほんの少しだけ歪んだ四角い図形を描いた。カッサーノ君はぐったりと倒れていた。僕は静かに彼の髪を上げて耳を出し、そこにそっと唇をあてた。
女にあぶれたらしいフランス人の水兵の一人がビールのグラスを手にしたまま
僕の後ろに来て、何を見ているのか、とフランス語で訊ねた。
「サッカー」と僕は英語で答えた。
「フットボール?」
僕は簡単に状況を説明してやった。
あの男がピッチに乱入する。バルサの旗をフィーゴに投げつける、
警備員を振り切ってゴールにダイビングする。
水兵はしばらくリプレイをじっとテレビで見ていたが、
試合が再会されると、何故試合にジネディーヌ・ジダンが出てないのか、と僕に訊ねた。
「トーナメント1回戦で負けたからさ。」と僕は言った。
「じゃぁフランス人の選手では誰が人気がある?」
「ベンゲル。」
「そりゃ監督だ。」
「ティエリー・アンリ」
「糞だ(メルドー)。」
水兵はそう言うとテーブルに戻った。
試合が終わったあとも、サポーターの拍手はいつまでも僕の頭上にあった。
ルイがボールを持つごとに、歓声が上がったり静まったりした。
僕はその姿を眺め、ルイが見えなくなると、ピッチを走っているギリシャの選手達を眺めた。
一人で代表を去っていく、赤と緑のユニフォームを着たルイ・コスタの姿を思い浮かべ、
そして次のW杯に備えて眠っているファンタジスタたちの姿を思い浮かべた。
それから僕は、これから自分が戦っていくW杯のことを考えた。
「さよなら、ルイ・コスタ」と僕は言った。さよなら、ルイ・コスタ、
僕は君が何かにしっかりと守られることを祈っている。
僕は目を閉じて泣こうとした。
でも本当に泣くことができたのはずっとあとになってからだった。
どこからも誰からも遠い場所で、僕は静かにルイのために涙を流した。
少なくとも僕は生き残った。良いフットボールが死んだ強豪国だけだとしても、
ギリシャはやはり生き延びねばならなかった。
何のために?
フットボールの世界に警告を鳴らすために?
まさか。
860 :
:04/07/15 22:16 ID:LtZQWIZD
彼は青のユニフォームと白いパンツをはき、髪を汗でベタつかせ
汚い捨て犬のような顔をしていた。
二時間弱の間に3歳くらいは老けこんでいた。
髪型と、泥色スライムのような肌の質感のせいかもしれない。
「ひどい試合だったわ」
ピッチに座りこむなりカッサーノはそう言って、神経質そうにパンツの裾を
股にのめり込ませた。
「気が済んだ?」
「少しね」
僕はベンチから、試合開始以来置きっ放しになっていたタオルを取って彼に渡した。
彼はそれで汚い顔の汗を拭き、潰れたニキビの肉汁を何度か拭ってから僕に返した。
「シュートが入った時は決勝トーナメントに出れると思ったの。まるで『セブン』のラストだわ」
「でもおかげで衝撃的なシーンが見れたよ」
「そうね」
彼は肯いてから指をピッチに埋め、芝生の感触を確かめた。
僕と彼の間には、この前に会った時とは違った何かしらちぐはぐな空気があった。
「ニキビを気にしてるの?」
「美容整形なんてしないの。あなたには嘘をついていたのよ」
「何故嘘なんてついた?」
「後で話すわ」
よくわからないな
俺も書いてる途中でわけがわからなくなったが
30分も費やしたんで消すのがもったいなくなったんだ
すまない
864 :
かえるくん:04/07/16 16:13 ID:MDhkf/50
「ダーヴィッツさん」と新監督はじっとダーヴィッツのゴーグルをのぞきこんで
言った。
「ぼくはつねづねあなたという人間に敬服してきました。
この数年のあいだあなたは人がやりたがらない地味で危険な仕事を引き受け、
黙々とこなしてきました。それがどれくらい大変なことだったか、ぼくはよく
知っています。残念ながらミランやユーヴェが、あなたのそんな仕事ぶりを
正当に評価してきたとは思えません。コスタクルタにはきっと目がついていない
のでしょう。しかし嫌われても、無視されても、あなたは愚痴ひとつ言うでもない。
イタリアのことだけではありません。リーガに移ったあと、あなたはまだフィット
していなかったロナウジーニョとサビオラを男手ひとつでバックアップし、
相手を潰し、最終ラインのケアまでした。
そのために自分の時間と体力を大幅に犠牲にしなくてはならなかったし、
あなた自身は昇給することもできなかった。なのにラポルタとライカールトは、
あなたの世話になったことなんてちっとも感謝していません。ひとっきれも感謝して
いません。というか逆に、オランダ人選手を軽んじて、放出ばかりしています。
ぼくに言わせればとんでもないことです。あなたのかわりにぶん殴ってやりたい
くらいです。でもあなたは別に腹を立てるでもない。
正直に申し上げまして、あなたはあまり風采があがりません。女性に人気がない。
だからまわりから軽く見られてしまうところもあります。でもぼくにはよくわかります。
あなたは筋道のとおった、勇気のある方です。欧州広しといえども、ともに闘う相手と
して、あなたくらい信用できる人はいません」
「マンチーニ監督」とダーヴィッツは言った。
>864
おお、ボラーヴォ!
久しぶりにいいのみた
素晴らしい。
そして一人ぼろぼろになって死んじゃうマンチーニ・・・。泣ける。
>864を抱きしめたい
僕はこれまでのサッカー人生で、いつもなんとか別の人間になろうとしていたような気がする。
僕はいつも新しい服を着て、新しいクラブに行って、そこで新しいプレースタイルを身につけようとしていたように思う。
僕は今までに何度もそれを繰り返してきた。
それはある意味では成長だったし、ある意味ではナラハシのオーバーラップのようなものだった。
でもいずれにせよ、僕は違う人間になることによって、それまでの自分が抱えていた何もかもから開放されたいと思っていたんだ。
僕は本当に、真剣に、それを求めていたし、努力さえすればそれはいつかは可能になるはずだと信じていた。
でも結局のところ、僕はどこにも辿り着けなかったんだと思う。
僕はどこまでいっても僕でしかなかった。
僕の抱えていた欠落は、どこまでいってもあいかわらず同じ欠落でしかなかった。
どれだけまわりの風景が変化しても、監督の語りかける声の響きがどれだけ変化しても、僕はひとりの不完全なB級ファンタジスタでしかなかった。
「ボローニャの南、ペルージャの西」より抜粋
自分の中にこれから先ずっと日本のサッカーを守っていくだけの力があるのかどうか、僕にはまだわからなかった。
マスコミはもう僕を助けてはくれなかった。
それはもう僕の為に夢を紡ぎだしてはくれなかった。
不要論はどこまでいっても不要論のままだった。
僕はその不要論の中に長い間身を浸していた。
その不要論に自分の意識を馴染ませようとした。
これが結局僕の辿り着いた場所なのだ、と思った。
僕はそれに馴れなければならないのだ。
おそらく今度は、僕が茸のためにベンチに座らなくてはならないのだろう。
それが僕に求められていることなのだ。
今の僕という存在に何らかの意味を見い出そうとするなら、僕は力の及ぶかぎりその作業を続けていかなければならないだろう、多分。
「鱸の右隣り、ヘナギの左隣り」より抜粋。
870 :
ねじまき鳥:04/07/22 18:58 ID:6naPiIvU
パボンがそのチームの中で屈折した複雑な選手時代を送ったとすれば、
ラウルは別の意味で不自然に歪んだ現役時代を送った。
彼のソシオはその生え抜きを溺愛したが、ただ愛するというだけでなく、
同時にきわめて多くのタイトルを彼に要求した。
会長はプロサッカーという世界の中でまっとうな収益をあげるためには
少しでも有名な選手を獲って、ひとつでも多くのビッグクラブを
押しのけていくしかないという信念の持ち主だった。
本当に真剣にそう信じていたのだ。
モナコに貸し出される頃に、僕は会長の口から直接その話を聞いたことがある。
私のクラブはそもそも平等なんかに作られてはいない、とペレスは言った。
人間が平等であるというのは、学校で建前として教えられるだけのことであって、
そんなものはただの寝言だ。
プロサッカーの世界は構造的には機会均等ではあるけれど、同時にそれは
熾烈な弱肉強食の階級社会であり、レプリカが飛ぶように売れるエリートでなければ、
エル・ブランコを着ている意味などほとんど何もない。
ただただベンチでゆっくりと干上がっていくだけだ。
スタープレーヤーは一段でも上のクラブに移ろうとする。それはきわめて健全な
欲望なのだ。選手がもしその欲望をなくしてしまったら、プロサッカーは
滅びるしかないだろう。
僕は会長のそのような意見に対してとくに何の感想も言わなかった。
それに彼は僕の意見なり感想なりを求めていたわけでもないのだ。
彼は未来永劫にわたって変わることのない自らの信念を吐露していただけなのだ。
トレンディじゃない
872 :
名無しさん:04/07/30 14:43 ID:dBhX7Jjg
「日本にいったい何があるんだ?」
「テレビに出れて、金がもらえる」とベッカムは言った。
「行くとビクトリアが褒めてくれる」
「ビクトリアと行けばいい」と僕は言った。
「この前行った」と彼はつまらなそうに言った。
僕らは挨拶をして、電話を切った。
ハヴ ア ナイス ゲーム
874 :
名無しさん:04/08/09 01:49 ID:uS/JP149
ハンニチカンジョウ・・・・、
ハンニチカンジョウというのはあの都知事が言ったように
(あるいは産経新聞の言うように)
結局は逆説的な欲望であるのかもしれない。
どこにも出口などないのだ。
それでも中国はかつての虎としてのささやかな誇りをトランクにつめ、
港の石段に腰を下ろし、空白の水平線上にいつか姿を表すかもしれない
天津行きのスロウ・ボードを待とう。
そして北京の街に光り輝く工人体育場を想い、
その緑なすフィールドを想おう。
だからもう何も恐れるまい。
チャン・ヤオクンがキノコのスルーを恐れぬように、
ミヤモトのオシャレヒールを恐れぬように。
もしもそれが本当にかなうものなら・・・。
中国よ、
中国よ、オリンピック開催はあまりに早い。
「そのことでなにかいやな思いはしなかった?」
「日本代表の監督であることで?」
「そう」
ジーコはまた首を振った。「とても半日教育がいきとどいた国だったの、中国は。ビルがあって全体的な雰囲気は進歩的だったけど、日本に対する差別は徹底されていたわ。
試合前に台湾問題について聞かれ、試合中にはスローイングでオフサイドを取られた。
でもまずまずの結果を収めることができたわ。たしかにアウェイだとか両国の歴史も考えれば仕方のないことかもしれないけど、でもそんなこと政治とスポーツを結び付ける理由にはならないでしょ?」
「中国にはニーハオトイレがあるっていう話を聞いたけど本当?」
「わたしもその話を聞いたことはある。でも重慶のトイレはニーハオトイレ以上だったわね」
代表版に春樹スレがないのでこちらに書かせてもらいました。
しかしアテネオリンピックだからって「雨天炎天」をギリシャ本とうたって販売する書店のやりかたには辟易します
来月新作出るね。
職人さん腕の見せ所。
878 :
:04/08/15 13:26 ID:P+zrbsJ3
あるいはそうなるかもしれない
「保守しなければ。」と僕は思った。
それが僕に求められていることなのだ。
やれやれ
881 :
名無しさん:04/08/17 04:09 ID:4dBgwS70
「監督が間違ってたと思う?」昌邦がそう訊ねた。
川渕はビールを一口飲み、ゆっくりと首を振った。
「はっきり言ってねみんな間違ってるのさ。」
「何故そう思うの?」
「うーん。」川渕はそう唸ってから上唇を舌でなめた。答えなど無かった。
「私は喉が嗄れるくらい一生懸命に指示を出したのよ。とても苦しくて
死ぬかと思ったわ。それでね、何度も何度もこんな風に考えたわ。
私が間違っててトルシエが正しいのかもしれないって。私がこんなに苦しんでいるのに
何故曽ヶ端は何もせずにゴールにじっと立っているんだろうってね。」
昌邦はそう言うと軽く笑って、しばらく憂鬱そうに目の縁を押さえた。
川渕はモジモジしながらあてもなくポケットを探った。三年振りに無性に
煙草が吸いたかった。
「高原がエコノミー症候群で死ねばいいと思った?」
「少しね。」
「本当に少し?」
「…忘れたわ。」
二人はしばらく黙った。川渕はまた何かをしゃべらなければならないような気がした。
「ねえ、自分が思ってるほど他人は貴方を意識してない。」
「誰の言葉?」
「イエロ。」
ロベルト・バッジョは肉体的に複雑なトラブルを抱えた人だったし、
そのサッカー人生は決して平坦で幸せなものとは呼べなかった。
ガラスのようなもろい膝を抱え、監督の無理解と行き違いに魂を蝕まれ、
デビューしてから引退するまでのほとんどの時期を通して、安定した
平穏なキャリアとは無縁だった。多くのクラブで、過酷なスケジュールによって故障し、
起用法に愛想をつかせて去っていった。
しかし、生身のロベルト・バッジョがたとえどのような厳しい極北に生を送っていたにせよ、
彼のボールタッチが、その天使の羽のごとき魔術的な優しさを失ったことは、
一度としてなかった。彼がひとたびピッチに立ち、ボールにタッチすると、
そこにはまったくの異次元の世界が生まれた。ちょうど不幸なマイダス王の手が、
それに触れるすべての事物を輝く黄金に変えていったのと同じように。
そう、バッジョのサッカーの中心にあるのは、輝かしい黄金のファンタジアだった。
どのような熱いドリブルをハイスピードで繰り広げているときも、そこにはナチュラルにして
潤沢なアイディアがあった。彼はサッカーボールをあたかも神意を授かった手足のように
自在に操って、鮮やかな至福に満ちたゴールを生んだ。サッカーの歴史の中には星の数ほどの
ファンタジスタがいる。でもロベルト・バッジョほど激しくゴールを挙げ続け、しかも
安易なマンネリズムに堕することのなかった人はいなかった。
884 :
続き:04/08/18 19:43 ID:MjYRsJD/
僕はこれまでいろんなレジスタに夢中になり、いろんなファンタジスタにのめりこんだ。
でも僕にとっては最終的にはホセプ・グァルディオラこそがレジスタ(No.4)であり、
ロベルト・バッジョこそがファンタジスタ(No.10)であった。あらためて考えてみれば、
この二人の間にはいくつかの重要な共通点が見いだせるかもしれない。彼ら二人の作り出したプレイに、
いくつかの欠点を見いだすことはもちろん可能である。僕はその事実を進んで認める。
しかしそのような瑕疵の代償を払わずして、彼らの美しさの永遠の刻印が得られることは、おそらくなかっただろう。
だからこそ僕は、彼らの美しさと同時に、彼らの瑕疵をも留保なく深く愛するのだ。
885 :
:04/08/20 19:51 ID:ivrUvjDB
感動age
期待age
887 :
名無しさん:04/08/30 21:26 ID:F0ojYnMI
ゴロンボー
888 :
名無しさん:04/09/01 02:02 ID:IdKlMuhO
ナカタは頭が悪いのであります
890 :
名無しさん:04/09/05 23:29 ID:Kxeg6fO9
僕はGKについての多くをデヴィッド・ジェイムズに学んだ。殆ど全部、というべきかもしれない。
不幸なことにジェイムズ自身は全ての意味で不毛なGKであった。見ればわかる。
フィードは読み辛く、飛び出しは出鱈目であり、セービングは稚拙だった。しかしそれにもかかわらず、
彼は笑いを武器として闘うことができる数少ない非凡なGKの一人でもあった。
レーマン、ボナーノ、そういった彼の同時代人のGKを伍しても、
ジェイムズのそのお笑い的な姿勢は決して劣るものではないだろう、と僕は思う。
私もこのチームのことを愛してるのよ、ペレス会長。
私は生まれてからエル・ブランコ以外のチームを愛したことなんてないのよ。
私がどれほどこのチームのことを愛しているのか、あなたにはきっとわからないと思う。
私は五歳のときからずっとエル・ブランコのことを愛していたのよ。
他のチームでプレーしていても、いつもエル・ブランコのことを思っていた。
だからこそ私はあなたに会いたくなかったの。
あなたに一度会ってしまうと、もうどうしようもなくなってしまいそうな気がしたの。
でも会わないわけにはいかなかった。
本当にあなたの顔を見たら、それだけですぐに帰ってしまおうと思っていたのよ。
でも実際にあなたの顔を見たら、声をかけないわけにはいかなかったの」、
モリエンテスは僕の首にそっと手をかけたままそう言った。
「私は五歳のときから、もうこのチームでプレーしたいと思っていたのよ。
でもあなたはそんなこと知らなかったでしょう?」
「知らなかった」と僕は言った。
「私は五歳のときからもう、白いユニフォームを着てサンチャゴ・ベルナベウでプレーしたいと思っていたのよ。
あなたはそんなことも知らなかったでしょう?」
893 :
名無しさん:04/09/08 00:36 ID:I9Jw+KIk
これは実話であり、それと同時に寓話である。
そしてまた、我らが1990年代のフォークロア(民間継承)でもある。
僕は1969年に生まれた。1990ー91シーズンに得点王になり、1995年にアーセナルに入った。
そして、ノストラダムスのどたばた騒ぎの中で30歳を向かえた。
だから僕は文字どおり90年代の選手たち(ナインティーズプレイヤーズ)であった。
人生でいちばん油が乗っていて、いちばん頑健で、それ故にいちばん重要な時期に、
1990年代ののっぺりしていて焦燥感に満ちた空気を吸い込んで、
宿命的にアレに嫌悪感を憶えてしまったのだ。
音速のコンコルドから、高原のためのくらだらないエコノミー症候群、
年増のキャビンアテンダントをふんだんにちりばめたファーストクラスまで、
チーム専用のチャーター機もばっちりそろっていた。
1990年代という時代には、なにか僕にアレへの嫌悪感を植えつけるものがあった。
いかにベンゲルたちが「車に乗るより安全」と広く謳っていたとしてもだ。
今、自分の自己分析のためにこうして思い出してもそう思うし、
その時だってそう思っていた。アレには、何か危険なものがあると。
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ベルカンプのフォークロア----飛行機嫌悪史
「私にはジェラードが選んだ人生の方がまともみたいに思えるんだけど」
とマリは意見を述べる。
「そうだよな」と彼は認める。「マドリードまで来て、ベンチを温めて、
豚の控えでいたいとは誰も思わないよな。たしかに。でも彼には、ビッグ
イヤーを少しでも高い確率で取れるチームにいたいという欲求があったし、
それを押さえることができなかったんだよ。そのために支払わなくちゃなら
ないものがどんなに大きかったとしても。」
「見栄っ張り」
「まさに」
>>895 ジェラードじゃなくてオーウェンだね。
アフターダークで乙
>>896 ?
リバポに残ったジェラードがまともで
レアルに行って豚の控えやってるオーウェンが見栄っ張りって
ネタじゃないの?
>>897 そうだよね。
わかるよな、普通。
すいません。
899 :
名無しさん:
実はペーストしてクリックしたんだ