710 :
:
目を覚ました時、両脇に双子の女の子がいた。今までに何度も体験した
ことではあったが、両脇に双子の女の子というのはさすがに初めてだった。
「名前は?」と僕は二人に訊ねてみた。二日酔いで頭は割れそうだった。
「名乗るほどの名前じゃないわ。」と右側にいるほうが言った。
「実際、たいした名前じゃないの。」と左が言った。「わかるでしょ?」
「わかるよ。」と僕は言った。
「名前がないと困る?」と一人が訊ねた。
「どうかな?」
二人はしばらく考え込んだ。
「もしどうしても名前が欲しいのなら、適当につけてくれればいいわ。」
ともう一人が提案した。
「あなたの好きなように呼べばいい。」
彼女たちはいつも交互にしゃべった。まるでFM放送のステレオ・チェック
みたいに。おかげで頭は余計に痛んだ。
「例えば?」と僕は訊ねてみた。
「フィリッポとシモーネ」と一人が言った。
「フランクとロナルド」ともう一人が言った。
「ガリーとフィリップ」
「ファビオとパオロ」
「ミカエルとブライアン」
「モリシとバシュトゥルク」僕は負けないように辛うじてそう付け加えた。
二人は顔を見合わせて満足そうに笑った。
711 :
:04/01/11 17:12 ID:5t2S564K
イイ!!
712 :
:04/01/15 00:21 ID:iVlz4hfM
モリシがあってバシュトゥルクがある。
大抵のものはそんな風にできている。
713 :
:04/01/15 19:02 ID:GOHoxtjC
それくらい、いくら僕だって知っている。
714 :
:04/01/15 20:04 ID:d5xD5p2b
「モリシはモリシ、バシュトゥルクはバシュトゥルク」
715 :
:04/01/16 01:24 ID:5axLPq7S
今度会った時は見分けがつかないかもしれないぜ。
716 :
:04/01/17 10:41 ID:o3xu96In
「そんな訳はない。バシュトゥルクの腰があんなに低くなるはずがない。
あれじゃぁまるでモリシみたいだ。」
「眠りなさい、あなたはきっと疲れているのよ」
717 :
:04/01/20 22:52 ID:d/2JCJBu
そして僕は体を横たえ、ディスプレイに映る「村上春樹的海外サッカー」を眺めた。
このスレはどうしてモリシとバシュトゥルクの事ばかり考えているのだろう、と僕は思った。
でもそんなことを深く考えるには僕は疲れすぎていた。
目を閉じると、眠りは暗い網のようにお供なく頭上から舞い下りてきた。
718 :
:04/01/25 03:35 ID:sFpeWF6y
「保守してもいいかな?」
「あなたがそれを望むのなら」
719 :
:04/01/25 06:20 ID:0YVkm+EH
「最近、あなたの興味があるのは一体何なのかしら?」
「バシュトゥルク」そう僕は答えた。彼が頭から離れないのだ。
「わかったわ」そう彼女は答えた。「昔々、金の馬車と
銀の馬車、メノウをあしらった馬車の3つの馬車を
売り歩くものがいたのよ。」
「ちょっと待てよ、バシュトゥルクなんだ、バシャトークじゃない」
「おなじようなものじゃない」彼女はすましたように言った。
その後、付け加えた。「モリシとバシュトゥルクとバシャトーク」
720 :
:04/01/25 17:44 ID:mxEAPNjp
721 :
:04/01/25 23:09 ID:U6ECYIB4
馬車トークワロタ
722 :
:04/01/28 07:23 ID:M8DxzpBZ
悪くない
723 :
:04/01/29 20:21 ID:xgPoIvAt
村上春樹的海外サッカーには殆ど書き込みがない。
そこではsageよりageの方が丁重に扱われる。
724 :
:04/02/03 21:55 ID:rAsiH4ms
やれやれ
725 :
:04/02/05 01:03 ID:L8by/0Pb
踊るんだよ。
ミキタニビッチは言った。
イルハンが来るかもしれない間はとにかく
踊り続けるんだ。おいらの言っていることは
分かるかい?踊るんだ。踊り続けるんだ。
なぜ踊るかなんて考えちゃいけない。意味
なんてことは考えちゃいけない。意味なんて
もともとないんだ。
726 :
:04/02/05 14:43 ID:UlIJzVHe
殴るんだよ。
マテラッティは言った。
オレは殴るために存在しているんだ。
727 :
:04/02/05 14:48 ID:UlIJzVHe
マテラッティ「殴ってもいいかな?」
チリッロ「あなたがそれを望むのなら」
ガットゥーゾ「やれやれ」
728 :
:04/02/05 15:00 ID:tGM24qOi
「殴ることと同時に、8週間の休暇がもらえるのよ
マテラッティも上手いことやったわよね」
「そういう考え方もあるのかも知れない」と僕は言った。
彼女はこくんとうなずくと、黙って台所に向かった。
戻ってきた彼女の手には、極めてぶっそうな包丁が握られていた。
僕らはそれを、肉切り包丁と呼ぶ。
彼女はそれを持ち、僕に颯爽と近づいてきたのだ。
「何をするつもりなんだい?」僕は驚いてたずねた。
「私も人生に休暇をもらおうと思って」彼女はいった。
729 :
:04/02/05 15:06 ID:6bXcxEfi
<ヴィラ・トレコリ>はその名前の示すとおり古いヴィラ(邸宅)をホテルに改造したもので、
なかなか立派な広い庭がついている。そしてまた丘の上にあるから(トレコリというのは
「三つの丘」という意味である)見晴らしはとても良い。ローマの街が一望に見わたせる。
部屋の窓からは、外務省とテヴェレ河とサッカー場のあるフォロ・オリンピコが見える。
サッカーの試合のある日には、ウォオオオオというときの声のような歓声が湧きあがってくる。
そしてその上空には煙草の紫色の煙がもうもうと立ちこめる。初めてそれを見たときには
世界に何か大きな異変がおこったのかと思ったくらいだった。
遠い太鼓より原文ママ
730 :
:04/02/05 15:13 ID:UlIJzVHe
村上春樹的海外サッカーには殆ど書き込みがない。
そこではネスタよりマテラッティの方が丁重に扱われる。
731 :
:04/02/05 19:40 ID:UlIJzVHe
村上春樹的海外サッカーには殆ど人が来ない。
それは古き良き「いるかホテル」を彷彿とさせる。
洗練された資本主義とは対極にある世界だ。
そこではマテラッティだけがグルグルと回り続ける。
732 :
:04/02/06 01:02 ID:lPUuO78B
「だからこのスレはマテラッティを──」
「マテラッティなんてどうでもいいわよ!」
733 :
:04/02/08 00:03 ID:mM/cDxIV
マテラッティがチームメイトに無条件で好かれているかというと、それは疑問だった。
みんなはマテラッティを批判したりはしなかったが、
彼には友だちと呼べるような相手は1人もいなかった。
彼はおそらくフェア・プレイにたいして無自覚に過ぎたのだろう。
それを暴力的でDQNだと取るものだって中にはいるかもしれない。
ただキリ ゴンサレスにはマテラッティの心の奥に潜んでいる温かく、傷つきやすい何かを
感じ取ることができた。
それはかくれんぼをしている小さな子供のように、奥の方に身を潜めながらも
いつかは誰かの目につくことを求めていた。
そういうものの影を、前歯の笑顔の中に、キリ ゴンサレスはふと見い出すことがあった。
734 :
:04/02/08 20:59 ID:h0Rq1rfh
「あなたはマレーシア戦前半45分に三都主が見せた技を覚えてますか?」
「マルセイユルーレット」と僕は答える。
「いいえ、マルセイユルーレットじゃありません」と運転手は言う。
「名前はもう変わったんです。名前はマルセイユルーレットです」
735 :
734:04/02/09 19:18 ID:pxEzhTiX
最後の1文は「さいたまルーレット」と書こうとしたんだが、
まったく、やれやれ。と僕は呟いた。
736 :
:04/02/13 00:06 ID:gGchG6gg
キー・ポイントは弱さなんだ
737 :
:04/02/15 22:00 ID:nK+UFZcR
人はみんな弱い
738 :
:04/02/17 09:45 ID:gUt8eoeS
あるいはそうかもしれない
739 :
:04/02/18 19:30 ID:0NGPpzRf
「悪いけどさ、日本で代表監督なんかやらないでブラジルでやってくれないかな」と僕はきっばりと言った。
「それやられちゃうと予選で負けちゃうんだ」
「でも今日オマーン戦だよ」と彼は信じられないという顔をして言った。
「知ってるよ、それは。一次予選だろ?一次予選は僕らにとってはまだ立て直せる時期なんだ。
誰を監督にするとかまだうまく決められないけど、まだ間に合うんだ」
「駄目だよ。ブラジルでやると熱狂的なセレソンサポーターから文句がくるんだ。ここなら会長は川渕さん
だし、マスコミは僕を神と呼んでくれるから文句もこないし」
「じゃあ鹿島でやりなよ。Jリーグで」
「それも駄目なんだよ。ぼ、ぼ、僕のサラリーは鹿島じゃ払えないからさ、それに休みも少なくなっちゃうしね」
確かに彼のサラリーはとんでもなく高いものだったし、休日は時間をもて余す大学生なみにたっぷりとした
ものだった。やれやれ、と僕は思った。
「じゃあ歩み寄ろう」と僕は言った。「代表監督はやってもかまわない。その代わり大事な場面でサントスを
サイドバックで使うのはやめてくれよ。あれ、かならずピンチになるから。それでいいだろ?」
「サ、サントス?」彼はびっくりしたように訊きかえした。「サントスってなんだい、それ?」
「サントスといえばサントスだよ。上がってばかりで守備の意識もなく裏のスペースを使われちゃう危険な奴さ」
「そんなのないよ。ぼ、僕のサントスはドリブルも上手いし、点も取ってくれる」
僕の頭は痛みはじめた。
740 :
:04/02/18 21:44 ID:JgKKi47g
うまいけど笑えない
うまいからか
741 :
:04/02/19 12:10 ID:R6VbypvZ
742 :
:04/02/19 14:36 ID:3kHl5XjE
もうどうでもいいやという気もしたが、まあ言い出したことははっきりさせて
おこうと思って、僕は実際にイラク戦のビデオを見せながらサントスの危うさを説明した。
「ほら、ここだよ、この守備は危険だろ。もどりも遅いし」
「そ、そうだな。たしかに危ないな。気がつ、つかなかった」
「だからさ」と僕はソファーの上に腰を下ろして言った。「そこの部分だけを修正してほしいんだよ。
他のところは多めに見るからさ。サントスのところだけをやめて僕たちを少しだけ安心させてくれないかな」
「駄目だよ」と彼は実にあっさりと言った。「サントスだけやめるってわけにはいかないんだよ。何十年も攻撃的な
サイドバックでやっているからさ、戦術を考え出したら、む、無意識にそうなっちゃうんだ。サントスをはずすとさ、
だ、代表チームが出来なくなっちゃう」
僕はそれ以上何も言えなかった。いったい何が言えるだろう?いちばんてっとり早いのはそのいまいましいキャプテン
ともども帰国中に彼を解任させてしまうことだったが、そんなことをしたら日本国内だけではすまない騒ぎがもちあがる
のは目に見えていた。ジーコは自分のプライドを極端に大事にする男だからだ。僕が言葉を失って空しくソファーに腰を
かけていると彼はにこにこしながら僕を慰めてくれた。
「アシュケー、ダ、ダイニ君もさ、一緒に競技場に来て僕のサッカーを楽しめばいいのにさ」と彼は言って、それから兄と
昼食を食べに行ってしまった。
743 :
:04/02/19 18:33 ID:R6VbypvZ
744 :
:04/02/19 20:56 ID:j23EWRzX
いや、やめないで
745 :
:04/02/20 23:35 ID:tRRwEUtx
こういうのは続けるに連れて新鮮味がなくなるから、
このあたりでスパッと終わった方がかっこいい
746 :
:04/02/24 00:12 ID:82eKQxhF
「ねぇ、これだけは覚えといて。確かに私は人選はめちゃくちゃだし、采配も変よ。
だから何か批判されたとしても、それは私の責任よ。」
ジーコはそう言うとヘアブラシの柄で殆んど事務的に何度かヘナギを
ピシャピシャと叩いた。僕は黙って話の続きを待った
「そうでしょ?」
「だろうね」
「でもね、カーニバルのために母国に帰るブラジル人を批判する奴は・・・最低よ。」
いろいろあるんだね
748 :
:04/02/25 15:12 ID:VFnWZCZB
「昔、セレソンでテクニカルアドバイザーしてたことがあるんだ」と僕は言った。
「そうなの?」とあまり興味なさそうにパレイラは言った。
「これだけ攻撃的なサイドバックを活かすのは大変だろうな」と僕は左サイドを見まわして
言った。
「あなたのチームにはサイドバックがいないの?」
「通訳しかいないよ。ポルトガル語と日本語ができるようなね」と僕は言った。「いつも君ひ
とりなの?」
「ええ、そうよ。普段は私がいつもひとりで指揮するの。大きな大会にはお手伝いのザガロが
くるけど、あとはいつも私ひとり。ねえ、パレードにいかない?サンバもあるわよ」
「いや、いかない」
「本当?遠慮しなくていいのよ」
「踊りたくないんだ」と僕は言った。「君は中東に戻らないの?」
「あなたは日本に戻らないの?」
「戻ろうにも仕事がない」と僕は言った。
749 :
外道:04/02/26 22:24 ID:rKOkj5Dz
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 馳星周というDQNがみんなを不愉快な気持ちにさせておる。
今日はこの事についてみんなに考えて貰いたいのじゃ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄
/■\ 8888
( ・∀・) lヽ_/l (・≦・ )
( li;;ill呂l) (゚Д゚ ) (li;;ill呂l)
./Vヽ __ /l;;;!::::|) __ ∧_∧
( ´) (u'──-, <´ >
(:;;;;;;;;;;;;) / :::;;; / (::::::::::::::)
(丶_/) / / :::::;;;::: / /∧∧
( 。) / `─── /(- )
|::∧∧ |二二二二二二二 ,、 ,、:::|
( ) ∧∧ ∧∧ ( )
(::::::::::) (::::::::::)
750 :
:04/02/26 22:42 ID:qFrl70nd
やれやれ、いったいどうしてそれをここに書き込むんだ?
751 :
:04/02/26 23:30 ID:4ZOXB3Wh
「やれやれ」と僕はつぶやいた
752 :
外道:04/02/27 00:19 ID:hT8zWH93
「それが実はAAではないからや」
順子は男の顔を見上げた。「AAがAAじゃないという事?」
「そのとおり」
「つまり、それは何かの身代わりなのね?」
「たぶんな」
「そしてそれは何かを身代わりにしてしか描けない事なのね?」
セルジオ越後は黙ってうなずいた。
753 :
外道:04/02/27 00:32 ID:hT8zWH93
楢崎正剛は
地雷原のまんなかに落ちてきた手榴弾
を取るように
右サイドからのクロス・
ボールを取った。 2006/6/30ドイツワールドカップ決勝戦にて
「ウルトラス・ニッポン狂人日記」より
754 :
:04/02/27 00:35 ID:nlBO4jph
俺はフットボールを観るということは、世界の文化に触れ合い、
自分とは何か、日本とは何かを見つめなおすことにこそ、本当の意味があると考えている。
トルコ、アルゼンチンのサポがなぜ暴力的なまでに暴れるのか、
なぜブラジルのサッカーは「自由」なのか、
なぜイングランドのサッカー場は客席とピッチが近いのか、
それらを考えること全てに意味があると思う。
その点、残念ながら日本では「サッカー=健全なスポーツの種目の一つ」
としか認識されていないことだ。
昼間の試合、シラフの客、街中から遠く離れた○○陸上競技場の貧相なこと。。。
そして、
>>1のような「オラはボールさえ蹴ってれば良いニダ」という、
サッカーバカの存在。
今はバカでも良いので、
>>1のようなコドモにはもっと視野と興味を広くもって欲しいと思う。
755 :
:04/02/27 00:38 ID:W8FPzROv
女の子の体って柔らかいんだなぁ
756 :
外道:04/02/27 01:27 ID:hT8zWH93
やけに荒れているな…。
僕のせいなのか?
やれやれ。
757 :
:04/02/27 03:24 ID:Dk82Tuoa
彼らは「ジーコ解任」と叫んでいた。結構、解任するなら
解任してくれよ、と僕は思った。
なんなら兄貴もつけて、ブラジルに送り返してくれてもいい。
そうすれば僕もさっぱりするし、あとのことはなんとかなる。
だが、W杯行きが決まると、彼らは何事もなかったように
代表スレッドに来ては、10番や7番を叩いていた。
彼らはお祭り騒ぎに参加したいだけなのだ。
おい、○○、ここはひどいインターネットだよ
758 :
:04/02/27 05:43 ID:s4AifI9d
759 :
MUSE:04/02/28 09:44 ID:YeMBNMjR
,,-'―\ _,/ノ
___,,-―――='' ̄ ̄ _,,-'―=''' ̄_,/|
_,,-―=''' ̄ ___,,-―――='' ̄ __,-―='' ̄ / .
_,,-―=''' ̄ _,,-―='' ̄ ヽ / +
 ̄ ̄ _,,-―=''' ̄ \ / . . .
,,-='' ̄ ヽ /
,,,-'' U ─┰ ─┰ i ヽ/
-―'' ̄ |U U ||
| | | U ..::::::::::::.. ..:::::... ||
| | | ::::::::::::::::::: ○ ::::::::::: !| 何なの?このスレ・・・
/ | | ::::::::::::: ノヾヽ
/ | / \\
760 :
:04/02/29 12:07 ID:uhbd6j0c
このスレに書かれているのは、ただのネタだ。
小説でも文学でもなければ、芸術でもない。
村上春樹の文章を引用したただのネタスレだ。
教訓なら少しはあるかもしれない。
761 :
綿矢りさ:04/02/29 14:14 ID:KfX4i62v
@ノハ@
⊂( ‘д‘)y-~~ さすがウチの師匠やで。少なくとも龍よりは格上になってしもうたな…。
/// / :::/:::/ 「小確幸」やなあ…。いや、このスレがやで……?
|:::|/⊂ヽノ |:::|/」
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
/______/ | |
| |-----------|
762 :
村上陽子:04/02/29 14:18 ID:KfX4i62v
⊂⊃
(\ノノハヽヽ
(ヾ( *´ Д `∩ <ようこはね、「ねじまき鳥クロニクル」と「神の子どもたちはみな踊る」が一番好きなの〜
''//(つ ノ
(/(/___|″ フヨフヨ
し′し′
763 :
ぐりんぐりんはいほー:04/02/29 14:21 ID:KfX4i62v
⊂⊃
(\ノノハヽヽ
(ヾ( *´ Д `∩ <んぁ〜、「世界の終わり〜」も好きや〜
''//(つ ノ
(/(/___|″ フヨフヨ
し′し′
764 :
春:04/02/29 15:56 ID:3HDkEVqe
「ねぇ、マテラッティさん。ところであなたの人生の行動規範っていったいどんなものなんですか?」と僕は訊いてみた。
「お前、きっと笑うよ」と彼は言った。
「笑いませんよ」と僕は言った。
「紳士であることだ」
僕は笑いはしなかったけれど危うく椅子から転げ落ちそうになった。「紳士ってあの紳士ですか?」
「そうだよ、あの紳士だよ」と彼は言った。
765 :
:04/02/29 16:07 ID:EqOGLKK8
766 :
:04/03/02 16:10 ID:0ohwUver
マテラッツィは何年かぶりに突然腹が立ち始めた。
767 :
U−23:04/03/02 22:28 ID:QVFGTZRu
_、、-、 ,ィ,.
,-'゙'` ^'ィ
) ζ
} _、-'"~~゙"'ハ. ζ
j ,ノ ,,,,,,,,,,j !,,,,,彳
} /`ミ~(<・>Hく・))
'} ヾ._  ̄ ,_| ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ / | ,-'''ニニ''!| ∠ なぜベストをつくさないのか
_, -‐} ヽ;i! `二´/ |_______
⌒ \. `ー--r'ヽ
ヽ /
768 :
:04/03/02 22:38 ID:dxAdS63+
769 :
J:04/03/04 12:00 ID:sdPB+1xQ
./ 村上春樹 \
/ ヽ 昔、俺が村上龍を友達に
. / 八 \ してやった時、あの時……
. | /V八/| || |ヽ |‐-‐))'´|,|ヽ ヘ
| |`‐- ノ_|/ ヽl |/`‐-/‐'´ | /〃ヘ\ あいつたぶん俺のこと
| |::`‐-、_ `‐-、_ /::/ |/ 「いいやつ」だと思ったと思うんだよ
| |, | ノ `‐-、_||| ||:::/ |
| /⌒l ━┳━━━━━━━━━━━━┓ ククク…
| |:i⌒|::|:::::| :::illlllllllllllllll|━━| ::illllllllll| ああいうバカがいるから
| |:l⌒| |::::: | :::iillllllllllllllll/ :::::: ..\ :::iillllllllllノ 俺は喰いっぱぐれな
| |::「]| |::::: \::iillllllllllllllノ ::::::::::::::; |:iillllllllノ いんだ。
|. \_.l |::::  ̄ ̄ ̄ :::::::::::::::::; | ̄ | 俺が「いいやつ」のわけ
. ./| N:::::::::: __,ノ (::::_::::::::::::; | | ねえじゃねえか……!
./::: | /: :|:::::::::/ ‐┘ヽ |
/ :::::: |. ./:: ::|::::/: (二二二二二二二二) ,| ……ククク…
/:::::::::::::| ./:::: ::|::::: __ | 話にならない甘ったれ…
: : :::::::::::::|.../::: ::\:::: :::::::: |
::::::::::::::::::|\ ::\ l l l l l l l l |:::::::::\ この業界じゃそういうウスノロは
:::::::::::::::::| \ :::::\_______|::::::::::::::::: いのいちに餌食…
::::::::::::::::| \ ::::::::::::/ |:::::::::::::::::::: ブクオフ系小説家への一歩………
770 :
J:04/03/04 12:04 ID:sdPB+1xQ
/ ./ ,イ/ /`メ.`ヽv::\ \\r 、ヽ 売れる・・・・・・・・!
. / // / !' v/ / , :::\ \ 、リ l 絶対に売れる・・・・・
,'/ / .,イ , / l _,/ /!./ / ::::\.ヽ._ノ 絶対に絶対・・・・・・・・絶対・絶対・・・・
. ! / l ,イ ./、.U \/ l∠.=;-‐ v u:::::\'、 絶対に日本一売れてやるっ・・・!俺はこの業界のトップに再び躍り出るっ!
|/ |/ W `''‐、,, '~U~ 〜′ :::::::|ヽ. ト.
/ u ノ> uj ::::| ヽ | i 「綿矢りさと金原ひとみを芥川作家にすることで・・・何かが変わった・・・
. / v ‐, j /'´ :::|; !. |. ! 気が付けばにバッシングに対する震えも止まっている
/ イ / v u:::|;; ! | ! セールスを得ようとする意思・・
. / , ‐'´ノ _,/ u :::|;; |. |. ! 村上春樹を越すいう使命感が旧読者さえ
ー''´  ̄ \_/`! u v::|;;; | | | ねじ伏せた・・・・!」
村上龍
771 :
:04/03/04 12:35 ID:XfkBUDDF
772 :
.:04/03/06 23:51 ID:QacBUrrK
( ´,_ゝ`)プッ
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
780 :
:04/03/12 13:08 ID:jK5m7s3n
「近寄っちゃだめよ」と彼女は言って、僕の腕をそっと取った。
「表情だけ見ると穏やかそうだけれど、下の方ではすごい渦をまいているのよ。
一度罹ったら最後、二度と浮かびあがれないわよ」
「どれくらい下しているのかな?」
「想像もつかないくらいよ。渦が錐のようになってお腹をえぐりつづけているの。
だからどんどん体力を消耗するの。言い伝えでは昔の代表戦では当たり前の事だったそうだけど・・・」
「中東の水が合わなかったのかい?」
781 :
:04/03/13 11:45 ID:yrKxSQ2X
おい、ここは僕の場所でもない、と。
782 :
:04/03/15 20:03 ID:1IOIGNS5
やれやれ
783 :
:04/03/17 07:33 ID:eT57/8V0
あるいはそうかもしれない
784 :
っf:04/03/17 08:07 ID:DmCY+sxl
かっこう。
785 :
:04/03/20 19:52 ID:XfFtYCi6
トレンディーじゃないんだ
786 :
僕50億7番:04/03/21 15:21 ID:XRVAJJpB
しかし、日本のサッカーの解説者って、盛り下げるのはうまいなぁ。
試合中は、盛り上げろと言いたいが。日本のサッカーの解説者って全滅だなぁ。
村上春樹的なタッチが欲しいなぁ。
メキシコイレブンが全員で勝ち取った魂のPK。
君には天使が舞い降りて来たのが見えなかったのか?
787 :
:04/03/27 05:20 ID:/f79k3GN
オーケィ、君らの悩みはオシムを監督にすれば全て解決する。
す・べ・てだ。
全てが解決する
いいね、それはボールが転がるときにゴールから離れていくのと同じくらい確かなことだ。
788 :
:04/03/28 09:24 ID:1l1Dpvk1
やれやれ
789 :
_:04/04/02 19:47 ID:s3iPUYx3
こんちは
いちばんヤバイのが協会長の話、その次にヤバイのがテレビのキャッチ・フレーズである。
このふたつはまず信用しない方がいい。
僕もそういうのにはずいぶんだまされてきた。
ジーコについても同じだ。強いサッカーとは何かなんてことを考える前に
まず良いサッカーをすること。それが全てである。
791 :
_:04/04/14 15:16 ID:I3E5I/uj
mL( ^∇^ )グッチャー!
792 :
:04/04/15 03:37 ID:5fC/jtHN
ho
793 :
:04/04/21 18:34 ID:aDpuu4zG
「やれやれ」と私は言った。
「本当に何も打つ手はないのですか?あなたの考えでは今の状況はどのあたりまで改善しているのですか?」
「インテルのチームとしての状況のことですかな?」と会長は言った。
「もちろんです」と私は言った。
「私の試算によれば、インテルのチーム状況は既に、だいたい三ヶ月ほど前に、改善しておるでしょう。
この"改善"というのはもちろん人事上のことであって実際にチーム力が改善されておるというわけではなく、
つまり――」
「ファッケッティが就任して、モラッティが退いたわけですね?」
「そういうことです。だからさっきも申し上げたように、インテルの中で既に情報管理が始まっておるのです。
要するに体質が改善されはじめておるのですな。比喩を使わせていただけるならば、
インテルの体質の変化にあわせて、チームの成績の評価を決める基準が変化しているのです」
「ということは」と私は言った。
「ザッケローニ体制の評価もきちんとは機能していないということなのですか?
つまりクーペル下の時から成績が改善されてないということでしょう?」
「そうなりますな。簡単に言えばデジャ・ヴュのようなものです。そういうのがしばらくつづくでしょう。」
794 :
:04/04/21 21:14 ID:ZyVs69KB
久しぶりに上手いのを見たな。
それにしても、このスレチェックしてる奴は後何人ぐらいなのかな。
全然スレ違いだが、春樹のトリビュート作品である「図書館の水脈」を読んだ。
まぁどうだっていいな。
やれやれ。
795 :
:04/04/21 22:12 ID:bbb8XaJu
ピース
796 :
笠原メイ:04/04/22 00:46 ID:Q/ljZnCJ
この前は私がはるか遠くの、海沿いのサッカーチームで、
たくさんの地元の選手たちといっしょにプレーすることになったというところまで話しましたね。
今回はその続き。
ところで私は最近になってフツフツと思うのだけれど、
大人が毎日朝から晩までサッカーするというのはちょっと変なものですね。そう思ったことない?
どう言えばいいのかな、私がここでやっている仕事なんて、
ここをこうやりなさいと監督のひとに言われたことを言われたとおりにやっているだけです。
戦術はなんにも考える必要がないわけ。脳みそなんてキックオフ前にロッカールームに置いてきて、
帰りにまたひょいと持ってかえればいいくらいのものです。
一日に七時間くらい練習場に向かってせっせと指示された練習をこなして、
そのあとは食堂でごはんを食べて、お風呂に入って、それからもちろん人並みに眠らなきゃいけないし、
一日二十四時間のうち自分の自由になる時間はほんのちょびっとしかありません。
その「自由な時間」だってけっこう疲れてるから、寝転んでただボオっとしてることが多いし、
落ちついてものを考えることってないも同然なのね。
797 :
笠原メイ:04/04/22 00:50 ID:Q/ljZnCJ
もちろん週末は練習からは開放されるけど、それだってウォームアップやらストレッチやらをやったり、
ときどきベンチに座ってたりしているとあっというまに終わってしまう。
いちど決心して言葉を覚えようとしたんだけれど、
話すことがまるでなくてけっきょくピッチ上での会話だけでやめちゃいました。
だってくる日もくる日も選手はサラリーのことについて話しているだけなんだものね。
でもそれにもかかわらず、それにもかかわらずです、自分がこんな風に歯車の一部になってることにたいして、
私は「ぜんぜん」悪い気持ちを持っていません。イワ感みたいなものもべつに感じない。
というよりむしろ、私はそうやってアリさん的にわきめもふらず働くことによって、
だんだん「EURO」に近づいているような気さえしちゃうのです。
なんていうのかな、うまく説明できないけれど、
復帰について考えないことでぎゃくに欧州の舞台に近づいていくというみたいなところがあるのね。
私が「ちょっと変」だというのはそういうことです。
私はここで一生ケンメイに働いています。じまんするわけじゃないけれど、
欧州CL最多スコアラーとして貢献しているくらいです。言ったでしょう、
見かけによらずゴールへの嗅覚は優れているんだって。
私たちは守備をベースにサッカーをするんだけど、私がでた試合は成績がわりによくなるの。
私はセットプレイになるとヘディングでゴールを決めたりするから。
それで私はみんなのあいだでもけっこう評判がいいのよ。そういうのって信じられないと思わない?
この私の評判がいいなんてね。まあそれはいいや。私がバルダーノさんに言いたいのは、
私はこのチームに来てからアリさんのように、村のカジヤのように、
こつこつと働きましたっていうことです。そこまではだいたいわかった?
798 :
:04/04/22 12:48 ID:oSMz+7pN
うまいなあ
799 :
:04/04/23 22:25 ID:lKFYK58q
職人の方、ネタ投下乙です。
自分は作れないけどいつも楽しませてもらってます。
>>796-797ってモリエンテスだよね。
800 :
:04/04/24 11:50 ID:WWhMXyS4
「ダービッツじゃなくてスタムです」とオーナーが訂正した。
「なんだっていいです。MFでもDFでも、そんなものはいらないんです」と私は言った。
「少し怒っていいですか?あまりないことなんですが、だんだん怒りたくなってきた」
「まあこの際だ、仕方ないでしょう」と老人は耳たぶを掻きながら言った。
「だいたいことことの責任は100パーセントあなたにあります。選手には何の責任もない。
あなたが始めて、あなたが拡げて、あなたが選手を巻き込んだんだ。
みんなのチームに勝手に選手を組みこみ、石油のお金を使ってスターを移籍させ、『十番』を干させ、
マスコミに追い回させ、わけのわからない選手をつれこみ、そして僕らのチームを終わらせようとしている。
こんなひどい話は聞いたことない。そう思いませんか?とにかくもとに戻してください」
「ふうむ」と老人はうなった。
「この人の言うとおりよ、おとうさま」とオーナーの娘が口をはさんだ。
「おとうさまはときどきインテルのことに夢中になりすぎてしまって、それでチームに迷惑をかけちゃうことになるのよ。
あのロナウドの獲得のときだってそうだったでしょ?なんとかしてあげなくっちゃ」
「私は良かれと思ってやったんだが、いかんせん状況が悪い方へ悪い方へと流れてしまったです」と老人はすまなそうに言った。
「そして私の手ではどうにもできんところに来ちまったです。幹部にもどうにもできんし、監督にもどうにもできん。
車輪はどんどん回転を速めており、誰にもそれを停めることはできんのです」
「やれやれ」と私は言った。
801 :
:04/04/24 13:55 ID:+1yyRx8M
∩___∩
| ノ ヽ
/ ● ● | クマ──!!
| ( _●_) ミ
彡、 |∪| 、`\
/ __ ヽノ /´> )
(___) / (_/
| /
| /\ \
| / ) )
∪ ( \
\_)
ジョン・アーヴィング著、村上春樹訳
「熊を放つ」
802 :
:04/04/24 20:13 ID:/+2WXSbW
ピース
803 :
_:04/04/25 18:18 ID:/XshBf/v
>>794 同意。最近なんでもジーコに結び付けようとするだけで
面白くもなんともない書き込みが多すぎるんだよなぁ
804 :
:04/04/25 19:49 ID:lHTQBFnh
ここは海外サッカー板だからな。
代表なら代表板でやって欲しいと思うけど、そっちにはそんなスレはない。
そういう意味では仕方ないと思うんだけどね。せめてもう少し考えろよと。
カイジの海外サッカーネタスレはまた別っぽ。
あそこには「お約束」の美学があるw
職人を増やすにはageるしかないんでしょうか。
それはそれでまったりとしたここの雰囲気が壊れるんだよなあ…。
805 :
ろなうど:04/04/26 19:51 ID:jyt9GQkl
「でいびっど」は僕よりいくつか年上の可愛い男の子だ。イングランド代表のキャプテンだ。イベリア半島広しといえど、イングランド代表の選手なんて「でいびっど」の他にはいない。
僕は「でいびっど」のことがとても好きだ。「でいびっど」も僕のことが好きなんじゃないかと思う。でもはっきりしたことはわからない。他人が何を考えているかなんて僕にはまるでわからないのだ。
「わーるどかっぷとくてんおうってもうかるの?」と「でいびっど」は僕にたずねる。
「もうかんないよ」と僕は答える。「だってもうかったって、フットボールがうまくなるわけじゃないじゃないか」
「あなたってほんと変な人ね」と「でいびっど」は言う。
806 :
ビエリ:04/04/26 22:51 ID:3ysyK9XK
「そうすると僕はもうお手上げということになりますね。サポーター達からもフロントからも追われ、
このままじっとしていれば僕という今の存在は消滅してしまう」
「いや、あんたの存在は終らんです。ただ別のリーグに入り込んでしまうだけですよ」
「同じようなものですよ」と私は言った。「いいですか、僕という人間が老眼鏡で見なきゃよくわから
ないような顔であることは自分でも承知しています。昔からそうでした。アトレチコでの集合写真を
見ても自分の顔を見つけるのに写真を遠ざけて見なければならないくらいなんです。恋人にもふられ
ましたから今僕が消滅したって誰も困りません。友だちもいないから、僕がいなくなっても誰も悲しま
ないでしょう。それはよくわかります。でも、変な話かもしれないけれど、僕はこのチームにそれなり
に満足してもいたんです。どうしてかはわからない。あるいはエムレがマイケル・ペイリン、僕が
ジョン・クリーズに扮してモンティ・パイソンごっこみたいなことをやりながら楽しく生きてきたのか
もしれない。それはわかりません。でもとにかく僕はこのチームにいた方が落ちつくんです。僕は
カルチョに存在する数多くのものを嫌い、そちらの方でも僕を嫌ってるみたいだけど、中には気に入っ
てるものもあるし、気に入ってるものはとても気に入ってるんです。向うが僕のことを気に入ってるか
どうかには関係なくです。僕はそういう風にして生きているんです。どこにも行きたくない。新戦力も
いりません。物を投げられるのはつらいこともあるけれど、僕だけが物を投げられるわけじゃない。み
んな同じように物を投げられるんです。エメルソンもダービッツも欲しくない。」
>>800に続く
807 :
:04/04/27 02:59 ID:wgmc+hHk
808 :
.:04/04/29 02:27 ID:1G0cM2Cb
レアルマドリード。
そしてある日、ベルナベウのピッチの中でこのレアルというチームさえもが突然そのリアリティを失いはじめる。.....そう、ここは僕の場所でもない。
選手はいつか売り払われ、ドリームチームは姿を変えるだろう。あの永遠に続くようにも思えた華麗なジダンのプレイもいつかは伝説になってしまうように。何もかもが亡び、姿を消したあとに残るものは、おそらく無数の札束と無数のシャツだろう。
それでも僕はかつての忠実なサイドアタッカーとしてのささやかな誇りをトランクの底につめ、港の石段に腰をおろし、空白の水平線上にいつか姿を現すかもしれないドイツ行きのスロウボートを待とう。そして決勝の光り輝く舞台を想い、ジュ−ルリメ杯にキスをしよう。
妻よ、
妻よ、中国はあまりにも遠い。
809 :
:04/04/29 13:39 ID:AB0osDjj
無数の負債の方が良かった。
810 :
.:04/04/29 20:19 ID:QFr1lJWb
なぜ、774から779があぼーんされているのだろう?
811 :
:04/05/03 22:39 ID:CMzQ/YhT
試合が終わったあとも、サポーターの歌声はいつまでも僕の頭上にあった。
ロビーがボールを持つごとに、歓声が上がったり静まったりした。
僕はその姿を眺め、ロビーが見えなくなると、ピッチを走っているいくつかの選手のプレーを眺めた。
一人でインテルを去ってプロビンチャのブレシアへ移籍していく、
青と黄色と赤のキャプテンマークをしたロベルト・バッジョの姿を思い浮かべ、
そして今週末の優勝争いに備えて眠っているファンタジスタたちの姿を思い浮かべた。
それから僕は、これから自分が戦っていく大会のことを考えた。
「さよなら、ロベルト・バッジョ」と僕は言った。さよなら、ロベルト・バッジョ、
僕は君が何かにしっかりと守られることを祈っている。
僕は目を閉じて泣こうとした。
でも本当に泣くことができたのはずっとあとになってからだった。
どこからも誰からも遠い場所で、僕は静かにロビーのために涙を流した。
彼はちょっとだけ首をかしげた。そしてスパイクの裏でボールを転がした。
「なかなかうまくいかないものね」
「なかなかうまくいかない」と僕は言った。
「私たちはもっと長い間プレイすることだってできたのにね。
本当のことを言うと、私は磐田に行っても、アルゼンチンに行っても、ハンブルグに行っても、本当のコンビというものが一回もできなかったの。
どこにいてもいつも一人だった。だから私はいつもそばにあなたがいてくれたらどんなにいいだろうって思っていたの。手紙をやりとりするだけでも良かったのよ。そうすればいろんなことが変わっていたと思う」、タカは少し間を置いて黙っていた。
「どうしてかはわからないけれど、でもアルゼンチンに行った頃から私はどうしても海外でうまくやっていくことができなくなったの。そしてうまくいかないから、私も余計にインタヴュアーにベラベラ喋るようになったの。悪循環というやつね」
813 :
.:04/05/05 02:55 ID:b3/kMJD0
僕は「もーろ」のことがとても好きだ。だから一緒にロンドンに行ってもいいと思う。
でも今のところ僕はまだレアルマドリーのキャプテンで、サンチアゴベルナベウのピッチで、太ったブラジル人のフォローをし続けている。
814 :
Hello, there:04/05/10 19:35 ID:SWM0N6ja
.....おい、栓抜きが無いじゃないか。
815 :
:04/05/14 23:26 ID:uwOqv8YA
>>811 泣かすなよ・・・。
失われるものに対する春樹のまなざしはやっぱいいねえ。
「来シーズンの給料もちゃんともらってる。だから二人でたっぷり楽しもうよ。スペインはすごくいいよ」
サムエルは脚を上げてナイキのスパイク・シューズを脱ぎ、ピッチにころんとセクシーに転がした。
「ねえ、わるいけどそれは出来ない」と僕は言った。
「どうしてよ、あなたベルカンプなの?」
「いや、そうじゃない。そうじゃなくて、その金を払った紳士と僕の間に考え方の違いがあるんだ。
だから君と移籍するわけにはいかない。筋の問題なんだ」
「でもお金はもう払ってあるし、払い戻しはきかないよ。それにあなたが私とプレーしようがしまいが、
そんなことローマには関係ないよ。私が国際電話でセンシ会長に報告するわけじゃないもの。
『イエッサー、ちゃんと未払いの給料を受け取りました』なんてね。
だからさ、行っても行かなくても同じことなんだよ、それ。ローマに居場所はないのだよ」
僕はため息をついた。そしてジン・トニックを飲んだ。
「やろうよ」とサムエルは単純に言った。
「気持ちいいよ、銀河系」
僕にはよくわからなかった。
>816
「どうしてよ、あなたベルカンプなの?」
これ最高。
でもこんな口調のサムエル嫌w
818 :
816:04/05/24 21:32 ID:X16qfuBw
よくよく見ると口調がしっかり直せてないなw
まあなんだっていいな。やれやれ。
819 :
:04/05/25 18:32 ID:c4qOnFYT
完璧な監督は存在しない
完璧なサポーターが存在しないようにね
「かなり遠くですか?」僕は尋ねてみた。
「かなり遠くです。」と彼は言って、二本目の煙草を探った。
僕は窓の外を過ぎていくサクラダ・ファミリアの風景をしばらく目で追った。
「探すのには苦労しました。」と彼は言った。
「始めはマニアのリストを片端から当たってみたんです。二十人ばかり、バルセロナだけではなく
全国を当たってみました。でも収穫はゼロです。我々が知っていた以上の事実は知りませんでした。
次に移籍の選手を扱っている業者に当たりました。たいした数じゃありません。
ただね、取引した選手のリストを調べさせるのに苦労しましたよ、厖大な数ですからね。」
僕は肯いて、彼が煙草に火を点けるのを眺めた。
「しかし時期がわかっていたのは助かりました。2000年12月ごろ、というわけですからね。
調べてもらいましたよ。アキノリ&ニシザワ、エスパニョール、ユニフォーム・ナンバー19、ありましたね。
2001年6月30日、退団処分。」
「退団処分?」
「戦力外です。『リュストゥ・レチベル』にあったようなやつですよ。
フェネルバフチェからバルセロナに移籍させて潰したり、トルコに送り返したりする。」
三十五歳を過ぎたころに僕はふとこう思った。
僕はあるいはもうまともな人間になることはできないかもしれないと。僕はいくつかの過ちを犯した。それは過ちというよりは、むしろ僕自身の持つ本来的な傾向のようなものであったかもしれない。そう思うと、僕はひどく暗い気持ちになった。
ピース
824 :
:04/05/31 21:12 ID:PAi4BySP
ピース
825 :
:04/06/03 23:30 ID:QvR7gmSR
やれやれ
826 :
:04/06/04 19:50 ID:nR28N24P
こいつはエロゲー小説家
828 :
名無しさん:04/06/05 01:26 ID:NPjBPx4T
僕がジェイズ・バーに入った時、鼠こと久保がカウンターに肘をついて芋焼酎を飲みながら、電話帳ほどもあるヘンリー・ジェームスのおそろしく長い小説を読んでいた。
「そんなことは信じられないな。」長い沈黙のあと彼は言った。
「僕はどうしても解らないんだ。教えてくれ
久保がヘンリー・ジェームスを読むのかい、それともヘンリー・ジェームスが久保に読まれるのかい?」
「ゴールを奪えないといっただろう?」、ライカールトは私にそういいました。
そしてポケットからキャメルの箱を取り出して一本を口にくわえ、火をつけました。
「君のシュートがまずかったわけではない。ただ単に君はゴールを奪うことは出来ないんだ。
君にはそんな資格はないんだ。だからこそ君はチャンスを逃したんだ。気の毒だが君は私の呪いを抱えて移籍することになる。
いいかい、君はどこにいても幸せにはなれない。君はこの先ファンを愛することもなく、ファンに愛されることもない。それが私の呪いだ。
さよならクライフェルト、一週間後に君はここを出てミドルズブラに向かう。グラシアス。もう二度と君と会うこともないだろうな」
しかし、翌年の五月に我々はUEFACUPのセミファイナルで再び顔を合わすことになるのです。
やれやれ
832 :
.:04/06/12 15:06 ID:P/vKMPbF
リスボンに着くまで僕はアントニオと来季の話をしていた。プランデッリがどんな戦術なのか、どんな選手がくるのか、MAZDAはカッコ悪いとか。
リスボンに着くと、僕はそのままマドリード行きの飛行機に乗り換えた。そして来季はいったいどうなるんだろうと思った。
僕はシートを倒し、目を閉じた。僕の体はどここかから間に合わせに借りてきた一時的な入れ物みたいに感じられた。
俺は来季はどこをやるんだろう、と僕は思った。僕はできることならローマに残りたかった。いろんなものが消え失せてしまう前に。何もかもが損なわれて駄目になってしまう前に。
833 :
名無しさん:04/06/17 12:10 ID:OcDMf2uF
あるいはそうかもしれない
834 :
笠原メイ:04/06/19 01:56 ID:epVczV8i
「トッティさん、あなたはいったい何回出場停止になっているのかしら。怪我は別にして」
「説明するととても長い話になる」と僕は言った。
「なにしろ大きいタイトルには無縁だし、昨シーズンはもう少しでバロンドールも獲れそうだったんだ。
でもともかく、君は昨日の僕の試合を見たんだね」
「そしてあなたが試合で選手に唾を吐いているところを見たのよ」
「あれは本当に何でもないんだ。なんて言えばいいのかな、ちょっとした儀式のようなものなんだ」
「私に言い訳なんかしなくてもいいのよ、トッティさん」、イラリーは素っ気無く言った。
「私はUEFAの審判員なんかじゃないんだから。でもこう言っちゃなんだけど、あなたには何か問題あるわよ」
「そうかもしれない」と僕は言った。
「あなたが今どんな目にあってるにせよ――きっとひどい目にあってるんはずだと思うけど――
それはたぶんあなた自身が招いたものだという気がするな。あなたと、あなたのサッカーには何か根本的な問題があって、
それが磁石みたいにいろんな問題を引き寄せるのよ。
だから少しでも気のきいた選定員なら、あなたをさっさとバロンドールの候補から外すと思うわ」
835 :
:04/06/19 22:35 ID:Hli3nPpm
やれやれ
837 :
.:04/06/20 00:48 ID:iaI1eyHq
「一般的に言えば、チームとしてよくまとまっているのは、たぶんギリシャとイングランドだろう。
でも僕は正直なところ彼らのサッカーを、個人的にはあまり愛好しない。
というか、それほど心を引かれないんだ。ポルトガルというチームは、僕に言わせれば、ものごとのありかたに挑んで破れるためのチームなんだ。それがロマンチシズムの本質であり、ルイコスタのプレイはそういう意味においてロマンチシズムの精華なんだ」
やれやれ
ここ住人はどこへ行っちまったんだい?
俺なんかが意見をいえる立場じゃないんだけどさ、
なんか原文を変えすぎじゃないですかね。
原文を残しつつ部分的に変えて、原文との兼ね合いで面白いというか…。
そいうの考えてみて。
まあそのリクエストを忠実に再現しようとすると、
今より確実に作品の数は減るだろうね。あるいは数は出たとしても今よりさらに質が下がるか。
第一義は「村上春樹的であること」だと思うけど・・・
まあ、やろうとしてもいない奴が言っても仕方がないね。やれやれ。
>839
変え過ぎですか?
ほとんどそのままじゃないですか?
名前以外全然変えないでとかそういうことか?
難しいだろうけどがんかれ>839
やれやれ
844 :
名無しさん:04/06/29 00:20 ID:llvukVgY
金持ちクラブなんて・みんな・糞くらえさ
ユーロ2004も同じだ。
どこかでジダンやネドベドを目にするたびに、ヨーロッパの小さなクラブで育ったいろんな選手のことを思い出す。
そこにあった親密な空気と、人々の顔が頭の中によみがえってくる。
そしてテレビの画面の中で、フットボールは静かに微笑みはじめる。
サッカーというのはいいものだなと、そういうときにあらためて思う。
人の心の中にしか残らないもの、だからこそ何よりも貴重なものを、ボールは僕らに与えてくれる。
そのときには気づかなくても、あとでそれと知ることになるものを。
もしそうでなかったら、誰がサッカーなんて見るだろう。
もし僕らのことばがサッカーであったなら、もちろん、これほど苦労することもなかったはずだ。
僕は黙ってボールを蹴り出し、あなたはそれを受け取って静かにゴールに送り込む、それだけですんだはずだ。
とてもシンプルで、とても親密で、とても正確だ。
しかし残念ながら、僕らはサッカーがサッカーであり、サッカーでしかない世界に住んでいる。
僕らはすべてのものごとを、何かべつの素面のものに置き換えて語り、その限定性の中で生きていくしかない。
でも例外的に、ほんのわずかな幸福な瞬間に、僕らのことばはほんとうにサッカーになることがある。
そして僕らは −少なくとも僕はということだけれど− いつもそのような瞬間を夢見て生きているのだ。
もし僕らのことばがサッカーであったなら、と。
>>845-846の出来はともかくとして、
コパ・ブラジルだろうとガルフカップだろうと、
野球、ビリヤード、競馬だろうと、薔薇と牡丹だろうと、
名詞をササッと入れ替えてしまうだけで
それなりの形になってしまいそうな、
この文章はスゴイと思う。
849 :
名無しさん:04/07/04 15:59 ID:moqJXaXp
エリクソン「なあ、ベッカム 一つだけ忠告していいか
自分に同情するな
自分に同情するのは下劣な人間のすることだ
「それで、もうひとつの質問というのはうちの選手たちのことだろう?」
「そうだよ」
フェリペは長いあいだ黙っていた。手がこすりあわされ、それからため息が聞えた。
「彼らのことについてはできれば話したくなかったんだ。レーハーゲルは計算外のファクターだったからね」
「計算外?」
「うん。ポルトガルとしてはこれは強国だけのダンスパーティーのつもりだったんだ。そこにギリシャが入り込んできた。
レアルはベッカムを取るべきじゃなかったんだ。
君も知っているようにフィーゴは素晴しい能力を持っている。いろんなものを引き寄せる能力さ。
でも全ての試合には出すべきじゃなかった。この時期の試合は彼らの体力を遥かに超えたものなんだ」
「ルイ・コスタはどうだったんだ?」
「ルイ・コスタは大丈夫だよ。元気だよ。」とフェリペは言った。
「ただルイ・コスタはもう君をひきつけることはないだろうね。可哀そうだとは思うけれどね」
「何故?」
「消えたんだよ。ルイ・コスタの中で何かが消えてしまったんだ」
僕は黙り込んだ。
「君の気持はわかるよ」とフェリペは続けた。
「でもそれは遅かれ早かれいつかは消えるはずのものだったんだ。
プラティニやジーコや、それからいろんな選手たちの中で何かが消えていったようにね」
僕は肯いた。
「あんたがはじめて酔払った時のことをまだ覚えてるよ。あれは何年前だっけね?」
「十三年前」
「もうそんなになるんだね」
廃れてるに一票
廃れてるに二票、動議採択
854 :
:04/07/09 17:08 ID:qjH1G5Sy
やれやれ、、、
855 :
トッティ:04/07/09 18:58 ID:Zg7AwV5x
やがて時計の針は45分を指し、夏の昼の光がフィールドに差し込んで、芝にほんの少しだけ歪んだ四角い図形を描いた。カッサーノ君はぐったりと倒れていた。僕は静かに彼の髪を上げて耳を出し、そこにそっと唇をあてた。
女にあぶれたらしいフランス人の水兵の一人がビールのグラスを手にしたまま
僕の後ろに来て、何を見ているのか、とフランス語で訊ねた。
「サッカー」と僕は英語で答えた。
「フットボール?」
僕は簡単に状況を説明してやった。
あの男がピッチに乱入する。バルサの旗をフィーゴに投げつける、
警備員を振り切ってゴールにダイビングする。
水兵はしばらくリプレイをじっとテレビで見ていたが、
試合が再会されると、何故試合にジネディーヌ・ジダンが出てないのか、と僕に訊ねた。
「トーナメント1回戦で負けたからさ。」と僕は言った。
「じゃぁフランス人の選手では誰が人気がある?」
「ベンゲル。」
「そりゃ監督だ。」
「ティエリー・アンリ」
「糞だ(メルドー)。」
水兵はそう言うとテーブルに戻った。
試合が終わったあとも、サポーターの拍手はいつまでも僕の頭上にあった。
ルイがボールを持つごとに、歓声が上がったり静まったりした。
僕はその姿を眺め、ルイが見えなくなると、ピッチを走っているギリシャの選手達を眺めた。
一人で代表を去っていく、赤と緑のユニフォームを着たルイ・コスタの姿を思い浮かべ、
そして次のW杯に備えて眠っているファンタジスタたちの姿を思い浮かべた。
それから僕は、これから自分が戦っていくW杯のことを考えた。
「さよなら、ルイ・コスタ」と僕は言った。さよなら、ルイ・コスタ、
僕は君が何かにしっかりと守られることを祈っている。
僕は目を閉じて泣こうとした。
でも本当に泣くことができたのはずっとあとになってからだった。
どこからも誰からも遠い場所で、僕は静かにルイのために涙を流した。
少なくとも僕は生き残った。良いフットボールが死んだ強豪国だけだとしても、
ギリシャはやはり生き延びねばならなかった。
何のために?
フットボールの世界に警告を鳴らすために?
まさか。
860 :
:04/07/15 22:16 ID:LtZQWIZD
彼は青のユニフォームと白いパンツをはき、髪を汗でベタつかせ
汚い捨て犬のような顔をしていた。
二時間弱の間に3歳くらいは老けこんでいた。
髪型と、泥色スライムのような肌の質感のせいかもしれない。
「ひどい試合だったわ」
ピッチに座りこむなりカッサーノはそう言って、神経質そうにパンツの裾を
股にのめり込ませた。
「気が済んだ?」
「少しね」
僕はベンチから、試合開始以来置きっ放しになっていたタオルを取って彼に渡した。
彼はそれで汚い顔の汗を拭き、潰れたニキビの肉汁を何度か拭ってから僕に返した。
「シュートが入った時は決勝トーナメントに出れると思ったの。まるで『セブン』のラストだわ」
「でもおかげで衝撃的なシーンが見れたよ」
「そうね」
彼は肯いてから指をピッチに埋め、芝生の感触を確かめた。
僕と彼の間には、この前に会った時とは違った何かしらちぐはぐな空気があった。
「ニキビを気にしてるの?」
「美容整形なんてしないの。あなたには嘘をついていたのよ」
「何故嘘なんてついた?」
「後で話すわ」
よくわからないな
俺も書いてる途中でわけがわからなくなったが
30分も費やしたんで消すのがもったいなくなったんだ
すまない
864 :
かえるくん:04/07/16 16:13 ID:MDhkf/50
「ダーヴィッツさん」と新監督はじっとダーヴィッツのゴーグルをのぞきこんで
言った。
「ぼくはつねづねあなたという人間に敬服してきました。
この数年のあいだあなたは人がやりたがらない地味で危険な仕事を引き受け、
黙々とこなしてきました。それがどれくらい大変なことだったか、ぼくはよく
知っています。残念ながらミランやユーヴェが、あなたのそんな仕事ぶりを
正当に評価してきたとは思えません。コスタクルタにはきっと目がついていない
のでしょう。しかし嫌われても、無視されても、あなたは愚痴ひとつ言うでもない。
イタリアのことだけではありません。リーガに移ったあと、あなたはまだフィット
していなかったロナウジーニョとサビオラを男手ひとつでバックアップし、
相手を潰し、最終ラインのケアまでした。
そのために自分の時間と体力を大幅に犠牲にしなくてはならなかったし、
あなた自身は昇給することもできなかった。なのにラポルタとライカールトは、
あなたの世話になったことなんてちっとも感謝していません。ひとっきれも感謝して
いません。というか逆に、オランダ人選手を軽んじて、放出ばかりしています。
ぼくに言わせればとんでもないことです。あなたのかわりにぶん殴ってやりたい
くらいです。でもあなたは別に腹を立てるでもない。
正直に申し上げまして、あなたはあまり風采があがりません。女性に人気がない。
だからまわりから軽く見られてしまうところもあります。でもぼくにはよくわかります。
あなたは筋道のとおった、勇気のある方です。欧州広しといえども、ともに闘う相手と
して、あなたくらい信用できる人はいません」
「マンチーニ監督」とダーヴィッツは言った。
>864
おお、ボラーヴォ!
久しぶりにいいのみた
素晴らしい。
そして一人ぼろぼろになって死んじゃうマンチーニ・・・。泣ける。
>864を抱きしめたい
僕はこれまでのサッカー人生で、いつもなんとか別の人間になろうとしていたような気がする。
僕はいつも新しい服を着て、新しいクラブに行って、そこで新しいプレースタイルを身につけようとしていたように思う。
僕は今までに何度もそれを繰り返してきた。
それはある意味では成長だったし、ある意味ではナラハシのオーバーラップのようなものだった。
でもいずれにせよ、僕は違う人間になることによって、それまでの自分が抱えていた何もかもから開放されたいと思っていたんだ。
僕は本当に、真剣に、それを求めていたし、努力さえすればそれはいつかは可能になるはずだと信じていた。
でも結局のところ、僕はどこにも辿り着けなかったんだと思う。
僕はどこまでいっても僕でしかなかった。
僕の抱えていた欠落は、どこまでいってもあいかわらず同じ欠落でしかなかった。
どれだけまわりの風景が変化しても、監督の語りかける声の響きがどれだけ変化しても、僕はひとりの不完全なB級ファンタジスタでしかなかった。
「ボローニャの南、ペルージャの西」より抜粋
自分の中にこれから先ずっと日本のサッカーを守っていくだけの力があるのかどうか、僕にはまだわからなかった。
マスコミはもう僕を助けてはくれなかった。
それはもう僕の為に夢を紡ぎだしてはくれなかった。
不要論はどこまでいっても不要論のままだった。
僕はその不要論の中に長い間身を浸していた。
その不要論に自分の意識を馴染ませようとした。
これが結局僕の辿り着いた場所なのだ、と思った。
僕はそれに馴れなければならないのだ。
おそらく今度は、僕が茸のためにベンチに座らなくてはならないのだろう。
それが僕に求められていることなのだ。
今の僕という存在に何らかの意味を見い出そうとするなら、僕は力の及ぶかぎりその作業を続けていかなければならないだろう、多分。
「鱸の右隣り、ヘナギの左隣り」より抜粋。
870 :
ねじまき鳥:04/07/22 18:58 ID:6naPiIvU
パボンがそのチームの中で屈折した複雑な選手時代を送ったとすれば、
ラウルは別の意味で不自然に歪んだ現役時代を送った。
彼のソシオはその生え抜きを溺愛したが、ただ愛するというだけでなく、
同時にきわめて多くのタイトルを彼に要求した。
会長はプロサッカーという世界の中でまっとうな収益をあげるためには
少しでも有名な選手を獲って、ひとつでも多くのビッグクラブを
押しのけていくしかないという信念の持ち主だった。
本当に真剣にそう信じていたのだ。
モナコに貸し出される頃に、僕は会長の口から直接その話を聞いたことがある。
私のクラブはそもそも平等なんかに作られてはいない、とペレスは言った。
人間が平等であるというのは、学校で建前として教えられるだけのことであって、
そんなものはただの寝言だ。
プロサッカーの世界は構造的には機会均等ではあるけれど、同時にそれは
熾烈な弱肉強食の階級社会であり、レプリカが飛ぶように売れるエリートでなければ、
エル・ブランコを着ている意味などほとんど何もない。
ただただベンチでゆっくりと干上がっていくだけだ。
スタープレーヤーは一段でも上のクラブに移ろうとする。それはきわめて健全な
欲望なのだ。選手がもしその欲望をなくしてしまったら、プロサッカーは
滅びるしかないだろう。
僕は会長のそのような意見に対してとくに何の感想も言わなかった。
それに彼は僕の意見なり感想なりを求めていたわけでもないのだ。
彼は未来永劫にわたって変わることのない自らの信念を吐露していただけなのだ。
トレンディじゃない
872 :
名無しさん:04/07/30 14:43 ID:dBhX7Jjg
「日本にいったい何があるんだ?」
「テレビに出れて、金がもらえる」とベッカムは言った。
「行くとビクトリアが褒めてくれる」
「ビクトリアと行けばいい」と僕は言った。
「この前行った」と彼はつまらなそうに言った。
僕らは挨拶をして、電話を切った。
ハヴ ア ナイス ゲーム
874 :
名無しさん:04/08/09 01:49 ID:uS/JP149
ハンニチカンジョウ・・・・、
ハンニチカンジョウというのはあの都知事が言ったように
(あるいは産経新聞の言うように)
結局は逆説的な欲望であるのかもしれない。
どこにも出口などないのだ。
それでも中国はかつての虎としてのささやかな誇りをトランクにつめ、
港の石段に腰を下ろし、空白の水平線上にいつか姿を表すかもしれない
天津行きのスロウ・ボードを待とう。
そして北京の街に光り輝く工人体育場を想い、
その緑なすフィールドを想おう。
だからもう何も恐れるまい。
チャン・ヤオクンがキノコのスルーを恐れぬように、
ミヤモトのオシャレヒールを恐れぬように。
もしもそれが本当にかなうものなら・・・。
中国よ、
中国よ、オリンピック開催はあまりに早い。
「そのことでなにかいやな思いはしなかった?」
「日本代表の監督であることで?」
「そう」
ジーコはまた首を振った。「とても半日教育がいきとどいた国だったの、中国は。ビルがあって全体的な雰囲気は進歩的だったけど、日本に対する差別は徹底されていたわ。
試合前に台湾問題について聞かれ、試合中にはスローイングでオフサイドを取られた。
でもまずまずの結果を収めることができたわ。たしかにアウェイだとか両国の歴史も考えれば仕方のないことかもしれないけど、でもそんなこと政治とスポーツを結び付ける理由にはならないでしょ?」
「中国にはニーハオトイレがあるっていう話を聞いたけど本当?」
「わたしもその話を聞いたことはある。でも重慶のトイレはニーハオトイレ以上だったわね」
代表版に春樹スレがないのでこちらに書かせてもらいました。
しかしアテネオリンピックだからって「雨天炎天」をギリシャ本とうたって販売する書店のやりかたには辟易します
来月新作出るね。
職人さん腕の見せ所。
878 :
:04/08/15 13:26 ID:P+zrbsJ3
あるいはそうなるかもしれない
「保守しなければ。」と僕は思った。
それが僕に求められていることなのだ。
やれやれ
881 :
名無しさん:04/08/17 04:09 ID:4dBgwS70
「監督が間違ってたと思う?」昌邦がそう訊ねた。
川渕はビールを一口飲み、ゆっくりと首を振った。
「はっきり言ってねみんな間違ってるのさ。」
「何故そう思うの?」
「うーん。」川渕はそう唸ってから上唇を舌でなめた。答えなど無かった。
「私は喉が嗄れるくらい一生懸命に指示を出したのよ。とても苦しくて
死ぬかと思ったわ。それでね、何度も何度もこんな風に考えたわ。
私が間違っててトルシエが正しいのかもしれないって。私がこんなに苦しんでいるのに
何故曽ヶ端は何もせずにゴールにじっと立っているんだろうってね。」
昌邦はそう言うと軽く笑って、しばらく憂鬱そうに目の縁を押さえた。
川渕はモジモジしながらあてもなくポケットを探った。三年振りに無性に
煙草が吸いたかった。
「高原がエコノミー症候群で死ねばいいと思った?」
「少しね。」
「本当に少し?」
「…忘れたわ。」
二人はしばらく黙った。川渕はまた何かをしゃべらなければならないような気がした。
「ねえ、自分が思ってるほど他人は貴方を意識してない。」
「誰の言葉?」
「イエロ。」
ロベルト・バッジョは肉体的に複雑なトラブルを抱えた人だったし、
そのサッカー人生は決して平坦で幸せなものとは呼べなかった。
ガラスのようなもろい膝を抱え、監督の無理解と行き違いに魂を蝕まれ、
デビューしてから引退するまでのほとんどの時期を通して、安定した
平穏なキャリアとは無縁だった。多くのクラブで、過酷なスケジュールによって故障し、
起用法に愛想をつかせて去っていった。
しかし、生身のロベルト・バッジョがたとえどのような厳しい極北に生を送っていたにせよ、
彼のボールタッチが、その天使の羽のごとき魔術的な優しさを失ったことは、
一度としてなかった。彼がひとたびピッチに立ち、ボールにタッチすると、
そこにはまったくの異次元の世界が生まれた。ちょうど不幸なマイダス王の手が、
それに触れるすべての事物を輝く黄金に変えていったのと同じように。
そう、バッジョのサッカーの中心にあるのは、輝かしい黄金のファンタジアだった。
どのような熱いドリブルをハイスピードで繰り広げているときも、そこにはナチュラルにして
潤沢なアイディアがあった。彼はサッカーボールをあたかも神意を授かった手足のように
自在に操って、鮮やかな至福に満ちたゴールを生んだ。サッカーの歴史の中には星の数ほどの
ファンタジスタがいる。でもロベルト・バッジョほど激しくゴールを挙げ続け、しかも
安易なマンネリズムに堕することのなかった人はいなかった。
884 :
続き:04/08/18 19:43 ID:MjYRsJD/
僕はこれまでいろんなレジスタに夢中になり、いろんなファンタジスタにのめりこんだ。
でも僕にとっては最終的にはホセプ・グァルディオラこそがレジスタ(No.4)であり、
ロベルト・バッジョこそがファンタジスタ(No.10)であった。あらためて考えてみれば、
この二人の間にはいくつかの重要な共通点が見いだせるかもしれない。彼ら二人の作り出したプレイに、
いくつかの欠点を見いだすことはもちろん可能である。僕はその事実を進んで認める。
しかしそのような瑕疵の代償を払わずして、彼らの美しさの永遠の刻印が得られることは、おそらくなかっただろう。
だからこそ僕は、彼らの美しさと同時に、彼らの瑕疵をも留保なく深く愛するのだ。
885 :
:04/08/20 19:51 ID:ivrUvjDB
感動age
期待age
887 :
名無しさん:04/08/30 21:26 ID:F0ojYnMI
ゴロンボー
888 :
名無しさん:04/09/01 02:02 ID:IdKlMuhO
ナカタは頭が悪いのであります
890 :
名無しさん:04/09/05 23:29 ID:Kxeg6fO9
僕はGKについての多くをデヴィッド・ジェイムズに学んだ。殆ど全部、というべきかもしれない。
不幸なことにジェイムズ自身は全ての意味で不毛なGKであった。見ればわかる。
フィードは読み辛く、飛び出しは出鱈目であり、セービングは稚拙だった。しかしそれにもかかわらず、
彼は笑いを武器として闘うことができる数少ない非凡なGKの一人でもあった。
レーマン、ボナーノ、そういった彼の同時代人のGKを伍しても、
ジェイムズのそのお笑い的な姿勢は決して劣るものではないだろう、と僕は思う。
私もこのチームのことを愛してるのよ、ペレス会長。
私は生まれてからエル・ブランコ以外のチームを愛したことなんてないのよ。
私がどれほどこのチームのことを愛しているのか、あなたにはきっとわからないと思う。
私は五歳のときからずっとエル・ブランコのことを愛していたのよ。
他のチームでプレーしていても、いつもエル・ブランコのことを思っていた。
だからこそ私はあなたに会いたくなかったの。
あなたに一度会ってしまうと、もうどうしようもなくなってしまいそうな気がしたの。
でも会わないわけにはいかなかった。
本当にあなたの顔を見たら、それだけですぐに帰ってしまおうと思っていたのよ。
でも実際にあなたの顔を見たら、声をかけないわけにはいかなかったの」、
モリエンテスは僕の首にそっと手をかけたままそう言った。
「私は五歳のときから、もうこのチームでプレーしたいと思っていたのよ。
でもあなたはそんなこと知らなかったでしょう?」
「知らなかった」と僕は言った。
「私は五歳のときからもう、白いユニフォームを着てサンチャゴ・ベルナベウでプレーしたいと思っていたのよ。
あなたはそんなことも知らなかったでしょう?」
893 :
名無しさん:04/09/08 00:36 ID:I9Jw+KIk
これは実話であり、それと同時に寓話である。
そしてまた、我らが1990年代のフォークロア(民間継承)でもある。
僕は1969年に生まれた。1990ー91シーズンに得点王になり、1995年にアーセナルに入った。
そして、ノストラダムスのどたばた騒ぎの中で30歳を向かえた。
だから僕は文字どおり90年代の選手たち(ナインティーズプレイヤーズ)であった。
人生でいちばん油が乗っていて、いちばん頑健で、それ故にいちばん重要な時期に、
1990年代ののっぺりしていて焦燥感に満ちた空気を吸い込んで、
宿命的にアレに嫌悪感を憶えてしまったのだ。
音速のコンコルドから、高原のためのくらだらないエコノミー症候群、
年増のキャビンアテンダントをふんだんにちりばめたファーストクラスまで、
チーム専用のチャーター機もばっちりそろっていた。
1990年代という時代には、なにか僕にアレへの嫌悪感を植えつけるものがあった。
いかにベンゲルたちが「車に乗るより安全」と広く謳っていたとしてもだ。
今、自分の自己分析のためにこうして思い出してもそう思うし、
その時だってそう思っていた。アレには、何か危険なものがあると。
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ベルカンプのフォークロア----飛行機嫌悪史
「私にはジェラードが選んだ人生の方がまともみたいに思えるんだけど」
とマリは意見を述べる。
「そうだよな」と彼は認める。「マドリードまで来て、ベンチを温めて、
豚の控えでいたいとは誰も思わないよな。たしかに。でも彼には、ビッグ
イヤーを少しでも高い確率で取れるチームにいたいという欲求があったし、
それを押さえることができなかったんだよ。そのために支払わなくちゃなら
ないものがどんなに大きかったとしても。」
「見栄っ張り」
「まさに」
>>895 ジェラードじゃなくてオーウェンだね。
アフターダークで乙
>>896 ?
リバポに残ったジェラードがまともで
レアルに行って豚の控えやってるオーウェンが見栄っ張りって
ネタじゃないの?
>>897 そうだよね。
わかるよな、普通。
すいません。
899 :
名無しさん:
実はペーストしてクリックしたんだ