ようやく、しおらしくなってきた韓国サッカー331

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644金 正男通信
韓国青年代表の崔成国が中国青年代表との評価試合で国家代表入りをア
ピールした。前半10分自らがドリブルで切れ込んで得たFKからゴール、
後半にゴールを決め、2得点をマークした。崔成国はゴールとアシスト
を決めた韓日戦から、3試合連続の爆発。青年代表チームの大活躍を引
っ張り「僕なら(自分を)国家代表にする」と韓国人には珍しいビッグ
マウスも飛び出した。

久びさのビックマウスだった。3試合連続の爆発に、リップサービスが
さえわたった。「今後の進路? わかりません、監督と両親に聞かない
と。自分で決められるならイタリアへ行きたいのだけど…」。マラドー
ナの再来と騒がれる逸材。マラドーナの活躍した地、イタリア行きをア
ピールし、報道陣の注目をさそった。

これ以上ない集中力をFKに注いでいた。対戦相手の中国は格上の相手
に対して必死の防戦。全員が自陣に引き、反則すれすれのタックルを繰
り返した。崔成国も何度も倒されたがへこたれない。鋭いドリブルにた
まらずファールした中国DFをあざ笑うFKを見事に決めた。あいまい
な判定にもくさらず、FKからの得点に満足げに胸を張った。

「得点は技術だけでなく強い精神力のおかげ。倒されてもフィリーキッ
クを貰えればいいと思ってやっている。それがうまくいっている。ボレ
ーシュート? チャンスだったから体が自然に反応しただけ」。

勝気なコメントの裏に苦悩があった。国家代表合宿に初めて招集されたが、
コスタリカ戦での出番はなかった。ヒディンク監督に求められたのは(1)
ボールを持ちすぎない(2)フィジカル能力を上げる、の2点。早い玉離れ
を要求されたことで本来のプレーを見失い、アピールできなかった。

大活躍を見せた崔成国だが、新たな試練もある。ヒディンク監督が「ワール
ドカップのメンバーはほぼ決まっている」と宣言したのだ。夢の国家代表選
出はもう少し先のようだ。

(金 正男 海外通信員)