思い出に残る食事 2

このエントリーをはてなブックマークに追加
691もぐもぐ名無しさん
5年前、仕事で赴任していた地方都市にいたときに胃腸の病気で長期入院した。
一人暮ししてるだけに、身の回りのこと、それ以上に精神的につらかった。
(「一生治らない」・・・って入院した病院で言われた)
実家のある東京からは、羽田から1時間、そこの空港から市内までまた1時間。
距離にして700`を、母は週1回で見舞に来てくれた。食事が制限されていて、
食欲はある程度あるのに、食べたくないものばかりの病院の食事で、
またつらさが倍増した。
タッパウエアに、消化がよくって、俺が好きそうなものを作って持ってきてくれた。
あまりこく味付けをしていないジャガイモとか、魚の白身を煮つけたりとか、
病院の食事と傾向的には似てるんだけど、味は全然違うんだよ。
いい年をしてなんだが、そのタッパウエアで母親の愛情を改めて思った。

しかし、病状はなかなか快方には向かわず、結局実家のある東京の病院で診察をうけることになった。
検査の結果、前の病院の診断は誤診であることが発覚。で、その場で即入院だったんだけど、
医者の「2週間言うこと聞いてれば絶対治るから」って言葉で精神的に持ちなおした。
実はその後絶食3日するということがわかり、ちょっとだけへこんだが・・・。
絶食期間過ぎて、おかゆで過ごしてる期間は、もう毎日見舞にくる母に、
「腹減った腹減った」の繰り返し(その時は差し入れは一切だめだった)。
元気になっていく過程で、ようやくテレビも見られるようになって、
でもそんなときに限って、テレビのグルメ番組とか見ちゃうんだよね。
結局、当初の予定通り、2週間で退院。体調もすっかり戻った。
退院してすぐに母親と一緒にいったのは、デパートのハンバーグ屋さんだった。
病気のときは、食欲がそもそもなくって、全然食べなかったのが、
まあ、ハンバーグ、あっというまにぺロりだよ。そんな俺を見ている母親は、
嬉しそうというか、ホッとしてた表情だったな。

なのに母よ。
翌年自分が病気で倒れて、入院したとき、親父に
「あの子には絶対言うな」って言ったんだってな〜。
「言ったらあの子は心配してすぐ来ちゃうから」って
親父にも妹も口止めしてたんだってな。

俺がさんざん迷惑かけたんだから、
あんたが俺に迷惑かけてもいいんだよ、母ちゃん。
692691:01/09/23 00:46
ちなみに今は俺も母親も元気でやっています。