思い出に残る食事 2

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620もぐもぐ名無しさん
うちのおじいさん、少しアル中で、酒ばっか飲んでてさ。なくなると「もっと
出せ」って言って、家族が出さないようにしてると私のところに来るの。
「酒持って来い」って。
私は嫌で嫌でずっとおじいさんのこと避けてた。無視もした。
同じ部屋に来ると、逃げたり、「来ないでよ!」って言ったり。
その後ガンになってボケて寝たきりになったんだけど、私は入院先にもほとん
ど行かなかったし、行ってもすぐ病室から出た。ごはん食べさせてあげてって家族に
言われても嫌がって、水も飲ませてあげなかったし、声すらかけなかった。
結局1年ぐらいで死んじゃったんだけど。死んでホッとしてた、はっきり言って。

でも、お葬式の後、家族とか親戚が集まって話してたんだけど、「おじいさん
は○○(私)のこと、ほんっとによく可愛がっててね、だめだって言うのに、
毎日お菓子をたくさん買い込んできては○○にあげてたんだよ。」とか、
「厳しい人だったけど、○○にだけは甘かったねぇ。」とか、さんざん言われた。
その時はただ聞き流してたんだけど。

その後ひとりになって、思い出した。
お母さんにはダメって言われたのに、こっそりチョコとか飴とかくれたこと。
お菓子を買いに、スクーターの前に乗せてお店に連れて行ってくれたこと。
ごはん食べる時は、いつもおじいさんの膝の上で食べてたこと。そんで、その
おじいさんの膝の上にいるが大好きだったこと。

今まで忘れてたこと、全部思い出した。
私のこと、いちばん可愛がってくれたのはおじいさんだったのに。
大好きだったのに。
水だけでも飲ませてあげればよかった。一言でも声をかけてあげればよかった。
ほんとにごめんね。
いっぱい泣いた。お葬式の時は出さなかった涙を、いっぱい流した。


食事じゃないのでサゲ・・