思い出に残る食事 2

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540もぐもぐ名無しさん
大昔、通っていた幼稚園の隣に孤児院があって
どのクラスにも1人〜2人くらい、孤児院から通っている子がいました。
カトリックの幼稚園だったので、お弁当の前にお祈りをするのですが
お弁当のふたを開けてお祈りをするので、隣の子のおかずが見えるのです。
孤児院から通っているその女の子のお弁当は
いつも、ごはんの隅に塩昆布がひとつまみ、のってるだけでした。
あとみかんがひとつ。毎回それっきりです。
その話を母にすると、その子に分けてあげなさいって言うので
一度おかずをあげたことがありますが、下を向いて黙っている彼女をみて
いけないことをしてしまったと、子供心に思いました。
それからは、その子のお弁当はなるべく見ないようにしました。

えみちゃんの声を聞いたことはほとんどありません。
体も小さかったし、肌がいつもかさかさしていて、伏し目がちの目をしていました。
でもまつげが長くてとても可愛かったような気がします。
ごはんに塩昆布の組み合わせを見ると、ときどき思い出します。
昭和47年頃の話です。