思い出に残る食事 2

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380眠れない7743
漏れが厨房の時の話だ。
当時いろいろ教育の実験、という言い方が正しいのかはわからないが、をやっている
中学校に通っていた。林間学校ではマッチ・ライター類持参禁止、火は自分で
木を擦り付けて起こすというルールだった。食器類も持ち込み禁止だったかな。竹で代用。

火を起こす練習も出発前に散々やった。今思うと教師の確信犯だったのだが
林間学校の日程は7月半ば。そんな時期の長野県なんて雨に決まっている。

豪雨の森に放り出され、なんとかテントを設営して雨をよけながら火を起こすが
当然木が湿気てしまって火は起きない。
仕方なく初日は、「支給」のトマト1個をかじって寝た。
生で食べられそうなものはそれだけだったので、翌日からは必死だった。
クラス中が結束して火を起こそうとした。2日目の午後遅く、ようやく火が付いた。

それからも、引率教師たちが放った魚を麻紐を編んだ網ですくって丸焼きにしたり、
鶏を絞めて食べたり、いろいろあったが
あの日無念の思いでトマトを食べたことは忘れられない。

そんな自分らが泥まみれのキャンプをした白樺の茂る森も、今は開発されて
ゴルフ場になってしまったらしい。
今でもたまに思い出すんだな。