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宇宙農場ラボでは作物を360度回転させることで擬似無重力状態を作り出す。
「宇宙に長期滞在する場合、宇宙ステーションなどで作物を栽培することになる。植物は重力方向に根を張るが、無重力状態では根や茎は種から出た方向に伸び続ける。植物の形をどうやって保つかが課題」(渡辺教授)。
超高速量子光通信研究施設は、広田修・量子情報科学研究センター教授が中心となって研究を進める。超高速量子光通信は、次世代インターネットであるデータセンターを基盤とするクラウド・コンピューティングにとって重要な技術。
現在はクラウド・コンピューティングの利用が進む一方で、盗聴用データセンターによる盗聴専門ビジネスが台頭する危険性が指摘されている。
同大学は、盗聴防止策として提案された新しい量子暗号方式(Y-00)を、通常の光通信技術で実現する方法を発明。
昨年度は、日立グループの協力を得て、毎秒10ギガビットの大容量光通信に応用できる玉川大学方式量子暗号装置を開発した。
「毎秒10ギガビットは国会図書館の蔵書を1秒で送信できるスピード。現在、300キロ通信を達成した」(広田教授)。
同施設では、世界最速の玉川大学方式量子暗号を改良し、500キロ通信実験を行うほか、
基礎研究として、暗号に用いた秘密の鍵が盗まれても解読されない理想的な暗号システム「Hirota-09」プロトコルの実現技術の研究も予定する。
「量子暗号技術の標準化を巡って日米間で競争が繰り広げられている。今年から試験的に企業に導入し、来年には実用化を目指す」(同)という。