Fighter Ace part39 「30日無料だお」
いいか、のっぺり写真の極意、それは先ず被写体の”心”を知る事から始まるのだ
ファインダー越しに被写体を目で嘗め回す様に見つめていく、そう、、裸婦を視姦するように、だ
視られることに意識して恥じらう女の姿を確認した時、それが被写体の”心”が見えた瞬間なのだ
それだけでは極上ののっぺり写真は撮れない。 大抵の者は次の工程で大きな壁にぶち当たり挫折する事になる
次は最初の難関ともいえる「被写体の感情を引き出す」という工程に入る。結論から言えばこれはお前達には無理である
人間が被写体の場合は感情を引き出すのはたやすい。 何もしなくても被写体自らが感情を露にするケースが多いからだ
では並の写真家や一般素人が人間以外のモノの感情を引き出せるか? 否、100パーセント不可能なのだ
何万枚何億枚と撮り続けてそのうちの奇跡の1枚に縋ろうとも、CG加工でどんなに欺瞞しようとも、本物には到底及ばない
そこでだ、誇りをもってこの方を紹介する。 この世で唯一、モノから感情を引き出すことが可能な人物、関賢太郎さん を
天性のセンスを持つ関さんに画像を提供してもらう他は、自殺して生まれ変わり奇跡の確率で同等の素質を得るしか無いだろう
まるで今にも飛び出してきそうな迄のド迫力と感情を湛えた関さんの写真は見る者に凄烈なる感動を与え、その価値は計り知れない
貴重な画像をのっぺり化させると価値も評価も下がる、と頭ごなしに決め付ける輩に私は言う「貴様らに写真を愛でる資格はない」…と
のっぺり写真そのものが価値、評価などの次元を遥かに超越しているのだから。まぁそれは次の工程で驚愕してもらう他あるまい
いよいよ第2の難関「万物を感動の渦に呑み込みのっぺり写真を仕上げる」という工程に入る
関さんは自在にのっぺり写真を撮れるが、一般の我々は関さんからド迫力写真を提供してもらい、これをのっぺり化させる事になる
関さんのド迫力写真をのっぺり化するには何をすればいいか? ただ単に、ただ素直な気持ちになる事、ただそれだけである
関さんの写真を素直な気持ちで目の当たりにすれば何人とて感動せずにはいらない。やがてその感動は涙という形で表れる
ここまで書けばのっぺり写真の正体が理解できただろう。いや、理解などという陳腐な表現では表せない特別な感情を抱いた筈だ