486 :
大空の名無しさん:
スレ違いかも知れないが、先日こんなことがあった。
数日前、警備の仕事をしていたときの話だ。
俺は客用エレベーターの前で立哨していたのだが、
そのエレベーターから客だったかスタッフだったか一人の男性が降りてきた。
年齢は見たところ20代後半。スーツを着た、エリート風のナイスガイだ。
その男性が、俺の横を通り過ぎる際に財布を落とした。
辺り床一面に散乱する何枚ものカード。俺はそれらを拾うのを手伝ってやろうと手を伸ばしかけた。
が。
俺の体が一瞬固まった。一枚のカードが目に飛び込んできたからだ。トレカだろうか。
それには美少女キャラが描かれていた。
俺はためらった。
拾うのを手伝ってやるべきか、あるいは見て見ぬフリをして、そっとしておくべきか。
この男は、どちらを望んでいるのだろうか。
とにかく、やばい物を見てしまった。
俺は後者を選んだ。
ハッと別の何かに気づいたフリをして、よそ見をする俺。
気のせいだろうか。一人でカードを拾い集める彼がたいそう慌てふためいているように見えたのは。
あの時の俺の判断は、真に道徳的で正しかったと今でも信じている。
彼もきっと、この俺に最大級の感謝の念を抱いているに違いない。
もちろん、礼には及ばないが。