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名無し三平:
清掃夫は、お嬢様のご命令には絶対に服従し、またお嬢様と目を合わせて
はならないと厳しく言いつけられている。
高貴なお嬢様がたにとって、自分の排泄物を処理する清掃夫などは同じ
人間ではないのである。また、清掃夫にとっても、天地ほども身分の違う
お嬢様のお顔はあまりにも神々しくて正視することはできないのである。
したがって、清掃夫はいつも床にひれ伏して、お嬢様の美しい双脚を
仰いで”ちゃんと後始末しておきなさい”などと命令を受ける。
このような重労働と排泄物の食事によってもともと衰弱していた清掃夫
の体はさらに蝕まれ、数ヵ月後衰弱死して無縁仏となるのだが、大学生活
を楽しむお嬢様がたにとっては自分たちの気まぐれな言いつけが老清掃
夫の命を縮めたとはいえ、もちろんそんなことは関心外で、また新しい
清掃夫が補充採用されて同じ目をたどるのであった。