929 :
名無し三平:
琵琶湖の某公園で釣ってた時のこと。
行楽日和であちこちで家族連れがワキアイアイとバーベキューなどしている。
そんな中、オレらの後でカップルが彼女手製と思われるサンドイッチを食べていた。
オレらも腹が減ってきたんで買ってきたコンビニ弁当を食べ始めた。
別にカップルの手作りサンドイッチが羨ましいわけじゃない。
ただ意味もなくむかついただけだ。
そんなワケで俺とツレは意味もなく憎悪をメラメラしていた。
そしたらそのうちカップルが喧嘩しはじめた。
なんか男がサンドイッチの味がどうの毎回サンドイッチだのサンドイッチにキムチを挟むのは異常だとかいろいろ。
そのうち女もキレて周りに丸聞こえで怒鳴り散らした。
オレらは「ええぞ、不幸になれ!」と心の中で願った。
周りの人達もきっと思ったことだろう。
そして女の怒りが頂点に立った時、絶対言っちゃいけないことを怒鳴ってしまった。
「うるさい! 役立たずの包茎!!!」
ピシッとした空気が周りを支配する。
子供を除いた周囲の人間の動きが一瞬固まる。
何人かの男はグサッと何かが胸にささったようだ。
そしてその男も一瞬にして固まる。
そしてうつむいて黙ってしまった。微妙に肩が震えてる。
「ごめん、言いすぎた、ほんとごめん...」
謝ったが後の祭り。
男は泣いていた。
「ねえ、ホント悪かったから。もう行こ。ね、ね?」
女に腕を引っぱられ彼らは去っていった。
後に残った行楽客やバザーは笑い転げるもの、含み笑いするもの、顔色が青ざめているもの、など表情は様々だった。
「あいつ包茎だったんだ。苦労してるんだなぁ」
と呟いてツレの方を向くと、ツレはうつむいたまま何も言えなかった。
ああ、こいつも包茎だったんだなぁ....
おしまい