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名無し三平:
俺が高校生の頃、うちの父は自営業を営んできた。父の楽しみは夕方、毎日隠れるようjに”まいっちんぐまちこ先生”の再放送をみる事だった。
毎日隠れながらテレビ鑑賞してる父を見て育ってきた自分は、感謝の意味を込め、何か父の日にしてあげられる事はないかと高校生ながらも考えた。
そしてやはり、父の大好きな”まちこ先生”のフィギュア・ドルフィードリームを製作してプレゼントしてあげようとコツコツ手伝いをして貯めたお金20万円を貯金箱から取り出しいつも行ってるイエサブで購入し帰宅した。
するとちょうど良いタイミングで父が帰って来て俺の持ってるフィギュアに気づき、「そんなのキモすぎ、ありえないだろ!」と俺に言った。
むろん俺はプレゼントを渡す時に喜ばせたかったので「うるさい!」と言いそのまま家を出ようとした。
しかし父は俺の腕をつかみ「おらっしゃー!」とそれまで見た事のない剣幕で俺に怒り始めた。
高校生だった俺は怖くなり迷った結果、言いたくはなかったが「父の日のプレゼントを買ったんだ」と言い泣きながら家を出た。
父のその時の顔は見ていないのでどんな顔をしていたかは分からないがその後何も言わず手を離してくれた。
とりあえず俺は2週間かけてフィギュアを製作し、父の日と言うこともありリボンを掛け、通販で買った”おぱんちゅにょ”を履かせたまちこ先生を、「いつもご苦労様」と一言言い父に渡した。
父は大いに気まずそうに「いやーん、まいっちんぐ」と言ってくれた。
俺も、まちこ先生を理解できる歳になり、毎晩楽しく鑑賞している。
あの時のフィギュア、父はちゃんと飾ってくれたのだろうか。どんな思い入れがあるのか、同じ席で語ることはなかったそのフィギュア。
父は今年で80半ば。今度の父の日は同じ席でBOX買いしたDVDを観ようと思う。
リアルでも脳内でもキンモー