FF・DQ千一夜物語

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14『ザーギドスの花売り娘』
おお、幸多き風紀委員王、シャシャリデールよ。
お許しを頂けたようですので、今宵も物語を続けましょう。

「子供の父親はどんな男だね?」
 事の後、洗面器に汲んだ水で精液を洗い流し、顔を拭く娘を見ながらトルネコは尋ねた。
「……見たことのない服、着てた。不思議な哀しそうな蒼い瞳をしていたわ。…お月さまの光に透き通るような、綺麗な金の髪……」
 トルネコは娘の話を聞いて驚いた。(それこそ、書物にあった次元転送機に関する一番古い記録の異邦人のことではないか!ワシは歴史に立ち会ってるのか!)
「おまえさんも、おまえさんの母親も子供も一生生活に困らないよう援助してあげよう。だから、その男との話を詳しく聞かせて欲しい。」
15『花売り娘の告白』:2001/06/02(土) 03:32
その頃、私は正真正銘の花売り娘だったの。今よりお金に困っていて、30000ギルの借金があったけど、夜の花売りにはなれなかった。
…何故って?それはね、私がセトラの民だから。私たちセトラの民は、他のどの種族よりも強い魔力を持ってるけど、初めての乙女の純情を本当に好きなお方に捧げなければ、その魔力を永遠に失ってしまうのよ。
だから、いつも私を救ってくれる運命の人を待っていたの。あの人は、そう、まさしく運命の人だった。…私にはわかるの。

ザーギドスの花売り娘のエアリスは、長いこと探していたその男を町外れの教会跡でやっと見つけた。
(間違いない!この人があの高利貸しから私を助けてくれた人!)
不思議な風体のその若者は傷付いてうわ言を何か呟いていた。
「…行かなければ…約束の地へ…エアリスが待ってる…」
 エアリスは若者が自分の名前を口にしたので驚いたが、額を合わせるとその魔力でこの若者、クラウドが大切な人を失くしたこと、その人の名が自分と同じエアリスで、あろうことか容姿まで自分に酷似してることを知った。
若者が薄く眼を開けた。大切なものを失くしたものの孤独さが宿る蒼い瞳。
「…エアリス…ここにいたんだな…もう、何処へも行かないでくれ…」
エアリスは若者の頭を胸に抱いた。
「大丈夫よ、クラウド。…ずっとあなたを、ここで待ってたの。」
 セトラの民は心が昂揚すると、特別の魔法が使える。クラウドに処女の乳房を捧げたエアリスは性的興奮によって、一族に代々伝えられる癒しの風を発動した。
戦場で負ったらしいクラウドの酷い傷はみるみる癒され、身体に精力が漲って来た。
16『花売り娘の告白』:2001/06/02(土) 03:34
「…あっ…」
 少女の薔薇色の乳首を舌で転がし乍ら、誰にも触れさせたことのない柔らかな部分に若者は指を押し入れた。
「…やさしくして…お願い…」
凍てついた花びらをほぐすように、クラウドの指がエアリスの秘所をまさぐった。
……突然、クラウドはエアリスの脚を抱え込んで大開脚させた。

驚いたエアリスが悲鳴をあげる。
「い、いやあ!みないで!恥ずかしい!」
「…綺麗だ。」
クラウドが花びらにそっと口づける。生暖かい舌が花弁を這うようになぞられ、エアリスは身体の芯が熱くなり、蜜が溢れ出るのを感じた。クラウドがその泉のように滴り落ちる蜜を舐めあげる。
「…あ、ああ…お腹の中が…熱い…おかしくなっちゃう……」
 クラウドはズボンを下ろすと、猛りきったそれを、敏感な裂け目にあてがった。
…ゆっくりと、押さえ込むようにエアリスの中に身体を沈めてゆく。
17『花売り娘の告白』:2001/06/02(土) 03:35
「あ、ああっ!…痛いっ!…」
魔法のせいだろうか?身体は覚醒してるのに、クラウドの意識はまだ半分、夢の中にいた。ゴールド・ソーサーのホテルで初めてエアリスを抱いた時の喜びと罪悪感。繰り返すデ・ジャヴ。
 初めて知った痛みと、好きな男と一体化する嬉しさに涙で濡れる頬。その涙をクラウドの舌がやさしく舐め取る。
「…お願い…そのまま…私の中でイッて…私の中に出して…」
 クラウドがピークに達すると、天使が空から舞い降りて祝福してくれるかのような幸福感と充実感に包まれ、体力と精力がまた内に漲った。そして、もっと激しくエアリスを求めた。幾度も、繰り返し、繰り返し……。

「そして私たちは、繰り返し、繰り返し、私のお腹にあの人の子種の恵が授けられるまで愛しあったの…あの人が、やがて行ってしまうことはわかってた。…でも、私にはあの人の子供を身籠る必要があったの。」
「それは、どういうことだね?娘さん。」
トルネコが娘に問いかけると、娘は自信に満ち溢れた気高い花のような微笑を浮かべた。
「…あの人と、あの人が愛した女性は、私とあの人自身の遠い子孫なの。私はあの人に逢う為に生まれ変わり、遥か時の彼方で私達は再び巡り逢い、愛しあうの。」

 おお、賢き風紀委員長王、シャシャリデールよ。この不思議な物語に私なりの解釈を申し上げます。
伝説の若者、クラウドは僅かにセトラの血をひきしものだったのではないでしょうか?
そうでなければ、あれ程の魔晄を浴び続けた人間が無事であろう筈がないように私には思われるのですが…
 遥か何世紀も彼方のある日の事。傭兵としてテロリスト集団“アバランチ”の壱番魔晄炉爆破作戦に加わったクラウドは単独で8番街ステーションに向かう途上、美しい花売り娘を見た。
「ねえ。何があったの?」
 娘の翡翠色の瞳とクラウドの蒼い魔晄の瞳が見つめあい、視線が絡み付く。
 初めて逢った瞬間、昔から知ってたようなとても愛しいような錯覚にクラウドは陥った……

Fin.
20シャベラセーテ:2001/06/02(土) 03:43
慈悲深き風紀委員王、シャシャリデールよ。如何でございましょうか?
このお話はこれでお終いでございますが、もし私になお命があって、
王様が私を生かして下さるならば、この次皆様にお話するものに比べたら、
このお話は、ものの数に入らない話でございます。