FF・DQ千一夜物語

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293『天使の翼を血に染めし者』
いまや、アルマは完全にアルテマへと変貌した。天使との情交、これを体験出来る人間など滅多にはいまい…ラムザは神の領域の快楽へと溶け込んでいった。(…王よ、残念ながら、その人智を超えた壮絶な心と身体の悦びがどのようなものか、表現出来るような力がただの人たるわたくしめにはないことをお許しくださいませ。可能な限りは正確にこの伝説をお伝えしようと心掛けますが。)
 アルテマは、ラムザと繋がったまま、上になった。
『小手先ノ技術デ私ヲ逝カセヨウナドトカタ腹痛イワ…光ト闇ガコノ世ニ生マレシ時ヨリ貴様ニ寄セテ来タ私ノ想イヲ知ルガヨイ…』
 ラムザは分身から染み込んで来るこの世のものではない、完全な肉と心の快楽と、アルテマの想いに、天地開闢の時より聖天使を愛しながら神を畏れるが故、拒んで来た自分の勇気の無さ、欺瞞、卑怯な心を知り悔いた。そして“神”の本当の心を知った。試されたのはアルテマではなく、自分の方だったのだ!“神”に禁じられた程度で引き下がれるくらいの想いでは、“神”に最も愛された、最も美しく賢い天使を愛する資格などないことを。
http://www.yamabuki.sakura.ne.jp/~akari/kuukan/cc008.htm