FF官能小説スレッド PART2

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368名無しさん@LV2001
10年前のアレクサンドリア城…
御前試合の決勝戦、二人は段上へと上った。
「……これまでとは、違うようですね。」
対戦相手を見てそう思った。しかし、ベアトリクスは
胸元でカールした髪も崩すことなく、かすり傷ひとつ負っていない。
かたやスタイナーは派手にへこんだ鎧がダメージの蓄積を物語っている。

「あなたとは…ベストの状態で戦いたかったです。」
「…何をこれしき、ちょうどいいハンデである。」
「わかりました。では手加減はいたしません。」
「…望むところである!!」

「始めっ!!」
ベアトリクスは腰元に深く剣を構え、試合開始の合図と共にストックブレイクを叩き込んだ。
重鎧をまとったスタイナーの巨体が一撃ではじきとばされた。

「おおおっ・・!?」
観客たちのどよめきがその場にただよう。
…これまでのベアトリクスは御前試合であることを考慮し、
相手に見せ場を持たせた後、とどめに剣技を放つスタイルであったが、
この試合は違った。
それはこの23歳(当時)の無骨な青年が相当の実力の持ち主であるからなのだが…
展開としてはあまりに呆気ない。
終わったか…と、ロイヤルシートの女王含め、観客達は肩を落とした。
…が
「ぐぬぬ…奇怪な剣技を…!」
ふんぬっ、
重力に抗い、スタイナーは気力を振り絞って立ちあがる。
「そうこなくては。」
「次はこちらからであるっ」
正面から連続で叩き込まれる剣撃をベアトリクスは細身の剣で軽くいなしていく。
目に見えて重く
そして2撃目のストックブレイクを放つ機会を伺っていた。
369名無しさん@消し忘れ:2001/01/14(日) 05:36
>目に見えて重く
370名無しさん@sageで逝こう:2001/01/14(日) 05:42
見た目としてはスタイナーはベアトリクスを追い詰める形となり、
場外ぎりぎりでの勝負となった、
くそっ…
勝ちを急いでスタイナーの剣が大振りになり、今まで安定した上体が崩れた。
その機を逃がさず、ベアトリクスは再度、剣技を構えた。幾人もの対戦相手を沈めてきた剣技、
だが、スタイナーはひるまず、
咆哮と共に足を踏み込み剣を振り上げた。そして…
「うおおおおお」
「なっ……」
結果は相打ちであった…スタイナーは衝撃を受けてがくりとひざをつき
ベアトリクスの鎧が砕け散り、体は場外に転げ落ちる。
そして脳震盪を起こしたのか、起きあがらなかった。
……城内の視線は、段上に残されたスタイナーに注がれる。
審判はなかば放心状態であるスタイナーの手をとって高く掲げた。
「ア…アデルバート・スタイナー優勝っ!!」
歓声が…津波のようにスタイナーに向けて押し寄せた…。
371名無しさん@sageで逝こう:2001/01/14(日) 05:58
「きゃーーーーーー!!すごいじゃないっ!!」
ロイヤルシートのブラネはテラスに身を乗り出し、少女のように声を上げていた。

「勝った…のか…」
スタイナーは自分に向けられたはずの歓声を遠くに聞きながら、ふいに気が緩む。
突如、ふらつく視界にアレクサンドリアの青い空が映った。
ガシャーーン……そっくり返る様にその場に倒れていた。

医務室。
ベアトリクスはその後、兵に声をかけられすぐに意識を取り戻したが、
スタイナーが気がついたのはたっぷり6時間後のことだった。
「うぬぬ、こんな勝利では納得できぬ、
 負けたはずのお主の方が……ぴんぴんしておるではないか。」
「それでも、勝ちは勝ちです。」
「しかし…」
「また次の機会に決着をつけましょう。……そうそう、女王陛下がお呼びです。」
「……ブラネ様が自分を…?」
372名無しさん@sageで逝くしか:2001/01/14(日) 07:18
部屋の前、気を失っている間にとっぷりと日が暮れてしまっている。
お呼びとはいえ、こんな時間に部屋を訪ねるとは無礼ではないだろうか…
迷いながらもドアを叩いた。
「スタイナーです。失礼します。」
「入って。…体の方はもう大丈夫?」
ブラネが迎え入れる。

「今日の試合見ていたわ、
 もう…すごかった、こんなどきどきしたのなんて久しぶりよ。」
「身に余るお言葉です。」
試合の興奮がいまだ冷めずブラネの声は弾んでいた。
「見せなさい。」
突然の事に、意味が飲み込めない。
ブラネはまどろっこしそうに、スタイナーの鎧に手をかけた。
「体を見せて。」
「……は、はい…」
言われるままに上半身の鎧を脱ぐ。
「まだ痛む?」
打撲痕に手をあてた。その手はスタイナーの体を移動してゆく。胸筋や背筋の力強さを
探るように体を這った。…下半身へ、と手をかけるまで、そう時間はかからなかった。
「そ、そこは…」
いかに鈍いスタイナーとはいえ、ブラネのしようとしていることを理解した。
これは……誘われている、はっきりと。
断らなければ、「ブラネ様、いけませ…」言いかけた、そのとき
「あたしの事覚えてる?」
耳元でささやかれたそれは不意討ちのような言葉だった。
(今……なんと…)
ブラネがスタイナーを抱き寄せる。
香水の粒子が鼻腔をくすぐり、古い記憶に働きかけた。どこかで、かいだことが…
「あのときもあなたは…ケガをしていたわね。」
あのとき……?
「10年も前かしら、川辺リで。」
「し、しかしあのひとは…たしかガーネットと……はっ…」
ガーネット王女と同じ名前だ、
「お忍びだったから、偽名を。」
言葉を交わしながらブラネはいっそう体を近づけ絡ませた。