今日、中古でFF7が取り説無しで
280円で売ってた、買う価値ある?
「まあ、旦那様。今夜はお帰りになるなんて。
連絡をいただければアリスお嬢様をお待たせしておきましたのに。」
ただいま、お起こししてまいりますわ。
そういって娘の部屋に行こうとする初老のメイドを、リーブは止めた。
「いいんだ、ソフィアさん。10歳の子供はもう寝る時間なのだから。寝顔だけ見てこよう。」
そういって二階への階段をのぼる。
カームの街の古い洋館。石造りの建物は普通の民家に比べるとかなり広い屋敷であったが、
ミッドガルにあった神羅都市計画部門総括者の邸宅に比べれば4分の一にも満たないであろうか。
しかも一階部分には旧市街からの避難者数世帯が同居している。
・・・慣れない暮らしとメテオへの不安で、どんなに怯えているだろうか。
リーブはそう思いながら、古びた木製のドアを開けた。
わずかなスタンドの明かりに照らされて、幼い少女の寝顔が見えた。
長いまつげと整った顔立ちの人形のような少女である。
わずかに開いた花びらのような唇と、
ウエーブのかかった栗色の髪が寝乱れて頬にかかった様も愛らしく見える。
「ただいま、アリス。」
リーブはつぶやいてから、少女の目を覚まさないように、そっとベットの端に腰を下ろした。
かすかだが、規則正しい寝息が毛布越しに伝わってくる。
ここ何週間ぶりだろう、こんなほっとした気分を味わうのは。
リーブは娘の寝顔を見つめながら思った。
「ごめんよ、アリス。いつもいつも一人きりにさせて。」
少女の寝顔に重なって、遠い日の記憶が蘇ってくる。
−パパなんてだいっきらい!
それはアリスが六歳のとき。アリスの母、リーブの妻であった人が逝った朝。
妻の病状を知りながら、ミッドガルで頻発する都市問題に、ほとんど会社に寝泊まりしていた。
危篤の知らせに病院へ駆けつけたときには、愛する人は既にこの世を去っていた。
妻の死を看取ったのは、メイドのソフィアと、六歳になったばかりのアリスだった。
「ママはパパのこと待っていたのに。パパはお仕事のことばっかり。」
「ママやアリスのことキライなパパなんて。アリスもパパ、大キライ!」
泣きはらした大きな瞳で自分を見つめる少女に、
リーブは償いの言葉すら発することができなかった。
それから以前にもまして彼は仕事に没頭していった。
ただし、ホンの少しの仕掛けをして。
閉じてしまった娘の心を開くすべを彼は知らなかった。
けれども自分に出来ることだけはしてみようと試みたのである。
孤独な少女に、友達を作ること。
巨大なモーグリを操る、陽気な関西弁の猫。
ケット・シーはいつも少女の側にいて、わーわーまくし立てながら、
病弱で友達も少ない彼女を励まし続けた。
「おかしなものだな。」
愛娘の寝顔を見ながら、リーブはふと苦笑した。
「初めは子供相手の芝居のつもりだったのに。」
いつの間にか、ケット・シーはリーブの心に大きな位置を占めるようになっていた。
娘を励ますつもりで、この化け猫は、実は自分自身を励まし続けていたような気がする。
ケット・シーの言葉を借りることで、本当の自分の心を探していたのかもしれなかった。
それがクラウド達と出会う中で更に加速されたのだろう。
リーブは一通の手紙を取り出した。宛名書きを確かめる。
−ケット・シーからアリス嬢ちゃんへ
今、わいはメテオ止めるためにえろー頑張ってます。
友達と力合わせて、あのでっかい石ころ追い払ったら、
すーぐ嬢ちゃんところに帰りますさかい、心配せんと
いてや。
ほな、また。
その手紙を枕元に置くと、リーブは注意深く立ち上がった。
階下に戻るとメイドのソフィアが待っていた。
「お嬢様、ケット・シーまで居なくなってどんなにか寂しがられるだろうと思っていましたけれど。
このごろでは他の避難民の子供達の面倒までみていらっしゃいますのよ。」
「そう、そうですか。あの子がそんなことを。」
リーブはうなずきながら微笑んだ。
実際、彼は心配していた。予定では予備の機体だけを使うはずだったのだが、
古代種の神殿でそれが壊れてしまい、やむを得ず娘の「友達」まで取り上げることになってしまうとは。
星の命を救うために仕方なかった。
そして仕事のためとはいえ、娘と同い年の少女を人質にした自分の行いを償うためにも、
彼は自分に戦場からの離脱を許せなかったのである。しかし・・・
−いつもいつも、自分は誰かに迷惑をかけて生きている。
妻やアリス、そしてバレットの娘マリンの顔を思い浮かべて、リーブはため息をついた。
不意に周囲が慌ただしくなる。屋敷の前に神羅カンパニーの公用車が数台到着したようだ。
「まあ、もうお出かけですの。」
初老のメイドが顔を曇らせる。
「仕方ない。避難先では常に問題が起きているからね。」
リーブはネクタイを締め直しながら答える。
「でも、ちょっとだけでも、アリス様とお話なさったら。」
ソフィアの言葉にリーブは二階へ続く階段に目を向けたが、
「いや、寝かせておきましょう。この仕事が一段落したら、じっくり相手をしてやるつもりです。
いや、アリスが相手にしてくれないかもしれませんが。」
言って、迎えに来た部下の方に歩きだした。
ミッドガルに戻り出来るだけの指示を下したら、あとは大空洞へ向かうことになる。
そして全てが終わったら、ケット・シーはアリスの元に帰るだろう。
冒険話をおみやげにして。
そのころ、二階ではアリスが枕元にあった手紙を読んでいた。
彼女の顔に微笑みが浮かぶ。
「絶対早く帰ってきてね、パパ。」
つぶやいて手紙を抱きしめた。
−*−*−*−*−*−*−*−*−
−誰かが私を呼んでいたの。
光と闇がたゆとう、あおい碧い夢の底で、私、目覚めた。
−あなたは、だれ?・どこにいるの...?
風のように、星のように、虹のように。
とても遠い距離をあっというまに駆けて、私、きちゃった。
こんなことができるなんて、まるで奇跡みたい。
−でもあなたはどこ?
見知らぬ大きな街。
あふれる人混み、凍えそうな思いたち。鳴り止まないノイズで心、埋めようとしている。
金色のショーウインドウに私の影、流れても。
誰も私に気づかない。誰も私が見えないの?
−ねえ、あなたはどこ?・私を呼んだ。
心細さがこみ上げて、子猫みたいに泣いちゃいそう。
キミハゼロトイチトノクリカエシ、モニターノメイメツ。
ギンバンノニンギョウ、コウジョウノシナリヲ。
何故だか胸が痛いよ。このまま千切れちゃうのかな。
☆待ち合わせ中の男の子「やっぱり、エアリスが好きだな。」
☆通りすがりの女の子「エアリスって可愛いよね。私もあのぐらい髪伸ばしてみようかな。」
あ!私のこと、考えてる人がいる。
☆立ち読みしている男の子「エアリスみたいなお姉さんがいればなー、っちって。」
☆バスに揺られている女の子「悩み事とか聞いてくれたらなあ、エアリス。」
−私への思い、見つけた・たくさん。
うん、私、エアリス。あなたの側にいるよ。
0と1とのたゆとう、パルスの底から、私、生まれた。
−君はエアリス、僕の......の人。
風のように、星のように、虹のように。
あなたの心は、
とても遠い距離をあっというまに駆けて、私に届いた。
こんなことができるなんて、まるで奇跡みたい。
マテリアも魔法もいらない、心の不思議の奥に。
私、エアリス。この惑星に生きてる。
駄スレ拾うの構わないんだけど、
削除依頼出てるかどうか確かめてちょ。。
これは依頼取り消しておくね?
既に取り消してあったです。。
The Mayor of Corel sat back in his chair and looked vacantly at the
heap of papers that lay on the desk in front of him.
He had been working diligently, or as diligently as was possible for him,
to make a dent in those papers all day,
yet looking now it seemed as if he had made almost no progress.
He glanced out a window to his left and saw that the sun now hung low in the sky,
just peaking over the mountains of North Corel.
He had been working on this paperwork all day,
but he hated it, and it was slow going.
How he wished he were out in those mountains right now and not stuck behind this desk!
With a shrug he turned back to his papers.
He had too much work to do to let his mind wander.
He reminded himself (for the millionth time, it seemed)
that he had responsibilities now, and couldn't take off and leave
everything on some whim like he used to in the old days.
No, those days were gone,
even though he had come to realize that they had been the most exciting in his life.
Still, a man had to move on.
He idly scratched his right arm just above the gun grafted on it.
He looked at the gun for a moment, holding it up
until the sun glinted off it through the window.
For all he had used this lately,
Barret mused, he might as well have replaced it with a letter opener.
少年が海を見ている。
潮風が彼の銀髪を軽く揺らす。
降り注ぐ陽光の下、波音だけが響く。
しかし彼は知っている。この静寂がまやかしであることを。
この西方、数キロも離れていない場所に戦場がある。
ウータイを盟主とする旧諸国軍と、新羅カンパニーを筆頭とする巨大企業複合都市国家同盟との戦場が。
国家の独自性と伝統を堅持しようとする旧諸国軍の抵抗は、
利益を追求しながら無秩序に肥大し増殖を続ける企業集合体に、
飲み込まれまいとする戦いでもあったのだろう。
だが、人材、物量、科学力すべてにおいて勝っていた新羅軍の前に、
いまや本丸とも言えるウータイの街までが陥落しようとしていた。
だれもが新羅軍の圧勝を信じた。
それにもかかわらず、ここ数ヶ月、戦いは膠着状態に陥っていた。
古よりウータイに伝わる五強や守護神の存在、
それが攻撃よりも防御において飛躍的な力になることを、この数ヶ月の籠城戦が示していた。
「あの防御陣をなんとかしなければ。」
少年は空を振り仰いでつぶやいた。
彼の瞳が青く輝く。
それは彼を取り巻く空の青さとも、海の青さとも異質な輝き。
ひどく硬質で、鋭くて、それゆえにどこかはかなげでもある青い瞳。
彼の脳裏に昨晩大人達と交わされた会話が蘇ってきた。
「セフィロス」
プレジデントと呼ばれる男は、今まで彼に向けたことのない不機嫌な表情を少年に向けた。
「君は自分の存在意義というものをわきまえているのかね。」
男はデスクの向こうでいらだたしげに葉巻をかみ破りながら続けた。
「我が社としては、是非ともウータイに伝わる情報とマテリアを無傷で手に入れねばならんのだ。
そうしなければこの戦争につぎ込んだ資金すら回収できん。まして魔晄プロジェクトの進捗などとても望めん。」
「そ、それは困ります、プレジデント。このプロジェクトだけはどんなことがあっても止めることはできません。」
それまで黙って突っ立っていた宝条博士が、血相を変えて新羅カンパニーの総帥にくってかかる。
血走った科学者の目は次に少年へと向けられる。
「そ、そうだお前がさっさと始末を付けないからだ、セフィロス。
あんな2級人種どもなぞに何を手こずって。なぜ早く殺さない・・・。」
「まあ、待ちたまえ、博士。」
今にも細身の少年につかみかからんとする宝条を押しとどめながら、
プレジデント新羅は立ち上がり、少年へと歩み寄った。
「奴らを皆殺しにするなら、なにも絨毯爆撃の一回ですむ。
しかし我々の目的はそうではない。これは新しい世界を創るための戦いなのだ。
そしてこの任務をこなせるのは我が新羅随一のソルジャー、セフィロス。君をおいて他にない。」
その時、肩に置かれた手の感触と、宝条博士の狂気むき出しの表情とが、嫌悪を伴って思い出された。
「私の、存在意義、だと?」
少年はやり場のない憤りをぶつけるように、水平線を睨み付けた。
<ソルジャーセフィロス>の存在意義、それは戦って勝つこと。つまりは鋼の兵器と等しい物。
ふと、背後に気配を感じて少年は振り向きざまに身構えた。
「さすがに敏感だな。」
男が立っていた。彼の存在を目にして、ふと少年の眉が曇った。コレハナンダ?不可解な疑問。
突然現れた長身の男は確かに戦う者独特の、ソルジャーの気配をまとっていた。
しかしその瞳は、深紅。魔晄を浴びた者の碧眼とは対照的な紅。
強いて言うならそれは召還マテリアの色に似ていた。
『この男、召還獣・・・まさかな。』
剣に手をかけながらも、セフィロスは自分の思いつきの奇抜さにふと笑みを漏らした。
「その様子なら、私が来るほどのことでもなかったようだな。」
少年の笑みを見とがめてか、男はわずかに眉をひそめた。
「ウータイの刺客、ではないのか。」
セフィロスはまだ剣に手をかけながら問いかけた。
「違うな。この戦争の行方など私には興味のないことだ。」
男は相変わらず無感情な声で答えた。
「では何のようだ。私はソルジャーセフィロス。それと知ってのことか。」
「知っている。だが私はお前に興味があるわけではない。
ただ、お前が敗れると、ある女性が悲しむことになるのでな。」
「・・・女性が、悲しむだと」
そんなことこそ自分には関係ない、そう言おうとしてふと少年は言葉を飲み込んだ。
代わりに別の問いかけが口をついて出る。
「その女性とは、私の・・・」
彼の問いに答える代わりに、男は何か小さな輝きを少年に向けて放ってよこした。
「・・・魔法マテリアか。」
少年の手のひらで青い輝きが小さく揺れていた。
「消滅のマテリアだ。お前の消したいモノを消してくれるだろう。」
そう言って男は踵を返した。
自分の疑問には、到底答える気はないのだろう。
セフィロスは男の背中から自分の手のひらへと視線を戻した。
「消滅、の、マテリア・・・。」
これが本物なら、ウータイの戦士達を守る障壁を消し去ることが出来るかも知れない。
青い光に魅入られたように少年はマテリアを見つめ続けた。
私が消してしまいたいモノ、それは・・・。
突然、軍用ヘリのローターの爆音が響きわたる。
少年は空を見上げる。
彼を戦場へ送り込むべく、鈍い銀色の機体が降下して来る。
「私は、ソルジャーセフィロス。選ばれし者。」
近づいてくる轟音に打ち負かされまいとするように、
少年は自分に向けてそうつぶやくと、ヘリに向かって歩き始めた。
その瞳に、空とも海とも相容れぬ、青い光を宿しながら。
−*−*−*−*−*−*−*−*−
ロケット村郊外。緑の草原に『新生ハイウインド』の銀色の機体が輝いている。
「んー、このイラスト、あんまり色っぽくはねーなー。」
シドは飛空挺の舷側に描かれた笑顔の少女像を見上げながら言った。
「でも、雰囲気はよく出ていると思いますけど。」
並んで見上げるシエラがまぶしそうに目を細めながら答える。
「お、騒がしい奴らが来やがったぜ。」
丘の向こうから駆けてくるいくつかの影を見つけて、シドは肩をすくめて見せた。
真っ先に到着したのはナナキ。
「うわあ、すごいすごい!前のフネよりもでっかいみたい。」
飛び跳ねながら叫ぶ。
「おうよ。だがな、図体はでかくなっても小回りは前よりずっと利くんだぜ。
多少の凹凸や斜面でも安全に離着陸できるんだ。」
自分の娘でもほめられたみたいにシドの目尻が下がる。
「へー。じゃあ前はチョコボでしか行けなかったような所へもスイスイ行けるっていうわけね。」
追いついてきたティファが息を弾ませながら言う。
「へ、勿論よ。なんならトウホウフハイと勝負してやろうか。」
有頂天のシドをシエラはほほえみながら見つめている。
「乗り物酔い対策も万全でしょうね。アタシってホントデリケートなんだからさぁ。」
そういいつつユフィはもう胸の辺りをさすっている。
「そんなに乗り物酔いが心配なら、固茹で玉子を三つも食べるな。」
そんなユフィの姿を横目にしつつ、ヴィンセントは抑揚のない声でつぶやく。
「う゛、だってもったいないぢゃないかよぉ。みんな弁当残すんだもん。
ヴィンセントだってしば漬け残すから、アタシがちゃんと食べてあげたんだ。」
「・・・私は漬け物は全般的に嫌いなのだ」
この二人、案外相性いいのかも。ティファがそんなことを考えていると、
「まあまあ、皆さん久しぶりの再会なんやから仲良うせんと。」
「そうそう、その通り。」
ケット・シーとその本体が並んで草原を歩いてきた。
「なんだか腹話術みたいだね。」
ナナキが素直な感想を口にする。リーブは笑いながら、
「今回こそは本体でご一緒しようと思ったのですが。
元新羅の人間として、旧ミッドガル市民の生活には責任がありますから。
また、こいつでお世話になることにしました。」
そういってぬいぐるみの肩を叩く。
「はいな、まかしといてや。皆さんまたあんじょうたのんます。」
ケット・シーが深々とお辞儀する。
「ホントは、この化け猫の方が本体じゃねーのか。」
後ろで話を聞いていたバレットが茶々を入れる。
「ほんまはそうなんですわー。」
元新羅幹部の口から関西弁が漏れると、バレットはガハハと腹を抱えてオヤジ笑いをした。
ふとシドが最後に現れた人影に目を留めた。
「よお、クラウド。ヒーローは最後にお出ましかい。」
「俺がヒーロー?なわけないじゃないか、挺長。」
クラウドは以前と変わらない様子で肩をすくめてみせる。
「ち、相変わらず煮えきらねえ野郎だ。まあいい、例の物を拝ませてくれよ。」
シドの”例の物”という言葉に、一同は改まった顔つきになる。
クラウドは頷くと荷物の中から小さな袋を取りだし、中の物を手のひらにあけた。
転がりだす透明の球体。
「これが、白マテリア・・・。」
シエラの口からため息が漏れる。
「水晶玉みたいだね。」
ナナキが鼻の先を近づけてつぶやく。
「ホーリーの発動で、マテリアの力はすべて放出されてしまったのですって。」
ティファは日の光にきらきらと光るマテリアを見つめながら言った。
「これに、エアリスの思いを集めるのか。」
ヴィンセントの声にクラウドは頷きつつ、
「ミッドガルの教会でエアリスの姿を見たとき、俺は確信したんだ。
エアリスはまだ死んじゃいないって。」
「彼女が手入れした花は本当に咲き続けていた。幻にそんなことができるわけない。
エアリスはきっと生き返る。だからずっとその方法を探していたんだ。」
「それでじっちゃんの研究が役に立ったんだよ。」
ナナキが胸を張る。
「じっちゃんは・・・最後まで古代種の言葉を研究して、翻訳機の設計図を残してくれてたんだ。」
「それを基にルクレツィアが開発した。」
ヴィンセントが腕組みをしたままつぶやくと、ユフィがうんうんと大きく頷いた。
「そして古代種と交信に成功したと。」
ケット・シーそっちのけでリーブがマテリアをのぞき込む。
「古代種、セトラたちも私たちと話したがっていたの。マテリアのこと、エアリスのこと。」
ティファは忘らるる都でのことを思い出すように遠くを見つめながら、
「白マテリアは、祈り、希望、命のマテリア。
こんどはそれで私たちの娘、私たちの希望、エアリスを救って下さいって。」
「彼らは教えてくれたの。エアリスの身体も精神も今は疲れて眠っているだけ。
ホーリーを唱えるために力を出し切ってしまったから。」
「彼女の思い、彼女の記憶はライフストリームの奔流に乗って世界中に散らばってしまったの。
だからその記憶をこのマテリアに拾い集めて、彼女のもとへ返してあげれば・・」
「エアリスは目覚めるっていうわけか。」
バレットは言って深く息を吐き出した。
「じゃあ、さっさと飛び立とうぜ。そのために俺もシエラもスタッフ総動員でこいつを創ったんだからよ」
シドは銀色の機体を見上げる。
「ええ、行きましょう。まずお花畑と彼女の育った家があるミッドガルね。」
ティファも飛空挺を見上げた。
「そして彼女が生まれた、純白の雪に覆われた街へ。」
ヴィンセントは髪を掻き上げて空を見つめる。
「思いでいっぱいのゴールドソーサーへもね。」
にっしっしっと笑いながらユフィ。
「そして、ゴンガガへ。辛いけど、ザックスの両親に話さなくちゃいけないと思うんだ。
彼の死んだこと。それに俺のあこがれのソルジャーだったこと、
ザックスのことを大好きだった女の子がいたことも。」
クラウドの背にバスタードソードが装備されているのを、仲間達も気が付いていた。
「よーよー、急に辛気くさくなりやがって。新しい旅の始まりだぜえ。」
シドがどなりはじめた。シエラとスタッフたちは既に発進準備を整えている。
「さあ、行こうぜ、俺様のハイウインドウがお待ちかねだ。世界の果てまで行ってやる。
そして帰りは花売りの嬢ちゃんも一緒だぜ。」
飛空挺のエンジン音が轟き、巨大な機体は苦もなく上昇を開始した。
丘の上ではツォン始めタークスのメンバーが手を振っている。
その姿もあっと言う間に小さくなって。
青空に吸いまれていく銀色の機体の側面には、笑顔のエアリスの似顔絵がガッツポーズをとっていた。
−*−*−*−*−*−*−*−*−
へにょへにょ
錆び付いてしまった一本の鍵。
ある扉を開く為に作られたこの鍵は
5年の間人々の記憶から抜け落ちてしまっていた。
今、一人の男が扉の前に立っている。
男の手に握られているのは錆び付いた鍵。
鍵穴に鍵を挿し込み、回す。
「ガチャン」
24 :
名無し:2001/04/09(月) 21:41
>1それは安いよ。おれんとこでは説明書ありで2000円くらいだよいまだに。
買った方が良い。
「ちょっとばっかし胸が大きいからって、あの態度は何?」
「ホントムカツクよネェ。」
−*−*−*−*−*−*−*−*−
おとなも こどもも
古代種の神殿と呼ばれる場所がある。
He glanced out a window to his left and saw that the sun now hung low in the sky,
just peaking over the mountains of North Corel.
He had been working on this paperwork all day,
but he hated it, and it was slow going.
He idly scratched his right arm just above the gun grafted on it.
−*−*−*−*−*−*−*−*−
夕日の帰り道で
背中に揺られてた あの日
好きだった ハンカチをなくし
ふたりで 探したね
憎まれ口ばっかり
叩いたけど 本当にごめん
「まあ、もうお出かけですの。」
「そりゃ私が悪かったのは認めるけど・・・」
突然の独り言
夜、自室でメールチェックしていたらふと夏の出来事が頭をよぎって。
頭の上からバケツが降ってきたり、泥水浴びせられたり・・・
結構な事されたもんよね。
「この私がやられっぱなしってのも、ちょっとね。」
なんて無性にいじわるしたくなってきて
「ま、チャンスなんてこれから嫌ってほどあるでしょ。」
だって、彼の居場所は・・・
海が見える
マテリアを覗きこむ
すいこまれるような感覚、あわてて視線をそらした
39 :
名無しさん@LV2001:2001/04/25(水) 00:04
突然すいません。
最近FF7をやっているのですが、ウータイで完全に行き詰まっています。
何もかわらず、困っています。
誰かヒントでもいいので教えてくれませんか?
40 :
名無しさん@LV2001:2001/04/25(水) 00:36
攻略サイトに行け。>39もしくは攻略本を買うか。この板の質問スレに書きこめ。
遠い記憶
遥かな星の記憶を辿り
人は約束の地を目指した
遠くへ行ってしまった
伸ばした手をすりぬけて
遠くへ行ってしまった
−*−*−*−*−*−*−*−*−
He idly scratched his right arm just above the gun grafted on it.
He looked at the gun for a moment, holding it up
until the sun glinted off it through the window.
その朝は、前夜の雨も嘘のように、すっきりと晴れ渡っていた。
そこここに残された小さな水たまりが日差しを映して、銀色に光る。
初々しい若葉が、5月の風にそよぐ。
廃屋寸前だったミッドガルの教会も、何とか今日の日までにはと、
仲間達が必死で修理した甲斐あって、降り注ぐ陽光に白亜の壁を輝かせている。
その扉の前で、タキシード姿のクラウドと紋付きに羽織袴のバレットが
何やら大きな箱を二人で抱えて右往左往している。
「どうして披露宴用のケーキがこっちに届きやがるんだよ、おい。」
バレットが野太い声でわめく。
「そんなこと言ったって。どうしよう、冷蔵庫なんてないしなー。」
クラウドは箱を抱えたままで肩をすくめて見せた。
そんな二人に軽快な足音が近づく。
「へへーん、なーにやってんのさ。男二人で夫婦漫才なんつって。」
「ユフィ、この野郎、人が困ってんのがそんなに面白れーか。」
「あっ、可愛いユフィちゃんに向かってその言い方はなにさ、バレットのクソおやじ。」
「んだとぉー、」
バレットが怒りに身体を振るわせ、クラウドが箱の中身を心配しているところへ
留め袖姿のエルミナが走ってくる。
「ちょっとバレット。新郎に何やらせてるんだい!
あんたも仲人役なんだから、早く中に入ってちょうだい。」
言って教会の中に戻ろうとしたが、視界の隅にうつったいつも通りのユフィの姿に足を止める。
「あんたまだその格好かい?早く用意しないと。もう式は始まるんだよ。
ティファが貸してくれたワンピースに着替えなって言っただろう。」
慌てて更衣室に連れていこうとするがユフィはひらりと身をかわす。
「やーだよ、あんなブリブリワンピース。
第一このユフィちゃんのキュートなボディじゃ、
胸とお尻のとこが余っちゃって格好悪いんだよーだ。」
ジェスチャー付きで解説すると、忍者娘はびーっと舌を出して見せた。
「そんなこと言ったってあんた、結婚式にその服じゃ。」
仲人婦人がなおも説得を続けようとしていると、
「今日の出席者はみな見知った間柄だ。ユフィがそれでいいと言うのなら、それでいいだろう。」
タキシード姿のヴィンセントがやってきた。
「もう時間だ、中に入れクラウド。オマエがいなければ始まらない。それにあんたたちも。」
「でも、コレどうしようか。」
相変わらず巨大なウエディングケーキの箱を抱えたままクラウドは途方に暮れる。
「へっ、あの化け猫野郎が余計な真似をするからよ。だいたいケーキなんて代物はなあ。」
再びバレットがわめきだすが、ヴィンセントは黙って指を鳴らした。
と、植えられたばかりの並木の影から姿を現す元タークスの面々。
「げ、なんでーお前達。」
胡散臭そうにバレットが呟く。
珍しくオレンジ色のスーツにミニスカートのイリーナがワケを説明する。
「ごめんなさい、まだ会社の方が混乱していて。
ケーキはあたし達が責任を持って披露宴会場の方に届けるから。
それと社長もなんとか披露宴には出席できるみたい。
今スキップ飛ばしてこちらに向かっているはずよ。」
「頼むぞ。」
ヴィンセントの一言にイリーナは笑顔で頷く。
「はい社長室長。じゃ、あたしたちは向こうで待ってますね。」
ルードとレノがそっとケーキの箱を持ち上げる。
「クリームの匂いがたまらんぞ、と。」
「・・・・・・苺だ。」
去っていく彼らを見送りつつ、バレットが呟く。
「奴ら、甘党だったのか。」
教会の一室。飾り気は無いが清潔に整えられた室内。
ガラス窓から差し込む光の帯が、何より優しく、そこにたたずむ人影を、守るように降り注いでいる。
花嫁は純白の総レースのドレスに身を包んで立っていた。その手に一枚の写真。
ティファは印画紙の中の少女に語りかける。
「エアリス。あたし今日、クラウドと結婚するよ。」
「あなたがいなくなって、あたしたくさん泣いたよ。たくさん悩んで考えた。
でも今日でそれは終わりにするね。」
「このドレス、エルミナさんが貸してくれたの。本当は、あなたの為に用意していたドレスだよ。」
花嫁の問いかけに、写真の中の少女は応えない。ただあのころのままの笑顔がそこにある。
「あたし今日、これを着てクラウドのお嫁さんになる。
そして明日からあなたのこと忘れて、二人で暮らしていく。」
「彼を愛して、たくさん子供を生んで、育てて。そして可愛いおばあちゃんになりたいの。」
「それで、精一杯生きたら・・・エアリス、そしたら必ず会いに行くよ。
あなたがくれた分の命、全部使い果たして来ました。力の限り、幸せになりましたって言いに。」
つかのま、ティファは少女の写真を見つめていた。
そこに何かの奇跡が起きるのではないかというように。
しかし。すぐに、彼女は浮かびかけた涙をこらえるように唇をかみしめ、
そして最後にもう一度写真の少女に微笑みかけた。
「さあ、これからあたし強くなるよ。だから心配しないで、ね。」
呟いてそっと写真を伏せる。
「じゃあ、行くね。」
開いてあったアルバムにはさみ、替わりにブーケを手にとった。
パイプオルガンが賛美歌を奏でる。
バレットにエスコートされたティファが、ヴァージンロードを進んでいく。
純白のドレスの裾を、緊張した面もちのマリンとクリンが掲げつつそれに続く。
花の咲き乱れる祭壇前で、待ち受けるクラウド。
静寂、仲間達の視線。
咲きこぼれる花々、十字架。
誓いの言葉・・・光。
約束の地に、新たな絆が結ばれた。
弾けるように、祝福の鐘が、青い青い空になり響く。
新郎新婦が教会の階段を駆け下りてくるのを、皆が祝福する。
ライスシャワーと冷やかし、クラッカーと歓声が交差する。
いつの間にかヴィンセントに借りたタキシード姿になったユフィが、
クラウドの真似をして肩をすくめてみせると、笑い声が渦になる。
突然響く爆音とともに、蝶ネクタイをしめたシドがバイクに乗って登場。
「いよう、見てくれよこの仕上がり、チューニング!ほれぼれすんだろうがぁ。」
黒光りする車体をさもいとおしげに撫でながら自慢する。
「あ、このバイク、あの時の!」
駆け寄ったティファがクラウドを振り向いて叫ぶ。頷くクラウド。
一瞬二人は見つめ合い、そしてお互いの瞳の中に、同じ人の微笑む姿を認めて、頷きあう。
「よし、準備おっけーだよん。」
単車の後ろに回って何事か作業していたビックスとジェシーが立ち上がって叫ぶ。
「う、ちょっと派手すぎるんじゃ。」
様子を見に行ったクラウドがうめく。
旧アバランチの手によって、バイクには色とりどりの空き缶が20個ほども結びつけられていた。
「いーからいーから、今日という日はこのぐらいしとかないと。」
ナナキが大人びた口調で照れるクラウドを励ます。
「そうかな。ま、いいか。」
納得したのかしないのか、とにかくクラウドが単車にまたがると、
そのバックシートにティファがひらりと飛び乗る。
「おー、いーねいーね、二人とも。若者の特権ってやつだな。」
筋肉でタキシードが張り裂けそうなディオが満足そうに何度も頷く。
「それじゃ、ちょっと行ってきまーす。」
ティファが赤面しつつ手を振り、クラウドがキーを回す。
凄まじいエンジン音と缶からの騒音を響かせつつ、二人は街へ繰り出していった。
「おいおい、花嫁乗せてんだから、もっと静かに転がせよ、あの馬鹿。」
小さくなっていく二人を見送りつつ、シドがため息をつく。
「おっと、こうしちゃいられねー、この間に宴会の支度しなくっちゃ。」
バレットがドタバタし始め、
他の列席者達もウオールマーケットのパーティー会場へと移動していく。
静かになった教会の前に、何故かユフィがぽつんと居残ってる。
彼女は借り物のスーツの袖をまくり上げながらふとため息をつく。
「あーあ。やっぱりお似合いだよな、あの二人。」
頭上を見上げると、抜けるような青空が広がっていた。胸の奧底まで射通すような、ピュアな青空。
「ふんだ、馬鹿クラウド。3年後のあちしを見て、早まったーて思ったってもう遅いんだかんねー。」
「でもやっぱエンゲージリング盗んだりしなくっていかった。」
やけ気味に近くにあった水たまりをけ飛ばすと、銀色の飛沫が飛び散った。
「そうだな、盗みはお前の悪い癖だ。」
突然響いた、背後からの声にぎょっとなって振り向くと、神羅の社長室長が立っていた。
「げ、居たのって、ヴィンセントぉ。」
焦る少女忍者にスナイパーはあくまでポーカーフェイスである。
「それにそんなことをすれば、お前の気持ちを全員にばらすようなものだ。」
「ちょっ、あたしの気持ちって、な、何か誤解してませんー。そこのあなたーって、聞けよ人の話っ。」
赤くなったり青くなったりして飛び跳ねる少女に、ヴィンセントはあっさり背中を向けた。
ただ去り際に、水たまり遊びで泥の付いたズボンの裾を一瞥する。
「・・・その服、クリーニングして返せよ。」
すたすたと歩いていくその背中を、ユフィは慌てて追いかけていった。
がんば