デスピサロ、村の前に四天王を引き連れ堂々と現れる。びびる村人のリーダー格数名。
勇者の剣の師匠が先走って斬りかかるが、一瞬で叩き伏せられてしまう。
老人がライデインを唱えようとするが、呪文が口から出てこず慌てふためくばかり。
冷たく笑ってデスピサロが懐から取り出したのは静寂の玉。
殺されるとおののく村人の態度を気にするでもなく、デスピサロは単刀直入に問う。
ピ「人間よ、貴様らはエスタークを殺させるために予言の勇者を育てているという。
なぜだ?エスタークが貴様たちに何をしたというのだ?」
人「エ、エスタークが世界を滅ぼすからではないか!」
ピ「世界を滅ぼす? なぜエスタークがそんなことをしたがる?
エスタークは我ら魔族の歴史でも、類を見ないほどの非戦派の王だったのだぞ」
人「嘘だ!! 魔物の、化け物の言うことなんか信じられるか!!」
ピ「信じられるか、だと? ならば問おう。では貴様たちはいったい何を根拠に、
エスタークが世界を滅ぼすなどと思っているのかを」
人「そ、それは……予言が……」
ピ「予言? それならこちらでも入手しているぞ。では読んでやろう。
『復活した地獄の帝王エスタークは、天空の血をひく勇者に倒されるであろう』
――エスタークが世界を滅ぼすなどと、どこに書いてあるというのだ?」
人「俺は聞いたぞ!エスタークは世界を滅ぼすって!」
ピ「誰からだ」
人「それは、その、うわさで……」
ピ「(ギロリ)つまりこういうことだな。お前たちは噂を根拠に、我々の太古の帝王を
殺そうとしていると」
人「あ、いや、その……」
ピ「覚悟はいいな(抜刀)」
人「お、おまちください! 分かりました大魔王さま。勇者を訓練するのはやめます。
どうか我らとこの子の命ばかりは……」
ピ「その言葉、たがえるなよ」
ピサロはルーラを唱えた!
「い、行ったか?」
「らしいな……で、どうする? 訓練をやめるのか?」
「バカいえ!魔物なんか信用できるか!」
「エスタークが復活したらすぐにみんな殺されるに決まってるだろ!」
「そうだな……じゃあこっそり勇者は遠くへ連れて行ってそこで訓練するか……」
―― 一方、デスキャッスルにて。
ヘルバトラー「デスピサロ様、本当に勇者を放っておくのですか」
ピ「放っておくものか。どうせ奴らも我々を信用などしておらぬ。」
ギガデーモン「はっはっは!さすがはデスピサロ様!」
アンドレアル「デスピサロ様! 間者のマネマネからの連絡です!
やはり人間ども、我らとの協定を裏切る気ですぞ!」
ピ「やはり、人間とは愚かな生き物かもしれんな……。」