フローラファンスレ

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802名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/09(日) 00:39:12.74 ID:zetqL7MxO
投下乙。元ネタは何だ?

フローラの良さは周回プレイを重ねるごとに新たな萌えが発見出来ることだな
803通りすがりの白戦士:2011/10/09(日) 01:42:00.31 ID:ntYmOWiE0
〜昇天・3〜

「え、どうして…!?今まで一度もそんな事を言ってなかったのに…!」
シルフィは驚いた。
「アルフはいつも私に言ってました。<聖騎士になれば、シルフィと結婚出来る>と。多分、あの子はあなたの悩みを感づいていたのかも知れません。強くなって、あなたを守ってあげたいという一心なのでしょう。」
「アルフ…、あんたって子は…!」
「そうそう、私に約束してくれましたわね。聖戦士の基本技を見せるとか、聖騎士の証を見せるとか。どんどん約束を果たして行って、最後の大きな約束は…」
修道院長が言いかけると、シルフィは涙を流していた。
「あなたとのここでの結婚式を私に見せるそうよ。楽しみですわ。」
シルフィは修道院長にしがみつき、大きな声で泣いた。
「バカ!アルフのバカ!私なんかの為に…ああ!」
「身分なんか関係ないのです。あなただから好きなのです。あなただからこそ、一生懸命になれるのよ。だから、あなたも、あの子の心に応えてあげてください。」
修道院長はシルフィを優しく抱き締め、母親の様にそっと背中を撫でた。
「はい…!院長様!」


その日を境にシルフィの想いは変わった。相変わらず、お姉さんぶってはいるが、どことなく距離が縮まっている感じがしている。
修道院長は2人の様子を笑顔で見つめ、そっと庭へ出た。






804通りすがりの白戦士:2011/10/09(日) 01:47:22.77 ID:ntYmOWiE0
〜昇天・4〜

桜が満開に咲き誇っており、花びらを少しずつ散らせていた。
修道院長はベンチに積もった花びらを払い、そっと座った。
「ここもサラボナもグランバニアも桜の美しさは変わらないのね…。」
もちろん、修道院長は景色が見えていない。しかし、桜の樹が放つオーラの具合さえも分かるのである。

「もう、いいのかい?」
修道院長の前に、王侯貴族の様な立派な服を着た青年が立っている。
「ええ。あの2人はもう、大丈夫ですわ。」
青年もアルフとシルフィの事を気にかけていたらしく、ホッと胸をなで下ろした。
「君がグランバニアを出て3年か…。自ら申し出たとは言え、今までよく頑張ったね。」
「あなたが亡くなり、先太后として悠々自適で暮らすより、ここでの暮らしが合っているのですわ。」
青年は整えられた黒髪の頭をポリポリと掻いた。
「ははっ。いくつになっても花嫁修業で身についた教えが忘れられないという事か…。」
「ふふっ。そういう事ですわ。そして、あなたもね。」
2人はクスクスと笑いあった。

青年はゆっくりと修道院長の隣に腰掛けた。
「お父様、どうでした?」
「僕が天界へ行った時には既に刑期の半分以上は終えていたよ。」
「そう…。やはり、お父様は地獄に…。」
修道院長の瞳が曇る。
「ああ。自分の為に愛する者同士を2組も引き離したんだ。ある程度予想はしていたが、見ていて辛かった。」
「お父様はもらい子の私を娘でなくて、1人の女性として愛してました。だから、自分を打ち負かす程の強い男性でないと、自分に納得出来なかったのでしょう。」
修道院長は遠い目で空を見上げた。
「しかし、お義父さんは僕を見て<心配するな、お前達に負わせた罪の罰もワシが全部受ける>って笑ってたよ。」
「お父様らしいですわ。でも、私達がかつての互いの恋人を傷つけた罪は私達自身で償わなければなりません。」
「僕達は世界が平和になってからずっと、本当に愛し合う者達を結びつけてきた。天界の神様も、<償いとしては十分だ>と許してくれた。」
しかし、修道院長は首を振った。
「いいえ、まだ不十分ですわ。私はまだ天国に行くつもりはありません。」
青年は修道院の建物の方を見た。
「アルフとシルフィの結婚式を見届けたいんだね。しかし…」
青年は修道院長の胸に手を当てる。今にも止まりそうな弱々しい心臓の鼓動が伝わってくる。
「君の寿命は今日までなんだよ…。」
「だから珍しく、私の側に来たのでしょう?自分の寿命くらい分かりますし、覚悟はいつだって出来ておりますわ。」
「では、どうする?」
修道院長は青年に手を差し出した。
「まだ、身分差の結婚に偏見をもたれる方々が大勢いらっしゃいます。この世界に留まって、あの子達が完全に結ばれるまで守ってあげます。そして、あの子達の結婚式を見届けてから、天界へ旅立ちましょう。」
「…地獄より辛いかもしれないよ?」
「そういうあなただって、亡くなってからもずっと私と一緒に償ってきたではありませんか?」
「そうだったね。」
青年も手を差しのべると、修道院長の心臓はピタリと止まった。
「私の最愛なる夫リュカよ、どうかこれからも私と共に。」
老齢の肉体から出てきたのは王妃のドレスを纏い、綺麗な青髪を纏めた若く美しい女性であった。
「我が最愛なる妻フローラよ、幾星霜の時を経ても想いは1つだ。」
805通りすがりの白戦士:2011/10/09(日) 01:52:17.07 ID:ntYmOWiE0
「院長様!院長様!」
「グランマ、起きてよ!」
アルフとシルフィは既に事切れたフローラを揺する。
もちろん、二度と動かない。
しかし、その表情は微笑んでいるようにも見えた。



時は流れ、アルフは聖騎士に、シルフィは聖導士隊の部隊長になった。
そして、愛を育み、育った修道院で結婚式を挙げた。
アルフは水色のフロックコート、シルフィはピンクの修道女の様な全身を覆うドレスである。
もちろん、リュカとフローラ夫妻に合わせたものだ。
〜昇天・5(完)〜

「…ん?」
式が終わり、アルフは神像の方へ振り向いた。
「どうしたの?」
セルフィも一緒に振り向く。
「グランマが天に帰った…。」
「やっぱり。私も感じてたわ。」
「ずっと、見守ってくれたんだね。」

「ありがとう、グランマ。」
「ありがとう、院長様。」


「いつまでもお幸せにね。」
「君の教え子さ。大丈夫だよ。」
リュカとフローラは互いに手を取り合った。
「さあ、行こうか。」
「ええ、あなた。」
2人は光を放ち、天界へと旅立った。




読んでくれた方々、ありがとさん。元ネタというよりは聖騎士、聖導士、装甲騎士の設定はファイアーエムブレムを参考にしました。
806通りすがりの白戦士:2011/10/09(日) 02:07:25.67 ID:ntYmOWiE0
あ、変な位置に昇天5の文字が入ったね。あと脱字もだ。すまんね。
807名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/09(日) 21:13:45.39 ID:zetqL7MxO
乙。白戦士には珍しい主フロだが自己主張はきっちり入ってたな。
(二組の恋人云々の部分)
まあ、白戦士ワールドってことで済ませられるのは人徳ってことで良いんじゃないかな。

ドラクエワールドでフローラ程、賛美歌やパイプオルガンが似合う聖ヒロインは居ないなってのも俺の主観だがなw
兎に角スレが平和なのは良いことだ。

808名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/10(月) 08:32:52.39 ID:xSMeIJ4sO
フローラの良さって選択して初めて解るんだよね
多分主人公=プレイヤーが選んでくれるまで異性からの愛の告白を受けて無かったんだと想う
アンディとの関係は兄妹のような幼な馴染みたいな状態で、アンディは兎も角フローラにとっては家族愛や親友といったところだったんだろう
俺はアンディ自体は良い奴だと想うんだけど、色々な物を背おった主人公と違って、あくまでも普通の兄ちゃんだしね

ルドマン家の令嬢として何不自由なく育ったフローラだが、今までは養父ルドマンがひいてくれたレールをそのまま歩いて行けば良かったし、
周りもチヤホヤしてくれるし、ルドマン家の素晴らしい令嬢という評判も貰っていたが、心の中では養父ルドマンに対する遠慮と実の両親が居ない悲しみと
有る意味人形のように生きる自分に対する不満が心の中で渦巻いていたが、従順な娘という仮面を被っていたんだと思う
そこに花婿選びというイベントがあって最初は嫌々ながら従順な娘という仮面の部分で対応をしていたフローラだが
候補者の中で孤独で必死に自分探しをする強烈な目的意識を持った主人公という存在と出会うも、最初は牽かれながらも仮面の部分で接していたフローラだが、
他の候補者が脱落するなか次々と課題をクリアーする主人公に対して、徐々に今まで自分の周りにいなかった運命の男としての存在を感じていたが、
主人公にはビアンカという存在がいて
「ああ‥やっぱり」
みたいな何時もの諦めと主人公を政略結婚の出汁にしてはいけない自分が引けばいい、養父ルドマンの面子を潰さないように選択という形に成ったが、どうせ主人公はビアンカを選ぶだろう
という諦めの早い何時もの物わかりの良い娘という仮面の部分で自分を押し殺していたんだと思う

しかし自分の思っていた形と反して主人公=プレイヤーがフローラを選んだところから、彼女は自分の殻を破り真の家族、真の愛に対して仮面ではなく
自分自身として向き合うように成ったのだと想う
今の長文はあくまでも俺の一考察に過ぎないが、フローラが何時までも主人公に恋をしている理由付けとしては有ってると考えられる

‥‥と、まあ…フローラ編は無限に一途な我が良妻の背景を妄想出来るところに良さがあるんだよねw

809名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/10(月) 21:56:28.67 ID:k5pdvZtb0
フローラのセリフに主人公に惹かれた理由入ってたと思うけど・・・
もともと船ですれ違った男の子にもう一度会いたいと願ってたんだから
最初から恋してたといってもいいんだよな
810名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/11(火) 00:21:15.21 ID:sNszLdMjO
勿論最初の出会いから淡い恋心は有ったかもしれないが、それに気づいたのは主人公にプロポーズされてからだろう
(こう考えられると結婚前の淡白さも解決するし)
初回登場時の普通の「出来た娘」フローラと結婚後の「一途で健気な良妻」フローラでは別人の感がある

自分が惚れたのは、勿論後者だ

811名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/11(火) 00:54:38.91 ID:8/Z1Ag4r0
おれはサラボナに着いたときに5主もフローラも一目惚れ
したのだと思いたいな。名前も聞かずボーッと見つめたり、
その後名前を聞いたけど名乗るのを忘れたり、ルドマン邸で
あなたも試練を?まあ…ってセリフもそれを表してると。

結婚前の淡泊さは、今まで育ててもらった恩と、血の繋がりが
無いのに、という負い目や遠慮から、ルドマンの敷いたレールに
抵抗することなく乗り続け、自分の思いを主張する機会が
なかったせいでは、と想像した。それゆえ結婚が決まってからは、
自分を選んでくれた5主のためにも、ちゃんと自己主張して
いいんだと思い、旅について行く決心も早かったのかな、とか。

とにかくどの解釈も萌えることには違いがないんだけどw
812名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/11(火) 01:24:38.97 ID:eQXhUKmd0
自分も一目惚れ説に近いかもです
最初フローラは父親の花婿選びレースにはっきりと反対していたのに
候補者の中に主人公の姿を認めると急に態度が曖昧になって以後明確に反対しなくなるので
この人と結婚できるなら、とか考えたに違いないと^^
813名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/11(火) 07:15:31.25 ID:sNszLdMjO
そうだろうな
ただ。元々フローラの初期設定が当時の高い子女教育を受けた理想の花嫁っていうことだから、自分の本音を押さえていたのは間違いないだろう
結局主人公と結婚しない場合アンディと一緒に成るのも勿論アンディの思いに応えたってこともあったのだろうが、花嫁修業に出してくれたルドマン家のこととかも考えたからだろう
幼少期からして内気な少女だから、元来自分の本音を抑え周りのことを考える女性なのだろうが
結婚後の良妻ぶりと健気な発言をみる限り、主人公=プレイヤーと結婚した場合のみ自分の殻を破り真のフローラ自身の理想な人生を歩んでるといえるかもな

814名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/11(火) 18:55:46.22 ID:yQSgER3I0
他スレ荒らさずにずっとここの引き籠っていてくれませんか?
815通りすがりの白戦士:2011/10/11(火) 23:26:34.64 ID:hJUr4VTR0
考え過ぎかも知れんが、
俺のssの投稿直後「フローラ一目惚れ説」や「最初からお互いに好きだった説」が過熱しているな…。
関係あるかは知らんが、万が一、本当なら今後他嫁荒らしはやめて欲しい。
ssでの設定の反発とか、単に自分の解釈を語るのに留めて欲しい。

アンディもリュカも、フローラと結婚した夫は彼女の純粋で高貴な心に影響を受けるんじゃないかな?
まして、主人公=自分と同一で最初から惚れていたなら尚更だと思うよ。

高貴な心でゆるりと語り合おうぜ。
816名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/11(火) 23:51:52.31 ID:MHJ6HAWD0
はじめて好きになった二次キャラがフローラだなあ
一目惚れだったんだぜ
最近になってPS2版やったんだけど会話システムいいね
のれん買ってあげたときの、はしゃぎっぷりに悶えた
817出会い:2011/10/12(水) 02:08:00.45 ID:RpQQIlrgO
「ようやく船が着きそうね」
 ビスタにある待合い小屋。
 その中に入ってきたデボラ姉さんは、少し苛立たしげに言った。
 無理もない。せっかく船に乗ることが出来ると楽しみにしていたのに、その船が遅れに遅れ、四半日も待たされているのだ。
それでも、不満を表に出しすぎるのは悪いことだ。
「姉さん」
 ほんの少し、咎めるような私の声を無視して、
「フローラもたまには日の光に当たらないと健康に悪いわよ」
 デボラ姉さんは自分の二の腕と私の二の腕をくっつけた。
 確かにデボラ姉さんと比べると私の肌の白さが目立つ。
「ね?」
「そうですね。なら、お父様を呼びに行くのは私が」
「ええ、お願い。そろそろ面倒事も終わっている頃でしょ」
 姉さんの物言いに苦笑した。ある意味でその通りだったのだから。
私は小屋を出て、父に船が着くことを知らせるために歩きだそうとした。が、街道の側には、一台の馬車と御者が待っていた。
「お嬢様、どちらに行かれるのですか?」
その御者さんの質問に答える。
「お父様に船が遅れると伝えに参ります」
「そうですか。それでは、こちらの馬車にお乗り下さい」
「いえ、それは……」
「この辺りにも魔物は出ますので」

 何度か謝絶しようとしたのだが、結局御者さんの言葉を断り切ることが出来ず私は馬車に乗り込んだ。
――せっかく外を歩く機会を姉さんが作ってくれたのに。
父が商談をしていたのは、すぐ傍に用意されたテントだ。
 そこで日差しを避け、いくつかの料理が皿に用意されていた。
この馬車も、テントも料理も全て相手側が用意した物だ。姉さんが厄介事と言うのは、”そういうこと”なのだ。
 馬車に気づき、一人の男の人が声をかけてきた。
「おや可愛らしいお客さんだ」
 私はお辞儀をして父の居場所を尋ねた。
「すみません、父はどちらでしょう」
「ああ、ルドマンさんね。今は奥の森にいるはずだよ」
「ありがとうございます」
「旦那様ぁ。ルドマン様のご息女がおみえです」
 その声に、奥から二人の男の人が出てきた。
 一人は恰幅の良い男性……私の父。
 もう一人は、父と比べるとずいぶんと若く、それでいて落ち着いた物腰の男性だった。
 どうやら商談は無事に終わったらしい。
 父は不快感を外に出すことを躊躇わない人だから、顔を見れば一目で分かる。
その辺り、デボラ姉さんとよく似ていて親子なんだなぁと思ってしまう。
818出会い:2011/10/12(水) 02:10:16.25 ID:RpQQIlrgO
「確か以前お会いしたのは髪の黒いお嬢さんだった記憶が」
「それは上の娘のデボラですな。これは下の娘のフローラです」
「お初にお目にかかります。ルドマンの二女フローラと申します」
「これはご丁寧に。ラインハット商会のハンスです。
 ……いや、立派なご息女だ」
「少々気が弱すぎて困っておりますがな」
 父は如何にも上機嫌な笑い声をあげた。
 私は自分でもそれと分かる曖昧な笑みを浮かべた。
「お父様。そろそろ船が港に着くようです」
「もうそんな時間か。
 いやはや、長々と話し込んでしまった。今度は私のカジノ船に招待しましょう」
「ほう。ごく最近造られたという娯楽の為の船ですか。それは今後の参考に是非とも見学したいものです」
「それでは日程は改めて」
 父は彼の手を取り、しっかりと握りしめた。
これで全ての契約は終了したようだ。

※※※※

819出会い:2011/10/12(水) 02:11:34.86 ID:RpQQIlrgO
「デボラはどうしている?」
「姉さんは海をみています。
 船が遅れたことに一番腹を立てているのは姉さんでしょうね」
 姉さんは、船に乗るのが好きだから。
 私は海の中に吸い込まれそうな感じがして苦手なのだけれど。
「なに。最近は海の魔物も増えてきているようだからな。多少の遅れはやむをえん。
 それよりも船が無事であることの方が重要だ」
 船には沢山の人と荷物を乗せている。それが沈んだ時の影響は計り知れない。
 どれほど多くの人の人生を狂わせるのかも、計り知れない。
それを考えると、船が無事に港に着いてくれることはそれだけで有り難いことだ。

程なく馬車はビスタ港に着き、護衛の人が外から扉を開けてくれた。
「良いタイミングに着いたわね。今から船を桟橋に着ける所よ」
 姉さんの言葉通りに何人もの水夫さんが船を岸に着けようと働いていた。
 私には良く分からない仕事だが、男の人がキビキビと動き自分の仕事をこなして行く様は、それだけで見飽きることがない。
ただ、姉さんが見ているのは水夫さんが受け持つ仕事で、――後から考えれば、どんな風にすれば船が動かせるのかを見て覚えようとしているのだった。
 
 働く大人の人達の中に、眼光鋭く辺りを見つめる人物がいた。
 体は荒事になれている水夫さんと遜色ない。……いや、より絞り込まれているような印象さえある。
 そしてその人が背負っている身の丈もある大きな剣。
「――――!」
 水夫さんが声を上げた。
 その人は水夫さんの声で警戒を緩めるとひょいと屈み、私と同じ位の歳の男の子を抱き上げた。
 その人は男の子を自分の左肩に座らせ、周りの景色を見せた。
 その人が男の子を見つめる時の柔らかな視線と、男の子がその人に寄せる態度が酷く印象的で、この二人が親子なのだと分かった。

820出会い:2011/10/12(水) 02:12:50.66 ID:RpQQIlrgO
視線を下げた男の子と、見上げている私の視線とが交わった。
 その男の子の目は黒々としていて、まるで吸い込まれそうだと感じた。
 その瞬間、私は自分の胸がトクンと跳ねたのを自覚した。

第一話 おわり
821名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/12(水) 10:19:53.34 ID:IKf0te1/0
>>816
あれ可愛いよな
会話システムはマジおいしい
822名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/12(水) 12:53:06.47 ID:4olEF0Kf0
元々興味なかっただけのキャラが信者のおかげで大嫌いになるというのを
フローラファンのおかげで体感できそうです
823名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/12(水) 13:39:00.75 ID:RpQQIlrgO
↑マホカンタ
824名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/12(水) 18:06:54.12 ID:6hZ+arcq0
>>811
少なくともフローラはいたストやその攻略本では一目惚れと書かれていたしね
幼馴染のアンディが吹き飛ぶほど衝撃的とか書いてあったからまさに運命の
出会いだったんだろうと思う
同時にそれまでアンディを気にかけていたこともわかる文だし いろいろ
想像がふくらんで楽しい
ただ本編のフローラの台詞がアレなんで(自分はネタとして好きだけど)
いまいち説得力がないけど…
825名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/12(水) 18:16:19.62 ID:IKf0te1/0
なんにせよフローラは可愛い
ただそれだけ
826名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/12(水) 23:55:38.86 ID:BoahbxFw0
アンディを気にかけていたのにほかの男に目移りしたってこと?
こりゃ結婚後も好みの男が現れたらすぐ目移りするなw
827名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/13(木) 01:20:37.89 ID:uCfOfKxRO
秋なのに飛び回る蚊は、蚊取り線香を焚いたから、取り敢えず無視して‥

フローラを選択するプレイヤーには、主フロ両想いでアンディはあくまでも昔からの幼な馴染み、兄的存在ってことで結論づけて良いだろう

実際主人公と結婚した時のみ子供も居て幸せな家庭を築いているわけだし

主人公=プレイヤーがフローラを選ぶってことは内面に複雑な想いを抱えるフローラに真の家族を与え、そしてフローラを選択した主人公=プレイヤーは良妻フローラを得た幸福を味わうということ

828名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/13(木) 15:20:43.81 ID:txbFH3mn0
アンディに関しては別に何も思わんな
フローラちゃんが可愛い、ただそれだけでお腹いっぱい
829名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/13(木) 18:35:43.48 ID:XBZJT0wT0
アンディを気にかけてるってフロファンが書いてんじゃんw
都合悪いところは無視ですかw
内面に複雑な思いを抱いてるのはヒロイン全員ですがね
830名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/13(木) 19:42:10.82 ID:txbFH3mn0
都合悪いとこは無視とかそんなじゃなくて
そこまで深く考えてない自分は
同じファンでも温度差あるのね
831名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/13(木) 20:05:09.53 ID:dG88s5WsO
>>826
目移りどうのじゃなくて、後にも先にもこの人しかいない!と思ったんじゃないかな
だから結婚後は主人公を一途に想い続けると思うよ 実際そうだし
832名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/13(木) 20:27:17.83 ID:uCfOfKxRO
イチャモンは前から居るアンチだからスルー&気にしないで
後フローラを選択する主人公=プレイヤーにとってアンディはあくまでもフローラの幼な馴染みという見解で良いのでは
小さい頃から一緒に居る兄同然の幼な馴染みを気にかけないフローラではない
しかし、それは肉親の情に近い感情で恋愛感情では無いと想われる

ドラクエの主旨はプレイヤー=主人公だからフローラを選択するフローラ派プレイヤーにとって主フロが相思相愛が基本で、アンディは気にしないということで間違って居ないと思う
833名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/13(木) 21:13:39.90 ID:uCfOfKxRO
それとスレタイがフローラファンスレだから、フローラの内面や萌を語るのは正しい

まあ、自分はフローラが主人公に対する気持ちに気がつくのが(もしくはルドマン家の令嬢という立場から脱却するのが)プロポーズ後という解釈ではあるが

834通りすがりの白戦士:2011/10/13(木) 22:19:19.24 ID:CdWIigxf0
主フロ一目惚れ説や昔から好きだった説が絶対とか主張すると、アンチが出てくるなあ。
アンフロ派で、主フロでも後から段々本物の夫婦になっていくと考える俺も、こういうアンチは見てて下らんと思う。
元々、フローラの恋愛は結婚まで分からないわけだし、結婚相手によって、別人のごとく変わる。
それでいいじゃん。そう考えれば、いたストや9のフローラだって納得がいく。お嬢様だって、たまにはハメを外して
ゲームを楽しみたい時もあれば、たまには冗談の一つも言いたい時もあると思う。

ビアンカにしても小説のはゲーム本編よりも強気で積極的だし、いちいち気にしてたらキリが無い。
というより、基本的な設定さえ踏まえてれば、あとは新解釈でどうとでも楽しめるのではないかな?
835通りすがりの白戦士:2011/10/14(金) 00:05:18.28 ID:eWN5O2tG0
>>820ssGJ!スレの性格からか、他嫁を絡めた話が少なかったんで、これは新鮮だね。続きを期待。
俺も前回のssを修正と加筆をするかな。

〜昇天・5〜

「院長様!院長様!」
「グランマ、起きてよ!」
アルフとシルフィは既に事切れたフローラを揺する。
もちろん、二度と動かない。
しかし、その表情は微笑んでいるようにも見えた。



時は流れ、アルフは聖騎士に、シルフィは聖導士隊の部隊長になった。
そして、愛を育み、育った修道院で結婚式を挙げた。
アルフは水色のフロックコート、シルフィはピンクの修道女の様な全身を覆うドレスである。
もちろん、リュカとフローラ夫妻に合わせたものだ。

「…ん?」
式が終わり、アルフは神像の方へ振り向いた。
「どうしたの?」
シルフィも一緒に振り向く。
「グランマが天に帰った…。」
「やっぱり。私も感じてたわ。」
「ずっと、見守ってくれたんだね。」

「ありがとう、グランマ。」
「ありがとう、院長様。」


「いつまでもお幸せにね。」
「君の教え子さ。大丈夫だよ。」
リュカとフローラは互いに手を取り合った。
「さあ、行こうか。」
「ええ、あなた。」
2人は光を放ち、天界へと旅立った。
836通りすがりの白戦士:2011/10/14(金) 00:06:57.99 ID:eWN5O2tG0
〜昇天・6(完)〜


更に時は流れ、グランバニア城内の王宮の歴史展示場で、双子の幼児と幼女が展示物を魅入っていた。
歴代の王や家族の絵や写真、身に付けていた衣装等、まだ難しい説明文を読む事が出来ない双子でも、興味を惹きつけるには十分であった。
「ねえ、お姉ちゃん、あれ…。」
双子の弟が指さした先にはとても王家の者とは思えない、みすぼらしい格好をした青年の写真が飾ってあった。
その隣には同じ人物が質素ではあるが、王様らしい衣装を身に付けてはいる。
「何あれ?何でボロボロなの?」
双子の姉は訝しがる。
更に隣は青髪をアップで纏めた美しい王妃とピンクのリボンで結んだ可憐な王妃がそれぞれ飾ってある。
「救世主の父、リュケイオム・エル・ケル・グランバニアと救世主の母、フローレンス・エル・シ・グランバニア。この写真は世界を救う旅の途中に撮ったんだな。」
幼児の背後から聖騎士が、一緒になって写真を見上げる。
「ねえ、お父さん、何で王様なのに世界を救う旅に出たの?」
「そうよ。それに何で王妃様もついてったの?」
双子の疑問はますすます深まる。
「そうだなあ…、何から説明すればいいかなあ…。」
聖騎士は腕組みして考える。
「王様も王妃様も自分で好きな人達を守りたかったのよ。ね、アルフ。」
聖導士がアルフの肩に手を載せた。
「ちょ、シルフィ…。せっかく俺様が父親らしく丁寧に分かりやすく説明しようとしたのに…。」
「お母さんのが分かりやすいよ。」
「お父さんの説明って、考えるのに1時間、話すのに2時間だもん。わたし、眠くなっちゃう。ねー?」
双子はシルフィの側に行き、アルフを指差す。
「俺様って…。」
アルフはすっかりいじけてしまった。
「もう、すねてないでそろそろ帰るわよ。」
「へいへい…。」
アルフはゆっくり立ち上がって歩きだした。しばらくすると、振り返り、先程の王と王妃の写真を見た。
「グランマ、俺達今度はこの国に派遣される事になったよ。」
シルフィも一緒になって振り返り、アルフの腰に手を回す。
「院長様達が救って下さったこの世界、そして愛されたこの国を私達が守っていきます。」
「だからグランマ、天国から安心して見ていてくれよな。」
「院長様はちゃんと見て下さってるわよ。」
シルフィはアルフの背中を優しく押し、子供達を見る。
「フローラ、リュカ、今日はごちそうよー!]
両親に遅れまいと双子は嬉しそうな顔をしながら、元気に走ってきた。
837名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/14(金) 02:14:14.13 ID:1f4Zmq170
>>834
>主フロ一目惚れ説や昔から好きだった説が絶対とか主張すると、アンチが出てくるなあ。
誰一人「絶対」などとは言っていないけど。各々自分の意見や解釈を述べてるだけじゃん。
まさかアンチが出てくる原因を彼らに着せるつもりかね。

それと、いくら「新解釈」だからといってゲーム内で描かれている最低限度の事実さえ無視されるのは
個人的に受け入れられない。
838名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/14(金) 07:11:03.45 ID:Y3SZNq82O
白戦士ss乙
アンチは何を言っても沸いてくるので気にする必要は無い
(大体2chスレはアンチの歴史である)
ただ、原則基本はゲームの設定だが選んだ嫁によって微妙に解釈が変わってくるのはしょうがないとして
スレタイがフローラファンスレだからフローラを選んだ場合のストーリーが主流になる
しかし自分はフローラ派だが叩き以外のレスはある程度の解釈は寛容で良いと想っている

まあ、何を言われてもお嬢様好きの自分は昔からフローラ萌えだが

839通りすがりの白戦士:2011/10/14(金) 19:19:59.39 ID:jw2uxXEP0
誰がアンチを呼んだから責めるとかはせんよ。それこそ下らん下衆のする事だ。
好きな部分を楽しめばいいし、嫌いな新解釈なら受け入れなければいい。

まあ、何を言われてもお嬢様も好きな俺はビスタ港での主人公との出会いや修道院周囲での冒険を体験する幼年時代や、
主人公が石化してからの冒険(魔王に味方する人間に支配された国々を次々と解放していく、アンフロルート。主人公より早く石化を解き、魔王を倒す。)とか、
石化した主人公を探す冒険(ルドマン家の執事、傭兵+斧戦士3兄弟、メイド、じいや、ばあやが一時的に仲間になる、主フロルート)が見たいな。
840名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/14(金) 20:00:13.89 ID:lmlngx+L0
フローラみたいなお嬢様がどうやって戦うのかなと思ったら初期装備モーニングスターとか意外すぎて萌え死んだ
ルドマンが「伝説の勇者のおじいちゃんなんだぞ」って周囲に自慢してるのも
ほほえましくて好きだな
フローラちゃんは永遠に花嫁です
841出会いU:2011/10/15(土) 20:01:47.56 ID:iKcKwe4fO
 船を桟橋に係留すると、すぐに水夫さんがに渡し板をかけ、私達が船に乗り込むための準備を整えてくれた。
 その様子を、男の子はすぐ近くで見つめていた。
その目は好奇心に輝き、水夫さんや私達の姿を見つめている。
「――――!」
 こちら側に渡って来ていた水夫さんが、腕と合図で安全に人や物を渡すことが出来るようになったことを示す。
 姉さんはその合図がかかるが否や、船に乗り込んだ。そして、
「邪魔よ」
 船の渡し口に立っていた少年に一声掛けると、姉さんはさっさと自分の船室に引っ込んでしまった。
 その言葉と態度のどちらかに……あるいは両方に驚いた少年はその場で固まってしまっている。
姉さんは、いつもなら船の中を隅々まで見てまわろうとするのに、どうしたのだろう?
 そう思いながら板を渡り、板の上から降りるときになって姉さんの行動の意味に気づいた。
渡し板と船との段差が大きすぎて、このままだと男の子の位置からスカートの中が丸見えになってしまう。
それに気づいて姉さんはあんなふうに声をかけたのだ。
 しかし今さら気づいても遅い。
 もう渡し板を半分以上渡ってしまっていて、後ろから父が船に乗ろうとしている。
 戻ることも出来ず、進むのは躊躇われる瞬間に。
「良かったら手を貸しましょう」
男の子のお父さんが手を貸してくれた。
 しかも、さりげなく男の子の前に立ち視線を遮ってくれている。
 内心で胸をなで下ろしつつ、その人の手を取った。
その人は、私の身体に負担を掛けないように持ち上げ、軽やかに船の上に下ろしてくれた。
 ――その一事で、彼がどれほど優れた戦士かであるかを察した。
 不安定な船の上に立ち、姿勢を制限され、相手の身体に全く負担を掛けずに移動させる。
そんな真似は、よほど自分の身体を御することに慣なければ出来ない。
 私の体重が男の人と比べてどれだけ軽くても。
「ありがとうございます」
 二つの意味での礼だと気づいてか、男の人は私に向けて微かに笑みを浮かべた。
 たったそれだけで、男の人が纏う……ある種恐ろしいとさえ思わせる雰囲気が、私を守るものであるかのように感じられた。
「これはどうも。貴方が、護衛の方かな?」
父が男の人に声を掛ける。
「ええ。パパスと申します」
その言葉で、始めて私はその人の名前を知った。
「そうですか。いや、船が無事に着いたのは貴方のおかげだったとか。この船のオーナーとしてお礼を申し上げる」
842出会いU:2011/10/15(土) 20:02:55.90 ID:iKcKwe4fO
「いえ、船を守ったのは船員の方々です。何よりこちらも助かりました。
 2年ぶりに故郷に帰るところだったのですが、この船が無ければ半年先になっていた」
「ふむ。近頃は海の上の安全が脅かされておりますからな。我々にとっては頭の痛い問題なのですよ。
 そうですな、今後の参考までにいくつか話を聞きたいので、奥で一杯どうですか」
 返事は聞かず、父は奥へと進んでしまった。 
「―――、少し待っていてくれ」
パパスさんは男の子に話しかけると、父のあとを追おうとした。
 その前に、
「あの!」
 声をかけて呼び止めた。
「父がごめんなさい」
「何、構わないよ。船賃代わりに話をするだけだ。それに魔物が増えて大変なのは本当のことなのだ」
パパスさんは何でもないように言い、笑みすら浮かべて見せた。
最初に感じたとおり、立派な人だ。
それだけに、父の態度が恥ずかしく思えた。
※※※※

「そうなの。お父様と一緒に世界中を旅して回っているのね」
「うん。でもこんな形をしてるなんて始めて知ったよ」
 父が気に入った人を中々開放しないのを知っているので、私は水夫さんに言伝を頼んで男の子を私の船室に誘った。
といっても、特にすることはない。どうしようかと考えていると、男の子は私の部屋にある地図に興味を示した。 
「そうなんだ。じゃあ、私が説明してあげる。
 今、私達がいるのがここ、ビスタね」
 そう言うと、私は地図の真ん中よりも右上の位置を指さした。
「貴方の故郷のサンタローズは、ここから北へ行ったところね」
地図上で小さく家の絵が描かれているところが、サンタローズ村を表している。
 そこから指を右に滑らせ、川を越え森を抜けた先に、城が描いてある。
「そこから、もっと東に進むとラインハットという大きな国があるわ」
男の子はコクコクと頷きながら、私の指を目で追ってくる。
「私達はそこから来て、サラボナに帰るところなの」
「すごいねえ。僕が乗ってきたのはどこなの?」
男の子がキラキラと好奇心で輝かせた目で私を見つめる。それをもっと見たくて、出来るかぎりの説明を続けた。
「この船は石材と職人を詰んで来たという話だから、多分グランバニア領かしら。
 岩山が多くて、その加工をする職人さんも沢山いるそうだから」
「そっか。確かにおっきな山が見えたよ」
 こんなに、と手振りで示してくれる。
843出会いU:2011/10/15(土) 20:05:09.96 ID:iKcKwe4fO
私は決して旅が得意ではないけれど、こんな風に話してくれる相手がいるとその風景を見てみたいと思う時がある。
 ――もちろん、そんなことが出来るわけではないのだけれど。
その想いを振り払うように質問を続ける。
「その前はどこに寄っていたの?」
「えっとね、さばくのまち。そこでしばらく待っていてって言われたんだ」
「砂漠、ね。だとするとテパドールだと思うわ」
 地図の下側には砂丘と、たった一つ城がある。これがテパドール。
 国土のほとんどが砂漠のため、人間にとって非常に生きづらい場所だ。
 砂漠に点在するオアシスの周りに小さな集落があるが、国家と呼べるところはテパドール一つだけだ。
また、これといった港町を持たないため大型の船が乗り入れづらく、砂漠を渡る商隊……通称”キャラバン”が有名だ。
 私の父の船も幾つかのキャラバンと取り引きがある。
「この船は、ポートセルミに行くって言ってたけど、それはどこなの?」
「ここよ。地図の左側。この大きな港町がポートセルミね。サラボナは、そこから馬車で4日くらいかな」
「馬車?」
「ええ。人や荷物を載せた台を馬が引くの。歩くのよりずっと速いのよ」
「あ、みたことあるよ。あれに人も乗るの?」
「ええそうよ。人を乗せるための椅子を付けたり、雨風を防ぐために幌を掛けたりしてね」
「すごいなぁ。いつか僕も乗ってみたいなぁ!」
「フローラ、どうしたの? 珍しく大きな声を出して」
話し声を聞きつけて、姉さんが私の部屋に降りてきた。姉さんの船室は、私の上になるから、私達の声が良く届いたのだろう。
 そして、声の主が私以外にいることに始めて気づいた。
「あら、あんたはさっきの」
「こんにちは」
 ぺこり、と男の子は頭を下げた。姉さんは男の子をまじまじと見ると、その視線を私に向けた。
 その何も彼もを見通してしまいそうな視線に、思わず身じろぎする。
「ふうん」
何かを納得したかのように笑みを浮かべ、
「私の部屋には入らないでね」と言い置いて、自室に戻っていった。
 男の子は、姉さんが消えた階段を目を丸くして見つめた。
「それでね、馬車を使ってずっと走り続けると……」
 ――それを遮るために声をかけて、彼の注意を地図に戻した。
 
第二話おわり
844名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/16(日) 09:09:03.57 ID:8jJz1C9WO
ss乙
フローラお嬢様の可愛いさときたら‥
もう‥‥!!
そう言えばスレ容量が495 KBに成っているな
500 KBで終了だから、次スレどうする?
845名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/16(日) 09:44:31.73 ID:8jJz1C9WO
フローラファンスレ2
E-mail:
内容:
前スレ
フローラファンスレ
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/ff/1296543121/
お約束
他嫁叩き&他キャラ叩きは厳禁ですわ
過度なエロネタはひかえてね
荒らしはスルー
荒らしに構う方も荒らしですわ
フローラお嬢様についてマッタリと語り合いましょう
ss投下も絵師の降臨も歓迎しますわ

自分では立てられなかったので異論が無ければ、これで代行スレにでも頼む予定

846名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/16(日) 13:29:44.76 ID:qe3+uzMR0
普通に好きって語っちゃいけない雰囲気だなこのスレ
同じファンでも温度差あるのね
847名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/16(日) 13:52:19.70 ID:8jJz1C9WO
>>846
別に好きに語って良いと想うよ
ただ2chの嫁関係のスレは必ず定期的に荒らしが入り込んだり、監視していたりするから慎重にならざるをえないだよなぁ

但し他キャラ貶やアンチの妄言を気にせず、自分の中の純粋なフローラ萌を語る限り問題は無いはず
848名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/16(日) 15:42:19.99 ID:0XHy4mFU0
フローラファンスレ 2
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/ff/1318747327/
849名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/16(日) 19:20:21.82 ID:8jJz1C9WO
>>848
スレ立て乙だな
埋めネタ代わりに
フローラとは (フローラとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

フローラ(Fl?ra)は、ローマ神話の花と春と豊穣を司る女神。日本では長音記号省略表記のフロラでも知られる。元はギリシア神話のクローリスというニュンペー
(ニンフ)であり、西風神ゼピュロスによりローマに連れてこられ女神になったという。
上記から転じて、ヨーロッパでは女性名あるいは名字としてよく使われる。


フローラ(8 Flora) - 火星と木星の間の小惑星帯にある大型の小惑星。フローラ族に属する。
フローラ族 - 小惑星帯のやや内側寄りに位置する小惑星群。
フローラ - 植物学で使う「植物相」の英語名。
日立・フローラ - 日立のビジネス向けクラウド製品のブランド。家庭向けパソコンは日立・プリウス。
フローラ号 - 小田急シティバスと秋田中央交通が運行する夜行高速バス
フローラ・ハイマン - アメリカの元バレーボール選手。ロサンゼルスオリンピック銀メダリスト。故人。
フローラ黒田園芸 - 埼玉のガーデニング専門店。下の1番を差し置いて検索でトップにくるお店。
架空の人名
フローラ -スクウェア エニックスのゲーム『ドラゴンクエスト5』『いただきストリートSP』などに登場するキャラクター。
フローラ - 漫画『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』に登場する人物。
フローラ - アニメ『眠れる森の美女』に登場する妖精。
小岩井フローラ - ゲーム『ななついろ★ドロップス』の登場人物。
フローラ - ゲーム『モンスターハンターフロンティアオンライン』に登場するレジェンドラスタの一人。
フローラ - アニメ『Yes!プリキュア5 Go Go!』の登場人物。




850名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/16(日) 19:49:42.97 ID:8jJz1C9WO
名作・良作まとめ @ ウィキ - ドラゴンクエストV 天空の花嫁
埋めネタ

スレの埋め変わりにドラクエ5の嫁論争とシナリオについての記事をのせてみた
良くも悪くも波乱万丈な当スレの最後に相応しいかなとの判断です
賛否両論点
今でこそ「古きよき時代のRPG」と笑い飛ばせるものも多いが、当時からシナリオや仲間モンスターに関する問題を指摘する声はあり、特に以下の点が賛否両論となっている。
結婚イベント
ストーリー中でも最重要イベントの1つなのだが、そこへ至るまでの流れが唐突かつ強引であり不自然に感じられてしまう。
たまたま立ち寄った街で令嬢の
争奪戦が行われていること、その途中で偶然幼馴染みと再会し花嫁候補になること、どちらを選んでも花嫁が勇者の血筋であることが明らかになることなど、よく言えばドラマチック、悪く言えばご都合主義的な
展開が随所に見られる。
余談だが、ファンの間では結婚相手の選択を巡るいわゆる「嫁論争」が頻繁に交わされており、掲示板などで話題に挙がると
必ずと言っていいほど荒れるため、多くの場で禁則事項とされている。
シナリオ
本作はシリーズの中でも特にシナリオに重点が置かれた作品であり、ファミ通クロスレビューで「のめり込むシナリオ」と評された一方、「一本道」とも評されており、
自由度の低さが批判されていた。いわゆる「JRPG」のハシリとも言える。
例えば、船を入手しても浅瀬で
不自然に区切られていて自由に行き来できず、他の新しい乗り物を取得してもその時点で行ける場所は基本的に1つと、自由な探索がほとんどできない。
このような構成は物語をスムーズに進められるという利点はあるものの、決められたとおりに進めなければならないという印象が強く、
「親子3代の物語」という壮大なストーリーでありながら小ぢんまりとした感じになってしまっている
(これに加えて、物語が主人公の身内の問題に終始してしまっていることやフィールドマップに町や城が少ないことも世界を狭く感じさせる一因となっている)。
また、シリーズお約束の「喋らない主人公」であるせいで、主人公の心情が読み取りにくかったり、主人公が次に何をしようとしているのかがはっきりしなかったりする
などの弊害も起こっている。上記の結婚展開の唐突さや『嫁論争』の要因もここにある。
851名前が無い@ただの名無しのようだ
DQシリーズには欠かせない「伝説の勇者」。本作でも必要性が強調されているのだが、加入後も物語の中心は主人公であり、ひたすら影が薄い。
パーティーに入れる必要もなく、実はいなくても魔王は倒せる。それどころか、一度たりとも同行させないままクリアすることも可能である。

★このトピックに関する堀井雄二氏のインタビューの様子は↓の225
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/ff/1221251519/
ところでこの「ドラゴンクエスト5」というゲームには結婚相手を選ぶという主人公の人生最大のイベントがある。
結婚相手候補のビアンカとフローラという名称はどこから来たのであろうか?
堀井雄二氏は帰宅したとき、まずビールを飲むか、それとも先に風呂に入るのか、
「ビールか?いや風呂だ!」
といつも悩むのだそうだ。
結婚相手というのも人生における実に悩ましい選択問題である。
ビールか?ビールは英語で「ビア」、ビアか?、転じてビアンカ。 風呂だ!、風呂ーだ、転じてフローラ。
そう、主人公の人生における最大の選択肢を、氏が常日頃悩まされている問題の選択肢になぞらえたのである。
ちゃちな命名だと思われるかもしれない。確かにちゃちだ。
しかし私はこれを聞いたとき、実に堀井雄二氏らしい、分かりやすい発想だと思ったものである。
この分かりやすい命名こそが、他のゲームに比べて分かりやすいと言われ、
多くの人に親しまれている「ドラゴンクエスト」というゲームの象徴なのではないだろうか。久麿明