クリフトとアリーナの想いは Part12

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名前が無い@ただの名無しのようだ
クリフトとアリーナの行く末を語らうスレです。
職人さんによるSS投稿、常時募集!

クリフトとアリーナへの想いは@wiki(携帯可)
ttp://www13.atwiki.jp/kuriari/

前スレ
クリフトとアリーナの想いは Part11
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/ff/1263220200/
性描写を含むもの、あるいはグロネタ801ネタ百合ネタ等は、相応の板でお願いします。
趣向の合わないスレはスルーしましょう。
また、ファンサイトやファンサイトの画像への直接リンクを無断で貼るのは控えましょう。
2名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/01/10(月) 11:38:19 ID:cUUUMCYU0
過去スレ↓

クリフトとアリーナの想いは Part11
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/ff/1263220200/
クリフトとアリーナへの想いはPart10
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/ff/1243146695
クリフトとアリーナへの想いはPart9
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/ff/1208778416/
クリフトとアリーナの想いはPart8
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/ff/1193991148/
クリフトとアリーナの想いはPart7
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/ff/1172068262/
クリフトのアリーナへの想いはPart6
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/ff/1154693017/
クリフトのアリーナへの想いはPart5
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1145158924/
クリフトとアリーナの想いは Part4.2
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1137763522/
【片想】クリフトとアリーナの想いは Part4【両想】
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1127912729/
【脳筋】クリフトとアリーナの想いは3【ヘタレ】
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1107964272/
クリフトとアリーナの想いは その2
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1054024302/
クリフトのアリーナへの想いは
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1027954353/
3名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/01/10(月) 11:43:30 ID:LAqzaOSk0
     __△__   アリーナ
     ヽ___/
     / ,ノノハ))
   (9ノノ(,゚.ヮ゚ノi
  @〃とヾ二)つ
.   ん'vく/___iゝ
.      じ'i_ノ
    ,. -−、
    | |田||    クリフト
     |__,|_||
     L..、_,i
 . 。ぐ/|.゚.ー゚ノゝ
   `K~キチス
    ∪i÷-|j
    Li_,_/」
     し'`J
4名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/01/10(月) 11:46:02 ID:LAqzaOSk0
               _,..-―-.、
                /―‐-:、: : : \
            /      \: : : :\
            /           ヽ: : : : :\
         / / ̄ ̄\    .|: : : : : :ヽ
           | /:/^l l^ヽ |    .|: :    : : :|
        | | l:::::l l::::::l .|    |: :   : : :|
          | |┌┐┌:┐.|    |: :   : : :|
        |. | l::::l :|::::/./    |: :   : : :.|
       .| \┘└'/    |: :    . : : |
       |     ̄ ̄       |: :    . : : |
       ,レ'´ ̄ ̄ ̄ ̄``''ー‐┴-、_  : : :|
       |::: : : : : : : .          `ー-、_」
      _,.l::-‐―――‐--.、_.○  . : : : /
     //>/._,r―-r-ri__i__ i | ト、_ : : : :/
   └‐┬‐‐:くー-、 冫,r‐、L__.| |  `ー-〈
       └-、ヘ.`Tヽ! l,イ^ヽ.   | l  ,ノVvヘ
        `lヘ.Ll゚|  |゚l..ノ  //,ヘ、⌒"゙´〉
         `| <   "~゙゙' //7ソ.,:r-‐''´
           \  ̄  ,.ィ´「r='´ー-、._
       _r'i ̄ ̄、`ーr ' _,..:┴7´  ノ :`i
      __.」 |   /-┴'''´  /  /   :| ̄`'ー‐:、
    _/:: :| ヽ   L.___/  /⌒ヽ,ノ:::: : : /::|
  r‐''/:::::::|  /\             」::::: : /‐-〈
  | :|:::::::::.\!   ̄       __,ノ:::: : /    〉
  .〉 |::::::::: r‐ヽ、_________,ノ::::: : : ://    \
 / |:::::::::/::○::.:\ \::::::::.::.: :○:: : : : : : :/.       \


5名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/01/10(月) 11:51:56 ID:LAqzaOSk0
すまん、なぜかアリーナのAAがうまく貼れないのでよろしく
6名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/01/10(月) 12:24:13 ID:Uj65MOdK0
                      / ̄\
                    / : : .  `l、
                   /: : : : .    :`l、
                 _,∠-'''´: ̄ ̄ ̄ ̄``ヽ、
               /: : : .           \
              /: : : : .             . : \
              |: : : : : : :             . : : : /
              `l : : : : ._,: -‐―――-:、_ . : .:.:/
                 `l_,::-'''´ _,. -―┬―-:、_`''-、_/
                  |_,.::-'''::.i_i i: :|| | ,へ|: .i`''-、|
                 |::i_i:」:-,l-、!ー┘',:-、L;_i_l:-、!
             r‐:-.、 .i^(∧ _| i'l^!   i'l^i |_ l/'^リ  ,r‐‐v‐、
           /   (_i_ノ\ (ヘ ! |{(:|   |:)}| ! /ノ'/ヽ.(_ァ ノ .)
        /ヽ、_,..:  .:.:,ノ`ーヘ.`"´ <! `゙゙´ /‐:く:.ヾ:. .  ' ,ノ゙)
        l:.: .    '´. .:.:/.:|.:ト、  (.フ   .イ::.:i:.: `:.: .  `ー-く
         >、.__,. '゙ : : .;ノ.: :__;r个; 、__,. イ) ̄:\::.: :`.ヽ.、__)  )
        .(      _,.-i´|:.:.: :`ー---‐'´:.:.: :) ト、_:.: : . ヽ、,ノ
         \ ,r‐‐'''´<:::::|: :L__:.:.:.:. : : .:_,-‐'´,ノ::::」-.、_ ,ノ゙
          (_L_、:_   l::::|_: :: :`ー--‐'´:.:.:.:_,ノ |::/    `)
            / \ヽ !::|,`ー、:___    :_/ 、l/ ,  /\
          /     \i/: .      ̄ ̄   . : :Y´ ./.   \
         /     _/^{: : : .          . :}/`ー、__    `i
         \    \_:.`:、: : .    . : : : . .ノ: :__:/       /
          \   /\:〉: : : : .     '´|:/ \.    /
          /`┬'´: :  ,`r―‐;ィ'i⌒iヽ―‐:「: .   `'┬''i´
         /  : :::\___,ノ、」ー‐:l:lニ: :ニl:l:―‐ト:、 . r:r-'´: :.|
        ./     : : ::::((/:   ヽ、l__l.ノ : :.ノ `ヽソ:: : .  |
      /       /: : :i               : : :\:.:.  l、
7名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/01/10(月) 12:26:08 ID:Uj65MOdK0
よし貼れた
そしてスレ立て乙
8名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/01/10(月) 14:47:12 ID:gAIERR000
保守
9名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/01/10(月) 19:39:33 ID:scUBhRK/0
>>1
スレ立て乙でした!

wiki管なのですが、「従者の心主知らず さえずりの塔」は中編までで大丈夫ですよね?
リメイク沿いということで、続き楽しみにしています!

Part11ログ
ttp://logsoku.com/thread/yuzuru.2ch.net/ff/1263220200/
10名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/01/10(月) 20:14:31 ID:glX+XJrr0
乙乙
11名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/01/11(火) 00:52:38 ID:7UvBNGXn0
保守
12名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/01/14(金) 23:21:38 ID:vbikuxv30
保守
13名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/01/18(火) 07:20:32 ID:WhTQ5OCSO
最近クリアリに再燃したよ
やっぱりよいね…
14名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/01/22(土) 19:39:08 ID:kv3PmRK4O
過去スレ読んだけど網之助さんってどうして悪く言われてるの?
2年前から過去のクリアリ同人誌の入手できたのだけ幾つか読んでるけど
網之助はおもしろいと思った、特にブラックなやつが深いと思う。
15名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/01/23(日) 18:04:09 ID:ZOKJ5JA00
前スレで従者の心〜を書いていた者です。お久しぶりです。

>>9
いつの間にクリアリwikiに載せてもらってたのか!
はい、中編までで大丈夫です。中途半端に切れてしまって申し訳ない。いろいろほんとに感謝です。
しかし、しかし!

またしても中編で差し替えたいとこが出てしまった。真に申し訳ない!
でもこれを入れることで今後のクリフトのセリフが生きてくるとか考え始めたらどうしても入れたくなったんだ!
読んでくれてる方もすみません、前459「さえずりの塔 中編 5/7」を以下に差し替えお願いします。
差し替えっていうか今回も追加です。一番最初に3行入るだけなのですが今からでも間に合いますか?

前459
「姫さま?」

クリフトが顔をのぞきこんできた。クリフトの目に私が映る。変な顔した私。あーもう!



「アリーナ姫ならきっと武術大会も優勝するに決まってます!そしてエンドールにも姫さまの強さとすばらしさがひびきわたるのです……。
まるで、聞こえてくるようですよ。姫さまを讃える声が……」
「え?う、うん!そうね!そうよね!」
「姫さま?」

クリフトが顔をのぞきこんできた。クリフトの目に私が映る。変な顔した私。あーもう!


以上でしたすみません。やっぱりこれは入れときたい!このセリフは今回とその後に生きてくる予定です。
というか生きてるなーと思ってもらえたら嬉しいです。

長くなりましたがやっと本題へ、PS版のセリフをなぞったSSアリーナ視点、さえずりの塔 最終編いきます。
長い上にオリジナルが入りまくってしまいました。実際にセリフをなぞっているというかクリアリ要素が入っているのは
9/16以前と14/16以降かなーと。関係ないところで長くなって申し訳ない。今後もどうかよろしくお願いします。
16従者の心主知らず さえずりの塔 後編 1/16:2011/01/23(日) 18:05:50 ID:ZOKJ5JA00
「わしがいればカンタンにさえずりの蜜が手に入るでしょう。この頼もしいじいにおまかせくだされ!」

私たちは森を抜けてやっと塔までたどり着いた。あたりはまた真っ暗。月や星も見えない。今日もくもってるみたい。
さっきからじいがすっごくやる気になってて変な感じ。
でも夜出かけるのも許してくれたし、じいもお父さまのこと心配してくれてるのかなって思ったら私もやる気が出てきた。
あれからまた一日たってるんだ。急がなきゃ。夜でも進めるようなら突き進む勢いで塔の中へ!

「強そうな敵の気配がぷんぷんするわ。たっくさん戦えそうね!ぱーっと戦えば不安な気持ちもどこかにいっちゃうはずよ!」
「フム。さすがに人はおらんか、暗いのう。じゃが善は急げ、参りましょう。のんびりしている時間はありませんぞ!」

クリフトがたいまつをかざした。あたりが照らされる。中はけっこう広そう。

「表から見たところかなり高い塔のようですね。…………」

クリフトはやけに冷静っていうか声が低かった。そういえば塔に入る前ずっと上を見上げてたっけ。

「5、6階まではありそうじゃな。面倒な仕掛けなどないとよいがの」
「さあ、行くわよ!」

さっそく1階を探索!そしたら塔なのに下に行く階段があった。敵もいっぱい出てきた。思ったとおり強い敵ばっかり。
さすがの私もちょっと手こずっちゃって、クリフトにホイミしてもらった。そしたらじいが氷の魔法であっという間にやっつけちゃうの。
魔法ってずるい!次こそはぜったい必殺のキックをお見舞いしてやるんだから!
少し戦いに慣れたころ、まず下に行ってみようってことで階段を下りてみた。そしたら。そしたら……!

「こんな所に宿屋!?確かに便利だけど、不思議なカンジ」

そう、宿屋があったの!宿の人がいらっしゃいませって笑顔で迎えてくれた。ほんとに不思議な感じ……。

「商人というのはまこと金のためなら命も捨てる。フム。見上げたものですな」
「ですが、こんなところに宿を設けて運営していけるのでしょうか。少し話を聞いてまいります」

さっそくクリフトが宿の人とお話する。私はあたりを見渡してみた。
ベッドは4つ。壁に仕切りが立てかけてある。ベッドの頭にかんたんな棚がついてるだけでテーブルはない。
なんだか寂しい感じの宿屋ね。

「簡素な造りじゃのう。こんな辺鄙な地ではさすがに料理までは出せんじゃろう。雨風しのげればよいといった具合ですな」
「ふーん。そんな宿屋もあるのね」

じいも私とおんなじようなこと考えてたみたい。しばらくしてクリフトが戻ってきた。

「この宿に危険はありません。先ほどの戦闘もありますし、もしお疲れでしたらひと休みされてはいかがですか?」
「ちょっとまって、なんで危険がないってわかるのよ」
「なんでって、先ほど見極めましたから」
「見極めたって……」
「……ですが、違和感を覚えたとはいえ無闇に詮索するものではありませんね……」

クリフトが少し寂しい顔をしたような気がする。やけに声が低い……。

「なによどういうこと?ぜんぜん話がわからないわ。一から教えてちょうだい」
17従者の心主知らず さえずりの塔 後編 2/16:2011/01/23(日) 18:07:28 ID:ZOKJ5JA00
ここは昔は人がいっぱい来てたんだって。今みたいに魔物もいなくって、子どもたちの遊び場だったんだって。
だからこの宿も前はもっとベッドがいっぱいあって、たくさんの人が利用してくれてたんだって。
確かに広さのわりにベッドがぽつんぽつんてある感じはするけど。最近じゃなくて昔からある宿だったのね。
今でも訪れる人はいるみたいなんだけど、さえずりの蜜かエルフ目的の人ばっかりなんだって。
う。私たちもそのうちのひとりだわ。でもでも、魔物が住みつくようになっちゃったら遊ぶどころじゃないじゃない?
私はそれだけたくさん戦えるから嬉しいけど、それって子どもの遊ぶっていうのとは違うような気がするし。
それよりも私はクリフトが遠慮がちにぽつぽつ話すほうが気になったわ。きっとまた難しいこと考えてるのね。

宿の人が言うには、外が明るくなればこの塔は光が透けて見えるから移動しやすいって。
昼でも夜でもたいまついらず、それが子どもたちの人気のひとつだったんだって。

「あのころはエルフもたくさんいてね。みんなでここに泊まってくれたもんだよ」

宿の人がとってもなつかしそうにお話するからほんとなんだなって思えてくる。とっても陽気で背のちっこい宿の人。
さっきたいまつの明かりにつられて寄ってくる魔物もいたみたいで、結局明るくなるまでここで休むことになった。
今夜はくもってて天候も不安定だから朝になるまで待つんだって。
私は別にかまわなかったのに、効率がなんたら無益な殺生がなんたらってじいとクリフトふたりに言われちゃって。
つまんないの。
じゃあクリフトもちゃんと休むのよって言ったら姫さまが手前奥のベッドでお休みになるなら休みますって言われた。
なんでそこなのよって聞いたらここは地下で出入り口もひとつだからそこがいちばん無難で警備もしやすいって。
っもう、また警備とか言ってる。そうやってすぐ姫あつかいするクリフトってキライ。私よりよわっちいくせに。

「ちゃんと寝なさいよ!」
「姫さま?」

私は仕切りを思いっきり閉めてベッドにごろんてなった。ほんとつまんないの。あ、そうだ。今日こそは!
本当はもう一つベッドがあったらしい空きスペースを使って日課の腕立てと腹筋!昨日もおとといもできなかったものね。
そう、夜は寝るまえに腕立てと腹筋をするのが私の日課なの。誰よりも強くなりたいもの。
あとお祈り。体もふいて。よし、まんぞく!あとのもやもやは明日みーんな魔物たちにぶつけることにするわ。
途中でクリフトが何回か呼んでたけど無視しちゃった。クリフトなんか知らない知らない。

しーん。まわりが静かになった。明かりも消えて真っ暗。じいもクリフトも宿の人もみんな寝たのね。ほんとに静か……。
クリフト……さっきはちょっとひどかったかな。何回無視したんだっけ。怒ってるかなあ。クリフトって怒るとこわいのよね……。
でもクリフトだって悪いわ。じいといっしょになって一方的に話すんだもん。いつもだったらまんなかに立ってくれるのに……。
なんだか眠れなくってベッドの中でごろごろ。ごろごろごろ。一度気にし始めたらもっと気になっちゃった。
こっそり起きて仕切りの外をのぞいてみる。真っ暗でなんにも見えない。
地下って明かりを消すとこんなに真っ暗になってしまうのね。黄金の腕輪を取りに洞窟に入ったときは気づかなかったわ。
クリフト、見張りしないでちゃんと寝てるかな。おやすみが聞こえたのはだいぶ前。もう寝ちゃってるかな……。
18従者の心主知らず さえずりの塔 後編 3/16:2011/01/23(日) 18:08:20 ID:ZOKJ5JA00
「クリフトー……」
「…………」

返事はなかった。うう……。

「……なんでしょうか」

あ。起きてた。よかった……。私はちょっともじもじしたけど正直に言うことにした。

「……さっきはごめんなさい……」
「?……なにが、でしょうか」
「えっと、あいさつとか無視しちゃって……」
「…………ああ、そのようなこと」

おふとんのこすれる音がした。あ、たぶんクリフトの音。今ベッドに横になってるのね。なんとなくほっとした。

「姫さま、お詫びを申し上げるのは私のほうです。私こそ、申し訳ありませんでした。姫さまのお気持ちも考えず」
「ん……」
「今は王の一大事、この塔にその治療薬であるさえずりの蜜があるわけですから、お気持ちがはやるのも当然のこと。
それを、何も察することができず、申し訳ありませんでした……」
「い、いいわよ。謝らないで」
「姫さま……」

「クリフト今ちゃんと寝てる?」
「は、はい、寝ております」
「そっか」
「…………」

「姫さま、食事はとられましたか?」
「んー?ううん食べてない。だっておなか空いてなかったし」
「そ、そんな……」
「大丈夫よ。そのぶん朝いっぱい食べるから」
「そういう問題では……。せめてお飲み物だけでも」
「だいじょーぶ!クリフトは心配性なのよ。一食抜いたからって死ぬわけじゃないんだし」
「ですが……」
「大丈夫だからね!」
「………………はい………………」

しーん。ちょっと間が空いちゃった。えーと。

「じゃあクリフト、私寝るから」
「姫さま……」

えーと。今呼ばれたのよね。

「なに?」
「いえ……その……」
「ん、なに?」
「…………」
「ん?」
「どこまでも、ついていきます……」
「え?」
「昨日申し上げたとおりです。ここに着いてからが、姫さまの出番ですから」
「ん……」
「私はいつでもおそばに控えております。どうぞ思うままにお進みください」
「うん……」
19従者の心主知らず さえずりの塔 後編 4/16:2011/01/23(日) 18:09:09 ID:ZOKJ5JA00
思わずうんて言っちゃったけど。なんだろ。なんか変なの。

「っもう、クリフトったら」
「姫さま?」
「なに言ってるのよ。明日はめいっぱい飛ばすからね。立ち向かってくる敵はコテンパンにしてやるんだからね」
「はい、姫さま」
「ん!」
「お主ら、しゃべっとらんではよう寝んか」
「あ、じい」
「も、申し訳ありませんっ」

じい、起きてたのね。聞いてたのね。なんかちょっと恥ずかしいのはなんでだろ。

「じゃあおやすみ、クリフト」
「はい。おやすみなさいませ、姫さま」

私はベッドに戻っておふとんにくるまった。よかった。今度はぐっすり眠れそう。よーし、明日がんばるぞ!
待っててお父さま!


「こうるさい魔物どもめ!先を急ぐというのにまったく腹立たしいっ」
「いいわよ!どんどんかかってらっしゃい!みーんなやっつけちゃうんだから!」

1階の探索が終わって2階へ!柱がいっぱいあって迷路みたい。うーん、子どもたちの遊び場かー。
宿の人が言ったとおり、塔の中は光が透けてて明るかった。遠くまで見渡せる。敵もよく見えるからキックしやすい。
不思議な壁……。ちょっと悔しいけど、やっぱり明るくなるまで待っててよかったかな。
2階も順調に探索できて3階へ!私とじいはとってもやる気まんまんだけど、クリフトはずっと黙ってた。

「クリフトー」
「…………」
「クリフトー?」
「はい?今私が呼ばれましたか?」
「呼んだわよ」
「も、申し訳ありません。なんでしょうか」
「どうかしたの?」
「……なにがでしょうか」
「うーん、なんか元気なくない?」
「そんなことはありませんよ。いつもこうです」
「そうだっけ」
「フム。魔法の気配がだんだん強くなっている……。頂上が近付いているのか?」

頂上。じいの言葉で私たちははっとした。そうだ、だんだん頂上が近づいてるんだ。私たちは急いで先へ進んだ。
20従者の心主知らず さえずりの塔 後編 5/16:2011/01/23(日) 18:09:56 ID:ZOKJ5JA00
「すっごーい!なにここ、いいながめー!!」

少し進んだらすっごく見晴らしのいいとこに来た。窓ってレベルじゃないわ、壁が上から下まで全部なくって外が見渡せるの。
手すりもなくってほんとに一面見渡せる。今日はとってもいい天気!
下を見たらけっこう高いことに気づいた。さすがにここから飛び降りたらちょっと足が痛いかもね。

「ねえクリフト見て見て!地平線が見えるわよ!海ひろーい!あ、なにあの大陸!行ってみたーい!!」
「ええそうですね。わたしもいってみたいとおもいます」
「何でそんなに棒読みなのよ。ぜんぜん感動がないわね」
「いえいえ感動しておりますとも。この塔の内部構造には。創設者の意図するところ、直に伝わってまいります。
光を吸収、反射するミラー素材の組み込み方もさることながら、ここは3階、塔の中間地点に当たります。
そろそろ疲れが見え始めてくるであろう来訪者への休憩地として、ずっと室内だったために目の保養や気分転換の意味も込め
このような展望の場を設けたのではないでしょうか。
自らの足で登ってきた実感を得るにはその高さを目の当たりにするのが一番効果的です。
そうして仰ぎ見た風景は、それはそれは思わずさえずりたくなるようなさぞかしすばらしい眺めなのでしょう」
「ってクリフト、どこ見てしゃべってるのよ」

クリフトは柱に向かってしゃべってる。

「例えばこの等間隔に据えられた柱一つ取ってみても、耐震のためだけではない意図的なセンスが感じられます。
さながら神殿のごとく厳粛な空気を醸し出していませんか?一つ一つ通り過ぎる度に神気が高まっていくような錯覚すら覚えます。
ところで」

クリフトはあっちを向いた。

「先を急ぎませんか。背後より魔物の気配がいたします」
「えっうそっ」
「ゆったりと休憩していられるのももう昔の話、今はあまり長居をするものではないのでしょう」
「3階でありながら柵も格子もないのでは、今や空を飛ぶ魔物たちのかっこうの出入口なのじゃろうな。
ささ、見晴らしがよかろうと早く参りますぞ」
「っもう、魔物なんてどーんと来ればいいのよ。さっきみたいにみーんなやっつけてやるわ」

少し進んだら行き止まりになっちゃった。おっきな穴が開いてて向こう側に行けないの。えー?ってよく見たら通路はあったわ。
壁ぎわにすっごく細いけど通路が向こうまで伸びてた。びっくりしたー。ここも手すりなし。確かにこのあたり、子どもが喜びそうね。

「ああ……」
「ん、クリフトどうしたの?ちょっと震えてない?寒いの?」
「い、いえ、さむくはありません。だいじょうぶです」
「そう……」

「……なければ…………なければ……くない……ない……」
「クリフトなにひとりでぶつぶつ言ってるのよ。何がないの?」
「姫さま!あ、あまり早足で歩かないでください!あとよそ見もしない!落ちたらどうするんです!」
「落ちるわけないでしょ。クリフトさっきから変よ」
「いーえ、高くなればなるほど落ちたときの衝撃は果てしないのです!特にこんな塔の中、こんな硬い地面に……ああああ」
「ちょっとクリフト落ちちゃう!」
「っ…」
21従者の心主知らず さえずりの塔 後編 6/16:2011/01/23(日) 18:10:44 ID:ZOKJ5JA00
クリフトが穴のほうを見てふらついたからあわてて服を引っぱったら今度はそのままの勢いで壁に張りついた。目を閉じてる。

「も、もうだめです。もうおしまいです……」
「クリフト?」
「どうしたんじゃクリフト」

ちょっとちょっと、なんなのよー。

「高いところがいやなわけじゃないんです。ただ、あ、足がすくむんです。ふらふらするんです。私の周りだけ地震が起こるんですっ
地に足がつかなくて、宙に浮いているような気さえするのに、下を見た途端重力が2倍になるんですっ
吸い込まれて落ちそうになるんです!こっこんなこと物理的にありえません!理解不能です!だから高いところはイヤなんです!!」
「………………」
「……申し訳ありません。あ、あと5分、いえ、3分、時間をください……。すぐ歩けるようになりますので。歩けるようにしますので」

クリフトは壁に張りついたまましゃべってる。目も閉じたまま。体は震えて……

「お願いです……」
「…………」
「…………やれやれ」

そっか……。そうだった。そうだよ。今さら気づくなんて。クリフト、高いの苦手だったんだ……。
やけに高さ高さって口にしてたのも、ずっと無言だったのも、外を見ようとしなかったのも、さっきからずっと震えてたのもぜんぶ。
やっとわかった……。
っもう、ばかクリフト。ずっとやせがまんしてたなんて。私はクリフトの手をぎゅってつかんだ。クリフトがびくってなった。

「ひ、姫さま!?」
「クリフト、私が引っぱってあげるからついてきて。これならこわくないでしょ?」
「あ、あああ、ひ、ひめさま、て、てて、てが、てが…っ」
「手がなによ」
「つ、つ、つながってますっっ」
「当たり前じゃない、つないでるんだから」
「そ、そんな姫さま、だめです、いけませんっ」
「なにが」
「わ、わたしはだいじょうぶです!だいじょうぶですから!」
「そんなこと言って、足が震えてるじゃない」
「い、いえ、こ、これはその……ち、ちがうんです!これはもとから」
「お主らいったい何をやっとるんじゃ」
「「あっ」」

クリフトの手袋が脱げちゃった。むー。

「あ、あの……大丈夫ですから……」

クリフトは両手を重ねて胸にぎゅってしてる。震えてる足。青くて赤い顔。ぜんぜん大丈夫じゃないじゃない。

「んもう、クリフトはー!」
22従者の心主知らず さえずりの塔 後編 7/16:2011/01/23(日) 18:11:32 ID:ZOKJ5JA00
私は自分の手袋も外してもう一度クリフトの手をぎゅってした。今度は外れないように思いっきりぎゅっ

「ああっっ」

クリフトが変な声を出した。またびくってなって。クリフトの手ちょっと冷たい。でももっとぎゅってしたらまた変な声が出た。

「なんでそんなに声が出ちゃうのよ」
「そ、あ……なぜそんなに声が出るようなことをなさるのですかっ」
「なんにもしてないわよ。手をつないでるだけじゃない」
「そ、それがすべてですっ」
「手ぐらいなによ、クリフトだってこないだ私の手をつかんだじゃない」
「つ、つかっ……つかんでません!私は何もつかんでいませんよ!」
「つかんだわよ」
「い、いつ!どこで!私がそのような大それたまねをっ!」
「ホイミしてくれたとき」

ぴた。クリフトが止まった。下を向いて黙ってる。きっと思い出してるのね。

「昨日?ううん、おとといだわ。私がお城に行くってバザーを飛び出したときだから」
「…………」

そう、私がバザーを飛び出したとき何回も転んで手のひらやひざにすり傷ができちゃって、そしたらクリフトが治してくれたの。
からだがほわってあったかくなって。あのときは思わずありがとうって言っちゃったのよね。

「……あああ……」
「ああじゃないわよ。思い出した?」

やだクリフト、今度は顔が真っ赤だわ。なんで手をつかんだだけでそんなに赤くなるのよ。真っ青よりはいいと思うけど。

「あ、あれは……あれは無意識だったのです。あまりに姫さまの手が痛々しくて」
「でもつかんだでしょ?」
「そ、そ……そもそも姫さまが手袋もつけずにバザーを飛び出していかれたのが原因で」
「何よ私のせいだっていうの?」
「い、いえ、その……」
「やれやれ。お主ら、わしゃ先に行っておるぞ」
「「あっ」」

「いーいクリフト?私を見て、私のあとをついてくるのよ」
「ひ、ひめさま…っっ」
「他のとこはいっさい見ないで、私だけを見てるの。いーい?わかった?」
「は、あ……っ……は、はい……ひめさまをみています……」
「ん!」

私はクリフトを引いて歩いた。クリフトも引かれるまま歩く。きっと今、いっしょうけんめい下を見ないように私を見てるのね。
歩きながら少し笑っちゃった。やっぱりクリフトは私が守ってあげなくっちゃ。

「だんだん頂上が近付いてきたかしら?ふふっワクワクするわね!」
23従者の心主知らず さえずりの塔 後編 8/16:2011/01/23(日) 18:12:52 ID:ZOKJ5JA00
「わあ、きれい……。塔の上のお花畑なんてちょっとステキね」

頂上に着いたら目の前にはお花畑が広がってた。空が見える。太陽がまぶしい。どこからか水も湧き出てて……。
塔にいるってことを忘れてしまいそう。
お花畑の向こうに人がいた。女の人がふたり、こっちを見てる。色白で耳がとがってて。長身でやせ型で……

「あの人たちは?あれがエルフなの?」
「おお!見つけましたぞ!まさしくあれはエルフ」
「きゃ!あなたたち人間ね!人間だったのね……。リース!帰るわよ!」
「は、はいおねえさま!あっいけない!薬を落としちゃった!あわわわ」
「いいわよそんなの!さっ早く!」
「あ!待って!お願い待って!!ああっ」

私たちが近づく間もなくふたりのエルフはどこかに飛んでいってしまった。

「やだ、どうしよう……」
「むむ、近いですぞ!すぐ近くから甘い香りが。姫さま、その砂場を探してみなされ」
「え…?」

私は言われるままに砂場に入って足元を探してみた。そしたら……そしたらあったの。ふたが鳥のかたちになってる小びん。

「さえずりの……蜜……?」

とっても甘い香りがする。うん、きっとそう。これがさえずりの密なんだわ。やった……。やった!

「やったわ!さえずりの蜜を見つけたのね!さあ早くサントハイムへ戻りましょう!」
「やりましたな!このブライ信じておりましたぞ。さあ早く王さまの元へ!」
「姫さま……」
「さあさ、急いで塔を下りましょう!」
「うん!」
「いけません!!」

……え?力強く響いたのはクリフトの声。今、なんて……?

「いけません、姫さま、ブライ様……。それは先ほどエルフの方が落とされたものではありませんか?
それを私たちが許可も得ず持ち帰ってしまっては、窃盗になってしまいます」
「あ……」

窃盗……。

「クリフト……。先ほどあれらが唱えたのは移動補助魔法ルーラじゃ。ふたりはもうこの近くにはおらん。
落としたのであればすぐに拾えばよかった。落としたことに気づいておったんじゃからの。だがあえてそうしなかった。
つまりあやつらはこの蜜を放棄したんじゃ。もう誰のものでもあるまい」
「いえ、いえ、彼女たちは自らの意志で放棄したのではなく、私たち人間のせいで放棄せざるをえなかったのです。
これはまだ彼女たちの落とし物にすぎません!」
「クリフト……」
24従者の心主知らず さえずりの塔 後編 9/16:2011/01/23(日) 18:13:43 ID:ZOKJ5JA00
クリフトは顔を上げた。空を見てる。たぶん見ているのはエルフたちの飛んでいったほう。そんな気がした。

「エルフたちよ!どうかお願いです!さえずりの蜜を私たちにお譲りください!」
「クリフト……?」

クリフトが叫んだ。空に向かって。飛んでいったエルフたちに向かって……。

「お願いです!!」
「アホタレが……」
「お願いです、エルフたちよ!!どうかさえずりの蜜をお譲りください!!」
「…………」
「お願いです!!」

クリフトはずっと叫んでる。こんなに大きな声で叫ぶクリフトを私は初めて見るかもしれない。

「どうかお願いです!私たちはそのためにここまでのぼってきたんです!!」
「クリフト……」
「エルフたちよ!!」

いつまで叫ぶつもりなんだろう……。クリフト……。

「どうか!!どうか私たちをお救いください!!」
「……クリフト……」
「どうかっ!!」

ばかクリフト……。じいがもうエルフたちは近くにいないって言ってるのに……。ばか……。ほんとにばか……。
私は……。私は!

「エルフさんお願い!お父さまが大変なの!お声が出なくて、どうしてもこの蜜が必要なの!お願い譲って!」
「姫さま……」

クリフトが私を見た。私もクリフトを見た。ちょっとだけ笑ってみせる。クリフトも……少しだけ笑ってくれた。
ふたりで同時に空を見る。

「お願いエルフさん!さえずりの蜜を私たちに譲って!!」
「お願いです!!エルフたちよ!!」
「お願い!!私たちを助けて!!」
「アホタレが……むっ」
「……ばかみたい」
「おねえさま……」
「あなたは私の後ろにいなさい」
「は、はい……」
「え…?」

女の人の声が聞こえた。でもどこに?そしたら目の前がゆらゆらってなって。

「エルフ、さん……?」
「ああ、エルフたちよ……」
「戻ってきてくれたのね!?」
25従者の心主知らず さえずりの塔 後編 10/16:2011/01/23(日) 18:14:32 ID:ZOKJ5JA00
そこにはさっきのふたりがいた。色白で耳がとがってて……。うん、さっきのふたりだ!戻ってきてくれたんだ!!

「ほんとにばかみたい。私たちのことなんかほっといてさっさと持ってけばいいじゃない。
人間なんて、拾ったもの、見つけたもの、手に入れたものはぜんぶ自分のものなんでしょ?」
「っ……ごめんなさい……」

冷たく言い放たれた言葉が胸にぐさって刺さった。なんにも言えない……。私はさえずりの蜜を落ちてたところに置いた。
なんでか手が震えちゃった。なんにも言えない……。

「それは……それは違います。人間の本来はそのようなものではありません」
「じゃあなんなのよ」
「それは……」

クリフトも戸惑ってる。私が盗もうとしちゃったから……。苦しそう。つらい。つらい……。クリフト……っ

「確かに人間は、時に過ちを……その、犯します。ですが、それを悔い改めよき道へと進むことができるのもまた人間です。
少なくとも今、私たちは……」
「……でも、過ちは犯すのね。最初から犯さないっていう選択肢はないのね」
「………………」
「……ごめん、なさい……っ」
「姫さま…っ」

ごめんなさい。ごめんなさい……。どうすれば。私どうすれば……っ

「よもや本当に戻ってくるとはおもわなんだ、エルフたちよ……」

じい!じいが少しだけ前に進み出た。エルフのふたりが後ずさりしたのがわかった。

「そう身構えなくともよいじゃろう。わしに戦意がまったくないのはすでにわかっておるはずじゃ」
「……人間は騙す生き物だもの」
「……騙されたことがあるんじゃな……」
「………………」
「じい……」

いきなりじいが杖を放り投げた。いつも大事にしてる杖。地面にひざをついて、ひじをついて、手のひらを向ける。
じい、なにしてるの……?さっきまで身構えてたエルフたちが戸惑ったのがわかった。

「お主らエルフに比べて、わしら人間の寿命はあまりに短い。そのために生き急ぐ。時に判断を見失い、過ちも犯す。
じゃが、それでも生きること、生かすことに必死なのじゃ。わしなぞいつ死んでもおかしくない老いぼれじゃからの。
お主らとて、不老ではあっても不死ではないはず。死の悲しみは、幾ばくか共有できるのではないじゃろうか。
「…………」
「最初から過ちを犯そうとして犯す者はおらん。皆、死や喪失の悲しみが正常な判断を狂わせていくのじゃ」
「………………」
「わしらもまた、どうしても救いたい人がおった。時間が惜しかったのじゃ。もうあとが、なかったんじゃよ……」
26従者の心主知らず さえずりの塔 後編 11/16:2011/01/23(日) 18:15:19 ID:ZOKJ5JA00
じい……。こんなに静かに話すじいも、私は初めて見るかもしれない。

「とはいえ、先ほどの行為の言い訳にもならんじゃろう。わしもまた、お主らのいうとおり愚かな人間の一人にすぎなかった。
すまなかったの……」
「!……」
「じい……!」
「ブライ様……」

やだ、じいが頭を下げてる。あのプライドの高いじいが!あんなに腰を低くして……!

「今さらじゃが、頼めるじゃろうか。わしらにはどうしてもさえずりの蜜が必要なんじゃ。どうか、譲ってはくださるまいか」

あ。私もあわてて頭を下げた。

「お願いエルフさん!」

クリフトも頭を下げる。

「どうか、お願いします。エルフたちよ……」
「…………」
「………………」

エルフたちは答えない。ずっと黙ってる。沈黙が続いて……

「どうして……どうして謝るのよ……」
「…………」

声が震えてる……?顔を上げたらエルフのひとりが手をぎゅってしてた。体も震えて……エルフさん、泣いてるの……?

「どうして頼むのよ!人間なんてみんな勝手っ」
「おねえさま……」
「エルフさん……」
「…………」
「………………」

じいは頭を下げたまま。クリフトも頭を下げたまま。私はなんにも言えなかった。エルフたちは……
エルフのひとりがしゃがんだ。叫んだほうのエルフさん。そっと花をなでる。風がふいて花がゆれた。甘くていい香りがする。

「あなたたちにとってはただのお花畑かもしれないけど、蜜をとるための道具にすぎないかもしれないけど、
花たちは毎年サインを出しているの。水もよ。風も……。今年もサインは悲しみで満ちているわ」

叫んだほうのエルフさんがゆっくり話し始めた。
27従者の心主知らず さえずりの塔 後編 12/16:2011/01/23(日) 18:16:07 ID:ZOKJ5JA00
「ここはさえずりの塔。言葉のとおり塔がさえずるの。ここで歌うとね、塔が共鳴してとてもきれいに響くのよ。
高音がよく響くから小鳥のさえずりのようで、まるで塔が歌ってるみたいに聞こえるからそんな名前がついたの。
名前をつけたのは人間よ。私たちにはない発想で、斬新だった。昔はみんなで歌ったわ」

さえずりの塔……。ほんとにさえずりの塔って名前だったんだ!

「さえずりの蜜はきれいな歌声を保つためのもの。人間にも効果があるから、昔はみんなで分け合って飲んだわ。
でも、いつからか蜜を営利目的で売りさばこうとする人が現れて、私たちを見せものにしようとする人も現れて。
人間たちの中で派閥が生まれて、争いが起こって、多くの人が傷ついて、死んでいったわ。この花畑にも多くの人が眠ってる。
私たちの仲間も、もう一度あのころに戻りたいと願って、人間と和解しようとして、二度と帰ってこなかった人もいる……」
「…………」
「もう、そんなのはたくさん。だから私たちはこのサントハイムから身を引いたの。また一つ、家をなくしてしまった……」
「………………」
「でも、どんなに時が流れても、私たちのことがただのおとぎばなしになっても、人間の本性は変わらないのね」

花をなでている手が止まった。うつむいて……

「一度だけ、蜜を取りに来たとき人間に見つかってしまったことがあったの。そう、今回みたいに。
私たちはすぐ逃げたわ。蜜はそのままにして。戻ってきたときには蜜はなかった。花は……踏み荒らされてたわ」
「そんな……」
「あとで花たちに聞いたら、他にも何か宝が落ちてないか探し回ってたんだって。花たちは泣いてたわ……」
「…………」
「それ以来、鍵をかけて入れないようにしたの。花たちはここでしか生きられないから、せめてものつもりで。
でも、人が通わなくなったら魔物が住み始めて……。でもますます人間は来なくなったから、せいせいしてるくらい。
でも、花たちは違うの。花たちはそれでも待っているの。ここを訪れてくれる誰かを、ずっと待っているのよ……」

しゃがんでたエルフさんが少しだけ顔を上げた。

「花たちが待っているのは、ただ踏み荒らすだけの魔物たちじゃないわ。蜜だけが目当ての人間でもない。
まして私たちだけが目当ての人間なんてもってのほか」

あ。私は入り口で会った男の人を思い出した。クリフトが言葉づかいの悪い方でしたねって言ってて。

「くそー!扉にカギがかかってて上には登れねーや。たしかエルフが舞い降りるのはこの塔だと聞いてきたのに……。
ん?エルフを見つけてどうする気か?だって?そいつぁ言えねえなぁ。へっへっへっ!」

エルフ目的の人……あの人もそうだったんだ。そう思ったらなんだか悔しくなってきた。

「私たちだって勝手に蜜を取っているわけじゃないのよ。花たちにお願いして分けてもらってるの。
人間は勝手よ。勝手すぎるわ……」
「エルフさん……っ」

エルフさんがまたうつむいた。後ろで立ってるエルフさんは泣きそうな顔してる。
28従者の心主知らず さえずりの塔 後編 13/16:2011/01/23(日) 18:16:57 ID:ZOKJ5JA00
「昔は楽しくやっていたの。エルフも、人間も、ホビットも、区別なんてなかった。みんなで楽しいひと時を過ごしたわ。
朝日を拝んで、歌って、踊って、おしゃべりして、みんなで夕日を眺めて、一日の終わりに感謝して。
花たちはそんなひと時が大好きなの。子どもたちに今年もきれいだねって褒めてもらえるのが楽しみなのよ。
素敵な蜜をありがとうって言ってもらえるのが生きがいなの。来年もまたよろしくねって……。
だからいっしょうけんめい咲くの。見てほしいから。また声をかけてほしいから。みんなで歌って、踊って、おしゃべりして……
そんな日がきっとまた来るって信じてて……年を重ねるたびにもっといっしょうけんめい咲こうとするの。
あれからもう、100年以上もたつのに……」
「え……?そんなに、たつの……?」
「だから、そこのあなた」
「え?わ、私?」

エルフさんに言われてドキッとした。思わず気をつけの姿勢になっちゃう。

「あなた最初、ここに来たとききれいって、すてきって言ってくれたでしょ?いやみでも冗談でもなく心の底から。
本当は少し、救われたわ……。
花畑を通るときも、花を踏まないように静かに歩いてくれたのね。今花たちはとっても喜んでるの、わかる……?
やっと、やっと褒めてもらえたって……」
「…………」

花たちが、喜んでる……?私にはわからない。ごめんなさい、わからない……。でも、とってもきれいだってのはわかる。
いっしょうけんめい咲いてるんだなっていうのはわかる。それはわかるから……

「うん、とってもきれい……」
「姫さま……」

エルフさんが少しだけ笑ったような気がした。

「さあ、早くお父さまのもとへ行ってあげて。大変なんでしょう?その蜜は持ってっていいから。
営利目的じゃないのならいいわ。人助けができるのなら私たちとしても本望よ。花たちも喜んでるから。
その蜜は病気や呪いに対しても効果があるわ、きっと治してあげられると思う」
「え……いいの?……ほんとにいいの?」
「二度も言わせないで」
「あ、ご、ごめんなさい」
「ありがとうございます、エルフたちよ」
「うん、ありがとうエルフさん……」

私はもう一度さえずりの蜜を手に取った。そのまま胸にぎゅってする。ほんとにこれでお父さまのご病気を治せるんだ……。
エルフさんも立ち上がった。ちょっと恥ずかしいみたいなはがゆいみたいな顔してる。もしかして照れてるのかな。

「一度だけ、人間に見つかったことがあったとゆうたな。それは、5年ほど前の話かの?」
「……どうしてそんなこと聞くのよ」
「5年ほど前のことであれば、少し経過を知っておっての」
「…………」
「じい…?」
「……そうだったかもね」
「そうか……」
「ブライ様……」
「今その蜜は、巡り巡って詩人の手にわたり、今やサントハイムを美しい歌声で満たしておる。
夜はぐっすり眠れると皆にひょうばんでの」
「そう……」
29従者の心主知らず さえずりの塔 後編 14/16:2011/01/23(日) 18:17:45 ID:ZOKJ5JA00
じい……。マローニのことを言ってるのね。

「実にすばらしい蜜じゃ。こんなかたちでなかったら、重ねて礼を言いたいところじゃったが……」
「いいわよ、礼なんて……」
「フム。それでも、このサントハイムに潤いをもたらしてくれたのは事実じゃ。ありがとう。そして、すまなかったの……」
「…………」

…………。

「ねえねえ。私、アリーナっていうの。あなたたちの名前は?知りたいわ」
「アリーナ……。私、私リース」
「リース!」
「あ、ごめんなさいおねえさま……」
「あなたはリースね。よろしく」

私はリースに笑顔で返した。リースは戸惑ってもうひとりのエルフを見た。私ももうひとりのエルフさんに向き直る。

「あなたの名前は?」
「…………」

「名前は名乗らないわ。まだあなたたち人間のことを信用したわけじゃないから」
「……そっか……」
「……でも、あなたたちみたいな変な人間もいたってことは、覚えておくわ……」
「え……あ、ありがとう!」
「だから、礼なんて言わないでよ。……じゃあね。リース、帰るわよ」
「はい、おねえさま」

リースが少しだけこっちを見た。
思わずバイバイってしたらリースはまた戸惑ったみたいだけど、はにかむように笑って小さくバイバイってしてくれたの。
もうひとりのエルフさんも少しだけこっちを見た。私はバイバイをする。そしたら嬉しいような悲しいような複雑な顔をした。
ふたりは光に包まれてまた遠くへ飛んでった。私は大きく手を振って、ふたりが見えなくなるまでずっとバイバイしてた。


「こ、これでやっと塔から降りられるんですね。よかった……ッ」

クリフトがまた震えたような気がしたから私はもう一度クリフトの手をぎゅってした。相変わらずびくってなるクリフト。

「ひ、ひめさま…っ」
「ほんとにきれいな場所ね。また遊びに来たいわ。エルフにもまた会ってみたいし!」
「…………」

「ありがとうございます、姫さま……」
「なによクリフト、そんなに改まっちゃって」
「いえ、本当に……。ブライ様も、ありがとうございました」
「ふん。まったく、柄にもないことをしてしもうたわい」

じいが服についた砂を払って杖をひょいって拾った。私ももう一度さえずりの蜜を胸にぎゅってする。
今度こそ手に入った。さえずりの蜜……。
私はクリフトを見た。クリフトも私を見た。思わず同時に笑顔がこぼれた。今度は堂々と持って帰れるんだわ。
お花畑は相変わらずきれいだった。
30従者の心主知らず さえずりの塔 後編 15/16:2011/01/23(日) 18:18:33 ID:ZOKJ5JA00
お父さま、もうすぐよ。もうすぐご病気を治してあげるからね。

「サントハイムまで行ったり来たりいそがしいわね。でもおかげでキック力がちょっとだけ上がったような気がするわ」
「ここに来てキック力を話題にあげるこの余裕。うむうむ。姫さまご立派でしたな。このブライ見直しましたぞ」
「な、なに言ってるのよ」

やだ。なんかじいに褒められると変な感じだわ。

「はーやれやれ。これでようやくひと安心。城でのんびりできますな」
「え?なに言ってるのよ。お父さまのご病気が治ったらまた旅を続けるんだから」
「姫さまこそ何をおっしゃるのか」
「……そうですね。これで王さまの病気も治るんですね。そして私たちの旅も……」
「そうよ!これで私たちの旅もやっと再開できるのよ!」
「っ……」

クリフトが立ち止まったような気がした。と思ったらじいも立ち止まってるじゃない。

「この期に及んでまだそんなことをおっしゃるのか。ここまで確信的なことが起こってなおこりておらんのじゃな。
仮にこのさえずりの蜜で王の病気が治ったとて、何の解決にもなっておらんのですぞ。
あのまがまがしき気配、恐らくは相当高度な複合魔術じゃ。出所も突き止めねばならんし、今後にも備えねばならん。
何より動機を突き止めんことにはな……。
あのニブい神父はもちろん、サランの神父殿にもご助成いただいたほうがよいじゃろう。
事実を隠したところで、ふたりともあの様子じゃと、皆まで言わんでも城内に異変があったことは察しておるじゃろうからな」

あ……。
東はあやしげな気配がするって、最近胸さわぎがして眠れないって言ってたお城の神父さま。
マローニに会うためにじいとごあいさつに行ったとき、いつになくずっと険しいお顔をしてたサランの神父さま。
難しい話はわかんない。わかんないから聞かない。
でも、大変なんだって雰囲気だけはなぜかすっごく伝わってくる。

「姫さま……。姫さまとて一度は狙われた身、それもまた魔術がらみの代物が関わっておる。
ここでまた単身旅に出たとあっては、次に狙われるのはまた……
姫さまかもしれんのじゃ。魔術というのは直接手で触れなくとも人を殺すことさえできる。力だけではどうにもならん。
姫さまが考えるほど物事は単純ではないのです」

じいがいじわるで言ってるんじゃないってことが、いやなくらい伝わってくる……。

「そんなの知らないわよ!お父さまのご病気が治ったら私またぜったい旅に出るんだから!ねえクリフト!クリフトだって」
「っ……っ…」
「クリフト?」
「申し訳、ありま……っ」

クリフト……?手で顔を隠して。口をきっと結んで……。震えてる……?
31従者の心主知らず さえずりの塔 後編 16/16:2011/01/23(日) 18:19:23 ID:ZOKJ5JA00
「クリフトお主、泣いておるのか?」
「泣いてません!泣いてなどいません…っ」
「クリフト…?」
「申し訳、ありません……」
「…………」

なに……。なんで……。

「よかったです……。さえずりの蜜が無事手に入って、本当によかったです……」

…………。

「なにいってるのよ!すぐ治るって言ったの、クリフトじゃない」
「…………」
「なにいってるのよ……」
「……そうでしたね」

――帰り道は気がゆるみ思わぬケガをしがちです。どうぞお気をつけて――

クリフトが笑ってる。笑ってるのに、こんなに胸が苦しいのはなんでなの……。
お父さまのご病気が治ったらまた旅を再開して、いつかはエンドールの武術大会に出るのよ。クリフトだって応援してくれてて。

――姫さまが考えるほど物事は単純ではないのです――

じいの言葉が頭にひびく。でも、でも……。でも、私はやっぱり旅に出たい。自由になりたい。だって。だって……。
私たちは黙ったままじいのルーラでお城に戻った。
32名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/01/23(日) 18:20:31 ID:ZOKJ5JA00
>>1
いきなり投下しといて今さらですがスレ立て乙でした!
33名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/01/23(日) 23:53:42 ID:qBk59OxY0
あいかわらず姫様が非常に姫様らしい思考回路で可愛い
ありがとうございました。GJ
34名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/01/24(月) 00:12:38 ID:O7pDmPYK0
おお、一気に投下非常に乙であります
そしてGJ!
35名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/01/27(木) 20:12:35 ID:EfyocVwI0
従者の心〜を書いている者です。今回レスだけで失礼。

まさかGJをもらえるとは思わなかった!こんな長いのにGJくれるあなた方がGJだよ。
前スレで二連発云々て書いてた人いたけど普通に書いてたら三連発だったな;

以上かなり反省気味なオリジナル設定
「さえずりの蜜を入手直後クリフトがすぐ喜ばなかったワケ」とそこから派生して
「西の塔がガイドブックではさえずりの塔になってるワケ」でした。
誰も突っ込まんかったから自分で突っ込んどく。厨設定乙。

前スレで反応くれた方もありがとうございました。
職人さんたちに来てほしいと願いつつ次が終わったらセリフをなぞらないSS投下予定です。
次よりそっちのほうが筆が進んでる悲劇。みんなも書こうぜ!
36名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/01/31(月) 10:05:59 ID:SOIbuGPh0
保守しとくよ
37名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/01/31(月) 10:24:58 ID:yJrvHa/40
書き手さん頑張ってください!
最近投下が少ないから期待してますよ
38名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/01(火) 20:39:52 ID:A5Gh2gc/0
>>16-31
良かった
長さなんて感じないくらい面白かったよ
次期待してます
39名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/03(木) 20:12:19 ID:ywTFIT5u0
今日は節分ということで小ネタを置いておきますね。

「姫さま、今日は節分ですね」
「セツブン?なんだっけ」
「立春の前日のことです。季節を分けるという意味ですよ」
「ふーん。セツブンね」
「それが、ある地方では季節の変わり目には邪気や鬼が生じると考えられており」
「鬼!?なんだか強そうね!」
「姫さま、話を最後まで聞いてください……」
「あー聞くわよ聞く聞く」
「ともかく、その地方では邪気や鬼を追い払うための悪霊払い行事を執り行うそうですよ。
この機に私たちもしてみませんか?方法はまずこの豆をまきながら魔法を唱えます」
「私魔法なんて使えないわよ」
「大丈夫です。誰にでもできるおまじないのようですよ。かけ声は「鬼は外、福は内」」
「……なんで鬼だけ外なのよ。鬼も家、服も家でいいじゃない」
「鬼は悪霊です。それを追い払うための行事ですから」
「だからなんで追い払わないといけないのよ。外は寒いし家に来てくれたほうがいいわ。
だから鬼も家!服も家!」
「外は寒いって、姫さま……。なんと常識はずれな」
「なによ、いいじゃない。みーんな家に来るの!」
「……姫さま……。…………。
なんとお優しい、慈悲深いお心なのでしょうか……。
悪霊たる者をすら内に招き入れようとなさるなど、その寛大なお姿、このクリフト……」
「そうすればいつでも勝負ができるものね!
鬼なんて、どれだけ強いか知らないけど私の新しい必殺技をお見舞いしてやるわ」
「…そ、そういう意味でしたか」
40名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/03(木) 21:15:17 ID:YRc2MHif0
ほのぼのと萌えましたw
GJ!!
41名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/03(木) 22:45:16 ID:vTjUqY0n0
おおかわいらしい!
GJです!
大物だよねwアリーナは
42名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/07(月) 20:31:14 ID:E2/U8rIa0
かわいいw
43名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/09(水) 21:47:12 ID:KzfNeEIZP
モバイルのいたストにDQキャラ参戦記念カキコ
いずれクリアリも参戦してくれることを信じてる
44名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/09(水) 23:42:30 ID:iUXf6DgmO
モバイルいたストの体験版リンクの真ん中のキャラクターがどうみてもクリフトだ。
本気で期待している。
そして姫様今までからいくと可能性高いな…
二人で登場してクリアリしてくれい
45名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/10(木) 00:00:09 ID:JBIwA0peP
今PCの公式サイト確認したら、ABOUTのページに普通にいた件
http://www.square-enix.co.jp/mobile/sem/itast-sp/about/images/characters_img01.png
46名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/10(木) 03:17:20 ID:UfcJnH680
相変わらずいたストのクリフトは髪がグレーっぽいね
でも服が原作服に戻ってるねー
47名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/10(木) 11:19:54 ID:NbgGy+ss0
姫様サイトにいたよ
モバイルかー。
48名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/10(木) 15:34:45 ID:VjcVZ9lS0
姫様はさすが、トップにいらっしゃる!
隣はピサロかな?と思ったら、セフィロスだったwww

ドラクエモバイルは入っててるんだが、スクエニモバイルとはまた別物ぽいな…
49名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/12(土) 22:19:57 ID:sy6yVaAH0
今さらだがレディストーカー実況プレイ見てる。
なんでドラクエ外伝として出してくれなかったんかなあ。
50名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/14(月) 19:02:39 ID:PCGl0/g00
今日はバレンタインデーということでまた小ネタを置いておきますね。

「クリフトー、今年もチョコいっぱいもらったの?」
「え?え、ええ、まあ……。ほどほどにいただいております…」
「ふーん。毎年すごいわねー」
「教会の子どもたちもきっと喜んでくれるでしょう。毎年楽しみにしていますからっ。
私も礼儀としてひとつずつはいただいておりますが、どれも心のこもった手作りです。
この日は神に、女性の皆さまに感謝してもしきれません」
「クリフトって律儀よね。またひとりひとり細かくお礼言って回るんでしょ?
どうせ渡すのならクリフトじゃなくって直接子どもたちに渡せばいいのにね」
「そ……それはどういう意味で……」
「実はね、私も今年はチョコ作ったんだ。クッキーチョコ」
「姫さまが?」
「今回はちゃんとできたわよ。おばさまのいうとおりに作ったもん。
作ったっていうか、私はただおばさまに言われたものをかきまぜてただけなんだけど」
「いえ、いえ、じゅうぶん姫さまの手作りです」
「そ、そうかな。私からのプレゼントって知ったら子どもたちもっと喜んでくれるかな」
「あ、ああ、子どもたちに……。そうですね。きっと何よりのプレゼントだと思いますよ」
「ねえクリフト、ひとつ味見してくれないかな」
「え…?よ、よろしいのですか!?」
「ちょっと、声が大きいわよ。私もおばさまも味見したからいいとは思うんだけど……
やっぱり不安なんだもん」
「姫さまがお作りになるものでしたらなんでもおいしいですよ」
「クリフトったらいっつもそれ。今までそれでおいしかった試しないじゃない。……はい」
「あ、ありがとうございます。……いただきます……。…………」
「ど、どう?」
「…………」
「え……」
「ほろ苦くて、おいしいです……。とても……とても……おいしいです……っ」
「ちょ、ちょっとクリフト、大げさよ。うーん、でも苦かったかしら。甘かったはずだけどな。
でもまずくないならよかったわ。じゃあクリフト、教会に行きましょ」
「はい、姫さま!」
51名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/16(水) 12:42:31 ID:OqMxLU0JO
続きに期待
52名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/17(木) 11:04:42 ID:lmRNN6mv0
公式設定でそれぞれ別の人間と結婚してるとはっきり名言してるのにwww
53名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/17(木) 11:05:59 ID:lmRNN6mv0
お前らはエア豚の靴でもペロペロしてなさいwww
54名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/17(木) 12:22:16 ID:sD9WVgtuO
ばかだなあ
二人が結果として誰と結婚したかは問題じゃないんだよ
大切なのはそれまでの想いだろ?
つかそれどこの公式?しらんかったわ
55名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/17(木) 16:38:07 ID:hTl4Q1Ti0
いや、ないから
56名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/17(木) 19:03:59 ID:sD9WVgtuO
なんだガセか
でもそれならよかったよ
>54ではああいったけどやっぱりクリアリにはくっついてほしいな
どんな困難も二人で乗り越えてってほしい
57名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/17(木) 20:24:04 ID:8H6/W2PY0
>>51 すみません一発ネタのつもりだったので続きは考えてなかったです
ということでどなたか続きをお願いします
58名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/18(金) 00:05:48 ID:Bu9i36vLO
ずっと昔に出たドラマCDだと最後ちょっと良い感じだったよな
アリーナが「これからも私を見守っててね」とか言ってるやつ
59名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/18(金) 00:18:16 ID:QXxbRdjpO
>>58
うん。パテギアが完璧スルーだが、最後は萌えた
60名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/18(金) 00:40:17 ID:k8rHOQqA0
CDドラマってパデキアスルーなの?
あれが一番の萌えどころなのに!
でもその最後はいいね。

>>50,57
GJでした!
きっと毎年毎年少しずつ上手くなってるんだね!
たぶんクリフトは黒こげクッキーでも美味しいと言うと思うwww
61名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/18(金) 02:39:54 ID:eocwdfSo0
萌えどころといえば、PS版レイクナバでの仲間会話もいいと思う。意味深で
62名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/18(金) 03:29:07 ID:HKtnenvAO
>>61
あの会話良いよね。
アリーナの数少ない心境吐露っぽくて。
63名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/21(月) 21:13:19.38 ID:UW/1+80BO
クリフトは、神かアリーナどちらかを選べといわれたら、即アリーナを選ぶと思うw
64名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/22(火) 07:11:28.49 ID:pLexlE4PO
神とアリーナの前で悶々としてるクリフトも好きだけどなw
65名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/25(金) 04:20:51.73 ID:O3qhPysIO
ドラクエ世界に血液型があったらアリーナはO型でクリフトはA型かな
66名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/25(金) 08:18:10.75 ID:80F279D/P
モバイルいたスト、3月の追加キャラはマーニャとミネアだそうです
クリアリマダー?
67名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/25(金) 23:35:20.32 ID:cnmj5uXR0
その順番組み合わせだと、クリアリは一緒に来そうだね
68名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/02/27(日) 00:07:03.64 ID:xqzD3jpN0
アリーナと姉妹が共演してたのはあったけど、
モンバーバラ姉妹両名とクリ&アリ全員いたストに共演て思ってみれば
始めてじゃあないか?間違ってたらスマソ
69名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/03/05(土) 09:16:29.61 ID:fqcRra1e0
>>55
各々の子孫が次作に出てくるだろ
FF5もOVAの設定で妹の王女とはくっ付かない事がほぼ明らか
70名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/03/05(土) 16:34:12.74 ID:/rK2nHq60
>>69
推測ってだけで確定じゃなかった気がするが?
決定的なソースきぼん
71名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/03/06(日) 21:37:33.39 ID:PqFfgL5r0
DQ5プレイしたけど、記憶にない…

DQはあんまり公式設定がしっかりしてないのが売りだから、その後の事はご自由にご想像下さいでしょ
OVAとか公式から発売されている小説はあくまでも二次創作だからなぁ…
だってアリーナの一人称「僕」だしw
72名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/03/06(日) 23:53:42.47 ID:dkjRhE4ZO
うん。確か、砂漠の女王アイシスも勇者の仲間の子孫らしいってことで誰かは明言されてないし、一応勇者のお墓はあるけど偽物だしな…
妄想で充分楽しい
73名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/03/11(金) 23:12:37.39 ID:XPUXcYCIO
皆が無事でありますように
74名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/03/12(土) 13:50:46.43 ID:fg/b1BkJ0
下半身的な意味で!
75名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/03/19(土) 01:01:29.42 ID:wNC2ILT40
保守
76名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/03/25(金) 22:44:41.32 ID:AS+vNTYU0
クリアリ保守
77名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/02(土) 23:45:03.49 ID:yHdlVhdz0
ほしゅ
78名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/03(日) 20:53:00.58 ID:iUkWNtW+O
携帯から失礼いたします。

初投下します。
2日おくれのエイプリールフールネタ…。
79エイプリールフール:2011/04/03(日) 20:59:05.67 ID:iUkWNtW+O
旅の途中。
一行は森の中で、休憩していた。
そんな中、マーニャ、ミネア、アリーナの三人は、馬車の中で、お喋りに花を咲かせていた。
「今日は、エイプリールフールねぇ」
マーニャが楽しそうに喋り出す。
姉さん生き生きしている…ということは良くないことが起きると、ミネアは感じた。
「姉さん……ろくでもない嘘つかないでよ」
「あらやーね。そんなことしないわよぉ」
しないというなら、なぜにやけているのだろう。
姉の言葉は微塵も信用出来そうにない。
ミネアは、思わず溜め息をついた。
「ねぇねぇ、エイプリールフールってなあに?」
それまで黙っていたアリーナが、尋ねてきた。
「うっそー! 温室育ちのお姫様は、エイプリールフールもしらないのぉ?」
マーニャの大袈裟な態度に、アリーナがちょっとむっとする。
あぁもうどうしてこの人は……。
マーニャは大袈裟に驚く態度を見せることで、機嫌を損ねるアリーナが見たいのだ。
そうやって面白がっているということをミネアは知っている。
そういう性格に今まで、散々苦労させられてきたのだから。
「姉さん、やめて。ごめんね、アリーナさん。エイプリールフールっていうのは、嘘をついて良い日のことよ」
「え、嘘ついてもいいの?」
むっとしていたアリーナの顔が、ぱっと輝く。
「なんだが凄くおもしろそうね! どんな嘘つこうかなぁ」
無邪気に考え始めたアリーナをみて、ミネアは顔を綻ばせた。
すると、ミネアの剣幕にたじろいでいたはずの、マーニャがいきなりしゃべりだした。
「そうだ! いいこと思いついたわ!」
おまえの言う良いことは、大抵悪いことだ!とミネアは焦った。
「姉さん、ちょっと!」
「アリーナ、あんたクリフトに、『大好き!』って言ってきなさい。 アイツ泣いて喜ぶわよ」
思っていたよりは、まともな、嘘…?とミネアは思った。
が、はっとした。
この女は、お姫様の告白を嘘だと知り、落胆する不憫な神官様が見たいのだ。
なんという悪女…いや、もはや鬼か…。
80名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/03(日) 21:03:04.30 ID:iUkWNtW+O
「姉さん!」
「いいじゃない、これくらい〜 ちっとも進展しないんだもの。 いじりたくもなるわよぉ」
「ねーなんでクリフトに、大好きっていうの?」
「え…なんでって…エイプリールフールだからよ?」
「でも、私がクリフトに、好きって言っても、嘘にならないよ?」
「……」
呆然とするマーニャ。
姉の企みの失敗に、ミネアは思わず笑いがこみ上げてきた。
当のアリーナは、姉妹の態度が解せないようで、ぽかんとしている。
「あ、そうだ。私、ブライに良い育毛剤見つけたって、嘘ついてみるわ!」
急に、瞳を輝かせアリーナは、馬車の外へ駆けていった。
ミネアは、いくらなんでも惨すぎる嘘だと思ったが、笑いが止まらず引き留められなかった。
傍らで落胆している姉の姿が滑稽で、仕方がなかった。
「負けたわ…」
アリーナは戦っていた気などないのだろうが、マーニャの敗北は、明白だった。
「これにこりて、余計な事をするのはもうやめれば?」
「いいえ! まだ負けてないわ! 絶対に、あのヘタレ神官の落胆する瞬間をみてやる!」
マーニャは、馬車の隅にある袋から、時の砂を取り出した。
81名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/03(日) 21:06:32.22 ID:iUkWNtW+O
take2

「そうだ、アリーナ。あんたクリフトに『大嫌い!』って言ってきなさいよ! アイツ泣く…いやもしかすると、自害するかも知れないわね……」
我ながら良い案だと思ったが、口に出すと流石に良心が痛んだ。
「姉さん、それは…さすがに…」
ミネアも、呆れることを通り越して、若干引いている。
「面白そうね! わかった、やってくる!」
しかし姉妹の態度とは、裏腹にアリーナは明らかに楽しんでいた。
まずい、と思ったが、次の瞬間には、マントを翻し、馬車の外へ駆けていってしまった。
「あ、ちょっとまって! アリーナさん!」
姉妹の顔が青ざめ始める。
二人の脳裏に浮かぶのは、不憫すぎる神官の姿だった。
「私、知らないからね。…姉さんのせいよ…」
「と、とりあえず追いかけましょう」
二人は青い顔のまま、アリーナの後を追った。

〜〜〜〜

「クリフトー!」
遠くから、姫様の声が聞こえます。
私は昼食を作る手を止めて、声がする方へ、振り向きました。
「姫様?どうかいたしましたか?」
「あのね、クリフト。大っ嫌い!」
姫様の予想外かつ残酷すぎる一言に、私は凍り付きました。
主君に、愛する人に笑顔で嫌いと言われた私はどうすればいいのでしょうか。
せめて、真顔で言って欲しかった。
愛する人の一番好きな、表情で『嫌い』と言われるのは、ある意味、死よりつらい…。
嫌われてはいないと、信じていましたが、どうやら自分に対する奢りだったようです。
とりあえず…死にたい…。

……

「なーんてね。嘘だよ、クリフト」
「へ…?」
『嘘』という言葉に、私は遠のいていた意識が、戻り始めるのを感じました。
「エイプリールフールだよ〜」
「で、では姫様は、私を嫌いではないと…」
「当たり前じゃない! 今までずっと一緒に来てくれたんだもん。 あまり口に出したことなかったけど…ありがとうね」
「ひ、姫様…」
「これからもずっと、一緒に来てくれる?」
「勿論です!」
一瞬、死にたくなるような思いはしましたが、今だけは四月バカに、感謝したいと思います。
私は、幸せ者です……。

〜〜〜〜

二人の様子を物陰から覗いていたミネアは、ほっと胸をなで下ろした。
しかし、傍らにいるマーニャは、何が悔しいのか…爪をギリギリと噛んでいる。
ちょっと…怖い。
「何よー! 結局いい雰囲気になるんじゃない! これじゃあ面白くないわー!」
マーニャの絶叫が、森の中に響いた。
82名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/03(日) 21:07:43.83 ID:iUkWNtW+O
以上です。
投下がこんなに、緊張すると思わなかった…

お目汚し失礼いたしました。
83名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/03(日) 22:17:01.11 ID:VdEogTq40
緊張するよねw

すごく微笑ましくて癒されました!GJ
ブライのその後が気になるw
84名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/03(日) 22:48:01.67 ID:9Vc6NEwc0
エイプリールフールネタ、面白かった、GJ!
クリアリは仲間が絡んで賑やかになる所もイイ!
ついでにトルネコにも痩せ薬(ry
85名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/04(月) 14:36:58.69 ID:hhmf2pNvO
>>83
>>84
まさかGJして貰えるとは…!
ありがとうございます。

最近書き手さんが少ないようなので、書き上げられたら、また投下しますね
86名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/06(水) 13:08:02.73 ID:BgcwwrU1O
姫さまカワイイ
姉妹好きとしては良い感じのSSでした
GJです
次回も期待です
87名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/13(水) 12:16:51.10 ID:2sMI8xlpO
ほしゅ

アリーナ「ねぇクリフト、ほしゅってどういう意味?」 
クリフト「現状維持とかいった意味合いですよ。」
アリーナ「そっか…現状維持は大事だけどそれで満足しちゃダメよ!
やっぱり先に進まないとね!クリフトもそう思うでしょ?!」
クリフト「…そうですね…」
アリーナ「うん、もっと強くならないと!
早速ちょっと走ってくるわね」


クリフト「…現状維持で満足してはダメ…か……」
88名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/13(水) 21:09:14.60 ID:vmvDuqdlO
エイプリールフール書いたの奴です。
投下します。
89名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/13(水) 21:14:41.18 ID:vmvDuqdlO
風邪をひいてしまった。
野宿、連戦続きだったからだって、仲間たちは言ってくれたけど、情けなくてたまらない。
私が熱を出したせいで、今日は街に戻って、きちんと宿をとった。
しかもゆっくり休めるようになんて、一人部屋。
相部屋にして、風邪をうつすよりはずっといいけれど、自分の情けなさが身にしみた。

「クリフト、部屋に戻って。大丈夫だから」
「でも…まだ熱が下がりませんし」

宿について、私はさっさと風邪を治そうと、早々に床に就いた。
でも…なんで隣に、クリフトがいるんだろう。
クリフトは、体温計とにらめっこしなから、渋い顔をしている。
看病のためなんだろうけど、私より体が弱いくせにうつったら大変じゃない。

「また倒れたらどうするのよ」
「大丈夫ですよ」

ほらでた。お得意の「大丈夫」。
クリフトの大丈夫ほど、信用出来ないものってないと思う。そうやって「大丈夫、大丈夫」って自分を追い詰めて、気づかないうちに病気になっちゃうんだから。

「大丈夫って言いながら、ミントスのときは駄目だったじゃない。
また倒れられても、迷惑なのよ!」

「迷惑」という言葉に、クリフトはちょっとしゅんとしてしまった。
そして小さな声で、「申し訳ありません」と言った。
少し後悔する。
どうして、私はこんな言い方しかできないのだろう。
そもそも今、体調を崩しているのは、私なのに。
あの時、クリフトが倒れたのは、私のために無理を重ねたからだ。
確かに体はあまり強くないけど、体調の自己管理が出来ないほど、駄目な奴じゃない。
旅が始まってからは、いつも私を真っ先に心配して、自分のことなんか、後回しで…。
なんてバカなクリフト。
でもそうやって無理をしてたクリフトに気づけなかった、私は、もっとバカだ。
私がクリフトに言わなきゃいけないのは「迷惑」とかそんな言葉じゃない。
本当は「ありがとう」って言わなきゃならないのに。
そういえば、クリフトだって、喜んでくれるに、違いないのに。

「もういい。私が他の部屋にいくわ」
90名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/13(水) 21:19:28.89 ID:vmvDuqdlO
やっぱり、クリフトに無理をさせるわけには行かない。
きっとクリフトのことだから、夜通し看病したりしちゃうに決まってる。
私はクリフトの制止を振り切って、立ち上がった。

「あっ…」
「姫様!」

でも、いざ立ってみると、視界がグルグル回って、上手く立っていられなくなった。
体が重くて、倒れかけた瞬間、私はクリフトに抱きとめられた。

「……」

端から見れば、抱きしめられているような体勢。
こんな風になったのは、子供の頃ふざけて抱きついたとき以来だった。
クリフトの体は意外と、がっしりしてて、ちゃんと「男の人」の体だった。
子供の頃と違くて、「男の人」と意識した瞬間に、私は胸の鼓動が高鳴るのを感じた。
いったいどうして。

「す、すみません!」

なんで、クリフトが謝るのよ…
そう言いたいのに、うまく言葉が紡げない。
頭がぼーっとして、顔が熱かった。
熱が上がっちゃったのかな。
91名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/13(水) 21:24:47.50 ID:vmvDuqdlO
クリフトは、真っ赤になって慌てながらも、もう一度私を寝台に寝かしてくれた。

「その…すみません」

顔色が平常通りに戻った頃、クリフトは、片手で顔を覆って、懺悔するような声で言った。
何回でも、謝りたくてたまらないらしい。


「いいの。私が悪いんだから」

私の胸の高鳴りはすでにおさまっていた。
いったい何だったのかな。
大丈夫、と言って立ち上がった手前、倒れかけたのが、情けなかった。
私の病状は、自分で思っていた以上に悪かったみたい。
もうクリフトの「大丈夫」が信用出来ない、なんて言えないね。

「姫様、ご心配してくださって、ありがとうございます。
ですが、大丈夫です。ミントスの時のような病にはなりません。
だから看病させてください」

「本当に?」
「本当です」
「根拠は?」

予想外の質問だったのかクリフトが、たじろぐ。
そして一呼吸おいたあと、苦し紛れといった感じで、つぶやいた。

「気合い…です」

私は思わず声を上げて笑ってしまった。
だってあまりにも、らしくない回答だったから。

クリフトは、恥ずかしそうに、少し顔を赤くしている。
気合いで風邪をひかないなら、私は気合い不足なの?
そう聞きたくなったが、可哀想だから言わないであげた。

「はいはい、わかりました。看病していいよ」

、きっとクリフトは、何があっても引き下がらないだろう。
しょうがないから、もう許してあげる。
クリフトは、私がどんなに怒ったって、他人を優先しちゃう、そういう奴だから。
でも私は、クリフトのそういう優しいところが、正直嫌いじゃない。

「うつっちゃったら、どうしよう?」
「ちゃんと、うがいしますから」

さて、それはどの程度の効果があるのかしら。
私には、それこそ根拠がわからないので、あまり安心材料にはならなかった。
92名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/13(水) 21:29:25.01 ID:vmvDuqdlO

「もし、うつったら、二度と看病させないからね」
「え!? そ…そんな」

ちょっとだけ意地悪言ってみる。
これから言う言葉の、ちょっとした照れ隠しだ。

「でも、もしうつっちゃったら…私が看病してあげても、いいよ」

ちょっと恥ずかしいから、クリフトの顔は見なかった。
お布団に顔をうずめて。
今のは、普段言えない「ありがとう」のかわり。
自分より他人を優先しちゃうお馬鹿さんへの、労いだ。

「ありがとうございます」

チラリと目だけで振り返ると、クリフトは微笑んでいた。
ちょっと困った感じで。
いつもならなんてこともない表情なのに、少しドキドキしちゃうのは、何でなんだろう。

「さぁそろそろ眠ってください。眠らないと治りませんから」

そう言って、クリフトは、私の額に冷たいタオルを乗せてくれた。
熱かった額が冷やされて、急激に睡魔が襲ってきた。
胸の高鳴りの原因を考える前に、私は眠りに落ちっていった。

いつもありがとう、クリフト。
いつかきっと、ちゃんと言うから――。
93名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/13(水) 21:33:14.10 ID:vmvDuqdlO
以上です。
エイプリールのときと、アリーナの性格が違ってしまった…
エイプリールは、デレ期にはいったものだと思ってくださいw
94名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/14(木) 02:39:13.73 ID:kXK9giJk0
GJです!!
アリーナ視点で丁寧にクリフトへの思いが綴られていてかわいかった!
ツンデレですね分かりますw

最近原作沿いの人も、エイプリルフールの人も、小ネタの人も職人さん多くて嬉しいです!
95名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/17(日) 20:10:00.65 ID:wTEB4n8O0
アリーナもクリフトもらしさが出ていてとてもよかったです。
しかしこうなると同場面のクリフト視点も見たくなるw
遅ればせながらGJでした!!

>94
原作沿いの人とはもしや自分のことでしょうか。
以前従者の心〜を書いていた者です、もしそうなら恐縮です;

実は今後の投下にあたりスレの趣旨という点で少々悩んでおりました……
さしあたって今回は支障ないかと思われます、忘れかけたころの投下で申し訳ないですが前回の続き、
PS版のセリフをなぞったSSアリーナ視点、サントハイム王の失声症回復編行きます。
どうぞ。
96従者の心主知らず 自由 1/5:2011/04/17(日) 20:11:50.40 ID:wTEB4n8O0
最初はひとりで旅に出るつもりだった。だってみんなが旅に反対してたから。クリフトも……
そう、クリフトだって最初は反対してたのよ。
でも、いろいろお話していくうちにほんとはクリフトも旅に出たかったんだってことがわかって、
いっしょに強くなろうねって約束して、私がエンドールの武術大会に出たいって言ったら
姫さまならきっと優勝しますよって言ってくれたの。

最初はほんとにひとりで旅に出るつもりだった。それはうそじゃない。うそじゃない。
でも、今は……
今はクリフトといっしょに行くつもりになってる。クリフトがそばにいるのが当たり前になってる。

お父さまのご病気が治ったらまた旅を続けるって言ったときじいにすっごく反対されて、
クリフトのほうを見たらクリフトは泣きそうな顔してて。
どんなに反対されたって私はいつでも壁をけやぶってお城を抜け出すつもり。だからぜんぜんこわくない。
だって最初はひとりで旅に出るつもりだったんだから。
でも、クリフトの泣きそうな顔を見たとき、私は……
私はもうクリフトとはいっしょに旅を続けられないような気がした。私はほんとにひとりになる。
それを寂しいと思うなんて。これからもクリフトといっしょに旅がしたいと思うなんて。

いつからこんな気持ちになったんだろう。いつの間にこんな気持ちになってたんだろう。
お城についてからもクリフトはずっとうつむいてた。
どうしたのって聞いてもなんでもありませんよって、長旅で少し疲れたのかもしれませんって言ってて。
でも、うそをついてるような気がして。無理して笑ってるような気がして……。

クリフトだってきっと旅を続けたいはずよ。きっとそう思ってるはずだわ。
一度はお許しをもらえたんだもの、お父さまのご病気が治ったらお願いしてみよう。
もう一度旅に出たいって。エンドールの武術大会に出たいって。それから……
クリフトもいっしょに連れていきたいって。

でも、寂しいからクリフトを連れていきたいなんて、そんなの悔しいからぜったい言わない。
97従者の心主知らず 自由 2/5:2011/04/17(日) 20:13:57.92 ID:wTEB4n8O0
「さあさ、王さまの病気を早くそのさえずりの蜜で治してさしあげてはいかがか?」
「え?あ、うん!そうね!」

やだ私、少しぼーっとしちゃってたみたい。そうよ、とにかく今はお父さまのご病気を治すことが大事だわ。
お父さま、もうすぐこれまでのようにお声が出るようになります。だからもうすこし待っていてくださいね。

「大臣やゴンじい。マローニのおかげでお父さまの病気も治るわ!あ、もちろんブライやクリフトのおかげでもあるけどね」
「やれやれ。ついでのような言われ方ですな」
「もったいないお言葉です…」
「しかし、今回ばかりは姫さまのおてんばにも助けられましたな。めずらしいこともあるものです」
「おてんばで悪かったわねっ」

お城に入って出迎えた兵士たちにあいさつをする。みんな変わりないみたい。

「さあ、あとはお父さまにこのさえずりの蜜を飲ませるだけよ!でもお父さま甘いもの苦手なのよね。口をこじあけてでも飲ませなきゃ!」
「姫さま、だんだんと物言いが物騒になっておりますぞ」
「っもう、ほんとのことなんだからいいじゃない」
「…………」
「……クリフト?」
「……え?ああ、申し訳ありません、少し考えごとを……。ですがこれで王さまのご病気も治ります。ひとまずは落ち着けそうですね」
「うん…」
「ささ、早く参りますぞ」

私たちは再びお父さまのもとへ。お父さま、ちょっぴりやつれたみたいだわ。おかわいそうに……。
大臣に事情を説明してさえずりの蜜をお父さまのもとへ。甘いものが苦手なお父さまも今回ばかりは飲んでくれた。

お父さまがお声を出してみる。お声が……出た。出てる。ちゃんと出てる。あーあーって。
今までより澄んだお声。でもいつものお声。ちゃんとお父さまのお声が聞こえてくる。
お父さまのご病気が治った……治った!
さっきまで張りつめてた空気が一気にゆるんだ。大臣も兵士たちも肩の力が一気に抜けたみたい。
お父さまも今までしゃべれなかった分を取り戻すような勢いで私たちひとりひとりにお礼を言ってきた。お礼なんてどうでもいいわ。
治って本当によかった……。
98従者の心主知らず 自由 3/5:2011/04/17(日) 20:17:00.58 ID:wTEB4n8O0
とてつもなくおそろしい夢を何回も見たこと。巨大な怪物が地獄からよみがえってすべてを破壊していたんですって。
でもそれを話そうとしたら急にお声が出なくなってしまったこと。お父さまはこれまでのことをお話していった。
さっきまでの明るい雰囲気はもうどこかにいってしまって、じいもクリフトも大臣も、兵士たちも、みんな黙って聞いてた。
でも、私は……

「…………。
アリーナよ。わしはもう止めはせぬ。その目で世界を見てまいれ。ブライにクリフト。アリーナを頼んだぞよ」
「…………え?」

お父さまのご病気も無事治って、今日か明日かあさってか、まだしばらくはお声やお体の調子を見たほうがいい、
それならいつもう一度旅に出たいってお願いしようか、そんなことをぼんやり考えてたらいつの間にかお話が終わってた。
お父さまから何か言われたのか兵士が階段を下りてく。お父さま今、なんて言ったの…?

「お父さま…?」
「くれぐれも気をつけて旅を続けるのじゃぞ。世界はこのサントハイムなど比べものにならんほど広いのじゃからな。
わしは夢のことを考えることにしよう。恐ろしい夢を見た時別の夢も見た気がするのだが、どうしても思い出せぬのじゃ……」
「お父さま……」

少しして階段を下りてった兵士が戻ってきた。私に近づいてきておじぎをする。

「王さまの命によりエンドールへのほこらの通行許可を出しておきました。どうかお気をつけていかれますように……」
「え…………」

話の展開が早すぎて頭がついていけない。つまり、どういうこと?通行許可って?その目で世界をって……。

「その目で世界をって、じゃあエンドールに行けるのね!武術大会にも出られるのね!」
「ふむ、武術大会か……。まあいたしかたあるまいな」

うそ……。お父さまからそんな言葉が聞けるなんて。エンドールに行ける。武術大会にも出られる。また旅を続けられるんだ……。
やった……。

「やった、やったわ!」
「なんということか!これでやっと城に戻れると思ったというのに!むむ……王じきじきの頼みを断るわけにもゆかぬし
姫さまはあぶなっかしいし……。ええい、もうヤケです。どこへなりとお供しましょう!さあエンドールへ!」

じいのすっとんきょうな声が聞こえた。
99従者の心主知らず 自由 4/5:2011/04/17(日) 20:21:20.10 ID:wTEB4n8O0
私は思わずクリフトを見る。クリフトはきっと……え、なんで?手で顔を隠して下を向いてる。口は笑ってなかった。
クリフト、嬉しくないの……?

「クリフト……?」
「……は、はい……申し訳ありません……今は、その……」
「泣いてるの……?」
「いえ、これはその……」
「うん……」
「その……また姫さまと旅ができるだなんて……」
「うん……」

クリフトは手を離して私を見た。やっぱりちょっと泣いてたみたい。どうして……。
でもその手を胸に当てて私の前に片ひざをついた。

「アリーナ姫さま、大変失礼いたしました。まずはエンドールへ。その後も姫さまのご希望通りどこへなりと参りましょう!
王さまの命により、このクリフト、世界中どこへなりとお供をさせていただきます!」
「……クリフト……」

クリフトが私を見上げてる。すっごく真剣な顔してる。苦手なはずだったクリフトの顔。
でも、今はなぜか…………ぷ。

「んもうー、クリフトったらかしこまっちゃってー」
「ひ、姫さま?」
「そんなかたっくるしいあいさつはいらないわよー」
「え、あの、ですが……」
「お父さまが命令したからって、今までとなんにも変わらないんだから」
「…………」
「これからもいっしょなんだからね。よろしくね、クリフト!」
「……はい!姫さま!」

クリフトが少しだけため息をついたような気がする。きっとほっとしたのね。やっぱりクリフトも旅を続けたかったのよね。
私もほっとした。だってこれからもずっといっしょに旅ができるんだから。
じいはすっごく難しい顔してぶつぶつ言ってるけど知らなーい。これからはもうおっきなこと言わせないんだから!
100従者の心主知らず 自由 5/5:2011/04/17(日) 20:24:56.50 ID:wTEB4n8O0
「ともかくよかった!しかし王様が見た夢のこと、気になりまする……」
「確かに、恐ろしい夢のためにお声が出なくなるとは。いったいどのような……?」
「夢ねえー?そんなの気にしないわ!ねっ平気よねっ」
「姫さま…」

クリフトと大臣がまた難しい話を始めようとしたから軽くあしらっちゃった。
考えてもわからないことは考えない!わかるための手がかりは頭の中じゃないわ、世界にあるのよ!

「私は自由よ!もう世界中どこへ行ってもいいのね。どこまでも冒険できるのね!すごいわ。
世界中ってサントハイムよりもずっとずっと広いんでしょう?すごいわ!」

私は勢いよく歩き出す!

「さあ行きましょう。今度は堂々と正門から!」
「これこれ姫さま。もうお忍びの旅ではないんじゃ、また何の準備もせずに出かけるというのは無謀というものですぞ。
エンドールともなれば今まで以上の長旅になりましょう、城の者たちともあいさつをしてゆくのが礼儀というものです」

う。

「あー、うーん、そうね、ゴンじいにも報告しておきましょう。お礼も言いたいし」
「そうそう、そういう心がけが大事ですじゃ」

っもう、じいったら今度は礼儀作法で攻めてきたわ。なんだかんだ言ってお説教しないと気がすまないのよね。
でもお父さまのご病気が治ったのはゴンじいのおかげでもあるわけだし、確かに今度はもっと長旅になるわけだし、
久しぶりにみんなの様子を見て回るのも悪くないかな。

「フム。ゴンじいめ。なかなかやりおるわい」
「ゴン老人はなにゆえこのような裏庭にお住まいなのでしょう?あの知識、あのお人柄、国の長老となってもおかしくないお方というのに」
「偏屈じじいじゃからの」
「ブライ様…」
「しばらく帰らないとなるとお城のみんなの顔もなつかしいカンジがするわねー」

兵士たち、食堂のおばさま、口の悪い商人、侍女、ゴンじい、神父さま、屋根の上のネコも、みんな変わらず元気だわ。
でも私はなんとなく予想してたの、お城を回ってたらお外が暗くなってきちゃった。あーもうやっぱり!
はあ、出かけるのは明日になりそうだわ。でもお城のフカフカのベッドで寝るのも久しぶりだし、たまにはいっか。
明日からはまたいつも通り旅ができるんだから。そう、また3人で旅立つんだわ。よろしくね、ブライ、そしてクリフト。
101名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/17(日) 23:18:12.00 ID:Wx+v/uYT0
エイプリルフールさんも従者さんもGJなSSが沢山…(*´д`*)

102名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/18(月) 11:42:12.59 ID:aFzfAoYBO
従者さん、GJでした!
このシリーズのアリーナはいつも可愛くて好きです。
103名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/25(月) 22:42:03.02 ID:PCunPu+bO
ほしゅ

ブライ「やはり女性といったら、淑やかで美しい人がよいです
な」
勇者「やっぱ、ブライは保守的だな…キレイな人はいいけど明
るくてちょっとイタズラしちゃうくらいがいいよ」
ブライ「そうですかな…」
クリフト「そうですよ、やっぱり女性は元気な方が良いですよ
!ちょっと壁を突き破るくらいが…」
ブライ・勇者「「それはない」」
104名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/29(金) 23:50:02.08 ID:XkHOuB/z0
従者の心〜を書いている者です。GJありがとうございます。
PS版のキャラそのままを描けるよう心がけてるので(クリフトはだいぶ手こずってますが;)
褒めていただけると少しでもPS版のよさ、かわいらしさを再現できたようで嬉しいです。

今回は予告通りセリフ(ストーリー)をなぞらないSSいってみます。
前回スレの趣旨で悩んでいるといったのは、このSSってクリアリ?と問われると詰まってしまう点でして……
なにぶんストーリーに沿って書いているもので、前後の流れでその他要素も多々入ってくるのが難です。
ただ、すでに構想が決まっている場面までは投下してみたいので、何かありましたらその都度ご指摘下さい;

時期は王さまの失声症が治った日の夜、お城にて、アリーナ視点です。
クリフトの他にちょい役兵士とお城のニブい神父さん出てきます。ブライおじいちゃんは出ません。
一部小説版の設定を参考にしてる他オリジナル設定(少しだけ宗教論も?)入ります。どうかご容赦を。
密着度はやけに高いです。ただ、堂々とクリアリ!と言える場面は11/12、12/12だけかもしれませんorz
全体長いので3回に分けてます。ではどうぞ。
105恋をしては……恋をしても…… 1/12:2011/04/29(金) 23:51:31.06 ID:XkHOuB/z0
いっちに、さんし……よし、整理体操終わりー。日課のトレーニングもやったしお風呂も入ったし、あとは寝るだけ!
私はフカフカのベッドにもぐった。今までいろんな宿に泊まってきたけどやっぱり自分のおうちのベッドがいちばんだわ。

そう、私は今お城に戻ってきてる。
どうしても旅に出たくて一度はお城を飛び出したんだけど、お父さまがご病気にかかってしまったからあわてて帰ってきたの。
でもお父さまののどのご病気も無事治って、そしたら今度は世界を旅していいってお許しをくれて、明日から旅を再開するところ。
そう、明日からはエンドール!また新しい世界に旅立つんだわ。
ううん、エンドールだけじゃない、これからはどこへでも好きなように旅ができるんだわ。なんていい気分!
まずはエンドールで武術大会に優勝して……次はどこに行こうかな?
明日からのことを考えるとわくわくが止まらない。今夜は眠れそうにないなー。

小さい頃、眠れない時はいっつもお父さまとお母さまがいっしょに寝てくれた。
昼でも夜でも、楽しい時も寂しい時も、ずっといっしょにいてくれた。
お母さまのこと、もうおぼろげにしか覚えてないけど、でも思い出すお母さまはずっと笑顔だった。
お父さまもきっと、笑顔だった…?

私はぼんやりとお母さまの肖像画に目を向ける。記憶の中とおんなじの、ずっと笑顔のお母さま……。

お母さまがお亡くなりになってお父さまは変わってしまった。
礼儀作法に厳しくなって、お外に出るときは見張りを何人もつけるようになって、じいとそろって勉強勉強って言うようになって……
お父さまは本当に変わってしまった。

私はお勉強がいやでいっつも教会に逃げ込んでたっけ。いつからかお父さまもじいも教会にまではどなりこんでこなくなったから。
教会には神父さまとクリフトがいて、神父さまはにこにこしてこんにちはって言ってくれるのにクリフトはいっつもお説教を言うの。
今は作法の時間ではありませんか?歴史の時間ではありませんか?文学の時間ではありませんか?扉は静かに開けてください。
でも結局誰かが呼びに来るまでは教会にいさせてくれるの。あきれるくらいいつものパターン。

そうだ。久しぶりに教会に泊めてもらおう。なつかしいなー。あの頃はクリフトともよく寝たっけ。
いっしょに寝るって言うとすっごくさわぐクリフトだけど、いざいっしょに寝るとなると笑っちゃうくらい静かになるの。うん、行こう!
106恋をしては……恋をしても…… 2/12:2011/04/29(金) 23:53:21.74 ID:XkHOuB/z0
パジャマだけじゃ寒いかもしれないから上着を羽織ってまくらを持って。くつは音がするからはかないほうがいいわね。
よし、行こう!教会!
私は静かにお部屋を出てお父さまのお部屋の前を通った。お父さまはもうお休みの時間かな。
お父さまはいっつも扉に鍵をかけちゃうから中に入ろうと思っても入れないの。そういえば鍵、お部屋に置いてきちゃったわ。
いっしゅんお父さまといっしょに寝ることも考えたけど想像したらなんだか恥ずかしくなった。やっぱり教会に行こう。そうしよう。
お父さまのお部屋を通り過ぎて階段を静かに下りる。さすがにこんな時間じゃじいも大臣もいないわね。
兵士も見当たらない。よし、今のうち!

「姫さま?どうされました!」

きゃっ見つかった!ど、どうしよう。お手洗い?同じ階にあるじゃない。散歩!まくらを持って?ええい、みね打ち!

「ごふっ……ひ、め……さっ」

倒れる兵士。急いで抱き上げて壁に寄りかからせた。ごめんなさいごめんなさい。ちゃんと見張りをしててあなたは優秀だわ。
もしじいや大臣がこんなところでうたた寝してってしかっても私は全力であなたの味方をするからね。だから今日はごめんなさい。

「何者!ぐはっ」
「ひ、姫さまいけません、そのようなお姿で……がはっ」

よし!やっと教会まで来た!ふうー、長かったわこの道のり。みんなごめんなさい。今日はたまたま悪い夢を見てたのよ。
私はゆっくり教会の扉を開けた。誰もいない。神父さまもクリフトも奥の部屋にいるのね。私は静かに扉のところまで進んだ。

「……どなたですか」

きゃっ。扉のすぐ向こうで声がした。もしかして気づかれてたのかな。忍び足で歩いてたはずなのに……。
声が小さくてだれが言ったのかまではわからなかった。神父さま?クリフト?私は耳をすましながら答えた。

「あの……アリーナです……」
「…………」

返事はなかった。うーん、そのうちあるわよね。待ってみた。そしたらずいぶんたって返事じゃなくって扉が開いた。
お部屋から明かりが漏れる。扉を開けたのは神父さまだった。ぼうしのかぶってない神父さま。白っぽい服着てる。
107恋をしては……恋をしても…… 3/12:2011/04/29(金) 23:54:50.76 ID:XkHOuB/z0
「姫さま……」
「こんばんは、神父さま」
「なぜ……どうしてここに……」
「えっと、眠れなくって……」
「兵は。見張りはどうしたのです」
「えーと、ちょうどみんないなかったの」
「そんなばかな」
「それより神父さまー、私ここで寝ちゃだめ?」
「…………」

神父さまは答えない。お部屋の中は明るいけどちょうどかげになっててお顔が見えないの。今どんなお顔をしてるの?

「……いけません」
「えー」
「……いけません……」
「寂しくって眠れないの。お願い神父さま。明日からまたお城を離れるんだし、ねえお願い」
「………………」

はんぶんうそだけどはんぶんはほんと。私は神父さまをまっすぐ見つめた。でも神父さまは答えない。

「神父様、どなたかいらしたのですか?」

奥で声がした。クリフトだ。中をのぞくとベッドから下りようとしてるクリフトが見えた。やっぱりぼうしのかぶってないクリフト。
寝てたみたい。そんなに大きな声で話してたわけじゃないのに起きちゃったのね。クリフトも私って気づいたみたい。

「姫、さま…?」
「うん。こんばんは、クリフト」
「な、なぜここにっ」
「眠れなくって。ねえクリフト、いっしょに寝よ?」
「な、なにをおっしゃるのですか!神父様!」
「神父さまーお願い」
「……………………」

私は神父さまを見た。クリフトもたぶん見てた。でも神父さまは答えない。そしたら手でお顔を隠した。息が乱れて……
108恋をしては……恋をしても…… 4/12:2011/04/29(金) 23:56:28.70 ID:XkHOuB/z0
「どうして、どうしてあなたは」
「神父さま…?」
「あなたはいつも……」
「…………」
「こまります、今夜は……」
「神父様……」
「今夜は…………」
「…………」

言いながら神父さまは壁に寄りかかった。私の目の前が空いた。クリフトがよく見える。驚いて神父さまと私を見るクリフト。
神父さまは手でお顔を隠したまんま。困ってる。でも道は空けてくれた。私が来て困ってるのに、道は空けてくれた……。

「神父さま、私……中に入っていいの……?」
「……………………」

神父さまはしばらく黙ってたけど寄りかかったまま言ったの。

「今の私にそれを許可する資格はございません。ですが、無理を推してここまで訪れたあなたを拒否する理由もございません。
ですからどうか、すべてはあなたの望むままに……」
「神父様……」
「………………」

私は中に入って扉を閉めた。あわてるクリフト。神父さまは手をほどいて私を見た。その手を胸に当ててゆっくりおじぎをする。

「このような姿で失礼、わが教会へようこそ」

顔を上げた神父さまはもういつものお顔をしてた。いつものお声。

「先ほどは申し訳ありません、少々取り乱してしまいました」
「ううん……」

神父さま笑ってる。さっきまで困ってたのに。いっつもそう。お城の神父さまは不思議な人。

「足音を立てずに歩くためには止むをえなかったのでしょうが、そのままでは足を痛めてしまいます。さあ、こちらへ」
109恋をしては……恋をしても…… 5/12:2011/04/29(金) 23:58:06.16 ID:XkHOuB/z0
神父さまが私を奥にすすめてくれた。私はそばにあったいすに座る。ベッドには足を抱え込んでかたまってるクリフト。
一度ベッドから下りようとしたんだけど神父さまに止められてそのままかたまっちゃったみたい。神父さまは戸棚のほうへ。

「クリフト」
「はい!」
「このような夜更けにわが教会をおとずれてくださった大切な家族です。ごあいさつを」
「も、申し訳ありませんっ」

クリフトが私を見た。

「こ、こんばんは、姫さま……」
「あ、うん。起こしちゃってごめんね」
「そんなことは……」
「小さい頃のこと思い出してたらどうしてもここに来たくなっちゃって」
「…………」
「姫さま、少し失礼しますよ」

神父さまが私の前にかがんだ。白い布を持ってる。そのままで、そう言って足をきれいに拭いてくれた。
ぬらしてあったみたいで足が少しひんやりしたけどそのうちあったかくなってきた。

「足がぽかぽかしてきたわ」
「そうですか。それはよかった」


「さて、今夜はこちらでお休みになるとのことですが」

言って神父さまはベッドを見る。あ、クリフトを見たのかな。クリフトも神父さまを見てるし。少しして神父さまが私に向き直った。

「あいにくベッドはまだひとつしかないのですよ。クリフトとお休みになるにはもうおふたりともずいぶん大きくなりましたし」
「いいわよ。私はぜんぜん気にしないわ」
「そうですか?」
「うん。ね、クリフト!」
「ひ、姫さま…っ」

私はクリフトににっこり笑ってみせた。でもクリフトはなんだかこわばってる気がする。まだかたまってるし。なんだかなー。
110恋をしては……恋をしても…… 6/12:2011/04/29(金) 23:59:59.13 ID:XkHOuB/z0
「さてクリフト、あなたは」

神父さまがもう一度クリフトを見る。クリフトは今度は神父さまを見なかった。少しだけ間があったのは気のせい?

「……クリフト、今夜は姫さまとご一緒してさしあげなさい」
「そ、そんな神父様!」

さすが神父さま。話のわかる人だわ。

「そうよクリフト、ごいっしょしなさーい」
「ひ、姫さま!そんなっ」
「おや、嫌なのですか?」
「そ、そういう問題ではっ」
「え、クリフトいやなの?」
「そ……」

クリフトったら今度はたじたじになってる。いいのかいやなのかはっきりしないし。なんかもやもやするなあ。

「ふむ、クリフト……」

神父さまももやもやしてるのかな。ちょっと首をかしげてるような気がする。

「ならば求めよ。さらば与えられん」

ぴた。クリフトが止まった。下を向いて黙ってる。

「あなたが今求めるものは、己が望みか、彼女の望みか、それとも?」
「神父様……。ですが、しかし、わ、私は……」
「迷うのならば神を求めよ。さらば信仰は与えられん」
「………………」

クリフト黙っちゃった。神父さまも黙っちゃった。なんでだろ、私も黙ってみた。しーん。ど、どうしよう。

「どれでも構いませんよ。いずれにせよ、今あなたがたに与えられるものは解釈が異なるだけの同じもののようです」

あ、やっと神父さまがしゃべってくれた。私を見る。
111恋をしては……恋をしても…… 7/12:2011/04/30(土) 00:01:40.19 ID:4QHn+lzo0
「姫さま、今夜はクリフトとお休みになってください」
「そ…っ」
「え?あ、うん!じゃなくてはい!」

私はあわてて返事した。神父さまは笑顔で返してくれた。


うーん、私たちに与えられるものは同じものってどういうことだろう。求めよさらば与えられんって聞いたことはあるけど……
もしかして私がここで寝たいって求めたからここで寝ていいってお許しが与えられたってことなのかな。そういうことなのかな。
神父さま笑ってる。うん、どっちにしても私はここで寝ていいってことなのよね。
そう思ったらわくわくしてきた。だってほんとに久しぶりのお泊まりだもの。もしクリフトが反対したって2対1でクリフトの負けー。
私はにこにこしてクリフトに言う。

「クリフト、となり入るわよ」
「そ、そんな姫さま!いけません!やっぱりだめですっっ神父様!」

もう聞こえなーい。

「あ、おふとんの中あったかーい」
「ああああひめさまちかすぎますっっ」
「クリフト逃げないのっ」

クリフトとってもあわててる。子どもみたいなクリフト。なつかしくなって思わずぎゅって抱きしめちゃった。

「ああっ」

クリフトはおとなしくなった。ふふ、やっぱり。クリフトはいざ寝るとなるとすっごく静かになるの。
でも体が震えてる。寒いのかな。とりあえずそのままいっしょに横になっておふとんをかぶった。

「あ、ひめさま、そんな…っ」

クリフトの体おっきいな。いつの間にこんなにおっきくなったんだろう。なんだか悔しいな。男の子と女の子の違い。
クリフト、いい匂いがする。

「あっ…っ」


「おふたりとも、私は少し席を外しますよ。留守番をよろしくお願いします」

振り返ったら神父さまがお着替えをしてた。
112恋をしては……恋をしても…… 8/12:2011/04/30(土) 00:03:09.09 ID:XkHOuB/z0
「えー神父さまどこ行くのー?」
「お手洗いですよ。年を取るとどうにも近くなっていけません」
「お手洗いに行くのに着替えていくの?」
「ええ、私は見栄っ張りなんです。着替えないと恥ずかしくて外に出られないのですよ」
「えー神父さま早く帰ってきてー」
「そうですね。この時間なら混んでないでしょうし、うっかり大きなほうにならなければすぐ戻りますよ」
「やだ神父さまったら」
「神父様、私も行きます!やはり私には無理です!どうかふたりだけにしないでください!」

え…?今、なんて?

「私、私、何をしてしまうか……」
「クリフト…?」
「私は城に仕える身で……神に捧げた身で……!」
「…………」
「私は……!」

クリフト……?

「このままでは私、罪……っ」
「…………」
「罪を…っ!」
「………………」

え、なに、どうしたの?どうしてクリフトはこんなに取り乱してるの?どうして?
神父さまは背中を向けたまま黙ってる。クリフトは泣きそうな顔してて……。

「……クリフト」
「神父様っ……」
「………………」

少しして神父さまが振り返った。クリフトの前まで来てかがむ。神父さまは……優しいお顔をしてた。

「罪悪と捉えるから衝動に駆られるのです。
われわれに課せられた戒律のすべては、罰するためにあるのではありません。神はすべての罪をお許しになります。
この意味がわかりますか?」
「……っ…………っ……」
「…………」
113恋をしては……恋をしても…… 9/12:2011/04/30(土) 00:04:53.61 ID:4QHn+lzo0
私はわからなかった。すべての罪を許すんだったらどうして戒律があるの?そもそもどうして罪のお話になんて……
クリフトが何か罪を犯したの…?

「神父さまー、それどういう意味?」
「おや、あなたが聞いてしまいますか」

神父さまが私を見た。優しいお顔。優しいお声。いつもの神父さまだ。

「そうですねえ……」

少しだけ考えるしぐさをする。しばらくして神父さまは遠くのほうを見ながら話し始めた。

「私たちは生きていく上で、たくさんの道の中から一つの道を選び進んでいきます。
そこで多くのことを学び、そこからまた新たな道を選び進んでいきます。
例えばあなたが、城でずっと過ごすより、外の世界を旅する道を選んだように。
また、旅をずっと続けるより、一度城に戻り異変を解決する道を選んだように」

あ。神父さま、やっぱりお父さまのご病気のこと知ってたのかな。神父さまは言葉を続ける。

「そうして道を選び前に進もうとする私たちを、優しく見守り後押ししてくださるのが神なのです。
果たしてその道が、正しかったか、間違っていたか、そこは大した問題ではないのです」
「っ……」

クリフトが少しだけこわばったような気がした。

「戒律とは一つの道しるべに過ぎません。
その戒律に触れることは、学ぶべきことがあまりにたくさんある険しい道ですから、進むときは気をつけて進みなさい、という
神からのお告げに過ぎないのですよ」
「…………」

お告げ……。

「じゃあじゃあ、戒律を破っても神さまは怒らないの?」
「ええ怒りませんよ。罰することもありません。むしろ応援してくださるでしょう。
険しい道をあえて進もうとがんばるわけですから、それはもう神様もがんばってよき方向へと導いてくださるでしょう」

神父さま笑ってる。そうなんだ……。そうなんだ!
114恋をしては……恋をしても…… 10/12:2011/04/30(土) 00:06:32.77 ID:4QHn+lzo0
「つまり神さまは、がんばる人の味方ってことね!」
「そう、そういうことです。さすがは姫さま、うまくまとめてくださいましたね」
「えへへ」

神父さまに褒められちゃった。私、神父さまの難しい話を解き明かしたんだわ。

「クリフト」
「………………」

神父さまはクリフトに向き直る。

「身の内に起こる感情もまた、神が与えたもうた貴重な賜物です。
偽ってはなりません。法に囚われ本質を見失うことは、大変もったいないことです。
己が感情を正直に受け止めなさい。まっすぐに見つめてみなさい。そこから学べること、得られることがたくさんあります。
そうすることでまた進むべき道も見つかることでしょう」

――神の愛は無限です――

「学校ではこうは教えないかもしれませんが、そういうものだと私は思いますよ」
「…………」

クリフト……。クリフトは下を向いたままずっと黙ってる。

「安心して眠りなさい。神はいつでも私たちをあたたかく見守っていてくださいます」

そう言って神父さまは扉のほうに歩いてった。

「ああ、それと……」

背中を向けたまま話す。

「ここは教会です。王も大臣も姫も従者も、神の前では皆平等ですよ」
「……………………」

では留守番をお願いします、そう言って神父さまは出ていった。お部屋がいっしゅんしんとなる。
115恋をしては……恋をしても…… 11/12:2011/04/30(土) 00:09:19.12 ID:4QHn+lzo0
「……クリフト」
「………………」

…………。
クリフトは何か罪を犯してしまって、でも神さまはがんばる人の味方だから、がんばってるクリフトはなんにも悪くない。
だからそれは大丈夫。
じゃあ、どうしてクリフトは何もしゃべってくれないんだろう……。
私はさっきまでの流れをもう一度思い出しながらクリフトにかけられる言葉を探した。
でも、そうして思い出されたのはクリフトの「ふたりだけにしないでください」っていう言葉。
私……私は……

「クリフトー……」
「…………」
「……クリフトは、私とふたりっきりになるの、いやだった…?」
「ち、ちがいます!そんなわけありません!」
「ん……」

やっとクリフトがしゃべってくれた。ちがうって。そんなわけないって……。

「……むしろ逆です。嬉しいんです。とても嬉しいんです…!姫さまとこんなに近くにいられることが、私には…っ!」
「クリフト……」
「姫、さま……」

やっとクリフトが私を見てくれた。切なそうな、何かを訴えるような、もどかしい目をしてる。前にも見たことあるような目……。
クリフトが私に手を伸ばしてきた。ゆっくり。でも今度はつかむようでつかまない手じゃない、そのまま私をぎゅってした。

「ん…」
「…………」

クリフトは何度も何度も確かめるみたいに私をぎゅってしてきた。なんだろう。なんでだろう……。

「あ、男の子の衝動だ」

クリフトがいっしゅん止まったような気がした。

「……はい、申し訳ありません……」
116恋をしては……恋をしても…… 12/12:2011/04/30(土) 00:11:23.64 ID:4QHn+lzo0
やっぱりそうだったんだ。砂漠のバザーで夜話してたとき打ち明けてくれた男の子の秘密。女の人を抱きしめたくなる衝動。
あ、つまり私も女の人として見られてるってことなのね。私は女の人じゃなくっておてんば姫なのに、クリフトったら変なの。

「ううん、いいよー」
「姫さま……」
「私だったらいいよ。大丈夫、クリフトを変態扱いしないから」
「……そうですか……。それは助かります……」

クリフトが少しだけ笑った。

「横に、なりましょうか」
「うん」

「姫さま……姫さま」
「なにー?」
「その……腕まくらをさせていただけませんか?」
「え?」
「その、どうか……」

腕まくらー?そんな言葉今まで聞いたことないってくらい使わない言葉だわ。クリフトは今度はもごもごしてる。変なクリフト。

「えーと、私がクリフトに腕まくらすればいいのね?」
「い、いえ、私が姫さまに腕まくらをしたいのです」
「えー腕が疲れちゃうじゃない」
「したいんです」

むう。今日はやけに食い下がってくるじゃない。ますます変なクリフト。

「ふーん変なの。いいよー」

私は持ってきたまくらをはじに置いた。言われるままクリフトの腕に頭を乗っける。思ったよりおっきくてがっしりしてるクリフトの腕。
寝心地いいのか心配だったけどそんなに気にならなくて、クリフトの腕はあったかかった。
すき間を作らないようにクリフトにくっつく。クリフトはちょっとびっくりしたみたいだけど笑っておふとんをかけ直してくれた。
117名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/04/30(土) 00:12:35.59 ID:4QHn+lzo0
とりあえずここまで。
次回もう少しクリフトとアリーナの掛け合い続きます。
相変わらずの長文失礼しました。
118名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/01(日) 00:43:19.50 ID:givbC/2B0
GJです。続きを早く…(;´Д`)ハァハァ
119名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/01(日) 11:05:08.93 ID:NsGB/5TCO
従者さんGJです
姫様が良い感じに天然で可愛すぎです
続きを楽しみにしています
120名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/01(日) 21:06:46.55 ID:xyS/HjwuO
従者さん、GJでした!
アリーナ天然すぎて、クリフトがちょい可哀想w
相変わらず面白いです!
121めずらしいきちがいのししょうE:2011/05/01(日) 21:14:21.46 ID:iOGdqENj0
もし夫婦喧嘩になったら、『会心の一撃VSザキ』
主観ですが、アリーナの圧勝な気がします。
122名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/01(日) 22:18:07.38 ID:xyS/HjwuO
クリフトはまず応戦しない気がするw
話し合いでなんとかしようとして、最終的にアリーナに吹っ飛ばされてそう。
123名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/01(日) 22:37:17.91 ID:esBwwir20
>>116
一気にうでまくらとは…!頑張ったねクリフト!
すごく読みやすくて面白いシリーズです。続き待ってます!
124名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/01(日) 22:48:32.32 ID:NsGB/5TCO
英国の結婚式の風景がクリアリに脳内変換されてしまう自分は末期だと思う
125名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/01(日) 23:38:33.53 ID:n3eYFk3PO
>>124自分もだ。軍服も萌えた。
しかし横にいた僧侶服を新郎位置に脳内変換もしたりした。


庶民からでも王室はいれると喜んでたよ。
126名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/02(月) 23:00:41.11 ID:ZPnPVrq30
>>124
自分もですw
350年ぶりの一般人の王室入りだってね
結婚式がラブラブすぎてニヤニヤした
127名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/04(水) 05:36:53.47 ID:X/MX6nGM0
保守でさらりとネタを書ける人を本当にすごいと思います。しかも見事なオチ付き。
今さらながら>87さんも>103さんもGJでした!
今回の自分の主ネタが>87さんのオチと少しかぶってたもので実は先を越された気分でした。

従者です。従者さんと呼んでいる方がいておもしろかったので自分も名乗ってみます。
感想いただき本当に感謝です!
このシリーズはアリーナ上位のクリ→アリが基本になりそうなのでどうか今後もご容赦を。
しかし前回のタイトルに前編と入れるの忘れました。3回に分けてるのでよろしくお願いします;
今回は中編いきます。
さすがにこの板で(;´Д`)ハァハァな展開はないっすw
変なとこで切ってすまん

後半から後編にかけてはアリーナと第三者(神父さん)で描くクリアリ!を書こうとして失敗した系。
ただ一応完結まで構想を練ってしまったのでどうか投下させて下さい;
とりあえず今回は中編です。どうぞ。
128恋をしては……恋をしても…… 中編 1/12:2011/05/04(水) 05:38:25.90 ID:X/MX6nGM0
教会はとっても静か。聞こえるのはおふとんのこすれる音とクリフトの息づかいだけ。
今はクリフトとふたりっきりなんだなー。

「えへへ、なつかしいね。小さい頃もこうやってよくいっしょに寝てたよね」
「ね、寝てませんよ」
「えー」
「そんなに寝てません」
「寝てたわよー。うん、寝てたわよ」

私はいっしょうけんめい思い出す。小さい頃の私。小さい頃のクリフト。

「だって、私たち小さい頃は私のお母さまとクリフトのお母さまとみんなで遊んだりお昼寝したりしてたんでしょ?
いっしょに寝てたってことじゃない」
「そ、それは赤子の時の話ではありませんか。第一それは正確には「寝ていた」ではなく「寝かされていた」です。
私たちにはなーんの意思も働いてません」
「なによその言い方」
「まだ働いてません」
「なんで二回言うのよ」

クリフトと目が合った。両者にらみ合い!じゃなくて、見つめ合い?あんまり顔が近くってふたりで笑っちゃった。
クリフトはゆっくりと上を向く。

「私たちは、幼なじみと呼ぶにはあまりに離れた期間が長すぎましたね」
「えーそう?私はいっつもクリフトといっしょにいた気がするわ。だって毎日教会に遊びに行ってたもの」
「それは神父様に会いに行かれていたのですよ」
「ちがうわよクリフトもいたわよ。だって」

私はいっしょうけんめい思い出す。教会に行くといっつもあわてて振り返るクリフト。お説教を言うクリフト。

「だって、扉は静かに開けてください、教会では騒がないでくださいって言ってたのクリフトでしょ?」
「それはまあ私ですが……って姫さま、いつの話をされているのですか?」
「えー?えーと、ちっちゃいころ!」
「………………」

「私がここに赴任してからのことをおっしゃっているのですか?それともこことサランの教会を混同されて…?」
「サランー?どうしてそこでサランの教会が出てくるのよ」
「……ですから以前申し上げたではありませんか。私は幼い頃サランの教会で神の道を教えていただいたのです。
そして神学校へと進みました。姫さまもこちらの神父様とご一緒に定期的にサランへいらしていたはずですよ」

え?……え!?……えーと。……えーーと……。私はもう一度頭の中を整理する。
129恋をしては……恋をしても…… 中編 2/12:2011/05/04(水) 05:40:09.54 ID:X/MX6nGM0
「そっか!あれはサランの教会だったのね!」
「姫さま……」
「だってしょうがないじゃない。いっつもクリフトといっしょにいた記憶しかなかったんだから」
「……それは、それだけ私のことを……」
「え?」
「い、いえ……。思い出していただけて光栄です」
「むー」

また始まった。最後まではっきり言わないクリフト。でも、そっか。クリフトがお城にいない時期があったんだ。
クリフトがいきなりサランに行っちゃって神父さまと呼びに行った時のことは覚えてる。でもその前はずっといなかった…?
どうして覚えてないんだろう。私の記憶もあいまいだなあ。
でもあわてて振り返ってお説教を言うクリフトはお城にいてもサランにいてもおんなじだわ。今でも変わらないしね。


そのあとも私はクリフトと小さい頃のお話をした。思えばいろんなことがあったわ。

「クリフトったら私がおぼれてるってかんちがいして海に飛びこんでクリフトがおぼれたことあったわよね」
「あ、ああ……。そんなこともありましたっけ」
「私あの時おぼれてたんじゃないのよ。海の底がどうなってるのか知りたくていっしょうけんめいもぐってたのよ」
「ええ、それは何度も聞きましたとも。ですがあの時私には姫さまが助けを求めているようにしか見えなかったのです」
「クリフトの早とちりー」
「何とでも言ってください……」
「でも無事でよかったわ。あの時クリフトすっごくふるえてたものね」
「それはあの……情けない話なので忘れてください……」

「あとあと、私がお勉強をずる休みした時クリフトったら木の上まで呼びに来ていっしょに落っこちたこともあったわよね」
「…………」
「あの時クリフトったらぜんぜん起きなくってほんとにこわかったわ。
私ばかだったわよねー、気絶してるだけですから時間がたてば起きますよって神父さま何回も言ってくれてたのに
私ったらクリフトが死んじゃうっておおさわぎして……今思えば恥ずかしかったなー」
「………………」
「クリフトが元気になったら上手な木の飛び降り方教えようと思ってたのにクリフトったらいきなりサランに行っちゃうんだもん。
神父さまが連れてってくれなかったらしばらく会えないとこだったわ。本当につまらなかったんだから」
「……………………」
「クリフト?」

クリフトはずっと黙ってる。さっきまで普通にお話してたのに。なんでだろ。
130恋をしては……恋をしても…… 中編 3/12:2011/05/04(水) 05:42:13.40 ID:X/MX6nGM0
「クリフトー?」
「あ、はい、申し訳ありません」
「眠いの?」
「いえ、その……」
「ん?」
「あまり私の苦手な話題で攻めないでください…」
「あ、そっか。ごめん」
「い、いえ…」

そう、クリフトは海で泳ぐのも高いとこに登るのも苦手。私は大好きなのになー。でもそれでクリフトは黙ってたのね。

「そういえば神父さま遅いわね。やっぱりお手洗いがうっかり大きなほうになっちゃったのかしら」
「ひ、姫さま……」
「なによ」

クリフトが少しだけせきばらいした。

「神父様が本当に手洗いに行かれたかどうかはわかりませんが、あの方は城内の様子を見に行かれたのだと思いますよ」
「え?」
「姫さま、こちらにいらした際兵士たちとは会いませんでしたか?」

うっ

「……怒る?」
「いえ」
「ほんとに…?」
「はい」
「うー……」
「もし怒るとしたら、姫さまがこちらにいらした時点ですでに怒っていますよ。ですから大丈夫です。怒りませんよ」
「……うん……」

「ほんとはね、みんなに見つかっちゃったからみね打ちしてきたの……」
「……そうですか」
「神父さまにはみんないなかったってうそついちゃった……」
「神父様も怒らないと思いますよ。あの方もおっしゃっていたではありませんか。大切な家族だと」
「うん……」

「神父さまが戻ってくるまで起きてる……。戻ってきたらちゃんと謝る……」
「……そうですね」

なんだか悔しい。悔しいけど、クリフトがいっしょにいてくれてほっとしてる自分がいる。クリフトの腕まくらに安心してる。
でもそれは私が弱いからじゃなくて、クリフトの体があったかいせい。小さい頃のお父さまとお母さまを思い出させるせい。
131恋をしては……恋をしても…… 中編 4/12:2011/05/04(水) 05:44:14.35 ID:X/MX6nGM0
「ところで姫さま、みね打ちという言葉をどのような意味でとらえていらっしゃいますか?」
「え?みね打ち?えーと、致命傷を与えないで、気絶させる程度の攻撃を言うんでしょ?必殺のキックとみね打ちのキック!」
「…………」

しーん。ん?なにか間違ったかな。

「なるほど、そういう使い方もありかもしれませんね」
「なによそれ、どういうこと?」
「い、いえ……。私もまだまだ知らない言葉がたくさんあるもので、一つ勉強になったと申し上げたかったのですよ」
「むー」

なんだか気になる言い方だったんだけど。まあいっか、それよりもっと気になることがあるの。

「ねえ、さっき罪って言ってたの、なんだったの?
あとあと、神父さまが神を求めよとかなんとかって言ってたのもね、ほんとはよくわからなかったの」
「………………」

また黙っちゃった。なんなのよー。もしかして聞いちゃいけなかったのかな。これも苦手なことだったとか……。

「ごめん、無理には聞かないから……」
「いえ、その……。なんとご説明すればよいか言葉が浮かばないだけでして」
「そうなの…?」
「こちらこそお役に立てず申し訳ありません」
「やだ謝らないでよ」

何かあるとすぐ謝るのはクリフトの悪いくせ。でも言いにくいこと聞いたんじゃなくてよかった。

「あの、ですが神父さまの言葉でしたらご説明できます」
「え、そうなの?教えて教えて」
「神を求めよ。さらば信仰は与えられん。これは、神のみ言葉に耳を傾けよ、その恩恵に身を委ねよ、ということ。
極端に言えば、何も求めるな、現状に従え、ということです」
「何も求めるなですって?求めよって言ってるのに?」
「姫さま、話を最後まで聞いてください……」
「あ、うん」
「そうして欲や願望を取り払い無心にかえることで、物事を客観視する力や決断する勇気が与えられ、正しき道……いえ、
進むべき道へと導いていただけるのですよ。神を求めるとは、結果としてはそういった前へ進む力を求めるということですね」
「むー」

なんだか難しくてよくわかんない。
132恋をしては……恋をしても…… 中編 5/12:2011/05/04(水) 05:46:25.62 ID:X/MX6nGM0
「でもでも、結局やることは何も求めるなってことなんでしょ?」
「まあ、はい。極端に言えばですが、そういうことですね」
「そんなのつまんないじゃない」
「一つの考え方ですから姫さまは姫さまの思うようにすればいいのですよ」
「そんなの、だってそんなの……」

したいことをがまんして周りの言うことだけ聞いてる人生なんて、私はそんなのぜったいにいや!
どうして神父さまはクリフトにそんなこと言ったんだろう……。よし!神父さまが戻ってきたら問い詰めよう!

「姫さま……」
「なに?」
「その……」
「ん?」
「……申し訳ありませんでした……」
「え?」

さっきよりもしずんだクリフトの声。ちょっとドキッとした。

「だから謝らないでったら。さっきのこと?それならもうぜんぜん気にしてないわ」
「いえ、先ほどのこともありますが、それに関係して、その……今回の一件のことです」
「一件?」
「王のご病気は無事治せたものの、私は……結局何のお力にもなれませんでした。ただ面倒を重ねただけで……」
「えっと……あ、さえずりの蜜のこと?さっきとぜんぜん関係ないじゃない。
私はクリフトに感謝してるわ。だって、もしあのままさえずりの蜜を持ち帰ってたら窃盗になってたんだから」
「…………」

「あの時は……言葉が何一つ出てこなくて……姫さまをお止めしただけの責任を私は何一つ果たせていません。
おふたりの力がなければエルフたちを説得させることはできなかったでしょう……」
「っもう、なにいってるのよ。お父さまのご病気は無事治ったんだから、過ぎたことはもういいじゃない」
「そう言えるのはさえずりの蜜が手に入ったからでしょう。もしあの時、もとよりエルフたちが戻ってこなかったら……」
「クリフト……」

どうして今さらそんなこと……。エルフたちは戻ってきたんだから戻ってこなかったときのこと考えたって……。
時々クリフトのことがわからなくなる。クリフトだってがんばってくれてたのに。あんなに大声で叫んでくれてたのに。
ほんとは高いところが苦手だったのに……。

「もしさえずりの蜜が手に入らなかったら、またみんなで違う方法を探すまでよ。だから大丈夫!ね?」

私は力強く言ってにっこり笑ってみせた。いいこと言えたかな。これでクリフトの気持ち、少しは晴れてくれるかな。
133恋をしては……恋をしても…… 中編 6/12:2011/05/04(水) 05:49:03.75 ID:X/MX6nGM0
「どうして……」
「え?」

――どうしてあなたは、そんなに強くいられるのでしょうか……――

私を見つめるクリフトの目はなんだか寂しげだった。なんだろう。なんでだろう。
私が強いのは日課のトレーニングを欠かさないからとか兵士といっしょに特訓してるからとか?ううん、そうじゃなくて、
もっと違うなにかを聞いてるんだってこと、なんとなくわかった。でも、そんなこと聞かれたって、私だって……

「ねえ、それよりもさ、明日からはエンドールよ!すっごく楽しみだわ!」

私は強引に話をそらした。だってなんか……なんかクリフトが変なんだもん。

「姫さま……」
「んー?」
「本当に申し訳ありません……」

う。

「っもう、クリフトったらさっきから謝りすぎ。クリフトはなんにも悪くないんだからねっ」
「……はい」
「ん!」

「姫さま」
「んー?」
「今、こうして落ち着いたから申し上げられることなのですが」
「え、なに?」

クリフトが少しだけ目をそらした。

「正直に白状いたしますと、本当にエンドールに行けるとは思っていなかったのです」
「なによそれー。私だったらぜったい優勝するって言ってくれたのクリフトじゃない」
「姫さま……覚えていてくださったのですね……」
「え?」
「い、いえ……」

「それはもちろん本心からです。ひとたび武術大会に参加したとあれば、姫さまに敵う者などどこにもいないでしょう。
ただ、武術大会に参加できたらという仮定の話と、実際に参加できるかという現実の話は別問題ですから」
「またそうやって難しい話するー」
「い、いえ、その……」

「ありませんか?叶わないとわかっているからこそ願ってしまうという、この矛盾した心理が……」

叶わないとわかってるから願ってしまう……?
134恋をしては……恋をしても…… 中編 7/12:2011/05/04(水) 05:51:32.92 ID:X/MX6nGM0
「うーん、確かに叶わないことってのはあるかもしれないけど……。でも私、願いごとは叶えるために努力するもん」
「…………」
「叶えるためにがんばるもん。神父さまだっておっしゃったじゃない。神さまはがんばる人の味方だって。
がんばってればいつかきっと願いは叶うのよ」
「………………」

「そうですね。姫さまでしたらきっとどんな願いでも叶えられると思います」
「クリフトだって叶えられるわよ。だって、クリフトだって言ってくれたんじゃない。道は誰の前にも開かれてるって。
私あの時本当に嬉しかったんだから」

なんでだろ。ちょっとだけ泣きそうになっちゃった。なんとかこらえる。

「………………」
「クリフト…?」
「…………」

クリフトはずっと遠くを見てる。それから少しだけ上を向いた。

「……よいのでしょうか……」
「え?」
「……………………」

――……をしても、よいのでしょうか――

クリフト…?クリフトが私を見た。なんだろう。クリフトの目……切ない。苦しい。胸がぎゅって締めつけられた。
もどかしい。はがゆい。なんでだろう。もしかして、クリフトも泣きそうになってた…?前にもこんなことあった気がする。
クリフトから目が離せない。

「姫さま……」
「ん……」
「今の私と姫さまは、どういう関係なのでしょうか」
「ん…?」
「ここは城内でありながら、私たちは同じ部屋で、その、同じベッドに寝ています。今の私たちの関係は……」

クリフトがまた少しだけ目をそらす。今の私たちの関係……。
135恋をしては……恋をしても…… 中編 8/12:2011/05/04(水) 05:54:09.38 ID:X/MX6nGM0
「うーん。旅人!」
「旅人、ですか」
「そう、明日からまたいっしょに旅をする旅人!あ、幼なじみでもいいわ」
「…………」

クリフトはまた私のほうを向いた。なんでだろう。クリフトの目……なんでだろう。なんか変。

「立場は、対等というわけですか?」
「そう!幼なじみの旅人!」
「………………」

私……私どうして……
どうしてこんなにおちゃらけたふりしてるんだろう。今度は私が目をそらしちゃった。真剣な顔したクリフトは苦手なの。
昼間は大丈夫だったのに……。
そしたらクリフトはもう一度上を向いたみたい。少しほっとした。

「私は以前、申し上げましたね。
もし、姫と従者、いえ、神官という立場すらなくして申し上げてよいなら、そのように考慮していただけるなら」
「だーかーらー、姫あつかいしないでっていつも言ってるじゃない」
「抱いてしまいますよ…?」
「んーいいよー」
「っ……姫さまそれ、意味がわかっておっしゃってますか……?」
「んー?」
「姫さま……」
「大丈夫ー。私はクリフトのこと変態扱いしないからー」
「…………っ」

クリフトが私をぎゅってしてきた。思わずドキッとしちゃった。だってさっきと違ってちょっと強引だったから。
クリフトの手が腰に回る。少しだけ引き寄せられた。やだ、ちょっと、なんか恥ずかしい。さっきもぎゅってしてたはずなのに。
思わず目までぎゅって閉じちゃった。

「………………」
「…………」
「……………………」

うん、でも、ほら、大丈夫……。ほら大丈夫、大丈夫よ、なんともないわ。私はクリフトを変態扱いしない。うん、大丈夫。
そう思ったらだんだん落ち着いてきた。クリフトあったかいなー。ぎゅってされるとすっごく安心する。これならぐっすり眠れそう。
私もクリフトの背中に手を回してぎゅってした。クリフトは少しだけびくってなったけどもう一度、今度は優しくぎゅってしてくれた。
肩の力が一気に抜ける。今度はゆったり目を閉じた。
136恋をしては……恋をしても…… 中編 9/12:2011/05/04(水) 05:55:38.42 ID:X/MX6nGM0
「……あなたは先ほど、私がいきなりサランに帰ってしまったとおっしゃいましたね……」
「んー」
「なぜだか、わかりますか?」
「んー…?」

クリフトが何かしゃべってるー……。あれ、変だな。クリフトの声が聞こえたり聞こえなかったりするの。

「あの時からですよ。私があなたに……あなたを……」
「んー……」
「………………」

ほんとにクリフトの声が遠い。あれー?あれー……?

「……姫さま……」
「…………」
「……………………」

あれー…………?

「……姫さま……?」
「………………」
「……………………」

…………。

「………………」
「………………姫、さま…………」
「…………」
「…………………………………………」

――あなたは罪な方です――

クリフトにもう一度抱きしめられたような気がした。
137恋をしては……恋をしても…… 中編 10/12:2011/05/04(水) 05:58:10.01 ID:X/MX6nGM0
ふと目が覚めて寝てたんだってことに気づいた。あっクリフト!……はとなりで寝てた。なぜかほっとした。
私にくっついて寝てる。やだ、手が腰に回ったまんまじゃない。っもう、きっとクリフトなりに守ってるつもりなのね。
いつの間にか明かりは消えてた。外はまだ真っ暗。
月の光でほのかに明るいけどちょうどかげになっててクリフトの寝顔はよくわかんない。呼吸は落ち着いてる。
そういえばクリフトの寝てるとこ初めて見るんだ。なんだか勝ったような気持ちになった。しばらくクリフトをじっと見る。
静かに寝てるクリフト。無防備だなあ。いたずらするなら今のうちってことね。ほっぺつんつん。つんつんつん。

「ん……」

あーあ、でも私も寝ちゃったんだなー。クリフトなんて言ってたんだっけ。うーん、明日もっかい聞いてみよっか。
クリフトまだ腕まくらしてる。さすがに疲れちゃうわよね。私は腕をどかして持ってきたまくらに頭を乗っけた。
クリフトは少しだけ体を動かしたけど起きなかった。
そういえば神父さまは!?あわてて周りをさがしてみた。そしたら足元のほう、扉の近くに神父さまぽい人がいた。
神父さまぽいっていうか神父さまだわ。戻ってきてたのね。いすに座って腕組んでじっとしてる。眠ってるのかな。
でも着替えたままだ。ぼうしもかぶってる。まだ起きてるのかな……。私はしばらく神父さまを見てた。

「そんなに見つめられてはドキドキしてしまいますよ」
「あっごめんなさいっ」

神父さま起きてたのね。

「申し訳ありません、先ほど物音を立ててしまったのです。起こしてしまいましたか?」
「ううん、ぜんぜん気づかなかったわ」
「そうですか」

私はいいこと考えた。

「ねえ、神父さまもいっしょに寝ましょうよ」
「おや、突然どうしましたか?」
「いいじゃない、いっしょに寝ましょ?」
「明日からまた遠出をするのですからおふたりでゆっくり休みなさい」

あっさり断られちゃった。
138恋をしては……恋をしても…… 中編 11/12:2011/05/04(水) 06:00:32.18 ID:X/MX6nGM0
「やあだ、神父さまもいっしょに寝るのー」
「第一」
「え?」
「このせまいベッドに3人は入りませんよ。たまには物理的に考えてみましょう」
「えー入るわよー。ほらこんなに空いてるじゃない」
「ん、あ……」
「あ、クリフト」
「ん……」

クリフトは私をぎゅってした。なんだかやけに甘えてくるわね。けどまた静かになった。

「……起きないわ」
「そうでしょうね、今さっき寝ついたばかりですから。今まで相当無理をしてきたのでしょう、寝つきがやけに早かった」
「そうなの……」

また無理してたのね、ばかクリフト……。ほんとにばか。ばかばかばか。私がクリフトを守るって言ってるのに。
私はクリフトの頭をそっとなでた。乱れた髪も整える。でもクリフトはやっぱり起きない。きっと今、ぐっすり眠ってるのね。

そうよね、クリフトだってほんとはこうやって普通に寝るのよね。今までずっと起きてたのは、お城の外に出てたから。
頼んでもいないのにお部屋の前で見張ってて、呼んでもいないのに何かあるとすぐ飛んできて、本当におせっかいのばか神官。
でも、結局そんな生活に慣れちゃったから、もうクリフトがいないとつまんなくなってるのもわかってる。だから……

ゆっくり休んで。今まで起きてた分もしっかり休んで。明日からまたいっしょに旅に出るんだからね。

――これからもよろしくね、クリフト――

私はもう一度クリフトの頭をそっとなでた。


「それはそうと、神父さまもいっしょに寝ましょうよー」
「これは……こまりましたね……。以前申し上げたことがございませんか?座って寝るのは私の得意技なのですよ」
「えーそんな得意技いいわよ。あ、クリフトが座って寝るのは神父さま譲りなのね?」
「おや、クリフトも座って寝るのですか」
「っもう、どんどん寝るわよ。サランでもテンペでもフレノールでも!いっつも私のお部屋の前で見張りとか言って座って寝てるの」
「そうですか。なるほど。それはきっと、姫さまをお守りしたいからでしょうね」
「ちがうわ。私が外に出ないように見張ってるのよ」
「おや、そうですか。ですがそれもまた、姫さまのおそばにずっといたいという心の表れでしょうね」
「むー」
「むー?」
139恋をしては……恋をしても…… 中編 12/12:2011/05/04(水) 06:02:13.41 ID:X/MX6nGM0
「神父さまーいっしょに寝ましょうよー」
「…………」
「おねがーい」
「……こまりました、私は寝ぼすけなのですよ。今から床についたら次はいつ起きられるかわかりません」
「じゃあじゃあ私は起こしてあげるわ」
「姫さまが?」
「うん!」
「………………」
「ちゃんと起こすから。ねえ神父さま寝ましょうよー。ね?ね?」
「…………そうですね…………」

ではお願いしますよ、そう言って神父さまはあっちに行っちゃった。え、どこ行っちゃうの?ぼうしを外してる。あ、着替えか。
着替え?うそ、ほんとに?やった!やった!また白い服になった神父さまがベッドに近づいてきた。私の前で片ひざをつく。

「失礼しますよ、姫さま」
「うん!」

やっと神父さまがおふとんに入ってくれた。やったやった!思わず神父さまの手をぎゅってする。指をからませてぎゅっ

「ん、姫さま……」
「こうするととっても安心するの」
「……そうですね。私もとっても安心します」
「神父さまも?」
「ええ。何だかつながっているという気がしますね」
「うん!つながってるー」

神父さまも私の手をぎゅってしてくれた。
140従者:2011/05/04(水) 06:04:29.65 ID:X/MX6nGM0
クリアリと関係ないとこで切ってすまん。これただの伏線の予定。どうかご容赦をっ
今回、以下をまとめたらふたりはこんな幼少期になったの図。

FC版より
・クリフトは神学校を主席で卒業

PS版より
・クリフトは幼い頃サランの教会で神の道を教えてもらった
・アリーナは小さい頃サントハイム王妃の葬式で王家の墓に行った(ことを覚えている)

小説版より
・クリフトとアリーナは乳兄妹

とりあえずそれぞれの設定を生かせるところまでは生かしとけーてのが自分のポリシー。
もしイメージと違う方がいましたらどうかご容赦下さい;
141名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/04(水) 22:49:21.13 ID:EDUf/o9y0
相変わらずひ姫様がお可愛らしいです。GJ
クリフトがちょっと男になろうと頑張ってるのに萌えました

>たまには物理的に考えてみましょう
吹いたw
142名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/04(水) 22:59:31.11 ID:/Hms7IjA0
従者さんGJ!
天然神父さんの後半もパートも期待です

自分も姫様と添い寝したい(*゚∀゚)=3ハァハァ
143エイプリルフールの人:2011/05/06(金) 02:15:09.48 ID:ndntG9NnO
従者さんGJです!
相変わらずおもしろいし、筆がはやくて羨ましい…。

こんな時間ですが、私も投下したいと思います。
144味方 1/3:2011/05/06(金) 02:17:34.01 ID:ndntG9NnO
――貴族の女が、平民の男と駆け落ちしたらしい――

エンドールは最近この噂でもちきり。
どこもかしこもこの話ばっかりで、飽きないの?って聞きたくなる。
私なんか最初、駆け落ちの意味も知らなかったから、マーニャに笑われた。

どうやら、駆け落ちとは結婚を反対された二人が、家を捨てて逃げること、らしい。
「なんかさー、噂では女の方は、婚約者がいたらしいわよ!
貴族の相手なら大金持ちでしょ?
代わりにあたしが、結婚したいわー」
「マーニャが嫁とか、あっちから願い下げられるだろ…」
「結婚は人生の墓場とはよくいったものね…」
しみじみとつぶやく、ソロ&ミネア。
当然、マーニャは怒って、ソロを殴りつけた。

時刻は深夜前。
夕食が終わった後の宿の食堂で、私たちは雑談していた。
みんながみんないるって訳じゃなくて、残っていたのは、マーニャ、ミネア、ソロ、私、クリフト。
要は若い人たち。
他のみんなは寝ちゃったみたい。

噂好きなマーニャが、駆け落ち話を持ち出した。
でも私にはイマイチわからなくて…
案の定あまり会話に参加できてない。
なんとなく残っていたけど、さっさと寝ちゃえば良かったかな。
クリフトは、私が寝ない限りは、必ず起きていて、仕えてるから、ちょっと申し訳なくなった。
きっと眠いのに、起きててくれてるんだろうから。
クリフトは、駆け落ちの話になってから、全然会話に参加していない。
お堅いクリフトだから恋だの結婚だの、私と一緒で、解らないのかもね。

「ねぇ、アリーナはどう思うのよぉ?」
「え、私?」
ぼんやりと聞き流していたら、いきなり話を振られて焦った。
えーと、何の話だっけ。
駆け落ちに関することなんだろうけど、全然話をきいてなかったから、
何を聞かれてるのか、わからなかった。
「ほらアリーナって王族でしょ?
将来好きな人以外と、結婚しろって言われたらどうするの?」
「あ、そういうこと。 うーん…」
どうするのって言われても、なぁ。

私、やっぱりこういう話って、駄目みたい。
「私、好きな人いないからなぁ」
呟くように言うと、何故かソロが笑った。
「良かったな、クリフト」
「ソロさんは黙っててください」
クリフトが冷ややかーな視線で、ソロを睨みつけた。
結構怖いんだけど、なんでクリフト怒ってるの?
そもそも何が「良かった」なんだろう。
145味方 2/3:2011/05/06(金) 02:19:21.23 ID:ndntG9NnO
「じゃあさ、アリーナは決められた人と結婚出来るの?」
「嫌よ」
即答。
今まで私が今まで会ってきた王子たちを、私は好きになれなかった。
相手の女の人を適当に、褒めて、ヘラヘラしてて。
自分より強い、なんてのは無理でも、さすがに結婚したいとは思えない。
単に私がお見合いしてきた人達が、嫌な感じの人ばっかりだったのか。
それとも、どこぞの王子たちはみんなあんな感じなのか。
でもああいうのと、結婚しなさい、と言われても、受け入れられない、と思う。
「私は…まだ恋とか愛とかわからないけど、決められた人とは結婚したくないわ」
「やっぱそうよねぇ」
私は、武道一直線で、女の子らしくないけど、
まったく恋に憧れてないわけじゃない。
どうせ結婚するなら、沢山愛したいし、愛されたい、って思うこともある。
愛が、なんなのかわかってないけど。
でも、本心じゃそんなのは、立場上難しいって解る。
たくさんの国の、姫や王子を見てきてわかった。
王族の結婚は、子孫を残すためだけにするものじゃないってこと。
「でもね、いつかは国のために結婚しなきゃって思うよ」
国にとって、姫は外交の協力な武器。
差し出せば、友好関係・金銭援助の関係がもれなく結べる。
いつかサントハイムのために、この身を差し出さなければならない日が、来るかもしれない。
それは、嫌だし恐ろしいけど…国を守るために、
選択しなくてはならない道なのかもしれない。
「結婚って一生ものだけど、決められた人と結婚して、
私はその人のこと、好きになれるのかな。
結婚すれば自然に愛せるようになるのかな」
ぽつりと零れた本音。
本当はずっと怖かった。
自分が姫故に、手に入れられないものが多くあるこということが。
贅沢で、不自由のない暮らしの中では手に入れられないもの。
それの一つが、恋や愛なのかもしれない。

周りが静まりかえってしまった。
やっぱり暗い話題だったかもしれない。
楽しい会話をめちゃくちゃにしたような気がして、
慌てて話題を変えようとしたとき、凛としたこえが部屋に響いた。
「私は、違うと思います」
「…クリフト?」
声の主はクリフトだった。
クリフトは、少し悲しそうな、でも凛とした目で、私を見つめていた。
「愛とは…そんな風に生まれるものではないと思います」
146味方 3/3:2011/05/06(金) 02:21:57.91 ID:ndntG9NnO
「……」
「お互いの幸せを心から願い合えることが、愛だと私は思います。
そしてそれは強制された関係で生まれるものではないのではないでしょうか」
お互いの幸せを、本気で願うこと。
私はそういう想いを今まで、してきたことがあったのかな。
でもそう思い合えたら、すてきだなって思う。
でも…私は。
きっとまた暗い顔をしてる。
駄目だなって思うのに、無性に悲しくて仕方なかった。

「姫様は諦める必要なんかありません」
「え?」
「自分には出来ないとか、今考えていたのではないですか?」
「…うん」
ズバリ言い当てられて、正直どぎまぎした。
まるでクリフトに心の内側を見られていたみたい。
「らしくない、ですよ」
「らしくない?」
「姫様は今まで、姫であるが故の不自由を超えてきたではないですか。
こうして今、旅をしているように」
「……」
「姫様…私は姫様に諦めて欲しくないのです。
ご結婚に限らずとも、様々なことを、王族だから出来ない、しょうがない、と」
クリフトは話を続けた。
さっきと変わらない強いまなざしで。
それを見ていたら、不思議と暖かい気持ちになって、泣きたいような気分になってきた。
「姫である苦労は、私などでは測りしれません。
しかし、姫様が姫であるが故に、叶えたい望みが阻まれるのなら、
私はその望みを叶えてさしあげたい。
そのために何があろうと、尽力いたします。
…だから簡単に諦めたりしないでください。
私は、いつでもあなたの見方ですから」
クリフトはそう話終えて、笑った。
目の奥が熱くて、泣きそうになるのを、こらえて、私も笑い返した。
嬉しくて仕方がなくて、胸が暖かい気持ちで一杯になる。
クリフトの言葉は、他国の王子が私に述べた美辞麗句より、よっぽど嬉しかった。
「クリフト」
「はい」
「ありがとうね」
そうだ、私は何をらしくないことを言っていたんだろう。
破天荒で、自分の道を行く。
私ってそういうお姫様だったね。

クリフトがいるなら、どんな困難もへっちゃらだ、今はそう思える。
もう大丈夫。
私にはこんなにも、頼もしい見方がいるのだから。
147味方 おまけ:2011/05/06(金) 02:26:58.73 ID:ndntG9NnO
おまけ

アリーナとクリフトが、部屋に戻った後の食堂で俺達はまだ、話を続けていた。
「クリフトって、アリーナが、仮に自分以外の男に惚れても、応援できそうよね」
「ああ…。 相手の幸せを本気で願えることが、愛か。
アイツはきっと何があっても、アリーナの幸せを願えるんだろうな」
まったくすごい奴だよ。
俺も、あの子が生きていたらそう思えていたのだろうか。
「それに…今日の二人みてて思いました。
アリーナさんはきっといつか、クリフトさんを選びます」
「そうね」
「だな」
ミネアが穏やかな笑顔で言った。
きっと俺とマーニャもそんな顔をしているに違いない。
クリフトの言葉を聞いたときのアリーナの顔は、見てる方が照れるくらい幸せそうだった。
あれが何よりの証拠だ。

クリフトは平民。アリーナは王族。
二人が愛し合えばたくさんの、障害が生まれることは、確実。
けど、あの二人はきっと壁を超えていくのだろう。
そんな二人を俺は、羨ましく思わずにはいられないのだった。
148名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/06(金) 04:44:39.84 ID:2tNtqCzc0
クリフトがカッコいい!
将来のこと考えて悩み始めてるアリーナもかわいいです
二人の関係は誰にも邪魔できないくらいかたいものだということを
改めて実感させてくれる作品ですね。GJ!
149名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/07(土) 19:16:35.77 ID:Evb+gN5qO
クリアリも他もいい味をだしてますね
GJです
最近職人さん多くて幸せヽ(´▽`)/
150名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/11(水) 12:02:10.10 ID:PrFKRv4v0
わーい、再びスレがにぎわってきたようでうれしい!
本当にこのスレは良作が多くてホクホクしてしまう(^^)
151帰ってきた井戸魔神I:2011/05/12(木) 01:08:38.23 ID:OKCgqvFO0
生まれる子供はパラディンになると思う。
152名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/14(土) 01:42:24.87 ID:qWHAWnAhO
>>151
武闘家女に僧侶男の兄妹もありじゃないか?ネタ的に
153名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/14(土) 01:57:29.09 ID:elfk6koRO
>>151
私は僧侶の姉と武鬪家の弟のイメージだ
154帰ってきた井戸魔神I:2011/05/14(土) 02:20:36.37 ID:/8ysly3s0
どちらかというと>>153
155名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/14(土) 19:23:40.64 ID:xTe+t6JK0
>>153
僧侶の姉が、母親に似ておてんばで
武闘家の弟が知的で沈着。だけど姉におもちゃにされるタイプなんていいな。
156帰ってきた井戸魔神I:2011/05/15(日) 06:06:18.00 ID:PJuVM2/60
>>155
バギクロス大好きっ娘になりそう。
バギムーチョも覚えるかもしれない。

弟は「不器用ですから」な武人。
157帰ってきた井戸魔神I:2011/05/15(日) 06:09:57.38 ID:PJuVM2/60
ファミリーパーティー

弟(武闘家)
アリーナ(姫か女王)
クリフト(神官)
姉(僧侶)
で誰か話ヨロシク。
158名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/15(日) 12:30:56.83 ID:Mz40PoBWO
僧侶なのに、呪文で攻撃してばっかりとかありそうだねぇ

クリフトとアリーナもそうだったけど、性別が取り替えられたらいいのにーって古典思い出すw
159名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/15(日) 19:57:53.04 ID:3b9U2aFNO
父娘でザラキ連発ですね、わかります

とりあえず三人目は男でも女でもブライの愛弟子がよいな
160名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/15(日) 22:29:39.38 ID:rfvNYooj0
この2人の夫婦の日常は想像するだけでほのぼのする
結婚前からただでさえ可愛らしいカップルだから
161名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/15(日) 23:26:48.77 ID:l/iFxGklO
結婚後も変わらず、アリーナの笑顔にドキドキ、
日光浴と言っただけで鼻血ブハァ、息子が生まれようものなら
授乳のたびに嫉妬のあまりザキが出かかってるような万年初恋クリフト萌え
162名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/15(日) 23:37:12.42 ID:Mz40PoBWO
娘を嫁にやりたくなくて、婿にザキかけたくなっちゃうけど、我慢するパパってイメージ。

「パパ嫌い!」とかクリフトでも娘に言われるようになるのかな?
163名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/16(月) 00:05:46.87 ID:1+A7dHmpO
そりゃもう、力ためしの旅に出ようとする娘を自分と嫁は棚にあげて止めようとして言われるんだろうなぁ…
本気でショックを受けるクリフトに対して、アリーナは昔を思い出して笑ってそうだ
164帰ってきた井戸魔神I:2011/05/16(月) 05:46:41.07 ID:IKOJ5gB50
「予知能力」は姉に行くのか、弟に行くのか、あるいは両方にいくのか?
165名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/17(火) 15:04:08.99 ID:Sq9UHAmaO
予知力は魔法系が、強そうな僧侶の姉に行かず、武道家の弟にいきそうかな。
なぜか肉体系の方に行きました、的な。
または3番目の妹とか弟とか。
166518はへいじつの8じ53ふんからよくかけるねC:2011/05/17(火) 19:32:56.36 ID:P5whmJOu0
弟の予知能力について

攻撃・・・予知能力でタイミングが完璧。会心率100%
防御・・・予知能力で全ての攻撃を察知。回避率100%

最強キャラ。
でも立場は最弱キャラ。
クリフトが唯一威張れる存在。
167名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/18(水) 20:06:49.56 ID:Xhg9/nw+O
サントハイムの予知能力はニュータイプ的というより予知夢のイメージだなぁ
どちらにしても最強はいつまでもアリーナでいてほしい
168名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/18(水) 20:44:13.08 ID:uP1l6p4JO
アリーナは親になったら驚くほど穏やかになるタイプに違いない




クリフト「そう思っていた頃が私にもありました」
アリーナ「今日はちょっと魔界へ散歩するわ!」
子供「やったー! 私アンドレアルのお城だいすきー!」
169名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/18(水) 22:36:03.64 ID:oqqo+i7R0
頭上がらなすぎるwww
そこがいい
170名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/18(水) 22:55:37.32 ID:uQZ+cdyE0
でも姫さまLOVEでついていくんだろうなww
171名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/21(土) 10:13:12.85 ID:opX7a8kC0
保守
172名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/21(土) 14:12:50.94 ID:izRK36AA0
「強いモンスターの気配がする!よーし、新しい必殺技試しちゃおーっ!」
「王女!そんなに先に行ったらあぶな…あわわわわっ!」

「変わらないですね」
「…そうね」



「王女は僕の後ろに下がって!ベホマ!スクルト!」
「だーかーらー掠り傷なんだから回復呪文はいいって!ああもう、ザキはやめて!私が戦う〜!!」

「変わらないわね」
「…そうですね」
173名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/22(日) 00:33:11.67 ID:BiDTsgPF0
イチャイチャしやがってww(ダブルの意味で)
174名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/23(月) 20:33:32.49 ID:2a6kKrPQ0
クリアリ(*´Д`)ハァハァ
175名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/24(火) 18:18:34.03 ID:dJiJYyEW0
いたストモバイルの6月配信wktkしてたら、カンダタとライアンさんだったよ…
クリフトとアリーナは同時に配信されると信じてるけど、いつまで待たされるんだろう
なにげにライアンさんはSP以来だから、懐かしくて嬉しくもあるけど
176通りすがりの青剣士T:2011/05/25(水) 00:51:22.13 ID:RgIqhkA10
 /\
             /   ヽ
           , '"´ ̄ ̄¨゙丶、
          〈           〉
          ヽ,r '_,.二二._ヽr'
            レ{l_ll_lLl|{'^}j.]j
       ,. - 、 {f1゙{.fj  f「}゙h)}r= 、
.      (( rル介ゝ. r'ァ /彳V  }j
      ゝ. ニ´,リjr=i≧<ユ{ヽ ー<
.      { `ァ=iニ「ヽ二二_)ノイ}う、`ヽ))
      └L、_ヽ|.|`ー=ニ二´イ.|.レ `ぐ
.       / \l/ "- ‐ ‐‐  Yニ´べ
      〈  く. ト  =- ‐  ,ィ ,ゝ- 〉
       ゝ./ヽ.!_r,ェ.v__,l/\,.く
      //‘ーェ',イーrゞェ'ィ‐r'、_,:ッく ヽ
     / ./ /,`7 l |    l. l \. ヽ \
    / / / l / l  !   l.  |  ヽ. i.  ヽ
   ,'  ! ,' レ'  l  l  /  |   ,〉 |   \
.   i │  ├r-.___,. -┴ '「   l     \
   l.  |    l      l  |    |、         \
.  |.  |     |     ,'  l     l |         _>
.   !  :|     l   j / !  ヽ 、 ,{     ,. -‐ '´
  |  l-‐.、 j ゙''´ { │   l  ゙" l   /
  ヽ  |   ヽ.l     L__」ー-、l.   l-‐ '
   \ !   ,l    ノ     〉、 _,ト
      `  f‘ー-‐'´〉      l  ̄  |
       l   _/      l    '〉
         j=='テ′     └r三‐イ
      ノ=、 ノ          l -=ゝ、
     ヾ== ''"         ヾ' ==┘

絶対にカカア天下だろうな!
177名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/29(日) 08:56:44.65 ID:FRqkjkp70
保守
178名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/05/29(日) 09:47:01.64 ID:W/s6Ccf00
クンニさせられまくり
179名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/02(木) 16:37:40.40 ID:zajGvf890
「巡り廻る。」
個人が作ったフリーゲームで無料でダウンロードできる。

敵と戦わず配達や交易で生計を立てるもよし、釣りや泥棒や畑や落ちてる物で
生計を立てるもよし、モンスターと戦いの道に生きるもよし、鍛冶屋になって
武具を強化しつづけるもよし、モンスターマスターになるもよし、すべてを
するもよし、旅車と旅馬をそろえ世界を動き回って自由に生きよう。
スタミナがなくなったり空腹だと力がでません。仲間も文句を言うでしょう。
ちゃんと宿屋で休息したりレストランで腹ごしらえしよう。
それと積載量には気をつけてね。余計な物をどんどん溜めると仲間も疲れ
やすくなっちゃいます。最後には動けなくなっちゃいますよ!
あなた自体が勇者になんなくても勇者は他にいるから大丈夫。
まずは酒場で仲間をそろえ、いざ冒険の旅へ。

巡り廻る。 Part19
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/gameama/1306933853/
180名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/02(木) 20:33:16.68 ID:8TWi31zR0
なんで話し相手が…
http://www.youtube.com/watch?v=NINJJ7urTZY
181名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/08(水) 14:45:31.51 ID:Py9whSOA0
いただきストリートWiiがDSのリメイクっぽいので、また仲の良いクリアリに期待してる
182名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/08(水) 21:05:42.67 ID:w0R8xe4+O
リメイク商法イクナイ!
…と思いつつちょっとでもクリアリのセリフや服装変わってたら買ってしまうんだよな…
183名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/08(水) 21:23:37.02 ID:i5OvPB0C0
>>181
ドラクエ25周年記念&いたスト20周年記念ソフトだから新作じゃないかなぁ…
アリーナは鉄板としても、クリフトが出られるのか?というところから不安になるんだけどw
184名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/09(木) 04:26:06.43 ID:OgdxGz3QI
出演キャラは、いつかの人気投票の結果が反映されると予想
アリーナクリフトは出て欲しいが
キャラの台詞も新しくなるんかな?
185名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/09(木) 14:47:43.53 ID:HMAKpxTH0
DSは全体的にコミカルだったから、クリフトのバニーさん大好きっぷりに吹いた
そのクリフトにバニー姿を見せようとするアリーナに萌えた

けどどうもWiiは等身が高めだし、SPに近くなるのかもしれない
SPは個々のキャラはすごくいいけど、クリアリ的には微妙だったなあ
186名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/09(木) 22:08:29.43 ID:GspPPsHj0
SPはFFキャラとの共演だったけど、Wiiは今回もマリオとの共演だからポップで軽い感じに来そうだけどねー
4だけに限らずメインキャラ全部出ればいいのにね
クリアリ+マーニャとかのやり取りも見たい
187名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/10(金) 10:38:29.40 ID:f90pRDeF0
DSのクリアリは可愛かったな
あの2人をまた見てみたい
188名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/11(土) 21:37:13.72 ID:eQv8E3h5O
クリフトも出るんじゃないかな?人気あるし
とか楽観的に考えているもんでいなかったらショックでかいなー
189名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/13(月) 19:16:29.44 ID:kMFAnMeZ0
http://wizard03.blog.ocn.ne.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2011/06/13/p6130022.jpg
クリアリそろって参戦確定のお知らせ
さあ早く発売日を確定させてくれ
190名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/13(月) 19:34:00.54 ID:w57K7KiA0
>>189
おおおお!
アリーナかわいいなぁ〜
ククールの顔がでかすぎる気がするが…キャラデザ大丈夫か?!

キノピオ、アリーナ、クリフト、ヨッシーパーティとかスクエニありがとうw
191名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/13(月) 20:30:03.18 ID:8HqixLKB0
>>189
貼り乙!!
しかしククールと女性キャラ、等身が違うような・・・
クリフトは大部分が帽子になるだろうから・・・どうなるだろw
192名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/13(月) 22:08:29.58 ID:nA7ayZHvO
姫さまの帽子も何か長いような…
193名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/14(火) 23:45:25.90 ID:YOkLdPnb0
DSのうさみみバンド関連の台詞可愛い。
こんな口調もするのかクリフトよ
194名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/15(水) 19:56:48.79 ID:GSWnSMGw0
http://image.jeuxvideo.com/images/wi/f/o/fortune-street-wii-1307607953-006.jpg
海外向けPVだが、ククールさんの顔が微妙すぎて不安になってきた
195名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/16(木) 01:03:47.02 ID:oeUMhy+H0
http://www.famitsu.com/news/201106/16045070.html
ファミ通サイト
わりとキリっとした感じに描かれてるが、どうも他のキャラのセリフがDS版のままなので
この凛々しいお顔でバニーさん萌えを語られるのかと思うと…
196名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/16(木) 11:52:36.57 ID:oeUMhy+H0
http://www.square-enix.co.jp/itastwii/
公式サイトオープン

えー…まあその…うん
クリフト出られただけでも嬉しいよ
197名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/16(木) 19:06:15.62 ID:/pjGKfnE0
>>196
これはひどい
誰得だよ
>>195の顔アイコンと上から視点は問題ないけど
台詞喋るたびにこの顔出るのかと思うと

アリーナは可愛くて良いのに
198名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/16(木) 19:21:57.28 ID:g8FkMhNt0
クリフトといいククールといい…
イケメンに何か恨みでもあるのか
199名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/16(木) 19:39:19.03 ID:oeUMhy+H0
http://brunhild.sakura.ne.jp/up/src/up502907.jpg
顔だけ見ると、そんなに見れなくもない気がする
髪のボリュームと身体とのバランスが問題なんだろうな
200名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/16(木) 23:07:45.30 ID:WfWaCnWCO
残念なイケメンだな、クリフト…
クリアリがトップページはうれしいけど
201名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/16(木) 23:21:28.68 ID:oA+9D/uX0
クリアリの掛け合いセリフ増えてるといいなー
プレイヤーはMiiが使えるみたいだけど、今回も着せ替えあったらウサ耳発言聞けるかもしれないw
202名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/22(水) 12:52:13.29 ID:Y/KKfeFp0
英・ロンドン警視庁、コンピューターへの不正侵入などの疑いで19歳少年を逮捕
ttp://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00201921.html
ちょっと面白かった
203名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/22(水) 19:00:31.43 ID:jAPHiljH0
ファミ通DS+WiiにいたストWii記事があったけど、
DQ側の紹介されてるキャラがスライム、ゼシカ、クリフト、ビアンカだった件
どういう人選だ
204名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/22(水) 21:09:26.65 ID:/1q5EQmp0
>>202
吹いたwww
導かれし者達3人w

>203
シリーズごとに1人ずつかなぁ…
205名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/23(木) 19:09:27.25 ID:VPjELFXG0
http://www.square-enix.co.jp/itastwii/character/img/dq03.jpg
http://www.square-enix.co.jp/itastwii/character/img/dq08.jpg
見慣れたせいかもしれんが、これだと変には見えない
やっぱり顔と身体の大きさのバランスがおかしいんだろうな

>>202
>ライアン・クリアリー容疑者

こwれwはwwwww
206名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/24(金) 23:11:11.44 ID:NqqE0Td90
FC版4にて、結界を守るエビルプリーストに2章パーティーのみで挑むも、アリーナHP68ブライHP13のピンチに。
アリーナはやばいが一撃なら辛うじて耐えられる、しかしブライはまず確実に死ぬ。
FC版は直接命令出来ないので回復はクリフトの判断に任せるしかない。
戦況を考えればまずブライにベホマかと思われるが、果たしてクリフトは姫君を優先したのだった。
まあ気持ちは分かるが…。
207名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/06/25(土) 00:39:11.29 ID:z3Rr1uhE0
>>205
クリフト慣れないなー、ディズ○ニーの王子様のようなドヤ顔に見えるわ…
姫さまはかわいいのになぁ・・・・
208名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/02(土) 00:42:16.70 ID:eapdNGndO
いたストに嫁さん修道女で王族のヘンリーきてくれないかな…クリアリとのからみがみたい
209名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/09(土) 21:47:47.82 ID:Qj7e5yNT0
そこかしこのサイトで「長身のクリフト」って見るけど、
どこにそんな設定あったっけ
むしろサントハイム城の外で仲間になるシーン
(『及ばずながら…』のところ、クリアリが向かい合う)
姫さまに見下ろされてる感じだぞ。
長い帽子のせいで縮んでるせいもあるが。
210名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/09(土) 23:22:11.77 ID:cVlpyaLW0
FCの設定画を集合絵のように並べると頭ひとつ出てたからでは
私もずっと背高いと思っていた
211名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/09(土) 23:23:13.47 ID:cVlpyaLW0
ちょっと語弊があったな
背高いと思っていた、というか、今でも高いほうだと思ってる
212名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/09(土) 23:46:30.51 ID:QlxRUE5rO
クリフトがは背が高く、姫さまがやや小さめのイメージがあるが、クリアリがキスするとき姫様が背伸びするか、クリフトが屈むくらいが理想だ
213名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/10(日) 00:09:01.34 ID:xVadAbUA0
帽子の分鯖読んでると思われがちでその通りなのかそうでもないのか
まぁブライは確実に最少だし姫様も「小さな体に百万力」的な位置づけだから
比較対象としてクリフトは高身長の方が様式美だな
214名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/10(日) 00:19:42.91 ID:TY4qfroF0
他の男メンバーを見ても背が高そうなのってライアンくらい
男勇者はそんなに大きなイメージがない
トルネコはずんぐりむっくり
やっぱり全体のバランス的に割と高そうな感じがする>クリフト
215名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/10(日) 01:05:32.52 ID:2UKbXFkAO
クリフトに身長が勝てなくて、悔しがる姫様とかいいなぁ…
216名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/10(日) 15:44:07.28 ID:32gDw5fP0
小さいころは同じくらいの背だとなおいいな
217名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/10(日) 20:27:44.46 ID:WSuDBr8kO
いいな…城の柱に背比べの跡とか残ってたらいいな
218エイプリルフールの人:2011/07/10(日) 21:45:21.48 ID:2UKbXFkAO
>>217
背比べの跡!
良いですね。
いつかそんな話書いてみたい。

最近、忙しすぎてSSかけてないのですが、身長ネタに便乗して小ネタ的なもの置いていきます。

****

クリフトに身長を抜かされたときのことは今でも覚えてる。
悔しかったの。
すっごーく悔しかったの!

そういえば最近、私身長伸びたのよね。
クリフトとの身長差少しは縮まったかしら?
気になったから、ちょっと比べてみようっと。
「わわっ、姫様」
神官帽を無理やり剥ぎ取って、私はクリフトにぴったりと体を押し付けた。
そしたら真っ赤になってやんの。
いったいどうしたっていうのよ。
「クリフトー、良かったな」
「にやついてないで、助けてくださいよっ」

でもね身長…全然縮まってなかったの…。
むしろ差は広まってた。
クリフトは男だから、しょうがない?
そんなの納得いかないわ。
だって私のほうがクリフトより、ずっと強くて、ずっと逞しいのに!
世の中って不公平。
私が男で、クリフトが女の子だったら良かったのに!
「確かに」
「クリフトさんのほうがよっぽど女の子らしいですものね」
「女の子らしいってか、女々しいわよねー」
「世の中、間違っていることは、沢山ありますなぁ」
「姫様が男児でしたら、すべて丸くおさまってたじゃがのぅ…」
そーよね! みんなわかってるじゃない!
でもなんか面白くないのは何でなのかしら…。
「皆さん…ひどいです…」
クリフトが泣きそうな顔している。
赤くなったり、青くなったり忙しい奴なんだから。
それに泣きたいのはこっちのほうなんだけど。

ようし、明日からもっともっと頑張って武道の練習しなきゃ!
運動していれば、まだまだきっと身長が伸びるはずよ!
抜かすのは無理でも、クリフトに近づいてやるんだから!
219名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/11(月) 21:46:31.54 ID:CGWU1TNJO
ほのぼのカワユスなSSですなぁ…GJです
220名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/11(月) 23:53:21.32 ID:2tCeTUBr0
幼馴染設定はやばい
221名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/12(火) 01:14:51.59 ID:+5SLms1w0
>>218
GJでした!
アリーナかわいいな本当に!

よくクリアリで話題に出る、クリフトとアリーナ男女逆の王子×シスターは、神官×姫より難易度が低そう
やっぱり障害は高い方が燃えるよな!という点でもクリアリ最高です!
222名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/15(金) 23:23:37.36 ID:CR+NtJ6r0
何の悪気もない姫様に翻弄されて赤くなるクリフトっていいな
223名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/16(土) 23:35:04.99 ID:xvs3MToo0
いたストWii本スレで見てきたけどブライの参加も決まったみたいだね
サントハイム3人組楽しみだな〜
3人がらみのセリフがたくさんあるといいね

でもクリフト的にはアリーナと2人きりになれなくて悔しがってそうだw
224名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/17(日) 11:27:29.28 ID:tEXo1o6CO
(ったく、ここ何年かクリフトでかくなり過ぎなのよ。
こうやって並んでみると、あたしったら肩くらいの高さしかないじゃない!
だいたいチューする時どうすんのよ!
跳べばわけないけど、背伸びしたって届かないじゃない!
降りてきなさいって言えばいいのかしら?
イヤ!絶対イヤ!クリフトの力を借りなきゃいけないなんて、なんか屈辱!
なら胸ぐらを掴んでけんすいの要領でするとか‥
それもなんか必死みたくてイヤね‥
そっか、あの顎紐を引っ張ればいいんだ!
でも帽子のつばが邪魔そうね‥
首を横にすればいいのかな?
違う!あたしじゃなくてクリフトが横になるの!
きゃー!あたしったらお父様のための大事な旅の最中になにを‥)

(うわぁ〜、姫様がこんなに近くを歩いて下さるとは‥
知ってはいたけれど、こうやってお側で見ると本当かわいいなぁ〜、最高だなぁ〜
さっきから小刻みに動いておられるけど、何か考え事をされてるんだろうか?
新しい技でも思い付いたのだろうか?
握った拳を上下に動かしておられる‥
また実験台にされるのは御免被りたいから離れておくべきだろうか‥
いや、長旅と言えど、この距離は稀有かも知れない、柔らかな巻き髪がこの肩に今にも触れそうな程の!
あぁっ!神様!今すぐにでもこの方をぎゅっとしてチューしたいと思う事を御許し下さい!
今はお守りし、お力添えする事が私の勤めとは分かっているのですがっ!
この想いこそが私の力となるのです!
あぁっ!近いっ!かわいいっ!)
225名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/18(月) 14:12:30.00 ID:ZIwFQvVh0
PS版のクリフトってこんな感じなんだろうなw
226名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/19(火) 08:51:28.59 ID:9N0xCene0
クリアリ最高
227名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/21(木) 01:53:08.69 ID:BV9bb2eU0
http://news.dengeki.com/elem/000/000/383/383225/c20110721_itastwii_02_cs1w1_640x480.jpg
これだとクリフトも特におかしくは見えないので安心した
228名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/21(木) 18:47:20.14 ID:H1kLqIWR0
>>227
ほんとだ
アゴがおかしいから上向きだと普通に見えるのかな
それともモデリング修正されたのかな
229名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/21(木) 22:49:54.19 ID:TuH8BiHPO
携帯からご免なすって。

何か投下させていただこうと思いましたが、自分の中のクリフトは、姫様に不意討ちハグ&不意討ちキス当たり前の、極めて失礼なキャラなんですよね…

ちょうど規制も喰らってますし、このスレには合わないようなのでROMに戻ります。失礼いたしました。
230名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/22(金) 00:43:00.05 ID:SYSVgU/c0
>>227
お金取られてのけぞってるところじゃないかな?
真っすぐ立ったら変わってなさそう
アイコンのクリフトはかわいく見えるけどね

しかしクリフト、クッパ、りゅうおう、マリオってどんなパーティーだよw
231名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/22(金) 00:53:40.03 ID:yBSHJbkA0
マリオのブレなさは異常

クリフト修正してくれたんならいいなぁ
232名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/22(金) 00:58:14.44 ID:3XAizx5gO
>>229
まとめサイトみるといろいろなクリフトやアリーナがいるよ
規制解除されたら是非不意討ちキスのクリフトをぶちまけてくだされ
いや、ください。お願いします。
233名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/22(金) 21:15:04.29 ID:Cf/ldxDnO
辛抱たまらなくなって転んだフリでクリフト抱きつく
→耳が激弱のアリーナ声を出してしまう
→クリフトOKサインと勘違いしてエスカレート
→悪い気はしないとアリーナなすがまま
→男を上げようと必死に頑張るクリフト
→終わってから生だった事に傷付くアリーナ
→気まずい関係に

続きをお願いします
234名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/23(土) 19:52:47.04 ID:E/pww0Wm0
>>233
ここは全年齢板なので、エロなら18禁のエロパロ板へ
235名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/24(日) 01:08:52.44 ID:8K12Id41O
アリーナ「て夢をみました」
クリフト「何それ怖い」
236名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/24(日) 23:46:40.30 ID:Fk5vCFwG0
>>235
それならおkだなw
237名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/25(月) 18:01:43.88 ID:0m3/J2rx0
アホ神官「姫様はそんな夢見ないっ!姫様はいびきもかかないっ!姫様はトイレにも行かないんだっ!」

なーんてねww
まあ、旅してたんだからこれはないだろうけど。

いきなり真面目な話になるが、普段上手くいってるような間柄でも旅に出ると一気に相手に嫌気がさしたりするよな。
逆に旅に出ても上手くやっていけたらそれは心から支え合える良い関係ってことになる。
姫と従者と教育係なんて組み合わせで上手く行ったのはすごいと思う。
238名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/25(月) 21:01:45.24 ID:Ynk3fEqpO
姫バカすぎるよ、神官w

自分は逆の考えかな。
いつも城では小言ばっかで、なよっちいけど旅に出たら、回復呪文使えるし案外頼もしいかも、みたいな。
でもそれは無理の産物で、限界きたクリフトがミントスで倒れるw
239名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/26(火) 14:19:58.21 ID:IMXcIIhn0
そういや、人によって脳内クリアリ設定は結構いろいろあるよな。

城にいたころから兄妹(姉弟?)同然の仲良しだったか、
単に口うるさい神官とおてんば姫だったか…

まあおかげでいろんなクリアリが読めて大満足なんだが

最近クリアリ熱が再燃してきた。なんか書きたいけど、二次創作やったことないんだよな…
できたら投下するから、気長に待っててくれ。
240名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/26(火) 15:06:49.89 ID:f6R1RNc90
脳内クリアリほんと幅広いよね
私はFC版からしっかり者のクリフトと暴走姫を妄想してたので
PS版でヘタレになってて相当ショックだった覚えがあるw

>>239
おk、何日でも待機してるw
241名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/26(火) 16:20:31.52 ID:SOFyHiExO
>>239
いつまででも待つよ。

自分の脳内設定は
幼なじみだけど、小言くらいは言う。
2歳差くらい。
クリフトの水・高所恐怖症はアリーナとの遊びが原因。

とかかなぁ…
まだまだあるけど、書ききれないw
242名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/27(水) 16:38:36.58 ID:HAxdlJq3O
クリフト:サントハイム城の新米神官で、サランの町出身。家は代々サントハイム城の神官を務めている。
幼少の頃から神事の際に神官の父親に連れられて城を訪れており、その年に数度の機会にアリーナの遊び相手をさせられている。
当初は二つ年下の小さな女の子相手とあって、上の立場を取れると思っていたが、籠入り少女のなんで?なんで?攻撃と桁外れの気の強さに心が折れ、半ば下僕と化す。
神官としては100年に一人と言われる程類い稀な才覚の持ち主だが、アリーナとの上下関係がトラウマとなり、以降すっかり気弱な少年期を過ごす事になる。
184cmの身長と凛々しい顔付きも手伝い、公私共周囲に過剰な期待をかけられる事が多いが、前述の事がきっかけで形成された気弱な性格と生真面目さが常に足を引っ張っている。
自信を身に付けて、自らの意志で足を踏み出す事が、彼にとって今後の大きな飛躍の鍵となる。
243名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/27(水) 17:05:50.75 ID:zdBiccJpO
>>240
PS版はかなりヘタレだったよねw

ヘタレ化はまだいいんだが、ちょっとアリーナ以外の煩悩化してきてるのがショックだったりする
(ひとりだったらおねえさんは何をしてくれるんだろうドキドキみたいな台詞)
クリフトは女性に関してはアリーナとそれ以外の人の二種類、くらいの姫バカであってほしいw
244名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/27(水) 17:22:27.46 ID:WM3SeONU0
>>240
アリーナとそれ以外超同意wwww
やっぱ神官は姫バカじゃないとねー


ところでもはやPS以降のクリフトは公式ヘタレな訳だけど、
みんな黒フトの設定はどう考えてる?
色んなお宅の黒フトを見た感じだと、FC版をベースにしてる人が多いみたいだけど。
245名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/27(水) 20:09:59.79 ID:HAxdlJq3O
アリーナ:サントハイム王の一人娘で、幼少の頃から男ばかりの城の中で育ったためか勝ち気な性格で、城の外の広い世界への憧れが強い。
武術に関しては城兵の訓練の真似事から始まっており、武器はすぐに取り上げられてしまうし、自分より大きい者を吹っ飛ばすのが楽しいという理由で体術偏重となった。
王家は代々予知能力的な不思議な力を持っており、彼女の場合は16歳の時点で、戦闘の際の打撃を最適のタイミングで繰り出す事にその能力が現れ始めている。
出入りの神官であるクリフト以外に同世代の友人は殆どおらず、本人は歳が近いからと片付けてはいるが、彼との初見の時点で他人と違う何かを感じている。
クリフトとは当然の様にずっと一緒だと思っているが、まだ男として好きという感情は無く、彼が自分をどう想っているかも全く気に留めていない。
246名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/27(水) 20:50:32.49 ID:zdBiccJpO
>>244
FC版だと優しい感じともクールともとれ想像の余地があるよね
黒フト(素敵なネーミングだ)、アリーナ絡みで発生とかなら個人的にはそれも面白いと思うw勇者に対して嫉妬したら黒フトとかアリーナの危機には黒フト豹変とか。
どんなキャラづけであれアリーナの前では誠実で一途であってくれればいいなあ
247名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/28(木) 00:13:38.29 ID:H3NiY0UXO
妄想の余地がたくさんあるからFC版が発売してから20年近くも人気のカップリングなんだろな〜
248名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/28(木) 15:31:04.23 ID:MGuXQ0U10
>>243
そうそう、あのPS版の口調とへたれぶりを見た時のショックといったらもうw
高所恐怖症ネタとか、あわわわ口調とか
とりあえず心を落ち着けて全力で見なかったことにしたw
公式スルーというスキルを身につけた瞬間でした

>>244
黒フト大好きだけど、完全にFC版で考えてるわー
姫様には白い部分しか見せないようにしてるので、姫様には
「クリフトったらほんと気が弱いんだから!」とか言われてるけど
他のメンバーやモブに対しては割とシビアでドライな感じ
姫様が話しかけると満面の笑みでほんわ〜として
姫様がいなくなると淡々とした無表情みたいな二面性も好き

あとはにっこり笑顔でザラキタイプの黒フトも好きだw
249名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/29(金) 08:22:05.86 ID:vN2E+bUfO
クリフトは乳母の子で小さい頃は割と気さくな関係の遊び相手だったけど
両親死んで城の神殿に引き取られて、その後は従者に徹してる妄想。
姫様以外の人の前では優等生型で割とクール、作戦参謀できる位には頭も回る。
人当たりはいいけど根っこは暗くて内心人とは距離とりがち。
でも姫様の前では逆上型のヘタレあほなので扱いに困られてる感じ。
250名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/30(土) 09:58:42.73 ID:R2rbkQ6CO
FC版色々想像できて楽しいよね
小説はワクテカして読んで泣いた
アリーナ粗暴ですぐ他人に喧嘩うるわ勇者に対して自分は姫なんだぞとか内心思ってるし
クリフトはいいところなし…また男が増えるのかよチッとかあるし…
マーニャやライアンはいいキャラしてたのに久美さんはアリーナクリフトが嫌いなのかと思った
251名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/30(土) 16:48:08.93 ID:ly3KnyFSO
久美女史は普通にアリーナもクリフトも嫌いと見た。

というか、アリーナがボク女な時点で萎えて読むのやめたよ…。
252名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/30(土) 17:14:41.99 ID:QFEAzIH6O
久美さんは勇者きゅん溺愛だからしょうがないな
253名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/30(土) 17:31:37.54 ID:ye2XgG+g0
久美はライアン萌えじゃなかったか?
4章をマーニャ一人称にして、5章でそのマーニャとライアンをくっつけようとしてたし
254名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/30(土) 18:06:41.35 ID:h8sVkbyXO
ボクっ娘設定はさすがに酷かった
久美はドラクエで書きたくないんだったら書くなよ、って思った
255名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/30(土) 18:16:38.83 ID:R2rbkQ6CO
ひどかったよね…同じ意見の方がいて安心した
ライアンは好きそう。一章でも五章でも格好よかったし
ボクっ娘はまだしも、サントハイムインバルザックはひどすぎて挫折した
あそこはどう考えてもシリアスなのになぜギャグにした
256名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/30(土) 18:31:23.09 ID:h8sVkbyXO
クリフトの押し倒しは思い出したくないなー。
ストーリーとして普通に不愉快だったよ、あれ。
257名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/30(土) 20:46:43.16 ID:qU5TwZgh0
せめて抱きしめる程度だったら盛り上がる部分なんだろうけど
押し倒しはやり過ぎ
258名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/30(土) 22:44:29.94 ID:h8sVkbyXO
公式設定から露骨に逸脱せず、ちゃんと書き手に愛があって、
そういう行動や言動するに至る理屈もちゃんと考えられているんなら、
超絶美形やヘタレやギャグ担当やザキ魔や黒フト、どんなクリフトでも美味しく頂けるんだけど、
久美本は「女将を呼べっ」って皿ごと投げつける位にはアレだったな。
いのまたイラストは好きだったけど。
259名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/31(日) 08:23:26.03 ID:D6t+5i2bO
いのまたむつみのイラストは美しかったね
ドラクエ画集かったわ
画集書き下ろし?のアリーナがめちゃくちゃかわいかった
260名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/31(日) 14:57:26.67 ID:y51Fp+bKO
「ねぇ、ブライ。お城勤めの神官に、クリフトっていう名前の人、他に居るのかしら?」
「はて、わしが知る限りではあの青二才しかおりませんがのう?」
「新しく入ったメイドの子がね、お城の神官にすごく素敵な人が居た、
って言うの。
落ち着きのある物静かな人で、ハンサムな上に頭が良くって
多くの魔法を使いこなして、更に剣の腕もたつんですって。
でもね、その名前がクリフトだって言うのよ。
私の知ってるクリフトは、いつも情けない顔でオロオロしてるし
お説教は多いしたまに変な独り言ぶつぶつ言ってるし。
使う魔法はザキばっかりで、戦っても私よりてんで弱いもの。
だから同じ名前の他の人が居るのかと思ったんだけど居ないのよね。
…あ、そっか、多分彼女は名前を間違えて覚えちゃったんだわ。
今度その人はクリフトじゃないわよ、って教えてあげなくっちゃね!


姫の前でだけヘタレなクリフトで小ネタ放置。
261名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/31(日) 17:29:05.08 ID:KPd0ZT58O
>>260
GJ
こういうの大好きw
262名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/31(日) 18:44:21.12 ID:R66Zyw8W0
>>260
GJです!
その新人メイドもすぐにヘタレ部分に気が付くのでしょうw
263名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/07/31(日) 23:20:32.57 ID:q7+Dz/h50
>>260
姫さまらしい!かわいい

そのメイドさんの会話を妄想してみました。260さん勝手にすみません

「先輩!クリフト様ってすごくステキですねぇ
 かっこいいし、頭いいし、剣も魔法も達人だし、落ち着いていてやさしいし……」
「…うん……そうね…………」
「ああ、あんな方の恋人ってどんな方ですかねぇ……」
「あ〜クリフト様、恋人いないわよ」
「うそっ?!あんなにステキなのに?!なんで?……まさか男性の方が好きとか・・・・・・」
「それはない、絶対ない」
「え〜だったらどうして??…………私、がんばっちゃおうかなぁ……えへへっ」
「………………………………初めは皆そういうのよねぇ、うん…」
「???」

****数日後*****

「先輩、言ってる意味がわかりました…」
「うん?!」
「何か、こう、クリフト様がんばれって感じですね……」
「…………でしょ」
264名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/02(火) 23:18:10.56 ID:bYmQi6vo0
>>260
GJ!姫様善意なところがカワイイなw

>>263
こっちも超GJ!
やっべ、普通にツボだww
モブに興味なかったのにクリフトのヘタレぶりが伝わってきたw
そしておそらく姫様へのラブも周りにばればれなんだなと解釈したw
265名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/03(水) 07:17:02.36 ID:NMgCCqdKO
>>263
あー、そんな感じで周囲から生温く見守られてるイメージあるあるw

でもそれだけ漏らしててもクリフト当人には
恋の自覚とかは全然なかったりすると尚萌える
266名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/05(金) 21:25:12.11 ID:xWjt8OcPO
職人様凄いな…
自分にゃこんな可愛い姫様も、愛すべきヘタレクリフトも描けませぬ。

クリアリには直接関係ないけど、モンバーバラ姉妹と姫様のガールズトークはよく妄想するかなぁ。
マーニャ姉様に飲まされて酔っぱらってクリフトとの思い出やクリフトへの想いを語る、みたいな。
267名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/05(金) 22:14:03.60 ID:xWjt8OcPO
↑あ、最後の行「姫様が」が抜けておりました…
正しくは「姫様がマーニャ姉様に…」です、すいません。
268名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/06(土) 01:13:07.16 ID:GKsq0T4wO
「マーニャさんっ、今回ばかりは言わせて頂きます!姫様に飲酒を勧めるなんて…
いえ姫様だけではありません、そもそも女性の飲酒というのは…」
「お酒の一杯や二杯飲ませた位で堅苦しい事いわないでよ、58回!」
「おいおい、朝からまたお説教タイムか、マーニャ。クリフトも程々にしとけよー?」
「そこの11回勇者も黙んなさい、また、って何よ、失礼ね」
「…ところで、マーニャさん、先程からその回数は一体何ですかな?」
「あら、おはよ。ううん、たいした事じゃないわ、気にしないで、2回のトルネコ」

せっかくお酒飲ませたのに、
溺れたとか、高い所に置き忘れたとか、
ホント全然、たいしたことない話しか聞けなかったけど。
ある名前が、あの子の口から58回も出た事は…
あぁもう、さっきからひたすら続くお説教がうっとおしいから、
教えてなんてあげないわ。


ガールズトークにはならなかった姫様で小ネタ置き逃げ。
269名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/06(土) 02:00:08.91 ID:03HASV6wO
うがあああ規制が恨めしいっっ!今回やけに長いんですよね…
270名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/07(日) 12:10:54.06 ID:UhEgS/kCO
マーニャ「堅物の ミネアはともかく アリーナは どんな男が 好きなの?」
ミネア「私だって‥」
アリーナ「お城では 男ばかりだったから 好きとか よくわかんないかな」
マーニャ「アリーナは かわいいんだから お城の男達には 人気だったんじゃないの?」
アリーナ「そうなのかな? あれもダメ これもダメで 小うるさい男ばかりだったと思うな」
マーニャ「アリーナの事を 気にかけてたんじゃないの? 特にうるさい奴とか いなかった?」
アリーナ「それはもう ダントツで ブライとクリフトよ! ブライなんて いつまでも子供扱いで ちっとも好きにさせてくれないんだから!」
ミネア「確かに‥」
マーニャ「そうね ブライみたいに 子供扱いする男は 嫌いみたいね じゃあ クリフトはどうなの?」
アリーナ「うーん‥ ブライのうるさいとは ちょっと違うかな 普段はムスッとしてるくせに 妙にオドオドして たいした事ないのでも 危ないからやめろって言うのよ」
ミネア「鈍感ね‥」
マーニャ「それはもう アリーナの事を 心配してくれてるからじゃないの? クリフトのお小言も ブライのと同じ位イヤ?」
アリーナ「うーん‥ クリフトの場合 ブライみたく ダメ!って感じじゃなくて 逆に引っかかって イライラしちゃうのよね」
マーニャ「だったら クリフトには どう言って欲しいとか あるの?」
アリーナ「オドオドしないで ダメならダメ!って はっきり言って欲しいな」
ミネア「ぷっ!」
マーニャ「あら それじゃあ ブライと同じじゃない? クリフトもブライになって欲しいの?」
アリーナ「違うの! クリフトは ブライと違って うるさくないの!」
マーニャ「なるほどね‥ うるさい男は嫌いだけど クリフトならいいんだ?」
アリーナ「そうなのかな‥」
ミネア「そうよ」
マーニャ「アリーナ あなた クリフトが好きなのよ きっとクリフトも あなたの事を 大事に思っているのよ 良かったわね!」
アリーナ「わかんない! クリフトは 黙ってベホマとかザキで 私をサポートしてれば それでいいの!
ミネア「ダメだわこれは‥」
271名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/07(日) 13:49:23.06 ID:bWbctXg10
>>270

ザキってサポートなのか姫様w
GJ!
272名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/10(水) 05:22:19.56 ID:sTc8uZBW0
ごめんなさい。貼ってみたかっただけです。
   /    // ̄ ̄\ヽ             /: : : : .   :`l、
   |   │| /^l l^ヽ |            ∠-'''´: ̄ ̄``ヽ、|
   |   │| l:::::l l:::::l |           /: : : : .       . : \
   |   │|┌┐┌┐|          l : : : : ._,: -‐-:、_ . : .:.:/
   |   │| l::::l .|::::l .|          l_ ,::-'''´ _,. --:、_`''-、_/
   |   │\┘.└'/|          |_,. ,.::-: :|| |   `''-、|
   |──┴────┤          .|,l.|,l-、!ー┘ニニ二r|!r-、
   l::-‐―――‐―=―‐ヽ      r‐:-.、 iハ!'´li゙}゙f|  '´lリ` |l}、l  ,r‐‐v‐、
   /   ノ リ ル' レ' リ リ`ー-ー`    /   (_i_ノl l;  ̄.ソ     ̄ j「ノノヽ.(_ァ ノ .)
  / レヽ| '"^二´   `ニ^h     /ヽ、_,..:.:.:,ノヾ!  Lャ-     ,!r':. ヾ:. .  ' ,ノ゙)
 く  { ^r  ゙⌒////(⌒ { |    l:.: .  '. .:.:/ .:',  ーニ-''"  /::.:i:.: `:.: .  `ー-く
  ヽ ヽ.( ij       ∠ィ リ     >、.__,. ': .;ノ / i、  ー' /! ヽ ::.: :`.ヽ.、__)  )
.  ヽ ド、 r ⌒`ー--‐1 ,'    (    '. .:.:  _」 \_/ ,!  `ヽ、、_:.: : . ヽ、,ノ
    ヽl ト、ヽ.       l /     \__,,、-‐''"´ |i    , ′    `ー- 、..__,ノ゙
     リ \` -─- , '      /   `‐- _ ′!    /  !  _,..、 ''"´  ``丶、
 ─- ..⊥.   ` ー- イ-‐''" ̄ヽ. /  _   ヾ    ̄`` r┴'''"´ ̄   -''゙    
273名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/11(木) 04:26:24.30 ID:2/H9DKx80
あ、何か書き込めるっぽい。

当方>>229=>>266にございます。

長かった規制が解除された模様なので、モンバーバラ姉妹と姫様のガールズ
トークを置いていきます。
おいしく召し上がっていただければ幸いに存じます。
お口に合わなければどうぞお許しを。

初投下なので緊張するなあ…
274ある宿にてGirl's Talk 1:2011/08/11(木) 04:36:56.39 ID:2/H9DKx80
「ねえさあん…」
 …ミネアがあきれ顔全開で、テーブルに置かれたぶどう酒の瓶とマー
ニャを見比べてため息をつく。
「そのお酒どうしたのよ、ここ確か酒場も酒屋さんもなかったはずだけ
ど…?」
「さっきの村で買ったのよ。名物なんだってさ。ちょっと値段も張った
けどものはいいらしいのよ。ほら」
 マーニャが無造作に瓶を開けて中身をコップに注いでミネアに渡す。
「いらないわ」
「あんたも相変わらずお堅いんだから。だから男が寄りつかないのよ」
「大きなお世話。とりあえず私は姉さんよりましなつもりよ」
「あんたは酒も男も受けつけないもんねえ。じゃアリーナ、飲みな。
ちょっと甘いらしいけど。あんた好きかもね」
 差し出されたコップの中で、透き通った液が、たぷん、と揺れている。
「アリーナもやめときなさいよ、明日クリフトさんやブライさんに怒ら
れても知らないからね」
「爺さんはとにかく坊さんに怒る権利はないんじゃないの、社交界やら
いう場所じゃ多少の酒は嗜みとか言ったのは他ならぬ坊さんなんだから」
「…もらう」
 マーニャからあたしはコップを受け取った。あ、何か匂いからして甘
そうな…。
「あーいい子いい子、あんたはやっぱそうこなくっちゃ」
 マーニャが手酌でお酒を注いで、ぐいっと一気に空ける。
「ちょっとお…本当に知らないわよ」
 ミネアがマーニャとあたしを見比べて、形のいい眉を寄せた。
「せっかく振る舞ってもらったんだから」
「あのね、姉さんにそこまで気を遣わないでもいいんだからね。まった
く、気の回し過ぎも考えものだわ…」
 ミネアがもはや処置なしといった風情でため息をついて、自分用にか
何やら香ばしい匂いのお茶らしきものをコップに注いだ。
「…気の回し過ぎ?」
 あたしはミネアをながめやる。
「クリフトさんがね、いつぞやあなたを指してそう言ったの。変なとこ
気を回すくせに変なとこ鈍い、不思議な人だって」
「そいや、何を考えておいでなのやらついて行けない、みたいなことも
言ってたっけかなあ」
 …マーニャとミネアの言葉に、あたしは手にしていたコップを揺らし
た。ふわん、と、むせ返りそうな甘い香りが立ちのぼってくる。うわ、
何か匂いだけで酔いそう。
「…彼に…何考えておいでなのやらなんて言われたくないなあ…」
 もう一度コップを揺らす。中のお酒がたぷん、と波打つ。
「あっちの方が何考えてっかわかんないってのにさあ」
「あーそうね、あたしもあれはわかんない。坊さんってみんなああなの
かな」
「どうなんだろ…」
275ある宿にてGirl's Talk 2:2011/08/11(木) 04:42:32.83 ID:2/H9DKx80
 あたしは答えてコップに口をつける…甘っ。おまけに、気のせいか何
なのかとろっとしてる。
「甘っ、何これ!ちょっとなんてもんじゃないよ!」
 マーニャはちょっととか言ってたのに…うわ、甘い、何これ、なまじ
なお菓子類より甘いかも…。
「あーあんたもやっぱそう思った?あたしも一杯飲んで失敗だと思った
とこ。高かったのに金返せって感じ。まあいいや、どーせ持ってても重
いだけだしさ、空けちゃお」
「…結局そうなるんだから…ほんと、酔っぱらえさえすれば何でもいい
のね、姉さんは」
 ミネアがため息をついて、別のコップにお茶をたぷたぷと注いだ。そ
して
「はい、お口直しにどうぞ」
 と、あたしにくれる。
「…ありがと」
 ミネアから冷たいお茶の入ったコップを受け取って、一気に中身をあ
ける…う、苦い。ほろ苦い通り越して、かなり露骨にきてる。マーニャ
ももちろんあれだけど、ミネアもよくこんなの飲めるな…。
「…もらっておいて何だけど、こっちはこっちで苦いかな…」
「文句言わないの。甘いのと苦いのでつり合ってちょうどいいんじゃない」
「…お返し」
 干しぶどうと干したあんずを混ぜたものをミネアに差し出す。
「あら、ありがと。疲れてる時にこういう甘いものって嬉しいわ」
「マーニャはこっちね」
 マーニャには煎ったナッツを混ぜたものを渡す。
「ふーん。こういうもん持ってるところあたり何だかんだ言ってお姫様
よね、このナッツがちょっとばっかお高いことは知ってるよ」
「安いとこ知ってる」
「どこよ、今度教えなさい」
 マーニャがナッツを頬張ってまた手酌でお酒をコップに注ぐのを横目
に、あたしは今度は甘いぶどう酒を口に入れた。苦いお茶の後味が甘い
お酒に混じって…うわ、何とも言えない味。まず。
「ちょっとお水欲しいかも…」
 あたしは部屋の隅にしつらえてある水がめからお水をすくって、ひ
しゃくから直接飲み下した。そうだ、これであのお酒割ってみようか
な、そしたら少しは飲める味になるかも…。
 お酒のコップにお水を流し込んでみる…と、マーニャが
「あんた何やってんのよ?」
 と、あきれたように声をかけてくる。
「ご覧の通り」
「ぶどう酒を水で割るなんて聞いたことないよ」
「割ってみれば多少は飲める味になるかなあって」
 ぶどう酒の水割りを口に含む…う。
「何その顔」
「…後悔してる…」
 甘いのが変に薄まって、ますます変な味になってる。やるんじゃな
かった。
276ある宿にてGirl's Talk 3:2011/08/11(木) 04:47:43.96 ID:2/H9DKx80
「だろーね。あっきれた。しょうがないねあんたも。ま、好奇心は買っ
てやってもいいけど」
「そういうことをどの口がきくのよ、私は姉さんにあきれてるんだけど
な…」
「あー言ってくれるじゃんミネア、あたしだって…」
「アリーナにことごとく変なこと教えてクリフトさんによく怒られてる
じゃない、私のほうが申し訳なくて」
「…あんたも大概だけどあれもお堅いよね、口を開けば説教ばっかで
さ。っていうかあたし、あれより年上なんだけどな」
「ご職業柄堅くて当たり前でしょ、頭のねじの緩んだ神官様なんて聞い
たことないわよ」
「そうかね、アリーナに対しては緩みまくりと見たけどねあたし」
「そりゃクリフトさんはアリーナと幼なじみなんだから、基本堅くても
少しぐらいお姫様とお付きの神官様以上の絆っていうか気安さ的なもの
があったって不思議はないんじゃないの」
 …クリフト。
 あたしに対してだけそうなのかその辺よくわからないけど、緩みまく
りって結構当たってるかも。そんなことを思いながら、あたしはすっか
りまずくなってしまったぶどう酒を一口また一口と飲み下す。
「気安さ的なものねえ…」
 マーニャがあたしを横目で睥睨する。あ、あの顔は何かたくらんでる
というか何か言いたげだ。
「…なあにい?」
 わざとマーニャの正面に陣取ってふくれっ面を作ってみせる。
「べっつに」
 顔はぷいっとそむけつつも、マーニャのその視線だけはしっかりあた
しをとらえている。
「別に、って顔じゃないなあ」
「じゃあ何、当ててごらん」
「…何か言いたげってことしかわかんない…」
 …ぐいっ、と、やっとの思いで最後の一口をあける。と、マーニャが
瓶を手に取ってあたしのコップに注ぎ足してくる。
「も、もういいってばあ、ちょっとこれあたしの口に合わない」
「なあによ、注いでやれば何だかんだ言って飲むくせにさあ」
「だってもったいないじゃない」
「姉さん…いつもそうやって飲ませてるんだ…」
「いいじゃんよ、注げば何だかんだ言ってちゃんと飲んでくれるんだか
ら。いい子よねえ」
「アリーナも…嫌だったら残していいのよ。まあ好き嫌いはいけないと
か残しちゃ駄目とかそんなふうな躾けを受けてるんだろうけど、お酒な
んてそんな性質のものじゃないんだから…」
「あーあの爺さんその辺うるさそうだ。けどさ、あれはあれで妙に坊さ
んには甘くない?」
277ある宿にてGirl's Talk 4:2011/08/11(木) 04:50:53.93 ID:2/H9DKx80
…じいやはクリフトに甘い、というより無頓着、と言った方がしっく
りくる感じ。本当にじいやは彼が何やっても何も言わないし。何であん
なに無頓着でいられるのかそれが不思議だけど。
「知らないわよ、クリフトさんはその筋では専門家なんだから普通に敬
意を払ってるだけなんじゃないの」
 …ミネアの言葉に、あたしは胸の中で首を横に振る。それともちょっ
と違う感じなのよ、青二才とか平気で言ってるし、敬意を払ってるとか
いう感じでもないのよね。クリフトとじいやの間には何か何とも言いが
たい緊張感が漂ってる、あたしにはそう見受けられる。
「えーそうお?まあそうかもしんないけど、それでも坊さんがアリーナ
にやらかしたらぶん殴るぐらいのことをするのが爺さんの役目なんじゃ
ないの」
「やらかしたらって?」
「あんたも見てんじゃん、あたしもだけど。ちゅっ、てさ。アリーナは
坊さん流の挨拶だって言ってるけど、あたしにはそんなふうには映らな
いんだよねえ。アリーナ、あんたその辺実際どうなのよ」
「…だからあ、何かあるんだったらクリフトに訊いて。あたしは彼流の
挨拶としか思ってない」
 …そうよね、不埒者って全力でひっぱたかれたってしかたのないよう
なこと、彼はあたしにしてるんだよね。怒らないあたしがおかしいって
いうか、まんざらでもなく思ってると見られたって不思議はない。
 実際何の意図があってことあるごとに、それも不意討ちでくるのか、
それもよくわからない。嫌だったら拒んだり怒ったりすればいいのにそ
れができない。何するの、と弱々しく抵抗するのが精一杯、ああもう、
あたしって一体何ものなんだ…。
 初めてクリフトと唇をあわせた時。あれが尾を引いてでもいるのか
な…あの時は本気で驚いたからな…。
「どうしたのよ」
 マーニャがあたしの顔をのぞき込んできた。そして
「あーわかった、どーせ坊さんと初めてキスした時のことでも思い出し
てたんでしょ」
 と、けらけらと笑う。
「………」
 あたしは返す言葉もなくただマーニャを見つめる…と、あたしどんな
顔してたんだろう、突然マーニャが
「…えっマジ?」
 と顔色を変える。
「ううん…」
 あたしは首を振って、お酒を半分ほど飲み下した。ああもう、味なん
て知ったこっちゃない。
「何でもないよ、気にしないで」
278ある宿にてGirl's talk5:2011/08/11(木) 05:03:43.87 ID:zuzWUrQfO
「そうはいきますか、こうなったら絶対あんたと坊さんの初キスの話聞
かせてもらうかんね!」
 …マーニャったら何を高らかに宣言してるんだかな…。
「あのさあ…」
「なあによお、言い訳は聞く耳持たないよ」
「…人のそんな話聞いて一体何の得があるの…?」
「いいじゃん。聞きたいなあ」
 マーニャがじろりとあたしをながめやる。
「聞きたいなったら聞きたいなあ」
 マーニャを無視してあたしはコップに残っていたお酒を飲み下した。
そして
「ミネアあ」
 と、ミネアをながめやる。
…もう、ミネアしかあたしには救いがない。
「ん?」
「…何とか言って」
「…言ったげようか?」
「お願い」
「なんとか」
 え。
 …およそこの手の冗談からかけ離れたミネアのひとことにあたしは絶
句する。
 固まってしまったあたしの顔を横目で見ていたミネアが、たまらなく
なったように吹き出した。そして
「…ごめんね、でもね、幼なじみとか言ってる割にアリーナとクリフト
さんの思い出話って聞いたことないなって思ってね」
 と、くすくすと笑う。
「ほら見なさい」
 マーニャが勝ち誇ったように言った。だからもう何よ、その勝ち誇っ
たような態度はさあ、一体。
「堅物のミネアまで聞きたがってんだかんね、あんたには話す義務があ
んのよ、ほら、いいから話しなさいよ!」
「何で義務なんて堅苦しい単語がそこで出てくるのよ!」
「ごちゃごちゃ言わない!」
 ヘッドロックを食らわされる。いったあ。
…もう。
 あたしは空のコップにお酒を注いで一気に飲み干した。そして
「しょうがないな」
 とため息をつく。
「長旅のほんの退屈しのぎに、おませな子供同士の戯れの思い出話、お
つき合い願いましょうか」
「よっ、待ってました!お姫様!大統領!」
 すっかりご機嫌で拍手するマーニャに、あたしはクッションを投げつ
ける。
「余計な茶々入れるとお金もらうよ」
 …これで静かになってくれるんだから、わかりやすいというか現金と
いうか。
279ある宿にてgirl's talk6:2011/08/11(木) 05:12:34.96 ID:zuzWUrQfO
「…あれ何年前だったかな…都合…8年前…か…」
 彼が10歳、あたしが8歳…ああ、もう、思い出すだけで何て言うかあ
れだな、あたしが親なら絶対ひっぱたいてる、あれ…。
「クリフトが籍を置いてた神学校ってのがね…詳しい場所は忘れちゃっ
たんだけど、とりあえずサントハイムからは遠く離れた場所でね、完全
寄宿制の…年限が6年…そういう場所でね」
 6年、口に出してみると改めて長い、そう思う。
「あとでシスターに聞いた話だと、普通に勉強して15とか
6、早くても
13ぐらいでやっと合格…そんな所らしいんだけど、彼そこにさ、
10歳
で受かっちゃったのよ」
「えらい飛び級じゃん。あれ頭いいのね」
「ま…そのなんだ、勉強だけは無駄にできる…前からそんな感じだった
んだけど…確かにすごい飛び級だから、周りの大人がすごい騒いだの
よ。神童だとか何年に一度の逸材だとかって。で、本人もまんざらでも
ないような顔しててさ」
「あーあれのドヤ顔ってうざそう」
「姉さん、余計なこと言わないのよ」
「だけどあたしはね…お城に、年の近い人…ってのが、彼しかいなかっ
たからさ…6年も離れる…ってのが…早い話、寂しかったわけ。できれ
ば行ってほしくなかった、って言ってよかったと思う…祝福してあげた
いのにいなくなると思うと素直にできない、そんな感じだったように覚
えてる」
「…でしょうね…」
「でもね、本人含めて周りがみんな喜んでると思うと…あたしだけ、寂
しいから行くななんて…どうしても言えなくってさ…」
「あんたも余計なとこ気い遣うから…8年前ってことはあんた8歳で
しょ、それぐらいのガキならそれぐらいの駄々こねて十分普通じゃん」
「…気を回す子はそれぐらいの歳でも十分気を回すって…私聞いたこと
あるわ。大人に囲まれて育ったアリーナなら不思議はないんじゃないか
と思う…」
「とにかく言えなかったんだ」
 もう一杯、コップにお酒を注いで飲み干す。
280ある宿にてgirl's talk 7:2011/08/11(木) 05:21:20.29 ID:zuzWUrQfO
「寂しいって泣くのはいつでもできるから、せめて彼が行っちゃうまで
は隠し通そうって思ってたんだけど…何をどこでどう感じ取ったのかな
あ、行っちゃう前の晩に礼拝堂に呼び出されて…」
 あれは…いまだに不思議だ…あの時はあの時なりに精一杯隠してい
て、周りは…浮かれていたせいもあったのかもしれないけど、誰も指摘
ひとつしてこなかったのに…。
「6年離れるけど…必ず帰ってくるからお互いに忘れないでいようっ
て…そう言われて手を差し出されたからさ、あたしはてっきり…そのな
んだ、普通に指切りかせいぜい握手だろうと思ってさ、何の気なしに手
を取ったわけよ。そしたら引っ張られて…あれは本当に、ああ来るとは
思わなかった…」
「それで、ちゅっ、と来たわけだ」
「まあ…8歳…か、それぐらいならそうよね、キスなんて思いもよらな
いかしら…」
「あの時は…目から、今は落とされなくてもいい鱗を落とされた…みた
いな気分だったかなあ…びっくりして…忘れるも何もない、っていう
か、忘れたくても忘れられない、っていうか…忘れてほしくなくてああ
いう行動に出たんだったら、あの年なりに策士…っていうか…」
 …今日は明らかにマーニャ以上に飲んでる、そう思いながらまたお酒
をコップに注ぐ。
「10歳と8歳でしょ、ほんっとに、お互いこましゃくれた嫌な子
供だっ
たと思う…あたしが親の立場だったら、間違いなく引きはがして、この
生意気な、とかってひっぱたいてるよ。普通に、見るに堪えないと思
う…」
「ま、遠距離になるからお互い盛り上がって…ってのはよくある話だけ
どさ…」
 マーニャが手酌でお酒を注いだ。
「ね、言葉にすればよくあるっていうか嫌っていうかつまんない話で
しょ、だからしたくなかったんだ…」
 お酒を三分の一ほど空けて注ぎ足す…あ、切れた。
「だからさ、これから、彼にキスされて固まってたら、その時のこと思
い出してるって思ってくれていい…」
 ぐいっ。お酒を一気にあける…あ、やっぱりお水が欲しい。べたっと
して嫌な感じ。
 あたしは部屋の隅の水がめからお水を汲んで、ひしゃくから一気に飲
み干した。と、背後からマーニャの
「…で、その生意気なガキどもはその後どうなったわけよ」
 という声がかぶさってくる。
「…その後…?」
 あたしはもう1回ひしゃくにお水を汲んで、また一気に飲み干した。
そして、ふりむく。
「某神官は神学校を生意気にも首席で卒業して…再会したどっかのお姫
様は抱きついて祝福しましたとさ…」
281名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/11(木) 05:24:09.47 ID:zuzWUrQfO
以上にございます。

長文のお目汚し、誠に失礼いたしました。
282名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/11(木) 05:53:34.60 ID:2/H9DKx80
ちと今回尻切れとんぼ気味に終わってしまいましたが、クリフト視点の
後日談がちょこっとありますので、それも近いうち投下させていただけ
れば幸いに存じます。

ということで、失礼いたしました。
283名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/11(木) 19:45:21.69 ID:os/TbL/00
いや面白かったよ!
GJ
284名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/12(金) 00:56:50.68 ID:BZ2PVehQO
ちょっと大人っぽい姫さまも良いですね
GJです
285名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/12(金) 18:40:59.75 ID:89JAwJLh0
あ、GJがふたつもいただけてる!ありがとうございます!

>>283
もう少し姫様とクリフトの思い出話に重点を置けばよかったかと反省して
おります。
楽しんでいただけたようで何より、ありがとうございます。

>>284
自分が姫様を描くといつもこうなってしまうのです…
このスレの職人様のように可愛らしい姫様を描きたいのですが、なぜこう
なってしまうのやら…悩みどころです。
とにかく、ありがとうございます。
286名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/13(土) 01:54:24.79 ID:KQytHG1h0
クリアリ可愛いよクリアリ
SSGJ!
287名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/13(土) 04:44:36.43 ID:mSC7WOlE0
>>286
それは自分(←ガールズトーク投下主)へのGJと解釈してよろしいでしょうか…
SSというにはいささか長過ぎました、反省。

可愛いクリアリと見てくだされば幸いの至りに存じます。ありがとうございます!
288Girl's Talk翌朝 1:2011/08/13(土) 07:35:04.87 ID:mSC7WOlE0
「そうですか、そのようなお話が…」
 坊さんがため息をつく。
「姉が無理矢理聞き出してしまって…」
「ミネアさあ、何あたしだけのせいにしてんのよ。あんただって聞きた
がってたくせにさ」
 うー、頭痛っ。この残り方からすると昨夜のあの酒絶対安物だわ、あ
の酒屋のオヤジ、ぼったくるんだからまったく。腹立つなあ、本当に金
返せってのよ。
「アリーナはまだ起きてこないのかしら…私が起こした時は駄目だった
けど…」
「あーあの子駄目。完全に死んでる。叩いてもつねってもくすぐっても
起きなかったから」
「途中から完全に手酌だったものね…」
「あの子からすればこっぱずかしい話だもんね、飲まなきゃやってらん
なかったんじゃない」
「姉さんが無理矢理聞き出そうとするから…」
「だからあたしだけのせいにしてんじゃないって言ってんの。何でもあ
たしだけのせいにしてりゃすむと思って。腹立つなあ」
「自分が調子悪いからって当たり散らさないでくれない?」
 …坊さんが意味あり気にあたし達を見ていることに、あたしはふと気
づいた。意味あり気…何だろう、少し悲しげにさえ映るような。
「…何よ坊さん」
「あの方と私が、ご姉妹のように言いたいことを言い合える関係だった
ら…」
「ん?」
「あの時も、寂しいやら行かないでやら…素直に言っていただけたかも
しれませんね…」
 遠い目。
「…そうかね、あの子のことだからその手のことはどんな関係でも口が
裂けても言わないんじゃない」
「同意ですわ」
「そうでしょうか…」
「あんただって言われりゃ言われたで困ったでしょ」
「それはそうなのですが…それでも…口になされば少しは気も楽になら
れたでしょうに…それをいつも飲み込まれて…目の色や表情だけで訴え
かけられるほうが、受け取る側としては切ないですね」
 …あの可愛らしい顔で、なんも言わないでただ寂しげな表情だけで訴
えかけられられたらどう思うだろうね、そりゃ坊さんでなくても切なく
なるかもね。
「私の進学が決まってから、あの方の態度も…微妙にですが変わられま
してね、顔が合えばもちろん笑いかけてくださったりもしましたが…何
か言いかけておやめになる、そのようなことも増えましたっけね…」
「ふーん。何か言いかけてやめる、か、今もその癖あるよねあの子」
「ええ…ただあの頃は、あの方も今よりもう少しわかりやすかったの
で…笑顔の下に何を隠されているか、それぐらいのことは読み取れまし
てね。むしろあれは周囲がなぜお気づきにならなかったのか、それが不
思議です」
 坊さんはそう言って、その頃を思い出したのかかすかな笑顔を見せ
た。そして
「ただ…行かないでと言われてもお受けしかねる話でしたので…必ず帰
るとお約束するのがせいぜいでした」
 と続ける。
289Girl's Talk翌朝 2:2011/08/13(土) 07:40:06.08 ID:mSC7WOlE0
「それで、ちゅっ、とやったわけ」
「…あれは…」
 苦笑。
「最初は握手のつもりで手を差し出したのです」
「ふうん」
「…その手を取ってくださったまではよろしかったのですが、目を合わせるどころかこちらに顔を向けようとすらなさらず…よく見ると、涙をこらえておいでだったんですよね…」
「…あの子ならそうでしょうね…」
「何かその図が目に浮かぶね。現実的過ぎて怖いぐらいよ」
「それが…幼心にいじらしく映りましてね」
「…わかりますわ」
 …本当にわかってんのかねミネアは。ま、いじらしく映るだろうことはあたしも同意だけどさ。
「ただ…あれは明らかにやりすぎでしたね。せいぜい、抱きしめるに留めておくべきでした。姫のおっしゃるとおり、小生意気のそしりは免れますまい」
「…そうかね」
「…とおっしゃると…?」
「ちゅっとやったから、あの子あんたを忘れられずにいたんじゃないの」
「そうかしら…」
「何よミネア」
「確かに8歳の女の子にキスは衝撃的で忘れ難い出来事だったかもしれないけど…ただ握手だけでも、あの子はクリフトさんを忘れなかったんじゃないかしらね…」
「何よ、反省してるそばから全否定するようなこと言うんじゃないよ。ちと無神経なんじゃないの」
 …坊さんは不意に黙り込んで、微笑んだままただ何か記憶を手繰るようにうつむいた。そして
「どう…なのでしょうね…いずれそれは、姫に確かめさせていただきたいところかもしれませんね…」
 と呟く。
 …アリーナはまだ起きてこない。本当にもう、このまま死んでて置いてかれても知らないよ。
「坊さん」
「はい?」
「あんた起こしてきてよ」
「私が?…ご冗談を、殺されてしまいます。あの方の寝起きの悪さはご姉妹もよくご存じでしょう」
「何言ってんのよ、あんたは必殺技があるじゃん」
「必殺技…?」
「すっとぼけて。どーせ何回かやってんじゃないの」
 …いくら死んでても、坊さんから必殺技喰らえばあんただって復活するでしょ、アリーナ。
「いいから行ってきな」
「…かしこまりました」
 あたしが言いたいことをわかってんのかわかってないのか、とにかく不承不承の体で坊さんが出て行く。
 その背中を見送っていたミネアが、不意に隣に寄ってきた。そして
「姉さん…」
 と声をかけてくる。
「何よ」
「必殺技って?」
「見当つかないの、占い師のくせに。お堅いとその辺に対する勘も鈍るのね」
 …ミネアが何やら考え込んだようだった…そして、何か思いついたようにぷっと吹き出す。
「気づいた?」
「…あるかもね。確かにそれであの子起きるかもしれないけど、クリフトさん無事に戻られるかしら…」
「さーね。無傷じゃすまないかもしんないね。ま、待ってよ」
「…そうね…」
290Girl's Talk翌朝 3:2011/08/13(土) 07:42:24.74 ID:mSC7WOlE0
 …うー…頭…っていうか、目の裏がずしんと重苦しい。さっきから意識自体はあるにはあるけど、体を動かしたり目を開けたりするのがかったるい。
やだもう、今日はこのまま目をつぶってひっくり返ってたい。せめて午前中だけでいい。強いだけで質の悪いお酒飲むといつもこうなるのよね、てことは昨日のあのお酒、
マーニャはいいものだと言ってたけど、世に言うぼったくりに遭ったんじゃないだろうか…。
 やっとの思いであたしは寝返りをうつ。あううっ、もう嫌、最悪。こういう朝だけはお酒やめようと思うけど、勧められるとついつい飲んじゃうのよね、あたしの悪い癖だ…。
 誰かが部屋のドアを開ける。誰よもう、そっとしといてったら、お願い。
「姫」
 クリフトかあ…ああもう、昨夜あんな話しちゃったところなのに、よりにもよって、最悪。
「いつまで寝ておいでなのですか」
 …相変わらずのしかめつらしい態度にまた腹が立って、あたしは寝たふりを決め込む。
「いい加減になさったらいかがです」
 彼が近づいてくるのが気配でわかる。何よったらもう、勘弁してお願い。
 …不意に、耳元に、クリフトが何やら囁きかけてくる。
 …え。
「ちょっとっ!」
 だるいのを押して起き上がり、彼に枕を投げつける。
「朝から何てこと言ってくれんのよ!」
 あたしが投げつけた枕を胸に抱えて、クリフトが何事もなかったかのように微笑んだ。
「おはようございます」
「おはようございますじゃないわよ、もう…」
 なぜかその笑顔が直視できなくて、あたしはそっぽを向く。
「皆さんお待ちですよ、早く支度なさってくださいね。では」
 言いたいことだけ言ってクリフトが出て行く。
 …まったくもう、いつもしかめつらしいくせに、変なところでふざけるんだから。本当に何考えてるんだか、こっちがついて行けない。
 のろのろとベッドを出て、あたしは身支度を整えた…鏡を見たところで、ふっ、と唇に指をやる。
 起きてくださらないとキスしますよ。
 さっき彼はそう囁いた。
 …あのまま寝たふりしてたら……キス…されてたのかな…されてた…かもね…。
 頭を振って変な思いを振り払う。ええい、もういい、行こ。

「おはよー…」
「あら、おはようアリーナ、やっと起きてきたわね」
 ミネアが微笑む。
「ふーん、やっぱあんたを起こすのは坊さんに限るってわけか」
「…あのマーニャ…何が言いたいのよ」
 マーニャはあたしとクリフトを見比べて、ぷいっとそっぽを向いた。
「べっつにい」
291名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/13(土) 07:44:59.43 ID:mSC7WOlE0
調子に乗って、クリフト視点の後日談も投下させていただきました。
ちなみに1と2がマーニャ姉様一人称、3が姫様一人称です。
こちらも合わせてお楽しみいただければ幸いにございます。
292名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/13(土) 19:26:24.56 ID:bFjFHp5j0
>>291
GJです!
攻めクリフトなんだか新鮮でした!
後日談も楽しみ!
293名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/13(土) 20:07:06.47 ID:mSC7WOlE0
>>292
ありがとうございます!
自分は愛すべきヘタレクリフトがどうしても描けませんで。
どうしてもこんな感じになってしまうのです。
いえヘタレキャラも決して嫌いではないのですが…

楽しんでいただけたようで何よりです!
294名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/21(日) 23:40:44.88 ID:nhyESA8gO
ほしゅ
295名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/24(水) 07:47:54.01 ID:n4ZE9Ljq0
携帯のいたストモバイルで、9/12にようやくクリフトとアリーナが配信開始
IVキャラでは最後じゃないんだろうか、長かった…

マーニャとミネアとライアンでプレイしてても、姉妹とライアン間に固有の掛け合いがなくて残念
基本的にセリフは過去作からの丸写しっぽい
296名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/24(水) 21:42:47.29 ID:hez+00ac0
>>295
DSとWiiで登場してるから遅かったのかな?
それとも人気があるから、最後に出してそれまで契約を長続きさせようと…w

マリオコラボじゃなくて、ドラクエオンリーでレギュラーキャラ総出演のいたストをWiiで出して欲しかったね
297名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/24(水) 21:50:18.94 ID:n4ZE9Ljq0
>>296
マリオも大好きで夢の競演楽しかったから、コラボ大歓迎なんだけど
298名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/31(水) 09:01:53.84 ID:n2N7CKta0
今更かもしれないが、洗剤の
トップ クリアリキッドというのを見てドキっとした
クリアリのキッド・・・だと・・・?
299名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/31(水) 14:49:59.69 ID:RQq2dxRu0
>>298
その発想はなかったわ
300名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/31(水) 16:13:13.48 ID:s7OTOfvq0
>>298
「キッド」はとにかく「クリアリ」には普通に反応したな。
301名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/08/31(水) 16:26:41.37 ID:ttrPth82O
考えもしなかったぜ…
302名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/03(土) 12:38:03.80 ID:k37Eg49A0
このスレ、また活気が戻ってきたね
うれしいな
303名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/03(土) 13:12:01.18 ID:53FX64F+O
今、ドラクエ7やってるんだけど途中アリーナと会えるとこがあったらしいね
でも終盤だとあえないっぽい…
ラスダンクリアしてから知るなんて、ショックだ。
304名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/03(土) 19:26:20.65 ID:7Q2bMD0+O
7でも会えるんだっけ?
9じゃなくて?
305名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/03(土) 21:03:02.82 ID:53FX64F+O
>>304
なんかクレージュの世界樹のしずく屋さんに、いることがあるらしい
話しかけると「私は城から抜け出した姫じゃないわよっ」みたいなこといってくるみたい

ガセかな?
306名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/06(火) 01:48:20.51 ID:KM1W6g0VO
10が発表されたね
9みたいにクリアリ出てこないかな…
今回はコスプレは厳しいか?!
307名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/07(水) 20:02:47.62 ID:XyFunOjn0
女勇者でプレイした場合、若い男はクリフトしかいないんだなあ
他はみんなおっさんという
308名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/07(水) 21:19:20.33 ID:1tfJfj+YO
女勇者選んだ場合のクリフトは確実に苦労人だと思うw
逆に男勇者の場合は、同年代で仲良かったりしたら嬉しい。
309名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/08(木) 12:31:15.99 ID:Dy2FJ4orO
まったく同感。
女の子4人パーティだとクリフトは完全に戦闘後の回復係になりそうなイメージ
310名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/08(木) 18:36:17.55 ID:KBCtyW5yO
FC版のクリフトのセリフ
「ひめに もしものことがあっては このクリフト…いや おうさまが どんなに なげかれることかっ!」
たったこれだけで妄想が広がったっていうのが凄いよね
311名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/08(木) 22:35:15.15 ID:Dy2FJ4orO
>>310
うん
今のところ私の人生を狂わせた言葉の第一位だわ
312名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/09(金) 00:04:01.15 ID:mmBlnd2cO
クリアリは人生で初めて嵌ったカップリングだよ…。
良い意味で人生狂わせてもらえましたw
313名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/09(金) 00:10:43.22 ID:tgYegR0o0
>>310
あーでも改めて見るとコレは明らかに…w
よくぞこの台詞にしてくれた。感謝
314名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/09(金) 00:14:39.88 ID:qiwZyjlL0
初めて二次創作に手を出したカップリングがクリアリだ
姫と聖職者の恋って色々障害がありそうだけどそこに萌えてしょうがないよ
315名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/12(月) 13:35:42.80 ID:k8GRuAJs0
>>310
「このクリフト」の後の「…」が「………」くらいの長さになっているのがツボなんだよな
316名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/12(月) 20:38:23.17 ID:08QrA9Ef0
そうそう
「このクリフト………。」て勢いで言ってしまってハッと気づいたって感じ
ずっと秘めておくつもりだったんかねぇクリフト
リメイク版じゃダダ漏れになってるけど
317名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/14(水) 09:27:51.12 ID:CK2VQL3XO
悲恋と切ない系は悲しい気持ちになるからキライなの・・・
でも涙ながらに読んじゃうの・・・
ひょっとしてこれって本当の気持ちに気づいてないだけ?
318名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/14(水) 17:09:04.19 ID:yJoxhTJc0
>>317
悲恋ものと切ない系は嫌いなのは自分も一緒。

そんな自分が妄想するのはやっぱりクリアリのロイヤルキスなのよ…
319名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/14(水) 17:36:54.37 ID:93VMkbUY0
携帯のいたストモバイルにクリアリ配信開始
セリフはPSの流用っぽい、顔グラと駒ドットは新規
クリフトの表情がクールイケメンで惚れる
320名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/14(水) 23:34:31.76 ID:yJoxhTJc0
総合スレでこのようなカキコを見つけたんだが、このスレの住人のカキコ
じゃないよね…


852 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ メェル:sage 投稿日:2011/09/12(月) 21:08:12.42 ID:p7oIGiGH0
エンドール大会の逆バージョン?で「優勝してあたしに挑戦して勝ったら結婚する」みたいな、一応サントハイム王になれる特典あるし


859 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ メェル:sage 投稿日:2011/09/12(月) 23:06:10.45 ID:lSevdo+30
>>852
クリフトが大会に出場して優勝
「クリフト、どうして?」と動揺するアリーナに
「ずっとあなたが好きでした。あなたを他の男になど渡したくない」と告白するクリフト
で、クリフトがアリーナに挑戦して勝ってめでたし、めでたし。
321名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/15(木) 08:09:16.75 ID:TISl87/aO
>>320
うわーまったく似たようなネタでSS書いてたことある。
みんな同じようなこと考えるんだね。
322名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/16(金) 01:33:10.63 ID:04rgpX3HO
アリーナに勝つって並大抵じゃ無理だろ
まさかアレ唱えたのか
323名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/16(金) 04:10:27.06 ID:SCiiT4QF0
>>322
たぶんそうなんだろうがw
個人的には
・クリフト返り討ち
・勝ち名乗りを受けたアリーナが救護室にすっ飛んでいって意識を失っているクリフトに「…呪いを受けて100年の眠りについたお姫様が迎えに来た王子様のキスで目覚めて大団円なんてのは昔聞いたおとぎ話なんかでよくあるけど逆は効果があるかな」とクリフトにキス
・意識を取り戻したクリフトにすがりついて「勝つには勝ったけどやりにくかった、あなたを敵に回したくない、あたしにはやっぱりあなたが必要なのよ!」と号泣
・大団円
なんて展開が理想。
324名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/16(金) 22:13:01.95 ID:04rgpX3HO
ミントスで倒れたクリフトにアリーナが失意の中洞窟から帰ってきて
目を覚まさないクリフトにアリーナが泣きながら目覚めのキスをする妄想がめちゃくちゃ好き
325名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/17(土) 01:47:24.72 ID:3aJwjs+M0
ゲームショウのスクエニブースにあるらしい
ガンガン作家の誰が描いたんだろう?
ガンガンオンラインで9/29公開予定

http://www.facebook.com/photo.php?fbid=265144276840497&set=a.264274313594160.64368.236792046342387&type=1&ref=nf
これで見れるのかな?
326名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/17(土) 18:40:08.56 ID:e3/StdJB0
お久しぶりです以前従者と名乗ってみた者です。
始めにwiki管理の方、名乗ってさっそく従者として登録をいただき恐縮です、ありがとうございました。
作品を読んで下さった方も本当に感謝です。筆がはやいと言われたそばから遅筆で申し訳ない。

いつも忘れかけたころの投下で恐縮ですが、>>105-116>>128-139の続き、
PS版のセリフ(ストーリー)をなぞらないSSアリーナ視点「恋をしては……恋をしても……」後編行きます。

期間が空いてしまったので簡単にあらすじを。
エンドールへの旅立ちを控えた前日、お城の自分の部屋では眠れなかったので教会に泊まりに行きました。
クリフトを左手に寝かせお城のニブい神父さんを右手にはべらせ三人ベッドで川の字状態から始まります。
話の流れでニブい神父さんとの抱擁シーンあります。苦手な方はどうかご容赦を……。ではどうぞ。
327恋をしては……恋をしても…… 後編 1/14:2011/09/17(土) 18:41:41.01 ID:e3/StdJB0
それから私は神父さまといろんなお話をした。
目が覚めて眠れなくなっちゃったって言ったらそれは申し訳ありませんって、眠くなるお話でもしましょうかなんておっしゃって。
さっきの続きで、私とクリフトの小さい頃の話とか旅に出てからの話とか。クリフトの○○は神父さま譲りって話で盛り上がった。
神父さまって、クリフトと親子みたいって言うととっても嬉しそうなお顔をするの。
親になった覚えはないんですけどねって言いながらとっても笑ってるの。きっと神父さまはクリフトのことが大好きなんだわ。

「ですがクリフトの基礎を育てたのはサランの神父様ですよ」
「えーサランの神父さまー?やだー、私あの人キライなのよね。だって、なんだかとってもお堅い感じなんですもの。
なんていうか、マニュアルどおりって感じ!じいや大臣とおんなじ空気を感じるわ。シスターも気ぜわしくすたすた歩くし」
「マニュアル通りですか。これは言われてしまいましたね」
「私が初めて旅に出た時だって、久しぶりに会ったのにあいさつもなかったのよ?私はちゃんとお久しぶりですって言ったのに。
そなたがここへ来たのも神のなんちゃらら、どんなご用じゃな?って。ちょっと気分悪いわ。失礼しちゃう。
クリフトには何か話してたのに、そのあと会ったらクリフトにまでおんなじ対応なの。
たのもしき神のなんちゃらら、どんなご用じゃな?って。ほんと失礼しちゃう。きっと私のことなんてどうでもいいのね」
「そんなことはないと思いますが……彼は誰よりも礼節を重んじる方ですし、まして姫さまとあれば。
ですがその時はお忍びの旅だったのですし、姫さまの名を呼ばれなかったのはかえって好都合だったのではありませんか?」
「あーそれクリフトにも言われたー」
「おや、同じことを言ってしまいましたか」
「確かにそうかもしれないけど、なんか、知ってる人なのに初めて会った人みたいにあいさつされるのはいやなのよ……。
サランではいちばんよく知ってる人だし、クリフトの先生なんだし、サランの神父さまにだけはほんとのこと言おうと思ってたのに」
「なるほど……。そうですね、最初のあいさつくらいは欲しかったですね」
「うん……」

「彼は昔から、一度決めたことは徹底する几帳面な方でした。その分融通がきかない面もあるのかもしれません」
「そうよそれよ!融通がきかなすぎるんだわ!あ、わかった!クリフトがかたっくるしいのはサランの神父さま譲りなんだわ!」
「これこれ姫さま、声が大きいですよ」
「あっごめんなさいっ」

私はあわててクリフトを見た。クリフトは起きない。大丈夫だったみたい。よかったー。

「しかし……堅苦しいのはサランの神父様譲りで座って寝るのとお節介は私譲りですか。いいところが一つもないじゃありませんか」
「えー」
「姫さまお願いです。どうか私たちの名誉のためにも、クリフトのいいところをいくつか挙げてくださいませんか?」
「えー?」

クリフトのいいところー?そんないきなり言われたって。うーん。
328恋をしては……恋をしても…… 後編 2/14:2011/09/17(土) 18:42:20.64 ID:e3/StdJB0
「えっと……や、やさしいわ」
「ほう。たとえばどんな時にs「あとっあとはーっ……えーとね……あっ高いとこが苦手!」
「……それはいいところなのでしょうか」
「えーとね、守ってあげなくちゃって気にさせるのっ」
「…………んー…………」

神父さまがうなっちゃった。なんでだろ。なんとなくもう一度クリフトを見てみたけどクリフトは相変わらず私をぎゅってしたまま寝てた。
これだけしゃべってるのに起きないなんて、クリフトって意外と鈍感なんだわ。

「ほかにはありますか?」
「ほかー?うーん、あっ頭はいいわ」
「ああ、それはサランの神父様譲りも大きいですね。彼はとても博識ですし勉強の教え方も丁寧でわかりやすいですし。
クリフトはもともと利発な子でしたからすぐ吸収したのでしょう。神学校を主席で卒業、ふたりの力があってこそでしたね」
「えー」

「……どうしてそんなにサランの神父さまのことかばうの?」
「おや、そっちを聞きますか。別に庇っているわけではありませんが……ただ彼のことを詳しく知っているだけですよ。
彼とは神学校の同期生ですからね。今でも定期的に会いますし」
「どうきせい?」
「ええ、10年近くも一緒に生活していたのですよ。同期といっても年は私のほうが上なんですけどね」

――彼はとても真面目で成績優秀、皆の模範となる特待生でした。私は最後の最後まで成績で勝てたことは一度もありませんでした――

なつかしそうに話す神父さま。心なしか嬉しそうにも見える。なんか……なんかつまんないの。

「私は神学校では学校一番の不良だったのですよ」
「不良ー?ダメじゃない」

神父さまがくすくす笑った。

「ええ、ダメダメだったんです。どうしても勉強に興味が持てなくてですね、授業は出ませんでしたし宿題も出しませんでしたし、
勉強の話をしてもすぐ脱線してしまいますし、人の話は聞きませんし、挙句の果てには隙をついて外に飛び出してしまいますから、
それはそれは先代のお手をわずらわせる悪い子でした。
今でもその癖は残ってますねえ。最近はクリフトのおかげでやっと構内でのまともな講義が多くなりましたが」
「えーでも私神父さまのお外でのお勉強好きよ。クリフトがサランにいた時は連れてってもらえたからぜんぜんつまらなくなかったし」
「そうですか?そう言っていただけると救われますよ」
329恋をしては……恋をしても…… 後編 3/14:2011/09/17(土) 18:43:04.16 ID:e3/StdJB0
「だって私今でも覚えてるもの。神父さまが初めてお外で教えてくれたお勉強。
お空がこんなに澄んでるのはなんでだろうって。海がこんなに青いのは、葉っぱがこんなに緑なのは、風がこんなに気持ちいいのは。
それはみーんな神さまがそのようにお作りになったからだって。
でもひとつだけ神さまが思い通りにお作りにならなかったものがあるって。それが人の心ですよって。そのあと草の上でお昼寝したのよねっ」
「そうでしたっけ。嬉しいですよ。そんな過去のことを覚えていてくださるなんて」
「神父さまの聖水のまき方がすごーくカッコよくて、夜寝る時いっつもまねしてたんだから」
「そんな、夜もまねしていたのですか。恥ずかしいですよ」

神父さま嬉しそうに笑ってる。私も嬉しくなってきた。

「あとねあとね、クリフトと初めて3人でお勉強した時のことも覚えてる!
クリフトったらぶあっつい教科書持ってくるから私はお外でお勉強したいってけんかになっちゃって、そしたら神父さま大爆笑してたわよね。
あなた方にはまず講義とは何かからお勉強しなければなりませんねって。
それで結局お外に出たのよね。あの時のクリフトの引きつった顔おかしかったー。外でする講義など聞いたことがありませんって」
「よく覚えてますねえ」

しゃべっててはっとした。そうだ、神父さまが初めてお勉強を教えてくれた時がクリフトのいない時だったんだ。
クリフトと初めて3人でお勉強した時はクリフトがお城に戻ってきてからのこと。
そうよ、どうして今まで思い出せなかったんだろう。なんでクリフトといっしょにいた記憶しかなかったんだろう。うーん。
そんなことをぼんやり考えてたら神父さまの手が少し震えた。私は思わず神父さまを見る。

「神父さま震えてる。寒いの?」
「おや、そうですか?寒くはないはずですが……もう少しおふとんをしっかりかぶってみましょうか」

神父さまは手をほどいておふとんを口もとまでかぶった。私はすき間が空かないように神父さまをひっぱる。
そんなに近づいたら恥ずかしいですよって神父さまがおっしゃったけどすき間が空くと寒いのよって教えてあげて私はもっとひっぱった。
クリフトも冷えるといけないからおんなじようにひっぱる。みんなで密着ー。
なんだか神父さまとクリフトを守ってあげてる気分。やっぱり寝るときはまんなかにいるのがいちばんだわ。

「神父さまーもう一回手つなご?」
「…………」
「つなごー?」
「……姫さまは甘えんぼさんですねえ」
「えーいいじゃない、つなぎたいんだもん」

神父さまは笑いながらもう一度手をつないでくれた。
なんでだろ、私神父さまの前だとすっごく素直になれるの。思ったことなんでも言える。甘えんぼって言われてもぜんぜんいやじゃないし。
クリフトの前だとすぐつんけんしちゃうのに。反対のこと言っちゃう時もあるのに。なんでだろ。
クリフトの前だって思ったことなんでも言えたらいいのに。いっつも迷惑かけてごめんねって。いっしょにいてくれてありがとうって。
これからもいっしょにいてねって。……だめ。やっぱり言えない。なんか悔しい。よろしくって言うのでせいいっぱいだわ。
330恋をしては……恋をしても…… 後編 4/14:2011/09/17(土) 18:43:56.18 ID:e3/StdJB0
そのあとも私はなんだか話し足りなくて神父さまといっぱいお話をした。
神父さまのお話がおもしろくってぜんぜん眠くならないの。お勉強に興味がなかったり外に飛び出したりするところが私と似てるからかな。
たまにサランの神父さまのお話も出るからちょっといやだけど、それでも私はお話に夢中になった。

「私が授業をずる休みした日、彼はよく休んだ分の内容を教えてくださいましたね。
私が中途半端に年上だものですから、それはそれは気をつかって教えてくださいましたよ。教えている立場なのに私が聞き返すと謝るんです。
思わず笑ってしまいましたよ。そういえば、クリフトもよく謝りますねえ。こんなところまで似なくていいと思うのですが」
「そうそう!さっきだってもうあきれるくらい謝ってたのよ?」
「おや、そうですか。きっとクリフトなりには思うところがあったのでしょうね」
「ちがうわ。くせなのよ、くせ」
「そうですか?」

あ。また反対のこと言っちゃった。あの時クリフトはとてもしずんでたのに。きっと本気で謝ってたのに……。
どうしてこうなっちゃうんだろう。やだな、もやもやする。なんだかもういやんなっちゃった。神父さまにお話の続きをおねだりしよう。
そしたら神父さまにどうかしたのですかって言われちゃった。思わずなんでもないって答える。うーん……
これじゃまるで私がクリフトみたいじゃない。でも神父さまはそれ以上はなんにも言わないでお話を続けてくれた。

「その後も私があまりに授業をずる休みするものですから、彼はいつからか私の分までノートをとって渡してくださるようになったのです。
さすがにこれはいかんと思いましてね、それから3回に2回は授業に出るようになりました。私もちょっとだけ真面目になったんです。
根性もつきましたねえ。今の私がここにあるのは彼のおかげでもあるのですよ。まったくもって、彼には頭が上がりません。
「えー……そんなにすごい人なの……?」
「人は一度会っただけではわからないものですよ」
「んー……」
「ですが、そんな彼でも欠点はあるのですよ」
「え?どんなどんな?」

私は思わず身を乗り出した。

「例えば、彼の非常時における解決策の引き出し。普段は数え切れないほどあります。何が起こっても動じることはありません。
ですが、その引き出しにも限界はあるのですよ。予測不能なことが起こった場合には、逆に思わぬ行動に出てしまうかもしれません。
これはクリフトにも言えることですねえ」
「え、そうなの?例えば例えば?」
「例えば、そうですね……」

「例えば今夜のように、あなたがネグリジェ姿にまくらを持って「ここで寝ちゃだめ?」などと現れようものなら、さしもの彼もあわててしまうでしょう。
クリフトはものの見事に取り乱してしまいましたね」

あ。
331恋をしては……恋をしても…… 後編 5/14:2011/09/17(土) 18:44:40.21 ID:e3/StdJB0
「そっか……」
「特に胸元が第2ボタンまで外れているのは相当攻撃力が高いです」
「え、外れてた?」
「ええ、見事に」

私はあわてて胸をぎゅっとしめた。やだ、兵士にみね打ちした時に外れちゃったのかな。急いでボタンをとめる。

「えーでもサランの神父さまとはいっしょに寝たくないなー。寝るまでずっとお説教を聞かされそう。
それにサランの教会までまくらを持ってくのはちょっと恥ずかしいわ」
「例えばの話ですから本当にしなくてよいですよ」
「そっか。でもボタンを外しておくと攻撃力が高いのね。守備力は落ちそうだけど。今度クリフトにお説教されそうになったらやってみるわ」
「なんと、それはいけません。クリフトはこの手の攻撃に対する守備力は皆無でしょうから無闇に使っては瀕死の状態になってしまいます」
「え、そんなに?」
「ええ。それは女性だけが持つ対男性用の必殺技です。ですが万一失敗した場合には攻撃が倍になって返ってくる諸刃の剣なのです、
無闇に使ってはいけませんよ」
「はーい」

女性だけが持つ男性用の必殺技かー。ボタンを外すだけで攻撃力が上がるなんて聞いたことないけど。
あ、でも。

「えへへ。そっか。神父さまも少し取り乱してたもんね。それだけ攻撃力が上がってたってことなのね」
「……………………」
「?神父さま?」
「姫さま……」

「あなたはもう少し、ご自分の魅力に気づいたほうがいいかもしれません」
「えー私に魅力なんてないわよ。私はおてんば姫だもん」
「何をおっしゃいますか。そんなことありませんよ。姫さまはとても魅力的な女性です」
「えー」

そんなふうに言われるとなんだか照れるわね。えーと、早いとこ話題を変えよっと。あ、待って、やっぱり……

「神父さまやっぱり震えてる。大丈夫…?」
「……こまりましたね、年のせいでしょうか。まだまだ若いつもりだったんですけどね」

神父さまは私に苦笑いしてみせる。

「大丈夫ですよ。たまにこうなるのです。いつものことですから心配はいりませんよ」

いつものこと……。そうなんだ。でもなんだか切ないわ。手が震えてしまうのがいつものことだなんて。
332恋をしては……恋をしても…… 後編 6/14:2011/09/17(土) 18:45:21.45 ID:e3/StdJB0
「それはそうと、明日サランの教会には寄られますか?」
「え?あー、クリフトがサランの神父さまにごあいさつに行きたいって言ってたから行くと思うわ。私はあいさつなんかしないけど」
「そうですか。ですがどうせ行くのでしたらこの機に聞いてみてはいかがですか?どうして最初にあいさつしてくれなかったのかと」
「あの人は、どんな用事かしか聞いてこないんだから、私も用事がある時しか行かないの!」
「ふむ、そうですか」

「そうだ。神父さまが戻ってきたら聞こうと思ってたことあるの」
「おや、なんでしょう?」
「神父さまは、どうしてクリフトに何も求めるななんて言ったの?」
「?そんなこと言いましたっけ?」
「言ったわよ。神を求めよって、何も求めるなってことなんでしょ?」
「……ああ」

神父さまは思い出したみたいにうなずいた。

「あれはそういう意味で言ったのではありませんよ」
「じゃあどういう意味で言ったの?」

神父さまはちらっとこっちを見た。なんかにこにこしてるし。むー。

「姫さまはこちらでお休みになることを望まれた。そしてクリフトも……いつでも姫さまのお側にいることを望んでいた。
神は今正にその状況をお許しになったのですから、何も悩むことはない、自然に身を委ねなさいと、そういう意味で言ったのですよ」
「……クリフトが、私のそばにいることを望んでた?」
「ええ」
「どうしてそんなことがわかるのよ。確かに嬉しいとは言ってくれたけど、最初はすっごくいやがってたし、あ、でも……」

でも……。

――お願いです、どうかおそばにいさせてください!――
――私はいつでもおそばに控えております。どうぞ思うままにお進みください――
――私はただ、おそばに……――


――おそばに……――


「私には、クリフトの気持ちが痛いほどよくわかるのですよ。私も…………
いえ、今はこんな老いぼれですが、私にもクリフトと同じ年の頃がありましたからね」

クリフト……クリフトの気持ち……。
そうよ、確かにクリフトは私のそばにいたいって言ってた。そばにいますって。きっと、何回も言ってた。
どうして気づかなかったんだろう。どうしてそんなに私のそばにいたいんだろう。
いっしょに強くなりたいから?強くなって私を守りたいから?でもそれは、私が姫だから?でも、姫じゃなかったらって話もしてた気がする。
私はクリフトを見た。相変わらず私に寄り添って寝てるクリフト。鈍感なクリフト。
333恋をしては……恋をしても…… 後編 7/14:2011/09/17(土) 18:46:02.38 ID:e3/StdJB0
「寝ているのを起こすのも何ですから、明日聞いてみてはいかがですか?
どうして姫さまのおそばにいたいのか、どうして最初はおそばにいるのを嫌がったのかを」

明日……。

「……うん……そうする」

神父さま笑ってる。神父さまはクリフトの気持ちがわかるんだ……。
でもそれなら神父さまが教えてくれればいいじゃないって言ったら、どうかそれはクリフトから直接聞いてくださいって言われた。
直接本人から聞いたほうがもっと気持ちがよくわかりますよって。私は今知りたいのにな。
明日クリフトに聞くことがいっぱいだわ。今のうちに頭の中を整理しとこう。朝起きたら真っ先に聞いてやるんだから。
あ。そういえばもう一つ神父さまに言うことあったんだ。

「神父さまー」
「なんでしょうか」
「その……ごめんなさい……」
「?なにがでしょうか」
「兵士たちはみんないなかったってうそついちゃったから……」
「……嘘だったのですか?」
「うん……」

神父さまがこっちを見た。てっきりお咎めを受けると思ったのに、神父さまはまたにこにこしてたの。

「姫さまは正直ですね。それはとてもいいことです。ですが、姫さまのおっしゃったこと、あながち嘘でもありませんでしたよ?」
「え?」
「兵士たちは皆うたた寝をしていたのですよ。よく捜さなければ気づかずに通り過ぎてしまうくらい壁の隅のほうで」
「あ、ちがうの。あれは私がみね打ちしちゃったからで、みんなはちゃんと見張りをしてたの。みんなはなんにも悪くないの」
「姫さま」

神父さまは優しくほほえんだ。ちょっとドキッとしちゃった。

「姫さまは本当に正直者です。嬉しいですよ。その気持ちはどうか、兵士たちに直接伝えてくださいませんか?きっと伝わりますから」
「……兵士たちに……?」
「ええ」

…………。

「……うん……わかった」

神父さまは小さくうなずいた。やっぱり笑ってる。てっきり怒ると思ってたのに。お城の神父さまはやっぱり不思議な人。
334恋をしては……恋をしても…… 後編 8/14:2011/09/17(土) 18:47:01.71 ID:e3/StdJB0
「それから姫さま、一つ覚えておくといいですよ。
嘘をつくのは確かに褒められたことではありませんが、生きていく上で時には嘘をついてしまうこともあるものです。
また、嘘をつかなければならない時、嘘をついたほうがいい時も、時にはあるのですよ」

あ。そういえばお父さまがご病気になった時知らせに来てくれた兵士には結局うそついたんだった。
じいがうまくごまかしてくれて、クリフトがすぐ治るからって言ってくれて。

「そんな時は、半分本当を入れることです。
一から嘘をつこうとしたらそれは本当の嘘になってしまいますから、自分にも相手にもあまりよい結果をもたらしません。
どうしても嘘をつかなければならない時は、半分本当を入れてみてください」

半分本当を入れる……?
でも……。

「でも、うそってついてもいいものなの……?」
「ええ。どうしても嘘をつかなければならないと、心からそう思った時には、ついてもいいのです。いっそ堂々とつきましょう。
ただし、ばれて困るのは自分ですから、嘘をついた時には絶対にばれないようにしなければなりません。
また、ばれてもあまり困らないようにしておくとなおいいですね。そのために半分本当のことを入れておくといいのですよ」
「…………」
「ということで、明日は早めに起きてお部屋に戻りましょう。あまり大事になってせっかくの旅立ちに支障が出てはおもしろくありませんから」
「あ、そっか」
「それでもばれる時はばれてしまうものです。もしばれてしまったら、クリフトと3人で正直に謝りましょうね」
「はーい」

そっか。ここにはこっそり来たんだものね。神父さまがあんまりまったりしゃべるから忘れるところだったわ。
でも、うそをついてもいいなんて、そんなこと言うの神父さまくらいじゃないかしら。本当に不思議な人。ちょっと変な人?
あ、待って、やっぱり……やっぱり変よ、やっぱり神父さま震えてる。私は神父さまの手をぎゅってした。やっぱり震えてる……。

「姫さま?」

神父さまがびっくりしてこっちを見た。私は構わず腕にも触ってみる。

「姫さま…っ」

腕も震えてた。肩も……。もしかして神父さま、全身が震えてるんじゃ……?
そう思ったら背筋がぞくってなった。

「神父さまぁ……」

私は神父さまを見た。手も腕もぎゅってする。でも神父さまは私から目をそらした。神父さま、どうして……?
335恋をしては……恋をしても…… 後編 9/14:2011/09/17(土) 18:47:44.52 ID:e3/StdJB0
「……申し訳ありません、こんなはずではなかったのですが……」
「どうして神父さまが謝るの?神父さまはなんにも悪くないわ」
「………………」

神父さま、心なしかお声まで震えてる気がする。どうして……。そういえば、以前神父さまがおっしゃってた言葉……

――胸さわぎがして眠れません――

「神父さま、まだ胸さわぎするの……?」
「……………………」
「……神父さま……?」

「ああ、これはシャレにならない」
「や、神父さまっ」

私は神父さまにしがみついた。神父さまが手をほどいておふとんから出ようとしたから。

「姫さま……」

向こうを向く神父さま。ちらっと見えたお顔はもう笑ってなかった。

「大丈夫です、上着を持ってくるだけですから」
「……上着……?」
「ええ……」

上着……なんだろう、違和感……なんでだろう、私は違和感を覚えた。
この手を離したらもう二度と神父さまはベッドに戻ってきてくれないような気がした。だって……だって……
だってそう、さっき神父さまは寒くないって言ってたもの。
私は神父さまにもっとしがみついた。ぜったい離さない。離したくない。せいいっぱい引き止める言葉を考える。

「神父さまお願い、ここにいて。寒いのなら私があっためるわ。だからここにいて」
「姫さま……」
「お願い神父さま……」
「…………」
「ここにいて……」
「………………」
「お願い…………」
「……………………」
336恋をしては……恋をしても…… 後編 10/14:2011/09/17(土) 18:48:26.24 ID:e3/StdJB0
神父さまは向こうを向いたまま黙ってる。でもそのうちきっと返事をくれるはず。私は待った。
そしたらずいぶんたって小さく声が、
ああ、あなたはどうして……そんな声が聞こえた気がした。きっとつぶやいたのは神父さま。それからやっとこっちを向いてくれた。
お顔はやっぱり笑ってなかった。苦しそうなお顔。息も少し乱れてて……

「……では、今夜、今夜だけ……ご無礼をお許しいただけますか?どうかこの老体に、ご慈悲を……」

震えてる神父さま。やっぱりお声も震えてる。さっきとは別人みたい。神父さま……

「うん、いいよ……。なんでもいって、なんでもするから……」
「姫さま……」

神父さまが私に手を伸ばしてきた。ゆっくり……

「……姫さま……」
「んっ」

私は神父さまに抱きしめられた。全身がぞくってなった。寒くないのに鳥肌が立って、神父さまの体の震えが全身に伝わってきた。
神父さまが私から離れようとする。思わず神父さまの服をつかんだ。あわてる神父さま。おびえた目をしてるのがわかった。

「神父さま、どうして離れるの?私がびくってなったから…?」
「…………っ……」
「やっ」

私は服をひっぱって神父さまをぎゅってした。今度は神父さまがびくってなる。神父さま、さっきよりもっと震えてる……っ

「姫さま……いやではありませんか……?」
「大丈夫。いやじゃないよ……」
「姫さま……」

だって、だって神父さま、こんなに震えてたのに、こんなに苦しそうなのに、ずっとおしゃべりしててくれた……。
私は神父さまをもっとぎゅってした。

「っ……」
「大丈夫……大丈夫だから……」
「………………」

お願い止まって。誰かこの震えを止めて。お願い…!
クリフト!クリフトは!?
337恋をしては……恋をしても…… 後編 11/14:2011/09/17(土) 18:49:14.61 ID:e3/StdJB0
「姫さま……」
「大丈夫……大丈夫よ……もう大丈夫だから……」
「……………………」
「クリフト!ねえクリフト起きて!」

私は神父さまをぎゅってしたままクリフトを呼んだ。でも声がかすれちゃった。もっと大きな声で呼ばないと。
叫ぶくらい大きな声で呼べばいくら鈍感なクリフトだって起きるはず。
そしたら神父さまが。神父さまが私を呼んだの。小さく首を横に振って、指をそっと自分の口もとに当てて。静かに、の合図…?
神父さま、どうして……。
それからもう一度私をぎゅってした。優しく、そっと……。震えは止まらないけど少しだけ呼吸は落ち着いたような気がする。
少しして神父さまが話し始めた。ゆっくり……

「あなたはこちらにいらした際、寂しくて眠れないと言いましたね」
「ん……」

神父さまは小さく笑った。

「寂しいのは私もです…」

――今こうしてあまりに手の届く場所にいますと、どうしても、どうしても別れがつらくなってしまうのです。
遠くに行かせたくなくなってしまうのですよ。おかしな話でしょう。人の歩む道はすべて神の思し召しだというのに。
ですからずっとこまっていたのですよ。こまってばかりで、本当に困ってしまいますね……――

「クリフト……」

神父さまは私の後ろに手を伸ばした。きっとクリフトに手を伸ばしたのね。
無意識だったのかな、クリフトが私にもっと近づいた。あ、そうか。今私のすぐ後ろにクリフトもいるんだ。
私、ばかだったな。
ふたりを守るにはまんなかにいるのがいちばんいいと思ったんだけど、よく考えたらまんなかっていちばん守られる場所でもあったんだ。
私は今神父さまとクリフトに守られてる、そんな気がした。

「……………………」
「…………」

神父さま……。
神父さまがずっと困ってたの、寂しくなっちゃうからだったんだ。私がここに来たからほんとはいやで困ってたんだと思ってた。
そうじゃなかったのは嬉しい。嬉しいけど……
私がクリフトを連れてっちゃうから?だから神父さまは……でも神父さま、今まで寂しいなんてお顔少しもなさらなかった。
338恋をしては……恋をしても…… 後編 12/14:2011/09/17(土) 18:50:01.69 ID:e3/StdJB0
「神父さま、私……」
「………………」
「…………」
「……ああ……」

神父さまは私の肩にお顔をうずめた。

「……申し訳、ありません……。よけいなことを、しゃべって……」
「ううん、そんなことないよ、神父さま……」
「姫さま……」

お顔を隠しててもわかる。神父さま、とっても寂しそうなお顔をしてる。お声も泣きそうなお声をしてるもの。
どうすればいいんだろう。どうすれば神父さまは笑顔になってくれるんだろう……。そうだ!私はいいこと考えた。

「ねえ、神父さまもいっしょにエンドールに行きましょうよ!私が武術大会で優勝するところを見せてあげるわ!」
「姫さま……」
「ねっ?」

神父さまが笑った。消えてしまいそうなもどかしい笑顔。

「そういうわけにはいきませんよ。この教会を必要としてくださっている方もいますからね。長く留守にするわけにはいきません」
「えー」
「ありがとう、姫さま。あなたはとても優しい方ですね」
「私は優しくなんかないわ」
「いいえ、とても優しい方です……」

――明日からまた遠方へ旅立つというこの大切な日に、大切な夜に、共に過ごす相手が、王ではなく、侍女でもなく、
クリフトを選んでくださったということ、クリフトと過ごしてくださった……もう、なんと申し上げればよいか……――

「クリフト…?」

クリフトを選んで?過ごして?神父さま、何を言ってるの……?
私がここに来たのはたんにお父さまといっしょに寝るのが恥ずかしかったからで、クリフトを選んだなんてそんな気持ち少しも……
頭の中がぐるぐるする。

「ああ、ですが、クリフトもいずれは……いえ、もうすでに……。私たちの時代はもう……」
「………………」
「それでもやはり、嬉しいのでしょうね、私は……」
339恋をしては……恋をしても…… 後編 13/14:2011/09/17(土) 18:50:48.23 ID:e3/StdJB0
神父さま……?
神父さまは私を見て優しくほほえんだ。でも私は胸がずきってした。
なんで……なんで言えないんだろう。いつもみたいに、それどういうことって、なんで聞けないんだろう。
クリフトとはそんなじゃないわって、たまたまここで寝たいって思っただけなのよって、なんで言えないんだろう。
言葉が出てこない。
神父さまはゆっくりと上を向いた。

「世界は光であふれています」

「あなたたちがこれから歩んでゆく世界にはたくさんの希望と、試練が待ち受けていることでしょう。
時に道を見失い、さまよい、後戻りや遠回りをすることもあるかもしれません。
ですが、決して進むことを諦めてはなりません。
たとえ目の前が闇に覆われようと、進む先には必ず光があります。夜が来ても必ず朝が訪れるように」

――世界は光であふれています。その光に向かって共に歩んでゆきましょう――

神父さま……。
いつの間にか震えは止まってた。神父さまが私のほうを向く。

「姫さま、ありがとうございます。今夜はやっと、やっとぐっすり眠れそうです」
「うん……」

神父さまがもう一度私を優しくぎゅってしてくれた。クリフトも……ずっと私のそばにいてくれた。
ふたりを守ってたつもりだったのに、なんでだろう。今は守ってるような気がしない。ぜんぜんしない。なんでだろう。
なんだか悔しい。悔しい……。

「神父さまー……」
「なんでしょうか」
「神父さまもクリフトも、私が守るからね」
「……姫さま?」
「今度はちゃんと、守るからね」
「…………」

「はい、姫さま。まもってください」
「うん!」

神父さまが甘えるようなお声で言うから元気よく返事しちゃった。
神父さま笑ってる。もう一度私の肩にお顔を寄せてそっと目をつむった。もう震えてない。私から離れようとしない。ほんとに大丈夫なんだ。
なんだかほっとした。私が震えを止めさせたわけじゃないし、難しい話はなんだかよくわからなかったけど、それでもやっぱりほっとする。
ほっとしたらなんだか私も眠くなってきちゃった。おんなじように目をつむる。
340恋をしては……恋をしても…… 後編 14/14:2011/09/17(土) 18:51:29.54 ID:e3/StdJB0
「おやすみなさい、姫さま」
「うん、おやすみなさい、神父さま」

神父さまの震え、止まってよかった。本当によかった……。今度は私が守るからね。
ぜったい守るからね……。


「王よ……。先のことがわかりすぎてしまうのも考えものだと思いませんか?」

神父さまがなにかしゃべってる……。うまく聞き取れない……。

「ええ、わかっておりますとも。だからこそあなたもこの子たちを……。われわれも、できる限りのことはやってみましょうか」
「んー……それどういうことー……?」
「姫さま……」
「んー…………」
「……そうですね、姫さま……」

――ずっとこうしていたいということです――

神父さまにもう一度抱きしめられた気がした。
341名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/17(土) 18:52:27.24 ID:e3/StdJB0
クリアリ要素があるようでないようでのパートに加え後編が後編になってなくて申し訳ない;
次回なるべく早めに翌日話を書かせていただきたいのですが、相変わらずの長文を失礼しました;
342名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/17(土) 23:34:43.26 ID:QgCWA5ph0
乙です!
前編から読み返したくなるような素敵なお話ですね
アリーナが鈍感かわいいwww
343名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/18(日) 00:58:34.04 ID:djx6JFS30
>>324
確か新山たかしがそのネタで4コマ漫画を書いていたような気がする
344名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/18(日) 01:01:51.55 ID:xnGQ9mzK0
職人様の描かれる姫様は相変わらず可愛らしいですのぅ…
自分には真似できませぬ。
345名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/18(日) 16:13:14.24 ID:0BadMA+C0
お話中すみません。

スレ違いかもしれないのですが、いたストモバイル版でクリフトとアリーナが
配信されたそうで、初めていたストプレイするのですが、ひとりづつ指定して
DLするのでしょうか?

パケット定額じゃないので、お金ないんですが、これだけやりたいんです。

あと、セリフはPS版と思ってよろしいのでしょうか?
PS版、かっこいいって聞いてたので、それだとうれしいなぁ・・・。
346名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/20(火) 13:27:07.86 ID:Pg1qjBEhO
アリーナのサランとしたももんじゃの下のバギマは
せかいじゅのしずくで滝の流れる洞窟だ。
「クリフト・・・、あなたがほしふるうでわ・・・」
クリフトはその言葉を聞くとバイキルトでどす黒くソレッタ
ベホマラーをためらうことなくエンドールしていった。
徐々にスピードを上げ、自慢のキングレオで山奥の村を激しくブランカ。
「そ、そこっ・・・!古井戸の底っ!」アリーナは
気持ち良さそうにまごまごしている。
しかしソロなクリフトがアリーナを天空城するのはコナンベリーだ。
限界が近い。
「ひ、姫さまッ・・・!イ、イムルッ!ガーデンブルグッ!」
今夜もつうこんの一撃だ。
すっかりスライムになったパデキアの根っこを引き抜く。
「あなた本当にすばやさのたね・・・」不満げなアリーナを背に、
クリフトはすでにラリホーだった。
347名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/20(火) 21:16:20.88 ID:FlIoicWj0
>>308
勇者とクリフトの仲がいいのっていいな。
しかし「クリフトが勇者とアリーナの仲を嫉妬する」っていうのも外せない。

クリフトが一度は嫉妬する→思い直して勇者と仲良くなる、が、自分的には理想。
348名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/20(火) 21:43:00.51 ID:LAk1E0qh0
小説版の嫉妬で勇者をけなすようなこと言うクリフトは最悪だった、久美さんを一生許さない
リメイク版の会話で、勇者を終始気遣ったり励ましたりしてるクリフトは良かった

いたストモバイル、アリーナはPSP版のセリフなんだな
クリフトへのセリフはSPから持ってきてるみたいだけど、DS版に慣れてると愛のなさに泣きそうになる
349名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/20(火) 21:45:19.54 ID:HfoBNxx00
リメイクのドラクエ4やりはじめたばかりなんだが、この2人にハマった
元気なお姫様と真面目な神官
クリフトの片思いぽいが、微笑ましいというか、ほのぼのする
このスレ見つけて歓喜した
350名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/20(火) 22:03:16.44 ID:FlIoicWj0
>>348
うっわそんな描写あったの?>勇者をけなすクリフト
久美女史マジで最低だな…
351名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/20(火) 22:53:36.75 ID:31+sVZD70
あれはどっちかっつーと笑うシーンだぞ
ヘタレまくってるリメイク版クリフトのセリフと同じくw
小説版のクリフトのヘタレぶりにガッカリしてたら、リメイク版でそれ以上にヘタレにされてて、何だかなあ
4コマ以来のいじられキャラの宿命か
352名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/20(火) 22:58:21.81 ID:LAk1E0qh0
>>351
ガーデンブルグ女王にみんなで勇者のことを擁護というか説得するシーンのことだけど、自分は笑えなかった
リメイクは嫌なところも多かったけど、久美小説の勝手な妄想話をことごとく否定してくれたのだけは感謝してる
353名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/20(火) 23:35:05.72 ID:9bm7xyXz0
プリアリのクリフトはへたれてても可愛いぞ
354名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/20(火) 23:40:51.47 ID:FlIoicWj0
つーかクリフトはいつからヘタレ扱いになったんだw
355名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/20(火) 23:43:21.89 ID:cCLh3RUlO
久美女史の小説は悪評多いから怖くて読んでないw
勇者を貶すクリフトなんて絶対やだ。
自分の中ではクリフトは人の悪口とか言わない人何だよね
356名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/20(火) 23:46:38.45 ID:31+sVZD70
>>352
・・・単に自分の趣味に合わない坊主を袈裟まで毛嫌いしてるだけじゃないのか
久美ばかり悪く言われるが、久美にほとんどの責任が帰すのは、その文体と、小説VI、精霊ルビスくらい
IVとVはエニックス編集部との共同作業で、例えばピサロ=悪のヒーローという設定は編集側が持ってきた
だいたい、作者が交代してまっとうになるかと思われたVIIにしても、
原作準拠度は格段に上がったものの、相変わらず、変な設定、トンデモ展開、意外なカップリング・・・
VIIがリメイクされたら、やはりことごとく否定してほしい妄想が満載だった
すべて高屋敷御大の頃からの傾向だから、変なオリジナル設定を入れるのは編集部の歴代方針ではと勘ぐりたくなる
誰が書いたとしてもノベライズっていうのはそういうもんだ、というのがおそらく真実だとは思うが

小説IVとVは俺も気持ち悪くて嫌いだが、だからといってリメイクが小説を全否定したことに感謝する気などない
小説の存在など無関係に、もっとマシなリメイクができなかったのかと思うだけだ(できればクリアリ的に。ただしルーシアはGJ)
優しい戦闘民族アリーナと、カナヅチストーカーのヘタレクリフト(能力までも・・・)が公式として確定してしまったのが残念でならない
だからギャグとして笑い飛ばすしかない
357名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/21(水) 00:13:52.33 ID:m3MzTPcO0
>>349
ようこそクリアリへ!
>>1にwikiもあるよ!

>>355
同じく「僕」が一人称のアリーナが怖くて読めないw
358名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/21(水) 01:24:14.98 ID:0PQkXJbb0
ドラクエは子供向けのお伽話的な雰囲気じゃないと、って向きには小説は不評だろうな
359名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/21(水) 07:55:44.32 ID:DOq5vPwB0
スレの上のほうに言及があったようだけど、小説版アリーナが誰彼構わず
喧嘩を売る粗野なキャラだというのはマジなのか…
自分はクリフトの押し倒しで萎えて読むのやめたんでその辺知らんのだが。

だとしたらボクっ娘設定以上に嫌な設定だな…
360名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/21(水) 08:52:14.15 ID:MOC8/fwgO
>>356
Zは漫画もとんでもカップリングだったね。
アルマリ派涙目展開多すぎて挫折した。

ドラクエは本家が好きな人は、小説とか漫画とか手をださないほうがいいのかもしれんね。

Wの小説でクリフトがアリーナ押し倒した?って話は驚愕すぎて、半日くらいずっとショックだったw
361名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/21(水) 12:32:16.89 ID:hudBgwet0
本家でクリフト倒れて寝込んでしまうもんだから
そのへんもヘタレキャラの一因なのかな
パデキア洞窟での「クリフトは私が助けるわ!」の姫様はかっこ良かった
362名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/21(水) 14:26:20.77 ID:3Dkm35JXO
小説だとパテギアイベントで姫様、クリフトほっていて途中から魔物倒しに夢中だしな…
サントハイム城で三人しか残らなかった仲間にそりゃないわ…と思ったわ
363名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/21(水) 14:46:37.19 ID:J+PTlC6YO
う〜む、拙者も姫君とギュッとしたいされたいでござるよ
364名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/21(水) 17:59:33.84 ID:LBqjCRG30
ボクアリとニブクリを寮で相部屋にしてみたい
365名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/21(水) 23:26:21.37 ID:3Dkm35JXO
小説のボクっ娘アリーナはあんまり好きではないが、ボクっ娘でアリ→クリを妄想すると萌える
366名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/21(水) 23:47:47.43 ID:DOq5vPwB0
>>365
同じボクっ娘でも「バスタード!!」のティア・ノート・ヨーコっぽい感じ
ならよろしいか。

…もっともヨーコはwikiによるとクリアリの娘っぽいイメージなんだが。
367名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/22(木) 00:04:55.78 ID:lEoFyN3V0
ここは平均年齢の高いスレですね
368名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/22(木) 03:03:50.90 ID:3DYMhL6H0
;いじょjkh
369名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/22(木) 04:32:56.65 ID:Mja1VjpgO
勇者「この前、アリーナのプロマイドを某城の教会の奥で発見したんだが」
370名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/22(木) 12:20:20.00 ID:Nnv0lrTq0
4の小説買ってみるか迷ってたけどこのスレのおかげで買わずに済んだ
371名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/22(木) 13:25:16.89 ID:lEoFyN3V0
ここ数日やけに人増えてないかこのスレ
元々こんなもんなのか?
いや知らんけど
372名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/22(木) 16:07:19.15 ID:sb/ttVEC0
>>346
クリフトはキングレオを自負しているのにソロで、普段は独りでつうこんの一撃なんですね。
いかにも不慣れなカップルっぽくてGJです!
2回目以降のねっとりボミオスな技を覚えたクリフトも見てみたいです。
個人的には、武道ばかり考えていそうで、実は夢見がちなアリーナは結構簡単にイオ吹くと思います。
そんなアリーナにクリフトは今夜もドラゴラム。
373名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/22(木) 20:17:20.12 ID:dCGOE1bO0
PS版のアリーナは「お父様のお声」とか「ご病気」とか
ちゃんとお上品な言葉遣いができるのが良い
374名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/22(木) 21:25:22.17 ID:J+Ebqh0K0
>>373
DS版は違うの?
PS版しかプレーしたことないんでわかんないんだけどな…
375名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/22(木) 23:11:42.42 ID:OCQZtR4x0
PS版は父親絡みの台詞だけ途端に上品になるよなw
FC台詞や普段は普通に元気なお転婆っこって感じだけど
376名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/23(金) 11:54:31.64 ID:fvY5XiZeO
姫様、普段は元気でかわいい女の子だけど、食事とか挨拶とかふとした仕草とかが上品だといいなぁ
377名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/23(金) 13:06:49.77 ID:X3mZMYRuO
姫さまのお名前はアリーナ=サントハイムですか?
378名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/24(土) 10:21:47.21 ID:Wo8vdhNMO
ギター布袋の「LONELY★WILD」の2番のサビがクリアリっぽいと思った

きっといつの日か 誰かの腕に抱かれ
傷だらけのその心に 熱いキスの雨が降る
きっといつの日か 愛の嵐に溺れ
戦った数年間を 振り返れると信じて
379名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/24(土) 13:14:31.51 ID:r53moBcyO
自分の中で小説はなかったことにした
理想のクリアリストーリーは某サイトで補完
二次という世界にマジ感謝した
380名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/24(土) 15:53:27.15 ID:oIsbHIJRO
同士たちよルカニでかいしんのダメージって減ったっけ?
クリフトがアリーナに勝つには減らないときついよな。
381名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/24(土) 22:45:09.70 ID:pR9JYYS80
>>378
自分は中森明菜の「アサイラム」が、アリーナのクリフトに対する気持ちを
表してると妄想。


愛してる いない どうでもいいこと
今度だけ私 私の負けだわ

デステイニーはもう あなたとわかった
二人 お互い 囚われ人
I love you…forever…

愛してる いない 確かめたくって
旅に出た私 私の負けだわ

オアシスはもう あなたとわかった
私 あなたの囚われ人

デステイニーはもう あなたとわかった
二人 お互い 囚われ人

I love you…forever…
382名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/24(土) 23:38:02.68 ID:Wo8vdhNMO
>>381
ほう、これはクリアリですな
萌え〜
383「除霊」で王女死なす 教育係と神官逮捕:2011/09/27(火) 18:38:33.48 ID:6SZlBZ7tO
サントハイム王女に「除霊」と称する暴行を加えて死亡させたとして、
サントハイム王国憲兵隊は27日、同国神官クリフト(19)と同じく
教育係ブライ(71)の両容疑者を傷害致死容疑で逮捕し、発表した。
2人とも「除霊のための行為だった」と容疑を否認しているという。
384名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/28(水) 18:38:33.29 ID:boGOJRBr0
>>383
普通に王女が返り討ちにしそうな気がほんのり。
385名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/29(木) 16:30:12.39 ID:sjm+rzDp0
ドラクエ25周年記念のガンガン作家による描き下ろしイラストがクリアリ風味
ttp://sakuraweb.homeip.net/uploader/src/up162264.jpg_oJ8TPU0OWB4adtdEAv9b/up162264.jpg
こっちはただ並んで立っているだけの絵だけど一応
ttp://sakuraweb.homeip.net/uploader/src/up162267.jpg_9RVkAyhsTgz9MKnZSAQo/up162267.jpg
386名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/29(木) 19:09:57.10 ID:lKcZuNRa0
>>385
上の人が自分すぎて困る
下の人も最近めずらしいカッチョイイ系クリフトで嬉しい
ヘタクリフトも好きなんだけどね
387ペギー ◆e.sLpeggy2 :2011/09/29(木) 19:59:01.83 ID:sX4LPPNJ0
ものすごくお久しぶりすぎて、ほぼ初めましてかもしれません。
以前こちらでSSを書いていた者です。
最近DQW熱が再発したので投下しに来ました。
よろしくお願いします。
388想像以上に1/3 ◆e.sLpeggy2 :2011/09/29(木) 20:01:13.50 ID:sX4LPPNJ0
ミントスで、サントハイムのお転婆姫とそれにつき従っている
年老いた宮廷魔法使い、そして病に倒れた若き神官、という
風変わりな面々と出会い、共に旅をすることになった勇者一行。
とりあえずは神官の体力が戻るまで、ミントスにとどまることになった。

「やってらんないわよねー。こんな何もないところで。」
「姉さんったら。物見遊山の旅じゃないのよ。」
ベッドに寝転んでぼやくマーニャにミネアが非難の目を向けた。
「分かってるわよぉ。でも酒場もないなんてあんまりじゃない!」
「これを機会に禁酒でもしたら?」
冷たく言い放ったミネアは、窓の外を指さした。
「アリーナさんとソロさんを見てごらんなさいな。
 毎日庭で体を鍛えてるのよ。姉さんも見習ったら。」
「いやよ、筋肉ムキムキになっちゃう…。」
そう言いながら窓の外を眺めやったマーニャは目を見開いた。
「あら、何だか随分といい雰囲気じゃない?」
「え?」
ミネアはマーニャの視線を辿って振り向いた。
「あら、まあ。」

視線の先では、鍛錬を終えたらしい勇者とアリーナが
タオルで顔を拭いながら笑顔で言葉を交わしていた。
勇者が今までの冒険の話でもしているのだろう、
アリーナは目を輝かせて勇者の話に聞き入っていた。

「ふふ、何だか微笑ましいわね。」
「ふっふ〜ん。これはこれは…。」
ミネアは目を細めたが、マーニャは小さく呟くと立ち上がった。
「どうしたの?姉さん。」
「ちょっと、神官君のお見舞いに行ってくるわ。」
マーニャは意味深な笑みを浮かべて部屋を出て行った。
389想像以上に 2/3 ◆e.sLpeggy2 :2011/09/29(木) 20:02:45.02 ID:sX4LPPNJ0
「クリフト、入るわよ〜。」
マーニャは、ノックしながらクリフトの部屋のドアを開けた。
「あ、これは、マーニャさん。」
ベッドの上に起き上がって本を読んでいたらしいクリフトが
慌てて本を閉じると居住まいを正した。
「あ、いいの、そのままそのまま。」
マーニャは手でクリフトを制すると、ベッド脇の椅子に座った。

「どう?気分は。」
「はい、おかげさまで、もうすっかり回復しました。
 皆さんには本当にご迷惑をおかけしてしまって…。」
「もういいってば、そういうのは。それよりも。」
マーニャは、ずい、と身を前に乗り出した。
クリフトが気圧されたように体を後ろに反らす。
「アンタのところのお姫様、最近ソロとよくつるんでるみたいね?」

マーニャの見る限り、この神官は主である姫に心底惚れているようだ。
そんな神官が、アリーナと勇者が仲が良いことを知ったらどうするか。
マーニャは興味津々でクリフトの表情を伺った。

「ああ、そのようですね。」
しかし、クリフトは、マーニャの言葉に嬉しそうに微笑んだ。

―――あれ?

マーニャは拍子抜けした気分で問いただした。
「そのようですね…って、アンタ、それでいいの?」
「は?」
クリフトはきょとんとした顔でマーニャを見返すと
何かを合点したようにうなずいた。
390想像以上に 3/3 ◆e.sLpeggy2 :2011/09/29(木) 20:05:00.51 ID:sX4LPPNJ0
「大丈夫です。あなた方のお話はミネアさんから伺っておりますし
 私もブライ様も、ソロさんのことを疑ってなどおりません。
 安心して姫様をお任せしておりますよ。」
「いや、そういうんじゃなくてね…。」
マーニャは頭をポリポリと掻いた。
しかしクリフトはマーニャの様子に気が付かないようで、笑顔で続けた。
「それよりも、ああやってソロさんが姫様のお相手をしてくださって
 本当に感謝しています。
 情けないことですが、私は剣と補助呪文、ブライ様も魔法が中心で
 力のステータスが低いものですから、姫様は、我々相手では
 全力をお出しになれず、ストレスを溜めておられたご様子でしたから。」
「はぁ…。」
マーニャは、毒気を抜かれたような声を出した。
「…なるほどね。これは想像以上だわ。」
「え?何ですか?」
「何でもない…あたし、部屋に帰るわ。」
「あ、はい…いらしていただいてありがとうございます。」
「ん…じゃあね。」
片手をひらひらと振ると、マーニャはクリフトの部屋を後にした。



「はー。」
宿の廊下を歩きながらマーニャは大きなため息をついた。
「駄目だわ、ありゃ。…想像以上の姫様バカだわ。」
愛する姫が幸せならば、嫉妬する気持ちさえ起きないほどに。
「ちぇ…いい退屈しのぎになると思ったんだけどなぁ…。」
ミネアに内緒でエンドールにでも行ってこようかな。
マーニャはそう呟くと、大きく伸びをした。
391ペギー ◆e.sLpeggy2 :2011/09/29(木) 20:05:44.41 ID:sX4LPPNJ0
以上です。
嫉妬クリフトも大好物なのですが、姫様のことが大事すぎて
姫が幸せならやきもちを焼く余地もないクリフト、
というのもアリかなと思ったもので…どうも失礼いたしました。
392名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/29(木) 20:52:38.46 ID:UshQY1RT0
>>391
うわああああ!クリフト素敵過ぎです!最高!
393名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/29(木) 21:32:27.48 ID:8KskguN8O
>>391
うひょぉお〜!!最高でぇえ〜す!!
394名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/29(木) 22:24:22.70 ID:3IUMJAcD0
>>385
こういうのどこで見れるの?
395名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/29(木) 23:55:06.13 ID:WATI3yar0
>>387
ペギーさん久しぶりですGJ!
クリアリもいいけど、クリフトと勇者の信頼関係もいいな!

>>394
ガンガンオンラインにドラクエ25周年記念メモリアル画集ってのがあるよ
柴田亜美や衛藤ヒロユキのふんどし!も見られるw
↓分かりにくいけど、藤原カムイロトをクリック
http://www.square-enix.com/jp/magazine/ganganonline/illustration/index.html#dq
396名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/30(金) 00:44:14.98 ID:JCu8dZfq0
>>387
もし姫が他の誰かと結ばれても心から笑顔で祝すのでしょうね
そんな大人なクリフトにほんのり切なさを感じます
ペギーさんお久しぶりですGJでした!
397名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/09/30(金) 22:06:53.74 ID:ylBtagwe0
>>387
お久しぶりです。
実はこのスレ住民ほとんど入れ替わってないんじゃないのか?
398名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/01(土) 00:03:59.08 ID:K4gDYpj+O
>>387
GJでした!
姫の幸せだけを思える神官は素敵です。。
399名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/01(土) 19:00:15.09 ID:qdGQA7Nn0
これはクリフトに惚れてまうwww
SSGJ!!
クリアリは永久に不滅です!
400名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/02(日) 16:16:14.30 ID:g7re04Sc0
このスレの住人なら皆一度は「パデキアの根っこの煎じ汁を口移しでクリフトに飲ませるアリーナ」の絵を想像したことがおありじゃない?
自分だけ?

どこかほんのり切なさが漂うクリアリだけど、一度でいいからラブラブモード全開のクリアリも見てみたいなあ。
401名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/02(日) 19:50:57.46 ID:GV1HIzHcO
このスレ見てから総合スレ見て「クリア」という言葉が「クリアリ」に見えてしまった自分は、なんていうかいろんな意味で終わってると思ってしまいますたor
402名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/04(火) 00:25:02.70 ID:LRstD8AaO
>>400
私のクリアリのイメージはラブラブだな…
なんだかんだでいつも傍にいて無意識にイチャついてる感じ
403名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/04(火) 22:07:55.04 ID:1wKuw3diO
ここの住民の方々は姫様よりクリフトのが好きでしょ?
404名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/04(火) 23:04:16.55 ID:+mhen/+Z0
どっちも好きよ?
405名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/04(火) 23:21:02.21 ID:1wKuw3diO
そうでござったか・・・

拙者は両者とも大好きだがどちらかというとクリフト殿が好きなものでな・・・
やはり一般的には両者譲れないものであるのだな
失礼つかまつった
406名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/05(水) 00:47:04.31 ID:oZZWDbVPO
クリフトの傍にいるアリーナが好きで、アリーナの傍にいるクリフトが好き
要はクリアリが好き
407名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/05(水) 07:38:43.75 ID:o6dhDOu0O
最初はアリーナが強いし可愛いしで、一番好きだったけど今はクリフトも好きだなー
ドラクエの女の子の中で誰が一番好き?って言われたらアリーナだし、
逆に男で誰が一番好きって言われたらやっぱりクリフトかなって思う。
でも一番好きなのは、二人の絡みっていう。
408名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/05(水) 20:04:51.63 ID:ZZEloDpi0
何かクリフト萌えスレになってる気もしなくはないんだが、クリフトがアリーナ以外の女性キャラと
くっついてる図というのがおよそ想像できん。

要はクリフトもアリーナも両方好きだ。
409ペギー ◆e.sLpeggy2 :2011/10/05(水) 20:50:20.65 ID:jW30tqA20
こんばんは。
前回のSSへのコメントレス、どうもありがとうございました。
クリフトもアリーナも導かれし仲間の全員が大好きです。

ええと、何やらどうも、再燃し始めたらクリアリ妄想が止まらなくなり、
連投気味ですが、失礼いたします。
410My Pace, Your Pace 1/2  ◆e.sLpeggy2 :2011/10/05(水) 20:52:27.12 ID:jW30tqA20
「ソロって、歩くの早いよね。」
クリフトが、滞在した街の教会に用事があると出かけたため、珍しく
勇者と2人で買い出しに来たアリーナは、隣を歩く勇者を見上げた。

「ああ、悪い、誰かと歩くの慣れてないから、つい。」
ペースを落とそうとする勇者を、アリーナは押しとどめた。
「いいの、却って鍛錬になるからありがたいくらいだわ!」
「そ、そう…?さすがお転婆姫は違うなぁ。」
「お転婆は余計よ!」
口を尖らせるアリーナに、ははは、と勇者は声を上げて笑った。

「でも、だったらクリフトと出かけた方が良かったんじゃないか?」
「え…?」
勇者の言っている意味が分からず、アリーナは首を傾げた。
「あいつ、やたら歩くの早いだろ。せっかちな性格そのまんまだよな。」
「…。」
「ん?アリーナ?どうした?」
急に立ち止まったアリーナを、勇者はいぶかしげに振り返った。

「…そういえば、そうだった、よね…。」
城にいた頃のクリフトは、いつも忙しそうに早足で歩いていた気がする。
「でも私、クリフトと歩いてて、さっきみたいに早いって思ったことないよ?」
「そりゃあ、クリフトの奴、いつもアリーナの後ろ歩いてるからなぁ。」
「あ…。」

アリーナは、勇者に言われて気がついた。
旅に出てからというもの、自分の前を歩くクリフトの姿を見たことがない。
いや、旅に出るもっと前からだ。
いつからだったのだろう。
子供のころはそんなことはなかったはずだ。
幼い自分の手を引いて歩くクリフトの後姿を、はっきりと覚えている。
411My Pace, Your Pace 2/2  ◆e.sLpeggy2 :2011/10/05(水) 20:53:32.78 ID:jW30tqA20
「…何か、ヤダ。」
「え?」
「そういうのって、何だか、キライ。」
「…キライ、ったってなぁ…。」
むぅ、と頬を膨らませたアリーナを見て、勇者は困ったように空を仰いだ。

「言い聞かせたってアリーナと並んで歩きゃしないだろうし、あの堅物が…。」
なおも勇者はブツブツ言っていたが、不意に
「あ。俺、いいこと考えちゃった。」
にんまりと人の悪そうな笑みを浮かべた。

「なあ、だったら、さ。アリーナ、腕組んじゃえよ。」
「…腕…?」
「そう、クリフトが後ろに下がれないように、こう、ガッチリ抱え込んでさ。」
眉根を寄せていたアリーナだが、勇者の言葉に、ぱぁっと顔を輝かせた。
「…いいわね、それ!ナイスアイディアだわ、ソロ!」
アリーナは、ぴょん、と跳ねると、手に持った荷物を勇者に押し付けた。
「え?ちょ、アリーナ…?」
「ありがとう、ソロ!ごめん、私、今からクリフトのところに行ってくる!」
「ええっ!?この荷物全部俺一人で持てってか!?」
しかし既に走り出していたアリーナには、勇者の抗議の声は届かないようだった。

「まいったなぁ…。」
勇者は、しばし呆然とした表情でアリーナを見送っていたが
あきらめたように小さく笑った。
「クリフト、あいつ、ぶっ倒れなきゃいいけどな。」

そして両手の荷物をよいしょ、と抱え直すとため息交じりに呟いた。
「…今度からは、買出しは、ライアンさんと来ることにしよう…。」
412ペギー ◆e.sLpeggy2 :2011/10/05(水) 20:54:53.08 ID:jW30tqA20
以上です。
クリフトは背が高いし、普段はめちゃくちゃ歩くのが早いけど
姫様と一緒のときは姫様の歩幅にあわせてゆっくり歩いてる
とかだといいなぁ、という妄想の結果できあがったブツでした。
それでは、お付き合いいただきありがとうございました。
413名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/05(水) 23:15:28.52 ID:6h+fpuYDO
GJです!
しかしこの続きが気になるw
414名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/05(水) 23:47:44.59 ID:oZZWDbVPO
GJです。
姫様いきなりクリフトの腕にしがみつきそうだ(´∀`)
415名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/06(木) 00:57:45.82 ID:aSC05Gp10
>>414
その時のクリフトの困惑顔が目に浮かぶなw
416名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/07(金) 18:25:28.30 ID:xW+CiY0vO
オメガの倒し方
魔法剣サンダガみだれうちで1〜2ターンで沈む正真正銘の雑魚
417名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/14(金) 21:25:33.70 ID:TGx6j8IkO
新体操とかで旧ソ連圏の小さくてかわいいけど無駄のない体型のおねいさんを見ると、姫様もこんな感じかなと思う
418名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/14(金) 21:53:37.55 ID:L9aRwSMAO
んなわけないっしょ
残念だが吉田沙保里だよ…
419名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/15(土) 00:13:08.86 ID:ivPDk4DL0
時々、実在の有名人の名言を姫様やクリフトに言わせて楽しんでいる。
例えば

姫様(クリフトに)「苦しい時はあたしの背中見なさいよ」(出所:なでしこジャパン澤穂希選手)

クリフト(呟くように)「墓場で一番の金持ちになることに何の意味があるのでしょうね」(出所:スティーブ・ジョブズ)

…みたいにw
420名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/15(土) 00:24:47.35 ID:dn+J6JAhO
クリフト「ポア」(出所:オウム真理教選手)

クリフト「ほぼイキかけました」(出所:イチロー)
421名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/16(日) 15:21:09.49 ID:WYNxcay1O
カピバラさんのイラスト一見簡単そうだけど難しくよね…いつも違う顔になるよ
422名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/16(日) 15:24:28.34 ID:WYNxcay1O
スレッド間違えました…すみません
423名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/16(日) 18:21:45.11 ID:rp/L6Qqa0
誤爆はGo Back
424ペギー ◆e.sLpeggy2 :2011/10/17(月) 23:52:05.29 ID:9GJ7VNi00
こんばんは。
相変わらず連投気味スイマセン。
しかも、今回はややクリアリ風味が薄いかもしれません。
勇者の一人称です。
425戦う理由 1/4:2011/10/17(月) 23:53:41.96 ID:9GJ7VNi00
「クリフトー、稽古しようぜ、稽古。」
「またですか、あなたも元気ですね。」
クリフトは剣を振り回す俺を、苦笑しながら眺めた。
「たまにはライアンさんと練習したらどうです?」
自分の剣を取りに行きながらも尋ねてくるクリフトに、俺は首を振った。
「いや、ライアンさんの剣は重いから、体調万全じゃないとしんどい。」
「調子が悪い時は、私程度がちょうど良いと言うわけですか。」
クリフトは、ちょっと傷ついた顔をしたが、それでも剣を構えてくれた。


「ふぃーっ、疲れたーーー!!」
ひと通りの打ち合いを終えると、俺は、その場に座り込んだ。
「お疲れ様です。」
クリフトが笑いながら長剣を拭って鞘にしまう。
俺はクリフトを見上げた。
「お前、よくそんな長い剣使ってるよな。扱いづらくないか?」
前々から思っていたことだ。
しかしクリフトは、手に持った剣を眺めて首を傾げた。
「そうですか?…私は、初めて習ったのが長剣でしたから…。」
「へえ?珍しいな。」
普通は短めの剣から入るもんだけど。
と、クリフトが苦笑した。
「私が最初に習ったのは実戦ではなく、剣舞の方でしたので。」
「ああ、なるほど。」

以前アリーナから聞いたことがある。
神官は皆、神に納めるための剣舞を習うんだって。
「お祭りの日には飾りのついた長い剣を持って皆で舞うんだけど、
 それがね、すっごい綺麗でカッコいいの!」
アリーナはそう言って目をキラキラさせていたっけ。
426戦う理由 2/4:2011/10/17(月) 23:55:01.29 ID:9GJ7VNi00
「そういわれると確かに、お前の剣の動きって舞みたいだよな。
 何だかこう、流れるみたいで。」
俺は褒めたつもりだったんだけど、クリフトは嫌な顔をした。
「…まだ、そう見えますか?」
どうやらクリフトは、自分の剣が実戦向きでないと言われているように
感じているらしい。

「何だよ、別にいいじゃないか、動きは綺麗な方が。」
しかしクリフトは首を振った。
「剣舞のために習う剣技は、あくまでも舞であって
 人を傷つけることがあってはならないんです。
 切っ先で人を傷つけないように剣を引いてしまう癖を直すのに
 随分苦労しました…もう克服したつもりだったんですが。」
「へぇ…。」

俺は、クリフトを見上げながら、ふと考えた。
神に捧げる技としてしか剣に触れたことのなかった神官。
サントハイムがあんなことになってなければ、こいつはきっと
戦いとは縁遠い場所に身を置いて一生を過ごしたに違いない。

俺は山奥で育ったせいか、魔物とやり合うのも日常茶飯事だった。
物心ついた頃には、短剣を握ってスライムとやり合っていたものだ。
でも、クリフトにはそういう攻撃的なニオイを全く感じない。
むしろ、こいつの能力は命を生かす方に発揮される類のものだ。

そんなこいつが、今のように平然と魔物を屠るようになるまでには、
きっと俺には想像もできないような葛藤があったに違いない。
長くて重い長剣を実戦で使えるようになるまでにも、
血のにじむような努力をしてきたんだろう。

そして、こいつがそんなにも努力する、その理由はもちろん…。
427戦う理由 3/4:2011/10/17(月) 23:56:00.90 ID:9GJ7VNi00
「クリフトー!」
明るく響く声に、クリフトがすごい勢いで振り返った。
「姫様!」
そして、手を振るアリーナのもとに笑顔で駆け寄っていく。
毎度の光景を眺めながら、俺はごろんと草の上に横になった。

たとえ想いが届かないとしても。
たとえ単なる独りよがりだとしても。
その人を守るためなら、自分の生き方を変えることも厭わない。

クリフトは、そうやって強くなってきた。
今のあいつの太刀筋は、決して俺やライアンさんに劣らない。

だったら、俺はいったい何のために強くなっているんだろう。
太陽がまぶしくて、俺は目を閉じた。
脳裏に、羽帽子をかぶって微笑む、懐かしい顔が浮かぶ。

強くなって、戦って、その後、俺にはいったい何が残るんだろう。
不意に、そのまま大地に溶けてしまいそうな疲労感が俺を襲った。
目を閉じてもまだ太陽はまぶしかったけれど、顔を背けるのも億劫で
俺はそのままじっと横たわっていた。

と、不意に目の前が翳って、俺は目を開けた。
そこには頬を膨らませてこちらを覗き込むアリーナの顔があった。
「ソロったら、稽古するんなら、私も呼んでくれればよかったのに!」
俺はゆるゆると首を振った。
「無理。今晩は俺が不寝番だもん。お前とやり合う体力はないの。」
「…どうも先ほどから、そこらへんが引っ掛かるんですよね…。」
アリーナの後ろでクリフトがブツブツ言っている。
428戦う理由 4/4:2011/10/17(月) 23:56:51.26 ID:9GJ7VNi00
「それよりも、ソロ、クリフトがお茶淹れてくれるって!行こう?
 稽古して喉渇いてるでしょう?私、何だかお腹も空いちゃった。」
「でしたら、昨日街で買ったクッキーがあるので、
 それをお出ししましょうか。」
「やったー、クリフト大好き!ほら、ソロ、早く起きて!」
アリーナが俺の手をつかんで、ぐい、と引っ張り上げた。
さすが力は抜群だ。俺はあっという間に引き起こされた。

「稽古ではライアンさんや姫様に比べて力不足かもしれませんが、
 あなたの喉の渇きを癒すくらいは、お役に立てると思いますよ。」
そう言って笑うクリフトに、アリーナが笑いかけた。
「うん、クリフトのお茶はどこのお店よりも一番美味しいものね!」
「ひ、姫様にそう言っていただけるなんて、光栄です…。」
「…。」

―――ああ、そうか…。

笑顔で言葉を交わす2人を見ながら
俺はふいに目の前が開けたような気がした。

俺の戦う理由。
俺が強くなる理由。
それは目の前にあるじゃないか。

大切な友人たちの愛する者が奪われないように。
あんな悲劇を二度と繰り返さないために。
そして戦いが終わった後に、こいつらが変わらず笑顔でいてくれたら
そうしたら、きっと、俺も何かを掴める気がする。

俺は2人に向かって手を差し伸べた。

「よし、お茶も飲むしクッキーも食べるぞ!
 そしてたくさん修行して、俺はもっと、もっと強くなるからな!!」
429ペギー ◆e.sLpeggy2 :2011/10/17(月) 23:58:50.72 ID:9GJ7VNi00
クリフトは何であんな使いにくそうな剣を抱えてるんだろう、とか
神官なのに戦うっていうのは葛藤はなかったのかなあ、とか
(まあそれいったら聖堂騎士とかどうなんだってところはありますが)
妄想して書き始めたはずなのに、なぜか勇者の話になっていました。
それでは、お付き合いいただきありがとうございました。
430名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/18(火) 12:01:25.16 ID:rwijWWXbO
クリアリも勇者もいい感じ…GJです
431名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/18(火) 23:22:35.28 ID:4X+lqsQf0
「神官が戦う」「神官がザキを使う」というある意味での矛盾を私も考え出すと妄想が止まらないので
それを形にしてくださってすごく嬉しいです!
文章がスマートで読みやすい…また投下お待ちしてます。GJ!
432名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/19(水) 21:48:45.05 ID:A1d6L4EG0
ペギー様…
あなたはなんぼクリフトに惚れさせれば気がお済みになるのですか…
433名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/20(木) 08:33:38.81 ID:WB8of/K80
美しい…
素晴らしいですな
434名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/22(土) 08:49:32.70 ID:kQSjYgH30
おはようございます。

当方、以前「クリフト10歳姫様8歳で初キス」&「攻めクリフト」を
投下させていただいた大うつけ者にございます。
以下、「大うつけ者」を名乗らせてくださいませ。

ペギー様のあとで非常にやりにくいのですが…
懲りずに投下させていただきます。

例によってクリフトが壊れておりますがご容赦を。
変な属性もつけてしまいましたが、それもお許しいただければ幸い…
今回勇者視点&姫様ほとんど出てきません。

ちなみに「アレン」はうちの勇者の名前です。
デフォルトの「ソロ」はどうも寂しげで勇者が可哀想になって使えず…
「ユーリル」は、久美小説がそもそも嫌いなんで論外…
(その割に久美小説ちっくじゃないかという突っ込みはとりあえずなしで…)

では、おつき合いくださいませ。
435我が女神 1:2011/10/22(土) 08:53:21.73 ID:kQSjYgH30
 …実は、以前から気になってはいた…。
 俺は目の前で着替えているクリフトの胸元を、それとなく見つめる。
 あの痛々しい…あれは多分火傷の痕、あれは一体…
 そんなに新しい傷ではない。俺と出会う前、いやアリーナにつき合わされて旅立つことになる前に負ったものであることはまず間違いないだろう。
 けど、神官なんか名乗ってて戦いとは縁遠い存在だったであろうクリフトが、何だってあんな派手な火傷を…じろじろ見ちゃ悪いけど、やっぱり気になるな…。
「…何か?」
 寝巻きに着替え終えたクリフトがこっちを向く。
「あ、いや…」
 俺は視線をそらした。そしてそれでもまだ何か言いたげな顔のクリフトに
「俺やライアンさんとついてる筋肉の質が違うっていうのかな、しなやか…っていうか、柔らかい…っていうか、そんな感じだなって…」
 と言ってみる。
「そうですかね…」
「でも顔は綺麗なんだよね」
「そうですか?」
「…俺ちょっと誘惑してみたいかも…」
 自分にしてみてもたちの悪い冗談、そんな言葉を俺は吐いてみる。
 お戯れを、そんな言葉がすぐ返ってくると思った…が、クリフトは不意ににやりと笑って
「実は…」
 と、妙に妖しげというか挑発的な視線を俺に投げてくる。
「は?」
「その言葉を待っておりました」
「…は…?」
「神学校は、完全寄宿制の男子校といったところでしてね…」
「……は……?」
 ぞわっ。不意に背筋に何とも言えない悪寒が走る。
「…私もそこに6年おりましたから…その手のことはひととおり仕込まれているのですよ…」
 じ、自分で言い出した冗談とはいえ…まさか真に受けて…というか、クリフトはアリーナ一択じゃなかったの…?
「そうですね、いかがです、今晩あたり…」
 妖しげで挑発的な視線を投げかけながらじりっと迫ってくるクリフトに、俺は身の危険を感じて思わず後ずさる。あ、アリーナ恋しさが高じてついに壊れたか、クリフト…。
 …アリーナの可愛らしい顔が頭をよぎる。お、俺真剣にアリーナに助け求めに行こうかな…。
 後ろ手にドアノブを握る俺の肩に、クリフトの手がかかる。
「満足していただけると思いますが…?」
 クリフトの端正な顔が近づいてくる…ちょ、アリーナ助けて…!
 額をぶつけられ、その鼻先が俺の鼻先をこする。
 うわ、こういう時に限ってドアノブがうまく回せなかったりするんだよね、というか、ここで誰かがドア開けてきたらそれはそれでやばい展開だ、自分で言い出した冗談が発端とはいえ、俺どうしよう…。
 …クリフトが手を握ってきて…どれだけそうしていたか……突然吹き出した。
「…え?」
「…ごめんなさい」
 クリフトがくすくす笑いつつ、俺からその身を離す。
「冗談ですよ」
「…ほんと?」
「試してみます?」
「冗談きついって!本気で驚いたろ!」
 脱力して俺はドアの前にへたり込んで、それでも笑い出してしまった。
「お願いだから柄に合わないことはやめろよな!」
「すいません、ちょっとやってみたくなりまして」
 …でもその笑顔は本当に綺麗だったりする。女性に例えるならアリーナみたいな可愛い系やマーニャみたいな妖艶系とは違う、どちらかというと正統派美人というか何というか…あえて言うならミネアさんが一番近いかな…。
436我が女神 2:2011/10/22(土) 08:56:12.60 ID:kQSjYgH30
「何か…」
 笑い疲れたらしいクリフトが、床に座り込んで俺を見つめてくる。
「でもお世辞抜きで綺麗な顔してるよね」
「そう…ですかね。顔を褒められてもあまり…」
 クリフトが頬に手を当てて考え込んだ。そして
「今でこそこのようななりですが、子供の頃は母そっくりの女顔で…それが幼心に嫌でしたね…」
 と呟く。
「へえ」
 改めてクリフトを見つめる。言われてみれば精悍で凛々しい中に、ほんのり女性っぽい面影もあるような…。
「お母さん綺麗だろうね」
「姫からは…よく、お世辞でしょうが、お綺麗で素敵なお母様と言われていますね」
「だろうね」
 多分、それはお世辞でも何でもないだろう。子供の頃のクリフトの顔、ちょっと見てみたかったりするな…。
「変な話だけどさ…」
「はい?」
「もてたんじゃない?」
「どなたに…」
「気持ち悪い話だけど、神学校にいた時…そんな綺麗な顔してるし、あんな冗談しれっとやってのけるし…」
「…もてる…」
 クリフトがまた考え込んで…苦笑して首を横に振った。そして
「むしろ嫌われていましたか…」
 と呟く。
「嫌われてた?」
「ええ…」
「クリフトが?」
「生意気な子供でしたのでね…」
「そういえばえらい飛び級で神学校に入ったとかって…」
「普通に勉強して15とか6、早くても13ぐらい…そこに10歳などという歳で入学を決めましたので、神童だの何年に一度の逸材だの何だのと周囲にもてはやされて…今思い出してみても、天狗になっておりましたね。生意気
そのものだったのではと思っております」
「10歳でそんなに言われちゃ天狗にもなるってもんだよね…」
「まあ…入ってどれぐらいか経って、したたかに鼻をへし折られて目が覚めましたがね」
 無意識にだろうか、クリフトがふっと胸元の、火傷の痕があるであろう辺りに手をやって呟く…それでふと俺の中で「鼻をへし折られた」と「火傷」がつながってくる。
「鼻をへし折られた…って…それって…その火傷のこと?」
 俺は言葉をなるべく選びながら押し出す。
「火傷…」
 クリフトが反射的にといった風情で呟いて…しばらく考え込んで、やがて、小さくうなずいた。
「やっぱり…ずっと気になってた。すごい火傷だよね。よく助かった…っていうか…」
「ホイミごときでは歯が立たない火傷でした…あと少ししかるべき手当てが遅かったら命に関わった旨を後で聞かされております」
「アリーナはその傷知ってるの?」
「ご存知ですよ。ミントスで私が倒れた時に、体を拭いてくださろうとして…その時に…命に関わる怪我だったということだけは伏せてありますが…」
「言えないよね…何でそんな怪我したか…訊いていい?」
「…嫌われておりましたのでね、言ってみれば…苛めですよ。私の態度がよっぽど鼻についたのであろう一部の先輩に、風呂場で熱湯をかけられましてね…」
 苛め…。
 息を呑む。
「姫にミントスで白状させられていなければ、ごまかしていたところです。お恥ずかしい話ですのでね…」
 クリフトが小さく、重く、ため息をつく。
437我が女神 3:2011/10/22(土) 09:02:14.73 ID:kQSjYgH30
「ひどい目に遭ってきたんだ…」
「私など全然…自業自得な一面もありますからね。子供なりに謙虚に振る舞えばそのような目にも…」
「どうだろうね、そういう手合いって、謙虚に振る舞ったら振る舞ったで、子供らしくなくて可愛くないとかっていちゃもんつけてきそうじゃない?」
「どうでしょう、もう、今となっては…知るよしもありませんし、知る気もありません」
 クリフトはかぶりを振ると
「ただ…神学校などという場所に身を置きながら、私なりに悩んではおりましたね。私は神に背かれているのか、どうなのかと…」
 と呟く。
「聖職者目指してながら神に背かれてるかもしれないと思うってつらくない?」
「まあ…つらいと言ってもね、アレン殿ほどではありませんよ…」
 クリフトはそう言うけれどどうだろう。俺も神に背かれていると思ったくちだけど、クリフトにとっての「神」と、俺のそれは重みが違うのではないだろうか。クリフトから「神」を取ったら…一体何が…。
「何が足りない、どこがよくないとずっと悩んでいるうちに、もう往診の必要がなくなって、自分で医者のもとに赴くことができるようになった頃でしょうかね、何をお思いになったのか突然姫が手紙をくださったのです。短
いですが、私を気遣う手紙を…無理しないで、頑張り過ぎるな…そのような旨でしたか…」
 …アリーナ。
「その時に居直れましたかね…たとえ神に背かれても、私には女神がいると」
 アリーナがその台詞聞いたら何て言うかね。喜ぶか…いや、彼女ならむしろ照れて、馬鹿神官のひとことも投げつけるか。
「彼らが神ならこちらは女神…そう思ったらふっ切れたといいますか、脱落して惨めな姿は見せられない、神官を名乗れる身の上でお仕えさせていただこうと居直れましてね…返事を出すために医者の帰りに絵葉書を買ったの
ですが、その時の夕焼けがとても綺麗でしてね、このような夕焼けを今度はあの方と一緒に見ようと…」
 クリフトがその時のことを思い出したのか微笑んだ。穏やかな、いい笑顔だ。
「今、見てる?」
「今ですか…見て…いるかもしれませんね…」
「…いてっ!」
 不意にドアが開いて、俺は頭をしたたかに打つ。
「なあんでそんなとこ座ってんのよおアレン、ぶつけちゃったじゃない。あたしのせいじゃないわよ」
 …これが女神ってか…今日もしっかり泥酔して…どんだけマーニャに飲まされたんだかね…せっかくいい話になってきたってのに…。
「何しに来たの…」
「はいっ」
 ぶどう酒が三分の一ほど入った瓶を押しつけられる。
「俺たちに飲めっての?」
「あたしももうだめだし、マーニャも潰れちゃったしね」
「明日マーニャともどもこき使ってやるかんな、覚悟しとけよ」
「しーらないっと」
 アリーナがふくれっ面でそっぽを向いた。
438我が女神 3:2011/10/22(土) 09:04:22.06 ID:kQSjYgH30
…視界の端でクリフトが頭を抱えている。
「クリフト…」
 俺は横目でクリフトをながめやる。
「はい…」
「アリーナに何か言ってやったら…?」
「諦めました…」
「何ふたりでごちゃごちゃ話してんのよ」
「いいじゃんか別に。女性陣に女の子同士でしかできない話があるように、こっちにだってそれなりに男同士でしかできない話ってのがあんの」
「ま、仲がいいのはいいんだけどね。アレンとクリフトが仲良くしてるの見てると、あたしも嬉しいよ」
 アリーナがクリフトと俺を見比べて、不意にいたずらっぽい笑顔を見せた。酔っぱらっててもそこはそれ、クリフトとは系統の違う明るいいい笑顔だ。
「ご機嫌なのはいいけど…」
「たまにはつき合いなさいってマーニャが言ってたよ」
 アリーナがいたずらっぽい笑顔を崩さぬまま、じゃあね、おやすみなさいと去っていく。
「クリフト…」
 俺は呆れてため息をつく。
「また醜態を…」
「あれがクリフトの女神…?」
「酒の神というのもおりますのでね…」
「酒の女神ってか…ところで女神云々の話は聞かれてたと思う…?」
「お聞きになっていたところで、明日の朝にはお忘れなのではありますまいか…」
「だろうね…」
 俺はコップを二個出してきて、瓶の中身を半分ずつあける。
「…飲もうか…」
「いただきます…でもこんなに大丈夫かな…」
 …とりあえず、何にかわからないけれど、俺たちは乾杯する…。

 …もともと下戸だとは言ってたけど…確か、儀式的に酒に口をつける機会ぐらいはあるようなこと言ってたよね…まだ少し残ってるってのに…しょうがない、これは俺があけるか…しかし明日はちょっと考えなきゃな…。
 俺は、くらくらしてきたと言い出して一足先にベッドに入ってしまったクリフトをながめやってため息をつく。
 女神か…女神に仕えるために神官にね…。
 クリフトがアリーナにやたらキスをするのは、神官として女神にキスをする…そういう感覚なんだろうかね…それなら何となく理解できなくはないけど…それでも…。

「女神」か…。
 そう呼べる存在が…俺には…。

 羽根帽子をかぶって明るく笑っていた、あのまぶしい笑顔が脳裏をよぎる…。
439名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/22(土) 09:18:01.30 ID:10CsKFJTO
以上にございます。
なんかコテハンもトリップもうまくついてないようですが、どうやるんだったっけな…

かなり癖の強いしろものに仕上がってしまいましたが、お口に合えば幸いにございます。

では、失礼いたしました
440名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/22(土) 18:20:23.30 ID:iJSYpcGiO
神学校時代のクリフトは自分も考えたことあるよ
さりげないクリアリがいい感じだね
GJ
441名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/23(日) 20:00:11.51 ID:82j2mtjFO
ちょっと大人風味のクリアリでよいですね。GJです。

最近またSS増えて嬉しいです
442名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/24(月) 12:17:18.52 ID:SIi58qNA0
職人が増えるのはいいことだ
煩悩さんやてんちょ、506さんはもう戻ってこないのかな
きのこの人はサイトもずっと更新なしだ・・
443名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/24(月) 19:37:54.79 ID:Au5gOkj00
!!!
444名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/24(月) 19:38:09.29 ID:Au5gOkj00
!!!う
445名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/25(火) 10:04:39.41 ID:+3tpvm580
アリーナにクリフトが(半ば意図的に)ぶつかった

アリーナ → ちらっとクリフトの方を見るだけ
クリフト (ほっ‥ よかった‥ 鍛えていらっしゃるから筋肉でカチカチなのかと‥
      姫さま‥ やわらかかった‥
      普段から日焼けの事は気にしてらっしゃるから色白だし‥
      今日も後方で呪文を唱えながら見とれてしまいそうだなぁ‥
      あぁっ! わたしは一体なにをっ!!)

一部始終を見ていたマーニャは クリフトの微妙な頬の緩みを見逃さなかった!
446名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/25(火) 18:02:56.96 ID:+3tpvm580
クリフトにマーニャが(モロ意図的に)ぶつかった

クリフト → ちらっとマーニャの方を見やって「はぁ すいません」
マーニャ (きぃ〜っ! アリーナの時はでれっとしちゃってるくせに
      何よ! あの冷めた反応はっ!
      男って わたしというイイ女の前では 少なからず反応するのに!
      こうなったら あの堅物神官の内に秘めたオトコってやつを
      みんなの前で さらけ出させてやるんだから!!)

それを見ていたミネアは、姉の眉間のひくつきに底知れぬ悪寒を感じた!
447名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/27(木) 20:25:39.17 ID:yn/B65H30
おお
448名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/28(金) 09:50:51.05 ID:U/4wN/yRO
クリフト「しゃぶれよ」
アリーナ「うん」
449名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/28(金) 10:26:23.92 ID:72PcFksnO
アリーナ「人間の性は悪だ」
ガチンッ
(ブシューッ)
クリフト「私のチンポが!ホイミ!ホイミ!」
450名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/28(金) 14:14:13.41 ID:/eKcgKqG0
アリーナ「しゃぶれよ」
クリフト「うん」

こっちかと・・・
451名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/28(金) 22:20:41.45 ID:ndoKLC290
おい
452名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/29(土) 00:35:47.96 ID:c7p3FTOqO
>>445
どっちかというと、アリーナ、クリフトにぶつかる→クリフトの体つきが意外としっかりしてた(ドキドキ
のほうをよく妄想してました。
453名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/29(土) 01:03:16.01 ID:tLlwuZjp0
>>452
アリーナにクリフトが(半ば意図的に)ぶつかった

クリフト → 「ひ、姫!あの、し、失礼致しました!
お怪我は?どこか痛むところはありませんか?」
動揺しまくり
アリーナ →(…あら?クリフトって意外と筋肉ついてるのね
いつも回復や援護を任せてたからもうすこしぷよっとしてると思ってたのに
私の知らないところでいつの間にこんなに鍛えたのかしら…?
このくらい鍛えてるのなら私の相手くらい、してくれるわよね
結構いいカラダしてる…
って!どうして私ってばクリフトのカラダや筋肉のことばかり考えてるのよ!)



一部始終を見ていたマーニャは アリーナの微妙な耳の紅潮を見逃さなかった!

454名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/29(土) 06:25:45.69 ID:69u+GbzD0
クリフト「やはり特訓をしていたか…」
アリーナ「クリf・・・いや、今はミスター・ザラキだったね」
クリフト「勝手にそう呼ぶ。迷惑千万だな」
ブライ「・・・・・・」
マーニャ「・・・・・・」
455名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/29(土) 18:12:57.43 ID:iduxaEDV0
>>445>>446のつづき

マーニャは クリフトがアリーナに乗りかかる様に 強引にぶつかった
マーニャ「あ〜らごめんなさいよ〜っっ!」(ドスン!)

クリフト(はわわわ‥ 見つめる事しかできなかった姫さまが この様な間近に! この腕の中にっ!!
     それにこの腕に触れる柔らかな感触はっっ!!
     男として狂おしい程の衝動にかられてしまうっ!!
     わたしの中のけだものが 今にも姫さまに向かって動き出そうとしているっ!!
     ああっ!! 姫さまぁぁっ! お美しいですっ! 愛おしゅうございますっ!!!
     しかし この腕を 湧き上がる衝動のままに動かして どうなるものだろうか?
     姫さまは 今までの様に 私に笑顔を見せてくださるだろうか?
     姫さまは サランの町などにいる女性ではなく サントハイムの王姫!
     わたしがこの美しい女性に捧げるのは 俗な愛情などではなく 真摯な行動でなくてはっ!
     そうして賜るものでなくては わたしにとって意味がないはず!
     早くこの邪な手をどけなくてはっ!!
     神様‥ 一時とはいえ 情念をもって姫さまを見てしまったわたしをお許しください‥)

アリーナ(なんだろう‥ こんなに簡単に間合いに入られてしまうなんて‥
     なんでクリフトを跳ね除けたり 蹴り飛ばしてしまえなかったんだろう‥
     もしクリフトが敵なら 締め上げられてもおかしくない距離なのに
     なんでわたしは この人をこんな近くに引き入れておけるんだろう‥
     きっとわたし クリフトが大事な人になってしまったのね‥
     それはそうよ だってわたし お父様がいなくなって お城のみんなもいなくなって
     遠く離れたこんな地で 根無し草みたいなのに
     わたしを姫さまって呼んで付いて来てくれているんだもの‥
     さみしくて このまま抱きついてしまいたいけれど そんな事まだできない‥
     離れなくちゃ‥ 離れなくちゃ‥)

硬直していた2人は しばらくして 無言で離れ 再び歩き始めた

遠巻きに眺めていた仲間たちは これからは何も言わず2人を見守る事に決めた
456名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/30(日) 11:36:23.98 ID:/XaYmOY70
いいね
457名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/30(日) 17:55:18.46 ID:DaOAb5dPO
ミントスでクリフトが倒れた時は、アリーナがお姫様抱っこして運んだのかな?
458名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/31(月) 04:16:34.91 ID:5VCy3NDU0
肩に担いだんだろうw
459名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/31(月) 08:22:01.82 ID:CzMtJ+aI0
小脇に抱えたのかも
460名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/10/31(月) 19:03:30.95 ID:5PHxzWTF0
どんだけ男前なんだよwアリーナはwww
461名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/01(火) 00:14:39.41 ID:xPO2eME00
ええええ
462名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/01(火) 16:41:19.39 ID:W3ua3EB50
アリーナは男前だがクリフトも女々しい
463名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/01(火) 18:48:12.21 ID:W+HHjruT0
その凸凹がまたいいんだよ
464名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/02(水) 00:09:27.54 ID:AOilSKtg0
その男前のアリーナを、女々しいクリフトがキュンキュンさせてるところを
妄想するのが日課です
465ペギー ◆e.sLpeggy2 :2011/11/02(水) 01:32:17.26 ID:OGi1MgPL0
どうにもクリアリ熱が下がらず、連投失礼します。

>>446から妄想してしまったマーニャ姐さんリベンジ話です。
内容は完全なギャグとなっております。
一応クリアリがベースですが、例によって薄味です。
よろしくお願いいたします。
466マーニャ姐さんの飽くなき挑戦 1/5:2011/11/02(水) 01:34:46.22 ID:OGi1MgPL0
久しぶりにエンドールに立ち寄った勇者一行。
マーニャは、ここぞとばかりに酒場とカジノで夜を明かし、
あくび交じりに、明け染めの光差し込む宿の廊下を歩いていた。
「ふわぁ〜、今日は昼まで寝てよ…って、ぶほっ!」
廊下の角を曲がろうとしたとき、勢いよく歩いてきた誰かと
マーニャは思い切りぶつかってしまった。

ムニ

その拍子に、ぶつかった相手の肘がマーニャの胸の谷間にめり込んだ。
「ちょ…っ!」
さすがのマーニャもこれには慌て、両腕で胸を抱えるようにして体を引く。
そして無作法な衝突者を睨み上げたところ、目に入った色は青であった。
「…クリフト!?」
「これはマーニャさん。」
青い髪をやや乱した神官は、驚いたようにマーニャを見下ろした。
「申し訳ありませんでした、急いでいたもので…。」
クリフトは早口でそう言うと頭を下げた。
「急いでって、こんな朝っぱらから何を急いでんのよ。」
不審に思ったマーニャは、怒りと羞恥心を脇に置いて問いただした。
「ええ、姫様が起きてしまわれる前にお茶の用意を…あ、もう日がこんなに。」
答えながら窓を見上げたクリフトは、焦ったように呟くと
「本当にご無礼いたしました。それでは、失礼いたします。」
せかせかと廊下を早歩きで行ってしまった。
「…何よ、あれ…。」
マーニャは胸を抱えたまま、呆然とクリフトが消えた方を見つめていた。


その日の夜。
夕食後、暖炉を囲んでの歓談も終わり、部屋に帰ろうと立ち上がった
アリーナが、珍しく何かに躓き体をぐらりと傾けた。
「きゃ…。」
「姫様、危のうございます!」
後ろに控えていたクリフトがとっさに手を伸ばし、その腕をつかむ。
「あ、ありがと、クリフト…。」
アリーナが笑顔でクリフトを見上げると、クリフトはハッとしたように
アリーナの腕から手を離すと真っ赤になった。
「ももももも申し訳ありません!」
「へ?何でそこでクリフトが謝るの?私、今、御礼を言ったのよ?」
「いえ、しかし、姫様の腕をつ、つかむなど、その…。」
「腕…?腕が何?もう、変なクリフト。」
467マーニャ姐さんの飽くなき挑戦 2/5:2011/11/02(水) 01:36:02.71 ID:OGi1MgPL0
ごちゃごちゃと言い合いながら部屋に向かう主従を
暖炉の前から遠目に見ていたマーニャがぽつりと呟いた。
「…もういい加減、堪忍袋の緒が切れた…!」
ミネアと勇者が、きょとんとした顔でマーニャを見る。
年長者3人組は既に部屋に引き取っていた。
「どうしたのよ、姉さん。」
「あたしの胸の谷間は、アリーナの二の腕にも劣るっての!?」
勇者が笑いながら、サイドテーブルの干しブドウをつまみ上げた。
「そりゃあまあ、ぱふぱふとアリーナの打撃じゃ、攻撃力は…。」
「そういう話じゃなーい!!!!!」
立ち上がって叫ぶマーニャに、勇者は干しブドウを取り落とし、
ミネアは椅子から転がり落ちそうになった。

怒りのままにマーニャは今朝の出来事を2人に語ると
「こうなったらクリフトに、あたしの女としての魅力、
 ばっちり思い知ってもらうからね!」
力強く拳を握りしめた。
「…お願いだから、余り騒ぎは起こしてくれるなよ…。」
勇者がうんざりとした顔で干しブドウを口に放り込んだ。

翌朝。
普段よりもセクシーなデザインの踊り子の衣装に身を包み、
丹念に化粧を施したマーニャは、意気揚々と食堂に降りて行った。
マーニャの姿を見て、ブライは頭のてっぺんを赤く染め、
トルネコは小さく口笛を吹いて、ぐ!と親指を立ててみせる。
マーニャは2人に投げキッスを送ると、クリフトを探した。

―――いた!

フルーツの皿の前にいたクリフトを見つけ、その背後に立ちはだかる。

―――さあクリフト!この美の女神を拝みなさい!

しかし、振り返ったクリフトは、
「おはようございますマーニャさん。いいお天気ですね。」
そう笑顔で挨拶をすると、フルーツの乗った盆を手に
いそいそとアリーナのもとへと歩み去ってしまった。
「……天気より先に、話題にすべきことがあるでしょうがぁ…。」
後には、怒りにわなわな震えているマーニャが残された。
468マーニャ姐さんの飽くなき挑戦 3/5:2011/11/02(水) 01:37:13.87 ID:OGi1MgPL0
「作戦会議よ!」
部屋に帰ったマーニャは、ベッドにどかりと座ると足を組んだ。
マーニャの前には同室のミネアと、何故か連れてこられた勇者。
勇者はぐったりとした顔で椅子の背に寄りかかっており
ミネアはその横で黙々とタロットカードをめくっている。
「あんた達も何か考えなさいよ、あのトーヘンボクをどうするか!」
「えー…。たって、マーニャって普段から肌出しまくってるし
 これ以上やったら、ただの露出きょ…。」
勇者はマーニャの顔を見て口を閉じた。
ミネアは我関せずとタロットをめくり続けている。
「愚者のカード…逆位置…。」
ミネアの呟きに、マーニャがふと耳をそばだてた。
「逆位置…逆…。」
「どうした?マーニャ。」
「そうか、逆転の発想よ!」
「はぁ?」
嬉しそうに立ち上がるマーニャを、勇者はぽかんと見上げた。
「だ・か・ら、いつもセクシーで豪華なマーニャちゃんが
 さらにおしゃれしても、今以上のレベルアップはないけど
 逆に質素で地味な服を着たら、意外性でイケルってことよ!」
「…はぁ…。」
もう好きにしてくれ、と勇者は天を仰いだ。



その日の夜、マーニャは荷物にあった「みかわしの服」を身に着けた。
「暑っ苦しいわね…それに重いわ。」
「けっこう似合ってるわよ、姉さん、その格好で旅したらどう?」
ミネアとそんなやりとりを交わしながら、マーニャは階下に降りた。
そろそろ夕食時、下の食堂には、皆が集まっているはずだ。

―――見てなさいよ、クリフト!あっと言わせてやるから!

勢い込んで食堂のドアを開けたマーニャであったが、
そんなマーニャに一番先に声をかけたのは、別の人物であった。
「おや、どうなされたマーニャ殿、そのように厚着とは珍しい。
 風邪でも召されたか?」
パーティ一の愛すべき朴念仁、ライアンである。
「ちょうど良いことに拙者、先祖伝来の風邪薬を持っておるぞ。」
その大音声に、話に興じていた他のメンバーも振り向いた。
469マーニャ姐さんの飽くなき挑戦 4/5:2011/11/02(水) 01:38:18.48 ID:OGi1MgPL0
クリフトも何ごとかいう顔で近寄ってきたが、その熱い視線は
マーニャでなくライアンの持つ薬袋に注がれていた。
「先祖伝来の風邪薬…ですか。材料は何なのでしょう?」
「ドラキーの羽とスライムゼリーを3日間弱火で煮込んで
 それを煎じた薬草と一緒にすりつぶしてですな…。」
「確かにスライムゼリーは炎症に効きますね。しかし、喉の腫れに
 用いるというのはサントハイムでは聞いたことがありませんが…。」
「拙者も余り詳しくないが、ドラキーの羽と一緒に煮込むと…。」
すっかりマーニャそっちのけで薬物談義にふけっている。
マーニャの指先から火花が散り始めたのを見て、ミネアは
「そうですわね、でも、風邪には睡眠が一番。おほほほほほ。」
と無理矢理マーニャを部屋から引っ張り出した。



「もうこうなったら実力行使よ――!!!」
「やめて姉さん、犯罪はダメ!」
部屋で荒々しくみかわしの服を脱ぎ捨てたマーニャに
ミネアは必死の形相でしがみついた。そのとき

コンコン

軽いノックの音が響いた。
ミネアがドアを開けると、そこにはクリフトが立っていた。
「クリフトさん…?」
「マーニャさんがお休みのところを申し訳ありません。」
クリフトの言葉を聞いて、慌ててベッドの陰に隠れるマーニャ。
クリフトは、気遣わしげな顔で手に持った袋をミネアに渡した。
「ライアンさんの秘伝の薬には敵わないかもしれませんが、
(あんな気持ち悪い薬飲まないわよ!とマーニャは心の中で叫んだ)
 サントハイムにも風邪によく効く薬はいくつかありますので…。」
「まあ、そんな、本当に大したことはないんですのよ。」
実は風邪などひいてないとも言えず、ミネアは恐縮した。
「いえ、何やらマーニャさんは、昨日から余りご気分が
 すぐれないようでしたし…それに。」
ここでクリフトは照れたような笑みを浮かべた。
「マーニャさんの元気な声が聞こえないと、寂しいですから。」
「まあ…。」
470マーニャ姐さんの飽くなき挑戦 5/5:2011/11/02(水) 01:39:03.99 ID:OGi1MgPL0
クリフトを見送った後、ミネアはジロリと後ろを振り返った。
「…姉さん、今の会話、聞いた?」
「…聞いたわよ。」
マーニャはベッド脇の床に座ったまま、ブスッとした顔で答えた。
「ただの風邪(しかもガセ)だっていうのに、こんな薬まで…。
 後でクリフトさんにきちんと御礼言っておいてね、姉さん。」
「…アリーナが咳でもしたらこんなもんじゃすまないと思うけど。」
「姉さんったら、いい加減に」
「わーった、わーったってば!」
本気で怒りだしたミネアに、マーニャは手を振って立ち上がった。
「あー、もう、ホントに…ばっからし!」
そう言って、ミネアが手に持っていた薬の袋を取り上げる。
「ちょっと、姉さん!」
ミネアの抗議を無視して薬袋を目の前に掲げながら、
マーニャは先ほどのクリフトの言葉を思い出していた。

―――マーニャさんの元気な声が聞こえないと、寂しいですから。

「ま、あの堅物神官にマーニャちゃんの魅力が分かるなんて10年早い、
 今回はこの風邪薬に免じて、そういうことにしておきましょ。」
そう言って、マーニャは嬉しそうな笑みを浮かべた。
471ペギー ◆e.sLpeggy2 :2011/11/02(水) 01:39:56.39 ID:OGi1MgPL0
えー、ぱふぱふ攻撃はWにはありませんが、そこはスルーでお願いします…。
クリフトはアリーナ以外の女性に対しては、そもそも意識しない分
耐性はあるんじゃないかと勝手に想像しています。
それではお付き合いいただき、ありがとうございました。
472名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/02(水) 07:21:51.33 ID:PMT1Uw8+O
クリフトやマーニャだけでなく周りのメンバーもよいですね
GJです

きっと影でアリーナがクリフトに「マーニャ風邪大丈夫そうかしら…?」と聞くのですね(´∀`)
473名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/02(水) 13:15:28.42 ID:rPt6/II40
微笑マーニャです…GJ!
474名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/02(水) 18:48:37.50 ID:BljxtHWj0
>その拍子に、ぶつかった相手の肘がマーニャの胸の谷間にめり込んだ。
>「ちょ…っ!」
>さすがのマーニャもこれには慌て、両腕で胸を抱えるようにして体を引く

さすがのマーニャは不意な胸触りぐらいでは動じない
胸を抱えるなんて乙女チックな反応はしない

「ちょっと! お姉さんの胸を触っておいてその反応は無いんじゃない?」
などと言っておもむろに堅物神官の腕を掴み
自分の胸にその手をあてがって改めて反応を愉しむぐらいで調度いい

「マッマーニャさん! 一体何をっ!」
「どう?これでもなんとも思わないのかしら?」
475名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/02(水) 19:04:40.18 ID:PMT1Uw8+O
私の中ではマーニャ姐さんはふと乙女な反応をみせるイメージ。だからモンバーバラでスーパースターなのでは…と。ペギーさんのほうがしっくりくるなぁ
むしろアリーナのほうが偶然胸に手があたっても全然きにしなそう。
476名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/03(木) 10:04:19.49 ID:BnUpvvT+O
クリフトはアリーナがパンチする時は袖まくってるからワキチラや二の腕美に、
アリーナがキックする時は黒スパッツなお尻の曲線美に見とれてると思うんだ
それはもう、色黒なマーニャが例え浮きブラしてても、
オレンジのふんどしのめくれた下がきわどかろうと、目を反らす位に

だから、戦闘中も含めて極力アリーナの横や背後に陣取っている
男の心理ってのはそんなもん
477名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/03(木) 21:22:39.73 ID:F+CMhbDA0
姫を守るのが使命なんだから、戦闘中ぼーっと見とれているなんてないだろ。
どこの厨房だよw
478名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/03(木) 23:36:25.76 ID:3zLykeKQ0
でもそんな男の性(さが)に逆らえないクリフトも好きですw
そんで苦悩してるの
479名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/04(金) 07:40:40.53 ID:J19yg4bd0
クリフトはそこそこ反射神経が良いと思うんだ、不意な攻撃にもうっかり対処しちゃうんだ
480名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/04(金) 18:23:54.12 ID:Qe93Hzxd0
レオタード装備時とか戦闘に集中出来そうにないと想像するw

アリーナ「もう何やってんのクリフト!戦闘に集中して!」
クリフト「すすすすみません!わわっ姫さま!そのキックのアングルは色々マズイ…ぶはぁっ(鼻血)」
ブライ「童貞乙」
481名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/04(金) 18:42:20.78 ID:tzMby8rr0
レオタードの上にあの黄色いの着たり紫の被ったりするだろ
まんまで着るのはマーニャくらい

問題は黒いタイツの上に着るか、レオタードの上にタイツを履くかだね
いずれにしろ、クリフトはどんなに眼前にエロポイントが飛び込んでこようが、口には出さないむっつりと想像

アリーナ「クリフト最近元気ないね、どうしたの?」
クリフト「そ、そんな事はありません、むしろ元気な位です、頑張ります!」
などと言いつつ、全く戦闘に集中できず、闇雲にザラキを唱える作業がはじまるお…
482名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/04(金) 22:33:38.20 ID:DlerVFqD0
5から出てくるエッチな下着も、そのまま着るのではなく服の下に着るという意見を聞いて、目からうろこが落ちた事がある
でもやっぱりそのまま着てて欲しいw

昔の攻略本は装備したイラストが付いてたんじゃなかったっけ?
レオタードはやっぱりマーニャあたりのイラストだったんだろうか?
483名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/05(土) 10:03:07.83 ID:YWhBasxP0
装備絵があったのはYだね バーバラの
すくなくともWの銀のやつとかうすっぺらの漫画入りのやつはそういうイラスト無かったはず

アリーナはおてんばなのに姫要素が入っている所がいいと思う
お父様と呼ぶとことか、力は強いけど細腕で色白とか、下僕扱いでも心配して助けるとか
実は仕草がはしばしお嬢様してたりとか、服はきちんとたたむ派とか、食事のマナーはしっかりしてるとか、
早くに母親を亡くして、父王にかまって欲しいがためにおてんばを振舞ってるに過ぎないとか
484名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/05(土) 12:43:40.20 ID:nns+HIKJO
リメイク版をプレイする限りとても上品とは・・・w
485名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/06(日) 00:28:44.62 ID:dajDKSI/0
基本姫様は「普段必要以上に上品にお姫様らしく振る舞うことを押しつけられる
のを面白く思わないからわざとおてんばに振る舞っているだけで、素はごく普通
の女の子」のイメージ。

ちなみにクリフトは「姫様の照れた顔が大好きで、その顔見たさにわざとからかったり
悪意のない意地悪をしている」イメージだな。
愛すべきヘタレとはほど遠いが。
486名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/08(火) 17:25:37.87 ID:6dAH19rT0
おてんばなのに姫要素が入っているというよりもお姫様なのにお転婆だと思うw
振舞いで壁を蹴破るは無理だろうしあの格闘マニアっぷりや格闘技の強さは
父王に構ってもらいたいためにそう振舞っているのとはちと違うかなw

というかお転婆って言葉自体がそこまで特別なものではないと思う
いわゆる元気で活発だったり強気なかんじの子を指す言葉だから
お転婆=普通の女の子じゃないってわけでもないしねw
ただアリーナの場合お姫様ってのがまず先にあるから、
お姫様なのにお転婆というギャップ要素によってちょっと特別な感じになっている
487名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/08(火) 18:25:29.58 ID:wXcQn1tn0
「おてんば おてんばって 耳に タコが できちゃうわ」
「べつに 私 自分は ふつうの姫だと思うけどな 元気が あるのって いいことだし!」
このあたりから、冒険や格闘など、好きな事は好きな事として、自分は姫であるという自覚はあるみたい。

そのほか「うれしいわ」「いいのよ クリフト」「まあ!そうだったの!」など、
姫要素溢れる言葉遣いが多数見られる一方で、一人旅を所望したり、魔物退治に意欲的だったり、
購買意欲が旺盛だったり、自由への渇望と強さへの自負が思考回路の中心になってる感じだね。

ツンデレじゃないけど、無人のサントハイムを訪れた時に
「ありがとう いっしょにいてくれて」と言う所に象徴的に表れる様なギャップは、
クリフトならずとも男をイチコロにする魅力があると思う。
おてんばかつ色白、細身、巻き毛、端々上品なのはじっさいカワイイ。
488名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/08(火) 18:32:46.60 ID:dkkjVOoxO
ホントはムッキムキで腹筋割れまくりよ
489名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/08(火) 19:34:20.83 ID:folrL5uU0
言葉遣いは姫要素というか二次元女キャラとしてはごく標準的な感じがする
ドラクエの女キャラのほとんどがそういう言葉遣いだからね
体格や鳥山のその時の絵柄で結構変わる
FCの版権は鳥山の癖で結構ムキムキに描かれてた
肌色も鳥山のその時の描き方で大分変わるし
各々が好きなアリーナ像を思い描けばいいんじゃないかと思う

個人的にはバトルロードのいかにも元気っこなアリーナが好きw
490名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/08(火) 22:24:43.27 ID:uo2b/EJL0
男っぽいわけじゃないんだよね
リメイクの言葉遣い好きだ
491名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/09(水) 02:10:06.42 ID:PA733poC0
姫じゃなかったら格闘技がめっちゃ強い事は置いといて、等身大って感じの元気で無邪気な可愛い女の子だよねw
でも姫となると特に昔は落ち着いた感じを強要されただろうから
そんな中他の姫達のように縛られた感じでいないで自由で天真爛漫な感じのアリーナは
格闘の事がなかったとしても周囲から見たらイレギュラーな存在だった気がするw
色々拘束されがちな城の中でアリーナの在り方はクリフトにとって相当眩しかったんだろうな〜
492名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/09(水) 12:22:48.79 ID:654aeLVd0
将来アリーナがどんな女王になるのか想像するのも楽しい
責任感や人を引き付ける魅力はあるみたいだから
あとは良きブレーンさえいれば上手く国を治めることができると思う
ということでクリフト+アリーナって最強だなと
493名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/09(水) 18:28:15.28 ID:18urAU/U0
クリフトあってのアリーナ、アリーナあってのクリフトみたいに思う
もちろん単体でもそれぞれに魅力的なキャラだけど
一緒にいる事でさらに互いが惹き立つ感じがする
494名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/10(木) 18:33:13.95 ID:ktlIR8pt0
クリフトって、シブメンで見た目はカコイイけど、しゃべるとしどろもどろなのかな?
ザオリクやベホマラーを使えるのが稀有な才能の持ち主だとしたら、
天才肌で普段はスカしているのに、アリーナに対してはからっきしっていうギャップがあるとか?

アリーナも、そんな他で高評価なクリフトに気付いてないとか。
495名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/10(木) 22:38:38.86 ID:xbxdg+6P0
>>494
まさにそんなイメージw
普段すかしているかは知らないけど、でも普通にレベル高いのに
アリーナに対してだけはたじたじな感じでちょっとヘタレてしまうという…w
496名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/11(金) 00:33:38.34 ID:6FHrfjjK0
そんな2人がいいんだよね
お城の人にはどんな態度なんだろ
しっかり者と思われてるのかな
497名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/11(金) 01:40:05.72 ID:H3UK8AQW0
意外にもクールな感じだったりしてねw
498名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/11(金) 10:14:54.32 ID:cnMmH9mb0
クールってか、寡黙でありそう。
499名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/11(金) 10:31:37.28 ID:spbvpou5O
まさに俺ですな
500名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/11(金) 11:13:12.28 ID:Ck/n0VNo0
サランの町ではイケメン神官として時おり黄色い声を浴びていたクリフト
神に仕える身として、その声に応える事は無かったが、早期のホイミ習得もあり、内心は自負があった
だが、神官長含め権力にはめっぽう弱い
王宮の姫という権力と、女は守るものなどという常識の通用しない粗暴さ、町娘とは桁違いの可愛さ
全てを兼ね備えたアリーナに一発でヤられてしまい、らしくないとは思いつつも、タジタジなクリフト
501名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/11(金) 12:01:28.15 ID:A3CTJI0M0
言葉を選びつつぽつりぽつり話す印象だな、クリフトは。
502名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/11(金) 20:25:08.21 ID:P3pjbI4k0
寡黙でクールでとっつきにくい神官が、じゃじゃ馬姫様に振り回され
姫様相手にだけはデレデレで自分を制御できないとか禿げ萌えるw
503名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/12(土) 11:41:58.50 ID:k5UwB9Kx0
ある宿屋での食事中
マーニャ「ちょっとクリフト、そのサラダ取ってくれない?」
クリフト「なぜ俺様が… 自分で取れ」
アリーナ「あっ フォーク落としちゃった! クリフト そっちの取ってくれない?」
クリフト「はっ はい! どうぞ 姫さま!」
こんなかんじですかわかりません
504名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/12(土) 11:58:44.55 ID:fi67+L++0
ちょっと違うw
505名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/12(土) 12:44:10.91 ID:Wkic5aogO
ある宿屋での食事中
マーニャ「ちょっとクリフト、そのサラダ取ってくれない?」
クリフト「はい どうぞ(テキパキ」
アリーナ「あっ フォーク落としちゃった! クリフト そっちの取ってくれない?」
クリフト「はっ はい! どうぞ 姫さま!(アタフタ」
こんなかんじですな?
506名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/12(土) 15:21:33.31 ID:+kEtKCrA0
なにそのサクラ大戦
507名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/12(土) 21:50:44.29 ID:XqsF9qh60
>>503の俺様クリフト想像して吹いたw
508名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/12(土) 23:05:01.88 ID:Wkic5aogO
アリーナが落としたフォークをこっそり拾って使うクリフト
509名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/12(土) 23:26:35.56 ID:6zNzCnxWO
とりあえず軽く手がふれあってクリフトドキドキは基本ですよね。
アリーナも内心ドキドキしてるとなおよい
510名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/13(日) 14:29:21.24 ID:MkP+nt3bO
数年後のアリーナとクリフトの結婚式。
アリーナをお姫様抱っこしようと抱き上げるがぎっくり腰をおこしてしまうクリフト。
結局アリーナにお姫様抱っこされながらバージンロードを進む事となってしまう。
511名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/13(日) 17:54:59.94 ID:6y+jrqLJ0
あまりにも間抜けだけどクリアリらしいといえばクリアリらしいw
512名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/13(日) 23:27:15.47 ID:HUC/22SBO
いざクリアリで結婚式したらクリフトの方が夢みてそうだな…
ドレスもアリーナは何も良いといいそうだが、クリフトのほうがお針子さんと姫様のウエディングドレスについてキャッキャッしてそうだ…
513名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/14(月) 12:42:11.98 ID:YSAxZKdIO
・式の最中に、慣れないハイヒールで両足に靴擦れを起こすアリーナ
・クリフト気づいてアリーナをお姫様抱っこしてバージンロードを進む
・恥ずかしがって暴れるアリーナ
・靴擦れで血まみれになった靴が飛んで参列していたマーニャ&ミネア
に当たる
・マーニャ&ミネア「情けない…」

なんてのを想像している。
514名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/14(月) 15:17:30.40 ID:j7z7iF6I0
そもそもクリフトに国王が務まるかどうか
神官→王の転職とか玉の輿だな
515名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/14(月) 16:40:49.39 ID:QcXNxJduO
普通に考えると女王アリーナで補佐役クリフトだろうな…
516名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/14(月) 17:10:50.17 ID:722ek8sA0
イメージ的にはエジンバラ公みたいな感じかなぁ。
クリフトなら失言もしなさそうだしw
517名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/14(月) 20:45:22.97 ID:nMmo0GYE0
そして、サントハイム国教会トップを兼ねると。
518名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/14(月) 20:47:23.37 ID:xOPyxil60
国政に関してはクリフトが頑張るイメージ

ア「あー!!こんなのわかんないわよ!」
ク「…恐れながら姫様、これはこうしてこうしてこうするのが良いかと」
ア「そっか!これなら問題ないわね!すごいすごい!さすがクリフト!」
ク「き、恐縮です///」

って感じ?
519名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/14(月) 20:49:54.05 ID:sdZcZPq40
ビクトリア女王ととアルバート公でしょ
520名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/15(火) 10:38:04.54 ID:aG1yFLNh0
おおおお
521名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/16(水) 13:22:43.12 ID:Ue2O5cGD0
>>519
それじゃクリフトが早死にしてしまうがや
522名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/17(木) 09:38:39.80 ID:AqDpWvVS0
そう
523名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/17(木) 15:45:15.45 ID:mpdfLdfl0
てかクリフトがアリーナより長生きするイメージがない
524名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/17(木) 16:26:39.19 ID:gfIRYDFG0
クリフトなんて、勇者とかと違ってごく普通の人間なのに
ザキ・ザラキとか、ザオリクとか、生殺与奪の呪文使ってんだもんな・・・
ダイ大でも禁呪使うと早死にするとか言ってたし
525名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/17(木) 21:08:52.70 ID:dIeBgvv50
えええ
526クリフト:2011/11/17(木) 21:31:08.21 ID:HJiycCmdO
命にかえてでも守りたいものがあるんです
527名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/18(金) 00:04:42.81 ID:gfIRYDFG0
そんなの嫌だぁぁぁぁぁ
と言いつつ両想い前提での死に別れとか嫌いじゃない自分も嫌だ
528名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/18(金) 09:57:59.94 ID:vQue0ERH0
「姫さま… 面目ない… このクリフト… ここで果てるやも知れません… どうか…」
(うおぉ… 嫌だ! この俺様が 姫さまへの想いを遂げられずに 一度もエッチせずに死ぬなど嫌だ!
 あぁ… あの時 サランの花売りの子が告って来た時に その場限りでヤッておけばよかった…
 いやちがーう! 俺が女と認めるのは姫さまだけだ! 死にたくない!
 姫さま 哀しい顔をして… 心配して下さっているのか? うおぉ! そんな表情もかわいい!)

「大げさね パキデアの根っこを取って来ればいいんでしょ!」
 
(あきれている顔でしたか… うーむ…)
529名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/20(日) 10:18:52.24 ID:H6+pA5iY0
530井戸魔神F ◆Yyby928XKw :2011/11/20(日) 16:53:54.17 ID:QmqTyMTX0
>>524
ダイの大冒険では
ザキ系も
ザオラル系も
禁呪法じゃなかったがな
531名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/20(日) 22:04:48.22 ID:Dvb3Jq+4O
クリフトだけでなくドラクエ全体的にだけど、ほぼ必要最低限以上の公式設定はないからいろいろ妄想し甲斐があるよなー
532名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/21(月) 02:59:54.72 ID:XXqEYdsGO
アリーナ「今年ぃ家臣入ってきたけど、お前一番態度悪いって言われてるぞ」
アリーナ「とりあえず脱げ(無表情)」
アリーナ「お前、体・・・だけは偉そうじゃねえか」
アリーナ「しかも何だお前そのチンコは?チンコまでえらそうじゃねぇかよ・・・ いい色してんじゃねえの?」
アリーナ「乳首もかわいい乳首しやがってよこの野郎・・・」
アリーナ「お前初めてかろうそくは?力抜けよ」
クリフト「ハッ…ハッ…アッー!アーツィ!アーツ!アーツェ!アツゥイ!」
クリフト「ヒュゥー、アッツ!アツウィー、アツーウィ!アツー、アツーェ!」
クリフト「すいませへぇぇ〜ん!アッアッアッ、アツェ!アツェ!アッー、熱いっす!熱いっす!ーアッ! 」
クリフト「熱いっす!熱いっす!アツェ!アツイ!アツイ!アツイ!アツイ!アツイ!アー・・・アツイ!」
533名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/21(月) 09:05:37.24 ID:EEX8XgHS0
>>439
乙です
普段は沈着冷静な感じがいいなあ!
534名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/21(月) 17:55:25.48 ID:ipCiSUjiO
>>532
つまんないから二度と来なくていいよ
535名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/22(火) 03:07:07.48 ID:AUXgtupO0
>483
「導きの書」の記述からは、
お転婆だけど生まれ持った気品がある
というイメージを受けた
536名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/22(火) 17:30:54.37 ID:l1Gu1c+n0
従者さんのSSは、続きがあるんだっけ?
煩悩さんとかてんちょとかはもう来ないのかな
537名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/22(火) 20:37:12.70 ID:r9CRsxlF0
もう少ししたらWii版のいたストが出る!
クリアリの掛け合いセリフの新しいのたくさんあるといいな〜
538名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/26(土) 17:03:55.78 ID:LCFY6f0E0
>>532
一行は、強敵の群がる地域に迷い込んでしまい、クリフトは、アリーナをかばって深手を負ってしまった

アリーナ「まったく、あんな攻撃、ひらりとかわしてカウンターをお見舞いしてやったのに!」
クリフト「す、すみません、姫さまが敵に背を向けていたので、てっきり…」
アリーナ「このわたしが、そんなに簡単に後ろを取らせるわけがないでしょう?」
クリフト「そうですね… 出すぎた真似をしてしまいました…」
アリーナ「あっ、気を悪くしないでね、わたしを守ろうとしてくれた事には、感謝してるのよ、ごめんね、クリフト」
クリフト「そんな、もったいないお言葉です」
アリーナ「じゃあ、今回は特別にわたしが傷の手当をしてあげる!」
クリフト「い、いえ、結構です、べホイミもかけましたし、じきに良くなりますから…」
    (かえって傷口が悪化したりしないだろうか…)
アリーナ「なに?遠慮しなくていいのよ?ほら、そうと決まったら、その血だらけの服を脱いで!」
クリフト「は、はい、イタ!イテテ… すみません、思うように体がいう事をききません」
アリーナ「しょうがないわね、わたしが脱がしてあげるわよ、ケガ人は大人しくしてなさい?」
クリフト「イタ イタタタ… そんな、姫さま…」
    (痛い!近い!お美しい!お肌が白い!や、やわらかい…)
アリーナ「いがいと深い傷ね…、それより、わたしより弱いくせに、体だけはガッシリしてるのね」
    (あら?クリフトがわたしをじっと見てるわね、横目で分かるわ、顔に何か付いてるかしら?)
クリフト(姫さまが私に触れていらっしゃる… しかし、あんなにいつも色んな物を殴っているのに、なんてやわらかい手なんだろう…)
アリーナ(考えてみたら、今のクリフトは、その辺の戦士なんかより、ずっと強いものね、逞しくて当然かな)
クリフト(姫さま… 至近距離… お美しい… 痛い…)
アリーナ「ずいぶん下まで斬られたのね、ちょっとだけ、ズボンを下げるわよ」
クリフト「はっ!姫さま!まっ…」ビヨン!
アリーナ(えっ…?なにこれ、傷付いたクリフトから、こんな元気なものが… どういう事なの…)
クリフト(終わった… なにもかも… 見られてしまった… こんな私を…)
アリーナ(こんな時、どうすればいいのかしら… でも、こんな事でうろたえたなんて、思われたくないし…)パクッ
クリフト「☆◎↑△&!!」




ブライ「最近、姫さまが妙にクリフトのアホウになついておいでじゃのう、はて、なんぞあったのか…」
539名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/27(日) 01:04:42.18 ID:fW5UkJV20
>538
ミントスの看病中なら有り得る
アリーナが着替え食事の面倒見てたんだろうし
540名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/11/29(火) 21:45:00.68 ID:j7A2cc1s0
541名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/12/01(木) 18:14:36.30 ID:PTikfyrC0
いたストWii買った
セリフはだいたいDS版の流用だけど、神殿が税務署になってるのでそのへんのセリフは変わるかも
キャラクター紹介でモーションを見ることができるけど、クリフトがすげぇ…レベルアップでバク宙とか、めっちゃアクロバティック
姫はカンフーギャルでかわいい
542名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/12/01(木) 19:56:38.32 ID:LX0LdqJ10
>>541
おおーうらやましい
バク宙wwwキャラを見失ってるwww
他にもレポよろです
543名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/12/02(金) 21:39:16.39 ID:m9eYY8/gO
見失ってない、アリーナに合わせるため精進しているんだ。
544名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/12/08(木) 09:34:17.01 ID:14hnUJ/c0
545名前が無い@ただの名無しのようだ
>>541
クリアリな会話みたいなのある?