シチュ書いたら誰かがSSを書くスレ

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13名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/04(水) 22:05:12 ID:gZKL2FaY0
>>11
何のこと?
14名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/04(水) 22:15:23 ID:e8MfcSaw0
>>13
必死に感想書いててきもいなーって思ったの。

ダンボールの中に入って捨て猫ごっこをするフォズ
15名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/04(水) 22:18:58 ID:gZKL2FaY0
>>14 なるほど承知した。じゃあ一行で加工。
>>8 おお初投下!キラーマジンガかっこええ〜 対峙する二者の緊迫感がすごく伝わってきた。GJです。
16名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/04(水) 22:21:54 ID:e8MfcSaw0
>>15
小学生みたいだね。

フォズとイノップ
17フォズの猫ごっこ(1/2):2010/08/05(木) 00:31:39 ID:t6/l+9pG0
>>14 書いてみた


「うにゃ〜」
ん?フォズ?どうした箱なんかに入って。何かの儀式か?
「ひろってください!なのにゃ」
いや、猫は喋らないし。
「こまかいことはいいのにゃ!フォズをひろってください!なのにゃ!」
いや細かいことじゃないし。
「む〜。フォズはひろってもらえにゃいのにゃ……うう」
あ〜もう。分かったよ、泣くな。拾うよ。
「にゃー!ありがとうにゃー!」
抱きつくな。

「にゃー!いやなのにゃ!」
うるさい。いいから言うとおりにしろ。
「にゃーにゃー!いやにゃー!」
バシャー!
「にゃー!ずぶぬれにゃー!」
にゃーにゃーうるさいぞ。今度はこれだ。

ゴシゴシ……
「ふにゃー……きもちいいのにゃ」
お客さんかゆいところありませんかぁ?
「もうちょっとみぎのほう……ってちがうのにゃ!」
ツッコミありがとう。はいおしまい。バシャー!
「にゃー!」

拭き拭き。
「うにゃ〜。きもちよかったのにゃ」
お次はこれだ。
ぶおーん!
「にゃー。あったかいにゃ」
よく乾かさないとな。
「フォズのかみのけさらさら、なのにゃ」

「いただきま〜す!おなかすいてたのにゃ」
たくさんあるから腹いっぱい食べていいぞ。
「もぐもぐ……おいしいのにゃ!」
……やっぱり、フォズの味覚はおかしいと思う。
「そんなことないのにゃ。たべてみるのにゃ」
俺はいらん。フォズが全部食べろ。
「これのおいしさがわからないなんて、じんせいはんぶんそんしてるのにゃ」
そんな人生初めっからいらない。
18フォズの猫ごっこ(2/2):2010/08/05(木) 00:33:20 ID:t6/l+9pG0
これも飲んでいいぞ。
「にゃ!ほっとみるく、なのにゃ!」
フォズの好物だったな。
「そうなのにゃ!ありがとうにゃ!」
俺の特製だからな。さ、飲んで飲んで。
「いただきますにゃー……にゃ!!!」
ふっふっふ。
「あまい〜!あますぎるのにゃ〜」
砂糖と蜂蜜たっぷりの甘々ホットミルクだ。
「でも、これはこれでおいしいのにゃ」
うげ。俺には無理だ。

うわぁぁぁ!YOU LOSE!
「むー!またまけたのにゃー!」
フォズは下手だなぁ。
「もういっかいやるのにゃ!こんどはまけないのにゃ!」
もう何回やってるんだよ。
「もういっかいだけやるのにゃ!」
はいはい、分かったよ。
うわぁぁぁ!YOU LOSE!
「むーっ!!」
ほら、また負けた。
「もういっかい!もういっかいだけ!」
へいへい……そろそろ負けてやるか。
うわぁぁぁ!YOU WIN!
「やったー!かったのにゃー!!」
やったな、フォズ。じゃ、そろそろ寝るぞ。
「にゃー!もういっかいやるのにゃ!もういっかいかつのにゃ!」
まだやんの……?

「うみゃ〜……」
そろそろ寝るぞ。おこさまはおねんねの時間だ。
「うん……いっしょにねるのにゃ」
いっしょかよ。まぁ、いいぞ。
「うにゃ〜……ねるのにゃ……きょうはたのしかったのにゃ……」
そうか、よかったな。おやすみ、フォズ。
「ふにゃ……おやすみにゃさい〜」


フォズの猫ごっこ おしまい
19名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/05(木) 00:41:56 ID:e7nzzB/O0
>>17-18
GJ

生贄を捕食しているヒミコ
20名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/05(木) 05:32:23 ID:VEYBEDFx0
こういうスレでは、
「感想レスに対し感想をつけることは禁止」
というテンプレが必要だな

>>17-18
・・・・・・・・・このハンコSSのどこがどうフォズたん猫なんだ?
ヒマな人は、「フォズ」を「サブリナ」または「マリベル」「イシス女王」あたりに置き換えてみよう
ほーら、ちゃんとしたドラクエ的ネタSSに早変わりw
21名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/05(木) 06:46:27 ID:O4lDinBK0
ここまで自演
22名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/05(木) 13:09:18 ID:tn5Z9aFO0
>>17-18 これ何かのコピペ?
23名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/06(金) 07:31:11 ID:psWO/Vrp0
ジャミに陵辱されるビアンカ
24名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/06(金) 18:00:35 ID:bKtwQWzb0
ヘンリーとマリアの初夜
25名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/06(金) 18:35:08 ID:psWO/Vrp0
ヒミコがやまたのおろちだった理由
26名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/06(金) 21:12:10 ID:0oeCg90e0
念能力に目覚めたホフマン
27ヒミコがやまたのおろちだった理由(1/2):2010/08/07(土) 00:45:39 ID:tClaZItr0
>>25 書いてみた


遥か東の国、ジパング。

小さな島の集まりであるこの国は、はるか昔より戦火が絶えることがなかった。
領主たちはこの国の主権を巡り、血で血を洗う争いを続けていた。
国土は荒れ、人心は疲弊し、魑魅魍魎の類、魔の者が跋扈した。人々は、この乱世を救う英雄を待ち望んでいた。

神に仕える巫女、そして預言者でもあったヒミコは、10歳で神の啓示を受け、この乱世を救うべく立ち上がった。
ヒミコは、未来の姿を見ることが出来る「宝玉」と、全ての物を斬ることの出来る「宝剣」を神より授かり、
その力を持って領主を次々とその傘下に収めた。
まつろわぬ勢力を一掃し、魔の者を地の底へ追い返すことに成功した。
そして、ヒミコはジパングを統一し、初代ジパング女王となったのである。
人々はヒミコの統治の下、ようやく安息の時代を迎えることができたのであった。

それから、10年の年月が流れた。

世は再び乱れ始めた。
これまで絶対であった「宝玉」の力が、衰えてきたのだ。ヒミコが神に祈っても、力は戻ってはこなかった。
未来を見ることのできない、力のないヒミコには、もはやこの世を治めることはできなかった。
領主は再び主権争いに明け暮れた。
一度は地の底に追い返したはずの魔の者まで、再びこの世に現れてきたのである。

ヒミコは思い悩んだ。
いかにすれば、この世から争いを無くすことが出来るのか。
いかにすれば、人々を安息に導くことができるのか。

ヒミコは、聖なる山「フジヤマ」の麓の洞窟の祠に篭った。そして、ひたすらに神に祈った。
神に祈ることしか、今のヒミコにできることはない。

この世に生きる人々のために。争いのない、平和な世を作るために。
食べることもなく、眠ることもなく、ただただ、ヒミコは祈った。

神よ。この世の争いを収める為に、人々の安息の為に、私に力をお貸しください。
今一度、私に力を……。
28ヒミコがやまたのおろちだった理由(2/2):2010/08/07(土) 00:46:42 ID:tClaZItr0
祈りを捧げるヒミコの耳に、響く声。

「……汝、力を欲するか」
ああ、神よ。私の祈りが通じたのですか。力を、お貸しくださいませ。

「何ゆえに」
平和な世の為に。人々の幸せの為に。神よ、どうか、力をお貸しくださいませ。

「よかろう。汝、力の源を我に示せ」

ヒミコは、金色の「宝玉」を祭壇に捧げた。

「ふはははは!これが宝玉か。大したものではないな」
宝玉は、みるみるうちにどす黒く色が変わっていく。

な、何者……?

「我は、オロチ。神とやらにすがる愚か者よ。汝に力をやろう」

どくん。
心臓が大きく跳ねる。

「我に従え。我の力を使え。さすれば、汝は何者にも負けぬ。汝はこの世の支配者となることが出来よう」

どくん。どくん。
嫌だ。私は支配など望まない。争いなど望まない。お前の力などいらない。

「さあ、受け取るがいい。これが力だ。力を使え。破壊せよ。殺戮せよ」

どくん。どくん。どくん。どくん。
い、嫌だっ!いやだっ、いやぁぁぁぁっ!!
う……がぁっ……い……や……だ……。
くるな……はいって……くるなっ……。

…………

「……くくく」
ヒミコが不気味に笑う。かっと見開いた瞳は、炎のように紅い。
手にした宝玉は、深い紫色に染まっていた。
(良い憑り代だ……これほどの力のある肉体はなかなかいるものではない)
(我に血を捧げよ。殺せ、殺せ、ころせ、コロセ……!)

ヒミコの姿が、だんだんと変化してゆく。人の姿から、巨大な蛇の姿へ。
そして、八つの頭を持つ大蛇へと、その姿を変えた。
(我は、オロチ。そして、ヒミコなるぞ。くくく……)

ジパングを恐怖と力で支配した、女王「ヒミコ」の誕生であった。


END
29名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/07(土) 07:18:21 ID:2NwT7dhO0
>>27-28
GJ

おおばさみを二つ持ってカニごっこする女戦士
30名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/07(土) 17:49:34 ID:L8X4qbem0
スクエニ本社に来て社員に文句を言うテリー
31名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/07(土) 20:49:19 ID:2NwT7dhO0
タイツの下は異形だった僧侶さん
32名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/08(日) 01:15:35 ID:87ofyD4v0
>>27-28
9のダーマ神官の変身シーンはこんな感じなんだろうな
できればもっとエロくしてほしかったなー、せめて服が破けるとか
33名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/08(日) 14:05:02 ID:Vk4cJZO40
ネレウスが貝殻帽子を外したら
34名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/08(日) 23:45:59 ID:Vk4cJZO40
エッチな下着を装備したタバサ
35名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/09(月) 19:34:33 ID:K9eYiYwO0
ピエール兜を脱ぐ
36名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/13(金) 19:53:30 ID:Qv2ua5hw0
>>31 書いてたけど規制されたorz
解除されたら投下する
37名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/18(水) 18:36:28 ID:V23oN1s00
アグリアスがドラゴラム
38名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/18(水) 18:39:52 ID:V23oN1s00
トルネコとネネの馴れ初め
39名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/18(水) 18:52:45 ID:V23oN1s00
リッカの日常
40名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/18(水) 22:03:22 ID:V23oN1s00
フォズのその後
41名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/19(木) 00:48:18 ID:oFZPx1uAO
ゲーセンでLOVをプレイするセシル
42名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/19(木) 20:04:30 ID:0P5Y6r8M0
ハッサンの初恋
43名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/19(木) 21:30:55 ID:cBDB0oA20
実は強かったフフィーッ
44名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/20(金) 14:24:36 ID:tJCaIZE20
発情期を迎えたガボと、なぜかそれに対処しなければならなくなったマリベル
45名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/25(水) 15:12:17 ID:H9iK9cvS0
ロザリー虐待の様子
46名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/25(水) 15:12:58 ID:H9iK9cvS0
クリフト失恋
47名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/28(土) 12:04:14 ID:5fYSyhsQ0
ミルドラース誕生
48名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/30(月) 13:05:10 ID:5SEoLlH10
マリベルスイフーに犯される
49名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/08/31(火) 11:43:53 ID:+UmTh8JA0
アグリアス髪下ろす
50タイツの下は異形だった僧侶さん(1/6):2010/09/13(月) 19:29:38 ID:PUlDCwvm0
一時的に解除になったので>>31投下


「俺はエリック。戦士やってるモンだ。よろしくな」
「私はマリー。魔法使いよ」
「僧侶のシンシアです。どうぞよろしく」
「僕はアベル。僕の呼びかけに応えてくれて、嬉しく思います。世界を救うために、みんな、力を貸して下さい」

ルイーダの酒場で、魔王バラモスを倒す為に集まった四人の若者たち。
彼らの冒険は、今日から始まるのである。

レーベの村にて。

「ねぇ、シンシア」
部屋に着いて、マリーがベッドにどさっと座る。
「何でしょう?マリーさん」
荷物の整理をしながら、シンシアが答えた。

「その格好、どうにかならないのかな?」
「ええと、そう言われても、ですね……」
「アベルとかエリックの視線、感じない?」
「まぁ……そうですね」

シンシアの着ている法衣は、この世界の僧侶であれば普通に着ているものだ。
全身を包むようなタイツの上に、一枚の布を頭からすっぽりと被り、腰のところでベルトを締める法衣である。
しかし、前と後ろから見れば問題はないものの、横は隙間だらけなので、太腿や胸元がチラチラと見えてしまっている。
女性が着るには、少々問題がありそうだ。
アベルやエリックの視線が、ついそこへ向かうのも仕方ないことではある。

「アタシは僧侶の世界に詳しくないから分かんないんだけど、いつもその格好なの?」
「ええ。これが僧侶の普段の服装です。修行を積んで、大司教様に認められたら着ることの出来る、
とても意味のある法衣なんですよ。それに、動きやすくていいんです、これ」
(こんな、ある意味えっちな格好が普通で意味のあるものなの?……僧侶の世界はよく分からないわ)


一行の旅は続く。アリアハンを超えて、ロマリアへ。

マリーの見たところ、確かにシンシアの服装は動きやすくていい。
盾やメイス、フレイルといった戦闘用の装備にも対応できる。見た目はともかく、旅の僧侶にはうってつけだろう。

……とはいえ、アベルとエリックの視線は相変わらずシンシアに向かっているのだけど。
今度あの二人には間違えたふりしてベギラマでも食らわせてやろうかしら。

もうひとつ、マリーが不思議に思っていることがある。
シンシアとは何度も宿で同室になっているが、一度も着替えているところを見たことがないのだ。
風呂もマリーのいないうちにひとりで入るし、寝る時もいつの間にかローブを着ている。
そのローブも極端に裾や袖が長く、フードまでついた、完全に体を隠せるものを着るのだ。
(シンシアって、なぜだか妙に体を隠すのよね。結構スタイルよさそうなのに)
(自信ないのかしら。……今度、どんなものか見てやろうっと)
51タイツの下は異形だった僧侶さん(2/6):2010/09/13(月) 19:32:30 ID:PUlDCwvm0
その機会は意外と早くやってきた。

その日の夜、マリーは酒場でアベルとエリック相手に飲んでいた。シンシアは、戒律で酒は飲めないので、宿で留守番している。
夜も更けて、酔っ払って宿へ帰ってくると、シンシアが部屋にいない。
部屋の隣にある風呂を覗いてみると、シンシアの法衣と、着替えのローブが置いてあった。
シンシアは風呂か……。
風呂のドアを確認してみると、鍵がかかっていない。
(そうだ!気づかなかったふりして、一緒にお風呂入っちゃおう!シンシアの裸も見てみたいし)
酔いの勢いもあった。マリーはぱっぱと魔術師の服を脱ぎ捨てて裸になると、風呂のドアを開けて中に入った。
「きゃああ!」
シンシアの悲鳴が上がった。もうもうと立ち上る湯気で、浴槽の中のシンシアの姿はぼんやりとしか見えない。
「あ、シンシア?アタシよ、マリー。ごめんねぇ、誰もいないと思ったから」
マリーはもっともらしく呼びかけると、シンシアに近づいていった。
「マ、マリーさん!?ダメダメ!来たらダメです!」
「えー?いいじゃない、女の子同士なんだしさー」

そして、湯気の中から、シンシアの姿がはっきりと現れた。
「え……?」
「……だから、ダメだって言ったんです。……見られたくなかったのに……」

湯気の中のシンシアの体は、無数の傷痕だらけだった。
すらりとした、細くて白い体のあちこちに、引っかいたような傷、えぐられて出来た傷、大きな切り傷、刺し傷、火傷の痕、
ありとあらゆる傷が、赤黒い痕となって刻まれている。

「あ……あの、シンシア……」
「……」
シンシアは悲しそうに目を伏せた。見られたくなかった。こんな、傷だらけの醜い体なんて。
「ゴ、ゴメン!!」
それだけ言うのがやっとだった。マリーは風呂を飛び出した。

ローブを羽織って部屋に戻ってきたマリーだったが、シンシアの体が焼きついたように頭から離れない。
酔いは完全に醒めてしまっていた。
(な、何、あれ……。どうしたら、あんなに傷だらけになるの……?)
(シンシア、悲しそうだった。本当に見られたくなかったんだろうな……。シンシアにどんな顔して会えばいいんだろう……)
(アタシ……馬鹿だ)
知らなかったこととはいえ、シンシアを傷つけたことを後悔した。

部屋のドアが開いて、シンシアが風呂から戻ってきた。いつものように、全身を隠すローブを着ている。
フードを被っているので、その表情は分からない。それでもマリーはシンシアの姿を見ることが出来なかった。
しばらく、気まずい沈黙が続いた。互いが互いを探り合う。
52タイツの下は異形だった僧侶さん(3/6):2010/09/13(月) 19:33:27 ID:PUlDCwvm0
「あ、あのさ、シンシア」
沈黙を破ったのはマリーだった。シンシアのほうに向き合う。
こんな重苦しい空気、我慢できない。何か喋らないと、爆発しそう。
「さっきはゴメンね。そんなつもりじゃ、なかったんだけど……」
「……」
「シンシアが体を隠してたのは、その傷を見せたくなかったから、だったんだね」
「……」
「アタシ、知らなくて……びっくりしちゃって。ホントにゴメン」
シンシアが首を横に振る。
「いいんです。……やっぱり、変ですよね。こんな、傷だらけの体なんて、やっぱりおかしいですよね」
シンシアの声は悲しそうだった。
「……ねぇ、シンシア。その、体のことなんだけど、さ。ワケがあるんでしょ?シンシアの体をこんなにしたワケ。
アタシ、そのワケを知りたい。……話してくれないかな。もちろん、無理にとは言わないよ。話したくないなら、それでいいよ。
傷のことは、アタシの胸の中にしまっておく。誰にも言わない。約束する。
……アタシ、今までみたいに、みんなと旅を続けたいんだ。このまま、気まずいままでいるなんて、嫌だよ」
マリーは、黙ったままのシンシアに語りかけた。

シンシアは、ぽつりぽつりと話してくれた。

「……この傷は、父につけられたものなんです」

シンシアは幼い頃に母を亡くし、父親の手で育てられた。だが、酒乱だった父から、激しい虐待を受けた。
何度か死にかけたこともあるほどだった。それでも、シンシアは父親と暮らした。

「その時の私は、一人で生きていけるほど強くはなかったんです。お酒さえ飲まなければ、優しい父親でした……」

体の傷は年を重ねるごとに増えていった。しかし、シンシアに救いの手を差し伸べてくれる人はいなかった。
乱暴者の父親を恐れて、皆、遠巻きにシンシアを見ているだけ。誰も、自分の味方にはなってくれなかった。
シンシアが体を隠すようになったのは、この頃からだ。傷痕を人に見られることも、自分で見ることも極端に恐れた。
自分の傷だらけの体が、この世の物とは思えないほど醜いものに見えたからだ。
それでも、女の命でもある、顔を傷つけられることはなかった。父親の最後の良心だったのかもしれない。

そして、シンシアが十五歳になる年、シンシアは、父親を、殺した。
殺されかねないほどの激しい暴力を受け、あまつさえ娘である自分を犯そうとした。
気が付いた時には、台所にあったナイフで、父親をめった刺しにしていた。
シンシア自身もはっきりとは覚えていない。後で聞いた話では、血の海の中、倒れている父親の隣で、泣きながら笑って、
自分の体にナイフを何度も突き立てていたそうだ。
53タイツの下は異形だった僧侶さん(4/6):2010/09/13(月) 19:34:17 ID:PUlDCwvm0
その後、怪我の回復したシンシアは修道院に預けられた。
しかし、体の傷は回復しても、壊れてしまった心は簡単には癒えない。

「父の幻覚に怯えていました。暗い部屋で、一人で震えていました」

父親の支配から逃れられなかったのだ。目を閉じると、父親が現れる。父親の怒鳴る声が、耳にこびりついて離れない。
幻覚が現れると、見境無く暴れて抵抗した。幻覚の恐怖に耐え切れず、何度も自殺を図った。
シンシアは、全力でのた打ち回って、壊れた心の傷の痛みに耐えていたのだった。

そんなシンシアを導いたのが、修道院の院長、シスター長だった。
シスター長は、殴られても蹴られても、決して諦めず、荒れ狂うシンシアと根気よく向き合った。
シンシアを優しく包み、時に厳しく叱り、少しずつ不安や緊張を取り除いて、心を開いていった。
シンシアもシスター長を心から信頼した。初めて、信頼できる人が現れたのだ。

「シスター長は私を絶対に裏切らなかった。シスター長がいなかったら、今の私はいないんです。
私にとって、母親と言ってもいい存在です」

シスター長の導きにより、シンシアは神への信仰を深くした。
つらい時、苦しい時、神に祈ることで、心の安らぎを得ることができた。

「神はいつもそばにおられる。神に縋り、罪を懺悔し、救いを求めなさい。シスター長はそう言っていました」

父親を殺した自分の罪を償うために、自らの心の傷を癒すために、シンシアは僧侶の道を志したのだった。
シスター長という信頼できる人を得て、神への信仰という目標を得て、
シンシアは父親の支配から完全に解放されたのである。

修道院で厳しい修行を積んだシンシアは、大司教に認められ、晴れて僧侶となった。
法衣に袖を通したシンシアは、やっと、人としての生き方を見つけることが出来た。
シンシアの法衣には、そんな「特別な意味」が込められているのである。
しかし、その法衣の下の、体の傷は二度と消えることはない。
傷だらけの醜い体。
自分で見ることは出来るようになったが、他人に見られたくはない。だから、今でも隠し続けているのである。
54タイツの下は異形だった僧侶さん(5/6):2010/09/13(月) 19:35:52 ID:PUlDCwvm0
「……これが、私の傷の『理由』です」
「……そう、だったんだ……」
(壮絶すぎるわ……アタシなら耐えられない)
こんな過酷な人生を、シンシアは耐えて生き抜いてきたのだ。マリーには信じられないことだった。

「ゴメンね。つらい事、思い出させちゃったね。でも、話してくれて、ありがとう」
シンシアは首を小さく横に振った。
「いいんです。もう、過去のことですから」
「……ねぇ、シンシア。ひとつ、聞いてもいい?……やっぱり、自分の体を、さ……醜い、って思う?」
こくんとシンシアが頷く。
「……醜いです。こんな体じゃなかったら、って、いつも思います……」
シンシアがぎゅっとローブの裾を掴む。

「そんなことないよ!」
マリーはシンシアのローブのフードを捲った。シンシアの驚いた顔が目の前に現れる。
「シンシアは綺麗だよ。髪だってこんなに綺麗。顔だって美人さんだし、肌だってこんなに白くて綺麗じゃない」
「マリーさん……」
「傷があったって、シンシアの綺麗なところは変わらないよ」
「……ありがとう、マリーさん。でも……」
シンシアは目を伏せた。
「でも、人の好奇の目や嫌悪の目は、ずっと私に付きまといます。……傷があるだけで、「異形」なんです。
私は……それが、たまらなく嫌なんです」

マリーはそれを聞くと、むっとした顔になって、シンシアのローブに手をかけて、胸元をぐいっと広げた。
「マ、マリーさん!?」
「大丈夫。ちょっとだけ、じっとしてて」
透き通りそうなほど白い胸元に、大きな傷痕がある。大きく引きつった、赤黒い傷痕。
こんな傷のせいで、シンシアは苦しむんだ。だけど、アタシに、この傷を消すことは出来ない。
もどかしい。何とかしてあげたいのに。
「傷があったって、シンシアはシンシアだよ」
マリーは、その傷痕にそっと口づけた。
「きゃっ!」
「……アタシは、シンシアのこと、大好きだよ。醜いなんて思わないよ。だから、アタシの前では、隠さないで欲しいんだ。
そのままのシンシアでいて欲しいんだ。……アタシじゃ、ダメかな」
マリーはシンシアを見つめた。シンシアは首をふるふると振って、
「そんなことないです。すごく、嬉しいです……。今は、出来ないですけど、いつか、隠さないでいられるような、そんな気が……します」
「うん。それでいいよ。アタシ待ってる。一緒にお風呂に入ろうね。背中、流してあげるから」
マリーはにっこりと笑って、シンシアをぎゅっと抱きしめた。
「マ、マリーさん!?」
シンシアが目を白黒させた。
「傷なんかで、嫌いになったりしないよ。どんなことがあったって、アタシは、ずっと味方だよ。忘れないでね……」
「……はい。ありがとう、マリーさん……」
55タイツの下は異形だった僧侶さん(6/6):2010/09/13(月) 19:36:38 ID:PUlDCwvm0
「吹き荒べ炎の風よ!ベギラマ!」
杖の先から、炎が熱風となって噴き出す。
「うあっちちち!!」
「おいマリー!!こっちは味方じゃねーか!」
しかし風はアベルとエリックに向かう。二人は熱風に煽られて逃げ回った。
「ふん!シンシアばっかりチラチラ見て、よそ見してるから巻き添え食らうのよ!ほら、さっさと敵倒して来なさい!」
(ぎくっ!)
「……く、くそっ!覚えてろよマリー!」
「あ、あの、喧嘩しないで下さい……」
「あんなデリカシーのない連中なんてどうでもいいのよ。でも、ま、ちゃんとやることはやらないと、ね。回復はお願いね、シンシア」
「はい、まかせて下さい!」
「さあ、いくわよ!」
マリーが再び杖を掲げ、呪文を唱える。
「吹き荒べ、炎の風よ!」


「おーい!街が見えるぞ」
先行していたエリックが戻ってきた。
「あれは……アッサラームか」
地図を見ながら、アベルが遠くに霞む街を眺めた。
「やっと着いたわね」
「今回は遠かったですね」
「アタシ、早くお風呂に入りたい〜。シンシア、行こっ」
マリーはシンシアの手を引いて走り出した。
「あ!ちょっと、マリーさん!待って待って!」

「……何だか、あの二人、変わりましたね」
街へ走っていく二人を見て、アベルがエリックに言った。
「ああ。マリーもそうだけど、シンシアも明るくなったな」
「何かあったんですかね」
「さーな。……まぁ、シンシアは最初は暗くてあんまり笑わなかったからな。いい傾向だと思うぜ。マリーの影響かもな」
「そうですね。でも、マリーさん、気に入らない時にベギラマ振り回すのはどうかと思いますけど」
「ははは、違いねーな。さ、俺たちも行こうぜ」

彼らの冒険は、まだまだ始まったばかりである。


END
56名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/09/15(水) 10:14:53 ID:T6wIE71+0
思い話だけど職人さんのss投下乙でした
57名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/09/15(水) 21:57:02 ID:MeIKkRuF0
>>49-55
GJ
58名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/09/28(火) 10:30:50 ID:ICHnQyFrO
フォズダーマ脱走
59名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/09/30(木) 04:27:07 ID:HgeZWi5DO
ローラ姫vsアグリアス
60名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/11/05(金) 19:37:53 ID:wfBsVMGW0
そのうち書くほしゅ
61名前が無い@ただの名無しのようだ:2010/11/18(木) 08:30:54 ID:oVFrMsS90
他力本願上げ
62名前が無い@ただの名無しのようだ
初めて料理をするアリーナ