ダンジョン
※初めての方へ。
この女勇者はDQ3設定、つまり自分が女で有る事を公言していない設定をさらに一歩進め、
仲間にすら男を装って接しているという設定にしてあります。
男戦士 「ふむ、心機一転したような気がするぜ」
女勇者 「なんの話ですか?」
男戦士 「いや、こっちの話だ。 しかし、あいつらとはぐれてから、かれこれ3時間にはなるな」
女勇者 「落石に隔てられた時、互いに無事を確認していますから、死んではいないはずですよ。」
男戦士 「まあ、そうかな。 それはさておき、どうせペアになるなら、勇者とで良かったぜ」
女勇者 「え」
男戦士 「あのガキと一緒だったら、やかましくてかなわん。坊主と一緒では気が滅入るし、それに……」
女勇者 「それに?」
男戦士 「お前とガキを二人きりにしておくのも不安だ……何か間違いがおきかねん」
女勇者 「いやその……あうう」
女商人 「勇者! どこー!?」
男僧侶 「反響で耳が痛いですよ……」
女商人 「グズグズしたらダメよ。勇者に何か有ったらどうするの!?」
男僧侶 「戦士と一緒ですし、勇者も強いから平気だと思いますけどねえ」
女商人 「なら、不安は私たちの方ね。 勇者! アタシはここよー!!」
男僧侶 「やれやれ」
男戦士 「おっ? 何だコリャ? 石造りの寝台か?壁は古代の壁画でびっしりだ」
女勇者 「ワラクズが敷いてありますね。ワラ布団だったんでしょうか」
男戦士 「……なんか、これってナニしてるような壁画に見えんか?」
女勇者 「そう……なんですか(ドキドキ)」
男戦士 「……おとぼけさんはやめような。どう見ても男女のナニだろう」
女勇者 「そうだとしても、なんでこんなところに」
男戦士 「大昔の連れ込み宿……にしては、洞窟の最深部に有るのが解せんな」
男僧侶 「ん、この彫像は、何たる卑猥で直接的な」
女商人 「そ、そのものズバリに見えるんですけど」
男僧侶 「まあ、そうですね。ワタシにもそう見えます。で、祭壇が手前に設けられてます」
女商人 「神様の…アレ?」
男僧侶 「そうですね。ルビス神は女神ですから、おそらく、古代の多神教時代の信仰形態の一つかと」
女商人 「はー、それにしてもリアルだね……」
男僧侶 「触ってはいけません! 何らかの呪いがかけられている恐れがあります!」
女商人 「……さわっちゃった」
男戦士 「こっちの彫刻、どう見ても女の……だよな」
女勇者 「で、ですね」
男戦士 「コレを使って、お前のテクを俺にも教えてくれ」
女勇者 「できませんっ!それに、洞窟内のオブジェに不用意に触ったらいけないと言われてませんでしたか」
男戦士 「そんな事を言われた気がするが、俺に関しては手遅れだな」
男僧侶 「お、勇者たちだ」
女勇者 「ああ、無事だったんですね。よかった」
男戦士 「……ん」
女商人 「あ……」
女勇者 「どうしたの二人とも? 見詰め合ったまま黙り込んで……」
男僧侶 「む、あの彫像にさわった効果が出てきたか」
女勇者 「そっちでも何かに触ったんですか?こちらもです」
男僧侶 「不味い事が起きる前に、眠らせた方がいいかな?」
女勇者 「そうですね。 ……ラリホー!」
男戦士 「なんか、目が覚めたら背中がスリ傷だらけだな……まあ、いいか」
女商人 「おはよー! ……あっ……」
男戦士 「オッス! ……って、アレ?」
女商人 「な、なんか、イメチェンした?」
男戦士 「お、お前こそ。化粧変えたか?」
女商人 「な、何にもしてない。いつもどおりだよ」
男戦士 「俺だって何もしてない」
女商人 「でも、今日は何か……違うように見える」
男戦士 「俺もだ……いつもよりお前が可愛く見える」
女商人 「い、いきなり何よ。ドキドキしてきたじゃないの」
男戦士 「これで、もう少し背が高くて胸があればいいんだが……」
女商人 「ガーン! いきなり他人の欠点を……前言撤回! アンタやっぱかしこさゼロの脳無しゴリラ!」
男戦士 「な、なに!? 言いやがったな貧乳チビ!」
女勇者 「また言い争いを始めてる……結局、あのダンジョンは何だったんですか?」
男僧侶 「ふむ、古文書によると縁結びの洞窟らしい。最深部の彫像を男女で触り、その場で契る」
女勇者 「すると、あの彫刻は・・・?」
男僧侶 「男女を素直にする効果が有るようだ。 まあ、いかに相思相愛でも、結ばれる運命に無いと
何の効果も無いそうだから、実際に効果を確かめるのは難しそうだな」
女勇者 「あの二人は……この有様を見る限り、到底……」
男僧侶 「うん、二人で触ったのはいいが、脈が無かったんだろうな」