もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら12泊目
重ね重ね礼を言うぞ。勇者とその仲間達よ。やまたのおろちの件だけでは無く命まで助けてもらったようだな。
こんな事言える立場じゃないかもしれんがあの者は手厚く葬った。許してくれとは言わん。
ただ誰よりもこの国を愛するが故の行動だと思っておる。わかってやってくれ。
そして一冊の日記のような物を差し出した。あの老人の部屋にあった物らしい。
内容は要約するとこうだ。ジパング再興のため魔王軍と手を組んだ事。やまたのおろちを使って
ヒミコの世評を下げ退官させようとした事。そして最終的に魔王軍が世界征服した後
ジパングだけは独立を守ることを契約した事…何があの老人をここまで駆り立てたのだろうか。
さっぱり理解できねえ。
さて話を本題に戻そう…。ぬしらが求めていたオーブの話じゃが…
オーブ…ああそうだ忘れてたたしかあの鳥居の洞窟の奥にってオイ!入り口はもう塞いじまったぞ!
やべえすっかり忘れてた。今から掘り返すのか…しかしあそこは俺とデカブツの名誉ある死闘の場所…
あの洞窟にはありませんでした。
ねーちゃんがこれまた驚き発言をする。えっあの状況で探してたのか!?当たり前でしょと多少冷たい目でこっちを見る。
正直先にオーブ見つけてしまってやまたのおろち退治は後回しにしようと思ってたわ。
勝てそうにもなかったし…結果論から言うと勝ててよかったけど総長さんも私達を率いるリーダーなら
その辺もっと慎重に行動して欲しかったわね。
……こんな所で説教しなくてもいいじゃないか…
あやつの手記と共にあったわ。もう我々には必要ないもの。好きにするがよい。
と紫色に輝くオーブを渡された。そうかあの老人が持ってたのか。いやいや結果オーライだな。
ヒミコはさすがに顔色が優れない。そうだろな。これからこの国の奴らにこの一件を
どう説明するのだろうか。差し出した生贄…支払った犠牲を考えると黒幕が魔王とうちの大臣でした
なんて簡単に言えるもんじゃない。事情をしってる周りの大臣や兵士も表情は重い。
俺は考えた。この空気。この雰囲気。問題は山積だがだからこそ立ち止まってはいけない。
一歩ずつでも前に進まなくては。そしてこの状況を打開するには…酒しかねえ。
おいヒミコ。今すぐ宴会の準備をしろ。国をあげて総出の宴会だ。異論反論は許さん。
逆らったらこの国ごと潰すぞ!
一気に城内はザワついた。バカな…あの異国人は何を考えてるのか…この状況で…空気読めよ…
あちらこちらで陰口が聞こえる。ええい黙れ!世界の覇王に最も近い俺に逆らう奴はブン殴るぞ!
数時間後。
夜もすっかり更けたころ、国で一番大きい広場に物凄い人数が集まった。
ブツブツ文句をいってた兵士や使用人もいざ宴の準備を始めるとちょっと楽しそうだった。
頃合を見計らって一番高い演説台に立つ。
…誰も見ちゃいねえ。それどころか何の為に集まったかも知らされていないので不審そうな顔をしている。
目の前には大量の料理と酒。家にあるありったけの酒と料理をもって広場に集まれという
女王からの謎の通達。不審がるのも無理はないか。ここは一発派手に民衆の心を引くしかないようだ。
花火でもあげるか。俺は天を仰ぐと夜空に向かい叫んだ。
イ オ ナ ズ ン !
けたたましい轟音と共に一瞬真昼かと思う程に夜空が光った。突然の出来事にへたり込む奴や
当然子供は泣き出した。うんうん。この反応を待っていた。一息つくと俺は声を張り上げた。
コホン…えー俺は鬼浜爆走愚連隊の総長である!
近い将来この世界の王となる男だ有難く目に焼き付けておけ!
あっけにとられる民衆共。
えーここで一つ報告がある!おまえらを悩ませるやまたのおろちはもういない!
俺達が死闘の末今アイツは洞窟の奥で永遠の眠りについた!感謝しやがれ!
そんな話信じられるか!いやまてしかしヒミコ様の命でここに集められたんだから…あんな異国人の
たわ言など!色んな声が錯綜する。
…やっぱ全然信じてねーなコイツら。おいヒミコ出て来いや!
この者のいう事は真実じゃ。
ヒミコが台の上に立った。一斉に静まり返る。
勇者率いるこの者たちの手でやまたのおろちは倒された。そして今みなに伝えなければならない事がある。
ヒミコはありのままを国民に伝えた。内容が内容だ。中には敵意むき出しでこっちを睨む奴もいる。
再び俺が前に出る。
えー色々思うとこがあるかもしれないがおまえらに一つ命令しておく!今回の事は全て水に流せ!
そしてやまたのおろちと言う天災が去った今、今日この日を記念日にしようと思う!
毎年今日を「鬼浜祭り」として未来永劫祝え!飲め!歌え!踊れ!騒げ!
一気にヒートアップする広場。賞賛と怒号が飛び交う。
えーそれでは鬼浜祭りに…乾杯!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そう叫ぶと俺は持っていたグラスに注いである酒を一気に飲み干した。
かんぱーい!と勇者も声をあげパンツやねーちゃん、ヒミコ、兵士、城の使用人、その他みんな一斉に
酒に口をつける。なんだかよくわからないがその雰囲気に呑まれあちらこちらで乾杯の音頭が上がった。
もうあとはとにかく酒を注いで回る。飲ます。飲まされる。一時間だか二時間だか過ぎた頃には
かなりの人数ができあがってきていた。もう誰も恐い顔をしている人はいない。
うんうんこれでいい。やはり祭りはこでなければな。と、むこうから女の子がいっぱい駆け寄ってきた。
これは…もしかして…そうだ。俺はこの国を困らすデカブツを倒した。つまりこの国の英雄ってやつだ。
キャー本当にやまたのおろち倒したんですね!すごーいつよーい!かわいいーーーー!!!!
へへへよせやい照れるべ!?え!?かわいい!?案の定俺を素通りして女の子軍団は勇者とねーちゃんの元に向かった。
パンツが総長総長と寄ってくる。なんだよ気持ち悪いな。こっち来んな。
え?あっちで俺の武勇伝聞きたい奴がいっぱいいるって?しゃーねーなおい行ってやるかデへへ
…そこにいたのは明らかに土方系のイカツイにーちゃん達…あっちの世界でもこっちの世界でも
こんな奴らばっかにモテるのはなぜだろう。チクショウ…
それから更にしばらくたった。ねーちゃんがこっちに来る。ねえ一つ聞きたい事があるんだけど…
あの魔王軍の魔術師、最後総長さんの耳元で何か言ってたでしょ?何を言ってたの?
そう…あの時からずっと心にひっかかってる事。アイツは…あの時信じられないが俺の事名前で呼びやがった。
この世界に俺の本名を知ってる奴はいない。俺は総長としか名乗っていない。
なのになぜあいつは俺の名前を…
いや違う。無論それも不思議ではあるのだがあの声、あの声はどこか懐かしい。
口調はまったく違うのだが俺の良く知るアイツにどこか似ているー…ちょっと?大丈夫?聞いてる?
いけないいけない自分の世界に浸りこんでしまった。ねーちゃんには本当の事話すべきだろうか。
いいわ…誰にだって知られたくない事はあるし無理に聞こうとは思わないわ。
そう言って微笑むとねーちゃんは去ってしまった。別に隠す程の事でもないんだが…もし
仮に俺が異世界から来た事をぶっちゃけるとコイツらはどう思うのだろうか。
この国のやつらは生まれた国が違うというだけでかなりの偏見を持っていた…俺の場合はそもそも世界が違う。
……ていったい何考えてんだろうか。酒のせいだ酒のせい!
今、目の前にうまい酒がある!それでいいじゃないか!
俺はその日も結局浴びる程飲んだ。
今日はここまでです
次からはようやく新規更新いくぜ!
今度は絶対完結までいきますんでよろしくおねがいしますです
ジパングエピソードおもしれえええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!
作者さん超乙!
総長さん乙です!次回も楽しみにしてます!
魔術師の正体が気になる…
やまたのおろち戦、すごい燃えたっ!
そして、覆面魔術師登場。魔術師も総長さんと同じ世界から来た人物か・・・、あるいは総長さんを呼んだのはそいつか・・・。どきどき。
乙ッッッ!!!!!!!
総長乙!
今度からは新規だね。
面白いんだから最後までやってくれ。待ってる。
やまたのおろちの正体ヒミコじゃなかったのか!!
魔術師は何で総長の事知ってるのかな…最後まで期待してます
明け方。
フラフラと千鳥足で俺は鳥居の洞窟へ向かった。手には一等うまい酒を持って。
デカブツの話を色々聞いた。古く遡ってはこの国の守護神として崇められていた事。魔王の魔力により
暴れだしそれを勇者の親父達が封印した事。魔王に操られ暴れて封印され今度は権力者にいい様に扱われ
挙句の果てに殺された…正直何が悪なのかなんて俺にはよくわからない。ただコイツにはうまい酒を
飲ませてやりたい。それだけだ。
洞窟の前に立つ。
その辺の岩を切り出して背丈程の石碑を造った。そして上から酒を注いでやる。
…………………。
持ってきたグラスに自分の分も注ぎ無言で乾杯した。
…………。
少しばかり感傷に浸っていた。
なんだか背中の辺りがゾワゾワする。気持ち悪い。
さすがに飲み過ぎだろうか。……いや酔いとはまた違う。この感覚は…覚えがある。
不安が疑問に変わり疑問が確信に変わる。咄嗟に持っていた小さなナイフを抜き身構えた。
吐き気がする程の嫌な感覚。目の前には当然のようにあの魔術師が立っていた。
久シぶりだナ。
聞き覚えのある懐かしい声で声をかけてくる。そしてゆっくりと顔を覆うフードを外す。
そう。この声この顔は…ひとし君だ。暴走族時代の連れで親が極道だったひとし君。年齢は上だけど
いつのまにか同級生になりそして後輩になったひとし君。とにかく危ない男だった。
俺以外とは殆ど口を聞く事なく何を考えてるのかわからない男だった。
喧嘩に日本刀や拳銃を持ち出して「限度」ってものを知らない男だった。
そしてついには動機不明で親を殺し刑務所の中で自殺した。俺が知っているのはここまでだ。
懐かしくそれでいて禍々しい声で続けて話しかけてくる。そのギャップに頭がおかしくなりそうだ。
理解できナいと言った顔ダな。
おまえが知ってルのハ私が親を殺し自殺した所まデか。
そウだな…なぜ私ガ親を殺したか解るカ?
解るわけがない。何とか平静を装い話を理解しようとする。
ひとし君は続けた。
それはあの人達が私の飼っていた鳥を殺したんだ。おまえは極道に生きるには優し過ぎるってな。
そうだ。そういえばひとし君は異常に鳥を可愛がっていた。
喧嘩では徹底的に相手をいたぶる反面、動植物には異常に優しい所があった。いや、しかしだからって…
まだ解らないと言った顔だな。そんな鳥くらいで親を殺すかと思うか?
鳥より人間の命が重いとでも?そもそも鳥と人間どっちが偉いなんて誰が決めた?
ダメだ。この声を聞いていると本気で気が狂いそうになる。
私は考えたよ。もし鳥に人間以上にの腕力があれば立場は逆転してたんじゃないか。
例えば私が拳銃を持った時あの人たちは虫ケラ以下の存在なんじゃないかってね。
何を言っているのかさっぱりわからない。わかりたくもない。きもちわるい。
あたまがおかしくなりそうだ。このこえはこえはこえはこえはこえはこえはこえは
このこえはこえはこえはこえはこえはこえはこえはこのこえはこえはこえはこえはこえはこえはこえは
結局の所悟ったのだよ。弱い奴は強い奴に殺されても文句は言えない。
強い奴が全てなんだ。弱い奴に生きる権利なんてないんだってね。
夢を見たんだ。そこでは人間は人間よりはるかに強大な存在に脅えながら暮らしている。
時にその強大な存在は理不尽に、簡単に、無慈悲に人の命を奪う。
その行為はむしろ自然の摂理に則った美しい行為だとは思わないかね。
私は心から力を望んだ。弱い存在を蹂躙したかった。強く強く気が狂う程強く願ったんだよ。
そうしてある日目を覚ましたらそこはいつもの独房ではなかった。
暗く重い空間の中で目の前にいたのは世の中の全ての恐怖を凝縮したような存在だった。
すぐにそれが強大な存在だと理解した。
言葉のやり取りは無かった。だが意志は通じた。私は力を求め彼の存在は絶望を求めた。
私は彼の存在の力を与えられ絶望を生む事を約束した。
人は脆い。絶対的な存在の前では虫ケラと変わらないくせに愛だの希望だのを語る。
なんとも滑稽な生きものだ。そうだな。滑稽と言えばあの町で会ったあの老人。
自ら命を絶ってまで私の存在を消そうとしたが犬死だったわけた。
カッカッカ…無力とは罪なものだな!
ひとしィィィィッ!!!!!!てめええええええェェぇええッッっっ!!!!!!
犬死…その一言で正気に戻った俺は殴りかかった。手ごたえがまったくない。
もっとだ…もっと怒れ…
あの勇者と共に人々に希望を植えつけろ…絶頂までにな…
待っているぞ。その時まで…
そうしてあの魔術師は消えた。
あいつの言葉一つ一つが激しく心を揺さぶる。
俺のやろうとしている事は結局あいつと同じなのだろうか。強い奴が生き弱い奴は死ぬ。
………わからねえ。
…ちゃn……そうちょう……てば…
もう!総長ちゃんてば!ボーっとしてないで呼んでるんだから返事してよ!
ふと我に返るとそこにはみんなが立っていた。
もう!何一人で恐い顔してんの!探したんだよ!そろそろ出発する段取り決めようよ!
総長ちゃんがいなきゃ話進まないよー
なんだか勇者の顔を見ると一気に気が抜けた。
そうだ。何も難しく考える必要はない。一つ確実なのはあいつにしろ魔王にしろいけ好かねえって事だ。
俺のぶっ飛ばすリストにひとしの名前が加わっただけだ。
知能腕力共に常人を遥か凌駕して優れている俺だ。グチグチ考えるのは性に合わねえ。
天才は悩む必要などないのだ。俺が正しいと思ったをするしかないのだ。
ッしゃァ!この国にきて色々あったがとにかく気合入れ直してガンガン行くか!
また長い船旅になるからおまえら心しておけよ!
ならないわよ。
ねーちゃんがあっさりと否定する。え…なんでっスか…
次の目的地はアリアハンよ。ルーラでアリアハンへ飛ぶわよ。
お父様から連絡があったの。アリアハンへ行けば道が開けるって。
ああそうですか…俺の気合は空回りですか…
…?て連絡があったってどういう事だ?
夢よ。夢に出てきたの。
ああなるほど。まああの糞イケの魔力ならそのくらいできるだろうよ。
しかしせっかくの睡眠時間なのにあんなのが出てきたらたまらんな。俺の夢には絶対に出て来ないで頂きたいもんだ。
ん?しかし船はどうするんだ?俺達だけ移動してもダメだろ?
船も一緒に飛ばせるよー!
言葉に出したわけじゃないが俺の疑問を察知したらしく勇者が答えた。
この船にはよくわからん護符みたいなもんが付いてて勇者がルーラで飛んだあと自動的に近くの海に着水するらしい。
なんだかわからんがすげー仕組みだ。というかそもそもルーラって魔法自体がすげえ。
攻撃呪文でも回復呪文でもないから軽視しがちだが瞬間的に長距離を移動できるなんてありえねーだろ。
この世界の人にはそれが当たり前過ぎて何とも思わないだろうが俺にはどんな呪文よりも強力な呪文に思える。
……この呪文を応用したらすっげー破壊力の呪文が作れそうだな。まさに逆転の発想。
まあ今考えるのもめんどうだしもういいや。
俺達は最後の挨拶にヒミコの所へ向かった。
ヒミコは多少疲れた顔をしている。そりゃそうだろうな。わだかまりは俺様が大宴会により溶かしてやったにしろ
民衆共から不信を募った事に間違いは無い。まあしかしこいつならこの国をしっかり立て直す事ができるだろう。
そうかもう出発するのか。もう少し留まって欲しい所だがそなたらも目的がある旅故仕方ないの。
ヒミコはそう言うとさらに続けた。
ゆっくり礼を言う暇もないな。そなたら何か望みはないか?できる限りの事はするぞ。
マジか。何かないかな。別に金に困ってるわけでもねーし。しかしせっかくの機会だ。あっそうだ。
大事な事を忘れていた。俺はヒミコにやまたのおろちの墓を作った事を伝えた。
まあぼちぼち暇な時にでも花でも酒でも備えてやってくれ。
わかった。あの怪物も今回の件では利用されただけだからな。今日この日を記念日とし
やまたのおろちは古来のようにこの国の土着の神として毎年手厚く奉る事を誓おう。
他には何かないか?
他には…そうだ俺達も酒をもらおう。ここの地酒はまた格別だった。樽でたくさんもらおう。
そう思いつき言葉にしようとした瞬間勇者が遮って話だした。
ヒミコさま。わたし達は望む事はただ一つ。ジパングをみんなが笑顔で過ごせる国にして下さい。
そうか…。そうじゃな。今度そなたらが来る時までにはそなたらが望むような国にする。
ジパング正統王室相続女王の名にかけてでもな。また顔を見せにきておくれ。
勇者はにっこりと微笑む。ヒミコのつられて微笑む。
よく見ると兵士達もニコニコしている。急にこの場が和んだようだ。やっぱ勇者はすげーな。
ってそうじゃねーよバカ!だいたい将来的にはこの国も俺の支配下になるんだからそういう事はむしろ
俺に言え!俺が望んでるのは酒だっつーの!酒をよこせ酒を…ッ痛ッ!!!
ねーちゃんが俺の耳をつまんで歩き出す。いやまてまだ帰るのは早い!勇者が何言おうが俺の用は済んでねーって!
城の外まで引っ張られた。もう!オーブももらったんだしもういいでしょ!どうせ総長ちゃんのことだから
お酒でもくれって言おうとしてたんでしょ?
この女鋭い。あーあせっかくの機会だったのに…しょうがない今回は諦めるか。
すいませーーーーーん!
どこからか呼び止められる。ああなんだてめーか。そこにはあの例の酒場の店長が立っていた。
どこからか呼び止められる。ああなんだてめーか。そこにはあの例の酒場の店長が立っていた。
本当に…本当に色々ありがとうございました!
もう出発されると聞きまして…何せうちにはお酒しかないものでせめてもの気持ちです。
と俺に大きな瓶を差し出した。これは…店長GJ!
まあ気を使ってもらってすいません…。ほら!ちゃんとお礼を言いなさい!
ねーちゃん…いつからそんなお母さんみたいなキャラになったんだよ。
俺はなされるがままに礼を言った。おまえの店はなかなか酒も料理もイケてたぞ。
世界征服した暁にはまた来てやる。
店主が見えなくなるまでみんな手を振っていた。
さて。そろそろ出発するか。
勇者が目を閉じている。久しぶりだなあ家に帰るの…そう呟いた。あっそうかアリアハンてこいつの地元なんだよな。
ルーラ!!!!!!!
しまった
>>633の一行目はコピペミスなんで脳内削除して下さい
今日はここまでです
乙です
やっぱひとしだったか・・・
にしても総長のキャラが(笑)
むむむ・・・・。
魔王の力を得てスーパーになったひとしくん、怖ぇぇぇぇ。
> ……この呪文を応用したらすっげー破壊力の呪文が作れそうだな。まさに逆転の発想。
オリジナル呪文フラグ立った。
やまたのおろちのために墓をつくったり、ヒミコに後を頼んだり、総長いい奴。
637 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/04/29(火) 05:32:12 ID:yZPd85kVO
総長ルーラ使えなくね?
>>637 飛行機あたりをイメージしたらルーラもいけるかもしれん…
職業賢者だから、デイン系以外は全部使えてもおかしくないし
>>636 >スーパーになったひとしくん
スーパーひとしくんってことはラスボスは世界ふしぎ発見のあの人か
>>634 総長おもしれええええええええええ!!!111!!
俺的最高SSで4の人と双璧だな
完結までまったり待ってるぜ!
乙です
647 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/04/30(水) 11:31:01 ID:jdFhU5hLO
埋め埋め
ぢおn軍規制解除でやっと書き込めるよ…
おもしれええぜ!総長!
これからの展開に期待!
650 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/05/09(金) 12:35:12 ID:bu7ssWsZO
ゆうべは おたのしみ…
は!まさか、セックルて言いたいの?ばーか!
>>650 おまえら、セックスのことをセックルとかセクロスとか言うなよな。
言うんだったら堂々とセックスと言え。
みなさま、お疲れ様です。
そしてご無沙汰しておりました。
まとめサイトのほう、全く更新が出来ず申し訳ないです。
そして合作エピローグも全く公開できず、本当に申し訳ない。
タカハシの物語ですが、第五部を一応終わらせました。
ほとんどすっかりを忘れてしまっているので、強引過ぎるくらいに展開させてしまいましたが、
完結を目指す私の方針転換なんだと、ご理解いただければ幸いです。
また、間が驚くほど空いてしまったので最後あたりは書き方がかわって戸惑うかもしれません。
これもまた、ご理解いただければ……
長く投稿している間が無いので、失礼ながら今回はテキストファイルをアップロードさせていただきます。
ttp://www.uploader.jp/dl/ifdqstory/ifdqstory_uljp00018.txt.html ではまた、そのうちに。
ああ、こっちは前スレでした…
空気を乱すといけないので、このままにしておきます。
>>652、653
乙でございます。
あまり無理しないでくださいね。
>>652からの 続き
〜 最終部 〜
●隠されるモノ達
心は、いつだって一つではなく、肉体はまるで入れ替え可能な入れ物だ。
やると思えばどうにでも、ある水準にまでは性格すらも切り替えられる。
誰にだって気軽にだって出来るわけではなく、俺にとって初めての試みで、自分の意思として今、違う自分を作り出している。
うまくいっているように思えるが、実際、これがどうとにもならず逆に苦しみを増やしているんじゃないかとさえ、考える。
けれどこの通り過ぎる時間を遣り過ごすには、そうやってあの出来事たちを抑える必要があった。
でなければ、まるでそこに意思とは関係が無い一人を作ってしまうからだ。
「お前達の主人はどこにいる」
「お、教えるものか。なんで人間になどあの神聖な……」
「そうか」
鋼の剣がボウと空間へ亀裂を立て、死絶寸前の醜い魔物の頭上へと鋭く研ぎ澄まされた刃を触れる。
骨を砕き肉をえぐる悲鳴は、もう数千と聞き慣れた。べたりと這う色の無い塊は、ざらざらと巡るしぶきを落としている。
俺はいま、魔王へと一直線に向かうべきとし、そうしようと進んでいた。
襲う魔物も見つける魔物も全てを薙ぎ倒しながら、まっすぐとライフコッドであっただろう残骸を踏み、山を谷を越えてきた。
なのに、あるはずの邪悪でいっさいが神聖ではない往くべき根城が、見つからない。
もう数日は同じところをぐるぐるざつざつと、岩や土や水も草も樹も枝も踏み続けている。
「またきたか……」
独特の感触をもたらす嫌な気配を感じた。
薄っぺらな声をあげ、少し離れた場所でいくつかの影を呼び出す蠢くもの。
この地ではよくある風景で、辿り着いた黒い── もはや俺には黒い塊にしか見えない魔物達は凝りもせず襲ってくるのだ。
「最近ここらで暴れている人間とはお前のことか。
どうも、信じられん。なんと小さな存在であることか。
それにしてもお前、よくここまで生きてこられたな」
似たような言葉を今日だけで何十回と聞いただろう。
こいつらは、同じ言葉を下等な魔物全員の意識間で共有しているのじゃないか。
だから同じ文句しか言えず、同じ行動しかしないのではないのか。
そうなら、こいつら魔物達は単に姿かたちが違っているだけで、ぜんぶ運命共同体ということに成る。
結局は魔王の存在たった一つが、それらにたった一つのどうやりようもない邪悪を与え、動かしているに過ぎないのだ。
「おい。なんとかいえ。せっかく、お前に喋る機会を与えてやっているのに。
俺達を楽しませろ。もう人間という餌がなかなか見つからないから、我々は退屈しているのだ」
「そうか。逆に言わせてもらうが、ならばお前達こそ、この俺を楽しませてほしい。
これは俺の頼みだ。どうしてもというわけではないが、それなりに楽しませてはくれないだろうか」
「こいつ……! 黙っていれば生意気を言う。
お前の願いを叶える事などまっぴらだが、ゆっくり痛めつけてその口を後悔させてやろう。
どうだ。少なくとも俺達の望みは叶うのだ。
ああ、そうだ。もしお前が、痛みを好むのならお前の願いも叶うというわけだ。ガッハハハ!」
大きな黒が笑うと、周りの中くらいの黒たちもぎゃあぎゃあと笑った。
いったい、どんな魔物なのだろう。
俺の目に映るごわごわと動くソレは、まるでぼんやりと反射する黒い生命体にしかわからない。
こんなものを生命体と呼ぶにも、まったくがふさわしくなどなく、先刻できたばかりの残骸のほうが高尚だ。
「痛みなら、もう十分にある。好きではないが、今では嫌いでもない。
生きている限りどうしたって痛みは発生するのだから、嫌っていても逃れられない。
俺はそういった感触とどう付き合っていくのかが、大事なんだと思う。
けれどまだ、俺に答えは見えていないから、こうやって自分を隠して歩く。
なぁ、いい話題だ。
なのに、お前たちには理解できないんだろう。
なぜなら、お前等は思考もまっとうな感情すら持たず、あわよくば生きているだけの、下等で下劣でただ動く肉なのだから」
ぐっと、邪悪な波動がこの淀んだ空気を波立てる。
言った台詞はどうも、黒い者達を刺激したらしい。
もっともだと思えるから、少し可笑しかった。
「お前が、殺されるのは、既に決定していることだから、こうして会話でもしてお前を死の緊張から解いてやろうと、してやっているというのに。
良かったな、俺は他のやつらと違って、気が大きいんだ。
だが、もう俺はお前の叫びや掠れた声や血や肉を喰いたい。
イライラとする身体を慰めてやりたいと思う。おい、人間よ」
「ああ。そう出来るのならすればいい。その前に、俺の話を聞いてもらえないか。
逃げ惑い地を這いずりながら命乞いをし掠れた声で空に助けを求め、最後はこの両手でお前にすがると約束する」
黒い魔物はふふんと鼻を鳴らした。
今の言葉が相当に楽しみで、今にもすすりたそうに感じる。
次の声は喜びで微かに震えていたのだから。
「おお。いいだろういいだろう。なんでも言ってみろ」
「ありがとう。では聞くが、魔王の元へはどうやって行ったらいいんだ。
さっきまで見えていた城が、まるで見当たらなくなった」
「魔王様の…… お前、約束は必ず守るんだろうな」
「いまさら、嘘を言ったってどのみちお前達に殺されるんだろう」
「それもそうだな。よし、教えてやる。
魔王様の城は、美しく強大な邪悪の魔力によって守られているのだ。
だから、ルビスなどという神にすがる人間に見えるはずなどない、というわけだ」
「なるほど、そういう事か。 じゃあ、俺を案内してはくれないか」
「バカな。誰がそんな事をするというのだ。
それより俺はもう我慢が出来ん。十分話してやったのだから、お前を約束のためじわりじわり殺そう」
大きな黒は、何か武器を持っているようだった。
それを大きな身振りで構え、左右にまた大きくゆっくりと振る。
どうやら中くらいの黒たちに手を出すなと、合図しているらしかった。
「さぁ。命乞いをしてみろ」
黒い武器は、剣のようでそれがそこそこの速さで俺を突こうとしてくる。
俺もまた剣を抜き、その暗闇からにゅうと出る刃を激しく叩き、弾いた。
黒の魔物は驚いた様子を見せ、やや狼狽しながらも強気を見せる。
「お前! 約束したではないか! 抵抗など、そんな意味の無いことなど……!」
「約束はした。だが、お前らが守らないものを俺が守る道理などない。
ついでに言うが、殺されると決まっていたのはお前達で、俺ではないよ」
こいつら魔物は、自分の都合の良い事に関してだけは気安く「約束」などという言葉を使う。
今までに守ったことの無い単なる飾りと化したその言葉を、今度は人間の俺にやられたのだ。
怒りは分かるが、その意味など理解できようもなく、やはりこいつらは哀しい塊にすぎない。
「や、やくそくが──」
まっすぐ衝き立て、大きな黒の首をゴツリと刎ね、更に四方八方へ刃を振るい全てを小さな個々とする。
中くらいの黒たちが一斉に飛び立ちばらばらに、やがて重たい雲の中へと消えていく。
「さて。どうしたらいいものか」
その場で少しの間を考え、そのうち俺は元来た路を引き返し、山を谷を越え始める。
城を暴く方法が無いのもあるが、魔物を易々と粉砕していくことに、少しばかり疲れていた。
ライフコッドの跡地で身体を休め、気力をも充実させなければならない。
今の廃れきった状態ではすぐ、代わられてしまう。
なにもかもが弱すぎる、たった一つのそんな自分に。
今回はここまで。
次回更新がいつになるかわかりませんが、まだ続きます。
>>660 乙です!
サイトの話も一気に読んじゃいました!
続きも期待してます!
気長に待ちますのでマイペースでやって下さい
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