女戦士 「頼むから、勇者から金のネックレスを外してくれ」
男商人 「おや、淡白すぎてつまらないと言ったのは貴女では?」
女戦士 「それはそうだが、根がマジメな奴が解放されると、出てくる性癖がマニア過ぎる」
男商人 「わかりますとも。しかし、イヤならば強く拒絶なされば、無理強いはされないのでは」
女戦士 「………強く拒否できるくらいなら、お前なんかに相談するもんか。慣れていく自分が怖いから頼んでるんだ」
男商人 「左様でござますか。 では、明日には金のネックレスを取り上げてさしあげましょう」
女戦士 「少々惜しい気もするが、仕方が無い……」
女魔法 「勇者の性格を元に戻したの?」
男商人 「性格は元に戻りますが、解放された性癖まで元にもどるかどうかは請合いかねます。時に、これ、プレゼントです」
女魔法 「あ、キレイな腕輪ね……どう?」
男商人 「とてもよくお似合いです。 名前は、インキュバスの腕輪。 魔力の有効期間は装着後1日でございます」
女魔法 「まさか……はあんっっ!」
男勇者 「ああ、なんかボク、意地悪だった気がします。ネックレスを取ったら、そう思えてきました」
女戦士 「そうだろ。嫌がってるのに無理強いは良くない。もう少し普通でいいんだ……って、なんだその指輪は」
男勇者 「商人さんから借りてきました。どんな事をしても相手が嫌がらなくなるアイテムだとか。名前は何だったかなあ」
女戦士 「あ、あの野郎!!!!!」
女魔法 「ハァハァ……アタシとした事が………」
男商人 「そろそろ効いてきたでしょー? 扉をあーけてーボクとしーようーよー♪」
女魔法 「うっさーい! あっちいけー!! ……ムズムズして気がおかしくなりそう」
男商人 「ううむ、イエスマンリングを勇者に貸すのではなかったですよ……ガマンは身体によーくないーよ♪」
女魔法 「……。はっ!? 今アタシ扉に向かって歩こうとしてた!? ダメよいけないわ気をしっかり持たないと」
男商人 「魔法使いですから、魔力の誘惑には強いんですね。でも、そろそろ限界来るはず……まだかなまだかなー♪」
女魔法 「だから、待ってても無駄!!!!! で、でも、あと20時間も耐えなきゃならないなんて、気が遠くなりそう……」