いつもきりりと上がった彼女の眉も、目元も、少し弛んだ印象。
お約束だが、瞳はうるうるとやや充血し潤んでいる。
時間とともに、心拍数も止まっているような錯覚に囚われたが実際はいつもよりも早く脈打っていた。
ばくばくと心尖も、橈骨動脈も踊っているかのように元気にリズムを刻んでいる。
「ムスタディオ…また、教えてくれるか?」
「はい!」
「他言するなよ?」
「もちろん…俺、約束は守ります!」
「分かった、なら今夜は私が出す」
「いやいや、俺が…」
「ダメだ、礼くらいさせろ」
「どうして、うまく出来ないんだろうか…私は」
「え、いや、こんなの経験だと思いますよ?いいじゃないですか、剣技があるんだから…あなたには」
「いや…出来ないものがあるなんて、許せない」
「へぇ」
月が丸く太って夜空に下がっていた。さくさくと柔らかい土を踏みながら夜営を目指す。
微妙な距離を、間に保ったままで。
「で、誰かに作ってあげるんですか?」
「いや…特には、別に」
「ふぅん、いいな…そいつ」
「え?」
「いえ、美味しかったです。初めてとは思えない」
「…そうか?」
「ええ、とても」
「…あ、また、食べて……じゃない、教えてくれ」
「喜んで」
ここぞとばかりに、彼ははにかんだ。
この気持ちが届けばいいのに。ただ、そう思いながら。
end
不覚にも誤爆に笑った。
あんま寝てないから変な文だったらすまん。
GJ!!
なんかムスタがちょっと切ない感じ?
また投下してくれると嬉しいんだぜ
>>204 ありがとう。ラムアグ多数だったから今までムスアグと言えなかったけど、これからは堂々と投下できるから嬉しいね。
次はなかなか口紅を使ってくれないアグリアスにやきもきするムスタディオを書きたい。
作品キター!!!
アグリアスの最後のどもりに、実は食べさせたい相手はムスタじゃないかと淡い期待を抱いたが、いかに…
うーん
208 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/02/26(火) 13:45:37 ID:aHB+QqN0O
UNKO
ムス×アグって実際どうなの?
PS版で全くそんな素振り無かっただけに激しい蛇足感が否めない…
まあ好きな人はそれでいいと思うけどな
確かに、何を思ってイベントなんて入れたのかわからないよなw
211 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/02/26(火) 15:45:37 ID:Jo80/IBjO
PS版でもケンカップルとしての要素はあったと思う。
だが所詮妄想の域を出ないマイナーな二人だと考えていたから、
口紅イベントでなぜ相手がいきなりムスタディオなのか、ムスアグ派にしても戸惑った人は多いと思う
自分もそのうちの1人。まあ、すごく嬉しいサプライズではあった。
さげ忘れた!スマン!
サンキューお姫様!→無礼だぞ!のあたりとかで
結構妄想した人は多いんじゃね
成立してるっぽいものってラムアルとディリオヴェとベイレゼしかないからね
ラムあるは兄妹だろう、カプは勘弁
>>211 まったく予想してなかったからそう来たかーと思っちゃったよ
んでお気に入りになった
ラムアルは普通にカプだと思う
劇中もそれっぽいし松野だし
というか
主役の四人がラムザディリータオヴェリアアルマな時点で・・・・
とりあえずラムアグ(笑)はないよね公式的にも
アグ「
>>216、そういう言い方はやめた方が身のためだぞ」
ムス太「アグリアスさんって男らしイイ!(*゚∀゚)」
ムス太は影に隠れて文句を言うタイプだと思う
ムスタは陰口なんか叩くタイプじゃないだろ
思ったことはその場で言うはず
ん、強い者の影に隠れてっていうスネ夫みたいなキャラだと
言いたかったんだ。
つっても自分の妄想だから言うべきじゃなかった。
しょうじきすまんかった。
いいからもう黙ってろ
苦笑して「仕方ないな」で済ませそうな感じはあるね
根に持ったりあんまり深く考え込んだりはせずに
とりあえずあるがままに行ってみる
パーティ中数少ない平凡な生まれだしなあ
>>215 いや普通に兄妹にしか見えないw
それにラムザはスレ違いだしさ
ラムザは一番上の兄がファビョるわ次兄が可哀そうな目に合うわ
だから妹だけはなんとしてでも救い出す、って気概だったんだろう
別に松野だから近親愛でも不思議はないけど
バート商会イベントでのアグリアスとの会話を見て、
ムスタはてっきり誰にでもタメ口を使うもんだと思っていた。
前情報で口紅イベントの画像を見たときは唖然としたが、
好きな相手にはかしこまってしまうタイプだったのか。
それとも、正式加入したアグリアスに
「そういえば前々から思っていたが、目上の者に対してそういう話し方はうんぬん」
って注意されて、少しでも見直してもらえるように直したとか。
いや、あれは松野が脚本やったわけじゃねーからなー
ちっと個人的はムスアグのイメージとは違うわアレ
松野にこだわる人ってなんなの?きもちわるいんだけど^^^^^^^
俺が好きなムスタディオとアグリアスは松野が原作を手がけたゲームのものであって
あの訳のわからん追加イベントのムスタディオとアグリアスではない
まあでも出ちゃったものはしょうがないし
自分はおいしく頂いといたよ
そうだな
せっかくの燃料だしな
ムスタはツンデレだと思いこんでいた自分があのイベントを脳内修正するとこうなるという一例↓
「あー、アグリアス、ほら」
「ん…なんだこれは?」
「あ、あんた今日た、誕生日なんだろっ?そのプレゼントだよッ」
「む、誕生日か、すっかり忘れていた…しかし、なぜお前がそれを知っているんだ」
「あああアリシアとラヴィアンが話してたのがたまたま耳に入っただけだ。
そんでたまたま金があまってたからアイテムを買い揃えるついでにって…まぁ、それだけさ」
「…そうか。お前でもこんな気の利くまねをするのだな…」
「ま、まーな」
「開けていいか?」
「どーぞご勝手に」
「…これは…口紅か」
「…見りゃわかるだろ?」
「綺麗な色だな…」
「あ、…あんたに似合うかと思ってさ、あんた戦ってばっかりだからたまにはそういうのもいいかなって」
「自分で選んだ道だ、後悔はしていない。
が…こんな高価なもの、私には勿体無いような気がするな」
「そ、そんなことは…、……!!」
「どうだ?」
「…………」
「…なんとか言ったらどうなんだ」
「似合…似合うよ。うん」
「そうか…なにを赤くなっている」
「べ…べつに誰も、赤くなってなんか!!」
「……ありがとう、ムスタディオ」
「えっ」
「大事に使わせてもらうよ」
「あ、あぁ」
今のよりずっと恋愛色が強いなあ、それ
でも萌えてしまった…w
ツンデレムスタもいいな
腐乙女ばっかのスレ
ラムアグを貶めるのはやめようぜ
カプも好みも色んなのがあるんだ。
他人を悪く言わず、ムスアグ同士で仲良くしようぜ?
元々引っ掻き回してた奴がスレ立てようとしてたからな・・・
好きでもここ自体はあんまり印象良くない
そんな露骨に言わんでも、まあもう少し配慮して萌えたいけどな
わざわざ喧嘩売るような事いって荒れるのはごめんだし。
>>236 だからってこのスレ立てた人がそうとは限らないだろう
何でもかんでも押し付けるのはやめてくれないかな
嵐はどうみても
>>232なんだし
流れ読まないヤツだれか投下
アグリアスは徐にムスタディオのオーバーオールに手をかけると
それを一気にずり下ろしチンポを露出させると
241 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/02/29(金) 23:28:22 ID:aYgnm84QO
仮性包茎は癌になりやすい
242 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/02/29(金) 23:42:03 ID:aYgnm84QO
ムスタディオ「早くおれの舐めて」
アグリアス「わ、わかっているッ……そう急かすな……んッ……」
シド「あ、アグ殿!それは私の…!」
アグ「しまったぁ!」
ねーよwww
エロネタやめろよ…
247 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/03/01(土) 06:30:54 ID:ibpUrjzAO
こんなのエロのうち入んねーよ 乙女はいちいちうるさいなwwまじきめえwwww
エロネタはいいがムスアグ以外のスレ違いはやめてくれ
帰る場所……自分の居場所……それは、どこだろう?
両親の元だろうか。
それとも生まれ故郷だろうか。
あるいは育った土地であろうか。
何処か? と問われれば、彼は簡単に答えられる。
何処か? と問われれば、彼女は簡単に答えられる。
彼は答える。
「我が家さ」
それは両親の元であり、生まれ故郷であり、育った土地である。
彼女は答える。
「もはやこの地に私の帰る場所は無い」
それは両親の元に、生まれ故郷に、育った土地に、拒まれているから。
だから。
こういうのもいいんじゃないかな? って、ムスタディオは思うのだ。
機工都市ゴーグ。
ここはムスタディオの両親の元であり、生まれ故郷であり、育った土地。
聖石だの何だのでゴタゴタはあったけど、今は平和平穏満喫だ。
どれくらい平和平穏かというと、焦げたオムレツをのんびりげんなり食べられるくらい。
「……すまん」
と、オムレツを作ったそいつは言う。
仕方ないと思う。
子供の頃から騎士になるための修行修行修行。
旅の間も副隊長として資金や武具のやりくりやらで忙しかった。
だから、料理なんてする機会、ほとんど無かったんだろう。
ムスタディオはそう納得して、焦げた苦いオムレツを食べた。
アグリアスは静々と焦げた苦いオムレツを食べた。
ベスロディオは、逃げた。
さてここでクエスチョンだ。何でムスタディオの家にアグリアスがいる?
正確には、何でムスタディオの家にアグリアスとアリシアとラヴィアンがいるのか、だ。
聖天使アルテマとの戦いの後、皆それぞれの道を歩き出した。
ラムザとアルマはボコを連れて国外へと逃亡。チョコボ牧場を開く予定らしい。
オルランドゥ伯はどこぞの山村で隠居しつつ、剣の仙人のような扱いをされているとか。
ラファとマラークは故郷に帰り、復興にいそしんでいる。
メリアドールは教会に戻った。神殿騎士団を内部改革するとかどうとか。
ベイオウーフとレーゼはハンターとして旅をしている。
クラウドは、知らん。あの異世界から帰った時、あいつだけあいつの世界に帰ったのかも。
で、ルザリア聖近衛騎士団に帰るに帰れないアグリアス達を、
実家持ちのムスタディオが「よかったら来るか?」と誘った訳だ。
「世話になる」
と、アグリアスは答え、一夜にしてムスタディオ宅に三人の美女が住まう事に。
これなんてエロゲ?
ともかく、こうしてムスタディオは美女三人に囲まれるハッピーライフをゲットした。
だが、アリシアとラヴィアンは酒場の儲け話に出かけている。
話を聞くと、時々ラッドとも一緒に儲け話をしているそうだ。
ラッドがどこに暮らしていて、どういう生活をしているのかは、謎。
でもたまに酒を持って遊びに来る。先週は青ワインを持ってきてくれた。
そんな感じで、アリシアとラヴィアンはラッドと一緒に順調にやってる。
そしてアグリアス。
酒場の雰囲気が苦手、儲け話に行っても足手まとい。
という訳で、とりあえず家事手伝いとして働いてもらっている。
「まるで夫婦じゃの」
とベスロディオは言うけれど、
「いい奥さんをもらったわね」
とご近所さんは言うけれど、
「私はお前の妻になった覚えはない」
と彼女は言うのです。
焦げたオムレツを食べ終わったムスタディオ達は、台所で一緒に食器を洗い始めた。
「なー、アリシア達、帰ってくるの今日だっけ?」
「予定では、そうだ。今回の儲け話ではラッドも一緒らしいから、家に来るかもな」
「あのさ、前から思ってたけど、ラッドとアリシアって怪しくね?」
「何がだ?」
「いや、いいわ。ラヴィアンが前にそんなような事を言っててさ」
「ラヴィアンが、か。あいつの言葉は半分冗談だ。酒が入ると全部冗談だ」
「でも、一緒に飲んでて楽しいよな、ラヴィアンって」
「まあな。ラヴィアン一人で賑やかになって、酒もうまくなる」
「なあアグリアス。家事の合間にさ、機工士の仕事、手伝ってみないか?」
「……いや、手先は器用な方ではないのでな」
「そんな事ねーよ。傷の手当てとか、丁寧なのに早いじゃん」
「それと、これとは、別だ。編み物もろくにでぬし、料理だって、あっ」
ガシャン、とアグリアスの手元から滑り落ちた皿が軽快な音を立てた。
「編み物と、料理と、皿洗いが下手でもさ、やってみたら、案外ハマるかもよ」
「いや、やはりいいよ。ラムザ達と旅をしていた頃、銃を使った事もあったが、
やはり私には剣が性に合っているようだ。
……戦う事なら……この家にいる誰よりも得意なのだがな……」
だが、もう戦いは終わった。
だから、アグリアスの実力を発揮する場は無い。
割れた皿を拾うアグリアスを見つめながら、ムスタディオは言った。
「まあ、何かやりたい事が見つかるまで、うちで面倒見るからさ。
もっと肩の力抜いて、気楽にいこうぜ。な?」
すると、アグリアスは少し頬を染める。
「……あ、ああ。すまん、今しばらく厄介になる」
その反応を見て、ムスタディオも頬を、ちょっと染める。
「ん、まあ、アリシアとラヴィアンも稼いでくれてるし、金の心配はすんな」
本当は、もっと気の利いた事を言いたかったけど、
そんなセリフはとても思いつけないので、いつもの調子で、彼は言う。
だからいつもの調子で彼女も返すのだ。
「フッ。家計簿なら私が一番うまくつけられるのだ。
そのおかげで、無駄な出費は結構減っているだろう?」
「へえへえ、その点は頼りにしてますよ、副隊長様」
そんな風に、今日も一日を送るのだ。
庭にある鉢植えに水をやるアグリアス。
花はまだ咲いていない。でももうすぐ咲きそうで、それがアグリアスは楽しみだ。
家の中からは、トンカチで何かを叩く音が響いてくる。
ムスタディオが機械いじりをしているのだろう。
修理や整備をしてお金をもらったり、簡単な機械を造って業者に売ったり。
お調子者、という印象の強かったムスタディオは、とても真面目な職人だと、
ここに来てアグリアスは気づいたのだった。
「精が出る……」
そうだ、後で冷たい麦茶でも入れてやろう。
自分はアリシアが買ってきたローズティーでも飲もうかな、としばし思案したが、
やはりムスタディオと一緒に麦茶でも飲もうと思い直す。
そして台所へ行き、麦茶を入れて、トレイに乗せて、さあ行こうと一歩踏み出す。
「ただいま帰りましたー」
アリシアの声がした。
自分とムスタディオ、二人分用意した麦茶は、
そのままアリシアとラヴィアンに出す事になった。
二人は仕事の成果をアグリアスに報告する。大成功で報酬もバッチリだ。
ラッドは仕事は一緒だったけど、それとは別に用事もあったとかで、今日は来ない。
しかし以前ラッドが持ってきた青ワインを気に入ったラヴィアンは、
報酬で勝手に青ワインを買ってきてしまって、アグリアスに叱られてしまった。
が、あの青ワインはなかなかおいしかったので、アグリアスもアリシアも、
実は満更じゃなかったりする。
報告が終わると、仕事を終えたムスタディオがリビングにやって来た。
「お帰りお二人さん。儲け話はどうだった?」
「バッチグー!」
とラヴィアンが右手の親指を立て、左手で青ワインのビンを突き出したので、
ムスタディオは「今日は宴会か?」と笑った。
料理はアリシアが用意した。旅をしていた頃、料理が得意なラッドに教わったのだ。
宴会にはベスロディオも参加して、みんなで飲んで食べてと大いに騒いだ。
「私はいい仲間を持ったな」
ポツリと呟いたアグリアス。
「そうだな」
独り言のつもりで言ったから、返事があるとは思わなかった。
チキンにむしゃぶりつきながら、ムスタディオはニカッと笑う。
「アリシアもラヴィアンもいい奴だよな。
家を捨ててまで、あんたについてきてくれてさ」
「そうだな……感謝している、しかし同時に、申し訳ないとも思うよ」
「何でさ」
「王家直属の近衛騎士という立場から一転……死人だ」
そう、アルマが死人として墓を立てられたように、
アグリアス達、そしてラムザも死んだ事になっている。
墓は、無いだろう。異端者とその一味なのだから。
アグリアスの両親は、アリシアの両親は、ラヴィアンの両親は、
異端者となった娘と縁を切り、とっくに死んだものとしているに違いない。
それは、悲しい事だろう。
「でもさ」
ムスタディオは言う。
「こんな賑やかな死人なら、結構人生楽しめそうだぜ?」
ラヴィアンが酒瓶を片手に歌っていた。
アリシアはワイングラス片手に月夜を眺めて微笑んでいる。
ベスロディオは、酔い潰れて寝てる。
「ああ――そうだな。賑やかな死人というのも悪くない。
そして本当にいい仲間を持った。アリシア、ラヴィアン……それから」
そこで言葉を切って、アグリアスはムスタディオのグラスにワインを注ぐ。
ここで、この家で、こうして、賑やかにやっていくのは、幸福だと思って。
こうして機工都市ゴーグの賑やかな一日は終わるのだった。
いい雰囲気のSSだな。GJ!
個人的に二人はこういうやり取りの方が好きだったりする
あと、これなんてエロゲワロタ
GJ
GJ!
ほのぼのするお^^
悪くないな
おおお自分のイメージとすごく近い・・・
にぎやか楽しそうでいいナァ。
不器用なアグが可愛いナァ。
励ますムスタディオが男前でいいナァ。
今北産業。
ルカヴィぶっ倒してみんなお別れ。
アグラヴィアリは行くあてがないのでムスタが家に誘いました。
これなんてエロゲ?
なんて事があって、ラッドに大爆笑されたのもいい思い出。
ムスタディオは平穏無事にアグリアス達との生活を満喫していた。
美女三人との甘美な日々。俺もう人生勝ち組ですよ、とムスタディオはご機嫌だ。
「さてひとっ風呂浴びるかー」
ご機嫌ムスタ風呂へ入る。
「あぐっ!?」
居候アグリアス風呂に入ってる。
硬直。刹那の時が緩慢なほどに引き伸ばされる。
絡み合う視線。
揺れ動く眼球。
凝視される股間。
凝視される乳房。
「水塊!!」
先に動いたのはアグリアスだった。
入浴中の彼女が放ったのは水の風水術、水塊。
属性はもちろん水だ。
地形さえあっていればノーリスクで使える風水術。
効果範囲も広く、威力も適度にあり、使い勝手は抜群。
そして恐ろしいのは追加効果だ。
風水士はまず最初に蔦地獄を覚えるという。
それは草地での戦闘が多い事と、蔦地獄の追加効果がストップである事が主な理由。
その後は状況に合わせ適した風水術を順々に覚えていくって寸法だ。
本題に戻ろう。
水塊の追加効果、それは……。
「うっぎゃーアァァァッ!!」
水塊を浴びて素っ裸のまま吹っ飛ばされるムスタディオ。
あ、この水塊、アグリアスが浸かっている湯水ですか。
何て思ってたら、壁に頭をぶつけて、ムスタディオは気を失った。
そして目覚めた時、彼はカエルになっていた。
カエルの貴公子〜乙女のキッスはティンカーリップ〜
「ゲロゲロ……ゲェ〜ロゲロゲコゲッコ!」
ムスタディオは鳴いた。泣いたのではなく、鳴いた。
翻訳しよう。
『まいったな……しかしいいモノ見させていただきましたぁん!』
この男、実に幸せ者である。
『しかし……まさかカエルになっているとは。乙女のキッスあったかなぁ?』
乙女のキッス。それはカエル状態を治療するアイテムだ。
しかし歴戦の戦士である彼等は、そんなアイテム持っていない。
なぜか? 回復などアビリティで十分だ!
『アグリアスとアリシアはエスナが使えたよな。
んで気孔術はアグリアスとラヴィアンだ。助けてもらわなければ』
こうしてムスタディオはリビングへと向かいました。
そこには食事をしているアグラヴィアリとベスロディオの姿が。
「んー、このチキンおいしい!」
「がっつきすぎよラヴィアン。ムスタディオの分はちゃんと残しといてよ」
「ご飯の時間になってもやって来ないムスタが悪い! 私はあえて……食す!」
「もー、アグリアス様からも何か言ってやってください」
困り顔のアリシアが、助けを請うて見つめたアグリアスさんはスマイル全開で応える。
「残さず食べるように」
どうやらアグリアスさん、さっきの出来事、まだ怒ってるようです。
大喜びのラヴィアンはムスタディオの分の鶏肉を頬張って幸せスマイル。
ベスロディオは我関せずといった風にチビチビと食っている。
『アリシア! いえ、アリシアさん! 呆れてないで止めてくれ!
俺の、俺のぉ! 俺の肉が! 食い尽くされてしまうぅぅぅッ!!』
ムスタディオの魂の叫びは、カエルの鳴き声として食卓に響いた。
「あ、カエルだ」
アリシアが気づく。
「えいっ」
そしてムスタディオを捕まえる。
『アリシア! エスナをしてくれ、頼む!』
「カエルって調理すると鶏肉みたいでおいしいんですよね」
あれ? 何この状況。
間違いなくこの知識はあの悪食ラッドに教え込まれたものに違いない。
「仕方ないから、ムスタディオの分はこのカエルでまかなっておきます」
『え? 俺食うの? 俺が? ちょ、アグリアス助けて』
助けを請う視線を華麗にスルーしたアグリアスは豆のスープを飲んで一言。
「質素ながらも人間らしい食事を毎日食べられるというのは幸せだな」
『一ヶ月くらい豆のスープだけ食ってろー!』
ムスタディオの叫びは「活きのいいカエル!」と、アリシアの料理魂に火を点けた。
絶体絶命ムスタディオ。明日はアグリアスの腹の中か?
そこに降臨する救・世・主!
「おぉーい、泊めてくれ」
ラッドがムスタディオ宅を訪れた!
「久しいな。アリシアとラヴィアンの仕事を手伝ってくれて感謝している」
丁寧に挨拶するアグリアス。
ラッドとは昔から馬が合わないながらも、戦友としての絆がそうさせるのだろう。
が、ラッドはやはりラッドなので、勝手に料理をつまみながらタバコまで吸う。
「アリシアが作ったのか、結構上達したな」
「ありがとう。そうだ、実はこれからこのカエルを料理しようと思うんだけど」
「あん? お前等、カエルなんか食うのかよ」
「え、だってラッドが鶏肉みたいでおいしいって言ってたじゃない」
「いや、騎士様の落ちぶれっぷりに驚いてな。そうか、カエルか。
当然アグリアスも食うよな? お前、カエル料理好きだし」
とんでもない話題を振られてアグリアスは目を丸くした。
「は……? 何を申しておるのだお前は。
私はカエルなど一度も食べた事はないぞ」
「いや、焼き鳥風カエル肉、お前うまそうに食ってたぜ」
「なっ……」
「感謝しろよ? 金欠で食料を満足にまかなえないってんで、
俺がカエルやら蛇やらの肉をそれとバレないよう料理してたんだから」
言われて、アグリアスとラヴィアンと、
ついでにカエル状態のムスタディオの顔が青くなる。
つまり我々は知らないついにカエルや蛇やとゲテモノを食わされていたのだ。
「そうなんだ、ラッドって本当にそういう料理が得意なのね」
感心しているのはアリシアだけだった。
「そのカエルを食うのか? まず腹を切って内臓を取り出して……ん?」
嫌な調理法を話し出したと思いきや、ラッドはカエルを見つめて目を細めた。
『ラッド! 俺だよ俺俺! ムスタディオだよ! 助けてくれ!』
「……ニヤァ〜ッ」
悪魔的スマイルを浮かべるラッド。
「うまそうなカエルだ。俺にもご馳走してくれよ」
「いいけど、カエル料理を教えてくれない? 私、初めてだし」
『ギィィィッ! ヤァァァァァァッ!!』
助ける気絶無のラッドさんは意気揚々とアリシアの肩を抱いて台所へ向かう。
アリシアは料理する気満々だ。
『誰か助けてくれぇぇぇッ!!』
どんなに叫んでもカエルの鳴き声にしか聞こえない。
台所へ――死地へとムスタディオは連れ去られていく。
残念! ムスタディオの人生はここで終わってしまった!
「――という訳にもいかんか」
呟き、溜め息をつくアグリアス。
「待て、私はカエル料理など認めんぞ。
旅の途中ならともかく、屋根のある暮らしでそんな物が食えるものか」
「じゃあこのカエルはどうするんだ? アグリアスさんよ」
嫌味ったらしく言ってくるラッド。
どうやらアグリアスがムスタディオをカエルにした犯人だと見抜いたようだ。
「ん……無碍に命を奪うものではない。一寸の虫にも五分の魂と言う。
そのカエルは、私が逃がしてくる。お前はそこで酒でも飲んでろ」
と言って、ムスタディオを掴み取ると、アグリアスはその場を去った。
そろそろ戻してやるか、なんて考えながら。
そんなアグリアスの背中を見つめながら、ラッドは言う。
「――アリシア、ラヴィアン。ちょっと来い」
ムスタディオ宅は何気に広く、空き部屋が二つあったため、
広い方の部屋をアリシアとラヴィアンの共同部屋とし、
狭い方の部屋をアグリアスの私室とした。
そのアグリアスの部屋で、ムスタディオはベッドの上に放られる。
「ゲコッ」
「……ムスタディオ。居候の身で言うのは何だが、
風呂に入る時は確認くらいせんか」
「ゲロォ」
「……以後気をつけると誓うか?」
「ゲコ!」
「やれやれ。では戻してやろう。
駆ける風、力の根源へと我を導き、そを与えたまえ! エスナ!」
光がムスタディオを包み、元の人間の姿へと戻らせる。
そう、元の人間の姿へ。
風呂に入ろうとしていた姿へ。
すなわち。
「ふー、一時はどうなる事かと……ん?」
ムスタディオは元通り人間の姿でベッドに腰掛けていた、全裸で。
絶句するアグリアス。
真面目な騎士であるというのに、男の象徴をガン見してしまうのは、
生き物のサガだろうか。
「ふ、ふふ……服を……」
着ろ、と、言おうとして、ギィ、と、ドアが開きました。
「よぉ、何やってんだ? 全裸で」
アグリアスの部屋のドアを開けたのは、ニタニタと笑うラッドだった。
その後ろに顔を真っ赤にしたアリシアとラヴィアンが控えていた。
今北産業。
部屋で二人っきり。
ムスタディオは全裸。
これなんてエロゲ?
ラッドは吹き出しそうになるのを必死にこらえる。面白すぎる展開だ。
一方、いち早く正気に戻ったアリシアは大慌てで頭を下げた。
「お、おお、お邪魔しました! ごゆっくり!」
で、ラッドを押しのけドアをバタンと閉める。
取り残される全裸ムスタディオと、アグリアス。
恐る恐る、彼は、アグリアスの顔を見た。
真っ赤になって震えていて、部屋に置いてあったディフェンダーを握りしめている。
ルカヴィとの戦いの時はアグリアスの聖剣技が大活躍だったなぁと、
しみじみ思い出すムスタディオ。
「北斗骨砕打ーッ!!」
こうして機工都市ゴーグの賑やかな一日は終わるのだった。
翌日。何だかんだと文句を言いながら、
ムスタディオの看護をするアグリアスの姿があったとさ。
全裸wwwwwwwww
テンポよく読めてしかもワラタww
GJ!!
あれ?もしかして行く人?
GJ!
おもろかったお^^
271 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/03/05(水) 20:34:52 ID:/KCiVGq7O
風呂ネタとかエロゲっぽくてきめえと正直思ってしまったが楽しめたからGJ
ムスタディオは俺の嫁
アグリアス乙
おれはアグリアス×ムスタディオなんだが
保守
276 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/03/16(日) 21:54:08 ID:JoEqra3d0
ネ申が降臨するまで
神が降臨しないなら自分が神になればいいじゃない。
英雄の登場を今か今かと待っているくせに
自分がその英雄になろうとはしない
それが民だ
金髪カップル
話題がないよう
だが保守する
282 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/03/21(金) 16:12:26 ID:rSm6oAwl0
>>1 同じこと考えてる人がいるとはおもわなんだww
だが3つパターンがあるぜ?
俺は二つ目に該当した
保守
285 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/03/31(月) 01:35:55 ID:1RJJ/Fcj0
俺は3かなw
286 :
ただの屍:2008/04/01(火) 12:55:28 ID:QSDvxMU/0
PS版からムスアグ妄想族
PSP版のイベはムービーにして欲しかったなぁ
ムスアグのイベントってどうやったら見れるの??
一応ラッドアリシアラヴィアンは除名してないんだけどな〜…
288 :
ただの屍:2008/04/01(火) 17:38:20 ID:QSDvxMU/0
ギル50万用意してアグの誕生日に街に行くだけ
(ライオネル ゼルテニア ゴルランド ドーター以外)
えっ
アグの誕生日いつ??
ググれカス
291 :
ただの屍:2008/04/05(土) 00:22:18 ID:QNfghVP90
チャプ4蟹1日
わざわざ教えてくれてありがとうございました
なんという暖かいスレ
294 :
ただの屍:2008/04/09(水) 08:39:23 ID:PgK0Ph3w0
春だからね〜
保守
296 :
ただの屍:2008/04/14(月) 21:44:13 ID:6iO1MFiY0
寂しいかな過疎化してきましたね
急ににぎわうから気が抜けない。
298 :
ただの屍:2008/04/15(火) 18:29:11 ID:AT8GQX9s0
ムスアグって推奨サイトなんでこんなに少ないんだろう
萌画欲しいよ
それはそのカップリングが正しくないから。
正しいか間違ってるかはさておき俺は好きだよムスアグ
アグムスも全然いけるよw