ペギーさん乙でした!
クリフトかっちょええ
ペギーさん毎度乙です!
恋の話じゃなくてもすごく楽しめましたよ!
やっぱりクリアリはいいコンビでもあるなと再認識したよ
豊作じゃ〜
ペギーたんGJ!
これがいずれ恋になるんだなーって思うとすごくいいですね。
アリーナもクリフトもいいなぁ。
ペギーさん乙です。
こういうのを見ていると、やはりアリーナの嫁はクリフトしかいないと再認識しますね。
・・・あれ?
ごちそうがいっぱいだ〜!
勢いに紛れてジャンクフード投下。
姫と二人きり。周りには誰もいない。今日こそは・・・言う!
「あの、姫様。お話があります!」
「何?クリフト、改まっちゃって」
「ずっと・・・ずっとあなたを・・ お慕いしておりました!」
言った。ついに言った言ってしまった!自分で自分を褒めてあげたいッ!
「あら、ありがとう。それでお話って?」
「・・・・・ ・・・・・。(伝わっていない・・・)」
「あの・・・。要するに好きなので結婚してください」
「いいわよ」
゚ ゚(<_、 ξ[壁 ←のぞき見していたブライ
ブライ死んだなこれはw
849 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2007/10/20(土) 01:25:19 ID:hYoAu8q10
>>847 こういうの好き
実際散々クリフトが悩んだ挙句、あっさりことが進みそうだ
二人ともGJGJGJ!!!
ペギーさんの話は泣いてしまいましたよ。
クリアリが住む世界ってこうゆう事が頻繁に起きていて、それと向き合いながら二人は成長していくんでしょうね。
直球さん(←名前じゃなくてタイトルか?)は短文でツボを押さえてくれててナイスです!
>>847 これからもこういうぴりりとしたの読みたい!
お久しぶりです。
一時退院の許可が出たので帰ってきました。
大作あり、小ネタあり…どれも楽しく読ませていただきました。
皆さん本当に乙です。
素晴らしい作品のあとだというのに、
こんな下ネタまがいのものを投下してしまう自分をお許しください。
ここはアネイル。
癒しと安らぎを求め、世界中から観光客が集まる温泉の町。
浴場の隣にある休憩所では、朝風呂で英気を養った男たちがひそひそと話をしていた。
新緑の髪を肩で揺らす少年、真紅の鎧に身を包んだ戦士らしき者、
膨よかな腹が板についた商人風の中年、豊かな白髪と立派な顎鬚の小柄な老人。
一人を除いて屈強な男たちがその身を寄せ合う姿は、妙に不自然だった。
口火を切ったのは、意気消沈ぶりがひと際目立つ少年。
うつむき加減で溜め息を床に落としたあと、覇気のない顔でぽつりと呟いた。
「皆さん、クリフトの『あれ』見ましたか?俺のよりも硬くて、しかも凄いんです」
「なんと!もしや拙者のよりも硬いのでござるか?勇者殿」
「ええ。いつの間にか逞しくなってて、正直俺…負けたって思いました」
「まあ勇者君、そう肩を落とさずに。硬いだけが能じゃありませんよ」
「さすが既婚者の発言は余裕綽々ですな。さぞや細君も歓喜の声を上げたであろう」
「いやあ。妻は私の硬さ云々より、柔和な人柄が魅力的だそうですから」
「むむっ、並みいる独身者の前でお惚気ですかな?トルネコ殿」
「とんでもない。そういやアリーナさんは、強い男の人がお好きなんでしたっけ?
だったら『あれ』が立派なクリフト君も、ある意味強いのかもしれませんね」
「ふん。クリフトの奴め、ワシらを出し抜くような真似をしおって。
ワシとてあと数十年若ければ、あやつのような青二才に引けは取らぬのに…ぶつぶつ」
「はあ、さっぱりしたわ。たまには温泉も悪くないわねー」
汗と埃を流し、火照った顔を手で仰ぐ鳶色の髪の少女が浴場から出てきた時、
男たちの怪しい会話が自然に耳へと入ってしまった。
「…もう、朝から堂々といやらしい話をして。同じ仲間として恥ずかしいわ」
垣根の陰にそっと隠れ、眉根を顰めて軽蔑の眼差しを向ける少女。
身分こそ隠してはいるが、少女はとある国の王位継承者たる姫君であり、
話題に上っているのは、彼女の臣下である聖職者の青年のことであった。
と同時に、少女の頭の中に「ある日の出来事」が鮮明によみがえってきた。
かつて病に倒れ、その後奇跡的に回復した青年の身体を清めるため、
自分がこの町で入浴させた時のことを思い出したのだ。
(ふふっ。いろいろあって恥ずかしかったけど、結構楽しかったわね。
そうそう。わたしってば、うっかりクリフトの『あれ』を見ちゃったんだっけ。
あの時はもう驚いちゃって、落ち着いて観察する余裕なんてなかったから。
でも、みんなが言うように…クリフトのって、そんなに硬くて逞しいのかしら?)
少女の脳裏に、口ではとても言えない危なげな想像が展開する。
(どうしよう、クリフトの姿が頭から離れないわ。やだやだっ、早く消えてよー)
白い頬が再び赤みを帯びるのを自覚した彼女は、思わず両手で顔を覆い隠した。
その場で立ちすくむ少女を我に返したのは、話の肴にされた張本人の怒声だった。
「皆さん!公共の場で卑猥な雑談などなさらないでくださいっ!」
そこには、聖職者の青年が厳しい表情で腕を組み、騒ぎの主らを睨みつけていた。
男たちは一瞬固まったが、その真意にすぐさま気づいたようだ。
怒り心頭の青年をよそに、彼らは互いの肩を叩いて一斉に笑い始めた。
「あははは。なあクリフト、お前何か誤解してないか?」
「誤解?」
「俺たちが話をしてたのは、『守備力』のことだぞ」
「しゅ、守備力…ですか?」
「昨日はぐれメタルの盾とヘルムを手に入れて、お前に試着させただろ」
「ええ。剣や鎧とお揃いだからと半ば無理やりにですが。それが何か?」
「実はですね、皆さんの中でクリフト君の守備力が一番になるんですよ」
「俺の天空装備よりも上なんだぜ。さすがに悔しくってさ、つい愚痴っちまった」
「敏捷さの差も出たのでござろう。勇者殿やトルネコ殿、それに拙者は盾を扱えぬのでな」
「ワシは盾は扱えるが、鎧や兜を装備できん。今やお主は最も強固な男じゃよ」
頭の中が少々混乱し、男達の反論を聞くがままだった青年は、
狐につままれた状態から解放されるのに、しばしの時間を要した。
「つまり『硬い』とは、守備力が高くて打たれ強い、という意味だと?」
青年の説明に、そのとおりだと言わんばかりに一同が頷く。
「…でしたら、ちゃんと防具の名称をつけてからお話をなさってください。
事情を知らない誰かがお聞きになったら、あらぬ誤解を招いてしまいます!」
青年は声を張り上げ、男たちに自重を促した。しかし――――
「誤解って、なんの誤解だよ?」
「我々は来るべき決戦に備えて、真面目に談義をしていただけでござるが」
「そうですよ。いったいどんな想像をしてたんですか?クリフト君」
「この愚か者めが!それだからお主は、融通の利かぬ『固い奴』だと揶揄されるんじゃ」
男たちと青年の間に、重く気まずい空気が漂う。
「は、はあ。どうやら私の考えが浅はかだったようです。大変失礼いたしました…」
ニヤニヤした顔で見つめる青年、あくまで朴念仁を貫く中年男、
意味深な笑みを浮かべた妻帯者、白眉を吊り上げて怒れる老師を前に、
純朴な青年はただ平謝りするより他に術はなかった。
ほっと胸を撫で下ろし、安堵の表情を見せる少女。
(なんだ…『硬い』って守備力のことだったのね。考えすぎて損しちゃったわ。
あーあ、温泉から出たばかりなのに、こんなに汗かいちゃった。もう一度入り直しね)
少女はその場で踵を返し、再び浴場の方へと戻っていった。
一方、すっかり気疲れした青年も、温泉に入るべく浴場を目指した。
日課である朝の祈りと、薬草など常備薬の整理のため、皆とは別行動を取っていたのだ。
(はあ。さっきの一件で全身が冷や汗まみれだ。温泉でしっかり流さなければ…)
重くなった足取りに鞭を打ち、青年は浴場へと向かった。
「おや、これはアリーナ姫さま。姫さまも今からご入浴ですか?」
「あ、うん。わたしは二度目だけどね。クリフトはみんなと一緒じゃなかったの?」
浴場の入口で、二人はばったり鉢合わせしてしまった。
青年は、主君である少女がつい今し方の話を立ち聞きしたことは知らないし、
無論、彼女が浮かべた官能的な想像など、知る由もない。
「いろいろと所用がありまして、やっと入る機会ができました。あの…姫さま」
「な、なによ?」
「少し頬が赤いようですが、大丈夫ですか?」
「し、心配しなくていいわ。長湯でのぼせただけだと思うし」
実直で穏やかな眼差しを投げ掛ける青年の顔を、少女は直視できなかった。
もし見入ってしまえば、自分の思案を何もかも読まれてしまいそうだったからだ。
「すみません、失礼します」
青年は断りを入れると、遠慮がちに少女の前髪をかき上げ、額に手に当てた。
柔らかで大きな手の感触は、先程堪能した適度な湯加減を彷彿させる。
少女の心臓に早鐘を打たせるのには、十分すぎる刺激となった。
「たしかに熱はないようです。ですから、長湯はお身体に障るとあれほど…」
「はいはい、お説教はあとでたっぷり聞くから。それでいいでしょ?」
少女は胸の鼓動を悟られないよう、青年の手を振り払い、一定の距離を保った。
本当は、大きく温かい青年の手の感触をもっと感じていたかったのだが、
今の自分の状態では、彼に甘える余裕など残っているはずがなかった。
先に入るから、と言い残して女湯へと駆け込んだ少女を、心配げな表情で見送る青年。
通常なら膨れっ面での睨み返しだけで済むはずが、今回は手荒な仕打ちだった。
青年の繊細な指先には、まだ微かな痺れが残っている。
「いつもとご様子が違うな。お加減が悪くなければよいのだが…」
背高の帽子の顎紐を少しだけ緩めたあと、青年は男湯の扉へと手を伸ばす。
「いらっしゃい。おや?あの時の兄ちゃんじゃないか。元気にしてたかい?」
番台からは、面識のある顔と懐かしい声が飛び込んできた。
青年が病から全快し、恐れ多くも主君たる少女に入浴を介助してもらった際、
今日と同じく番台をしていた中年の女性である。
「お久しぶりです。小母さんもご健勝そうでなによりです」
軽く会釈を交わしたあと、青年はふと番台の向こうへと視線を移した。
「こりゃっ!どこを覗いてんだい?女湯の客はあいにく一人だけだよ」
「ごっ、誤解です。私は姫さ…いえ、旅の仲間の体調が気になるだけで、そんなつもりでは」
女性に怒鳴られ、青年は物凄い勢いで首と両手を振って否定する。
「ああ、さっきの子…そうか、あんたの連れだったね。安心おし。特に変わりはないよ」
「そうですか。すみませんが、姫…いや、彼女をよろしくお願いします」
「あいよ。任しときなって」
頬杖をついたまま、女性は笑顔で何度も頷いた。
歪んだ口元が気になるが、青年は感謝の気持ちを込め、軽く頭を下げた。
「それより、あんたついてるねえ。今は誰もいないからゆっくりできるよ。…きりでね」
「ありがとうございます。…あの、最後は何とおっしゃったんです?」
「いやいや、こっちの話さね。さあさあ、ぼやっとしてないでさっさと脱いじまいな」
女性に急かされ、青年は慌てて脱衣所の隅でそそくさと着替え始める。
腹部をタオルで覆い、腰骨の位置で端をきつく縛った青年の姿は、
やがて湯気がたちこもる湯船へと静かに消えていった。
「ふう。朝の忙しさも一段落したし、そろそろ出そうかねえ」
女性は重い腰を上げ、番台から床へと足を下ろした。
「まったく、面倒くさいったらありゃしないよ。いつまで続けるつもりなのか…」
そのまま物置らしき場所へと向かい、よいしょと言いながら何かを引っ張り出す。
「一緒に来たところを見ると、あの二人は相変わらず仲がいいようだねえ。
まあ、初めてじゃないんだから、前みたいに大騒ぎにはならんだろうよ。ひっひひひ」
扉を開け、入り口に立て看板らしきものを置いたあと、女性は再び番台へと戻っていく。
看板には『ただいま貸切』の文字が大きく書かれていた。
休憩所での談話も一段落した頃、緑の髪の少年が溜め息混じりに立ち上がった。
「さて、と。そろそろ回収しに行くとするか」
「はて。何をですかな?勇者殿」
「俺たちの『命綱』です。今倒れられたら、あとあと厄介ですからね」
「いくらクリフト殿でも、ここの湯気に屈するほど軟な男ではなかろう」
「ライアンさん、これからは混浴が可能な時間帯なんです。閑散時の特別サービスとかで」
「ほほう、混浴とな。それはある意味天国ですなあ」
「冗談はよしてください。そうなれば、今頃あいつは床の上で卒倒して夢の中ですよ」
「いやー、私も若い頃は妻とよく一緒に入りましたよ。もう昔の話ですがね」
「自慢話はもうよいわ!…まあ、湯船が血の海になれば危険じゃて、薬は用意しておこうかのう」
「…じゃあ俺、行ってきますから」
どちらかといえば興味津々の中年二人と、淡々と事務的に準備を進める老人を前に、
少年の溜め息は、ますます濃厚さを深めるのであった。
>852
久し振りてんちょさんキタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!!
てんちょさんの下ネタ(?)話大好きだ。 GJ!
あと 一時退院中とのこと、お体大事にしてくださいね。
自分も体験あるけど、長期(?)入院は辛いですよね。
(今でこそ各種携帯ゲーム機があるけど、昔は無かったから暇つぶしに困ったわ。
ラジオとテレビと文庫本とマンガが入院の友でした)
>>852 おお、てんちょが!お久しぶりです!
スレに活気が戻ってきてうれしい!
皆にいじくられているクリアリがいいな〜!
そして、入院されていたのですね、お大事にです…!
このままじゃクリフトが死んじゃう><
実は容量が限界近いんだ
注意してな
てか次スレを
ニヤけてしまった
てんちょさん、お帰りなさい&GJです!
あの会話を勘違い出来るって事は、クリフトのアレはそれなりに硬くて凄くて立p(ry
と、てんちょさん一時退院中なんですね。
お体お大事に。
本当にGJでした!
ほす
HOSHU
保守
>>867 おお次スレ乙!!
これで残りの20KBを堂々と使いまくることができるな!
>>867 次スレ乙!
それにしても、容量を気にしてるうちにハロウィンが過ぎてしまっていたんだな
残念なことだ
こんにちは、ペギーです。
新スレ立ったので、安心してSS投下しちゃいます。
えーと、以前書いたザオリク話の続き…になるのかな。
そして、遅くなりましたが、てんちょ!GJです!!
てんちょの、ちょっとドキドキするほんわかSS、大好きです!
入院されているとのこと、お体お大事に…。
クリフトがザオリクを覚えてからというもの、蘇生はもっぱらクリフトの役割となった。
蘇生確立が5割のザオラルよりも、より多くの魔法力を使うとはいえ、
クリフトのザオリクの方が効率が良いのは致し方ない。
最初はザオリクを唱えるたびに肩で息をしていたクリフトも、
戦闘中、誰かが倒れ伏すたびに駆けつけて蘇生呪文を唱えているうちに、
当初のぎこちなさが消え、蘇生までの時間も早くなってきた。
しかし、勇者は、それにつれてクリフトの口数が少なくなってきているのに気が付いていた。
ある日、勇者はクリフトが一人のときを選んで、クリフトに声をかけた。
「クリフト。最近、悪いな。お前ばっかりに蘇生をまかせちまって…。」
クリフトは面食らった顔をした。
「ソロさん。いきなり何をおっしゃるかと思えば。」
「いや、みんな気軽にお前にザオリクほいほい頼んでるけど、
他の奴ら、蘇生呪文を使うのが、どんなにきついもんかってわかってないんだ。」
まあ、お前一人に押し付けてる俺も同罪だけどな、と勇者は頭をかいた。
クリフトは、そんな勇者に首を振った。
「別に、今ではもう、ザオリクを使うこと自体は、私の体の負担にはなってませんよ。」
「…だって、お前、最近疲れてないか?」
「いいえ、全く。ザオリクもコツを覚えればそれ程きついものでは…。」
とクリフトは言いかけ、低い声で独り言のようにつぶやいた。
「そう、むしろ、それが問題なんだ…。」
「何?なんか言ったか、クリフト?」
「いえ、なんでもありません。とにかく、私は大丈夫です。」
クリフトはにっこり微笑むと、歩み去った。
勇者は、釈然としない気持ちのままその場に取り残されたが、そこに声をかけた者があった。
「ソロさん…。」
「ミネア。」
ミネアからの提案を聞いて、勇者は驚いた。
「ザオラルを学びたい?」
ミネアが真剣な顔で頷く。
「ええ、お願いします。ザオリクは無理でも、ザオラルを覚えれば、
クリフトさんの負担を少しでも軽くできるかもしれない…。」
「…ミネア、お前、いい奴だなー。」
感心した顔をする勇者に、ミネアは赤くなった。
「そうじゃないんです…ただ、今のクリフトさんを見ていると…危ういような気がして…。」
勇者は、ミネアの言葉に顔を曇らせた。
「ああ…確かに、何かこう、いっぱいいっぱいっていう感じはするな…。」
勇者とミネアは心配そうに顔を見合わせた。
それから、数ヶ月が過ぎた。
「ミネアも、ザオラルを覚えたの!?すごいじゃない!」
恥ずかしそうに、ザオラル習得を告げたミネアに、皆が拍手喝采した。
クリフトは、驚いたようにミネアを見ると、複雑な表情をした。
勇者は、クリフトの表情に気づき、わずかに眉をひそめた。
「これで、3人目か〜、旅が効率よく進むようになるわね〜。」
マーニャが嬉しそうにミネアに笑いかけた。
ライアンがそれに呼応して頷く。
「ふむ。前は誰かが戦死するたび教会のある街や村まで戻っていたからの。」
「それに、私は、教会よりも、クリフトさんのザオリクの方が好きですね。」
「そうね、クリフトの蘇生呪文って、何だかほんわりと暖かくて、柔らかいのよね。」
「ああ、あれは不思議に良い心地がするものじゃて。」
そこから、一行は、クリフトからザオリクを受けたときの感想に花を咲かせ始めた。
当のクリフトは皆の会話に参加せず、表情を硬くして前を向いている。
勇者とミネアは、気遣わしげに、そんなクリフトと会話をしている仲間を交互に見ていた。
アリーナが、仲間達の言葉に目を輝かせた。
「へー、クリフトのザオリクって、そんなに気持ちいいの?」
「そうか、アリーナ姫は、まだ一度も蘇生呪文を受けたことはなかったか。」
「そりゃーそうよ、この子、いつも有り余るほど回復呪文かけてもらってるもの。」
マーニャは笑ったが、アリーナは悔しそうに頬を膨らませた。
「えー、でも、そんな気持ちいいなら、今度私もザオリク受けてみたいって」
「いい加減にしてください!」
アリーナの言葉を遮って、クリフトの叫びがあたりに響いた。
場がしん、と静まり返った。
クリフトは、立ち上がり、体を震わせていた。
アリーナは、驚いたように目を見張ってクリフトを見上げた。
クリフトが、このように激しい感情を顕にすることはめったにないことだ。
勇者が、首を振って小さなため息を吐いた。
「いいかげんにしてください、姫様も、皆さんも…!」
クリフトは、震える声で言った。
「蘇生呪文が禁呪とされていることの理由が、今なら良く分かります…。
ザオリクのせいで皆さんは、生命の尊さを忘れてしまっています。
…命を手放すということを、そんなに簡単に考えないで下さい!」
皆、言葉もなくクリフトを見つめていた。
「こんなことなら、私は、もう、蘇生呪文は使いません!!!」
そういうと、クリフトは皆から顔を背け、足早にその場を立ち去っていった。
「…クリフトが怒るのも当たり前だ、お前ら、能天気なこと言いやがって。」
勇者が不機嫌そうに皆をにらみつけた。
「軽々しく、死んだらどうとか言うもんじゃねえよ。」
ミネアも、厳しい顔をして頷いた。
他の仲間達は、うなだれ、あるいは面目なさそうに首をすくめた。
「とにかく、アリーナ、行って謝って来いよ。」
アリーナが、勇者の言葉に不服そうな顔をする。
「え、なんで私だけ?みんなで一緒に行こうよ!」
「いいから。他の奴らとお前では、同じこと言っても罪の重さが違うの!」
「…何それ。訳分からない。」
ぶつぶつ言いながらも、アリーナは立ち上がると、クリフトの後を追った。
アリーナは、すぐにクリフトを見つけた。
クリフトは、森の外れの木にもたれかかって、ぼんやりと空を見ていた。
その表情の暗さに、アリーナはギクリとなった。
後悔の色を顔一杯に浮かべ、アリーナはクリフトに駆け寄った。
「クリフト!」
クリフトは、はっとしたように体を起こした。
「姫様…。」
アリーナは、クリフトの袖をつかんで見上げた。
「ごめん、ごめんね、クリフト。…無神経なこと言って。」
クリフトは、驚いたようにアリーナを見ると、悲しげに頭を垂れた。
「申し訳ありません…。姫様が、謝られる必要など、ないんです。」
「だって…。」
クリフトは首を振った。
「違うんです…本当は、問題があるのは、私の方なんです。」
「え…?どういうこと?」
アリーナは首をかしげた。
クリフトは、ため息をつくと、遠い目をして空を眺めた。
「蘇生呪文を覚えてすぐの頃は…呪文を使うのが、本当に辛かった…。
仲間の死に顔が目の前にちらついて、しばらくは眠れませんでした。」
クリフトは自分の手に目を落とした。
「…なのに…今は、何も感じないんです。」
「…。」
「仲間の血塗れで息をしていない体、見開いたまま動かない瞳、
そんなものを目の当たりにしても、夢に見ることもなくなりました。
私が、その前にひざまずいてザオリクを唱えれば、彼らは息を吹き返す。
死が一体なんだというのだ、と、どこかで思っている自分がいるんです。」
クリフトは、両手を握りこんで目をつぶった。
「死の呪文と蘇生の呪文を当然のように繰り返していくうちに、
私は、自分が、だんだん人の生死に無関心になっていくことが怖い。
このままでは、私は…!」
「クリフト!!」
アリーナの強い声に、クリフトははっと我に返った。
「あ…。」
アリーナは、真剣な顔でクリフトを見上げていた。
「す、すいません、姫様…。」
アリーナは、ゆるゆると首を振ると、クリフトの手をとった。
「ううん…私こそ、ごめん、クリフト。…私、知らなかった。
クリフトが、蘇生呪文のたびに、そんな辛い思いをしていたなんて…。」
「いえ、そんな、姫様…。」
「でもね、クリフト。」
アリーナは瞳に強い光を宿してクリフトを見た。
「クリフトは、命を軽々しく考えてなんかいないわよ。」
「え…。」
「みんな、言ってたでしょ。クリフトのザオリクは暖かいって。
教会の神父さんなんかより、ずっと気持ちが良いって。
それは、きっと、クリフトが命を大切に思ってるから。
クリフトの、命を大切に思う気持ちが、呪文に溢れてるからなの。」
「そんなことは…。」
否定しようとするクリフトを、アリーナは遮った。
「私は、ずっと昔からクリフトを見てるもの。分かるの。
この先、何があっても、クリフトが命をおろそかにすることなんて、ない。」
自信たっぷりにそう言うと、アリーナはにっこりと微笑んだ。
「姫様…。」
クリフトは、呆然とアリーナを見ると、アリーナに手を伸ばしかけた。
しかし、はっとしたようにその手を握りしめた。
「クリフト…?」
アリーナが不思議そうにクリフトを見上げた。
クリフトは、泣き笑いのような顔でアリーナを見た。
「姫様…どうもありがとうございます。
ご心配をおかけして、本当に申し訳ありませんでした。」
アリーナは明るく笑った。
「クリフトったら、またそんな馬鹿丁寧なの、やめてよ!
このパーティの中では、私達、主人と臣下じゃなくて、
同等の仲間でいたいと思ってるんだから!」
「…同等の……仲間、ですか…。」
クリフトが呟いた。
その表情は、影になっていてアリーナからは見えなかった。
アリーナは、うんうんと頷くと、笑顔を浮かべた。
「そう、大切な仲間!だから、私ばっかり特別扱いもナシ!」
「…。」
くすり、とクリフトの口から笑いがこぼれた。
「何?」
「いえ…。」
クリフトは顔を上げると、アリーナに向かって微笑んだ。
「…ありがたいお言葉、どうもありがとうございます。」
アリーナは両手を振り上げた。
「だからー、そうゆうのがダメなんだってばー!
もうっ、みんなのところに戻るよ、クリフト!!」
アリーナの背中を見ながら、クリフトは、口の中で何か小さく呟いた。
しかし、先を行くアリーナにはその言葉は聞こえないようだった。
以上です。
お付き合いいただきましてどうもありがとうございました。
相変わらずクリフトがうじうじと暗い奴でスイマセン。
そして、相変わらず甘くない話でスイマセン。
イイヨイイヨー
あと9KBか…SS一つきたら終わるぐらいかね。
さあ最後を締めるのは誰だ!!
ほしゅ
容量微妙だからなのか、過疎ってるな…次スレも立ててもらってることだし埋めちゃおうかな…
∧_∧
( ・∀・) ドキドキ アトイシュウカン・・・
( ∪ ∪
と__)__) DS版4を待ちながら埋め。
途中で切れたらスマソです。穴埋めSS投下
―――この紙片を見つけし者に告ぐ。これより
>>867に向かい、青き扉を見つけよ。
さすれば、新たなる世界が広がるであろう。
アリーナの居室に残された一片の紙。
そこに書かれた謎めいた言葉に、サントハイムの首脳部は頭を抱えた。
「なんの暗号ですかな?」
「はて、私にはとんと見当がつきません」
「私も、ですね」
「しかし、姫様のお部屋から愛用の武具が消えていること、旅に必要な物が
なくなっていることを思えば、姫自らのご意思による失踪……で、間違いございませんな」
「相違なかろう」
互いに顔を見合わせ、同時にため息を漏らす。
「こういうときは、サントハイムの生き字引であるブライ翁にお伺いを立てるのが一番なのだろうが……」
「えぇ。でも、翁は確かいまは王命を受けてエンドールに滞在中のはず……」
「となると、やはり『彼』でしょうな」
「そうですね」
「それしかないだろうな」
意見が一致したところで、まとめ役の男は部屋の隅に控えていた兵士長に声をかけた。
「神官クリフトをここへ」
「なるほど、事情はわかりました」
クリフトと呼ばれる青年が頷くと、不思議な色合いを艶やかな蒼髪がさらりと揺れた。
その優美な光景に思わず目を奪われかけたまとめ役の男は、ひとつ咳払いをすると口を開く。
「して、その紙片に書かれた言葉の意味はわかるのか?」
「はい」
間髪いれずに返った答えに、その場にいた者たちに安堵の空気が流れた。
「では、早速捜索隊を……兵士長」
「はっ」
「至急捜索隊を編成し、事に当たってくれ」
「はっ、かしこまりました」
アリーナ捜索の命を受け緊張した面持ちで立ち上がった兵士長を、柔らかな声が遮った。
「お待ちください。大人数で動くのは得策ではありません。サントハイム兵の姿を見かければ、
姫様は連れ戻されると思って逃げてしまう可能性があります。まずは私が単身赴き、
一緒に旅を続けるふりをしつつ姫様の説得にあたります。兵士の方々には、少し遠回りになってしまいますが、
こちらの道筋で目的地に向かっていただきたいと思います」
そして、クリフトは何事かを紙に書き付け、兵士長に手渡した。
「こちらの指示通りに動いていただければ、特に問題なく目的地に辿り着けると思います」
「もちろんクリフト殿のご指示には従わせてもらいますが……しかし、あなたおひとりでは、
危険かと。せめて私だけでも随行いたしましょう」
兵士長がそう言うと、クリフトはやんわりと微笑み、かぶりを振った。
「お気遣いはうれしく思いますが、やはり姫様を油断させるためにも、
ここは私一人先行することをお許しください。私が命に代えても姫様をお守り申し上げますゆえ。
それに……おそらく姫様の失踪を陛下がお知りになれば、陛下自らが姫様をお探しに出られるはず。
兵士の方々には、その時に安全な道筋で陛下を導いていただきたいと思うのです」
兵士長は、言い出したら聞かない似た者親子を思い浮かべ、頷いた。
「導かれし者のおひとりであられるあなたに、私ごときがこのようなことを言うのも恐縮ですが……
お気をつけて」
>>1-200 >>201-400 >>401-600 >>601-800 >>801-866 >>868-行き止まりまで。を経て
>>867へ。
そして青く光る扉を、感謝の気持ちで心を満たして開けること。
兵士長から事細かに指示の書かれた紙を手渡された時、ブライの脳裏を過ぎったのは、
愛する姫とふたりっきりの旅を楽しむ蒼い髪の青年の幸せそうな姿だった。
「……あやつ」
紙面に目を落とし、ため息をつく。
「気持ちはわからないでもないが、相変わらず腹黒いのう」
兵士長は「少々遠回りですが、安全な道筋」だと絶賛していたが、
その実、単なる時間稼ぎのための道順。
姫とのふたりっきりの時間を少しでも長く過ごすための、狡い手段。
「ま、あやつには悪いが、最短距離を……」
そうひとりごちたブライだったが、次の瞬間に起こった出来事に、その考えを一気に翻した。
「ブライっ、ハゲのくせに身支度に手間取るでないわっ! はよう、行くぞ」
……サントハイム王が次スレに辿り着くのはいつ?
(終)
げ、誤字発見。
2/3 (誤)不思議な色合いを→(正)不思議な色合いの
とほほな〆で、スマソです。
/^ヽ
/::::::::::ヽ
/:::::::::::ー-ヽ
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_、-‐'''`~  ̄~~^^`''ー、_
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