――ネットの活用は流通とマーケティングだけではなく、ゲームのプログラムのボリュームにも関係しますから、
確かに開発コストとの関係もありますね。
和田氏: それだけではなく、新作のヒットももっと増えるようになりますよ。
“パッケージソフトの売れ行きに陰りが”なんて話が出てくるのも、
端的に言えば現状の流通ではゲームの中身がわからないからなんです。
ゲームは数千円もするのに、中身を事前に知ることはできない。
特に新作の場合は、「わからない」という不安から購入に二の足を踏む。
その結果、シリーズ物ばかりが売れるという流れになっています。これは問題ですよね。
でも、ネット経由でテストプレイをダウンロードして、“お試し”ができれば、その不安は解消するでしょう。
「ゲーム離れ」も同じです。例えば、「『FF』のストーリー展開を知りたいが、
エンディングまで長時間やるのは厳しいな」と思っているユーザーに対して、
場面をスキップしてストーリーがわかる、“やりこみ要素”のない廉価版をネットでリリースすればいいわけです。
こういう形のソフト販売ができるようになると収益機会が変わってくる。
クラシックタイトルもディスクにプレスする必要はありませんから、
在庫リスクはなく、販売機会が増します。それにさらなるメリットもあります。
http://arena.nikkeibp.co.jp/tokushu/gen/20070207/120802/index6.shtml