2 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/09(金) 17:17:50 ID:3++LgPXs0
----基本ルール----
全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる。
勝者のみ元の世界に帰ることができ、加えて願いを一つ何でも叶えてもらえる。
ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。
----放送について----
スタートは朝の6時から。放送は朝6時と夜18時の1日2回、12時間ごとに行われる。
放送は各エリアに設置された拡声器により島中に伝達される。
放送内容は「禁止エリアの場所と指定される時間」「過去12時間に死んだキャラ名」
「残りの人数」「主催者の気まぐれなお話」等となっています。
----「首輪」と禁止エリアについて----
ゲーム開始前からプレイヤーは全員、「首輪」を填められている。
首輪が爆発すると、そのプレイヤーは死ぬ。(例外はない)
主催者側はいつでも自由に首輪を爆発させることができる。
この首輪はプレイヤーの生死を常に判断し、開催者側へプレイヤーの生死と現在位置のデータを送っている。
24時間死者が出ない場合は全員の首輪が発動し、全員が死ぬ。
「首輪」を外すことは専門的な知識がないと難しい。
下手に無理やり取り去ろうとすると首輪が自動的に爆発し死ぬことになる。
プレイヤーには説明はされないが、実は盗聴機能があり音声は開催者側に筒抜けである。
開催者側が一定時間毎に指定する禁止エリア内にいると首輪が自動的に爆発する。
なお、どんな魔法や爆発に巻き込まれようと、誘爆は絶対にしない。
たとえ首輪を外しても会場からは脱出できないし、禁止能力が使えるようにもならない。
開催者側が一定時間毎に指定する禁止エリア内にいると首輪が自動的に爆発する。
禁止エリアは3時間ごとに1エリアづつ増えていく。
----スタート時の持ち物----
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を配給され、「ザック」にまとめられている。
「地図」「コンパス」「着火器具、携帯ランタン」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「支給品」
「ザック」→他の荷物を運ぶための小さいザック。四次元構造になっており、
参加者以外ならどんな大きさ、量でも入れることができる。
「地図」 → 舞台となるフィールドの地図。禁止エリアは自分で書き込む必要がある。
「コンパス」 → 普通のコンパス。東西南北がわかる。
「着火器具、携帯ランタン」 →灯り。油は切れない。
「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
「食料・飲料水」 → 複数個のパン(丸二日分程度)と1リットルのペットボトル×2(真水)
「写真付き名簿」→全ての参加キャラの写真と名前がのっている。
「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
「支給品」 → 何かのアイテム※ が1〜3つ入っている。内容はランダム。
※「支給品」は作者が「作品中のアイテム」と
「現実の日常品もしくは武器、火器」の中から自由に選んでください。
銃弾や矢玉の残弾は明記するようにしてください。
必ずしもザックに入るサイズである必要はありません。
また、イベントのバランスを著しく崩してしまうようなトンデモアイテムはやめましょう。
ハズレアイテムも多く出しすぎると顰蹙を買います。空気を読んで出しましょう。
----制限について----
身体能力、攻撃能力については基本的にありません。
治癒魔法については通常の1/10以下の効果になっています。蘇生魔法は発動すらしません。
キャラが再生能力を持っている場合でもその能力は1/10程度に制限されます。
しかしステータス異常回復は普通に行えます。
その他、時空間移動能力なども使用不可となっています。
MPを消費するということは精神的に消耗するということです。
全体魔法の攻撃範囲は、術者の視野内ということでお願いします。
【本文を書く時は】
名前欄:タイトル(?/?)
本文:内容
本文の最後に・・・
【名前 死亡】※死亡したキャラが出た場合のみいれる。
【残り○○人】※死亡したキャラが出た場合のみいれる。
【本文の後に】
【座標/場所/時間】
【キャラクター名】
[状態]:キャラクターの肉体的、精神的状態を記入。
[装備]:キャラクターが装備している武器など、すぐに使える(使っている)ものを記入。
[道具]:キャラクターがザックなどにしまっている武器・アイテムなどを記入。
[思考]:キャラクターの目的と、現在具体的に行っていることを記入。
以下、人数分。
【作中での時間表記】
深夜:0〜2
黎明:2〜4
早朝:4〜6
朝:6〜8
午前:8〜10
昼:10〜12
真昼:12〜14
午後:14〜16
夕方:16〜18
夜:18〜20
夜中:20〜22
真夜中:22〜24
━━━━━お願い━━━━━
※一旦死亡確認表示のなされた死者の復活はどんな形でも認めません。
※新参加キャラクターの追加は一切認めません。
※書き込みされる方はスレ内を検索し話の前後で混乱がないように配慮してください。
※参加者の死亡があればレス末に必ず【○○死亡】【残り○○人】の表示を行ってください。
※又、武器等の所持アイテム、編成変更、現在位置の表示も極力行ってください。
※具体的な時間表記は書く必要はありません。
※人物死亡等の場合アイテムは、基本的にその場に放置となります。
※本スレはレス数500KBを超えると書き込みできなります故。注意してください。
※その他詳細はスレでの判定で決定されていきます。
※放送を行う際はスレで宣言してから行うよう、お願いします。
※最低限のマナーは守るようお願いします。マナーはスレでの内容により決定されていきます。
※主催者側がゲームに直接手を出すような話は極力避けるようにしましょう。
主催者:大神官ハーゴン
管理役:悪魔神官
【参加/死亡者リスト】
4/5【DQ1】○アレフ/○ローラ姫/○竜王/●死神の騎士/○ドラゴン
3/5【DQ2】●アレン/●ランド/○マリア/○リア/○バーサーカー
4/5【DQ3】○アリス/○サマンサ/●フィオ/○カンダタ/○ヒミコ(オロチ)
4/5【DQ4】●アリーナ/○クリフト/○トルネコ/○ピサロ/○ルーシア
2/5【DQ5】●リュカ/●ビアンカ/○フローラ/○レックス/●ゲマ
2/5【DQ6】○ハッサン/●バーバラ/●ミレーユ/○テリー/●ドランゴ
2/5【DQ7】●アルス/○キーファ/●マリベル/●メルビン/○フォズ
4/5【DQ8】○エイト/●ゼシカ/○ククール/○トロデ/○マルチェロ
1/3【 J .】○アトラス/●バズズ/●ベリアル
計26/43名
>>超乙。
スレ立てをした1の労を労いたい時!人!
『
>>1乙』という!!!
>>1乙!!!
10 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/09(金) 18:27:37 ID:/XYCkeul0
>>1甲
otu
べ、別に
>>1乙だなんて思ってないんだからね!
勘違いするんじゃないわよ!
前スレで一度言ってるので二度目でスマンのだが、テリーへの遺憾を上手くまとめるには
とりあえず般若の面を渡すだけで止めておけばいいと思うんだ。
装備してマーダー化するも、強い意志で装備しない選択をさせるも後続書き手の自由。
やっぱ、今更かい?
>17
感想を言うだけなら良いと思う。
このレスを見ている、、作者さんにゆだねましょう。
今日は爆睡してるかもしれんがw
>>1乙、いつの間にやら新作&新スレが!
相変わらずここの書き手さんは凄いな。
べらぼうに凄いな。存外に凄いな。
>>13-16 順にフィオ、ゲマ、マリベル、アトラス乙!
今気がついたYO!
フィオ、出番あれだけだったのにやたらと存在感あるな…。
回想と没を合わせて、出演が4回。
死者スレでも活躍中。
決定的なのは、口調と死様だね。
おはようございます。そして新スレ乙。
レスをいろいろと。
前スレ973
? 多分偶然です。よくある言い回しだと思います。
前スレ981
ゴンは匂いを追ってきたのではなく、同族の気配を感じてやってきたんです。
きてみたら同族匂いが現場に残っていたから、その事実に確信を持ったのです。
確かにゴンローはB-5から3へとレーベに向かっていましたが前話で飯休憩として3の東寄りで止まってました。
そこから近くのB-4でど派手にドンパチやってるのを竜の聴覚やらシックスセンスやら何やらで察したということで。
ちなみにヒミンサは戦いながらB-5西から4に移動したということにしてください。
961で描写が簡略になったあたりです。見えないところで走ってたんです。
テリーに関して。
別の企画でマーダーやってるからこの企画ではマーダーペケ、という理由はさすがにあんまりだと思います。
最近少し積極的なマーダーが減ってきたと思って作った話なので、できればこのまま通したいです。
描写があっさりしすぎという指摘もありましたがそれは単純に私の力量不足なのでいかんともしがたい……。
テリーだが、般若の面なだけ解呪フラグはあるじゃないか
堅いけどハッサンのせいけんづきが決まるとかでパカッと
フローラ、サマンサ、マルチェロ、レックス、アトラス、クリフト、バーサーカーじゃ足りないかね?
作者がこれで通したいなら直せとは言わんが。
>>25 ハッサンの友情パワーで面を割る!熱い展開だ!
>>別の企画でマーダーやってるからこの企画ではマーダーペケ、という理由はさすがにあんまり
テリーマーダー化にはちょっと残念だったけど、コレには同意。
誰がどんな道を歩むか解らないスリルを味わうのもリレー小説のの醍醐味。
>>24 作者さん乙っす。
マーダを増やしたいという意図だけなら、般若の面を渡して、マーダーフラグを持たせるだけで
十分に仕事はしてると思いましたよ。
どうしても今すぐにマーダー化させておきたい!っていうならそれでも構わないと思いますが
個人的には持たせるだけのほうが後々のドラマに期待できそうなんですよね。
ただ私情としてはマーダー化がイヤなんじゃなくて、狂気に染まって殺戮するってだけならバーサーカーが居るし
呪いが原因で殺戮するっていうにはレックスが居るしで、どうもこのままじゃテリーがパッとしないんじゃないか
ってのが、今すぐ装備するのに反対気味な理由なんですが。
29 :
前スレ981:2006/06/09(金) 22:12:31 ID:2gMo+tCE0
>>24 なるほど。そういうことならローラとゴンに関しては個人的にはオッケーかな。
こんな細かいとこ気になるのは自分もローラとゴン書いてみたいなと思って
移動コースと周りの人物確認とかしてたから妙に気になるだけかも…。
折角書いてくれたものに難癖つけたようでごめん。
どれも読み手のエゴだけで修正を求める域に達してないよね
これは矛盾してるからこうしたほうがいい、じゃなくて
これが気に入らないからこうしたほうがいい
そんな意見が最近増えすぎじゃないか?
言われてみればそうね。じゃあそのままでいいや
書き手さんはプライド強固にしようぜ!
ニアミス?もそうだったし
マーダ―とか脱出とかゲームオーバーとかどうでも良いんだ。
だた、「ドラマに期待」する。
それだけ。
俺もなるべく書き手さんの意思を尊重したいな。
>>24 お疲れ様っす!!!
自分は前スレ970です。
夜が明けたら感想を書きたいと思っていましたが、日中忙しくてついつい引き伸ばしていました!
今から怒涛の勢いで書きます!!!
ヒミコがイイ!!!(゚∀゚)
いかにも蛇らしい執念じみた台詞まわし、なぶり方!
とにかくヒミコの台詞、アクション(の描写)に魅了された!
個人的には、
>そして、それからもまた互いの爪が、牙が、尾が、炎が、互いの肉を裂き、喰い千切り、打ち、焼いた。
で、バトル描写が終わったのが惜しかった!
この文章を見た時、まだまだこのバトルを見たかった(>_<)
サマンサも粘る、粘る。
本当に端折られたのが惜しいと思うバトルだった!
あ、あと避難所で出てた
>つ「ドラゴラム」
>
>これで怪獣大決戦
が出てたのも嬉しい!!!
般若の面も面白いねー。
出てきた時点では、ただしばらくの間オロチの興味を引いただけ。
その隙にサマンサが思考するというアイテム!
ちょうどゲーム中でもジパングで入手することになるのが興味深い!
オロチの気を逸らすのにこれほど適したアイテムがあるだろうか!?
3をプレイしていると、思わずニヤリとする演出!
ク〜〜〜、憎いね!小道具がきいてる!!!
さらに、この窮地をどうやってサマンサは乗り切るのって思ってたんだけど、
まさかバシルーラの杖なんて思いもよらなかったよ。スゴイ!
ただね、その後場面転換してからがわからなくなったのよ。(´・ω・`)
(ちょうど、「双竜激突 ―― そして 6/10」の所)
今2回目を読んで、ようやく理解したけど、出来れば、
>適当な木を背にして休もうとしたその時、声が聞こえてきた。
の前に、「サマンサが」の一言を付け足して欲しい(´・ω・`)
バシルーラで場面が変わるって予備知識があるし、彫塑段落も変わってるし、
まだ、一人称がサマンサのままってわからなかったんだ。
それまで出てなかったローラ&ゴンが出てくるのも相まって。
俺はてっきりバシルーラの杖ってサマンサもワープするの?とかメダパニったんだが、
たまたまローラとゴンがオロチと戦ったサマンサにタイミングよく接触してきたってことだよな?
なにぶん、登場が唐突だったんで、マジでこのパートは何がなにやらわからなかった。
あぁ、さてさて、場面は変わって今度はオロチ&テリーですよ。
そう、さっきは書き忘れたけど、このメンバーでどうやってお話を作るの?と、
最初予約を見たときは思ったものですよ。
それが、バシルーラの杖だったとは!
様々な物語が同時進行で進んでいますが、
バラバラだったものが唐突にクロスオーバーする!
もうそれにウッキウキワクワクしました!
ほんと面白かったです!
あの、できれば連レスするのではなく、言いたいことは短く纏めた方がよろしいかと……
>35-40
力作、乙。
ワクワクしたのは共感します。
できれば、レス長い時は、避難所にお願いしたい。
一応「投下の本スレ」なんで・・・。
それから、それからテリーの独白ですよ(関係ないけど、告白、より独白のほうが適切な気がする)。
ほんと言うと、テリーvsレックスからの流れは多少不満に感じる部分はあったんです。
今までこんだけレックス殺しまくっておいて、ぬるすぎるんじゃない?―と。
(それで、内容を改編しろ!とは言いませんが。あくまで感想として。
…最近は、こんな不満でも改編しろって言いそうな空気ですよね。
いけないことだと思います。…話は戻して)
そういう気持ちが解消されましたね!
「俺は殺せなかった」と泣く!
なんつうか不完全燃焼感がすっきりしました。
また、そんなテリーを飄々として聞くオロチも良かったです。
そう、そこで般若の面ですよ。
先程、優秀な小道具として活躍した般若の面がここでも活躍するなんて!
この取り合わせの妙に素直に唸りました。…面白い!
>>42 ○| ̄|_ ごめん。
そうだな。避難所の雑談スレで感想書けばいいんだった…。
>>41 言いたいことを纏めたらすごく少なくなるんだ。
ヒミコが良かった。バトルが良かった。サマンサが良かった。
小道具が良かった。もっとバトルを見たかった。
一部、よくわからない描写があった。
クロスオーバーの妙にワクワクした。般若の面が2度活躍するのに唸った。
でも、テリーが面を被るまではやりすぎだと思った。
あ、結構長くなったわ。
まぁ、でもそんな簡潔に言ったら気持ちが伝わらないんじゃないじゃないかと思って、
もう一回読み直しながらワクワクしながら、思ったことをずけずけーーっと書いて行こうと思ったんだ。
でも、連レスすまんかった。ごめん。
けど、自分がこのお話について書きたい事は後一つだけなんで、それだけ許してほしいm(_ _)m
ヒミコの憎しみに己の正義で挑むサマンサは白熱しました。
おろちVSドラゴラムサマンサにゴンさん乱入してドラゴン三つ巴!?
とか思ってしまった俺ガイルw
なんだかんだで放送明後日だ
書き手さんのネタのストックがぶっわーと開放されるやもわからん
んで、最後。
既にちょっと書いたけど、でも、テリーが面を被るまではやりすぎだと思った。
面を渡してどうなっちゃうの〜〜〜!?と思って、
そこで次にバトンタッチすると思ったんだけど、あっさり被っちゃって「え?」て感じ。
これまでのことにこれだけ葛藤していたにしては、いくらなんでもあっさりしすぎかな、と。
他の人も書いてるけど、面を渡す所で話を区切る方がきれいだと思った。
ちょっと言っちゃうと話を進めすぎっていうか。
他のロワでマーダーだから、て理由は全く同意しかねるが、
この話だけ見ても、被せるまでやるのはやりすぎちゃった感があると思う。ごめん(´・ω・`)
もうちょっと、次の書き手に委ねる自由度があってもいいんじゃないかなぁ・・・と。
(お面以降のヒミコの描写も含めて)
でも、お面なのにあんなに守備力あるってどういうことよ、
オーラが出るんですて描写は素直に感心したし、面白かった。なるほど!と。
―以上です。
なにやらリアルに忙しい事情がありそうな中、お疲れ様でした!
好き勝手言ってすみませんでした!
>>46 最初に放送予定日が発表された時は、長すぎるんじゃないかと思ったけど
作品の流れを見ると、このくらいが丁度いいかもね。
そういやレーベ組は生存者は熟睡&気絶だけど放送時には目が覚めるかな?
>46
むしろ、今頃は残った人物でどうするか悩んでるかもしれんw
現状で予約されているのは、
803 名前: ◆LuS/KCC8T2 [sage] 投稿日:2006/06/07(水) 17:37:56 ID:FPSdM3ix0
バーサーカー予約します
と、避難所のアリス、カンダタ、クリフトです。
バーサーカーに期待だな
>>47 一人で長々感想書くなよ…普通注意される前にそれくらい分かるだろ。
いくらワクワク感を伝えたかったと言っても無駄な文が多すぎる。
仮に避難所に書き込むとしてもこれからはもう少し文を整理した方がいいと思う
ハッサン達とテリーが会ったらハッサン後悔しまくりそうだな。ハッサンカワイソス
テリーの防御力が高くなってるっていうのも伏線ぽくていいね。
次回作にwktk
夕陽を浴びて、川の流れが輝いている。
それはなかなか美しい光景だったが、そんなものには見向きもせず、その川の上の橋を渡る者がいた。
その名はバーサーカー。
バーサーカーはこの数時間、獲物を求めて平原を彷徨っていたのだが、偶然にも誰にも会わずに、
緑の魔物と戦った橋に戻ってきてしまった。
バーサーカーが誰にも出会わなかったこと。
それは他の全ての参加者にとって幸運だったが、バーサーカーにとっては不運以外のなにものでもない。
しかしバーサーカーには焦りも怒りもない。獲物が見えたら殺す。それだけ。
それに、バーサーカーにも収穫がなかったわけではない。平原で、ある「落し物」を拾っていた。
先刻、自分が一部を破壊してしまった橋を渡りきると、バーサーカーの視界に城が入ってきた。
城には獲物のいる可能性は高いだろう。「ギイイイイイ」と一声あげるとバーサーカーは走り出した。
と、次の瞬間、バーサーカーの異常なまでの視力が、何かを捉えた。
城から飛び出した、台のようなもの。その上に…
人が乗っているようだ。
バーサーカーの殺意は完全にそちらへ向いた。方向を変え、スピードを上げる。
これから先、日が沈んだら闇の世界。闇に目の効くバーサーカーは、ここからが真骨頂。
先程よりも、大きな声で、両手を挙げて、叫びながら、バーサーカーが駆ける。
左手には、破壊の鉄球。
懐には、ミラーシールド。
右手には、はかぶさの剣。
【バーサーカー@DQ2】
[状態]:健康
[装備]:破壊の鉄球 はかぶさの剣
[道具]:ミラーシールド
[思考]:闘争本能のままに獲物を求める
◆はかぶさの剣…破壊の剣の威力とはやぶさの剣の二回攻撃を併せ持つ。
一度手放してしまうと効力を失ってしまう。
※足首の痛みはなくなりました。
新作乙。
バーサーカーの場所抜けてるよ?
>>57 忘れてた…すいません
【D-4/南の平原/夕方(放送直前)】
です。
あと 狩り、再開 1/3は、
狩り、再開 1/2です。
修正します。
バーサーカーVSマルチェロを期待したが、違うのか。
幾らなんでも前の場所からアリアハンまでは遠いような・・。
時間はあるし大丈夫じゃない
バーサーカーは素早いイメージあるしな
やつは常に走ってるイメージがある。
8でもやたら元気だしな。
ヤンガスだと等速だったが、違和感あった。
狂戦士だから移動は速そうだ。
関係ないが8のバーサーカーは可愛かった。
放送って明日なの?
前回がD-3の平原で午後でしょ? まったく問題ないと思うけど。
前スレでモンスターは人間より足が速いってことになってなかった?
いや…まさか、はかぶさがバーサーカーの手に渡るとは予想外だった。
破壊の鉄球&はかぶさ、最凶装備だけど頭脳プレイで何とか乗り切れそう。
仮にバーサーカーを殺して奪ってもはやぶさの剣だからな
割に合わないっちゃ合わない
どうせ無傷で力を合わせて乗り切るだろ
>>64 6/11までに放送したキャラの出番が終了し次第、だから
12日になった瞬間投下だと思ってたんだけど違うの?>放送
なら放送までに書き終わらない悪寒w
6/11に予約したキャラまで。今日予約すればおk。
今日と明日までの予約ok.
予約が11日まで無ければ、12日夜0時すぎに放送。
予約入ってるキャラが、全て、出番終了かキャンセルで放送。
一番遅い放送日は、11日の予約が解除される 14日0時。
というかクリフトのあれは結局どれなんだ?
>6/11までに放送したキャラの出番が終了し次第
6/11までに予約したキャラの出番が終了し次第、だな。俺ボケ杉
じゃあ今日明日で予約入らなければ月曜から一日目夜か
アリスカンダタクリフトの話と、放送の決定稿もそろそろ決めなきゃいかんな
ごめん、雑談スレじゃなくてSS投下スレだった。
放送は、ほぼ決定してます。
アリス、カンダタ、クリフトですが、死者がでなければ(放送と矛盾がなければ)、放送後でも構わないと思います。
アリス&カンダタ&クリフト話は、SSスレで三作品投下されてて、
内2作品でカンダタ死亡してるんだよね。
どっち採用するかによって死人の出る出ない変わるから
アリス達の件片付いてから放送じゃないとまずいと思うよ
明日の今くらいの時間までに修正版が来なかったら今あるのを採用、でもいい気もするが
6月11日までに予約が無ければ、放送を12日0時すぎに投下予定でしたが、
避難所のアリス・カンダタ・クリフトを予約とみなし、彼らの出番後、放送を開始します。
このままアリス達の出番がない場合でも、
6月14日には放送を投下します。
(14日の場合は放送の「投下時間」は不明です。14日0時頃にしたいと思ってはいます。)
hosyu
乙でござる。
ほしゅ
予約してないけど投下します。
私はアリアハンから逃げていたが、あの青服男が追って来ないことに気付き、
地図を出して、現在位置を確認した。
どうやら私はアリアハン北の森の中にいるらしい。
あの青服男に焼かれた足があまりに痛むので、ここで休息をとることにした。
火傷に向かって回復魔法を唱える。
先程から私は失敗続きだ。
南国男と銀髪男もそうだし、青服男もたった一人の少女すらも殺せなかった。
やはり、不意打ちのザラキだけでは限界がある。何れMPも尽きてしまうだろう。
誰かを殺して武器を奪えれば良いのだろうが、正直、剣や弓の腕にはあまり自信がない。
ならば、どうするべきか。
そうだ、味方を作ればいいのだ。お人好しな誰かを騙し、私を守らせればいい。
そして私にとって不都合な、私がゲームに乗っていることを知っている者を倒させる。
利用価値が無くなった頃に殺せばいいだろう。
一人思案していると馬の蹄の音が聞こえた。
最初は気のせいかと思ったが、どうやら本物らしい。
人の話し声も聞こえる。
全く、何とタイミングの良い時に来てくれるものだろう。
私はその場に倒れ伏した。
「なかなかつきませんね、姐さん」
カンダタが言った。私は何も言わなかった。
「…姐さん、聖なる守りのこと、まだ怒ってんですかい?」
カンダタが尋ねた。私は答えなかった。
「怒ってんですね…」
「アリアハンに着いたら私の家に行って洗ってもらいます」
私は淡々と答えた。
いくら聖なる守りでも、男性の股間に直に入れられていた物を持つなんて真っ平ごめんだ。
「着くまで貴方が持っていなさい」
「…分かりやした。…あれ?」
「どうしたのですか?」
今度は私が尋ねた。
「いや、人?人かな…。それが…倒れて…」
それを聞いて私は叫んだ。
「すぐに馬を止めなさい!」
「は、はいいぃぃぃっ!」
カンダタが手綱を止めた。私は飛び降りた。
カンダタも待って下さいよ姐さーんなどと言いながら馬を降りる。
私は倒れている青年に駆け寄って話しかけた。
「大丈夫ですか!?」
私は零れそうになる笑みを抑えながら起き上がる。
「…え、ええ。何とか」
「ああ、良かった…」
私の元に駆けつけてきた十代半ばほどの少女が安心したように呟いた。
「みっともない所を見せてしまいましたね。私はクリフト、神の道を志す者です」
あの少女を騙した時と同じ言葉を言った。おそらく大方の人間はこの言葉に騙される。
目の前の少女もそれですっかり私を信用したようだった。
私はこのゲームに乗っていないとは一言も言っていないというのに。
「で、お前は何でこんなとこにいたんだ?」
いかにも怪しい覆面男が私に尋ねてきた。
「カンダタ!そんな聞き方をするものではありません!」
少女がその男に肘打ちを喰らわす。覆面男は痛そうに腹を押さえて呻く。
「私はアリスと言います。こっちはカンダタです。…どうしてこんなところで倒れていたのですか?」
「…アリアハンで青服の男に襲われまして。命辛々逃げてきたのです」
私は嘘は付いていない。
「…そう、ですか」
「…姐さん、そんな奴が居たら危ないですよ。アリアハンに行くの止めませんか?」
覆面男が話しかける。
「馬鹿仰い!」
少女はそれをぴしゃりとはねのける。
「行くに決まっています!その人を止めなければなりません!」
こう、あまりにも都合良く事が運ぶと、返って何かあるのではないかと疑ってしまう。
「クリフトさん!」
少女がいきなり私に話しかけた。一瞬どきっとしたが、平常を装って答える。
「何でしょう?」
「一緒に行動しませんか?仲間は多い方が良いですし」
私の心配は、単なる杞憂だったようだ。
正義感に溢れていて、悪を許さない少女。だからこそ、私に利用されるのだ。
「勿論。こちらから頼もうと思っていたくらいです。ただ…」
「ただ?」
「私には武器もないですし、取り柄と言ったら回復呪文のみです。それでも構いませんか?」
少女は胸をどん、と叩いて私にこう言った。
「任せなさい!私が貴方を守りますから!」
ほら、騙せた。
【D-4/森の中/夕方】
【クリフト@DQ4】
[状態]:左足に火傷(ある程度治癒) 背中に火傷(ある程度治癒) MP1/2程度
[装備]:なし
[道具]:祝福サギの杖[7]
[思考]:アリスとカンダタを利用し、自分の護衛をさせる
アリーナを優勝させ、復活させてもらって元の世界へ帰る
【アリス@DQ3女勇者】
[状態]:HP3/5 MP2/3
[装備]:炎のブーメラン
[道具]:支給品一式
[思考]:クリフトの護衛をする アリアハンへ向かう 悪を倒す
【カンダタ@DQ3】
[状態]:健康
[装備]:白馬ファルシオン ロトのしるし(聖なる守り)
[道具]:支給品一式
[思考]:アリアハンへ向かう 姐さんについていく
投下乙です。
【避難所SS投下スレでの経過報告】
SS投下スレで発表されたアリス&カンダタ&クリフト3作品のうち
2作品は作者さんが破棄宣言したので、残った作品である
「Phony Actor」が投下されました。
乙。
まあ破棄宣言以前に避難所に投下されたものでそのまま本投下できるのがこれだけだったんだし
早い者勝ちのルール的に当然だわね。
新作乙。
カンダタ生存のままクリフトと合流ということで、先が広がりそうで良いと思ったよ。
これで明日放送かな?
ところで、放送後パートの予約っていつごろからになるんだろ。放送投下後?
>>90 放送投下後の方がややこしくないと思います。
あとフローラの行動が午後で止まっていた様な気がする。
単体って難しいですよね。
ちょwwwwまとめサイトにもうバーサーカーとアリス組の話うpされてる
まとめさん仕事早えぇ!!
GJ!!
93 :
作者:2006/06/11(日) 12:02:38 ID:oL3/EUWG0
あ、修正。
【D-4/森の中/夕方】を【D-4/森の中/夕方(放送直前)】に。
>>90 今書いて放送直後に予約無しで投下してしまえ。
>私はこのゲームに乗っていないとは一言も言っていないというのに。
ここらへん、クリフトが人を騙しても嘘をつけない性格っていうのが出てていいな。
思いつきはいいけど、うまくいかなそう…w
あとはアリスは何言われようが、絶対自分の正義一直線だろうしなぁ…w
>97 アリスに振りまわされるクリフトしか、おもいうがばねぇぇえぇぇぇぇ。
このまま、予約が無ければ、0時に放送します。
ごめん、アレフとルーシア予約いい?
放送前しか書けない話思いついちゃって
0時までに書き終えてもらえればうれしいんじゃないだろうか
ま、なるべく頑張ってみる
101 :
dym<?):2006/06/11(日) 16:30:31 ID:JJcZ6wze0
>98
了解です。
トリップ間違えたw
名前欄もしかして酉?
#dym<?)12
>103 >104
トリップ改めます^^;
フローラ予約します。0:00までには書き上げます。
トリップちゃんとなってるかなぁ?
最初から今日中に予約したのが投下されてから放送って決まってるんだから
お二方ともそんなに焦らずとも平気ですよ。期待して待ってます
>106
がんばw
あ、質問してもいいですか?
今フローラがいる【C-5/山岳地帯】に放送直前までに誰か他の人来そうですかね?
>>109 来ないことにしてしまえばいい。
無理に接触させる必要はないんだから。
ありうるならピサロ組かゴン組だが、どっちも厳しいよ。
>>110 ありがとうございます。参考にさせてもらいます。
アリアハン周辺の密集っぷりがすごいな。
あのあたりに12人もいるぞ。
アリアハン&レーベは人里だから人たくさん集まるだろうなぁ
仲間探してる脱出組みもマーダーも。
フローラの話避難所に投下したので何かアドバイスや訂正点があったらよろしくお願いします。
し、新作まだかなぁ…
フローラ話投下します
自分の前に立ち塞がる障害―赤毛の女魔法使いゼシカ―を始末し、その姿を借りたフローラは思った。
(早く他の二人も始末しなければなりませんわ)
早速立ち上がり、アレフたちが向かった方向に走り出そうと力を込めるが、力が入らない。
代わりに猛烈な睡魔が襲ってきた。一瞬どこかに身を潜めた何者かに眠りの魔法をかけられたのかと
思ったが、睡魔は彼女自身から来るものであった。
厳しい修行に励んでいたとはいえ、彼女は大商人ルドマン家の令嬢。
訓練を受けた兵士でも、ましてや打倒魔王のために厳しい旅を越えてきた勇者達でもない。
命を賭けた激しい闘いに彼女の体は疲れ果て、休息を求めていた。
「ここは一体…?」
フローラは不思議な空間にいた。辺り一面、白、白、白。冬の清らかな雪の様な、夏の青い空を彩る雲の様な
一点の混じりも無いも無い純白。―そう、それはまるで花嫁が纏うウェディングドレスの様に―
天井も壁も無い、唯々白い空間に自分が消えてしまいそうな感覚に襲われた。
ふと、懐かしい気配を感じ、顔を上げた。
紫と白に彩られた人影。夜空を思わせる黒く輝く髪、そして底なしの優しさと、どこか物悲しさを秘めた不思議な眼差し。
(リュカ様…!?)
そう、見間違えるはずもない。サラボナの街で一目見たとき以来、フローラの心を惹きつけて止まない愛しい男性。
リュカは、にっこりと微笑んで両腕を広げた。
フローラの胸は少女のように高鳴った。その名を叫び、そのの胸に飛び込もうとする。
「リュカさ「リュカ!」」
誰かの声が重なった。それと同時に太陽のように輝く金の髪が横顔をなでる。
純白の結婚衣裳に身を包みリュカに向かっていくその後姿…見覚えがある!
(あの女だ!私からリュカ様を奪ったあの忌々しい女…!)
120 :
彼女の悪夢3/6:2006/06/11(日) 22:32:27 ID:k3LTvcwj0
リュカは幸せそうな微笑を湛えビアンカを迎え入れ、そして抱きしめる。
身を焦がすような激しい屈辱感と嫉妬に駆られ、フローラも走り出す…が足が動かない。
冷たい何かが足元に纏わり付いて動きを封じている。
(一体何が…?)
足元に目をやる。そこには見覚えのある赤いもの。それが顔を上げる。
「ひっ…!」
フローラは小さく悲鳴を上げた。
そこにいたのは喉から血を流し、顔が醜く崩れた赤毛の少女。先ほど彼女が始末したはずの
ゼシカ=アルバートであった。
喉に開いた穴から血と、ひゅうひゅうと空しい音を出しながらも少女は言う。
「あなたは醜いわ。あなたの愛とやらは成就しない」
足首から伝わる冷たさと、そのおぞましさに全身が凍りつく 。
「た…助けて…リュカ様!」
精一杯の力を込めて愛しいリュカに助けを求める。
しかし、彼の目は冷たく、悲しみに暮れている。
(リュカ様…そんな哀れむような目で私を見ないでくださいませ…!)
気が付けば、リュカの腕の中で同じ瞳でビアンカも見つめている。
「…そんな目で…私を見るなあああぁぁああぁぁ!!!!」
フローラは絶叫した。
―私がこんな事になったのは一体誰のせい?貴女のせいじゃない!
あの時はいなかったはずなのに水のリングを持ってきた彼の隣に貴女が現われた。
そして図々しくも自分も花嫁に立候補した。そして…彼はあの女を選んだ…!
貴女さえいなければ私はリュカ様と幸せになれた!幸せな家庭を築く事が出来た!
貴女さえ…貴女さえいなければ!!―
そう思った瞬間、顔が焼けるような熱さに襲われた―否、炎も無いのに彼女の顔は焼けていた。
「うああああああぁぁぁぁああああぁぁぁぁあぁぁぁっ!!!!」
その苦しみに淑女らしからぬ叫び声を上げ、フローラはのた打ち回った。
ようやく激しい熱さと痛みから解放された時には、リュカもビアンカも、あの赤毛の少女の姿も消えていた。
フローラは床が鏡のように透き通っている事に気が付いた。
そして、見てしまった。自分の顔を。
醜く焼け爛れた顔であったならどれだけ良かったであろうか?
そこに映し出された彼女のそれは、この殺戮ゲームが始まる時に祭壇に祭られていた
邪神の像のそれであった。
フローラは目を覚ました。冷や汗で体は冷え、服は纏わりつき、心臓の鼓動も呼吸も吐き気を覚えるほどに乱れていた。
(しっかりなさい、フローラ。あんなの唯の夢じゃないの)
そう自分に言い聞かせ、何度も深呼吸をしてようやく彼女は平静を取り戻した。
(そうよ、フローラ。このゲームを生き残るにはもっと冷静にならなくてはいけないのよ)
このゲームには様々な参加者がいる。戦士、魔法使い、王族、魔族、冒険者、魔物…誰も彼も一筋縄ではいかない
猛者ばかりであろう。
そう、世界を闇から救った天空の勇者でさえも。
天空の勇者レックス―リュカ様とあの女との子供―
そう思うと沸々と嫉妬と憎しみが湧き上がって来る。
(ほら、私もまだまだ修行が足りませんわね。ねぇ?リュカ様…)
フローラは愛する男性を思い、空を見上げた。夕日が燃えるように美しく空を赤く染め上げていた。
大分後れを取ってしまった…。
さぁ急がなければ。自分以外の参加者を血の海へ沈めていかなければ。
私の人生をやり直す為に、私と…私だけのリュカ様との幸せを手にする為に…!
生者達を悲しみと絶望海へと沈める悪魔の嘲笑が響き渡るのはこの直後である。
【C-5/山岳地帯/放送直前】
【フローラ@DQ5】
[状態]:HP、MP:睡眠をとり回復。ゼシカに変化 顔から右半身にかけて火傷の跡
[装備]:山彦の帽子 毒針 ベレッタM92(残弾15)
[道具]:変化の杖 マガジン(装弾数15)×1 神鳥の杖 エッチな下着 未確認(一つ)
[思考]:アレフとルーシアを追い、殺す ゲームに乗る 永遠の若さとリュカの蘇生を願う
※フローラの火傷には定期的な回復治療が必要です。 治療しないと半日後くらいからじわじわと痛みだし、悪化します。
完治にはメガザル、超万能薬、世界樹の雫級の方法が必要です
以上です。途中ageてしまってすみませんでした。
そして
>>123「彼女の悪夢6/6」です。
生者達を悲しみと絶望海へと〜→生者達を悲しみと絶望の海へと〜
最後の一文のが抜けてた
乙〜。
98 名前: ◆z.xdI/YAxY [sage] 投稿日:2006/06/11(日) 15:36:17 ID:rcEprWAY0
ごめん、アレフとルーシア予約いい?
他のご予約ございませんか〜w
アレシア以外放送直前だから無理じゃない?
会話するだけなら、書ける。と思う>直前でも。
>>125 ご指摘ありがとうございます。最後の最後でミスるとは…私もまだまだ修行が足りませんわね。
ねぇ?リュカ様w
彼女の悪夢5/6
フローラは目を覚ました。冷や汗で体は冷え、服は纏わりつき、心臓の鼓動も呼吸も吐き気を覚えるほどに乱れていた。
(しっかりなさい、フローラ。あんなの唯の夢じゃないの)
そう自分に言い聞かせ、何度も深呼吸をしてようやく彼女は平静を取り戻した。
(そうよ、フローラ。このゲームを生き残るにはもっと冷静にならなくてはいけないのよ)
このゲームには様々な参加者がいる。戦士、魔法使い、王族、魔族、冒険者、魔物…誰も彼も一筋縄ではいかない
猛者ばかりであろう。
そう、世界を闇から救った天空の勇者でさえも。
天空の勇者レックス―リュカ様とあの女との子供―
そう思うと沸々と嫉妬と憎しみが湧き上がって来る。
(ほら、私もまだまだ修行が足りませんわね。ねぇ?リュカ様…)
フローラは愛する男性を思い、空を見上げた。夕日が燃えるように美しく空を赤く染め上げていた。
大分後れを取ってしまった…。
さぁ急がなければ。自分以外の参加者を血の海へ沈めていかなければ。
私の人生をやり直す為に、私と…私だけのリュカ様との幸せを手にする為に…!
生者達を悲しみと絶望の海へと沈める悪魔の嘲笑が響き渡るのはこの直後である。
修正おつ〜。
>>119 >フローラの胸は少女のように高鳴った。その名を叫び、そのの胸に飛び込もうとする。
「の」が1個多いかも〜。
新作乙です。
フローラが着実に恐くなっていくわけだが、直後の放送でさあどうなるかって感じだね。
フローラいい感じ。是非レックスと会わせたいww
みなさまご指摘ありがとうございます。
何か、まだまだたくさん訂正点あったみたいですねw
後で訂正版投下しますので、何かあったら避難所の方にお願いします。
彼女の悪夢(訂正版)を投下します。
【彼女の悪夢訂正版】
自分の前に立ち塞がる障害―赤毛の女魔法使いゼシカ―を始末し、その姿を借りたフローラは思った。
(早く他の二人も始末しなければなりませんわ)
早速立ち上がり、アレフたちが向かった方向に走り出そうと力を込めるが、力が入らない。
代わりに猛烈な睡魔が襲ってきた。一瞬どこかに身を潜めた何者かに眠りの魔法をかけられたのかと
思ったが、睡魔は彼女自身から来るものであった。
厳しい修行に励んでいたとはいえ、彼女は大商人ルドマン家の令嬢。
訓練を受けた兵士でも、ましてや打倒魔王のために厳しい旅を越えてきた勇者達でもない。
命を賭けた激しい闘いに彼女の体は疲れ果て、休息を求めていた。
「ここは一体…?」
フローラは不思議な空間にいた。辺り一面、白、白、白。冬の清らかな雪の様な、夏の青い空を彩る雲の様な
一点の混じりも無いも無い純白。―そう、それはまるで花嫁が纏うウェディングドレスの様に―
天井も壁も無い、唯々白い空間に自分が消えてしまいそうな感覚に襲われた。
ふと、懐かしい気配を感じ、顔を上げた。
紫と白に彩られた人影。夜空を思わせる黒く輝く髪、そして底なしの優しさと、どこか物悲しさを秘めた不思議な眼差し。
(リュカ様…!?)
そう、見間違えるはずもない。サラボナの街で一目見たとき以来、フローラの心を惹きつけて止まない愛しい男性。
リュカは、にっこりと微笑んで両腕を広げた。
フローラの胸は少女のように高鳴った。その名を叫び、その胸に飛び込もうとする。
「リュカさ「リュカ!」」
誰かの声が重なった。それと同時に太陽のように輝く金の髪が横顔をなでる。
純白の結婚衣裳に身を包みリュカに向かっていくその後姿…見覚えがある!
(あの女だ!私からリュカ様を奪ったあの忌々しい女…!)
リュカは幸せそうな微笑を湛えビアンカを迎え入れ、そして抱きしめる。
身を焦がすような激しい屈辱感と嫉妬に駆られ、フローラも走り出す…が足が動かない。
冷たい何かが足元に纏わり付いて動きを封じている。
(一体何が…?)
足元に目をやる。そこには見覚えのある赤いもの。それが顔を上げる。
「ひっ…!」
フローラは小さく悲鳴を上げた。
そこにいたのは喉から血を流し、顔が醜く崩れた赤毛の少女。先ほど彼女が始末したはずの
ゼシカ=アルバートであった。
喉に開いた穴から血と、ひゅうひゅうと空しい音を出しながらも少女は言う。
「あなたは醜いわ。あなたの愛とやらは成就しない」
足首から伝わる冷たさと、そのおぞましさに全身が凍りつく 。
「た…助けて…リュカ様!」
精一杯の力を込めて愛しいリュカに助けを求める。
しかし、彼の目は冷たく、悲しみに暮れている。
(リュカ様…そんな哀れむような目で私を見ないでくださいませ…!)
気が付けば、リュカの腕の中で同じ瞳でビアンカも見つめている。
「…そんな目で…私を見るなあああぁぁああぁぁ!!!!」
フローラは絶叫した。
―私がこんな事になったのは一体誰のせい?貴女のせいじゃない!
あの時はいなかったはずなのに水のリングを持ってきた彼の隣に貴女が現われた。
そして図々しくも自分も花嫁に立候補した。そして…彼はあの女を選んだ…!
貴女さえいなければ私はリュカ様と幸せになれた!幸せな家庭を築く事が出来た!
貴女さえ…貴女さえいなければ!!―
そう思った瞬間、顔が焼けるような熱さに襲われた―否、炎も無いのに彼女の顔は焼けていた。
「うああああああぁぁぁぁああああぁぁぁぁあぁぁぁっ!!!!」
その苦しみに淑女らしからぬ叫び声を上げ、フローラはのた打ち回った。
ようやく激しい熱さと痛みから解放された時には、リュカもビアンカも、あの赤毛の少女の姿も消えていた。
フローラは床が鏡のように透き通っている事に気が付いた。
そして、見てしまった。自分の顔を。
醜く焼け爛れた顔であったならどれだけ良かったであろうか?
そこに映し出された彼女のそれは、この殺戮ゲームが始まる時に祭壇に祭られていた
邪神の像のそれであった。
フローラは目を覚ました。冷や汗で体は冷え、服は纏わりつき、心臓の鼓動も呼吸も吐き気を覚えるほどに乱れていた。
(しっかりなさい、フローラ。あんなの唯の夢じゃないの)
そう自分に言い聞かせ、何度も深呼吸をしてようやく彼女は平静を取り戻した。
(そうよ、フローラ。このゲームを生き残るにはもっと冷静にならなくてはいけないのよ)
このゲームには様々な参加者がいる。戦士、魔法使い、王族、魔族、冒険者、魔物…誰も彼も一筋縄ではいかない
猛者ばかりであろう。
そう、世界を闇から救った天空の勇者でさえも。
天空の勇者レックス―リュカ様とあの女との子供―
そう思うと沸々と嫉妬と憎しみが湧き上がって来る。
(ほら、私もまだまだ修行が足りませんわね。ねぇ?リュカ様…)
フローラは愛する男性を思い、空を見上げた。夕日が燃えるように美しく空を赤く染め上げていた。
大分後れを取ってしまった…。
さぁ急がなければ。自分以外の参加者を血の海へ沈めていかなければ。
私の人生をやり直す為に、私と…私だけのリュカ様との幸せを手にする為に…!
生者達を悲しみと絶望の海へと沈める悪魔の嘲笑が響き渡るのはこの直後である。
【C-5/山岳地帯/放送直前】
【フローラ@DQ5】
[状態]:HP、MP:睡眠をとり回復。ゼシカに変化 顔から右半身にかけて火傷の跡
[装備]:山彦の帽子 毒針 ベレッタM92(残弾15)
[道具]:変化の杖 マガジン(装弾数15)×1 神鳥の杖 エッチな下着 未確認(一つ)
[思考]:アレフとルーシアを追い、殺す ゲームに乗る 永遠の若さとリュカの蘇生を願う
※フローラの火傷には定期的な回復治療が必要です。 治療しないと半日後くらいからじわじわと痛みだし、悪化します。
完治にはメガザル、超万能薬、世界樹の雫級の方法が必要です
以上です。何度も申し訳ありません&皆様訂正と感想をありがとうございました。
投下乙。
もう二度と5でフローラを嫁にもらえそうにないw
後はアレフとフーシアだけだな…
>>141 いやいや!ちゃんとフローラも選んであげてくださいwwwwww
俺は逆にこのロワでフローラに興味を持ったなぁ…。
天空物語のフローラも知ってるからなおさら。
訂正乙!
いたストの壊れたフローラ見て彼女を好きになった俺はDQロワで更に惚れたぞw
今からアレシア来てもちゃんと見る時間ないだろうし、放送は13日に延期かな
くそぅ。にじゅうけっこんのせんたくはないのか・・・できれば冥土さんも。
>>144 それでは主人公雑談スレの5主になってしまう罠w
>>144 そんな貴方にPS2のOT技をオススメ。勿論重婚&ヘンマリ夫妻連れ歩きですよ
嫁二人に呼んで貰おうと思って主人公の名前「ダーリン」にしたら
ヘンリーにダーリンダーリン言われまくって鼻汁噴いたw
ドラクエ6で主人公の名をダーリンにしてもよかです
まずハッサンが呼んでくれます
エイトの名前を「しむら」にするとクックルが
「しむら!うしろ、うしろ!!」と言ってくれる。
ドリフの名シーンがドラクエで蘇るwwwwww
「よう!ダーリン!」だっけ?勿論試したさw
DQ8で主人公ダーリンにするとヤンガスは兄貴呼びだからいいが、やたら名前連呼してくるククールがやばい
あと基本的なとことしては「おお もういいよ しんでしまうとはなさけない」とか
勇者ざけんなでも可w
リメイク3で主人公の名前をああんにすると、いきなりルビスの喘ぎ声から始まるってのもあった
*ああん…ああん… 私の 声が 聞こえますか?
テラバカスww
そういやDQBRでまだ誰にも回想すらされていない6主人公だね。
ハッサン…ぜひ彼のことを思い出してやれ!
やっぱ今日は無理でした
そんな長い話じゃないんで明日には纏まると思います
>>150 あれルビスに使える妖精ねwwアレフガルドのほこらの
>>153 イザでいいよ。ボッツでもいいけどww
ホシュ
捕手
捕手に見せかけた投手
そろそろアレシア組みはレーベに着いてもいい頃じゃないか?
いや夕方でB-5だし
アレフ、病人は抱き慣れてないのか…
抱っこ勇者なのに
きっと病人に余計な負担をかけないようゆっくりゆっくり移動してるんだよ、勇者ですから
>>161 大丈夫、彼はローラ姫を抱きかかえて、毒の沼地を越え、野を越え山越えて
ラダトームまで送り届けた漢だ!
アレフ「すいません、キメラの翼使いました」
抱いたまま戦ってたよな
うちのアレフは抱きかかえながら竜王を倒した真の勇者だった
>>166 え?そんなこと出来るの!?
…出来ない事もなさそうだけどkwsk
多分、ロトのしるしは自力で見つけて救出後直行するんだろう、竜王城へと。
城に戻ってないって事はセーブもしてないって事だよね…
貴方こそ真の勇者です!
170 :
前スレ981:2006/06/13(火) 00:08:53 ID:LXdxIu1J0
FC版だとどうだったかは覚えていないが、リメイク版では、姫を抱えたままだと
竜王が「ほほう、姫をわしのところまで連れてきてくれたのか」とかいったはず。
よっしゃ、時間あったら今度試してみる!
W杯 1次リーグ敗退 記念 保守
うぎゃ…名前欄が残ってた…orz
走る。
草の根を分け、地を蹴って。
救いたい。
ただ君を救いたい。
それだけを想い、彼――アレフは森を駆け抜ける。
アレフは腕の中にいる少女に視線を落とした。
顔は真っ青に、唇は紫色に変色している。
極力揺らさないように抱えている為、腕が痺れてきていたが
そんなことを気にしている余裕はない。
早く治療しなければ、一刻も早く毒素を取り除かねば彼女――ルーシアは死ぬ。
こうしている間にも毒素は彼女の身体を蝕んでいるのだ。
彼女の様子を見ていると、動かさない方がいいのかもしれないと思ってしまう。
それはもちろんそうだろう。激しく動かすことで毒がそれだけ早く回ってしまうのは自明の理だ。
しかし彼女を一人置いていくことは出来なかった。
解毒ができる誰かを探しに行って戻ってきてみたら手遅れだった、などという事態になったら
目も当てられない。そうでなくても誰かに襲われるという事態は有り得た。
そう、先程のように。
思わぬ乱入者によってその時はなんとか乗り切ることは出来たが次もそうなるとは限らない。
自分が身体を張って護らなければならないのだ。
しかしこうして抱えて走っているだけでも彼女の寿命は縮まって行ってしまっている。
どちらが正しいのか判らない。ならば目の届く場所で護る。
それがアレフの答え。
「大丈夫だ、必ず助かる。助けて見せる」
幾度目かの虚しい激励を発し、アレフは走っていた。
そして森を抜ける所でアレフは立ち止まり、手近な巨木の幹に身を隠した。
平原からこちらに向かってくる影があったからだ。
もう二度も騙し討ちを仕掛けられているアレフは慎重に相手を見極める。
(あれは……ドラゴンか!)
辺りは日も落ち始め薄暗くなっていたが、なんとか遠目にその姿を確認する。
背に誰か乗っているようだがそこまではさすがに確認できない。
(く、今は戦っている余裕なんかない。……迂回するしかない!)
アレフは一度道を少し戻ると南から森を抜け、ドラゴンに鉢合わせないように平原を駆けた。
目の前の命を追っていたアレフは一つのすれ違いに気付かない。
彼が想うことは一つ。
――ただ、君を救いたい
/
アレフさんはやさしいですねえ。
こんな私のために一所懸命になってくれて。
ルーシアただの足手纏いになっちゃいました。
ドジです。
天空城でもよく言われてました。
ルーシアはちょっとトロいところがあるって。
友達はそう笑って、そういうとこが好きだって言ってくれましたけど。
やっぱりルーシアちょっと気にしてました。
こんな怖い世界に連れてこられて、しっかりしなくちゃって想ってたんですけど、
こういうのって治らないものなんですねえ。
こうしてアレフさんやゼシカさんに迷惑かけちゃってます。
胸が痛いです。
毒のせいもあると思うです。
でも心と身体が両方痛いです。
アレフさんは走りながら声を掛けてくれてるみたいです。
でももうルーシアにはその言葉が聞き取れません。
本当にごめんなさい。
そう伝えたいのに喋ることもできないです。
唇が動きません。
とても泣きたくなって、でも泣けなくて……痛いです。
胸が、痛いです。
そんな時、ルーシアに呪文を教えてくれた先生を思い出しました。
怪我をした私にホイミをかけてくれたのがきっかけで呪文を教えてもらいました。
その時もルーシア、痛い痛いって泣いてました。
ルーシアはちっとも変わってません。
お元気でしょうか。
そう、今日はまだドランに餌をあげてません。
お腹すかせてないでしょうか。
誰か気付いてあげてくれてるでしょうか。
ああ、そういえばお城の図書室から本を借りっぱなしでした。
どうしましょう。また司書さんに怒られちゃいます。
なんだかどんどんいろんなことを思い出しちゃいます。
ユーリルさんの姿が浮かびます。
世界樹での私の助けに応えてくれた勇者さま。
今どうしているでしょうか。
そうです。ユーリルさんのお仲間さんもここにいるのでした。
元気なアリーナさん。頼りないクリフトさん。物知りなトルネコさん。
みなさん無事でしょうか。
……無事、だったらいいです。
またアレフさんが何か声をかけてくれました。
答えられないのが申し訳なくて、せめて顔を見ようと瞼を開けました。
瞼はとっても重かったですけどルーシア頑張りました。
ぼんやりとアレフさんの顔が見えます。
何か口を開いて話しかけてくれてます。
とっても哀しそうな顔をして、必死に呼びかけてくれてます。
いいんです、アレフさん。
そんな哀しそうな顔しなくてもいいんですよ。
だってこうなったのはルーシアのドジのせいなんですから。
アレフさんが哀しいとルーシアまで哀しくなっちゃうです。
だから、笑ってください。
……無理、ですよね。アレフさんはやさしいですから。
ルーシアのせいで、哀しくさせちゃうんですよね。
何とかしたいです。
ルーシアにできることは何かないでしょうか?
その時、気が付きました。
アレフさんはとっても汗をかいていて、息も弾んでます。
ルーシアを抱えて走ってるんですから当たり前ですよね。
ルーシアに任せてください。
先生に習ったおかげで回復呪文は得意だったりするんですよ。
あ、でも口が開きませんです。
困りました。
いえ、ここで諦めちゃ駄目です。
頑張りましょう。
頑張って、頑張って口を開きましょう。
えい。
/
「……ベ……ホ、マ……」
僅かに開いたルーシアの口からか細い音が漏れた。
そして暖かな光と共に、僅かだけアレフの体力が戻る。
「!?」
先程まで何も答えずにいたルーシアから突然回復呪文をかけられてアレフは驚く。
「何をやってるんだ! そんな余裕があるなら俺じゃなく自分に使うんだよ!」
そう反するが、もう再びルーシアは何も応えなくなっていた。
「くそ、必ず救う! だから、それまで頑張るんだ!!」
アレフは自分の無力さを嘆きながら走る。
ルーシアは既に自分の中級回復呪文程度では受け付けない。
走ることしかできなかった。
そしてアレフは……彼女がその呪文を最後に呼吸を止めたことに気付かなかった。
最後まで、気付かなかった。
/
――うふふ、ルーシアお役に立てましたか?
【B-3/森林地帯/夕方(放送直前)】
【アレフ@DQ1勇者】
[状態]:HP4/5 背中に火傷(軽)
[装備]:マジックシールド
[道具]:鋼鉄の剣 鉄の杖 消え去り草
[思考]:ルーシアの毒を治すためにレーベを目指す ゼシカを助けに戻る ローラ姫を探す
【ルーシア@DQ4 死亡】
【残り25名】
※神秘のビキニと祈りの指輪はルーシアのザックに入ったままです。
※アレフはルーシアの死に気付いていません。
投下終了です。
サッカー見てて完成が遅れちゃいましたw
後は煮るなり焼くなり好きにしてください。
マジで泣きたい orz
うわ、アレフ悲惨すぎる。
ル……ルーシア……・゚・(ノД`)・゚・。
フローラ……貴様ァァァァァァァッ!!!!
乙です。
地図上に灯る無数の星。時折、星の一つが激しく明滅し、消えていく。星たちは何も知らずに瞬き続ける。
強く、弱く、時に互いを傷付けあう星たちの世界。その世界が夕闇に包まれはじめるころ、空に鐘の音が響き渡った。
鐘の澄んだ音が鳴り止んだ後、独特の癇に障る低い声が世界を覆う。
「選ばれし生贄諸君、無事で何よりだ。これより、1回目の放送を行う。心して聞け」
まるで金属同士が擦れ合っている音を、無理やり声にしたような、耳障りな甲高い声が空に流れる。
「僭越ながら、私がハーゴン様の代理として放送を行う。
ハーゴン様より格別の思し召しがあり、禁止エリアを多めに設定した。
【B−01】【D−01】【F−06】【C−04】 以上の地域は、これより3時間後の今夜21時から禁止となり、
また、24時から【E−01】
朝3時から【A−01】
朝6時から【C−01】が禁止エリアとなる。 各自、地図と照らし合わせ確認するように。
行動範囲の狭まった分、さぞかし素晴らしいことが起きると、期待しているぞ」
「さて、死んだ『可哀想な』もの達の名を読み上げる」
「リュカ」
「アルス」
「バーバラ」
「マリベル」
「メルビン」
「アレン」
「ゲマ」
「フィオ」
「死神の騎士」
「ランド」
「ミレーユ」
「ベリアル」
「ゼシカ」
「ドランゴ」
「アリーナ」
「ビアンカ」
「バズズ」
「ルーシア」
乙。
アレフが報われなすぎるのでせめてローラ&ゴンに会わせてやりたい。
「以上、スタートから1回目の放送までの死亡18名、残り25名 」
首輪を通して、悲鳴や感情を懸命に押し殺そうとする声が主催者に伝わっていく。
「すばらしい。
次の放送は、12時間後の朝6時に放送する。
聞き逃しのないようにな。
諸君らの更なる健闘を祈っている」
甲高い声が流れている間、癪に障る低い音がBGMのように絶え間なく笑っていた。
慇懃無礼な挨拶が終り、再び、鐘の澄んだ音色が響き渡る。
「ハーゴン様、放送終了いたしました」
「ご苦労」
「是非ともこの調子で活躍して欲しいものです」
「無論、そのための禁止エリアだ。
今は良いが、人数が減れば、あやつらの事だ。結託するに決まっておる。
結託して良からぬことを考える者には分断を。
さらなる殺害を求めるものには獲物を。
万が一にも全ての生贄が結託したとしても、あやつらは『全員が死ぬ』事に耐えられぬわ。
みずから殺さずとも、24時間以内に誰かが、馬鹿馬鹿しい自己犠牲とやらで死んでいく。
果して、その自ら生み出す闇に耐えられるかな?」
ハーゴンは哄笑した。
背後の薄暗い邪神像の目が、一瞬、怪しく赤く光る。
消え行く星達の、声無き声、聞き届けたるものは、魔物か人か、それとも。
【残り人数25名】
〉186 のタイトルを、「1回目の放送2/2」に修正お願いします。
>186 のタイトルを、「1回目の放送2/2」に修正お願いします。
>185 はげしく同意です・・・。
放送乙です。
さて…放送聞いた後の反応が気になる…。
リュカを失ったフローラとか、ゼシカを失ったエイト、ククールとか……
フローラは自分で殺す必要が無くなって喜ぶんじゃないかな
リュカの死は計画に入ってるんだし
むしろルーシアとゼシカを失ったアレフの反応が一番気になる。
フローラとクリフトの発狂に期待
ベリアルのみならずパズスを失ったアトラスが(ry
フィオを失ったアリスは悲しむだろうが、レックスはあっけらかんとするんだろうな。
やっぱり…、間に合わなかったか…。
前話で夕方E5だもんなぁ…。
レーベを目指すには余りに遠すぎるとは思った…。
乙。
>>180 GJ! ルーシア。・゚・(ノД`)・゚・。
周りの状況から考えて絶望的だろうと思ってたけど…まさか最後にベホマとは…
ルーシアにこんないい死に方を与えてくれてありがとう。
それにしても妖しい衣装持ちの女の子に囲まれてのハーレム状態だったころからは
予想もできない逆境に陥ったアレフ…彼の心境を思うと…。・゚・(ノД`)・゚・。
毒針ってあんなに強かったのか…OTL
8
ハッサン テリー
7
トロデ トルネコ レックス
6
マリア ピサロ フォズ クリフト
ベリアル(故) バズズ(故)
5
アレフ バーサーカー マルチェロ アトラス キーファ フローラ
ルーシア(故)
4
アリス カンダタ ヒミコ リア エイト ククール
アリーナ(故) ゼシカ(故) ビアンカ(故)
3
ローラ 竜王 ゴン サマンサ
ランド(故) ドランゴ(故)
2
悪魔神官 ハーゴン
ゲマ(故) メルビン(故) フィオ(故) 死神の騎士(故) アレン(故)
1
リュカ(故) アルス(故) バーバラ(故) マリベル(故) ミレーユ(故) ロザリー(故)
トップはテリーとハッサン。コンビで出番トップ。
次点で色んな魔族と色々やってたトルネコ、大暴れのレックス。意外にもトロデも。
サマンサや竜王は一話一話のインパクトは大きいが出番は少なめ。
登場回数が同じで死んでる人たちに微妙に共通点が見つかるように思えるのは気のせい。
深夜のなんて時間にレスしてるんだw
ところで書き手さんの予約マダー?
うわぁまさか夜中に放送来るとは思ってなかったから油断してたよ、危ないなぁ
新作乙です!アレフ悲惨だなぁ…
レックス、マリア、トロデ、ククール、ハッサン予約します
そいつら放送直前にバーサーカーに捕捉されてるけど予約に入れなくて大丈夫?
いくらなんでもバーサーカーよりは空とぶベッドのが速いだろうし
放送直後の状況動かない話だから大丈夫かと思ったんだけど、無理あるかな?
はじめてな僕でもエイトキーファアトラス予約していいかな
アー!!アトラス予約されたー!
>>204ガンガレ!
>>203 前スレの議論ではベッドはそんなに速度でないし、
バーサーカーの移動は通常キャラより速いと言われてた
『――諸君らの更なる健闘を祈っている』
世界を覆う声が終焉を迎えた頃、エイトは静かに目を覚ました。その声の大きさと規模から察するに――
(定時…放送?)
放送直前に意識を失ったエイトは定時放送を聞き逃してしまった。
この第一放送にいたるまでにどれだけの人間がその命を失ったか、禁止エリアはどこに指定されたのか。
そういった情報を全てエイトは聞き損ねてしまった。だが、エイトはそれよりも早く現在の状況把握に努めた。
レーベの村でアリーナに加えキーファと合流して金色の魔物「ベリアル」を撃破。が、立て続けに赤鬼の襲撃。
太刀打ちできないと悟った僕たちは確かに、やれるだけでも赤鬼に立ち向かおうとしたはずだ。
そんな中、静かにアリーナが僕の肩に手を回して(恥ずかしながら僕は顔が赤くなってしまった)、その後…
――そこまでだ。そこで記憶が途絶えている。
戦うことを決意したはずの僕が、直後に眠ってしまうわけがない――と、いうことは。
よく見れば、同じ小屋にいるキーファも眠っている。いや、おそらく僕同様アリーナによって眠らされたのだろう。
そして案の定、肝心のアリーナの姿は小屋にない。以上から導き出される推論は、ひとつ。
「早まらないで、くださいね…!」
エイトの視線は、小屋の窓の外へ。
すぐに目に付いたのは激闘が行われたであろう地面と施設の軌跡、倒れ伏す赤鬼、"立っている"アリーナ。
推論は確信へ。「彼女は一人で戦いに行った」のだ。
しかし立っているということは、彼女は勝ったのではないのか。
あんなぼろぼろになりながら、屈強な魔物を相手に一人で勝ったのではないのか。だとしたら。
「アリーナさんっ!」
いてもたってもいられず、エイトは小屋を飛び出し、駆け出しながらアリーナに呼びかける。
キーファは起こさなかった。今は休ませてあげたいのもそうだが、声をかける時間すら惜しかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「どうして…」
アリーナの手前まで辿り着いた時、エイトはまたしても『間に合わなかった』ことを認識した。
「アリーナさんが死ぬことなんて、なかったんですよ…!」
王族を守るのが近衛兵の勤めである。それなのに僕は守るべき姫に守られ、その姫は命を散らしてしまった。
自己犠牲など、本来は近衛兵の僕がやるべき仕事であったはずだ。なのに。
「アリーナ…さんっ…」
アリーナを失ったという悲しみ、自分の無力さに対する悔しさ、ふがいなさが押し寄せ、涙がこみ上げる。
このまま人目もはばからず大声を出して泣いてしまいたかった。
「――この女、名前、アリーナ、言うのか?」
しかしその時、倒れたはずの赤鬼から言葉が紡がれる。エイトは慌てて声の方向を向く。
そこには横になったままながら、大きな一つ目をしっかりと開けている赤鬼の姿があった。
――アリーナは、赤鬼を倒せてはいなかった。
結果として"立っているものが死んでいて、倒れているものが生きている"そんな逆転現象が起きていたことになる。
エイトはメタルキングの槍を構えようとして、そこでこの赤鬼に違和感を覚えた。
最初に見たときほどに、この赤鬼から邪気が感じられないのだ。
むしろ現在はレーベへの道中で出会った、ドランゴから得た感覚に近くなっている。
彼女はテリーという青年を探していたようだが、この赤鬼はまるでアリーナに何か特別な感情があるかのような、
そんな目で、アリーナの遺体を見つめているではないか。
そもそも全参加者の殺戮を命じられているであろう魔物が、殺した相手の情報を欲しがるなど普通では考えられない。
この赤鬼がアリーナの仇であることは間違いないだろう。しかしふと、エイトはこの赤鬼と話をしてみたくなった。
「そうです。この方は――アリーナ姫と言います」
【B-2/レーべの村/夕方(放送後)】
【エイト@DQ8主人公】
[状態]:左肩にダメージ MP2/3(気絶中に若干回復)
[装備]:メタルキングの槍
[道具]:支給品一式 首輪 メルビンの支給品一式(不明二つ)
[思考]:アリーナの喪失に大きな悲しみ
アトラスに興味
仲間(トロデ優先)を捜し、ゲームには乗らない
危機を参加者に伝える
【キーファ@DQ7】
[状態]:気絶 HP3/5程度 (回復中)
[装備]:メタルキングの剣 星降る腕輪
[道具]:ランドの物を含め、不明2
[思考]:ランドの妹(リア)を守る 仲間の死を悟る
【アトラス@DQ2】
[状態]:腹部損傷 HP4/5程度
[装備]:風のアミュレット
[道具]:超万能ぐすり 支給品一式
[思考]:エイトから自分が倒した女性の話を聞きたい
※3人は放送時に気絶ないしは睡眠していたため定時放送の内容は把握していません。
投下完了です。緊張したー。
なにかあればガンガンお願いします
乙!
アトラスのバーサクが解けた、みたいな感じか。
だがマーダー化までは解けないだろうな…
エイト放送聞けてねーのかーー!!・゚・(ノД`)・゚・。
そういえばアトラスのメガトンハンマーに対する記述が無いな
乙!
言われて見れば、立っている方が死んでて、
倒れている方が生きているってかなり奇妙な状態だったんだな。
面白かった!
>>206 そっか、了解。じゃ戦闘縺れこんじゃうと書けない話なんでキャンセルします。
もう大方書けちゃってるんで没スレに投下でもしときます。
>>201は予約キャンセルで。お騒がせしました。
感想ありがとうございます。
>>213 あ、失礼。前の話からのコピペが抜けてたっぽいですね。
状態欄に
※メガトンハンマー、鎖帷子は近くに放置されています。
追加でお願いします。この話では特にいじってませんし。
>>205 遅くなりましたが予約先越しちゃって申し訳ない。
おー、乙。
俺もテストさえなければ予約してたんだけどな(´・ω・`)
テスト終わったらなんか書こう。
>>206 そうか、もったいないな…いくら俊足でも、補足したの大分遠くだから
追いつくまでしばらくかかると思うんだが?内容はともかく、惜しいなぁ〜
>>218 う〜ん、じゃあそう言っていただけるならとりあえず一時投下スレに落として、
駄目そうだったら改めてキャンセルしてもいいでしょうか?今夜には落とせると思うので
一先ず改めてレックス、マリア、トロデ、ククール、ハッサン予約しておきます
ローラ、ゴン、サマンサ予約。
今度から放送はきっちり決めた時間に投下して予約はいつから、ってちゃんと決めておくべきだな
今回みたいだと予約は気付いた者勝ちになるから不公平がでる
一斉に予約集中も怖いけどな。
その時間に居ない人には可哀想だけど・・・、納得はできるだろうから、次はきっちり決めて投下で〜。
新作2作乙です。
ところで、ドランゴの件といい、アトラスの件といい、エイトがリュカ的な役割を
もちつつあるのが面白いです。
新作期待ホシュ
保守になってないがな
226 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/13(火) 23:36:31 ID:Eo9HP2sVO
あっ
みんなガンガレ!
今まとめサイトで過去作品読み返していたら
ハッサン部隊が大家族のように思えてほのぼのしてきたw
・トロデ→亭主関白な我が侭お父さん
・ハッサン→元気でハッスルな肝っ玉母さんw
・マリア→個性豊かな面々の面倒をみるしっかり者の長女
・レックス→暴れたい盛りの腕白末っ子
・テリー→諸事情で家出した長男
・クックル→突然やってきたナンパな居候
今したらばの方に問題作投下してきましたので
よろしければ皆様意見等、よろしくお願い致します
「彼女の悪夢」作者です。いまさらですが、誤字を見つけたので訂正させてください。
>>136 一点の混じりも無いも無い純白。
^^^^^
↓
一点の混じりも無い純白。
ごーん、ごーんと遠くで鐘の音。
旅の途中泊めてもらった修道院で聞いたそれとよく似ていた。
妹と二人、一度でいいから自分たちも鐘を鳴らしてみたいと駄々をこねて
力一杯撞いた釣鐘を凹ませてしまって、お父さんにひどく叱られたっけ。
……いもうとは、おとうさんは、なんてなまえだったっけ?
なんだか全てが靄に掛かったように曖昧で。
――『Ryuka』――
知らない声が読み上げる。
りゅか。そう、確かお父さんはそんな名前だった。
……でも、なんでお父さんの名前が呼ばれたんだろう?
「覚えてないの?」
横合いから声。振り向けば緑の頭巾の少年が立っていた。
その首から下には無数の傷が刻まれていて、元は頭巾と同じ色をしていただろう上着も何もかもが真っ赤に染まっていて、
とても痛そうなのに彼はその苦痛も感じていないかのように平然としていた。
何処かで見た覚えのある顔。でも何処でだろう?
「此処ではね、死んだ人は名前を呼ばれるんだよ」
(うそだよ)
即座に首を横に振る。
(お父さんはとっても強いんだ。死んだりなんてするもんか)
「嘘じゃないよ」
聞き慣れた声に顔を上げる。
いつの間にやら、すぐ目の前に子供が一人立っていた。
癖の強い金色の髪に、天空をそのまま切り抜いたような色の瞳。
その身に纏った胴着や群青色のマントまで、その子は髪の先からつま先まで、何処をとってもレックスに瓜二つだった。
――その手が血に塗れていることを除けば、だが。
「なんでそんな必死に否定するの?死んで良かったじゃないか、あんな奴」
鏡映しの子供が笑う。
にいと開いた口元から覗く赤い舌、その禍々しさにレックスは思わず後退る。
「国も産まれたばかりの僕らも放り出して、お母さんを助けに行って、
挙句石化して8年間も行方不明になったりしてさ!
結局お父さんはお母さんが一番なんだ。死んで清々するよ、あんなやつ!」
(そんなの嫌だよ!やっと見つけて――これからはずっと一緒にいられると思ってたのに!)
同じ顔、同じ声がこれ以上父に対する呪詛を吐くのを見たくはない。
己の影に背を向け走り出し、どんど何かにぶつかって慌てて顔を上げる。
「そんなのって、ないよ」
呟いたのは、炎のような赤毛を高い位置で結い上げた小柄な少女。
胸にぽっかりと穴を空け、まだあどけなさを残すなめらかな頬は溢れる涙に濡れていて、
可哀想に思って手を伸ばすと、少女は引き攣った悲鳴を上げてレックスの手を振り払った。
駆け出そうとして足が縺れて尻餅をつき、それでも少しでもレックスから距離を置こうとでもいうようにじりじりと後退る。
「あたしのこと騙して、殺して、これ以上何をするっていうの?
あたしだってもっと皆と一緒にいたかった。もっと生きていたかった。
死にたくなんてなかったのに。……ねえ」
涙に濡れた瞳が、狂おしくこちらを見上げる。
「なんであたしを殺したの?」
(……知らない。知らないよ!僕じゃない)
「君が僕を殺した」
少年の虚ろな瞳がこちらを見つめる。――この顔をレックスは知っている。
「あんたがあたしを殺した」
少女の潤んだ瞳がこちらを見上げる。――見覚えが、ある。
でも思い出せない。思い出したくない。
けらけらともう一人のレックスが嘲笑を上げた。
「そう、僕が殺した。君が殺した。僕らが殺した!
ほーら、君の両手を見てごらん?」
言われてのろのろと視線を落とす。視界の両手は真っ赤に染まっていた。
ぬるぬるとした生暖かい感触。鉄錆の臭い。
脳天に雷が落ちたような感覚が身体中を駆け巡り。
己の胸に吸い込まれた刃を信じられないといった様子で見つめる頭巾の少年。
二度、三度、刃を振り下ろすたびぱっと赤い華が咲き、少年の身体はまるでダンスを踊るように揺れ、赤い海に倒れ込む。
恐怖に震える手を武器へと伸ばす赤毛の少女。その胸を雷光が射抜く。
ぴくぴくと痙攣するその胸に刃を突き立てると、少女の身体が一際大きく跳ねて、
恐怖か、痛みか、はたまたただの生理的な現象なのか、どんよりと曇った瞳から零れた涙が頬を伝う。
僕はこの人たちを知っている。この人たちの死に顔を知っている。
だって、僕が殺したんだから。
僕が殺したボクガコロシタぼくがころしたぼくがコロしたぼくガころしタボクがころした
僕がぼくがボくがぼくがボクがボクガぼくがぼくガ僕ガぼくガぼくガボくがぼくガぼくが
「やっと思い出した?馬鹿な僕!
たとえ忘れたところで君の罪は消えないんだよ!」
(誰か、助けて。助けて、誰か)
思い浮かぶのは家族のことだ。もうこの世にはいない父、いつもレックスを慕って後ろをついてきた妹、それに。
(たすけて、おかあさん――お母さん!)
「無駄だよ、お母さんは来やしないさ」
(なんで?)
「だって、君にはあれが見えないの?」
芝居がかった仕草で指差すその先に、血溜まりの中倒れ伏すのは一人の女。
その着衣はところどころが焦げついて、だが背を覆う長い髪はいささかもその美しさを損なってはいなかった。
眩く、清廉な輝きを放つ黄金の滝。
『――ほら、こっちよ、レックス!』
霞みのかかった記憶の中で、母が笑う。
彼と妹の色彩は母譲りだった。天空を切り取った青の瞳に、長い長い金髪の――
「そう、僕らが殺したんだよ」
同じ顔をした子供が醜悪な笑みを浮かべ、
――『Bianca』
追い討ちを掛けるように、無情にも声が告げた。
(――ああああああああああああああああああああああ――)
セルフ支援。俺必死だなorz
支援!ガンガレ作者さん!
俺も必死だ!!
作家さんがトラブルのため規制されたらしいので、
「悪魔の種子」代行やらせていただきます。
時は夕刻。闇の中なら空飛ぶベッドも昼間ほどには目立たないかもしれないが、
見通しの効かぬ闇の中を飛び回るのは危険に過ぎる。
どうやってこれをザックに仕舞ったものかと首を捻る男二人と、難しい顔で地図とにらめっこを続けるトロデを尻目に、
マリアは眠る子供を膝に乗せ、手持ち無沙汰にその髪を梳いていた。
緑の彼方に陽が沈み、残滓が世界を茜色に染め上げる。
その瞬間を素直に美しいと思い、柳眉を顰めた。
見事な夕焼けも、響き渡る鐘の音も、殺し合いにはまるで似つかわしくない。
美しくも不吉な調べは、幼い頃の母の葬儀を思い出させる。
もともと沈んだ気分が更に落ち込んで、マリアは目を伏せた。
と、その視線の先、子供の睫毛がぴくと震える。
まさかまた目を覚ましたのだろうか。思わず身体を硬くするが、鐘の音は子供を覚醒させるには至らなかった。
唇が何やら音にならない言葉を刻み、子供らしい丸みを帯びた頬を一筋、透明な雫が伝う。
途端、憐憫が溢れてマリアは胸を押さえた。
一度となくマリア自身や、トロデを襲い、命を脅かした子供。
しかしそれも呪いに侵され、強制されてのことと知ればその事実さえもまた憐れだった。
膝の上の軽い身体。
自分たちに襲い掛かって来たとは――もしかしたら、もう人を殺めているとは思えない、稚い無垢な寝顔。
呪いが解け、己を取り戻した時、この子はその罪の重さに耐えられるだろうか。
(もっとも、その呪いを解く方法さえ見当がつかないのですけど)
嘆息する。これでは取らぬ狸の何とやら、だ。
マリアは呪い破りの呪文を知らない。
かつて彼女自身に掛けられていた呪いを打ち破った、邪を払い真実を映し出す鏡があれば。
トロデの錬金釜か、あるいはハッサンとククールが見つけてきた書物にでも何か手がかりがあればいいが、彼女に今出来ることは何も無い。
せめて涙を拭ってやろうと子供の頬へと手を伸ばし、
(――え?)
紡がれた名に思考が止まる。
放送は二度とは繰り返されない。震える手をザックに伸ばし、奥底から名簿を引っ張り出す。
どうか聞き間違いであってくれと祈るように頁をめくり、ようやく辿り着いた目当ての頁。
こちらを見つめる見慣れた二人の姿絵と、
その身体を切り裂くように斜めに引かれた、血のように赤い線。
『――マリア!』
『ほら、早く来いって!』
こちらを振り返り、笑う二人の声。
家族も民も故国も失くし、復讐に凍りついた心を溶かしてくれた遠縁の少年達。
全てを失ったマリアがようやく見つけた、大切なもの。それを。
(私はまた、失くしてしまった)
いつだってそうだ。
大切なものは指の間を擦り抜けていく。
(……冗談きついぜ、おい)
淡々と、事務的に続けられる死者の列。
その一端に知った名を聞いて、ククールは瞠目する。
瞼の裏に浮かぶのは勝気に微笑む、赤毛の少女の姿だった。
(ゼシカ)
口説く小道具に渡した指輪は突っ返され、真面目に口説けばそっぽを向かれ、茶化せばするりとかわされ。
共に旅するうちに自分と彼女の関係はすっかり兄妹のような関係に落ち着いてしまったけれど、行きずりの恋人なんかよりずっと大切な仲間だった。
真っ直ぐで、はっきりと物を言う、だけれど心根の優しい少女。
言葉で「死んだ」と言われただけではとても信じられない。例え遺体を突きつけられたとて信じたくもない。
それはただの気持ちの問題だけではない。
ゼシカは七賢者の血をひく賢者の卵だった。
呪文の腕は言うまでもなく、魔法剣士であった兄の手ほどきもあってか武術の才もある。
その彼女が殺されたということは、それ以上の使い手がこのゲームに乗っているという証明でもある。
「――畜生っ!」
突然の大声、次いでどん、という音に目を開く。
ハッサンがこちらに背を向け、地面に拳を打ちつけていた。その肩は小さく震えている。
ああ、では彼の仲間も死んだのだ。
何か慰めの言葉でも掛けようかと口を開き、やめる。
自分がそう感じているように、今はどんな言葉も届かない気がした。
(ま、男を慰めるなんて俺の流儀じゃないしな)
『もう、またそんな馬鹿なこと言って!』
もうどんな軽口を叩いても、いつものように唇を尖らせた彼女が怒るのを見ることはないのだ。
それが無性に寂しかった。
ククールの知るもう二つの名前が呼ばれることはついに無かった。
一つは間違いなく喜ぶべきことであったが、もう一つの名が呼ばれなかったことが良かったのか、悪かったのかは彼自身にも分からなかった。
聖地ゴルドで一応の決着を見たとはいえ、彼が異母兄に抱く感情は未だ複雑に過ぎる。
嘆き悲しむ大男の背中を見遣り、ふいに今朝の少年のことが思い出された。
直接少年の命を奪ったのは魔物の刃だったろうが、責任の一端は間違いなくククールにある。
彼の仲間も、彼の死をこうして悲しんでいるのだろうか。
――俺を、憎んでいるのだろうか。
胸に刺さった棘がちくりと痛んで、空を仰ぐ。と、
「どうしたんじゃ!?マリア王女!」
ふらりと揺らめくマリアの上体をトロデが支える。
頭痛を堪えるようにこめかみに当てた手は絶え間なく震え、雪白の肌はますます色をなくして死人のように白い。
貧血だろうか。慌てて駆け寄り、何気なく目を遣ったマリアの手元の開かれた名簿。
見知った姿に、今度色をなくしたのはククールの方だった。
「おじさま、私、また大切なものを失くしてしまいました」
泣きそうに歪んだ顔でマリアは笑い、震える指が愛しげに名簿をなぞる。
言わなければいい。
今朝のことを知っているのは自分と、あの魔物だけなのだから、このまま何食わぬ顔をして、トロデと一緒に彼女を慰めればいい。
けれど。
許してくれと、ククールは少年の遺体に言った。
死者に赦しを求めるのは容易い。死者は弾劾することはないのだから。
でも、彼がゼシカの死に痛みを覚えるように、マリアがあの少年の死に痛みを覚えるなら、
謝るべきは死者にではなく。
「……の、せいなんだ」
「ん、どうしたんじゃ?ククール」
「俺のせいなんだ」
ぴくとマリアの肩が動く。
ゆっくりと持ち上げられた視線がククールを捉え――次の瞬間、彼女の手に納まった杖の先端がククールの喉に突きつけられる。
立ち上がった拍子、膝から転がり落ちた子供を慌ててトロデが抱え起こした。
「どういう、ことですか?」
問う言葉は凍てつき、赤葡萄酒色をした瞳は今や怒りに爛爛と輝き、炎のようで。
美人は怒っても綺麗ってのは本当なんだ、とどうでもいい考えばかりが脳裏にちらつく。
勿論、彼女に言うべきはそんなことではない。
「アレン、っていうんだな、あいつ」
名簿を見れば簡単に分かったはずの名前。
今の今までそれを調べなかったのは、自分の罪と向き合うのが怖かったからだ。
どうしても異母兄と真正面から向き合うことが出来なくて、逃げるように修道院を出た時と何も変わらない。
いつも楽な方へ、傷付かない方へと逃げてばかりだった彼の横っ面を引っ叩き、激を飛ばしてくれたのは今は亡き赤毛の少女で、
彼女はもういない。だから自分で向き合わなければいけない。
「魔物と戦ってたんだ。援護してやろうと思って矢を射って、丁度そいつが踏み込んだところに当たって、そのせいで魔物に斬られた。
――俺が殺したも同然だ」
「……嘘をついていないと、誓えますか?」
「女神と、騎士の名誉と、育ての親に誓って」
海青石の瞳と赤葡萄酒の瞳が見つめあう。先に視線を外したのはマリアの方だった。
「出会ったのはつい先程ですけれど、あなたがたの話はおじさまから聞いていましたから。
おじさまの知り合いですもの、きっと良い方たちなのだと、そう思っていました」
喉元に突きつけられた杖がすいと下ろされる。
目を瞑り、次に開いたマリアの目は相変わらず爛爛と輝いてはいたが、瞳に宿るのは怒りではなく強い決意。
「だから、貴方が嘘をついていないと言うのなら、私は貴方を信じましょう」
「……済まない」
「謝らないで下さい。悪いのはハーゴンと、アレンを襲ったその魔物なのですから。
一つだけ、教えて下さい。その魔物の名は」
問いと同時に手渡された名簿。頁をめくり、見つけた絵姿をマリアに示す。
「――竜王」
その名を見とめて、マリアは我知らず皮肉な笑みを浮かべた。
かつて彼女の祖先が討伐したはずの魔物。それがアレンを殺し、今自分はまた彼を殺そうとしている。
それはロトの血族に刻まれた宿命か。
「マリア王女……憎しみからは何も、生まれぬよ」
「……分かっています。それでも」
心配そうに自分を覗き込むトロデの顔。
大丈夫だと笑みを返して、ますますトロデの顔が曇り上手く笑えなかったのだと知る。
「大丈夫ですから」
父を失い、民を失い、故国を失い、それでも彼女を歩ませたのは憎悪だった。
だから、今度もこの憎しみを抱えている限り前を向いていける。
いつかきっと普通に笑えるようになるから、それまではこの憎しみに囚われさせて欲しい。
(アレン、ランド。きっと私がハーゴンを討ってみせます。必ず)
それは、いつか父に交わしたのと同じ誓い。
「大丈夫だって!タバサは此処にいないんだから。何をしたってバレっこないよ」
場違いなくらいに明るい声。
同じ顔に狂った笑みを浮かべて、子供は笑う。
「みんな殺して帰ろうよ、グランバニアへ!
それで、お父さんやお母さんが見つかる前みたいに妹と二人で暮らそう。
だって――」
差し伸べる手は、べったりと朱に染まって。
「――もう引き返せないんだから」
たすけて、と。
眠る子供の声なき言葉は、届かず潰えた。
【E-4/アリアハン城北の平原/夜】
【トロデ@DQ8】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(不明の品が1?) 大錬金釜 聖者の灰 空飛ぶベッド ミレーユの通常支給品
[思考]:レックスの呪いを解く方法を探す 打倒ハーゴン
【マリア@DQ2ムーンブルク王女】
[状態]:健康
[装備]:いかづちの杖
[道具]:支給品一式(不明の品が1〜2?) ※小さなメダル トゲの鞭 毒薬瓶
[思考]:レックスの呪いを解く方法を探す 打倒ハーゴン 竜王(アレン)を倒す
【レックス@DQ5王子】
[状態]:呪われている(呪いの効果弱) 気絶(睡眠) 打撲
[装備]:折れた皆殺しの剣 王者のマント
[道具]:祈りの指輪×1(一回でも使えば限界)
[基本行動方針]:不明
【ハッサン@DQ6】
[状態]:健康
[装備]:聖なるナイフ
[所持]:まだらくも糸 魔物のエサ
[思考]:レックスの呪いを解く方法を探す 打倒ハーゴン
【ククール@DQ8】
[状態]:右腕に火傷(半分回復
[装備]:ビッグボウガン(矢 18)
[道具]:天馬の手綱 インテリめがね アリアハン城の呪文書×6(何か書いてある)
[思考]:レックスの呪いを解く方法を探す マルチェロを止める
以上、代行投下終わります。
規制を喰らった書き手ですorz
不備等ございましたらご指摘のほど宜しくお願いします。
あちらで意見&感想下さった方々、代行様、本当に有難うございました。
ほしゅ
エイト、キーファ、アトラス、アレフ予約します。
おぉ…新作乙です。
レックスはどうなっちゃたのか、非常に先が気になる展開ですなー。
時間とかキャラのチョイスとかに激しく不安を感じるけどとりあえず静観
ピサロ、フォズ予約します。
>>209 とても今更なんですが、1によると放送は「朝6時」と「夜18時」なので
例え放送直後でも時刻表記は夜になるのでは?
ああ、見逃してた
確かにそうなるね
そういえば、アレフ放送後のエピソードまだなんだ…。
アレフの予約は破棄して
改めてエイト、キーファ、アトラス、予約します。
エイト(&キーファ)&アトラスの話を避難所に投下しました。
訂正点、矛盾、誤字、脱字等ありましたら、お願いします。
エイト(&キーファ)&アトラスの話を投下します。
「――この女、名前、アリーナ、言うのか?」
重傷を負い倒れていた紅の一つ目巨人から発せられた意外な言葉だった。
「そうです。この方は――アリーナ姫と言います」
大切な仲間を、守るべき姫を失い悲しみに沈む近衛兵から発せられた、これもまた
意外な言葉だった。
「…おまえ、この女の仲間か?」
「はい」
その返事はお互いが敵同士、仇同士であると確信させる言葉であった。
―こいつがベリアルを殺した―
―こいつがアリーナさんを殺した―
今ここで倒さなければならない相手…。しかし槍を握り締める手に、握り締める拳に、力が入らない。
それよりも…ただ、今は真実を知りたい…!
「おしえてくれ。この女…どんなやつだった?」
構えかけた拳を下ろし、赤鬼は尋ねた。最も慕っていた兄の仇に。
「…わかりました。僕の知る限りでよければ。そのかわり、僕にも教えてください。
この方が、どんな風に闘って……逝ったのかを…」
エイトは語った。
この大陸での事を。アリーナとの出会い、共闘、そして最期の別れを。
どうしてあの時、自分はアリーナの変化を、悲しい決意を見抜けなかったのだろうか。
もしかしたら、彼女が時折見せた無邪気な笑顔に、愛しい姫君―流星の姫君ミーティア姫―を
重ねていたのかもしれない。
「そうか。この女、お姫さまだったのか。おまえを守るために闘ってたのか」
エイトは民家で眠っているキーファの事は話さなかった。
今はお互いに語り合っているが、この語り合いが終われば恐らく、再び死闘の幕が上がるであろう。
今の自分が守るべき最後の仲間、最後の王族であるキーファを何としてでも守りたかった。
だから、黄金のアークデーモン、ベリアルは自分とアリーナで倒した、と話した。
「世の中には、すごいお姫さまが、まだいたんだな」
アトラスは独り言のように言った。
アトラスもまた、思い出していた。自分が出会ったもう一人の勇ましき姫君を。
あの日、ロンダルキアに攻めてきた勇者の血を引く三人の王族達。
その中の一人。偉大なる大神官ハーゴンによって滅ぼされた王国の生き残り。
―ムーンブルクの王女、マリア―
強大な魔力に満ち溢れ、数々の呪文を操り、仲間たちを次々と倒していったマリア。
戦い方は違えど、その瞳に宿る意志の輝きはどちらの姫君も同じ強さだった。
「…ベリアルが死んだって聞いたとき、アトラスすごく悲しかった。
この村でベリアルが死んでいるのを見たとき、すごく悲しくって、悔しくって、憎たらしくなって…
何が何だかわからなくなった。
でも、この女…アリーナが現われて、いっしょうけんめい闘っているのを見ているうちに
悲しいとか、悔しいとか、憎たらしいこととかが、いつの間にか消えて…
…アトラス…確かに楽しかった…」
アリーナの遺体に向き合い、アトラスは言った。
「ごめんな。アトラス、おまえを殺してしまった。お前に止めをさしきれなかった」
エイトは、この言葉に矛盾を感じつつも戦慄を覚えた。
―そうだ。この赤い巨人はキーファさんが言っていたハーゴンの刺客だ。
草原であったバトルレックスの様な、わかり合える魔物ではないんだ!―
悲しみをこらえ、全身の力を振り絞り、エイトはメタルキングの槍を構える。
「あなたは…人を殺すんですね?」
「あぁ。それが、もう一度よみがえったアトラスの仕事」
「…そんなことはさせない!もうこれ以上誰も死なせない!」
こいつを止めなければならない。今ここで。
この殺し合いの地には、かつて自分と共に暗黒神と戦った、かけがえの無い仲間たちがいる。
記憶喪失だった幼い自分を拾い、養い、近衛隊長という輝かしい地位まで与えてくださった
トロデ陛下までいる。
それだけではない。きっとここにはアリーナさんやキーファさんの仲間もいるはずだ。
他にも、理不尽な戦いを強制されている人々…。
今度こそ…今度こそ必ず守ってみせる!
エイトは長い旅の中で極めた槍技の一つ『さみだれ突き』を繰り出さんと構えた。
それを見たアトラスは悲しそうに笑った。
―本当に…本当にわかり合う事は出来ないのだろうか?―
一瞬でもそんな事を考えてしまった。それがエイトの油断だった。
次の瞬間には巨大な赤い拳がエイトの胴を直撃していた。その衝撃にエイトの体は民家の壁まで吹き飛ばされた。
「…がはっ!」
口中に生暖かい鉄の味が広がり、吐血した。それと同時に激しい眩暈が襲う。それでも懸命に顔を上げる。
目の前には、今まさにもう一撃を繰り出さんとする巨人の姿があった。
(こいつ…速い!)
あの巨体から一体何故これほどのスピードが出せるのか?―一瞬、巨人の胸に淡く輝く何かを見たような気がした―
早く避けるなり防ぐなりしなければ。しかし、全身に激痛が走り体が動かない。
(殺られる!)
そう思い、エイトはぎゅっと目を閉じた。
しかし、その一撃はいつまでたっても繰り出される事は無い。
「…やめた。やっぱりアトラス、今はお前を殺せない。ごめんよベリアル。
ごめんなさい、ハーゴン様、シドー様…。」
そう呟いてアトラスは改めてアリーナを見る。
自分が倒れた時に生じたであろう、激しい衝撃にも耐え、二本の足で大地を踏みしめ
迷いの無い真っ直ぐな拳を突き出したままのその姿。
血で汚れ、瞳はかつての輝きを失ってはいるが、一人の格闘家としての誇りに満ち溢れた死に顔。
その誇り高き戦士が守ろうとした仲間の命を奪わないでいる事を、アトラスはこの戦士に対する餞(はなむけ)に、
そして自分への戒めにした。
「でも、次にあったら、その時はアトラス、全力でお前を殺す。ベリアルの仇討つ!」
アトラスはそうエイトに言い放った。一人の戦士として…そしてジョーカーとして。
超万能薬で傷を癒し、メガトンハンマーを拾い上げ、アトラスはレーベの村を後にした。
新たなる生贄を破壊神に捧げるために…。
体が動かない。動けない。
白銀の中で、赤々と燃える炎と無数の狼達。それを束ねる黒き犬レオパルド。
それが咥える杖に串刺しにされる、命の恩人であるメディおばあさん…。
突然、何も言わず無表情で自分の首に手を回してきたアリーナ姫。
たった一人で戦いに挑み…そして…
あの時と一緒じゃないか!動きたくても動けない。アリーナさんも守れなかったじゃないか…。
あいつを止めないと…誰かがまた殺されるというのに…
あいつを…止め…ない…と…―
(ゼシカ…。ククール…。国王陛下…。)
薄れゆく意識の中でエイトが見たものは、獲物を求めて歩き出す、血のように紅い死の執行者の背中だった。
【B-2/レーべの村/夜(放送直後)】
【エイト@DQ8主人公】
[状態]:気絶 左肩にダメージ、腹部と背中に打撃 MP2/3(気絶中に若干回復)
[装備]:メタルキングの槍
[道具]:支給品一式 首輪 メルビンの支給品一式(不明二つ)
[思考]:アリーナの喪失に大きな悲しみ
アトラスを止める。
仲間(トロデ優先)を捜し、護る。ゲームには乗らない
危機を参加者に伝える
【キーファ@DQ7】
[状態]:気絶 HP3/5程度 (回復中)
[装備]:メタルキングの剣 星降る腕輪
[道具]:ランドの物を含め、不明2
[思考]:ランドの妹(リア)を守る 仲間の死を悟る
【アトラス@DQ2】
[状態]:超万能薬により全快
[装備]:メガトンハンマー 風のアミュレット
[道具]:支給品一式
[思考]:レーベの村を出て南下
ジョーカーとしての仕事を全うする
次にエイトとあったら必ず殺す
乙!
以上、投下終わります。
乙!
アトラスが東と南、どちらに向かったか…wktk!
新作乙!
これで東向かって傷心のアレフとでも会った日にゃ、彼が不憫過ぎるorz
会わないといいな、アレフ
[思考]:レーベの村を出て南下
ジョーカーとしての仕事を全うする
次にエイトとあったら必ず殺す
南に行ったつもりだったのですけど言葉足らずでした。
東に行ってアレフと鉢合わせされたんじゃあエイト気絶させた意味無いので。
投下します
視界が暗く、体が重い。
『ん、なんだい。まだ、ねてるのかい?アンタらしくないね』
『・・・つかれているんですよ。もう少し・・・眠らせてください』
目を閉じたままサマンサは言った。
『ん、ほら、ほら。教会で、朝の鐘がなってるさね』
『睡眠不足は美容の敵・・・』
言い訳しながら寝返りを打つ。
『ん、バカな事やってないで、さっさと起きな。』
誰かに顔に数滴の水をかけられる。子供じみた行為に、あきれながら、仲間の名を呼ぶ。
『・・・フィオ』
いつもの、旅の光景。
目を開けると、頬が濡れている感触。
「良かった!!」
視界に飛び込んできたのは、泣きはらした美しい可憐な少女。
「ゴンさん、気づきましたよ。」
「まったく。おい、おまえ立てるか?」
「ええ。 ・・・!」
声をかけたほうを見て、構えをとろうした途端、足元の地面が揺れる。
「きゃ、危ない!!」
「よっ、と」
よろけたところを、ドラゴンが支えてくれた。
魔物だが、どうやら害意は無いらしい。
「よかった。私達では回復方法が無くて。
失礼かと思いましたが、ゴンさんと一緒に貴女のザックも見させて頂いたのですけど・・・、あ、品物は、ちゃんと元に戻しておきましたから」
「いえ、助かりました。ありがとうございます」
言いながら、ドラゴンから離れる。
会話をかわしている間にも、鐘の音が響いている。
「この鐘は、なんでしょう?」
「さあ?」
「知るか」
疑問はすぐに解消された。
ハーゴンの独特の癇に障る低い声が聞こえ、次いで甲高い音が。
ゲームに参加している人間には声色がどのようなものであっても、2つとも最悪な声に違いない。
「禁止エリアですか、気をつけないといけませんね」
「ええ。」
メモをとりながら、会話を普通にできたのもここまでだった。
『さて、死んだ『可哀想な』もの達の名を読み上げる』
三つの口が閉じられる。
・・・・・『フィオ』・・・
(ああ!・・・アリス!どうか無事でいて!!!)
仲間の名前が読み上げられた瞬間、彼女の無事を真っ先に祈った。
ただ、ひとりの少女の無事を祈る。
この時ばかりは、理性よりも感情が心を占領する。
それも束の間のこと、彼女の冷静すぎる理性が感情を押さえ込む。
(それは希望の名。彼女さえいれば、全ては無駄ではなく、未来は開かれるのだ・・・)
「大丈夫ですか?」
少女が頬を手でぬぐってくれている。
「だいじょうぶですよ。」
少女の細い手をどかした。
「ひょっとして、誰か知合いが・・?」
「ええ」
「そうですか・・・」
黙り込む少女。
声をかけるのを遠慮しているのだろう。
だが、私には、仲間をしのんで泣いている暇などない。泣くのは全てが終ってからでいい。
少なくとも、今は悲嘆にくれている時ではない。
泣く前に、考えろ、考えろ。
このゲームに勝つ為にはどうすればいいのかを。
まず、目の前の一人と一匹を殺す方法を。
しえん
手に握り締めたままの石があたたかくなり、効果を発揮して、サマンサの体を癒す。
「まあ、だいぶ顔色も良くなりましたわ。」
「ええ。おかげさまで。」
ひとりは簡単だろう。
この少女に人を殺す能力があるとは思えない。
もう一方に、目をやると、ドラゴンがこちらを注意深く睨んでいる。
しばし、睨み合う。
・・・駄目だ。この体では、多少回復しただけでは勝てない。
ゲームに乗っているのを、一人と一匹に知られてしまっている。これ以上、増えるのは流石にまずい。
(ここは引くか)
「ありがとうございます。ここで休んでいれば大丈夫ですから。」にっこり笑う。
「でも・・・」
「俺らは、やることがあるだろうが。先を急ぐぞ」
可憐な少女は考えた後、思いついたらしく、手を叩く。
「そうですわ!一緒に参りません?」
「はぁ?」
「えっ」
「ゴンさんーああ、自己紹介が未だでしたわね。わたくしローラです。こちらはゴンさん。あなたのお名前は?」
「は、はぁ。ご丁寧にどうもアリガトウゴザイマス。サマンサです。」
「あ、それでですね、ゴンさんも私も人をそれぞれ探しているんです。
サマンサさんも、治療できる人か傷が回復するまで、ご一緒しませんか?」
「あの、」
「ね?」
「ええっと」
「ね?」
首をかしげている少女、大変風情のある可愛らしい姿なのだが。
隣にいたドラゴンが溜息を1つ。
「諦めろ。馬鹿女は言い出したら、止まらねぇ」
ドラゴンの背中にどこか哀愁があるような・・・魔物だろう、お前。
「他に何かご一緒できない、わけでもありますの?」
なんの害意もありませんとばかりに、無邪気な笑顔で問われてしまう。
しえん
咄嗟に返答できない。
(まさか、殺せないからとは・・・)
返答を渋っているのも怪しまれるだろう。
「では、ご一緒させていただきます」
「まあ。良かった。よろしくお願いしますわね」
「ふん」
(確かに、この体を回復させるのが最優先です。
それに先ほどの戦いで1人の限界を知ったばかり。
一緒にいれば二人を殺せるチャンスが来るかも知れません。
大人しく利用されてくれればいいのですが)
「ほらよ」
ゴンが背中にサマンサを、背中あわせで抱える。
「うわっ」
「こっちのほうが、進みが速いだろう」
「良かったですわね、サマンサさん」
「は、ははははは。ありがとうございます」
「礼を言われることじゃねぇよ。遅いと、いらつくだけだ。おい、馬鹿女、地図を見て先導してくれ」
「分かりましたわ〜」
サマンサは小声で言った。
「何か違う・・・」
ゴンは歩きながら注意深く様子をうかがう。
(視線があった時、明らかに俺の力を測っていた。この女には注意しなければ。
背中あわせにして、ローラを視界に、できるだけ入れないのもその為だ。
用心しなければ、ならねぇな。チッ・・・面倒な)
無意識に、ゴンは、閉じた口の舌で、腕輪を触っていた。
【B-4/森林地帯/夜(放送直後)】
【サマンサ@DQ3女魔法使い】
[状態]:HP3/8 MP1/5 全身に裂傷
[装備]:バシルーラの杖(5) 奇跡の石
[道具]:支給品一式 鉄兜
[思考]:勇者の血を守る
【ローラ@DQ1】
[状態]:健康
[装備]:光のドレス
[道具]:ロトの剣 支給品一式
[思考]:アレフを探す/ゲームを脱出する
【ゴン@DQ1ドラゴン】
[状態]:左肩に銃創(浅い)
[装備]:メガンテの腕輪
[道具]:支給品一式(不明アイテム一つ所持)
[思考]:ローラを竜王の所に連れて行く/それまでは護る
投下終了しました。
支援ありがとうございます。
乙。
フローラの動きが気になる…
何このスレwww面白杉。
ね?
ね?
ちょwwwww無限ループの予感www
アレフ予約します
バーサーカー クリフト アリス カンダタ
レックス ククール ハッサン トロデ マリア
テリー ヒミコ
計11人を、予約します。
多分……いける、筈。うん、多分。
>282
頑張れ。
い、いったいどんな展開になるんだッ!?
期待と不安がチークダンスを踊ってる。
あまりプレッシャーかけてやるなw
現在地的には全員絡んでもおかしくなかったからね〜。
ベッドの向かった方角がどこかはどちらにせよ、wktkして待つw
>>905 多段斬り ディフレクト 追突剣
→多段斬り 払い抜け 十字斬り 巻き打ち
多分こう。
290 :
288:2006/06/15(木) 20:46:57 ID:eern5h9t0
変な切れ方しちゃった。
ベッドの飛んでる方角次第で色々変わってきそうね、って感じです。
誤爆
>>282 頑張ってください。かなり長文になると思うので支援いたします。
いま、死亡者チェックしてたら【B-2】で5人も死んでいる事が判明。
【レーベの村】
・死神の騎士
・ランド
・ベリアル
・アリーナ
【草原】
・ドランゴ
まさにデスゾーン【B-2】エリア!
>>293 というよりもレーベがデスゾーンじゃないのかw
アリアハンだってそうだろう
あ、俺のIDがBRだw
>>282 すげー(゚Д゚)
がんがれ。
ところで、前によく描いてくれてた小学生位の絵師さん見なくなったな。
以前の連投状態はさすがに眉をひそめたが、
全くいなくなるというのも寂しいな。
俺の書いた話のイラストも描いて欲しかった(´・ω・`)
代わりといっちゃなんだが、俺描くお( ^ω^)
投下。
勇者は前へ進みつづける。
森の中を抜け、木がまばらになっていく。
それでも、足はとまらない。
「もうすぐ・・・」
抱えている羽の生えた少女の為に。
もう、少女は身動き1つしない。
それでも、わずかな希望を胸に抱いて進む。
突然、頭上から、鐘の音が降りそそぐ。
聞き覚えのある声が聞こえる。
「ハーゴン!」
アレフは怒りを込めて叫ぶ。
放送を聞きながらも、歩むスピードは変わらない。
ほんの数時間前に知合った、赤毛の少女の名前を聞くまでは。
・・・「ゼシカ」
「くっ」
さすがに歩みが遅くなる。
「・・・さすがに、助けは間にあわなかったか」
アレフの顔が歪む。
勝気そうな少女だった。
とめても、聞かなそうだった。
だが、ひとりにせず二人で協力して戦うべきだったかもしれない。
「今は走らなくては、ゼシカの為にも」
アレフは感傷を振りきる。そう、後悔は後でもできるのだから。
名前の列挙は続く。
名前の多さに、ゲームに乗っているであろう者達の顔が笑っているような気さえする。
吐き気がする。
非情にも名前の列挙は続く。そして、
しえん
・・・「ルーシア」
勇者の歩みが止まる。
ただ、呆然と己が抱えている少女を見る。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
アレフは絶叫した。
物言わぬ少女を強く抱きしめた。
まだ僅かばかり温もりが残っている体。
しかし、ルーシアの顔は青白いと言う表現を通り越し、透き通るような白さ。
唇は紫から黒へと変色しようとしていた。
だが、アレフは、ただ、強く、強く、抱きしめつづけていた。
ゆっくりと周囲が闇に閉ざされようとしている。
迫り来る闇を目の前にしても、アレフは、ルーシアを抱きしめたまま、動こうとしなかった。
呆然としてるアルフの耳が、かすかな音を聞き取った。
1人で魔物と戦ってきたすぐれた聴覚が、闇に沈み込む主人を裏切って届けさせた音。
咄嗟にルーシアを庇い、身構えて音のほうを向く。
「・・・鳥」
木の枝に一羽、黒羽の鳥が止まっている。
肩から力が抜けた。
「ははは」
自嘲の声が掠れる。
たかだか、僅かばかりの羽音に反応する己。
思い知らされた。
自分は、戦うつもり、いや、生き延びるつもりである事を。
まだ、真に絶望してない事を。
黒羽の鳥を見る。
「お前もひとりか・・・」
闇の中、目だけが金色に輝いている。
闇の中の光。
「ローラ・・・」
己が愛しい姫。その髪の色。
しえん
ローラ、いつだったか、倒したドラゴン話をしたな。覚えているか?
『とても、お世話になったんです』
そういって、君が、あまりにも悲しそうな顔をしているから、
『悪い事をしたな。』と言った。そうしたら君は、
『アレフ様、どうかそんな顔をしないで。私なら、もう大丈夫ですから、ね?』
そういって無理に笑う。
『しかし』
『ね?』
『・・・わかった』軽く苦笑いをしながら答えた。
言い出したら聞かない彼女。
どこか天然なのに、自分が正しいと思ったらそれを貫き通す強さ。
『私なら大丈夫よ!これでも賢者の子孫なんだから!・・・それに・・・あの人を許せない・・・。・・・ルーシアさん、何も悪いことなんてしてないのに・・・』
『・・・・・・・ベ・・・・・・・ホ、マ・・・・・・』
『何をやっているんだ!そんな余裕があるなら俺じゃなくて自分に使うんだよ!』
ここで止まっていたら。
彼女達は、俺に何て言うのだろう。
「行かなくては」
彼女達の優しさ。大切な、とても大切な。
だが、ここには、それを平気で踏みにじる者達が、当たり前の様に存在している。
そのような者達に対抗できるのは、優しさではなく、決してまけない強さだ。
少女を抱え、勇者は歩き始める。
「せめて、彼女を安置できる場所まで運ぼう。ここには鳥がいる、野ざらしにはしたくない。」
埋葬できれば良いのだが、埋葬中に襲われでもしたら、本末転倒だろう。
勇者は歩く。
もう、挫けない。
「ローラ、待っててくれるね?必ず君を・・・」
彼女達の優しさを、今度こそ、守ってみせる。
挫けぬ勇気を再び心に宿した勇者が進む。
遠くで、鳥が、飛び立つ音がした。
【B-3/森林地帯/夜】
【アレフ@DQ1勇者】
[状態]:HP4/5 背中に火傷(軽)
[装備]:マジックシールド
[道具]:鋼鉄の剣 鉄の杖 消え去り草
[思考]:ルーシアを安置する為にレーベを目指す ローラ姫を探す
※神秘のビキニと祈りの指輪はルーシアのザックに入ったままです。
支援ありがとうございます。
投下終了しました。
新作乙です。
アレフカワイソス。・゚・(ノД`)・゚・。ルーシア死んじゃったらもうレーベに行く理由なくなっちゃうのかな?
そういや放送でゼシカ死亡が解ったからフローラの変化戦術通用しなくなるね。
>>297 ノシ
今はSS投下したり死者スレにネタ書いたりしてます。
あの時は調子に乗ってごめんなさい…。でもお絵かき掲示板に絵師さんイパーイ!
>308
絵師がもっとふえてもおKだと思うのですがw
死者スレって書いた事ないな。「ちょっとh」は書くの苦手なモンでw
読むのは好きですよ〜。
ひょっとしてオレって、かくれアルス?w
支援してたらsambaくらったw
投下乙
アレフ強いな
無事ローラに会えるといいんだが
ホシュルーラ
死者スレってどこ?
したらば
おっぱいの話ばっかで、ちょっと見苦しいかもしれないけどな。
みんなガンガレ!
放送直前のままで予約されてないのはマルチェロとトルネコご一行様か・・・。
ピサロフォズ予約したものですが、遅れて申し訳ない。
問題作かもなので、一時スレに投下しますね
一時投下スレ、投下終了しました。
決定的な矛盾や問題がなければ投下しようとおもいます。
投下します。
しえん
緑の影が、少女の服の中から顔を覗かせる。
少女の涙の跡を、蜥蜴は舌で舐めとった。
闇に包まれつつある世界に、荘厳な鐘が鳴り響く。
それは、死を告げる声。
選ばれし生贄諸君、無事で何よりだ…
耳にと心に障る声が、どこかから流れていた。
ピサロは特に意に介していないのか、そのまま歩みを止めない。
そして、告げられる名。
聞こえるわけは無いのに、一つ一つの死に対する嘆きが耳に飛び込んでくるようだった。
そんな中、フォズは刻一刻と迫る、聞こえるであろう名に対して心を鎮めていた。
フォズは、いつしか心の底で悟っていた。
大切な人達の、死を。
「アルス」
「マリベル」
「メルビン」
ああ、神よ!
立て続けに告げられた知己の友の名にフォズはぶる、と震える。
フォズは既に涙を流した。
止め処ない感情の激流は地へと落としきったつもりだった。
死と生の狭間で、これが彼らとの永久の別れになるであろう事は、理解したはずだ。
でも。
叫ばずにはいられない。
唇をぎゅっと噛み締め、フォズは必死に動揺を隠した。
ふと、自分を抱く魔王を見上げる。
人の死に悼む様子も、嘆き悲しむ様子もない。
やはり人の死などは気にも留めない、冷徹なる魔王だったのか─
だが、フォズの絶望に拍車をかけるような考えは一つの名によって掻き消される。
「アリーナ」
その名を聞いたとき。
ほんの僅か、今まで能面のようにピクリともしなかった魔王の表情が曇った。
瞬きでもしていたら見逃してしまいそうな、微かな曇り。
だが、それはその名が呼ばれた事実が、彼の心に楔として突き刺さったことを示していた。
「…誰か、お亡くなりになったのですね」
「…構わん。それより話を聞かせろ」
─ねえ、ピサロ?─
可笑しな娘だった。
自国の民の仇、とも取れる相手にも気軽に話しかけてきた。
おまけにそれは、その国の姫君と来ている。
どこぞの喜劇でも、有り得ないような話だった。
─何であなた武術大会の時逃げちゃったのよ?あたし楽しみにしてたのにさ…─
─…喧しい。どうでも良いだろう─
勇者一行に故あるとはいえ、組することになった当初。
声なぞ到底掛けられることは無いだろう。
恨まれ、憎まれ、侮蔑の視線でも送られる。
そう思っていた。
─良くないっ!めでたく勝って、ぱんぱかぱーん!って優勝したかったんだもん。決着つけたかったな〜─
─………─
だが、違った。
確かに最初は皆が皆、恐れたり、憤ったりで相手になどしていなかった。
しかし、アリーナが声を掛けてきてからというもの、他の皆も徐々に距離を埋めていったのだ。
─!ははーん、さては、怖気づいたのね?魔族の王とやらが、お姫様にビビるなんてね〜─
─…貴様…私を愚弄する気か?…─
─ね。決着、つける?─
─…よかろう─
人と共に生きるとは、こういうことか。
ロザリーの言っていたことが、少し解った。
ピサロは遠い日を、思い出した。
「……それでは、これより転職の説明をさせていただきます…」
「…」
フォズの声で現実に引き戻される。
儀式めいた、淡々とした声。
彼女はいつもの仕事のように、透き通った声で説明を始めた。
「転職とは、自らの生き方を見つめ直し、新たな生き方を指し示す力…」
「…おい」
ピサロは気づいた。
少女の変化に。
「その能力も、姿さえも変えてしまうほどの力を…」
「…泣くな」
「…泣いてません」
抑えた筈の涙がぽろぽろ溢れ出ている。
彼女の頬を、そして流れ落ち魔王の腕を濡らす。
「…泣くんじゃない」
「…泣いて…ませ…ん」
嗚咽交じりに、必死に説明を続けている。
顔は歪めず、ただただ涙が溢れるのみだ。
「…もういい。何故泣く」
「…私が…いるから……泣けない…あなたの…代わりに…私は、泣いて…います」
泣く?
私は魔王だ、死の一つや二つでは泣くわけが無いだろう?
今までで泣いたことは一度きり。
愛する者の死によって、だ。
だが。
泣きたい、と言うより…『悲しい』というべきか、この感情は。
僅かながら芽生えていたことは、紛れも無い事実。
「……莫迦か…お前は…」
ピサロは、少しだけこの少女を護ってみたくなった。
愛するエルフのように、優しさに触れさせてくれたから。
「…完全に夜になったか」
放送が終了してから小一時間ほどが経過した。
幼子を抱いての夜の山越えは、いかに魔王の身体能力をもっても辛い。
闇の衣が目立たなくしているとはいえども、突然の襲撃に対応するには条件が悪かった。
急いで山を越えるべきである。
「峠は越えています、もう少しできっと山は越えられるはずです…」
大分、落ち着いたようだ。
少女は仮死から蘇って疲労しているだろうに、自らの足で歩くことを要求した。
彼女の言う、『転職』『転身』の二つの技法は聞いたことも無かった。
だが、今の状況を打開するにはやはり難しい。
どちらも時間を要する。
やはり、今は魔法使いの手が借りたい。
「山を下ったら…呪文の使い手が必要だ。とびきり上等のな」
「何故…ですか?あなたも相当な使い手とお見受けしますが」
「これを見てみろ」
ピサロは、跪くと傍らの小石を拾い、地になにやら複雑な図を描いた。
古代魔術語のような見たことも無い文字もあり、フォズには少々難しいがある程度は読める。
「これは…?」
「『禁止エリア』と呼ばれる区域に入れば、擬似的に凝縮された魔法爆発を起こすらしい。…この首輪はな」
「え…」
ピサロが懐から取り出した首輪。
なんとも危ないことに、一人で調べていたらしい。
しかし恐れる様子は彼に無い。
魔王の貫禄を、見せ付けていた。
支援
題名忘れてる
「加えてどんな呪文にも誘爆はしない…どうやら、完全魔法防御呪文【マホステ】が込められているようだ」
ピサロは呪文を打ち消す波動を放つことが可能だ。
危険ながらも、首輪に対して試みてみたのだ。
だが、マホステが消えることは無い。
常時内部から、『呪文がかけ続けられている』というのが正しいかもしれない。
「だが、対象が死んだ場合首輪は…どうも効力を失うらしいな」
─ピサロは、その込められた『何か』が死んだ魂を冥府へ連れて行った。
だから爆発しないのだと予想している。怨霊の類かとも、考えた─
だがこれは話さない。『核心を突いた発言』は迂闊には出来ないからだ。
ピサロは、ザックから紙と鉛筆を取り出した。
「だが、今の段階で解ったのはこれまで…」
『これからは筆談で会話する。我々の会話は筒抜けの可能性がある為だ』
紙に綴られた文字は、欺きの言葉とは裏腹に真実に歩み寄る。
ピサロが『こちらの動きが把握されている』と考えた理由は3つ。
1:『生贄』と呼ぶからには死亡させなくてはならない。常時生死を確認する必要がある
2:死亡確認の方法は、主催者と参加者を唯一繋ぐこの首輪を通して知っている、というのがもっとも自然
3:だが生命の感知だけでは、対象が首輪を外し脱出したのか死亡したのかの確認が取れない
以上の3点から、こちらの動きを何らかの方法でつかんでいると考えることができた。
といっても、予想に『確実』が無いのはピサロも承知。命は一つ、念には念を、ということだ。
ピサロは、知将であると断言できよう。
伊達に長生きはしていない、かなりの知識量がある。
ピサロは目の前の少女を見つめ思案する。
─この子供、見た目に反し頭は良い。
首輪の真実に近い私が、万が一殺されても大丈夫なように伝えておくとしよう─
言わば、保険である。
「首輪には迂闊に触れないほうが良かろう…命を縮める事になるからな」
『良いか。城の図書室で、興味深い呪文の存在を知った。その使い手が揃えば、首輪が外せるかもしれない』
フォズは驚きの声をぐっと堪えた。
ここで主催者に知られては水の泡。
ピサロは筆を滑らす音を掻き消すように逆の内容を話す。
「いずれにしろ、この首輪…外すのは不可能に近いかもしれんな…」
『これはあくまで予想…だが、【シャナク】【アバカム】…この二つと、私の力が有ればあるいは…』
夜は更け、一番星が煌いた。
彼らの進む道はその光に照らされているのか。
【C-5/北側の山/夜】
【ピサロ@DQ4】
[状態]:健康 MP6/7程度
[装備]:鎖鎌 闇の衣 アサシンダガー
[道具]:エルフの飲み薬(満タン) 支給品一式
[思考]: ロザリーの仇討ち ハーゴンの抹殺 襲撃者には、それなりの対応をする
【シャナク】【アバカム】の使い手を捜す 更なる首輪解除方法調査
【フォズ@DQ7】
[状態]:疲労(時間経過で回復)
[装備]:天罰の杖
[道具]:炎の盾 アルスのトカゲ(レオン) 支給品一式
[思考]:ゲームには乗らない アルス達を探す ピサロを導く
投下完了しましたが、つけたはずのタイトルがついていないorz
スイマセン…題目【闇へと零れ落ちる涙】 で。
乙〜〜!!
ピサロ、カッコイイ・・・。
しかしある意味死亡フラグが立ったような。
【フォズ@DQ7】
[状態]:疲労(時間経過で回復)
[装備]:天罰の杖
[道具]:炎の盾 アルスのトカゲ(レオン) 支給品一式
[思考]:ゲームには乗らない ピサロを導く
修正お願いします、すいません。
おつ!
乙
アバカムはマリアとサマンサ?シャナクはレックスだけかな
クリフトも使えたっけ?
解呪と解錠か…。
随分、冒険したな。
ピンサロ
新作乙です!解呪の呪文、使える人のうち二人はマーダーか…先が思いやられる。
どなたも予約ないようなので。アレン(竜王)、トルネコ、リア予約します。
特に意味はない気もけど、現在の予約状況
バーサーカー、トロデ、ククール、ハッサン、マリア、レックス、
アリス、カンダタ、クリフト、テリー、ヒミコ(木曜に
>>282予約)
アトラス(金曜に
>>299予約)
アレン、トルネコ、リア(土曜に
>>337予約)
ちなみに放送後まだ登場してなくて予約もされていないキャラは
フローラ、マルチェロの単独行動キャラ2名のみ。
(しかもマルチェロは周囲にキャラいないので動向不明でも面白いかも?)
きわめて出番は均等。さらに投下ペースも1日1本と総じて超順調と言えるのであります。
あ、タイムテーブルとか各キャラの居場所はまとめさんの一覧を参考にどうぞ。いつも助かってます。
一覧=マップ・現在位置の項目のことです。
生存者一覧で支給品ごと確認してもいいけど。
「明星の残像」だけど、いつの間にエイト達はハーゴンが刺客を送ってるってことを知ったの?
キーファはランドからは儀式と破壊神のことを聞いてるけど、その時はまだジョーカー3人組とは会う前だし、
ゲームを開いて、さらに刺客まで送ってるってことは知らないはずだと思うけど。
キーファからしてみたら、ベリアル戦の前に死神の騎士に襲われて、
刺客かどうかに関わらず襲ってくる奴はいるし、ベリアルとの接触はいきなりイオナズンで説明する余裕はないし、
放送後いきなり、書き手の情報をうっかりキャラクターも知ってる物として書いちゃったんじゃないかと思うんだけど。
「死してなお彼女は」の時点で、
>そもそも全参加者の殺戮を命じられているであろう魔物
って、かなり危うい判断をしてるけど。
今の時点でジョーカーとして参戦している魔物がいることを知っているのは、
密談を聞いたアリスと、インカムを奪ったトルネコだけだと思うのだが。
ついでに、餞(はなむけ)ってのも難しくないか?
豪傑でも修正されたのに、戒めや餞のために殺さないというのも苦しい気が…。
名簿見れば3Jも載ってるので、
それを見たランド→キーファ→エイト、アリーナで情報の伝達があったなら可能では?
主催の配下が殺し合いに参加してる=明らかにサクラだし、
2の主人公陣(ってもあとマリアだけだけど)はJの存在に気付いてても不思議は無いかな、と。
この辺の議論は長くなると思うので、したらばの情報確認スレへどうぞ。
餞、戒めは地の文の思考だから大丈夫かとも思うのですが。
アトラスの頭の中ではもっと平易な言葉で考えてる、ってことで。
(アリーナ、こいつ守るため戦った。だからアトラス、今は殺さない。
でも、次は殺す。それがこいつでも、アリーナの仲間でも!)
くらいな感じで。
>340->341
それに関しては
避難所で検討してますよ。
>>340 「死してなお」について。
「明星よ、見よ」の段階で、エイトはアトラスのことを「邪悪に忠誠を誓った者」と評価していたことから
少なくとも全参加者の殺戮を行う、いわゆるマーダーとして認識してると思ってました。
ただ「それを命じられている=ジョーカーとして認識?」というのは、書き手視点が混ざってた感が否めません。
なのでちょっと表現を変えたほうが良いかもしれません。
「全参加者を殺そうとしているであろう魔物が、殺した相手の情報を〜」ってところでしょうかね。
明日の20:00までには
>>282の作品が掲載されるのか。
正直な感想を言うと、ゲームよりこっちの方が面白い。表現が秀逸だし。
そうやって焦らすなよ
この人数だ、遅れたって俺は文句言わんよ
『明星の残像』作者です。
「なんでエイトはアトラスがジョーカーだって知ってるの?」
ってのは避難所で突っ込まれるまで気が付きませんでした。
改めて『明星の残像3/6』の
―そうだ。この赤い巨人はキーファさんが言っていたハーゴンの刺客だ。
草原であったバトルレックスの様な、わかり合える魔物ではないんだ!―
↓
―そうだ。この赤い巨人は、あのベリアルの仲間。邪悪に染まりきった魔物だ。
草原であったバトルレックスの様な、わかり合える魔物ではないんだ!―
に訂正させていただきます。
あと、「餞」と「戒め」に関しては、それ以外文書表現が思い浮かばなかったので
勘弁してくださいorz
何かトリップ消えたんで同じの入力してみたんですけど、どうなってることやら…
乙!
乙!
乙!
乙!
なんでこんな乙ばっか連呼してるんだよw
何かお絵かき掲示板に絵師大量に降臨中
>>353 GJ!見やすくてイイです。
ただ、アリス組とバーサーカーはD−3じゃなくてD−4ですね。
ああ、間違えた
まぁうpしなおすのもアレなので各自で脳内補完をお願いします
>>353 おぉー。コレは便利。
自分で書いておいてなんだけど、
アトラス東行くなよアトラスw
禁止エリアになったF-6って海だけじゃないか。
ならなくても誰も向かわんぞんな所w
アリアハンすげー人口周密地帯だなぁ
>359
放送の人は単純に物語のでないところを選んでたみたいだ。
そんな理由で利用されるとはおもわなかっただろーな。
そういえばB-3にはアトラスのインカムが落っこちてるんだよな
アレフ拾わないかな
>>360 アリアハンかレーベしか人集まる所ないからね
364 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/18(日) 07:47:21 ID:Zfly6ep40
保守
一応洞窟内で戦闘とかも見てみたいけどなー
他に建物ぽい物のあるところ
ナジミの塔屋上
いざないの洞窟前
レーベ南の森
投下します。不備があったらお願いします。
アトラスは走る。走る、走る。
草を踏みしめ丸太のような足で薙ぎ、土を蹴り上げ駆ける、駆ける。
行くは南。南へ、南へひた走る。
しばらくで元来た森へ直面したが、日も落ち始め、暗く鬱蒼とした森はいかにも迷いそうであった。
アトラスは中へ踏み込むことは避け、森へ沿う形で南西にそれた。
さらに駆ける。駆ける、駆ける。今度は一直線に南西へ向かって駆け出した。
気がつけば無心であった。無我夢中、ただひたすらに駆けている自分がいた。
(何しにアトラス、今、走ってる?)
その疑問にふと気付いた時、アトラスは足を止めた。
戦いに行くはずであった。だが、行く先に当て何はないのだ。気付けばただ夢中で走っていたのみ。
(何のために走ってた?)
戦いを求めるのであれば、レーベは拠点である。留まるのが正しかった。
まして、その場にいた参加者を殺さずにすらにいた。
南(アトラスは、自身の方角を南と認識していたわけではないが)には何がある?
何も無い。駆け出す先をアトラスは何も考えていなかった。
目的も無く駆け出す行為――それは獲物を求める奔走でなく、むしろ逃走と言えた。
アトラスは、それと知らず、
現実―ベリアルの死、アリーナの死、二人の死んだ地、戦い、殺戮、自らの使命―から、逃げ出していた。
(アトラス、どこに向かってる?)
辺りは一面の草原である。
森を避けたときから進みすぎたのだろう、木立は遠くにまばらにしかない。
ただただ遮る物もなく、草原。
空は漆黒と濃紺、群青を混ぜたような、夜が来る直前だけの不思議な色。
その中に浮いた花弁のように、ぽっかりと薄白の月が一つ。
月も星もさんさんと輝くにはまだ少し早かった。
あまりに物寂しい光景であった。
何もない。誰もいない。
後ろを振り返れば、レーベの村がまだ見えるだろう。だが、振り返りたくは無かった。
―虚無―
これから先に何も見出すことが出来ず、どうしたらいいかわからない。
道を示してくれるベリアルもいない。
これからの戦いに充実を感じることもないであろう。
ただただ虚ろ、空しさがアトラスの心を襲った。
だが、アトラスの心はそれを理解できない。何がなんだかわからない心のモヤモヤだった。
闇雲に駆け出す自分、殺さなかった自分、自分自身の行動も理解できなかった。
幼い子供と同程度か、それ以下のまま成長を止めた精神はそれらを理解するには幼すぎた。
うぉぉーーーーん
アトラスは哭いた。ただどうしようもなく哭いた。
うぉぉーーーーん うぉぉーーーーん… うぉぉーーーーん……
空には月一つ。何もない、何も無い。
うぉぉーーーーん……… うぉぉーーーーん………
遠吠えする一匹狼のように哀切であった。
吼えながらアトラスは思い出していた、これまでのことを。一生懸命、沢山、沢山思い出した。
バズズ、ベリアル。一人果敢に挑んできた少女。
あれが最後になってしまったゼットストリームアタック。
森で迷い途方にくれたこと。
……突然聞かされた訃報。怯えるバズズ。森で出会った竜。
確認したベリアルの死。激しい闘い……
(そうだ、あの男。エイト。)
アトラスの回想は、ようやくしばらく前まで追いついた。
ぴたと遠吠えが止んだ。
『もうこれ以上誰も死なせない!』
強い意志に燃え、向かってきた男。それが、力が敵わない者であっても。
こっぴどく打ちのめされ、身動きが取れないにも関わらず燃える瞳を向けてきた男。
―なぜ向かった?なぜ戦おうとする。
『もうこれ以上誰も死なせない!』
そのためだ。
駆け通しで汗の浮いた肌は夜気にすっかり冷えていた。
それが、再び力強く震え始めた。
―あの男は、あの男は、使命のために向かってきた!
アトラスは…?アトラスには?
ある!
戦う使命!
『参加者の中に混じり戦い、その魂を破壊神シドーの贄とせよ。』
―戦う者の魂こそ、破壊神の贄として相応しい。
また、その命を散らせる戦いが激しければ激しいほど、贄として至上である―
アトラスは、その使命を負った"悪霊の神々(ジョーカー)"である。
バズズ、ベリアルも同じ命を負っていた。
だが、バズズは怯え切り(アトラスはトルネコの演技を信じきっている。放送も聞き逃している)、
ベリアルは死んだ。使命を遂行できるのは自分だけなのである。
右足を踏み出す。左足で地を踏み鳴らす。大地が揺れた。
両手と腹に力を入れる。
「ガォォォォーーーーーーン!」
咆哮、雄叫び。そこに弱々しさや哀しさは無かった。
(やるぞ、やるぞ!アトラス、戦う!)
モヤモヤ―空しさ―はあった。だが、どうでもよかった。ただ使命に準じるのみ。
アトラスは再び戦鬼となった。いつの間にか風が出始めていた。
アトラスは駆け始める。振り返りはしない、ただ前へ、前へ。
走っていけばいつか獲物に出会うだろう。
夜が迫り始め、また、眠りについた直後に起こされたばかりで本来なら眠気があるはずだがそれも無かった。
超万能ぐすりが眠気と疲労も取り去ったらしい。
ただ走る、走る。戦いと死を求め。
吹き荒ぶ風がよく似合っていた。
【C-2(南進中)/草原/夜】
【アトラス@DQ2】
[状態]:健康
[装備]:メガトンハンマー 風のアミュレット
[道具]:支給品一式
[思考]:使命を全うする(出会った者と戦い、殺す)
乙!!
吹き荒ぶ風が〜 よく似〜合〜う♪
紅の戦鬼と〜 人〜の言う〜♪
だがアトラスは 兄のため 戦い求める神のため
涙で渡る血の樹海 夢見て走る死の荒〜〜〜野
ジョーカーの戦士 誰がために戦う
ジョーカーの戦士 誰がために戦う〜〜
全力で書いているも時間に間に合いません。
予約は解除します。
ブス… ∫ ;′ ∫ ,;′
ブス…',. -――-゙、 ;' ジジジ…
; / へ `>、'; ∫
_;'___{. ,>-/、/=;´イヽ;'_
/三三j='rー、\_>、)_, >;;〉三'`、ジジ…
/三三└'゙ー:;‐;;‐;;'`ー;;ヾ'`"´三'三;`、
囮ヱヱヱヱヱヱヱヱヱヱヱヱ囮
囮災炎災炎炙災炒炎災灸災炭囮
◎┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴◎
ピサロ、フォズ、フローラ予約大丈夫でしょうか
もういっちょ(w
聞こえるか 聞こえるだろう 遥かな轟き
闇の中 心揺さぶり 目覚め始まる
大地割り そそり立つ姿 力の証しか
紅の巨人の力 空を切り裂く
雄叫びが 電光石火の一撃を呼ぶ
震えるな 心開けよ 復活の時
人よ命よ 力を知る
スペース ランナウェイ イデオン アトラス
スペース ランナウェイ イデオン アトラス
>>373 11人も予約してるんだ!
3日で終わらなくても誰も文句は言わないさ!
頑張ってくれ!
>>373 いつ終わってもいいから頑張れ!みんな期待してるんだ!
>374
フローラが放送直前でc−5の山岳地帯(アレフとルーシアを追う)>放送後は何処へ向かうか?
ピサロ達が、夜でc−5の北の山(筆談中=歩み止まってる)
作中で、各自の思考や行動の折り合いがつけれるなら、予約okだと思います。
>373
とりあえず、誰も予約してないから、書いていていいんじゃないか。
先越されても、避難所に没スレがある。
>>367-
>>370 新作乙です。
アトラスの闘争心に火がツイタ━(゚∀゚)━(∀゚ )━(゚ )━( )━( )━( ゚)━( ゚∀)━(゚∀゚)━ !!
しかも何かテーマソングまでついてるし!!
>>373 つ【世界樹の葉】
大丈夫!今までにも何作か間に合わなかった作品あるし、皆もマターリ待ちますよ!
俺もマターリ待ってますからがんばって下さい!!
ごめん、俺もバンプのKでアトラスの替え歌作ろうと思ったけど挫折w
正直、アトラス応援してるw
>>384 一日目夕方『炎、入り乱れて』の記述で「リアを人質にとられ〜」を
「無防備なリアを狙われ〜」に変更しました。
>>367-370 月よ、月よ…!で誤字がありました。訂正します。
>367(1/4)
11行目
>戦いに行くはずであった。だが、行く先に当て何はないのだ。気付けばただ夢中で走っていたのみ。
↓
戦いに行くはずであった。だが、行く先に当てはないのだ。気付けばただ夢中で走っていたのみ。
>369(3/4)
3行目
>あれが最後になってしまったゼットストリームアタック。
↓
>あれが最後になってしまったゼットスクリームアタック。
です。まとめさんお手数ですが、お願いします。
ゼットスクリームは作者さんに指摘されて気付きました。すみませんでした。
鯖復活したのかな?
書き上げたのですが作品の様子見も含め一時投下に落とします。検証よろしくお願いします。
>388
一日目、夕方、放送直前
・D-4/北側の森/ピサロ、フォズに『いてつく波動』を使い、起こす。
う〜ん、その後、手刀?で首筋を殴られてるけども・・・省略されてたほうが明快かなぁ?
>>389 あー、手刀で気絶見落としていました。念のために加筆しておきますね。
いてつく波動→手刀で起こしたって事ですよね。
一時投下スレにて意見を下さった皆様どうもありがとうございました。
鯖も安定してきたようなので、ピサロ、フォズ、フローラの投下いきます。
「さて、フォズ…といったか」
「は、はい」
突然に(その名を呼んだのは初めてのことだ)その名を呼ばれたフォズは驚いたようだった。
「当面の方針だが、近くで感じていた大きな魔力が一つ消失した。…その意味は分かるな?
その代わりといっては何だが、ここから北西の方角から僅かに魔力が感じ取れた」
「魔力というと、呪文の使い手…ですか?」
「恐らくそうだ。ちょうどC−4があと数時間で禁止エリアになるから、迂回する必要もある。
よってまずは北上し、北の森へ。その後西へと向かいながら随時魔力の持ち主を探し、接触を試みる。
山に続き森と辛いだろうが、しっかりついて来い。…また抱きかかえられたいのなら、それでも構わんがな」
「大丈夫です。ついて、いけます」
「そうか。では、行くぞ」
新たな目標を定め、アンバランスな二人は夜の山を往く。
――とは言ったものの、だ。
フォズに対し自らの首輪解除についての仮説を示し、さらにその為に行動を起こそうとしていたピサロであったが、
それとは別にもうひとつ、今回の「死者の数」を受けて思うところがあった。
僅か半日という期間であったにも関わらず、既に18もの命が失われていたこと。
ピサロが気になったのは、「あまりにも死者の数が多すぎるのではないか」、ということ。
もちろん、このゲームの参加者の中には自分のような魔族や魔物が何名か含まれていることも知っている。
中には、魔物に襲われてその命を散らした人間、人間に倒され命を散らした魔物も少なからず居たことだろう。
しかし、たかが数匹の魔物の活動のみで、ここまでの被害が出ているとは考え難い。
それはつまり、ゲームに乗り、人間を殺している人間が確実に存在していることを示しているに他ならない。
しえん
――「殺し合え」と言われて、簡単に同族を殺せる。人間とは、やはり愚かなものではないのか――?
フォズに問えば、確実に「違う、人間はそんなものではない」と反論されるだろう。
だがよくよく考えれば、ピサロがここで見かけた人間は、彼女を除けば悉くこのゲームに乗ったものでは無かったか。
例えば、既に二人を手にかけた金髪の天空の勇者。
例えば、魔王のかつての仲間、神官クリフト。
――果たして本当に「愚かでない人間」がこの地に存在し、なお生き残っているのか――?
残る生存者は25名。また翌朝までに、新たな死者が出るであろう。
死者が増えれば増えるほど、【シャナク】【アバカム】の使い手が死亡している可能性が増大する。
必然的に、彼が示した首輪解除方法の成功率は減少する。
死者が増えれば増えるほど、自らが手を下さねばならぬ数が減少し、優勝に当てる労力は少なくなる。
必然的に、彼が優勝出来る確率は上昇するし、そもそも首輪解除を目論む必要などなくなる。
ピサロにとって最優先は「ハーゴンを殺し、ロザリーの仇を討つ」ことである。
そのために彼は「ハーゴンに一泡吹かせるべく、首輪解除」という選択肢を選んでいるだけであり
「参加している人間たち全ての首輪を解除し、結束して脱出しよう」と試みているわけではない。
つまり彼にとっては「優勝者としてハーゴンのもとへ向かう」こともまた、選択肢のひとつである。
まして勝手に人間どもが殺し合い、その数を減らしていくというのなら…。
――目処は、私たちを含め10名といったところか。
もしこのままのペースで死者が増え行くのであれば、私はお前たちを滅ぼすことも考えねばならん。
証明してみよ、人間よ。お前たちが愚かな種族でないことを。
証明してみよ、人間よ。少女の言うことが真実であるということを――
フォズと出会い、抑えられたかに見えた魔王の中の大きな闇。それが再び静かに蠢きはじめていた。
〜〜〜〜〜
しえん
ふふ…ふふふふ…
ピサロが目指す北の森では、一人の女――ゼシカの姿を模したフローラが、笑いながら西へと歩みを進めていた。
やや右半身を気にした格好ではあったが、ゆっくりと確実に歩みを進めていた。
――先刻の放送にて。
リュカ様が死んだと告げられた。それは別に構わなかった。
愛する男を失った悲しみはあったが、優勝し、蘇生を願えばよかったから。
自ら彼を手にかける必要がなくなって、安堵しているくらいだった。
続いて、ビアンカが死んだと告げられた。
是非とも自らの手で仕留めてやろうとも思っていたからやや遺憾ではあったが、死は死だ。
もう二度とあの女の姿を見ることが無いと思うと、せいせいしたのだが…
許せないことが一つあった。
それはリュカとビアンカが「共に」に放送で呼ばれたこと。
無事に出会って死んだのか、それとも別々の場所で死んだのか。そんなことはもうどうでもいいとしても、
はっきりしているのはあの女がまたしても私を出し抜いてリュカ様の元へと向かったということ。
――現世で私から奪い取ったのに飽き足らず、死後の世界でまでリュカ様を奪おうというの?ビアンカ!
そんなこと許さない許さない許さないッ…!!
ちりちりと痛み出した火傷が、リュカ様を奪ったビアンカが私を嘲笑っているかのようで鬱陶しい。
もちろん二人を追って私も死ぬなんてことは考えてはいない。
あの女の居ない世界で、私はリュカ様との幸せを築いていくのだから。
その為には、このゲームに優勝しなければならないのだから。
しかし、このままで終わらせたくもない。何かあの女を唸らせる事柄はないかと思案を巡らせ…ふと、閃く。
レックスだ。リュカ様とビアンカの息子、レックスだ。
放送でその名は呼ばれていない、ということは、未だ生存してこの場にいるではないか。
リュカ様を引き連れて死んだビアンカは許せなかったが、あの女が現世に戻ることはもうない。
ならば、あの女が手出しできないこの現世の中でレックスを痛めつけてやろうと。
レックスだけは、徹底的に痛めつけて殺してやろうと。
ビアンカ本人に復讐することがかなわないのなら、ならばその息子にその憎しみをぶつけてやろうと。
ふふ…ふふふふ…
ビアンカ。どうか、指をくわえて見ていて下さいな。
痛めつけられるレックスを見ながら、先に逝ったことを大いに悔やむがいいわ。
そして感謝して頂戴ね。
あなたの大好きな息子さんを、私が貴方の元に連れて行ってあげるのだから。
リュカ様。どうか、ほんの少しだけお待ちくださいね。
すぐに私が優勝して、貴方のことを蘇生して差し上げますから。
そうしたら必ず、たっぷりと愛してくださいましね?
――そして、今。
元々追いかけていた逃避行二人の片割れ、ルーシアの名前が放送で呼ばれたことに興味はなかった。
「あら、あの男は助けられなかったのね」と思ったくらいで、
どの道男が生きている以上、追いかけて殺しに行かなきゃいけないことに変わりなかったから。
今やレックス以外の死は彼女にとって何の感慨も無く、人数が減ったという喜びしかもたらさない。
何故なら全ての参加者は彼女の優勝の為、輝かしい未来の為の贄に過ぎないのだから。
しえん
――決してフローラは狂ってはいない。むしろ冷静であるといえた。
例えば放送で名前を呼ばれたゼシカの姿を未だに模したままなのは
「死んだはずの少女が目の前に姿を現したとき、あの男がどんな反応をするか」を楽しみにしていたからだし
山岳地帯を抜けた後、平原を目指さずに半ば遠回りする格好でB−5の森の中を移動しているのも、
視界の効きにくい夜の森を通ることで不意の襲撃を未然に防ぎつつ、
逆に自らが他の参加者に対し不意を打ちやすいようにするのが目的であった。
では何をフローラがこれほどまでに突き動かしているのか。
それは愛する者を奪われた嫉妬、妬み。
愛する男を独占しようとするあまり、他者を消そうとする歪んだ欲望。
自らの半身を炎で大きく傷つけられた痛み、苦しみ。
年端も行かぬ少女から、心が醜いと罵られた怒り。
こういった誰しもが少なからず抱く負の感情が連鎖して出来た、大きな闇によるものに他ならない。
かつて良家の清楚なお嬢様であったフローラをここまで豹変させるに至ったのは。
すなわち彼女のこの大きな闇を作り出す原因となったのは、もちろんこのバトルロワイアルというゲーム。
――彼女もまた、この凄惨なゲームの被害者の一人である。
支援!
しえん
【C-5/北側の山/夜】
【ピサロ@DQ4】
[状態]:健康 MP6/7程度
[装備]:鎖鎌 闇の衣 アサシンダガー
[道具]:エルフの飲み薬(満タン) 支給品一式 首輪二個
[思考]:ロザリーの仇討ち ハーゴンの抹殺 襲撃者には、それなりの対応をする
【シャナク】【アバカム】の使い手を捜す 更なる首輪解除方法調査
北西の方角に居る魔力の持ち主を探し、接触する
首輪解除の目処が立たずに生存者が10名を切ったら、ゲームに乗ることも視野に――?
【フォズ@DQ7】
[状態]:疲労(時間経過で回復)
[装備]:天罰の杖
[道具]:炎の盾 アルスのトカゲ(レオン) 支給品一式
[思考]:ゲームには乗らない ピサロを導く
【B-5/西側の森林地帯/夜】
【フローラ@DQ5】
[状態]:HP MP:睡眠をとり回復 ゼシカに変化 顔から右半身にかけて火傷の跡 徐々に火傷から痛み
[装備]:山彦の帽子 毒針 ベレッタM92(残弾15)
[道具]:変化の杖 マガジン(装弾数15)×1 神鳥の杖 エッチな下着 未確認(一つ)
[思考]:逃げたアレフを追い、殺す ゲームに乗る(ただしレックスのみ痛めつけて殺す)
永遠の若さとリュカの蘇生を願う
※フローラの火傷には定期的な回復治療が必要です。 治療しないと半日後くらいからじわじわと痛みだし、悪化します。
完治にはメガザル、超万能薬、世界樹の雫級の方法が必要です。
投下乙です!
フローラカッコよすぎで惚れそう(*´Д`)
投下完了です。
なんかフローラが回数を重ねるごとにクールなサイコキャラになってますね!
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
乙!
なんだか、マーダー化しそうだな、ピサロ・・・w
それはそれで面白そうw
乙!
よく修正したな。面白かった!
長い長い死者のリストが紡がれ終えて、アレンは小さく息をついた。
彼の歩む道を変えさせた、その名を継いだ少年の名が呼ばれたことには感傷を。
眷属なる竜の名が呼ばれなかったことには安堵を。
かの少年の祖にして、宿敵なる勇者の名が呼ばれなかったことには到底言葉にはし尽くせぬ複雑な情を。そして――
隣でふうと大きく溜息をつくのが聞こえて、ふつとアレンの物思いは途切れた。
「誰ぞ、知己でも呼ばれたか」
「……ええ。まぁ、そうです」
トルネコはうっそりと笑う。
いかにも商人らしい、人好きのするいつもの笑顔も、今は流石に曇り、精彩を欠いていた。
そうか、と短く答えてアレンはそれ以上問いを重ねようとはしなかった。
気遣いなのか、ただ単に興味が失せただけかは分からなかったが、トルネコにはそれが有難かった。
(しかし、魔族の方というのは皆さんこのように寡黙な性質なんですかね)
ごく短い間なれど共に旅した魔王を思って、トルネコはまたも溜息をつく。
此処に連れて来られてまだ半日。
その半日ばかりの間に、トルネコの知る人はもう三人も死んでしまった。
ロザリー。見せしめに主催者に殺された、エルフの乙女にして魔王の想い人。
朝露に濡れた若葉の瞳が、咲き初めの薔薇のような可憐な唇が、
どんよりと曇り、何かを言いたげに開いたまま空を仰ぐのを、魔王の嘆きを思い出し、トルネコは身震いした。
魔王は――ピサロは、かの乙女を深く愛していた。
だからこそ、恐ろしい。
かつて彼女を失った時、禁断の秘術に手を出し、身も心も化け物と成り果ててしまったように、
再びの彼女の死が、またも彼を狂わせてしまったのではないか、と。
(どうか、ロザリーさん。彼が道を違えないよう、見守っていてあげて下さい)
ピサロの魔力と知識は、此処から脱出するにしても、主催者と戦うにしても、大きな助けとなるだろう。
そんな打算としても、仲間の情としても、彼が狂気に魅入られていないことを願わずにはいられない。
ルーシア。空から落ちてきた天空人の娘。
彼女がたまたまそうだったのか、それとも古くから地上と関わることを禁忌としていたためか、
どうにも世間知らずでぼんやりとした、不思議な少女だった。
異邦である地上に一人落ちて、不安でないはずもなかろうに、
そんなことよりも初めて見聞きするものに目を輝かせていたことを覚えている。
その好奇心旺盛なところが、かのおてんば姫と気が合った所以なのかもしれない。
そう、そしてもう一人。
(まさか、アリーナさんが亡くなられるとは)
自分と同じ“導かれし者”として、長らく同じ旅路を辿った少女の名は、トルネコをひどく打ちのめした。
故郷を、親を、師を、幼なじみを失った勇者に、父の仇討ちを誓ったジプシー姉妹。
ともすれば重くなりがちな道行を和ませたのはアリーナだった。
彼女自身も重い使命を抱えていたのに、そんなことはおくびにも出さず、いつも明るく振舞っていた。
そう、魔王の同行が決まった時も、どう接するべきか考えあぐねていたトルネコたちを尻目に、彼女は真っ先に魔王に微笑み掛けた。
思えば、それで皆はピサロを受け容れたのだ。
故郷を奪われた勇者と、父を、国民を奪われたアリーナと。
二人が彼を許すと言うなら、自分たちには断罪する権利はない。
本来なら、王城の奥深くで絹と天鵞絨に包まれて過ごしていたはずの高貴な身分、可憐な少女の姿に、誇り高い、猛き戦士の魂を持った姫君。
気がかりなのは、そのアリーナを妹のように、そして女性として慈しみ、愛していた若き神官のことだった。
クリフトは決して頭は悪くないが、生真面目な性質故か、少しばかり暴走しがちなところがある。
アリーナの訃報を聞いて、思い余って自害でもしていなければいいが。
と、背後で小さく身じろぐ気配。
振り返ればちょうど少女が身を起こすところだった。
細い首に刻まれた魔物の爪痕が何とも痛々しい。
少女はまだぼんやりした様子で、所在なさげにおろおろと辺りを見回し、トルネコを見上げた。
「……ビアンカさんは?」
「はて、それは」
誰のことですか、と聞き返しかけて、それが女性の名であることと、少女の縋るような目に、ぴんときた。
――では、これはあの勇敢な娘さんの名前か。
トルネコを、少女を庇い、命を落とした女性。
せめてきちんと葬ってやりたかったが、魔物の自爆呪文に巻き込まれ、遺品どころか遺体の一片すらも残ってはいなかった。
沈黙と顔色から察したのだろう、少女の眼にみるみる涙が溜まり、トルネコは慌てた。
「ああ、お願いですから泣かないで下さいよ。えーと……リアちゃん、でしたかな?」
女性が少女を呼んでいた名を記憶の中から引っ張り出して、
昔息子をあやした時のようにリアの背中をそっと撫でる。
「私にも息子がいましてね。だから子供に泣かれるのは辛いんですよ」
『私にもね、子供がいるの。リアちゃんの方がちょっとお姉さんかな』
その声に、ビアンカの言葉が重なって、リアはぎゅっと目を瞑った。
『男の子と女の子の双子でね、レックスは――息子は一緒に此処に連れて来られちゃったんだけど。
お父さん似のすごい癖毛で、でも私と同じ色彩をしてて』
優しく背中を撫でながら、『ねえ、リアちゃん』とビアンカは歌うように言った。
『あの子と会えたら、仲良くしてあげてね』
今もリアを撫でてくれる優しい手はあるけれど、それはもう彼女ではない。
しえん
促されるままに暫く啜り泣き、ようやく気分が落ち着くと、
自分がもっと小さい子供のようにぐずっていたことが急に気恥ずかしくなって、
リアはそっとたっぷりした腹を押しやった。
「もう大丈夫ですか?」
「うん。……あの、ごめんなさい。助けてもらったのに急に泣き出したりして」
「いいんですよ。それに、私もアレンさんに助けられたようなものですからね」
アレンの名に、リアははっと顔を上げた。
気を失う寸前に見た、自分を庇う背中。あれは幻ではなかったというのか。
「そうだ、まだ名前を言っていませんでしたね。
私はトルネコ。そしてあちらが」
(アレンお兄ちゃん!)
勢い込んで振り向いたその先にいたのは、しかしリアの知るアレンではなく。
「……違う」
我知らず零れた言葉に、リアの知らないアレンがすっと目を細めた。
「では、そなたはアレンの知己か」
「アレンお兄ちゃんはお兄ちゃんの仲間だったの。
……アレンお兄ちゃんは?」
「ちょ、アレンさん?リアちゃん?私には何が何だかさっぱり」
割って入ろうとするトルネコを手で制し、
答えを聞くまでは意地でも引かぬ、とばかりにきつくこちらを睨み付けるリアを見遣って、アレンは溜息をついた。
「アレンは死んだ」
「……嘘」
「誰がそのような嘘をつくものか。
我は竜王。奴に人と力を合わせてくれと頼まれ、その遺志と名を継いだ者よ」
ふるふると頭を振るリアに名簿を突き付ける。
怯えたような視線がのろのろと名簿に下りて、朱で線を引かれたアレンの姿絵と、そして隣り合わせの頁の、同じように消された兄の姿絵を見とめて、リアは引き攣ったような悲鳴を上げた。
無理に声を堪えようとして上手く息を吸えず、軽く咳込む。
途端、またも涙が零れて、此処に連れて来られてから本当に泣いてばかりだと自分自身に嫌気がさす。
『駄目だよ、お前は』
ふと、兄の言葉を思い出した。
おいてけぼりは嫌。私も一緒に行きたい、一緒に戦いたい。
駄々をこねる度、兄は笑ってそう言った。
『リアはまだ小さいから』
『リアは女の子だから』
『リアは長子じゃないから』
理由は毎回違ったけれど、最後の言葉はいつも同じ。
本当は、そんなに嫌ではなかった。
おいてけぼりは寂しかったけど、兄が自分を心配して言ってくれるのだと思えば、それも嬉しかったから。
――だけど。
(お兄ちゃんたちだって、あたしと五つも違わないのに)
(マリアお姉ちゃんは女の子だけど、立派に戦ってるのに)
(いちばん上の子供じゃないからいけないって、なんで?)
しえん
結局そんなのは言い訳に過ぎなくて、結局はリアが泣き虫で、力が足りないからなのだ。
リアは満足に武器も扱えない。呪文もろくに唱えられない。
それで今まで不自由したことはなかった、これまでは。
でも、自分に力があったら、兄は、アレンは、死なずに済んだのではないか。
少なくとも、あの時自分が悲鳴を上げなければ、魔物に見つかることはなかったのだ。
そうすれば、もっと上手く魔物を撃退できて、ビアンカは死ななかったかもしれない。
(強く、なりたい)
兄たちに並びたいとは言わない。魔物を倒せるようになりたいとも言わない。
でも、せめて誰かの足手まといにならないだけの強さが欲しい。
次から次へと溢れる涙を袖口で乱暴に拭う。
擦りすぎて目は痛いけれど、たとえ真っ赤な目をしていたところで一国の姫君ともあろう者がと大仰に嘆いてみせる女官たちはいないのだから、どうでもいい。
心配げにトルネコがこちらを覗き込むが、リアは首を振り、ザックを抱えて座り込んだ。
(風のマント、ちゃんとマリアお姉ちゃんに届けてあげなきゃ)
「あたしだって、ロトの末裔だもの。勇者アレフとローラ姫の子孫だもの」
だから大丈夫だと自分に言い聞かせて、リアは目を閉じた。
安らかな眠りは、なかなか訪れてくれそうにはなかったけれど。
二人から少し離れたところの幹に背を預け、アレンはふんと鼻を鳴らした。
リアにアレンを死に至らしめたのは自分なのだと告げなかったのは、別に断罪を恐れたためではない。
その事実にリアが自分を憎むのはいい。が、共に行動することを拒まれては困る。
トルネコがリアについていくとしても、彼は機転は利くが護衛としては心もとない。
リアがアレンの知己だというなら、彼女を預けるに足る人物が現れるまでは自分が守ってやらねばならぬだろう。
リアがかの姫の血を引いていると言うなら、尚更。
(ローラ姫、か)
瞳の色こそ違うものの、色の濃い金髪に、くるくると楽しげに渦巻く巻き毛。
幼いながらに整った目鼻立ちも、少しばかり気の強い性分も、確かにその面影を宿していた。
光を生きる人の子と、闇を生きる魔の者と。
決して相容れぬ定めにおいて、ただ一人彼の心を打った人族の王女。
いや、その定め故に心惹かれるのかもしれない。
夜が朝を待ち焦がれるように、闇は光に恋焦がれる。
空を仰ぐ。
暮れたばかりの闇は深く、夜は長い。
魔の者にとっては夜こそその領域とするものではあったが、
かの光の姫を思い浮かべた今となっては、ただ朝が待ち遠しかった。
【D-2/森林地帯/夜】
【トルネコ@DQ4】
[状態]:HP1/10 軽い火傷 打撲 擦り傷
[装備]:氷の刃 ※無線インカム
[道具]:まほうのカガミ 引き寄せの杖(4) 飛びつきの杖(4)
他1つ 支給品一式×3ワイヤー(焦げて強度は弱くなっている)
[思考]:休む アリアハンへ向かう アリスや他の参加者に危機を伝える
【アレン(竜王)@DQ1】
[状態]:HP1/5
[装備]:竜神王の剣 まふうじの杖
[道具]:プラチナソード ロトの盾 ラーの鏡
[思考]:傷を癒す この儀式を阻止する アレンの遺志を継ぐ
【リア@DQ2サマルトリア王女】
[状態]:首に多少のダメージ
[装備]:なし
[道具]:風のマント 支給品一式(不明の品が1〜0個)
[思考]:休息をとる マリアに会って風のマントを返す
投下完了です。不備等ございましたらご指摘の程、よろしくお願い致します
乙・・・。
ひょっとしてこの題名って、、、いや、野暮だな、うん。
乙〜。
乙です。
状態をよく見ると、意外とこのパーティー危険なんですね。バズズの傷跡くっきり。
まだ回りに人がいないっていうのがせめてもの救いっすね。
そこにアトラスが来る。
携帯からなんで別人っぽいけど言い忘れたので。支援有難うございました。
したらばでそれ友の修正点挙げて下さった方も有難うございます。
>>419 「やたらよく見掛けるタイトルだけど、一回くらい使ってみるか」
ってことで、実は元ネタ知りませんw何なんですかコレ。
じゃ、消えます。
おつかれw
>>422 キルケゴールでググれば判るよ
真っ先にエヴァを思い浮かべる人もいるかもしれないけど
体力無いわりには結構元気そうだな。
422キルケゴールの「死に至る病」っていう哲学書のことね。
やっぱり10人以上はかなりかかるんだろうな
wktk
放送後、誰からも予約されてない
可哀想なマルチェロを予約しても良いだろうか…。
どうぞ〜がんがれ〜
あ、ほんとだ。>282にはマルチェロいなかったんだな。
アリアハン組、総出演かと思ってた。
マルチェロ、かわいそす(´・ω・`)
マルチェロは一人だけ孤立してるからな…。
>>424、426
どうもです。人物は知ってるのに書名知らないのは哲学寝てたからなんだろうなあw
そして放置プレイ喰らってたマルチェロに期待。428ガンガレ!
マルチエロはこれから化けると思ってる。
マルチなエロかよw
吹いたw
放送後のあらすじをざっとまとめてみますた。
LuLa LuLa 神の目届かぬ
LuLa LuLa エリアで祈り
ステルスマーダー信じて ピサロは誰の味方?
どうしてこんなに気絶の俺 カコ(・∀・)イイ!出番を待ってるの
教えて不吉な未来
Moon Lights Moon Light Crazy!
LuLa LuLa Dの2地点で 目覚めの王女が決意し
切なく広げた名簿は二人に線があるよ
抱き締めたいから愛しい姫 もうキレないでね同士討ちフラグ
不思議な言葉の意味は首輪解除フラグ!
Dangerous Land
ようこそ 君らは
Crazy Land
シドーの餌なの
Fight Only?
毎日じわじわ殺しの誘惑
Save for you
耐えてね 今夜は
kill for yuu
外に巨人のコーラス 君には空耳?
殺戮 殺戮の声
みんなガンガレ!
ご迷惑おかけしてます。
>>282で大量予約したものです。
計11人が入り乱れるとさすがに書いても書いても終わらず途方にくれてます。
かなり長くなってしまっている為既に2話に分けざるを得ない状態です。
1話だけなら今すぐにでも投下できる状態なのですが、どうしようか悩んでいます。
1、前編だけすぐに投下して後編は後日投下する。
2、後編を書き上げてから2話一気に投下する。(もちろん他の書き手さんを制限するものではない。
3、長すぎる話はリレーにもとるから没。
本当にすいませんが、どうすればいいでしょうか……。
個人的には早く続き読んでみたいし1かな。
と思ったが、他の書き手の事も考えると2が懸命かも。
兎も角乙。兎も角無理せずガンガレ
前編投下してみたら?
理由はいろいろあるけどその方がよいかと
DQロワ初の前後編ktkr
大歓迎ですぞ!!
>>438 個人的には、前編だけ先に投下しても紛らわしくなりそうなので
2.『後編を書き上げてから2話一気に投下する』
が良いとおもいます。
そっちの方が読み手も書き手もスッキリするし。
こっちは気長にマターリ待ってます。
わかりました。
それでは後編を書き上げてから投下することにします。
しばし時間かかると思いますが、ご容赦ください。
また、これは他の書き手さんが書くのを牽制、制限するのものではありません。
ここの場面を書きたい方は遠慮なく予約、もしくは投下をどうぞ。私には没ネタスレという味方がいますし。
それでは失礼します。
>443
心配するな、こちらも、同様に没ネタスレがある。フフフ・・・。
>>443 むしろこっちは没ネタに投下する気マンマンで書いてるから、安心してこっちに投下してくれw
ビシッと一発でこっちに投下してくれよ!
いや、一度前編だけでも試験投下したほうがいいんじゃないかな
もし前編に矛盾があったら後編まで連鎖的に修正しなきゃいけないかも知れないし、最悪没の可能性だってある
力作だけに石橋は叩いとくべきじゃないかな
443ガンガレ!
ピサロとフォズ、予約します
>447
そんな時こそ、避難所の投下用SS一時置き場 へ。
>450 >451
やめたほうが^^
テンション上がりすぎて、書き手さんが、作品に手が付かなくなるんじゃないか?w
それじゃ、
つ【安らぎのローブ】
これで気合いは十分、されど心は静かに水を湛えた水面のように!
―明鏡止水の境地だNE!
455ナイスアイデア。
つ【あぶない水着】
つ【えっちなほん】
…ガンガレ!
上手く纏まらない&時間がないので
マルチェロの予約を破棄します。スマソ。
>459
おつ。
マルチェロは、他のアリアハン組と同じ地域に居るから、下手に動かせない。
イキナリ登場した方がインパクトありそうな気もするし。
今のはマダンテではない。イオだ。
462なにににに!
ところで、マルチェロって皆殺しの剣の刃を腕に巻きつけてたよね?
あれってカタールみたいなイメージでいいのかな?
SS書こうと思ってDQ8を最初からやり直しているが、個人的にマルチェロのキャラが掴みにくくて 未だに書けない…
今のはイオではない。マダンテだ。
466ちょwww
突然の過疎期だな
保守
みんな待っているのさ!
新作待ちつつ小ネタ投下
ククール「ハッサン、おっさん。俺達、何としてでもマリア王女を守ってやらないとな…!」
トロデ「うむ、立て続けに仲間を二人も失って気の毒にのぅ…。
今ではハーゴンと戦った勇者はマリア王女だけじゃ」
ハッサン「あぁ!女子供を守れない様じゃバーバラやミレーユに申し訳が立たねぇ!」
ククール「そうじゃねぇ!俺らの紅一点超プリティーアイドル、マリア姫がいなくなったら…
どんなにタンバリン叩いても足りないくらいテンション下がるじゃねーか!!」
ハッサン「ちょwwwwwwwwおまwwwwwwwwww」
トロデ「ククールよ…あの呪われた子供の事も忘れるでないぞ…」
472 :
予約状況:2006/06/24(土) 00:01:33 ID:o7Tx/DzF0
ピサロとフォズ
(バーサーカー、トロデ、ククール、ハッサン、マリア、レックス、アリス、カンダタ、クリフト、テリー、ヒミコ。作者は一度予約破棄しかけたが、読み手は皆マターリ待っているぽい)
471ククール…。
補修
バラス良く進めないと、後で辻褄合わせが大変だからなぁ。
現状で隙間生めようとすると、自己リレーになってしまう。
バレないなら自己リレーは許される。
バレたらアウト。
月曜日になったらアリアハン組の誰かを予約しようと思う
土日は待ちます
土日が峠だな
修羅場修羅場
二日あればなんとかなる!踏ん張れ踏ん張れ!
補習
頑張れ!
進行状況が解らないのがツラいな
>475
他の上手い書き手さんは兎も角、私はぜって―ばれる自身がある・・・。
ここの書き手さんは、上手くても露骨に癖のある人が多いからなぁ…。
いや、プロの書き手さんだってこの人の文章ってのがあるんだから、
上手い下手じゃないと思うよ。
まぁ、癖がわかってるなら、意識的にそれを回避すればいいのかもだけど。
チラシの裏
トルネコ組とローラ組でそれぞれ話を書きたいなぁと思って構想を練ってるけど、なかなかまとまらねーw
どっちかに集中したらいいんだろうけど、他にもやりたいことがあるしで全然集中できねぇwwwww
バレるも何も堂々自己リレーしてしまったことのある私が投下いきますよ。
癖って治らないから癖だよね。分かってるんだけどねorz
とてとて、ぱたぱた。
ぜいぜいと息を切らし、それでも遅れまいと懸命に後を追う軽い足音。
ろくに足下も見えぬ闇の中、険しい山道を行くのは大人の足でも容易くはない。
まして子供の足なら、尚更。
どうせすぐに根を上げるだろうと放っていたが、フォズは弱音一つ吐かずピサロの後ろをついてくる。
大人の男、しかも長身のピサロのペースに、幼い娘が合わせるのはたとえ平地であっても容易ではなかろうに。
なかなかに強情な娘だ、とピサロは内心舌を巻き、
ずべっ
ああ、また転んだ。
魔族故の長く尖った鋭敏な耳が小さな音を捉えて、彼はフォズに気取られぬようひっそりと溜息を落とした。
大方地面の窪みか、下草にでも足をとられたのだろう。
闇に生を受けた彼らとは違い、人間の眼は闇夜を行くにはまるで向いていないのだから。
ちらりと背後を窺えば、フォズはぎゅっと唇を引き結び、僧衣に付着した草切れを叩き落としていた。
その掌にはじんわりと血が滲んでいる。
肩に陣取った仔蜥蜴が慰めるようにちろと頬を舐めると、娘の口元が僅かに綻ぶ。
「心配してくれるんですか?レオンさん。
大丈夫ですよ。ちょっと転んでしまっただけで、まだ歩けますから」
それでも、この上まだ己の足で歩き続けるつもりらしい。
まったく、なんと強情で――だが気丈な娘だろうか。
彼女自身、一度同胞たる人間に命を脅かされている。
年齢の割には分別もある、頭の良い娘だ。
この死者の数に思うところもあろうに、それでも娘は人間を信じ、なおも歩み続けようという。
だが、いかに心が前を向いていようとも、体力の不足ばかりはいかんともし難い。
「……フォズ」
「あ、はいっ」
溜息交じりに名を呼ぶと、娘はぱっと顔を上げた。
足を止めさせたことを咎められるとでも思ったのか、申し訳なさそうにこちらを見上げるその姿は、まるで主人の顔色を窺う仔犬のようで、
思わず笑みが漏れる。
「ピサロさん?」
首を傾げて問うその姿も、またひどく小動物じみてあどけない。
(――あれも、こうやって笑う娘だった)
『ピサロさま』
ほんの少し首を傾げて、あどけなく笑うエルフの娘。
わずか、半日。
長命を誇る魔族の彼には勿論、定命なる人の子にも長いとは言えぬ時間。
だが、彼の愛しい娘は既に亡く、ピサロは彼女の仇を討つことばかりを考えている。
主催の裏を掻き、脱出することが不可能ならば、他の参加者を殺し尽くしてでも。
(そうしたら、この娘も殺すことになるのか)
途端、湧き上がる何とも形容しかねる不快の念に、唇が歪む。
以前は、人間を殺すことに何の躊躇いも覚えなかったというのに。
彼を異形から引き戻した恋人の涙が、
勇者と、その仲間たちと共に過ごした生温い、だが決して不快ではなかった時間が、
そして、「貴方の代わりに泣くのだ」と涙を流した娘の言葉が、
彼の魔王たる魂を、確実に変質させていた。
(まあ、いい)
今考えずとも、自ずと答えは出るのだ。
このまま手立てが見つからぬまま時が過ぎ、人がその数を減じ、道を決めるその時に。
かぶりを振って物思いを振り払い、フォズに向かって手を差し出す。
その意図が読めずに、フォズはきょとんと目を見開いて彼の手と、顔とを交互に見比べて、
ようやく合点がいってきゅうと眉を顰めた。
「まだ、大丈夫です」
「足場が悪い。昼ならともかく、私が抱いて行った方が早い」
「でも、ピサロさんだってお疲れでしょう?」
ぐずぐず泣かれるのは困るが、芯が強いというのも考え物ではある。
このような問答で使う時間も惜しい。なかなか首を縦に振らぬ娘に、焦れてピサロは手を伸ばし、
かぷ。
「あ、駄目です!レオンさん」
無言で軽く手を振る。が、仔蜥蜴は大きく開いた口にしっかりとピサロの指をくわえ込み、だらりとぶら下がったまま。
見下ろせばそのぎょろりとした目がこちらを睨み付けていて、ピサロは憮然とした。
これに咬まれるのは二度目になる。
別に好かれたいというわけでもなし、実害も無いがこう敵視されるのも面白くない。
もともとはフォズの知り合いの持ち物だと聞いていたが、彼女を仮の主人としている関係で彼を警戒しているのか、
それとも小なりとはいえ蜥蜴も竜の眷属であるから、竜の神に反逆を企てた彼を敵視しているのかは分からぬが。
「ほら、口を離して下さい」
フォズが軽く尾を引くと、仔蜥蜴は大人しく彼女の腕を伝い、襟元へ滑り込んでいった。
そして、しばしその場には微妙な沈黙だけが残される。
「……えと、私まだ歩けますから。これ以上ご迷惑をかけるわけには」
「別にお前のためというわけではない。
お前のペースに合わせていてはいつまで経っても山を越えられん」
森に近付けば近付くほど草は茂り、足下はますます不確かになる。
その上下りの山道は滑りやすい。バランスの悪い子供の身体なら尚更だろう。
いいから来い、と腕を伸ばすと、娘は躊躇いながらもその手を取る。
痩身なれど、もとより人間とはつくりの違うピサロの腕には、子供一人の重さ程度どうということはない。
軽々と片腕で娘の身体を抱き上げ、歩き出す。
やはり疲労していたのだろう、落ちないように首にしっかりと手を回しフォズはほうと息をつく。
「ごめんなさい」
「別にお前のためではない、と言っただろう」
「はい。でも……ありがとうございます」
世話が焼ける娘だ、と小さく呟いてピサロは顔を背けた。
だから魔王は腕に抱いた娘が頬を染めて微笑んでいるのに気付かなかったし、
娘は俯いていたから、呟いた魔王の口元が微かに綻んでいる事に気付かなかった。
これは、ただそれだけのおはなし。
【C-5/北側の山/夜】
【ピサロ@DQ4】
[状態]:健康 MP6/7程度
[装備]:鎖鎌 闇の衣 アサシンダガー
[道具]:エルフの飲み薬(満タン) 支給品一式 首輪二個
[思考]:ロザリーの仇討ち ハーゴンの抹殺 襲撃者には、それなりの対応をする
【シャナク】【アバカム】の使い手を捜す 更なる首輪解除方法調査
北西の方角に居る魔力の持ち主を探し、接触する
首輪解除の目処が立たずに生存者が10名を切ったら、ゲームに乗ることも視野に――?
【フォズ@DQ7】
[状態]:疲労(時間経過で回復)
[装備]:天罰の杖
[道具]:炎の盾 アルスのトカゲ(レオン) 支給品一式
[思考]:ゲームには乗らない ピサロを導く
投下完了です。不備等ございましたらご指摘のほどよろしくお願い致します。
癖ってどうすれば治るんでしょうか。
同じ言い回しとか同じ形容とか、明らかに語彙が足りないとは思うのですがorz
乙!!
癖かぁ。
同じ間隔で句読点を打たない。良く使ってしまう言葉を、辞書で他の言葉をさがす。ぐらいか?
私は一生治らない・・・かもw。
乙!
癖を無理に変えようとすると、スランプになりますよ。
中途半端にやると、自分のスタイルに戻れなくなるんで……。
まぁ、これは自分の場合ですけど。
後、自分も堂々と自己リレーしたことがあります。
癖ではなく個性と思いなされ
各々の持ち味で勝負するのが一番
必要以上に難しい語彙にするとかえって読みづらくなるしね
乙!
ヒロイン的キャラが枯渇中だが少女勢頑張ってくれ!
ピサロが本当にロリコンになってしまいそうだw
ピサロのイメージがwww
新作乙です。見てるだけの私がいうのも難ですが、癖というのはそのままその書き手の特徴だと思うので、あまり気にしない方がいいと思います。
あぁ、こりゃ確かに情緒不安定と言うだけのことはあるわ。
なんつうか、ピサロ、ロリコン派と魔王派がいるんだな。
個人的に同じほのぼのでもローラ・ゴンは好きだけどピサロ・フォズは何か嫌い。
最初にピサロ・フォズと書いた人と同じなのかなぁと思って、
(あの話からすっげー嫌いになった)
◆inu/rT8YOU で過去ログを検索したらものすっごい出てきた○| ̄|_ やらなきゃよかった…
ちにゃみに、>485の感想は、
ピサロ・フォズは嫌いだから、あまり読みたくなかったけど、読んだら面白いじゃん!引き込まれる!―でした。
引き合いに出すと、僕は久美先生の小説も嗜好で言えば好きじゃなくて、だけど読んでみたら面白い、引き込まれる!
―なので、ただの僕の嗜好です。
ピサロってロザリーを愛しちゃいるけど、彼女の言うことを聞いたわけでもなし、彼女に優しくしてあげたわけでもなし、
情緒的に優しく愛でるような愛し方をする奴と思えないんだけど。
他人のために自分自身の行動を思い悩むなんて、本当にピサロが悩んでるんじゃなくて、
作者に無理矢理、そう思わされてるようにしか見えなかった。
ピサロってロザリーにやめれって言われても彼女を放って人間滅ぼすって出て行った奴だし、
やるとなったらやる奴、殺さないなら殺さないでいいけど、ウジウジ悩んだりしないよなぁ…。
なんか作者の「展開に対する言い訳」にしか見えなかったんだよね。
ごめん、後半はこの話の感想じゃないです。
魔王でありながら枷をつけられる屈辱を受け、愛する人を目の前で殺されながら、
随分と余裕のある甘々お優しい魔王様が嫌いなんです。
なかなか手厳しい意見だなあ。
でも、こうやって考え方の異なる書き手同士でピサロの描写を積み重ねることで最終的に見えてくるものがあると信じたい。
「嫌いだー」と言わずどうか見守ってはいただけないでしょーか。
ちなみに自分は冷徹な魔王ぶりとフォズを愛でるロリコンぶりをあわせてひとつのドラクエロワのピサロとと認識してますよ。
ところで週末過ぎたらアリアハン予約しなおすって人がいたんだけど、そしたら予約解禁ってことでいいのかな?
自分も没スレ投下用に暖めてたのがひとつあるんだけども、本投下できるならそれはそれで嬉しい。
10人以上予約した人の努力が無になるのは気の毒だがお約束だからな
いいんじゃなかろか
アリアハン組の大量予約者が、>443 と言っているし、
月曜まで待ってみて、早い者勝ちで予約or投下でいいじゃね?
前半だけ投下するかどうかは>443次第で。
チラシの裏
私の「ゲーム」で銀の魔王は、ロザリーに対する態度とか、勇者1人殺害の為に村全滅させり、「非情」ではなく「身勝手な性格」と脳内補完。
勇者と仲間を組むのだって、それまで彼がしたことを思えば、相当身勝手なお願いだと。
だから、ロリでもいい「自分勝手」な魔王様の片鱗が残ってるならおk。
ロザリーが死んで、某神官の手の平で踊らされてた「屈辱の記憶」があるから、迂闊にゲームに乗れないとかね。
対等な口を聞く相手(勇者の仲間)の影響が、どのくらいあるのか。
まあ、BRはBRの性格になるだろうし、魔王様の性格は、みんなと探っていきたいとおもふ。
>>501 そうそう、身勝手、身勝手!
激しく同意。
優しすぎるんだよな。
まだ優しいだけならいいんだけど、それに対してウジウジ悩んだりあちこちふらふらするのがらしくないんだよな。
死ぬときに判明しそうな気がしなくもない・・・w
>502
ずっと甘々でいられるほど、BRは優しくないんで、マターリといきましょうやw
もし、ピサロがゲーム本編で戦う前から、一人で勝手に
『やっぱり人間を滅ぼそうなんてやめときゃよかった…』なんて後悔したり、
『勇者を殺すためとは言え、あんなことやこんなことをして良かったんだろうか…』なんて悩んだり、
『なんで俺はあのロザリーヒルから出てしまったんだ…』なんて、
自分の行動に疑問を持ったりしてたら超イヤだよな。
もうむっちゃやるせない。
>505
想像したら、アイスコーヒー吹いちゃったじゃないかw
白いTシャツ着てたのに・・・。
>507
気持ちはわかるが、「>>」使わず、「>」使いなさい。容量でかくなるからw
それと、一言だけの感想ヤメレw
ssの感想なら短い方がいいんだがな。
まだ、コレから先もあるし、マターリ行きましょうや。
>508
了解。
「>>」でなくて「>」を使ってることに今更気付いた。
きっとピサロはお城でうっかり「やさしくなれる本」を読んじゃったんだよ!
俺も
>>485は単にピサロの軌道修正のためだけの話に見えた。たいした動きもないし。
なんかピサロの話ってマーダーにしたい人とそうでない人が
代わる代わる軌道修正してるように見えてちょっと萎えるんだよね。
単体で見るとどれもよくできたいい話なんだけどさ。
てか、せっかく初のマーダーピサロになりそうだったのに
結局いつもどおりになるのはちともったいない気がするんだが。
性格が云々言うならレックスやフローラあたりの方がよっぽどきっついのに
ピサロのことでここまで話が続くのにはちと驚いた。ま、いいんだけどさ。
DQロワはこれが初回ですよ
先入観は捨てましょう
>512
でもそれがリレー小説の醍醐味>代わる代わる軌道修正
>515 >514
同意。
まあ、あんまり軌道修正できなほどに、分裂が見苦しいようだったら、ピサロが死ぬ話を書くつもりです。
マーダーより、インパクトあるっしょ?w
キャラの生死を公言されるほうがよっぽど萎えると言ってみる。
展開予想や死亡フラグが云々ってのはいいけど、見苦しかったら殺すって、ちょっと…
大丈夫、ここで出てきたネタバレって実現することはほとんどないから。
実現するにしても、読み終えるまで分からんし。
>517
死亡うんぬんは、ここで言うコトではありませんでした。
>516
悪乗りしすぎました、すいません。
矛盾が無いなら良いと思うんだけどね。
PS版真ED後だから、ロザリー生き返してもらったり、ユーリル一行と旅をしたりで
正確丸くなってると思ってるから、違和感は無かったけど…。
俺はDQ4の知識は4コマでしかないから
ピサロも真っ先に牧野ピサロのイメージがw
あのなぁピー坊w
521 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/26(月) 00:14:09 ID:/KA3o3g/0
なんじゃももんじゃ
書き手さんそろそろ投下お願いしますぅ〜 待ち遠しいーwktk
何とか完成までこぎつけました。
しかしかなり長くなった上に内容的に微妙になったので一度SS一時置き場に落とします。
>522
おぉ、来たか!!
間に合わないかと思ったぜ。
投下されるとレス出来なくなるから、今のうちにしとこ。
>513
レックスやフローラは一貫してるけど、ピサロは書き手によって右往左往してるからね。
それがそろそろひどくなってきた、と。
PS版だと迷いがあるキャラだからな。
FFDQのほうも、いつも最初のころはブレてるし、書き手によって右往左往するのも仕方ないかも。
人気あるしね。
にしても投下スレの前編、手に汗握る展開だな。
マーダー5人が大混戦か。
アリス・・・。好きだ。いろんな意味で。
6勢全滅一番乗り(つД⊂)
そういうのは、こっちに投下されてから言おうな>526
あいすまなんだ
エイト、キーファ、アレフ、ローラ、ゴン、サマンサ予約したい
ついでにフローラも予約しようと思ったんだけど、こっちは完全に自己リレーなのでやめときますね。
はやっ(゚Д゚)
がんがれ
>>529 レーベ組みキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
よかった…今日中に予約は要らなかったら書こうとしてたんだ。
自己リレーにならなくてよかったー。
NGワード:自己リレー
まだ本スレ投下されてないから
アリアハン組って予約出来ないんだよな?
出来るなら今したい…。夜中は用事があるし。
まあ、駄目でもボツネタスレがあるけど。
とりあえず予約しといて後で状況次第で解除とかは?
>>534 分かった。
クリフト、ククール、マリア、トロデ、マルチェロを予約。
一時投下スレに投下されてた話の続きで。
避難所で指摘された部分を修正して、20時くらいに投下を始めようと思います。
>>536 はーい せんせー。wktkしながら待ってまーす。
あ、>536と>529って別人なのか。
どっちも酉がhから始まってるから、てっきり>536がアリアハン組を書き上げた直後に予約したのかと思ってたまげた…。
投下します
突如として天空に鐘の音が響き渡った。
何事かとアリスたちは足を止めて空を見上げる。
聞こえてくるは悪魔の声。
(く、そのように余裕の声を出していられるのも今のうちです!
必ずこの世界から抜け出して滅ぼして見せます!!)
アリスは強い決意とともに憎き敵の言葉を聞き漏らすまいと唇を噛み締める。
禁止エリアはカンダタが地図を取り出して書き留めていた。
次に流れるは死者の列。そして、アリスの身体が揺れた。
『フィオ』
「そ……ん、な」
アリスの脳裏にあの飄々とした僧侶の顔が浮かぶ。
常にマイペースだった彼女。どんな強敵を前にしてさえ慌てるといったことが無かった。
効率的な行動を旨とするサマンサとはそりが合わなかったようだが
彼女の僧侶呪文は幾度も旅の危地を救ってくれた。そんな彼女が……死んだ。
『ん、私を仲間にしたいって? そうだね、契約金3万G、月々1万Gで仲間になってあげるよ。
ん、まあ出世払いでいいさね。世界を救ったら払ってくれるかい?』
ルイーダの酒場で最初に会った時、そうそうに気さくな冗談を言ってきた。
(実は冗談ではなかったのだがアリスは最後までそれに気付かなかった)
その後の旅でも他人に無関心な要でいて細かいところによく気がつき、補助してくれていた。
彼女がいなかったらアリスたちは世界を救うどころか途中で倒れていただろうことは想像に難くない。
とても頼りになる姉のような存在。それがフィオだった。
その彼女は……もういない。
「フィオ……ッ」
アリスは涙を堪え、空を見上げる。既に日は完全に落ち、白い月が浩々と大地を照らしていた。
不安そうにカンダタが声を掛ける。
「姐さん……」
「大丈夫です、カンダタ……私は、勇者です。立ち止まりはしません。
止まってはいけません」
そう、勇者は哀しみに立ち止まってはいけない。
どんな時も正義に邁進しなければならない。
目の前で父、オルテガが戦死した時も彼女は立ち止まらなかった。
だから今も彼女は全てを背負い、耐える。
今ここで立ち止まれば全ての犠牲を無にすることになるからだ。
「フィオ、仇は取ります」
ハーゴン打倒の決意をより高め、アリスの心の揺れは止まる。
気持ちを入れ替え、いざアリアハンへと進もうと仲間を振り返る。
そこには、魂の抜けた表情で膝を突いているクリフトの姿があった。
先程の放送から流れた一つの言霊。
それはクリフトを絶望の淵に追いやるには充分だった。
「私は……何の為に……」
ブツブツと力なく呟く。
全ては彼の女神、アリーナを生き残らせるためだった。
その為に幾人も襲い、今またこのアリスという少女を利用しようとしていたのだ。
それは――全て無駄な行為だったのか。
どれだけの罪を犯そうとも、神に背こうとも、アリーナさえ幸せでいてくれるなら他には何もいらなかった。
無様な死を迎えようとも地獄に落ちようとも構わなかった。
他人にどう罵られようとそれは彼にとって殉教と言える行為だったのだ。
それなのに、それなのに! 自分はただ罪を重ねただけの愚か者に成り下がった。
側にいた誰かが何事かを話しかけてくる。
だがもうクリフトは関心を持たなかった。
――――死のう
彼は答えを出す。
542 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/26(月) 20:03:03 ID:n5Pztqfj0
支援!
アリーナの居ない世界には何の未練もなかったから。
その時、肩を掴まれ揺さぶられた。
アリスはまだ何かを叫んでいる。
(もういいんですよ、何もかも。放っておいてください)
そう言おうとしたが何もかも億劫だった。
そして……ある言葉が耳に入ってきた。
「ハーゴンたちの言葉になんて惑わされないでください!」
なんでその言葉だけ耳に残ったのだろう。
ハーゴンの言葉? ハーゴンは何と言っていただろう。
ぼんやりとした頭でクリフトは最初の広間でのことを思い出していた。
―― このゲームに勝ち残り最後の一人となったものには私直々に褒美を取らせよう。
元の世界に戻すのは当然、富も名誉も思いのままだ。そして……死者を甦らせることもな ――
―― 死者を甦らせることもな ――
急速に、脳が、覚醒していく。
自分の行動方針はなんだった?
アリーナを優勝させ、復活させてもらって元の世界へ帰る。
そう、復活させてもらって、だ。
なら逆でもいいではないか。アリーナを復活させてもらうのだ。
―― 自分が優勝して。
なんでこんな簡単なことに気付かなかったのだ。
心の奥から力が湧いてくる。どす黒く、濁った力が。
「しっかりしてください! 私たちがここで負けてはいけません!!」
アリスの声もクリアになり、クリフトはようやく外界をハッキリと認識する。
彼は虚ろな瞳のまま、アリスに向かって微笑んだ。
「ええ、その通りですね。心配をかけたようで申し訳ありません」
「良かった、正気に戻ったんですね?」
安堵した表情のアリスを内心侮蔑しながらクリフトは頷いた。
「はい。かけがえのない人の死を知り、私はくじけそうになってしまいました。
でもあなたの言うとおり、ここで負けてしまってはアリーナ様に申し訳が立ちません。
私はもう大丈夫です。行きましょう」
そう、自分はもう大丈夫。生きる目的を見つけたのだから。
アリスと、カンダタと頷きあうと、彼はアリアハンへと向かって歩き始めた。
一つの狂気と共に。
「なあ、マリア王女。その竜王のことなんだが……」
「はい?」
空飛ぶベッドの上でのククールの言葉にマリアは訝しげな視線を向ける。
彼はなんだかとても言いづらそうに口をもごもごと動かしていたが、やがて意を決したように
マリアの瞳を見つめた。
「その竜王って奴と出会ったら、まず俺に話をさせてくれないか?」
「何故です?」
「先程はああ言ったが……どうも俺にはその竜王が、ゲームに乗ってアレンと戦っていたとは思えないんだ。
王女から竜王のことを聞いた今でもそう思う。そう考えると不可解な部分がでてきてしまうんだ」
ククールはその時のことを思い返す。
あの時、アレンが強く踏み込んだと思ったその動き。明らかに不自然なものだった。
あれはククールに気付き、竜王を庇おうとしたのではないか。
だとしたら彼らが戦っていたのは、ゲームとはまた別の意図があったのではないか。
それにその後ククールは竜王の一撃によって気絶した。そう、自分が生きていること自体がおかしい。
ゲームに乗っていたなら自分に止めを刺さない筈がない。
そして何故、アレンの遺体にマントが被せられていたのか。
「竜王がそんなことを……」
「俺にはわからない。竜王が真の悪なのか、それとも……」
「なんと、バーサーカーじゃ!!」
その時ククールの言葉を遮り、トロデが叫んだ。
寝入っているレックスを除いた全員がベッドからトロデの指差す方向を覗く。
バーサーカーは明らかにこちらを捕捉して近付いてきていた。
月明かりの中、左手に持つモーニングスターをぶんぶんと振り回していたかと思うと、大きく振りかぶる。
「不味い、ありゃ破壊の鉄球だ! ハッサン、もっと高度を上げろ!」
「無理だ、これ以上あがらねぇ!!」
「だったら速度を上げて振り切れ!!」
「無理だ、これ以上あがらねぇ!!」
「じゃあ転進だ!! 急――」
唸りを上げて鉄球が豪速で迫る。
鉄球は正確にベッドを捉え、粉々に打ち砕いた。
「うおおおおおおおおおおおおおおっっ!!?」
ベッドが盾になったおかげで直撃は避けられたものの、ハッサンたちは夜空に放り出されてしまう。
「くっ、レックス!」
ハッサンは咄嗟にレックスの腕を掴むと胸に抱え込み、地面へと墜落した。
受身を取りながらゴロゴロと転がり、何とかダメージを最小限に抑えたものの、身体のあちこちを擦り剥いてしまった。
「ふう、なんとか……ぶべっ!」
「ブギャアァ!?」
ホッと息をつこうとした所で、ゴィン、とハッサンの頭蓋を衝撃が襲った。
一足遅れて落ちてきたトロデ王がハッサンの頭に直撃したのだった。
トロデは目を回して気絶し、ハッサンの頭には大きなこぶができる。
「痛〜〜」
レックスを降ろし、痛めた頭を抑えているとビュン、と風きり音が鳴った。
嫌な予感に咄嗟に頭を下げると、一瞬後にそこを鉄球が通過する。
鉄球はハッサンの背後の地面を大きく爆散させると、再びバーサーカーの下へと舞い戻っていく。
支援
「てめぇ!」
ハッサンはトロデとレックスを戦闘に巻き込まないように廻り込みながら、バーサーカーへと駆けた。
「きゃあ!」
「マリア王女!!」
マリアはククールが抱きとめ、空宙で体勢を整えて華麗に着地した。
「お怪我はありませんか、お嬢さん?」
「はい、ありがとうございます」
マリアを地に立たせ、バーサーカーの方を見やる。
「奴のあの武装じゃハッサン一人じゃ荷が重い、加勢に行くから王女はトロデ王とボウズを頼む!」
「はい、バーサーカーはミラーシールドを持っている筈です! うかつに呪文を使わないよう気をつけてください!」
マリアの忠告を背に、ククールはハッサンの援護に向かう。
「ちぃ、破壊の鉄球も厄介だがあの隼の剣モドキも厄介だぜ!」
ハッサンは身かわし脚で攻撃の回避に専念していた。
それというのも遠距離では破壊の鉄球が、近距離では隼の剣とも思えぬ凄まじい威力を持つ剣によって
接近を阻まれているからだ。
鉄球を掻い潜り、拳の距離まで接近しても地面を抉り取るほどの斬撃が二連続で襲い来る。
「喰らえ!」
ハッサンは魔物使いの特技、火炎の息を吐いてバーサーカーの周囲を焼く。
大した痛手にはならずとも、火によって相手の激しい運動性を制限するのが目的だ。
だがバーサーカーは炎にも怯まず再び鉄球を放つ。
「何!?」
炎の壁を貫いて鉄球が迫る。意表を突かれたハッサンは回避することができない。
ハッサンは一瞬でその選択を捨てると、どっしりと地に腰を落としてかまえた。
「大地よ、俺に力を貸してくれ!」
自然を知り、一体となってその力を借りるレンジャー。その高位特技「大防御」。
ハッサンの筋肉が瞬時に膨張、硬化してその守備力を跳ね上げた。
ドォン、という衝撃とともにハッサンは両の腕で鉄球を掴み取る。
その威力によって十数メートルもの距離を両足が擦り、土煙を巻き上げながら押し飛ばされるが、
見事にハッサンは破壊の鉄球を受け止めた。
しかし両の足は地面との摩擦によってボロボロになってしまい、両の腕も威力を殺しきれずに痺れて動かなくなっていた。
「ぐ……うっ」
ドスン、とハッサンはその場に鉄球を取り落とす。
すると鉄球は高速でバーサーカーの下へと帰還していった。
「しまった!」
破壊の鉄球を回収したバーサーカーは動けないハッサンに接近し、はかぶさの剣を振りかぶる。
死を覚悟した一瞬、バーサーカーは横合いから矢の一撃を右腕に受け、吹っ飛んだ。
「無事か、ハッサン!」
「お、おお」
駆けつけたククールに力なく受け応えたる。
今の一撃でのダメージはそれほどでもないが衝撃で四肢が動かなくなっていた。
「ち、ボロボロだな……ベホマ!」
ククールの回復呪文によって何とか腕の痺れは収まり、感覚がマヒしていた足にも痛みが戻ってくる。
「ありがとよ、ぐぅっ!」
「無茶するな、奴は俺がなんとかするからお前は下がってろ」
「心配いらねぇよ、伊達に鍛えちゃいねぇんだ。これくらいで動けなくなるハッサン様じゃねぇぜ!」
「言っても無駄か……! 見ろよ、奴さんも同じらしいぜ」
ククールの視線の先ではバーサーカーが起き上がり、腕に刺さった矢を抜いているところだった。
止血もせずに剣を握り締め、左手には再び鉄球を携え、二人を見つけるや否や飛び出してくる。
「来るぞハッサン! ここが正念場だ!」
「おおよ!!」
ハッサンは拳を打ち鳴らし、ククールは矢を番え狙いを定めた。
「おじさま! おじさま!」
「う〜ん、ムニャ……ハ!?」
気絶していたトロデはマリアに揺り起こされて目覚める。
ガバッと起き上がり、キョロキョロとあたりを見回した。
「バ、バーサーカーは!? あれからどうなったのじゃ!」
「今ハッサンさんとククールさんが戦ってくれています。私も援護をしたいのですけれど……」
三者の動きが……正確にはハッサンとククールの間を駆け巡るバーサーカーの動きが激しすぎて
下手に攻撃呪文を使えば味方を巻き込んでしまうため、おいそれと手出しが出来なくなっていたのだ。
加えてミラーシールドで呪文を跳ね返されてしまうかもしれないという懸念もある。
その戦いぶりを観てトロデは唸る。
「むう、まさに狂戦士。説得は通じぬであろうな……ここで討つしかあるまい。
頑張れ〜〜ハッサン、ククール!!」
大きく手を振ってトロデは二人を応援する。
その時、マリアは闇の気配を色濃く感じ取った。
ハッとしてレックスを見るが、少年はまだ眠りについたままだ。
(ならこの気配は一体……)
用心深く周囲を見渡す。そしてマリアは見た。
月下、黒い霧を身に纏いて一直線にこちらを目指して疾走る般若の姿を。
「おじさま!!」
「むう?」
マリアの悲鳴に振り向いたトロデもまたその姿を見る。
「その格好、もしやテリーか!?」
「なんですって?」
トロデはその背格好から一目で般若がテリーだと見抜く。
マリアもその言葉に改めてその姿を見る。
なるほど、黒いオーラに覆われて判断しにくいが確かに先程別れたテリーだった。
「テリーよ、その奇妙な面はなんじゃ!? 何故そのような……」
トロデはテリーに問いかけるが、答えは返ってこない。
だた真っすぐにテリーは駆けてくるのみだ。
だがマリアはその面から感じる闇の気配を感じ取っていた。
(今の彼は……邪悪な呪いに心を奪われている!!)
そう、あの可哀相な子供と同じように。
「おじさま下がって! バギ!!」
「マリア王女!?」
このままでは殺されると直感したマリアは牽制の為に威力を抑えたバギを放った。
マリアの杖から生み出された無数の真空波がテリーを襲う。
しかしテリーはさざなみの剣を振るうと光の壁を生み出し、バギを弾き返した。
「しまった! きゃぁあああああああああ」
「うぎょえええええええええええええええ」
支援
551 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/26(月) 20:12:49 ID:GoJryA4xO
支援
二人は弾き返された真空波を受け、吹き飛ばされる。
しかし威力を抑えていたのが幸いし、服はズタズタになったものの傷は浅く済んだ。
痛みを堪えてマリアは身を起こすが、そこにテリーが迫る。
「殺す……殺す……殺す……」
殺意の塊となったテリーは無情に剣を振り降ろした。
「な、トロデ王、マリア王女!?」
「ありゃテリーかよ!?」
マリアたちに起こった異変に気付き、ハッサンたちも焦る。だが――
目の前にいるバーサーカーが簡単に救援に行かせてくれそうもなかった。
破壊の鉄球とはかぶさの剣による遠近両方の即死結界が二人の攻撃を鈍らせ、
いまだにバーサーカーはピンピンしている。腕の矢傷の痛みも感じていないようだ。
だがこのままではマリアたちが危ない。
いつまでもバーサーカーに関わっているわけにはいかなかった。
「ハッサン、お前行け。ここは俺が食い止める」
「馬鹿言え! 二人掛りでようやく膠着状態に持ち込んでるってのに俺が抜けたら……」
そこに破壊の鉄球が来る。
タイミングを合わせて二人ともその攻撃を回避し、ククールはニードルラッシュを放った。
瞬時に放たれた四本の矢ははかぶさの剣によって全て中空で叩き落される。
「だったらどうする! ぐずぐずしてるとマリア王女たちが危ない、迷ってる暇はないんだ!」
「なら俺が……」
「お前の方があのテリーって奴のことをよく知ってるだろう! 逆にあのバーサーカーのことは
俺のほうがよく知ってる、適材適所だ、行け!」
「ぐ……」
ハッサンはそれでも迷いを見せる……だが。
「しまった! きゃぁあああああああああ」
「うぎょえええええええええええええええ」
支援
そこにトロデとマリアの悲鳴が響き渡る。
(迷ってる、暇はねぇ!!)
ハッサンはククールを見る。
ククールはハッサンを見た。
「後は任せた!」
「後は任せろ!」
すれ違い様にパン、と手を打ち合い、二人はそれぞれの戦場に向かう。
駆け去るハッサンを見てバーサーカーはその背に破壊の鉄球を投げようとするが、
ククールはその足元に矢を撃ちこんでその動きを止めた。
「アイツは忙しいんだ。ダンスの相手なら俺がする。
お前みたいな奴を相手にするのは趣味じゃあないが、この際は仕方がない。
付き合ってもらうぜ!!」
「ギィャアアアアアアアア!!」
バーサーカーはククールに向き直ると再び鉄球を振りかぶった。
「ワンパターンなんだよ!!」
ククールは冷や汗をかきながら強がりを口にする。
(やれやれ、この俺がこんな雑魚を相手に死を覚悟しなきゃならんとはね……。
だが、もう俺の仲間は死なせはしない! なぁエイトよ!)
ギン、と金属音が鳴り響きマリアの手から杖が弾き飛ばされる。
最初の斬撃はかろうじて防いだが、次の攻撃を防ぐ手段はない。
「く……」
「テリー止めるんじゃ!!」
トロデの制止を気にも留めず、テリーは再び剣を……
「うるぁッ、疾風突きぃ!!」
突如として巨体がテリーの前に躍り出て、目にも留まらぬ拳打で斬撃よりも速く喉元をを打ち貫く。
テリーはそのまま地面に叩きつけられ、ゴロゴロと転がった。
「ハッサンさん!」
「ようやった、ハッサン!」
マリアの絶体絶命の窮地を救ったのは後をククールに任せて救援に来たハッサンだった。
「起きやがれテリー! それがお前の出した答えだってのかよオイ!?」
その怒号に応えるようにテリーはむっくりと起き上がる。
足取りはしっかりしていて、まるでダメージを受けていないかのようだ。
「ハッサンさん、おそらくテリーさんはあの面の呪いによって正気を失っています!
なんとかあの面を壊してください!」
「レックスの時と同じかよ……テリー、なら俺の拳骨でお前の目を覚ましてやるぜ!!」
「……殺す」
ハッサンは聖なるナイフを構えるとテリーの斬撃を受け止めた。
そしてまわしげりでテリーを再び吹っ飛ばす。
(これ以上、俺は仲間を失うわけにはいかないんだ! バーバラ、ミレーユ、ドランゴ!
力を貸してくれ!!)
7つの命が交差する戦いの野を、高台から一人見つめる影がある。
「くくく、これはこれは……中々盛大にやりおうておるのう」
テリーの後を追っていたヒミコである。
「しばし高みの見物と行くか……」
(1人2人喰えれば上等と思っていたが案外と多く食せそうであるな)
ズルリ、と舌なめずりをするとヒミコはその場に腰を下ろした。
彼女は知らない。運命が、近付いてきているのを。
(フィオが既に消えておったのは残念じゃが、まだ奴らの筆頭たるアリスがおる。
それにサマンサの奴にも借りを返しておかねばのう……さて、できればおなごかおさなごが好みじゃが……)
「姐さん、ありゃ戦闘の音ですぜ!」
「解っています! クリフトさん、あなたはこの辺りに隠れていてください!
(・∀・)シエン!!
私たちは戦闘を止めに行きます!」
「はい、解りました。私は戦闘の役には立ちませんからね……ご武運を祈ります」
「ああ、こうなったら姐さんは止めらんねぇ……」
「カ・ン・ダ・タ・?」
「へい、行きやす!」
そういってカンダタとアリスはファルシオンに飛び乗ると、森を駆け抜けていく。
駆け去っていくアリス達を見送り、クリフトは思う。
(やれやれ、戦闘に巻き込まれるのはゴメンです。私は生き延びなくてはなりませんからね。
しかし好機でもある。全てが終わった後に現れて、残った者を殺すのが理想ですが……さて)
どちらにしろ、戦闘の様子は見守らなくてはならない。
クリフトは先を行くアリス達に気付かれぬよう、そっと後を追い始めた。
少年はずっと身を伏せている。
柄のみしか残っていない呪いの剣を握り締め、彼はずっと機を窺っていた。
レックスはベッドが粉砕された直後に目覚めていたが、何度も眠らされた経験から今は動くべきではないと判断したのだ。
常に周囲の状況を気付かれぬよう観察し、いつでも逃げられる体勢はとっている。
しかし、この状況を利用すれば一気に自分以外の者を全滅させることも不可能ではない。
(とりあえず、あの魔物も、仮面の人も僕には関心持ってないみたいだから今は大丈夫だね。
とにかくチャンスが来るまでは大人しくしていよう)
冷静にそう判断する。
全てを――壊す為に。
(殺すしかない……僕はもう、戻れないんだから)
誰も気付かなかった。レックスの右手が剣の柄を強く握り締めたことに。
戦いは尚も続く。狂気を呼ぶ月に照らされて。
夜はまだ、始まったばかりだった。
【D-4/アリアハン北の平原/夜】
【トロデ@DQ8】
[状態]:HP4/5 服はボロボロ 全身に軽度の切り傷
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(不明の品が1?) 大錬金釜 聖者の灰 ミレーユの通常支給品
[思考]:この状況を打破する方法を考える レックスの呪いを解く方法を探す 打倒ハーゴン
【マリア@DQ2ムーンブルク王女】
[状態]:HP4/5 服はボロボロ 全身に軽度の切り傷
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(不明の品が1〜2?) ※小さなメダル トゲの鞭 毒薬瓶
[思考]:この状況を打破する方法を考える レックスの呪いを解く方法を探す
打倒ハーゴン 竜王(アレン)を倒す
【レックス@DQ5王子】
[状態]:呪われている(呪いの効果弱) 気絶した振り 打撲
[装備]:折れた皆殺しの剣 王者のマント
[道具]:祈りの指輪×1(一回でも使えば限界)
[基本行動方針]:気絶した振りをしながら機を窺う ゲームに乗る
【ハッサン@DQ6】
[状態]:HP3/5 両足に擦過傷と軽度の火傷 疲労
[装備]:聖なるナイフ
[所持]:まだらくも糸 魔物のエサ
[思考]:テリーを止める レックスの呪いを解く方法を探す 打倒ハーゴン
【テリー@DQ6】
[状態]:呪いの効果により防御力が大幅に上昇
[装備]:さざなみの剣 般若の面
[道具]:ボウガン(鉄の矢×30) イーグルダガー
[思考]:殺戮
【ククール@DQ8】
[状態]:HP2/3 右腕に火傷(半分回復) 疲労
[装備]:ビッグボウガン(矢 4)
[道具]:天馬の手綱 インテリめがね アリアハン城の呪文書×6(何か書いてある)
[思考]:バーサーカーを倒す レックスの呪いを解く方法を探す マルチェロを止める
竜王(アレン)と話す
【バーサーカー@DQ2】
[状態]:HP4/5 右腕に矢傷
[装備]:破壊の鉄球 はかぶさの剣
[道具]:ミラーシールド
[思考]:目の前の男を殺す 闘争本能のままに獲物を求める
◆はかぶさの剣…破壊の剣の威力とはやぶさの剣の二回攻撃を併せ持つ。
一度手放してしまうと効力を失ってしまう。
【D-4/アリアハン北の平原 高台/夜】
【ヒミコ@DQ3】
[状態]:HP3/5
[装備]:なし
[道具]:きえさりそう ホットストーン
[思考]:戦闘を見物 幾人か喰らい傷を癒す サマンサ、アリスを喰らう
【D-4/森の中/夜】
【アリス@DQ3女勇者】
[状態]:HP4/5 MP2/3
[装備]:白馬ファルシオン 炎のブーメラン
[道具]:支給品一式
[思考]:戦闘を止めに向かう アリアハンへ向かう
【カンダタ@DQ3】
[状態]:健康
[装備]:ロトのしるし(聖なる守り)
[道具]:支給品一式
[思考]:戦闘を止めに向かう アリアハンへ向かう 姐さんについていく
【クリフト@DQ4】
[状態]:左足に火傷(ある程度治癒) 背中に火傷(ある程度治癒) MP1/2程度
[装備]:なし
[道具]:祝福サギの杖[7]
[思考]:戦闘の様子を見る アリスとカンダタを利用し、自分の護衛をさせる
自分が優勝し、アリーナを復活させてもらって元の世界へ帰る
※いかづちの杖はマリアの近くに転がっています
※空飛ぶベッドは完全に破壊されました
投下乙です!
少し待って規制を緩めようと思います。
30分から後編を投下します。
テリーの鋭い斬撃をナイフで受け止め、拳で、蹴りで、ぶっ飛ばす。
幾度かそれを繰り返すがテリーは一向にダメージを受けた様子を見せない。
その顔を覆う般若の面にも何度か攻撃を加えたが、それはまるで鋼鉄で出来ているかのように
ビクともしなかった。
焦れたようにハッサンは叫ぶ。
「畜生、テリー! いつまでこんなこと続ける気だよ!?」
「お前たちが死ぬまでだ」
「? 意識があるのか!?」
今まで殺意以外の意志をぶつけて来なかったテリーから意味のある言葉が飛びでたことに驚愕する。
「俺はこの面に乗っ取られたわけじゃない。この面から湧き出る殺意、怨念、憎悪に身を任せているだけだ」
「それを乗っ取られてるって言うんだよ!!」
「違う。この面の意志と俺の意志は相反しない。俺は俺の目的の為にこの面を被った。
素晴らしいぞ、ハッサン。あれほど強い忌避を感じていたお前への攻撃も全く躊躇いがない。
俺はお前を、そこにいる全員を一片の迷いなく殺すことが出来る。憎むことが出来る。
フフフ……これだ。これこそが俺の求めていた力だ!」
「お前は、ミレーユがそれを望んでいないって解ってて!!」
「俺はそれを望んでいる!! 姉さんがどう思おうと、どんな形であれ俺は姉さんに生きていて欲しいんだ!!」
「この、馬鹿野郎がぁ!!」
再び、剣とナイフが火花を散らす。二合、三合と打ち合い、再び両者は間合いを取った。
その時、トロデが叫ぶ。
「ハッサン、受け取れぃ!」
トロデが投げた小袋をテリーに隙が見えないように受け取る。
「なんだよ、コレ?」
「聖者の灰じゃ! 本来、錬金釜と共に使用して呪いの武具を聖なる武具に変える効果を持つ!
灰単体の効果は未知数じゃがそれでも幾らかの効果は期待できる! 賭けになるが使ってみい!」
「無駄だ!」
テリーは再び斬り込んでくる。
ハッサンは袋から灰を掴み取ると、テリーに向かって振り撒いた!
その瞬間、テリーの剣から炎が迸って降り注ぐ灰を薙ぎ払う。
「火炎斬り!」
炎に包まれた灰は燃え尽きてテリーにまで届かない。
「無駄だと言った……何!?」
その時、ハッサンの身体が発光し、テリーの目を灼いた。
「オメー相手に簡単にいくとは思ってねぇよ! おら、まぶしい光ぃ!!」
眼が眩み、テリーの動きが一瞬止まる。
そして再び撒かれた聖者の灰は今度こそテリーの身体に降りかかった。
灰はテリーの身体を覆う黒いオーラに触れるや否や、まるでその力を吸収するように煌き、
黒いオーラを減衰させていく。そして同時にマホカンタも効果がきれ、光の壁は消滅した。
「な、なんだこれは!? ハッサン、何をした!」
「へ、トロデのおっさんの言うとおり効果はあったようだな!」
「クソォおおお!!」
苦し紛れに放ったテリーの袈裟斬りをハッサンはその首の僧房筋で受け止める。
「……大防御。どうした、テリー。剣筋が鈍ってるぜ!」
ハッサンは腰を深く落とし、真っすぐに相手を突いた!
渾身の力を込めた正拳突きが正確に般若の面を捉える。
面は鋭い音を立てて亀裂が入った。
「ギィア!」
「ちぃ!」
幾度目かのバーサーカーの猛襲をやり過ごし、ククールは肩で息をする。
ハッサンが前線を抜けたことで明らかに負担が大きい。
(くそ、アイツは疲れってものを知らないのか、全く攻撃が衰えない!
このままじゃあ次の攻撃は凌ぎきれないな)
だが自分が抜かれれば、目の前の魔物は後ろにいる仲間に襲い掛かるだろう。
テリーを相手にしたまま、後ろから襲われたのでは一たまりもない。
(勝負に出るしか……ない!)
ボウガンの矢は残り4本。一発も無駄に出来ない。
(遠距離から射掛けたのでは奴の反射速度とあの剣に叩き落される。
鉄球を回避し、接近した上で剣を振るわせてその隙を突くしかない!)
ククールは矢を番えて駆ける。
そこに思惑通り鉄球の攻撃がきた。
(まずこれを避ける!)
大きく避けるわけにはいかない。その分だけ相手に余裕を生むからだ。
支援
566 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/26(月) 20:34:58 ID:GoJryA4xO
しえん
致死の鉄球をギリギリで回避する。その際に左耳が削ぎ落とされ、血飛沫が飛び散るが気にしている暇はない。
(鉄球が奴の下に舞い戻る前に決着をつける!)
一発目の矢がボウガンから解き放たれる。
そして瞬時に矢を番えて二発目を放った。
時間差で放たれた二本の矢をバーサーカーははかぶさの剣で迎撃する。
ククールの背後で鉄球が着弾する音がした。
猶予はもう半秒もない。ククールは再び瞬速で矢を番える。
バーサーカーは最初の斬撃で一発目の矢を、続く斬り返しで二発目を叩き落した。
(こいつで終わりだ!)
そしてククールが止めの矢を放つ。
鉄球の帰還は間に合わない。手に持つ剣も二連撃を放ち硬直している。
バーサーカーにこの三発目の矢を防ぐ手段はない……筈だった。
バチィン、と弾ける様な音がして矢はバーサーカーの顔面に命中し、首を仰け反らせる。
「ぃよし!」
勝利を確信したククールの顔は一瞬後に青褪めた。
ぐるん、とバーサーカーの顔が縦に廻り、元に戻る。
その口には……矢がしっかりと歯で受け止められていた。
「んな馬鹿な!?」
普通のボウガンならいざ知らず、このビッグボウガンの矢を歯で受け止めるなど常識で考えられない。
受け止めた瞬間に歯と顎を砕いて口腔を貫くはずだ。
しかしバーサーカーの強靭な顎はその衝撃に耐えたのだ。
代償として何本かの歯が砕け、顎にヒビが入ったがバーサーカーは気にも留めなかった。
そして硬直から抜け出した右手を振り上げられ、はかぶさの剣がククールを襲う。
最初の斬撃はかろうじて胸部に赤い筋を一つ残すだけで済んだ。
しかし瞬時に続く二回目の残撃は……ククールの左腕を斬り飛ばした。
「ぐっぅああああああああああああああああああああああああああ」
痛みにのたうち、バーサーカーから逃れようと無様に地面を転がる。
しかしバーサーカーは容赦なく鉄球を持つ左腕を振りかぶった。鉄球は既に帰還している。
そして――振り下ろされた。
「ククールさん!」
しかし鉄球は飛ばなかった。破壊の鉄球を繋ぐ鎖になにかが絡み付いている。
それは加勢に来たマリアが振るう棘の鞭だった。
「ギゥア!」
「きゃああ!」
しかしバーサーカーの膂力の前にマリアは振り回され、地面に倒される。
そこに致命の刃が振り下ろされる……が、横合いから矢の一撃を受け、剣は地に落ちた。
「ぎゃお?」
「俺の、目の前で……レディを傷つけようとは……いい度胸だぜ」
「ぎぃあああ!!」
バーサーカーは地に落ちた剣を拾おうともせず、鞭が絡みついたままの破壊の鉄球を放り捨て、
ただ狩りを邪魔された怒りだけを持ってククールに襲い掛かった。
「待、……ってたぜ!」
ククールは未だ血を噴出している左腕の痛みを無視し、飛び掛ってくるバーサーカーに蹴りを放った。
バーサーカーは爪でその蹴りを受け止めようとするが、ククールの足は逆にその腕を絡め取るように
変化し、大腿部とふくらはぎの間に腕を挟みこむと突進の勢いを利用して地面へ引き倒した。
その瞬間ククールは体重をかけてバーサーカーの右腕を折る。
「ギィオオオ!」
これには流石のバーサーカーも苦悶の声を上げ、残った左腕でククールを払おうとする。
しかしククールも右膝で左腕を押さえつけ、バーサーカーの動きを完全に拘束した。
「悪いな。例えお前が絶世の美女だったとしてもこの場は情けをかけるわけにはいかないんだ。
だが……せめて俺のとっておきをくれてやる!」
バーサーカーに馬乗りになった状態でククールは祈りを込めて十字を切った。
聖なるオーラがククールの右手に生まれ輝き叫ぶ。
攻撃の隙が大きく、今の今まで使えなかったククールの最大戦闘技。
「グランドクロス!!」
「ギャォ ――― 」
超至近距離から放たれた聖なる極光は、バーサーカーに断末魔を上げさせる間もなく
その身体を完全に分解し、消滅させた。
支援
(むう、ククールめ。大分重傷を受けたようじゃがなんとか勝ったようじゃな)
気絶したククールに駆け寄っていくマリアを見てトロデは彼の勝利を確信する。
マリアは回復呪文の光を当て、介抱している。後は任せるしかない。
「ハッサン、向こうはケリがついたぞ! 心配するな!」
「おう!」
ハッサンはその報に力強く頷くと、再びテリーと向き合う。
「あとはお前だけだ、テリー。いい加減に目を覚ましやがれ」
「黙れ。俺はお前たちを皆殺しにするまで止まるわけにはいかないんだ」
テリーの被る般若の面は左目の部分が欠け、素顔の一部が覗いている。
しかし一時的に減退していた黒の気は再び力を盛り返しており、呪いは未だ強くテリーを覆っていた。
「ううむ、やはり聖者の灰といえどそれだけでは一時的に呪詛を緩和するのみか。
呪いを消し去るにはやはり呪具を完全に破壊するか、錬金釜を使わなければ……」
「その必要はないよ」
「な……グボォッ」
突然聞こえた声に振り向くと、トロデの腹部には柄のみの剣を握った拳がめり込んでいた。
「な、おぬし……」
柄の突起が腹部の皮膚を裂き、紫の鮮血と肉を露出させる。
トロデはその場に倒れ、うずくまる。気絶はしなかったが激痛でまともに動くことができない。
「後で殺してあげる、今は……」
トロデを倒した少年、レックスはハッサンとテリーの方を向くと掌を翳す。
その時、戦っていたハッサンとテリーもその存在に気付いた。
「な、レックス? ! トロデのおっさん!!」
「あいつは姉さんを殺した……!」
テリーはハッサンの脇を抜けると剣を振りかざして突進する。
ハッサンもまた一呼吸遅れて走り出す。
しかし……全ては遅かった。
「ギガデイン!!」
甲高い声と共に青銀の稲妻が迸る。
それと同時に少年の指に嵌っていた指輪が澄んだ音を立てて砕け散った。
「くぅああああああっ」
「ぐぅおおおおおおっ」
至近に迫っていたテリーも、その背後にいたハッサンもまともに電撃を浴びて倒れる。
衝撃でテリーの面はさらに亀裂が走り、砕け散って左半面が露出する。
ビクン、ビクンと痙攣し、全身を焦がしたその二人の姿……明らかな致命傷だった。
その二人の姿を見て、トロデはうずくまりながらも嘆く。
「おおお、ハッサンよ……テリーよぉ……なんということじゃ」
「あれあれ、まだ生きてるね。しぶといなぁ」
レックスは酷薄な笑みを浮かべると二人に止めを刺そうと近付いてく。
動くことも出来ないトロデは黙ってそれを見続けるしかなかった。
(幼子と思い、手足を縛るまではしなかったワシのミスじゃ……。
許せ、ハッサン……テリーよ……)
そしてレックスがテリーの握っていたさざなみの剣を取り上げた時、彼は、立ち上がった。
ハッサン。彼はもはや長くはない命の最期の力を振り絞って立ち上がっていた。
「へぇ、ギガデインを喰らって立ち上がるなんて凄い体力だね。驚いちゃった」
「レ……ックス。呪いの力は……半減してるはずだ……目ぇ覚ませ!
お前は……本当は……こんなことが出来る奴じゃねぇはずだろう……」
「うん、でもこうなっちゃったからには仕方ないんだ。もう後戻り出来ないなら前に進むしかない。
そして全てをなかったことにしてタバサと暮らすんだ。それしかないんだよ」
「違う! お前は、まだ……ミレーユだって……」
「違わないよ」
ずぶり、と鈍い音と共にさざなみの剣がハッサンの心臓を貫く。
ごぶり、と喉から血を溢れさせて、ハッサンはその場に崩れ落ちた。
「畜生……俺は、何も……できないで……畜、生……」
それが、ハッサンの最期の言葉だった。
レックスはハッサンの死体を一瞥すると今度はテリーに向き直った。
剣を、振り上げる。
「お姉さんと同じ場所に送ってあげるよ。やっぱり姉弟は仲良くしなきゃね」
そして振り下ろす瞬間、レックスは振り向いて呪文を唱えた。
「フバーハ!」
レックスの前面に生まれ出る光の幕が炎の波を追い返す。
しかしそれでもいくらかの火炎は幕を突き破り、レックスの肌を炙った。
「く、一体誰?」
視線の先にいたのは、いつの間にかいかずちの杖を拾い上げていたマリアだった。
「おじさま、逃げてください!」
「む……う、そうしたいのじゃが身体が動かん……マリア王女。
どうせワシは助からん……この上はおぬしだけでも逃げるのじゃ。ククールも同じ気持ちじゃろう」
「弱気になってはいけませんわ、おじさま。ならばこの場でレックス君を無力化します!」
マリアはトロデを庇うようにレックスの前に立ちはだかる。
トロデは魔物になったことで人間の身体よりも多少頑丈になっていたが、
それでも腹部の傷は深く今しばらくは動くことは出来ない。
ククールはマリアの呪文と応急処置によって止血だけは終わっているが、未だ予断を許さない重傷だ。
ハッサンは既に息絶え、テリーも最早長くはない。
そんな絶望的な状況で脂汗を垂らしながらもマリアは敢然と立っていた。
「へぇ、そうだね。そういえばお姉さんには何度も眠らされちゃったっけ……」
ニヤリと笑うとレックスは剣を翳し、光の壁を生み出す。
それを見てマリアの顔はいっそう蒼醒めた。
「これで呪文は僕には効かない。さぁ、どうやって僕を無力化するつもりなのかな?」
「そ、それは……」
「もちろん悪い子には折檻です!!」
「「!?」」
近くの丘の向こうから突如として聞こえてきた声に驚き、みな一斉にその場所を見た。
馬の嘶きが聞こえ、蹄の音が鳴り響き、そして……それは現れた。
小さな丘を軽々と飛び越える白馬。その背に乗っているのは覆面を被った変態と、旅装の少女だった。
近くまで来ると二人は馬から飛び降りて、レックスと対峙する。
「な、なんなの?」
「なんだかんだと聞かれたら!」
「答えてあげるが世の情け!」
少女が、覆面が、交互に口上をあげ始める。
「世界の破壊を防ぐため」
「世界の平和を守るため」
「愛と真実の正義を貫く」
「ラブリィー、チャーミィーな主人公!」
「アリス!」 「カンダタ!」
「世界を駆けるロトの勇者の行く手には!」
「光溢れる、白い明日が待ってるぜ!」
「ヒヒ〜〜〜ン」
最期に白馬がいななき、彼女達の口上は終わったらしい。
アリスと名乗った少女は周囲の惨状を確認し、眉を顰めた。
「な、なんですの?」
急に現れて場違いな名乗りを上げる少女達にマリアは狼狽する。
(しかもロトですって? あんな少女が?)
まさか大男の方ではないと思いたい。
アリスは悲しそうな顔でレックスに尋ねる。
「この惨状は君がやったんですか?」
レックスは少しビックリしていたようだったが、その質問に薄く笑みを浮かべると楽しそうに答えた。
「うん、半分くらいはそうだよ。そっちに倒れてる二人のお兄さんは僕がやっちゃった。
向こうにいるお兄さんは別の魔物と戦ってやられたみたいだね。ま、すぐに殺すつもりだったけど」
アリスはレックスが指差した方向をチラリ、と見る。
そして今度はマリアに尋ねた。
「あなたはこのゲームに乗っているんですか? 魔物を庇うようにしていますが」
「な、おじさまは魔物ではありません! 呪いによって姿を変えられているだけです!」
マリアは慌てて抗弁する。その必死さを見て――
「なるほど」
アリスは素直に頷く。
嘘を言っているようには見えないし、何よりも何故か彼女に親近感が持てた。
「カルロスやサブリナと同様の呪いですか。カンダタ!」
「へい!」
「向こうに倒れている人と魔物をファルシオンに乗せなさい! そしてあなた……」
「マリアです」
「マリアさんはファルシオン、あの白馬を引いてアリアハンまで……」
テキパキと指示を出すアリスを慌てたように遮る声がある。
「ちょっと、何を勝手に話を進めているのさ。僕を無視しないでよ!
ここにいる全員、僕が殺すんだ!」
斬りかかってきたレックスを手に持つブーメランで受け止める。
「何故です!? そんなことをしてもあのハーゴンが喜ぶだけでしょう!
倒すべきはハーゴンであり、私たちが殺しあうべきではありません!!」
アリスは力任せにレックスをはじき飛ばす。
体重差で劣るレックスは軽々と飛ばされるが、空中で体勢を整え、危なげなく着地した。
「アリスさん、と仰いましたわね。あの少年、レックス君は皆殺しの剣の呪いに囚われているんです!」
その言葉にアリスはレックスの右手に握られている剣の柄を見る。
確かに禍々しい邪気がそこから漏れ出ているのが解った。
「そうさ、僕は呪いに苦しめられている可哀相な子供なんだ。そんな子供と戦える? お姉さん」
からかうように笑うレックスを無視してアリスはマリアに質問する。
「呪いを解く方法は?」
「解りません。あの剣の柄を完全に破壊するか……神父さまと同じ解呪の力を持つアイテムか
呪文くらいしか……」
「サマンサならシャナクが使えますけど、都合よくここに現れてくれるはずはないでしょうね……」
その時、ククールとトロデをファルシオンに乗せ終えたカンダタがやってきた。
「姐さん、準備できました。それとこれを……」
カンダタは拾った隼の剣をアリスに渡す。自身は破壊の鉄球を携えていた。
「ええ、ありがとう。マリアさん、あなたは彼らを連れてここを離れてください。
後は私たちが何とかします」
その言葉にマリアはいくらか逡巡していたようだが、意を決すると深々と頭を下げた。
「申し訳ありません。宜しくお願いします」
手綱を取るとアリアハンの方に向けて駆け出す。
(あの青い服の武器を持った男がいる可能性がありますけど、おじさまとククールさんの治療するには
町の方がよりよいのは事実。ここは仕方ありません)
干す!
死炎だァァァァァァァァァァァっっ!!!!!
マリアは倒れたハッサン、テリーの方を見て少し目を閉じると、手綱を引いて走り出した。
(ハッサンさん、テリーさん、このような企ては必ず止めて見せます。だから……せめて安らかに……)
馬を引いてこの場を離れるマリアを見て、レックスは呪文を唱える。
「逃がさないよ! 竜の吐息よ、この掌に宿れ ――ベギラマ!!」
レックスの掌から焦熱波が迸り、マリアへと疾走る。
しかしその間にアリスが立ちはだかり、また呪文を唱えた。
「竜の吐息よ、この掌に宿れ ――ベギラマ!」
全く同じ呪文が全く同じ威力でぶつかり合い、互いの威力を相殺する。
「邪魔しないでよ!」
「いいえ、邪魔させてもらいます。カンダタ、援護を!」
「了解っす!」
破壊の鉄球が唸りをあげ、レックスを強襲する。
レックスはそれを横飛びに回避するが、そこにアリスが走りこんでいた。
「二人がかりなんてズルイよ!」
「競技ならいざ知らず、仲間と共に悪を討つのはズルではありません!」
二人の勇者が振るう刃が撃ち鳴り、周囲の空気を震わす。
(この子、強い! でも、このままなら!)
(うわぁ、このお姉さん強いよ! このままじゃ……)
レックスは状況の劣勢に、逃走を考え始める。
しかし即席の連携といえど、アリスとカンダタはレックスにその余裕を与えなかった。
結果、レックスはよく戦ったといえる。
しかし呪文を詠唱する暇も与えられず、アリスとカンダタの連携の前についに力尽きた。
キン、と金属音が鳴ってさざなみの剣が跳ね飛ばされる。
武器を失ったレックスは力なくその場にぺたん、と尻餅をついた。
力なく俯く。
「僕を、どうするの?」
「安心してください、どうもしません。戦意が無くなればそれで充分、一緒に行きましょう」
その言葉にレックスとカンダタは驚愕する。
矢燕!
「本気なの! 僕をそのままにしておいたらまた誰か殺すよ!?」
「姐さん、どういうつもりですかい? せめて手足縛って猿轡くらいは……」
一気にまくし立てる二人にゆっくりと首を横に振る。
そしてアリスは優しい声でレックスに告げた。
「君は、もう呪われていないでしょう?」
心臓を、貫かれた、気がした。
ブルブルと震えながら、レックスはその言葉を否定する。
「ち、違うよ……僕は呪われてるんだ。だから今までたくさんの人を殺して……、
もう、戻れないんだよ」
アリスは諭すように語り掛ける。
「確かにその剣を手にした時はそうだったかも知れません。
でもその剣が折れたとき、君はその呪縛から抜け出せていたのではないですか?」
「違う! だったら僕は勇者としてハーゴンと戦おうとしていた筈だよ!
でも僕はそれからも人を……もう僕は戻れないんだよ!!」
「いいえ、そんなことはありません」
アリスには確信があった。
レックスと剣を撃ちあい、生死を賭けた戦闘の中で悟った真実。
彼の剣は、それに込められた意思は邪悪なものではなかった。
アリスが感じ取ったレックスの思念。それは、後悔と懺悔、そして恐怖。
彼の精神は呪いが弱まった時に既にそれを無効化していた。
そして彼は自分の行いを全て呪いに責任転嫁をして、罪の意識から逃れようとしていたのだ。
レックスは強い。しかし、その心は年相応な弱さを持っていた。
だから本当の自分を心の奥底に閉じ込め、呪われた自分というもう一人の存在を生み出した。
その根幹にある思いは一つ。
死にたくない(タバサに逢いたい)
その思いが、彼に自分自身さえも欺かせた。
もう戻れない、そう暗示をかけて彼は真実の心を覆い隠した。
彼は呪われてなどいなかった。既に解放されていたのだ。
「嘘だ! 嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ! そんなの嘘だ!
僕は呪われてなきゃいけないんだ! じゃないと、じゃないと……」
レックスは涙をボロボロと流して必死に否定する。
そんな彼をアリスはゆっくりと抱きしめた。
「レックスくん。人は間違いをするものです。私だって何度間違ったか知れません。
ここにいるカンダタもかつては大悪党だったのです。でも今は正義の為にここにいます。
君は、もう戻れないといった。でもそんなことはありません。手遅れなんてありません」
レックスはもう応えない。ただ嗚咽を繰り返すのみだ。
カンダタは何も言わずにじっと立っていた。
「人は生きている限り償えます。君が犯してしまった罪はとても重いものかもしれない。
一生かかっても許してもらえないかもしれない。ずっと責められ続けるかもしれない。
でも、戻れないなんて事は無い。償う心がある限り、私たちは正しい道に戻れるのです」
アリスはレックスを胸から離すとその瞳を見つめる。
「君は、間違ってしまいました。でも、やり直せます。
私も、このカンダタも手伝います。…… 一緒に、行きましょう?」
レックスはしゃくりあげながら、アリスを見た。
「ヒック、……いいのかなぁ? ヒック、ヒック、僕は、本当に……戻れる、のかな?」
「ええ、きっと」
アリスは力強く頷く。
カラン、とレックスの手から皆殺しの剣の柄が零れ落ちる。
このとき、本当の意味でレックスは呪いから解き放たれた。
どれだけの時間が経ったか。
レックスはしばらくアリスの胸で泣き続けた後、両手でグシャグシャになった顔を拭う。
そしてしっかりとアリスを見た。
「ありがとうお姉さん……僕、何ができるか解らないけど、まずあの人たちに謝ります。
そしてハーゴンと戦います。そして……そして、僕は……」
(・∀・)シエン!
アリスは嬉しそうにその言葉にうん、うん、と頷く。
カンダタも微笑ましくその光景を眺めていた。
そして、レックスは、何かを、言おうとして――――
暗い……暗い……暗い……ここはどこだ。
俺は一体何をしている。
そうだ、俺はハッサンと戦っていて……姉さんの仇が……。
薄っすらと目を開ける。まず目に入ったのは月だった。
視界が白く染まり、眩しい。
仰向けの状態からごろん、と転がりうつぶせになる。その際に全身を激痛が走った。
ぼんやりとした視界が痛みでハッキリとする。
側にはハッサンが倒れていた。
……死んでいた。
誰に、とは思わなかった。自分が犯人でない以上、殺した相手は決まっている。
ゆっくりと辺りを見回した。
見分けられないほど遠くではなく、手の届くほど近くでもない。
そんな場所に三人の男女がいた。二人は知らない奴だった。
しかし、最後の一人。忘れられるはずも無い。
姉さんの、ハッサンの……そして自分の仇。
彼の右半面に張り付いている般若の面の残骸が殺意を伝えてくる。
自分はもう死ぬ。ならば、せめて一矢報いなければ。
奴を、殺さなければ。
彼……テリーはザックからボウガンを取り出すと矢を番えた。
ボロボロの腕が震えて、上手く狙いを定めることが出来ない。
そうしている間にも彼の命はポロポロと零れ落ちていく。
ただでさえ、ぼんやりとしていた視界が更にぼやけていく。
意識が朦朧として、今にも死の淵から足を踏み外しそうだ。
彼の力はどんどんと削ぎ落とされ、すでに狙いをつけられるような状態ではなかった。
そして……彼の命の灯が消えるその瞬間。
テリーの視界に色が戻った。腕に力が戻った。それは燃え尽きるろうそくの最期の燃焼。
彼は……引鉄を――引いた。
飛び出した矢は一直線に疾走り、レックスの胸を背後から刺し貫いた。
何かを口にしようとしていたレックスは言葉の代わりに口から血を零し、倒れた。
一瞬、アリスは何事が起こったのか理解できなかった。そして事態を悟ると慌てて呪文を唱える。
「レックスくん、レックスくん、しっかりしなさい! 君は生きなければいけません!!」
必死に呼びかけ、傷口に治癒の光を当て続ける。
致命傷、だった。
カンダタは雄叫びをあげ、矢の飛んできた方向に駆け出していった。
ボウガンを構えていたテリーを見つけ、引き摺り起こし、拳を振りかぶって……そして止まった。
既に、死んでいたから。
カンダタはテリーを地に下ろすと、やるせなく、地面に拳を突き立てた。
「い、やだよ……お姉さん、死にたく、ない……僕は……まだ、償って……ない……」
「大丈夫、助けます! 死なせるものですか!」
アリスはそういって呪文を唱え続ける。頭では無駄だとわかっていても。
彼女はその行動を止めようとはしなかった。
「死にたくないよ……お、父さん……母……さ、タバサ……僕は……」
「大丈夫、大丈夫、絶対に大丈夫です」
何度繰り返しただろう。
どれだけの時間が経っただろう。
気付いた時には ――ー
――― もう、声は……聞こえなくなっていた。
一陣の風が吹き、マリアは振り返った。
あのロトを名乗った少女は大丈夫だろうか。
奇妙な親近感を感じたあの不思議な少女は。
その時、馬上から声が降ってきた。
「ぐ、ここ、は? 俺は……ぐあ!」
「ククールさん、目が覚めましたか? 今はある人に助けられて馬でアリアハンに向かっているところです」
ククールは自分の身体を見て、状況を大体把握したようだ。
呪文を唱え、自分の傷を癒し始める。そして自分の前、馬の鬣に絡まっているトロデを見つける。
ぐったりとしていてピクリとも動かない。
「く、トロデ王も結構な重傷のようだな」
「はい、なんとか止血までは終わりましたけど早く安全な場所で治療しないと」
といってもククールもマリアも魔力に余裕がなくなってきている。
このままでは……危ないかもしれない。
「ハッサンは?」
「………」
マリアは静かに首を振る。
それで全てを悟ったようにククールは天を仰いだ。
「馬鹿、野郎……」
その時、進行方向に一人の神官服の男が現れた。
「誰です?」
「あやしいものではありません。私はアリスさんの仲間です!」
「彼女の?」
その実直そうな青年はマリアたちに駆け寄ると回復呪文を唱え始めた。
「私も治癒呪文はいくらかの心得があります。手伝わせてください」
「助かります! これでアリアハンまで持つでしょう、ありがとうございます」
支援!
深々と頭を下げるマリアに神官、クリフトは手を振って見せる。
「いえ、困った時はお互いさま。さぁ急ぎましょう、早く安全な場所へ行かなくては」
クリフトはマリアの代わりに手綱を引くと、歩き始めた。
(くく、この満身創痍の集団。すぐに殺そうかと思いましたが、やはり念を入れておかなくては。
この女性などはまだ余力があるようですからね。信用させて、元気なものから順に消していきましょう)
心の中で彼は哂う。
その後姿をククールは目を細めて見つめていた。
(なんだ、胡散臭い野郎だ……だが回復呪文をかけてくれたのは事実。しばらくは様子を見るか……)
それぞれの思惑の中、彼らは進む。
そして、町の門が見えてきた。
低く嗚咽する声が風に流れている。
カンダタはレックスを抱きしめたままのアリスに何も言えず、側に立ち尽くしていた。
ここを離れなければいけない。
しかし今のアリスに声を掛けることは躊躇われた。
死んでいった者たちの埋葬でもしよう。
そう考え、カンダタはゆっくりと周囲を見渡した。
――それに気付いたのは偶然だった。
平原の、草を掻き分けて何かが移動している。
しかしそこには何も見えない。
草はひとりでに左右に分かれていっているのか。
しかしその方向はゆっくりと、しかし確実にアリスの方に近付いていた。
カンダタの背筋に悪寒が走る。
その時思い出した。きえさりそうという不思議な草の存在を。
何も、考えなかった。
ただ、飛び出して「それ」とアリスの間に躍り出た。
「姐さん!!」
アリスが振り向く。
その時には既にカンダタの右肩には不可視の牙が喰い込んでいた。
鮮血が噴出す。
「ぐぎゃぁあああああああああああ」
「カンダタァ!!」
カンダタが絶叫をあげる。
アリスは呪文を唱えるとカンダタを銜えている見えない何かに向かって放った。
「姿を現しなさい、妖怪! メラ!」
小さな火の玉はその何か、に命中してその姿を浮かび上がらせる。
それは5つの首を持つ巨大な竜。
「あなたは……ヒミコ。いやさ、やまたのおろち!!」
「くくくくく、高みの見物を決め込んでみれば思わぬところで思わぬ獲物と出会えたものよ……。
うれしや、うれしや」
「カンダタを離しなさい!」
アリスは隼の剣を構えるとおろちの首の一つに斬りかかった。
しかしおろちは銜えたカンダタをアリスの目の前に動かす。さながら盾にするように。
アリスが攻撃を躊躇ったその瞬間に別の首がアリスに体当たりをかまし、撥ね飛ばす。
「あぁああ!」
「ぐ、あ、姐さん!!」
カンダタは見た。
アリスが血を流して宙を舞っているのを。
それは、カンダタが人質に取られたせいで起こった事態。
彼女の力になるのが望みだった。
理不尽な命令をされても嬉しかった。
姐さんの力になれていることが嬉しかった。
それが、今は、枷に、なっている。
「ふ、ざ、け、ん、なぁああああ!!!」
カンダタは全身に力を漲らせ、右肩に食い込んでいる顎を外そうとする。
しかし右腕に力が入らず、ビクとも動かない。
ならば、とカンダタは逆に左腕で竜の首を絞め始めた。
ビキ、っと骨にヒビが入る音がする。
「な、何をしておるか! 虫けら風情が、調子に……」
「調子に乗ってんなぁ……テメェだぁっ!!」
バキィっと言う音が響き、カンダタの肉と、骨と、竜の顎は砕け散った。
激痛におろちの残りの頭が咆哮をあげる。
そして支えを失ったカンダタは地面に落下した。
「へ、へへ……ざまぁみやがれ……」
そう呟いた後、カンダタの喉から血が溢れた。
ゴボゴボ、と嫌な音を立てて覆面が赤く染まっていく。
薄れいく意識の中、カンダタはアリスの幻影を見た。
カンダタを見て泣き叫んでいる。そんなのは有り得るはずないのに……。
しかしせっかくの末期の夢。堪能するにやぶさかであろうはずもない。
泣きじゃくるアリスに向かってカンダタは笑った。
――へへ、姐さん。何泣いてるんですかい……
――どうです? みてくれましか今の
――あんなでかい竜の頭をぶっ潰したんですぜ……
――格好よかったでしょ? あっしぁ、姐さんのためなら……
「馬鹿、格好よすぎなんですよ……子分が……私より目立つんじゃありません……」
アリスはカンダタに向かって苦言を吐く。泣きながら、もう答えないカンダタに。
ゆらり、と月明かりが遮られ、アリスに影が落ちた。
アリスはゆっくりと立ち上がりその影を生み出した存在へと振り向く。
「ゆ、油断したわ……だが……この好機、退きはせぬ、退きはせぬぞぉ!
アリスよ、我が憎き仇よ。ゲームなどはどうでもよい。我が命もどうでもよい。
ただ、おぬしを喰らう為にわらわはここに在るのじゃ!! わらわの糧となれぃ!!」
しえん
THE BATTLE ROYALE 19/20〜20/20
代行投下します。
一つ欠けた四匹の竜が一斉にアリスへと向かって襲い掛かる。
「やまたのおろち。私からカンダタを奪ったこと、許せません!!
再び冥府へと送り返してあげます!!」
アリスは襲い来る竜に臆することなく、悪意の真っ只中へと飛び込んでいった。
長かった戦いは最終局面を迎えようとしていた。
【D-4/アリアハン北の平原→アリアハンへ/夜】
【トロデ@DQ8】
[状態]:HP1/5 意識朦朧 腹部に深い裂傷(止血) 服はボロボロ 全身に軽度の切り傷 馬上
[装備]:白馬ファルシオン
[道具]:支給品一式(不明の品が1?) 大錬金釜 ミレーユの通常支給品
[思考]:??? レックスの呪いを解く方法を探す 打倒ハーゴン
【マリア@DQ2ムーンブルク王女】
[状態]:HP3/5 MP1/3 服はボロボロ 全身に軽度の切り傷 徒歩
[装備]:いかずちの杖
[道具]:支給品一式(不明の品が1〜2?) ※小さなメダル 毒薬瓶
[思考]:トロデの治療 アリアハンに向かう 打倒ハーゴン 竜王(アレン)を倒す
【ククール@DQ8】
[状態]:HP1/6 MP1/2 右腕に火傷(半分回復) 疲労 左腕切断(止血) 左耳喪失 馬上
[装備]:ビッグボウガン(矢 0)
[道具]:天馬の手綱 インテリめがね アリアハン城の呪文書×6(何か書いてある)
[思考]:自分の治療 クリフトを怪しんでいる マルチェロを止める 竜王(アレン)と話す
[道具]:祝福サギの杖[7]
[思考]:マリアたちと同行し、油断させて殺す アリスとカンダタを利用し、自分の護衛をさせる
自分が優勝し、アリーナを復活させてもらって元の世界へ帰る
【D-4/アリアハン北の平原→アリアハンへ/夜】
【クリフト@DQ4】
[状態]:左足に火傷(ある程度治癒) 背中に火傷(ある程度治癒) MP1/2程度 手綱を引いている
[装備]:なし
[道具]:祝福サギの杖[7]
[思考]:マリアたちと同行し、油断させて殺す アリスとカンダタを利用し、自分の護衛をさせる
自分が優勝し、アリーナを復活させてもらって元の世界へ帰る
【D-4/アリアハン北の平原/夜】
【ヒミコ@DQ3】
[状態]:HP3/5 頭が一つ潰れている
[装備]:なし
[道具]:ホットストーン
[思考]:アリスを喰らう 幾人か喰らい傷を癒す サマンサを喰らう
【アリス@DQ3女勇者】
[状態]:HP3/5 MP2/3
[装備]:炎のブーメラン 隼の剣
[道具]:支給品一式
[思考]:ヒミコを倒す
【バーサーカー@DQ2 死亡】
【レックス@DQ5王子 死亡】
【ハッサン@DQ6 死亡】
【テリー@DQ6 死亡】
【カンダタ@DQ3 死亡】
【残り20名】
※棘の鞭、ミラーシールドはバーサーカーの居た場所に放置されています。
※レックスの道具(折れた皆殺しの剣 王者のマント)ハッサンの道具(聖なるナイフ まだらくも糸 魔物のエサ)
テリーの道具(ボウガン 鉄の矢(29) イーグルダガー)カンダタの道具(破壊の鉄球 ロトのしるし(聖なる守り))
以上はそれぞれの場所に放置されています。
乙です。
代理投下ありがとうございます。
>>591訂正
一つ欠けた四匹の竜が一斉にアリスへと向かって襲い掛かる。
「やまたのおろち。私からカンダタを奪ったこと、許せません!!
再び冥府へと送り返してあげます!!」
アリスは襲い来る竜に臆することなく、悪意の真っ只中へと飛び込んでいった。
長かった戦いは最終局面を迎えようとしていた。
【D-4/アリアハン北の平原→アリアハンへ/夜】
【トロデ@DQ8】
[状態]:HP1/5 意識朦朧 腹部に深い裂傷(止血) 服はボロボロ 全身に軽度の切り傷 馬上
[装備]:白馬ファルシオン
[道具]:支給品一式(不明の品が1?) 大錬金釜 ミレーユの通常支給品
[思考]:??? レックスの呪いを解く方法を探す 打倒ハーゴン
【マリア@DQ2ムーンブルク王女】
[状態]:HP3/5 MP1/3 服はボロボロ 全身に軽度の切り傷 徒歩
[装備]:いかずちの杖
[道具]:支給品一式(不明の品が1〜2?) ※小さなメダル 毒薬瓶
[思考]:トロデの治療 アリアハンに向かう 打倒ハーゴン 竜王(アレン)を倒す
【ククール@DQ8】
[状態]:HP1/6 MP1/2 右腕に火傷(半分回復) 疲労 左腕切断(止血) 左耳喪失 馬上
[装備]:ビッグボウガン(矢 0)
[道具]:天馬の手綱 インテリめがね アリアハン城の呪文書×6(何か書いてある)
[思考]:自分の治療 クリフトを怪しんでいる マルチェロを止める 竜王(アレン)と話す
あ、書き込めた。
なんだったんだろう。
乙かれさまでした〜
改行規制喰らったので少し詰めさせていただきました。
(トロデ組みとクリフトを分けたり、最終話の情報行詰めしたり)
以上、代行投下終わります。
今気付いた、虐殺乙!(褒め言葉)
なんか時が止まってんね
みんな読み込んでんのかな
昨日の時点で大体感想書いちゃったとか?
すいません、最後の但し書きを訂正します。さざなみの剣入れ忘れてました。
※棘の鞭、ミラーシールドはバーサーカーの居た場所に放置されています。
※レックスの道具(さざなみの剣 折れた皆殺しの剣 王者のマント)
ハッサンの道具(聖なるナイフ まだらくも糸 魔物のエサ)
テリーの道具(ボウガン 鉄の矢(29) イーグルダガー)
カンダタの道具(破壊の鉄球 ロトのしるし(聖なる守り))
以上はそれぞれの場所に放置されています。
あとは忘れてないよね……ドキドキ
沢山有りすぎてどこから感想を書いたらやら、だぜ、
とにかく乙。
ところで、もうシドー復活できる人数に達した!?
待った甲斐があった!!!超乙!!!!
死人たくさんや〜 ところで今の比率はどんな感じ?マーダー少ない気が………
>>605 アリアハンすっきりしちゃったからこんどはレーベ方面にマーダー集中。
サマンサにフローラに。アレフの女難はまだ続く?
あと竜王アレン組にアトラス突撃中。
>>605 完全にゲームに乗ってるのは5人。
微妙なのが一匹。
アリアハンにもまだ聖職者マーダーが二人いるよ。
新作乙です。
放送後は夜というだけあってまったりとした時間が続いてましたが、ついに動きましたね。それも一気に。
結局生存者の5分の1が一気に亡くなったのか…凄い。
>>538 確かにトリ似てますね。ちょうどいいので次回作書く機会があったらトリ変えますね。
ではこちらもまったりとレーベ組早朝投下行きます。
「さあ…着いたぞルーシア。ここが俺たちの目指したレーベだ」
時は夜中、勇者アレフがいよいよ念願のレーベにたどり着いた。
もっとも、本来の目的は破綻してしまっていたが。
「それにしても、なんだこの荒れようは…」
ルーシアを安置する場所を得るため、村を見渡す。
倒壊した家屋、飛び散った残骸、抉られた地面…どれも平穏な村に元々あったものとは思えない。
この惨状は確実にここで戦闘が行われていたことを意味していた。
(周囲にまだ乗った者が居るとすれば、埋葬しているほどの余裕はないのかもしれないな…)
慎重に、十分な警戒をしながら、村の中へを足を運ぶ。
やがてルーシアを安置するにふさわしいであろう、宿屋を見つけ、その中に入る。
「このベッドの上なら、そうそう荒らされることもないだろう――どうか安らかに眠ってくれ」
彼女を二階の一室のベッドに横たえ、死後硬直の始まった腕をなんとか組ませ、アレフは黙祷を捧げた。
形見としてルーシアのザックを拝借した後、宿屋から出たアレフはローラを想う。
この殺人ゲームの中に放り込まれた一人のか弱き女性。
たとえ王族の身分だとして、このゲームの中ではそれを守ってくれる兵士など存在しない。
ならば一刻も早く自分が合流して彼女を守ってあげねばならなかった。
ここまで走り続けた間、ローラを見かけることはなかった。
それにゼシカを倒したあのフローラという殺人者も向かってきている可能性もある。
そうなるとここは東に戻るよりも、南――アリアハンや、ナジミの塔を探索しに行ったほうがいいのだろうか?
その思案は、聞こえてきた一つの声によって打ち切られる。
「おいエイト!大丈夫かよ!」
なんだなんだとアレフが向かった先は、村の中でも最も荒れていると言っても過言ではない場所だった。
家屋の倒壊は極まり、よく見ればそこらじゅうに血が飛び散っている。
一体どれほどの死闘がここで行われていたのだろう。とても想像で補うことはできそうもなかった。
そしてまず目に付いたのは一人の女性。
(この女性は――確か、ルーシアが仲間と言っていた…)
ルーシアがしきりに「頼りがいのある女性」と言っていた覚えがある。名は確か、アリーナ。
定時放送にてその名を呼ばれていたことから、彼女は既に死んでいるはずである。
しかし彼女は傷だらけのボロボロになりながらも、右手の正拳を前にしたまま立ち止まっていた。
また周囲の荒れ方も彼女の死に様を見て納得した。この痕跡は、彼女が死闘を演じて出来たものだろう。
立ったままその命を散らすに至るなど、とてつもない戦士もいたものだなと思った。
そして先ほどの声の主を探すことへと思考を切り替える。
振り返ったところで、それはすぐに見つかった。
そこではオレンジ色のバンダナを頭に巻いた、負傷した少年、
その少年へと必死に呼びかけるどこか高貴さを感じさせる金髪の少年の二人が居た。
呼びかけから考えるに、このバンダナの男の方がエイトという名前なのだろうか。
そういえばゼシカから「エイトっていうとっても誠実な仲間が居るのよ!」と聞かされていた覚えがある。
バンダナをしているという特徴も一致するし、彼がゼシカの捜し求めた仲間と見て間違いないだろう。
負傷し倒れているところから見ると、アリーナと共に何者かと戦ったのだろうか?
「失礼、君、大丈夫か…?」
「!」
金髪の少年に後ろから話しかけてみると、彼はまるで周囲への警戒が足りていなかったらしく
(それはそうだ、警戒していたならあれほどの大声は出さない)
突如として話しかけてきたこちらの姿を見るたび、しゃくりあげるかのごとく後ずさった。
「――大丈夫だ。俺はゲームには乗っていない」
「そ、そうなのか?なあ、あんた、回復呪文は使えないのか?仲間が、エイトがヤバいんだよ!」
乗っていないの一言であっさりと信用してくれるあたり、彼は根は非常に心優しい少年なのだと思った。
中級程度であるが使えると説明するより早く実践してあげたところで、ようやく少年は安堵の息を漏らす。
よくよく容態を確認してみれば、確かに危険な状態と言えた。
もう少し治療が遅れていたら危なかっただろう。自然と、回復呪文にかける力も強まった。
「治療には結構な時間がかかりそうだ、その間、少し話を聞きたい。――君は、この村にずっといたのか?」
「キーファって呼んでくれ。…ああ、ほぼずっとここに居た。ランドっていうやつと合流して――」
それから語られた金髪の少年キーファのこの半日の経緯は、壮絶かつ悲壮感あふれるものであった。
度重なるモンスターの襲撃によって、信頼できる仲間を失うという悲劇。
(その中には死神の騎士も含まれていたそうだ。あれは確かに自分でも苦戦するかなりの強敵だ)
そしてエイト、アリーナと合流しモンスターを退けるも、三度赤鬼のような魔物の襲撃。
そこで彼は意識を失い、先ほど目覚めて見れば二人がおらず、慌てて探しに出て、今しがた見つけた所と言う。
「そうだ、アリーナはっ!」
アレフと話している途中で思い出したのか、キーファは飛び上がる。
「あそこで立ってる彼女なら、放送で名前が呼ばれた。…俺の仲間の知り合いでね、名前は聞いてたんだ」
「…うそ、だろ?」
「残念だけど、恐らく君が意識を失っている間に――」
「……あいつ、さあ。赤鬼を見た直後に、俺のこと、気絶させたんだよ。
あんときはよく分かんなかったけど、『あたしがやる、二人は隠れてて』って意味だったんだろうな。
なあ、また俺は、守られちまったのか?何も出来ずに?――なんだよ、ちくしょうっ…!」
キーファの悲痛な叫びを目の当たりにし、アレフは改めてこの忌まわしいゲームへの怒りを露にする。
こんな悲劇を繰り返す忌々しいゲームは必ずこの手で止めてやらねば気がすまなかった。
治療をはじめて小一時間経ったところで、エイトの容態が安定してきた。
結果かなりの魔力を使ってしまったが、人の命を救うことが出来たのだ、全く惜しいとは思わない。
それから程なく、彼の意識が回復した。
「う…僕は…」
「大丈夫か、エイト?」
「キーファ、さん…?」
目を覚ましたエイトに、さっそくキーファが飛びつく。
仲間の死を立て続けに見てきた彼にとって、仲間が生還することの喜びはきっと言葉では言い表せないだろう。
「まだ万全じゃないぞ、程々にな」
「あ、あなたは…?」
ここで見知らぬ第三者に気づいたエイトが、こちらに疑問を投げかけてきた。
「この人がエイトを治療してくれたんだ。この人が居なかったら、今頃どうなっていたか――」
「そう…だったんですか、どうもありがとうございました。
僕はエイト。トロデーン城で近衛兵をやらせて頂いていた者です。貴方は…?」
「俺はアレフ。――ただのしがない戦士だよ。
さて、立てるかい?ここはやや人目につく。まずは場所を移動しよう」
互いに自己紹介が終わったところで、三人は宿屋へ移動した。
再度エイトに回復を提案するが、エイトはもう大丈夫です、と俺に魔力の温存を提案した。
そうか、と改めてエイトとキーファに情報交換を申し出る。
といってもレーベで起きた顛末の大半はキーアから既に耳にしていたため、
エイトから新たに得られたのはキーファは気絶していたが、エイトが目覚めていた間の情報だけ。
曰く、アリーナはキーファの推測どおり襲撃してきた赤鬼アトラスに対し一人で戦いを挑み、敗北。
その後エイトがアトラスと接触し、以上の情報を得るも結局はエイトもまたアトラスに攻撃され、昏倒。
アトラスは今も参加者の殺戮の為に活動している――というなかなか頭が痛くなるような情報だった。
(さて、東から来た俺がアトラスを見ていないということは、その魔物の進行方向は恐らく南…。
その南にローラが居る可能性だってある。もし華奢な彼女の元にそんな化け物が現れたら…!)
続いて出てきたのは、このゲームの目的に関する考察。
主催者ハーゴンは元々ランドの世界で民を脅かす悪魔神官で、その目的は破壊神の復活であったと言い、
今回のゲームによって失われた命は、その破壊神への生け贄とするのではないか、という考察だった。
なかなかに真実味のある話だが、結局は『殺し合いを止める』という目的に変更は無いので頭の片隅に置く。
支援
「僕たちの持つ情報はこのくらいです。――で、アレフさん。
もしよければ、貴方の持つ情報も僕たちに分けては下さらないでしょうか。
特に定時放送についての情報を。…実は僕たち、定時情報を聞くことができなくて」
「もちろんはじめからそのつもりだ。もらってばかりというのも悪いしな」
彼らに定時放送の詳細を話した後、アレフは自らの体験を包み隠さず全てを話した。
アリーナの仲間だったルーシアと出会ったこと。ゼシカという赤髪の少女と出会ったこと。
フローラと言う青髪の女と出会って離散した後、定時放送によってゼシカとルーシアの死を確認したこと。
まさにこの宿屋の二階に、ルーシアの死体を安置してきたこと。
そして今は、ローラという親愛なる女性の居場所を探していること。
途中悔しさに胸がいっぱいになりながらも、アレフは全てを二人に吐露した。
もしかしたら、誰かにこの苦しみを話すことで、多少なり楽になろうという思いもあったのかもしれない。
「やっぱり、アルスもマリベルも先に逝っちまってたんだな…」
キーファはその仲間を全て失っていたらしいのだが、曰く「ベリアルとの戦闘中に既に悟ってた」らしい。
走馬灯といったものでも見たのだろうか、キーファとその仲間の絆の深さに素直に感嘆した。
「――ゼシカ…」
またゼシカの死と、その顛末を話した際にはやはりエイトは大きく反応した。
彼女を一人にし、結果として死にいたらしめてしまった責任を感じずにはいられなかった。
「――結果としては、俺の判断が彼女を殺してしまったようなものだ。…本当にすまなかった」
「いえ、謝らないで下さい。彼女はきっと彼女らしく、最期まで生きたと思います。
それにこうして彼女と出会った貴方が無事生きて、僕と出会うことが出来ました。きっと彼女も本望でしょう」
「そう言ってもらえると、ありがたい」
先の回復の件からも思ったが、やはりゼシカが言っていた通り、彼は誠実で優しい男であった。
「で、これからどうするんだ?アレフさん、エイト」
一通りの情報交換を終えて(結局互いに探し人に関する情報は一切なかった)、キーファが提起する。
夜中にもかかわらず、夕方から気絶という形ながら睡眠をとっていたキーファは元気満々のようだった。
「すみませんが、僕はまだもう少し村のどこかで休養を取りたいです。
アトラスを今すぐにでも追いかけたいですが、今の状態では返り討ちにあうのは目に見えていますから」
エイトはレーベに残ることを選択した。自分の体を最優先に考えるのは、このゲームでは当然の選択と言える。
「そうだな、俺は…」
アレフは少し、思案する。
彼らを行動を共にし、この村で休憩を取るべきか(確かに昼間から走り通しで、かなりの疲労があった)。
それとも南へ向かい、赤鬼を牽制しながらローラを探すべきか。
少し考えて、導き出した答えは。
「南へ、向かおうと思う。アトラスとやらのことも気になるし、何より俺はローラを守らなければならない」
一刻も早く、ローラを探し出し、自らの保護下に置くこと。
多少の疲労よりもまず、それが優先すべき事柄であると思えた。休むのは、それからでも構わない。
エイトもその意志を汲み取ったのか、特にこの村に留めようとする態度は見せなかった。
キーファが何かに悩んでいる態度が気になったが、善は急げである。
「じゃあ早速出発するよ。二人とも、少しの間だが世話になった。
ここに留まるなら、フローラという青髪の女に気をつけてくれ。完全にゲームに乗ってしまっている。
あともし――君たちが先にローラと出会うことがあったなら、『アレフは南に向かった』と伝えて欲しい」
「はい、確かに承りました。…もしアトラスと遭遇したら、気をつけてくださいね。
止めたいとは言いましたが、正直一人一人で戦っていては、とても勝てる相手とは思えませんから」
「わかった、肝に銘じておくよ」
「――ちょっと待ってくれ、アレフさん」
そして小屋を出ようとするアレフを止める声が一つ。
「俺、アレフさんに付いていこうと思う」
「キーファさん…?」
キーファの突然の発表に、エイトも大きく驚いたようだった。
「俺さ、ランドにも、アリーナにも。俺のことを守らせたまま、死なれちまって――すげえ悔しいんだ。
アレフさんには手間をかけさせることになるかもしれないけど、もっと強くなりたい。
それになんか、アレフさんはどこか雰囲気がランドに似てるんだ。上手く言葉じゃ表せないんだけど」
ランドという少年とは出会ったことはないのだが、自分に似ていると言われると何か不思議な気分になる。
(――実際にアレフとローラの子孫がランドであるわけだが、それは今のアレフにはわからない)
もし彼の生前に出会うことができていたらなと、少し思った。
「そして強くなって、俺も誰かを――っていうか、ランドの妹を、俺の手で守ってやりたいんだ。
ただここで待つよりは、少しでも動いて探した方がいいだろ?
だからさ、アレフさんと一緒に探しに出たいんだ。…ダメかな?」
『守られる側から、守る側になりたい』。アレフはその確かな意志を汲み取る。
自分の下で強くなりたいと思う者がいるのなら、それは是非叶えてあげたかった。
「俺は構わないが…エイト、君は一人で大丈夫かい?」
「キーファさんがそう言うのなら構いません。それに僕は、自分でも回復呪文は使えますから」
やはりエイトもキーファの想いを受け取ったらしい。もっぱら送り出すつもりのようだ。
「じゃあ決まりだ。エイト、またな」
「ええ、また」
――また、か。
些細な会話の中、お互いにこれを今生の別れとしない確かな志があることをアレフは感じた。
そして必ずキーファとエイトを再会させてあげようと、強く心に誓うのだった。
「――ところでエイト、最後につかぬことを聞くが、君に解毒の呪文の心得は?」
「解毒の呪文というと、キアリーですか?それなら唱えられますが…それがどうか?」
「……いや、もう終わった話だ。エイト、死ぬんじゃないぞ。いつか必ずまた会おう」
「はい、必ず」
解毒の呪文の使い手は、確かにレーベの村に居た。
辛く、悲しかった自分の今までの道のりは、それでも決して間違ってはいなかったのだ。
ならば南に行けば、きっとローラも…!
それはアレフに大きな自信をもたらし、疲労を打ち払う新たな活力を生み出す。
眼前で意気込むキーファと共に、互いの探し人を見つけ、互いにそれを守り抜く。
――今度こそ必ず、果たしてみせよう。
こうして勇者と王子は決意新たに村を抜け、南へと歩み出す。
〜〜〜〜〜
その頃、村の東では。
「ゴンさん、サマンサさん。村が見えてきましたよ」
「ええ」
「大声出さなくても、見えてる」
「もう夜も更けていますし、この村でお休みしませんか?
サマンサさんもお疲れでしょ?」
「…そうですね。ちょうど休むにはいい時間と場所でしょうか。さっそく宿屋か何かを探しましょう」
竜に乗る姫と魔法使いという奇妙な組み合わせがレーベの村へと入ろうとしていた。
その目的は夜を越えるための休息である。…あくまで表面上は、だが。
(これはまたとない機会かもしれません。それなりに休んだ後、隙を見計らって殺すとしましょうか)
――サマンサは二人を殺す戦略を巡らせ
(この女これを機に寝首をかくつもりか?だがドラゴンってのは人間よりはるかに頑丈に出来ててな。
ローラが休んでる間に警戒を絶やさないくらい、容易く出来るぞ)
――ゴンはサマンサに警戒心を強め
(村の中なら、何か食材とかありませんかしら?お二人に何か振舞ってさしあげられたらよろしいのに)
――ローラは二人のために出来ることを考えていた。
そして勇者の去った村に姫が訪れる。
それはまさに、運命のいたずら。
【B-2/南の平原→南へ/夜中】
【アレフ@DQ1勇者】
[状態]:HP4/5 MP1/2 背中に火傷(軽) 疲労
[装備]:マジックシールド
[道具]:鋼鉄の剣 鉄の杖 消え去り草 ルーシアのザック(神秘のビキニ、祈りの指輪)
[思考]:ローラ姫を探し、守る アトラスを止める このゲームを止める
【キーファ@DQ7】
[状態]:健康
[装備]:メタルキングの剣 星降る腕輪
[道具]:ランドの物を含め、不明2
[思考]:ランドの妹(リア)を探し、守る アトラスを止める 危機を参加者に伝える
【B-2/レーべの村宿屋/夜中】
【エイト@DQ8主人公】
[状態]:HP1/3 左肩にダメージ 腹部と背中に打撃 MP2/3
[装備]:メタルキングの槍
[道具]:支給品一式 首輪 メルビンの支給品一式(不明二つ)
[思考]:体力回復に努める アトラスを止める 仲間(トロデ優先)を捜し、護る
危機を参加者に伝える ローラに会ったらアレフの伝言を伝える
【B-2/レーベの村入口/夜中】
【サマンサ@DQ3女魔法使い】
[状態]:HP3/8 MP1/5 全身に裂傷
[装備]:バシルーラの杖(5) 奇跡の石
[道具]:支給品一式 鉄兜
[思考]:レーベで休憩する 勇者の血を守る
【ローラ@DQ1】
[状態]:健康
[装備]:光のドレス
[道具]:ロトの剣 支給品一式
[思考]:レーベで休憩する アレフを探す ゲームを脱出する
【ゴン@DQ1ドラゴン】
[状態]:左肩に銃創(浅い)
[装備]:メガンテの腕輪
[道具]:支給品一式(不明アイテム一つ所持)
[思考]:サマンサを警戒する ローラを竜王の所に連れて行く それまでは護る
以上です、絶妙なタイミングでの支援どうもありがとうございました。
連投規制入って焦ってたところだったので…。
朝から乙!
新作乙!
でも、いくらなんでもキーファの全回復は早すぎない?
回復呪文が弱体化されてるから睡眠>ホイミなのは問題ないと思うけども
新作乙!
あぁ、やはり愛する人を探しにいったかアレフ!キーファも行ってしまったか。
運命の悪戯テラカナシス。
『王子の奮起、運命の悪戯』を読んで思いついて小ネタ
レーベの村でエイトという少年と別れた俺は、キーファを連れて南へと進む。
ふと、キーファが好奇心に目を輝かせながら、俺にこんな事を尋ねてきた
「なぁ、アレフさん。アレフさんも何処かの世界の冒険者なのか?
―いや、話を聞いたらエイトもアリーナも自分達の世界ですげー冒険してたらしいからさ。俺もだけど」
彼らと俺にこんな共通点があったとは…。
「あぁ。元々は旅の剣士だったんだが、俺が俺の世界の勇者の血筋であったのが縁で
ローラの父である国王に、彼女の救出と竜王退治の命を受けたんだ。」
「へぇ〜、すげぇ!まさに英雄物語じゃん。…そういえば、アレフさんの仲間とかいなかったのか?」
「仲間か。残念ながら一人旅だったよ。君達のような仲間が居れば心強かったんだろうけどね」
少しの間ではあるが、ルーシアやゼシカと道中を共にして、つくづくそう思う。
「それで一人でローラさんを助け出して、竜王を倒して世界救っちゃったんだろ?
やっぱアレフさんは凄ぇよ。でも大変だっただろ?一人旅ってのは」
「あぁ…少しでも油断したり、回復のタイミングを誤ったら最期だったからね。
仲間が居てくれればサポートしてくれたんだろうけどな…。
…でも、何が一番大変だったかと言えば、南進する以外は前方確認が出来なかったことかな」
「…………えっ!?」
「そうそう。あと、街の人達に話を聞くのにも、方向確認が必要でね。
よく西に居る人に話しかけようとして北を向いてしまったことがよくあったよ。アッハッハ」
(…アレフさんって一体どういう世界で生きてきたんだろう?それでも一人で世界を救っちゃうんだから
やっぱり凄い人だよなぁ)
「さぁ、南へ急ぐぞキーファ!」
「お…おう!」
こうして勇者と王子は南へと進む。捜し人と赤鬼を求めて…。
【アレフ。2 0 周 年 お め で と う ! 】
南に向かったのは必然だったわけか…
見やすいからなw
まとめさん相変わらず速い仕事乙です。
>>622 HP4/5も5/5も大差はないだろうと思って思い切って健康として記載したんですけど、
微妙な違いですが「ほぼ健康」くらいに抑えたほうがいいかもしれませんね。どちらでも本筋に影響はないですし。
>>624 大いに笑わせていただきました。状態欄の後にでも余談として残したりは流石にまずいかなw
キーファ、レベル低くてHP少ないイメージがあるし
まあ、装備自体は最強ランクだからベリアルにとどめはさせたが
アトラスってエイトに超回復薬使わなかったっけ?
それにしてはHP減りすぎじゃない
>>628 エイトには使ってない。自分で回復するために使った。
「ワシの名はアレン。ただの……ドラゴンよ」<炎、入り乱れて
「俺はアレフ。――ただのしがない戦士だよ <王子の奮起、運命の悪戯
おまえら、実はソックリ君・・・?
それとも、DQ1の世界では、普通の自己紹介なのか・・・?
633 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/27(火) 23:34:40 ID:hw2DwxsZO
ああ、なるほど。
必要以上に自分を卑しめず又同じく傲慢そうでもない
いい自己紹介だ
サマンサ・フローラ・アトラス・マルチェロ・クリフト・(ヒミコ)
フローラが印象強すぎて少なく感じない。クリフト以外は、強い&賢いのでアッサリやられないだろうからな・・・。
俺的にアレフと竜王は悟空とベジータのような関係だと思ってる。
あと、sageような。
最近、このスレが上がってるのよく見て驚くぞ。
>637
激しく、納得しましたw
>>633 いや、ちゃうちゃう
自分は炎、入り乱れてのほうの作者だけど運命の悪戯のほうは違う人
リメイクアレフは悟飯にそっくり
あんなのアレフだなんて認めないぜ!
二人とも渋くて好きです。
ここのBRのアレフは、どちらというのでもなく、読まれている皆さんの各々の心にある。
うむ。俺なんてイメージ小説版だぜ。
しかし、アレフ愛されてんな。
SSでも普通にかっこよかったし、直後にネタは貼られるし、絵板にはイラスト貼られるし。
没スレのレーベ組のお話を読んだところで、アレフが完全にサマンサヒミコを忘却してるのを思い出しました。
アレフはエイトに対し「フローラには気をつけろ」と言っといて、この二人を挙げてないのはミスもいいところ…。
まあ実際被害受けたわゼシカ殺られたわってことで、「特に注意すべき」としてフローラを挙げただけで、
残る二人も危険かもっていう情報もまたきっちりエイトに渡してるとして脳内補完…してもらえると嬉しいです。
>645
> [途中悔しさに胸がいっぱいになりながらも、アレフは全てを二人に吐露した]
の一文があるから、大丈夫かなぁ。きになるなら、避難所のまとめさんに修正依頼お願いしてみたら良いと思う。
>>646 dです。なんだかんだ気になったので修正依頼に追加修正をお願いしてきました。
ハッサンがやっと特技を使った戦闘を見せてくれたので良かった。
レックス、テリー、バーサーカーのマーダー対決も期待したが。
どうもこの先のレーベの展開でゴンさんがヤヴァイような気がしてならない…!
ちょっとしたことでも予測はやめとこうぜ
次の書き手に影響が出ないとも限らないしな
別に影響出てもいいだろ。
まさか読み手に合わせながら書いてる人もいるまい。
〜が心配だ。とか言うのはおk?
>>649 書き手さんにプレッシャー与えるつもりは無かった。今は反省している。
原作で例えると最近はこんなイメージになってきた。
アレフ=川田
キーファ=七原
エイト=杉村
ピサロ=三村
フローラ=相馬
リア=中川 典子
マリア=委員長
連続投下で大分上に流れてしまったので唐突に予約状況を整理。
といっても現在1つだけで、
>>535氏がトロデ、マリア、ククール、クリフト、マルチェロを予約中。
人数が一気に少なくなり、かつ現在地も固まってきてるということで、各パートを動かすのが少し大変になってきたかも。
でもここが踏ん張り時っぽいのでがんばっていきましょう。
アリス、ヒミコ予約しまふ。
>655 がんばw
ちょち質問。
各種草類やタネ類が自生してるのってまずい?
前に火炎草群生地はNG食らってたが、森の中にいくらか位はそれぞれあっていいよね?
(タネは出さないけど)
それもかなりまずいでしょ
概ね支給品以外でのアイテム入手は良い目では見られない
もちろんそこにあっておかしくないものなら許容もできるけど
薬草とか毒消し草なんかを入手されるのは駄目でしょ
木の枝を武器にするとかただの草で罠をつくるとかなら大丈夫だろうけど
659 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/29(木) 01:59:58 ID:F5sVIQiHO
キノコや植物を加工して麻薬を作るとかもできれば止めてくれ
sage忘れスマソ
さすがにキノコを加工までは考えないが…w
いや、しかし山や森や湖の周りに生えてなかったら、
一体どこに生えてんだ、だぜ…?薬草とか毒消し草とか。
しかし、(4の)攻略本見たら(それしか手元にない)薬草って、
『いろいろな草をすりつぶしたもので〜ry』書かれてるな。
ゲームの物は加工品だからその物は有り得ないな。
けど、その原料になる薬効効果のある草々はあってもいいんじゃないかい!?
ぶっちゃけ、そのへんに身近にあるような柳だとかドクダミだとかの木や草だって薬草としての効用があるんだぜ?
もちろん、効果はあっという間に傷が治るなんてレベルじゃないがw
あ、ちなみに毒消し草は、
『解毒効果の高い草花をすりつぶしたもの。』
と、書かれてました。
だからやっぱり、そのへんで入手できる代物ではないようです。
もしもそのへんに毒消しあるんなら、毒消しでなくキアリーを求めて走るアレフ様に矛盾が出ねぇ?と思ったんだけど、
仮に原料の草花がそのへんに生えていたとしても、
それを見分けて調合するのは専門の人じゃないと無理だと思うし、
キアリーを求めて走るアレフにも矛盾はないと思います。
矛盾してるなんて誰も言ってない
既に言われてるけど、薬効効果がある草が生えているとしても
「かなりの知識がないと見分けがつかない」みたいな感覚でいいと思う。
まして今は夜中なわけだしだし、暗闇の中から的確に材料になるものの草だけを引き抜くって相当でしょう。
で生存者にそれほど知識がありそうなキャラがいるかというと…微妙だなあ。
個人的なイメージとしては商人の経験を積んでるキャラなんかは知っててもいいかなって感じはするけどね。
薬草はマンドラゴラの根とヨモギを使うらしいぞ。
本当かどうかは知らんが。
>>664 トルネコと…大穴でトロデのおっさんとかはどうだろう?
もしヤンガスが参加してたらヤンガスも知識あるかもしれん、山賊生活長かったらしいし。
なるほど、言いたいことは大体わかった
うん、とりあえず薬草が何からできてるかとかの議論はどうでもいいから
支給品以外で回復アイテムを手に入れるのは勘弁してくれ
トルネコはその辺に落ちてる正体不明の草を片っ端から食ってその効果を確認するような男ですよ。
4でアイテムを見せるのもトルネコいないと出来ないし、鑑定、識別は彼の特技。
不思議のダンジョンだと死んでも必ず復活するが、ここだと死んだら終わりだから危ないなw
支給品と言えば…まだまだ不明の支給品って結構あるよなぁ。
>>668 でも異作支給品の使い方が分かるくらいに留めるべきじゃないか?
たとえば錬金釜とか風のマントとか
「おお、これは○○ではありませんか!」
「なに、知っているのかトルネコ!」
>>673 「だが、断る」に続くトルネコ伝説。
真っ先に竜王アレンとトルネコが会話するイメージ沸いちまったじゃねーかw
あのハーゴンが、薬草生えてるかも知れない島に、「できれば速く死亡してくれると主催者が楽」な生贄を送りこむかな。
一見、薬草に見えるあっという間に致死する毒草は、わざと生やしているかもしれんが。
>673
そのセリフ、どっかで出せるといいなw
>657
頼むから、せめて不明品でだしてくれ。
常に薬草の可能性を頭にいれて行動させなきゃいけなくなる。
避難所のネタ(リレーと別で)で書いてくれるのなら、歓迎するけどもw
フローラ予約。
自分の世界には無い支給品が出てきて、あれこれ試行錯誤するやりとりも面白いけどね。
トロデとマリアの錬金釜の話とか、ゴンさんのメガンテの腕輪とか。
>>676 ガンバレー!
落ち着け
わろた
すまん。矛盾が出たんで
クリフト、ククール、マリア、トロデ、マルチェロの予約取り消し。
最近スランプ気味だなあ…。
じゃあ代わりにローラ、ゴン、サマンサ、エイト、アレン(竜王)、トルネコ、リアを予約
同時進行か?
ガンガンイコーセ
超期待。ついにアレフ・ローラ再会来るか!?
現在地が大きく異なるパーティ同士だけど、考えてみれば絡ませ方は何通りかあるね。
どう絡むのか期待、頑張れー。
クリフト、ククール、マリア、トロデ、マルチェロを予約。
構成考えている時気づいたんだが○って放送後ずっと放置されてたんだな。哀れ。
うほ、予約ラッシュ!作戦はみんながんばれだね
すいません、もしかしたら予約過ぎるかもしれませんが本日遅くに投下します
もう少しお待ちを。
>>690 多分土曜日いっぱいまで期限は平気なはずなので、焦らずゆっくり仕上げてくださいね。
>>691 いや、エイトがアレフの進行方向知ってるから
なるほろ
そういや、これらの間にいるはずのアトラス、アレフ、キーファはいないんだな。
まぁ絡ませ方はいろいろ考えられる
インカムとか杖とか
投下します…予約日にち間違ってた、ハズカチィ
それは地獄絵図。
四対の竜が、若き少女へと牙を剥く、その光景。
ぎらりと閃く牙、獲物を目の前にして唾液の滴り落ちる顎、そして爬虫類特有の瞳。
いやらしい笑みを浮かべているように見えるのも気味が悪くて。
何よりも、大きい。
その姿、小山の如し。
そして、そのバケモノと切り結ぶは勇者。
その姿、鬼神の如く。
「いぃぃぃぃやっ!!!!」
アリスが隼の剣を振るうが、大蛇の鱗を裂くは叶わず。
二筋の剣光は鱗を数枚散らせたに留まった。
「くっ…はっ!」
前方から迫る首に炎のブーメランを投げつけるが、あっさりと鱗に打ち払われて戻ってこない。
にたりと笑った顔が、腹立たしい。
「ぬるい、ぬるいわ!!ほれ、後ろに気をつけることじゃ!」
ハッとして振り向けば、其処には奈落のように底知れぬ大蛇の口腔。
閉じられた顎が、アリスのマントの端を喰い千切った。
「天地(あめつち)の精霊よ、魔を滅すその力 今ここに示せ─」
─サマンサが、教えてくれた呪文を紡ぐ。
彼女の事は小さな頃から、慕っていた。
母と祖父を除いて身内がいなかったアリスにとって、彼女は姉のようでもあり、いろいろな事を教えてくれる先生でもあった。
ああ、サマンサ。
せめてあなたは無事でいて、と祈ることすら今は出来ない。
蘇りし大蛇を、今ここで─
「─イオラッ!!」
「くっ!」
─倒さねば。
はやくも支援
アリスの正義が大蛇ことヒミコを許すわけがなくて。
白光の爆発が、周囲に炸裂した。
大蛇は直撃は免れたものの、爆風でアリスを見失う。
閉じられた顎は、空虚を食らうばかりだ。
「どこじゃ、どこに…」
「ここですよ」
大蛇の鼻面に、とん、と何かが立つ感覚。
あの一瞬で跳躍したアリスの手には逆手に握られた隼の剣。
「文字通り、目と鼻の先です、ねっ!!!」
「ぐぎぁぁぁぁぁ!!!!」
二筋の閃きが走ると、瞳を縦になぞる様に紅色が走った。
遅れて噴出す、濁った色の血。
眼を潰された一ツ首は、激しく鬣を振り乱しつつアリスを振り払った。
宙に投げ出されたアリスは軽やかな身のこなしで、草原に着地する。
痛む体も厭わずに、剣を握りなおして下段の構え。
もがき苦しむ首に止めを刺さんと猛進した。
(一人では、一度に複数の首を相手にはできない…一点集中で、破る!!)
狙うは、喉。
鱗にはこの軽い剣が通らない。
首の下に滑り込む、そのはずだったが。
「調子に乗るでない、小娘!」
頭上から現れたのは、未だ健在の三ツ首の内の二つ。
二つの顎が大きく開くと、燃え盛る火炎が噴出した。
「ぐ、うっ!」
「ほれ、また後ろじゃ…くくく」
辛くも回避するが、背後からの声に振り向く。
残された一つの首が唸りを上げて、アリスの体を吹き飛ばした。
「がふっ!!!」
背中から地に叩き付けられて、呼吸が瞬間止まる。
激しく咳き込んで、全身が軋んだ。
月光が照らす夜の世界が、ぐるぐると回って見える。
月が増えた?
と、思えばそれは迫る四ツ首の瞳。
後ろではニヤニヤと笑みを浮かべた残りの首が除いている。
左端が潰れた眼から血の涙を流してはいるが、獲物を前にした喜びにその痛みは無きに等しいのだろう。
かぱりと開いた口は、一口目を頭からに決めたようだ。
─ああ、このまま私は食べられてしまうのでしょうか?
でも。負けるわけには…
そんなとき、アリスが父から託された信じるべき言葉が力をくれる。
…父上。赤子の頃に聞いたとはいえ…覚えていますよ?
「正義は……勝つッ!!!」
「ぐ、がッ!?」
起き上がりざまの左拳が大蛇の下顎に食い込んだ。
メリメリ、と音を立てた後に顎の骨ごとカチ上げられて、大蛇の首が天を仰ぐ。
右手に握り締めた剣は、がら空きになった喉元に、深く、隼を模した鍔の装飾まで、突き刺さった。
「……ッ…ご……ごぼごぼごぼごぼ」
声にならない声が、大蛇の喉の奥から響く。
ずるりと剣を抜くと、口腔と傷口からどす黒い血液が噴水のように噴出す。
2,3回ほど痙攣した後に、ぐるりと目玉が裏返り、それきりその首は動かなくなった。
私怨
びちゃびちゃと降りかかる返り血など気にも留めずに、アリスは紅に染まった剣を諸手で構えて飛び掛った。
「どりゃあああああぁぁぁァァァ!!!」
「ォ…オ…おのれ小娘がァァァーーーー!!!
アリスの剣が、襲い掛かる二ツ首の額を捉えようと閃いた。
しかし、体が重い。腕が、上がらない。
言うことを聞かない体を叱咤しつつ、アリスは剣を振るった。
「ぐぅっ!!」
(─はずしたッ!?)
アリスの的を外した剣先が、首の一つ、そう先ほど目を潰した首の頬を、抉っていた。
宙に舞った彼女の体が、隙だらけになる。
「さあ、喰ろうてくれるわ!!」
「うあっ!!」
懸命に身を捩り、アリスは牙を避ける。
しかし、すれ違った大蛇の口元には、アリスの鮮血がこびり付いていた。
「うあああああぁーーッ!!!」
叫びを上げたアリスの表情を見て、大蛇は途端に上機嫌であった。
くちゃくちゃと僅かながらの肉片を噛み締めて、大蛇はほくそ笑む。
「…く、く、く…うまし、うましッ!!!ああ、うまいうまい、どれほど望んだことか、この肉を、血を!!」
だらりと下がった二つの首を振り乱しながら、残りの三つが歓喜の咆哮を上げた。
その姿は滑稽であり、不気味であった。
アリスの左腕は深く抉られ、血が溢れ出ている。
灼けるような痛みに、アリスは耐えていた。
─掠った、だけ…だったのに…!!
しかしながら、キッと相手を見据えてアリスは立つ。
袖を噛み裂き、右腕で傷口をきつく縛りつけた。
片腕で、剣を握り切っ先を向ける。
し…
え…
「…次は…頭から喰らおうかえ…?」
「…正義の鉄槌なら、喰らわせてあげましょうか」
「ほっほっほっほ!!!」
大蛇が高笑いを上げて、満身創痍のアリスを見下した。
より一層いやらしくなった笑みを向ける。
「ほんに、減らない口じゃのう…ほれ、悲鳴をもっと聞かせてみぃッ!!」
「くッ!」
巨躯に似合わぬ素早い動きで、アリスを踏み潰そうと振り下ろされる足。
巨大な足跡がその破壊力を物語る。
アリスは、初めて大蛇に背を向けた。
「ほお?逃げるのかえ?無駄なことを」
「…真の勇者が、途中で戦いを放棄するものですか!」
─とは言ったものの、現在アリスに手立てがあるわけではなかった。
この隙に痛む腕にベホマをかけて、和らげる。
そして考える、たった一人で奴を打ち倒す策を。
カンダタの、仇を討つ策を。
「猪口才な手を考えさせる隙は…与えぬ!」
「きゃああっ!」
燃え盛る火炎がアリスの思考を濁した。
射程も威力も段違いの、強大な相手。
「ほれ、ほれ…逃げねば丸焼きになるぞよ?くっくっくっ…」
巨躯が飛び上がり、アリスの進路を塞ぐ。
紡ごうとした閃光呪文も大蛇の炎により中断された。
唸る太い足に蹴飛ばされ、アリスは吹き飛ばされる。
「うぐぁ…っ」
地面に叩きつけられながらも転がって体制を整える。
だが、起きれない。痛みが動きを鈍らせた。
苦しみながらも、なんとか体を起こそうと手をついて顔を起こす。
その視線の先には。
「カン…ダタ……」
しえん
今はもう動かない、その男。
アリスは初めて会ったときから、何故か悪い印象がもてなかった。
確かに大悪人である、盗賊の上人攫いだ。
でも、あのときに何故か許してしまった。
─許す、ですって?
あの日サマンサが耳を疑ったのも無理はない。
悪を許さないことにかけては天下一の娘が、悪人を逃がした、ということに。
─何でそんなことをしたのです、あなたらしくもない。
─ま、いーじゃぁないさ。アリスも考えた結果さね。勇者サマのご決断には逆らわない、さねぇ。ほら、金の冠。
─いつのまに…
─盗り返しといたさぁね〜。
─…抜け目のない人ですこと…まぁ、あの様子ならカンダタ達も放っておいても構わないとは思いますが、ね…
あの時アリスがカンダタを許したのは。
どこか父の面影が、彼に見れたからだったのだろうか。
逃げていくときの広い背中が。
本当に幼い頃、母に抱かれながら見送ったその背中に。
もちろん、威厳以外、完全に外見評価だが。
父の姿を彼に重ねた結果だったのかもしれない。
「ごめんなさい…カンダタ…私が……ついていながら…」
仇を、討たねば。
震える手で剣を杖代わりに、立ち上がろうとした刹那。カンダタの姿が、消えた。
何が起こったのかわかるまでに少しだけ時間がかかった。
消えたのではない。
その躯の上に、巨大な足が圧し掛かっていたのだった。
見上げれば、そこにはニヤリと笑う大蛇。
「何ぞ、踏んだかえ?」
「……っ!!!」
アリスの心臓が、一際大きく鼓動した。
「ひょほ、ほ、ほほほほほほほほほ」
大蛇の高らかな笑いが響く。
アリスは、ぶるぶると拳を震わせていた。
しえーん
「涙して、いるのかえ?泣いていいぞよ…わらわに取っては絶望も旨し糧!」
「泣いてませんよ」
そう、淡々と呟いた、直後に。
ドゴン、と巨大な地響きを立てて何かがめり込んだ。
大蛇は最初、自分の足音かとも思ったがその考えは打ち消される。
自分は、一歩も動いていない。では、何故?
答えは簡単だった。
三ツ首の内一つが、粉々に粉砕されていたから。
「………!!!!!」
頭蓋と呼べるものが粉微塵になっていて。
血と脳漿と涎などが入り混じった液体がじわじわと水溜りを作る。
「ぐ…ググ…」
皮膚は根元から重みに千切れかかっていて。
動かぬはずのアリスの左手に握られた破壊の鉄球が、完膚なきまでに一ツ首を打ち砕いていた。
「ギャアアアアアアアアアッ!!!!」
「泣きそうなのは…あなたでは?」
淡々と呟くその様は、静かな怒りに満ちていた。
アリスの、血の雫が垂れる左腕が、まただらりと下がる。
大蛇の残された二つ首が、アリスを飲み込もうと襲い掛かった。
燃え盛る火炎と共に、怒りの声が響く。
「おのれ…おのれ…おのれ…オのレおノれオノレぇェェーーッ!!!」
ノ ゜゚\<支援
狂ったように炎を吐き、足を踏み鳴らす大蛇。
勇者はただ、ただ相手の首を狙う。
全身が焼かれようがもうどうだっていい。
ただ、ただ…
「あなたを、許さない」
炎から焼け焦げながら躍り出た、勇者。
残り二ツ首の内の、眼も健在の一つ。
丸呑みにしようとした顎に、アリスは剣を逆手に振り下ろした。
「う、おおッ!!!」
「が、グっ」
ドズン、と世界を揺るがすような音と共に、オロチの頭は大地に縫い付けられる。
アリスは、鼻面に立ちながら指先をオロチの眉間に向ける。
「天よ、照覧あれ」
危険に気がついた眼の潰れた最後の首が戻ってくる。でも、そんなことはどうでもいい。
「闇に育まれし魔の子らに」
間に合わないと判断したか、何も見えないのか、自分の首ごと焼こうと炎を浴びせかけてきた。でも、そんなことはどうでもいい。
「光の裁きを」
アリスが開眼した。
見開かれた眼には、湛えられた涙。でも、そんなことはどうでもいい。
「来たれ、正義の雷 ─ライデイン」
焚き火の爆ぜたような音が響いたと思うと、大蛇の眉間には向こうの景色がきれいに見える穴が穿たれていた。
しゅうしゅうと傷口の焼ける匂いが鼻につく。
大蛇は何が一瞬、起きたのか解らなかったが、縫い付けられ断末魔をあげることも叶わず、やがて動かなくなる。
「残るは、一本ですね」
「お、の…れ……き、さま…」
瞳から血を流す、その一本。
アリスが最初に傷つけた、その首であった。
わなわなと震える顎をかぱ、と開いて突進する。
全身ボロボロである、今にも朽ちてしまいそうなその少女は。
けれどもその瞳の奥に燃える炎は潰える事は無く。
もう、自分で突き刺した剣を引き抜くことも忘れ、彼女は駆け出した。
「ヒミコォォォォォォォォッッ!!!!」
「ギシャアアァァァァァァァア!!!!」
厳かに振舞うのも忘れ、ヒミコは獲物に喰らいつく獣と化してアリスに牙を向ける。
血の匂いが彼女の位置を捉え、丸呑みにしようと大きな口腔が突っ込んだ。
バクンッ
しえん
「グガ…」
その牙はアリスを捉えることは…無く。
少女の鉄拳によってブチ折られ、無残にも宙に舞っているだけであった。
その鉄拳はメリメリと頬に食い込んでいて。
ぐらり、と傾いだ巨躯が、地響きと土煙を上げて倒れる。
「…いいですか…?この拳は、カンダタのぶんです…… ご立派な牙がへし折れたようですが…それはカンダタがあなたの牙をへし折ったと思いなさい」
煮えたぎるような怒りは、静かに、静かに言霊となって口から出て行く。
ためらいは無かった。
復讐染みているかもしれないが、アリスはこのままではたとえ大蛇を倒しても心に決着がつかないだろうから。
伏した大蛇の首に歩み寄る。
「そしてこれもカンダタのぶんですッ!!!」
「グブッ!!!」
振り下ろされた踵が正確に大蛇の額に命中し、割れて血が流れ出した。
もう、元気に噴き出るような状況ではないらしく、静かにどくどくと流れ出すだけだ。
「そして次のもカンダタのぶんです!! その次の次のも その次の次の次のも…… その次の次の次の次のも…」
「─────ッ!」
拳が何度も、何度も、何度も何度も何度も大蛇の顔を歪める。
大蛇は声を出すことすら出来ない。そんな隙は与えてもらえなかったから。
鱗は砕け、皮膚は裂け。アリスの拳からも血がボタボタと滴り落ちた。
鬼神、ここに至れり。
涙と血の入り混じり、ぐちゃぐちゃに歪んだ顔に怒りを漲らせてただただ打ちのめす。
どちらが魔物なのかが解らないほどだ。
「次の! 次も!カンダタのぶんだァァァァーーーーーーッ!!!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!」
もう誰も、止められないだろう。
アリスも、自分を止められなかった。
カンダタの遺体が!!支援!!
それから、半刻。
しばしの静寂の後、そこには満身創痍の少女が一人、見るも無残な姿となった、虫の息の女が一人。
二人の衣服は両方とも血で汚れていない部分を探すことは出来なかった。
時折吐き出される荒い息のみが聞こえる、奇妙に静かな空間。
やがて静寂を切り裂く様に、ぽつりとヒミコが呟いた。
「口惜しや…口惜しや……もう、一息で、喰ら、えた、ものを」
話す度にごぷりと吐血して、紅を引いたようになり、青白い顔も相成って死化粧のようであった。
アリスも立っているのがやっとなのか、反応を示せない。
「じゃ…が…うれしくも…あるぞ…」
「………?」
「こうして…最後に……」
草陰からゆらりと黒い影が伸び出てくる。
ヒミコの肩口から、傷だらけの大蛇が現れていた。
「隙を見せてくれてのぉ!!!!」
大蛇は、ヒミコは。
最後の牙を剥いた。
アリスは動かなかった。動けなかった。
ピクリとも、動けなかった。
指の先すら、動かなかった。
─ああ、もうダメなのでしょうか。
カンダタ…私…仇を、討てませんでした…
アリスが最後に思ったのは、父、母。
優しい思い出がいっぱいの時代が走馬灯のように頭に流れこむ。
支援!
そこはかとなくジョジョ支援ッ!
初代ロトガンバレ!超ガンバレ!!
ふーらいのしえん
君が!泣くまで!殴るのをやめない支援
ノ´`\<支援
─小さな頃から、女ながらも母から聞かされた父の事を思って生きていた。
剣を取り、呪文を学び、強くなる未来を望んで努力したのは全て父へ近づく、その為。
ある日、母に言われたことがある。「アリスは女の子なのに、女の子らしくしたいとは思わないの?」
しかし、アリスがこう言うと母はそれからは黙って笑顔で見守ってくれるようになったのだ。
「ははうえ、私はちちうえになりたいのです!おんなのこではちちうえになれません!」
子供の特権、勘違い。
母はくすくす、と笑ったので事情を聞いて真っ赤になったのを覚えてる。
同時に男に生まれなかったことに、ちょっとがっかりもした。
それからは、アリスは立派な父親になるのは諦めて父のような勇者になると誓った。
そう、彼女はただ父の背中を追っていた。
そして母もそんな娘の背中を黙って押してくれたのだ。
馬鹿な夢、と笑わず。やめろ、と止めず。
魔王を倒すのは、苦しい旅と解っていても。
世界を救うためには、二度と帰ってこれないかもしれないとしても。
憧れの父と同じ道を歩ませてくれた、母に感謝の言葉を言いたい。
ありがとう。
…母上、おかげで私は─
ライデインは「正義の雷」じゃなくて「勇気の雷」だった気がする支援
「…こんなに強くなれました」
蛇の顎は、右腕と左足で止められていて。
寝たままのヒミコは、眼を見開いていて、驚愕していて。
大蛇は閉じぬ顎を懸命に食いしばる。
ミシミシと、潰されそうになりながらもアリスはもはや使い物になるのか解らない左腕を持ち上げた。
震える手が、血を零す。流れる血が残っていたのかと、アリスは驚いた。
「天よ、照覧あれ」
紡がれる呪文は、勇者の裁き。
ほとんど枯渇した魔力が、左腕に集中した。
「全てを滅ぼさん闇を、嘆きを与えし魔を、冥府へといざなえ ─来たれ、正義の雷」
手から稲光が迸る。
大蛇が口の中の得体の知れぬ恐怖に、怯えている。
ヒミコも慄いている。
球体となった雷光が、放たれた。
「ギガデイン」
大蛇の喉奥で、青白い光が爆ぜた。
父よ母よ妹よ…だとV3だな支援w
支援大杉支援
アリス!死ぬな!がんばれ支援!!
そういえばデイン系の詠唱台詞は世界共通なのかw
ただエイトがかっこつけただけだと思ってた支援
しばらくして、大蛇は霞のように消えて、無くなった。
不意に、ヒミコが笑い出す。
高らかに、透き通った声で。
いつまでも、いつまでも…
笑いに笑って…それきり、ヒミコは動かなくなった。
笑っているような、悔しがっているような。
ただ、安らかに死んでいったのだろう、美しい表情であった。
アリスは、魔力を完全に使い果たす寸前であった。
最後の魔力でかけたベホマは、もはや何の効果も無いに等しい。
意識が遠のきそうであったが、彼女はカンダタの亡骸があった所へ行った。
何も、無かった。
─弔えなくてごめんなさい、カンダタ。でも仇、討ちましたよ?
微かに笑んだところで、アリスの意識は途切れた。
勇者は、父の言葉を思い出した。
「正義は、勝つ」
【アリス@DQ3女勇者】
[状態]:HP1/10 MP 0 気絶
[装備]:隼の剣
[道具]:支給品一式
[思考]:???
※棘の鞭、ミラーシールドはバーサーカーの居た場所に放置されています。
※レックスの道具(さざなみの剣 折れた皆殺しの剣 王者のマント)
ハッサンの道具(聖なるナイフ まだらくも糸 魔物のエサ)
テリーの道具(ボウガン 鉄の矢(29) イーグルダガー)
カンダタの道具(ロトのしるし(聖なる守り))
アリスの装備(炎のブーメラン 破壊の鉄球)
以上はそれぞれの場所に放置されています。
【ヒミコ@DQ3 死亡】
【残り19名】
投下完了しました。みなさま支援マジでありがとうございます。
問題点、矛盾点、とかがあればどうぞ〜。
新作乙!!
まさに死闘、血闘。すげーハラハラしたYO!
ヒミコがカンダタの死体踏み潰したシーンでテンション最高潮になった。
とりあえずアリスが生きていてくれて本当に良かった!!
乙!
アリス生きたか!てっきり相殺だと覚悟していたのに。
齧られた左腕が終始大活躍だったけど、その代償は状態欄に記載なしでいいのかな?
もう使用不可能でも問題ないんじゃないかと思うけど。
>>725 エイト【勇気の雷】
レックス【勇者の雷】
アリス【正義の雷】
たぶん、ここは個々のバリエーションが働いてると思っていたので。失礼
ところで、デイン系の詠唱って、最後の「〜の雷」って個人の自由?
各世界で詠唱が微妙に違うのかな。
現象は一緒でも、呪文が各々違うのか・・・。
おおお、アリスもヒミコも死力を尽くして闘う姿は感動ものでした。
力作リアルタイムで読めてよかったです。
作者さん本当に乙
【アリス@DQ3女勇者】
[状態]:HP1/10 MP 0 気絶 胸骨損傷 全身に火傷
左腕骨折、重度の裂傷(要メガザル、世界樹の雫級の回復薬
[装備]:なし
[道具]:支給品一式
[思考]:???
※棘の鞭、ミラーシールドはバーサーカーの居た場所に放置されています。
※レックスの道具(さざなみの剣 折れた皆殺しの剣 王者のマント)
ハッサンの道具(聖なるナイフ まだらくも糸 魔物のエサ)
テリーの道具(ボウガン 鉄の矢(29) イーグルダガー)
カンダタの道具(ロトのしるし(聖なる守り))
アリスの装備(炎のブーメラン 破壊の鉄球 隼の剣)
以上はそれぞれの場所に放置されています。
以上に修正します。
別に全然違ってもかまわないと思う。
742 :
741:2006/07/01(土) 01:10:54 ID:d5cIiMiy0
詠唱のことね。
>>735 なるほど、そういう差別化は発想になかった、手が込んでて面白いなあ。
と、修正乙。アリスまさに満身創痍…でも周辺に人いたっけ…?マリアたちは城内行きだよね。
これ、ヘタしたらアトラスにプチリと(ry
2ch@DQBR板
アリスが救済される自然なストーリーを考えるスレ(684)
クリフトが優勝する自然なストーリーを考察するスレ(1)
投下乙!途中アリス死ぬのかと思って冷や冷やしたよ!カンダタ、死体が……
子孫と王子に拾ってもらえることを祈るしかないな、アリス
エイトの詠唱が「勇者の雷」じゃなかったのは
「……エイト勇者じゃないやん」って、ただそれだけの理由だったりした
あ、指摘ばっかでスマンのだが、現在地と時刻が記載されてない気がする
しかし、アリスの傍に来ないように願いながらのバシルーラで
ヒミコと戦う羽目になってしまうとは…。これもまた運命の悪戯…。
>>745 ハーゴンは一通りの文言を語り終えた。
今まさに地獄のゲームが開始されようとしていた。会場内は静まりかえっていた…。
―その時である。
「ザラキ!」
若い男の声が反響するように木霊した。
死の呪句だった。若き神官、クリフトによるものである。
バタバタ バタバタ
途端、倒れこむ人、人、魔物。
一瞬にして命を奪う"即死呪文"と呼ばれるそれは、断末魔の呻きしら上げさせる間もなく会場内の"全員"を死にいたらしめた。
聡明な彼はこの計画を思い付いた直後、ハーゴンの言葉も聞かず必死に呪句を紡いでいたのだ。
「は…、はは。
や、やりましたよ!ハーゴンさん!」
クリフトは壇上にいるであろうハーゴンを見やった。
―彼もまた同じく倒れていた。
「え……。」
どうしようも無かった。
ただただクリフトは途方に暮れるしかなかった。
―DQBR BAD END―
ちょww自然だけどwww
おろちごときに満身創痍とは…・゚・(ノД`)・゚・。
【Dー4/アリアハン北の平原/夜】
を状態に追加。
戦闘中かなり時間描写ありますが
夜中間際でも夜真っ盛りでも構いません
おろちごときって、
以前は4人で倒したんだし、回復呪文も制限されてりゃこんなもんでしょう
ヒミコちゃんひどい言われようだなw
今までで一番鳥肌立ったよ。
GJ!
756 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/01(土) 03:51:33 ID:bkXzEZjY0
新作乙です!!
死闘に最後までハラハラしましたよ。
リアルで読めて嬉しかった。GJ!!
アリスたんどうか死なないで〜
投下
森の中へと入り、休めそうな岩があったので足を下ろす。
ふぅ、あちこち見るのも疲れるなぁ。
草を踏み分ける音がする。そちらを向けた視線の先に、草を揺らしながら人がやってくる。
前後左右を気にしながら、こちらに、歩いていく少女が1人。
妙な帽子を頭に乗せている。
左手にはこれまた奇形の木の杖。
右手には鉄の・・・杖だろうか、それにしてはデコボコで変だ。
おまけに、歩き方がおかしい。
怪我でもしているんだろうか?
はっきりいって、あやしい。
あやしいが、さっき会った者達よりは、弱そうだ。
なんか、じっと見られテルヨウナ・・・。
警戒したほうがいいのだろうか?
わたし、ただの鴉だからなぁ。
どう見ても、普通の少女で怪我をしているかもしれない人だ。
大丈夫だろう・・・多分。
デコボコした体の赤毛の少女がこちらを見ながら、杖を振る。
体を光の粒子が包みこむ。
ボタ、ゴト、ボト。物が落ちる。
鏡が突然現れた!
じゃなくって、
おいおい、変身しやがったよこいつ!
「ガ、ガガー!」
鴉は混乱した!
まて、まてまて、ザックの中身やら鉄の変な杖などが、地面におちてますよ〜。
何故か、サイズが変わって頭に帽子だけは乗ってるけど。
ああ、手がないから使えないんだな。
なぜだか懐かしい感じの・・・そういえば、間近でそのザック見たの2度目だな。みんな同じ形かぃ。
そうだ、落し物ですよ〜。拾ったらお礼を・・・。
・・・いかん、冷静にならないといけない。
「カァ、カァ、カカァ」
こいつ何やら言っているらしいが、意味を為してない。
鴉には、明らかに人間の発音無理だぞ。
「アホー」
と、叫ぶのが精々だ。
私の動揺を無視して、そいつはクチバシで咥え、杖を振った。
再び光の粒子が現れ、鴉を包む。
今度は青みがかった髪の女性が現れた。
「つ、使えませんわ」
不機嫌そうに言い捨て、落ちた荷物を拾っている。
その体には右半身に火傷。
誰かに傷つけられたのだろうか。酷いな、痛いだろうな・・・。
青みがかった髪の大人しそうな女性が杖を振う。
光の粒子が舞う。
再び現れた赤毛の少女。
「せっかく、参加者を探すのに都合が良いと思いましたのに。・・・フフフ」
突然の笑い声。
邪悪さに背中がザワリとした。
危険、危険。危険。
本能が叫ぶ。
だが、下手に動くと更にまずいかもしれない・・・!
くるりとこちらを向く。
怖い。その笑顔がぁ。ヒィイィィ。
「それにしも、大人しい鴉ですわね。空腹なのかしら?心配しなくても、私が沢山、食事を作っておいてあげますからね。」
作る?
「新鮮なうちに食べに来てくださいね。後、25人だったかしら?」
にん、人・・・。
あんな、食中り起こしそうな奴らなんか食えるかーーー!!!呪いで腹下したらどうする!
と、叫べたら良いのですが、ここは触らぬ神に祟りなし。
私、鴉ですから!うう・・・情けない。
「鴉さん、またね。」
にっこりと笑って、私の前を通り過ぎる。
彼女の通った近くの木々達が、風に揺らされ、ざわつく。
私は、彼女が闇夜に吸い込まれて姿が見えなくなるまで、ただ立ちすくんでいた。
【B-3/レーベ東の森/夜中】
【フローラ@DQ5】
[状態]:健康 ゼシカに変化 顔から右半身にかけて火傷の跡 徐々に火傷から痛み(最後に治療を受けたのは12時頃)
[装備]:山彦の帽子 毒針 ベレッタM92(残弾15)
[道具]:変化の杖(観察済で変身可能*フィオ・ローラ・ゴン・アレフ・ルーシア・ゼシカ・カラス) マガジン(装弾数15)×1 神鳥の杖 エッチな下着 未確認(一つ)
[思考]:逃げたアレフを追い、殺す ゲームに乗る(ただしレックスのみ痛めつけて殺す)
永遠の若さとリュカの蘇生を願う
※フローラの火傷には定期的な回復治療が必要です。
治療しないと半日後くらいからじわじわと痛みだし悪化します。
乙
しかし烏に変化できるのは無しにならないだろうか
乙。
「荷物が持てない」「呪文が使えない」
などのデメリットがあればギリギリOKかもな
森の中へと入り、休めそうな岩があったので足を下ろす。
ふぅ、あちこち見るのも疲れるなぁ。
草を踏み分ける音がする。そちらを向けた視線の先に、草を揺らしながら人がやってくる。
前後左右を気にしながら、こちらに、歩いていく少女が1人。
妙な帽子を頭に乗せている。
左手にはこれまた奇形の木の杖。
右手には鉄の・・・杖だろうか、それにしてはデコボコで変だ。
おまけに、歩き方がおかしい。
怪我でもしているんだろうか?
はっきりいって、あやしい。
あやしいが、さっき会った者達よりは、弱そうだ。
なんか、じっと見られテルヨウナ・・・。
警戒したほうがいいのだろうか?
わたし、ただの鴉だからなぁ。
どう見ても、普通の少女で怪我をしているかもしれない人だ。
大丈夫だろう・・・多分。
デコボコした体の赤毛の少女がこちらを見ながら、杖を振る。
体を光の粒子が包みこむ。
ボタ、ゴト、ボト。物が落ちる。
火傷の女性が現れた!
じゃなくって、
おいおい、変身しやがったよこいつ!
「ガ、ガガー!」
鴉は混乱した!
まて、まてまて、ザックの中身やら鉄の変な杖などが、地面におちてますよ〜。
なぜだか懐かしい感じの・・・そういえば、間近でそのザック見たの2度目だな。みんな同じ形かぃ。
そうだ、落し物ですよ〜。拾ったらお礼を・・・。
いかん、冷静にならないと。
火傷の女性は、青みがかった髪をしていた。
「つ、使えませんわ」
不機嫌そうに言い捨て、落ちた荷物を拾っている。
その体には右半身に火傷。
誰かに傷つけられたのだろうか。酷いな、痛いだろうな・・・。
女性が杖を振う。
光の粒子が舞う。
再び現れた赤毛の少女。
「鳥になれれば、参加者を探すのに都合が良いと思いましたのに。・・・フフフ」
突然の笑い声。
邪悪さに背中がザワリとした。
危険、危険。危険。
本能が叫ぶ。
だが、下手に動くと更にまずいかもしれない・・・!
くるりとこちらを向く。
怖い。その笑顔がぁ。ヒィイィィ。
「それにしも、大人しい鴉ですわね。空腹なのかしら?心配しなくても、私が沢山、食事を作っておいてあげますからね。」
作る?
「新鮮なうちに食べに来てくださいね。後、25人だったかしら?」
にん、人・・・。
あんな、食中り起こしそうな奴らなんか食えるかーーー!!!呪いで腹下したらどうする!
と、叫べたら良いのですが、ここは触らぬ神に祟りなし。
私、鴉ですから!うう・・・・情けない。
「鴉さん、またね。」
にっこりと笑って、私の前を通り過ぎる。
彼女の通った近くの木々達が、風に揺らされ、ざわつく。
私は、彼女が闇夜に吸い込まれて姿が見えなくなるまで、ただ立ちすくんでいた。
【B-3/レーベ東の森/夜中】
【フローラ@DQ5】
[状態]:健康 ゼシカに変化 顔から右半身にかけて火傷の跡 徐々に火傷から痛み(最後に治療を受けたのは12時頃)
[装備]:山彦の帽子 毒針 ベレッタM92(残弾15)
[道具]:変化の杖(観察済で変身可能*フィオ・ローラ・ゴン・アレフ・ルーシア・ゼシカ) マガジン(装弾数15)×1 神鳥の杖 エッチな下着 未確認(一つ)
[思考]:逃げたアレフを追い、殺す ゲームに乗る(ただしレックスのみ痛めつけて殺す)
永遠の若さとリュカの蘇生を願う
※フローラの火傷には定期的な回復治療が必要です。
治療しないと半日後くらいからじわじわと痛みだし悪化します。
完治にはメガザル、超万能薬、世界樹の雫級の方法が必要です。
新作乙!
鴉変化に意義があった一人だけど、
>>762の案は面白いと思った。
今思えば鳥変化フローラも見てみたかったかも…アレフたちの前に
「ごきげんよう、皆さん」みたいに。ロードス島戦記のカーラみたいで素敵だw
新作乙
B−3はゴンロラを見守ってたアホウドリといいユーモラスな鳥がいっぱいるのねw
ロワの舞台(アリアハン大陸)に、他の小動物の姿は見えないが何故か鳥はいること、
さらにその場所がB−3に集中していること、これは何かの暗示、伏線じゃないだろうか…?
これに、ロワの舞台のアリアハンは実際のアリアハンとは異なる時間間隔を踏まえて考察すると……。
また、“鳥”というのも興味深い。
何故なら鳥というのは……、おっといけない、いけない。
これ以上喋っちまうと俺がデリートされちまうぜ。
HP130 MP2100を持ってしてもメナンドーサに勝てない…。
黄色レーザーと黒い帯状攻撃の後に来る、大きく剣を振り回す攻撃ってどうやってかわしたらいいんだ?
あと、爆撃と火球とコーヒー豆の弾幕。全然かわせねぇ。
他は食らいながらも、ある程度は見切れるんだが
ごめん、誤爆した。
ハーゴンから鳥さんまで、全てのキャラが大好きだ!
何気に白馬と手綱は揃っているからな
あとは首輪じゃけん
それを知ってる6キャラ全滅だけどな。
でも肝心な首輪解除情報を持つピー坊&フォズが誰かと遭遇するのが難しい位置に…
遭遇できたとしてもマーダー真っ盛りなフローラさんだ。
ククールが3の世界の呪文書を持っているな
果たしてPちゃんと同じく気づくか
>>776 そ の 手 が あ っ た か !
その前にM字と緑の人をどうにかしないとね。
ククールがシャナク習得すればマリアのアバカム・ファルシオン・天馬の手綱とあわせて
脱出にリーチがかかるな。
いや習得するのはマリアでもいいけど(個人的にはマリアは呪いには弱くあって欲しいけどw)
ハッサンの遺志もあるから奴には頑張って欲しいな…
呪文書にシャナクがあるならとっくにククールか誰かがレックスに使ってるだろう
少なくとも習得しようという話があるはず
その辺の本掴んで逃走→休憩中襲撃→ククール気絶、アリアハンへ→現在
読む暇が無かったとも取れるさ
今から投下します。
町の中は暗く、静かだった。夜空の星達は、この世界と『ゲーム』をただ見守っていた。
「この建物の中なら、安全そうです」
若き神官は、宿屋を指し、そう言った。
「そのようですね。早くおじさまの治療を……」
少女は、ぐったりとした魔物のような男を抱え、宿に入っていった。
「立てますか?」
「……ああ、何とかな」
左腕と左耳を失った男は、力なくそう答え、神官と共に宿に入る。
「おじさま……どうか死なないで…」
マリアは僅かに残された魔力で懸命にトロデに治癒呪文を唱える。クリフトもそれを手伝う。
クリフトに不審を抱きながら、ククールも自らに治癒呪文を唱える。
「う〜ん…はっ!わ、わしは…」
皆の魔力が尽きかけた頃だった。ただ一人を除いて。
「トロデおじさま!」
「トロデ王!」
「トロデさん……!」
先程までの重い空気を吹き飛ばすかのような歓喜の声が部屋に響き渡る。
しかしクリフトのそれは別のもののようだった。
(仲間の命が助かった事で彼等は安心しきっている。隙だらけ…ですね今が…好機か…)
クリフトは死の呪文の詠唱を始めようとした、が、止めた。止めざるをえなかった。
彼に向けられていた蒼く冷たい視線―
(まだ……信じてもらえないようですね)
「お前…まだ少し魔力に余裕があるようだが?」
冷たい視線の先から、声がした。
「……いざという時のために、多少は残しておいた方が良いと思いまして。いつ誰が襲ってくるか解りませんし…」
ふうん、とククールは納得がいかないといったような声を出した。
その隣に、先程意識を取り戻したばかりのトロデを心配そうに見つめるマリアの姿があった。
トロデは不完全とはいえ体力が戻った自分の体と、目の前の疲れた顔の王女を見て、彼女がどれだけ自分に尽くしてくれたかを悟った。
「マリア王女…」
「おじさま、喋らないで下さい!体力は回復しましたが、まだ完全ではありません。無理はなさらないで下さい。」
彼女にはもう魔力は残されていない。これ以上の回復はできないと思うと、悔しさで胸がいっぱいになった。
そんな彼女を見つめるククールに気づくのにそう時間はかからなかった。
「ククールさん……私の方をじっと見て…何ですか?」
「その杖…ちょっと貸してくれないか?」
ククールがじっと見ていたのは彼女ではなく彼女の手に握られたいかずちの杖だった。
「いいですけど、何に使うんです?」
「いいから見てろって」
彼は彼女の手から杖をひょいと取り上げる。そしてトロデ王を向く。
「ククールさん、一体何を!?」
「今、楽にしてやるぜ、トロデ王」
ククールは杖を握った右手を振りかざす。杖先に封じられた魔力が集まってゆく―
「もしや、貴方もこのゲームに…」
誰にも聞こえないような小さな声でクリフトはそう呟いた。
その杖から放たれたのは閃光ではなく優しい癒しの光。
「今のは一体…」
マリアは驚いた顔でククールを見る。本来あの杖には癒しの力などはない。他者を傷つけることしかできないはずの物がなぜ―
彼女の持つ疑問に彼はすぐ答えてくれた。
「杖の持つ魔力を引き出し、癒しの力に変える。『祝福の杖』って呼ばれてる技だそうだ。
……ま、中級治癒呪文程度の力しかないけどな」
トロデに杖を向けながら彼は言った。
「流石はわしの家臣じゃわい」
大分楽になったのか、いつもの調子でトロデが笑いながら言う。
「トロデ王の家臣になった覚えはないんだがな。ま、ここにいる間だけなら家臣になってやってもいいぜ?」
ククールも笑いながらそれに答える。
それにつられてマリアも笑う。
笑わない男が一人。彼等を殺そうとしている神官、クリフトだった。
体力も魔力もあまり残っていない集団を殺すのは簡単だと思っていた。
自身の魔力を使わずに癒しの力を使う事のできる『祝福の杖』の存在は想定外だった。
彼を驚かせたのはそれだけではなかった。
「トロデ王の家臣より、マリア王女を護る騎士になりたいけどな」
「それならわしがマリア王女を命をかけてでも護るよう命じてやるわい」
「ふふふ…お二人とも、仲がよろしいのですね」
何故、彼等は笑っていられるのだろうか―
さっきまでは話すことすらままならない状態だったはず
それなのに彼等は楽しそうに笑っている―
驚きは憎しみへと変わっていった。笑っているのはアリーナ姫でなければいけないのだ。
彼女の笑顔をもう一度見るためには目の前の笑顔を消さなければならないのだ。
彼は躊躇わなかった。彼女のためなら―
「神の御手よ、永久の眠りへと誘いたまえ」
マリアがクリフトの方を向く。
「貴方、その呪文は―」
遅れてトロデとククールもそれに気づく。
もう 遅い―
クリフトは勝利を確信した。今更魔封じの呪文を唱えても間に合いはしないだろう。
「死の腕に抱かれ眠れ―」
呪文を唱えようとしたその時、突然身体に激痛が走り、動けなくなってしまった。
(どうやら…麻痺してしまったようですね…しかし一体誰がどうやって…)
トロデとマリアも何が起こったのかわからずにいる。死の呪文の詠唱はほぼ終わっていたはず。それなのに何も起こらなかった。
ただ一人その答を知る人物が口を開く。
「警戒しておいて正解だったぜ。魔力を残しておいたのは、その呪文を唱えるためだったと言う訳か」
そう言った後、彼は呪文の詠唱を始めた。
「彼の者に宿りし魔力の源よ、我に集え――マホトラ!」
クリフトの魔力がどんどん奪われてゆく。ククールは彼の魔力を吸い尽くすまで何度も呪文を唱えた。
ついにクリフトの魔力はなくなってしまった。彼にはもう人を殺す手段は残されていないのだろうか―
「ククールさん、一体どのようにして彼を止めたのですか?」
マリアはククールに訊いた。
「オレの魅力、かな」
「真面目に答えて下さい」
そんなやりとりを交わす二人の間にトロデが入る。
「何が魅力じゃ、何が!正直に『目から怪光線を放って奴を麻痺させました』と言えい!」
「人を化け物みたいに言うな!あれはオレの『魅惑の眼差し』だって何度言わせるつもりだ!?」
このやりとりは暫く続いた。
二人の会話の内容から、ククールが『魅惑の眼差し』と呼ばれる、相手を痺れさせる技を使ったのだとマリアは納得した。
クリフトの身体はまだ痺れていた。痺れが消えても、何もできないのだが―
そんな彼を見て、ククールはぽつりと呟いた。
「聖職者には…ロクなのがいないんだな」
その言葉は目の前の神官に向けられたものなのか、自身に対してのものか、それとも――
それは放送があって間もない頃のアリアハン城内。
誰もいない静かな城内、ここでは放送を聞き逃す方が難しいだろう。
「残り25名か……フン、殺す手間が大分省けたな」
彼は死者の名前には興味がないようだった。地図に禁止エリアを書き込み終えると、城内の探索を始めた。
先程までは人の気配があった。しかし今はその気配は全く感じない。
逃げられた、か。
「……まあいい。暫くすれば誰か来るだろう。人の集まりそうな場所はここと北西にある村位しかないからな」
それまで無駄な体力を使わない方が良い、と判断したのか城内の探索を止めた。
どれだけの時間が流れたのだろうか。突然、馬のいななく声が聞こえてきた。そう遠くはないようだった。
「ようやく、誰か来たようだな」
彼は立ち上がり、音を立てないように城を出る。
真っ暗な闇に包まれた城下町。声の主を見つけるのにそう時間はかからなかった。
暗い闇の中、星に照らされ輝いているかのような白馬が宿の前に立っていた。
「あの白馬…私の邪魔をするつもりかっ…まあいい。暫く様子を見ることにしよう」
マルチェロは夜の闇に身を潜め、様子を見ることにした。
一時間以上たった頃だろうか。白馬は怪しい人影に気づき、危機を主人に知らせるかのような声でいななく。
「くっ……気づかれたか…!」
「誰か、来たのでしょうか」
宿の一室に、声が響く。
「……嫌な予感がするぜ。…トロデ王はここでこいつを見張っててくれ」
トロデ王は不安げな表情で頷いた。
「ククールさん、その状態で戦えるのですか?」
マリアはククールの失われた左腕を見てそう言った。
「レディ一人に戦わせるわけにはいかないしな。ま、なんとかなんだろ」
ククールはマリアにいかづちの杖を返しながら答えた。
外で何が待っているのか、彼等は知らない。知っているのは、夜空に輝く星達――
その星達にも、彼等の運命はわからない――
【E-4/アリアハン城下町宿屋/夜中】
【トロデ@DQ8】
[状態]:HP3/5 腹部に深い裂傷(止血) 服はボロボロ 全身に軽度の切り傷(ほぼ回復)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(不明の品が1?) 大錬金釜 ミレーユの通常支給品
[思考]:??? レックスの呪いを解く方法を探す 打倒ハーゴン クリフトを見張る
【マリア@DQ2ムーンブルク王女】
[状態]:HP4/5 MP0 服はボロボロ 全身に軽度の切り傷(ほぼ回復)
[装備]:いかずちの杖
[道具]:支給品一式(不明の品が1〜2?) ※小さなメダル 毒薬瓶
[思考]:不審者の正体を確かめる 打倒ハーゴン 竜王(アレン)を倒す
【ククール@DQ8】
[状態]:HP1/3 MP1/3 右腕に火傷(半分回復) 疲労 左腕切断(止血) 左耳喪失
[装備]:ビッグボウガン(矢 0)
[道具]:天馬の手綱 インテリめがね アリアハン城の呪文書×6(何か書いてある)
[思考]:不審者の正体を確かめる クリフトを怪しんでいる マルチェロを止める 竜王(アレン)と話す
【クリフト@DQ4】
[状態]:左足に火傷(ある程度治癒) 背中に火傷(ある程度治癒) 麻痺している MP0
[装備]:なし
[道具]:祝福サギの杖[7]
[思考]:マリアたちと同行し、油断させて殺す アリスとカンダタを利用し、自分の護衛をさせる
自分が優勝し、アリーナを復活させてもらって元の世界へ帰る
【E-4/アリアハン城下町宿屋前/夜中】
【マルチェロ@DQ8】
[状態]:健康
[装備]:折れた皆殺しの剣(呪い克服)
[道具]:84mm無反動砲カール・グスタフ
[思考]:ゲームに乗る(ただし積極的に殺しに行かない)
魅惑の眼差しキター…ても、笑えない状況なのだが。
クックル痛々しくも格好いいっす。GJ
乙!
…しかしクリフト(笑)
ククールの左腕ってどの辺りからないんかな?
ククール抜け目がないよククール
目から怪光線に思わずワロスwククールとおっさんは良いなぁ…。
そして………クリフトよ…orz おまいは相変わらず『緑の人』だなw
これがクリフトクソリティ!
クソとか言うのやめような。
スルーで。
マルチェロに吹いた。
一時間以上もただ様子見てておまけに気付かれるって一体何やってんだw
799 :
予約状況:2006/07/03(月) 03:28:43 ID:HdmTL8410
684 名前: ◆rWrYmECAQ. [sage] 投稿日:2006/06/30(金) 12:38:26 ID:9XiXMeUbO
ローラ、ゴン、サマンサ、エイト、アレン(竜王)、トルネコ、リアを予約
688 名前: ◆6QhSs5bLRk [sage] 投稿日:2006/06/30(金) 16:04:15 ID:1n15wd6y0
クリフト、ククール、マリア、トロデ、マルチェロを予約。
>>799 下の予約は今夜投下されたじゃなーい
ついでに800ゲトー
今日中は無理ぽいので予約解除。
待ってるぜ。
今さらだが新作乙。ククールの言動がよいねぇ〜。
さて、細かいことを。トロデとククールの思考がそのまま。
レックス〜、クリフト〜のとこはもういらんのでは。
あと、微妙なとこではクリフトの思考のアリスとカンダタ
ってとこはもういらないかな?
全てのアリスの書き手さん、そして全てのアリスファンに捧ぐ
『アリス!SEIGI伝!!』
勇者はいつでも 世界の真ん中で いちばん強くなる日を AH!AH!夢見て
ひのきの棒をジョーカーに振りかざし 戦いの旅の幕を開ける
アリアハンを さすらう少女 その名 ロトの勇者 アリス
GO!FIGHT!
ライデイン雷鳴が眩しい人生 戦い 昨日よりも 今日強い
SEIGI! 握力200 アリス 明日は輝くぞ
勇者は誰でも 世界の片隅で ひとりで泣いていた日をAH!AH!背負って
破壊の鉄球おろちに振り下ろし 激闘の旅の道を拓く
アリアハンを わたらう少女 その名 ロトの勇者アリス
GO!FIGHT!
ギガデイン舞う光 流れる人生 戦い 思い切りと 静けさと
SEIGI! 握力200 アリス 瞳がきらめいた
ライデイン雷鳴が眩しい人生 戦い昨日よりも 今日強い
SEIGI! 握力200 アリス
しるしが きらめいた アリス!!
>>804 レックスはいるかも。
トロデたちは死んだって知らないはずだし。
クリフト云々はいらんね。
>>804,806
修正要望スレの方に削除をお願いしてきました。
本文にばかり気を取られてすっかり見落としてました。次があればもっとしっかり確認するよう気をつけます。
赤い人w
緑の人w
新 た な る 歴 史 が 刻 ま れ た
青い人も一応。
マンマミーヤ!!ホッホー
ところで、やはりクックルはアリスを口説くんだろうか?
アリスは果たしてクックルのストライクゾーンに入るんだろうか?
避難所に投下してきました。
>>811 いたスト系を見る限り、ククールのストライクゾーンは年頃の女性全般っぽい
よって当然の如く口説くかと
たしかクックルってマリベルはスルーしてたよなw
…アリスを口説いたところで待っているのは握力200のアイアンクローだろうなぁw
アレン、盗る猫、リアを予約するよ。
801さんが間に合うようならそっち優先するから。
801からさらにもう一日経ってるもんな。
どっちもがんがれ。
>>814 一応破産直前になると優しい?言葉をかけてくれたりする
今回も対全女性キャラに個別の台詞あるっぽい
アイアンクロー喰らってもそれが女性なら本望なんだろうな、クックルは…w
お二方とも頑張れー!
案外アリスはど直球な口説き文句には弱いとみる
男に免疫がないというか……女だけのパーティ組んでた弊害というか
保守!
書き手さんガンガレ保守
詰めどころでテンポダウンって所か?
暇なら絵、描こうぜ!絵!
確かに静かね。
自分も書きたいパートはあるにはあるんだけど、予約の関係でいじりにくいパートなのです、ゆえに投下待ちって感じでする。
避難所で没になったアリスがしそうな行動。
1、自分の中の葛藤と戦う
2、自決
3、クリフトを……
巷で話題の某アニメを見ていたら思いついた小ネタ
・その1
悪魔神官「復活だ!ハーゴンさまが破壊神を復活されるぞ!」
・その2
マリア「ククールさん……私の方をじっと見て…何ですか?」
クックル「良い杖だな…少し借りるぞ」
クリフト(すげぇ…あの神官、MPを使わずに回復してる…)
・その3
クックル「魅惑のまなざしをくらえ!」
クリフト「うおっ!まぶし!」
>>813 そういえばいたストではムーン王女は結構クックルのこと気に入ってたよな
話しかける時は常にもじもじポーズだった
それがこのロワでは魔物姿のナイスミドルといい雰囲気wいったいどんな好みなんだw
>>826 トロデ王とマリアはどっちかっつーとほのぼの親子って感じだけどなw
829 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/07(金) 00:13:12 ID:z3eoJmqE0
ガンガン行きつつ、命を大事にしながら、テンション上げて保守!
…ごめん、ageちゃったorz
アトラスに頃されにいってくる
新作待ちつつ保守
今ネコ達、予約入ってるんだよね?
でも既にタイムオーバーしてるね
うん、それで困ってる。
なんとか朝までには書き上げたいが……。
…あ。
でも作者さんからの破棄宣言出るまで待とうぜ。
完成してるなら多少時間切れでも投下を待つし。
>>836 せんせー、俺いつまででも待ってますから、がんばってくださーい。
つ【不思議なタンバリン】
つ【はりきりチーズ(夜食)】
つ【戦いのドラム】
つ【安らぎのローブ】
DQBRの影響で、過去のDQやったり、とうとう原作まで読み始めたよ。
予約するなら投下の目処が立ってからにして欲しいなと言ってみる。
「期限過ぎても待ってる」ってみんなが言ってくれてるからってそれに甘んじるのはよくないと思うんだ。
最近予約制度がグダグダなせいで進行止まってる気がするので苦言を呈してみる。
個人的に、もっとピー坊&フォズを積極的に動かさないと
脱出フラグも転職フラグも無意味になってしまいそうな気がする。
…でもどう動かしたら良いかわからんorz
むしろフローラで…
しかし、ピサロが動かしづらいんだよな。
転職できる生存キャラはサマンサかキーファくらいだし、
せっかくの首輪フラグもマトモなキャラに会えないと意味無いし…
>>840 おまいは最近俺が思ってたことをそっくりそのまま言ってくれた!
846 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/09(日) 04:37:58 ID:x+dmEO3+O
>>840禿同 普通ある程度書き上げて後3日あれば何があろうが完成するっていう状況になってから予約するもんじゃねぇの?
おっしゃる通りですな。
今度からはそうするとしてしばらくは自粛しようと思います。
とにかく書きあがりましたんで一度避難所の方に投下しました。
首輪解除フラグがあるのでやはりいきなり本投下はできません。
一時投下スレの方にて意見をお待ちしています。
ルール上、三日経ったら予約切れてるんだから気にせず予約入れたらいいじゃない。
勝手に待ってて何でここで愚痴ってんのよ。
チラシの裏ならどこか別のところで書いてて欲しい。
うお、凄いタイミング。
乙です。
>>848 なんか論点がズレてる気がするけど…、自分が言いたいのは愚痴でもチラ裏でもなんでもなく
「予約した以上はちゃんと期限守って投下しようぜ」って話だよ。
(書いてる途中で矛盾に気づいて話自体が成立しないだとか、そういう場合は仕方ないけど)
自分が予約したいからこんなこと言ってるわけじゃない。
まあ気にせず予約しろよと軽く言ってくれるが、期限切れしたパートは予約しにくい雰囲気になってるのは事実だと思うけどね。
>>847 乙です。結果的に急かすような真似になっちゃったようで申し訳ないですが、無事完成したようでよかったです。
脱出フラグって、、
俺は書き手じゃないけど脱出するって筋書きはもう決まってるのか
つながり具合では失敗して共倒れかもしれん
ってか、ここの奴らわ優しいな
>>851 フラグは折れることも多い。
全滅フラグとか優勝フラグとかいう言葉も普通に使うよ。
投下します。
@@@@
「ほう、これが風のマントですか。なるほど、大人三人で使用しても充分耐えうるようですなぁ」
「うん、お兄ちゃんたちも三人で使って、ドラゴンの角っていう塔から大河を渡ったんだって」
アレンが戻ってきた時、トルネコはリアからこれまでの話を聞いていた。
そして話に出てきた風のマントに興味を持ち、見せてもらっていたのだ。
身体の調子は悪くない。アレンが魔力を尽くして治癒呪文を掛け続けてくれたおかげだ。
それでも完全に癒えたわけではなく、無理に身体を動かせば途端に痛みに襲われる。
しかし殆ど動くことができなかった時より遥かにマシな状態だった。
リアの首に残されていた爪痕も綺麗に消えている。
アレンは何も言わずに呪文を唱えていただけだがその誠意は感じたのだろう。
リアのアレンに対する信頼は増したようだ。トルネコはそれを微笑ましく思う。
「ふぅむ、これなら……おや、何処にいらっしゃっていたのですかなアレンさん?」
いつの間にか場を離れていたアレンが戻ってきたのを見て声を掛ける。
「うむ、こいつを回収してきた」
そういってアレンは懐から二つの首輪を取り出し、地に置いた。
ヒッと息を呑むリア。トルネコもそれをまじまじと見つめゴクリ、と唾を飲み込む。
「奴らの言っていたどんな魔法や爆発にも誘爆はしないというのはどうやら本当のようだ。
あれほどの爆発の中で傷一つついておらん」
言う通り、その首輪は表面は多少煤焦げているものの歪みもせずに全く常態を保っていた。
彼が回収した二つの首輪。数時間前に光の中へと消え去ったビアンカとバズズの物である。
嫌でもそれが思い起こされるのであろう、リアの顔は蒼白となって小刻みに身体が震えていた。
「リアよ……ぬしには辛かろう。少し離れた場所で休んでいるがいい。
これからの話は少々長くなるかも知れんのでな……」
アレンはリアを気遣い、この場を離れるように諭す。
しかし彼女は気丈にも首を横に振ると、自らの身体を抱きしめて震えを抑え込む。
「ううん。私も……ここを抜け出すならいつかは向き合わなきゃならないことだって解ります。
弱いのはどうしようもないけれど……せめて、もう足手纏いにはなりたくないから……。
だから、お願いです。話を聞かせてください」
強い決意を込めてアレンを見つめる。
アレンはしばらくじっとその視線を受け止めていたが、そうか、と頷くともう離そうとはしなかった。
トルネコはその様子を見て、もう一度唾を飲み込むとわざとらしく陽気な声を出した。
「いやーでもまだ我々も疲れておりますし、それについてはまた後にして休むことに専念しましょう、
ね、アレンさん?」
「悠長な……ぬしは――む」
その言葉に抗しようとしたアレンはトルネコが真剣な表情をして地面を指差していることに気付き、押し黙る。
地には小枝によってトルネコの真意が綴られていた。
『私たちの声はハーゴンたちに盗み聞きされています』
「ふん、ならば勝手にするがいい」
アレンはそう口に出すと意気を収め、杖を手に取りて同じように文字を綴る。
『その根拠は?』
トルネコは自らの頭に嵌められているインカムを指で示したあと、再び地に文字を綴り始めた。
インカムには未知の技術が使われていて、遠くの人物と会話をすることができる。
これはハーゴンによって送り込まれた魔物が持っていたアイテムであり、通常の参加者には配られていない。
そしてそれだけの技術力があるならこの首輪にその技術が使われていることは想像に難くない。
何故ならその方が管理するものにとって都合がいいからだ。
こちら側の音声を主催側に送ることで脱出の企てをする者の動向を把握し、場合によっては爆破する。
そうすることができるならこの儀式の成功は磐石となり、そしてハーゴンたちにはそれが可能なのだ。
トルネコの答えにアレンはむう、と唸る。
(と、なると脱出、首輪の解除に類する事柄は筆談によって行う必要があるか……。
緊急を要する時にはいささか不便な制約がついたものだ……)
入れ替わり杖を地に走らせ、アレンは自分の考えを述べる。
『承知。そして首輪の解除に関することだがこれには強大な呪詛が込められている。
その呪詛があらゆる呪文、特技などを弾くようにしてあるのだろう。
おそらく最初の会場に張られていた結界と同種のものだ』
支援!
アレンはザックから一つの鏡を取り出した。
「そ、それはラーの鏡? あ――ムグ」
それを見て思わず口に出してしまったトルネコは慌てて口を押さえる。
しかしアレンは慌てずに掌をかざし、抑える動作をする。
『騒ぐな、その程度なら問題はなかろう。それよりもこの鏡で呪詛を具現化する』
そして鏡を正面に構え、地に置かれた首輪を映し出した。
「「ッ!?」」
真実を曝け出すという鏡に映し出されたのは首輪から溢れる黒い瘴気。禍々しいまでの邪悪なオーラ。
周囲の気温が一気に下がり、もはや冷気と呼べる空気が漂う。
トルネコはその場にへたり込み、リアは怯えアレンの影になるように隠れた。
キュッと強くアレンのローブの裾を握り締める。
闇は炎のようにゆらめき、時折髑髏にも見える模様が形作られているようにも見えた。
リアの顔から色が失われているのを見てアレンは鏡を仕舞う。
それと同時に首輪から溢れていた瘴気は徐々に薄れていき、再び元の首輪へと戻った。
ふぅ、と大きく息をついてトルネコは安堵する。
リアも震えは止まり、アレンのローブを掴んでいた手をおずおずと離した。
『こんな凶悪な呪いは見たことがありません。今まで数々の呪いの武具をこの目にしてきましたが
ここまでどうしようもないと思った物は初めてですよ』
トルネコが地に綴る感想にアレンも頷き、同じく杖を動かす。
平静な表情を保っていたが、その額には汗の粒が無数に浮かんでいた。
『見ての通り強大な呪詛だ。ワシが解呪しようと思えば大掛かりな儀式の準備をし、
幾日も呪文を唱えることになるだろう。しかもこの首輪一つにな。いや、それでも無理かもしれん。
我々に時間はない。別の方法を考える必要がある』
アレンは腕を組み考え込む。トルネコも側で唸っていた。
(ハーゴンめ……どうやってこの力を得た? この呪詛に込められている力は生半可なものではない。
奴を見た限り強い魔力を持ってはいるものの唯の人間に見えた。ここまでの力を操れるものか?)
これは神に匹敵する力。
神――邪神。アレンはハーゴンの座る玉座を思い出す。
玉座に装飾されていた邪神像。
(シドー、か……奴がハーゴンに力を貸しているとでも言うのか? 復活前にそんなことが……)
考えが煮詰まり、ふと目を上げると地面に文字を綴っているトルネコに気が付く。
『これがハーゴンの意図したことかは解りませんがとにかくラーの鏡によって呪いを具現化させることはできるのです。
それをニフラムのような破邪の力、いえ、それ以上のあらゆる闇を振り払う太陽の如き破邪力を
秘めた技で消し飛ばしてしまえばいい。何かそのような力に心当たりはございませんか?』
下手な力では通用しないであろうし、何よりも無理に取り外そうとしていると判断され爆発する危険がある。
物理的な力ではなく、ただ闇を浄化する光の力が必要だった。
(太陽の力、か……)
アレンの脳裏に浮かんだのは光の玉だった。
400年以上もの昔、アレフガルドとは別の世界から現れた勇者ロトが携えていたという伝説の玉。
かつてラダトームから自分が奪った。世界を支配する為、人間に絶望を与える為。
そして……それ以上に何故か懐かしさを感じた為だった。
玉の光を眺めると母親に包まれているかのような安らぎを感じるのだ。
この玉こそは自分が所有すべきもの。何故かそう確信できた。
だからこそ奪った。
だがその玉はこの手にはない。その存在も感じない。
ゆっくりと首を横に振るアレンにトルネコは落胆したようだった。
彼は気づかない。自分の持つビアンカのザック。
そこにこそ太陽の力を秘めしアイテムが隠されていることに。
無理もなく、今はその道具はただの鏡にすぎなかった。
だが落胆したのもそれも一時のこと、再び顔を上げると彼は提案した。
「アリアハンへ行きましょう」
「何?」
支援
「リアちゃんもアレンさんも行く宛てはないのでしょう。なら人の集まる場所にいきましょう。
そこでなら今よりも情報が集まるかもしれません。それにアリスさん、という方がその辺りに居るはずなのです。
私はその方に危険を知らせたい。バズズは死にましたがハーゴンの部下はまだ残っていますからね」
それがトルネコの当初の目的だった。
放送で呼ばれなかった以上アリスはまだ生存しているはずである。
アレンはその提案を吟味する。
正直まだ動きたくはない。人が集まるということはゲームに乗った者もまた集まるということ。
このダメージの残る身体ではいざという時にリアを護りきれるとは言い切れなかった。
(だが……儀式の進行は予想以上に早い。僅かな逡巡が命取りともなりかねん……か)
「私も、行きたいです。マリアお姉ちゃんがいるかもしれないし……」
決意を込めて声を絞り出すリアをアレンはゆっくりと見やる。
「覚悟は、あるのだな」
コクン、と頷く。
それでアレンの腹も決まった。決然と立ち上がり――よろめいた。
かろうじて踏み止まり、側に木に手を突く。
「アレンさん!」
「よい。少しダメージが残っているだけだ。大事はない」
駆け寄るリアを制し、アレンは姿勢を正す。
「アレンさん、あなた私たちには回復呪文をかけてくれましたが……その、ご自分には?」
「竜族は人間のように脆弱ではない。いらぬ心配だ」
アレンは自身の魔力は全てリアとトルネコの治癒に注ぎ込んでいた。
よって彼自身はこの数時間の休息による自然回復しかしていない。
人間などより遥かに強靭な肉体を持つ竜王といえど、それだけで万全の状態となれる筈もなかった。
だが表面上は平静を装い、アレンは立つ。
「行くぞ、時間が惜しい」
先に立って歩き出そうとした時、リアはザックから小さな小瓶を取り出すとアレンに差し出した。
中には黄金に輝く液体とそれに苗木のようなものが浮いていた。
「……これは?」
「そ、それは世界樹の雫!」
初めて見る薬品に怪訝な顔を浮かべると、横からトルネコが声を上げた。
「知っておるのかトルネコ?」
「はい、死者をも蘇生させるという世界樹の葉。その元たる世界樹から抽出したエキスです。
これを振りまけば、その場にいる者全員の傷をどんなに深くともたちどころに癒すことができます。
我々の世界ではとても貴重な薬ですよ!」
「ほう」
アレンは小瓶を受け取るとその液体をまじまじと見る。
なるほど、中の木片や液体からはとても強い生命の波動を感じる。
「これをワシに使えというのか」
「ビ、ビアンカさんにも……最初に見た男の人にも使えなかったけど……。
お兄ちゃんにも、アレンお兄ちゃんにも使えなかったけど……!
今なら、アレンさんなら使えますよね? 助けられますよね? だから……お願い」
アレンとリアはしばし見詰め合い……アレンはフッと微笑した。
「感謝しよう、小さき娘よ。だがこれは今使うべき時ではない」
そういってリアの小さな手に小瓶を戻す。
「それほどの効能を持つ薬ならば本当に必要とする者に使ってやるがいい。
ここで軽々に使い、後に死に行く者を見ても何もできぬでは悔いが残ろう」
アレンの脳裏にはつい半日前の、塔の下での出来事が思い返されていた。
何も出来ず、ただ言葉を聞くだけしかできなかったあの時が。
「何度も言うがワシのことなら心配はいらぬ。何、その薬を使う時があればその時は相伴に与ろう」
「そう……ですか」
リアはまだ不安そうであったがアレンの言葉からマリアのことを考え、
もし重傷を負っていたらと思うと反論することはできずに渋々と小瓶をザックに戻した。
「では行くとしよう。この場からなら洞窟を通った方が早くに着くだろう」
「あ、待ってください。それよりも早く着く方法があるんです!」
「ぬ?」
今度はトルネコがザックをゴソゴソと探り、何かを取り出した。
「これです、キメラの翼。これがあればアリアハンに着くのは容易ですよ」
「トルネコ、おぬしはアリアハンに行ったことがあるのか?」
「いえ、これはリアちゃんに使ってもらうのです」
その言葉にリアはきょとん、とする。
「私、ですか? でも私もアリアハンには……」
トルネコは指を立てるとチッチッと舌を鳴らす。
「承知しています。あなたの最初に立った場所は塔の頂上。そこであなたはどうやって移動しましたか?」
支援
「あ!?」
トルネコの考えを悟り、リアは声を上げる。
アレンはまだピンとこない。
「どういうことだ?」
「まぁまぁ、まずはナジミの塔頂へと移動しましょう。さ、リアちゃん」
「はい」
リアはキメラの翼を受け取ると空高く放り投げた。
翼は無数の羽となって散ると、風を巻き起こしアレンたちを包み込む。
そして光となって天空へと舞い上がった。
強風に閉じていた目を開くとそこはもう塔の頂きだった。
広い石畳の中央には一つの住居が存在している。
「それで、どうするのだ? あの家に何かあるとでもいうのか?」
「いえいえ、そうではありません。リアちゃん、あれを出してください」
急かすアレンにトルネコは首を横に振ると、リアを促す。
そしてリアが取り出したのは―― 一つの大きな青いマントだった。
トルネコはアレンに風のマントの説明をする。
「なるほどな、邪魔の入らぬ空を行こうというのか。確かにそれなら程なくしてアリアハンへと入れよう」
「ええ、そしてマントはアレンさんに使ってもらったほうがいいでしょう。
空を飛ぶということに関しては我々より遥かに通じているでしょうから」
「うむ」
アレンはリアからマントを受け取るとその身に纏った。
「人身で空を飛ぶというのも新鮮な体験だな」
そして塔頂の淵まで歩き、アリアハンを見る。
「僅かだが城と町に灯火がある。何者かがいるな」
アレンの言葉にトルネコも頷いた。
「直接アリアハンに降りるのは止めた方がいいですな。狙い撃ちされては一溜まりもありません。
この月夜では我々を視認するのもそう苦労することもないでしょうし…… 一度、そうですな。
アリアハンから少し離れた……北側の平原に降り、そこから徒歩にて入ることにしましょう」
「解った。リアよ……」
アレンは手を差し出す。その手をリアはギュッと握り締めた。
「離すでないぞ」
リアが頷くのも確認せずにアレンは床を蹴った。
慌ててトルネコもアレンの身体にしがみつく。
マントは風を孕むと大きく膨らみ――そして流れに乗った。
そして夜に飛ぶ。
【E-3/アリアハン内海 上空/夜〜夜中】
【トルネコ@DQ4】
[状態]:HP3/5 軽い火傷 打撲
[装備]:氷の刃 無線インカム
[道具]:まほうのカガミ 引き寄せの杖(4) 飛びつきの杖(4)
支給品一式×3ワイヤー(焦げて強度は弱くなっている)
[思考]:アリアハンへ向かう アリスや他の参加者に危機を伝える
【アレン(竜王)@DQ1】
[状態]:HP2/5 MP0
[装備]:竜神王の剣 まふうじの杖 風のマント
[道具]:プラチナソード ロトの盾 ラーの鏡 首輪×2
[思考]:アリアハンへ向かう この儀式を阻止する アレンの遺志を継ぐ
【リア@DQ2サマルトリア王女】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:世界樹の雫 支給品一式
[思考]:アリアハンへ向かう マリアに会って風のマントを返す
乙。
終了です。
支援ありがとうございました。
新作乙!
トルネコ頭いいなトルネコ。最初トロデとぶつかったり、ゲマにとっ捕まったりしていたときには
この大活躍は想像もしていなかったよ!
とうとう
>>673キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
アリアハン向かってるって事は、アリス救出フラグになるかも。
DQに出てきた太陽っぽいアイテム
光の玉、太陽の鏡…、魔力無しの魔法の鏡なら支給品にあったりしてw
そういや、太陽の鏡で思い出したけど、神鳥の杖のネタ考えてるって書き手さんいたよね。
wktkしてますよ。
新作乙
知っているのかトルネコをごく自然に組み込んだのがGJw
>>869 >魔力無しの魔法の鏡
トルネコがもう持ってるw
>>871 >>魔法の鏡トルネコが持ってる
うお!!マジだ!すっかり見落としてたYO!
> 彼は気づかない。自分の持つビアンカのザック。
> そこにこそ太陽の力を秘めしアイテムが隠されていることに。
> 無理もなく、今はその道具はただの鏡にすぎなかった。
本文も読んでいないなw
739 名前: ◆PXPnBj6tAM [sage] 投稿日: 2006/07/01(土) 00:44:58 ID:BTwG2jKb0
>>736 文章力に関しては同感だけど、あんま言い過ぎるな。
書いたこと自体に意味がある。 よくがんばったよ。
等とえらそうなことを言う俺の文章が一番駄目だったりするw
それと、フリーザと両津が出会ったのは、偽最終回での話。
こち亀の偽最終回で両津が部長にこの漫画にはいらんとか言われてDB世界に飛ばされる。
そこにはフリーザとザーボンがいた。 確か60巻台だったと思うが……
>>873 あぁ、そこが加筆されてたのか!見落としてたorz
今ビアンカパート読み直したら思いっきり描写されてたね、魔法の鏡。
…ところで、魔法の鏡が首輪フラグになるとしたら、ジゴフラッシュの代用になりそうな技って
何があるだろう?やっぱデイン系?
アイデアはあるが結構使えそうなので言えない
マルチェロがいるじゃないか
>>877 ちょwwwwwwおまwwwwwwwwwwwww
麦茶噴出したwwwwwwwwwwww
アリアハン城内にいるマルチェロ。
魔法の鏡を持ってアリアハンへ向かうトルネコ。
駒 は 揃 っ た
え?デコフラッシュ?
882 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/11(火) 00:29:39 ID:HzblkRgN0
マルチェロはゲームよりキャラが目立ってるな。
なんせ「青い人」だからなw
望んでやってるわけじゃないけど弟のほうがよっぽど殺ってる
いま気が付いたけどククールはやってることPKKに近いね。少人数ロワには珍しい
( ´∀`)∩<PKKってなんですかー?
プレイヤーキラーキラーの略…のつもりで言ったんだけど、もしかしたら
ロワ用語じゃなくてネトゲ用語だったかも知んない。ゴメンね
要するにマーダーをぶっ潰す奴のこと
クックルが気絶して放置されてた時は速攻殺られるなと思ったが
正直ここまで活躍するとは思わなかったw
ここの書き手ってレベル低いなー・・・。
練習用ロワらしいが、少しはアケとかを見習えwwwww
>>887 勿論クオリティ高いの買いてくれるんだろ?
程度の低い釣りレスに反応するな
暇だったので殺害ランキング(○=生存 ●=死亡 自殺は自身を殺害としてカウント)
●レックス 5人(アルス、バーバラ、ミレーユ、ハッサン、テリー)
○フローラ 3人(フィオ、ゼシカ、ルーシア)
○アトラス 2人(ドランゴ、アリーナ)
●死神の騎士 2人(メルビン、ランド)
●バズズ 2人(ビアンカ、バズズ)
○サマンサ 1人(マリベル)
○トルネコ 1人(ゲマ)
○竜王アレン 1人(アレン)
○キーファ 1人(ベリアル)
○ククール 1人(バーサーカー)
○アリス 1人(ヒミコ)
●ベリアル 1人(死神の騎士)
●バーサーカー 1人(リュカ)
●テリー 1人(レックス)
●ヒミコ 1人(カンダタ)
トップ3を除くと、他のマーダーの方々は意外とふがいない成績。
むしろ襲われたので返り討ちにしてる、ゲームに乗ってないキャラたちの方がかえって生存者減らしに貢献している。
それにしても、レックスはDQ6キャラになんかうらみでもあったんだろうか…。
おまけ
○クリフト 0人
○マルチェロ 0人
頑張れ!
そのマルチにすら相手にされないロロスレ(つД`)
>885
丁寧にありがとう
他のロワでは見た事が無いから聞いてみたんだけど、ロワ用語じゃ無かったんだ
一つ賢くなりました
ところで質問なんだが、道具の現地調達ってどれくらいまでセーフ?
例えばレーべやアリアハンみたいな大規模な戦闘後に、
転がってる瓦礫拾って投げたり鈍器として使用、とかそれくらいまでなら大丈夫だろうか
もちろん所持品に加えるつもりはない。あくまで一時的になんだけど
しかしほんといいサラマンダーだなクリフトwww
キャラの方向性を誘導するのは感心しない
>>890 ちょwwww神官ズwwwwwwwwwwwwwww
>>893 いや、一応ロワ用語だよ。
FFDQだとたまに出てきた。
>>894 それくらいなら大丈夫だと思う。
他のところだと普通に薬草や鍋や剣を持っていったりしてるけど。ここはどうだろう?
>>896 同意だなー。何か、クリフトが誰かを惨殺でもしたらキャラに沿わない
なんて文句言う人が出てきそうな気がしないでもない。
MP0にしたのも、クリフトをとことんヘタレ化させる為の強制イベントの
ように感じてしまった。
同意してくれるのは正直嬉しいが、頼むから0時回った瞬間に同意しないでくれ。
あらぬ誤解をうけかねない。
わりw
でも回ったばっかでID変わってないから安心しろw
誘導とか、強制イベントを言い出したらキリないだろ〜。
ロリコン化したピサロとか、アリスの倒れてる付近に都合よく飛ぶ竜王組とか
なんだかんだ住人の印象や願望が少なからず参考にされてると感じるし。
その願望の中にクリフトのヘタレ化は含まれちゃってる気がするな。自分もほどほどにしてくれとは思うけども。
なんにせよ望まぬ展開やキャラになりそうなら、筋が通る範囲で自分で書いて軌道修正してあげるのが一番と思うのです。
作者の思惑が見えまくるのもかえって面白いかもしれないよw
クリフトのヘタレはなるべくしてなった結果だと思ったよ。
別に故意にそう仕向けてるとは感じなかった(支給品はアレだけど)
だって人数も半数以下に減ってみんなそれなりに疲弊してて、ピリピリしてんのに
「スキをついて殺す」ってそりゃちょっと甘いだろ、としか…
あぁ、なんで西からアリアハンに向かって飛ぶのに、西の平原じゃなくて北に行くのか変だと思ったら、
アリスに会わせたかったのか。
強引だなぁ・・・。
理由はちゃんとしてたから不自然には感じない
理由って、直接アリアハンに行くのを避けて迂回しようってことでしょ。
要するに、アリアハンに直接降りなきゃいいわけで、北である必然性って全く無いよな?
『アリアハンから少し離れた場所で降りましょう』って言ったら、
目的地より手前で降りればいいだけで、それを避けてさらに長距離飛ぶ意味って何よ?
空中にいるときに攻撃されたらたまらないから、アリアハンに直接行くのは避けたいんでしょ?
なのに、なんでわざわざその危険な状態を長く続けることになる、本来より長距離飛ぶことを選ぶのよ。
目的地に着くのだって、無駄に遅くなるだけ。
どこにも北である意味なんかない。
つうか、そもそもにどっから北なんて思考が湧いてきたのよ、と。
むしろ危険を避けることを考えてなら、人のいなさそうな方角、南であってもいいくらいで。
多少のご都合展開くらい目を瞑ってやれよ。
そんなだとまた書き手さん減るぞ?
南でも似たような事が言えますな
一つ聞くが何故そんなに喧嘩腰なのか
自分と違う意見を持った人はみんな敵か?
それとも荒らしたいのか?
北に降りる必然性はないがそんなもん西にだってない
空を飛ぶのだから距離は北も西も南も大差ないから東じゃなければ何処だっていいだろう
だったらトルネコが何処を安全と考えるかなんて書き手の裁量
ならイベントの起きる場所を選ぶのは当然と思うが
>>909 荒らしたいんじゃないの?
俺だってそんな細かいところをグチグチ言うのはどうかしてると思う。
文句あるなら自分で軌道修正すりゃいいのに。
>>909 自分に自信がないから強い言葉を使うしかないんだろうID:b+ZYMrrG0は。
それすらも現実ではID:b+ZYMrrG0の汚いツラでは出来ない。
だからここで理想の自分を演じているんだ。
優しくスルーしてあげようよ。
復旧記念カキコ
ところで予約は0だっけ
うん、いまんとこ
今更だけど
>>898回答有難う
ククール、マリア、トロデ、マルチェロ、(クリフト)予約します
がんばー
予約キテタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
>>918 いくらなんでも極端すぎwwwww
とはいえ、いい加減いざない周辺やナジミ地下洞窟も使って欲しいとは思うね。
明らかに蚊帳の外だし、そもそも誰も近寄りもしないし…。いっそアリアハンを禁止エリアにしてみるとか?
アレン(竜王)、トルネコ、リア予約させてください
ふろーらよやくします。
予約ラッシュキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
残念だが
>>921はマルチだ、相手にしないほうがよさげ
ジャンプ、
切れた
ジャンプ系ロワとかスパロボロワにも同じトリで予約しまわってる人
ジャンプ1st
332 :上戸彩のファン :2006/07/14(金) 12:24:16 ID:CnEfRozvO
ナルト、けんしん、ぬえの、こうしゅ、いぬいを予約します
スパロボ
104 :上戸彩のファン :2006/07/14(金) 12:25:15 ID:ml31ZSHo
シンジとアスカを予約します
サンデー
880 :上戸彩のファン :2006/07/14(金) 12:26:29 ID:CnEfRozvO
くれいを予約します
ジャンプ2ndの旧スレ
572 :上戸彩のファン :2006/07/14(金) 12:27:45 ID:???
ボルボを予約します
二次スパ
562 :上戸彩のファン :2006/07/14(金) 12:26:36 ID:ml31ZSHo
バサラを予約します
DQ
921 : ◆Dtat.LMVVs :2006/07/14(金) 13:59:12 ID:Z6eXDxaz0
ふろーらよやくします。
http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1151596503/602-
ここで突然全選手入場
イザ(仮)「地上最強の男を見たいかーーーーッ」
ハーゴン&悪魔神官「オーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
イザ(仮)「俺もだ 俺もだみんな!!」
イザ(仮)「選手入場!!!」
ロザリー 「全選手入場です!!!!」
竜殺しは生きていた!! 更なるきのうはおたのしみでしたねを積み人間凶器が甦った!!!
勇者!! アレフだァ――――!!!
無限ループはすでに我々が完成している!!
ラダトーム王女 ローラだァ――――!!!
遭遇ししだい殺りまくってやる!!
一般モンスター代表 バーサーカー&死神の騎士だァッ!!!
牙や爪での殺し合いなら我々の種族がものを言う!!
偽ジパング女王と 恋する雌 ヒミコ(やまたのおろち)&ドランゴ!!!
真の一話ズガンを知らしめたい!! グランバニア&ローレシア国王 リュカ&アレンだァ!!!
DQロワでは4話で退場だがリュカならいつだって私のものだ!!
幼馴染人妻 ビアンカだ!!!
即死対策は完璧だ(った)!! 覆面ビキニパンツ カンダタ!!!!
全参加者の解呪フラグは私の中にある!!
情緒不安定な魔王様が来たッ ピサロ!!!
タイマンなら絶対に敗けん!!
職業兵士の根性見せたる 近衛隊長 エイトだ!!!
保護者付き(なんでもあり)ならこいつらが怖い!!
ダーマ&サマルトリアのピュア・ょぅυ゛ょ フォズ&リアだ!!!
ロンダルギアから炎の風が上陸だ!! ジョーカー アトラス!!!
とりあえず生き残りたいからマーダー(殺人者)になったのだ!!
プロの嫌味を聞かせてやる!!マルチェロ!!!
めい土の土産にべホマとはよく言ったもの!!
最期の命が今 腕の中でバクハツする!! 天然天空娘 ルーシアだ―――!!!
冒険途中離脱こそが足手まといの代名詞だ!!
まさかこの男がきてくれるとはッッ キーファ!!!
癒したかったからあそこで死んだッ キャリア一切不問!!!!
アリアハンのグッド(な)おねえさん フィオだ!!!
ザラキは即死呪文最強ではない全呪文で最強なのだ!!
御存知緑の人 クリフト!!!
格闘術の真髄は今や職業:姫にある!! あたしを驚かせる奴はいないのか!!
アリーナだ!!!
デカァァァァァいッ説明不要!! カップサイズ不明!!! 私の胸は世界一ィィィッ!!!
ゼシカだ!!!
ラリホーは実戦で使えてナンボのモン!!! 超実戦呪文!!
分家ムーンブルクから王女マリアの登場だ!!!
リュカ様は私のもの 邪魔するやつは思いきり騙し思いきり殺るだけ!!
サラボナのお嬢様 フローラ
竜王様を探しにレーべへきたッ!!
ローラの保護者 ドラゴン・ゴン!!!
毒舌に更なる磨きをかけ ”早すぎたツンデレ”マリベルが帰ってきたァ!!!
今の自分に左腕はないッッ!! 生臭坊主ククール!!!
トロデーン四千年の錬金釜が今ベールを脱ぐ!! トロデーンから トロデ王だ!!!
人間の前でならオレはいつでも偽名だ!!
ただ一匹の竜アレン 竜王 本名で登場だ!!!
商人の仕事はどーしたッ 探索の炎 未だ消えずッ!!
ギャグるもパロるも思いのまま!! トルネコだ!!!
特に理由はないッ 勇者を生かすのは当たりまえ!!
アリスにはないしょだ!!! 日の下開山!
サマンサがきてくれた―――!!!
皆殺しの剣で磨いた殺意の波動!!
グランバニアのデンジャラス・天空の勇者 レックスだ!!!
即退場だったらこの人たちを外せない!! なんか気付いたら死んでた ゲマ&メルビンだ!!!
超一流剣士の超一流の破壊の風だ!! 生で拝んでオドロキやがれッ
サマルトリアの王子!! ランド!!!
ランド、ビアンカ殺しはこの男たちが完遂させた!!
ハーゴンの切り札(ジョーカー)!! ベリアル&バズズだ!!!
ロトの勇者が帰ってきたッ
どこへ行っていたンだッ チャンピオンッッ
俺達は君を待っていたッッッアリスの登場だ――――――――ッ
加えて死亡者発生に備え超豪華なレックス被害者の会会員を5名御用意致しました!
DQ6の双花 バーバラ&ミレーユ!!
義に生き義に死んだ大工 ハッサン!!
復讐のシスコン!テリー!
……ッッ どーやらもう一名は一人だけ台詞皆無なことに拗ねている様ですが、立ち直り次第ッ皆様にご紹介致しますッッ
ロザリー「ところで……」
ハーゴン&悪魔神官「……お前、誰?」
イザ(仮)「orz」
勢いだけで書いた、今は反省していないでもない
回想無しに仲間全員死んだせいで名前さえ不明な6主カワイソス
イザ(仮)…(つД`)
2ndは活躍させてやる(たぶん)
>>926-929ワロタ
6主&7主カワイソス…
ロンダルギアではなくてロンダルキアですよ