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セリアも手袋を外し、両手で水をすくって飲んでいる。
おっ、回復したみたいだ。 清々しい顔をしている。
「休憩がてら、ご飯にしましょう。
ノアニールのおじいさんの家で台所を使わせてもらったの」
「それは助かるね。
よくよく考えたら、今日は俺たち昼飯食ってないぞ」
「うふふ。
そう言うだろうと思って多めに作ったから、いっぱい食べてね」
それからしばらく、俺はセリアの手料理に舌鼓を打った。
今回は鶏肉の唐揚げ弁当だが、鶏肉自体に下味がつけてあって衣と見事に調和している。
これがまた冷めていてもおいしい。 工夫されていてなおグーだ。
脂質の少ない肉を選んだり、植物性の油を使ったりしたのだそうだ。
セリアはこういう細かいところによく気が付く。 あぁ、セリアが相方でよかった……。
適度に腹ごなしの時間を置いてから、俺たちは出発した。
この洞窟はそれほど広くなく、地下4階には大きな地底湖が広がっていた。
地下だというのに、湖には厚い霧が立ち込めている……。
「ううう、鼻にツーンとくるぅ……」
「我慢だ。 ほら、あの島を調べるだけだから。
……この湖の水、上の泉と比べるとあまり綺麗じゃないなあ。
あの泉が特別だってことか……」
湖の上には島があり、橋が架かっていた。
明らかに人工的な橋だ。 やはりここにふたりが……?
島にはストーンサークルがあり、その中央に宝箱が一個あるだけだ。
俺は背筋に嫌な感触を覚えつつ宝箱を開けた。