>>1 乙の願いを胸に刻んで心頭滅却! 聖光爆裂乙!
大気満たす力震え、我が腕をして
>>1 乙とならん! 無双稲妻突き!
前スレ
>>997 脳内で色々妄想しながら楽しむなら残さない手は無かろうに
ボコ・ラッド・アリシア・ラヴィアンは ある程度ストーリーを進んだら同時に除隊だなー 戦局が激しくなってきてあえて外れる、みたいな。 女2人、男1人、チョコボ一匹の旅。 ラヴィアリはアグたんの、ラッドはラムザの心配をしながらの旅? ほら、2人とも鈍感だから。 事態の中心に近づいてより危険になるからその心配の方が強いか。
ラッド・アリシア・ラヴィアンは儲け話で使える
アグリアスさん 僕を盾にしてください ほら、ここを持って
アホ毛?
「アグリアスさん危ない!避けてくださいーッ!!」
ラムザが叫んだときは時遅く、アグリアスを取り囲んだ骸骨軍団の手から人魂アタックが一斉に放たれた。
一瞬、爆煙にあたりは包まれ何も見えなくなる。
ようやく煙が収まり、その中から現れたのは―
>>14 の首根っこを片手で掴んで盾代わりにしていた颯爽たるアグリアスの勇姿であった。
「アグリアスさん!」
「そう心配そうな顔をするなラムザ、さあこれから反撃だ!」
「ハイッ!!」
アグリアスはボロ雑巾のようになった
>>14 をそっと地面に横たえると、すぐにラムザと共に敵の真っ只中へと駆け出した。
やった。
俺はやったんだ。
すでにアグリアスは
>>14 のことは一切顧みずに戦闘に没頭している。
だがそれでも
>>14 の顔には一つの仕事をやり遂げた男の笑顔が刻まれていた。
セーブアイコンのキャラ順ってどうなってるの? ていうかアグ姐は何番目?
>>10 >>12 今まで使ってたメンバーを切って
ラッド、アリシア、ラヴィアンを使うことにしたよ
あんまりメンバー育ててなかったから、
そんなにきつくないかと思いきや、バリアスの丘で詰まった・・・
正直、NPCのアグたんの動きに失望した・・・(´Д`)
ユニット所持数上限が微妙なのにイベント加入のメンバーが多すぎるからなあ ごめんよラヴィアリ、ボコ
カタイSS書いたんだけど、投下してもいいすか
そんなこと一々聞かんでも良いよ 勝手にバンバン投下してけろ
22 :
畏国傑物伝 :2006/04/21(金) 19:47:08 ID:tJdgWyzl0
そんじゃ投下 歴史学者アラズラム・デュライが、異端者ラムザ・ベオルブの名誉を回復せんとして「デュライ白書」を 公開したのは、獅子戦争終結から400年が経過したグレバドス聖暦(以下聖暦)1655年のことであった。 同書の公開により、アラズラムはグレバドス教会と、残りの人生すべてを賭けた大闘争を繰り広げるわけで あるが、彼の行為がそれまで「紊乱者」としてのみ捉えられていたラムザに対する史家の視点を、大きく転換 させる契機となったことは周知のとおりである。 しかしながら、ラムザに対する評価とは別の次元で、「デュライ白書」に対する史家の評価もまた二分 された。確かにデュライ白書は、異端者ラムザの名誉を回復するに足る史料であったが、同時に「実は著者、 オーラン・デュライが自らの功績を誇るために異端者ラムザの活躍を美々しく書きたてたのだ」「アラズラムは 先祖を賞賛するためだけにこの史料を公開したのだ」などという揶揄が付きまとったのである。 これにより、史家の間ではその他の資料についても比較吟味し、史実を明らかにようという気運が高まり、 獅子戦争とその時代に関する多くの著書が―――教会の圧迫を受けながらも―――研究されたのである。 結果、現在ではラムザ・ベオルブが獅子戦争の真の危機からイヴァリースを救ったことは常識である。 もっとも教会はかたくなに彼の異端取り消しを否定し続け、最終的に彼の名誉が回復されたのは、獅子戦争 終結から500年以上経過した、聖暦1771年のことであった。これはラムザにとって嘉すべきことであったろうが、 同時にそれまでの反動で、彼が実像以上の英雄として持て囃されるという弊害ももたらした。 ラムザ・ベオルブが多くの同士の協力によって戦い抜いたということは意外と知られていない。彼が己の 信ずる戦いを続けられたのは、彼自身の才覚、強運などもあろうが、彼を助けた多くの優れた仲間たちの力に よるところも大きいのである。その中で当代きっての猛将といわれたシドルファス・オルランドゥ伯爵などは よく知られた存在であるが、ここで特に取り上げたいのは、一人の女騎士の存在だ。 その名を、アグリアス・オークスという。
誰も君を邪魔することなど出来んよ。 でも「おもしろい」「つまんない」はどっちにしてもハッキリいくから。
24 :
畏国傑物伝 :2006/04/21(金) 19:48:39 ID:tJdgWyzl0
アグリアス・オークスは、フォボハムの名家、オークス家の十六代当主、リネッティ・オークスの長女として、 1231年に生まれた。ラムザ・ベオルブより四つ年上ということになる。生家のオークス家は、貴族としての格は 高いが、五十年戦争によって実質的な力を失った、いわば名前だけの旧家であった。 なお、「アグリアス」という言葉は古代畏国語で「繁栄」を意味するとされる。傾きかけた家運をこの子供に 託そうとしたリネッティの希望の顕れ、と見るのは穿ちすぎであろうか。もっとも「アグリアス」ははるか南洋に 棲息した、すでに絶滅した蝶の名だとする説もある(この蝶に関してはジーベルト卿の『南海探検記』が詳しい)。 このときまでに誕生した男子をすべて亡くしていた当主リネッティは、彼女に非常な期待をかけたようである。 実際、アグリアスはアカデミーで非常に優秀な成績を修めた。彼女の卒業した1251年の王立士官アカデミーの 成績簿が残されているが、この年の首席はアグリアスである。王室への忠誠度も抜群と評されている。 アグリアスの卒配先は、首都ルザリアの近衛騎士団であった。まず花形といってよい。ところが翌年、国王 オムドリア3世が逝去すると、後継者候補のオヴェリア・アトカ−シャ王女の護衛隊として、ドーターの南、 オーボンヌ修道院に派遣されることになった。
25 :
畏国傑物伝 :2006/04/21(金) 19:49:09 ID:tJdgWyzl0
当時、オヴェリア王女の立場はたいへん微妙であった。 そもそもこの王女、前国王デナムンダ4世(在位1229〜1245)の子とされているが、実は王室の血は流れて いなかったのである。時の国王オムドリア3世(在位1245〜1252)は病弱であり、国政は王妃ルーヴェリアが 牛耳っていた。これを快く思わない元老院は、国王夫妻に子がない(実は元老院が暗殺していた)ことに目を付け、 王位を継承させるべく、オヴェリアをその養女として送り込んだのだが、実は本物の王女はこれよりはるか以前に 死んでいた。元老院が送り込んだ「オヴェリア」は氏素性の知れない真っ赤な偽者だったのだ。ただしこのことは オヴェリア自身も知らなかった。彼女は本物の王女として教育されていたのである。 ところが王妃ルーヴェリアに男子オリナスが生まれたため(この赤ん坊も、王妃の兄・ラーグ公がオムドリアの 種とでっち上げたという説がある)、オヴェリアはラーグ公預かりとなり、オーボンヌ修道院に身柄を移され、 幽閉同然の生活を送ることになった。 当然、このような複雑な立場の王女を、利用、あるいは害そうとする輩の出現が懸念されたのである。 アグリアスはそんな王女の身辺を守るために派遣されたのだった。
26 :
畏国傑物伝 :2006/04/21(金) 19:50:21 ID:tJdgWyzl0
アグリアスは、オヴェリア王女の境遇に(その出生の秘密は知らないにせよ)大いに同情したようで、実に 謹直に己の任務を果たした。オヴェリア王女も清廉なアグリアスをたいへん信頼したようだ。なお、後に軍籍を 離れアグリアスと行動を共にするラヴィアン・シンクレア、アリシア・ウェールズの二人もアグリアスの部下と して当地に派遣されていた。 アグリアス達がオーボンヌに派遣されたあと、イヴァリースの情勢はさらに緊迫していく。ラーグ公は二歳に なる甥のオリナス王子の後見として権力を手中にしようとしたが、王妃ならびに外戚の専横を恐れた元老院議会は これに反発し、先手を打って先王の従兄弟であるゴルターナ公を後見、摂政として任命。貴族たちもラーグ派と ゴルターナ派に分かれて対立を深めた。特に五十年戦争で没落した貴族の多くが、ゴルターナ側に与したようだ。 ここに獅子戦争の禍根が育ったのである。 そしてついに、ラーグ公はオヴェリアを抹殺せんと魔手を伸ばした。すなわち配下の北天騎士団と傭兵団に、 オヴェリアを護送に見せかけて誘拐し、暗殺するよう命を下したのである。 この傭兵団の中に、ベオルブ家を出奔して傭兵となっていたラムザ・ベオルブがいた。当然彼は、自分の任務は オヴェリアの護衛であって、その裏で陰謀が企まれていることなど―――ましてその作戦を立案したのが実兄たる ダイスダーグ卿であったことなど―――知らなかった。
27 :
畏国傑物伝 :2006/04/21(金) 19:51:09 ID:tJdgWyzl0
余談だが、アグリアスが初めてラムザを見たときの印象を、幾つかの史書が伝えている。どうやらアグリアス には華奢で柔和な顔をしたラムザは、「頼りにならなさそうな男」と映ったらしい。彼女自身が女性としては 長身で、またホーリーナイトとしてすでに名声があったせいか、当時まだ十七歳のラムザはいかにも幼く、頼り なげに見えたのであろう。 狂言誘拐は意外な顛末をたどる。北天騎士団がオヴェリアを拉するより早く、教会の意を受けたディリータ (もちろん後のディリータ王である)が、南天騎士団に扮した部下を引き連れて修道院を急襲し、彼女を奪った のである。アグリアスの護衛隊と、ラムザが属する傭兵団はこれを急追、ゼイレキレの滝で追いつくが、そこに 北天騎士団が現れ、さらにラムザの直属の上司である傭兵隊長のガフガリオンという者まで、護衛者の仮面を かなぐり捨て、オヴェリアを捕らえるために敵に回ってしまった。 ここに至ってラムザは傭兵団、ひいては北天との決別を決意、アグリアスらとともにオヴェリアを守るべく 戦うという立場を表明する。
28 :
畏国傑物伝 :2006/04/21(金) 19:52:51 ID:tJdgWyzl0
アグリアスとその部下、ラムザ、そして部下を倒され孤立していたディリータが共闘し、北天騎士団と ガフガリオンは撤退した。ディリータはオヴェリアをラムザ達に託して立ち去る。 かくてラムザとアグリアスは一蓮托生となった。 この時のラムザの覚悟がいかに大きなものであったか。彼は北天、およびその背後にいるベオルブ家や ラーグ公の勢力を―――つまり畏国の半分を敵に回し、しかも自分自身の拠り所まで失ったのである。 並大抵の覚悟ではない。アグリアスもラムザには深く謝意を表した。 ―――貴公の決意に対して、わが子々孫々まで最大限の敬意を払うであろう。 「デュライ白書」は彼女のそのような熱烈な感謝の言葉を伝えている。のちにアグリアスは恋愛において大いに 情熱を発揮したが、普段から激情型の人物であったようだ。 アグリアスの提案で、一行はグレバドス教会領であったライオネルの城主、ドラクロワ枢機卿を頼ることに なった。北天も南天も頼れないのであるから、第三の勢力である教会に救いを求めるのはアグリアスたちの立場 からすれば当然であったが、北天の軍師ダイスダーグ卿はすでにドラクロワ枢機卿とも通じていたのだ。 飛んで火にいる夏の虫である。ライオネルに辿りついたアグリアスは、喜んで尽力しましょうという枢機卿の 言葉に胸をなでおろしたが、ラムザが仲間の機工士ムスタディオ(この人物については後で詳述することになる) の父ベスロディオの窮地を救うためライオネルを離れることになり、さらにルザリア以来アグリアスに従って きた部下のラヴィアンとアリシアをもこれに同道させたため、ライオネルに孤立することになった。 枢機卿がこの機会を逃すはずがない。アグリアスはオヴェリアと引き離され、ライオネル騎士団に襲われ投獄 されかかる。すんでのところでライオネルを脱出したアグリアスは、単騎、バリアスの谷まで逃れるが、追っ手 に追い詰められた。 多勢に無勢である。アグリアスは死を覚悟した、が―――― そこへ、奇跡的に現れたのが、機工都市ゴーグへ向かったはずの、ラムザ一行であった。
29 :
畏国傑物伝 :2006/04/21(金) 19:53:58 ID:tJdgWyzl0
機工都市ゴーグに赴いたラムザ達は、ムスタディオの父ベスロディオが所持していた「聖石」を狙う者達に 襲われたのだが、その連中を裏で操っていたのは、他ならぬドラクロワ枢機卿だったのである。枢機卿までもが 私欲のために動いていると知ったラムザ達は、アグリアスとオヴェリアにその魔手が伸びることを懼れ、海路 貿易都市ウォージリスよりライオネルを目指し、その途上、バリアスの谷でアグリアスを助けることになったの だった。 アグリアスにしてみれば、ラムザに助けられるのは二回目である。しかも彼は北天に続き、ライオネル、 ひいては教会を敵に回してまで自分に力を貸してくれたのだ。アグリアスはもう、彼のことを「頼りない若造」 などとは見なくなっていた。あるいはこの頃から彼女はラムザを単なる仲間以上の存在として意識しだしたの かもしれない。 その後アグリアスはオヴェリアがゴルゴラルダ処刑場(聖アジョラが処刑された場所として知られる)で オヴェリアの処刑が行われるとの情報を元にその地に急行するが、これは一行をおびき寄せるための枢機卿の 謀略であった。 ここで待ち受けていたガフガリオン―――ラムザの元上司であった傭兵である―――が、ラムザに対して ベオルブ家に戻るように勧告する。しかしラムザはこれを言下に拒否した。驚いたのはアグリアスである。目の 前の少年が、北天の頭領、ベオルブ家の三男坊であろうとは。しかしラムザは自分はベオルブ家を捨てたこと、 兄達の謀略に加担していないことをアグリアスに訴えた。これに対して ――――いまさら疑うものか、私はお前を信じる。 アグリアスはきっぱりとそう答えたのである。これまでの戦いを通じ、彼女はラムザが信頼に足る人物と判断 したのだ。この判断が正しかったことは、最後まで揺るがなかった彼らの金鉄のような信頼関係を見れば明らか であろう。団結を深めた一行は、ガフガリオンらを退け、そのままライオネル城に乗り込む。 枢機卿ドラクロワはすでに人外のものに成り果てていた。ルカヴィと呼ばれる魔界の住人が、そこにいたのだ。 たいへんな苦戦の末、ラムザ達はこの怪物を倒した。 獅子戦争の影で、この世ならざる者までがイヴァリースを脅かしつつあった。アグリアスとラムザは、絶望的 な戦いに身を投じてゆくことになる。
30 :
畏国傑物伝 :2006/04/21(金) 19:55:48 ID:tJdgWyzl0
ラムザ達がルカヴィとなったドラクロワ枢機卿を倒した直後に、獅子戦争が勃発する。 一行ががライオネルに乗り込む直前に、王女オヴェリアを連れ出したディリータ・ハイラルが、彼女を南天の トップであるゴルターナ公に委ねたことにより、オリナス王子を擁する北天とオヴェリアを擁する南天とは互角の 条件となった。こうなればあとは開戦するだけであった。 戦乱の裏で暗躍する者たちに対するラムザの戦いも、当然激化してゆく。ところが「デュライ白書」は、戦争 勃発後のラムザ一行については、主としてラムザに焦点を当てて描いており、アグリアスの影は至って薄くなる。 ――――(アグリアスは)ラムザの副長として彼を補佐し、大いにその戦いを助けた この程度の記述しかない。アグリアスが長い間脚光を浴びなかった理由のひとつがこれである。 ところが1764年、機工都市ゴーグで「ブナンザ年代記」(以下「ブナンザ記」)なる書物が発見される。 発見者は、当時ライオネル大学教授で畏国史の泰斗といわれたデュマ・ロセアル博士であった。この本、前述した ラムザの同士、機工士ムスタディオ・ブナンザとその子孫が、獅子戦争から近代までの歴史を綴ったものなのだが、 ムスタディオはこの中で異端者ラムザに協力した者達の活躍を、実に詳細に記録していたのだ。こんにち、我々が アグリアスという人物を知ることが出来るのも、ムスタディオのお陰ということになる。
31 :
畏国傑物伝 :2006/04/21(金) 19:56:33 ID:tJdgWyzl0
余談だが、ムスタディオは当時畏国ではまだ珍しかった銃の使い手であり、機械技術に精通するエンジニアでも あった。聖石をめぐってゴーグの悪徳企業バート商会と対立し、人質に取られた父の奪還のためにラムザの協力を 仰ぎ、その後はラムザとともに最後まで戦い抜いた人物である。現在ゴーグ市にはブナンザ重工業という畏国でも 屈指の大企業があるが、この会社の遠祖こそムスタディオである。 さて、ブナンザ記のアグリアスの項を見ると、まず「古今を通じての美しい女性であった」とある。女だてらに 剣を振り回すホーリーナイトでありながら、たいへんな美女であったようだ。さらに、 ――――戦場での力量はオルランドゥ伯に匹敵し、やや勢いに任せて行動する面が見受けられるも、決断力、 行動力は抜群。作戦立案にも優れ、隊を分けるときは、オルランドゥ伯でなければ彼女が分隊の指揮をとった。 とある。アカデミーを首席で卒業した英才の面目躍如というところか。ラムザの傍らにあって彼を強く支える、 美しくも力強い女騎士の姿が伝わってくるではないか。
32 :
畏国傑物伝 :2006/04/21(金) 19:57:13 ID:tJdgWyzl0
アグリアスの活躍について特に目立った記述がある記事を見ていこう。 まずはリオファネス城での戦いである。この頃にはラムザは異端者として正式に認定されており、また彼が 手に入れた聖石と「ゲルモニーク聖典」を奪おうと、神殿騎士団も本腰を入れ始めていた。彼らはラムザの同腹の 妹アルマ・ベオルブを拉致し、ラムザを誘き寄せようとしたのである。リオファネス城はフォボハムの領主である バリンテン大公の根拠地であるが、神殿騎士団幹部であったウィーグラフ・フォルズ(もと骸騎士団の団長である) がここに待ち構えていた。ウィーグラフは城内に侵入したラムザたちを分断する作戦を実行し、これによりラムザは 仲間と切り離され孤立してしまう。ウィーグラフは一人になったラムザをなぶり殺しにしようという陰惨な計画を 立てていたのだ。 この危機を救ったのがアグリアスであった。彼女は仲間を一刻も早くラムザと合流させるために、自ら囮となり 敵を引き付ける陽動作戦を敢行したのである。この時のアグリアスの戦いぶりを「ブナンザ記」は ―――この時アグリアスは僅か一騎で二十人になんなんとする敵兵を押しとどめた。これにより仲間は、 ラムザの救援に赴くことが出来た。この日彼女の活躍なくば、ラムザの命の保障はなかったであろう。 と記している。 神殿騎士ウィーグラフもまた、邪悪なる者に魂を売り、ルカヴィとなっていた。圧倒的な膂力と魔力の前に さすがのラムザも追い詰められたが、仲間たちが、そしてアグリアスが駆けつけた事で、九死に一生を得たので ある。 このリオファネス城の戦いは酸鼻を極め、多くの将兵に加え、城主であるバリンテン大公までも命を落とした。 これはウィーグラフ同様ルカヴィと化した神殿騎士団長ヴォルマルフや、「銀髪鬼」の異名で恐れられた五十年 戦争の英雄エルムドア侯爵などが、城内で殺戮を繰り広げたためであるが、この阿鼻叫喚の中をラムザたちが生き 残れたのは、彼らの結束力ももちろんだが、アグリアスの果敢な作戦と行動力もその要因に数えるべきであろう。
33 :
畏国傑物伝 :2006/04/21(金) 19:57:54 ID:tJdgWyzl0
アグリアスの活躍した戦いとしてもうひとつ忘れてはならないのがべスラ要塞攻防戦である。 グレバドス教会教皇フューネラルは、北天騎士団、南天騎士団を戦わせながら、混乱に乗じて北天のラーグ公、 南天のゴルターナ公、さらに南天の重鎮、猛将オルランドゥ伯を暗殺しようという計画を立てた。 指導者を失い、なおかつ疲弊した両軍に対して停戦を呼びかけ、その後のイニシアチブを握ろうという魂胆で あった。ラムザは、亡父の親友であったオルランドゥにこれまでの戦いの経緯と、畏国に迫る真の脅威について 伝えるためべスラ要塞に向かっていたが、その途上彼ら三人の暗殺計画の情報を入手する。彼は、この情報を 北天に届けるべきか南天に届けるべきかでいささか迷ったようだ。隊を二手に分けることも考えたらしい。 しかしアグリアスは ―――焦眉の急は両軍の衝突を止める事だ。最悪、ラーグ、ゴルターナ両公が暗殺されても、軍が傷つか なければ教皇の目論見は狂う。全力でべスラ要塞に突入し、水門を開放して戦場を水浸しにし、戦闘を 不可能にするべきだ。 と主張した。適切な判断といえよう。ラムザはこのアグリアスの方針に従った。べスラ要塞の水門を開放し、 両軍の衝突を回避するというこの奇計は、「デュライ白書」ではラムザが案出したように書かれているが、 「ブナンザ記」その他の史料では立案者はアグリアスである。
34 :
畏国傑物伝 :2006/04/21(金) 19:58:33 ID:tJdgWyzl0
要塞攻撃に当たっては、アグリアスが陽動を引き受け、ラムザは数人の仲間とともに、裏門から要塞への 侵入を試みた。ここでもアグリアスは獅子奮迅の働きを見せ、敵の主力を引き付けてラムザの潜入を助けた のである。 これ以前に、オルランドゥはディリータのでっち上げた謀反の嫌疑により投獄されていた。ラムザは獄中に あったオルランドゥを救出し(ディリータも彼を殺す気はなかったようである)、さらに水門を開いて戦闘を 中断させることに成功、ディリータの腹心魔道士バルマウフラの手引きで首尾良く脱出した。オルランドゥは これ以降ラムザの心強い友として異形の者達と戦うことになる。しかし、オルランドゥ加入後も、アグリアス こそがラムザの最大の補佐役であった。「ブナンザ記」にいう。 ―――アグリアスの存在は、ラムザにとって単なる仲間以上のそれであった。戦力としては無論のこと、 精神的に彼を支えるアグリアスの存在なくして、ラムザが最後まで戦えたかどうか、はなはだ疑問である。 この後、ゴルターナ公、ラーグ公は相次いで暗殺され、オルランドゥ伯も公式には死んだことになった。 しかし軍権はディリータが掌握し、獅子戦争は終息に向かうのである。
35 :
畏国傑物伝 :2006/04/21(金) 19:59:54 ID:tJdgWyzl0
「デュライ白書」ではその後、ラムザたちは騒乱の黒幕である神殿騎士ヴォルマルフとの決着をつけるため、 オーボンヌ修道院の地下書庫で最後の決戦に臨んだが、結局爆壊したこの決戦の地から生還したかどうかには 触れていない。 しかし「ブナンザ記」によれば彼らは生きていたのである。 最後の決戦に同行したムスタディオが、自著に明確にそう書いている。ただし当人も「奇跡的な生還」と 記すのみで、なぜ生還できたかは当事者たる彼にも分からなかったらしい。 そして、「ブナンザ記」は英雄達の後日談も記している。 アグリアスは、ラムザと結ばれた。 長い戦いの中で、信頼がお互いへの慕情へと変化していったのであろう。とはいえ、「ブナンザ記」によれば、 二人の恋愛はスムーズに成就したわけではないようだ。ラムザとアグリアスがお互いを憎からず想っていたことは 確かである。しかし、他にもラムザに恋をした女性―――アグリアスから見れば恋敵―――がいたのである。 それは、メリアドール・ティンジェルという女性であった。 このメリアドール、戦乱の黒幕たる神殿騎士団長ヴォルマルフ・ティンジェルの実の娘であり、リオファネス城 で命を落とした弟、イズルードはラムザに殺されたと父親に吹き込まれ、最初は彼の命を狙うべく現れた。しかし、 戦いの中で父親こそが諸悪の根源と判明するや、ラムザに与し父と戦う覚悟を決める。どうもこの女性、極端から 極端へと流れやすい性質であったらしく、しばらく旅を続ける間に熱烈にラムザを愛するようになっていた。
36 :
畏国傑物伝 :2006/04/21(金) 20:00:50 ID:tJdgWyzl0
この件に関して、ムスタディオが「ブナンザ記」に面白いことを書いている。 ―――アグリアスは戦場では果敢であったが、恋愛に関してはきわめて奥手であった。対してメリアドールは 不器用ながらも積極的であり、皆の前でも臆することなくラムザへの愛情を告白した…… 生真面目なアグリアスはなかなかラムザへの恋情を打ち明けられなかったが、メリアドールは直情径行であった らしく、積極的にラムザに言い寄ったようだ。また「ブナンザ記」によればメリアドールもかなりの美女であった ようで、アグリアスとしてはラムザの心がメリアドールに傾くのではないかと戦々恐々だったようである。 メリアドールがラムザに好意を持っていることを公言してから、アグリアスとの間でかなり激しい鞘当てが あったようだ。アグリアスも奥手とは言いながら、根は情熱的な女性である。黙ってはいられない。訓練で、 食糧の配給で、その他どうでもいいようなことでも、寄ると触ると喧嘩を始めたらしい。さすがのラムザも これには閉口したようだ。 またラムザも、結果としてメリアドールに、肉親と敵対するような道を歩ませてしまったことへの負い目が あったためか、彼女を気にかけていたし、その積極性と純粋さに惹かれる部分もなくはなかったようだ。
37 :
畏国傑物伝 :2006/04/21(金) 20:01:57 ID:tJdgWyzl0
それでも結局、ラムザはアグリアスを選んだ。長く苦労を共にし、お互いの心を理解しあっている女性の ほうに、彼の心も傾いたのであろう。メリアドールも最後は穏やかに身を引いたらしい。 ラムザとアグリアスは「ルグリア夫妻」として華燭の典を挙げた。ルグリアとはラムザの母方の姓である。 二人はゴーグの郊外に居を構えた。 ラムザは異端者として追われる身であったが、教会は幹部が戦乱で根こそぎ斃れたことにより異端者狩り どころではなかったし、ゴーグは自立の気風に満ちた都市で、教会の影響力が希薄だったことも二人にとっては 幸いだった。 アグリアスは結婚後、実家に戻ろうとはしなかった。父のリネッティは彼女は死んだものと思ったらしく、 家督は遠縁に当たるフェイドーシュ侯爵家が継いだ。この家系はハイラル朝末まで続いている。アグリアスは 家督どころか、あらゆる貴族との付き合いを絶ったようである。夫のラムザの立場も考えてのことであろうが、 陰謀と虚飾に満ちた貴族社会に嫌気が差したらしい。 オヴェリアの行く末についてだけは気になっていたようだが、新王ディリータの妃となったことで本来ある べき立場に落ち着いたと考えたのか、言及することはなかったようである。その悲劇的な死の真相を知れば、 事情は違ったかもしれないが……。
38 :
畏国傑物伝 :2006/04/21(金) 20:02:49 ID:tJdgWyzl0
アグリアスはラムザとの間に二男二女をもうけた。周囲がうらやむほど円満で、幸福な家庭であったようだ。 二人の正確な行年は記録されていないが、晩年まで中睦まじい夫婦であったという。 ムスタディオの子、セーリュディオ・ブナンザは「ブナンザ記」の中で次のように述べている。 ―――人の一生は、その最期によって精算されるという。私はこの意見に賛成である。然るに、アグリアスは 信念ために戦い抜き、良縁を得、暖かい家庭を築き、最後は最愛の夫に看取られ、穏やかにその生涯を閉じた。 真に幸福であるのは幾万の富を得たものでも、権力を得たものでもなく、彼女のような人物ではなかろうか。 剴切の言というべきであろう。 不遇の時代に生を享けた真の英雄、ラムザ・ベオルブを、戦場にあってはその良き補佐役として支え、幾度も 危地を救い、家庭では良妻賢母としてやはり愛する夫を支えた、「王佐の才」アグリアス・ルグリア。 彼女はもっと顕彰されて然るべき人物ではないだろうか。
39 :
畏国傑物伝 :2006/04/21(金) 20:04:34 ID:tJdgWyzl0
おしまいです。 うーむ、萌え要素がないなw 俺の好きな某作家の著作に影響を受けて書いたんですが、 ちっと長すぎたなぁ。
40 :
23 :2006/04/21(金) 20:17:22 ID:++HzDoE50
乙かれさんでごんす。 誰も邪魔出来ないと書きつつ邪魔した形になって申し訳ない。 長さに関してはゲーム中のストーリーをなぞるかどうかで左右されちゃったわけですな。 正直、「もっとまとめるべきだったのでは」「いやこの形はこの形でいいべ」読みながらこっちも結構揺れたw 全然ハッキリ感想送れてないねスマヌ。
あ、あ……。 アグ姉────────────────────ッ!!!!
読み応えがあって面白かった!
>>39 乙
なにげに商売成功してるムス太に萌えた
いくつか謎が残るなあw そもそも「デュライ白書」が白日の元にさらされるまで、 ラムザ隊の歴史は葬られていたわけで(ということは、他に そうした歴史書がほとんど残っていなかったであろうことは 想像できる)それなのに、あっさり複数の書が出て来ちゃってるとか。 ラムザの異端が解かれるまであんなに時間がかかってるのに、 ラムザの生きていた時代には問題が無さげに見えることとか。 でもすっげ面白かった。 ラヴィアリについて記載しちゃうとか、このスレ住人ならではの 作品だなあとおもった。
45 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/04/21(金) 23:00:01 ID:lYCOr0Iq0
>>39 素晴らしく乙です。
オリジナル要素も面白く
FFTのシナリオの復習も出来て非常に楽しく読めました。
FFT数年ぶりに再プレイしたくなった。
身体測定の日 ムスタディオ「いいかモンブラン、実はお前がメスってことにしてこっそりこのカメラで盗撮してくるんだ」 モンブラン「・・・報酬はクランの口座に振り込んで欲しいクポ」 ムスタディオ「わかった。じゃあ頼むぜ・・・」 ─そして測定会場 フラン「アグリアスさん、早く着替えないとはじまるわよ。小さいのがコンプレックスなのはわかるけど」 アグリアス「な、貴公のように下賎な考えにはついていけん!大小の問題ではなかろう!」 フラン「それが意外と問題になるから不思議なのよ。あなたもそのうちわかるわ」 ガラッ モンブラン「いやー遅れてしまったクポ・・・よ?」 リッツ「ちょっとモンブラン!ここは女子の会場よ!早く出て行きなさい!」 モンブラン「何いってるクポ!実はモンブランはれっきとした女の子クポですわ」 フラン「じゃあさっさと脱いで証拠を見せなさい。それとうしろに隠してるカメラは何に使うのかしら」 モンブラン「ぬ、ぬいでも多分わからないクポ・・・モーグリは雌雄同体クポ・・・かしら、なんてw」 リッツ「ノノちゃんにきいてくれば早いわね。あの子は嘘つかないだろうから。ちょっといきましょうか」 モンブラン「いやぁそれには及ばないクポ!大事な用事を思い出したクポ!ごめんあそばせクポ」 アグリアス「どうせ誰かと結託していたのだろう・・・ムスタディオあたりかもしれないが」 フラン「黒幕はラムザ君かもしれないわよ?あの子意外と・・・」 アグリアス「そ、そんなことあるわけがない!ラムザはそのようなものでは・・・」 フラン「あらあら、お若いこと」 モンブラン「ムスタディオ、ダメだったクポ・・・脱いだらばれてしまうクポ・・・」 ムスタディオ「やっぱだめか・・・オヤジになんて報告しようかな」 モンブラン「黒幕はオヤジだったクポか・・・どうしようもない親子だクポ」 ムスタディオ「子は余計だっつの
>>39 乙
俺の中では大河ドラマみたいな感覚だったw
キートン山田に読んでもらいたいな
>39乙 あいつか?ああ、知ってる。 話せば長い。 そう。古い話だ。 知ってるか?ラムザ好きは3人いる。 装備を破壊する女 腹黒い妹 生真面目なツンデレ女 この三つだ。 あいつはー 彼はムスタディオ。 彼の相棒だった男。 <<よう相棒。いい眺めだ。>> <<ここから見ればエロ本の中身なんかカスに近い。>> あれは着替えを覗いている時だった。 <<更衣室で大規模な戦闘!>> <<援軍か?どこの男だ?>> <<盗撮隊へ、失敗は許されない。>> <<だろうな。報酬上乗せだ。>> <<こちら狙撃隊のラッド。可能な限り援護する。>> <<撃墜なら見えない所で頼む。>>
この事件には謎が多い。 誰が仲間で、誰が裏切り者か。 そして下着の色は何色で、フードの中身は何なのか。 一体エロとは何か。 <<カメラを奪われた!追撃隊は直ちに目標を確保せよ> <<ここでチョコボで追いかけるぞ>> 特殊戦術盗撮隊―通称『男の情熱』 <<アルマ狩りだ>> <<相手はメリアドールだぞ!油断すんな!>> <<アグリアスがなんだ!俺がやってやる!>> 人は彼らを『英雄』と呼んだ。 <<受け入れろ これがの男の姿だ>> 変化する手段、変化する犯人、変われない運命 <<撮れよ!臆病者>> <<カモォォォォォォォォォォン!!>> ミッションコンプリートの条件はただ一つ。 “盗撮せよ!!”
勢いで書いたはいいんだが、元ネタ知ってないと楽しめそうにないな…
まさかここでエースに会えるとは。 <<首を洗って待っていろ。エスココスレで譴責してやる。>>
>>53 お、わかる人がいたとはw
何か物凄く嬉しい( ・ω・)
俺の今週のメイン出撃編成 前衛 忍者♂:ストライダー飛竜 ホーリーナイト:アグリアス・オークス 侍♂:平影清 後衛 吟遊詩人:ラムザ・ベオルブ 白魔道士♀:魔法少女ミルキーベル
まぁいいや、サァいくか
SSはテキストファイルにまとめてうpしようよ・・・
59 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/04/22(土) 02:32:16 ID:q3iniWrs0
>>57 そんなルールはない
つかそんなことすると過疎る
>>39 真面目と言うと表現が硬いかも知れないけど、俺好みのSSでした。
萌え要素が無いと言ってるけど、読む人が各々好きに感じ取ればいい訳で、
そういう点でムスタディオの位置に萌えた。
「ブナンザ記」。うん、如何にもムスタディオが書いてそうな本だったw
メリアドールの記述も良かったよ。
そして、セーリュディオ・ブナンザが最後に暖かい事述べてるね。
ここにジーンと来た。
>>39 上で書いてる人がいたけど、もう少し削れるところは削れた気はする。
あともう少し硬くても自分としては良かったw入り方が入り方だっただけに。
ともかく楽しんで読みました。サンクス。
アグたんは隠してないのかw
一千万もいりゃあ、アヴァロンのような防御回避宝具持ちは幾らかいるだろう。
>>12 >>19 それはラッド、アリシア、ラヴィアンをいつの間にかラムザ達より強くしていた俺は馬鹿だということか!?
68 :
39 :2006/04/22(土) 21:54:52 ID:SNma/VcX0
予想外に多くの反響とご指摘どうもです。
まぁ、長さはねぇ……
あれもこれも詰め込みすぎたかも知れません。
今後の課題にします。
>>63 アグたんがセクハラ親父になっとるw
>>68 (・∀・)イィSSだった!インスパイアされたどっ!!
ラムザとアグリアスの間に生まれた次男坊スケベオルーブはとてもスケベな少年。
お母さんの肉体でさえもスケベ心の範疇に入ってしまうタイヘン困った子さ♪
妾とよろしくねんごろしてた絶倫祖父バルバネスの血筋かな?どーかいな?
鈍感なお母さんの着替えも脱ぎたてブラヂャとパンティも思うがままに我が物とし、
パンティのちょっぴりしょっぱい股布部分を何度も舐め味わい甘美に酔いしれる。
夫婦の営みさえも出歯亀る…、そんな弱冠8歳の穏やかな昼下がりだったのだった…。
ただ、お母さんの回避不能の聖剣技は怖い!
だから鬼畜っぷりをひた隠し、自然な形でスケベ欲を満たさなくてはならない。
アグリアス母さんの旧知の友人ラファが家に遊びに来ているそのとき、彼は計画を実行に移す!
ラファ「あら、スケベオルーブ君こんにちワ(はぁと)」 スケベオルーブは「こんにちわ、ラファさん」と挨拶をし、その機を伺っていた…。 あのパリンテンとスケベオルーブのどちらがスケベかって?どっこいどっこいさ♪ だがしかし、見た目爽やか美貌で健全そーに演出しつつも女性を弄るのがスケベの王道! それこそ彼の目指す道。ビコーズ…、股間に…巨チン兵ついちゃってるからなのーよ♪ そういう点で、スケベオルーブには天賦の才という素質があった。 それは、名探偵コ○ンが子供ぶりつつ抜け目と容赦なく真相をえぐり暴き出す鋭さ同様。 ラファのおっぱいとお股は僕のものさと内心ギンギラギンにさりげなくー♪ 談笑するアグリアス母さんとラファの横でゾーリンシェイプを隠し持った奴はいる。 ゾーリンシェイプとは付加=睡眠のナイフ。これで気づかれぬ様にダメージを与え、分るだろ? アグリアス母さんは常にリボン装備だから、いかなるステータス異常系をも受け付けない。 でもラファちゃんなら…、そう、そーなのよ♪大人の女性の肉体を舐め舐めしたい。 いまだ!バキッ!!ボカッ!!「ぎゃぁ!痛いよぅ、エーン」 ラファはアクションアビリティにハメどる。サポアビに二刀流をつけ、 昔と違ってBrave高めのリアクション発動してしまいましたとさ。 さよなら…、スケベオルーブ。でも…、いつかまた、どこかで会おう、約束だぞ? −未完−
>没落した貴族の多くはラーグ うわった! なんちゅうイージーミスorz
アグたんはふんどしである
75 :
多弁 :2006/04/23(日) 11:29:18 ID:n6blgxyM0
お目汚し失礼しゃす いつの頃からだろうか。 ルカヴィ、人知を凌駕した異形との戦いの激化。 猛将・オルランドゥやベイオウーフ、レーゼを迎え入れてからの部隊内部の実戦力ヒエラルキーの変動。 様々なジョブアビリティを収めたことによる、部隊全体の戦力向上と平均化。 戦局が終盤にさしかかるにつれて、聖騎士アグリアス・オークスは自らの力不足に悩む日々を過ごしていた。 仮にも、神に仕え教義と戒律を護るために編み出された大義の剣術・聖剣技を収め、周囲の戦士たちとは比に ならぬ身体能力、技術を有する彼女。それゆえ部隊の長ラムザ・ベオルブ始め多くの仲間たちの信頼を得るに 至り、また彼女もそれに応えようと、戦場においては守護神と称するに能う活躍を見せてきた。 その力が、多くの事由によって輝きを失いつつある・・・プライドは高いが決して高慢ではない彼女でも、 かつて自らの立つべき場であった「戦場の大黒柱」のポジションが、後からやってきたオルランドゥ達に 奪われゆく状況に心穏やかではなかった。 無論、彼女を取り巻く仲間達にそのような事を気にする類の卑しい者はない。いかに彼女の力を上回る者が 現れようと、彼女の強さは皆の知るところであり、誰もがそれを認め尊重していた。
76 :
多弁 :2006/04/23(日) 11:56:29 ID:n6blgxyM0
「アグリアスさんは十分にお強いんですから、今まで通り僕たちの副長として戦場に立って下さい」 だがアグリアスは、このラムザの言った「十分」という一言が許せなかった。 剣士としてのプライドが一番にこの言葉の咀嚼を拒否したのだ、と、アグリアスはそう自己分析する。 それは正しかった。しかし心の奥底では、彼女自身も意識していない、より強い想いがこの言葉を 許していなかったのである。 言葉の主、この異端の兵たちを束ねる長、ラムザ・ベオルブへの慕情。 かつては傭兵として彼女の主・オヴェリアを護るべく共に剣を取り、 そのオヴェリアを奪った教会の策略から彼女を救った戦士。 異端認定という、イヴァリースに生きる者にとって死の宣告に等しい烙印を押されてなお、 率いる兵らを尊重し、自らの理想と信念を貫いて戦乱の真実に立ち向かう一人の男。 彼女の騎士としての人生においてラムザは唯一尊敬に能う騎士であり、また聖騎士着任以来彼女が封印してきた 「一人の女性」としての人生にも輝きをもたらしたのであった。 悲しいかな、彼女には「女性」としての自己表現に疎く、正体のわからぬ胸中のもやもやと、 一足先に成熟してしまった身体がもたらす本能的な疼きに毎夜悶絶しているのだったが。 そんな(無意識であるにせよ)愛されたいと願う男から受けた、なぐさめと妥協の言葉。 彼女はそれが許せなかった。自分自身を許す事ができなかったのである。
77 :
多弁 :2006/04/23(日) 11:57:54 ID:n6blgxyM0
「少し、話を聞かせてはくれないか」 野営を行ったある日、日課としている昼の訓練を終えた彼女は、自分でも意外な人物に声をかけていた。 「・・・別にかまわない」 部隊の中で(人外の者を除けば)特別浮いた存在。古代の転移装置から現れた記憶喪失の戦士、クラウドである。 (相変わらずぶっきらぼうな奴だな) そう思ったが、自分も似たようなものだと思い直し、チョコボ車の荷台に腰掛けた彼の前に立つアグリアス。 「ん」と、短い咳払いをしながら、周囲の仲間がこちらに妙な興味を持ってはいないかと、それとなく見回す。 「早くしてくれ」急かすような口調ではないが、特別話すのも億劫、という態度で言葉を促すクラウド。 「む、そうか。」 一拍の間をおいて、アグリアスは話す。 「・・・貴公を、謎の異邦人と見込んで話がある」 「その肩書きのなにを見込んでるんだ」
78 :
多弁 :2006/04/23(日) 11:59:08 ID:n6blgxyM0
部隊に迎え入れられた当初こそ、記憶を失っていたために会話すらままならなかったクラウドだが、僅かに 蘇った記憶と、身体に染み付いていた闘いの勘とで、途端に部隊の強力な戦力となった。 そんな謎の多い彼が操る、魔法とも剣技ともつかない能力、リミット。 アグリアスは、彼のこの技に興味を持っていた。もしかしたら我々の想像だにしない、強さを手にする為の 全く新しいアプローチが見えてくるかもしれない、と。 「極限まで高めた怒りが、その源・・・そう言っていたな」 聞きかじりの情報を確かめるように、クラウドに訪ねる。 「説明が欲しいのか?」 妖しい輝きを放つ深緑色の瞳に、趣きの色が射す。この反応はアグリアスも以外であった。 「あ、ああ。貴公が許すのであれば・・・」 「やれやれ・・・出血大サービスだ。よく聞けよ」 荷台からひょい、と身体を起こし、どこか楽しそうに傍らの剣を取るクラウド。
79 :
多弁 :2006/04/23(日) 11:59:44 ID:n6blgxyM0
「確かに、このリミット技の発動を促すのは主に『怒り』だ。だがそれはあくまできっかけに過ぎない。 思い出せる限りの話で悪いが・・・かつて俺が見習いの身にあった頃、戦闘訓練のなかでも『感情の起伏を 制御する』というのが必修科目だった。戦場で冷静さを無くさない、という目的もあったが、もう一つ。 感情を爆発させることによって、自らのポテンシャルを最大限に引き出し、さらにそれを超える ほどの力を解き放つのが、この訓練の目的だった」 「怒りで・・・か?それはバーサクにかかった状態に近いのか?」 訪ねるアグリアスに、露骨に「話の腰を折るな」という眼差しを向けるクラウド。 「あんなステータス異常と一緒にしないでくれ。 ・・・あんた達も魔法を使うだろう?その源は個々人の有する『魔力』という事らしいが。 俺のいた世界には、『ライフストリーム』という概念があった。それは人間の体内にも、そしてこの大地にも 共通して流れる大きな『力』ということらしい。この力が様々な要因で結晶化すると、この世界で言う『魔法』 のような力を放つ物質が生成される。これに対して、体内に流れるその力を爆発させて解き放つのが、さっき 言った訓練の目的・・・つまりこのリミット技、となるわけだ。内在するエネルギーは結晶化したものと違い、 極めて原始的な状態にある。これを自分の思う形で放出するには、俺達人間の脳に眠るといわれる超自然能力を 意図的に解放する必要があり、その為には理性や常識という知能によって形成された表層意識が邪魔に・・・」
80 :
多弁 :2006/04/23(日) 12:06:13 ID:n6blgxyM0
「・・・・・」口は半開き、遠い目でクラウドを見たまま言葉に詰まるアグリアス。 「・・・まあ、要約すると、理性のタガを外して内なる力を引き出す、って事だ」 「お・・・おお、そうか」空返事であった。生きた世界が異なるのである、無理もないことだと、 クラウドもそれ以上は続けなかった。 アグリアスにとって、にわかには信じられない話である。自分とて、今までの闘いの中で感情的になった事は ある。しかしそうした所で、彼の言うような超常的な能力が発現する兆しを感じた事はなかった。 やはり、別世界の人間と同じ事が出来るなど甘かったのだろうか。 「二通りあるんじゃないかな」 彼女の逡巡を見透かすように、クラウドは呟いた。 「あんたや・・・あのオルランドゥなんかは、感情を殺して技術を極限まで高めることで、 強さを手にしてきたんだろ」 「当然だ、剣の道とはそうしたものだからな」 そのアグリアスの言葉に、クラウドは明後日の方を見ながら答える。 「それだけじゃない。想いも、武器になるんだ」 彼の態度には含みがある。かつて彼がどのような経験をしたのかを物語っているようだったが、 記憶のない彼の無自覚なそれを詮索する気に、アグリアスはなれなかった。
81 :
多弁 :2006/04/23(日) 12:08:01 ID:n6blgxyM0
「・・・そうか。ありがとう、参考にさせてもらう」 やはり、打開策は自分で考えよう。そう思いテントへ戻ろうとするアグリアス。しかし負け惜しみだろうか、 クラウドの見せた意外な一面に興が乗ったのか、つい皮肉めいた言葉が彼女の口をついた。 「無愛想な貴公にしては、楽しそうに話していたじゃないか」 カチン、と、目に見えてクラウドの逆立った髪が怒りに揺れる。 「あんたこそ。ラムザのために強くなりたい、か。甲斐甲斐しい所あるじゃないか」 「・・・!」 部隊内では既に暗黙の了解となった不器用な2人の恋の噂は、新参のクラウドの耳にも入っていた。 まさかクラウドからそれに言及されるとは思っていなかった。途端に体中の血流が活発化し、 目を白黒させるアグリアス。上ずった声で反論する。 「た、ためにとか!甲斐甲斐しいとか・・・!貴公、か、勘違いをしているのではないか!? 別にそ、た、私は純粋に、戦力の憂いを絶とうとだな!・・・そなたには関係のない話であろう!」 「ああ、興味ないね」 してやったり、の表情で答えるクラウド。 「だが、あんたのタガは案外簡単に外れそうだ」
82 :
多弁 :2006/04/23(日) 12:11:15 ID:n6blgxyM0
いったんストップ。ごめ、長引きそう・・・
しかしクラウドとの絡みとはまた珍しいですな!
超究武式聖光爆烈波習得フラグキタコレ
超究武神聖光爆裂アルテマー!
FF7(?)やった事無いからクラウドって知らんのだけど、 なんでリボン装備できるんだ??女装が趣味とか、実はオニャニョコとか??
趣味などという生易しいものではない。 人生なのだよ、彼にとっては。
そもそもリボンが女性専用であるFFT世界の方が異質。 ガラフだってカイエンだってバレットだって装備できるんだい!
>>86 女装してエロオヤジに取り入るイベントがあるせいだ。
女装アイテムの質が良いとティファエアリス差し置いて や ら な い か と誘われる。
ウホッ
え、があったりなかったり に行けばいっぱいあるぞえ
え、があったりなかったりは結構良サイトだよな
あそこの絵では、ラムザと並んで歩いててなんか照れてる アグリアスさんが好きだな。 あれはラムザより大きいことを気にしてるのか?
ちょwwwww ラムザって身長175cmてどっかで見たよーなうる覚えなんだけど アグたんてそれより高いーの??おれっちはアグたん167cmくらいと妄想してたよ。 1章の頃の16歳時ラムザは165cmないくらいで、徐々に伸びて追い越しプレイてこと??
>>96 まぁどんな想像しようと個人の自由なんだけど、俺の中では
「最初はアグのほうが大きかったがだんだんラムザが追い越す」
というのがデフォになっとります。
ゲーム冒頭で16歳か。まだまだ成長期だな。
>>95 最近アグ絵をまとめて出してるとこでは「つらつらつらつら」や「天原帝国」を上げてみよう。
>>99 後者は知らんかった。d
てか、やさぐれや黒なアグリアスさんが多いな、後者w
101 :
まとめ :2006/04/24(月) 00:27:29 ID:KSgAnWjF0
>>75-81 GJです!続きお待ちしています
ところでお尋ねしますが、
>>22-39 の畏国傑物伝と同じ作者の方でしょうか?
文体は違うけど、全体の雰囲気が似ている気がしたので念のため
>>102 おまけ画像にトキメキが止まらない。
アグスレなのに・・・くやしい!
>>102 なんでこんな黒いんだよw
ところでvipってなんだ?
105 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/04/24(月) 02:29:26 ID:AlppJ/+y0
黒アグは、なんかレヴィっぽいな こっちもトゥーハンド(二刀流)で聖剣技 本編じゃ不可能だけど
107 :
多弁 :2006/04/24(月) 10:09:38 ID:PGmYYVHA0
>>101 まとめ氏
遅レスすいません。
畏国傑物伝の方とは別の者であります
追ってつづきうpらせて頂きます。引き続きお目汚し失礼しゃす
真紅の盾のほうがかっこよくね 赤が
110 :
39 :2006/04/24(月) 14:56:06 ID:lzuqzbyh0
>>101 お疲れ様です。「異国傑物伝」書いたものです。
俺が書いたのは異国〜と前スレの「丘の上の風」だけです。
111 :
109 :2006/04/24(月) 15:23:25 ID:O6pIw6uZ0
誤爆
私の名前はアグリアス・オークス。 美人ホーリーナイトと名高いアグリアス・オークスだ。 なに?知らないだと? 貴公はもう少し世間の噂に耳を傾けた方がいいぞ。 どうせ働きもしないで家に引きこもってネットばかりしているのだろう。 まあそれはどうでもいい、私に関係ないからな。 私は今鬱だ…。 ……ゴホンゴホン…何?なぜ欝なのかだと?よく聞いてくれた! そう、あれは昨夜のことだ。いつものように私がアパートでホーリーナイトの厳しい鍛錬をしていた。 腹筋・背筋・スクワット・懸垂・素振りをそれぞれ200回ずつしていたのだ。 素振りが終わり一息ついたその時、管理人が私を訪ねて来た。 管理人は隣からうるさいと苦情が出ていると言っていたが、私はうるさくなどしていない。 その上証拠だと言ってゴリラの雄叫びを私にきかせたのだぞ?あれのどこが私なのだ! 身に覚えのない事を清廉潔白な私に!美しいホーリーナイトであるこのアグリアス・オークスに! 何度も何度も言い放つ管理人に、嫌気がさして私はアパートを出たのだ。 何?追い出された?断じて違う!私が自ら出て行ったのだ!自分の意思でだ! はあはあ…私としたことが取り乱してしまった。 そこでだ、貴公に力を貸して欲しい。
何?同棲?馬鹿者!美しいホーリーナイトであるこのアグリアス・オークスが貴公と同棲などするわけがないだろう! ならどうしろ?決まっているだろう貴公の部屋を私に明け渡せばいいのだ。 ほら鍵を出せ。 何?脅迫だと?美しいホーリーナイトであるこのアグリアス・オークスがそんなことをするわけがないだろう! あっコラ待て!くっドンムブをかけたなあの男!でなければこの美しい…が追いつけないわけがない 何?省略した?そんなことするわけがないだろう美…が言葉を省略するなど!待て卑怯者! 逃げられたか…む?あそこに見えるのは私好みの美少年ではないか!? 「うわ―――――ん」 美少年が泣いている?!美しいホーリーナイトであるアグリアス・オークスは美少年の味方だ! 「少年、何を泣いているんだ?」 「ひっくひっくお姉さん誰?」 うっ胸がキュンとなってしまったではないか、うう鼻血が出そうだ。 こういうときは何と言えばいいのか? うむ、そうだ運命的な出会いを演出するために未来からやってきたことにしよう 「私は少年の力になるために未来からやってきた者だ」 「えっ?僕の力になるために?」 潤んだ瞳で少年が見つめてきた。 うう、少年そんなに見つめたら子どもが出来てしまうではないか 「ああそうだ。私の名前はアグ「アグえもんですね!!」だ」 「アグえもん?私の名前は「僕ずっと待ってたんです!ド〇えもんみたいなロボットが来るのを!!」だ」 「ロボット?私はれっきとした「僕の名前はラム太・ベオルブです」だが」 それからアグえもんのバラ色の人生とラム太の勘違いだらけの生活が始まったとさ。
114 :
多弁 :2006/04/24(月) 21:34:19 ID:PGmYYVHA0
すみません、今更感が強いですが、続きを。 相当長いす。 当番制の給仕を終え、簡素な食事を済ませるとアグリアスは再び剣を手に取り、訓練に向かった。 昼間のクラウドの言葉を反芻する。自分が今できることは何かを改めて自身に問う。答えは出ない。 もどかしさのあまり、剣を振っていなくては落ち着かず、無心で朱に染まった空気を薙いでいた。 「ご精が出ますね」 ふいに背後から言葉がかかる。優しく、甘く彼女の純心に響く声。ラムザだ。 (日中、クラウドがあんな事を言うから・・・) 目を合わせられない。照りつける西日の熱よりも早く、緊張が彼女の顔の温度を高める。ああ、ただ夕日が赤い だけなのだ。もしこの紅潮した頬を見られたら、そう言い訳しなくては。 「い、いやなに。昼間の訓練だけでは多少物足りなかったのでな」 「わぁ・・・流石ですね。ご一緒だったアリシアさんはもうテントでお休みですよ」 (あれは根性が足らんだけだ!まったく) いつもの愚痴が出ようとして、喉の奥にひっこむ。ラムザが歩みを進め、アグリアスとの距離を縮めたのだ。 さらなる緊張で、アグリアスの体はぴんとこわばり、剣を持った腕は伸びきったまま静止してしまう。 「あわ、あれはっ・・しょ、まあ、しょうのない奴で、だな!」 すでに呂律も回っていない。ラムザは笑顔のまま首をかしげる。そしていつの間にかアグリアスの真横に立ち、 並んで黄昏の黄金に染まる平原を見つめた。 「ゆっ!夕日が赤いからな!」 聞かれてもいないのに、アグリアスは弁解する。「そうですね」と、ラムザは笑う。 その笑顔に、わずかな寂しさが宿った。目をふせて、ラムザは穏やかにアグリアスに語りかける。 「・・・お気になさらないで下さいって、お願いしましたよね・・?」
115 :
多弁 :2006/04/24(月) 21:36:13 ID:PGmYYVHA0
じわり、とアグリアスの胸に痛みが走る。そんな顔をしないでくれ。そんな風に喋らないでくれ。 私は、私を許せないだけなんだ。伯らとの埋まらぬ差も、貴公らの心遣いも、痛いほど分かっているんだ・・・ 「つまらぬ意地だよ」 声の震えを押し殺し、アグリアスは自嘲気味に笑ってみせる。 私は馬鹿だ。一番笑ってほしい相手に悲しい顔をさせている。笑ってほしいからこそ志した修練である筈が、 どうしてこうなってしまうのだ。 切っ先に不安が出てしまう。そうラムザに気取られるのが嫌で、思わず彼女は剣をおろした。 「・・・目標をくれないだろうか?」 しばしの間をおいて、アグリアスはラムザに問いかける。ラムザも彼女に視線を返す。 「目標ですか?」 「命令という言葉を貴公が嫌うのは知っている。ただ、これは私の性分なのだ。・・・任務であれば、私は きっともっと頑張れる」 『ラムザからの』任務であれば、と言おうとして、気恥ずかしくてやめた。 (頑張りすぎだって、僕は言ってるんだけどな) 何を言っても、アグリアスは無理をやめようとはしないだろう。彼がいま一番に護りたいと願うその女性は、 心配されるのを嫌い、天の邪鬼なまでに頑健な意志を努めようとする、強くて困った人なのだ。 そう諦めて、ラムザはまた寂しげに微笑み、「それでは」と言って彼女を見つめた。 「次の戦闘で、伯とアグリアスさんに出てもらいます。あなたが伯の討伐数を超えることができたら・・・」 (まずは小さな目標か、それで私の気を紛らわそうというのだな。小賢しい奴め) アグリアスは不満げにラムザの言葉を待つ。
116 :
多弁 :2006/04/24(月) 21:37:36 ID:PGmYYVHA0
「僕がキスしてあげます」 アグリアスは仰け反った。 (キス!?せせせ接吻?な、何を言っているんだこの男は!どういう了見でそんな目標になるんだ!そもそも 男子たるもの、いや、普通は女子だ、いやともかく、そんなことを軽々しく約束するなど・・・!!) 仰け反ったまま顔を横に向け、奇妙な姿勢のままアグリアスはラムザから視線をそむけた。 「どうでしょう?これくらいなら気負いもしなくていいと思うんですが。あ、もし嫌なら言って下さいね? 程度の問題もありますし・・・。最初はほっぺにチューくらいで」 (私が喜ぶと思ってそういう事を言ってるのか!?いたずら心だというなら承知せんぞ!・・・まさかどうせ できやしないと思って私をからかっているのか!?そんな外道に記憶した覚えはないぞラムザ!!) 何秒ほど経過しているだろうか。アグリアスの姿勢があまりに面白いので、ラムザは不安になってきた。 当のラムザは、無論彼女への好意があってこの約束を申し出たつもりだ。それは肩を並べて剣を振るう戦友・ 部隊の長とその部下という間柄ではなく、一人の男として彼女の負担を軽減したい、と考えての言葉だった。 そんな言葉を使うには、互いにいささか生真面目すぎるきらいがあるのだが。
117 :
多弁 :2006/04/24(月) 21:38:21 ID:PGmYYVHA0
あまりに不安になったラムザが手を延ばそうとした瞬間、彼女は現実世界に帰還を果たした。反らした上体を 勢いよく引き戻し、真っ赤になった顔を隠すことも忘れて、ラムザを睨み付けて低く呻く。 「・・・いいだろう、受けて立つ」 なぜか決闘の約束を引き受けるように、敢然とした決意を持って答えるアグリアス。 その一部始終を、小高い丘から眺めていたクラウド。存外に暇を持て余す性分らしく、面白がって彼に 付いて来たムスタディオが隣で腹を抱えて笑っているのを、事も無げに一瞥する。 「くく・・・あんた、あの二人になにふっかけたんだよ」 涙を擦りながら、にやにやとクラウドに詰め寄るムスタディオ。 「さあね」と、クラウドは悪戯っぽく肩をすくめて見せた。
118 :
多弁 :2006/04/24(月) 21:39:30 ID:PGmYYVHA0
眼前に迫るラムザの笑顔。 きめ細やかな白い肌が、眠たげな長い睫毛が、今にも鼻先に触れそうな距離に迫る。やがて自分を見ていた 円らな瞳はゆっくりと瞼を下ろし、柔らかそうな唇何かを促すようにがすぼまる。 アグリアスは動転したが、ああ、自分は約束を果たしたのだと気づき、自らも目を閉じ、その幸福な一瞬を 受け入れようとした。 すぐ近くにラムザの体温を感じる。艶やかな髪が彼女の額に触れる。きな臭い異臭が鼻を突く。 (・・・え?) 緊張のあまり、私の心臓が焦がれて燃えてしまったのだろうか。そんな馬鹿な。 テントの中で簡素な布団に横たえていた体を素早く起こす。アグリアスはそれが夢であったことに気づいて ひどく落胆したが、何かの燃える臭いだけが夢ではないことに気づき、余韻を味わう間もなく飛び起きた。 同じテントで休んでいたレーゼは既に異常を察知し、目覚めたアグリアスを見るや小さく頷いて外へでるよう 促す。彼女の目はすでに竜の気迫を備え、今起きている事態に冷静な憶測を巡らせていた。
119 :
多弁 :2006/04/24(月) 21:40:50 ID:PGmYYVHA0
最低限の装備だけを素早く身につけ、テントを飛び出したアグリアスは戦慄した。 野営の中心のテントに火矢が突き刺さり、音を立てて燃えさかっている。周囲では事態を察知した仲間達が 次々とテントから出てくる。 (ラムザは−!?) 振り返る彼女に、どうと一人の男がぶつかった。大急ぎで走っていたムスタディオである。 「おお、アグリアス!大変だぞ!!」 「そんなもの見れば解る!!どうやら夜襲のようだが、斥候は何をしている!?あのテントには・・・」 そう言いかけて、次に思い返された名前にアグリアスは愕然とした。あのテントには、確かラムザが。 「ラムザ・・・・・!!」 「いや、ラムザはいない。ていうかあいつが斥候に出てたからな」 ムスタディオの言葉に安堵するアグリアス。だが直ぐに疑問が沸き起こった。 「ラムザが斥候に立っていながら夜襲を許しただと?!そんな馬鹿な話があるか!!」 「俺に言ってもわかんねーっての!一緒だったマラークも戻ってねーし、・・・まさか」 「・・まさかなど!そんな事があって・・・あってたまるか!」 なおも燃え続けるテントの炎が、彼女達の激情に拍車をかける。ムスタディオの胸ぐらを掴むアグリアス。 「やめなさい」 ぴしゃり、とレーゼが二人の仲裁に入る。その細腕からは考えられないほどの握力でアグリアスの手を掴み、 脂汗まみれで怯えるムスタディオから引き離す。 「・・・詳しい話は彼らに聞くことにしましょう」 レーゼの視線の先には、どこから現れたのか、数人の騎士が立っていた。
120 :
多弁 :2006/04/24(月) 21:41:33 ID:PGmYYVHA0
「ラムザ・ベオルブの次に話の分かるのはどいつだね?」 高圧的な口調で、騎士のうちの一人が声を上げる。数の有利ありと踏んでいたラッドが剣を構えてにじり寄る。 「やめておいた方がいい。あのテントと同じ運命を辿りたいのか?」 にやり、と口の端を歪めて騎士は言った。よく見れば、この男達の後ろ、いや野営地の円周を取り囲むように アーチャーの構えた火矢の灯りがゆらめいている。 「わざわざ無人のテントを選んでやったんだ。有り難く思えよ。さあ、ここの副長は誰なんだね」 どうやら取引かなにかをするつもりらしい。アグリアスは怒りを静め、しかし目には激昂の色を残したまま 襲撃者の前に歩み寄る。 「南か、北か、それとも教会か」 アグリアスの問いに騎士が答える。「どれでもないさ、麗しの副長殿。・・・もとより、どれに斬られても おかしくはないだろう。貴様ら異端者は」 見れば街でも市販されている無規格の甲冑類。単純な偽装であったが、アグリアスは男が腰に差した剣の鍔に 見覚えがあった。「・・・盲信の徒め」 「あんたらの長はいま、俺達の陣営にいらっしゃる。ついさっき取引をした所でね」 (取引・・・まさか、我々を売ったとでもいうのか?) 考えたくもない結論がアグリアスの脳裏をよぎる。そんなまさか、と彼女は首を横に振った。 「安心したまえ、彼はできた騎士だよ。・・・もっとも隊長自ら斥候に立つのは愚かだがね。彼は自身が 人質として留まるのと引換に、君たちを逃がしたいと言ってきた。私たちがそれを拒否すると、やつめ まるで悪魔のような目で私を睨み付けてきてね・・・『それなら、貴様の首と引換だ』なんて言うんだ。 まぁ、えらい凄みだったな。実際。手足を縛られてなお、神を貶める呪詛を吐くその口で私の喉を噛み切る くらいのことはやりそうだった」 ラムザは、やはり彼らの手に落ちている。本陣に伝えることもままならなかったとなれば、恐らく敵は かなりの手勢を動かしているに相違ない。敵に囲まれた焦り、そして何よりラムザが敵地に渡った事への 不安と怒りで、アグリアスの拳が硬く握られた。
121 :
多弁 :2006/04/24(月) 21:42:25 ID:PGmYYVHA0
彼女の背後には、いつのまにかムスタディオ、兄を心配するラファ、静かに敵の隙を伺うオルランドゥ、そして 悠然と状況を眺めるクラウドが立っている。いざともなれば、全員でこの男達に斬りかかるつもりだろう。 この者達であれば、一点突破くらいは可能かもしれない。部隊に生じる損害を無視すればの話だが。 「だから私は彼に約束した。我々は君の仲間に事実のみを伝え、戦うことはしない、と」 そこで言葉を切ると、騎士は悪辣な笑い顔を見せて、アグリアスに剣を向けてみせた。 「だがなぁ・・・一人の名前も聞いてないんだよねぇ。ここに居るのは、名も無き穢れた異端の群。 奴の仲間ってのはどこに居るのか、皆目検討もつかないんだよ」 外道め。 もはや男たちと会話をする気にすらなれなかった。 「ラムザはどうした」 アグリアスの問いに、騎士は悪魔じみた笑顔のまま答えた。 「現地断罪の許可が下りている。もう朝陽は拝めないだろうね」 頭の中で最も忌避していた結論を、あっさりと男は下した。 アグリアスは、自らの心が虚に落ちていくように感じた。彼女には信じられない。あのように勇敢で優しい男が、 途半ばにして倒れるなど。あの笑顔を、もう二度とみられないなんて。 体が震えているのが、自分でもわかった。背後でラファが泣き崩れる。ムスタディオがラファの肩を抱く。 全身に殺気をまといながら、オルランドゥはアグリアスに耳打ちした。 「・・・アグリアス殿。こうなっては、何としても隊の生還と存続を」 だが、アグリアスは動けなかった。 まさか、あんな夢が最後だなんて。嘘だと言ってくれ、ラムザ。
122 :
多弁 :2006/04/24(月) 21:43:25 ID:PGmYYVHA0
「あんたのラムザはもう、いない」 クラウドがぼそり、と呟く。 その言葉は、アグリアスの魂に無情な現実を穿った。 「貴様・・!」オルランドゥがクラウドの胸ぐらを掴み、鬼の形相で睨む。対してクラウドは、どこまでも 熱の冷めた表情のまま、すでにぴくりとも動かぬアグリアスの後ろ姿を見ている。 だが、この時クラウドの目に映っていたのは、その背中ではなかった。 (手遅れだなんて思うなよ。今だから、やるんだ) 哀しみに閉ざされたアグリアスの心。突然の事態に、行き場なく彷徨う激情。クラウドは、哀しみが怒りへ 姿を変え、力となることを理解していた。それは彼の、未だ解けぬ封じられた記憶に依るものかもしれない。 地面に突き立てたマテリアブレードの柄を取り、目を閉じて軽く力を込める。 (俺も、お人好しだ) 大地を伝って、大いなる力が・・彼の言うところの『ライフストリーム』が脈動し、アグリアスの背中を押した。 ラムザ。 ラムザ。 もはや応える者なき名を呼ぶ声で、アグリアスの頭が一杯になった。
123 :
多弁 :2006/04/24(月) 21:44:48 ID:PGmYYVHA0
「うああああああああぁぁぁぁぁぁ!!」 怒号であった。 炎に熱された空気が奮え渡る。オルランドゥは一瞬、それが誰のものか理解できなかったが、自分の前で 哀しみに暮れていたはずの一人の女性が、その慟哭の主である事に気づいた。と同時に、異様なまでの聖属性 魔力の高まりを察知し、思わずアグリアスに向かって叫んだ。 「ならん!静まられよ!!」 クラウドから離れた右手が、アグリアスの肩に伸びる。だが、あと少しで届こうという所で、捕捉していた筈の 肩が視界から消えた。 否。視認できなくなったのである。 アグリアスの前身が、まばゆいばかりの白光を放っていた。 「邪魔しないでやってくれ、じいさん」 と、それ以上のオルランドゥの接近を制して、クラウドはアグリアスを奮い立てた。 「さあ、約束を守るんだ」 (もういい、十分お膳立てはした。あとはあんたの努力次第だ) その場に居合わせた全員が、この理解を超えた事態を固唾をのんで見守った。 やがて、彼女を包んでいた光が収まっていく。誰もが暗闇に再び現れるはずのアグリアスを思い描いていた。 だがそこに立っていたのは
124 :
多弁 :2006/04/24(月) 21:45:24 ID:PGmYYVHA0
「なんだこの悪趣味な・・・」 ムスタディオが呟く。その顔は呆気にとられている。 青く染め抜いた儀礼制服の、凛としたアグリアスではない。 どぎついまでのピンク色の服を纏い、無風であるにもかかわらずその長い髪を四方になびかせ、怒りの形相は この世のものとは思えぬ畏怖と美とを兼ね備えた、一人の女戦士であった。 眼前の異端者が異様な変質を遂げたことで、襲撃者たちは狼狽した。中には、そのあまりの神々しさから 「女神様だ!」と叫ぶ者までいる。 「女神なものか!・・・おのれ、妙なマネを!」先程まで余裕の笑みを浮かべていた騎士が、驚きと恐怖で 顔をこわばらせながらも抜刀した。 抜刀したはずが、その手に握られているのは、刀身のないただの柄だけであった。見れば、アグリアスが既に 抜き身のセイブザクイーンを構え、刺突の構えを取っている。 刺突は既に放たれた後であった。騎士の剣は、ちょうど鞘から抜け出た瞬間にアグリアスの突打によって 根本を粉々に砕かれ、剣先が地面に刺さっていた。 「なにをす・・・・・ぶっ」 見れば、騎士の体を覆う甲冑には七つの穴が開き、さらに眉間にもコイン大の傷が深々と刻まれていた。 言葉を発しようとしたとき、すでに彼は事切れていたのである。 その突打はゆうに8発。この一瞬の所作を見切れたのは、クラウドとオルランドゥ、そして竜の動体視力を持つ レーゼのみであった。音を立てて、男の全身から血液が噴出する。 「・・・北斗骨砕打」 彼女はそう呟いたが、仲間の誰もが、普段彼女が放つその技ではないことを悟っていた。 追加効果、即死、クリスタルすら残さぬ完全な抹殺である。
125 :
多弁 :2006/04/24(月) 21:46:40 ID:PGmYYVHA0
「すいませんごめんなさいすいませんごめんなさい」 ムスタディオが平伏す。その顔は恐怖に歪んでいた。 「大気満たす力震え、我が腕をして閃光とならん!・・・ラムザを返せぇぇええええええええ!」 聖なる気が雷撃を帯びる。青白い輝きが剣の形を取り、数十本のそれがアグリアスの全身から放たれる。 男の後ろにいた数人の騎士たちは、恐怖に硬直した体を回避に向ける間もなく直撃を浴びた。結果、その場に 立つ騎士全員の首から上が消失した。傷跡は電撃の熱で炭化している。 無双稲妻突き。彼らは永久の沈黙を与えられた。 テントを取り囲んでいた伏兵たちは、リーダー格を無くして困惑した。だが、そのうちの誰かが果敢にも 火矢の一斉射撃を呼びかける。その声に気づいて猛スピードで振り向くアグリアス。「ひっ」と情けない声を 上げたのはムスタディオである。尿失禁寸前であった。ラファの前で。 アグリアスは今し方討ち果たした敵の屍を軽々と飛び越え、野営地を見渡せる位置まで瞬時に移動した。 この神速も、普段の彼女からは想像のつかぬ所行である。彼女がそこで剣を構えるのを見て、ようやく事態を 飲み込んだオルランドゥが叫ぶ。 「皆の者、伏せーーーーーーいっ!!!」 言うが早いか、仲間達は全員その場に這い蹲った。もはや皆本能で動いている。 両の足を開き、深く腰を落とし、丹田に力を込める。 高彩度の赤に輝く聖剣気を帯びた剣を掲げ、全霊を込めた一撃を放つアグリアス。
126 :
多弁 :2006/04/24(月) 21:47:43 ID:PGmYYVHA0
「虚無の怒りを剣に刻んで・・・怒髪突天!真・聖光爆裂破ぁあああああ!!!」 耳に突き刺さるような静寂と、影一つ生まぬ強烈な光が、野営地を包んだ。 気が付けば、部隊の仲間達はことごとくその身を寄せ合い、一箇所に固まっていた。みな一同に、自分の身が 生きたままであるという事以外、この事態を理解できずにいた。 ただ一人、仲間達から距離をおいて立ちつくすクラウド。逆立った髪の毛が更に乱れている。 「・・・リミットじゃなくて、トランスだ、それは」 意味の解らない言葉を口にして、クラウドはばたりとその場に倒れた。 敵影なし。ゆうに20を超える人数がいたであろう襲撃者の一団は、怒れる女神の神罰によって一掃された。 いつの間にか、服も髪も元に戻ったアグリアスは、急激な消耗に耐えかねて片膝を突いた。 「・・・私か?今、戦っていたのは私なのか?」 最後に聞いたのは、クラウドの絶望的な一言。そこから先の記憶は曖昧である。だが、全身に残る言いようの ない痺れと高揚感が、聖剣気に包まれた僅かな時間と、仇敵を討ったことの証明であった。 「・・・・ラムザ。見ていてくれたか。やったぞ、私は」 もはや首を動かすので精一杯だった。彼女は天を仰ぎ、そして、ようやく涙を流した。
127 :
多弁 :2006/04/24(月) 21:49:04 ID:PGmYYVHA0
「ラファーーーっ!!!」 不意に、聞き慣れた声が背後に響く。アグリアスが振り返ると、血相を変えて走ってくるマラークの姿が。 「・・・マラーク!?貴公、無事で・・・」 「おい!何だよ今の!!全部あんたがやったのか?あんた、ラファまで巻き添えにするつもりか!?」 茫然自失の表情のアグリアスに、こりゃ無駄だとマラークは踵を返す。陣中のラファの元へ走っていく 彼を、アグリアスは見守ることしかできなかった。 「マラークが・・・生きて・・・ということは」 続けざまに、草を踏む穏やかな足音が聞こえる。振り向いたアグリアスの目に、最初に飛び込んできたのは まばゆいカンテラの光。そして、逆光であっても決して見まごうことのない、男の姿であった。 「ラムザ・・・・!!」 頬を伝った涙の跡を通って、哀しみとは違う、あたたかな感動が奔った。
128 :
多弁 :2006/04/24(月) 21:49:41 ID:PGmYYVHA0
「すみません、ご心配をおかけして!」 何があったのだろう。でも、愛しい女剣士が目の前で泣いている。反射的に、ラムザは謝ってしまった。 「教会の追っ手に囲まれて、捕まっちゃって・・・でも、大人数がいなくなって何とか脱出できたんです。 マラークにカエルになってもらって縄を抜けて、まあその後、色々あったんですが・・・」 駆け寄るラムザ。ああ、変わっていない。間の抜けたとさえ思える緩い口調。優しい眼差し。 私を心配してくれている、この寛大な笑顔・・・。 アグリアスは、生涯で初めて男の体を強く包容した。 その相手がラムザで本当によかったと、強く思う。涙は止まらなかった。 恥も外聞も捨て去って、愛する者の肩に身を預けた。 「・・・戦ったんですね、連中と。すみません、遅くなって」 「もういいんだ、もういいから・・・」 嬉しかった。自分を優しく気遣ってくれるラムザが、ここにいるのだ。生きてここに。 「・・こんなに汗だくになって」
129 :
多弁 :2006/04/24(月) 21:50:11 ID:PGmYYVHA0
(汗?) 彼女は確かに、(一方的ではあるが)壮絶な死闘を演じた。だが今消耗したのは精神力で、むしろ悪寒を 覚えるような様であり、肉体的な疲労はない。汗などかこうものか。 ラムザの手は、彼女が覆い被さったために真下に垂れ、太股の上のあたりで二人の体で挟まっている。 そしてその瞬間、自らの体に起こったもう一つの異変を知り、アグリアスは青ざめた。 局所的な、異常なまでの体液分泌。 一人の男を想って暴走させた肉体が、戦闘による高揚感を別の何かに取り違えたのだろうか。はたまた、 剥き出しになった感情が理性では想像も及ばぬ欲求を描いたのか。 恥と外聞が大急ぎで戻ってきた。 「ラムザ!」 「っはい!?」 「後を頼んだっ!!!!!」 どこにそんな余力があったのだろう。アグリアスは全速力で野営地まで走り、テントに飛び込むとそのまま 誰も入れようとはしなかった。(同床のレーゼすらも、である)
130 :
多弁 :2006/04/24(月) 21:51:44 ID:PGmYYVHA0
後日、その壮絶な戦いの一部始終をムスタディオ等から聞いたラムザは(誇張あり)、どうしたものか暫く 思案した後、とりあえず野営の2日程の延期を決め、部隊の体制建て直しを行った。 一方アグリアスは、極度の疲労感に脱力しきった体を起こし、「俺がゲームバランス補整のために甘んじて 弱体化してるというのに何だその技は卑怯だ不公平だ」という、クラウドの(意味不明な)涙の訴えを聞いて うんざりし、あのような戦い方は二度とするまいと心に誓うのであった。 夜が更けて、昨夜の恐怖が蘇った者は早々に床につき、そうでない者もまるで通夜のような面もちで酒を 酌み交わし、「アグリアス、万夫不到の豪傑なり」と結論付けて静かに酩酊した。 皆のどこかよそよそしい態度につまはじきにされ、一人焚き火の番をするアグリアス。 「・・・戦場にあって、強さがすぎるのも考え物なのだろうか・・・」 いまだ先日の疲労と混乱が抜けきらず、独り言をぶつぶつと呟く彼女のもとへ、ひょいとラムザが現れた。 アグリアスの体に緊張が走る。以前にも増して。 「お、おお・・・ラムザ」 いくら早とちりとはいえ、彼の死があそこまで自身を狂わせるとは。それが深い愛によるものとは気付かずも、 ラムザが自身にとって特別な存在であると再認識するに至って、アグリアスはますます視線を合わせられなく なった。
131 :
多弁 :2006/04/24(月) 21:53:10 ID:PGmYYVHA0
「お話、伺いましたよ。すごかったんですってね」楽しそうに、そう言いながらラムザは隣に腰掛ける。 「わた、し、にも・・・よ、よく解らないんだ」これは本音である。 「ただもう、お前が死んだと聞かされたら、それ以上なにも考えられなくなって・・・」 歯切れの悪い答えだったが、ラムザは、彼女がそんな風に考えてくれていたことが、嬉しくてたまらなかった。 おもむろにラムザは立ち上がり、懐から羊皮紙の切れ端を取り出して、そこに書かれた文を読み上げた。 「敵数、17+α!判別のつかないものは割愛しています! ムスタディオ、チキン! ベイオウーフ、撃破数0!レーゼ、撃破数0! ・・・オルランドゥ、撃破数0!」 ぽかんとして、ラムザの行動を見上げるアグリアス。 「みんな、あなたが倒したんですよ。−−ほら、約束の」 思い出して、アグリアスの顔が真っ赤になるよりも早く、ラムザの唇がアグリアスの頬に触れた。 ラムザ。 呼びかければ応えてくれる、その愛しき者の名で、アグリアスの胸が一杯になった。 「えっ!ど、どうしたんですかアグリアスさん!そのピンクの服・・・・あっ」 おわりです。ごめん。
>131 すばらしいがなぜそのつづきをかかんのだばかーっ!!
ワロスw
トランスで来たかw
135 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/04/24(月) 22:26:57 ID:pcerfDeR0
流れぶっちぎってスマンが、ちょっと聞いてくれ。 最近FFT買ってガフガリオンに裏切られる(?)所まで進んだんだけど、 アグリアスっていつごろ仲間(自分で操作できるよう)になるんだ? つーか途中で死なないよな?あの性格がドツボにはまってしまって仕方ないんだ
137 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/04/24(月) 22:35:57 ID:pcerfDeR0
>>136 アリガトン。これで、やっと、眠れる……。
アグえもんが行く人っぽい感じがした
ラムザに何かあると血相カエルメリアドール姐さんも忘れないでおくれ(はぁと) でもよかった!GJ! ラムザと愉快な仲間たち♪ アグリアス オルランドゥ メリアドール ムスタディオ クラウド ベイオウーフ レーゼ ラファ マラーク ラッド アリシア ラヴィアン ボコ ビブロス 労働八号
16人ぴったりじゃないか
>>139 買った当時
ほぼその面子になったけど
それだとハイドラとかポーキーとか
モンスター増やしたりとかできないんだよな。
やむを得ずラッドとボコを毎回除名している俺ガイル
そしてラッドはバッツと名前を変え、ボコとともに冒険の旅に…
144 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/04/25(火) 00:56:49 ID:XpOwb0Wp0
アグリアスって、体が剣で出来てるんですか?
出来てないから消えていいぞ。
>>139 しかし改めて見ると
個性的なメンツだな
アグリアス 鈍足ホーリーナイト
オルランドゥ 元英雄
メリアドール 元神殿騎士団
ムスタディオ 機工士
クラウド 異界から来た男
ベイオウーフ 元聖印騎士団
レーゼ 竜族の淑女
ラファ 妹アサシン
マラーク カエルアサシン
ラッド 汎用
アリシア アグ隊員その1
ラヴィアン アグ隊員その2
ボコ チョコボ
ビブロス 謎のモンスター
労働八号 古代の兵器
まさしく「愉快な仲間達」
30人は無理でもせめて20人は枠が欲しかった
>>131 シリアスの中に一幅の笑いを添えるチキン野郎が素晴らしいw
>>131 FF6のティナのトランスか。
俺は初め、ドラキュラXのマリアの精霊アタックみたいだな、と思った。
ま、あれも一種のトランスかな。
設定からするとFF9のほうのトランスかと。
アグリアスはツンツンしてて可愛くない
152 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/04/25(火) 13:10:50 ID:dzpBCf1cO
セイバーのパクリキャラは、圧倒的大差でファリスにつぶされるだろう
どこの誤爆だ?
>>多弁氏 大作乙!読みごたえあって面白かった! クラウドをフィーチュアしてここまで話を広げるとは… トランスアグわろすw
ラムザ責めのアグリアス本もなかなか燃えるものがあった
RPGキャラの投票関連の誤爆とみた
体は剣でできてる人のパクリキャラのスレはここですか?
>>22 「畏国傑物伝」なかなか面白かった。
この調子で他の人物の傑物伝もあったら面白そう。
しかし「ブナンザ記」か、読みたいな。
「労働8号傑物伝」・・・ 戦闘記録がレシート状に出てくるだけでした
数字は適当だが内容を想像してみた。 ブナンザ記 ○月×日(晴れ) 抜け毛 25本 凸面積0.027%増加 太陽光が凸に反射し敵の眼を眩ませる ○月□日(曇り) 抜け毛 170本 凸面積0.305%増加 ラッドに髪を一握りされて引っこ抜かれる 仕返しとしてラッドの晩飯であったパエリアに異物を混入してやるも気にした様子も無く食べる ○月△日(雨) 抜け毛 582本 凸面積1.024%増加 どうやら昨日の仕返しはラッドに見抜かれていたらしく異物混入パエリアを俺のパエリアと交換されていたらしい そのせいか今日は脱げ毛の量が増加した
やっぱハゲキャラなのか・・・w
ムスタ(´・ω・`)カワイソス… でもワロス
ロム専でしたけど、半年経ったので投下でもしてみます
死の天使・ザルエラを滅したラムザ隊一行は、その疲れを癒す為、ザーギトスに一泊することにした 空には三日月が浮かび、1階の酒場に人が集まり始めた時分 隊の長と副長は部屋にこもり、翌日以降の行軍についてのミーティングを行っていた 「ラムザ、イグーロスへ行くのか?」 「ええ、ダイスダーグ兄さんの事ですから大丈夫だとは思うのですが・・・一応、念のためです」 苦笑いを浮かべながら、ラムザはそうアグリアスに告げた 「・・・そうか、緊張するな・・・」 「え?意外だなぁ、アグリアスさんがそんな事言うなんて」 深刻そうな表情でつぶやいたアグリアスに対して、意表をつかれたような表情のラムザがそこにいた 「誰だって、緊張するであろう?こんな状況では」 そう・・・誰だって緊張するはずである 自分が好いている者の身内に初めて会うのだから ましてや、今、隊にはライバルが二人もいるのだ ラファとメリアドールだ ラファは最初からラムザにべたべた メリアドールはつい先日までラムザの命を狙っていたはずなのに、その誤解が解けるやいなや、まるで今までの失点を取り返すかのように猛烈なアプローチをラムザにしかけている この二人と比べるとラムザと最も付き合いが長いのは私であるが、それが何の意味があるのか?・・・という位、この二人はラムザに近しい者になりつつある 特にメリアドール・・・さすがは元神殿騎士でありその身のこなしの前では、ラファの様にうっかり水晶漬けにしてやる事もできやしない なんとも歯がゆい ともあれ、そんな三人が肉薄している状況だからこそ、このイグーロス行きはチャンスと思わなければ・・・! ラムザの兄たちに気に入られれば、大きなアドバンテージを得ることができるはず そうすれば、私だってもう少し積極的にラムザに・・・ 口元に薄く笑みを浮かべたアグリアスは納得する様にうなずいてみせた
「そう・・・ですよね、緊張しますよね 兄さんだから大丈夫なんて事はないんですし・・・むしろ、身内の者だからこそ 覚悟を決めておかなければなりませんよね」 ラムザはそう言うと、無意識に楽観視していた自分を戒めた と共に、アグリアスの騎士として戦士としての心の持ち方に感心した そのアグリアスはラムザの言葉にぴくりと耳を動かし、はっとした 覚悟・・・そう、覚悟しなければ 私が気に入られるという保証はどこにも無いのだ、もしあの二人が気に入られるような 事態になってしまったら・・・ 考えるだけで、大きく落ち込みそうになる そのような最悪とも言える事態を招いた場合も覚悟しておかなければならない しかし・・・ 「ラムザ、私は頑張るぞ・・・!」 「え?」 「例え、最悪の事態を招いてしまったとしても、私は諦めない 最後の最後まであがいて、きっと何とかしてみせる」 「アグリアスさん・・・ありがとうございます、僕の兄の為にそこまで・・・」 「何を言っている、貴公の兄だからであろう、何者にも代え難い兄ではないか」 ラムザは感動していた キュクレインを始め、ここまで数々のルカヴィと激戦を繰り広げ、その全てを滅してきた いや、滅っすることしかできなかったのだ それなのにこの人は僕の兄の為にここまで・・・
「アグリアスさん、僕も頑張ります ヴォルマルフが何を思って兄さんに聖石を渡したのかは分かりませんし、兄さんも聖石を何に使うのかは分かりませんが・・・ 例え、兄さんが相手でも、手ぶらでイグーロスを出るなんて事しませんよ」 そう言うとラムザは両の手に拳を作り、気合いを入れた 手ぶら・・・その言葉にアグリアスは再びはっとした そうだ、ラムザの兄に会うのに手ぶらで行くわけにはいかん、何か土産が必要だ しかし、相手は聖石を受け渡されるほどの者・・・うかつな土産では逆に評価を下げるだけであろう・・・ う〜ん・・・聖石に匹敵するような価値のある物・・・ ええい、こんな事ならザルエラの一部分でも水晶漬けにして、持ってくれば良かったか 世にも珍しいルカヴィの水晶漬け・・・これならきっと喜んでもらえただろうに・・・ ・・・ちょっと悪趣味だろうか いやいや、これくらいのインパクトが無ければアグリアスの名をアピールできん ・・・何か無いものか・・・
そう考え込むとアグリアスは深刻そうな顔でうつむいてしまった ラムザもそんなアグリアスに気付き、声をかける 「まぁ、イグーロスまではまだしばらくかかりますし、今から考え込んでいては身が持ちませんよね アグリアスさんもどうか気を楽にして下さい」 笑顔を作りアグリアスをフォローするラムザ む・・・言われてみればそうだな、今日明日到着するというわけでは無いし 道々、何か探しながら行けば良いか 私の悪いクセだ・・・一つの事を考え込んでしまうのは 「そうだな、貴公の言うとおりだ こんな事では肝心な時までに疲れ切ってしまうな、すまん」 「いえいえ、そんな所もアグリアスさんの良い所なんですから」 「ふ・・・貴公も言うようになったな」 思わぬ所でラムザに褒められ、内心ドキドキのアグリアスであったが平常心を保つよう自分に言い聞かせた 「もう夜も遅い・・・明日からの予定も決まったことだし、私は部屋に戻るとしよう」 「はい、お疲れ様でした」 そう言い、アグリアスが席を立つと、ラムザも席を立ち見送った 明日からは土産探しに気を入れなければ・・・! アグリアスのドアノブを握る手に力がこもった
後日、アグリアスはとある物を入手し、隊も無事イグーロスへと到着しするのだが、ここで 思わぬ事態がアグリアスを襲う イグーロス城の城門前でラムザはピカピカに光った毛づやのチョコボを一匹見つけた 「このチョコボは・・・ザルバック兄さんのチョコボだ・・・ザルバック兄さんも来ているのかな」 「何!?」 そのラムザのつぶやきに過敏に反応したのはアグリアスだった やばい・・・土産は一人分しか用意していない、まさか一人にしか渡すわけにも行くまいし・・・どうする・・・どうする・・・ 親指の先を噛み、必死に考えを巡らすアグリアス 手のひらには汗が溜まっている そんなアグリアスを最後尾にラムザを始め、他の隊員は皆城門をくぐろうとしている ふと顔を上げ、隊員達の背中を見ながらとある事を思い付き腰のディフェンダーを抜くアグリアス 「世にも珍しい兄妹の水晶漬け・・・ライバルも減るし、一石二鳥 よしよし、そこを動くなよ・・・!」 おしまい
多分に説明不足ですけど、楽しんでいただければ幸いですw
>>169 随分と不謹慎なアグリアスだなぁ。
ルカヴィ戦になるやも知れんというのに…。
しかも、オヴェリア殺害の計画にダイスダーグが関っているのを知ってるから、
そのダイスダーグに挨拶の土産なんて送ろうとするはず無いと思うけど。
まぁ、オチを思えばギャグ物のSSなんでしょうけど。
173 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/04/25(火) 23:01:16 ID:XpOwb0Wp0
セイバーのパクリキャラバロスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ラムザが空を飛び、 ボコが地を駆け、 アグリアスは海を泳ぐ。 調子にのってロマンダまで泳ぐ。 ついでにオルランドゥは地中を潜行する。
アグリアス様の断定口調がたまらなく萌える(;´Д`)ハァハァ 松野節といえばそれまでだけど、 一見クールに見えてかなり熱血な言い回しが(・∀・)イイ!! 部下になって『いくぞッ!』と命令されたり『それでも騎士かッ!』とか叱られたい
>>173 ちがうぜよ
セイバーはアグリアスの子孫なのぜよ
んだ?誰との子供だて?
>>168 やべえ、こういうの大好きだwwwww
「水晶漬け」というフレーズが頭にこびりついて離れない
ひゃっほーい! アグたんに「キャッチ」つけといたら レベル95忍者が投げた正宗ゲット! てなわけで記念カキコ
>>169 落ちがあっさり目だけど二人のかみ合わなさに笑った、乙
「“水晶”(クリスタ)る奴は・・・・“不運” (ハードラック )と“踊”(ダンス )っちまったんだよ・・・・」 「あんまチョーシくれてっとスイショーにしちまうぞ!」 「“王都”の騎士ぁ・・・・ルザリア聖近衛騎士団ぁ・・・・気合いブリバリだあ!!バカヤロウ!!」 「グローグの丘(“G”おか)に・・来い・・」(ちなみにゴルランドの炭鉱は“G”たん) 「貴様らは誰なのか!?この私にでっけェ声でいってみろ!?あぁ!?」 ラヴィ「王都勤め時代は私達もヤンチャしてましたよねえ」 アグ「な!?貴様ら、昔のことをラムザにバラしたら承知せんぞ!!」 アリ「別に漫画のセリフを真似して言ってただけじゃないですか。何も我々本気で不良やってたわけじゃないですし」 アグ「貴様らが無理やりあのような公序良俗に反するような悪書を読ませるからだ!チョコボの集団爆走など、今見たらたたっ斬る!」
181 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/04/26(水) 02:53:55 ID:50trEqzR0
>>180 何かこの板のスレってどこでも時々特攻の拓ネタが出るよね・・・同一人物だろか?
少なくとも俺は拓ネタ書いたのは初めてだ。 漫画読んでなくともググれば名セリフ集を載せてるサイトなんざすぐ見つかるし。
183 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/04/26(水) 03:20:31 ID:EtGLsiEzO
初めてだろうがどうでもいいよ、つまんねえから消えろボケ
バンッ! 「そ…それは暴言でございましょう!!」
いちいち携帯で上げる奴の言うことなんざ気にしねえよ。 たぶん少年漫画系の板でよく喚いてるDQN漫画大嫌いな子なんだろうな。 気に障ることしちゃってゴメンねボクちゃんw
186 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/04/26(水) 03:48:10 ID:EtGLsiEzO
ファビョってる奴ほど携帯とかわけのわからん事言ってくるんだよなー、携帯だからなんなの?俺が携帯だからってお前がボケなのは変わらないよ? もう少しうまい負け犬の遠吠えヨロシク〜wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
バンッ! 「そ…それは暴言でございましょう!!」
ここ最近ageてた椰子のレスを見れば正体も分かりそうなもんなんだけどなw ↓以下なにごとも無かったようにアグの三つ編みについて
きっと凶器を仕込んでいるに違いない
そんなことより、鮫の話しようぜ
こわいね それより、肉の話しようぜ
こわいね(BSEが) そんなことより、アグリアス様の話しようぜ
193 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/04/26(水) 09:52:36 ID:svS2TSGv0
こわいね(何か仕込んでそうな三つ編みが)
>>189 に続く
しまったsage忘れたスマン
みんな大好きだw
アグリアスの人の夢とかいて儚いってセリフがあるが なんか彼女に合わないセリフだよな
こんなところで鮫の話をする奴に出会うとは…… 鮫ってちんこ2つあるんだよな。
何で唐突にあのヘルプメッセージだったのかな?
>>198 たまには女らしいことを言ってラムザの興味を引こうと
無理をした結果……かな。
「なのにっっラムザときたらっ…」
きっと過去に夢を諦めざるを得ないような事があったんだよ
サムラーイ サムラーイ アグリアスー
アグたんは戦場やオヴェリア様の前などでは厳然たる態度で居るけど 一人になると憂いを秘めた女性となるのかもしれないねえ・・・ それがバトル中なんかの台詞とペルプコマンドの台詞の差になるとか。 まあずーっとあの堅苦しいままのアグたんでも好きだけどな。
アグリアスとベアトリクス なんだかこの2人が似てるような気がする
アグリアス=ベアトリクス+スタイナー だとオモ
FF6のセリスに似てるなぁと思ったのは俺だけですかそうですか。
207 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/04/26(水) 22:37:30 ID:kkbaBHKS0
セリス・・・18歳のツンデレピチピチヒロイン アグリアス・・・おそらく20代後半の男勝り年増ワキキャラ な?
開始時20歳のアグたんになんてことを!
某黒い本のラムザとアグたんが2歳差という記事を鵜呑みにしていたら、 あるときゲーム内で年齢見てみて4歳差だったので愕然とした思い出がある。
同い年で比較 ファリス・・・20歳のツンデレピチピチヒロイン アグリアス・・・20歳の男勝り年増ワキキャラ
同い年でピチピチと年増…?
>>209 このゲームは儲け話とかやりすぎて年月が長引くと年齢がおかしくならないか?
ラムザとアルマが同い年になったり2歳差が出たり、
なんかそんな感じで年齢差がゴチャゴチャになった事がある。
俺は儲け話やるとアグが30越えるから全くやらなくなったけどw
>>212 よくあるね。アルマがラムザ追い越しちゃったりとか。
でも俺が一番驚いたのはヤードーの戦いを終えた後。
なぜか全員1歳年をとってる。一年間も戦ってたんですか、とw
>>212 100年経たせればカウントがループするから無問題だ。
むしろその方法で12歳位のショタラムザ×お年頃のアグリアスとか(*´Д`)=3
てかTOもだが、ワールドマップで日付表示させない&移動で日経たなきゃ心情的に
幾らでもランダムエンカウントやら何やら出来て良かったのにな。
ブレイブストーリーには年齢が出て、シナリオの進行具合で1、2年進むくらいで。
SS書いてたけど、長すぎてSSの域を越えてしまいそうだ…orz
よいではないか
>100年経たせればカウントがループする そうなの? 99歳でカンストだと思ってた……
>>215 折角書いたのだからうpしたまえ。勿体無いではないか!
オウガバトル64は100歳近くまで 専用の誕生日イベントがあって笑った。
>>214 >12歳位のショタラムザ×お年頃のアグリアス
お前、さりげなく凄いこと言ってんじゃねえよ!
全然ドキドキなんかしてないんだからねッ!
「FFTちゃんねる」見たら「99歳でカンスト」とはっきり書いてあるんだが。 俺、釣られた?
223 :
214 :2006/04/27(木) 01:24:34 ID:1DkuHyVN0
別のサイトでカウンタループと読んだ覚えがあったんだが、
実際に試した訳じゃないからひょっとしたら俺が釣られたのかも知れん。
スマヌ
>>221 (・∀・)ニヤニヤ
ラムザ16 メリアドール18 アグリアス20 ・・・これだと中々面白い年齢差だね。高校生と大学生かぁ。
メリ姉ちゃんに優しく教えてもらうも良し アグ姉さんに強引に押し倒してもらうも良し
アグリアスの体はきっと剣でできていた
アグリアスって某タイプムーンのロリ剣士絶対パクってるよね
>>224 だ、誰かそれでSSを(*´Д`)ハァハァ
>>229 前に学園モノっぽいSSあったけどね。
まとめサイトにある「Feeling Hearts」とか。
貴方が期待してるような話とは違うかも知れないけど。
『私立イヴァリース学園』 ラムザ=元教頭の三男で不良のレッテルを貼られる。二年生 アルマ=多少ブラコンの気のある優等生。一年生 ムスタディオ=父は用務員で親子揃ってドラクロワ先生に睨まれている。二年生(ダブリ) ディリータ=次期生徒会会長の座を狙う執行部員。二年生 ティータ=不良による抗争に巻き込まれ退学にされてしまう。 オヴェリア=理事長の娘。一年生 アグリアス=オヴェリアの元家庭教師。教育実習生 メリアドール=姉弟揃って風紀委員で父はPTA役員。三年生 ダイスダーグ=ラーグ教頭とホモダチの噂がある。二年学年主任 なんとなく設定だけ妄想してしまった
ミルウーダも加えてあげて。 ラムザの担任かなんかで。
オルランドゥ校長
>>232 ミルウーダ=伝説のスケ番。体育教師にしてラムザの担任
ウィーグラフ=元畏学番長。PTA役員
オルランドゥ=剣道部顧問。生活指導担当
235 :
234 :2006/04/27(木) 18:26:36 ID:/c+nuaVHO
…とか書いたけど、オルランドゥに生活指導は似合わん気がしたw
>>231 ラムザの不良のレッテルワロスw
異端者は不良かwうまいこと考えたもんだな。
237 :
多弁 :2006/04/27(木) 18:41:25 ID:R1ztD4tF0
その場合、やっぱりラムザモテモテ&ドッキリ★ラブラブそしてバイオレンス そんな内容になるんでしょうかね? エロ > あかほりとか > 普通 どのへん? 今更ですが、レスくれた方々ありがとうございました。
なんだ!この学生服は!!黒装束を改造したものではないか!! 何だと!これは学生服に黒装束を重ね着したもので校則違反ではない、だと!? 貴公の目は節穴ではないのか!!!
>>235 どちらかというとオルランドゥは金八みたいな先生だと思う。
>>239 じゃあ
オルランドゥ=剣道部顧問。3年B組担任
という事でw
生徒からはシド先生とか言われるのか
クラウド=帰国子女or転校生 ベイオウーフ=新任教師 レーゼ=新任保険医 以上、追加お願いします
>>228 デンドロビウムはミーティアのパク(ry
こんなサッカーチーム見たい シドルファス・アドリアーノ アグリアス・シェフチェンコ ラムザ・ロナウジーニョ ラヴィアン・ザンブロッタ アリシア・ベッカム ベイオウーフ・ランパード レーゼ・マケレレ ムスタディオ・ネスタ メリアドール・テュラム ミルウーダ・ガットゥーゾ ロウハチ・ブッフォン
左サイドが弱いな
とりあえず松木安太郎に実況解説させてみっか。 「行けーッ!アグリアス〜!」 「いい聖剣技だー!」
つーか書いて気付いたけどセリエプレイヤーばっかw 11人中7人がセリエプレイヤーってどうよ、俺w 左サイドが弱い……だってザンブロッタ好きなんだもん。 ちなみにムスタをネスタにしたのは禿つながr(tbs
サッカーネタなんざ知るか
水場を見つけると水袋の水を確保するのはもちろんだが剣士は剣を研ぐのも身だしなみ。 いざ抜いた剣がナマクラでは話にならない。 だから剣士はやや几帳面なほど自分の剣には気を使うのだ。 「アグリアスさんはすごくこまめに剣を手入れしますね」 ラムザはパーティーから少し離れた水場に砥石袋を水に沈めながらそういった。 「当然のことだ。古い剣豪の中には腰に10本の剣を帯びて戦に向かったものも いるという。そのくらい剣はすぐに切れなくなるものなのだ。 剣士なら当然の心構えだな(ラムザ私はお前と少しでも一緒にいたいんだ。 なんで気づかないんだ?馬鹿、鈍感)」 「私は面倒くさいわ。このさい騎士なんて廃業しようかしら・・・ (何言ってるのアグリアス。あんたラムザと一緒にいれて嬉しいくせに 素直じゃないわねー)」
「メリアドールはともかくラムザは最近刃筋がたっていないぞ。 もっとこまめに剣を研ぐべきだ(ラムザもっと一緒に研ぎ研ぎしたいんだ私は! っていうかメリアドールお前は邪魔だ!なぜここに居る!)」 ラムザは水を吸った砥石をアグリアスとメリアドールに手渡した。 「ほう・・・この砥石は質がいいな(ラ・・・ラムザの手に触れてしまった・・・ドキドキ)」 「マンダリアの近くで採れたんです(ア・・・アグリアスさんの手に触れてしまった・・・ドキドキ)」 「へえ・・そう(何やってんのよ。じれったいわね。子供じゃないんだから)」 3人は水辺で剣を研ぎ始めた。シャッシャッとリズミカルな音が気持ちいい。 水鳥が水辺から飛び立った。 「アグリアスあなた小まめに手入れしてる割には研ぐの下手ね(そんなだからラムザをモノにできないのよ)」 「うっ、うるさいな(私はラムザと研ぎたいだけなんだ。お前は邪魔するな)・・・・あっ!」 「・・・・!!」 アグリアスは自分の剣で指を切ってしまった。血の雫がポタポタと水面に拡散していく。 「大丈夫ですかアグリアスさん!!」 ラムザは咄嗟にアグリアスの指を口に咥えた。
「あ・・・ああ(うひー!ラララララ、ラ、ラムザ・・・)」 「大丈夫アグリアス?(やるじゃないラムザ!いきなりしゃぶりつくとは!)」 「・・・・って、いつまで私の指を咥えているつもりだラムザ(あ〜私は馬鹿か! それを言うな!素直になれ!)」 「あっ・・・失礼しました(じゅる・・・しまったヨダレが大量に)」 まったく・・・と言いながらアグリアスは指を唇に当てて止血の続きを始めた。 「あ〜・・・間接キスね(わざとよねアグリアス。フフ)」 「なっ・・・!!何を馬鹿な・・・私を馬鹿にするのかメリアドール!!(わかっているわ!! そんなこと!!いうなラムザの前で!!こっちは確信犯でやってるんだからな!! つーか邪魔すんな!!)」 アグリアスは立ち上がると怒ってパーティーのほうにずかずかと歩き始めた。 「怒らせちゃいましたね・・・(怒った顔もいい・・・)」 「怒ってないわよラムザ。それよりあの不器用な私の親友の代わりに剣を研いであげて。きっと喜ぶわ」 アグリアスは手早く魔法を唱えると指先の怪我を治癒させた。 (さてと・・・) 白くしなやかな指を太陽にかざして少し考える。 (むむ・・・) ムスタディオがボコに水をやっていると水場のほうからアグリアスが歩いてくる。 気のせいかなんだか機嫌がよさそうだ。 「あれ・・・?剣を研ぎにいったんじゃないのかアグリアス。どうしたんだよ指なんか咥えて・・・?」
owari?
255 :
ラッド :2006/04/28(金) 09:16:53 ID:bYtJd1j9O
…あの〜。なんかムスタディオのヤツが、 「絶対アグ姐の三つ編みの中にはなんか入ってるって! なんなら賭けてもいい!…ちょっと確かめてくる!」 とか言って出掛けたまま帰って来ないんスけど…。
256 :
ラムザ :2006/04/28(金) 09:53:10 ID:bWi1njkq0
アグリアスさん、頭に何か付いてますよ あれ、これって・・・
ラヴィ「昔、私は寝ているアグリアス様の三つ編みにわら詰め納豆を仕込もうとしましたが、バレて半殺しにされました」 アリ「アナタあれ以来、仲間内で『勇者』と呼ばれてたわね」
258 :
多弁 :2006/04/28(金) 12:56:55 ID:XX6MxkI70
やってみた 『私立イヴァリース学園』 ティーチャーサイド 恋を、 しておけばよかったと後悔している。 代々資産家の専任家庭教師や、名門学校の教職員を輩出している、学問一家の我がオークス家。 大学3年生になった私、アグリアス・オークスは、家長であり学芸員の重鎮でもある 父の言いつけで、県下有数の名門私立校、『イヴァリース学園』に教育実習生として赴任した。 在任期間は2年、この活動によって学士号も授与されるらしく、わが父ながら よく手を回したものだと関心したものだ。 同世代の者達が残り半分のキャンパスライフを楽しむ中、 私は早々と教育現場の荒波に放り込まれたわけだ。
259 :
多弁 :2006/04/28(金) 12:58:10 ID:XX6MxkI70
とりわけ厳格な家柄のこと、勉強一筋に生きてきた私は、 暗いというわけでもないが、味気のない青春時代を過ごしてきた。 そんな私であるので、むせ返るような若さにぎらつく群の ただ中に立たされるというのは、いささか困惑したものである。 まして名門とはいえ私立校、自由な校風に背中を押されて 青春を謳歌する若者達を相手にするのは、幾分勇気がいるものだった。 それでも、自分が過ごした20年間を否定したくはないし、する気もない。 私は父のように厳格で、強い人間に育ったのだ。そういう自信があった。 彼に会うまでは。 「アグリアス先生」 朝、正門玄関と校舎を結ぶ渡り廊下で、まだ耳慣れぬその呼びかけに振り返ると、 柔らかな朝陽を浴びて彼が立っていた。 「ああ。おはよう、ラムザ君」
260 :
多弁 :2006/04/28(金) 12:59:17 ID:XX6MxkI70
ラムザ・ベオルブ。 古くは華族の家柄であり、国内でも有数の資産家として名高いベオルブ家の末弟だ。 しかし彼は、どうやら家柄や資産など、そういった類の話に興味はないらしく、 またそうした目で見られるのを嫌って、いつしか家族と距離をおくようになっているらしい。 「学校にはもう慣れましたか?」 「ああ、おかげさまでな。まだ勝手のわからない所もあるが」 私は少し笑って見せる。こんな笑顔を見せるのは、ラムザの前でだけだ。 実習生として第二学年の教員に赴任した最初の一月、右も左もわからない私を かいがいしくサポートしてくれたのは、この少年だった。 実のところ彼は、生徒会やクラス委員に所属するわけでもなく、 それどころか授業の欠席や、出席しても上の空であることが多いために 「不良」のレッテルを貼られている。
261 :
多弁 :2006/04/28(金) 13:00:51 ID:XX6MxkI70
だが、私はそれが信じられなかった。 確かに授業中居ないことは多いが、基本的に彼は他者に対してとても優しく、 常に顔に浮かべているそのほがらかな笑顔は、見る者を自然と癒してしまうような 魅力を放っていた。さらには、実家から離れて一人暮らしを始め、 また彼同様にベオルブ家の空気を嫌って飛び出してきた、妹のアルマを迎え入れて 兄妹二人の生活をたゆまぬ努力で支えているのである。 こんなできた人間が、どうして不良と呼ばれねばならないのか。 いや、私も父から学んできたはずだ。学校の授業すらままならぬような者は 実社会に出られようもなく、その人生の長きに渡り落伍者と見なされるのだと。 でも、私は彼が気になってしょうがない。
262 :
多弁 :2006/04/28(金) 13:01:33 ID:XX6MxkI70
「今日はきちんと出席したのだな」 思わず茶化してしまった。どうにも彼は、男にしておくには可愛らしすぎる。 なぜだかおちょくりたくなってしまうのだが、これは年上女の悪癖のような気がした。 「やだなぁ、僕はできる限り真面目に来てるつもりなんですけど・・・。 ミルウーダ先生にもしょっちゅう言われて、参ってるんですよ」 ぴくっ、と、眉じりがつり上がるのを感じた。 いかん、大人げない。 ・・・ミルウーダ女史は、いわば私の先輩にあたる。 この学校の卒業生でもあり、現二学年C組担任兼二学年の保健体育担当教諭だ。 彼女も教員としては若いほうだが、その性格は気迫に富み、 また女の私が言うのもなんだが、色気のある女性である。 ゆるくウェーブのかかった、艶めいた髪をなびかせ、そのスタイルよく引き締まった体を 惜しげもなくTシャツとジャージに押し込めて体育指導を行う姿は、男子生徒だけでなく 多くの男性教員にも定評があり、学内の美人教師として人気が高い。 そして何より、このラムザの担任であり、私の指導教官なのだ。
263 :
多弁 :2006/04/28(金) 13:02:38 ID:XX6MxkI70
だめだ、大人げないぞ私! 「ほーう・・・ミルウーダ先生の言うことはきちんと聞けるのだな。感心感心」 ああ。言ってしまった。 目に見えて、ラムザはむっとした。白い頬をわずかに紅潮させて、私から視線をそらす。 こういう仕草が可愛いというのだ。しかし、ああ。怒らせてしまった。 「棘のある物言いですね」 ラムザがちくりと反撃してくる。 「棘などと。教育実習生ごときの私がしてやれる、精一杯の愛の鞭なんだがな」 うわあ、何を言ってるんだ私は。 「まあ・・・ミルウーダ先生は美人だものな、しょうがない。君くらいの年頃の男子が、 年上の女性によからぬ想いを抱いてしまうのは当然のことだ、気にするな」 あああ、なんで私は朝からこんな事を!
264 :
多弁 :2006/04/28(金) 13:04:36 ID:XX6MxkI70
すっ、と、並んで歩いていたラムザが前へ出る。 つと振り返って、怒ったような、どこか寂しそうな目で私を見て、 しかしすぐにいつものように口元を綻ばせると、 「ご教鞭、ありがとうございました。先に教室に行ってますね」 そう言って、早足で私の前を歩いて行ってしまった。 ・・・完全に怒らせてしまった。 こんな事で教師が務まるのだろうか。そんな不安と、 言いしれぬもどかしさが胸中にもやをつくり、私はがっくりと肩を落とす。 鏡を見なくてもわかる、きっと私は暗い顔をしているに違いない。 激しい後悔にうなだれたまま、私は職員室へ向かった。 だめだ今はここが限界 学園モノってむずかしい。 とりあえず「妹と二人暮らし」フラグをたてる事には成功。
265 :
多弁 :2006/04/28(金) 13:21:16 ID:XX6MxkI70
あと、 ガフガリオン=ラムザがたまにお手伝いをしている近所のラーメン屋のおやじ 「おい!何もこんなひでえ雨の中出前に行くこたぁねえ!」 「でも・・・僕は行かなくちゃいけない!行って届けなくちゃいけないんだ!!」 「・・ったく、どうなっても知らンぞ!」 とか書いてて思いました。修正あればよろです。
>>265 さよならガフガリオン・・・学園にすら存在出来ないのか。
ミルウーダ先生の体育の授業が水泳の時は アルマはスク水装備でアルテマに変身するのか?
268 :
231 :2006/04/28(金) 18:42:52 ID:bYtJd1j9O
>>265 乙ですた
ま、まさかSSにして下さる職人がいるとわ…!
ガフガリオンは警備員のおっさんなイメージでしたが
ラーメン屋のおやじもアリですなーw
269 :
多弁 :2006/04/28(金) 18:52:52 ID:XX6MxkI70
>>231 学園もの大好きだったのでつい。
あと、アグリアスさんがあえて教育実習生という微妙な立場の
設定に萌えたので、使わせていただきました。ありがとうございます!
ガフは某泣き虫先生の学園ラグビー青春ドラマでいう
梅宮達夫のポジションでしょうか。嫁は和田アキ子。
某スレではガフたんは用務員のおっさんだったなw
清掃係のおっさんだった。スマソ
学園スレのアグたんは教育実習生だったはずが、いつの間にか正教師に なってたなあ……
273 :
多弁 :2006/04/28(金) 20:36:46 ID:XX6MxkI70
会社の仕事はしてません。つづきを。 ** おいおい。 珍しく早く来たかと思ったら、ラムザの奴いきなり不機嫌かよ。 いや、他の奴には一目じゃわからないだろうけど。 あいつが不必要に、誰彼かまわず笑顔を向けるのは無理をしてる証拠だ。 っていうのは、ディリータの受け売りなんだけどね。 「おはよう、ムスタディオ」 「おうラムザ、おっはー」 おっはーって!古っ!とか、教壇まわりでだべっていたアリシアとラヴィアンが 俺を馬鹿にしている。ええい、改めて言われると恥ずかしいじゃないか。 まあいいや。俺は俺でラムザをおちょくって気を紛らわすし。 「やいラムザ。どーせアルマちゃんかアグリアス先生と喧嘩したんだろー」 俺の言葉に一瞬ドキッとして、すぐに平静を装ってみせるラムザ。 「何言ってんだよ。もー、すぐムスタはそうやって・・・」 声は落ち着いてるが、頭上のあほ毛が激しく上下している。解りやすい奴だなぁ。 さて、今日はどっちと何があったのかな?と追求してやろうと思ったら、 うちの学校独特の雅な予鈴が、朝の自由な時間に終わりを告げた。
274 :
多弁 :2006/04/28(金) 20:37:54 ID:XX6MxkI70
「さぁ、ミル姉さんが来るぞー!みんなヤバイもんは急いでしまえよー!」 なんつって教室の空気を暖めるのも、俺の役目だったりして。 「ミル姉さんって呼ぶなっつってんでしょー!!」 教室のドアが勢いよく開けられる。やべ、聞こえたか。 担任のミルウーダ先生、そして実習生のアグリアス先生のご登場だ。 「ムスタディオ、2限目の体育の時間覚えてなさいよ〜?」 面白半分お怒り半分で、ミルウーダ先生が俺に死の宣告を告げる。 どっと教室に笑いが起こる。まぁ、これも俺みたいな奴の宿命というか。 でも実際厳しいんだよなぁ、ミルウーダ先生のシゴキは・・・ 季節は初夏、まあ、グラウンド10周するには丁度良い気候かもしれんけどね。 隣を見ると、いやこれがまた解りやすい。 ラムザは明らかに、アグリアス先生からわざと視線をはずしている。 「(おい!今日はなに言われたんだよ!)」と耳打ちしてやると、 「(別に・・・)」なんてそっけなく返してくる。 「こら、ムスタ。10周じゃ足りないって?あんた努力家ねぇ」 ううむ、ラムザへの訴追がうまくいかない。これ以上ランニング増やされるのも嫌だし、 ラムザをおちょくるのは昼休みにしよう。 しかしアグリアス先生と何かあったのだけは、確定だな。
275 :
多弁 :2006/04/28(金) 20:39:04 ID:XX6MxkI70
二年生になった四月の始め、宿泊レクリエーションがあった。 クラス編成の変更とかもあって、年度始めの生徒たちのぎこちなさを解消するために うちの学校では毎年組まれている行事だ。 同じく春から着任したアグリアス先生も付いてきたんだけど、 意外だったのはその夜、まぁこの年代ならお決まりの「青春語り」の時のラムザだ。 お前、好きな奴は?っていう質問に、いつも決まって 「僕は妹の世話もあるし、誰が好きとかはわかんないよ」 なーんて答えてたラムザが、その年は沈黙のしどおしだったのだ。 すわ一大事、こりゃ何かあるってんで、あいつを表に引っぱり出してサシで語ったら、 どうもあのアグリアス先生に一目惚れをしたらしい。 あのお年の割にとってもお堅い、アグリアス先生に。 俺はその時決心したよ。ディリータはラムザ以上に色恋とか興味ないし、 そうなるとこいつを救ってやれるのは俺しかいない!ってね。 以来なにかと世話を焼いてやってはいるんだけど、どうもラムザははっきりしない。 困った男だ、妹のアルマちゃんもさぞ心配してるだろうになぁ。 いや、一部じゃ俺が邪魔ばっかしてるって噂もあるんだけどさ。
276 :
多弁 :2006/04/28(金) 20:40:46 ID:XX6MxkI70
*** 朝の集会を終えて、私とミルウーダ先生は教室を後にした。 さっきのラムザとの会話の折、彼女の名を引き合いにだしたという 内心の引け目もあって、朝から会話が続かない。 情けない奴だ、私は。 「ちょっと上の空なんじゃない?」 廊下を歩く彼女が、ふいに振り返って私に詰め寄る。 突然自分の心を見破られたようで、私はぎくり、と肩をふるわせてしまった。 「い、いえ!少し考え事がありまして・・・」 とてもではないが、朝からラムザと痴話喧嘩をした、など言えるわけがない。 ふーん、とミルウーダ先生はこちらを見、そして再び歩き出す。
277 :
多弁 :2006/04/28(金) 20:41:34 ID:XX6MxkI70
「駄目よ、着任3カ月でそんなことじゃ」 今度は振り返らず、歩みを止めずに私にくぎを差す。 まだ朝の陽光が白く照らす廊下。周りに生徒の姿はない。静かだ。 「ぶっちゃけて言うとさ。あたし、アンタの事好きじゃないのよね」 ぐさり、とミルウーダ先生の言葉が胸に突き刺さった。何を言うのだ、この人は。 「え・・・それは、どういう」と聞くが早いか、彼女は言葉を続けた。 「あんたみたいに、お金持ちで育ちのよろしいお嬢様って好きじゃないのよ」 ああ。 生徒達の噂を耳に挟んだことがある。彼女はかつて、この学校で スケバンという奴をやっていたのだと。 近県でも屈指の喧嘩っぱやさと強さとで、相当の所まで上り詰めたそうだ。 (どういうヒエラルキーがあって、どこに上り詰めたかは解らないが) 恐らく彼女は、教師となった今でもそのコンプレックスを持ち続けているのだろう。 確かに、私のような温室育ちの生真面目人間が、 なんの苦労もなく彼女と同じ土台に立とうとしているのだから、腹の立つのは解る。
278 :
多弁 :2006/04/28(金) 20:42:39 ID:XX6MxkI70
でも、今そんな事言わなくても・・・。 ただでさえ朝の一件で気が重いのに。あまつさえラムザは集会の折、 まるで私の顔を見ようとしなかった。子供っぽい。そんな根の持ち方があるか。 まったく、しっかりしているくせに妙な所が軟弱なんだから・・・。 「でもさぁ、最近のアンタは結構好きになれそうなんだよね」 え? 私の悶々とした、彼女への認識を覆す一言が飛び出した。 「え・・と、それは、どういうことでしょうか?」 「アンタさ、恋とかしてんじゃないの?」
279 :
多弁 :2006/04/28(金) 20:43:18 ID:XX6MxkI70
え?! 「ま、まさか!そんな事は!」 いや、否定するのもおかしいぞ。私の年代で恋の一つもしていないなど、 いい物笑いの種ではないか。いや、実際恋の一つもしては来なかったのだが。 「はっは〜ん」と、彼女はにやにやしながら私に近づいてきた。 「さてはこの学校の教師か・・・はたまた学生かしら?」 な、なにを根拠にこの人は。そんな、教育実習生の身分で お世話になる学校の関係者と色恋など・・・! ラムザ?いや、違うぞ!ラムザとはあくまで教師と生徒、何を思うことが・・・ 「どうりで。最近ちょっと人間らしく、っていうか、女らしくなったのね」 ふっ、と体を回転させ、彼女はまた廊下を歩き出す。 人間観察能力に優れているのか。 実経験こそないが、伝聞によればこういう類の人間ほど対人能力が高いという話だ。 なるほど、勉強しかしてこなかった私とは、コミニュケーション能力に大きな差がある。 彼女がただ美しさだけで人気があるのではない事が、解った。 言いたいことはきちんと言う、信念を持った女性。尊敬にあたう人物である。
280 :
多弁 :2006/04/28(金) 20:44:05 ID:XX6MxkI70
「ち・な・み・に」 三度立ち止まり、彼女はゆっくりとこちらを見る。 「うちのラムザ君に手を出すのだけは、許さないからね・・・?」 ああ。そうなのだ。 ラムザは当然というか、その物腰・ルックスから、周囲の女子にも人気が高い。 特に年上から好まれる傾向があり、教員とてその例外ではないのだ。 「も、もちろんです!」 そう勢いよく、私は答えてしまった。 答えてしまったあと、ふいに、心の奥底がきつく絞められていく感覚があった。 なんなのだろう。この感情は。 自分の人生経験のなさが疎ましい。 「(・・・私も、そうなのだろうか・・・?)」
281 :
多弁 :2006/04/28(金) 20:47:32 ID:XX6MxkI70
終わる気配が見えません。 迷惑にならないくらいのスパンで書いていけたらいいなと思います。
製品発売後10年にして25スレ行ってるところで何をいまさら。 願ってもないこってす。
>会社の仕事はしてません まぁ、お仕事の差しさわりのないようにw
284 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/04/29(土) 00:29:06 ID:zch4ZcuT0
FFT1500円で廉価版出るのね
Stasis Sword Split Punch Crush Punch Lightning Stab Holy Explosion やっぱ漢字のが風情あっていいなあ
>>285 えーと、上から
不動無明剣
乱命割殺打
北斗骨砕打
無双稲妻突き
聖光爆裂破
か?
2つ目と3つ目逆かも知れんが
どっちにしろ苦しい訳だな。
ライトニングスタッブはカコイイな。 不動〜北斗は無理矢理臭いw
聖剣技なんだからパンチはないよなー せめて Attack とか Stroke とか
アグたんのはじめて
アグたんのひめはじm(ry
「アグリアスさんに無双稲妻突きがしたいです」 アグ「…ばか///」
292 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/04/30(日) 09:34:39 ID:ypBlr3bpO
>>291 むしろ意味が分からず真面目に練習台を買って出るアグ希望。
293 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/04/30(日) 09:40:29 ID:4B4pmldg0
''::;,, ,,;::ミ;;;;;;;;;;ミ:;, ,;:' ,,ミ"'::,, ミ ミ "'',;:'" 俺をどこかへ送り出せ ミ ゙゙'''::;,,゙''o;,, ,,o:''゙,,;::''ミ 土産よこせよ ミ ミ "':;;゙ ゙;;'" ミ ミ____ ミミ, ,ゞ ∪ ぐ,ミミ /\ ミ "''゙ ., -=- ミ゙ / \ / ミ , :;, ミミ / \ /| ̄ ̄ ̄ "''゙ ̄ ̄ ̄ ̄ "゙ ̄ ̄|\ / / | | \ / / | カイン | \/ | | / 持ち物: gari[ガリ]・友人の嫁・カレー曜日・ |___________...|/
アグ姉さん素敵やわ〜
臓物をぶちまけるアグ姉さん
「アグリアスさんのその三つ編み、一度触ってみたいなあと思って」 「な な な な゛ーーーーッ!?(////)」
「何を破廉恥な!見損なったぞラムザ。私は帰らせてもらう」
アルマ「帰れ帰れー」
アルマヒドスww
メリア「よし今のうちに・・・」
「メリアドールさんの髪さらさらで気持ち良いですね」 「うふふ、ありがと。でもラムザの髪も綺麗だと思うわよ」 「むぐぐぐ・・・」
ミレニアムコレクションのトランプのジョーカーはリッチとバハムートだが、 むしろアルマこそジョーカーにふさわしいと思うんだ。 ちなみに、 スペードのQ:オヴェリア様 クラブのQ:アグたん ハートのQ:アルマ ダイヤのQ:レーゼ メリ「私はぁぁぁぁぁぁ!?」 ラム「いや、僕にキレられても」
アグたんは嫉妬深いなぁ・・・・
アグのカワイイおさげを引っ張りたい
>>305 引っ張ったのがラムザかオヴェリア様の場合
「あぁん(はぁと)」
引っ張ったのが、ラヴィアン、アリシアあたりの場合
「よさんか! 子供じゃあるまいし!」
引っ張ったのが、ラッド、マラークあたりの場合
「何をするか無礼者! そこへ直れ!」
引っ張ったのが、ムスタの場合
「……髪がほしいのか?」
アグ「…触れるか?」 ラム「え、でも」 アグ「気軽に安々でなければいい。それと、相手がお前なら」 さわ、さわ、 アグ「ン…」 ラム「アグリアスさんヨロコんでます?」 アグ「ヨロコんでない!三つ編みというのはフツーに敏感なものだ! これはこれで便利なんだぞ!敵の首を絞めたり、敵襲を予測―ンン」 ラム「ヨロコんでる」アグ「ヨロコんでない!」ラム「ヨロコんでる」アグ「ヨロコんでない!」ラム「ヨry 以下無限ループ。 メビウスの輪から抜け出せなくて。
>>307 ♪いくつもの罪を繰り返す 平和より自由より正しさより
君だけの三つ編み触っていた
オ、オイヨイヨ〜
>>280 から続きました 失礼します。
****
「そうに決まってるじゃないか!マラーク君、何を今更!」
ベイオウーフの旦那、と俺達は呼んでいる。
若い新任教諭だからか、そういう事にはとても寛容で、
生徒に理解がある。言ってみればナイスガイという奴だ。
多少、マイペースすぎて付いていけない事もあるけど・・・。
「げぇっ!なんだよ、じゃあ両思いなのかよ!」
「んも〜、もどかしいわね〜!」
俺とムスタディオ、アリシアにラヴィアンは、休み時間ともなれば
この人の元に集まって馬鹿話をすることが多かった。
旦那もこれまた、他人の色恋沙汰にやたら興味があって、若い俺達とも気が合うのである。
この日俺達は、ラムザとアグリアス先生の怪しい関係について、
好き放題の討論を繰り広げていた。
「でも、教師と生徒の禁じられた恋なんて・・・あ〜ん、やらし〜!」 「しかもしかも!アグリアス先生は実習生なわけだから!時限付きの、儚い恋なのよ!」 「キャー!エロい!エローーーい!」 「まさしく、『人』の『夢』と書いて『儚い』ってやつか。ふむふむ」 全く、人の不幸は蜜の味とはよく言ったものだな。 ちなみに、いいふらした張本人のムスタディオは、 常にどこかばつの悪そうな顔をしているが、それは黙殺だ。 「しかしなぁー、アグリアスくんもなかなかの奥手のようだから。 僕は僕で、前から応援してはいるつもりなんだけどねぇ」 いや、旦那。あんたのは露骨すぎますから。 いくら何でも放課後の黒板に相合い傘を書くって、小学生かあんたは。 おかげであの時は俺とムスタディオがこっぴどく叱られたんだよなぁ。 濡れ衣であやうく死にかけたっていうの。木刀だぜ?木刀。竹刀じゃないのよ?
「それにしても・・・さっきは大変だったみたいじゃないか?ムスタディオ君。 見たところ15周はしていたようだが」 その言葉で先刻の悪夢が蘇ったのか、ムスタディオの顔が苦渋に歪んだ。自業自得だ馬鹿め。 結局、マット運動の授業中、ムスタディオの奴は一度もマットを踏んでいない。 アリシアやラヴィアンの冷やかしを浴びながら、実のところ20周も走っていたのだ。 「うん?はは、そうか。あれはミルウーダ先生の愛のムチ、ってやつだな。 僕ぁてっきり、体育祭に向けて特別メニューを組んでいるのかと思ったが・・・」 体育祭? そうだ。開催がもう二週間後に迫っている。 「待てよ?・・・先生、競技内容は実行委員会が決めるんでしたよね」 「ああ、そうだとも。僕も携わってはいるが、やはり生徒の自主性を重んじなくてはね。 それに今年の実行委員長はディリータ君が着任しているし、まぁー安心だ」 「それだ!」俺の脳裏に、輝かしいアイディアが閃く。 そう、あの奥手な二人を応援してやる、ちょっとした妙案が。 学校行事といえば、男女が親密になる格好の場じゃないか。 体育祭は苦手だけど、今年は楽しくなりそうだ。
***** 「お邪魔いたします」 そう言って私は、久しぶりにその家のドアを開けた。 大学に入ってから2年間、私はイヴァリース学園理事長のご息女、 オヴェリア嬢の家庭教師をしていた。 そもそもこの縁がきっかけとなって、私の学園への就任も決まったのである。 「入学はぜひ実力で」という彼女の夢に、私も精一杯答え、今では彼女も無事に 異校一年生としての生活を送っている。就任当時、私はその事実を知って喜んだものだ。 「まあ!アグリアス先生、いらっしゃい!今日はどうしたの?」 天真爛漫な笑みをたたえて、オヴェリア嬢は玄関で靴を脱ぐ私を出迎えてくれた。 「いえ、同じ学校におりましたのに、ご挨拶がまだだったので・・・」 「も〜、事前に言ってくれればいいのに!お茶菓子足りるかなぁ」 ふと足下を見ると、私とご家族の靴の他に、可愛らしいローファーが一足。 「ご友人が来られているのですか?」 「ええ、そうよ。アルマちゃん。ほら、ベオルブさんの・・・」
「おっ、お邪魔しました!ご、ご挨拶はまた日を改めますので・・・」 何の因果だ! どうしてこんな日に限って、・・・あのラムザの妹さんが! 「え!?ちょっとどうしたの?折角だから上がって行ってよ!ねぇ!」 (ああ、袖を引っ張らないでください。もう子供ではないのですから。 申し訳ありませんオヴェリア嬢、今日、今、私はアルマ嬢に合わせる顔などないのです。) 「どうしたの?顔が真っ赤よ?体調が悪いんじゃないかしら・・ ますます返すわけにはいかないわ!」 (なんとお優しいお言葉。それだけで私は十分なのです。だから、 お願いだから今日は帰して・・・・!!) 「あ、アグリアス先生だ!いつも兄がお世話になってます!」 見つかってしまった。 ああ、すみませんアルマ嬢。 そのお兄さんの、お世話をするどころか、私と来たら・・・
アルマ嬢の面差しは、やはり兄弟であるゆえか、ラムザにどこかしら似ている。 「びっくりしたわよ、もー・・・どうしたの?アグリアス先生」 「い、いえ・・・。ちょっと急用があったような、なかったような・・・」 何を言っているのだろう私は。いつもの毅然としたアグリアス・オークスはどこへ行った。 「んもぅ・・・。先生、ひょっとしてラムザ先輩となにかあったの?」 ひっ! どうして、こういう時のオヴェリア嬢は勘が鋭いのだろうか。 家庭教師をしていた頃も、その機知の富む様に幾度と無く驚かされたものであった。 しかし今、内心を詮索されるのはたまったものではない。アルマ嬢までいるというのに・・ 「まあ、もしかして兄がなにか失礼を!? すみません先生、問題がおありでしたら何でもおっしゃって下さい!」 アルマ嬢までが私の不甲斐なさに気遣いをくださる。 ああああ。何て言ったらいいんだろう。
「も、問題などありませんよ!彼は・・・その、周りの印象とは違って とても優秀な、素晴らしい才能の持ち主だと思いますから」 「では、私に何か落ち度があったのでしょうか・・・」 「とんでもない!お二人の仲の良さはうらやましいくらいで・・・ええと、なんだ、 い、一年の担当教員の方々の印象もすこぶる良いようですから、アルマさんに落ち度なんて」 「それじゃあ・・・?」 可愛らしい眼差しで、アルマ嬢は私に疑問符を投げかける。 ああ、オヴェリア嬢、どうか別の話題にすりかえてはもらえないでしょうか! 「ストップ、アルマちゃん」 おお、天の助け! 「ど〜も、先生にはやむにやまれぬ事情があるみたいだから・・・」 あれ? オヴェリア嬢、なんですかその目は。 どうしてそんな、底意地の悪そうにニヤニヤと笑っておられるのですか。
「ねぇアルマちゃん!前に話したあのCD、今聞いていかない?」 「あ、うん!あれいいよねぇー、切なくって!」 そんなやり取りのあと、オヴェリア嬢は神妙な手つきで本棚から 古びたケースを取り出し、CDをコンポに差し入れる。 やがてかかってきた曲は、 ・・・・懐かしいな。 ・・・・っていうか。 高校の教師と女子高生の許されぬ恋を描いた、有名なドラマのテーマ曲である。
「オヴェリア嬢!!!私やっぱり帰ります!!!」
何のつもりだ!この子は、ええい、私をおちょくっているんだろうか!?
「え〜?なんで?先生これからなのにぃ〜」
何がこれからなんですか!
「ねー、アルマちゃん!」
と、何かを促すようにウィンクしてみせるオヴェリア嬢。
え?と、首を傾げるアルマ嬢。数刻の後、みるみる目の色が変わっていく。
「え・・・・えっ!?えーーーっ!!うそ、まさか・・・きゃーっ!?」
「ち、違います!誤解です!!私はラムザ君とは何も・・・!」
しまった!
「やーーーーっ!やっぱり!先生ったら就任早々やるぅ〜!!」
「やだっ、すごーい!お兄ちゃん!?お兄ちゃんのどこが気に入ったんですか!?」
「まさかと思ってカマかけてみたら・・・図星とはねぇ〜〜」
カマかけるだなんて、どこでそんな言葉を!神よ、私の教育が至らなかったのでしょうか?
ああ、顔が熱い。真っ赤になってるんだろう。情けない。
どうしてだろう。
どうして、ラムザの事を考えると、こうなってしまうんだろう。
ttp://fft-up.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/img/img-box/img20060501064437.jpg
319 :
以上、多弁 :2006/05/01(月) 06:56:16 ID:FKNZwNCH0
GWばんざい。調子に乗って絵まで。 皆様には引き続きご迷惑おかけいたします。 けっこう終わりません
320 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/01(月) 07:04:22 ID:kkxgQqNx0
てか、絵うまいなオイ
>>318 オヴェ様、鼻息荒えwww
むしろ次回も挿絵に期待しますよ。
>>318 GJ!次回も挿絵期待
しかし、BGMが森田童子だと思うと妙な光景だ
>>318 乙です
女子高生にすら玩具にされるアグ姐に萌えますたw
>>318 新 星 現 る
学園物あまり好きではないんだが、いや面白いもんだな。
>>323 タソと同じく女子高生に玩具にされるアグたんに萌えるw
絵も上手いし続きを楽しみにしてますよ!
プロレベルの挿絵じゃね?
ラムザ日記 ☆金牛の月1日☆ 今日は、アグリアスさんに、ピーマンも食べれないのかと注意されました 僕は今日はピーマンな気分じゃないと反論しました ☆金牛の月2日☆ 今日はミルクの中に、大麦若葉というものが混入されてました 犯人はアグリアスさんです ☆金牛の月3日☆ とうとう大好きなフルー○ェが切れてしまいました 買いに行くつもりだったのに、アグリアスさんから止められて 「貴公にはこの大麦若葉があるではないか!!!!!!!!」 と…その後、一時間20分程、大麦若葉について熱弁されてしまいました …モルスァ ☆金牛の月4日☆ 今日は快便でした トイレから出てきたところをアグリアスさんにキャッチされました 「良かっただろう?大麦若葉…」 と、恥ずかしがる僕を尻目に最高の笑顔で彼女はとても満足そうでした でも、これはメリアドールから貰ったコーラ○クのお陰だと思います でも、アグリアスさんには、口が裂けても言えないなぁと思いました…
アグリアスの笑顔、 アグリアスの憂い、 アグリアスの怒り、 アグリアスの涙、 それらの根本にはお通じが関わっているというのか…
前スレ末から現スレにかけてSSラッシュやなぁ、とか思ってたら、 多弁氏と、丘の上の風と異国傑物伝書いた人だけなのな。
では多弁氏に敬意を込めて「多弁士」の称号を
_,,、-――-、,_ _,、‐'::::.. `゙'ヽ, / \ / ヽ, ./:::. .:ラニ; ヽ l::: :::::. ... / \. \,.::.......:::| |:: : .::::::::: , ,.イ `ヽ、ド、, | .l;j ,r:、ィ゙:i::l:::. '',二ミ;゙'' .ィ'テiヽ| j|;:::::〈.∧;|:::::|:::: ゞ、). ` .`´|: :| r''7、 l、 、.|:::: !:::. , ! ::| j, ミ ゙ .i | ヽノ l;:::::. ‐゙ / :! _,r―-、, /_,\;:. ./,i .l;::::::.. -―'/_;;;、ッ'´ \ ./ _,,二,,__,./イj..:::...|l,ヽ、;::... _,、-''゙´ / ヽ、, ヾ,/ /,イ.ノL,⊥-''":|`゙゙´ ヽ、 .ド、ヽ, / .//オ゙ /::::/ l; `''-、,_ ._ノ }. ゙l, ..l /// / .! .::| l; `T''''''゙´ ノ l, .| ./:::://::::| | ::l, .l; :::::::.......::::::::::::;;;/(::.. _/ ゙、 .| .l::::::::;゙/:::::::| .|:::. l, l;:::::.... _;、-ぐ゙`゙L、=‐''゙´ `i ..l | :::l l::::::::::l |:::::::::l, ヽ;:::;、‐'ヾ;ヽ,ト、,ヽ. ゙、 ゙i .ヽ;ヽ, |.|:::::::::::l .|:::::. :ヽ, _,、ィ''´ ./ .|. ヽ!. ヾl、. ヽ ト、 j\,|.トl;:::::::::l .| ::::::|-l,. | l.\/_/ .......:::::::::: ! ゙、 ./
文も絵も両方描ける人ってのはうらやましーなぁ
1/10スケールぷにぷにアグリアス
>>319 畜生、萌えましたよ。やはり絵の影響力はすごいな。
文もこのスレの嗜好にあってていいです。
>>334 Bの人キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!
あの本からもう何年も経つけど未だに忘れていないようで嬉しい。
336 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/02(火) 01:55:14 ID:CksDYTIK0
あーねすと・ほーすと
>>334 そのHというのはハイトですか? まさか二人のスケベ度では(ry
つか、丘の上の風ってミルウーダ出てくる奴だっけ。
あれ書いたの異国傑物伝の人とおんなじなのか。
そういや文体似てるな。
339 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/02(火) 05:00:29 ID:xyyG9Gl+0
/~~~~/ そろり / ∩/____ //| ξノノλミ / " ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
340 :
、 :2006/05/02(火) 06:40:51 ID:ogRr7FCNO
あーーー!!! アグたんのオッパイネタのSSを書きたいーーー!!! でも、何も思い浮かばないーーー!!!
じゃあとりあえずアグリアスはもらっていきますね。
セイバーのパクリキャラ死ね
あぐあぐアグリアスアグリアス
らむらむ。
あぐあぐ。
ぐあぐあ。
朝目のイラスト板にウェディングあぐたんが来てるでねえか
メリメリ ミルミル
セイバーのパクリキャラ視ね
劣化セイバーのアグリアスは万死に値する
>>351 …スマヌ、ラムたんのふとももテカリに萌えてしまった…不覚ッ!
ゲーム中にはアグたんのテーマというのは無いわけだが、 アグたんのテーマにふさわしいのはどんな曲だろうか。 一般音楽まで含めて。
Agrias: Ramza, are you really a Beoulve? Gafgarion: Didn't you know, Agrias? His name is Ramza Beoulve. One of the Beoulve family. Ramza: It's true I'm a Beoulve! But I'm not like my brothers! I never knew about kidnapping the Princess! I swear it! Agrias: No doubt in my mind! I believe you!!
>>354 さすがに一般から、これは○○のテーマにピッタリだよね!という方向に持っていかれてしまうと寒いので。
「私はお前を信じる!」は"I believe you!!"か… なんかイイな…
アグリアスのテーマ〜Saver in the Darkness〜 行け 疾風の如く 聖なる剣士よ 闇に紛れて いつの日か貴公には 分かって欲しい 戦いだけに生きた 私の胸の内を 悪を憎み 悪を見つけ 悪を斬り裂く 僅かな 安らぎさえ打ち捨てた 誓いだから 行け 疾風の如く 聖なる剣士よ 運命の歌の 命ずるままに 凛々しき姿の 気高き戦士よ 魂を込めた 聖なる剣技叩きつけて 時代に輝け アグ
アルェー believe in you じゃないんだ? アグアグーン
ここでアクエリアスのパッケージを改造して「AGRIUS」にする奴はいないのか?
30分近くもかかった力作を投下ッ!( ゚ ∀ ゚ ) ラムザ「あ!!ちょうどよかった♪メリアドールさん、この座薬を僕のアヌスに挿入して下さい」 メリア「あら、おやすいご用だワ(はぁと)、それじゃ、四つん這いになって、 あっ!!私がズボンとパンティを脱がしてあげるわね!」 ラム「あぁぁ〜んン!お尻の穴を見られてるぅゥーー!はやく!はやく挿れてぇぇーーッ! 恥ずかしいから早く挿れて終わらせてぇぇぇーーーーー!ハァハァ…」 メリア「あせっちゃダメッ!ゆっくりやさしくしてあげるからね…。ほーら、どう?」 ラム「ハァハァ…、入ってる…?ねぇ、入ってるの…??、どこまで入っちゃってるの??」 メリア「いま座薬が半分入ったとこよ!大丈夫っ!!我慢してね、今どんな気持ち?」 ラム「なんか…、なんかヘンな気持ちですぅゥー…。アァ…、うぅぅ…ハァハァ…」 メリア「ウフッ!すっごくカワイィわよぉラムザ♪ここ?ねぇ…、ここなの?」 メリアドールは中指の付け根まで奥深く挿入した指を内部でお腹の方向へ強く押し付けては緩める。 ラム「ねぇ、入った??もぅ終わったの??ハァハァ…」 メリア「まだよ…、まだ半分が入ったところって言ったでしょう?あせらないでね、ウフフ…」 「アァァーーッ!す…、スッゴォォォーい!そこは…ハウッ!…気持ちイィよぉ…」 アグリアス「あの声は…?ラムザかッ?!なにやら様子がおかしいが…?」
膝まで着衣を下げ、四つん這いでメリアドールに弄られてるラムザを発見!! アグ「なッ…!!!??なんということをッ!!?貴様らぁぁぁーーーッ!!!」 ラム「ああぁァっッ!!アグリアスさんッ?!ちッ…、違うんですぅゥゥッ!! 座薬をアヌスに挿れてもらってるだけですぅぅーッ!」 メリアドールがアグリアスの繰り出さんとする剣技を愛剣で受け、非常な緊迫感が漂う。 メリア「あーら、アグリアスさん、 私は頼まれて座薬投与のお手伝いをして差し上げただけよ…、お怒りな理由は何かしら?」 アグ「不埒な…、不埒すぎるのではないかっ?!騎士としての誇りが貴公らにはあるのかッ??」 メリア「ではアナタは騎士はお通じに悩んだこともない立派な神様とでも思ってらして?? 病気にでもならないように事前の予防策を講じる人間を否定する気でいらっしゃるの?」 アグ「そうではないッ!他人に頼み、またそれを易々と請け負うことではないであろうにッ!! …ましてや男と女…、否、隊員の命を預かる仮にも部隊長ともあろう者の示しが立たぬ…」 メリア「おほほほほ♪一人の人間として健康と体調管理もできない人間に命を預ける人がいて? ラムザはしっかりと管理された万全の体調で部隊の指揮を執る立派なリーダーじゃない?」 ラムザ「待ってくださいッ!!本当はアグリアスさんに頼みたかったけど…、 そういうお堅さで断られるのが怖くって…。自分のアヌスを弄るのも怖くって…」 グスン、グス、うわーん(;_;)泣き出すラムザは同時にブリブリとンーコもした…。 アグ「やれやれ…、」 メリア「ヘンな奴だけど、そこがまた愛嬌があって魅力的なのよねー♪ラムザって!」 アグ「まぁ…、そーだな、放置いたそう…」 メリア「…そうね♪」 ラムザ「アルマならいつも座薬を上手に挿れてくれるのに…。次からラファにたのも…」 −おわり−
変態登場!! そして退場
>>362 GJっつーか、PJ?
<<趣味は死亡フラグ。あの(ry>>
<<まぁいいや。サァいくか。>>
368 :
多弁 :2006/05/03(水) 03:20:58 ID:+6hYjM+40
熱を下げることを解熱(げねつ)といいます ・・・というヘルプメッセージがあったような。そして座薬ネタへ! 折良い頃つづきを参ります
すみません、参ります。
>>318 より
また長くなりますけん、申し訳なかです
*****
アグリアス先生が恋をされてるなんて!
しかも相手がうちの学校の生徒だなんて!
小説やドラマの中でこそ観てはきたけれど、実際にあるのね、こういうこと!
眼前の、顔を真っ赤にしてちぢこまるアグリアス先生を眺めながら
その素敵な緊急事態に私、オヴェリアは胸をおどらせるのでした♪
「それでそれで?いつ頃からラムザ先輩のことが気になったの?」
ああ、興味津々。私ったら性格悪いわ。
「きっ、気になったというか・・・彼は、その、私が畏学に来たころに
校風のことだとか、どんな学校なのかとか、どの教室はどこか、とか
・・・あの、色々教えてもらっただけで・・・」
やだ、かわいい先生!とてもハタチの現役(?)女子大生には見えないわ。
さてはこの人、恋の経験が皆無なのね。
「で、そんな優しいラムザ先輩に、いつのまにか心奪われ・・・と」
「こ、心など奪われておりません!ラムザ君はただの生徒で、よくできた生徒で、
と、とにかくそれだけです!」
「だからぁ〜」と、追い打ちをかけますよ私。先生可愛いんですもの。
「それじゃあアルマちゃんに対しての態度の説明にならないじゃない」 「い、いや、それはその・・・」 「その?」 「今朝・・・」 「今朝?」 先生ったら。さらに顔を赤くして、体育座りの膝に顔をうずめちゃいました。 で、口ごもりながらもこんな答えが。 「・・・く、口喧嘩をしてしまいまして」 あらー。 ごめん先生!私笑いが止まりません! ほら、アルマちゃんも爆笑ですよ。 「なっ!何がおかしいのですか!私はただそれがアルマ嬢に申し訳ない、と、 そう言っているまでであって!その・・・!」 「あはは、はは、ご、ごめん先生・・・!」 「先生、かわいい〜!なんか初々しいカップルの悩みみた〜い!」 「かプッ・・・・!?」
面白い、でもこれは骨が折れるわ。 恋ってものについて、これは一から説明が必要かしら。 「うふふ・・んふ、ねえ先生、今まで恋愛もののドラマとかは?」 「ば、ばかにしないで下さい!・・・二・三度観た事くらいはあります。 さっきの曲のドラマだって、内容くらいは知っていましたよ? ・・・あとは周囲の話を聞いたくらいで、そりゃ、勉強のほうが大事ですから」 二・三度って。少なっ! 「じゃぁあ〜、小説!小説くらいは読んでるんじゃないですか?」 「オヴェリアちゃん、映画映画!恋愛映画は観た事あるんじゃないかしら!」 ナイスパス。さあ、見せて!先生の恋愛偏差値を!(?)
「しょ、小説ですか・・・。ええと、記憶にあるのは・・・・ 『資本論』、『戦争と平和』、『論語』に『孟子』、『五輪書』・・・」 先生それは小説と違います。そして何より女子の選択ではありません。 「あっ!『三国志』は読破しましたよ!?列伝も全て!」 男臭過ぎます。むしろ漢。女子が青春を捧げるカテゴリじゃありません。 「そ、それに!恋愛映画くらいは観た事ありますとも! ほらっ、あれ・・・そう・・・『メリー・ポピンズ』!!」 児童映画のどこをどう観たら恋愛映画だと錯覚できるんですか。 「あれは、ほら、えと、 妙なまやかしを使う女と煙突掃除夫の報われぬ恋の話では・・・」 それは相当穿った見方です。 ある意味歪んでますね、先生の幼少期。 ううん、遠回りではらちがあかない。 「では先生にズバリ伺います。先生にとって、人を好きになるとは!?」 「すっ?!」と先生の喉からか細い悲鳴のような声。 もはや『好き』すらNGワードになってるわ。異常ね。 「そ、それは、あくまで人間的に好ましい者を、信頼し、尊重し・・・ 男女であれば、そこから、その、じ、人生の伴侶、とかに・・・」 「・・・・・・」
「カマトトぶってんじゃねーーーーー!!!」 「ひぁーーーっ!??」 もうね、切れました。久しぶりに。 「先生!恋というものは本能なんですよ! 頭で納得してから始める恋なんてないんです!判りますか!?」 「え、と、お」 「本当に判らないのならこの際仕方がありません、でも! 先生がラムザ先輩に恋をなさってるのは真実なんです!」 「そ、そんな馬鹿な」 「馬鹿なことなんてあるものですか! いい年をした女性が一度も、誰にも恋をせずに生きるなんて 人としておかしいと思わないんですか!」 「だ、だから、私の恋人は生涯勉強で」 「それがおかしいんじゃコラ!勉強とかサッカーボールとか 無生物に心を埋める何かを求めるのマジ許せない!」 「す、すみません・・・」 「いいですかっ、もう一度自分の胸に手をあてて考えて下さい! ・・・今朝のケンカの原因、アルマちゃんに対しての態度、 普段、よく目につく生徒の顔。その顔を見てどんな気持ちになるか・・・」 「・・・目に、つく・・・?」
ふーっ、一息で喋ったらノドが。 さあ、ここまで言ってだめなら、次は身体で教えるしかないわね。 今夜は長くなりそうだわ・・・ 「こっ」 お。 先生は目をあわせず、途切れ途切れに喋り始めました。 「恋とは・・・その、例えば、その相手が、じ、自分以外の異性に 興味をもったりすると、ゆ、許せなかったりするものでしょうか」 ははぁ。今朝の喧嘩はそれが発端なのね? ジェラシー感じちゃったんだ。んふ、可愛い。それにしてもラムザ先輩も意外と・・
「うん、なるわ。なりますよ、先生」 「そ、それでは!た、例えば喧嘩をしてしまったら、 その後なぜだか顔をあわせづらくなったりするのは・・・」 それは普通の対人関係でも同じだけど・・・。いや、この際ここは押しの一手で。 「なるなる!好きな男の子と喧嘩したら、そのあと なんてフォローしていいのかわからなくって、素直になれなくて、 ますます仲がこじれちゃったり・・・ 女の恋っていうのは、そういう苦しみの連続なんです!」 あ、アルマちゃん笑いながらも若干呆れてる。てへっ! いつの間にか、先生は涙目になってる。顔は真っ赤なままだ。 「・・・・で、では私は・・・ラムザ君のことを・・・」 そう。絶対そう。 「そうです、先生はラムザ先輩に、『片思い』しちゃったんですよ!」
「ちがうよ、オヴェリアちゃん」 「え?」と、ここでアルマちゃんから思わぬ横やり。 「先生とお兄ちゃん、両想いだよ? ・・・だってお兄ちゃん、二年生になってからすごく幸せそう。 あんな風に学校行くお兄ちゃん、はじめて見るもの」 おおっと!これはひょっとすると、ビンゴ!? 「学校の話する時も・・・いつも、実習生のアグリアス先生がね、なんて言い始めて やれ今日は何を手伝った、やれ今日はどこを案内したって。楽しそうに話すの。 妹じゃなくたって、そんな露骨にキャラ変わったらわかるわよ」 と、得意げにアルマちゃん。 あら。ちょっと。どうしましょ。ここに来て意外な事実が! 「ねえ、先生聞いた!?」 あれ。 先生は、そこまではちゃんと聞いてた。 でも、それ以上の言葉はもう聞こえないようでした。
****** 畏学正門前から伸びた通学路と、商店街通りとの交差点。 その一角に、小さいが地域住民にはちょっとした人気を誇る 中華料理店、「八美濃軒(やみのけん)」はあった。 僕は、そこで妹アルマとの生活を維持すべく、アルバイトをしている。 「今日のザマぁ一体どうしたンだ?ラムザ」 やってしまった。まるで集中力に欠けている。 ろくに洗わずに並べたコップが3つ、注文の聞き間違いが2回。 おまけに僕の人差し指は割ってしまった皿で深々と切り傷を作り、包帯にまかれている。 「天引きはしねえからな」と、オーナーシェフのガフガリオンさんが封筒をぼくに渡す。 もっと集中して働け、ということである。 ミスをした時、いつも通りの日給をもらう方が心が痛む。そんな僕の性格を承知しての事だ。 何をやってるんだ、僕は。
まだ朝のアグリアス先生との喧嘩が、胸にしこりとして残っていた。 思い出しても恥ずかしい。向こうは年上、ぼくはちょっとおちょくられただけなんだ。 それなのに、あんなにムキになって、一度も話もせずに・・・。 それだけならまだしも、ずるずる気にしてバイトにまで支障が出ている。 自分が情けなかった。切った指がじんじんと痛む。 のれんを下ろした店内には、ただ静かに有線が流れるだけだった。 「ぼくたちの失敗」という曲だっただろうか。 何のドラマの曲か忘れたけれど、ひどく切ない気持ちになる。 いやだな、できれば今は聴きたくない・・・ そんな僕を知ってか知らずか、オーナーが勢い良く有線のスイッチを落とす。 「洗いもンと仕込みは俺がやっとく。とっとと帰って寝ちまいな!」 何だかんだで、彼は根の優しい人間だ。ますます、みじめさが身にしみた。 アグリアス先生に会いたい。笑顔でも、怒っててもいい。顔が見たい。 僕は、恋をしている。
がらり、と店の扉が開いた。思わず「先生!」と叫びそうになってしまった。 「すいませン、もう閉店なンですがね!」 そんなオーナーの言葉を少しも意に介さず、その人はカウンターに向かって歩いてくる。 それは、確かに「先生」ではあった。 「兄さん・・・」 ダイスダーグ・ベオルブ。僕の兄であり、畏学の教師だ。 「家庭訪問なら、家のほうに来てくれない?」僕は憮然として目をそらして言う。 「生徒の非行防止に常に目を光らせる、教師の義務だ」 始まった。すぐにこの人は『教師』とか『教育』といった言葉を使う。 「そんなふうに縛り付けようとするから、ダイスダーグ先生は人気がないんだよ」 そんな僕の皮肉に、兄は真っ向から、静かに言い返してくる。 「それでこんな店でバイトか。この私へのあてつけは楽しそうだな」 何だよ、この人は。 僕はむっとして、三つ足のイスに座って兄に背を向けた。
「一人暮らしであることを理由に、教員連中に訴え出てアルバイトの嘆願、 最大限単位を取りながら、同時に最大限アルバイトにも時間を割く。 その行動力と目的意識の高さは評価する」 淡々と、兄は僕に話しかける。 「だがその向かう先が気に入らん。 聞けばお前は授業に出ていない時には、たった一人で地域ボランティアを名乗って 辺りの住民とのらりくらりとしているそうじゃないか。そんな事をして何が生まれる? 学力にも、まして収入のある勤労にすらならん、ただの自己満足ではないか」 聞く耳なんて持つもんか。 「お前のやっている事は、ベオルブ家に対するひどく幼稚な反抗だ」 それでも、悔しい。 「・・・兄さんは、あなたは!いつもそうやって、規律以外のつながりを否定するんだッ! あなたが教育に人一倍の情熱を注いでるのは知ってる、だけど・・・ 僕は兄さんの信ずる方法だけが全てだとは、思いたくない!! 僕は人のつながりが作る輪が、人を育てる最良の場だと信じているんだ!!」
店中に響く声で、さらに兄が言い返してくる。 「それが幼稚だというんだッ!!! お前といい、うちの古株のオルランドゥ先生といい、どいつもこいつも教育を甘く見おって・・・! 我々が苛烈に指導を与えねば、若い連中はすぐにつけ上がる! 我々が指導を怠れば、すぐに親どもが騒ぎだす! 学校とは、お前の言う「人の輪」の中で必要とされて生み出されたのではないかッ! 社会に望まれて拘束の権限を手にした、揺るぎない、揺らいではならないシステムであろうがッ! それを護るのが私の役目であり、現代のベオルブ家の命題なんだぞ!!」 ベオルブ家は元々、政府高官の天下り先として、自らが経営する学校の役員職などを斡旋し 財界とパイプを作って経済的地盤の基礎作りをしていた経緯がある。 その名残なのか、現在ベオルブの男子はその多くが一度は教職員を経験し、 家督をひけらかす事でPTAに籍を置く著名人や、様々な団体との交流を行っていた。 そういった面で言えば、兄さんはベオルブの中では珍しく教育者一筋の人生を送っている。 ただそこはやはりこの家の人間というか、その高すぎる理想と結果主義的な思想が 厳しい教育態度として現れ、スパルタ的姿勢となって学生達の重荷になっていた。
僕はそんな家が嫌いで、家を飛び出した。 僕が真に望む、「人を育む」姿が、そこにはなかったからだ。 「・・・兄さんが何を言おうと、僕はベオルブ家のことなんて興味ない。 僕は僕のやり方で、人のために何か出来る将来を探す・・・ 兄さんのような教育者になるのなんて、まっぴらだ」 強く、兄さんを睨む。 言い合いになったとき、僕はほとんど兄に勝ったためしがない。 思えばいつも論破され、そのたびに悔しさで歯噛みした。 でも今夜の僕は、落ち込んでいた鬱憤があったせいか、かなり強く感情を吐露していた。 兄はしばし黙り込み、目をとじていたが、やがて僕を見て言った。 「ならば、証を立ててみろ」 挑発だ。
「私にそこまで楯突くからには、お前にはお前の理想の規範があるのだろう。 ・・・二週間後は体育祭だな?あれにはクラス対抗、学年対抗の行事が幾つもある。 お前のいう『人のつながり』とやらで、クラスを纏め、学年優勝をして見せろ。 そうすれば私はもう何も言わん」 「・・・・」 「できなければ、お前はやはり虚ろな理想しか語れない、ただの『不良』ということになるな』 「・・・!」 そこまで言って、兄はきびすを返し、店を出て行った。 体育祭で学年優勝。 体力で言えば、3年生のほうが充実していて明らかに有利だ。 それを2年生の僕たちで、優勝を奪うだなんて・・・ ・・・いいだろう。やってやる。
385 :
以上、多弁 :2006/05/03(水) 04:12:08 ID:+6hYjM+40
眠い中描いたら話が妙な方向に。絵も。 なんか色々レスをありがとうございました。 多弁士の称号とか頂いて恐縮の極みです。 なんか鈍足な進行ですが、お付き合いいただければ幸いに思います
萌える・・・この俺が・・・萌えてしまう・・・ これは・・・面倒なことに・・・なった・・・
あなたの文章を読んだとき・・・・ なんていうか・・・・その・・・下品なんですが・・・フフ・・・・ ゲーム本編でのキャラクターの性格が生かされていて非常にいいと思いました
ちょ、絵うめえしガフかっこいいじゃねえかw
>>387 多弁さんの文章のどこが下品なんだ??才覚抜群な上品さとプロットが洗練されていて
キャラの描写もグッ!!テイスツで最高に面白いジャマイカ??絵も巧い!!
>>390 下品ってのは自分の事だよ。
ジョジョの4部ボス吉良が、モナリザの手を見て勃起した自分を下品だと言ったセリフだから。
まあなんだ、ネタにマジレス(ry
クラスメイトはマラ、ムスタ、ラッド、クラウドってところ?
394 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/03(水) 11:31:10 ID:nL+TVd9kO
クラウドは留学生ってとこか
ラヴィアリは?
多弁氏、乙でした
しかし毎回絵付きは厳しいだろうから、たまには省いてもいいんじゃないかな?
…個人的には多弁氏の絵柄が好きなんで期待しとりますがw
>>396 ラヴィ&アリもクラスメートでしょ
そして妹と同じクラスになるべく二回も留年したマラークもクラスメートにw
そういや、なにげにイズルードも二年で良いんじゃないか?
三年にはメリアドール先輩もいるから姉弟対決が楽しみだw
なあセンセイよぉ、
>>318 のときといい、
>>384 のときといい、
あんな体育座りズッとしてたら、アグたん先生のパンツ見えちまうんじゃねえかなあ…
俺ぁそれが気になって夜も寝られねえんだ…
俺、どうしたらいいのかな…
教えてくれよお!ベイオウーフセンセイよお!!
(ここでエンディングテーマ)
フッフッフッフー、フッフッフッフー、アー、アー♪
愛は奇跡を信じる力よ〜♪
399 :
多弁士 :2006/05/03(水) 21:14:14 ID:+6hYjM+40
>>399 あんた・・・なんでそんなにオレのツボを突くんだ?
デッサンしっかりしてんなあ・・・ かわいらしい!
アグたん先生に愛を口移しに教えてもらいたい。
…何も言葉を発せない
そう、自分は既に
>>399 の一撃で屍となっているのだから
萌え殺された、完膚なきまでに萌え殺された
すごく・・・萌えです。
あんたらの反応見てると自分はなんでケイタイなんだと心底後悔するよ…
407 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/03(水) 23:44:12 ID:epHdy4ae0
ていうか【設】のime.nuにチェック入れれば?
しかし僅か2週間で400もスレ消化か。はやッ!
409 :
積木屋 :2006/05/04(木) 00:01:50 ID:idp1kA4MO
ファイルシークすげぇ
>>407 の設定も目から鱗だ…
そしてアグたん萌え
そんなオレに誰か携帯から絵をうぷする簡単な方法を教えて下さい…
流れは学園なので、SSはまた今度…
俺もSS書いたけど、今投下すると多弁氏の流れ切っちゃうから もうちょっと待つかな。 つか、絵うまいですな、多弁氏。
411 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/04(木) 00:42:19 ID:erYus07K0
一応念のため言っておきますけど アガリクスは発ガン性あるみたいだからやめておいたほういいですよ^^
むしろ多弁氏に他の職人作品の挿絵も描いてもらいたいくらいだ
>>410 気にしなくてもいいんじゃない。長くなりそうみたいなこと書いてたし。
松井を発見して吹いたw
415 :
カテナツィオ :2006/05/04(木) 02:05:17 ID:/vy3dOo80
>>413 そうすか。んじゃ、投下します。
あ、丘の上の風と異国傑物伝書いたモンです
つーか、こう名乗ると長いんで、俺もコテハンにしますた。
「アグ姐、ラムザ起こしてきてくれないか」 アグリアスはそう言われて、不機嫌そうに声の主―――ムスタディオのほうを向いた。 「……なぜ、私が?」 「なんでって……あんたが起こせば、一番寝覚めがいいだろうし」 ムスタディオは意地の悪そうな笑いを浮かべながら、そんな答えをした。 ラムザ一行は、現在貿易都市ザーギドスにいる。ランベリーでルカヴィと化したエルムドアを 倒し、次なる目的地、イグーロス城へ向かう途上である。ランベリーからは、べスラ要塞方面へ 南イヴァリース街道を通ったほうがイグーロスへは近いのだが、べスラ要塞周辺が、先の戦闘で 水浸しになってしまったため、一行は北側のルートから西進することにした。そして最初の大都市 であるザーギドスで投宿していた。ランベリーでの激戦からまだ二日である。 「……意味が分からんな。なんで私が起こせばラムザの寝覚めがいいのだ?」 平静を装ってアグリアスは答えたつもりであったが、彼女の顔は紅潮していた。アグリアスと ラムザが相思相愛であるのはパーティの誰もが気付いていたのだが、当の二人は互いへの恋情を 仲間には隠しおおせていると思い込んでいる。ムスタディオは(バレバレだよ)と苦笑したが、 それ以上は突っ込まず、笑いを引っ込めて言葉を継いだ。 「とにかく、もう9時半だぜ。ランベリーであれだけ戦って疲れてんのは分かるが、そろそろ起き てもらわんと。曲がりなりにも奴ぁ隊長さんなんだし」 「だから、何で私なのだ」 「みんな仕事があるんだよ。ここまで一番体力的にきつかったあんたとラムザだけ、今朝は仕事を 割り振ってないんだからさ。……それくらいやってくれても罰はあたらねぇだろ?」 「まったく―――分かった分かった」 さも面倒そうに、しかし口の端に微かに嬉しそうな笑いを浮かべて、アグリアスは朝食のトレー を片付け、徐に立ち上がった。ムスタディオは、いそいそとラムザの寝室に向かうアグリアスを (まったく、おめでたいこった)と肩を竦めながら、見送った。
ランベリーでの戦いで、ラムザがもっとも消耗したのは事実である。エルムドアとその配下の アサシンは、凄まじい戦闘能力を持っていた。犠牲者を出さずに勝てたのは僥倖といっていい。 当然、先頭に立って戦ったラムザの消耗は、相当なものであった。 もっとも、アグリアスは別のことを思い出していた。 「セリア、とかいったか……あの不埒なアサシンは」 エルムドアの従えた妖艶な二人の美女―――セリアとレディと名乗るアサシンは、いずれも闇の 眷属であった。どういうわけかセリアのほうはラムザに異様な執着を見せ、戦いの最中にその唇を 奪うような真似までしたのである。アグリアスはその光景に、猛然と腹を立てた。早い話が嫉妬で あるが、間違っても彼女はそんなことは認めない。 「まったく、ラムザも満更でもなさそうな顔をしおって……いっそ引っ叩いて起こしてやるか」 そうこう言っているうちに、ラムザの部屋の前まで来る。小さく二つノックをし、声をかけた。 「ラムザ、私だ。起きているのか?」 返事はない。 「仕方がないな。まだ寝てるのか。―――入るぞ」 ラムザの部屋はこじんまりした一人部屋であった。隅のほうにベッドがあり、その周りには脱ぎ 散らかした鎧や上着が散らばっていた。おそらく疲労のあまり、片付けもせずに眠ったのだろう。 妙なことがあった。ラムザが寝ているにしては、布団の膨らみがいやに小さいのである。アグリ アスは、一昨日の事もあるので荒っぽく布団を剥いでやろうとかとも思ったが、ラムザの寝顔を 見たいような誘惑にかられ、優しく布団を捲った。 瞬間、彼女は凍りついた。 そこにはラムザの姿はなく、三、四歳の少年が、寝息を立てていたのである。
たっぷり30秒くらい、アグリアスは固まっていた。 「な、な、ななな、何で―――というか、誰だ、この子は!?」 やっと口をついて出た言葉は、それである。その時、幼児は布団を捲られた感触と、アグリアス の声とで目を覚ました。寝ぼけまなこを擦り、怪訝そうにアグリアスを見上げる。 「あ、あ……あ、あの…」 アグリアスはまともにしゃべれない。状況に戸惑ったというだけではない。少年は、とてつもな い美少年だったのである。豊かな金髪、輝くような肌、大きくつぶらな瞳と、人形のように綺麗な 子供であった。その子が可愛いらしく小首をかしげ、アグリアスを見つめているのだ。 本人は気付いていなかったが、アグリアスにはかなりのショタ志向があった。彼女がラムザに 好意を抱いたのは、ラムザになんとなく子供子供した青い面があったことも一因である。その彼女 にとって、このような愛らしい少年はまさに夢に描いたような存在だった。 「……ここ、どこ?……お姉さん、誰?」 外見を裏切らぬ可憐な声で、少年はそう言った。アグリアスはくらくらとなったが、何とか答え なければと懸命に自分に言い聞かせ、おっかなびっくり口を開いた。 「こ、こ、こここここは、ざ、ザーギドスの……宿……」 「ざーぎどす……?」 少年はますます首をかしげた。地名に心当たりがないらしい。 「あ、あの、坊やは一体……な、名前は、なんと言うの……?」 普段の彼女らしくもない口調で、アグリアスは少年にそう聞いた。 「僕? 僕は、ラムザ。―――ラムザ、ベオルブ」 少年の返答に、アグリアスは再び凍りついた。
「間違いない、ラムザだ。小さい頃そのままだよ」 言ったのはオルランドゥ伯であった。オルランドゥは今は亡きラムザの父、バルバネスとは肝胆 相照らす仲であり、幼少時のラムザとも面識があった。その彼が、ベッドの上にちょこんと腰掛け、 面白そうに周囲の人間を見回す少年を、ラムザと断じたのである。 「これがラムザぁ? マジかよ!」 「うっわー、ちっちゃいラムザ、かわいいー!」 「よく見れば、面影はあるわね……」 「可愛いわねえ。ね、ベイオ、私達もこんな子供がほしいわね?」 「何を言うんだい、レーゼ。俺達の子供ならもっと可愛いに決まってるじゃないか」 周りの連中がてんでに勝手なことを言う。アグリアスが小さなラムザをどう扱っていいのか分か らず、食堂にいたオルランドゥに相談しようとしたところ、物見高い野次馬まで押し寄せたのだ。 「―――ええい、貴公ら、ちょっと黙れ! ……伯、ラムザはどうしてこんな姿に?」 アグリアスはもどかしげに黄色い声を抑えると、オルランドゥにそう尋ねた。彼はしばらく考え ていたが、やがてぽつりと言った。 「呪詛……だろうな」 「呪詛?」 「さよう。古代の文献で読んだ事がある。時魔法の原型ともいえる強力な呪詛、『遡生否存の法』 だろう」 「そせ……なんですか、それは?」 「対象の過去にさかのぼり、存在そのものを否定して消し去ってしまうという禁忌の術だよ。おそ らく術が不完全だったのだろうな。ラムザが生まれる時点まで時を戻しえず、結果、幼いラムザが 残る、ということになったのだろう。そのような例が、古書に伝えられている」 「し、しかし、そんな呪詛なぞ、どこでラムザは……?」 「おそらく、ランベリーで、あのアサシンの片割れに接吻された、あの時だろうな」 「あ!――――」
「現世に、とっくに封印されたこの術が使えるものがいるとは考えにくい。あのアサシンは魔界の 住人だった。してみれば、呪いをかけたのはあやつだろう」 「そ、それで、ラムザは元に戻るのですか!」 「この手の術は、術者が死んでしまえば、たとえ発動しても効果が長続きすることはない。対象が 完全に消滅してしまえば別だがね。あのアサシンは、ラムザに術をかけてからまもなく死んだ。 してみればラムザも、そう長い時間をかけずに元に戻るはずだが」 「それは、どれくらいの期間です?」 「さぁ、それはわしにも分からんよ」 「なーんだ、すぐ元に戻るのか。つまらねぇ」 軽口をたたいたのはムスタディオだった。アグリアスはそれへものすごい剣幕でまくし立てた。 「つまらないとはなんだ貴様! ラムザは我々の長だぞ!」 「すぐ戻るってんだからいいじゃん。軍資も底を付いてきたし、この機会に儲け話でも―――」 「貴様はそれでもラムザの友か! 友の危難を目にしてそのような―――」 「彼の言うことは合理的だと思うけど?」 横から口を挟んだのはレーゼだった。 「な、な―――?」 「ラムザがこの様子じゃしばらく動きようがないわ。その間に休息をとるなり、軍資金を稼ぐなり、 すべきことは幾らでもあるわ。現実的にならなくてはね」 「そ、それはそうだが―――ん?」 何かの感触を感じてアグリアスが下を向くと、幼いラムザが彼女のズボンを引っ張っていた。 「あ、あの、―――何か?」 「お姉さん、一緒にあそぼ?」 小さなラムザは、アグリアスにそんな提案をしたのだった。
結局、アグリアスが小さくなったラムザの面倒を見ることになった。さいぜんムスタディオが言った ように、他のものはそれぞれ仕事がある。手の空いているのはアグリアスくらいなものだった。 しかしそれ以上に、幼いラムザがアグリアスになついてしまったのである。とりあえずムスタディオ が近くの商店から子供用の衣服と玩具を数点取り寄せ、それをラムザに宛がった。 そんなわけで、いま、部屋にはアグリアスと小さなラムザの二人きりである。 (それにしても、可愛い……) アグリアスは目尻を下げて無邪気に積み木で遊ぶラムザを眺めていた。誰も見ていないからいいよう なものだが、普段の凛々しい彼女からは想像も付かないような緩んだ表情である。 そのうち、積み木に飽きたのか、ラムザはちょこちょことアグリアスのいるテーブルのほうにやって きた。 「お姉さん―――ええと、お名前、なんだっけ?」 「え? あ、ああ、アグリアスよ」 アグリアスは普段使わない女言葉を使った。いつものような男言葉ではラムザが怖がるかと考えたのだ。 「あぐりあす―――」 いささか舌の足らないラムザには、その名前は発音しにくそうであった。 「アグリアス、綺麗な名前だね」 「あ、ありがとう」 「アグリアスお姉さんて、美人だね」 「え? えええ? えーと、あのう、美人……そ、そうかしら?」 「うん、僕の母様も綺麗だったけど、母様より綺麗」 「そ、そ、そう? あ、ありがとうね」 耳まで真っ赤になって、アグリアスはそう答えるのがやっとだった。
「アグリアスさんは、恋人とかいるの?」 実に屈託のない表情と声で、ラムザはいきなりそんなことを聞いた。 「な、な、な――――」 アグリアスは絶句した。 「アグリアスさんくらい綺麗なら、きっと素敵な男の人が恋人なんだろうね」 一瞬、アグリアスは誘導尋問でも受けているかのような錯覚にとらわれた。しかし、目の前の ラムザのあどけない顔を見れば、別に他意があろうとも思われない。彼は純粋に疑問をぶつけて いるだけなのだろう。 「い、いや、私は、その、こ、恋人とか、そういう人は―――」 言いかけて、彼女は口をつぐんだ。彼女の意中の男は目の前の少年なのである。 なんとももどかしい。向こうから水を向けてくれているのに、それに答えることも出来ず、 答えたところで相手は本来の相手ではないのだ。 「恋人、いないの?」 ラムザはさらに切り込んできた。アグリアスはどう答えようかしばらく迷ったが、 「―――今は、いないわ」 と曖昧に答えた。それをどう取ったのか、ラムザの顔に喜色が浮かぶ。 「そうなんだ。それじゃ、僕が大きくなるまで、待ってくれる?」 「あなたが、大きくなるまで? それって、どういうことかしら……?」 「僕、大きくなったら、アグリアスさんと結婚する!」 少年はまるで勝ちほこったようにそんな宣言をしたのである。 「――――!!」 アグリアスは、またもや固まった。
(お、おお、大きくなったら、わ、私と、け、けけ結婚? ラムザが? 私と?) アグリアスの思考は混乱していた。 (こ、告白……されたのか? わ、私は? ―――いやいや、相手は年端も行かない子供……いや しかし確かにラムザ……いやいやでも―――) 幼児化したとはいえ、確かにラムザから告白されたという嬉しさと、その告白を元のラムザから 聞きたかったという歯痒さが、アグリアスの中で鬩ぎ合う。 (―――まったく、この男は、幼くなってまで私の心を掻き乱す……) そう思うと、少しばかり意地悪をしてやりたくなった。 「ありがとう……でも、ね、ラムザが大きくなる頃には―――私、お、おばさんよ?」 困らせてやろうとそんなことを言ったのだが、ラムザはひどく真面目な顔で考え、そして答えた。 「アグリアスさんがおばさんなっても、僕結婚する。―――受けてくれる?」 アグリアスは再び、自爆寸前のボムのように真っ赤になった。が、 (―――受け入れてしまえば良いではないか。自分が正直になることに何の遠慮がいるのか!) 相手が普段のラムザでないせいか、アグリアスの中にそのような妙な開き直りが生じた。 彼女は居住まいをただし、ラムザに答えた。 「―――ありがとう。貴方が大きくなって、まだ私を受け入れてくれるのであれば、貴方の……」 そこまで言って、アグリアスはちょっと躊躇ったが、意を決して言葉を継いだ。 「あ、貴方の、お嫁さんにして、ね」 「うん!!」 ラムザはたいへん素直に即答した。 二人は見つめあい、心底幸せそうに微笑み合った。
そのとき、アグリアスの心にさらに大胆な考えが浮かんだ。 「……それじゃ、ねえ、ラムザ」 「なぁに?」 「結婚の誓いを―――しない?」 「ちかい―――?」 「そう。誓いの―――キスを」 ささやくようにアグリアスは言った。 今度はラムザが真っ赤になる番だった。恍惚の霞がかかったような表情である。 アグリアスはその可愛らしさに、めまいを起こしそうになった。 「……うん、しよう。誓いの―――キス」 夢見るような口調で、ラムザは答えた。 「じゃぁ、目を閉じて―――」 ラムザは言われるがままに目を瞑り、こころもち顎を上げた。 アグリアスはその唇に、ゆっくりと唇を重ねる。 優しく、甘い、少年の唇の感触が伝わってくる。 (ああ―――!) 夢にまで見たラムザとのキス。 本来の彼ではないとはいえ、ラムザとキスをしていることに変わりはない。 アグリアスは小さなラムザの唇の感触を味わいながら、 (相手が普段のラムザでないというだけで、私もずいぶん大胆になれるのだな……) などと考えていた。
ここ数日の激闘が嘘のような、穏やかな一日が暮れようとしていた。 夕刻、ラヴィアンが、宿の風呂が沸いたことを知らせに来た。皆にとっても久々の入浴である。 アグリアスはまず先にラムザを風呂に入れてしまおうと考えた。 「ラムザ、ラムザ、お風呂に入りなさい」 「お風呂―――?」 ラムザはちょっと考えてから、言った。 「じゃぁ、アグリアスさん、一緒に入ろ?」 「―――え、えええ!?」 ラムザの生家ベオルブ家は極めて格の高い貴族である。身の回りの世話をする召使などは大勢いる。 当然、風呂専用の小姓などというのもいるのだ。特に幼少時などは、一人で風呂に入るようなことは あり得ない。ラムザが誰かと入ろうと言い出すのは、その意味では不思議でもないのだが…… 「―――だ、駄目よ。男と女が、ふ、ふふ二人で、お風呂になんて!」 ラムザはきょとんとしている。 「どうして?」 「ど、どうしてって、それは―――」 「構わないんじゃないですか、別に。今のラムザ隊長となら」 面白そうに二人のやりとりを見ていたラヴィアンが、ニヤニヤ笑いながらそんなことを言う。 「か、構わないってお前……そうだ、ムスタディオとか、マラークとかに―――」 「男連中はみんな手が塞がってます。……あ、メリアドールさんとラファちゃんなら空いてますけど、 どちらかにお願いしますか?」 「ば、馬鹿を言うな! あの二人に任せたらどんなことになるか―――じゃなくて! 大体ラムザも、 いかに幼いとはいえ女と風呂に入るというのはその、倫理上問題というか―――」 「―――僕、妹のアルマとよく一緒に入るよ?」 ラムザは、不思議そうにそんなことを言った。
「な―――!」 その言葉を聞いた瞬間、アグリアスの動きが止まった。 (―――アルマ殿と、よく、風呂に入るだと………?) アグリアスの中に、ふつふつと穏やかならぬ感情がわきあがってきた。それが何なのか、彼女には よく分からなかったが、なぜか(このままでは負ける―――)というような思いにとらわれた。 「―――アグリアスさん、どうしたの?」 怪訝そうに、ラムザが訊く。 アグリアスは見ようによっては恐ろしい表情で、ラムザのほうへ目をやった。 「……分かったわ。ラムザ、一緒に入りましょう」 絞り出すような声で、彼女はそう言った。 「わぁ、アグリアスさん、胸、大きいんだね」 ザーギドスの宿「銀の女神亭」のなかなか広い浴場に入って発したラムザの第一声が、それだった。 「あ、あんまり見ないの!」 アグリアスは真っ赤になって胸を両腕で覆ったが、彼女の引き締まった細い腕では到底その豊かな 双丘は隠しきれるものではい。ラムザはそれをしげしげと見つめている。別に性的な興味ではなく、 純粋に大きいことに感心しているのだけなのだろうが、それでも気恥ずかしいことに変わりはない。 (まったく、何でこんな羽目になったものか……) アルマへのつまらぬ対抗意識のお陰で、幼児化したとはいえ、ラムザと風呂に入ることになって しまった。そのことに多少の後悔はあっても、ものすごく嫌というわけではないのだが、今頃噂好きの ラヴィアンが、仲間にこのことを告げまくっているだろうと考えると、消え入りたくなる。 (まったく、お前のせいだからな!) 楽しそうに風呂に浮かべたおもちゃの船で遊ぶラムザを見ながら、アグリアスはそんな心の声を彼に 浴びせかけた。
「じゃ、体を洗ってあげるから、こっちにいらっしゃい」 アグリアスがそう言うと、ラムザは前も隠さずに彼女のそばにやってきた。アグリアスは悲鳴を 上げそうになったが、別に悪意のある行動ではないのだと言い聞かせ、懸命に自分を抑えた。 「あはは、くすぐったぁい!」 体を洗ってやると、ラムザははしゃいだ声を上げる。そんなラムザの無邪気さにほだされたわけ でもなかろうが、アグリアスも恥ずかしくはあったが、なんとなく幸福感を感じ始めた。 (―――なんだか、いいな……) ラムザとともに風呂を使うという、昨日まで考えもしなかったひと時。アグリアスは自分がこの 状況に、妙に癒されていることを感じて驚いた。 「じゃ、こんどは僕がアグリアスさんの背中を流してあげる!」 ラムザは元気にそんなことを言った。 「え、い、いいわよ、私は―――」 「僕だけ洗ってもらって悪いから。僕もアグリアスさんを洗ってあげる」 ラムザは真面目な顔で言う。こんな際ではあるが、アグリアスはラムザに甘えてみたくなった。 「そう、じゃ―――お願いしようかしら……」 「うん!」 ラムザはアグリアスの背中を流し始めた。白く艶やかなその背中は、成人男子であれば劣情を抑え きれないであろう色っぽさであったが、幼いラムザは一心不乱に洗っている。 アグリアスは心地よさに酔いそうだった。幼いとはいえ、相手はラムザ、しかもお互いに一糸纏わ ぬ裸体である。しだいにその美しい顔に、恍惚とした表情が浮かび始め――― 「わ!!」 その時、急にラムザが声をあげ、アグリアスの背中にのしかかってきた。
「―――ひッ!!」 アグリアスの背中にぴたりと、ラムザの小さいが滑らかな体が重なる。 「ちょ、ら、ラムザ! ―――なに!? ど、どうし―――あぁ!!」 背中に、ラムザの肌の暖かさが伝わる。心臓が、ばくばくと凄い音を立てて鼓動する。 (あああ、ラムザの肌が―――わた、私の、私の背中に―――あああッ!!) ラムザが、やはり幼いとはいえ欲情を爆発させたのか。そうであれば抵抗しなければ、とアグリアス は考えたが、体に力が入らない。心なしか、背中越しに伝わってくるラムザの体温も熱さを増したよう に感じられる。 このままここで、幼いラムザと一線を越えてしまうのか、という淡い危機感と、期待感――― だが。 「ごめんなさい、滑っちゃって……」 ラムザがよろよろと起き上がった。どうやらただ滑っただけであるらしい。 (おどかすな!) アグリアスは一瞬猛烈に腹を立てかけたが、子供相手に怒っても仕方ない、と思い直した。 「―――そう、大丈夫?」 しゅんとしているラムザに、アグリアスは優しく声をかけた。 「もう十分洗ってもらったわ。貴方はお湯に入って、十分に暖まって出なさいね」 「……はい」 ラムザは笑顔を取り戻し、言われるたとおり湯に浸かった。 (まったく、―――でも、もしラムザがその……本気だったら、私は……どうしたろう?) アグリアスは不謹慎にもそんなことを考え、一人で赤くなった。 いつのまにか、閉め切りである浴場は、浴槽が見えないほど湯気が立ちこめていた。
「ラムザ、そろそろ上がりなさい」 ラムザが浴槽へ向かってから、ずいぶん時間が経った。あまり長く湯に浸かるのも体に毒なので アグリアスは声をかけたのだが、返事がない。もうもうと湯気が立ちこめ、浴槽がよく見えない。 (いかん、のぼせたか?) アグリアスは慌てて浴槽に駆け寄った。 「ラムザ!」 「……え?」 返事があった。だが、子供の声にしては妙にしわがれている。 「大丈夫―――え?」 湯気の向こうには、確かにラムザがいた。 だが、それは昨日までの18歳のラムザの姿だったのだ。 「ら、ららら、ラムザ、元に、戻ったのか!?」 「―――ここ、どこ? え? アグリアスさん? ―――て、な、何で裸なんです!!?」 「―――ッッ!!」 アグリアスは、改めて自分が全裸であることに思い至った。その生まれたままの姿を、ラムザが 目を見開いて見つめているのだ。 「ひッ―――!!」 アグリアスは悲鳴を上げようとした。が、それより一瞬早く、 「―――メリアドールさぁん、こっちよ」 「待ってよ、ラファちゃん。―――わぁ、結構大きいお風呂ね」 メリアドールとラファが湯殿に入ってきたのだ。入り口の引き戸が開かれた途端、それまで立ち 込めていた湯気がさっと晴れる。 「―――え?」 そこには、つごう四人の全裸の若い男女がいたのだ。 「きゃああぁあああーーーーーー!!!」 「いやああぁぁぁぁーーーーーー!!!」 「うわあああぁぁぁーーーーーー!!!」 絶叫。
「すみません、僕のせいで、いろいろご迷惑をかけて―――」 てんやわんやの騒動の後、アグリアスとラムザがようやく一息ついたのは、夕食の後であった。 オルランドゥが考えたとおり、ラムザにかけられた呪いは不完全だった。わずか半日で、彼は元の姿 に戻ることが出来たのである。が、その際の騒動はとんでもないことになった。 素っ裸を見られた4人のうち、ラファは泣き出し、メリアドールは気絶し、ラムザは茫然自失だった。 なんとかその場を取り静め、収拾したのは、アグリアスだったのである。 「……まぁ、幼児化したのはある意味不可抗力だ。お前がそれほど気に病むことではないさ」 アグリアスはラムザの陳謝にそんなふうに応じた。 「ですけど、湯殿でのことは―――」 ラムザはその時の様子を思い出して、赤面しながら言った。 「あ、あれもまあ、ふ、不可抗力といえばそうなんだし―――」 アグリアスも、うなじまで真っ赤にして答えた。 「でも、ラファとメリアドールさんには悪いことしました。―――おまけにムスタディオやラッドが、 あの後から冷たいんですよ。……お前だけ目の保養しやがって、とか言って」 「困った連中だな」 「マラークも怒ってましたし。妹の裸を見やがって、って……」 「まぁ、兄としてはそうだろうな。……ところで、一つ聞きたいのだが……」 アグリアスは急に声を低めた。 「え? ―――なんです?」 「貴公、幼い頃、アルマ殿と一緒に……入浴していた……のか?」 「な―――なんでそれを!」 「幼くなった貴公が言ったのだ。本当なのか?」 「で、でもあれは―――アルマが、アルマが聞かなかったんですよ! 幾つになっても兄様と入るって だだこねて。ぼ、僕はもう、五歳くらいからは嫌だったんです、本当ですよ!」
「……そうか。じゃ、今でもアルマ殿と入ろう、なんてことは―――」 「あ、ありませんよ! 実の兄妹なんだし―――アブナイじゃないですか。そんなの」 「そうか―――」 しかしその発言を覚えていないということは、当然あの「誓いのキス」も覚えていないのだろう。 アグリアスは少々落胆したが、もともと責任能力のない子供としたことなのだし、と割り切った。 「じゃ、そのことはいい。だが、湯殿で私の、は、裸を見たのは―――あれは、貸しだからな!」 「え、だってさっきあれは―――」 「馬鹿! 男に裸を見られるとはどういうことなのか、貴公はちっとも分かっとらん! わ、私だって ―――その、お、女、なんだぞ……」 アグリアスは少し俯き、上目遣いでラムザの顔を覗き込んだ。本人は意識していなかったが、その 仕草はラムザがぞっとするほど色っぽかった。 「女心というものを……少しは理解しろ―――馬鹿」 「う……わ、分かりました。この埋め合わせはきっと、しますから―――」 「ホントか?」 「ええ」 「―――期待してるぞ」 ようやく溜飲を下げたらしい様子で、アグリアスは笑った。 「……しかし、小さいラムザは可愛かったな。元に戻ったのはちょっと惜しいかも―――」 「勘弁してくださいよ……」 この一件で、アグリアスはラムザとの距離がより縮まったように感じ、しばらくは上機嫌だったが、 彼女は肝心なことを忘れていた。全裸を見られたのは彼女だけではないのだ。後日、メリアドールと ラファが同様にラムザに借りを返すように迫った。ラファなどは人目も憚らずデートの要請をした。 結局ラムザはメリアドール、ラファとも「埋め合わせ」の約束をする羽目になった。 アグリアスとラムザ。二人の仲が成就するまでには、まだまだ障害が多そうである。
432 :
カテナツィオ :2006/05/04(木) 02:18:42 ID:/vy3dOo80
おしまひ ま、ネタとしてはありふれたもんですが。 ホントはこの後、まだ小さいままのラムザを寝かしつけるアグリアスさんてのも 考えたんだけど、収拾付かなくなりそうなんでやめました。 書きたかったんだけどね……
GJ!! 真っ白に燃え尽きたよ。風呂ネタとはね。不覚ながらおっきした。 一発抜いて寝よう。
>>432 かきたければかいてしまえばいいじゃないッ!
あ、
>>433 はカキすぎないように。
ともあれGJ!
ショタラムにハァハァします。しますとも。
次はアグたんをロリ化してください。
435 :
多弁士 :2006/05/04(木) 05:30:19 ID:SoD68pWD0
オモスロイィー(・∀・−−ッ!!www アグたんとの約束を覚えてるのにカマトトぶるドスケベマラデカラムザめぇーーーーーッ! 伯の解説ナーイス! カテナツィオさんグッジョヴッ杉!!! 多弁士さん熟女ショタ絡み大好物て(・∀・)人(・∀・)ナカーマ♪
このスレは活気があってうらやましいわぁ
学園物にディリータでてねぇww ラムザの親友なのにwwwwwwwwww
絵心のある人に嫉妬
自分は文章力のある人にも嫉妬w 最近、SSや絵の投下ラッシュでアグたん熱がさらに上昇してきますたw やっぱり好きキャラの板が盛り上がってくるのは嬉しいですな。 職人さんたちGJです!
442 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/04(木) 16:34:12 ID:SnVUvLbh0
だけどやっぱり最萌でもファリスには勝てない
443 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/04(木) 17:09:52 ID:iRMCqCMt0
さすがにラムザが元に戻ってしまったら、アグたん的には川で頭洗ってやるのが精一杯だろうな。 ワシャワシャワシャ アグ「ほ、ほれ、洗い終わったぞ。あ、後はすすぎ流すだけだな…」 ラム「ありがとうございますアグリアスさん。髪洗うのお上手なんですね、気持ちよかったぁ」 アグ「フン!お前も洗髪薬が目に入るとイヤだなどといつまでも子供みたいなことを…ホレこっちこい!」 照れ隠しなのか、アグリアスさんは僕の首根っこを引っ掴むと、 そのまま乱暴にゼイレキレの瀑布の中に僕の頭を突っ込んだ…
>>432 面白かった。キスで呪いが掛かったから、意中の者のキスで呪いが解ける、
とか糞設定だったら萎えてただろうけどw
アグリアスさんもショタですか。サヴァイヴのメノリもそうだったし。
凛々しい断定口調女性はショタに弱いのか…?
それじゃ、ペルソナ3の桐条美鶴も…なんて思ってしまった。
>>444 照れ隠しも過激なアグ姐いいな
とりあえずラムにはその後犬のようにプルプル頭を振って
それから上目遣いで苦情を言う姿に
アグ姐余計にドッキドキという展開を希望しておく
448 :
カテナツィオ :2006/05/04(木) 22:56:20 ID:/vy3dOo80
感想どうもです。 多弁氏には挿絵まで描いていただいちゃって。 >キスで呪いが掛かったから、意中の者のキスで呪いが解ける、 >とか糞設定だったら萎えてただろうけどw なるほど、それはステレオだw
449 :
444 :2006/05/04(木) 23:06:07 ID:VHKCp4jH0
>>447 ただゼイレキレの滝ぐらいになると普通に丸太や岩ぐらいバンバン落ちてくるだろうから、
>444の続きは、ラムザを滝から出したらドタマ血まみれラムザぐったり、アグたんパニックという流れに…w
アルマ「兄さんとお風呂、兄さんとお風呂。」 ラムザ「しょうがないな」 アグ「だ・・だめーーー!!兄妹でそんな倒錯!!」
賑やかだな… そろそろ昼寝士殿の新作を拝みたいもんだ
>>965 <<くそ、機体が悲鳴をあげてやがる>>
<<高度を下げる>>
<<誤爆したwブレイクブレイク!>>
>>453 を見て
「日本ブレイク工業」を歌いながら剛剣を打ちまくるメリアドール
という意味不明な電波を受信した。
雨は、もはや土砂降りの一歩手前となっていた。 街道を外れた森の中である。足もとは戦闘にはおよそ不向きであった。 おまけにこの雨。森の木々が天然の傘となってくれてはいるが、雨量はその防壁を突破 しつつあった。葉先に集まった水滴が、大きく重たい雨だれとなって降り注いでいる。 もっとも、力を削がれているのは襲撃者も同じこと。彼らはゴルターナ公配下の南天騎 士団と思われたが、思ったほどに大きな集団ではなかった。練度の高さに苦戦を強いられ たものの、今ではほぼ殲滅することに成功したた。幸いなことに、味方に深刻な被害は出 ていないようだ。 聖騎士アグリアスは、乱戦の中ではぐれた指揮官を捜して森の中を駈けていた。 重たい甲冑の隙間から雨が忍び込み、鎧下はたっぷり水を吸って肌に張り付いていた。 四肢の動きを妨げられる上に、容赦なく体温を奪ってゆく。せめて鎧と盾だけでも放り出 してゆければ、と埒もないことを夢想する。 風と雨音と擦れる木々のため、極端に聴覚は制限されていたが、アグリアスは奇跡的に その音を捕らえた。剣戟に間違いない。 「無事か、ラムザ──」 下生えをかき分け、斜面を降りた先で対峙していたのは、剣士ラムザと、敵小隊の指揮 官と思われる甲冑の戦士であった。
アグリアスは常々思っていた。 どうやらラムザは、将たる器ではない。もしも過去の不幸な出来事が無かったとしても、 武において勇名を馳せる名門ベオルブの家を継ぐことはなかったのではないか、と。 能力が足りないというわけではない。個人技においてもなかなかの腕前を見せるし、頭 も良い。兵法を学ばせれば、むしろ武芸よりも素養があるかもしれぬ。 しかし、彼には部下を駒として扱う非常さが、決定的に欠けているのであった。 善良な人間としてただ生きるだけなら、それは好ましいことだ。しかし、多くの人間を 束ねる主となるものであれば、命の価値をただ数のみで計るという呪いを甘受せねばなら ない。ラムザは優しき男であるが、多くの人間の命を預かるには柔弱に過ぎる。 だが、そうであればこそ、生まれも目的もばらばらな小集団をまとめるのには適任なの だろうと今では理解している。誰一人溢さぬ、というその覚悟があるからこそ、皆は彼に 命を預けることができるのだ。 だがその優しさは、時として味方のみならず、彼の命を奪わんとする敵にまで向けられ ることがある。その毅さを賞賛することもあるが、有り体に言って心配になることのほう が多かった。
打ち合っていた剣を弾き、ラムザはやや身を引いた。大きく肩で息をしており、青ざめ た顔は雨で濡れている。しかしアグリアスは僅かに違和感をおぼえた。……あれは、脂汗 ではないのだろうか? 「剣を引いて欲しい。あなたの部下は残らず斃れた。この戦いには、もう意味は無い」 フルプレートで身を固めた騎士は、冑のひさしを跳ね上げた。豊かな口ひげをたくわえ た、壮年の男の顔が現われる。 「意味のあるなしで戦っておるわけではない。私は与えられた任務を全うすべく戦ってい る」 ラムザの顔が歪んでいるのは、男の言葉への否定か。あるいは苦痛のためか。 「あなたの任務は既に失敗している。この上は命を永らえ、雪辱の機会を待つべきではな いか」 「部下の屍を前にして私が引くことなどできようか。この上は、彼らと私の名誉を守るこ とこそが我がつとめよ」 「馬鹿な……引き際を間違えたのが、そもそものあなたのミスではないか。たとえ恥辱に まみれようと死者の形見を持ち帰り、あなたと死者の家族、そして領民を守るという義務 を果たすべきだ」 騎士は苦笑した。 「年齢に見合わぬ剣技。なみなみならぬ死地を潜ってきたのであろうな。貴公の情け、ま ことにかたじけなきことと思う」 「ならば」 ぐらぐらとラムザの上体が揺れている。やはり、体調が悪いのではないか。 男は静かな目で、首を振った。 「だが、我がブライトブレイド家の名を汚すわけにはゆかぬ。貴公には、せめて道連れに なって貰おう」
「なぜ分からないッ。家名などより大切なものがあるだろう!」 「笑止」 騎士は薔薇模様の打ち出された盾を正面に構えた。右手を引き、剣を盾に添えて腰を落 とす。 「剣に生き、剣に死するが我が誇り。貴公も騎士ならばわきまえられよ」 ラムザは怒りに歯を食いしばり、盾を放り出して両手で剣を構えた。 アグリアスは無言で彼を追い越し前に出ようとしたが、拒絶を受けた。 「来ないでくださいッ。彼の相手は僕がします」 「だがラムザ、あなたは体調が……」 「僕が……大丈夫だと言っています。信じてください」 従うかどうか迷った。迷っているうちに、ラムザはアグリアスを振り切るように走り出 す。 「僕は騎士でも貴族でも無い、剣士ラムザだ!」 「我が名はスターム! 異端者ラムザよ、その命貰い受ける!」 騎士も雄叫びをあげて突撃し、ラムザと激突する。 勝負はただ一撃のみであっけなく終わり、騎士の剣は持ち主の手より離れ落ち、ラムザ の剣は騎士の脇下より鎧の合わせの中に潜り込んでいた。 アグリアスが追いつく頃には、ラムザは剣を放り出し、天を仰いで呪いの言葉を吐いて いた。アグリアスがそっと触れると、ラムザの体が小刻みに震えている。 手甲と手袋を外して、ラムザの濡れた額に押し当ててみた。予想通りの熱を感じ、アグ リアスは小さく「馬鹿ね」と呟いた。 ラムザは、何も答えなかった。
村に一人しかいないという老医者は、 「たちの悪い風邪のようじゃな。飯を食わせず、寒いところに放置すれば死ぬかもしれん」 およそ医者らしく無い捨て台詞を置いて帰っていった。 戦争で家族を亡くしたのかもしれないし、傭兵が狼藉を働いていったのかもしれない。 一目で流れ者と分かる集団が歓迎されることなどまれなので、貴重な薬を出して貰えただ けでも感謝すべきだった。 宿屋の二階で、ラムザは布団にくるまり、熱に浮かされていた。 医者を見送った後、戸口から様子を覗こうとするアリシアとラヴィアンを追いやって、 アグリアスはラムザの部屋に戻った。手には、林檎が2個と、ナイフとお皿の入ったバス ケット。そしてお茶のセット。 「眠った?」 「いえ……起きてますよ、まだ」 そう、と答えてアグリアスは寝台の隣の机に皿を起き、椅子に座ると黙って林檎をむき 始めた。意外に達者なその手つきに、ラムザは(失礼ながら)感心した。 「上手ですね、林檎をむくの」 「そうかしら? まあこれでもいちおう、ひととおりの家事は躾けられたから」 「貴族なのにですか?」 「そんなに大きな家では無かったし、やっぱり女の仕事ってあるものよ」 ナイフを滑らせながら、ラムザの家の事情を思い出す。そういえば、ベオルブ家には自 分より小さな妹しか女はいなかったのだ。奥向きの仕事は、みな執事とメイド達が取り仕 切っていたのだろう。社交界に出る間も無く戦乱に巻き込まれ、もはや彼はもとの暮らし に戻ることは叶わない。
兎の形にされた大量の林檎達が皿に並べられてゆくのを、ラムザは苦笑を押し殺して見 守っている。 「食欲無いかもしれないけど、とりあえず食べられるだけ食べて。もう一眠りしたら、今 度は麦粥を作ってもらうから」 「はい。頂きます」 ラムザはゆっくりと林檎を口に運んだ。アグリアスもご相伴に与る。 部屋の中に響くのは、林檎を咀嚼する音と、屋根を叩く雨音のみ。 しばらくして、ラムザがぼそりと呟いた。 「誇りって」 アグリアスが顔を上げる。 「そんなに大事なものですかね」 先だっての戦いで命を落とした騎士のことに、わだかまりを感じているのだろうと察し た。 「そうね」 たぶん、その先の話があるのだろう。言葉少なに相槌を打つ。 「誇りがあるものが人間で、そうでないものは人間ではない……と言ったら?」 なんだか思いもかけない話になりそうだった。アグリアスはいささか慌てながら、ラム ザを制した。 「……ちょっと待って。話が飛躍しすぎている」 「すみません」
にわかに激しさを増した雨が屋根を打つ。ラムザと二人、アグリアスはぼんやりと天井 を見上げた。口を開かぬラムザにため息をつく。 「話したいなら聞いてあげる。聞かれたくないなら、私は隣に移るから少し眠りなさい。 どうする?」 「そうですね……」 少し翳りのある笑顔で、ラムザは答えた。 「やっぱり、アグリアスさんの意見を聞いてみたいです。少し長くなりますが、いいです か?」 アグリアスは頷いた。 「じゃあ、お茶を淹れ直しましょう。熱いのをね」 そして、ラムザの昔語りが始まった。
骸旅団とラムザの関わりについては、それまでにも断片的に聞いていた。 謎の騎士ウィーグラフ。その妹のミルウーダ。没落貴族の子弟アルガス・サダルファス。 そして兄弟同然に育ったという、ディリータ・ハイラルとティータ・ハイラル兄妹。ラム ザにとって戦乱の始まりとなる物語の主役達だ。 それは剣士ミルウーダと邂逅し、彼女を断罪できず見逃すこととなった夜の出来事だっ た。イグーロス城の居室にて、夜更けてラムザの部屋の扉を叩くものがあったのだ。 「ラムザ。話がある」 ラムザは緊張した。声は聞き覚えのあるものだった。扉を開けると、案の定そこにいた のはアルガスだった。暇つぶしに冗談を言いに来た、という表情ではなかった。 「いいよ。僕も君と話したかった」 部屋の中に誘う。 「……そこの椅子にかけてよ」 言われた通りに椅子に腰掛け、アルガスは物珍しそうにラムザの部屋を見回した。 「贅沢な部屋だな。さすがベオルブだ」 「まさか、世間話をしに来たのかい?」 アルガスは肩をすくめた。 「手厳しいな。もっとも、俺の話の後ではもっと機嫌が悪くなるかもしれないが。お前の 話ってのは?」 「たぶん、君と同じだ」 「そうか……そうだろうな」 アルガスは表情を改めた。 覚悟を決めるかのようにわずかな間を置いて、よどみなく言った。 「ラムザ。ディリータに心を許すな。あいつはいずれ敵となる」
ラムザはほとんど自動的に行動していた。つまり、アルガスの襟首を掴んで絞り上げて いたのだった。 激高するラムザに対し、この反応を予想していたのかアルガスは冷静だった。 「ディリータは親友だ。彼を侮辱するのは許さないッ」 「分かっているさ。俺はディリータを侮辱しているわけじゃあない。手を離せ。話がし辛 い」 ラムザは苦労してこわばった右手を引き離した。まるで、自分の自由にならない手だっ た。アルガスの体から離れた右手は、拳をつくって微かに震えていた。 「感謝する、ラムザ」 「感謝なんかいらない。さっきの言葉の理由を説明してよ」 「ああ、もちろんだ。お前も座れ」 アルガスは椅子に座り、一度だけ深呼吸をした。 「ディリータの能力は俺も評価している。あいつは頭が切れる。剣も馬も上手い」 ラムザは黙って首肯した。ディリータへの賛辞は、まるで我が事のようにラムザには喜 ばしく思える。 「加えて、カリスマもある。俺とは馴染まんが……あいつはいいヤツだ。それは理解して いるつもりだ」 熱心に頷くラムザ。 しかし、アルガスの表情は硬いままだ。 「だからこそだ、ラムザ。あいつと俺たちは相容れない。力があると認めるからこそ、用 心すべきだと言っているんだ」 ラムザは激しく首を振った。 「君の言うことはわからない。ディリータは人を裏切るような奴じゃないよ。どうしてそ んなことを言うんだ?」 「ラムザ……あいつは平民だ。俺達とは違う」 ラムザの瞳に炎が点る。 「アルガス、それ以上言うな。僕は君のそういう考え方は嫌いだ」 だが、アルガスは引かない。彼も、彼なりの決意を持ってこの部屋を訪れている。
「気に入らないなら殴ったっていいんだぜ。それでお前の考えが改まるなら安いもんさ。 いいかラムザ、家畜と平等の関係を築けるなどと思うな。それはお前の奢りというものだ」 「黙れッ!」 ラムザは必死の思いで自制する。殴っては駄目だ。言葉で語り、彼の真意を汲み取って 正しく判断しなくては。 「黙れ、黙れ、黙れ! ディリータが家畜だと!? 貴族と平民とで何が違うと言うんだ! どちらも同じ人間じゃないかッ」 「『同じ人間』などと言うのが奢りなんだよッ。貴族の青い血と平民とでは生まれが違う! 神は、王と臣に神に替わって地と民を治めよとおおせられた。だから、平民どもにはす がる神などいないのだッ。いるとすれば、それは俺たち貴族のことだ!」 「青い血とは何だッ。僕も君も血は赤い! ディリータと僕らは何も違わない!」 「……ラムザ、青い血とは誇りのことだ。誇りあるものだけが人間なんだ!」 ラムザは反論しようとして、言葉に詰まる。 「人間と家畜を分ける条件は、真の誇りを持つか否かだ。平民どもは誇りを知らぬ。お前 も知っているだろう。奴らは柵に囲われ危険から遠ざけられながら、ただ口を開いて餌を ねだるだけの怠惰なブタだッ。国と国との争いから、危険な怪物や野盗から守ってやって いるのは俺たち貴族だ! だが奴らは、柵の外がどんなに危険かも知らず、飯が少ない自 由が無いと文句ばかりだ。もっと餌が欲しいなら、自由が無いというなら、庇護者の施し を受けずに野の獣の自由を得れば良いではないか! だが奴らは狼の自由、狼の誇りは選 ばない。奴らの魂は汚れ、腐っているからだ!」 この圧倒的な怒りは何だ。何が彼を駆り立てているのか。 「……アルガス、君の故郷で何があったんだ?」 アルガスは、激高している自分に初めて気付き、恥じるように顔を背けた。 「今は言えない。……すまん、ちょっと頭を冷やすよ」 アルガスの差別主義には、何か原因があるらしい。そう悟ったが、今の彼にかける言葉 は思いつくことができなかった。
「なあラムザ。確かに俺たちと平民の体を見比べてみても、何も違いなんかないよ」 「アルガス、だったら……」 「違うのは精神だ。俺たち貴族は支配する側の人間だ。対して平民は、支配されるものと 生まれた時から決まっている。平民はそう生まれたからには、一生頭を下げて生き続けな ければならないんだ。晴れて天を仰ぐ自由の無いものに、真の誇りは育たない。人として の誇りを持たないものは、人ではないんだ」 「自由が無いのが、彼らの責任なのかい? 違うだろう!」 「いや、そうなのさ。俺やお前が貴族に生まれついたのは、俺やお前の魂にその資格があ ったからだ。ディリータが力を持ちながら貴族でないのは、やはり生まれる前にその価値 無しと判断されたからだ」 「……そんなの、誰が決めてるって言うんだ……」 「決まってるだろ。それこそ神様さ。この世界のルールは神が作りたもうたものだ」 「……!」 絶望的な気分だった。 アルガスは間違っている。しかし、ラムザには彼の間違いを指摘することも、その考え 方を撤回させることもできないのだった。 「ディリータは……あいつは確かに、家畜のままで収まる器では無いさ。あれは狼だ。奴 はきっと、柵の内側にいるものに牙を剥く。敵に回したくはないが、あいつが貴族でない 以上は、いずれ敵対せざるを得ない。」 ラムザはかぶりを振った。 「アルガス、ディリータは敵なんかじゃない。そうは思えないよ」 「いいや。それが運命というものだ」
気がつけば、お茶はすっかり温くなっている。 「彼は言いました。平民は誇りを得ること叶わず、誇り無きものは人間ですらない」 ラムザは熱っぽい目でアグリアスを見つめた。 「あなたはどう思いますか、アグリアスさん」 聖騎士は長いため息をついた。少しの間瞑目し、思考を整理する。 「そうね。一部は同意する。確かに、誇り無きものは人とは呼べない」 ラムザの表情が険しく変わるのを見て、アグリアスは苦笑した。 「ラムザ」 少年は顔を上げた。アグリアスの声は穏やかで、しかし何か大切なことを告げようとし ているのだということは理解できた。ラムザは居住まいを正した。 「これはあくまで、私がそう思うというだけのことだけど」 「……はい」 雨音が遠くなった。部屋が静寂に包まれる。 「誇りというのは、引かぬ事、跪かぬこと、勝利を得る事……では、ない」 ラムザの両手が握り拳を作っているのに気付いた。微笑ましい、と思うのは彼に対する 侮辱であろうか。 「誇りというのは、理想を持つこと。そうありたいと思う己の姿に近づくために努力し、 またその己を曲げずに守ること、だと思う」 ゆっくりと。ラムザの顔に理解の色が広まる。
「誇りの有り様は、一つではない。剣士アルガスの誇りが不跪であるというなら、それは 尊重されねばならない。彼が、高きを目指したことを否定してはいけない。騎士スターム の誇りが勝利であるなら、それも尊重しなくては。でも、私の誇りは彼らのものとは別物 だわ」 ラムザが頷く。 「例えば、パンを焼くもの。例えば、鉄を打つもの。畑を耕すものも、学問を志すものも。 理想を持ちそれに近づこうとするなら、彼らは誇りを持つものであると思う。ただ生命財 産を守るだけであれば、確かに野の獣と変わらない。でも、自分の命を守るだけでは足り ず、自分の為すことに価値を見いだすことがあるなら、それは人間にしかできない、人間 らしいことだと思う」 「……はい」 たぶん、そのときラムザは救われたのだ。ミルウーダの、ティータの死を止めることが 出来なかったことを。彼女達の理不尽な死に際し、彼女たちがいたずらに生命を奪われる べきではない理由を何一つ反論できなかったことを。ラムザはずっと、悔やみ、憤ってい たのだった。 「私は虹を追いかけている。それに到るには遙か遠く、道は果てない。でも私にとってそ れはとても美しく価値あるものだから、あきらめない。それが私の誇り」 「……はい」 もちろんラムザは知っている。彼女の虹がいまどのような境遇にいるのか。それが彼女 にとってどんなに大切なものなのか。
アグリアスは、ラムザの真正面に向き直り、背筋を伸ばして膝の上で手を組んだ。 「ラムザ・ルグリアに問う。汝、誇りあるものなりや?」 ラムザはアグリアスの蒼い瞳を見つめ返し、 「はい」 重々しく頷いた。 アグリアスは、満足そうに笑っていた。 アグリアスは、机の上の茶器や皿を片付け始めた。 「そろそろ休んだほうがいいわ。少し熱も上がってきたみたい」 言われるままに、ラムザはおとなしく彼女の言に従い、布団の中に体を埋める。 ランプの火を消すと、部屋は雨の午後の暗がりに沈んだ。 ラムザはすぐにうとうとし始めた。だから、アグリアスのひんやりとした手が汗ばんだ 髪をかき上げたのが、はたして現実のことだったかどうか定かではない。もちろん、その 次の瞬間のことも、残念ながら明確な記憶はなかった。 「おやすみ」 甘い感触を少年の額に残して、聖騎士は去った。
ラムザは夢を見た。それは、アルガス・サダルファスとの対話の続きである。 ようやく思い出した。とうの昔に、ラムザの誇りがどのようなものであるかアルガスは 指摘していたのだった。今の今まで忘れていたなんて、なんと愚かなことか。 「アルガス、ディリータは敵なんかじゃない。そうは思えないよ」 「いいや。それが運命というものだ」 ラムザは唇を噛んだ。一瞬目を伏せ、不吉な未来の予言に思いを馳せる。 だが、ラムザにできることはただ一つしかない。ディリータを裏切り、また裏切られる ことなど到底許容できることでは無いのだ。ならば。 「もしもディリータと争わなくてはならない時が来るのだとしたら。その抗いがたい運命 こそが、僕の敵だ。僕は運命と戦うよ」 おそらくラムザを翻意させることはかなわぬのだと、アルガスは悟った。ディリータを 敵としたくないというのは偽らざる本音である。そしてまた、アルガスの敵となるのはデ ィリータだけではないのだ。それが運命というものか。 失望と諦めとほんの少しの賞賛を込めて、アルガスは言った。 「それがお前の誇りなのだな、ラムザ」 『誇り』END
GJ! 竜槍懐かすぃ…(*´Д`)
スレの皆さんお久しぶりです。 なんだかちょっと最近のスレの流行とはまるきりかけ離れた 感じですが・・・まあたまにはってことで。 今回SSに出ない男・アルガスネタで責めてみました。 ご笑覧くださいw
このスレに触発されて久々のFFTをやっている。 とりあえずミル姐さんにボッコボコにされましたよ。 もうすぐアグリアスがゲストになるのでがんばってみよう。
スゴイィーーーー(・∀・)−−−ッ!
>>455-469 もみもみ士さんのSSグッジョヴィアーーーーンッ!!!
なんか凄い人たちがアグたんに燃えてんなーーーwっうぇwwwwwwwよ杉!!
うほっ
アルガスがただの嫌な貴族じゃないのはいい。 ゲーム上のキャラとも大きく剥離してないので、裏ではこんな事考えてたんだなと思わされる。 これぞ二次創作! それより何より、お姉さんなアグは大好物なのでもっと書いてくれ
スターム・・・ここでも死に役かorz
SSラッシュは嬉しいのだが前々スレのようにdat落ちしないか不安…
dat落ちして何か問題でもあるのか?
>>478 次スレが立つ前にdat落ち は厳しい
俺の中のアグ成分が薄くなる
ならば私が護ってみせる!
ラムザは貴族として童貞はかっこ悪いとさんざん兄貴どもに言われてたため 無理やり風俗に押し込まれそうになります。
>>483 ダイスダーグは道童貞かと思ってたんだが
>>484 『聖剣技が使える香具師は処女or童貞説』を支持してるんで同意しとく
アグリアスさんが敵騎士のアーマーブレイクを喰らってしまった! 僕は血相変えて加勢に駆けつけた。 だがそこで見たものは… アグリアスさんの胸からこぼれ落ちたあんパンとメロンパン。 僕同様に驚いて硬直したままの敵をアグリアスさんはあっという間に切り伏せた。 そして顔を伏せたままアグリアスさんは呟いた。 「ラムザ、どっちを食べる…?」 「じゃあ、メロンパンを…」 詰め物が無くなったというのに、それでもアグリアスさんのおっぱいはおっきいままだった。
童貞なのに聖剣技が使えなかった哀愁のイズルード伝 イズルードは一人エッチの猛者!ナゼならナイトブレード! 説明しよう。ナイトは騎士ではなく夜を指す。ブレードは己のイチモツを指す! ナイトブレードをかざして今宵もシコッていた奴だが、何か虚しい…。 オーボンヌ修道院からさらったアルマをマラークと名乗る魔道士に奪われ、自らも囚われ…。 イズルード「あーぁ…!なんかイヤンなっちゃうぜ…。マズイ飯で精力減退するっての…。 ラムザのヤローにはイズルードはズルイーッど♪とか罵られて負けッちまうし…、 ディリータの奴はウィーグラフ師事の下、聖剣技を会得するし…、 そーいやミルウー何たらの仇敵がどーのって、師弟でありながらいがみ合ってたな…。 まぁ、いいか…。奴ら過去を語りたがらない性分だったもんなぁ…。 …姉ちゃんは剛剣の使い手だってのに俺は…。クソッ! どーしてマラークからさえ逃げきれねーんだよ…、ハァ…」 看守「命令だっ!!出ろッ!!」 イズ「どーゆーことだ?オーボンヌ修道院前で瀕死だったウィーグラフがピンピンしてる。 親父もある時期から人が変わったように教皇をそそのかして暗躍活動を始めるし…。 何がッ新生ゾディアックブレイブだ?痛ッ!!本気で殴りやがった、親父のヤツ…」 ヴォルマルフから変身した統制者「フフフ…、パリンテンめ、逃げおって。残りはお前だけだな」 イズ「すべて…。すべてお前の仕業だったのかッ!!親父をどーしたッ?! ウォォォオォォォオォーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!」 聖剣技が出たッ!?だが、奴には致命の一撃ではないらしい…。クソッ! グワァッ!!いてぇっ!!もう…力がはい…ら…、ねぇ…。。 毎日シコりまくった我がブレードを試す機会なく童貞で…、む…、無念じゃぁぁ…」 お?!アルマが来た!ここは格好つけしとくか…。アルマとは触れあえたけど、 アグたんとも絡みたかったなぁ…」 ガクッ!ッツーッツーッツーッツーッツーッツーッツーッツーッツーー… −一巻のおしまい−
ホント… ナニをどう間違ったらマラークに捕まるなんて事になるんだ…>イズルード
>488 きっとカエルが苦手だったんだよ
>>486 それは「詰め物」ではなく、ラムザのために
胸で暖めていたんだよ!!!
多分
む・・・ぬくい 猿、貴様尻に敷いていたな!
>489 拙者カエルだけは苦手でござるよ!ニンニン。
>>492 お姉ちゃん、少年漫画板に帰りましょうね
ねえ、あの最後の戦いの後、結局みんなどうなったんだろう? 次元違う所にいたんだよね? もしみんな助かったとしたら、どうやって? 助かったとしても…その後は?解散したのかな? アグさんは…どうしたんだろう?別れたんだろうか?
>>494 みんなでまとまって行くと見つかりやすいから、分散して帰ったんだよ、キット
ファーラム・・・
家に帰るまでが異端者ですから。 それ以後はSSまとめサイトや千夜一夜を参照のこと。
ここは脳内補完スレなんだから、自由に想像すればいい
ヒント:FF7の世界にクラウド帰還する
とりあえずアグたん1位おめ
501 :
多弁士 :2006/05/06(土) 00:38:49 ID:kjaoX+q30
おばんです。
遅レスですが
>>469 もみもみ士さん、gjであります!
イデオロギー剥き出しのアルガス最高にCOOL。勃起。
384より続き、投下さしていただきます
前回までのあらすじ イズルード「姉さん!この多弁士という男、また姉さんを書かないつもりか!?」 メリアドール「そうなったら剛剣で粉々にするまでよ」 ******* お初にお目にかかる。 私の名はオーラン・デュライ。この学校の庶務課で働くいち公務員である。 学内の財務管理や書類整理をこなしながら、集会やPTA会議の書記も担当している。 しかし、私には真の使命があった。 それはこの学校で繰り広げられた様々な歴史を、あますことなく後世に伝えることだ。 故にどんな些末事でも見落とすまいと、暇を見つけては学内で情報収集に明け暮れている。 前置きが長くなってすまない。 今回は、体育祭を前にしてクラスの様相が激変した2年C組と、 その変化の中心人物となった、一人の学生と教育実習生の関係の動向について ある日の出来事を通して報告したいと思う。 臨場感たっぷりでシーン再現もしてみせよう。え?あ、そう。いらないか。
昨夜2人の小悪魔からこってりと搾られたアグリアスは、自覚してしまった ラムザへの想いを持て余し、とうとう一睡もままならずに朝を迎えてしまう。 その端正な顔に不似合いな目の下のクマを、薄化粧で精一杯ごまかしながら彼女は登校した。 初めての恋愛である。まして前日に無自覚のうちに彼を傷つけたばかりとの引け目もあって、 彼女はいかにラムザと接してよいかまるで見当がつかなかった。 間の悪いことに、ラムザはラムザで問題を抱えていた。昨夜の兄ダイスダーグとの確執である。 いち早く、何としてもアグリアスに謝罪し、心のつかえを取りたいラムザであったのだが 肝心のアグリアスの現状は、とてもラムザとの正常な会話に耐えうるものではない。 いや、正しくは彼女の中の「乙女」が、それを阻んでいたのだ。 先日の朝会の時とは逆に、ラムザがアグリアスに視線をなげかけるたび 今度はアグリアスが赤面して目をそらすのであった。
さらに状況は悪化する。 朝会の中で、「自分はもはや受け入れられない」のだと誤解に先走ってしまったラムザは、 アグリアスとの接触については諦め、自らに課した使命の達成に全神経を注ぐことを 早々に決めてしまうのである。 少年特有の天の邪鬼であったのだろう。ラムザの強がりは、増々彼女との距離を遠ざけた。 ホームルームの時間を利用し、ラムザはまずクラス全体に呼びかける。 「いよいよ今年の体育祭が迫ってきたけど・・・みんな、優勝したくはないか!?」 ふだん温厚である彼の、その勇ましい豹変ぶりに、クラス一同は戸惑った。 「優勝?」 「疲れるなぁ」 「落ち着けよ」等々、思い思いの言葉がラムザに飛ぶ。 しかし、ベオルブ家ゆずりの卓越したプロパガンダ誘導と、彼の人柄とが相乗効果を成し クラスの同級生たちはやがて、およそ気をよくして彼の話に耳をかたむけた。 一方のアグリアスは、教壇に立って熱弁をふるうラムザを直視できずにいた。 彼の突然の変貌に対して普段の冷静な分析もかなわず、ただ間近に立つラムザの姿に おろおろと視線を泳がすだけであった。 おまけに不運が重なる。このラムザの行動はミルウーダ先生の好感を得るに至り、 彼女は必要もないのにラムザに肉薄し、肩に手を回して共にクラスに檄を飛ばした。 その光景に完全に平常心を欠いたアグリアス。
ホームルームが終わる頃には、彼女は今にも泣きそうな顔をして 授業終了のチャイムが鳴るや否や大急ぎで教室を飛び出してしまう。 かくて、後に『希代のすれ違い』とまで称された、2人の不幸な一日が過ぎた。 ・・・この一件は、我が校の歴史を彩る様々な恋愛譚のなかでも ひときわ異彩を放つ「或る教師と教え子の恋」の一節として記録されている。 初夏の日差しの下、このもどかしい2人の関係は周囲を巻き込んでボルテージを高め、 体育祭と交差して華々しく結実するのであるが、それは少し先の話だ。 え、どうやって見てたって? それは言えないな。教えたら私はお世話になっているオルランドゥ伯父さんに追い出されてしまう。 いや、あの、決して盗撮とかではなくて。
******** 見てられねえよ! いったい今日のホームルームは何だ! アグリアス先生もラムザも、明らかにお互いを避けてる。 マラークが妹さんから聞いた話によりゃあ、どうもアグリアス先生が一年の女子数名に 恋の相談をしたとかいう噂があるそうだが、先生の方の理由はそれみたい。 まぁ、あの人のことだ。相談っていうよりはバレて玩具にされたと見るのが妥当だろう。 それよりもラムザだ。兄弟喧嘩か何か知らないけど、なに面倒なことを! ・・・どうせまた、ダイスダーグ先生に私生活を注意されたんだろうが、どうもヤケになってるな。 ったく、こっちが気を使って体育祭にサブライズを用意してやってるってのに。 今、お前が素直にならなくてどうするんだ、っていう話。 放課後、俺はマラークと合議した。 昨日こいつが言っていた、あの2人を急接近させるための作戦。 決行を急がなくちゃならない。失敗は許されない。 同様の結論に至り、俺達は「奴」が放課後の会議を終えるのを待った。
最近、こいつと話すのは少しばかり勇気がいる。 秋の生徒会役員選挙を見越して、常にぴりぴりした空気を放っている ラムザの古くからの友人・・・ディリータだ。 「で?早く話せよムスタディオ。下らない話なら帰るからな」 うぉー、おっかね。 放課後の夕日を浴びて、オレンジの光を反射する 広いディリータの額・・・なんて口に出したらぶっ飛ばされるな、確実に。 あと額については俺も敏感なので、イーブンってことで。 ディリータと、その隣にいる実行委員副会長・バルマウフラの冷ややかな視線が刺さる。 くそー。なんだよお前らできてんのかよ。 「まぁまぁ。あー、うほん。 体育祭実行委員長のお前を見込んで、頼みがあるんだ。 ・・・って何で帰ろうとすんだよ!」 「目に見えて下らない話じゃねーか」 友達甲斐のねー奴! 隣のマラークも必死になって食い下がる。頼むぜ立案者。
「な、なあ。体育祭の競技で、ひとつ面白そうなのを思いついたんだよ。 それで、そいつを何とかプログラムに入れてもらえないかなって思って」 そう言ったマラークを、さらに凄みを聞かせて睨むディリータ。だから怖いって。 「そういう話は委員会に加入してからしろよ。 まあ、よしんば今更入ったところで、もうプログラムは決まってるからな」 げ、マジかよ。 「で、気はすんだか?俺もう帰るからな」 「まだ仕事が残ってるんだから…。行くわよ、ディリータ」 あー、ほんとに帰っちゃうよこの人たち。 しょうがねぇ、こいつに話すのは気が引けるし、通用するかどうか解らないが・・・ 「ラムザのためなんだよ」 ふと、ディリータが足を止める。お、利いたか? 「ラムザがどうしたって? ・・・いや、別にあいつに義理立てることもないが」 冷てぇ。それでも幼なじみか。くそー、これなら。 「・・・ラムザの恋の成就の正否がかかってるんだ」
猛烈な勢いで振り返るディリータ。やった、食いついた! 「恋!?あいつがか!あの朴念仁が!!」 ・・・あ、すごい楽しそうな目。 こいつのこんな顔見たの、いつ位ぶりだろうな。 「悪い、バルマウフラ。先帰っててくれ。纏めた書類は明日見せてくれればいい」 この女、美人なくせに無口で怖いんだよな。 ほら今も、露骨に俺らのこと睨んでる。うわー、なになに。嫉妬か。 「・・・ご勝手にっ!」 しばし不服そうにこっちを見たあと、そう言ってバルマウフラは席を外した。 へへへ、悪い。こっからは男同士の会話だからなっ。 「で、おい。相手は誰なんだ。早く教えろ」 急に親しげになって俺の肩に腕を回すディリータ。いやむしろ怖いんすけど。 「お、おお。いいか、他言無用だからな」 「わかってる。誰だ」 「・・・教育実習の・・・」 「アグリアスか!あの無愛想な鉄の女!・・・っへぇ〜、マジかよ。とんだ凸凹カップルだな!」 さらりと酷いこと言うなお前は。 「あいつも案外面食いなんだな・・・むぅ、でもお似合いかも・・・」 そう言ったきり、ディリータは黙りこんだ。
本当に楽しそうな目をしてるなぁ。
きっとガキの頃、ラムザと何かして遊ぶときは、こんな顔してたんだろう。
俺とラムザとの出会いは中学からで、そのとき既にこいつらはツーカーの仲、親友同士だった。
今にして思えば、よく俺らの入り込む余地があったな、って感じ。
でもそれって、ラムザが変わったからなのか、こいつが変わったのか・・・
春休み直前に起きた「あの出来事」は、いまだにディリータの生活に影を落としている。
・・・まあ、今は妙な詮索はよそう。
しばらくして、キッとこっちを見てディリータは言った。
「わかった。面白そうだ、無理を通してやる」
おお。なんて気っ風のよさ。
「へへ、お前が会長に立候補するときは根回ししてやるからな」
「ふん、余計な気を回すな。・・・で?その競技ってのは?」
時は体育祭へ向けて動き始めている。
待ってろよラムザ、・・・・そして、先生も。
ttp://fft-up.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/img/img-box/img20060506010616.jpg
ちょwwwwwwwwマジGJだしwwwwwwwwww アグは相変わらず可愛いがバルマフラの顔がマジ良い!!!
512 :
以上、多弁士 :2006/05/06(土) 01:12:21 ID:kjaoX+q30
・反省
>オーランは同級生のほうがよかった気がする
>ディリータの過去、
>>231 氏提唱の設定とずれそう
>バルマウフラをツンデレにする必要は果たしてあったのか
お目汚し失礼いたしました。
本当にディリータっぽくてワロスwwwwww これからも頑張ってくれ、応援してるよ
バルマウフラは一部ファンには根強い人気なんだよな。
親友ですら利用するのねっ☆
>>471 GJ。俺の中のアグリアス像はやはり断定口調なので、
アグリアスというよりメリアドールという感じがしたな。
勝手にキャスト変更して読んでましたw
>>512 GJ!
>ディリータの過去、
>>231 氏提唱の設定とずれそう
いやいや、設定変わったって気になんないスよ
>オーランは同級生のほうがよかった気がする
しかしオーランが同級生だったら年齢差的にどうかと思ったりw
>バルマウフラをツンデレにする必要は果たしてあったのか
むしろツンデレでないバルマウフラなぞバルマウフラでは(ry
マジGJですだっ!!!(゚ ∀゚ )oh!!イェーーーーーーーース!! 体育祭でラムザとアグたんくっつく展開が待ち遠しー!wwwww
いっぱいssがきてるじゃないか。不器用アグもお姉さんアグもおいしくいただきましたwww 職人さんたちGJ!
ああ、しまったw投下するものを間違えた;; 今落とすから待ってくれ。 “ラムザの寝顔を微笑みながら見ているアグたんの絵”を。
>>520 日本に完全アルテマをラーニングした者がいたか
なぁ…絵のデータがどこにいったかなんてわからない…よな。 ぬるぽ
>>524 ガッ
作成日とかで検索かけたら見つからないかな?
>>497 >家に帰るまでが異端者ですから
ちょwそんな遠足みたいな言い方ワロスw
>>512 多弁士GJです!
冒頭の前回までのあらすじから吹いてしまいますたw
あらすじになってるようななってないようなw
イズルードは自分は出なくとも姉さんは出してほしいのか。
他の人が設定したキャラなのに、そのキャラを使っての話の組み方が上手いですね。
とにかくシリアスとギャグの加減が(・∀・)イイ!!
ちょっと野暮ったい褒め方だね
写真 ラムザの寝顔・・・500円 ラムザの裸(風呂)・・・1000円 販売してるのはもちろんムスタディオ
女性職員用更衣室の片隅に落ちていた血まみれのラムザの風呂写真。 ここから導き出される答は一つ…ッ!
写真より実物で開通した方がいいと思うよアグたん
ラヴィ「あら? 隊長の荷物からラムザさんの写真が」 アグ「そ、それは!!」 アリ「今更隠すことないじゃないですか。でもこの写真、いやにシミがついてるわね」
533 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/07(日) 02:12:56 ID:Cxd6405X0
いけない性剣技じゃないのかw
こんなに愛のある萌スレを他にしらん
ここまで職人に恵まれたスレって そうそうないだろうな。
キャラスレとしては屈指の伸びだよね 上には上があるのも事実だけど
特にここ最近の伸びは、質・量ともにすばらしいな。
>>532 見た瞬間PCがフリーズした件について
>>537 フリーズしたのは喪舞のPCではなく喪舞自身だろうw
保守アグ
色々とアグさんを保守してるのはラヴィ・アリ
息子&娘「♪アイちゃんは〜タロウの嫁に〜な〜る〜」 アグ「なんなのそれ!」 息子「東洋の歌だって」 アグ「妙な歌歌うんじゃありません!」 息子「……お姉ちゃん、どうしていけないの?」 娘 「きっと名前がいけないんだよ。お父さんとお母さんの名前にすればいい」 息子「そうか」 息子&娘「♪アグちゃんは〜ラムザの〜嫁にな〜る〜」 アグ「ちょっ!!」 ラム「子供のやることじゃないですか……」
あぐたんのぱんつ。
サラシとフンドシだけで荒波打ち寄せる岸壁にふんぞり返っていただきたい。 アグ「この海峡の向こうにロマンダが…ッ!」 機械の発達した呂国にあるというウォシュレットなる新型の厠。 アグリアスは未知なる物への期待と興奮に打ち震えていた。
ウォシュレットのビデに快感を覚えるアグリアスさん
ロマンダをくちマンだっ!!と呼び、電動ちむぽのバイブ&クネクネに思いを馳せ、 ラムザ愛用のダッチ枕(アルマに似てる160cmの人形クッション)に嫉妬するアグたん! そして…、便座に馬乗りにまたいで、 ウォシュレットの水がお尻ではなくクリト(ryに当たるようにして…。 何度もそういう妄想を反芻していたのだったのだった…。(アグたんかスレ住人がかはミステリー 歴史学者アラヅラム・D♪
アラヅラ・・・ヅラ・・・ヅラ・・・・! ムスタディオ!貴様許さん!!
ラムザ「この戦いが終わったら解散ね、解散。行くぞアルマ!イヴァリース大陸を出るんだ!!」
アルマドール「いきましょう 兄さん!」 アグ「フュージョン!? その手があったか!」
アグリアス 「いまさら疑うものか!お前を信じること、それが私のジャスティス!」 ラムザ 「ルカヴィの仕業だ!」
絵ーが どこかに消えたー 原本もーどこかに消えたー せっかく描いたのにー せっかく描いたのにー ぬるぽおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
もう描く気を失ったから、このコテだれかにあげる。 誰も要らないだろうけどwwwwww ・「B」は、ボマー(爆撃機) ・「181」は、18と1に分解。あるアルファベットの順番を示す。 18番目は「R」、1番目は「A」。 ・「Stork」は、コウノトリ。 爆撃機は落とすのが仕事。 Rはラムザ、Aはアグたん。合わさって結○。 んで、コウノトリ。 後はわかるな? どうでもいい書き込みすまない。 むしゃくしゃして書いた。後悔なんか…できるかーーーーーーー! orz
>>551 とりあえずイ`。
で、もしまた絵を描きたくなるようなことがあったらその時は描いてくれ。
>>552 慰めてくれてありがとう(つω・)
てっきり「くだらんこと書くな」とか叩かれるのを予想してたから、余計に嬉しい。
落ち着いたらまた描いてみるよ。
ノシ
FF・DQ関連のキャラスレではここが一番伸びてるみたいね
なにしろアグリアス様だからな!
557 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/08(月) 22:24:38 ID:O9oqL/xb0
ティファとエアリスなんて本来なら100スレいっててもおかしくないぐらい 糞スレ乱立してるけどな
セリフも決して多くなく、ストーリー後半は完全に空気扱いなのにな そこが想像をかき立てるのか
後半は本当にどうにかならなかったのか
けどアグたんに限らず FFTの顔キャラって正式に仲間になったとたん 物語に絡んでこなくなるよな ムスタは仲間になったあとも サブイベントだが やっつけられたりと少し絡んだけど
自由に除名ができちゃうからね・・・
>>560 夜ベッドの中で絡んでるからいいじゃないか
アグたんにしろムス(ry
ラムザはアグリアスの嫁
昼寝士さん作の小姓EDか。
実は酒癖の悪いアグリアスさん
ラムザのアホ毛を抑えては離してを繰り返して遊ぶアグ様
他人なんかどうでもいいですかそうですか。
570 :
多弁士 :2006/05/09(火) 10:35:33 ID:9JaMdJHj0
間隔とびとびでお世話かけますが、投下します GW終わっちゃった・・・
********* あれからもう三日も経ってしまった。 まだ、ラムザとは会話ひとつできていない。 アパートの自室へと帰り着き、シャワーを浴び、ベッドに入る。居心地が悪い。 普段から愛想のいいほうではないが、その性分に助けられていると思う。 必要以上の会話が出来なくても、今のところ誰からもそれを指摘されたりはしていない。 学生時代と同じ、私は「仏頂面のアグリアス」だ。 思えば、中・高一環の女学校に学び、男性と接点を持った記憶は殆どない。 大学に入って声をかけてくる男は多く居たが、 私の性格を見るや彼らの下心はことごとく粉砕されたようである。 私だってそれが楽だったし、何より異性間交遊に興味なんてなかった。 なのに、今はどうだ。 一教師と一生徒の関係を超え、私は彼を男として意識している。 それどころか、彼が愛おしくてたまらない。 それ故、彼と話をするのが怖い。
私は、ラムザにどう思われているのか? 教師としてでなく、女として彼に接してしまうのではないか? 仮にそうなったとして、ラムザは私を軽蔑するのではないか? アルマ嬢は、私と彼が両想いだと言った。 そんなことがあるのだろうか? 彼女は物を知らぬ私を面白がって、たばかっているのではないか? 仮に両想いだったとして、私はどんな言葉を交わしたらいいのか? 堂々巡りだ。 自分の交友関係の薄さが呪わしかった。 こういう事を相談できる相手など、家族にも友人にもいない。 ミルウーダ先生はだめだ。彼女がご執心のラムザの話なんて、口が裂けても出来ない。 もう一度、オヴェリア嬢とアルマ嬢に話をしようか。いや、また茶化されるのがおちだ。 うちのクラスの女子ではどうか。いや、同じことだろう。 ・・・そもそも、こんな気恥ずかしいこと、私から率先して話せようものか! 「なんとかしなくちゃ・・・」 浅く漂うようなまどろみの中で、私はつぶやいた。 来週末は体育祭がある。私が就任して、初めて体験する大型行事だ。 こんな事で悩んでいてはいけない。 心のどこかで決意を新たにしたのは、夢うつつの事だった。
「さあ、どこからでもかかってらっしゃい!」 決意は、やはり夢だったのだろうか。 私と同期に、正式な新任教諭として就任した先生が二人いる。 二人はどうやら既に婚約まで果たした若い男女で、口裏を合わせて同じ学校に来たのだという。 男性教諭の名はベイオウーフ先生。そして女性教諭のほうは・・・ 今、私の前で可愛らしい手作り弁当を広げている、レーゼ先生だ。 「・・・誰も今相談するとは」という私のささやかな抗議を無視して、彼女は楽しそうに話す。 「んもう、同期の桜っていうじゃない!ダーリン、あ、ベイオの事だけど。 彼からも色々聞いたわ。本当に見ていてやきもきしちゃうような恋をしてる、って」 (ベイオウーフ先生にそんな風に見られていたとは・・・) とんだ失態だ。顔から火が出そうな思いである。 しかし、同期の桜と言うが彼女は私よりも年長である。正式雇用なのだから当然だ。 (年上なのに、私より・・・若々しいというか) なぜ私は、こんな人に話しかけてしまったんだろうか。 確かに年上で、色恋にも通じていそうな、そして一応の同僚でもあるが。 そんなに一人で悩むのが苦痛だったのか。つくづく情けない。 食欲のない私は、晴れた屋上に似合わぬ沈痛な面もちでゼリー飲料をすする。 「で、アグちゃんはラムザ君が18才になるまで待てない、と」 ゼリー飲料が吹き出し、飛沫が宙を舞う。
「・・・だっ、誰がそんな事を!あとアグちゃんっていうのは何ですか!」 「あらぁ、いいじゃない!可愛いわよ、アグちゃん」 語尾のハートマークが煩わしい。やめて。お願いだから。 「まあでも・・・早とちりは良くないわね、ごめんなさい。まだ手も握ってないのよね?」 「・・・・」 頷くしかなかった。 (それどころか、このところ彼との間に気まずい空気が・・・) そう口をつきかけたが、これ以上弱みをさらすのは辛いので黙っていることにした。 「ただでさえ難しいところよね。こっちは教師、相手は生徒でしかも未成年。 しかもアグちゃんは恋愛経験薄そうだもんなぁ」 もはや反論は無意味であると悟って、私は黙っている。 「おまけに恋のライバル多数。知ってる?ミルウーダ先生だけじゃないわ。 三年生の・・・ほら、風紀委員長の子。メリアドールさん。彼女もラムザ君のこと お気に入りみたいだし。それに、あなたのクラスにマラーク君っているじゃない? 彼の妹、一年のラファちゃんもどうやら彼に気があるらしいのよ」
・・・知らなかった。 ラムザが女子に人気があるのは知っていたが、そこまで激戦区だとは。 しかし、この人はどうしてこんなに事情通なんだろうか。同期なのに・・・。 「ちなみに女子だけじゃないわよ〜?彼の幼なじみのディリータ君でしょ、 友達のムスタディオ君、帰国子女のクラウド君に・・・うふ」 「・・・どういう意味でしょうか」 「あら、ごめんなさい。こういう冗談はまだ早かったわね」 「い、言っていい冗談と悪い冗談があります!」 ただでさえ私が困惑しているのに、この人はさらに心をかき乱すような事を! 女子だけでなく、そ、そんな、同性間で・・・!? 「そうよね、悪い冗談だわ」 「冗談でなくては困ります!!」 「ん〜、まぁ今はとりあえず向こうの真意も解らないんだし、 アグちゃんは少し落ち着いたらいいと思うなぁ」 私の叫びとは裏腹に、レーゼ先生はニコニコしながら箸を進める。 この人は・・・。
ふと、彼女の箸の先に目がいってしまった。 「・・・あのぅ、そのお弁当は」 「え?ええ、私の手作り。ベイオのには桜田麩でハートも入れてあるのよ。完璧でしょ!?」 目が輝いている。なんと可愛らしく、甲斐甲斐しいことか。ベイオウーフ先生も幸せ者だ。 綺麗に刻まれた、花びらの形の人参。 他にも、煮物や卵料理、サラダといった定番料理が弁当箱を埋めている。 冷凍食品とおぼしきものは、どこにも見あたらない。 ぐぅ 思わずお腹が鳴ってしまった。 長いこと眠っていた食欲が、彼女の「愛妻弁当」を前に首をもたげたようだ。 「ふふ、まだ育ち盛りなんだから。きちんと食べないと駄目よ?」 そう言って笑うレーゼ先生。まるで母と話をしているみたいだった。 「す、すみません」 差し出されたタコさんウィンナーを有り難く頂戴した。 このタコさんと私の顔、どっちが赤かっただろうか。
「・・・あ!そうよ!」 まだ私の租借が終わらぬうちに、彼女がぽんと手を叩く。 「そろそろ体育祭じゃない?当日、ラムザ君にお弁当を作ってあげるのはどうかしら! 青空の下、体育祭の熱気と興奮のなかで、そっと手渡す手作りのお弁当・・・ ほら、ステキだと思わない?」 お、 お弁当を?ラムザに? 「そ、それは!無理です!人に食べさせるようなものなんて・・・」 私だって可能な限り自炊はしている。親元を離れれば当然の義務だ。 しかし、自分以外の人間のために料理を作ったことは一度もない。 ましてやその相手が、ラムザであるとなれば・・・ 「大丈夫よ!有り体に言えば『愛情さえこもってれば美味しい』んだから! 任せて、彼の好みは私が調べておいてあげる。料理の本だって貸してあげるわ。 ふふ、これで落ちない男はいないわよ〜?いるとしたらゲイね!」 ・・・最後の言葉にちょっと引っかかるものがあるが。
「・・・いけるでしょうか?」
お弁当を作って、ラムザに手渡せば。今の自分の曖昧な気持ちに、決着が付くだろうか。
彼を好きだという不透明な想いが、確たるものになるだろうか。
「いけるわよ!いけますとも!来年には子供まで出来てるわよ!!」
「・・・ごめ〜ん」
本当に、この人の冗談は・・・!
昼休みが終わり、私の気持ちはいくぶん軽くなった。
やはり茶化されたとはいえ、あの人に相談してよかったかもしれない。
ホームルームではやはり、ラムザの顔を直視することができなかったが、
体育祭のことを考えると、なぜだか楽しみな気持ちになった。
後日。
レーゼ先生に料理の本を借りた。
4冊もあってどれから目を通したものか悩んだが、最も悩んだのは
明らかに彼女が意図的に紛れ込ませたと思われる
「愛の手ほどき 〜女性のためのセックスのいろは」の所作であった。
・・・とりあえず、それから目を通してみる。
あわわ。
ttp://fft-up.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/img/img-box/img20060509104744.jpg
*********** 「・・・ディリータ。どうしたんだ?そっちから話しかけてくるなんて珍しいね」 全くだ。もう3カ月は話をしていなかったはずだ。 体育祭準備は万端整った。もちろん、ムスタディオ達が持ちかけてきた「仕込み」も完璧に。 それが妙に嬉しく思えて、なんとなく俺はラムザに声をかけた。 夕日が赤い。河原の風が心地よく首元を通り過ぎる。 明日も天気がよければいいが。
「いよいよ明日は体育祭だぜ。気分はどうだ?クラス団長さん」 「はは、やめてくれよ。きみに言われると嫌味っぽいよ?」 そうやって柔和な顔で笑ってみせるが、今年の体育祭にかけるこいつの情熱はやけに強い。 気が付けばこいつは、リーダーとなってクラスを鼓舞し、お祭り熱を高める役を担っている。 あの日のホームルームでラムザが見せた「学年優勝」への思い。俺はその正体が気になっていた。 「ダイスダーグ先生か?」 そういうと、ラムザは気恥ずかしそうに目をそらす。 「・・・あの人の鼻をあかしてやりたいんだ」 やっぱりか。 ラムザは、あの家では珍しく奔放な男で、事ある毎に家族に反発していた。 こいつの考え方はガキの頃から知っている。自由だとか、平等だとか、甘いことを言うのだ。 俺の考えはどちらかと言えば、こいつの家族に近いのだろう。 だが、なぜか昔から、こいつの理想語りを聞くのは心地よく思えた。
「・・・得な人柄だよ、おまえは」 そう、このラムザという男の人格は人を惹きつける。 「お前が本気を出したらな、俺なんて敵わないんだぜ?まったく、 生徒会選挙に立候補してくれなくて助かったよ」 親譲りの才覚。兄に劣らぬ自信。加えて、人を安心させる顔と声。・・・俺とは真逆だ。 「やっぱり、生徒会長になりたいのか?」 ラムザが、何か思い詰めたような目で俺を見る。 ・・・しまった。またか。 「・・・すまない、本当に」 だから、こいつと話すのが面倒になったんだ。 俺のオヤジは、ベオルブ家直営の大型銀行で管理職をやっていた。 ラムザのオヤジさんとも面識があり、それで俺達も仲良くなった。 それが、不況のあおりを受けて銀行も経営の縮小を余儀なくされ、オヤジがリストラ対象になった。 ・・・よくある話だと我ながら思う。 だが、妹のティータは・・・それでは済まなかった。
「ティータのことなら、忘れろと言ったはずだぜ」 名門のイヴァリース学園。入試を通過し、入学が確定だったはずのティータは、 オヤジが職を失ったという理由で入学を取り消された。 それでも、オヤジもティータも、ベオルブ家を憎もうとはしなかった。 だから、俺もそれに習ってこの一件を口に出すのを止めた。 率先してうちを糾弾しやがった、サダルファスとかいうPTA役員がいたんだが、 息子のアルガスをボコボコにしてやったら、自主退学して街から出ていきやがった。 かくして、怒りの矛先を失って、俺はまず学園の体質を是正するために生徒会長を志した。 そう。ベオルブ家に話す言葉なんてない。 「・・・僕も、僕のやり方で、あの家を何とかしたいと思ってる」 こいつは。あの時と同じことをまだ言っている。 「いいよ、もう。俺が生徒会長になりたいのは、俺の勝手だ」 夕日の赤を反射したラムザの目が、寂しそうに俺を見る。 「お前はとりあえず明日、クラスを優勝まで導け。ダイスダーグ先生に抗ってみせろよ。 一人暮らしを始めた時みたいに、な」
ラムザに一人暮らしを決断させたのは、他ならぬティータの一件だった。 こいつが初めてとった、ベオルブ家への反抗。 家からの援助を一切断っての独立。 そうか。俺は、それが嬉しかったんだ。 だから俺は・・・ 「俺は俺で、明日をとっておきの体育祭にしてやるよ」 だから俺は、ムスタディオ達の話を聞き入れたのかもしれない。 遠回しだが、こいつへの何か恩返しになれば・・・。 もちろん、そんなこと言わないけどな。ガラじゃない。 ラムザが微笑む。やれやれ、こいつの機嫌を損ねると苦労するぜ。 「楽しみにしてるよ、ディリータ」 「任せろ」 いよいよ、明日は体育祭だ。
584 :
以上、多弁士 :2006/05/09(火) 10:54:53 ID:9JaMdJHj0
次回予告 オルランドゥ「ええい!ディリ×ラム絵はどうした!ディリ×ラム絵を持って参れ!!」 オーラン「ご乱心!オルランドゥ伯ご乱心!」 ようやく体育祭です。 お目汚し失礼しました。
GJ!! 昼休み萌え〜
アルマ「ええい!愛の手ほどき 〜女性のためのセックスのいろはを読んでいるアグ絵はどうした! 愛の手ほどき 〜女性のためのセックスのいろはを読んでいるアグ絵を持って参れ!!」 G.J.です。
>愛の手ほどき 〜女性のためのセックスのいろはを読んでいるアグ絵 俺もそれ見たい
588 :
多弁士 :2006/05/09(火) 17:24:44 ID:9JaMdJHj0
審判オフサイド!オフサイド! ああ〜
>>588 アグリアス帝国ばんざぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!
それにしてもゴッドジョブですな
もったいなくてブラウザ閉じらんないじゃんか。
>>588 やっべ、アグたん超可愛すぎwww
タコさんウィンナーをあげるレーゼさんも可愛らしかったです。GJ!!!
>>590 いじりの絵師さんも相変わらず独自路線を突っ走っとるな。
そういやこの人も結構現代風ラムザ&アグ描いてたりする。
ラムザいじりの人の作品ではあの強烈なガフ様が忘れられんw
i
多弁士、GJ! ここ最近のスレの流れはイイですな
あと、18番もだな しかし、各個人の事情とかがあるのはわかってるつもりだが それでも、保管庫の更新を切に望みたい… 絵は作者様当人のサイトで確認できるが 感想その他のレスを見るのも非常に楽しいんだ… その辺があると、私的に面白さが急増するから いや、ここで言うべきことじゃないのは重々承知している 正直スマンカッタ
いっそまとめサイトで絵の補完もしてもら…… 無理か。
そりゃ無理だろう
603 :
599 :2006/05/10(水) 01:58:03 ID:4uzX47xh0
>>600 MAINページを見ればどういう目的で作られた保管庫か分かるだろう。
いじり以外のログも2004年分で止まっていてすでに放置状態だろうし、更新もへったくれもないだろうな。
ましてや数日でログが流れるふたばで名無しレスも含めてチェックしろってのも大変だぞ。
ラムザって妾の子なんだよな。後妻の子とかじゃなくて。 バルバネスは下半身の世話がだらしないだけじゃないか。 だから聖剣技が使えないんだよ。 そこ行くとオルランドゥは子供も作らず養子を取ったから聖剣技が使えるワケかw
>>601 まとめの人がやってくれる云々の前に著作権とかが絡むんじゃ?
アグ「酒場でミルクを頼む男!それがラムザだ!!マジで萌え死ぬ!!ハァハァハァ!!」
全然関係ないけどURABATAのふたなりアグリアスさんまた絵が増えてた。 レーゼは巨根なのかw
>>604 ソレをDo Tオルランドゥが言ったら負け犬の遠吠えにしか聞こえんよなw
ラムザ「ミルクうめぇwwwwwww」
ラムザ「アグリアスさんのミルクうめぇwwwwwww」
ラムザ「アグリアスさんうめぇWWWWWW
俺サマ魂の一句 アグたんの ムチムチ太もも 汗落つる 季語は太もも。
>>615 sugeee!!
つうか微妙な時間帯にテレ東かよw
617 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/10(水) 22:31:58 ID:WC8qVxTmO
>>615 ちょwwwwマジで!?(゚Д゚;≡;゚Д゚)
マ ジ か ?
木曜洋画劇場
真面目に聞きたい マ ジ で す か ?
えーと、この流れは……(゚Д゚;≡;゚Д゚) とりあえず マ ジ か?
おまいら気持ちはわかるがモチツケw これはオエビだw
アグリアスでgoogle検索するとなぜかイメージの検索結果までHitするんだが。 しかもエロ画像だしw
戦うアグたん。 恋するアグたん。 涙のアグたん。 究極のアグリアス・オークス! スーパー<<アグりんぐアクション>>行くぜえ!! 木曜洋画劇場 「ファイナルファンタジータクティクス 戦場の異端者たち」 明日夜九時。 アグたんがイヴァリースで聖剣技フィーバーWOW!!
本人主演の実写映画か。
びっくら
え? マ ジ か ?
俺の脳内ではすでに放送されてる。
今日はゴルゴラルダ処刑場だよな
おまいらもちつけ 落書きふたばは画像アップはできんてw まぁこの絵師さんには脱帽だが
つーか書いた人プロのアニメーターかなんかでないかい?
釣られすぎだぞwww
22:20分前後にラムザの隠しガッツ「摩擦ゼロ」が発動して、 アグたんのズボンからパンツからズリ落ちる予定、との聖アジョラからの啓示を受けました。 ちなみに安産型だそうです。
ラムザの究極アビリティ「子宮を狙う」
メリ「ラムザ・・・らめぇ!」 アグ「こら売女!その台詞は私のだ!!」
ちょっとラムザ犯してくる
「助けてください、お願いです、何でもします」 ちいさな手を組み合わせて必死に伏しおがむ、まだあどけなさを残した少女の こめかみに、コンと冷たい音を立てて短剣が突き立った。 声も立てずに少女は倒れ、少女が拝んでいた当の相手――アグリアス・ オークスは息を呑む。それからすぐに、短剣の飛んできた方角を怒りを込めて 睨み付けた。 「なぜ殺した。命乞いをしていたのだぞ」 声をかけた先には、折り重なる男達の死体のほか、壊れた木のテーブルが一台 転がっているだけである。そのテーブルの影から、水がしみ出るように音もなく、 人影が現れた。 黒い肌とちぢれた髪、深く落ちくぼんだ鋭い眼差しは、南方人種特有のものだ。 丈夫でしなやかなケイザル麻の布に、固くなめした肉食獣の革を縫い込んだ南洋風の 戦装束を身につけ、先端に鋼の鋲を打った八角棒をたずさえている。霧のように しずかな殺気をまといつかせたこの若者の名を、マラーク・ガルテナーハといった。 アグリアスの言葉には答えず、マラークは大股に歩み寄ると、少女の死体を 爪先でひっくり返す。屈み込んで粗末な服を探っていたと思うと、黒いものを アグリアスに放ってよこした。 釘を巨大にしたような、五寸ばかりの鉄の棒だ。一方の端は鋭く研ぎ澄まされ、 もう一方には革ひもがついて、手の中に握り込めるようになっている。 「袖口に仕込んで使う。命乞いを受けてたら、あんたの首にそれが刺さってたな」 「馬鹿な。こんな子供だぞ」 マラークはため息をついて立ち上がると、愚者を見る眼でアグリアスを見た。 「そういう考えの奴がいるから、こんな子供にも使い道が出てくる。ギルドを 甘く見すぎだ」 生き残りの敵はとうに逃げ失せ、室内にはいくつかの死体が転がっている ばかりだった。戸口をふさぐ木片を蹴とばして外へ出ると、きたない色をした雨が 降っている。アグリアスは空を見上げ、今し方かいだ血の臭いを振り払うように、 大きくため息を吐いた。
貿易都市ウォージリス。 国内の物資流通の要であるドーターに対し、海外貿易の窓口となるこの街は、 イヴァリースで最も多様な人種と文化が行き来する国際都市である。そして同時に、 密貿易によって得られる巨利をめぐって様々な組織や個人の思惑がうごめく、 イヴァリース有数の犯罪都市でもあった。 ウォージリス沖の燈台跡で発見された謎めいた遺跡、ディープダンジョンを 調査することをラムザ達が決めた際、ウォージリスでの先行調査および船の調達の ために選ばれたのはアグリアスとマラークの二人であった。この人選にはアグリアス はじめ数人が異議を唱えたのだが、隊長命令は覆らなかった。 マラーク・ガルテナーハ、数奇な経緯を経てラムザ一行に加わったこの無愛想な 青年を、アグリアスはまだ完全に信用していない。そもそも隊に加えたのだって、 彼が聖石の力によって死から蘇ったという、いわば聖石の奇跡を直接体験した 人間だからで、それさえなければ“カミュジャ”の暗殺者を仲間に加えることなど、 アグリアスは断固反対していただろう。 同じカミュジャでも、妹のラファには素直で愛嬌のあるところがあり、それなりに 好感を持っているのだが、この兄にはどうも馴染めない。ごみだらけの路地に、 アグリアス一人分の足音が響く。マラークは足音を立てないのだ。そんな所も 好きにはなれない。 「マラーク」 「何だ」 「やはり、子供を殺すべきではなかった。罪もない少女を殺めるなど」 「罪もないだって? 何を見てたんだ、あんたは。騙し討ちされる所だったんだぞ」 「まだ幼かった。自分が何をしているのか、わかっていなかったはずだ。諭して やるべきだったのだ」
「そうかい」マラークは鼻を鳴らし、「俺はあれくらいの歳にはもう何人か殺して いたし、何をしてるのかもわかってたぜ」 「それは……」 それはお前が汚らわしいカミュジャだからだ、と言いそうになって、アグリアスは 声をつまらせた。いくら気に入らないとはいえ、言っていいことと悪いことがある。 ラムザ達と共に戦うようになって、だいぶ考え方が柔軟になってきたつもりでいたが、 階級意識というのは簡単には消えない。アグリアスは小さく身震いをし、それで マラークは語られなかった言葉の先を察したようだった。足が少しだけ速まる。 「……貴公に騎士の道は理解できまい」気まずさを隠すように、アグリアスは ぶっきらぼうに言った。 「理解はできるさ。付き合う気はないけどな」 「マラーク」 「何だ」 「我々は、どこへ向かっているのだ?」 「いま襲ってきた連中の雇い主の、さらに上のボスの所だ。海運業者でもある」 ウォージリスに入って遺跡の情報を探り始めたのは今朝のことだが、半日も たたないうちにどうやらアグリアス達は、同じように遺跡に興味を持つウォージリスの 犯罪ギルド同士の抗争に首を突っ込んでしまったらしい。らしい、というのは、 利害が複雑に絡み合った組織間の争いの、どの辺にどう首を突っ込んだのか 今一つ把握できないでいるからだが、マラークにはちゃんとわかっているようだった。 「その海運業者から船を借り出すのか」 「上手くいけばね」 こういうところの手慣れ方は流石だ、とアグリアスは渋々ながら感心する。 「蛇の道は蛇というやつだな」 「そのとおりだ。正直、なんでこの仕事にあんたが一緒なのか不思議だよ。あんたは 蛇の道に迷い込んだ河馬みたいなもんだ」
「騎士道? 俺が? ハハハ」 マラークは珍しく、屈託ない笑い声を上げた。「おむつの替え方でも学んだ方が、 まだ役に立ちそうだ」 それきりマラークは口を閉ざし、アグリアスもむっつりと黙り込んだ。灰っぽい色を した雨は、ますます勢いを増しつつあった。 アラン海運の社長アラン・ルートヴィヒは、縦長の顔にでっぷりと肉が付いて 長方形の輪郭をなした、いかにも精力的な商人といった様子の男だった。 その顔つきと、名前に覚えがある気がしてアグリアスはしばらく考え、思い出した。 バート商会の長、バート・ルートヴィヒだ。 「バート商会の系列なのか」 「ウォージリスの海運業者の半分はそうだ。今はトップが死んで四分五裂だがな」 交渉事は完全にマラーク任せである。アグリアスはせいぜい凄みが出るように、 彼の背後で腕を組んでじっと立っているだけだ。ヤニ臭い煙の立ちこめた狭い 応接間で、複雑な隠語を駆使して交わされる交渉がどう進んでいるのかほとんど 理解できないが、アラン・ルートヴィヒとその背後に控える男達の雰囲気が、 徐々に張りつめてゆくことだけはわかる。背後で戸口にもたれかかり、先ほどから じろじろと無遠慮にアグリアスを眺め回していた男が、ふいに野卑な笑い声を もらして手を伸ばしてきた。 「俺はこのお姉ちゃんが一晩付き合ってくれるってえなら、船を出してもいいな」 その手が金色の髪の先に触れる前に、電光のような速度で鞘走った アグリアスの剣が、男のあごの下に突きつけられていた。ヒュッと甲高い 音を立てて、男ののどが息を吸い込む。 「付き合ってもいいぞ。だが、明日の朝日は貴殿の首ひとつで眺めることになるな」
----
「……想像するにだ。私と同行することで、貴公に騎士道の何たるかを学んで
ほしかったのではないかな。ラムザは」
----
>>641 と
>>642 の間に上の台詞を入れて下さい。
うう、久々にSS投稿するとこれだ……
マラークを除く室内の男達がいっせいに立ち上がって、殺気をはなった。どうやら、 綱渡りだった交渉にとどめを刺してしまったらしい。望むところだ。聖石を狙っていた 卑劣な商人の郎党の手など、できれば借りたくはない。マラークも舌打ちをして 目の前のテーブルを蹴り上げ、灰皿を投げて燭台をひっくり返した。薄闇の落ちた 室内に、男達の怒号と金属音が立て続けに響く。その音とおぼろな影の動きを 頼りに、アグリアスは即座に数人を切り倒した。 「頼むぜ、まったく。本当になんで来たんだ、あんた」 「こういう時のためだろう」 「フン」 隠密としては優秀だが、正面切っての戦いとなると、実はマラークはそれほど 腕が立つわけではない。独自の秘術である裏真言は威力はあるもののやたらと 癖が強く、念入りに仕込みをしてからでなくては使えたものではない。戦力として アグリアスを付けたという考えは間違っていないだろう。背中越しにマラークの 気配が戸口を抜けていったのを確かめると、アグリアスは牽制しつつすばやく 室外へ出た。 ほとんどどしゃ降りになった雨の中、人気のない通りを並んで駆け抜ける。 堅い革靴で濡れた石畳を走るのは難しい。歩調を合わせてくれていたマラークが、 雨にまぎれてつばを吐いた。 「これで、ウォージリスの船主の七割方を敵に回しちまった」 「なら、残り三割を頼ればいい」 「度胸だけはあるんだよな、あんた」苦笑いをしたマラークは、浅黒い顔をつるりと 撫でて真顔に戻る。 「まあ確かに、その予定だったさ。追っ手がかかってるはずだから、何人か 始末して落ち着いたら、本命に会いに行こう」 「なぜ、最初から本命に行かなかった?」 「最初は大手に話をしに行ったっていう事実が大事なのさ。仁義を切るようなもんだ」 「よくわからんな」 「わからなくていい」 小馬鹿にしたようなマラークの態度が気に入らなかったが、アグリアスは 黙って彼の後について走った。長い髪が、水を含んで重苦しかった。
海に面した倉庫街の、一番外れにあるみすぼらしい倉庫の鍵をマラークは ものの数秒で外して見せた。わずかに空けた扉の間から、暗殺者と騎士は するりと中へ入り込む。 「ここをいくさ場にするのは、気が進まんな」 冷たくかび臭い空気をかぎながら、アグリアスはほの暗い倉庫の中を見渡す。 確実に迫っているだろうアラン海運の追っ手から逃げるためではなく、迎え撃つ ためにアグリアス達はこの倉庫へ入ったのである。マラークはすでにてきぱきと 動き回り、内部の構造を頭に入れつつ、簡単な罠をしかけたりしている。アグリアスの 言葉などはなから無視しているその様子に腹が立ち、アグリアスはそばにあった 木箱をバンと音高く殴りつけた。 「見ろ、ここに何と書いてあるか。この中身は麦だ。南からわざわざ輸入してきた 貴重な麦だ。今この国がどれだけ飢えているか、知らないわけではあるまい。 ここで戦えば、何箱かは確実に駄目になる。我々の戦いのせいで、無関係の 誰かのパンが失われることになるのだぞ」 「悪いが、知ったことじゃない」 眉一つ動かさず、マラークは答えた。「建物の位置からいってここしかないし、 広さも高低のぐあいも申し分ない。あんた、バート商会とやりあったことが あるんだろ? あいつらはマフィアだ。選り好みをしていて迎え撃てる連中じゃないぞ」 「選り好みだと!?」 アグリアスが思わず剣の柄に手をかけた時、重たい樫の扉がきしむ音がした。 即座に抜剣し、木箱を背にして扉に剣を向ける。マラークの姿はすでに見えなく なっていた。倉庫の口から漏れ入ってくる光が人の形に、大勢の人間の形に 遮られる。アグリアスは一つ息を吐いて頭を切り換え、疾風のように馳せ寄ってきた 影と切り結んだ。
男達は皆、手練れであった。たった二人を追うのに、これほどの手勢を惜しげもなく 使えるものかとアグリアスはひそかに驚嘆したほどだ。彼女は知らぬことだが、 バート商会は今、頭領であるバート・ルートヴィヒを失い、熾烈な跡目争いの 真っ最中であった。よそ者の若僧二人に縄張りをかき回され、おまけに逃げられたと あってはアランの面目は丸潰れとなり、跡目の候補から完全に脱落する。それを 防ぐため、配下の中から選りすぐりの精鋭を集めて送り込んできたのである。 まともに戦えば、アグリアスとて人数に圧倒されていただろう。しかし、倉庫の 中という地の利があった。狭い中での乱戦なら、人数の少ない方に有利である。 見えない物陰から襲うカミュジャの一撃は鋭く、高く低く積み上げられた木箱の 山を越えてくる者は、裏真言の格好の餌食となった。木箱を傷つけたくない アグリアスは聖剣技を極力使わず、そのために苦戦を強いられることもあったが、 マラークが(渋々ではあったが)フォローしてくれていた。少しずつではあるが 襲撃者達の数は減らされてゆき、戦いの流れは確実にアグリアス達に 傾きつつあった。男達に退却の気配が見えた、その時である。 ふいに、烈風のような一撃がアグリアスを襲った。アグリアスが戦慄したのは、 その攻撃が鋭かったからでも速かったからでもない。その刃先に、すさまじいほどの 殺気がこもっていたからである。咄嗟に大きく飛びのき、その隙を突こうとする 別の男達を牽制しながら、アグリアスはさっきまで自分がいた場所を睨みすえた。 刃の主は少年だった。ただの少年でないことは、身のこなしを見ればわかる。 子供らしい大きな瞳が、燃えるような憎悪を込めてアグリアスを睨み返している。 彼らは単に仕事で自分達を追ってきているだけのはずだ。これほどの殺意を ぶつけられる理由がわからず、戸惑うアグリアスに少年は一直線に突っ込んでくる。 寸前で体が動き、突き込まれた短剣を受け止めた。刃ごしに見る少年の顔立ちに、 アグリアスは見覚えがあるような気がした。数瞬考えて、思い至る。 「君は……」
剣気のゆるんだ瞬間を見逃さず、少年の短剣がすべり、アグリアスの 右脇腹へ差し込まれた。 「!」 「マラーク、待てっ!」 瞬時に少年の背後へ回り込み、その脳天を叩き割ろうとするマラークを制する。 声だけでは止まりそうになかったので、アグリアスは少年ごしに剣を突き出して マラークの棍を遮った。同時に、空いた手で短剣の柄をつかもうとすると、 少年がぱっと飛びすさる。堅い音を立てて短剣が床に落ち、腹にじわりと熱い 痛みが湧いた。マラークが無言で隣へすべり込んで来、つかの間二対一で 睨み合う体勢となる。痛みとともに濡れたものが広がってくる腹をおさえて、 アグリアスは少年の顔をじっと見定めた。それほどよく見たわけではないが、 目尻やあごの形に面影があった。 「この少年は……おそらく、昼間われわれが討った少女の肉親だ。たぶん、 兄だろう。違うか?」 答えるかわりに、少年はもう一本短剣を取り出して構えた。その瞳には 不退転の決意と怨念とがぎらぎらと輝き、アグリアスの言葉を肯定している。 マラークは一瞬だけ呆れ顔でアグリアスを見、それから無言で少年に 打ち掛かった。マラークの腕が立たないと言っても、アグリアス達一流の水準で 見ての話である。少年の腕前は、一流というにはやや苦しい。年齢にしては 大したものだが、この討伐隊には実力ではなく、執念によって選ばれたのだろう。 あっという間に少年は追いつめられてゆき、たまらずアグリアスは叫んでいた。 「よせ! この子らは、戦いを仕込まれてしまっただけだ。貴公と同じ 身の上なのだぞ!」 「知るか!」 流れが変わったと見た男達が、たちまち殺到してくる。アグリアスは傷を かばいつつ、それらの相手をするので手一杯になった。視界の端に、予備の 短剣も弾き飛ばされて、途方に暮れた少年の顔がよぎる。アグリアスは咄嗟に、 さっき床に落ちた短剣を蹴って飛ばした。今しもとどめを打ち込もうとしていた 八角棒の軌道が、一瞬さえぎられる。マラークが怒りの声を上げた。
「いいかげんにしろ、アグリアス! あんたはどこまで…」 「マラーク、聞け!」 余計な動作のせいで隙ができ、二の腕に浅くはない一撃を受けた。脂汗を にじませてその男を斬り倒しながら、アグリアスは叫ぶ。「頼むから、その子を 殺したりはするな。そんなことをしてしまっては申し訳が立たん」 「何に申し訳をする気だ」 「我が騎士道にだ!」 歯を食いしばって、また一人を斬り倒した。いったん勢いに乗りかけた男達の 攻め手が、ふたたび崩れはじめる。マラークはひとつ舌打ちをして、すばやく 影の中へ姿を消した。たちまち、奇怪な形をした炎の文字が中空に浮かび上がり、 男達の幾人かを焼いた。 アグリアスの気迫と、影から繰り出されるマラークの攻撃が男達を押し戻し、 やがて残りわずかとなった男達は、背を見せて散り散りに逃げていった。最後の 一人を見送ったアグリアスは、剣を下ろして大きく息をつく。それから、まだ へたり込んだままの少年へ向き直った。 大量の死体を目にするのは初めてなのか、とどめを刺されかけて恐怖に呑まれた のか、少年は足元の短剣を拾うことさえせずに硬直している。死体の山を踏み越えて アグリアスは少年の目の前に来ると、しゃがみ込んで視線を合わせた。 「君の妹を殺したのは確かに我々だ。その罪から逃れるつもりはない。だが願わくば、 君のような子供にはこんな血なまぐさい場所から去り、陽の当たる道を進んでほしい」 少年の瞳が、少しずつ焦点を取り戻してきたと思うと、跳ねるように右腕が動いた。 鎧の隙間を目がけて繰り出された鋭い鉄釘を、アグリアスは体をひねって肩当てで 防いだ。
「さ、行くがいい。我々ももう出てゆく」 少年の肩をかるく叩いて、立ち上がって背を向け、歩き出す。いつのまにか 背後にいたマラークが、憮然とした顔で肩をすくめた。 「余計なことだと思うがな」 「構わん。いいか、マラーク。貴公の言うとおり、騎士道とは何の役に立つものでも ない。だからこそ、騎士道を守り抜くことは貴いのだ」 マラークはもう一度、肩をすくめた。それから背後を振り返り、まだうずくまったままの 少年に言葉を投げる。 「おい、お前の妹にとどめを刺したのはこいつじゃない、俺だ。次からは俺のところに 来るんだな」 少年は動かず、アグリアス達ももう振り返らなかった。倉庫を出ると、相変わらず 雨が降っている。たださっきよりはいくらか、雨足が弱まったようだ。アグリアスは 腰の袋からハイポーションを取り出すと一息に飲み干し、びんを海へ投げ捨てた。 「さて、本命とやらの所へ行くとしよう。今度は大丈夫なのだろうな」 「たぶんね。それにしても、これだけ騒いで件のダンジョンが何でもなかったら えらく気の毒だな」 「誰がだ?」 「今の立ち回りのせいで、パンを失った誰かがさ」 「あっははは!」アグリアスは今日初めて、声を上げて笑った。「貴公でも冗談を言うのか。 それとも、慰めてくれているつもりか?」 「どっちも違う。俺にだって、良心くらいある」 「そうか、そうだな、すまなかった。はは」 「何がおかしいんだ、まったく。今度はさっきみたいに暴れ出してくれるなよ」 金色の髪の女騎士と、浅黒い肌の男は、一人分の足音を立てて雨の中を去っていった。 ハイポーションのびんが一つ、よごれた波の間をしばらくただよって、やがて沈んだ。 End
リアルタイム乙
ごめんねマラーク除名してごめんね。 ゲーム中ではほとんど描写無かったけど、マラークはこういうキャラだ、ってしっくりくるね。 乙!
マラークってカッコ良かったんですね 除名しちゃうけど
マラーク=カエル=ギャグキャラの流れがあったからな 彼の新しい一面が拝めた。GJ 除名はしないが、一度も戦列に加えなかったがね
固有キャラは全員最後まで連れてったな アグリアス様 ラムザ シド メリアドール ベイオウーフ 時魔道士 だけ使ってたけど
>>639-649 GJ。ゲームでは裏真言(真言)は役立たずで何の発想も浮かばせる余裕が無いけど、
それをこんな忍びのような使い方で表現するとは。
これがゲームで出来ていれば少しは印象に残るアビリティだったろうに。
まぁゲーム性から言ってこんな隠密的な行動は向かないけど。
マラークが影牢っぽかったw
アグリアスは海にビンを捨てて自然を汚す事は騎士道に反しないんだねw
久々に昼寝士さんの硬派なアグリアスさんのアクションかっちょいいですな。 206 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ 投稿日:04/06/06 00:15 ID:H+osDtAe 魔羅が苦しむと書いてマラークこそが俺の心の中のヒーロー。 208 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ 投稿日:04/06/06 00:20 ID:Ay8JeGW/ /⌒\ /⌒\ (( ; 三 ,,)) ヽ ( / ミ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ キ .メ ./ | 乂 ノ .∠ マラークだよ ( ・∀・) \_______________ ) (⌒))) ((__)⌒ ̄
ッカッコよ杉GJヴェリーーー(´・∀・)ーーマッチ!!! マラークは聖石で蘇るけど、即除名か水晶化されちゃうカワイソスwww でも…、忍者と算術士ぽいSS見て兵列の端っこにオヴジェりたくなったとでつ!!
まらまら。
あぐあぐ。
感想どもです。キャラの組み合わせを考えたときマラーク&アグというのは
まだ無かったので書いてみました。戦闘では弱いけど、それなりに腕利き
だと思うんですよ彼も。
>>656 あの時代には環境を汚すという考えがまだないかと。あと、たぶん港町には
「水上移動」とかを付けて、港湾の底浚えをして拾ったもので生計を立ててる
ような人がいるんじゃないかと。
662 :
多弁士 :2006/05/12(金) 11:41:49 ID:5aNl7fm/0
生昼寝士氏に勃起
そういえばラッド出てきてないな・・・ ああ、ボコと労働と変な紫のもか 後者の三人(?)は登場するかすらも危うい・・・か・・・
やべえ、大学の講座で「安栗明日香」って人を見付けちまった。 しかも可愛い。どうしよう
アグリアスか・・・
だめだめ、アタックなんてしちゃ駄目だッ!
そのお方は恋をする機会に恵まれぬまま卒業し、教育実習生となり…
そして
>>258 の物語へと繋がる運命なのだよ!
英語圏の人で名前がちょっと長いとすげー略し方するけど アグリアスさんだと何だろ。 アンナとか可愛らしくなるけど・・・ つーか女性で名前にガ行はね
それは全国のグロリアさんに失礼だ
>>655 でもティアマットの方が簡単で確実性があって強いよ。
アグさん、好きだあああああああああああああああああっ!
>>668 エリザベスでリザとかもあるから、リアかな?
「ア」グ「リ」ア「ス」→アリス
>>674 愚か者め!
逆にしてみるがよい!
アラ不思議。見慣れた愛称が!
>>675 な、なんだってー
ΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩ
ΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩ
ΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩ
ΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩ
アグリアスよりagriusのほうがなんか読みやすくない?
アグ この2文字を見た瞬間にイメージ画像付きで頭の中に滑らかに入ってくるので何ら問題ない
マグリマス
アギーでいいんじゃね?
>>657 硬派と言うが、裏社会のことをなんもわからずマラークにトコトコついていくアグたんは
可愛いと思うんだ。
そして裏組織を力ずくで叩きのめす アグリアスに圧倒されるんだ
アグたんって意外と世間知らずなもんかねぇ?
修道院付きの騎士だから、普通の一般人が持ってるはずの生活感覚とか意外と無いのかもなぁ
俗っぽい事には疎そう
そうそう、たぶんパンツとかはいてない
ふんどしか
買出しとか最初のうちは、じゃがいもの芽が出ちゃってるやつを買わされてそうだ 買ってきた後で、芽の所には毒があるから取らないといけないって誰かに教えられて凹んでそう。 それで一所懸命一人でじゃがいもの芽をナイフで取ってる。半泣きで
>>688 それを見かねたラムザが一緒に手伝って恋の芽が生えるのですよ。
誰がうまい事を言えt(ry
リオファネス城屋上で煙突に頭ぶつけて死んじゃいますけどね
>>688 想像したら胸の辺りがキュンッてなった。
<<これが、恋というものか。>>
いや、ただの不整脈か。
ラムザ「はっ!アグリアスさん!・・・・ゆ・・夢か・・」
「あのね、アグリアス。 私の血族に代々伝わるまじないの一つに『恋のイモ判』というのがあってね。 どうやるかと言うと、まずは意中の殿方への想いをこめてひたすらおイモの皮剥きをするの。しかも千個! で、その一千個目のおイモでイモ判をつくるんだけど、彫るのは自分の名前、アナタなら『アグ』ね。 さらにここ大事なんだけど、自分の血をインク代わりにするのよ。 あ〜ん、そんな驚かないで。ちょっと指先を切るぐらいでいいんだから。血判状やるみたいなノリよ♪ それで出来たイモ判なんだけど、ここからが本番。 草木も眠る丑三つ時、その意中の殿方の寝所に忍び込み〜ウッヘッヘ、 寝ている殿方のおパンツをズリ下ろし!そのラヴリーなお尻にイモ判をペッタンコ!後は疾風のようにズラかるべし! あら、なにその『ちょーリアクションに困りました』って顔は。 私はこの手でベイオにとどめ刺して落としたんだから。効果テキメンよ♪」 レーゼ「まあ、ちょっと小粋なエスプリの効いたジョークなんだけどね」 ベイオ「アグリアスが必死に芋剥きをしていたので何かと思ったが…相変わらず君は鬼だな」
>>691 俺もそー見えたんだがパリンテンの持ってた銃で腹のあたりを撃たれた>蛙
>>694 GJッ!!こーゆーveryショートなSSもオモロス(゚ ▽゚ )でグーッドだーね!
5/14になるまで書き込みが無かったらアグたんのぱんつうp
699 :
あぐ :2006/05/13(土) 14:07:21 ID:nywwPm6L0
阻止
700ならアグたんのぱんつGET
>>700 阻止できんかった。
というわけで、ぱんつうp
>>700 そんなに欲しけりゃくれてやるよ。
俺の手で脱がせたパンツをな!
まさにg(ry
アグ「適当なものがなかったので私のパンツを餌にして釣りをしたんだ」 ラヴィ「どうなりました」 アグ「ラムザが釣れた」
>>703 海だか川だかで素潜りして食料とってたラムザ(´・ω・)カワイソス
>>703 アグ「フンフンフフーン、フンフン♪ なあラムザ! 川での洗濯は楽しいな?!」
ラム「そうですか?」
アグ「そうだとも。澄んだ空に、澄んだ川、まるで心の洗濯……あぁっ、大変だラムザ!! ラムザッ!」
ラム「……なんですか」
アグ「私のパンツが一枚流れていってしまった! どうしよう!」
ラム「流れが遅いですから大丈夫で……」
アグ「とっておきの一枚だ! 勝負下着だぞ!」
ラム「……いいから早く拾いに行って下さい」
アグ「ドーターで買った奴だ! 黒のキワドいので、端の方にこう紐がかかってだな、真ん中に穴が…!」
ラム「わかりました、わかりましたよ……。………はい、これでい」
アグ「フィッシュオーーーーーーンッッ!!」ザパー
ラム「………」
アグ「見損なったぞラムザッ! 貴様、女の下着なぞに目が眩むとは!」
ラム「………」
アグ「そんなにも私の下着が欲しかったのか! 素直に言えば、下着でも何でも渡してやるというのに!」
ラム「………」
アグ「まったくしょうのない奴だな貴公は! しかし私にも責任がないとは言えまい!
健全な男子であれば、私のような淑女の肌着を目の前にして冷静を保つ事は至難の業であろう!
したがって貴公にもう一度……あれ、どこへいくラムザ!? 聞いているのか!
もう一度チャンスをやるぞ! 今度はブラジャーだ! ほらっ、流れた流れた!
ラムザー! あーっ、どんどん遠ざかっていってしまうぞ! おーい、ラム……おーい! ラ、ラムザー?!」
アルマ「淑女の肌着が聞いてあきれるわ。熟女の臭い下穿きでしょうに」
ラム「最近、アグリアスさんの考えていることが分からないんだ……」 メリア「気にすること無いわ。それより気晴らしに私と散歩しない?」
>>705 俺に絵心が有れば漫画にして描いたのに・・・!
709 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/14(日) 03:54:34 ID:RZMrBxJb0
>>694 レーゼいいよレーゼ。
ところでいつからこんなキャラになったんだい。
エルマ「行こう、アレグリアス!」
FFTを発売されて数年経ってからプレイした訳だが、 プレイする前までなぜだかラムアグが公式カプだとずっと思い込んでた。 もちろん、パソコンなんてやってなかったし同人の世界も知らなかった訳だが。 昔、ゲーム誌などにそれらしき記述とかあったのかねぇ・・・。
>>712 それは君の直感だよ。
よくあるだろ。自分の思ってた通りになった事とか、
自分の好きなものに限って世間でブームになったり。
そんな感じで感性が先を見通してたんだよ。
人類はそうやってニュータイプの道を歩んでいくのか・・・
ラム「円楽師匠も笑点から引退しましたねぇ(しみじみ)」 アグ「まぁなんだ、ロートルが組織の活性化のために身を引く、 というのは必要なメカニズムだな。わが隊もそろそろ 伯が引退されて、私にエースの座を……」 シド「何 か 言 っ た か ね ?」
アグ「やはり私も禁断の秘奥義『 究 極 神 拳 』を解禁するしかッ!!」 ラム「わ〜!ダメですアグリアスさんそれだけは〜ッ!!」 アグ「ああ…すでに頭の中に『FINISH HIM!』と『FATALITY』の声がこだまする…」 ラム「ダメだッ! アグリアスさん!! 聞いちゃいけないッ!!」 北斗骨砕打なんかそんな感じか。 剣の直接斬撃でKO、即死追加効果の下からドッギューンでFATALITYという演出にすれば。
積み重ねはあった。 不安と不満。変動する己の足場がガラス張りのようで、歴史の最先端へ押しやられるように思えて。 尊敬するあの人は強くて、こんな状況でも真っ直ぐで。 だから――。 Chapter3.5 帰する者 帰せぬ者 第一話 貿易都市ドーター『そして彼女は逃げ出した』 貿易都市ドーターで、ラムザ一行の前に現れた褐色の肌の男……ゲルモニーク聖典……。 その重要性は察しがついた。読んだのはラムザだけだった。 聖典に何が書かれていたのか、教会の不正を暴けるとだけ知る事ができればそれでよかった。 それ以上など求めていない。 にも関わらず、ラムザは「運命共同体だから」と、仲間達に真実を語った。 貿易都市ドーターの宿屋にて、彼女は真実を聞かされた。 今まで信じていた聖アジョラがどういう存在だったのか、その重圧に耐えられるほど強くはなく、 いっそ置手紙を残して逃げ出そうとまで考えた。しかしその先に何があるというのか? どうやって生きて行く? 傭兵にでもなるのか? 自分が? 腕に自信はあるが、傭兵として必要な知識や経験は不足していると、 ラムザとラッドという手本を見ていれば解る。 傭兵は騎士ではない。自分で仕事を――戦場を探さなければならない。 常に戦いに備えるだけなら騎士でもやっている、だが常に戦いを探すのは精神的に参ってしまうだろう。 それに傭兵をやるとして、異端者に組していた自分が、どこに雇われるというのか? 北天騎士団、南天騎士団、神殿騎士団、全てが敵だ。そして今は"奴等"も――。 民間の富豪や商売人の護衛でもするか? 女一人で? まともにやって行ける? 不安は尽きない。けれどこのまま旅を続けるより、このまま彼等と戦い続けるより、その閃きは現実的に思えた。 そんな彼女にチャンスが訪れてしまえば、それにすがってしまっても仕方ないだろう。
ラムザから話を聞かされ、宿の女部屋に戻って考え込んでいると、アグリアスが退室しようとした。 刀の手入れをしていたラヴィアンが問う。 「どこ行くんですか?」 「風呂だ。少々疲れたのでな……お前達も来るか?」 「ご一緒します」 「アリシアは?」 「あ、後で入ります……部屋を留守にするというのも……」 追われる身として、どこから誰が来てもおかしくない。 ラムザには異端者としての賞金、さらにゲルモニーク聖典まであるのだ。 みんなして風呂に入れば無防備になってしまう。 そう考えたアグリアスは、特に疑問を持たずアリシアに留守を頼んだ。 どうせ風呂など10〜20分程度で済むのだから。 そしてアグリアス達が風呂へ向かって二分も経ったか経たないか、そんな時間に、 隣室――ラムザ達の部屋で物音と話し声がした。安宿らしく壁が薄いらしい。 「風呂か?」 「うん。ちょっと疲れたし、のんびりしたいよ」 「……そうだな」 ラムザ、ラッド、ムスタディオの声がした。 そして複数の人間の足音が、隣室から自室の前を通り、階下へと向かった。 チャンスだ。そう、思った。思ってしまった。 今、パーティーメンバーは六人。 宿も二部屋取って、男三人女三人に分かれて使っている。
パーティーの詳細は、まずリーダーのラムザ・ベオルブ。 士官候補生のまま北天騎士団から逃げ出したため騎士の称号を得られず『見習い戦士』のままであるが、 さすがはベオルブ家の男子、類まれなる素質を持ち高い指導力と戦闘力を兼ね備える。 武器も魔法も平均以上に使いこなすが、最大の武器は人望や状況判断力といったものだ。 ラッド。傭兵時代のラムザの同僚で、ガフガリオンよりラムザを選んで信頼を得た男だ。 器用に何でもこなし、様々なジョブ・アビリティで仲間をサポートするが、悪く言えば突出した能力が無い。 ムスタディオ。まだオヴェリア様とご一緒だった頃、縁あって仲間になった機工士だ。 ムスタディオ本人より銃の性能の方が頼りになるが、 その銃の性能を100%引き出しているのは間違いなくムスタディオの実力だ。 他の者が銃を扱っても「弓よりマシ」といった程度になってしまうだろう。 同僚のラヴィアンは、自分と同じく平凡な騎士だった。 今では侍にジョブチェンジし、高い攻撃力で苛烈な攻撃をする切り込み役だ。 敵に囲まれても『引き出す』を使って敵を翻弄し、仲間の援護が来るまで持ちこたえる粘り強さを持つ。 サブリーダーを務めるアグリアス・オークスは、オヴェリア様を護衛していた頃は自分達の隊長だった。 彼女の放つ聖剣技は出が早く強力で、このパーティーにおいても主戦力として活躍している。 白魔法の心得もあり、回復と防御も出来るため、パーティーに無くてはならない人だ。 そんなアグリアスを、アリシアは心から尊敬していた。 アリシアはというと、今は竜騎士となって中距離からの支援攻撃を担当している。 あまり広範囲にジャンプ攻撃はできないが、それでも最低限の飛距離は出せるのだ。
現在の役割をまとめるとこうだ。 前衛 ラムザ・ラヴィアン 中衛 アグリアス・アリシア・ラッド 後衛 ムスタディオ ラヴィアンが前線で敵と戦い、ラムザとラッドは状況に応じて前にも出るし後ろにも下がる万能戦士。 アグリアスは聖剣技と白魔法で攻撃と回復を行い、竜騎士のアリシアもジャンプで攻撃。 ムスタディオは後方から銃を使った狙撃と戦技で援護する他、弱った敵にトドメを刺すなどかかせない存在だ。 だから、自分一人いなくなったとて、このパーティーは何とかやっていけるだろうとアリシアは思う。 言い訳は出来た。後は逃げるのみ。いや、帰るのだ。 このまま逃げ出してもつらい逃亡生活が待っているだけ、それよりも――。 アリシアは手早く自分の荷物をまとめると、静かに戸を開け、隣室、ラムザ達の部屋に入った。 誰もいない。アリシアは部屋の中を見回し、ラムザの荷物を見つけると、それをあさった。 そして一冊の本を手に取り、自分の鞄にしまおうとして――。 「何してるんだ?」 背後からの声に振り返る、槍を構えながら。 しかし相手は銃を構えていた。ムスタディオだ。 「この狭い部屋でそんな長物振り回したって結果は解ってるだろう?」 「あっ……これは、その、違うの。私……」 「……アリシア。何であんたがそれを持ち出そうとしているのかは知らないが、 元の場所に戻すんだ、今すぐ。そうすれば……見なかった事にしてやってもいい」 「だ、駄目……これが無かったら、私、許してッ……」 「だったらまず武器を置くんだ」
アリシアは顔を真っ赤にして、涙をポロポロとこぼした。 動悸が激しくなり、槍を持った手には自分の意思に関係なく力が込められてしまう。 歯をカチカチと鳴らし、無様なほどに震え、嗚咽を漏らしている。 そんな彼女を見て、さすがに良心が痛むムスタディオだが、だからといって見逃す訳にはいかない。 「アリシア! 武器を置け、いや、それよりまずその本を――」 そこで、ムスタディオの声は鈍い音とともに途切れた。 前のめりに倒れたムスタディオの背後に、新たな人影。 「なっ、どうして、ラ……」 人影は、真っ直ぐにアリシアに向かった。 銃声がしたのは、ラムザがちょうど上着を脱いだ時であり、 アグリアスとラヴィアンが風呂に入る前に身体に湯をかけた直後だった。 「何だ!?」 ラムザは上半身裸のまま、剣を持って自室に駆け戻った。 そこには床に突っ伏したムスタディオがおり、窓は開きっぱなしになりガラスが割れている。 「ムスタディオ、どうした!? 何があった!?」 「げ、ゲルモ……聖典……」 「何だってッ!?」 ラムザはすぐさま自分の鞄を調べた。無い、ゲルモニーク聖典が。 呆然としていた時間は10秒か30秒か、濡れた服を着たアグリアスとラヴィアンも部屋に駆けつけた。 「ラムザ、ムスタディオ!? これはいったい!?」 「ゲルモニーク聖典が盗まれた!」 ラムザの言葉に顔面蒼白となるアグリアスとラヴィアン。二人とも聖典の重要性は承知している。 「あ、アリシアはどうした!? 隣室にいたはずだ」 アグリアスはラヴィアンを連れて隣室へと向かい、大声でアリシアの名を呼んだ。返事は無かった。 ラムザは開きっぱなしの窓の前に立ち、外を確認する。 一羽の赤チョコボが、二人の人間を乗せてドーターの街を駆けていた。宿から逃げるように。
アグリアスとアリシアのダブルヒロイン。 結構長くなりそうです。
アリシアー!
>>724 たのしみにしております。すげぇ引き込まれた。
このスレ的には割とアリシア扱い良いよね。
わくわく
ラヴィアンはかき回し役って感じだよね。
アリシア…竜騎士 ラヴィ…侍で前線で大活躍 ラッド…器用貧乏 アグ…エース ウチのラムザ隊とそっくりだ、オラ興奮してきたぞ!
え、がの人の所にアグキター 離反寸前だけど・・・ うちのアグはラムザに励まされ続けてとんでもない事に
>>731 B(勇気とオッパイ)が97になりましたか?
ちなみに俺ンとこではBr順に並べるために、ラムザB97、アグリアスB96に調整してありますが。
侍がブライオンを引き出してセントアリシア ……言ってみたかっただけなんだ
プギャアアアアア
>>716 712だけど、電プレは読んでなかったと思う。
昔Vジャンを時々見てたくらいかな。
737 :
716 :2006/05/15(月) 21:35:51 ID:z9nZllpRO
>>736 そっか。
電プレの読者投稿コーナーは未だにFFTが載る事があるから驚かされる。
しかも、ラムザ&アグリアスが目立っているイラストが高確率で入ってる。
>電プレの読者投稿コーナーは未だにFFTが載る事があるから驚かされる。 >しかも、ラムザ&アグリアスが目立っているイラストが高確率で入ってる。 民の声は神の声なり、か
>>739 ちょっ…マヂでFFTアニメ化されてる!?
第2弾!? オエビのレベルじゃねえ!
アグたんのふくよかな御胸ハァハァ
少しオバサン入ってるわね!
>739 それ第32話だな。 ダイスダーグを殺した後、自己欺瞞に苛まれてるラムザを慰めるシーンだっけ。 たしかこの後ラムザが…… まったく木曜9時は見逃せないぜ!
>>746 >たしかこの後ラムザが……
窒息して死にそうになって、
「もー、アグリアスさんてばー」
「すまんすまん、ラムザ。トホホ」
で顔が丸く抜かれて終わるんだよね
まったく木曜9時は油断できないぜ
ラム「アグリアスさん、枕ぼろぼろになっちゃいました」 アグ「じゃ、私の胸を使え」
749
750ならアグたんの微妙に豊かなおっぱいに顔うずめてクンカクンカする
>>747 >窒息して死にそう
口でアグたんの乳首吸って、鼻から息を吸えばいいんじゃない?
顔を全部おっぱい谷にうずめようとするからいけない。
最初の頃は直情的でオヴェリア様のことしか頭になかったアグたんが、 次第に母性本能に目覚めてラムザを支えるというシチュもやっぱいいもんだな。
目覚めるのが乙女心じゃなくて母性本能な所に貴公の漢を感じた 包容力のある女騎士イイヨイイヨー
そういやぁラムザがアグたんの乳吸ってアグたんが「私は乳など出ないぞ!」とか 言ってる絵があったなぁ。あれも母性本能みたいなものか。
「アリシア! 返事をしろ、どこだ!?」 空っぽの部屋でアグリアスは叫ぶ。返事は無く、またアリシアの荷物も無い。 それに気づいた時、アグリアスは今回の出来事の真相の一端を垣間見た。 第二話 ゼクラス砂漠『砂漠の夜の夢』 思考がまとまるより早くラムザが部屋に駆け込んでくる。 「ラヴィアン、ムスタディオを頼む! アグリアスさんは僕と一緒に!」 事は一刻を争う。ラヴィアンは「了解ッ!」と応えムスタディオの介抱へ向かった。 ラムザは宿の階段を駆け下り、それをアグリアスは追う。 「ラムザ、どこへ?」 「後を追うんですよ」 「誰のだ」 「多分ラッドとアリシアです、チョコボに乗って街の北へ逃げようとしていました」 「馬鹿な! なぜあの二人が……理由が無い、ゲルモニーク聖典を盗むはずがない!」 「僕だって解りませんよ、今は追いつかなくては!」 ラムザとアグリアスは宿のチョコボ小屋に行き、預けていたボコとココに駆け寄る。 今ラムザ一行は四羽のチョコボを飼い馬車を引かせており、 その内の一羽、もっとも戦闘に長ける赤チョコボのレッドがいなくなっていた。 ラッドとアリシアが逃亡のために乗って行ったと見てまず間違いない。 ラムザがボコに飛び乗るのを見て、アグリアスもココに乗ろうとした。 ココは雌の黄チョコボで、ボコほどではないにしろ強靭な脚力を持つ美しいチョコボだった。 しかしラムザはアグリアスに「僕の後ろに乗ってください」と命ずる。 理由はボコとココの両方に乗って行ってしまっては、後には黒チョコボのブラックしか残らないからだ。 黒チョコボは飛行可能なため、黄・赤に比べ脚力が弱く、馬車を引くのには向かない。 そのブラック一羽で馬車を引くなど無理な話で、 ムスタディオとラヴィアンが追ってくる時に不都合が生じる。 ラムザにとってはそこまで考えての発言だったが、 アリシアの逃亡にショックを受けたアグリアスはラムザの真意に思い至らず眉をしかめた。 しかし何か考えがあっての事だろうと解っており説明を求めて無駄な時間を使うほど愚かでもなかった。
故にアグリアスはラムザの後ろに乗った。 ボコは二人分の体重をもろともせず、ラムザの操る手綱に忠実に走り出す。 その直後、アグリアスは赤面した。 胸に濡れた服が張りついて、それがペッタンペッタンとラムザの背中に押しつけられるのだ。 風呂でかけ湯をしていたアグリアスは、銃声を聞いてろくに身体を拭かず服を着て、 しかし鎧は着ずに駆けつけたために、少々恥ずかしい姿になっていた。 それどころではないと解っていても、羞恥というのは自然と感じるものであり、堪えるしかなかった。 ラムザも背中に触れる冷たく柔らかい感触が解っているため、上擦った声でアグリアスに言う。 「あっ、あの。もっとしっかり掴まってください。ボコが走りにくがってる」 「あ、ああ……」 ラムザの脇に腕を回し、胸元を掴むようにしてしがみつくと、アグリアスの身体は安定した。 その代償として、アグリアスの胸はラムザの背中に密着し押し潰されてしまった。 純粋な走行速度は赤チョコボのレッドが上だったが、ボコは走るという行為が上手い。 街中の石畳にも慣れており、角を曲がるのにも体重移動を完璧にこなし、北へ北へと走った。 そして街の出口に近づいた頃、ようやくレッドに乗るラッドとアリシアに追いついた。 ラムザとアグリアス同様、ラッドが手綱を握りアリシアが背中に抱きついている。 「ラッド! どこへ行く気だ、裏切るのかッ!?」 「チッ……もう追いついたのか」 ラムザの大声はラッド達に届いたが、ラッドの呟きはアリシアにのみ届いた。 そして振り返ったアリシアは、ラムザの後ろにあるアグリアスの顔を見て、青ざめた。 振り返ったアリシアの顔が青ざめるのを見て、アグリアスは胸を痛めた。 そんな顔をするのなら、何故そこにいるのか? それともそこにいるのはラッドのせいなのか、アリシアは巻き込まれただけなのか。 「アリシアーッ!」 信頼する部下の名を叫ぶ。アリシアはラッドの背中に顔をうずめて表情を隠した。 ならば力ずくでも止めてみせると、アグリアスは剣を抜いた。 不動無明剣で動きを止めれば追いつける、アリシア達を傷つける事になってしまうが。 アリシアを傷つけてしまう。 一瞬の躊躇の間にラッドが半身を捻って振り返って、手を振り上げた。
「ボコッ!」 手綱を引いてボコを裏路地に入れるラムザ。直後、石畳に炎が広がった。 「かとんのたまか!?」 ラッドが何かを投げようとした事には気づいたラムザだが、それが何かまでは解っていなかったらしい。 だからこそ安全を取って裏路地に逃げ込んだラムザの判断力はさすがだった。 「悪いなラムザ! 妹は自力で何とかしてくれッ!」 ラッドの声が遠のく。 「くっ……闇に生まれし精霊の吐息の凍てつく風の刃に散れ! ブリザド!」 ラムザは氷の魔法を放ち、かとんのたまで起きた火柱を相殺した。 しかし路地裏から出た時にはもう、ラッド達の姿は無かった。 「北か……ゼクラス砂漠を越える気か?」 「……我々の装備では砂漠を越えられん、いったん宿に戻ろう……ムスタディオの容態も気になる」 「そうですね……ラッド達が砂漠で足を取られるのを期待しましょう……」 それ以上ラムザとアグリアスは何も語らなかった。 ラッドとアリシア、信頼していた二人の突然の裏切り行為が口を重くしている。 ふと、アグリアスは空を見た。 雲の流れがいつもより速い気が、した。
宿ではムスタディオがベッドに横たわりうんうんと唸る中、ラヴィアンが全員分の荷物をまとめていた。 「おかえりなさい。アリシア達、どうでした?」 手を止めずにラヴィアンは訊ねる。後を追うためすぐ移動せねばならないと解っているからだ。 ラムザはムスタディオのベッドの前に行き、苦しそうな表情を見ながらラヴィアンに問う。 「北に逃げた……ムスタディオはどうだ?」 「頭を殴られたようで、首も痛めてます。ハイポーションを使いましたけど今日は戦闘は無理かと。 銃なんて撃ったら反動で首が痛くて戦ってなんかいられませんね。薬(ポーション)漬けにしときます?」 「いや、今使い切る訳にはいきません。ムスタディオには我慢してもらいます。……荷物をまとめたら北へ向かう」 「……了解」 そんなやり取りを、アグリアスは他人事のように見ていた。 他人事ならどんなによかったか。 ラムザはムスタディオを抱き起こし、背中に背負う。馬車に運ぶつもりだ。 だからアグリアスは、自分とラムザの分の荷物を持った。 ラヴィアンはラヴィアン自身の分とムスタディオの分を持つ。 「アグリアスさん。宿の主人に、今すぐ立つ事にしたと伝えてください。窓の修理代を多目に払って」 普段は倹約に励んでいるが、揉め事を避けるための修理代に色目をつけるような余裕はあった。 むしろ、こういう時のために倹約していると言うべきだろう。時間や安全の中には金で買えるものもある。 「修理代だ」と言って多目の額を出された主人は、なぜ窓ガラスが割れたのか理由を訊かなかった。 そしてすぐラムザ一行を乗せた馬車が発進する。ボコ、ココ、ブラックに引かれて。 馬車の振動で目覚めたムスタディオは、切れ切れに何があったかを説明した。 「タオルを忘れて、部屋に戻ったらさ、アリシアが……ラムザの鞄から、聖典を取り出してるのを見たんだ」 アリシアが主犯なのか、ラッドにそそのかされた結果なのか、アグリアスは馬車の手綱を握る手に力を込めた。
「……俺は、銃をアリシアに向けて……止めようとして……。アリシアは、酷く怯えていた。 それから、うっ、もう少し揺らさず頼む……」 「す、すまん」 アグリアスは少しスピードを出しすぎたと反省し、馬車の速度を緩めた。 急がねばならないのは確かだが、飛ばしすぎてはチョコボがスタミナ切れを起こし、 長距離移動で考えた場合到着時間は遅くなってしまう。 「槍を向けられたから、武器を下ろすよう命令して……そしたら、いきなり後ろから殴られた。 そこで目の前が真っ暗になって……話し声がして、見たら、ラッドとアリシアが何か話してた。 逃げる相談みたいだった……ルザリアに、聖典を持って行くとか……。 とにかく、俺はお前等を呼ぶのと、威嚇の意味で、銃を撃った。 弾は二人に当たらないよう、撃ったつもりだけど、どこに飛んでったかは、よく解らねー」 「それなら窓ガラスが割れていたから、そこに当たったんだと思う」 「そうか。……それで、うー……。それで、いきなり後ろから殴られて、気を失っちまった……」 「ムスタディオ、ありがとう。ゆっくり休んで……」 「ああ。そうさせて、もらうよ」 四人分の毛布を敷いた上で、ムスタディオは仰向けに寝て、目を閉じた。 「ムスタディオは僕が看ている。ラヴィアンはアグリアスさんの補佐を……」 「はい」 御者台にいるアグリアスの隣にラヴィアンは座り、「私がやりますよ」と手綱を奪った。 馬車がドーターを出て街道を渡り、前面に広がる砂漠が見え始めた頃、アグリアスが口を開いた。 「ラヴィアン……アリシアが去った理由、解るか?」 「……アグリアス様はお解りになりますか?」 「アリシアが草だったとは思いたくない……」 「……アリシアが草なら、私も疑いますか?」 「まさかッ。……私はアリシアを信頼していた」 「でしょうね、それは解ります。でも、それだけだったと思いますよ」
チョコボの足音が変わった。 砂漠が初めてだった黒チョコボのブラックがもたつき、 チョコボ達のリーダーのボコはブラックに合わせて速度を落とした。 かつてウィーグラフと様々な場所を駆け抜けたボコにとって、この程度の砂漠などどうという事はない。 だからココやブラックも上手く導けるだろう。 しかし果たしてレッドはどうだろうか? ラッドとアリシアが乗っていった赤チョコボのレッドは。 ココ、ブラック、レッド、元々は全て野生だった。 それを捕まえたり保護したりして仲間にしたため、仲間になる前はどこで何をしていたのかは解らない。 レッドは丘で仲間になったため、多分砂漠は初めてだろうと、ラムザもアグリアスも考えている。 だから足が遅い馬車でも、ボコが先導してくれる限り、こちらの方が速いと踏んだのだ。 事実、ココとブラックと馬車という足手まといを持ちながらも、ボコはがんばってくれた。 しかしそのがんばりも、砂嵐にはかなわない。 ゼクラス砂漠に入って数時間経った頃、風が強まり、砂嵐が起こってしまった。 ラムザ一行は丈夫そうな岩の陰に隠れ砂嵐をやり過ごそうとする。 砂嵐が止んだ頃には、もう夜になっていた。 星を見れば方角は解るが、夜の砂漠は危険だ。 寒さもあるが、足場がよく見えないため、砂地獄に足を取られたり、急な斜面を転げ落ちかねない。 冷えるため岩の南側で焚き火を起こし、ムスタディオを除いた三人で番をする。 最初にラムザが行い、次にアグリアスの番となった。 アグリアスの瞳に炎が映る。 揺れ動く火をじっと見つめていると、意識が飲み込まれるような錯覚に陥り、 半分起きていて半分眠っているよう状態になった。 起きたまま見る夢はアリシアの夢だった。
アリシアは膝を抱えて座っており、腰を曲げて口元を膝で隠している。 視線の先には砂漠の砂があったが、そんな物を見ている訳ではなく、 視点が偶然そこに留まっているだけだった。 寒いのか、ぎゅっと膝を抱きしめて身体を揺する。吐く息も白い。 焚き火をしたいな、とアリシアは思ったが、同行者がそれを許さない事も知っていた。 アリシアは追われている。だから見つからないために、火を点けるのは厳禁だ。 「寒いよぉ……」 文句や愚痴ではなく、自然と漏れた率直な心の声だった。 そんなアリシアの背中に、毛布がかけられる。 アリシアは元々毛布を羽織っていたため、これで毛布を二重にした事になる。 「いいの?」 アリシアは問う。 「風邪引くなよ」 声が応える。 「……うん」 しばらくして、アリシアは寝息を立て始めた。 そして夢を見る。 アグリアスとラヴィアンと自分とで、お祈りをしていた。 場所はオーボンヌ修道院だったが、構造が一部変わっていて、本来の物よりやや広くなっている。 しかし色は全体的に薄く、儚い印象を受ける。 時折世界はセピア色になったが、それを判別する前に色を取り戻したりもした。 教会の中は寒くて、アリシアは祈るために組んでいた手を解き、身体をさすった。 寒い理由は解っていた、アグリアスもラヴィアンもいないからだ。 さっきまでいたのに、いなくなっていたからだ。
砂を踏む音がアグリアスの意識を覚醒させる。 といっても完全に眠っていた訳ではなく、 半分起きて半分眠っているという微妙な状態を継続させていたのだ。 その間、アリシアの夢を見ていた気がするが、詳細は思い出せなかった。 「アグリアス様、交代します」 「ん……まだ交代時間ではない、休んでいろ」 「何か寝れなくて。隣、いいです?」 やって来たラヴィアンは干し肉を持ってきていて、半分をアグリアスに渡した。 三口ほどで食べ切れる大きさだ。 硬い肉をかじりながら、二人は薪というステージで踊る赤いダンサーを見つめた。 一時として同じ形をせず、常に動き形を変える赤は、人を魅了する。 「アグリアス様。昼間、訊きましたよね」 「何をだ?」 「アリシアが去った理由」 「……解るのか?」 「解らないんですね」 「考えてはいる」 「どう考えたんですか」 「……ルザリアを目指しているのなら、聖典を王家に渡すつもりなのだろう。 ルザリアという事はオリナス王子の側に……ラーグ公の側につくという事になるが、それも正しい判断だ。 私達はオヴェリア様を守るよう命じられてはいるが、命じたのは元老院であり、王家だ。 私とて王家への忠誠を捨てた訳ではないが、我が身は、ラムザに預けてある。 ラムザが正しいと思える限り、私も同じ道を行く。しかしアリシアが王家を選んだとて、それは――」 「解ってないんですね、やっぱり」 落胆した声色で、ラヴィアンは微笑んだ。 そのどちらがラヴィアンの本音なのかアグリアスには判別できない。 もしかしたら両方かもしれない。それでは矛盾してしまうが、人は矛盾を抱える生き物なのだから。
「私は、アグリアス様の事、好きですよ」 アグリアスのいぶかしげな視線を向けられたラヴィアンは、干し肉をかじって言葉の続きを先延ばしにした。 仕方なくアグリアスも干し肉をかじる。 濃い肉の味に水が欲しくなったが、砂漠を抜けるまでは節約しなければならない。 薪がパチッと音を立てて崩れる。 「でも尊敬してるかというと何か違います」 ラヴィアンは言葉を続けた。 「けれどアリシアはアグリアス様の事が好きで、尊敬もしていたと思います」 「ならば……ならば何故、私に何も言わず行ってしまった? せめて一言っ……」 「軽蔑されたくなかったんですよ。だから相談も何もできなかったんじゃないですか?」 「部下の相談にも乗れないようでは、隊長失格だな」 「何でそう的外れなんですかねぇ……もしかして狙って外してません?」 「……私はいつも真面目だ」 「そういうところが好きだったんだろうなぁ」 「アリシアがか? それともラヴィアンも――」 ラヴィアンは腰の刀に手を伸ばし、北側にある巨石を見た。 登頂で動く影があるが、人の物では無い。鳥、ジュラエイビス系だろうか? 鳥目ゆえ夜間襲ってくる事はないが、焚き火の明かりでラヴィアン達は見えているだろう。 一羽しかいないようだが、追い払った方がいい。 アグリアスも剣を抜いたが、そこで追い払う方法が無い事に気づいた。 無双稲妻突きなら届くだろうが、アリシア達が近くにいたら見つかってしまう。 ラヴィアンは高所に届く技を持たない。 黒魔法が得意なラムザは就寝中、銃が得意なムスタディオは負傷中、 高低差に強い忍者のラッドと竜騎士のアリシアは出奔中。 「ちょっと面倒くさいけど、追い払ってきます」 それがこれ以上の会話を避けるための目的を持っているのではとアグリアスは感じたが、 あえて何も言わずラヴィアンを行かせた。ラヴィアンが岩を登ってから、小さな声でポツリ。 「自分から話しかけておいて……」 岩の上で人影と鳥影が争っているのを見ながら、アグリアスはさっき見た夢を思い出そうとした。 しかしどんな夢だったのか微塵も思い出せず、しばらくして戻ってきたラヴィアンに火の番を任せ眠る。 今度は夢は見なかった。
アリシア。・゚・(ノД`)・゚・。
アグリアスがクリスタルになっちまった・・・ しゃあないんでラムザにとらせたぜ
アリシアがラッドとくっつくという設定は時々あるねぇ。
>>767 もうすぐ爺さん仲間になるからいいかなと思ってセーブしちまった・・・
アグクリスタルをそっとアナルに挿入する ラムザ隊長の斬新な供養にメンバー一同が泣いた
>>769 おまいのアグたんへの愛はそんなものなのか!
たとえ伯が加入してアグたんの存在意義が薄れようとも、
アグたんを支持し続けるのがこのスレの住民達の暗黙の了解だぞ!
・・・多分な。
::::::::::::::::::::::::::::: ,.-ヽ :::::::::::::::::::::: ____,;' ,;- i へ、 /;へ\ :::::::::::::::::: ,;;'" i i ・i; // _l::|___l::|_ヽ:ヽ ::::::::::::::: ,;'":;;,,,,,, ;!, `'''i; / ̄ ̄ ̄ ̄\,, |l/−、 −、:::::::::::::::`::| ::::::::::: ,/'" '''',,,,''''--i / __ヽ /::::::| ・|・ | 、::::::::::::::\ ::::::::: ;/ .,,,,,,,,,,,,,,,,, ;i'⌒i; | | |、 /::/ `-●−′ \:::::::::::ヽ ::::::: i;" ___,,,,,,, `i". | ∩─| | ,|/ ── | ── ヽ:::::::::| ::::::: i; ,,;'""" `';,,, "`i; | ∪ `l |. ── | ── .|::::::::| ::::::: | ''''''i ,,,,,,,,,, `'--''''" ヽ __/ _.ノ | ── | ── |:::::_l ::::::: |. i'" "; |――― 、". ヽ (__|____ /::::| ::::::: |; `-、.,;''" /  ̄ ̄ ̄ ̄^ヽ.. \ /:::,/ :::::::: i; `'-----j | | | | . l━━(t)━━━━┥ ↑ ↑ ↑ アグ ラム 伯
アグアグーン
つーか伯加入しても一軍で使わんなぁ。 装備引っぺがしてベンチウォーマー。
さて今日はファリス対アグたんか
アグリアスが死んだ時って、カノープスが死んだ時と通じるなぁ。 古参の仲間で自分を信じて付いて来てくれたのに、 志半ばで倒れられると本当に悲しくなる。 しかし、FFTは死んでも気味の悪い合成音声の悲鳴だけで、 死に際のセリフが無いのが素っ気無い。 って事で誰かアグリアスの死に際のセリフを考えてくれないか?
アグリアスが死ぬSSを書いてくれ
そうだな。萌えやシリアスはお腹いっぱいだから、 たまには死の儚さも味わってみたいものだ。
アリシア…('A`) 今からちょいと育ててくるよ、アグリアスとのツートップを夢見て…
アグたんが死んだら・・・俺、もう生きていけない
人の夢と書いて儚いというが、儚いのはむしろ人の命だ。 長い年月を武で積み上げてきても、ちょっとした事ですぐ命を亡くす。 救いがあるとしたら、人は、業を石に託して伝えられるという事。 日和ってものがある。洗濯日和の晴天とか、悲劇日和の雨天とか。 今日起きた出来事は悲劇だ、だが晴天だ。 蒼穹の下でアグリアス・オークスは、死んだ。 命を奪ったのは一本の矢。敵が後ろから放った矢が、心臓を一突き。治療の手立ては無い。 握ったアグリアスの手に雫が落ちる。 「アグリアスさん……」 「……ラム…………」 彼女は虚ろな瞳を向けて、必死に言葉を紡ぐ。 「……クリ、ス……ル……貴公……、私の業を、オヴェ……救って……」 そこでもう、彼女の唇は動かなくなった。 呼吸が止まり、鼓動も止まった。 そしてアグリアスの胸の上に浮かび上がるクリスタルの輝き。 彼女の心のように清浄な光。 「ラムザさん……」 泣きそうな声でアリシアが言う。 「アグリアス様の最期の望みです。そのクリスタルは、あなたが……」 「解ってるよアリシア。アグリアスさんは死なない……僕の中で生きるんだ」 こうして、ラムザはアグリアスのクリスタルを抱きしめた。 クリスタルはラムザの胸に溶け込み、一体となった。 アグリアスは、今、ラムザと同化したのだ。
――おお、これがラムザの中身か。ほんわかして居心地がいい。 突然、ラムザの"体内"から声がし、鼓膜を振るわせる。 「え、えっ?」 声の源は、今さっきクリスタルを吸い込んだ胸のあたりからする。 「どうしました、ラムザさん?」 「あ、いや、何でも……」 不安そうに問いかけたアリシアに余計な心配をかけまいと取り繕う。 額に嫌な汗が浮かび、乾いた笑みが引きつる。 ――ではラムザ、さっそく聖剣技を継承してみようか・ 「せ、聖剣技を?」 ラムザの呟きを聞いて、アリシアが首を振る。 「ラムザさん。聖剣技は特別な騎士の称号を受けたものでしか使えませんよ、いくらラムザさんでも継承できません……」 「あ、うん、そうだね」 ――そうだね、じゃない。私が何年も何年も修行して体得した奥義を伝えられず死ねるものか! (もう死んでますよ) 心の中でツッコミを入れる。 ――それもそうだな、これは一本取られた。ワハハハハ。 心の中でツッコミに応えられる。 「ね、ねえアリシア」 「はい、何でしょう」 「君はクリスタルからアビリティを継承した事あるかい?」 「何言ってるんですか、先週ラッドさんのクリスタルを継承したのは私ですよ?」 「そ、そうだね。それで、何か変わった事は?」 「いえ何も」 「幻聴が聞こえるとか、ない?」 ――コラ、コラ。幻聴とは失礼な。 「ラムザさん……そんなにアグリアス様の事がショックだったんですね」 「…………そうじゃなくて」
「まさか亡くなったアグリアス様の声が聞こえるとか……」 「そ、それは、実はその――」 「なんてね。死者のクリスタルでアビリティを継承した罪悪感に耐え切れず精神に異常をきたした人じゃあるまいし」 「あ、あはは、そうだね」 「ラムザさん、おつらいでしょうけれど、私にできる事があったら言ってください。力になります」 「あ、ありがとう……」 ――さすがアリシア。面倒見のいい部下を持って私は果報者だ! こうして、アグリアスの意志を肉体に宿したラムザの受難は始まった! 受難その1 「トイレトイレ……ふぅっ」 ――むっ、い、意外と柔らかいものだな。 「か、感触伝わるの!?」 受難その2 「あ、あの人綺麗だな」 ――むっ、股間がムズムズする。病気か? 「え、あの、その……」 受難その3 「ラムザー、落ち込んでる時は遊ぶに限る。娼館行こうぜー」 ――ラムザよ、アホな誘いをしているムスタディオに北斗骨砕打を。 「わ、悪いけどそういう気分じゃないんだ。またね」 ――また? またとは、今度は行くという意味か? 不潔な!
その日の晩、ラムザは夢の中でアグリアスと対面す。 「ここは……夢の中?」 『その通りだ、よく解っているではないか』 「あ、アグリアスさん!? まさか、なぜ、こんな……」 『何だ、せっかく話ができるというのに嬉しそうではないな』 「嬉しさより混乱が先に来ていて……。これは、どういう事なんです?」 『知らん』 「……」 『何故か知らんがラムザの中に入った途端、意識が急速に覚醒して、こうなっていたのだ』 「はぁ……」 『という訳でこれからもよろしく頼むぞ、ラムザ! おっと時間だ、ではそろそろ……』 「え、ちょっ、待って……」 こうしてラムザは眼を覚まし、しばし今後の事を考えた。 「……こうなってしまったものは仕方ない。アグリアスさん、畏国を救うため力を貸して下さい……!」 さて。人の夢と書いて儚いというが、儚いのはむしろ人の命だ。 長い年月を武で積み上げてきても、ちょっとした事ですぐ命を亡くす。 救いがあるとしたら、人は、業を石に託して伝えられるという事。 日和ってものがある。海水浴日和の晴天とか、殺人事件日和の雷雨とか。 今日起きた出来事は悲劇だ、だが晴天だ。 蒼穹の下でムスタディオ・ブナンザは、死んだ。 命を奪ったのは一本の矢。敵が後ろから放った矢が、心臓を一突き。治療の手立ては無い。 「ら、ラムザ……俺のクリスタルは、お前が継承してくれ……」 続かない。
最終回は皆の背後霊にまとわり付かれたラムザが、 ウェイブライダー形体に変形した八号に乗ってアルテマ様に突貫しますか。 ラムザ「あ!大きな聖石がついたり消えたりしている。あははは…大きい! …バハムートかな?いや違う、違うな。バハムートはもっとバハーって動くもんな。 …あぁ…暑苦しいな、ここ。出られないのかな?・・・おーい、出してくださいよ、ねぇ」 そして大爆発。
ラムザが笑うとアグたんぬれぬれ
2レス目からの展開ワロス
アグたんの寄宿霊に居つかれたままでは女遊びもできまい。 ラムザにとって良いのか悪いのか。
どっちかというと「鉄腕バーディ」を思い浮かべてしまった ともあれgj!
1話目は真面目な話だと思って読んだのに…2話目からの展開にやられたw あれですね、この後はメリアドールとかラファもどんどん死んでいって 脳内でラムザ争奪戦をするようになるわけですねw
どっこい生きてる、ラムの〜な〜か〜♪ ど根性アグたんですね。
>>771 もう一度川にいる赤チョコボ軍団に勝つ自信が無かったので
リセットできんかったよ…
>>791 女遊びが出来ないなら出来ないで、30歳になる頃には
自然に聖剣技が使えるようになってるから無問題。
>>793 その後ラムザがアルマとくっついて、
いがみ合ってた3人が一斉にラムザの人格攻撃をすると。
やっぱ精神世界ではみんなスッ裸で飛び回ってくんないと。 ほんでもって、イヴァリースちちくらべラムザカップを。
ハシュマリム「たった一人でここまで来るとは、恐るべき男よ」 ラムザ「ふっ、僕は一人じゃない。共に戦ってきた仲間達全員の命が僕に宿っているんだ!」 アグ『そうだそうだ、私の聖剣技で果てるがいいライオンめ!』 メリア『父の肉体を奪ったルカヴィを倒すにはやはり私の剛剣でしょう?』 ラファ『剛剣なんてルカヴィには効果ありませんよ装備無いんですから、という訳で私の真言を……』 マラク『いや、俺の裏――』 オル伯『一対一なら闇の剣で回復しながら戦うといいぞ』 ベイオ『闇の剣が届かない距離なら私のドレインも有効だよ、ルカヴィは最大HPが高いからね』 レーゼ『ホーリーブレスでギャンブルするのも楽しいわよ、どうせレベル99なんだから遊びましょ』 ムスタ『まあ待て、遊ぶんだったらドンアクドンムブにした方がやりやすいぞ。狙撃しよう狙撃』 ラッド『固有ジョブ持ちはいいねぇ……』 アリシア『固有ジョブでなくともナイトこそ私の生きる道!』 ラヴィアン『という訳でスピードブレイクの後にパワーブレイクとマインドブレイクで無力化よ!』 鉄巨人『ウルサイノデ、圧縮シマスカ?』 ビブロス『……』 ボコ『クエッ』 クラウド『……元の世界に帰りたい』 ハシュマリム「何かお前の背後に幽霊がいっぱい見えるんだが」 ラムザ「……気にするな、僕はもう慣れた」
そういえば鉄巨人てクリスタルになるんか? やったことないんだが……
ガフ・ガリオン「ラムザに同化しよーと即水晶化した俺もいるンだが…、とってくれたよ…な??」
ラムザ開門→門の外ではすでに敵全滅→ガフガフおじさんを集団リンチ→クリスタル化と同時にクリア というお約束コンボをやったに違いないw
ガフ・ガフガリオン「『さよなら、ガフガリオン…。』て…、拒絶する意味だったの…ねorz ライオネル城の堀の水は冷たくてばっちぃぜ、ちょwwwうえwwwwwがヴぉwww(´д`)ノシ」
ふざけんなよガフ 暗黒剣継承できると期待に胸を膨らませた俺の思いを返せ ガフガフ
暗黒剣の継承=神様信じないだから、 そうなるとお食事前のお祈りをラムザが一緒にやってくれないとアグたんが不機嫌になっちゃうので、 ラムザが気を使ったんだよ。 朝っぱらから一人ピリピリするだけで、その日一日皆やりづらくなっちゃうからな。
異端者だけどね( ´∀`)
>>784-787 1レス目は重そうでその後の展開に期待したが、お笑いモノかw
やっぱり死の儚さを現すのは難しいのかな?
それにこのスレでやるのも勇気が要るのかも。
本当、1回真面目にアグリアスの戦場での死の話で悲しんでみたかったが。
何はともあれGJ。美鳥の日々じゃないけど運命共同体ネタも好きだ。
その後の
>>800 とかの派生話にも笑えたw
アグアゲフゥッッ
>>808 流石にシリアスな死亡ネタは辛くて書けなかったと思われ。
1レス目見たとき、俺泣きそうになったもん。
まぁ、最萌えでは死亡してしまったわけだが。これは弔わねばなるまい。
ぱんつ
>>339 アグ様でなく、安様だな。
FF板で見るとは思わなかった。
やっと解析できたぜ→◆Agrius/e4j 誰か欲しい人あげます。SS職人の方が付けてくれると嬉しいな ◆Agrius/e4j #z\vg/OGU
しかし2chで、自分好みにトリップを解析して付けてるコテ連中はたいがい痛いヤツという悪印象があるからなあ。
せっかく解析したんだから誰か使ってくれよー
ところでアグリアスは Agri a s じゃないかね
なるほどイメージ検索すれば一目瞭然だが、 aだと蝶で、uだと蛾になってしまうんだな。 確かに大量の蛾のサムネイルの中にもチラホラとアグリアスも交じってはいるのだが…
uだと日本版のスペル aだとUS版のスペルだったはず
つまりアグリアスさんは夜の蝶ということか。
なんで「夜の」なんだw
821 :
カテナツィオ :2006/05/18(木) 17:53:29 ID:VHCLdGm70
お久です。SS投下します。 今回はパロディ一直線です。
822 :
異端者の花見 :2006/05/18(木) 17:54:01 ID:VHCLdGm70
ラム「みんな揃ったかい?」 ムス「見りゃわかんだろ。揃ってるよ」 ラム「そうか。いや、他でもないんだけど、隊の経理係のアグリアスさんが みんな顔をそろえてくれって言うんだ」 ラド「ふーん? 何の用だ?」 ラム「いや多分、軍資の積み立て金の催促じゃないかと思うんだけど……」 マラ「積み立て金? 経理係が積み立て金をどうしようってんだ?」 ラム「どうって、だから積み立て金を払えっていう催促だろう」 マラ「積み立て金を払えだと? ずうずうしい経理係だ」 ラム「何もずうずうしいこたないだろう。……というか、アグリアスさんが 催促するくらいだから、みんなずいぶん払ってないんじゃないの? ―――どうだいムスタは?」 ムス「いや面目ねぇ」 ラム「面目ねぇって、そんなに払ってないわけ?」 ムス「いや一つ払ってあるだけに、面目ねぇ」 ラム「それなら何も面目なくないだろ。積み立て金なんて毎月一つなんだし」 ムス「月一で持ってってりゃ面目ながりゃしねぇさ」 ラム「そりゃそうだ。じゃ、いつ持ってったの? 三ヶ月前?」 ムス「三ヶ月前なら大威張りだ」 ラム「じゃ、半年前?」 ムス「半年前ならアグ姐の方から礼にくらぁ」 ラム「じゃ、一体いつ持ってったんだよ?」 ムス「月日の経つのは早ぇもんだ。あれは俺が隊に加入したときだから、 もう一年以上前になるんだな」
823 :
異端者の花見 :2006/05/18(木) 17:54:38 ID:VHCLdGm70
ラム「一年以上前ぇ? そりゃ、アグリアスさん怒るわ。……ラッドは?」 ラド「まことにすまねぇ」 ラム「まことにすまねぇって、一体積み立て金どうしてるのさ?」 ラド「積み立て金てぇと、なんだ?」 ラム「何だよ、積み立て金知らないわけ? ラヴィアンさんは?」 ラヴィ「え? 何が?」 ラム「いや、積み立て金」 ラヴィ「積み立て金? そんなもの、まだ食べたことありません」 ラム「食べ物じゃないよ……アリシアさんはしっかりしてるから、持ってって ますよね?」 アリ「そういわれると恥ずかしいですけど、確かに持ってってます」 ラム「さすがですね、いつです?」 アリ「そうですねぇ、あたしがアカデミー時代の……」 ラム「ちょっとちょっと、古すぎますよ……マラークは?」 マラ「積み立て金については涙ぐましい話があるんだ。実はバリンテンの野郎に 殺された親父の遺言でな、『マラークよ、お前は何をしても良いが、 積み立て金を払うてぇような、そんな了見だけは起こしてくれるなよ』と 言い残して、はかなく息は絶えにけり、チャチャンチャン」 ラム「どこの世界にそんな馬鹿な遺言をする父親がいるんだ。……ラファは?」 ラファ「失礼ねラムザ。こう見えてもあたし結構気を使ってるのよ。向こう三軒両隣、 誰も払ってないのに、あたしが払ってるわけないじゃないの!」 ラム「何を妙な威張り方してるんだ……こうしてみると誰も払ってないわけか。 こりゃ、下手すると罰として全員キツイ儲け話に派遣かなんかだぞ」
824 :
異端者の花見 :2006/05/18(木) 17:55:14 ID:VHCLdGm70
ラム「とにかくアグリアスさんのとこへ行ってみよう。……うわ、難しい顔して 帳簿とにらめっこしてる。……こりゃいよいよ罰ゲームかな」 ムス「おいおい、脅かすなよ」 ラム「とにかく僕が代表して謝ってみるから……アグリアスさん、みんなを連れて きました」 アグ「なんだ、そんな入り口のところに固まって。みんなこっちへ入れ」 ラム「ええと、積み立て金のことでしたら、すみません。近いうちにみんな必ず……」 アグ「積み立て金? 私はそんなことを言った覚えは……ああ、私が呼びにやったんで 積み立て金の催促かと思ったのか。安心しろ。今日はそのことじゃない」 ラム「じゃ、積み立て金はあきらめましたか?」 アグ「誰があきらめるか」 ラム「割と執念深いですね。物事あきらめが肝心ですよ」 アグ「何を言ってるんだ。皆、苦しいだろうがボツボツ入れてくれなきゃいかん。 ま、今日はそのことはいい。……ところで、いい陽気になったな」 ラム「ええ、春爛漫ですね」 アグ「で、だ。皆で、花見に行ってみないか」 ラム「え? 花見?」 アグ「そうだ、我々も異端者だの貧乏部隊だのといわれて景気が悪くてしょうがない。 そこで一つ、陽気に花見にでも行って、気分をリフレッシュしつつ、貧乏神を 追っ払おうかと思うんだ」 ラム「花見にねぇ……で、どこへ行くんです?」 アグ「マンダリア平原の桜が満開だというから、そこへ行こうと思う」 ラム「マンダリア平原ねぇ……するとみんなで出かけて、花を見て、一回りして 帰ってくるんですか?」 アグ「ただ回ってくるだけなんてそんな間抜けな花見があるか。酒、肴を持ってって 盛大に騒がなきゃ意味がない」
825 :
異端者の花見 :2006/05/18(木) 17:56:11 ID:VHCLdGm70
ラム「酒、肴ねぇ……どこかでかっぱらってきますか?」 アグ「人聞きの悪いことを言うな。……そのほうは私が自腹で用意した」 ラム「え? アグリアスさんが酒、肴を心配してくれたんですか?」 アグ「ああ。ここに一升瓶が五本ある。それに重箱にはテリーヌと玉子焼きが入ってる。 酒、肴といってもこれだけなんだが……どうだ、行くか?」 ラム「それ全部、アグリアスさんの奢りですか。それだけあれば行きますとも。なあ、 みんな?」 ムス「おうおう、行くとも!」 ラド「やっぱ、アグ姐は人間が出来てるぜ!」 ラヴィ「隊長、ごちになります〜」 アリ「哀れな親子が助かります」 アグ「乞食芝居みたいな台詞だな……まぁ皆にそこまで感謝されると決まりが悪いから、 先に種明かしをしておこう」 ラム「種明かし?」 アグ「ああ……実は、この酒は本物じゃない。番茶を煮出して水で割って薄めたんだ。 どうだ、本物そっくりだろう」 ラム「え? これ、番茶ですか? すると、お酒もりじゃなくてお茶かもりですか?」 ムス「するってぇとアグ姐、テリーヌと玉子焼きは本物なのか?」 アグ「それを本物にするくらいだったら五合でも酒を買うさ……ま、中を見てみろ」 ラム「中を……どれどれ。あ、大根の漬け物とタクアンだ」 アグ「そう。大根は四角に切ってあるからテリーヌ、タクアンは玉子焼きってわけだ」 ラム「こりゃなんとも……貧乏所帯とはいえ情けないなぁ……ガブガブのボリボリか」 アグ「まぁそう言うな。向こうで『テリーヌで一杯やるか』とでも言って、音をさせない ように食べて、小さな猪口ででも飲めば、それなりに格好はつくだろ」
826 :
異端者の花見 :2006/05/18(木) 17:56:56 ID:VHCLdGm70
ラム「そりゃそうですけど、やってる当人としてはねぇ……どうする、みんな?」 ムス「ガブガブのボリボリだけど、せっかくアグ姐が用意してくれたんだしな」 ラド「その気持ちにすまねぇから、行くとしようや」 ラファ「それに、人が一杯出てるとこ行けば、財布だのアクセサリだの落ちてるかも!」 アリ「まぁ、それを頼りに出かけますか」 アグ「しみったれたことを言うな。じゃ、とにかく行くぞ。……おいムスタディオ、 向こうで敷くから、後ろにあるカーペットを持っていってくれ」 ムス「カーペット? そんなもんどこにあるんだ? ムシロならあるけど……」 アグ「私がカーペットだと言ったらそれをカーペットだと思えばいいんだ」 ムス「へいへい。……持ったぜ。ムシロのカーペット」 アグ「余計なことを言うな。じゃ、重箱と湯飲みはラヴィアンとアリシアが持て。 で、カーペットはラッドとムスタディオがかついでいくんだ。いいな」 ラド「ムシロの包みをかつぐのか。花見に行く格好じゃねぇなあ。猫の死骸かなんか 捨てに行くみてぇだ」 アグ「つまらんことを言うな。じゃ、一つ陽気に出かけよう。それ、花見だ花見だ」 ラヴィ「ほれ、夜逃げだ夜逃げだ」 アグ「誰だ、馬鹿なことを言っとるのは!」 ムス「しっかし、大の男がムシロかついで歩いてるなんていい格好じゃねぇなあ」 ラド「それにしてもお前と俺はなんでこうかつぐのに縁があるんかなぁ」 ムス「そうそう、先月新人君が死んじまった時、二人でかついで捨てに行ったなぁ」 ラド「雨が降ってて陰気だったなぁ。あの死体、もうクリスタルになってるよなぁ」 アグ「貴様らいい加減にしろ! これから花見だというのに、そんな辛気臭い話を する奴があるか! ……ほれ、マンダリア平原が見えてきたぞ。桜が満開だ」
827 :
異端者の花見 :2006/05/18(木) 17:57:31 ID:VHCLdGm70
ラム「わぁ、桜も綺麗ですけど、ずいぶん人が出てますねぇ」 アグ「そうだな」 ラヴィ「隊長〜、あたし考えたんですけどぉ」 アグ「なんだ?」 ラヴィ「ムシロを敷いて、みんなで一列に並んで、通る人に頭下げて、お金を恵んで もらうというのはどうでしょう〜?」 アグ「馬鹿! 物乞いに来たんじゃないんだ! ……そういえばムシロ……じゃない、 カーペットの係はどうした? 敷かんことには酒盛りが出来んぞ」 マラ「あの二人ならほれ、あそこに突っ立ってるぜ。本物をうまそうにやってるのを うらやましそうに見てやがる」 アグ「しょうがないな。おい、とっととカーペット持って来い!」 ラム「そんな言い方じゃだめですよ。当人達はカーペットだなんて思ってませんから。 ―――おーい、ムシロのカーペット持って来いよ〜!」 アグ「おい、ムシロのカーペットなんてやつがあるか!」 ラム「だってそう言わないと気付きませんから……そら、持ってきた」 ムス「すまねぇ、あそこでうまそうに本物食ったり飲んだりしてるから、つい……」 ラファ「こっちも始めるのよ。ガブガブのボリボリを……」 アグ「そんな嫌そうな顔で言うな。……よし、カーペットを敷いたな。さぁ、今日は 私の奢りだと思うと気詰まりだろうから、遠慮なくやってくれ」 アリ「―――誰がこんなもの遠慮して食べるってのよ、ばかばかしい……」 アグ「なんだ?」 アリ「おほほほ、いえ別に……」
828 :
異端者の花見 :2006/05/18(木) 17:58:10 ID:VHCLdGm70
アグ「よし、今週の食事当番はラヴィアンだな。みんなにお酌してやってくれ」 ラヴィ「はーい。じゃ、ラッド、注いだげるね」 ラド「おう。ほんのおしるしでいいぞ。ほんのおしるしで……おい、こんなに 注ぐ奴があるかよ。お前俺に恨みでもあんのか!?」 アグ「こらこら、酒を注がれて逆ギレする奴があるか」 ラド「だって最近俺、睡眠不足なのに。またカフェイン取りすぎで眠れなかったり したら……」 アグ「これは酒だ! カフェインなど入っとらん! いいから飲め!」 マラ「おい、俺にくれ。―――なるほど、色だけは本物そっくりだな。これで飲んで みると違うんだから情けねぇ……なあ、アグ姐。いい酒だな」 アグ「そうか、嬉しいことを言ってくれるな」 マラ「アグ姐はニッポンの宇治に親戚でもあるのか?」 アグ「宇治に? どうして?」 マラ「これだけの酒ならきっと宇治産だろうと―――」 アグ「馬鹿! 酒が宇治から出るか! おいラファ、さっきから全然飲んでないな?」 ラファ「あたし、冷たいの苦手なの」 アグ「ふーん、冷やはだめか」 ラファ「うん、いつも焙じたの飲んでるから……」 アグ「どこの世界に酒を焙じるやつがいるんだ。……ムスタディオ、お前も飲んどらんな」 ムス「俺、下戸だから……」 アグ「お前下戸だったか? 下戸なら下戸で食べるものがあるだろう」 ムス「―――ちっ、一難さってまた一難か」 アグ「何か言ったか?」 ムス「いやいや別に。じゃ、そのテリーヌをもらおうか」 アグ「うむ、遠慮なく食べてくれ」
829 :
異端者の花見 :2006/05/18(木) 17:58:55 ID:VHCLdGm70
ムス「こう見えても俺は、このテリーヌは大好きなんだぜ」 アグ「そうか」 ムス「おうよ。千六本にきざんで味噌汁の具にするのがブナンザ家の朝食 なんだぜ。それから胃の悪いときにはテリーヌおろしにするし……」 アグ「なんだテリーヌおろしとは」 ムス「テリーヌの産地といや、ニッポンの練馬らしいが、最近じゃ練馬も 開発が進んでテリーヌ畑が少なくなってきたらしいな」 アグ「訳の分からんことを言っとらんでさっさと食べろ! よし、酒が回って きたところで、誰か景気よく歌でも歌うんだ」 アリ「―――冗談でしょ。これで歌なんか歌ってたらただの馬鹿じゃない」 アグ「なんだと?」 アリ「いえいえ、別に。おほほほほ―――」 アグ「そうだ、ラヴィアン、お前、侍にジョブチェンジしたときに、俳句の 練習してたな。花見の句でも、一つ詠んでみろ」 ラヴィ「え? 花見の句ですかぁ? う〜ん……『花散りて死にとうもなき命かな』 ……なんてどうですかぁ?」 アグ「なんだか寂しいな……他にできないか?」 ラヴィ「え〜と、それじゃぁ……『散る花を南無阿弥陀仏というべかな』」 アグ「やめやめ! 余計陰気になる!」 ラヴィ「だって、ガブガブのボリボリじゃ、陽気な句なんて出来ませんよぉ」 アグ「愚痴を言うんじゃない!」 マラ「よぉ、アグ姐、俺も一句出来たぜ」 アグ「お、そうか。さすがに漢字を多用する裏真言の使い手だな。いい句を頼むぞ」
830 :
異端者の花見 :2006/05/18(木) 17:59:36 ID:VHCLdGm70
マラ「これなんだが……」 アグ「おや、貴公矢立てなんぞ持ってきてたのか。意外と風流人だな。……ええ、 なになに『部隊中……』―――ほう、部隊全員ということで部隊中と始めた なんぞは嬉しいな。……『部隊中歯を食いしばる花見かな』……なんだって? 『歯を食いしばる花見かな』?」 マラ「だってそうだろう。あっち見てもこっち見ても、みんないいもの食って たらふく飲んでるのに、俺たちゃ番茶に漬物だぜ。ああ情けねぇと、思わず 歯を食いしばる、という……」 アグ「馬鹿もん! 雰囲気を盛り下げるような句を書くな! 気分なおしに、 アリシア、景気よく酔っ払え!」 アリ「え? 酔うんですか? 酔ってないふりってのはやったことありますけど、 酔ったふりなんてのは……」 アグ「頼むよ。お前の世話はルザリア以来よく見てやったじゃないか」 アリ「はあ、隊長にそう言われちゃ、あたしは返す言葉もありません。一宿一飯の 義理にからまれて、あたしゃあ酔わせていただきます!」 アグ「やくざみたいな台詞だな……まぁ、ひとつ威勢良く酔っ払ってくれ」 アリ「はい、それじゃ、隊長!」 アグ「なんだ?」 アリ「つきましては、あたし、酔いました。あらためて、べらんめぇ!」 アグ「そんな意味不明な酔っ払いがあるか! こうなったらラムザ、貴公だけが 頼りだ。ひとつ皆の見本になるよう酔っ払ってくれ」 ラム「はぁ……じゃ、その湯飲み貸してください。大きいのでがぶ飲みした気分に なってやってみます……うーぃ、さぁ、酔ったぞぉ! ああ、酔ったとも!!」 アグ「いいぞ、その調子」
831 :
異端者の花見 :2006/05/18(木) 18:00:17 ID:VHCLdGm70
ラム「うーぃ、僕ぁ、酒飲んで酔ったんだぞぉ! 番茶飲んで酔ったわけじゃ ないぞぉ! 見損なうない!!」 アグ「そんなこと断らなくてもいい」 ラム「断らなきゃ気違いと間違われちゃいますから……さぁ、酔った酔った! こうなりゃ地所でも何でも売っぱらってやるぞぉ! ひィっく!」 アグ「威勢がいいな。しかし、地所なんかあるのか?」 ラム「戦争で兄貴が二人ともくたばりゃ、ベオルブの土地は僕のもんだいッ!」 アグ「貴公、意外と腹黒いな……」 ラム「さぁ、いい気持ちになってきたぞ! 教会がなんだ! 神殿騎士団がなんだ! 人類みんな友達だ! その気になればルカヴィとだって仲良くできらぁ!!」 アグ「時々すごいこと言うな、貴公は……」 ラム「ラーグ公はどうみてもつぶやきシローだ! ダイスダーグ兄さんは髪の毛より 根性が曲がってらぁ! 畜生、色っぽいぞ、セリアにレディ!!」 アグ「おい、最後のは聞き捨てならんぞ!」 ラム「みんなして僕のこと甘ちゃんだの女みたいな顔だの馬鹿にしやがって! 覚えてろ! ベオルブ家秘伝の108の拷問法で仕返ししてやるからなッ!!」 アグ「そ、そんなものがあるのか?」 ラム「さぁ、こうなりゃ僕だけが酷い目に遭えばいいんだ! 畜生! ラヴィアンさん! 湯飲みに目一杯注いでください! うわ、ずいぶんこぼれた。こぼしたところで ちっとも惜しい酒じゃないけど……あ、アグリアスさん!」 アグ「ん? どうした?」 ラム「ちかぢか、部隊にいいことがありますよ、きっと」 アグ「良いことが? なんで分かる?」 ラム「湯飲みの中を見てください。―――酒柱が立ってます」 ―――――劇終
832 :
カテナツィオ :2006/05/18(木) 18:00:54 ID:VHCLdGm70
一度やってみたかった落語パロディ(以前「まんじゅうこわい」でやった方がいましたが) 詳しい人ならすぐ分かるでしょうが、「長屋の花見」という落語のパロディです。 元ネタが落語なんで、オチもあっさり目です。 まぁ多少設定に無理があるのは大目に見てくださいw つーか、萌え要素ねぇw
パロディというかそのまんまやん
>>832 最後のオチに、苦難の中での小さな幸せを見つけた、って感じでなんだか癒された。
小ネタの挟み具合はいいけど、落語のほうがメインになっちゃってるような。
というか、これは名前置換SSに近いのではないか まあ面白いけど
fftで検索すると、関連検索ワードに「攻略」と「ジョブ」と共に「アグリアス」が出てくるのな すげ
さすが我らのアグタン!
839 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/19(金) 00:25:55 ID:9rY/u8EF0
アグリアスは女優でいったら誰がいいと思う? 俺は仲間由紀恵がちょっといいかもと思っている
ごめん。ageてしまった。
とりあえず日本人はヤダ
<<アグたんには誰も追いつけない>> というわけでアグたんを連想させるほどの女優なぞ存在せん、と言ってみる。 ・・・まぁ、ただ単に女優とかタレントとか全然知らないからだけど。 気品というか品の良さだったら吉永さy(ry ゲフ、ゲフン・・・
なんか結構前からヲタ業界では「クイーンズブレイド」なるゲームブックってんですか? それなりに話題になってたらしいんですけど、 俺はそのゲームそのものにはさして興味は湧かないんですが、 なんつーの、アグたんのブックが欲しいなーと今ココロの底から餓えています。
アグたんにサブリガを装備させたい
845 :
多弁士 :2006/05/19(金) 11:32:51 ID:Smuv0ViK0
700万ギルのサブリガとか、考えた人は頭が悪すぎると思うんだ
>>845 萌えは理解できない、そんな風に考えていた時期が俺にもありました(AAry
アグリアスはパレオと水着も似合うと思う
まあホーリーナイト姿が凛々しくて一番好きだがな
大きい三つ編みもいい
水着やパレオ、アグたんには似合うのだが、当人は自分のボディラインを 不恰好だと勘違いしてるので、なかなか着る気になれない。 てのが漏れの脳内デフォ。
>>845 多弁士GJであります!
>>848 建前では「騎士たる者、そう簡単に人前で肌を晒すものではない!」とか言っておきながら、
本音ではただ単に自分自身には魅力がないと思い込んでるアグたん。
炭鉱都市ゴルランド…。 ラムザは王都ルザリアから強引についてきたがるアルマの身を案じて除名しようとする。 アルマ「ダメよッ!!兄さんも私が必要でしょッ!!いくワ!一緒に!!」 その日の夜…。 「ねぇー!気持ちいいぃー?兄さん…。一緒にイきましょーーねぇ…」 「うん、とっても気持ちいぃよぉ…。一緒にい!、い…、いくぅぅっぅぅーーーー…」 ラムザの部屋からヘンな声がしてる!ワイワイガヤヤとムスタをはじめ、 ラッドやアリラヴィや元仕官候補生の面々が騒ぐ中、アグリアスにも問いが発せられた…。 アグリアス「…仲がいいとはいえ兄妹で一線を越えるはずないであろうッ!!」 いまさら疑うものかッ!私はラムザを信じるッ!は…ははははは…、はは」 でも…、内心では気になって鍵穴から覗きたくってしょーがない…。 「イヤだぁーー!兄さんたら…、信じられなぁーい!」 そう言いながらアルマが出てきた。普通のいつもの格好はしている…。 アグ「信じられないとは…、兄上に疑る要素があるという意味なの…?」 アルマ「だってぇ…、兄さんたら子供の頃に一緒に行った温泉にまた行こう!!って言うんだもの。 子供の頃の思い出でとっても気持ちよかったんですって…!! 大好きなミルクをたらふく飲んで上機嫌で話して、もうグゥグゥ寝ちゃったのよ」 ムスタ「子供の頃って…、ミルクで酔っ払いみたいになって…、寝ちゃうだなんて…、 いまも子供みてぇwwwちょwwwwうぇwwwwwぷwwwww」 アグ「ラムザのミルク代は軍資金が厳しくとも特別経費だッ…!!!聖剣技ッ!!!! (=ラムザのミルク代に窮すれば私の母乳を与える所存ッ!!!!!!!!)」 ムスタ「ぎゃぁァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!」 ……なんで…、こー…なるの………」 ミルクを飲んだラムザのミルクをアグたんが飲むのでしたとさ…。 Good Luck!! よい子のみんなもミルク飲みすぎておなかゴロゴロには注意だ!約束だぞ?! −Love forever(愛よ、とこしへに)−
>>845 次は是非スコピオハーネスもお願いしたい
852 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/19(金) 22:00:21 ID:vY0q7AfK0
ぶっちゃけアルマのブラコンネタが一番面白い
アグリアスさんの恋の強敵ランキング 1:アルマ(食い込み天使込み) 2:オヴェリア様(いろんな意味で) 3:ラファ(その床技、危険につき) 4:ディリータ(うほっ) 5:メリアドール(総合スレではアグたんと人気二分) 6:ラムザ自身(ラムザ気づけ、貴公は男だ!)
7:ガフガリオン
8:ムスタデイオ
9:
>>854
アグたんのフェラチオで口内射精した
,、-――ー-- 、___,
/ __,ノノノ、 く 私の口はラムザのためにあるのだッ!!
/ / 、_, 、_从 |
//l/ / ィ;;;;r 、__!| l|ノ ,rー 、
イ | l|イ! ゙ー' , l;;;j川l __ノ ̄「`ー‐ヘT ,ィー‐ 、
!l川 ノ| " r┐ "川 ,r‐' ` !ヽ | / ヽ、
ノVl|ハト、_ ー' ノノノ ノ/ ,二___ ! ハ |/:| \ ヽ
ノノ三彡'´⌒ヽ // / /二二ヽ ハ |::::| \ヽ、 ヽ、
/ イ __ |// / /7 ⌒ ヽ |::::| 、 ヽ ー‐、 ヽ
_く○___,ノr-‐ 、`ヽ_,ノ〃 / // |::::| ヽヽ \ ヽコ
r'´ / ( rー¬、_,ノ| ( / //! _ィェ、 /|::::| ,」ィ十、 〉、 ミ、
⊂| / `'l \| ヽ」 ハ!| ,rェァト 、/::::/ー'ィェァ个1川 ヽ |
У / ヽ、 \ ヽヽ{.ヘ |/:::/| /ノノイノ仏!|/_ノ
/ / `'ー--< `⌒ト!. /::::/ l _ノ´ ,'イ厂 ´
〈 / ! \ `ヽ ヽ /::::/ ‐ヽ‐ /!/´ /
>! | ヽ、! /::::/ -‐―‐- 、 / 「
゙〜ヾ、 | // /\ ⌒ / /
>>856 |`゙ヾ、_,ノ、______ノ/ l ヽ. / /!.
| /゙〜〜〜ハ'ーヘ イ´ ! ー‐ '´ ! ト、
| "" / | | / ヽ、_, \
毎度思うのだが、引退後ならともかく行軍中に 子供出来ちゃったらどうするんだろうな。
産んで即密漁
強い陽射しよりも、砂の味でアリシアは目を覚ました。 壊れた窓から砂が入ったのだろう、少量の水で口をゆすいで吐き捨てる。 二重の毛布を脱いで鞄に入れ、出発に備えマントを羽織る。 さすがに砂漠で鎧は暑すぎる。脱水症状を起こして意識不明になって砂漠の一部と化しても文句は言えない。 隣の部屋ではラッドが赤チョコボのレッドに水をやっていた。 レッドは砂漠に不慣れだったため体力の消耗が激しく、仕方なく"ここ"で休む事になった。 もしかしたらアグリアス達はもうアリシア達を追いついているか、追い越しているかもしれない。 だとしたら炭鉱都市ゴルランドで網を張られてしまう、それは避けたい。 追いつかれず、常に先を行けば戦う事は無いのだ。あの人と戦わずに済むのだ。 「ねえラッド、出発はいつ?」 「起きたのか。飯を食ってからだ、でなきゃ体力が持たない……こいつもな」 「クエ〜ッ」 レッドの鳴き声はお腹が空いて疲れているというより、寂しそうに聞こえた。 レッドはラムザやアグリアスにもよく懐いていたから、そのせいだろう。 もう二度とラムザ達に会えないかもしれない可能性にレッドは気づいてない。 巻き込んでしまったと悔やむ気持ちはあるが、今さらアグリアス達の所へ戻る気も無く、 アリシアは無事逃げ切るための栄養補給に励んだ。 逃げるように出てきたため、持ってきた食料はわびしい。 それでも逃げ切る事ができれば、また温かい食事ができる。 明日は何も食べられないかもしれない、明日は命を落とすかもしれない、そんな不安の無い幸福な食卓。 そこに帰りたい。 帰りたい。 第三話 砂ネズミの穴ぐら『熱砂海岸』 アグリアスは馬車の中で汗を拭っていた。 交代で御者台に座り炎天下で手綱を握り、みんな少しずつ体力を消耗していく。 怪我をしているムスタディオは未参加だが、揺れる馬車の中ではなかなか休めない。 しばらくして、御者台に座るラムザが見覚えのある建物を発見した。
「懐かしいな……砂ネズミの穴ぐらか」 どちらかというと嫌な思い出のあるこの場所に、再び来る事になるとは。 もしかしたらラッド達が立ち寄ったかもしれないと思いラムザは馬車を止めた。 「ラヴィアンは馬車の番をしてくれ、アグリアスさんは僕と一緒に中を調べてください」 さすがに砂漠で鎧を着るのは暑すぎるため、アグリアスは属性防御を持つ白のローブを装備している。 ラムザ達が建物に入ろうとするのを見ていたボコはいぶかしげに鼻を鳴らした。 「……クエッ? クエーッ!」 ボコが叫んだ刹那、ラムザの足元の砂場から煙が噴出した。 咳き込みながらもアグリアスを突き飛ばして退避させたラムザは、その場にへたり込む。 「眠り……ガス?」 「ラムザ!」 煙が収まるのを見てアグリアスはラムザに駆け寄り、殺気を感じそのまま駆け抜け、盾を突き出す。 ラムザに向かって放たれた手裏剣が、アグリアスのダイアシールドで弾かれた。 「ラッドか!?」 問いへの応えは新たな手裏剣だった。 先程と同様に盾で防ぎ、アグリアスはダイアソードを構える。 屋内で動く人影があった。 「ラッドなら返事をしろ! 不満があるのなら武器ではなく言葉で語れ!」 返事はやはり手裏剣だ。相手の方向も解っているため簡単に対処できた、手裏剣は盾にぶつかり床に落ちる。 話をする気が無いのなら実力行使だ、アグリアスは慎重に部屋の奥へと向かった。 壁の陰にラッドがいる。いる、はずだ。 さすがはラッド、気配を読みきれない。そこにいると確信を持てない。 ブーツを擦って、ジリジリと近づくアグリアス。手裏剣を投げるために手を出せば、即座に対処できる。 爪先が壁に触れそうなほど近づく。意を決して踏み込もうとした刹那、丸い何かが曲線を描いて顔面に迫った。 それをダイアソードで弾き返せたのは僥倖だったろう、しかしその丸い何かの陰に、もうひとつそれはあった。 腹部に強烈な勢いで何かがめり込み、アグリアスは内臓を吐き出しそうな錯覚に陥ってしまう。 よろめきながら後ずさった彼女が見たのは、顔面と腹部に対する時間差攻撃を仕掛けた武器、フレイムウィップ。 炎を半減する白のローブでなくては戦闘不能になっていたかもしれない。 フレイムウィップの特性を生かし、壁の角を支点に攻撃をするなど、初めて体験する攻撃だ。
思えばこんな風に狭い屋内で隙をうかがいながら戦うラッドなど、アグリアスは一度も見た事が無い。 ただそういう機会に恵まれなかったというだけだが、それがこんな窮地に陥るとは。 ラッドは手応えがイマイチだと感じたのか、さらにフレイムウィップで攻撃をする。 アグリアスは後ろに下がって射程外に逃れ、ケアルでダメージを回復した。 ケアルがかかり、痛みが和らぎ出したその瞬間、壁の角から手が突き出された。 「しまっ……」 手は素早い動きで手裏剣を投げた。咄嗟に盾を構えるも、一枚の手裏剣がアグリアスの肩を浅く裂く。 まさか自分がラッドにここまでしてやられるとは。 ラッドを見くびっていたつもりはないが、いささか過小評価していたようだ。 うかつに動く訳にいかず、アグリアスは盾を構えたまま思案した。 一度ラムザの所に戻るか? エスナで治癒すればラムザは戦力として復帰するが、その隙を突かれたらどうなる? ラヴィアンも異変に気づいているはずだ、ラムザはラヴィアンに任せればいい。 自分はラッドを何とかすべきだとアグリアスは結論づけた。 力いっぱい床を蹴って、角から飛び出しラッドの姿を確認せぬまま剣を振るう。 「不動無明剣!」 振るってから、ラッドの姿を見つけた。 不動無明剣の狙いからはハズレていたが、ラッドは咄嗟の事だったため大きな回避行動を取ってしまい、 反撃のチャンスを逃してしまった。 聖なる氷が床にぶつかり砕けた瞬間、アグリアスは前に飛び出し、ラッドはフレイムウィップを振るった。 斜め上から振り下ろされた灼熱の鞭を盾で弾き、アグリアスは剣の横面でラッドの右腕を強打する。 その気があれば腕を斬り飛ばせていたが、それをしないのはまだラッドが仲間だという意識があるからだった。 それが墓穴となってしまう。 「風水返しッ!!」 ラッドが左手を振るった、すると角を曲がった先に溜まっていた砂が舞い上がる。 風で少しずつ室内に溜まっていった砂はそれなりの量があり、小規模な砂嵐を引き起こすには十分だった。 目に砂が入り、アグリアスはたまらず後ろに下がる。そこにかとんのたまが投げられた。 「ぐあっ!」 「白のローブか!」 ラッドもようやくアグリアスの装備に気づいたが、だからといってこれ以上攻撃する気は無かった。
それはアグリアスが元仲間だからという意識ではなく、 これ以上構っていたらラムザとラヴィアンが助太刀に来ると読んでいたからだ。 砂ネズミの穴ぐらの奥に逃げ込んだラッドは、レッドに騎乗しているアリシアを見つけた。 「裏口から逃げるぞ!」 「は、はい!」 手綱に従いレッドは走り出す。親分のボコや、優しいアグリアスの声が聞こえた気がしたが、 背中にいるアリシアの命令に従わねばならないという思考をくつがえすには到らなかった。 けれど砂ネズミの穴ぐらから飛び出した刹那、レッドは本能的な恐怖に足をすくませた。 しかし勢いがついていたためすぐには止まれず、目の前にあった"それ"にアリシアが気づいて手綱を引いても、 間に合わず砂に引きずり込まれてしまった。 「クエェーッ!!」 真っ先に反応したのはボコだった。レッドが助けを求めるために鳴いたのだと即座に気づいた。 馬車と自分をつなぐ留め具を外すよう騒ぎ立てるが、 目を覚ましたラムザはラヴィアンと共にもう悲鳴の方へ向かっている。ボコはもどかしさに鳴いた。 「うるさいぞ、ボコ……」 馬車からムスタディオが這い出て、ボコの手綱に手を伸ばした。 飲み水で目を洗っているアグリアスに足音が二つ近づいた。 「大丈夫ですか?」 「ラムザか、さっきのはレッドの鳴き声か? ただ事ではないようだが……」 「その傷はラッドが?」 ラムザはアグリアスの白のローブが焦げている事に気づき、フレイムウィップによる攻撃と推測した。 「ラムザ、私に構わず行け……何かあったに違いない」 「……罠の可能性もあります。傭兵時代チョコボを囮に使った事もありました」 「……アリシアが許すまい。レッドだけじゃなく、チョコボ達の世話をよくしていた……」 袂を分かったアリシアの心が解らないと悩んだのに、不思議と今の言葉に迷いは無かった。 アリシアは優しい娘だ。それだけは変わっていないに違いないとアグリアスは思う。
ラムザとラヴィアンが駆けつけた先には、巨大な流砂でレッドがあがいていた。 赤チョコボの強靭な脚力も、砂に力を殺されてしまいまともに動けないらしい。 流砂の中心に何かがいた。何かが争っている。 「アリシアか!?」 刹那、巨大な芋虫の怪物が流砂から飛び出した。 その先端についている巨大な口に槍でつっかえ棒している人間がいた。 「アリシア!」 ラムザは状況から推測してそれがアリシアだと気づいたが、 ラヴィアンはその人間の後姿を遠くから見ただけでアリシアだと確信を持った。 アリシアは槍を口から外すとジャンプで逃げ、サンドウォームの胴体に飛び降り槍を突き刺した。 緑色の液体がほとばしる。さらに流砂の外から水色の玉が放られ、サンドウォームの長い胴体で弾けた。 「ラッド、無事だったか! 伝説のサンドウォームが生き残っていたなんて……気をつけろ!」 「ラムザ! 俺と殺し合いをする気が無いなら追ってくるんじゃない!!」 「なぜこんな事を! ゲルモニーク聖典をどうする気だ!?」 「アリシアが死ぬぞ! そっちを優先しろ!」 言われて、ラムザはアリシアを助けねばと剣を構えた。 しかしサンドウォームは流砂の中に潜り姿を消す。アリシアは流砂の中に転げ落ちた。 「アリシアが流砂から出れないよう計算して戦ってやがる! 流砂には入るな!」 ラッドは安全圏から飛び道具で攻撃するだけで、危険を冒してまでアリシアを救おうという気は無いらしい。 しかしラムザも中に入るのは自殺行為だと感じたため、踏みとどまった。 忍者のラッドですら入らないのだから、自分達が入ったら――。 「アリシアが危ないっていうのにッ!!」 叫んで、ラヴィアンが飛び込んだ。流砂を駆け下りようとして、途中でバランスを崩し転んでしまう。 地響きがラヴィアンの直下で起き、砂がめくれ返った。 動きようが無いラヴィアンは、その場で刀を掲げる。 「八雲立つ、出雲の神の知るところ、逝くも還るも、天のむら雲!」 森羅雲海。刀が青い光を放ったかと思うや否や、青雲がまるで波打つ海のように噴出する。 直後サンドウォームが飛び出し、渦巻く雲に肉をえぐられる。 それでもサンドウォームの突進力を相殺はできず、ラヴィアンは天高く弾き飛ばされた。
「ラヴィアン!」 叫んだのはラムザだったか、アリシアだったか。 しかし飛び出したのは金色の風だった。 跳ね飛ばされたラヴィアンを空中でキャッチしたのは、ボコに騎乗したアグリアスだった。 ムスタディオが留め具を外したおかげでボコがアグリアスの所へ来たのだが、 今はアグリアスもラムザ達もその事実を知らない、ただ助かったと思っただけだ。 ラヴィアンを左手で抱きながら、アグリアスは剣を振るった。 「アリシアーッ!」 名を呼ばれ、アリシアはサンドウォームの巨体が自分にのしかかろうとしていると気づいた。 「キャッ……」 「不動無明剣!」 間に氷山が割って入り、サンドウォームの巨体を弾く。 ボコは流砂の中に着地するが、砂の流れをものともせず駆け抜ける。 「ラヴィアン、無茶をするなッ」 「私はいいからアリシアを!」 「お前を放って行けるものか!」 さすがに流砂の中で二人乗りというのはいちじるしく体力を消耗してしまうが、 それでもボコは流砂の外へ向かって力強く走っているのだから驚嘆に値する。 「まずお前を流砂から――」 「レッドの所に運んでください!」 「レッド!? 流砂にハマっているのか!」 ラヴィアンの意図を読んだアグリアスは、ボコの首をレッドに向けた。 背後から巨体が砂を掻き分ける音が迫り、振り向いたラヴィアンは巨大な円形の口を見て蒼白になる。 円を描く牙が獲物を求めて蠢動しているように見え、生理的嫌悪感が湧き上がった。 頭の部分にある無数の青い突起も気色悪く、ラヴィアンは一刻も早く逃げ出したい気持ちに駆られた。 「飛び移れ!」 アグリアスに言われ、ラヴィアンはレッドにだいぶ接近している事に気づく。 「レッド!」 名前を呼ぶと、レッドは動きを止めてラヴィアンの行動を見守った。ラヴィアンがボコからレッドに飛び移る。 「チョコボールをあのゲテモノ野郎にご馳走してやって!」 「クエッ!」
レッドは翼をはばたかせチョコボールを放った。 それに合わせるように、アグリアスも振り向きざまに剣を振る。 「聖光爆裂破!」 二つの攻撃が炸裂するも、サンドウォームの突進力は凄まじく、アグリアス達は体当たりを食らってしまう。 それでも獲物を流砂から出すまいと戦っていたサンドウォームが、 アグリアス達を流砂の外まで吹き飛ばすという失態を犯したのは攻撃の威力に冷静さを欠いたからだろう。 砂の上に落下したレッドから、さらに転げ落ちてしまったラヴィアンは、 集落の石の壁に背中からぶつかってしまった。 「カハッ……」 鎧が無ければ骨が折れていたかもしれない衝撃に、肺の空気をほとんどしぼり出されてしまう。 しばらく動けそうにないラヴィアンだが、アグリアスはというとボコが空中で態勢を立て直し着地してくれたため、 幸い目立った外傷は無かった。しかしボコは苦しげにうめき、戦闘に支障あるダメージを受けたのは明らかだ。 「ラヴィアンとレッドの所へ行ってチョコケアルをしていてくれ」 「……クエェッ…………」 アグリアスに従いボコはラヴィアン達の所へ向かう。 サンドウォームは流砂の端までやって来て、今度はラムザに牙を向けていた。 「虚空の風よ、非情の手をもって、人の業を裁かん!」 流砂を回り込むように走りながらラムザは詠唱をし、まだ流砂の中にいるアリシアを心配げに見た。 「ブリザラ!」 サンドウォームの頭部に氷石が落下する。 グチャリとサンドウォームの頭部がめり込んだが、致命傷には到らなかった。 それでもひるませるには十分だったらしく、サンドウォームは砂に潜って姿を隠した。 「くっ……奴を倒さないと、流砂にいるアリシアが危険だ……」 ボコとレッドが負傷した今、アリシアの所へ駆けつけるのは至難。 ココかブラックが来てくれれば何とかなるが、ムスタディオはこちらの状況を知らないし、 負傷したムスタディオと馬車の護衛の意味もかねてココとブラックは残らねばならない。 ここにいるメンバーだけで何とかするしかない。 黒魔法が使えるラムザ、聖剣技が使えるアグリアス、投げるが使えるラッド、ジャンプが使えるアリシア。 しかしアリシアは流砂のせいでまともにジャンプできないだろう。
となれば、サンドウォームが顔を出した所にブリザド・不動無明剣・ひょうすいのたまで集中攻撃するくらいしかない。 しかし先程からラッドの攻撃が止んでいた、ひょうすいのたまや手裏剣が切れたのだろうか? 「ラッド! まだ武器が残ってるなら、次に奴が顔を出した時、三方向から同時攻撃を仕掛ける! 聞こえているのか? ラッド! 返事くらいしてくれ!」 返事は無い。ラッドは腰を落として身構えたまま動かない。 アリシアは槍を足元に向け、どこから来るか解らないサンドウォームの襲撃を警戒し……いや、怯えていた。 地響きが起こる。サンドウォームが姿を現す合図だ。 「アグリアスさん、いいですね!?」 剣を構える事で返事をしたアグリアスは、ラムザの魔法詠唱が終わるタイミングを見計らった。 距離があったため詠唱呪文は聞こえないが、ブリザラが発動するまでの時間は感覚として掴んでいた。 しかしラムザが今詠唱しているのはブリザドだった。 MPの余裕はまだある、無いのは時間だ。 ブリザラではサンドウォーム出現に間に合わないと踏んでブリザドの詠唱をしているのだが、 その事をアグリアスは知らない。威力に不安を残したままラムザは唱える。 「闇に生まれし精霊の吐息の凍てつく風の刃に散れ!」 「命脈は無常にして惜しむるべからず……」 アリシアの足元で砂が爆発したように噴き上がった。 かろうじてサンドウォームの額に槍を刺してしがみつくアリシアの姿が見えたため、ラムザは攻撃の決断をする。 「ブリザド!」 「葬る! 不動無明剣!」 ブリザドより詠唱時間がわずかに長いブリザラにタイミングを合わせたアグリアスの攻撃は、 一拍遅れてサンドウォームに降り注いだ。 ブリザドがサンドウォームの胴体を揺らし、不動無明剣の照準がズレ、攻撃はかするだけに留まる。 「しまっ……」 アグリアスは闇雲に第二撃を放とうと再び剣を振り上げた。 サンドウォームが暴れた拍子にアリシアが宙に投げ出され、サンドウォームは口を大きく開いて天に向けた。 このままではアリシアはサンドウォームの口に落ち、喰われてしまう。 そう予測できても、対処する術が無い事をアグリアスは解っていた。聖剣技では間に合わない。
連続して放つにも一呼吸の間を挟まねばならない。振り上げた剣を今すぐ振り下ろしても、聖剣技は不発に終わる。 (アリシア……!) 信頼していた大切な仲間。なぜ離反したのか話をする事すらできず、終わってしまうというのか。 アグリアスは目頭が熱くなるのを感じた。砂漠の太陽が両眼を直射するよりも熱く、痛い。 「青き水の牙、青き鎧を打ち鳴らして汚れ清めたまえ!」 ――そこに、ラッドの言葉が高らかに響く 両手を天にかざしている。ラッドが様々なアビリティを習得しているとアグリアスは思い出した。 「リヴァイアサン!」 熱砂に津波が押し寄せる。 大量の海水の向こうでリヴァイアサンの美しい鱗が日の光で煌いていた。 「みんな、巻き込まれないでッ!!」 攻撃の意志が自分達にも向けられているのを感じてラムザは叫んだが、 今さらタイタルウェイブを回避できるとは微塵も思っていなかった。ただ警戒をうながすため叫んだだけだ。 ラムザ達は集落を背に戦っているため、下手に流されたら石の壁に叩きつけられてしまう。 「レッド! チョコメテオをここに落とせ!」 閃きをそのまま口にするラムザ。一拍置いて、レッドは主の意図は理解できずとも命令には従った。 それからラムザは、アグリアスの近くに落とさせればよかったと思ったが、もう遅かった。津波は目前だ。 ラムザは砂に体積の半分ほどを埋めたチョコメテオにしがみつく。これで流されずに済めばと願う。 一方アグリアスは、津波に飲み込まれる前に移動できる範囲にある物が砂とサンドウォームだけだと判断した。 踏ん張りの利かない砂上でタイタルウェイブを受ける訳にはいかない。 やむを得ず、アグリアスはいちかばちかの賭けに出た。 「南無三ッ!」 のたうつサンドウォームの胴体に剣を突き刺して捻り、身体を固定する。 津波はサンドウォームもろともアグリアスを呑み込んだ。
灼熱の砂漠に波打つ激流。その勢いの前では、水浴びなどと生易しい言葉は浮かばない。 砂丘を呑み込み、濁流となった洪水はアグリアスに痛みをもたらした。 水、砂、ともに相応の速度があれば凶器となる。必死につぐんだ瞼と唇に水と砂が割って入ろうとする。 剣を捻ってサンドウォームの内臓をえぐり、抜けないようしっかりと刺し込むが、今にも流されてしまいそうだ。 十数分程に感じられた濁流は、わずか十数秒の出来事で、アグリアスは波が穏やかになると砂を吐き捨てた。 彼女の半身は水につかっている。無限にも思える砂は現在進行形で貪欲に水を吸い込んでいるものの、 流砂というくぼみに入った水を飲み干すにはやや時間を要するようだ。 サンドウォームはというと、タイタルウェイブの威力で絶命したのか、 それとも気絶しているだけか、グッタリしている。 「……他の者は?」 周囲を見回そうとした瞬間、流砂の中心あたりの水面からアリシアが顔を出した。 「アリシア、無事か」 「あっ……」 泣き出しそうな顔をして、アリシアは逆方向へと泳いで逃げた。 「待ってくれアリシア! 私は、お前と話しをしたいだけだ! 理由を聞かせて欲しいのだ、アリシアッ!!」 「ヤッ……イヤです、ごめんなさい……」 水音にかき消されそうなか細い声が、何よりもはっきりとアグリアスには聞こえた。 サンドウォームの肉体から剣を抜き、アグリアスもアリシアの後を追う。 どちらかというと鈍足なアグリアスでは、身軽なアリシアに追いつくのは難しかった。 「アリシア……!」 剣を手放し、アグリアスは手を伸ばした。 アリシアの背中には届かない手の横を、丸い何かが通り抜ける。 それが水面に波紋を生んだ刹那、突然アグリアスの身に熱いものが流れ込んだ。 「ギャウッ!?」 視界が真っ白に染まり、アグリアスはまだ膝上まである水に沈んだ。 アグリアスから距離があったアリシアは、その巻き添えにならずに済み、 アグリアスに攻撃を仕掛けた人物を怯えたように見る。
「ラッド……らいじんのたまを使うなんて、酷い……」 「その女は敵だ。お前が俺の敵じゃないんなら、とっとと自ら上がれ。逃げるぞ」 「…………うん……」 流砂の上からラッドは手を伸ばし、アリシアはそれを掴んだ。しかし本当に掴みたかった手は誰の手だっただろう。 砂漠が砂浜に見えるほどの海水が一面に広がる砂に吸収されていく、 しかし石で作られた集落にはまだ水溜りができていて、ラヴィアンの髪がひたっていた。 「ううっ……」 負傷していたラヴィアンはタイタルウェイブに何の対処もできず、 再び石壁に背中を叩きつけられてしまった。 ボコとレッドは足場がしっかりとしていた事もあり何とか持ちこたえたが、ダメージもしっかり受けている。 だからボコは、アリシアとレッドの傍らでチョコケアルを続けていた。 そこに、感電して気絶したアグリアスを背負ったラムザがやって来る。 「ボコ、偉いぞ」 「クエェッ」 「そうだね、アグリアスさんも頼むよ」 話術士の心得は無いが、ラムザは何となくボコの意思を察する事ができた。 仲間がこの有り様ではラッド達を追う訳にもいかないが、彼等とて足を失った、 馬車を急がせれば炭鉱都市ゴルランドで追いつけるだろうとラムザは考え、腰を下ろし身を休める。 「あグゥッ……アリ、シア……」 意識は無いだろう、しかしアグリアスはうめくように呟いた。 濡れた髪が額に張りついていたため、ラムザはそっと髪を整えてやる。 陽射しが水滴に反射し、ラムザの心を魅了した。 「……一途な所は、好きなんだけどな」 それはラムザの率直な感情ではあったが、ラムザの言葉ではなかった。 横たわってチョコケアルを受けているラヴィアンの言葉だ。 「ラヴィアン、大丈夫?」 「うー……戦闘不能って感じです。馬車のお留守番役をムスタディオと交代しちゃいそう」 「そろそろ回復する頃だろうしな。しかし、代わりにラヴィアンが戦闘不能というのは苦しい……」 「ラッドってあんなに強かったんですね……アイタタタッ」 「無理に動こうとしないで」
「ラッドをどうするかは、ラムザさんに任せるとして、アリシアを捕まえたら、どうします?」 「……どうしようかな」 ラムザは空を見た。雲ひとつ無い晴天で、陽射しがジリジリと肌を焼く。 濡れた身体のせいで、ここが真夏の海岸だと錯覚してしまいそうだ。 しかし視線を下ろせばそこに海は無く、彼方まで砂丘が続いていた。 「アリシアをどうするかは……解らないな。ゲルモニーク聖典は必要だ、取り戻さなくちゃならない。 意思を聞いて、もう僕達と一緒に戦えないというなら、それもいい。異端者の一味では……ね。 でもせめて理由を、いや、別れの言葉を一言でもいいから、言って欲しいよ。つらいかもしれないけどさ。 だから僕は、アリシアをどうこうするつもりはない。 彼女のいいようにすればいい……ゲルモニーク聖典さえ返してくれるなら。 ……アリシアをどうするか。それを決めるのはむしろ、この人の役目なんじゃないかな?」 アグリアスの顔に視線を降ろしながらラムザは言った。 電気のショックで気絶したままのアグリアスの目が、一瞬、開いていたような気がしたが、 どちらでもいいだろうとラムザは視線を上げた。空は遠く陽射しが眼に痛い。 砂漠を抜けた先には雪があった。 炭鉱都市ゴルランド。夜の砂漠のように冷たいその都市に、一組の男女が訪れた。 荷物の大半を失い、資金も無い二人は、宿に泊まる事も新たなチョコボを買う事もできず、 最低限の飢えをしのぐために熱々の肉団子だけを購入した。 「ルザリアへにたどり着く前に、間違いなく追いつかれる……向こうは足を持っている」 町の片隅でラッドは肉団子を食べながら言った。 「チョコボを盗むって手もあるが、これ以上追っ手を増やすのもな……」 「じゃあ、どうするの?」 「足止めするしかないだろう。なぁに、手はあるさ」 「……何をする気?」 「決まってる。異端者ラムザがここに来るって噂を流すのさ。 北天騎士団、教会の追っ手、賞金稼ぎ、自警団……あのマラークとかって奴も来るかもな」 「そんな……危険よっ。アグリアス様達だって消耗しているのよ? もしもの事があったら……」 「もしもの事を起こすのさ」 ラッドの冷笑は雪よりも冷たく、アリシアは背筋を震わせた。
先生・・・続きがみたいです・・・
アリシア大躍進の予感!
さすが最古参のガフガリオン傭兵団メンバーらしくガフガリオンらしい思考回路だ!ラッド! きっとゲーム世界でも唯一の現実主義者としてパーティーを引き締めていたに違いないっ!
877 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/20(土) 18:40:40 ID:cbmYM0/pO
ラッド黒いなw
ラッドがここまで活躍したSSが未だかつてあっただろうか? ボケ要員の座をムスタと蛙に奪われていた非業の男の春が来た!
>>878 とりあえずラムザ団内不定期恒例親睦会の一つでもある「人物写生大会」でも開くか。
アグ「ふふふ、かつてルザリアのタロー・オカモートと異名を取った私の芸術が爆裂させてくれる。
とりあえずラムザ、服を脱いでそこに立てハァハァ」
しかしアグリアスさんのモデル指定は野朗のヌードを不服とする男性陣に却下されました。
裏でこっそり描くアグたん
アグたんは絵心なさそうだな。 それでもラムザに気に入ってもらおうと悪戦苦闘して描くんだろうな。
今、俺の変色脳みそに「ボディペイント」というアジョラ様の啓示を受けました。 その昔「おとなのえほん」という深夜番組がありましてな… (ちなみに俺ンとこはTV神奈川だった)
>アグたんがラムザの裸像描きたかったら、自分もラムザに裸婦像 >描かせてやんなきゃフェアじゃねえだろ しかしそらあんた、お互い裸になったりしたら 別の感情がムラムラと……
>お互い裸になったりしたら 一部の色の絵の具については自己調達できるわけだ
おめでたい色しか取れない悪寒!
赤白ニ滞、赤白ニ滞
うふ、あたしラヴィアン☆ ,.- .., : . : ,゙ ゙ ' ‐ ‐ ‐/⌒ヽ' ' ゙ ', ..:::.. . ∧ : .! ,.γ⌒ヽ ; :: < '7 ,'゙ ゙'‐-ヘ, ノ.,⌒) レt-! . ,' '''''' '''''' ~ ^ヾ_ノ !‐‐┼- (●), 、(●)、 ; !‐┼- ,,ノ(、_, )ヽ、,, ー┼- !.‐十 `-=ニ=-´ ‐┼- ,.!- ヽ、 `ニニ´ ゙メ、 ',.と ゙ ッ‐,-.,.,.,.,.,.,.,n‐ッ, ‐ ' ゙ . ` !、 ./ ゙' -∠ィ^'゙ ゙ヽ、 `.7 .,‐^- 、 ゙ヽ、 i ..::.. ノ ι、r' ヽ、,._ノ . :: ,∠..,,_ ゙ > .:. ` ''! ゙ヽ.,, _ _ , イ ...:: ::... ヽ、 ヽ、  ̄ ,ノ :: :: ゙ ' ' ゙ ゙ ' ' ゙ : :
ラヴィアン「最近ラッドとアリシア目立ってるなぁ。あたしの影どんどん薄くなってるような……」
891 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/21(日) 17:26:52 ID:K699S/Ou0
汎用竜騎士「存在感十分あるじゃないか。上の見てキーボードがべスラ要塞前になったぞ。」
892 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/21(日) 17:27:50 ID:K699S/Ou0
オルランドウ「はいはい自演乙
ラムザ「・・・」
あたしラヴィアン。今あなたの後ろにいるの・・・・
((((((;゚Д゚))))))ガクガクブルブル
あ
ぐ
あ
ぐ
ぐ
ゴルァ!!
アグアグーン
_, ,_ しょおー ( ◎д◎) ⊂彡☆))Д´)34-35
_, ,_ しょおー ( ◎д◎) ⊂彡☆))Д´)39
ずばずばずばば ずなhじいいいいいいいいいいいいいいラムアグーン おおぽっぽっぽっぽぽぽおおおおおおんんんcm、、、、、、、、、ん、mmzんcbxz、cbxvhkrghggg fdjlfdgjlff
バハムートアグーン
久々にFFT始めからはじめたぜ アグリアス様が正式加入する日が待ち遠しいったらありゃしない
このスレ来てから、新規にゲーム始めるとアグリアスさんの居場所は いつもNO.2(つまりラムザの隣)にしてしまっている……
来る前からだった俺はどうしたらいい
911 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/22(月) 17:31:15 ID:GEA9I4X+0
全クリしたけど 最後の方ではアグリアスってキャラの存在自体忘れてた
>>911 北斗骨砕打、無双稲妻突き、投石、好きなのを選らんでいいぞ。
アーシェのツンツンぶりはアグに似てる
売ってねぇ
無双シリーズにアグさん居て欲しい(´・ω・`)
つかアグのフィギュア欲しい
>>916 俺はポーズは勇ましいアグがいいな、もしくは
優しい微笑みのアグで
>>918 にっこり微笑んで「オー・ルヴォアール」とか。
それじゃシャ○ロットか。
921 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/22(月) 22:17:26 ID:5ZEV/vhvO
_、、_ _、、_ (Д´≡`Д) ぅばらばらばらあああ!!!!!!
無双は無理かもしれんが、マヂでFFT・2D格闘モノ誰か作ってくんないかなぁ…
アグの勝ち誇ったポーズが見たい 「どうだ!ラムザ」みたいな
>>923 つソウルキャリバー3
2Dじゃないけどナー。
>>919 「貴公、鍛練が足りん、生き残れぬぞ。」とか
「ふっ・・・、儚いものね。」とか。
俺はアグの口調は、公の場所や人がいっぱいの所では固い口調で
好きな人や気心知れる仲間内だったらお姉さん口調になると思って
たんだが、ここのスレやみなさんの小説を読んだらそうじゃないのね。
>>929 _、_
( ,_ノ` )y━・~~~ <<君はもみもみ士を知らんのかね?>>
>>931 動画見たが凄いなw
浮世離れしたセンスとはこのこと。
不動無命ペン 乱命割殺画 北斗骨砕画 無双稲妻描き 聖光爆烈写 こうですか?わかりません!><
>>931 誰かこのアグたんAA化してくれんかなw
>>935 バックに「ピシャァァァァン」って雷落ちたエフェクトが入るわけだな。
このスレで『アグリアス』と心の中で念じながらAlt+F4を押すと・・・ あとトリップ誰か欲しい人あげます。 ◆Agrius/e4j #z\vg/OGU
アグアグ
ラヴィ「アグリアス様のあの見事なボリュームのオサゲは、実はゲッター線を浴びてしまった影響なのです…」 ラム「へー!」 アリ「まだ我々が王都勤務時代、王宮に侵入した賊を追跡していたアグリアス様は地下奥深くの開かずの間まで追い詰めていったのですが、 観念しきれない賊があろうことか開かずの間の扉を開けてしまったのです。 なんとそこには、王家が代々封印してきたゲッター炉心が…ッ!まともにゲッター線を浴びてしまったアグリアス様は…ううッ」 ラム「へー、へー!」
どうでもいいが一月ちょっとでスレ使い切りそうだな。今回は早かったなぁ……
>>931 オチに糞ワロタwwwwwwwwwwwwwww
がんばれあぐたんw
r-、 。 i" ̄`、  ̄/  ̄ ̄/ __ ┼─゙ ,:=┴ー-=i,,_ /\ ノ ノ こ ああ / \ _,,,;-ー"-x, ,,,;=-+, ,/~ ̄`ヽ、 / `i /" i / `i''==ニ''ーx,,,_ i || '' , i, `x, \ | ,,,,, ,, ,,==、 \ \ \ { / `i { ● i, i, ヽ `i |● | ノ | | ノ ノ | i, } `=='" / | | ) `ー" |. | i, `i, ^_^ ,、 | ,,-''ヽ、 | | i, ,、 -==- /vi, ″ | ,,-''" \. | ヽ, ノ::i,  ̄ ノ>::;ヽ _,-'" \ | {`'ー"i;;;;::::`+-+=''V:;;::::M ./\ \.| / ̄ ̄ }, ヽ,lr;;:::`"~::;::;i`:;;< .//\\ \⌒ヽ、  ̄ ヽ ..ヽ `ー /|[]::::::|_ ./ \/\\ / ''"⌒ヽ⌒ヽ、 ゙:::: ..:..`i, /| ̄ ̄ ̄ ̄ //\ \/ \ //. ..:::.. ..___ Y" . . .::;;:;:::;;::: ` x.| |:::「「「「「「 / \/\ /\\ /:::/ ./| |__ ''"⌒ヽ,_..:.:::::_..| |:::LLLLL//\ \/ \/\\/::::::/ / | ロ .|lllllllllllll
>>943 ラム「ゲ○ター線を浴びたアグリアスさんならあんな巨大スプーなんてイチコロですよ、ね、アグリアスさん!」
アグ「え、いや、いくらなんでもアレはデカすぎないか…?」
ラム「(エール&はげます発動)フレーフレー、アグリアス!頑張れ頑張れアグリアスッ!!」
アグ「でもビルよりデカいし」
945 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/24(水) 01:15:39 ID:5iTL2bCb0
84:こんなん見つけましたw 05/24(水) 00:38 RJI/C/FQ [sage] / llllll| |:::「「「「 / \/\ /\ .\/ ./::::::::/ / ./ .| |lllllllllllll __ llllll| |:::LLL.//\ \/ \/\ /::::::::/ | / .| ロ .|lllllllllllll (666 llllll| |:::「「「/ \/\ /\ \/ /::::::::/ | ||/ ..| |lllllllllllll llllll| |:::LL//\ \/ \/\ ./::::::::/ .| ||/ ..| | |:::「./ .\/\ /\ \/ /::::::::/⌒ヽ、 .| ||/ ..| | |:::l//\ \/ \/\_, -― 、 ''"⌒ヽ,_ _____ (⌒ヽ、_,ノ⌒Y" Y ∧_∧ / (⌒ヽー゙ ....::( ..::....... .__人.....::(Д` )< ぼうや、ここは危ない! _ノ⌒ヽ Y⌒ヽ;;:::::ウエーンコワイヨママー/ ヽ \さあ早くこっちへ! ___( ゙ ....:::..... Y" ∧_∧ // / | // ll__ヽ_::::::::::::::::::::::::::::::ヽ....( ´A`)/// /L__つ 「 ヽO≡≡O:::::::::::::::::::::::::::::::::::/ つ _(_ノ ( V ゙u─―u-――-u 人 Y /\ \ し'(_) _ノ ./ > ) / / / / し' ( ヽ ヽ_)
>>934 -‐ '´  ̄ `ヽ- 、
/ ヽ\
/ / / ヽヽ ヽヽ
レ! { ム-t ハ li 、 i i }ト
ハN | lヽ八l ヽjハVヽ、i j/ l
ハ. l ヽk== , r= 、ノルl l
N、ハ l _, ゙l ノl l
ヽト jヽ、 ノ//レ′
| | |` `'‐'' ´ / | |
_ ノ i イヽ. | | |_/`ノ.ノヽ_
,.'´ ルツリヽヽJ人ヽv /ツリル ヽ.
i:::: :::: ヽノ l ヽノ:: ::::)
r7777777777777777777t
j´ニゝ とニヽ
〈 ‐ つくったが 〈ー- !
〈、ネ.. . τニ、_ノ
ト |l 全然似てない .l|
ヽ.|l l|
|l ごめんなさい l|
|l_________________.___l|
>>946 目をもう少しいじれば似てくるんじゃね?
上手く出来たらなかなか汎用性が高いAAになりそうだ。
>>946 「光と水のダフネ」の水樹マイアに見える
>>950 1:もともとこの大きさ
2:一生懸命寄せて上げた
3:シリコン
4:聖石の力
5:ラムザに揉まれて大きくなった
どれがいい?
包丁の持ち方にヲロタ 料理全然できないんだろうなぁアグ
955 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/24(水) 09:43:19 ID:FWaj3k8kO
もちろん性的な意味で
ラムザの料理はうまいかもしれないんだぜ?
ラムザは普通に料理できそうだな 傭兵下っ端だと料理当番やら洗濯やらパシリやらされてるはずだから…
ラムザ料理… ガフガリオン「さて、ラムザを食ってみ(ry あんあん ぎしぎし
別に急かすつもりはないんだが、まとめサイト更新ないのが気になる…
そのまとめとは、アグスレまとめなのか、千一夜なのか
そろそろ次スレの準備をよろしく
>>970 あたりに
>>962 もちろんSSまとめサイトですよ。
てか、千一夜って最後の更新いつ???
何度か出た話題だが、まとめサイトの方でスレ関連の絵も保管してもらいたいなぁ… まだ管理人さんがここを見てればの話だが
みんなはVIPのほうもチェックしてるの? けっこういいのがあるよ
俺もときたまVIPからの絵は貼ってはいるが、 VIPだけあってマジでピンキリだからな。 俺自身VIP板のノリ自体は好かんのでURLをチェックするだけにしてる。
967 :
名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/05/25(木) 01:45:11 ID:povygR1MO
転載はするなとあれほど
ここの人にも見せたいという気持ちは分かる
VIP板のって転載禁止のルールあったっけ? お互いのスレが活気付けば良いジャマイカ、などと 軽く考えてた……
そんなルールは無いけど 無断転載はマナー違反ではないかな? 2chで言う事ではないかもしれんが
擁護したい派が俺しかいない
向こうに張り付いてる俺には関係ない
どこの作品であろうと無断転載は著作権法違反じゃ?
さて、そもそもリンクを張るという行為は無断転載に当たるのだろうか?
さっきから問題になってる無断転載ってVIPへのリンクじゃないの? どこが問題になってるのか不透明なんだが 個人サイトへの直リンは問題だけど
VIPのスレ用に張られた絵のURLをこっちに張るって事だろ 個人サイトへのリンクじゃなくても、絵師にとって自分の絵が自分の知らないところで見られてるのはいい気分じゃないだろ
あ、違うか VIPの住人の描いた絵の無断使用なら 多分著作権はこの掲示板の管理人にあるはずだから・・・どうなるんだ?
ねーよwwwwwwww
まぁ著作権が本人にある場合なら 侵害された場合URLや画像は削除対象になるとある 分かってるのはこれだけだな スレ消費すまん 立てられなかったから誰か頼む
著作権うんぬんっていうより、そもそも他人の絵を転載する時には 「転載です」の一言くらい付け加えてしかるべきだと思うんだ。
断った譲がってなにさw 断ったほうが、ね。
転載はまずかろう。 リンク、それも画像直ではなく当のレスへのリンクにするのがベターじゃないか
向こうのスレにリンクする、が落としどころかな
>>982 乙
無断転載しなきゃいいだけの話だな
むこうの住人に断りを入れて解決するのが一番
『〜からの転載』と記載するか、向こうに断りを入れるのがベターかと。
ア
グ
た
ん
は
俺
の
嫁
で
す
。
1000ならアグたんの豊かなおっぱいに顔うずめてクンカクンカする
1001 :
1001 :
Over 1000 Thread ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃ スレッドのレス数が 1000に達した! ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ,,ノィ クエックエッ <・ 彡v .┌────┐ ( フノ三 | ←次スレ |ε ε ε ε ε ε ε ε ε ε ε ε ε ε ソ ヽ, └─┬┬─┘ 人 *「ぷるぷる。 ´ ´ .|│ (゚∀゚) このスレッドは もう 終わりだよ。 ゙゙'゙'゙ 新しい スレッドをたててね!