1 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:
2 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/08(土) 00:55:29 ID:x6uiGNuP0
余裕で2
やっぱ書き手さんの勢いが衰えると落ちやすくなるね。
職人さんガンガレ(`・ω・´)
4 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/08(土) 03:02:20 ID:4rupbqeh0
あっというまに100以下ゾーン突入につき一度ageとく
ある程度人が戻ってくるまではage進行じゃないと
またすぐ落ちそうだぞ
保守
6 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/08(土) 05:57:16 ID:8RyQhgrp0
荒らし・粘着等は放置の方向で
>>1 乙
30までは毎日保守作業が必要だ
乙
9 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/08(土) 12:26:01 ID:nZ6jLd8oO
ツンデレを書ける職人さんがもう何人か集まれば落ちなさそうだが…
なかなか難しいよね
第二節 「咆哮、王の剣」
―――大軍に戦略なし、という言葉がある。
言葉通り、圧倒的な数の戦力があればそれ以上の強さはなく、作戦など無意味である、という戒めだ。
成る程、誰が言い出したかは知らないが、その通りだ。戦いというのは詰まる所、数である。
例えば1の効果しか期待できない攻撃力を持った兵でも、百人集まればそれは単純に100の効果となりうるのである。千人集まれば1000に、一万人集まれば10000の効果となる。
その力の前には、一人や二人の力量が如何に優れようと、意味を成さない。「数」というのは、ただそれだけで簡単に戦力の増強を図れる、原初の暴力そのものなのだ。それをあろうことか、分割して敵にぶつけるなど、論外も論外、愚の骨頂である。
―――などということを、島への進入から百に届く数の魔物を薙ぎ倒し、今まさに大魔王の城の門前に立つゴドーは思ったのだった。
「………」
「ふぅ。これが…ゾーマの居城、か。ここまで、割と消耗は抑えられたと思うけど…?」
禍々しい、魔の霧に包まれた城。見る者を威圧し、その佇まいは一切の生気を圧殺し、まともな人間なら見る間に腰を抜かしてしまうだろう、恐怖の具現。
横で少しばかり乱れた息を整えるアリスを見やる。どうやら、こいつは気づいていないようだ、と思案する。
「?どうしたの?」
「おかしいと思わねぇか、おまえは」
「?」
いつも通り、ゴドーは内容は後回しに、結論の問いかけを先に持ってくる。当然、アリスは首を傾げるばかりである。
分かりきった反応だが、どうにもこの論法は癖でやめられない。彼は内心で自戒しながら続ける。
「この島はゾーマの本拠地だ。防衛に、すごい数の魔物の出迎えを予想してたんだが…」
「はぁ?ちょっと、さっきまで、ちゃんと魔物と戦ってたじゃないの。数だって、決して少なくは」
「そう、それだ。それが腑に落ちねぇ」
「???」
バラモスの城では、空から侵入することで、敵の混乱に乗じることができた。だが、今回は正面突破。敵のまともな抵抗は避けられないと踏んでいたのだが…。
「奴ら、とんでもない数―――恐らくは数千単位の兵隊を用意してやがる。それは間違いない。…だがな。それが気に入らん。
それだけの数がいれば、俺たちを一気に押し殺せば済む話だろう」
「うん。それで?」
嘆息。ゴドーは少し、少女の鈍さに呆れる。否、瞬間瞬間の彼女の機転の早さには、彼も目を見張るものを認めているのだが…どうにも、時間をかけた思考力というものは、平凡か、それ以下なのである。
「気づかねぇか?連中、どういうつもりか知らんが、絶対に九匹以上では俺たちを同時に攻撃しねぇんだ」
「へ!?そ…そうだったんだ」
「可能性は二つ。ゾーマが俺たちの何かを試すために、小出しの戦力で打診しているか。もう一つは―――」
「罠、ね」
今度は、首肯。ここまで来れば、後の答えは自ずと出てくる。
二人は並び、これから自分たちが挑む城を見上げた。
「―――行くぞ。ここからが本番だ。覚悟しろ」
「お互いね―――!」
ドンッッッ
ぶち抜かれる城門。
けたたましく破片を撒き散らし、押し入った先にはしかし、魔物は一体も、いなかった。
「む…?」
「あれ?」
静寂。溢れんばかりの邪気こそ立ち込めているが、魔物が襲ってくる気配は、ない。
うまく殺気を隠しているのか、はたまた、まだ戦力の出し惜しみをするつもりなのか。
「変ね。いくらなんでも、静か過ぎるわ」
「………」
「ゴドー?どしたの、難しい顔して」
眉間に皺を寄せ、何か嫌なものでも見るような目つきのゴドー。
城門を入ってすぐ、通路は二つに分かれていた。彼はその、一方を一頻り睨んだ後、口を開いた。
「むず痒いな。殺気はねぇが…こっちから、何かを感じる」
「何かって、なによ」
「さあな。勘だ、勘」
「はぁ…あんたって、普段は理屈っぽいくせに、時々いい加減よね」
「うるせぇな。どっちにしても、ここでぼさっとしてるわけにはいかねぇだろ」
「はいはい」
ぼやきながら、二人は静謐の城内を進行する。
…持って生まれた直感というものがあるとするならば、それはゴドーにはなかった。
彼の勘は、幼少の頃から命がけの実戦に身を置き、愚直なまでの鍛錬を繰り返すことによって練り上げられたモノである。
それ故、己の生死を分かつ局面には敏感で、その真価は計り知れない。こういった敵の意図が見えない駆け引きなら、尚のことだ。
ただ。それが当てはまるのは、相手の戦力が自分と同等である場合に止まる。
例えば、ダイスの目を競う勝負で、自分がダイスを一つしか使わないのに対し、相手が10や20のダイスを使ってきたとしたら…?
まぁ、仮にそうだとしても。彼はまた無茶な代償を払って、100や1000の出目を叩き出そうとするのであるが。
「…あ。ね、あれ見て」
「ん?」
いつ敵が牙を剥いて来てもいいよう、全方位に注意を払いながら進み、いくつかの角を曲がり辿り着いた先。
灯りはなく全体像が見えないが、幅広く、奥行きは長く、天井は高い場所であることが分かる。
ともすれば、小さな砦が丸々収まりそうな容積か。中には人型の、天を衝く巨人の石像が目立つ。
魔王の城には実に不似合いな言葉ではあるが、そこはまるで、荘厳な聖堂のようだった。
アリスがその目に捉えたのは、その聖堂の奥の奥。決して明るくはない聖堂の向こうに、巨大な玉座が見えた。
「何かしら…あれ、ゾーマの?」
「馬鹿な。こんな簡単に、辿り着けるもんかよ」
とはいえ。彼は自分の勘を頼りに、こちらの道に来たのだ。その勘が訴えたむず痒さの正体はまだよくわからないが、こちらが動かない限り事態が進展しない以上、一歩を踏み出すしかない。
「近くに行けば、何かわかるでしょ」
「ん…それしか、ねぇか」
一歩。その大聖堂に、踏み込んだ。
かくして、ゴドーの勘は的中した。彼の感じたむず痒さ、それは殺気でなく―――己に迫る、死の気配、そのものだったのだ。
ガシャンッッッ
「「!!」」
後ろの格子扉が落ちる。瞬時に二人は、自分たちが敵の罠に落ちたことを悟り、戦闘体制に入る。
それが、合図。聖堂に佇む、巨大な人型の石像群は目に光を宿し、動き出す。
我らはゾーマ様の城を守る者!!
ここを通りたくば、我ら全員を倒してゆけぃっ!!
「ふふん、あんたたちなんか、敵じゃないわ。パパッと倒して」
「いや…そうもいかんみたいだぞ、アリス」
勢いごむアリスを、ゴドーは険しい目つきで窘める。アリスは何故、と問おうとしたが、その疑問もすぐに消えた。
オオオオオオォォォォォッ!!!!
見えなかった聖堂の全体像。見る見るうちに聖堂の闇は、殺気に満ちた眼光で埋め尽くされていった。
殺気を感じなかったのは自明。床・壁、遠く高い天井に至るまでを埋め尽くす魔物の群れは、その身を石と化し、生気までも封殺していた。
その数、実に―――千と、数百。目視で数えるのはそれが限界。圧倒的な軍勢を前に、アリスは言葉を失う。
「成る程…こういうこと、か」
歯噛みするゴドー。
地形が整っているとは言い難いとはいえ、外はそれでも逃げることが不可能ではなかった。戦闘の最中でも、瞬間移動呪文を使えば、万一のときの離脱もできた。
だが、今。魔王の城という、完全な敵の懐。退路は断たれ、目の前には、如何に数多の修羅場を潜り抜けてきたゴドーとアリスといえど、人の器の力ではどうにもならない、絶望的な、暴力。
ゾーマは、これを狙っていたのだ。確実に自分たちを蹴散らせる力を持ちながら、尚奴は、その使い所としてこの逃げ場のない閉鎖空間を選んできた。
それが忌々しく、そして同時に、例えようもなく―――。
「じょ…上等じゃないっっっ!どうせ勝つしかないんだったら、思いっきりやってやるんだから!!」
その、聖堂を支配する魔物の軍勢を前に、震える声で、尚も闘志を失わず、啖呵を切る少女。それを見て、彼は隠れ、少しだけ、笑った。
合い間に、後ろの格子扉を見る。サイズからして、おそらく、ピクリともしないだろう。破壊して逃げる?どうやって?そんな時間はない。呪文で吹き飛ばすにせよ、この位置では確実に巻き添えを食らう。ならば。
オオオオオォォォォォッッッ!!!!
大挙して、襲い来る暗黒の波。アリスは歯を食いしばり、構え、呪文の詠唱を開始した。
波はすぐそこに迫っている。50メートル…40…30…。
―――と。彼女の肩に、手が置かれる。アリスが振り向くと、彼女の相棒は、一言だけ、口にした。
「下がっていろ」
瞬間。アリスは、目の前に迫る「死」を忘れた。自分に向けて放ったのだろうその言葉は、まるで空に放り投げられたモノのように聞こえた。
何故なら彼は。ゴドーは、その殺戮と破壊の具現を前にして、恐怖も、戦意も、一切の感情を、切り捨てていた。
武器を抜き、右手に構える。神々しいまでの覇気を纏うその剣の名は王者の剣=Bかつて大魔王が恐れ、長い年月をかけて粉砕した最強の神器。
数歩、格子に背中を預ける形で後ずさるアリス。怯えも疑いも迷いも、全て消え、他人事のように、目前の光景をただ見つめる。
波はもう、すぐそこまで来ている。20…10…5メートル。
「………」
腰を落とし剣を引く―――。
―――キュンッ
…そして巻き起こる、風。剣には、旋風が薙ぎ、旋風は竜巻となり、竜巻は荒れ狂う暴風となる。大気を切り裂く轟音を立て、やがて真空が辺りを包み込む。
アリスを退かせてから眉一つ動かさなかったゴドーは、そうして、今まさに魔物の爪が自分の首を落とさんと触れようとした刹那―――目に闘志を取り戻し、その力≠振りぬいた。
「――――――消え失せろ」
ゴッッッッ
「っ!!!」
剣から、其の時を今か今かと待ち望んでいた暴風が、解き放たれる。
主から攻撃の許しを得た暴風は、邪悪な暴力を一瞬で薙ぎ払い、蹴散らし、蹂躙し、そのあまりの風圧に聖堂の内壁までもが限界を迎え、崩壊を始める。
…話が違う、と思考することができた魔物が、果たしてどれだけいたか。
風の侵攻は一瞬。呼吸を一つつく頃には半身が、弾かれた粉雪の如く、霧散していた。
―――大軍に戦略なし。
絶対的な数はそれだけで脅威であり、そこには小細工はいらず、十の逸材も千の雑兵の前には無力。
そう。まさしくそれは真理である。ただそれは、あくまでも数という概念で計算しうる範囲の「戦い」の話だ。
敵が如何に強大でも。その数が如何に絶望的でも。それは所詮、独立した「個」の集まりに過ぎない。
ならばそれを。強大な力を。圧倒的な「数」を。「個」の領域を超える、自然が誇る暴風≠ニいう「現象」を以って凌駕する―――!
「………うそ」
…消滅。千を超える魔物全てを粉塵と化し尚静まらぬ、大気の断層を作り上げた真空の暴風は、聖堂の内壁と、先にあった玉座と城壁をも粉砕し、漸く、その矛先を収めた。
―――それは、「戦い」ですらなかった。
一方的な、災害による淘汰=c災害を御す術など「個」にはなく、ただ、その威力に耐えられぬならば消えゆくのみ。
荘厳な聖堂は見る影もなく、内壁は瞬壊し、前方には荒ぶる海原と、暗い空が広がっている。
「…ふぅ」
一息。ゴドーは剣を鞘に仕舞い、額の汗を拭う。
アリスはその声で我に返り、彼に詰め寄った。
「ちょっと!!いきなり何おっぱじめるのよ、あんたって奴は!ホントにびっくりしたんだからね!」
「あん?…ああ、悪い。いってなかったな。魔力で風を収束し、暴風にして放つ。それがこの王者の剣≠フ力だ」
心なしか、説明する彼の語気は弱い。
アリスはそれを不審に思ったが、ひとまずは気にせずに問い続ける。
「もう。あんなことできるなら、初めからやりなさいよ、バカ」
「ああ…そうも、いかねぇんだ、これが」
「?」
先ほどから、彼の表情が休まる気配がない。これは流石に、アリスも無視できない。
「どうしたの?どこか痛むの?」
「ん…少し、な。本来、あれはあんな威力を出すようには作られてない。普通はせいぜい、多くても十体前後を倒すのがやっとだが、
今回は全開も全開、体が壊れるぎりぎりの出力でぶっ放したから、かなり堪えた」
と、ゴドーは自分の右腕が、正常に動くか打診する。
漸く彼の言わんとすることの意味を悟り、アリスの体はわなわなと震えていた。
「あんな出鱈目、そうそう撃てるもんじゃない。出来て、あと一発。もしそれ以上撃てば、確実に俺の方が吹き飛ぶ」
「―――バカ。なんで、そんなの、うつのよ…!」
ありったけの怒気を込めてゴドーを叱る。
彼の無茶は今に始まった話ではないが、彼女はそれを承知した上で、彼の負担を少しでも抑えようと腐心しているのだ。だというのに、また、彼の無理を止めることが出来なかった。それが、ただ悔しくて、そして情けなかった。
「おい…さっきと言ってることが逆だぞ」
「うっさい!あーもう、あんたって奴はいつもいつも…!」
「…今の状況は、これが最良の方法だった」
「むー」
「そう剥れるな。誓って言うが、あのまままともにやってれば、どういい方に転んでも、確実にこの右腕の痛み以上の被害を受けてたぞ」
「わかってるわよ!わかってるから腹が立つんじゃない!」
ぷい、と、そっぽを向くアリス。そう。だからこそ。彼の判断が的確で、迷いがなく、そこに「自分の負担」という要素が一ミリも計算に組み込まれていないからこそ。
自分が何も役に立てないことに、腹が立った。
しかし、ゴドーはそんな彼女だから、安心して頼れるのである。
「アリス。応急処置、頼む」
「え?」
「構造的な損傷はどうにもならんが、痛みをとるくらいなら、お前の呪文でなんとかなるだろう。
俺だって馬鹿じゃねぇ、体に欠損があるならあるなりの、戦い方くらいできる。だが痛みはどうにもならん」
「っ…もう。感謝しなさいよね」
口調こそ突き放すようだが、その言葉には少しも怒気は含まれていない。
なんだかんだで、彼女はゴドーの頼みには弱い。本人も自覚はあるのだが…彼女は彼への好意を、決して否定するつもりはないのだった。
カツンッ
「おい、見てみろ」
「ん?………何これ。階段?」
ほぼ全壊した聖堂を尻目に、先ほどまで玉座があった部屋を散策する。
そこにゴドーは、残骸の下、階下に降りる隠し階段を発見した。
「玉座はダミー…ちっ、危うく立ち往生するところだったわけだ。敵の手駒も大分減ったし、一石二鳥だったな」
「調子に乗らないの。もう一度アレやったら、ホントに怒るからね」
皮肉を口にするゴドーを、アリスは、む、と口を尖らせて諌めた。
放っておけば、この男は見る見るうちに自分の体をすり減らしていってしまう。それが行き過ぎて、本当に彼が粉微塵になってしまわぬよう、そのある意味欠陥だらけの思考パターンにブレーキを掛けるのがいつの間にかアリスが背負ってしまった役目なのだった。
…まあ、実際。もし彼女がいなければ、彼はバラモスすら倒す前に、どこぞで野垂れ死んでいたかもしれない。前述したように、彼はその一見合理的な思考に、自分の負担を組み入れないのである。事情を知る人間から見れば、まっこと心臓に悪い男なのだ。
無論、紆余曲折あって、今はアリスと協力することを覚えたが、それはあくまで思考パターンに『合理的な行動のためにアリスの協力を仰ぐ』というファクターが加わっただけであり、彼が己の負担を考慮するようになったわけではないのであった。
「わかってるよ。俺だって、別に死にたいわけじゃねぇからな。気をつけるさ」
「ホントに?約束だよ?」
「ん」
むにっ。
詰め寄り疑いの目を向けるアリスの頬を、摘む。
「…なにすんのひょ」
「…あ。すまん。つい」
ぱっ、と弾かれた様に身を離すゴドー。アリスは一層不機嫌になってゴドーを睨む。
「何が、『つい』よ、何が!」
「だってな…気が滅入るだろ。最後の戦いだって言うのに、おまえにそんな顔されてたら」
「………へ?」
「小言は後でゆっくり聞くから、今はまぁ、勘弁してくれ。俺の女神様=v
どこで覚えてきたのか、ゴドーは柄にもなく気取った台詞を吐いた。
思わぬ反撃に、アリスはみるみるうちに赤面し、あわてて取り繕うように怒鳴る。
「っ!な、ななな…だれのせいでこんな顔してるとおもってんのよーっ!!」
その様が、堪らなく可笑しくて。あまりにも普段通りのやりとりで。これから本当の死地に向かうという緊張を忘れて。
階段を下りる頃には、二人はいつもの空気を取り戻していた。
20 :
YANA :2006/04/08(土) 17:42:54 ID:MvgrGfLx0
もはやツンデレじゃneeeeeeeee!!
こんにちは、YANAです。
週刊アリスワードの時間です(ぇー
申し訳ねぇ、ちょっくらスランプ入ってしまってスレ陥落。
今回のテーマは「戦略としてのドラクエ」です。
RPGの魔王って基本的にアホで、せっかく無尽蔵の戦力があるのに、その使い方がド下手くそなんですよねぇ。
平原や洞窟ならいざ知らず、軍隊と呼んで差し支えない規模の戦力を有するだろう、
本拠地や砦ですらあの体たらくですから。
ゾーマ様もごたぶに漏れず…ですので、今回は派手に色々いじってみました。
「あの部屋に何千匹も魔物入らねぇだろ」とか「ちゃんとたいまつあるじゃん」とかの突っ込みは見逃してください(ぇー
それにしても書くたびに己のボキャ貧を呪いたくなるなぁ。もうちょっと幅広い表現を身に付けたい。
21 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/08(土) 18:14:55 ID:Kop+PpJpO
49:FROM名無しさan :2006/04/06(木) 19:25:52
高校中退の超可愛い17歳の女の子がプレスで親指以外の指4本落とした時は両親や兄弟が来て
大騒ぎになった。破損した指はぐちゃぐちゃで原型留めてなかった。裁判沙汰になった
がどうなったか知らん(社長は今も健在なので金でカタがついたのだろう)。その後一度
夏に道ですれ違ったが、真夏なのに片手だけ分厚い手袋をしてたよ。顔は綺麗なままだが
すっかり鬱っぽくなってた。おれなら貰ってやったが。
彼女が事故にあったときはマジで凄かった。男なら切れた指の根元を押さえて
うずくまってしまうのが普通だが、あの子の時は泣き叫びながら、のたうち回った。見てる俺らも
怖かったよ。指4本一気だったのとショックが強すぎたのだろう。押さえるのに男3人かかったからね。
あの時の事故の後はその女の子の友達の女の子と若い工員が2人辞めた。あの子はまだ若いし立ち
直って欲しい。
22 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/08(土) 21:19:50 ID:4rupbqeh0
職人さん降臨キタコレ
お待ちしとりました
23 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/08(土) 23:40:22 ID:F5fzbgClO
YANAさん乙です! ここはYANAさんや見切りさんなどの、イイ作品が読めてうれしいです 自分もスレ落ちしないよう頑張って保守します
24 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/09(日) 00:34:25 ID:qHPNVFd30
YANAさん乙
こんなに緊張する作品そうそうないよ〜
続き楽しみにしてます。
YANA氏ktkr!!
wktk保守
27 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/09(日) 11:47:22 ID:SZ+dyKRsO
あげます。
質問してもいいのでしょうか?
中古のファミコンのドラクエ3を買いたいのですが電池切れててセーブ出来なかったりするのでしょうか?
28 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/09(日) 12:12:28 ID:mR1laHO80
3月に買ったけど大丈夫だyp
29 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/09(日) 12:23:49 ID:SZ+dyKRsO
そうですか
これから買いに行きます。ありがとうございました
駄目だったら変えればいい、変える方法を載せているページはあるし
前の持ち主のぼんけんのしょが残ってたので大丈夫そうです。わざわざありがとうございました
32 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/09(日) 20:20:52 ID:EpHgOpef0
今GBで3やってたりします
そういう人も多いんじゃない?
33 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/10(月) 01:33:12 ID:7k0VivbHO
保守ageします
34 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/10(月) 01:45:21 ID:bc3N2tHT0
ゴドーが素クールに近づいてる気がする
スクール?
素直クールの略だろうさ。
へぇ〜。勉強になった。
38 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/11(火) 03:17:39 ID:uPyt0eef0
城島
保守
保守。
YANA氏は本当に神だな。
いい絵師とケコーンして挿絵がついたら本出せるな。
41 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/11(火) 23:47:47 ID:toy2gBqHO
神待ち保守
42 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/12(水) 00:02:03 ID:cdliuZAh0
43 :
YANA:2006/04/12(水) 02:32:42 ID:z9QQ2FZO0
第三節 「理想の果て、一つの終焉」
「―――――――――全滅?」
影の報告を受け、ゾーマはその大きく裂けた口を、訝しげに歪める。
「は…大変申し上げにくいのですが…地上一階の大魔神の間≠ノ集結させた、全軍のほぼ八割の軍勢は…勇者の放った、正体不明の攻撃の前に………成す術、なく。大魔神の間、及び地上の玉座の間も、その攻撃にほぼ破壊され…」
力なく、項垂れる、影。
―――影は見た。勇者の、ゴドーの振りぬいた一閃、そこから生まれた、強大な力の奔流を。そして、その威力を。
魔王の影=c彼は、そう名づけられている。ゾーマが自身の魔力のほんの一欠片を切り離して作り出した、使い魔の一種である。使用されているのが本当に塵芥に等しい微量な魔力であるため、その存在濃度は極めて薄い。
よって彼は普段、実体を持たない。気配もなければ、攻撃も受けない、代わりにこちらの攻撃も相手に届かない。影は自らの意思で実体化しない限り、言葉どおり取るに足らない影≠ネのである。だからこそ…あの、魔物にとってこれ以上ない死地から、生還できたのだった。
「………くくっ」
「ゾーマ、様?」
「くく、ハハハハハハハッ!!!」
突然、その醜悪な顔を更に歪め、高笑いを上げる大魔王。影はただ、呆然とそれを眺めるしかなかった。
「そうだろう、そうでなくてはな!ああ、仕方あるまい。おまえたちではその程度…いや、違うな。これは、我が失策であったか」
「は…?」
44 :
YANA:2006/04/12(水) 02:33:17 ID:z9QQ2FZO0
「よいか?貴様の弁を聞く限り、奴は剣によってその攻撃を放った。だがそれほどの力の奔流、多方向に向けて放つのは、まず不可能。
大魔神の間に配置した軍勢と、彼奴の位置関係を、よく思い出してみろ」
「………?」
位置関係。勇者と賢者は扉をくぐり、格子扉で出口を塞ぎ、正面から、我らの軍勢が、押し寄せ、て―――。
「は」
「奴の剣は、恐らく指向性の魔法攻撃概念を宿したモノだろう。その威力故、小回りは利かぬが…こと一方向に対する破壊力ならば、
他の追随を許さぬ類の武装。…戦力を一方向に集中させたのは、失敗であったな、ククッ!」
己の軍勢の殆どを失い、尚も余裕を崩さないゾーマ。否、それどころか、彼は報告を聞いて更なる恍惚に身を震わせる。
影は、己が主のその異常な光景に、寒気すら覚える。
「ふむ…こんなことになるのなら、初めから城内に入った段階で、全方位から全軍での奇襲を掛けたほうがまだ確実であったか。
圧倒的な戦力がありながら、余計な手心と小細工を加えたのが、仇となったな」
口振りこそ残念そうだが、ゾーマは少しも現状を後悔していない。寧ろその表情は、ひたすら、迫り来る勇者の猛攻を喜んでいるかのようだ。
「―――よい。全軍に通達。残りの者どもも掻き集めろ」
「は…はっ!内容は如何様に!?」
「好きに殺れ=c以上だ」
「…は?」
「二度は言わぬ。…我はこれより、出迎えの準備に入る。後のことは…どうとでもするがよい」
ズンッ
それだけ。大魔王は、口端を吊り上げたまま、闇の中に、消えていった。
・ ・ ・
―――ザンッッッ
「グオオオオッ!!」
一閃。ゴドーの太刀筋は迷いなく、有翼の獅子・マントゴーアを両断した。
「イオナズンっ!!」
直後、閃光と爆発。アリスの唱えた破壊呪文は、一方のトロルキングたちを跡形もなく、吹き飛ばす。
…隠し階段を降り、回転床が敷き詰められたフロアも抜け、彼らは入り組んだ迷路のような階層を突き進む。
もはや殺気を隠す意義もなく、形振り構わず襲い掛かってくる魔物たちはしかし、彼らの足止め程度にしか、ならなかった。
ザンッ。再び、一閃。瞬く間にバルログの群れを一蹴し、ゴドーは周囲に敵が残っていないことを、感覚だけで確信する。
「…ふん。連中、まるで統率がなくなってやがるな」
剣の血振りをしながら、彼は一人呟く。遠心力で弾かれた紫色の血液は、ピピッ、と勢いよく内壁に飛び散った。
「ゴドーのあれが効いてるんでしょうね。多分、ゾーマもあれだけの数が一発で消されるなんて思ってもいなかったんじゃない?」
「だといいんだがな…どうも引っかかるんだよ」
相変わらず、疑り深いゴドー。基本的に、彼は物事が上手く運ぼうと運ぶまいと、戦闘中はいつもこうなのだ。
「何が?」
「あれだけの数の兵隊を失った後の対応が、あまりにもお粗末だ。残った魔物だって、決して少なくはねぇだろうに。
俺たちを物量で殺すには、十分な数がいるはずだ。なのに、それを召集して」
「まとめてぶつけて来る気配がない、と」
パチッ、と、アリスはしかめ面のゴドーにウィンクする。
彼はそのままの表情で、目線を返すことで肯定する。
「指揮もポリシーもない。襲ってくるペースも間隔も数も、てんでバラバラ。要するに、軍隊として機能してねぇんだ。
これじゃあ、まるで、」
そこらの魔物の群れと同じだ、と、苦々しく眉を顰める。
「そりゃ、こっちには都合いいじゃない。警戒しすぎだと思うけどな」
「そうだけど。…拍子抜け、っていうわけじゃねぇけど、なんとなく気に入らない」
子供か、あんたは。
アリスは内心呆れる。つまり、こいつはこと戦闘や冒険に関しては、どんな状況にもいちゃもんをつけないと気が済まない困った病気の持ち主なのだ。
「じゃ、あんた。あんたが考えうる、最悪の形で魔物が徒党を組んで襲ってきたら、どう対処するつもりだったわけ?」
「それは、おまえ、王者の剣で」
パカンッ。瞬時にアリスの手刀が飛んだ。初期動作から到達まで、実に0.3秒。新記録である。
「…冗談だって」
「あんたがいうと冗談に聞こえないんだってば!」
大分直ったとはいえ、切羽詰ったときに一番負担の大きい役を自ら率先して担おうとする彼の癖は相変わらずだ。
下手に打たれ強いから、こんな風になるのだ、と彼女は頭を抱える。
と。迷路の先、フロアの終着が見えた。
「階段………っ!」
「…っ…やれやれ、流石に、ここまで来るとおまえも分かるよな…この、吐き気を催すような邪気は」
下層に向かう階段。その暗黒へと伸びる道は、溢れる邪気を吐き出しながら、彼らを手招きしている。
ゴドーとアリスは、珍しく同じように、冷や汗を浮かべながら、その邪気に立ち向かう。
・ ・ ・
「―――――――――橋?」
どちらの言葉だったか、とにかく、第一声はそれだった。
階段を降り、扉を開けた先にあったのは、巨大な水路を跨ぐ、長く、向こう側の見えない大きな石の橋。
ゴドーは黙り、ここまでの道のりを思い返す。
一階は、潜伏した魔物と隠し階段の罠のフロア。
地下一階は素通り、地下二階は回転床での足止め。次は入り組んだ迷路。
どの階も、その様相は一つとして同じ概要ではありえなかった。ならば、このフロアは…?
いや。それよりも、だ。この、御しがたいほどの、イヤな悪寒は―――。
「ゴドー?」
「ん…ああ、すまん」
思考は、アリスの言葉で遮られた。そうだ、ここは敵の本陣。何が出てきてもおかしくない。
重要なのは。何が出てこようと、それを打ち返すだけの力と覚悟が、自分たちにあるかどうかということなのである。
「もう少し、だね」
「…近いな。多分、この階が最後だ」
「うん。行こう」
「ああ」
無駄のない、自然なやりとりだった。余計なものがなく、ただ、少しの確認と、問いかけと、返事だけの。
それだけで、終わるはずだった。
彼女が、それを見つけなければ。
「――――――あれ?」
「どうした?…ん」
アリスは、橋の入り口に血痕を見つけた。血は、点々と、向こう岸へと続いている。
沈黙する二人。その血痕の意味を、ただ、最悪で、最良の答えへと、導こうとしているのか。
血は、赤い。魔物のそれは、緑ないし紫である。人間のそれも、時間が経つと凝固し、黒い塊に変色する。
だが、それが、赤。つまりは―――ここには、自分たちより少しばかり先に、人間が訪れているということだ。
グオオオオオオォォォォォオォォッッッ!!!!
「!!」
「アリスっ!」
「うんっ!!」
響く、魔物の咆哮。轟きは橋の向こう側。
二人は全ての思考と動揺を置き去りに、ただ、無意識で、駆け出した。
―――もし。もし仮に。ゾーマが手勢の使い方を、ほんの少し変えていたら。
もし、ゴドーたちが回転床でもう少しだけ時間をとられていたら。
もし、迷路で襲ってきた魔物に、僅かにでも梃子摺っていたら。
この、大切な、取るに足らない、運命の邂逅は、有り得なかったのかもしれない。
さて。それでは少しばかり。この人々の戦いの物語とは関係のない、一人の男の終幕を。
この物語を語る上で、語らずともよい、見ずともよい、ほんの些細な、出会いと別れを。
彼らの旅を見てきた貴方たちには、お見せしよう。
―――そこは、正しく死地であった。
長い石橋の先。…そこに陣取る―――巨大で、醜悪な怪物。
あのやまたのおろちをすら凌駕する、圧倒的な存在感。五つ首の大蛇…いや、竜。紫の鱗と、鋭い牙が並ぶ巨大なアギト。
怪物を構成する全てが、他の魔物とは比較にならない程の「魔」からの祝福と洗礼を享受していることを、否が応にも理解させられる。
奴は。そもそも、他の雑兵どもとは、発生した規格が違う。誕生の瞬間から、あらかじめ他の魔物から隔絶された最上位種。
ゾーマの居場所が近いということか。そんな怪物が、この階層の唯一の進路にいるということは、驚愕には値しない。
だが。あれは―――――――――何だ。
―――ガシュッッッッッ
グオオオオオオオオオッ!!!
咆哮の正体。怪物は、ナニカと戦っていた。
それほどの規格外の化け物が、体中から血液を撒き散らしのたうちながら、その必殺の牙で襲い掛かり、尚捉えきれぬ相手は。
たった一人の、年老いた男だった。
二人―――ゴドーとアリスは、橋の半ばで、ただ呆然と立ち尽くす。
踏み込まなかったわけではない。『踏み込めなかった』のだ。
ピシャァァァァンッッッ
雷鳴。男が放った『雷の魔法は、怪物の全身を焼いた』―――五つ首の怪物に、稲妻が迸る。
それは、はて、どこで見た光景であったか。
ガアアアアアアァァァァッ!!
怪物は尚、倒れない。掠っただけでも致命傷に成りかねない必殺の一撃は、それでもやはり、男を仕留められず、空を切る。
…かくいう男も、無傷ではなかった。あちこちから痣・裂傷・火傷・凍傷の痕が見える。それらは全て、回復呪文で強制的に治癒させた、真新しくも生々しい、傷跡。おそらくは、ここに至るまでの魔物の軍勢との戦いで受けたモノか。
そんな体でも、男は奇跡的というべきか、はたまた素直に彼の能力を讃えるべきか、老いながらも鍛え抜かれたその強靭な肉体で地を蹴り空を舞い、怪物の猛攻をかわし続ける。
ザシュッ。何度目か、怪物の頭部に打ち込まれる、斧の一撃。
二人はその鈍い音で、我に返った。
漸く焦点の定まった目で、男を視界に収める。
―――その姿。なんて、弱々しくて、逞しくて、頼りなくて、力強いのだろう。
たった一人で大魔王の城に攻め入り。策も協力も持ち要らず。愚かにも敵の本拠地に侵入する。
それはなんと、愚かな行為か。
そのせいで、見ろ、あんなにもフラフラで、今にも怪物の口に食いちぎられそうになっているではないか。
一撃、二撃―――ああ、三撃。どうして、あんな様で避け続けられるのか。
老いた体、ところどころ皺の見える顔。疲労困憊で、全ての感情が磨耗したかのように見えるがしかし―――狂ったように、敵を討ちに往く、もはやそれだけで立っているのではないかと思わせるほどの闘志を湛えた、瞳。
何故だろう。二人の記憶する『その人物』は、彼とはあまりにも違うのに。
中年ながら、筆舌し難い鍛錬と実戦を重ねたことを如実に語る筋肉、その上をうっすらと被う、戦闘において理想的な量の脂肪。
見る人間に希望を与える、頼りがいのある、はつらつとした顔。
どんなときでも人々を思いやることを忘れない、強く、優しい瞳。
それが、二人の記憶する『その人物』だった。
だというのに。二人は知らず、『その人物』を、呼んでいた。
「オルテガ…さん」
「おや、じ…?」
ゴオオオオオォォォォッッッ
五つの首から放たれる、極大の火炎の波。赤々と燃え盛るそれは、男の皮膚を瞬く間に侵食する。
男の口が忙しなく動き、何事かを呟いた。直後、今にも全身を食いつくさんと進行していた火傷の拡大が止まり、傷が再生した。
完全治癒魔法。単身乗り込んだ男を、ここまで支え続けた命綱。だが、それさえも、疲労と内部の負担までを癒すことは、出来ない。
ビュウウウゥゥゥゥゥッッッ
男の反撃。巨大な風の刃の塊が、怪物の全身を包み、鱗を切り裂いてゆく。
五つの首が同時に、激痛に悲鳴を上げる。―――だが、怪物はまだ、倒れない。
「あ―――――――――」
アリスは、小さく、声を上げる。そして蘇る、幼き日の記憶。
思い出のその男―――オルテガが巻き起こした風は、魔物の群れを薙ぎ払い、自分と母を助けてくれた。
その魔法は、彼女にとって、最も気高く、最も偉大で、最も憧れ、常にそう在りたいと思った、強さの象徴だった。
それが今。あの怪物には、致命傷を与えるにすら、値しない。その現実を前に、アリスは、言いようのない空虚さに支配される。
ゴオオオオオォォォォッッッ
再び、炎が男を呑み込もうと襲い掛かる。
ゴッ。吹き飛び、地面に叩きつけられた。芋虫のように転がされ、最早攻撃を避ける力さえ、男に残っていないことは明白だった。
しかし。それでも男は、諦めない。震える体で、たどたどしく、回復を行おうと、呪文を紡ぐ。
…傷は、癒えない。無理もないだろう。今までただの一人でゾーマの本陣で戦い続け、数多の魔物の軍を退け、酷使し続けた彼の魔力は遂に、底をついたのだ。
ゴドーは、それを見て『ああ、終わったのか』と、まるで人に強引に勧められた小説でも読み終えたかのように、漠然と思った。
そう。正しく、それは誰の目にも明らかな、敗北であり、決着であり、終幕であった。
男は力尽き、その身を静かに横たえ、怪物のとどめを待―――――――――たなかった。
「………は」
立ち上がった。満身創痍などという言葉すら生温い、殆ど死に体で、尚、怪物に歩み寄る。
今にも千切れそうな手足で、醜く変色した皮膚を爛れさせ、酔っ払いにすら劣る、無様な足取りで。
それでも五つ首の怪物に、一歩、一歩と近寄っていく。
「………」
アリスの脳裏を、二つの意志が交錯する。
彼女の倫理は『行け』と命じている。
彼女の本能は『引け』と命じている。
普段の彼女であったなら、又目の前で死に絶えようとしているのがその男でなければ、迷いなく倫理に賛同しただろう。
だが、今の彼女は。一瞬の逡巡の後、いつになく頼りなく、倫理と手を取り合い、踏み出した。
―――ギュッ
止められる。
ゴドーの手が、肩に置かれる。振り返るアリスを、彼はただ、無言で見つめた。
彼女を止めたゴドーの目には、怒りも、悲しみもなかった。在ったのはただ、『手を出すな』という、強い意志だけ。
止められたアリスもまた、何の感情もなかった。こんなとき、彼女なら間違いなく、非情な彼を攻め立てるのだが。
そんな気が、起きなかった。何故?…そんなこと、分かりきっていただろうに。
どうして、今回に限って、彼女の本能が引くことを選んだか。それはつまり―――。
―――――――――勇者オルテガの戦いを、汚したくなかったから。
グオオオオオオオオッ!!
怪物の咆哮は、男の滑稽な様相を嘲笑うかのように聴こえた。
そして放たれる、火炎。男は既に、意識があるのかどうかさえも怪しい。本当に、ただ闘志だけで立っているのではないか。
案の定、高熱の嵐に身を晒し、再び地面に転がる。ヒュー、ヒュー、というか細い呼吸さえも、今となっては生きている証。
それでも、男は諦めない。全身を炭のように黒く変色させ、人型のナニカのように成り果て、それでも尚、既に機能を失いつつある四肢に鞭を打ち、立ち上がろうと、動かす。
…まるで、壊れたマリオネットのようだ。男の意志は届いているが、彼の体は、その命令を実行するだけの強度を失っていた。ビクン、ビクン、と汚らしく痙攣し、唯一動く顔だけを、怪物に向けて睨み付ける。
とどめの、火炎。怪物はもう動かなくなった侵入者に、油断も容赦も同情もない、冷徹な、灼熱の一撃を加えた。
―――それで、最後。男は薄汚い襤褸切れのように、ゴロゴロと、床を転がり、動かなくなった。
グオオオオオオオオオォォォォォォォオオオォォォッッッ!!!!!
五つの首が上げる、雄叫び。うねうねと宙を踊る首は、それぞれで勝利を知らしめるために、吼える。
そうして―――その怪物は、突如として壁に出現した黒い穴に、消えていった。
…男の戦いは終わった。
周囲には、静寂が訪れる。先ほどまでここを支配していた、咆哮も、武器による轟音も、全て消え――――――残ったのは、今にも息絶えようとしている老いた男の、かすかな呼吸だけだった。
それに気づいたからか、そんなことは始めから関係ないのか、或いは…あの攻撃で死ななかったという、確信があったからか。
二人の立会人は、横たわる男の体に、歩み寄る。
知らず、アリスは数歩手前で歩みを止めた。彼は、止まらず、男の頭上まで歩を進める。
…それでいい。彼女は比較的常識人であり、一般的な倫理観も持ち合わせている。親の死に目には子供を、という考え方もなかったとは言い切れない。また、男の肉体そのものの損耗が、救うにはもう手遅れであることも、わかっていた。
だが、そんなこととは関係なく。彼女はただ、『そうしたかった』から、彼を一人、行かせたのだ。
ヒュー。ヒュー。虫の息とは、こういうことをいうのか。
見る影もなく炭化した、手、足、首、顔。既に元の顔などわからず、人であったかどうかさえ疑わしい。その黒い『人だったもの』は、仮にどこぞの道端の草むらに転がっていたとしても、誰一人通行人が気づかないような呼吸で、生き長らえている。
男は、頭上の気配に気づき、最後の力で、言葉を搾り出す。
―――誰か、そこにいるのか。
…十数年ぶりの、父の言葉だった。
ゴドーはしかし、感情のない力強い瞳で、ああ、と、短く応えた。
男は既に、目を潰され、耳を焼かれ、鼻も爛れ落ちている。…五感の殆どを失った男に、果たしてそれが届いたのか、どうか。
―――今、全てを思い出した。私は―――。
アリアハンのオルテガ。かつて、魔王を討たんとして旅立った勇者。
もし、旅先でアリアハンを訪れることがあったのなら。
そこに住む―――を訪ね、伝えて欲しい。
―――――――――平和な世にできなかった父を、どうか、許して―――。
それは、あまりに短く、あまりにも儚い、生まれて初めての親子の会話だった。
最後の言葉を、伝えたかった言葉を、伝えるべき相手に伝えたと、男は知ることなく…その体は、灰になって消えていく。
その死に様を。ゴドーはただ―――目を伏せて、見届けた。
―――始まりは、父への憎悪だった。
偉大なる父・勇者オルテガの担った、世界平和への夢を、彼の訃報とともに背負わされた息子。
彼の名はゴドー。望まぬ役目を、身勝手な父の死によって遺され、ただ一身に受けて、皆の期待に応える、それだけのために、我が身を擲って戦う、勇者。
全ては父を超える為だった。周囲が自分を『オルテガの息子』としか見ないのなら、その父を超えればいい。
いいだろう。その期待に応えてやろう。お望み通り、この体を代償に、世界の平和を享受すればいい。
彼が自分の負担を度外視するのは、そんな起源だった。
それがいつしか体に染み付いて、気まぐれで仲間にした少女と旅する内、本当に自分の意志で『そうしたい』からそうするようになったのは、いつからだっただろう。
そうしてそんな彼が、最終的に辿り着いた『世界を救う』ということの答えは―――父のそれとは、全く異なっていた。
彼の父は。オルテガは、あまりにも純粋で、真っ直ぐだったのだ。
ゴドーは仲間と、希望をもった人々に出会った。
気が強いけれど、自分をいつも気にかけてくれる魔法使い。
おせっかいで笑顔を絶やさず、その裏に大きな過去を背負った商人。
父のため、そして民のために、己の誇りを捨てることを選んだ戦士。
不器用だけれど、どこまでも素直で裏表のない元僧侶。
気のいい船長。守りたい人々のために頑張る少年。二度と故郷を見捨てないと誓った鍛冶師。
彼とオルテガの些細な、けれど決定的な違いはそれだった。
彼は、信じていたのだ。
自分が頑張れば。傷ついても、諦めず、戦い続ければ。戦って、戦って、戦って、魔王を倒せば、世界に平和が訪れると。
そのために、『自分が戦わなければ』
他の人々を傷つけてはならない。不幸の元凶である、魔王を倒せば、きっと。
―――それは、なんて、愚かで、儚く、美しい願いだろう。
彼がたった一人で。仲間が、否、自分以外の全ての人々が傷つくことを否定し。
記憶を失い、己を見失っても尚、貫き続けた、ただ一つの理想だった。
その答えが間違っているかどうかは分からないけれど。オルテガは、ただの一度も、その理想が間違ったものだと思ったことは、なかった。
そのただ一つの信じる理想のために、彼は一人で戦い続け―――今ここに、その戦いは幕を引いた。
正気の沙汰ではない。馬鹿げている。身の程知らずにも程がある。
彼の行動を嘲笑う言葉は、枚挙に暇がない。
だが、同時に。彼はたったそれだけのモノを礎に。この、かつて誰の進入も許さなかった、大魔王の城の中枢まで辿り着いたのだ。
そう。彼の戦いは『誰の手も借りずたった一人で始まり、たった一人で続けてきた』からこそ在り得たモノ―――。
ゴドーとアリスが、彼の最後の戦いに手を出さなかったのがそれに起因するかは分からない。
だが、二人は、かつてこんな言葉を交わしたことがあった。
『だってこれは。俺とおまえの戦いだから』
もしかしたら、この時点で、この結果は決まっていたのかもしれない。
ゴドーの目指す世界の救済と、オルテガの目指した理想は、最終的に、全く別のものだった。
目指す結末が違う以上、二つの別々の戦いは、決して交わることはない。
―――だから。彼が一人で始めた戦いは、やはり一人で終わらせなければ、ならなかった。
手出しなんてできない。彼が、オルテガがここまで来られたのは、一人で魔王を倒すという理想があったから。
ならばその理想を、どうして汚すことができようか。彼がたった一人で積み上げてきたものを、傍から見ている他人が『苦しそうだから』などという安易な同情で手伝うなど、最低の侮辱だ。
オルテガの体は、完全に、灰になって消えた。
彼の息子―――否、ゴドーは目を伏せ、正面を見据える。
「ゴドー」
背後から、アリスが彼の名を呼ぶ。
返事はない。ただ、沈黙で応えた。
「………終わっちまったな」
「…うん」
不思議と、涙は出なかった。
アリスという少女の起源に在った勇者は、彼女の目の前で跡形もなく消え去った。
悲しみがなかったといえば、嘘になる。ただ、今の彼女の中には、それを超える何かが、あったのかもしれない。
「この奥に、ゾーマがいる」
「そうだな」
「何か、言っておくことは?」
「…一つだけ」
誰に、という疑問は口にしない。それは、自分自身と、彼女と、父と、全てに対して。
「俺には親父の遺志を継ぐことなんてできないし、継ぐ気もない」
「………」
「でも、あんたはあんたの道を、最後まで信じた。それだけはきっと、誇ってもいいと思う。だから、俺も…俺の信じる道を往く。
―――往こう、アリス。俺たちの戦いを、終わらせに=v
「うん!」
そうして、二人は再び歩みだした。
…それは、本当に、とても大切な、けれどどうしようもないほど取るに足らない、出会いと、別れ。
―――この場を去る最後に、ふと、誰かに名を呼ばれた気がして、アリスは一度だけ、後ろを振り返った―――。
58 :
YANA :2006/04/12(水) 03:11:02 ID:z9QQ2FZO0
スマートに行こうぜ! 完
うん、嘘。何度目だ、俺。
打ち切り食らうならこの辺りが丁度良いんじゃねぇかと思うわけです(ぉ
某ボンボンのロックマンX4がこんな終わり方でガカーリした記憶がありました。
先に言っておきますが、オルテガにも厳密には仲間はいました。
世界樹の葉を拾える森に住んでるホビットですね。
ただ、オルテガはやっぱり、最終的に一人で戦うことを選んだわけで。
その孤独な生き様に反し、後世に彼の名が残ることは全くない、というのが、結構歴史の推移がリアルだなドラクエw
功績なければ勇者も凡人、結果を残さなければ時間の流れに埋もれ、やがて消える。
でも、ロトという英雄の起源には、間違いなく彼が在ったわけで、そういう意味では彼もまた勇者だったのだなぁ、
などと思いを馳せつつ、資料集めに再プレイしてる最中のこの場面で、涙腺緩ますのでありました。
あ、頭の二つにナンバー入れ忘れたのは、多分、変な時間に書き上げて、半分ボケた頭で即投下したからかと。
俺のアホ。
GJ!ラストバトルに超期待!!
60 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/12(水) 15:09:57 ID:IwAup+ECO
YANAさんGJです! 勇者オルテガの最後感動しました、読み終わった時ちょっと涙腺緩みました
61 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/12(水) 18:52:05 ID:/9EUGVFI0
YANA氏超絶乙!
ところで新スレになってから見切り氏の姿が見えないな。
「勇者の挑戦」を聞きながら読むと予告しよう
YANA氏、ありがとう!
ゴドーとアリスの2人には中島美嘉のLOVE NO CRYの歌詞が似合いそうな…
64 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/13(木) 03:00:20 ID:Cl5HpdGmO
見切りさんを待ちつつ保守
谷繁
ツンデレと言えば同じクラスにレナってヤツがいるがツンデレです。
動物愛護の心なんかありめん
>>61 ハヤテのごとく!!を読んでツンデレ分を補給してるんだよ。
ドラクエ考
ゾーマって何者なんでしょうかね?
アレフガルドが神の裁きから逃れた者の世界だとしたら
ゾーマは神が使わした天罰なのかな?
竜の女王が言ってた主神ミトラ。ゾーマが阿修羅ぞうま(漢字を忘れてしまいました)
だとしたらミトラ=アフラマツダ=アスラという関係から
ゾーマはミトラの眷属かもしくは裏の姿なのかな・・・・。
てかゾーマ自体どこからやってきたか不明だしな
魔界でもない全てを拒む場所から来たらしいが…
70 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/14(金) 01:55:53 ID:hA4MCFFw0
大分下がってるので保守。
71 :
見切り切腹:2006/04/14(金) 02:18:36 ID:u5L3afQH0
へ……へっくちっ!!
ば、ばかぁ!人のくしゃみ聞いて笑わないでよっ。
出るのは仕方ないじゃないっ。もう10日も雨に濡れてたんだから。
そりゃ、身体も冷えてくしゃみ、も…………へっくちっ!!
だから、笑うなぁ!!!
ジャングルを抜けて山を越えて。漸くテパに辿り着いたわ。
こんなに歩くんだったら、先に云っておいてよねっ。
心の準備ってものがあるじゃない。船を下りたら、直ぐに町があるって思うんだから。
え、あっ?いや、そんな……べ、別に謝って欲しかったわけじゃあ………
ううん。わ、悪いと思ったら、此からき、気をつけてよねっ。
……ほ、ほらぁ、ずっと野宿に歩き通して疲れたから、ね?早く宿屋に行こうよ。
あ、その盾持ってあげる。ずーっと持ちっぱなしで疲れたでしょ。
宿屋まで直ぐだからわたしでも持てるから大丈夫よっ。
(ズシ)
お、重……えーっと……
ちょっとくらい引き摺っても、大丈夫だよ、ね?
72 :
見切り切腹 米:2006/04/14(金) 02:25:58 ID:u5L3afQH0
ハヤテのごとく!!を読んだことはないですよ(挨拶)
お久しぶりです、皆さん。
探し出してみたら、なにやら熱い展開が繰り広げられているようでwktk
前スレが落ちた責任を感じつつ、暫く休養してました。
楽しみにしてくださっていた方ごめんなさい。
流石に一日一遍投稿を一ヶ月以上やったら、ちょっとガス欠起こしたようで。
あと二日三日だけでも粘れば、YANA氏に任せられたのに。と、そんなことも思いつつ。
一日一遍を目指しつつも、のんびり行きたいと思うので此からもどうぞ宜しくお願いします。
見切りさんキター!!これから王子達は伝説のシースルーの話を聞くのかな?
切腹の次は・・・弩極?
75 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/14(金) 20:22:03 ID:wt538d1g0
保守〜
何か心が熱くなるよYANA氏・・・
そして心が甘くなるよ見切り氏・・・
最高です
76 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/15(土) 03:07:30 ID:jrQim6LhO
夜勤しながら保守 休憩中にここに来るのが最近の楽しみです
保守
78 :
見切り切腹:2006/04/15(土) 19:00:00 ID:SkA7/0x50
なによー。此だけ苦労して村に来たのに、何にもないじゃないっ!!
満月の塔に月の欠片とか云うものはあるけれど、水門を開かないとその島には行けなくて。
羽衣作りの名人さんが居るらしいけれど、会うことすら出来ないってどーいうことよっ。
もぅ、アレンが考え無しだからこんな事になっちゃって。
あの道をまた歩いて帰ること考えたら、物凄く気が重いわ。
…………なによ?運んで貰ったら盾に傷が付いた?
そんなの、此から歩くことに比べたら全然小さい事じゃない。
第一、盾は攻撃防いで傷付くもんでしょっ。きっと盾だって本望よっ。
……アレンだってすっごいつかれてただろうから手伝ってあげたのに。
そんなに文句ばっかり云わないでよ…………
も、もうっ!買うもの買って、ゆっくり休めたんだから早く戻ろうよっ。
……お、乙女の買い物を訊くなんて、そんな失礼なことしちゃダメなのっ。
そのうちね、そ、そのうち教えてあげるから、そんなに拗ねないで。
あーん待ってっ!!そんな早足でさっさと行かないでよー!
ツン二人キタコレ
80 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/16(日) 02:42:20 ID:kzr+bX3dO
見切りさん乙です 今日もいいツンデレを見せてもらいました ありがとう!
保守
83 :
見切り切腹:2006/04/16(日) 22:22:22 ID:CsAMcUmE0
森の中の城の妹へ
サマルトリアの周囲も木々が生い茂っているけれど、
このテパの周りは、そっちの比じゃないよ。
噂で聞くスコールにも遭遇したしね。あれは凄い破壊力だった。
特に普段は判らない躯のラインがはっき……いや、なんでもない。
話は変わるけど、こっちにはぼくの強さにあやかりたいモンスターがいたんだ。
首狩族とか云うらしいけれど、見た目ぼくにそっくりでね。
二人はぼくと勘違いしちゃってなかなか攻撃できなかったみたいなんだよ。
まぁ、ぼくが直ぐに撃退してやったけれどさ。二人にまた感謝されたのはいつものことさ。
こんな奥地にも関わらず、手紙を出せるようだったので書いてみたんだけど、
此が届くのにいったいどれだけ掛かるんだろうか。
ぼくらがサマルトリアに戻る迄に届けば良いんだが。
また何処か手紙の届くところに着いたら、手紙を書くからね。
密林の奥地の兄より
−−−−−−−−−−−−−
お兄ちゃんの―――むっつりスケベ………
84 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/17(月) 01:37:50 ID:CajA/ig6O
むっつりスケベと言おうと思ったら妹に言われてましたよw
85 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/17(月) 02:06:08 ID:kCV54W/mO
ゾーマは福井県から来た
ラーの鏡が見つからない。昔やった時はこんな所で進めなくなんかならなかったのに…
なんでもないの前に修正しろよサマル・・・ところで
サマル→むっつりスケベ
ナナ→ツンデレ
アレン→クールデレか?
88 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/17(月) 15:32:35 ID:oSJQPK+00
古田
ラーの鏡は毒の沼地にあるよ、ムーンブルク城内の火の玉がヒントくれたはず
90 :
見切り切腹:2006/04/17(月) 23:08:36 ID:I4d2Mgol0
やったー!河に出たーっ!!
まさか、船を見られてこんなに嬉しい気分になるなんて、思いもしなかったわ。
もう、ジャングルなんて懲り懲りよ。
二度とこんな処に来てあげないんだからっ。
ほらぁ、二人とも早く船に乗ってよ。さっさと出発するのっ。
ねぇねぇ、次は何処に行くの?また、長く航海するの?
ふーん、ベラヌールって処を目指してるんだ。
上陸してからすっごい歩かされるとかまた塔を上るとか、そんなこと無いでしょうね?
……信用ならないけど、仕方ないから信じてあげる。
心外だなって……あなた、いっつも意地悪い顔してわたしを塔に登らせるじゃないっ。
満月の塔も、登らなくて済んで本当に良かったわ。
……なーによぉー。仕方ないでしょ、足が震えて頭だってクラクラしちゃうんだから。
一人で歩いてたら、絶対下に落っこちちゃうもん。
………そ、そうね。手を繋いでも、貰えれば大丈夫だけど………
あーわかった。わたしと手を繋ぎたいから、わざわざ高い処連れてくんでしょー。
相変わらずのスケベゴーグルなんだから。そんなんじゃダメじゃない。
で、でもね。そんな回りくどいことしなくても、ア、アレンが繋ぎたいなら……………あれ?
あ、ちょっとっ、アレンたら何処行くのよっ!
肩怒らせて、不機嫌そうに立ち去らないでっ!!
91 :
見切り切腹 米:2006/04/17(月) 23:17:39 ID:I4d2Mgol0
>>87 サマル→シスコン(むっつりスケベ)
ナナ→ツンデレ
アレン→(好きな子に意地悪をする小学生レベルの)スケベゴーグル
多分こんな感じ。誰か修正ヨロ。
王女かわいいよ
やや甘えっ子入った?ツンな所が良いな
子犬のように覗きこんだりまとわりついたりしてそうだ
89へ
2じゃなくて3です。サマンオサの王様
YANA氏と見切り氏の作風が対照的でいいな。
どちらもGJ!
スレ違いでしたか、すみません。
97 :
見切り切腹:2006/04/18(火) 23:00:00 ID:0uqaAVPj0
素敵ねぇ。湖に浮かぶ島の上に街を作ったんだ。
水の都ベラヌールかぁ。何処でも住んで良いなら、わたしこんな処が良いな。
なぁーによ。わたしだって年頃の女の子なんだから、目を輝かせることくらいあるのっ。
普段の生活が殺伐としすぎているのよ。
モンスター倒して世界中旅して。目的はハーゴン討伐。
わたしだって、たまには心を潤したくなることだってあるのっ。
……わたしにとっては仇討ちだから、旅を諦める気は勿論ないけど。
ええと、紋章の情報が二つに稲妻の剣とかいう武器の情報。
あとはデルコンダルの場所と水の羽衣かぁ…………
なんだか情報ばっかりね、この街。此処まで集中してると何らかの意図を疑うわ。
うーん、此の水の羽衣。
多分聖なる織機と雨露の糸があれば、テパにいる羽衣作りの名人さんに作って貰えるって事でしょ。
ふーん……単なる厭がらせだと思っていたドラゴンの角の件も、無駄じゃなかったってことか……
だっ、だからってあのこと赦したわけじゃないんだから、か、勘違いしないでよねっ!!
わたしをこ、怖がらせたこと、ちゃーんと反省するのよっ!
な、なによ……!?黙ってないでなんか云ったら……………わんっ!!
…………………………………ルカナンルカナンルカナンルカナン。
ふふふー。一歩でも動くと痛いことになるから、そのままにしてた方が良いわよ?
動かなかったらどうするかって?
そんなの決まってるじゃない。ボコボコにするのよ、勿論。
(ダッ)
あ、ちょっと待てっ、莫迦アレン!!今日という今日はもう赦したげないんだからぁ!!!!
犬王女wwwww
王女に(*´Д`)ハァハァしつつ保守
ルカナンすると服が破れやすくなるらしいぜ!
101 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/19(水) 23:37:54 ID:H8kT6pmo0
水の羽衣wktk ほす
保守
住谷銀二朗
捕手(=保守)と言いたいのではないかと
くそっ
いいスレだ
力の限り保守
108 :
見切り切腹:2006/04/21(金) 23:13:15 ID:pdFgyIdG0
はぁはぁ……まさか逃げた挙げ句、船に乗ってまで逃げようとするなんて。
ギリギリ乗ることが出来たけれど、わたしが乗れなかったらどうするつもりだったんだろ。
…………なんかむかついてきた。後で目を覚ましたら、もう一度しめておかなきゃ。
アレンは、この後でデルコンダルに向かうとか云ってたっけ。
うーん、コナンはどうやって行くか判る?
………ゴメン、あなたに期待したわたしが間違ってた。
それ以上眉間に皺寄せて考えなくて良いから。
ほら、海でも眺めて心を落ち着けた方が良いわよ。
大陸に沿って、南から回り込んでいけば良いのかな………
むー、いつもこんなのアレンは一人で考えてたんだ。
…………後で何か差し入れでもしてあげようかな……勿論もう一度しめた後で、だけど。
取り敢えず謝っておきます。
色んな意味でごめんなさい。
いいよ。
いいんだ。
作者さんもずっと描き続けるのは疲れるだろうよ。
マイペースで書いてもらって全然OK。
112 :
見切り切腹:2006/04/23(日) 00:29:17 ID:WbveGtQC0
ちゃんとベホイミかけてあげたでしょ。
だから、そんなにむくれた顔しないで。
……なんだか、わたしが悪い事した気分になるじゃない。
………あれ…ねぇ、彼処見てよ。煙が立ってる。
さっき見てた地図からすると、街があった場所だけど……ちょっと寄ってみようよ。
すっかり廃墟ねぇ。
人が一人と犬が一匹。他の人は消えちゃったっていうのね……うーん。
確かにハーゴンの本拠地ロンダルキアに近い街なんだけど。
というより、いかにも怪しそうな小屋が建ってるのよね、彼処に。
アバカムを使えたら、一発で中を確かめられるのに。
うーん、気になるなぁ………
わんわんわんっ。お前は何か知らないわんっ?
あ……そ、そ、そっ、そんな生暖かい目で見ないで……っ!
ほ、ほらっ……もしかしたらこの犬だったら、何か知ってるかもしれないじゃないっ!
だ、だからねっ!む、昔取った杵柄って云うの!?もしかしたら何か判るかなーって!!
当然のことだけど、け、結局何にも判らなかったんだけど……
二人とも、ほくそ笑みながら船に帰ろうとするなぁ!!二人で内緒話まで……!
あーん、お願いだから今見たこと全部忘れてぇー……
質問です。
最低限読める形になっている作品があるとします。其れについて書いた本人は微妙に物足りなさを感じています。
だけど、どこを直せば自分にとって満足できるものになるか、その時点では判っていません。
この時、わたしにとって物足りなさがあるままで投下した方が良いですか?
それとも、翌日以降に満足できるものが出来たときに投下した方が良いですか?
毎日見てくれている人も居ると思うし、自己満足よりも見てくれている人を意識して投下しているこの作品は、
出来うるならば更新頻度を高く保ちたいとは思っているのです。
そんなわけでスレを見てくれている人の意見を聞いてみたいので、答えてくれると嬉しいなぁ、と。
できれば質のいいヤツをお願い。
まあこれは書き手の一存次第だけどね。
気の済むようにやってくれ。
保守ならまかせろ。
作者は自分が納得できた作品を提供してくれればいい、俺はそれが読みたいから保守するわけだし
見切り犬氏乙ンデレ
基本的に書き手さんの満足いくものを待ちます
ペースは気にしないで見切りさんの満足いくものを投下してください
その間の保守は俺たち読み手にできる唯一の恩返しだからがんばりますから
118 :
見切り犬:2006/04/23(日) 21:03:15 ID:trTGO8A+0
うっわぁー……おっきぃ!!!
ずーっと遠くから見えてたから、どんだけ大きいのかって思ってたけど。
まさか、此処までおっきいなんて。見ているだけで首が凝りそう。
此が噂に聞く世界樹かぁ……圧倒されるね。
この島、この樹しか生えてないけれど、樹の周辺は命に満ち溢れてる。
水だって湧いてるみたいだし………ちょっと水浴びでもしようかな。
絶対にこっち来ちゃダメだかんねっ!!!!
もし以前のように覗こうとしたら、油断なく躊躇いなく、覗かれる前に殺すから。
(チャポン)
んー……冷たい……けれど、キモチイイッ!
やっぱり船に乗ってると、どうしてもお風呂は塩水なっちゃうからなぁ。
今は水浴びしか出来ないけれど、身体を洗うのは真水がやっぱり一番ねっ。
………だけど、本当に大きい樹……いったい何時から此処に在るのかしら。
ずっと眺めていると、なんだか吸い込まれそうな…………
119 :
見切り犬:2006/04/23(日) 21:04:32 ID:trTGO8A+0
(ガサガサッ)
……………………バギ。
(ズシャズシャ)
いきなり何するって……わたしは云ったわよねぇ。
油断なく躊躇いなく、覗かれる前に殺すって。
大丈夫よ。世界樹の葉は失われた命を再びその身に宿す力があるって云うし。
……減るもんじゃなし、もう二度も見てるんだから見逃せって……?
減るの!!見た目じゃ判らないかもしれないけど、乙女の何かが間違いなく減るのよっ!!
もー怒った。バカアレンの魂にその何かを刻み込んであげるんだからっ。
(チャプン)
ちょっと、なに目を逸らしてるのよっ。今更反省したって遅いんだからっ!
……なに?何か身につけ………………………ひゃあああああああああああああ!!!
ちょ、ま、ばっ、い、あっ、ば、ばっ、バギバギバギバギバギバギバギバギバギィ!!!!
(ズシャズシャズシャズシャ………ドサ)
120 :
見切り犬 米:2006/04/23(日) 21:17:14 ID:trTGO8A+0
きっとアレンの魂には別のものが刻まれたに違いない。
世界樹は飛ばそうかとも思ったのですが、
某絵板の絵に影響を受けて、水浴びイベントver2をやってみました。
最近エロ分が足りてなかったし。いや、其れよりツンデレ分は何処いった。
>>答えてくださった方々
一つの指針を得ることが出来ました。
此からは、たかが知れていますが、出来うる限りクオリティーの高いものを提供できれば、と思います。
ありがとうございました。
121 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/24(月) 01:55:52 ID:qOox1mMpO
水浴びキタヨ! ちょっと照れてる王子がいいねw
保守
いつになったらフォーマでできるんですか。
手こずっているようだな…
保守をしよう
>>123 なにそのツンツンな誤爆くさい質問
保守
保守
127 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/25(火) 16:39:08 ID:8pwV+yUOO
下がりぎみだからageます
128 :
見切り犬:2006/04/25(火) 23:13:31 ID:7DrjRyuj0
やーっと、デルコンダルのお城ね。
世界樹からずっと船の上だったけれど、今回はかなり長かったわ。
でっかい浅瀬や、海の底に繋がる祠なんてのも見つけるくらい航海したし。
でもね、船も悪くないけれど、やっぱり人間は陸地よ。
ほら、さっさと上陸しましょうっ。
山彦の還るところに紋章だって。
ちょっと吹いてみましょうよ。
……し、仕方ないから、わたしが吹いてあげても、い、良い―――
(プープププー…プープププー……)
………あーうん、なんか還ってきたね。うん、聴こえた聴こえた。
……なにへそ曲げてるのかって?別にへそなんて曲げてないわよ。
何処をどう見たら機嫌が悪いように見えるのかしら。
此はきっと、またアレンお得意の勘違いね。
…………せっかく練習したのになぁ………………
>何処をどう見たら機嫌が悪いように見えるのかしら。
の、〜かしらってトコに王女らしさを感じて萌えた(*゚∀゚)
130 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/26(水) 19:03:46 ID:ZkOcYkGh0
隠れて練習する王女に萌えw
さらにうまく吹けなくてガッカリする王女に激しく萌えw
>>130 解釈を間違えていそうな件について、正確には吹かせてもらえなかったじゃね?
王女の想いが鈍感ゴーグルに届いたとき、きっと旅は終わるんだろうと思います。
134 :
見切り犬:2006/04/26(水) 22:22:28 ID:TFjQrbcg0
金の鍵を手に入れろだって。
情報くれるのは良いけど、なんか生意気な云い方でむかつく。
………ルカナンかけて、遠くから小石をぶつけてやろうかしら。
わたしが呪文をかけたら、アレンがこの小石を思いっきり投げ―――
あ、ちょっと待ってよっ。早足で置いてくなぁ!!
あれ?こっちは街の入り口よ。どうしてこっちに向かうの?
もうデルコンダルを出るって………
まだ、紋章だって見つかってないし、王様やっつけてご褒美も貰ってないし。
……王様と戦うわけじゃない?そんなのどうでも良いのよっ。
南の島に向かうの?
ああ、金の鍵を持っているタシスンて云う人の住んでいる島か。
武器屋の金の鍵が怪しいし、他にも色々気になるところがあるのね。
むー、また戻って来るの面倒臭いけれどなぁ。
でも……ア、アレンがそこまで云うなら、そのザハンに向かっても良いわよ。
あ……、し、仕方なく何だからねっ!!其れを勘違いして―――
どうしてっ!!人の話を最後迄聴かずに、さっさと先に行こうとするのよっ!!!
>128
練習したってことは、しれっと間接kissなのか?
ほしゅ
下すぎて不安なのであげ
138 :
見切り犬:2006/04/27(木) 23:39:09 ID:gV4Q32In0
世界で一番可愛い妹へ
ずいぶん永いこと手紙を出してなかった気がする。
どうだい?ぼくのことを心配して眠れぬ夜を過ごしていなかったかい?
寂しさに枕を泣き濡らしていないと良いのだが。
お前が大事にしていたクマのリーちゃん、貸してくれて平気だったのかな。
さて、今ぼくはデルコンダルのお城に来ているんだ。
テパの後にベラヌールに寄ったんだけどね。
一時寄港しただけで直ぐに旅立ったから、手紙を書く暇がなかったんだ。
前に海に沈んだ財宝を引き上げたって話を書いただろう。
持ち主に返したとき、お礼として山彦の笛ってものを貰ったんだよ。
どうやらその笛を紋章のあるところで吹くと、其の音が山彦のように還るらしいんだ。
ただ吹くだけでも素敵な音を出す楽器なのに、
ぼくがこのデルコンダルで吹いたら、山彦との素晴らしい輪唱を響かせてくれたんだ。
力の篭もった楽器なのだけど、改めて音楽の良さというものを感じ入ることが出来たよ。
世界で一番格好いい兄より
−−−−−−−−−−−−−
お兄ちゃん、音楽の時間になるといっつも逃げ回ってたくせに………
それに貸してくれてって、クマのリーちゃんはお兄ちゃんがわたしの代わりに添い寝させるって、
勝手に持っていったんじゃないっ!!汚してたら絶対に赦さないんだからねっ。
139 :
見切り犬 米:2006/04/27(木) 23:42:34 ID:gV4Q32In0
>>135 まとめサイトで前スレ107辺りを参照してくれると嬉しいかもしれません。
サマルめ、添い寝なんかしてもらってたのか…………
羨ましすぎるぞ
おのれサマル
妹属性の俺からしたらなんてたまらない状況だ。
サマルが早くメガンテを覚えることを祈りつつ今日も仕事をがんばろう。
142 :
135:2006/04/28(金) 15:00:56 ID:0XmAPw3W0
>139
(*゚ー゚)ミテキタ…ワスレテタヨ
この鳥頭めー はははh... orz
143 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/28(金) 15:56:20 ID:Ok87JtGC0
∩___∩
| ノ\ ,_ ヽ この前、たまたまおかずが欲しかったんで
/ ●゛ ● | オイラ、Googleで「最もツンデレなキャラ」って
| /// ( _●_) ミ 検索したクマよ。そうしたら最初にヒットした
彡、 |∪| | サイトのトップの画像がかなりエロくて萌えたクマ
/ ∩ノ ⊃ ヽ おかずに困ってるおまいらも一度検索して見るクマ
( \ / _ノ | | 何度見ても史上最高のツンデレキャラ最高クマ!
\ " / | |
http://www.google.co.jp/
144 :
見切り犬:2006/04/28(金) 22:31:59 ID:LMhshxkX0
ねぇ……どうするのが一番正しいことだと思う……?
あの商人さんの云うことも判るけど、でもこの島の人たちはみんな待っているのよ……!!
かかずらっている暇はないって、そんな云い方無いじゃないっ!
……此処の人たちのために、今出来ることは一刻も早くハーゴンを倒して魔物たちを鎮めること……
わかったっ、わかったわよっ!!云うとおりにするわよ……
頭では判っていても、心で納得出来ないだけだから心配しないで。
……………ねぇ、アレン?……わたしの知らないところで死んじゃ、いやだよ………
此処まで連れてきて、一体この犬何のつもりかしら。
さっきの男の子が泣いていたのも、急度この犬の所為ね。
………アレン、一体なにを期待してわたしを見ているのかしら?
だ・か・らっ!あれは忘れなさいって云ってるじゃないっ!!
気の迷いだったのよっ!人間になって犬の言葉が判るわけないでしょっ!!
そんな当たり前のこと、判って当然じゃないのっ!!
そ、それを判ってなかった―――う、う、う、うるさーいっ、黙れぇぇぇ!!ラリホー!!!
(ドサ)
はぁはぁ、わたしのことバカにするからこういう目になるのよ。
風邪を引くまで、ずーっと其処で寝てなさいよねっ。
…………毛布くらいだったら掛けてあげても、良いかな。
あれ?コナン、手に持っているその金色の鍵、一体どうしたの?
145 :
見切り犬 米:2006/04/28(金) 22:45:31 ID:LMhshxkX0
サマルの人気に嫉妬。
実は美味しいところを持っていくサマル。
ラストもきっとそんな役回り。活躍はしないけれど。
>>142 一話読み切りっぽい形になっているので、覚えていないのが当然っす。
第一、印象薄いし。一ヶ月前の投稿だし。
ただいうなれば、チラホラと幾つかの場所に伏線残してたりします。
いやぁ、書いた本人が朧気にしか覚えていなくて、調べるためにまとめサイト漁る始末ですが。
まとめ人氏に感謝。
146 :
見切り犬 米:2006/04/28(金) 22:53:50 ID:LMhshxkX0
今更だが、
>>146の「こういう目になるのよ」って表現おかしいよな。
どう考えても「こういう目に遭うのよ」の間違いです、ありがとうござい ;y=ー( ゚д゚)・∵ターン
犬さんいつもお疲れ様
そのアンカも間違ってるからもう1回撃った方がいいかもよ?
つ;y=ー
148 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/29(土) 15:14:58 ID:rgQ3/So4O
犬さん乙です いつも楽しませてもらってますよ ここらでちょっとageます
目を覚ましたと思ったら、どうして直ぐに村を出るのよ。
……取り敢えず出来る用事は済ませた?
何の話よ…………それって、金の鍵。
ふーん、此が目的だったんだ。でも此からどうするのよ。
ペルポイに行く?ペルポイって何処だっけ……ああ、あの怪しげな小屋の建ってた廃墟。
結構な距離よねぇ………そうだ、わたしがトヘロス掛けてあ―――
(パシャ)
ちょっと………なに聖水振りまいてるのよ。
道具で持ってた?あと三つくらい持ってる?
………あ、っそう。弱いモンスターに手間取ることが無くて良いんじゃないの。
どうしたって……怒ってなんかないわよっ!
モンスターも出ないし暫く暇でしょっ。部屋に戻らせて貰うから。
温存してくれるのは嬉しいけどねぇ、使ってくれないと錆び付いちゃうんだからっ。
………わたしだって役に立ちたいのに…………
むー……新しく手に入れたレシピを作って、自棄食いしてやるっ!!
いいぞいいぞ
wktk保守
うぅ……食べ過ぎた………うぇっぷ…………
どんなに美味しくても、毎日食べてたら流石に飽きてくるわね。
でも、思わず自画自賛しちゃうくらいには作れるようになってきたなぁ。
此だけ美味しければ………ううん、未だ駄目。
あの悲劇の記憶をひっくり返すくらいの出来じゃないと。
……ふふふ、でもこの調子で上手になっていったら、
そのうちお菓子屋さんぐらい開けるようになっちゃうかもねっ。
幾らロンダルキアに近いからって、地下に街を作っちゃうなんて……
呆れ果てるというか、バイタリティーに感服するというか。
………でも、ムーンブルクみたいに滅びるよりは全然良いのかな……
『LoveSong探して』だって。誰だっけ、アンナさん?
自分で歌姫だって云うだけあって、悔しいけど巧いなぁ。
………山彦の笛でメロディーライン奏でちゃおうかしら。
嘘よ、嘘。そんなことするわけ無いじゃ………もうっ!鼻の下伸ばして見取れないのっ!!
何気にイベントいっぱいのペルポイ編。
洋上イベントが品切れっぽいので、此処でじっくり腰を据えてみるのもいいか。
ああでも、サマルトリアで○○○○○○○○○も早くやりたいしなぁ。
取り敢えず、暫くは流れるままに任せてみようかと。
食べても食べても栄養は乳に行く訳ですね。
んー……やっぱり、お風呂に入るのは気持ちいいわ。
やっぱり宿に泊まれるのは良いことよね。
うんうん、やっぱりたまには人らしい生活をしないとねっ。
美味しい料理と気持良いお風呂と揺れないベットが在れば、幸せいっぱい胸一杯よ。
………そういえば、最近また胸おっきくなった?
ブラがちょーっとキツイ感じがするのよねぇ。
(フヨフヨ)
こんな脂肪の塊、邪魔なだけなのにぃ。
戦闘中に大きく動くと揺れて邪魔だし、重みで普段から肩が凝るし。
其れに男の人の目が、いやらしい気がするのよね……
……あれ、お腹周りが少し…………
(プニプニ)
あ゛ー…………お、お、お腹にお肉がぁぁぁっ!!
そういえばザハンからこっち、ずーっとお菓子食べてたっけ……
やっぱり自棄食いの所為よね、此………うぅぅー、やっぱり食べ過ぎは駄目かぁ。
でも試作はどんどん作らないと、上手にならないし………
やっぱり此処はまたコナンを脅して……もとい、コナンに協力を頼むべきね。
わたしのお腹のためにもっ!
(コンコン)
誰ー、ってわたしまだなにも着てないじゃんっ。
ちょっと待ってー、支度出来たら鍵あ―――
(ガチャガチャ、ガチャン!)
(ガサバタドタバタズサ)
……………………フツー、鍵が閉まってたら無理矢理開けたりしないでしょ?
というか、何で無理矢理でも開けられるのよ、この馬鹿力。
ほら、こういう時ちゃんと云うことがあるでしょっ。
………お、お、お、おっぱい大きいなぁって……顔赤らめながらそんな発言するなぁ!!
き、き、き、き、き、キレイだとか、そ、そんな言葉で誤魔化されるなんて思わないでよっ!
もぅ!!!さっさと出てけ、このバカゴーグルッ!!!!!
(バタンッ)
…………もしかして、アレンておっきいのが好きなのかな……
>>154 あなたのレスを読んだお陰でこんなもんが書き上がっちゃいました。謝罪と賠償を(ry
然しなぁ、まさか二レス分にもなるとは思わなかった。おっぱいは偉大です。
おっぱいキタ━━━━(゚∀゚)━━━━━━━ GJですよ
見切り訴訟氏乙!
そうだよなぁ…ながい旅なんだから成長するさ、そりゃ。
はぁぁぁ…
可愛すぎるよ。可愛すぎるよ王女タソ。
ぐっじゅば!!アレン天然入ってないか?
162 :
見切り訴訟:2006/05/02(火) 22:00:07 ID:keYcZUaf0
二人ばっかり狡いよっ!!
武器や防具を新しく揃えちゃってっ!
使うと効果のある剣と盾なんだよ、じゃないわよっ!!
わたしなんて、ラダトームで揃えたみかわしの服と魔導師の杖のままなのにぃ!
ずるいずるいずるいずるいずるいぃーーーー!
わたしにも買って。買ってよ、あれ。ほらあのミンクのコート。
可愛いし暖かそうだし、防御力だって大したものよ。わたしにぴったりだと思うけど。
………駄目ってどうしてよっ!!
アレンとコナンの、その光の剣と力の盾で4万G近く払ってるじゃないっ。
其れが理由って………うぅぅぅぅぅ、酷いよっ!自分たちばっかり買いたい物買ってっ!!
人のは、は、は、はだっ、は、は、―――――なんでもないっ!!
ちょっと、あんたも顔を真っ赤にしてないで………っ
ほ、ほらっ、さっさと次のお店に行って売ってるかどうか調べるわよっ!!!
コナンもっ!!ポカーンとしてないでさっさと付いてくるっ!
いいぞ…
これはコナンの手紙が楽しみだ
柴田亜美の4コマの「そのコートのために何匹ものミンクが・・・」
のネタを思い出した。
王女には是非上目遣いしてもらって胸が当たるほどの近距離でかつ指咥えて
「欲しいの・・・ダメ?」をして欲しかった。
166 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/03(水) 13:46:45 ID:y1wQ2idmO
でもって「アレンのが欲しいの…」とか言われちゃうわけか
ちょ…そんなこと言ってる王女考えたらおっきしたよ!
168 :
見切り訴訟:2006/05/04(木) 00:01:21 ID:rJGZVd7Z0
………………………見るからに、怪しげよね。この空欄。
ほ、ほらっ、アレンが頼んでみなよ。えっ、わ、わたしっ!?
なっ、そういうことを女の子にやらせようとしないでよっ!
もしも危ないことになったらどうしてくれるのっ!?
……ぜ、全力で守るって………そ、そんな軽口じゃ、ご、誤魔化されないんだから……っ!
本気だって……そ、そういうことはね、こういう場面じゃなくて、もっと………ゴニョゴニョ
………あ、コナンッ。なにお金出してるのよ。
ほら、やっぱりわたしの云ったとおりだったじゃない。
大人しくアレンがあのまま買ってくれてたら、お店の人にあんなに笑われることだってなかったのにっ。
……其れはわたしも同じだって?どうして判ってくれないのよっ!ばかばかばかばかぁ!
もういいっ!さっさと牢屋に向かうわよっ!!
目の前の牢屋に入ってるのに、どうしてラゴスのことを一言も話さないのよ……
ロンダルキアへの行き道は教えてくれたけれど。
でもなんでそんなこと知ってるのよ、このおじいちゃん………
仕方ないから、ほら。そっちの牢屋も鍵開けて中入ってみましょうよ。
この牢屋の中に入ってた、ねぇ。
この鍵持っていれば逃げ出せるだろうけれど…………アレン?なんか良いこと思い付いたの?
………ほほう、するとわたしの犬鼻でラゴスを探せ、と。
誰の鼻が犬鼻よっ!!犬だったのは呪いがかかっていた間だけっ!
証拠を見せる?なんのよ……………………わんっ♪
……………………〜〜〜〜〜こ、こ、こ、殺す、もう殺すッ!!!!
バギバギバギバギバギバギバギバギバギバギバギバギバギバギバギバギバギバギ!!!!!!
(ズシャズシャズシャズシャ ガラガラガラガラガラ)
…………ひーふーみぃ。あれ、一つ多い。
>>165 >柴田亜美の4コマ
わたしもミンクのコートを出したときに、それが頭を過ぎりました。
あと、ゴールドカード使って買ったら大きさも3/4とか。
>王女には是非上目遣いしてもらって胸が当たるほどの近距離でかつ指咥えて
>「欲しいの・・・ダメ?」をして欲しかった。
これをやったら、例えミンクのコートでも問答無用で買う羽目になるので却下です。
そのうちやってみたい気はするがなっ!
>>166 わたし的には「アレンが欲しいの……」と濡れた目で云って貰いたい。
いや、寧ろ自分で自分を抱きしめて、どうにもならない感情を込めてのほうが……。
………うん、頭になんか湧いてるようだから、ちょっと逝ってくる。
保守
住人も職人もエロエロな素晴らしいスレだ。
172 :
見切り訴訟:2006/05/04(木) 20:36:20 ID:T2EguF/k0
はぁはぁ、はぁはぁ……
だ、大丈夫よね?ラゴスにはベホイミかけてきたし、ちゃんと牢屋の鍵も閉めてきたし。
看守さんにはラリホーで眠って貰ったぐらいだし。
牢屋の一部屋が、ちょーっとくらいメチャメチャになってても、誰も気にしないわよねっ。
(パカン!)
あいたっ!もー気安く人の頭叩かないでよっ!
……あんだけの事やっといて、もうちょっと反省しろって?
一体誰の所為で『あんだけの事』する羽目になったと思ってるのっ!!?
反省ってなら、アレンにこそして貰いたいわっ。
………どうして――わたしはこんな奴――――
ちょ……っ!!いきなり人の顔覗き込んでこないでよっ!!
吃驚して心臓止まるかと思ったじゃないっ。
それは困るって、どうしてよ。心配したのにそれで死なれたら笑い話にもならない―――?
も、もうっ!ば、ばかなこといってないのっ!
ほ、ほらっ。未だ話していない人から話を訊いて街を出るわよっ。
……ふくれたりあ、赤くなったり忙しいなって………そ、そんなことないもんっ!!!
vipのせいで今日一日の予定が狂っただけでなく、
変なテンションになってしまったため、変なものになっているかもしれませんが反省はしない。
反省など要らぬッ…!
vipは人を狂わすお( ^ω^)
保守
177 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/05(金) 23:03:06 ID:knu3jf5OO
保守age
178 :
見切り訴訟:2006/05/05(金) 23:55:16 ID:Z1RcYG7z0
光溢れる地上を謳歌している妹へ
だいぶ暖かくなってきたけれど、そっちの方はどうだい?
まぁ、今ぼくのいるところは晴れだろうが雨だろうが関係ないんだけどさ。
ロンダルキアに近いこのペルポイは、モンスターを恐れてか地下に街を移住させちゃったんだ。
何でこんな処にいるのかって?ラゴスってヤツを探しに来たのさ。
で、この町に入るには金の鍵が必要でね。結局見つけたのはぼくだったんだけどね。
いつもの如くの二人の感謝には、もう参っちゃったよ。
ああそうだ、ペルポイで牢屋の鍵を買ったのもぼくだったんだよ。
牢屋に入れたはずのラゴスを探すために、ちょっと必要だったんだけどね。
此は道具屋にあったんだけど、直ぐに判りそうなのに二人とも中々判らないようでね。
仕方ないからぼくがさっさと買ってあげたんだ。
全く二人とも、一体ぼくがいなかったらどうするつもりだったんだろう。
此からも、ぼくがしっかりとしてなきゃと思わされたね、あの件は。
しっかりものの兄を持てて、お前も幸せ者だなっ。
闇に閉ざされた地下都市の兄より
−−−−−−−−−−−−−
しっかり者って…………自分で書いてて哀しくならなかったのかしら。
第一、何で牢屋の鍵の件がそんなに得意そうなのよ。
それより、ラゴスはどうなったのよっ!!気になって眠れないじゃないっ。
そろそろ宿屋でなかなか目覚めないアレンに王女が・・・というイベントが欲しいですね。
180 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/06(土) 17:52:28 ID:BRrX7gNWO
でもってとっても元気な下半身を世話してくれると
王女さまはそんな娘じゃないです!><
182 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/07(日) 00:46:17 ID:+bYCRezxO
(´・ω・`)正直ごめん wktkしながら保守
YANAさんは何処に行ったの?
カジノ
寝る前の保守
186 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/08(月) 06:22:01 ID:XLO1vNZHO
朝保守
出勤前保守
ホッシュホッシュ!
「うそ・・・アレンのここすごい・・・」
ゴクッ
すまん勝手に書いちまった。
190 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/08(月) 19:15:10 ID:lChQbh3gO
こらwwwwwwwwwww
訴訟のバカ、昨日どこぞでDJとかいうやつをやったらしいわよ。
そのせいで未だこっちを書くテンションに戻らないんだってっ!!
酷いと思わない、みんな待ってるのにねっ。
わたしだって早く……は、早く旅したいのよっ。
ずーっと地下っていうのも苔生しそうだし。
あとでルカナンかけてボコボコにしておくわ。
>>179 ペルポイでもそうだったけれど、何時も不意打ちばっかりくらってるから、たまには良いかも。
そうね……どうせだったら、驚かせたりしたいわ。
>>189 うん、アレンのは逞しかったわ……
こう硬くて、太くて、熱っぽくて。わたしあの……また………
やっ、違っ!!い、いつも剣を振るってるからかなぁって思っただけでっ!!
ま、またお姫様抱っこして欲しいとかなんて全然思ってないんだからぁッ!!!
テンションが戻らないだなんて…
そんな…ひどい……
DJ・・・ああハパ2の。
見切りDJ氏乙!
皿回しと同じくらい華麗に俺たちのツンデレ魂を回してくれるな!?
俺はアンタの刻む音楽に合わせてツンデレ魂を燃やすぜ!
DJ保守
196 :
見切りDJ:2006/05/09(火) 22:36:42 ID:n2/MNEz50
ねぇ……わたしたち、此からザハンに向かうんでしょ?
本当にルークさん、ペルポイに置いてきて良かったの?
帰りを待っている人が彼処に待ってるんだよ。
……そりゃ、ルークさんは記憶喪失だけど。
有り難迷惑って、そんな云い方無いじゃないっ!!
全部忘れているルークさんにとっては、そうかもしれないけれどっ!
でも、あの女の人はずーっと待ってるんだよっ!!
……その調子で、目についた全てをすくいあげていくのか、って?
それのなにが悪いのよ……困っている人を助けて何が悪いのよっ!
アレンの云ってることも判るよ。全部の原因がハーゴンにあるんだからっていうのも。
だけど、出会った人を助けて行きたいってのは、人としての自然な感情じゃないの!?
……どうして…………もういい、莫迦っ!!!!
(タッタッタ)
なによ………判ってるわよ、モンスターの出る海を渡らせるのは危ないって云うんでしょ。
そのぐらい判ってる。だけど、頭で判っててもどうしようもない事ってあるじゃないっ。
それに………昔は―――――――コナンッ、憂さ晴らしに付き合って。
厭って云っても、無理矢理連れてくから。
見切れAD氏乙
198 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/10(水) 09:23:58 ID:jC3b76EoO
見切り氏乙ンデレ
憂さ晴らしktkrwktk
保守
まとめが見れない
酒か自棄食いかはたまたコナンの・・・?
ところでYANA氏はどうしたんだ?
投下しなくてもいいから生存報告はして欲しい
203 :
YANA:2006/05/11(木) 00:09:55 ID:63YiK+ap0
あいあい。生きてます。
ほら、あれ、今、やってるじゃないですか。最萌トーナメント…。
嫁の支援に東奔西走してたら書く時間が(死んでしまえ
すまんこってす。煮詰まってるとか、そういうのじゃないです。ご心配なく。
マジレスすると、本業が忙しくなってきてるっていうのもありますし。
途中でHDDがぶっ飛ぶとかならない限り、途中で投げるつもりは絶対にありません。
必ず完結させます。
せっかくなので戯言ですが、神竜編は原作から大きく脱線した展開になると思います。
その点、原作ファンの方要注意。
んじゃ、一週間〜二週間くらいの間にまた ノシ
本人降臨キタ(゚∀゚)コレ!!
カジノに行ってるんじゃなかったか・・・
お元気で
期待保守
最萌塔無面跳…!?
まっまさかそれは…!?
知っているのか雷電。
209 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/11(木) 19:28:56 ID:+ZkQBiUtO
>>208 ちょwwwwww期待どおりの返しにこのスレの連帯感を感じたwwwww
ほしゅ
ほす
212 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/13(土) 00:26:50 ID:7K62gjlLO
上げ
ほ
214 :
見切りDJ:2006/05/13(土) 22:16:47 ID:0fD3crf50
帰りの方が時間が掛かったわね。
気晴らしがうーんと出来たから、お陰でずいぶんと気が楽になったわ。
あれでしょ、教会の裏に見えた宝箱を穫りに来たんでしょ?
牢屋の鍵で守られてたような覚えがあったから、推理してみたの。
ほら。さっさと行って、ハーゴン討伐の名の下に接収しましょうよ。
え、っと……
此って、どう見てもやっぱりバリアーよね。
どうしよう……というより、コナンを無理矢理連れてくるしかないか。
………どうして動けないかって、そんなのわたしが知るわけないでしょっ!
そんなまさか食べすぎで動けないだなんて、そんなこと知ってるはず無いじゃない。
なにをそんな呆れた顔して―――――
(バシイッ)
ちょっ、アレンッ!!何やってるのよっ!!
……強行突破してくる?あんなに距離があるのに無理に決まってるじゃないっ!!
それ以上動かないで………ラリホー!!
(バタ)
もう、無理しようとするから……あんな処に倒れさせておくわけにもいかないし。
あのくらいだったら、ベホイミかけながら…………大丈夫、よね?
世話かけてるんじゃないわよ、莫迦アレンッ!!
(バシイッ)
うはwww筋肉バカキタコレwwwww
見切り会計氏乙です。
保守age
保守
天ムス
椋鳥
220 :
見切り会計:2006/05/15(月) 22:38:51 ID:mQxSrmOz0
聖なる織機っていうだけあるね、あんなバリアーで守られてたなんて。
でも此と雨露の糸で、水の羽衣を織って貰えるんだよね?
……ちょっと、其処の筋肉莫迦。なに得意げな顔してるのよ。
あんたはただ勝手に突っ込んで、勝手に死にそうになっただけじゃないのっ!!!
わたしが無理矢理にでも止めなきゃ、今頃葬式出す羽目になってるんだからっ。
死ぬ思いして助け出したんだから、感謝しなさいよ。
………ラリホーで眠らせたんだから、放置してコナン呼んでくれば良かったじゃないかって?
こ、こんな寒空の下で放置してたら、か、風邪引いちゃうかもしれないじゃないっ!
あ、暑くなってきてたって油断してたら風邪を引いちゃうんだからねっ!!
……人の気も知らないで……どんだけあの姿見て心臓止まりそうになったか―――
もう、ばかばかばかばかばかっ!!アレンなんてもう知らないんだからっ!!!
……なによ、この祠。
旅の扉?話だけは聞いたことあるけど、使ったことはないわ。
この青い渦がそうなの………此処に入るの?
でも、こんな得体の知れないもの………あ、ちょっと待って………っ!
(フィンフィンフィンフィーン)
二人とも行っちゃった………もうっ!!わたしを置いてくなぁ!!!
(フィンフィンフィンフィーン)
予定より時間が掛かりましたが、漸くローレシアに帰還。
そして、ザハンの隣にあの旅の扉があるって事の意味をはじめて知るわたし。
今回のプロットを立てるために、旅の扉について一から調べ直していたのですが。
DQ2の旅の扉の配置ってホント良く出来てるね。
金の鍵を手に入れた時点で、船の代わりに旅の扉を使うことが出来るようになってるとは。
つうか、旅の扉が船より上位の交通手段に位置づけられているっぽい雰囲気。
いやまぁ、自分がプレイした時分はそんなことに気が付きもしなかったのですが。
お疲れ〜
3とは逆だな。3はあんなにあるのに、ほとんど使わない…
水の羽衣というと4コマのあのネタを思い出す。
保守
―――――――――かつん。
黒一色の暗黒に向かって、階段を踏み抜く。
前人未到。ついぞ誰も到達できなかった大魔王の本陣。そこに今、人の手がかかる。
―――――――――かつん。
「―――なぁ、アリス」
「…?」
珍しい。階段を降り始めてから無言を徹していた、更にいうならこういった局面で自ら口を開くことのないゴドーが、傍らの少女に呼びかける。
「お前。勇者って、どういうものだと思う?」
かつん。
「え?なによ、いきなり」
かつん。
「いいから。お前の意見を、聞いておきたい」
かつん。
「ん…あたしは勇者じゃないから、いまいちわかんないけど。やっぱり、皆を守るために悪と戦うとか、そういうのじゃない?」
かつん。
「…そうか。まぁ、そうだろうな」
「???」
かつん。
「…俺は、勇者失格なのかも知れん」
「どういうこと?」
かつん。
「目指すものがどうであれ。こんな方法しか思いつかねぇ俺は、勇者とはいえないかも、っていう話だ」
「…ちょっと。わけがわかんないんだけど」
かつん。
「まぁ、なんだ。とりあえず、俺がいいたいのは一つだけ」
かつん。
「俺がこれからするのは、勝算なんてあるかどうかもわからねぇ賭けだ。もしかしたら、もう今の段階で勝ちは有り得ないかもしれない」
「………」
「やる前から敗色濃厚。それでもお前は。―――ついて来て、くれるか?」
かつん。
いつになく、不安げに問い掛ける。おそらくは、まだ後戻りが出来るだろう最後の瞬間の、確認。
…嘆息。呆れてくる。これここに至って、尚そんなことをいうのか、こいつは。
「何度も同じ事いわせないの」
かつ、べちん。足音に混ざって、変な打撃音が響く。
アリスが、ゴドーの脳天に手刀を打ち込んだのだ。
「む…」
「あんたはそれを、正しいと思ってやるんでしょ?だったら、あたしはそれに従う。失敗して、世界中があんたを責めたって…
その、あたしも、一緒に責められてあげる。例え―――」
かつんっ。
「これからのあんたが、勇者≠カゃなかったとしても」
―――階段が、途切れる。ここが、最後の戦場。大魔王の、玉座。
「…ふ」
一瞬の迷いが消える。そうだろう。やめるのなら、もっと早くにやめている。
俺はやる≠ニ決めてしまった。ならば―――ツケも呵責も咎も、全て背負う覚悟で挑むだけ。
…生憎だったな、親父。俺はあんたのようには生きられない。あんたのに比べれば、曲がりに曲がった酷く歪な信念だけど。
それでも俺は。俺の選んだ勇者としての道が、決して間違いなんかじゃないって、信じてる。
―――道を進む。先にあるのは、一つの祭壇。目的があるわけでもないし、何より敵の供物になりに行くようで気分が悪い。
だが。わかっている。彼らは、そこに行くべきだということを。
…それにしても、なんだ。俺も大概、成長してないな。
失敗した時、一緒に叱られてくれる仲間がいるって言うだけで、随分楽になるもんだな。子供じゃあるまいし。
今後の課題にでも―――。
「ようこそ。我が生贄の祭壇に、よくぞ来た」
「っ!!」
「………お前が、ゾーマか」
まぁ、最も。それも、今後の人生があれば、という仮定の上での話なのだが。
…祭壇の中心に歩みを進め、立ち止まる。暗黒に満ちた、巨大な玉座の間に、次々と蜀台の灯がともっていく。
徐々に光に塗りつぶされていく、闇。それに伴い、玉座の間の実像が見えてきた。
部屋の左右には水が満たされ、やや幅の広い一本道が、その間を縦断する。
…そして。その道を通り、闇の中から悠然と、現れた―――――――――成る程。あれが、大魔王。
ズンッ
「…我こそは全てを滅ぼす者。この世界を絶望で覆い尽くす存在。
我が数多の軍勢を退け、よくぞここまで辿り着いた。貴様こそ、真の勇者であろう。…ゴドーよ」
「………は」
不気味に、邪悪な微笑を浮かべるゾーマ。
全ての災厄の根源を前に、アリスは立ち竦み、確信する。間違いない。
―――アレは、私など眼中にない。始めから、勇者以外に興味などないのだ。
立ち上る凍りつくような邪気。ねめつける、視線だけで人を殺しかねない悪意。
しかし、それらを前に、彼女の相棒は、怯む様子もない。先ほどまでの弱気は、どこかに吹っ飛んでしまったようで―――ああ、そうだった。すっかり忘れていた。
あいつは、今まで。「自分と自分から出でたモノ以外の何かに怯んだ事などなかった」のだった。
「…ふふっ。よいぞ。我を前に、臆さぬか。ますます気に入った」
「そうか。俺のほうは、どうとも」
ゴドーの返答は、意に介さない。ゾーマにとっては、勇者でさえも、ただ殺すだけの存在なのか。
やがて一頻りゴドーに視線を這わせた後、ゾーマは顔を曇らせる。
「………ふむ」
「………?」
「―――貴様。未だ、目覚めておらぬな?」
「…めざ…?」
「?」
「興が削がれた」
ズンッ。
振り返り、玉座へと戻っていくゾーマ。
「…何のつもりだ」
「案ずるな。逃げも隠れもせん。ただ、貴様に機会をくれてやるだけの話」
「機会?」
ゾーマはつまらなげに、ゴドーに目線をやる。
「なに。今の貴様では我に勝てぬ故。少しばかり、荒療治で目を覚ましてやろうというのだ」
グオオオオオオォォォォォォッ!!!
「ゴドーっ!あれ!!」
「あいつは…」
忘れるわけがない。五つ首に、紫の鱗。…上の階層で、勇者オルテガを葬り去った竜の怪物。
背を向けて去るゾーマの背後、何もない空間に突如として出現した黒い洞穴から這い出てくる、規格外の魔物。
「余興を設けておいて正解であったな」
「…なんだと?」
「―――話は簡単だ。我が僕どもを殺して来い。奥で待っている、心してかかれ」
「俺たちを消耗させようっていう腹か?」
「自惚れるな、雑種め」
「………」
「………」
睨み合う、善と悪、二つの象徴。そして。
グオオオオオオオォォォッ!!
それを引き裂く、怪物―――キングヒドラの咆哮。
ゾーマは、もう振り返らず、奥の玉座に向かう。
「来るぞ、アリスっ」
「ええ、わかってる!」
ゴオオオオオォォォォォッ。
先制の一撃、怪物の口から火炎が迸る。
「!」
高熱に、身構えるゴドー。
―――やまたのおろち、そしてバラモスとの戦い。過去二つの激戦において、対処することができなかった攻撃。
それが、炎と吹雪。誕生の瞬間から、彼らの体に刻み込まれた、灼熱と極寒を作り出す機能。それらは、呪文や何かで封じることなどできない、生物としてのハンデ。
今までただ耐えるのみだったそれを、『彼女』は―――
「フバーハッ!!」
キュンッ。
「!?」
退けた。完全に、とまでは行かなくとも、そのダメージは確実に半分以下にまで減少されている。
「アリス?」
「こういうのは、あたしの仕事でしょ。…あたしだってね、いつまでもそのまんまじゃいられないんだから」
「………」
「忘れてた?あたしも、賢者の端くれなんだから」
「いや。助かる。じゃあ、攻撃の方も、頼むぞ」
踏み込む。剣を構え、怪物の首を落としに掛かる。
キングヒドラは、全てを焼き尽くす己の炎が弾かれる、という未だかつて体験したことがなかった状況に、狼狽する。
もとより、知能はあまり高い方ではなかったかの魔物は、その一瞬の戸惑いを抱いたまま―――。
「バイキルトっ!!」
ブシャッ。
グオオオオオオオオオオオオッ!!!?
二つの首を切り落とされ、そして。
「―――ギガデインッッッ!!!」
ピシャアアアアアアァァァァァンッッッ。
―――そのまま、黒い消し炭となって倒れ伏した。
「………生憎だな。俺たちは、二人≠ネんだよ」
「オルテガさんの仇討ち、ってことになるのかな、これ」
居並び、呼吸を整える。
「さあ。俺はそんなこと考えてなかったし。おまえは?」
「ん、なんでかな、あたしも。あんまり、恨みとかは、感じなかった」
一泊置いて、頷く。
原因は恐らく、オルテガと魔物の戦いが、文句のつけようのない一対一の果し合いであったことと、魔物が策を弄するほどの知略を持ち合わせなかったこと。
そして、なにより。二人が、そんな過去の私怨を、未来のための戦いに持ち込むほど後ろ向きでなかったということか。
「次か…来るぞっ!!」
「うんっ!」
一糸乱れぬ呼吸で、彼と彼女は、第二波の魔物を迎え撃つ。
・ ・ ・
我は、我が何処で生まれたのか、知らない。
ただあったのは。発生した瞬間から持った、絶望・嘆き・憎悪、あらゆる負への渇望。
それと、もう一つ。これだけが、記憶と呼べる、たった一つのモノ。
―――宿敵への、抑えがたい殺意。
それが果たして、我が生まれる前日か、はたまた数万年の時の彼方に起因するものかは、最早分からぬ。
否、そもそも、その「敵」が何者なのかさえわからない。ただ、その「敵」が、憎かった。
我が本能が、我を突き動かすのだ。その敵を討つ方へ、討つ方へと。
我が生まれ、この世界に闇からの亀裂が走った。我はすぐさま、このアレフガルドを手中に収め、闇で覆い尽くした。
だが。「敵」は、我の前に現れぬ。
…すぐに理解した。この世界に、「敵」がいないということに。
だから、繋げた。アレフガルドと地上、二つの世界を。
―――数百年、待った。それでも「敵」は、現れぬ。
闇に息づく我は、陽光降り注ぎ、魔王の爪痕のような「魔の綻び」もない地上に往くことは出来ん…何より、我は「敵」を知らぬ。
我では、「敵」を探ることが出来ぬのだ。
ならば、話は簡単だ。分からぬのなら、分かる者に探させればよい。
我に敵対する者…恐らくは、光ある者。それは転じて精霊どもに依る者。
適任者は…この世界の創世に携わった者ども―――!
それまで、数世紀にわたって我の邪魔立てをしていた、精霊神ルビス。
精霊どもに、地上に助けを求めさせるために、まずは彼奴等の支柱を奪わねば。そのために奴を封じるのには、更に百年を要した。
流石に、仮にも神と謳われた存在。容易くはなかった。
だが、苦ではなかった。我が本能が訴える、この渇きをさえ潤せるのなら、どれだけの時間と労力を賭したとしても。
世界を暗黒で包まれ、ルビスを失い、アレフガルドの人間どもは絶望に平伏した。その様も、実に心地よかった。
ルビスを捕らえ、アレフガルドの基盤は我が手中に落ちた。そうしてからは話が早い。
案の定、妖精どもが、ルビスを助けさせるためにあちら側の勇者から、我の「敵」の選定を開始した。
本能は告げる。「敵」はまだ、目覚めていない。それでは駄目だ。
完全に目覚めた「敵」を、嬲り、蹂躙し、絶望の海に叩き伏せてやらなければならない、と。
我は世界を繋げる際、あちら側にも軍勢を放っておいた。
もしあちらの軍勢の指揮者が倒されるようならば。我の存在をそやつに知らせる。
そうすれば、あとは、必ず「敵」の方から我の方に出向いてくる。
我が軍勢を退けるほどに成長した「敵」ならば、必ずや覚醒を迎えているだろう。
そう。そう、思っていたのだが―――。
―――ザンッッッ。
地上の指揮官を務めたバラモス。その製造の過程で生まれた失敗作。
バラモスブロス。粗悪な欠陥品とはいえ、とっておけば少しは役に立つかと思っていたが…話にならん、か。
敵の、ゴドーの剣と、連れ合いの呪文の連携で、瞬く間に殺滅される。
「………王者の剣」
バラモスを討ち、我が封印した勇者の盾と光の鎧を奪還。ここまではよい。
だが、どう立ち回ったかは知らぬが―――影の話を聞いてまさかとは思っていたが、かつて我自らが砕いた王者の剣を持っているなどとは、流石に予想していなかった。成る程、それほどの番狂わせ、賞賛に値しよう。
…三つの神器全てを携え、更には石化させたルビスをさえ救い出した、「敵」―――勇者、ゴドー。
何故だ。貴様は間違いなく、待ち望んだ最強の怨敵。
だというのに。そこまでの条件を揃えて尚、何故、未だ目覚めておらぬのだ…!
・ ・ ・
「―――出番だ。バラモス=c」
ドオオオオォォォォォンッッッ
「「!!」」
二体の極大の怪物を屠り、ゾーマへと迫る二人。あと一息、まさにゾーマの玉座に肉薄する直前。脇の壁が轟音を立てて崩れ落ちた。
…否。そうではない。巨大な石の壁を粉砕したのは、バシャバシャとけたたましく水面に落ちる瓦礫をものともせず踊り出る―――竜。
ゴドォォ………ゴドオオオオオオォォォォォッッッ!!!
「………なに、よ…あれ…」
戦慄。聳え立ち、寄る辺なく、だが異質なほど力漲るその魔物は。
それほどの存在規模を誇りながら、その姿は―――ただ、朽ちた竜の屍であった。
ゴドオオォォォッ!
「!ちっ」
ズドンッッッ、ギンッッッ
竜は吼える。その、勇者の名を。
咆哮と共に竜の放った左腕の一撃を、ゴドーは右手の剣で切り払う。が。
「!!」
ズンッッッ。その威力を受けきれず、吹き飛ばされ、転がる。
「ゴドー、大丈夫!?」
「…ああ。それより、アリス。あいつ…」
屍の竜を見つめ、眉を顰めるゴドー。そうだろう。
肉弾戦において、強敵の一撃は百の言葉よりも雄弁に、その相手が本物≠ナあることを語るという。
名を呼ばれ、一撃を受け、その相手≠、ゴドーが思い出さないはずがない。
「―――――――――バラモス」
「え………?」
小さく、呟く。直後。
「―――これが、お前のやり方か。ゾーマ」
見つめる、第三者にまでその音が聞こえそうなほどの歯噛み。ゴドーはありったけの嫌悪と共に、玉座に腰を下ろすゾーマを睨む。
ニタリ、と、口元を吊り上げるゾーマ。
ふん。勘違いをするな。復讐を望んだのは奴自身だ。我はそのきっかけを与えただけだ。
「じゃあ…あれは…バラモス、だっていうの?」
ゴドオオオオオォォォォォッッッ!!!
何度目かの咆哮。
朽ちて、骨だけとなり、尚もその生気のない目に狂気じみた殺意だけを灯し、動き続ける、地上の魔王。
その姿には、以前の数百、数千の魔物を御した王の威厳など、微塵もなく。それはただ、復讐心だけに突き動かされる、哀れな魔物。
「―――――――――」
数瞬、目を閉じ、見開く。それでゴドーの嫌悪は、完全に消えた。
そう。元より、敵の思想や方針に不満はもっても、文句をつけるのは、彼の在り方ではない。
「いくぞ、アリス。強化、ありったけ頼む」
「え………うん!わかったわ!」
彼女もまた、すぐさまに戸惑いを消し去る。
・ ・ ・
「………」
正気か。未だ目覚めぬ貴様が、アレとまともに殴りあうつもりか。
こと物理的な破壊力だけであれば、この身をも凌駕しかねない、バラモスゾンビを。人の身のままで退けようというのか?
ギンッ、ドンッッッ、バキンッッッ
苛立たしい。目の前で繰り広げられる死闘が、まるで出来の悪い三文喜劇のようだ。
ふざけている。貴様は我と戦う資格を得た。だというのに。何故、そのような女に頼ってまで、目覚めを拒む?
貴様の中に眠るものが何なのか、我には分からぬ。だが、これだけは分かる。
―――我が永劫の時の彼方に求めた宿命の敵は、こんな矮小な生き物ではない―――!
・ ・ ・
ゴドオオオオオオオオォォォォォァァァァッッッ!!!
「…あああああああっっっ!!」
バギンッッッ。
数十合に及ぶ打ち合いの末、ゴドーの剣がバラモスゾンビの額を割る。
破裂音は、まるで金属が砕けたような、とても生き物から発せられたとは思えない代物だった。
ゴ…!!!
崩れ落ちる、魔王の骸。ガラガラと、自身の攻撃で作ったいくつもの罅割れの走る地面へ、頭部から順に落下していく骨格。
それで、最後。かつて地上の魔を統べった魔物の王は、執念のみで生き長らえ、二度目の戦いを挑み、一度目よりも、無様に、あっけなく、死に絶えた。
「………じゃあな。…ちっ」
ビチャッ。打ち合いでついた口の中の傷からの出血を、吐き捨てる。
無論、ゴドーの負傷はそれだけではない。魔王の骸の攻撃は、今までのどの魔物よりも強かった。
純粋で、原始的で、小細工のない、単純な破壊力。それ以外を持ち合わせなかったかの魔王のナレノハテは、十二分に彼を苦しめた。
裂傷・打撲・骨格損傷。両手両足を以っても、数えるのにはとても足りないだろう。
「ベホマ」
瞬時に、アリスが彼の傷を癒す。外傷だけでも、治癒するとしないでは雲泥の差なのだ。
「…アリス」
「…うん」
やりとりは、それだけ。余計な言葉は要らない。それはもう、先ほどの祭壇においてきた。
向かう先は玉座。見据えるは、大魔王。
最後の戦い。全ては、この時のために。
・ ・ ・
目前で、「敵」が自分を見据えている。人の勇者が、己が名を呼ぶ。
「………ゾーマ」
遂に来た。この時が。幾世紀も待ち望んだ、この瞬間。
用意した幾多の罠を、軍勢を掻い潜り。差し向けた我が僕を薙ぎ払い。
だが、それでも。あのような連中では、こやつを目覚めさせるには役者不足であったか。
「敵」はまだ、人のままだ。…正直、失望だ。どうやらこやつは、本当に今のままで我を倒すつもりでいるらしい。
「―――ゴドーよ。何故もがき、生きるのか」
そのような矮小な人間の器のままで。貴様ならば、更なる高位の存在となりうるだろうに。
「―――俺は、人間だからな。足掻いても、みっともなくても、命ある限り、生きていたい」
淀みない瞳で、答える。
「―――滅びこそ、我が喜び。死に逝く者こそ美しい」
たわ言を。人のような塵に等しき力弱き生き物が、この世界にいたとてどれほどの価値がある。
貴様らのような小さき命は。憎み、嘲り、悔やみ、朽ち、死に絶えるその瞬間こそが、最も華々しい。
「―――冗談。死ぬのが美しいっていうのはな。精一杯、力の限り生きた%zだけが誇れる、最後の勲章だ。
無理矢理与えた死を美しいっていうおまえらには、わからねぇかもしれないけどな」
分からぬよ。弱き者を蹂躙し、憎き者に絶望を与えるこの喜び。それに勝る快楽など、我は知らぬ。
戯れ事は終わりだ。貴様が未だ人のままであるというのなら。どうしても目覚めぬというのなら。
この我が!この手で貴様の内に眠るモノを、引き出してやろう!
開幕だ。永年に渡る本能の訴えに、今こそ終止符を打とうぞ!
「―――さあ、始めよう。ゴドーよ。そして―――」
第四節 「眠れ、我が腕に抱かれて」
237 :
YANA:2006/05/17(水) 03:21:29 ID:/X870EJx0
どう見てもスパ○ボ厨です。本当に(ry
難産に継ぐ難産だった第四節。こんにちは、月刊アリスワードの時間です(ぇー
某所の「ロト、ルビスに関する考古学」の影響で、ボス三連戦はゾーマの一人称中心で書きたかった次第です。
ここから先、俺は多くは語りません。本格的に佳境に入る中、俺みたいな五月蝿いのが騒いでたらぶち壊しですし。
んじゃま、運がよければまた一週間以内に。
ktkr!!!!!!!!!!!
グッジョブ!!
240 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/17(水) 08:04:05 ID:8C3AtREdO
だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!最高ですがな!
241 :
見切り会計:2006/05/17(水) 12:31:35 ID:O6OYQhuW0
いやぁ、まさかあんな辺境の小島とローレシア城が繋がってるなんて。
此だけの距離をいっぺんに飛び越えたってことか。便利なのね、旅の扉って。
………便利なのはいいけれど、あのウネウネはなんとかならないのかしら。
未だちょっと気持ち悪さが残ってるわ。
盗人って云われちゃったね。
一目で判らないだなんて、アレンももうちょっと下々に顔を売った方がいいわよ。
なにせ、国を支えているのは、その他大勢の国民なんだから。
で、此処宝物庫なんでしょ?どうして城を出るときに漁ってこなかったのよ。
……開けられる鍵がなかった?自分のお城なのに?開けてもくれなくて?
……………………なんだかアレンが、すっごく可哀想な子に見えてきたわ。
一国の宝物庫だっていうのに、あんまり大した物は入ってないわね。
なんだか拍子抜けだわ。この宝箱はどうかなー………
(カパ)
此って、ロトの紋章を摸してる………もしかしなくても、此がロトの印?
アレンは此を探しに来たんだ。じゃあもうお城に用はないの?
……国王に会ってから行くって………アレンのお父様にご挨拶っ!?
え、そんな……っ!まだ気が早いというか、未だなんにも云われてないし、さきにそっちっ!?
で、でも何時かは辿らなきゃいけない道だし、だったら早い方がいいのかも……
ああっ!でもこんな小汚い格好じゃ……初対面じゃないけれど、
やっぱり外の宿屋で一泊してからの方が………!!
……………探索の報告をするだけなのに、なにをそんなにパニくってるのかって…………………
う、煩いわねっ!!さっさと要件済ませて次行くわよっ!!!!
初めまして、初めてネタ(らしきもの)を書いたので投下します。(YANA氏かぶってますが・・・)
ここは魔王の居城。そこに四人の若者と一人の年老いた勇者、そして勇者と戦っている五又に別れた首を持つ竜の姿があった。
勇者は年老いてはいたが力強く剣をふるっていた。
竜の頭からは炎が吐き出され勇者の体を蝕む、しかし魔法によって蝕まれた箇所は強制的に完治してしまうしかし魔法でも治らない傷が勇者には体の隅々にまであった。
彼はここまで海を泳いだのだろう若者達の通って来た道には水が足跡のように続いていた。それが道しるべになり若者達は迷う事無くここまで来たのだった。
どれだけの時が過ぎたのだろう、とうとう勇者のMPが尽きた・・・。竜からは最後の一撃が浴びせられた。勇者はゆっくりと地面に倒れた。竜はその姿を見ると満足気にどこかへ消えてしまった。
四人の若者は年老いた勇者にゆっくりと近づいていった。勇者はもう虫の息で呼吸するので精一杯だった。彼は人の気配に気付き今ある体力の限り力強く言葉を発した。しかし声は小さくか細く震えていた。 勇者「そこに誰かいるのか?」
四人の一人が言った
「あぁ」
勇「では、旅のものに頼みがある」
そう言うと勇者は自分の兜を手に取りさらに続けた
勇「アリアハンに住むアルスを尋ね父、オルテガは世界を平和にはできなかった・・・。この父を許してくれと伝えてくれそしてこの兜を渡・・し・・・て・・・・。」
そこでオルテガは息絶えた。
若者の一人が半べそになりながら言った
「何でだ!?何でようやく追い付いたと思ったのに・・・言いたいこと色々あったのに何でなんだよーーー!」
アルス「親父・・・兜、貰ってくよあんたからの初めてのプレゼントだもんな!それにあんたの顔初めてゆっくり見るよ・・・。じゃ、俺行くよ」
そう言うとアルス達は城の奥へと進んでいった。 「いいの?お父さんあのままで」 アルスの仲間の一人が言った アル「イリア・・・。いいんだ」
注:イリアは武闘家の女です
イリ「でも・・・。」
マルモ「そうよ、私がザオリク唱えれば・・・。」
注:マルモは賢者の女です
アル「いやこのままにしといてくれ!(そべてが終わるまでは)ボソ」
マル「えっ!?なに?」
ロラン「ほら!さっさと進むぞ!!」
注:ロランは戦士の男です
アルス達は更に奥へと進んでいった。
進んで行くと巨大な台座のような所にでた。台座の中央には階段があり、上まで続いていた。アルス達は階段を登り始めた。アルスは登りながら仲間達に言った
アル「ロラン、イリア、マルモ聞いてくれこれからの敵は魔王バラモスより強い!命の保証はない!それでもいくか?行く気がある奴だけ一緒にきてくれ恐い奴はここで帰ってくれて構わない恨みはしない」
イリ「アルスは行くんでしょ?」
アル「あぁ」
ロラ「じゃぁ、決まってんじゃん」
三人「行く!!」
アル「そうか・・・。じゃぁ悔いを残すなよ」
アルス達は頂上に辿り着いた
書くのをやめろと言われればやめます。がしかし評判がよければ3→1→2と続けたいと思います
>>245 えっと、ツンデレは?
出す気がないならスレ違いだと思うよ
いきなりゾーマっぽいから出す気なさそうだけど
あと、個人的に続きを読む気がしない
>>245 素人によくあること
スレ違い
改行無くて見ずらい
>>245 もうちょっと文章を書く練習をした方がいいと思う。
改行は見苦しいし句点は付けるのか付けないのかはっきりしなくて気持ち悪い。
何より「注」は興醒めだと思う。
読んだ感想としては大幅に史実を無視しそうで読みたくない。
ゲーム内で描写されている事はなるべくそのままがいいな〜。
>>245 ここはツンデレスレだ
例え万人が感動する作品だろうとツンデレのない小説に俺たちは興味などない
厳しいかもしれないが俺たちは今までツンデレに萌えさせてくれた職人さんたちに敬意をはらっているからこそ言わせてもらう
出ていってくれ
余所でやってくれ
モウモノスゴイナニカを手に入れたら帰ってこいよな
待っててやるから
小学生の書いた文章みたい
スレを汚してしまいすいませんでした。もう書きません
252 :
見切り会計:2006/05/17(水) 22:33:26 ID:+Rb+6NFp0
ハーゴン討伐のために、もう少し援助してくれてもいいのにね。
でも最近のアレンは人並み外れてきたから、普通の援助じゃ役に立たないか。
……なによー、悪口云ってるわけじゃないんだから、そんなに不機嫌そうな顔しないでよ。
あーあ、コナンはベギラマが使えるようになったのに。
…………もっと強い呪文覚えたら、わたしだってもっとアレンの力になれるのにな。ちぇ。
こっちに向かうって事は、サマルトリアにも何かあるんだ?
二人とも大事なものを渡されてないって……アンタたちには同情するわ。
そういえば、ローレシアのお城にいたあの女の人っ!
アレンのこと、知らない兵士さんだって居たのに、どうしてあの女の人は知ってたのよっ!
しかも、何を云うかと思えば「切ない」よ、「切ない」!
二回も繰り返すなって?どうでもいいでしょ、そんな事っ!!
それより気になるのは、その女の人との関係よっ!!一体どういう付き合いだったのっ!?
……そ、それがわたしと一体どんな関係にあるんだ?
か、か、か、関係、ないわよっ!!わ、わたしにはどっ、どーでも良い事だもんっ!!
た、ただの…………………ア、アレンの莫迦ッ!!!!もう知らないっ!!!!!
コナンもっ!!そんなところでスライム苛めて遊んでないのっ!!!
トヘロスッ!!!!!!
書いていて気が付いたんだけど、
ルーラが位置指定できない仕様だったときのトヘロスってすっごい役立つんですね。
以降の仕様で使う機会なんて殆ど無いから、気が付きませんでした。
旅の扉+トヘロス万歳。
トヘロスがいやがらせに使えるなんて初めて知ったwwwww
見切り氏乙です。
次はサマルトリアかぁ。
ナイスな手紙を散々送りつけられたコナン妹の反応が楽しみだw
256 :
YANA:2006/05/18(木) 01:46:08 ID:gIkdTG/y0
>>248 >大幅に史実を無視
いた、いたたたた、ごめん、それ、こっから先の俺のことだわ。
最萌えで嫁さんが大敗したので、気晴らしに来た(はよ書け
>>251 主観で、気になった点をいくつか。
技量については俺もへぼなので偉そうなことはいえないけど、とりあえず、いきなりクライマックスのイベントを書くなら、
冒頭が「その場面」である必要性か、神がかり的な描写力と演出センスの自信がなければよした方がいいと思います。
物語を書くにあたって、俺が個人的に一番苦労するのがキャラの印象付け及び紹介です。
これを如何に自然にこなせるかが腕の分かれ目だと思います。
それをこのような形(「注:」)でしてしまうのは、残念ながら、お粗末といわざるを得ません。
こっからは、同じ投稿者としての意見。表現方法に困ったら、とにかく色々な漫画、小説、ゲームを体験するといいよ。
気に入った言葉や言い回し、強く印象に残った場面を暇なときに反芻するだけでも、全然違うモノを書けるから。
あと、俺の投稿で「そういうスレ」だと思ってしまったのなら、ごめんね。俺、燃えと萌えの両方がないと駄目な人なんだw
>>見切り氏
資料集め、乙ですw 2はドラクエ屈指の自由度の高さですから、再プレイは必須ですねw
攻略でなく、ネタを探すためのプレイをして初めて気づかされることって多いですよね〜。
余談ですが、俺に次回作があるとすればまず間違いなく2になると思います。
勿論、ローレツンデレでな!!(結局それか
YANA氏2もやるつもりなのか!?
wktkしすぎて鼻血でそうだwww
>大幅に史実を無視
自分はあまり気にならないけど嫌がる人は多そうだね
でも無視するにしてもそこに必然というか、何か納得できるものがあれば
それでいいと思うんですけどね
258 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/18(木) 02:32:29 ID:IShQMceoO
なんだろな。
MYANMAR氏が史実からとびだしても許されるのはきっとこれまでのストーリーありきだからだと思う。
アリスワード
って設定がわかったあの時の鳥肌たつ感じは、3で初めて地下世界に行ってそして伝説への意味がわかったときの鳥肌に近いものを感じたし。
あの流れがあって初めてイレギュラーすら受け入れられる気がする。
あとツンデレ要素だけは必ず必須。最初はアリスがツンデレだったのにいつからかゴドーがツンデレになっていたりちゃんとツンデレ要素があるのがスレ違いにならないとこかな。
ってことでツンデレゴーグルにも期待。
見切り氏のサマル妹にも萌える準備はできてますから!
サマル妹アレンに抱き付く→王女いいなあと呟くに期待。
保守
261 :
見切り会計:2006/05/18(木) 23:24:19 ID:pNM3hMPB0
鬱蒼と茂る森の中の城って、いつ見ても素敵ね。
こう、御伽話の中に出てくる、眠り姫がいるようなお城みたいで良いな。
……アレンは良く判ってるわね。そうよ、ムーンブルク城の方がずーっと素敵だったんだからっ。
あれー、妹さんのお部屋はもっと先でしょ?
王の間なんて一番奥だし。こんな処で曲がってどうするのよ。
……その前に寄るところがあるって?
ロトの盾だ………盾の前面に刻まれたロトの紋章に、青地の塗装。
伝え聞くロトの盾そのものよね。材質もミスリルみたいだし、間違いなさそうね。
サマルトリアにロトの盾は伝わってたんだ。
……どうして、サマルトリアにロトの盾でムーンブルクにロトの鎧があるのに、
ローレシアではロトの印だったんだろう……
でも、サマルトリアにあるくせに、コナンには装備出来ないのね。
―――やっぱり。
ロトの鎧に感じたような、呪いと見紛うほどの力を感じる。
……前も云ってたけれど、一体どういう事だって?
まぁアレンは魔法の方がからっきしだから、判らなくても仕方ないか。
でも、コナンならわか…………ゴメン、訊こうとしたわたしがバカだったわ。
もー、仕方ないわね、わたしが教えてあげるわっ!
262 :
見切り会計:2006/05/18(木) 23:26:30 ID:pNM3hMPB0
唐突だけど、なぜなにナナちゃんの時間ですっ!!
……いきなりどうしたって。
アンタたちがあまりにわからんちんだから、わたしが教えてあげるのよ。
眼鏡と指示棒は身につけなきゃいけないんだって、なんでか知らないけれど。
きっとこの世の摂理よ、理よ、真理なのよっ。何故か逆らえないんだから。
はいはい、そんなことどうでも良いから話進めるわよー。
武具、というかあらゆる物は基本的に経年劣化を起こすわよね。
だけどね、ある種の物については年を経ることでその力を増す物もあるのよ。
簡単に云うと、人の口に上る物。
人の意志ってのはね、力を持つの。
方向性を持たせれば、わたしやコナンが使う呪文としての力を発動するようにね。
でもね、普通の人の持つ力なんて微々たるモノ。人一人が意志を向けても駄目。
だけど大勢の人が、それこそ大勢の人が『ロトの装具』のようにその物のことを知っていれば、
集う力は膨大なものになるわ。
人の意志によって宿った力って云うのはなかなか消えないの。
だからそういう物は、年月を経ることにより、劣化すると云うより更に力を重ねていく。
長い間、人から忘れ去られれば、その力だって霧散霧消するんだけどね。
まぁ、簡単に云えば、かつてロトが使った頃よりもロトの装具の力は増しているはずなのよ。
263 :
見切り会計:2006/05/18(木) 23:27:32 ID:pNM3hMPB0
ロトやアレフの冒険譚に出てくるロトの鎧や盾は、決して壊れることのない、無敵の防具。
しかも、その上ロトの装具は正真正銘の神器よ。
その方向性を持つ、膨大な量の意志を得た神器足るロトの防具は、
例え身につけている人間が死ぬほどの衝撃を受けても、決して壊れないでしょうね。
だからわたしは、『呪いと見紛う』って云ってるのよ。
身につけている人間がそれを望まなければ、どんなに優れた力であろうとも、
いいえ優れているからこそ、呪いと殆ど変わることがないわ。
―――でもね、すると問題はロトの剣なのよ………
鎧と盾はわたしが見た限り予測されてた、いえそれ以上の力を持つのに。
すると考えられるのは………でもそんなこと………………
……恥ずかしくなかったかって……?なにが。
なぜなに…………は、は、は、恥ずかしかったわよっ!!
だけど、なんでか判らないけど口が勝手に喋ってたんだから仕方無いでしょっ!
じ、自分の名前にちゃん付けなんて、今更したくなかったわよっ!!
あ、赤くなんかなってないもん…………二、ニヤニヤしながらこっち見るなぁっ!!!!
独自設定云々で盛り上がってたところに、独自設定投下って一体どうなのさ。(挨拶)
ロトの装具に関する設定を考えたときに、なぜなにナナちゃんはやらないとっ!!
と思い立ち、頑張って此処まで来ました。メガネ属性万歳、おめでとうわたし。
取り敢えず、一レスで投下しようとしたら弾かれて、二レスに分ける羽目になりました。文量大杉。
結構書いていて面倒臭かったんですが、一応今作のキモにして最大の伏線なので頑張りました。
いや、なぜなにナナちゃんじゃなくて、内容がね?でも長いのでめんどくさい方は読み飛ばして下さい。
そして、サマル妹に期待されていた方々ごめんなさい。次回以降の登場になります。
>YANA氏
残念ながら、資料集めに再プレイやってませんwwwwww
いや、大灯台ぐらいまではやったんですが、その後なんやかんや忙しくなっちゃって。
ダンジョンや街MAPを載せているサイトも見つけたので、あとは思考実験で黙々と。
ホントはクリアーしたかったんですけどね。
最終決戦及び神竜編はwktkさせて貰ってますよっ!!
で、次回作が2ってことは全てを締めにいくって事ですかな?
なぜなにナナちゃんはもちろんミニスカ+ポニテですよね?
天むすだけど、いきなり落ちますた。
またISPの事故でつ。やっと今復活したお。
ごめんね。
椋鳥^^。
見切り思兼さんお疲れ様〜
俺もニヤニヤしながら読んでしまいました^^
ほしゅ
都市は大雨。
椋鳥は森に帰れず、公園に雨宿り。
271 :
見切り思兼:2006/05/19(金) 23:35:26 ID:NVQddZ640
もう、どうして髪が結ってあるのよ……良く判らない着物も着てるし。
もー、こんな格好してたら妹さんにも会えないし、コナンのお父様に面通しも出来ないわ。
………スーツって云うの、此?アレンのくせに良く知ってるわね。
ホントいつの間にこんな格好してたのかしら……ちょっと着替えてくるわ。
…………こんな恥ずかしい……例え神様でもこの格好させたことは赦さないんだから。
此処が妹さんの部屋ね。
ずいぶん会ってないからなぁ、だいぶ大きくなってると思うけど。
…………もう、ほらっ。コナンのお城なんだから、グズグズしてないのっ!
(コンコン)
リアちゃん、お久しぶりっ。元気だった?
……うんうん、無事だったのよ。ムーンブルクは壊滅しちゃったんだけどね……
だけど、二人が呪いを解いてくれてね、それから……………
…………ねぇ、どうしてコナンの話に全く反応してあげないの?
……嘘ばっかり?一体どうしたのよ。泣きそうな顔してないでおねぇちゃんに話してみて。
……なにこの紙の束。コナンからの手紙?旅の間ずっと……マメねぇ。中身読んで良いの?
…………力入り過ぎちゃうかもだけど、コナンはあとでわたしがしっかりとっちめといたげる。
だから、隅っこでのの字を書いてるお兄ちゃんに、おかえりって声掛けてきてあげて。
ローレシアからの道中、端から見ても判るくらいウキウキしてたんだから。
少しは優しくしてあげないと、きっとグレちゃうよ、アレ。
>>265 あなたのレスを参考にコスチュームも変えたことにしてみました。
つか、世界設定越えて暴走しすぎ。だけど、キッチリとしたスーツに眼鏡はやっぱり最高ですな。
然も、それじゃ隠しきれないキョヌーがまた(*´Д`)ハァハァ
………………ムーンタン、わたし専属秘書とかなってくrうわなんだおまえやめrfじゃいえあqwsでfrgtyふじこlp
天むすが得意のどんでん返しのストーリーでミイラ取りを逆にミイラにしたらしいです。
でも何故このストーリーの展開に敵は誰一人として気が付かなかったのでしょうか?w
天むすに食いつく前にあの事を考えもしなかったことの方が不思議です。
ある意味これは2の完結編でもあったわけですw
敵の出方によっては更なるエンディングが待っていますが。
>>271 手紙全部読まれたのか
コナンカワイソスwwwwww
椋鳥はずぶ濡れのまま、時計の針が玄武を過ぎた後に森へ帰った。
今日も巣作りに励むため、いつもの時までお待ちください。
276 :
265:2006/05/20(土) 08:18:09 ID:ttMgGf7iO
うは。見切り氏GJ!!しかも眼鏡までオプション付きとは!
ナナタンの隠しきれない巨乳ハァハァハァ
天むすはそれを受けました。
今日あの人が天むすを食べに来て笑いましたw
体を変えても内容で誰かわかりましたw
ほ
279 :
見切り天むす:2006/05/21(日) 11:15:19 ID:iTUECshE0
あーあ、寝ちゃった。
結構長い時間経ったもんね、やっぱり話疲れちゃったのかな。
ませてるけれど、まだまだ子供よねー。
なんだかアレンに懐いちゃったけど……でも、どうして膝の上で寝てるかなぁ。
………わたしだって、まだお姫様抱っこしかされたこと無いのに。
もしかして、アレンもちっちゃい子の方が好きのかな……?
…………むー、今更小さくなる事なんて出来ないし……
もうっ!コナンが莫迦な手紙を書いて送るから、呆れられちゃうのよっ。
妹に良いカッコ見せたいのは判るけど、限度ってもんがあるでしょ。
第一直ぐばれるような嘘書いて、どうするのよ。バカバカバカバカッ!!
……あ、起きちゃった……?
「おにーたん、いっしょにねるのー」だって。
寝ぼけて舌っ足らずなところがまた可愛いわよねー。
あーあ、わたしもあんな娘が欲しいなぁ………
べ、別にアレンとなんか………そんなこと一言も云ってない……?
うぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜も、もう寝るっ!!
うは。ナナ萌え。
281 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/22(月) 01:03:18 ID:oVhHnfIIO
保守あげ
保守
ねぇ、おにいちゃん…………旅、危なくない?
……もう、嘘ばっかり。逞しくなったおにいちゃんを見れば、なんとなくわかるよ。
わたしも………着いていきたい、なぁ……?
……そんなに怒らなくったって……おにいちゃんのいじわるうっ。
わたしだってねぇ……おにいちゃんにだったら負けないんだからあ………
ねぇ……ナナおねえちゃんて、アレンおにいちゃんのことが好きなんでしょ?
……アレンおにいちゃんはアレンおにいちゃんだよ。
だって………おにいちゃんと違って、頼りがいがあるよ……?
そんなことより……もしかして気が付いてなかったの?
アレンおにいちゃんも随分だけど、おにいちゃんも存外鈍いよねぇ……
もうどれだけ一緒に旅してるのよ……
もう少しじんせいのきびってのに詳しくなったほうがいーと思うよ………
だから、ナナおねえちゃんに変なちょっかい出しちゃ駄目だからね……
アレン……おにいちゃんだって、憎からず思ってるんだから………
おにいちゃん……明日出るんでしょ………
わたしが寝るまで…………ちゃんと見ててよ………?
の、脳がとろけるッ!
ハァ・・・ハァ・・・
見切り氏は俺も悶え死なす気ですか!
これは「少女は周りが気付かない間にレディになる」のが好きな俺にはたまりませんや。
けど三人が旅立つ前におにいちゃんの裾をギューと掴むんですね。
YANAさんまだ現役なのか。。スゴスwwwwwwwww
見切りさんは初代の執筆さんにフインキ近くて好きだなー。
そういや執筆さんは何処に行ったの?
1回スレを見失って、やっと見つけたときには、
執筆さんいなくなってて、悲しかったんだが。
保守
>>289 後継者の活躍を見て安心して身を引いたのかもな。
今もどこかで見守ってるんじゃないか?
つーかVIPPERなら普通にVIPにいるんじゃないか?
292 :
見切り天むす:2006/05/24(水) 22:09:58 ID:GMjgiAqh0
じゃあね、リアちゃん。
ハーゴン倒したら、きっとまた遊びに来るから。
……駄目よ、おにいちゃんにも云われたでしょ。遊びじゃないの。
此処にいれば安全だから、大人しく帰りを待ってなさい。
そうそう、良い子ね。
なに、わたしだけに話したいことがある?
……頑張ってねって。勿論頑張るわよ。ハーゴンは世界の仇敵で、わたしの仇だからね。
でも其れがどうして内緒話に…………違うって、他になにを頑張るのよ?
……しょーじんしなさいって。なんだか知らないけれど、生意気だぞっ。
…………ほら、そろそろ手を離さないと出発出来ないんだけど。
きっと戻ってくるから。誰一人欠けないで。大丈夫、三人揃えば無敵なのよ?
わたしたちに掛かればハーゴンなんて、そこら辺のスライムと変わらないんだから。
ああ、もう泣かないで………ちょっと時間あげるから、そのまま泣かせてあげなさい。
兄妹って良いものなのかな?
って、アレンに訊いても判らないか。
…………なにニヤニヤしてるのよ。また、くだらないこと考えてるんでしょ。
俺の妹にならないかって……?
厭よっ!!第一わたしの方が年上なのに妹なのよっ!
普通わたしの方が姉でしょっ!!!
…………其れにどちらにしろ姉弟じゃ……………
毎回、前回くらいのクオリティーを維持できたらなって思います(挨拶)
漸くサマルトリア編終了。
手紙の妹とちょっとキャラが変わったような気もするんだけど、(゚ε゚)キニシナイ!!(気にしろ)
>>289 未だに執筆係氏の復帰をwktkして待ってます。
天むすより
椋鳥は耳を澄ました。
今日も巣作りに飛び立つが、まだ寝ぼけ眼。
森へ帰ってから、卵を産む。それだけは・・・・・・・・
天むすさん
椋鳥がご飯を食べようとしない事について
あなたはどう思いますが?
ナナが年上とは意表をつかれた
天むす
つ 『夢を信じて』
椋鳥より
天むす
コンテはここにて待つ
再び篭るのだけは絶対やめて
それは天むすの為じゃない
クイーンの為に
天むすが書きました
椋鳥は受け取りました。
いつもの時に、待ってます。
ありがと。
>297
小説とかでも年上だった希ガス。
304 :
297:2006/05/26(金) 13:27:06 ID://i6T/nX0
小説とか読んだことないから知らなかったよ
ありがとう
305 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/26(金) 21:00:33 ID:Nt5/304SO
保守age
ほす
年上で巨乳でツンデレで、でも犬王女で・・・もう勘弁してください。心をかき乱さないでください。
保守
309 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/28(日) 07:28:58 ID:mwijZ39/O
ほっしゃん
ホシュルーラ
312 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/29(月) 02:12:22 ID:uqp0TOd6O
保守
そろそろ酒に酔う王女が見たいですね。
性格はツンデレ→清楚で。
保守
315 :
見切り天むす:2006/05/29(月) 21:45:09 ID:Pn1oyEFx0
此処が、えと………ご先祖様の名前が冠された洞窟ね。
……名前は忘れてないわよっ!ローラ姫でしょっ。
ちょっと、何代前か考えてただけなの………結局判らなかったけど。
しょ、しょうがないでしょっ!!勉強はしてたけれど、呪文の勉強が殆どだったんだから。
………………昔っから、歴史と高い処は苦手なのよ。
ふーん、一人で行こうとして此処の人にも止められたんだ………
あなたって、どうしてそんなに考え無しに行こうとするかな。
……わたしだっておいてこうとしてたじゃないっ。
そういうのはね、勇気じゃなくて蛮勇っていうのよ。
世界を救いたいならねぇ、ちゃんと考えて勝算の高い行動をしなさいよねっ!!
…………ところで此処、なに?
ローラの門を抜けてムーンペタに行こうとしてたんじゃないの?
……この旅の扉をくぐるの……?またちょっと気持悪くなるじゃ―――
(ドン)
ちょ、いきなr
(フィンフィンフィンフィーン)
皆さんどうも久し振りになってしまいました、ごめんなさい。
産みの苦しみなんてものは全然無くて、ただただ大神の所為です。
あんな狼にいいようにやられるなんて……くやしいっ……でも感じちゃう……!
天むすさん。待ってます。親友より。
318 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/30(火) 22:44:00 ID:nnR1DntaO
ほしのかずだけであいはあるゅ
保守
ho
保守
FCのを最近始めたばかりの初心者ですが、
カンタタって奴を何度やっても倒せません。
因みにレベルは、ゆ10・せ12・そ11・ま11です。
LV15くらいまで上げないと倒せなんですか?
それとも倒さなくても進められるんですか?
>322
スレ違い。
一応それくらいで倒せるはずだが。
ルカナンかラリホーかマヌーサかやるんだったかな。スクルトもだっけ。忘れた。
すれ違い・・・だが保守も兼ねて教えてやる。
レベルはそれで勝てない事も無いが装備はある程度整えろ。
まず勇者、僧侶、魔法使いに薬草を3、4個持たせる。戦士にはキメラの羽を一つ。
僧侶はスクルトを覚えて無ければスカラを後列(ま、そ、)から。
んでHPがやばいの優先して回復。余裕ができればカンダタにマヌーサをかけてピオリム。
魔法使いには防御させて、敵の数が減って来たらヒャドで攻撃。
戦士、勇者でカンダタ子分を右の奴から一人ずつ倒して行く。
カンダタの痛恨の一撃で僧侶が死ねば魔法使いが回復を。
これで勝てないなら全員にスカラをかけるまで防御&回復に徹するのも有り。
まあ無理ならレベルあげとけ。
325 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/01(木) 20:52:30 ID:HAQCVq9IO
何だかんだ言いながら教えてあげるおまえらに乾杯
>>323-324 ありがとうございました。
また負けちゃいましたけど…。
勝てるまで頑張ります。
総合スレを発見致しました。
以後気を付けます。
頑張ります。
GB版でVしていて、勇者と魔法使いの二人旅してるんだが、カンダタは勇9と魔10でも余裕だぞ。要はスクルトだよ。攻撃は勇はブーメランで魔はイオとかで決まり!
どうして定期的に質問が来るのかと思ってたけど
そういえば
>>1にスレの主旨とか特になかったねw
そのレベルならスカラ連発で楽勝でしょ
という保守
331 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/02(金) 12:58:33 ID:Rhqz5qdHO
基本的にここの住人は優しいよね的保守
332 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/02(金) 14:04:12 ID:Tp1gvI5hO
バラモスに会ったらいきなり冒険の書が消えた…
ほんまになきそうやぁ…
>>332 カセット「べ、べつにアンタに長く遊んで貰おうとか考えて無いんだからね!!」
とか思って、もう一度頑張って……
昨日の者です。
カンダタに勝ちました。皆様のお陰ですので報告します。
全クリ目指して頑張ります。
本当にありがとうございました。
べ、別に報告なんてしなくていいわよ!
貴方が勝ったからって私には関係ないんだからね!
職人さんが頑張ってる間ちょ、ちょっと暇だっただけなんだから!
・・・おめでとう。
┝┥┌──────────────────┴┐
│┝┥┌──────────────────┴┐
││┝┥┌──────────────────┴┐
│││┝┥┌──────────────────┴┐
││││┝┥┌──────────────────┴┐
│││││┝┥sonna hidoi [×]|
┤│││││┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━| \カチ
└┤│││││┌───―┐ ´||` カチ
└┤│││││ ∞0∞ .| ローラもおともしとうございます . | カチ
└┤││││〃/ハ)ヽ) .| このローラもつれていって │ カチ
└┤││..|Jハ’∀’ル くださいますね? | カチ
└┤│└────┘ | カチ
└┤ [ はい ] [ いいえ ] .| カチ
└───────────────────┘
都合が悪くなると、直ぐにわたしに頼むのはどうかと思うわ。
自分が何か云うより、わたしが出た方がスレ違いにならないっていうのよ。
そんな屁理屈いわれても、わたしは納得出来ないわよっ。
なんだか、「萌え」とかいうのをもう少し追求したいらしいわ。
前回の萌え度とかいうののの少なさに、フツーにへこんだらしいのよ。
あんまりグチグチ云うから、バギ数発で気合い入れてあげたけど。
早く旅を続けさせて欲しいわ………は、早くアレンと旅したい、だなんて思ってないんだからねっ!!
なによ!納得いくまで勝手に待たせればいいじゃない!
わ、私は別に…別に待ってなんかいないんだからっ!
ただ…そう、ナナ王女にアレン王子と早く旅をさせてあげたいだけなんだからねっ!
王女がイオナズン覚えたらどうなるんだろうね保守
そりゃ王子に近づく女を…
ま、シャンパーニ行く前にイシスまで行く俺には関係ないな。
保守
ほ
天むすさんへ
345 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/05(月) 02:55:55 ID:jzH1aDTKO
あげる
hosyu
347 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/06(火) 01:30:18 ID:Tw26894XO
>>328 FC版でも可能なんでしょうか?
魔法使いがまだイオを覚えません。
FC版は無理だろ。
防具や武器も少ないし、第一SFCやGBは難易度下がってるっしょ
350 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/07(水) 01:25:42 ID:jli+JhKiO
age
保守なんだぜ?
保守
353 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/07(水) 21:35:24 ID:69coczJuO
このスレ見てスーファミ版をやりたくなった。
でもブックオフに売っているのかな?
秋葉まで行く時間がないし・・・。
つ ヤクオフ
355 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/07(水) 22:12:55 ID:69coczJuO
恥ずかしながらパソコン持ってません。
ヤフオク経験なしです。
明日地元3件探してみます。
なければFC版で諦めます。
出品はできないが、買うだけなら携帯でもできるぞ。
357 :
見切りお詫び:2006/06/07(水) 23:44:47 ID:BxVcwhoe0
なんで連続で旅の扉くぐらなきゃならないのよ……
お陰で未だ世界がウネウネしてるわ。
……新しい交通手段に慣れるのが遅いって?
うっるさいわねー。船には最初のウチちょっと酔っただけじゃないっ。
今は全然平気だし……「ちょっとの間?」とか疑問系でゆーなっ!
……………馬だってって……お、覚えてるの……?
そういえば此処って祠でしょ。
最初に入ったところと違って、篝火がいっぱい焚いてあるね。
………もしかして、此処が炎の祠?
ほらぁ、紋章があるとか何処かで云ってたじゃない。ちゃんと覚えておきなさいよっ。
アレ出して。もう、早く出しなさいよっ。
こういう時は論より証拠。山彦の笛を吹いてみれば一目瞭然じゃないっ。
そのくらい云われなくても判りなさいよねっ………こういう時は、一聞瞭然って云うのかな?
………あっ、ちょっと待ってっ!!今度こそわたしがふ―――――
(プープププー…プープププー……)
見切り氏お久し振り!!
サア俺達を萌えつきさせてくれ!!
359 :
353:2006/06/08(木) 15:45:57 ID:G1C2cCf9O
ハードオフでソフトとガイドブックで1800円で買えました。
>>アレ出して。もう、早く出しなさいよっ。
( ´Д`)ハァハァ
見切りナイト乙
362 :
見切りナイト:2006/06/08(木) 20:48:54 ID:5r2sc8G10
炎の紋章は見つかったけれどさ。
わたしだって、ふ、ふ、笛を吹きたいのよっ。
………せっかく練習だってしたし、其れに………な、なんでもない。
それよりっ!!此処は一体何処なのよっ!!?
紋章を手に入れたと思ったら、また別の扉に飛び込んじゃって。
…………でも、此処前に何処かで…………あっ!
レシピをくれなかったおじさんだっ!!!
ほら、これで良いんでしょ。ロトの印。
文字通りロトの血を引く印じゃない……若干不条理なような気もするけど。
早く頂戴よ、アレフガルドケー……キ………なにその兜。
……ロトの兜?ああ、そう。此からの旅に役立ちそうね。
でもわたしが欲しかったのは、レシピなのよっ。窮極のケーキのレシピッ!!
……きっと未だ出し惜しみしてるんだわ……。
コナン、ザラキ唱えて見なさいよ……いいわ。やっぱりわたしがイモグモグモグ………
見切りD・M・C乙
王女にこれって間接キスだよねって言わせたら
GJ!
365 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/10(土) 04:51:50 ID:x5od++PWO
いいか、俺は保守が嫌いなんだ。
だが保守
此処がアレフガルドかぁ。
この前来たときは、ラダトームと対岸の竜王の城しか行ってないもんね。
アレフガルドの大地を一歩一歩踏みしめると、なんだかこう感慨深いものがあるわ。
なんかこう、心の中で奏でる音楽もちょっと違う気がするし。
わたしたちのご先祖様たちは、どんな思いで此の地を旅したのかしら………
……なによー、呆れたような顔して。自分じゃないんだし判りっこ無いだろうって?
じゃー、いったいアレンはどんな思いで旅してるのよ。自分のことなんだから判るでしょっ。
………なんでそんなに厳しい顔して黙っちゃうのよ。
むー……………えいっ!!
(ギュッ)
へっへー、後ろが隙だらけっ!いきなり抱きつかれて吃驚した?
…………せっかくトヘロスかけてモンスターも出ないんだから、そんな顔してちゃダメ。
おばあちゃんが云ってたわ。緊張解けるときは解いておかないと。其れが一流の戦士だって。
………どうしたの?顔赤くして。
……いつま……で…って………す、好きで抱きついたわけじゃないんだからっ!!
か、勘違いしないでっ!!変な顔してるから、し、仕方なく抱きついただけなんだからねっ!!!
判ったら、さっさと離れなさいよっ!!!!
368 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/11(日) 16:37:00 ID:BUC8WvEHO
やまたのおろちを倒しました。
盗17勇16僧16魔16でした。
369 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/11(日) 18:08:37 ID:t6bSRx1T0
ふーん
その数字は年齢だ
見切りあててんのよ氏乙!
三日ばかし旅に出てて保守れてなくて心配したけど職人さん及び保守住人一丸となっているスレの姿に感動した!
モウモノスゴイナニカがみんなの中に生まれてきてるな。
盗賊が先頭なとこがミソだな。
ピラミッドクリアしたらどうすればイインスか?
375 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/12(月) 06:26:48 ID:E2jXHlf7O
>>374 おめでとう。
そこで君の旅は終わりだ。
そろそろつまずいてスカートおおっぴろげのハプニングが見たいですね。
バラモスつえ〜
L26じゃちょっと無理か
此処ってひいおばあちゃんだか、ひいひいおばあちゃんだかが閉じこめられていた洞窟よね。
こんな暗くてジメジメした処にドラゴンと二人っきりだったんでしょ?
話も通じないし、あやとりの相手にもならないし、つまらないよね、きっと。
あ、でも料理するときの火には困らないのか。火力も強いからお菓子とかに良さそうよね。
……なによっ!厭な顔して離れるなぁ!!
そんなことしてると、アレンが閉じこめられても助けてあげないんだからねっ。
……其れを云うなら助けられる方だろうって?
なにいってんのよ。猪突猛進のアレンの方が助けを求める状況になりそうじゃない。
……た、助けてって……あっ、あれは、不意を付かれただけだし…………
其れに第一、アンタたちは最初わたしを置いていこうとしたでしょ!!
………早くモンスター出てこないかしら。今ならギッタンギッタンにのしてやるのに。
たまたま見つけたスレだけど、引き込まれ、まとめも一気に読んでしまいました。
YANA氏のアリスワード、もう、すごいの一言・・・。
ツンデレの意味もわからず読み始めたけど、すっかりファンです。
ここはドラクエに萌え狂う愚者の堕落場。
さあツンデレの淀に供に嵌ろう。
あー…ローラの日記を思い出すなあ
アレフガルドと云ったらマイラの村。
マイラの村と云ったら温泉。だったら温泉に入るしかないじゃない。
……マイラの村には森に入らないといけないって?
森がなによ、寄り道上等じゃない。
其れに、ただでさえ陸路の旅だと湯浴みが殆ど出来ないんだから。
第一ね、この世界には他に温泉はないんだから、此処で行かないわけにはいかないのよっ!!
うっわー、すごい湯煙。
啖呵切ってなんとか来てみたものの、こんな処はじめてだからどうしたらいいか………
(ドン)
あ、ゴメンな……さ………ど、どーしてアレンが此処にいるっ―――!ムグムグムグ
ぷはぁ………っ。な、なにす………コンヨク……………なにそれ?
……し、知ってたわよ。ちょっと吃驚して頭からスコーンと抜けてただけだもん。
驚いたのだって、ぐ、偶然ぶつかった相手がアレンだったからだもんっ。
もー、早くあっちに……………ちょ、ちょっと待って、待ってったらっ。
話があるんだから、ちゃんと聞きなさいよっ。
しょ、しょうがないからね、一緒に入ってあげても、い、良いわよ………っ。
わたしがい、一緒に入ってあげるっていってるんだから、感謝しなさいよねっ。
DQといったら温泉なのに、唯一其れの存在しないDQII
仕方ないので、マイラには復活して貰うことにしました。
というか、アレフガルドに在る街が全て存在するDQIIを未だにやりたいと思っているのはわたしだけ?
386 :
通りすがり:2006/06/14(水) 00:19:27 ID:f7osrOfi0
ネタ投下してもいいですか?
「ねぇっ。私も、連れて行ってよぉっ!」
耳に馴染んだ声に、青いマントに身を包んだ少年は驚いて足を止め、振り返った。
少年と肩を並べて歩いていたオニキスも、それにつられて振り返る。
肩まで伸ばした淡いブロンズ色の柔らかそうな巻き髪が印象的な少女だ。走ってきた
せいでやや乱れた髪を整えながら、周囲には目もくれずに青いマントの少年に向かって
まっすぐ歩いて行く。
形のいいアーモンド型の二重瞼、ふっくらした唇。柔らかそうな白い頬がピンク色に
染まっている。
「ねぇ、ラピス。約束したじゃない、連れて行ってくれるって」
「パールには」
危険だと思う。
「彼女が、あなたの妹君?」
言いかけたのを遮ったのは隣で静観していたオニキスだった。
理知的な、切り込んだような一重瞼に少し長めの前髪がゆるくかかり、瞳の印象を
和らげているようだ。
「________ああ。」
あきらめたように、ラピスがつぶやく。
「いつか話したことのある子だよ。兄妹のように育ってきた、パールだ。小さな頃に、
旅に出るときは一緒に行こうと俺が言ったのを、しっかり覚えてたみたいだ。」
「覚えていてくれたのね。うれしい!ラピスの邪魔にならないようにって、今日までちゃんと
魔法の練習だってしたのよ。もう、半人前じゃないわ。だから一緒に行こう?
…と。彼は?」
387 :
通りすがり:2006/06/14(水) 00:20:05 ID:f7osrOfi0
人懐っこい笑顔。持ち前の物怖じしない性格と行動力で小さな頃からラピスの後をついて
回ってきた。だが、今回ばかりはそうも行かない。どうやってこの場を切り抜けようか…。
「オニキスですよ。はじめまして、パールさん。ラピスさんとはついこの間ルイーダで
知り合いましてね。まだまだ修行中の僧侶の身ではありますが、世界を平和にという
ラピスさんの言葉に心を動かされて、同行を願い出たんですよ」
「お、おい。オニキス」
軽く威嚇するような視線に気がついて、ラピスは慌てた。
そうだ。こいつは女嫌いで有名なんだった。パールは悪い娘じゃないけど、その人懐っこ
さが時に不快感を与えたりもする。
「パールには危険だ。ここで待っててくれないか?それに、もしかしたら、その」
足手まといになるかもしれない。
「ラピスさんが言えないようなので、私が言ってあげますよ。足手まといになるかもしれない
からですよ。見たところ、独り立ちしてやっとというところでしょう?アリアハンにいれば
安全です。ここで、ラピスさんの帰りを待っていてはいかがですか?」
「な!?失礼な人ね!今はまだ非力だけど、経験を積めばきっと…」
「もうやめろ」
当の自分をそっちのけで言い合いを続けそうな二人に早々と見切りをつけて、パールを自分の
背の後ろに押しやって、オニキスに向き直る。
388 :
通りすがり:2006/06/14(水) 00:23:07 ID:f7osrOfi0
「根はいいやつなんだよ。ただちょっと、言い出したら聞かないというか」
「どうやらそのようですね」
「ダメだと思ったら、無理やりでも帰らせる」
「ラピスさん、あなたに同行を願い出たのは私です。あなたの判断に従いますよ」
やれやれ、といったように小さく肩をすくめるオニキス。
「少しだけ、私に時間をください。そうですね、小一時間で戻りますよ」
「オニキス?」
ラピスの声にも耳を貸さず教会の方に向かって歩いていくオニキスを、どうしたものかと見送る
ラピスの背から、パールがそっと顔を出した。
「ほんっと。失礼な人ね」
「…パール。何度も言うけど危険な旅なんだ。君が言い出したら聞かないのはよく知ってる。
だから連れては行くけど、もうダメだと思ったら容赦なく送り返すつもりだ。…あと、できれば
オニキスをあまり刺激しないで欲しい。パールだからどうと言うんじゃなくて、彼は、相当な
女嫌いなんだ」
「ふぅん…。」
オニキスの立ち去って行った方向をぼんやり見つめながら、不思議そうにつぶやいた。
389 :
通りすがり:2006/06/14(水) 01:46:44 ID:f7osrOfi0
すっかり毒気を抜かれたようにパールは草むらに腰を降ろしてラピスを見上げた。
つい10日前のこと。16歳の誕生日を迎えたラピスは、世界の平和のために旅立ち、そして
火山の火口に落ちて亡くなってしまったという父親の遺志を継ぎ、国王に旅立ちの許可を得た。
小さな頃から勇者として育てられたというラピスは、旅のためにあつらえられたやや厚手の
服の上からもわかる、鍛えられた身体をしている。短く整えられたブロンズ色の髪、精悍で
引き締まった横顔。ここ数年でさらに逞しく成長している。
二つという年の差もあり、小さな頃からよく彼の後をついて回った。兄妹のように育ってきた。
まだ剣の扱いもおぼつかない頃、ラピスはよく言ったものだ。
「16歳になったら、一人前に見てもらえるんだって。そうしたら、お父さんのように、世界の
平和のために旅に出るんだ。そのときはパールも一緒に行くよな?」
小さな子供の口約束。だけどパールはそれはそれは大切にその言葉を覚えていた。
一人っ子のパールは、兄というものを知らない。だけど、「お兄ちゃん」と呼べる相手が
ラピスならいいなと思ったことは何度もある。
ずっと一緒にいたラピスがいざ旅に出るときに、一緒に行かないなどと考える余地もなかった。
ただ、残念なことに、ラピスが16歳の誕生日を迎えたその日、パールはまだ旅に出ることが
できる程度の技術さえ身につけておらず、先に旅立ったラピスが数日おきに顔を見せてくれる
ことを励みに、やっとのことで半人前を卒業したのだった。
そして今日。いざないの洞窟と呼ばれる洞窟に向かい、海を越えた新しい場所に旅立とうと
するラピスに今度こそついて行こうと町を出ようとするラピスを追いかけたのだった。
おお、新しい職人が。
391 :
通りすがり:2006/06/14(水) 23:05:47 ID:f7osrOfi0
「海の向こうの世界ってどんなだろうね?」
青く、高く澄み渡った晴れた空を見上げて、まだ見ぬ世界に思いを馳せる。
「すごく、広いんだろうね」
「そうだな」
同じように空を見上げてみる。どこまでも続くこの広い空の下の、初めて赴く世界。少しの
緊張と少しの高揚感。どんな世界が待っているのだろうか。自分の力が通用するのだろうか。
父の遺志を継ぐにはどうしたらいいのか…。道しるべは、無い。
敵はバラモスだ、と王が言っていた。が、いったいどこにいるのかさえ見当がつかない。
───長い、旅になりそうだ。
「まさか、本当におまえと一緒に旅に出ることになるとはな。」
「約束したじゃない。…そりゃ、まだ駆け出しの魔法使いだけどさ。成長を、楽しみにしててよ」
無邪気な笑顔を見ていると、なんだかこっちの肩の力まで抜ける気がする。
───そうだな。まだ、スタート地点に立ったばかりなんだ。
「ほどほどに、期待しとくよ」
自分にも言い聞かせるように、軽く笑って見せた。
392 :
通りすがり:2006/06/14(水) 23:07:00 ID:f7osrOfi0
「おまたせしてしまってすみません」
他愛無い話もふと途切れ、足早に過ぎていく朝の人通りをぼんやり眺めていたところに、オニキス
はごく自然にラピスの隣に立っていた。
「意外と早かったな」
服についた草をぽんぽんと払いながら立ち上がり、パールに目で促す。
「旅立つ前に、少し、祈りを捧げたかったんですよ。行きましょうか」
「改めて、よろしくな」
右手を差し出したラピスの手を握り返し、視線を合わせて頷く。
「パールも」
ラピスに誘われて差し出されたオニキスの手に少し戸惑いつつも、パールもその手をとった。冷たい感じのするその瞳に気後れしないよう、視線をそらさず言った。
「よろしくね」
393 :
通りすがり:2006/06/15(木) 00:27:04 ID:y9lK37190
辺りが薄暗くなる頃、背の高い草に隠されているような階段を見つけ、階下へと足を運んでいた。
夕闇よりもさらに薄暗く、冷たい空気。人工的な造りの通路を進むと、いくらも行かないうちに
視界が一気に開け、たいまつの明かりが灯っている。
「ここは、いざないの洞窟じゃ」
「誰だ?」
予期せぬ声に驚いてラピスが辺りを見回すと、ちょうど広間の真ん中辺りに、薄闇に溶けるような
暗い色の服を着た老人が立っていた。
「階段は、石壁で封じられておる」
抑揚のない低い声。海の向こうに渡る、旅の扉の主と言ったところか…。
「封印の解き方は聞いてきた」
こつこつと、壁に向かうラピス。
「この魔法の玉ってやつが、俺たちを海の向こうに導いてくれるらしいぜ」
数歩後ろのオニキスとパールに不思議な色の玉を見せ、それを、とん、と壁の前に置いた。
「下がってろ!」
素早く壁から離れるラピス。ほんの数秒後、派手な音と炎が上がる。
ガラガラと、壁が崩れていく───。
最初に声を発したのは、老人だった。おぉ…と感嘆の声を上げ、続けて言った。
「もはや、封印はほどかれた!」
394 :
通りすがり:2006/06/15(木) 00:28:05 ID:y9lK37190
壁の向こう側に待っていたものは、小部屋と、古ぼけた箱と階段だった。
なんだか気が抜けた感じがしながらも、ラピスは小部屋に足を踏み入れた。二人も後に続く。
「すごい、古そうな箱。いったい何年前のものなのかな」
傍らにあった古ぼけた箱を開けようとしながら、パールがつぶやく。
すっかり埃をかぶり、ぎしぎしと音を立てる蝶番。その昔、いくつもの戦争があったときに封じ込められたと言うのだから、ここでこの箱は、相当の年月を経てきているのだろう。
中に入っていたのは、折りたたまれた、これまた古い紙。パールが丁寧に折り目をほどいていく。
「これ…。世界地図!?」
パールは大きな目を輝かせて振り返り、その紙をラピスに手渡した。
「すごい…」
初めて目にする世界の全貌。自分たちの暮らすアリアハンはどこだろうと目を走らせ、そして、その何倍もの大きさの大陸たち。目指した世界はなんて大きいんだろう。ラピスは、目のくらむ思いがした。
「何か、書いてある!」
興味深そうに箱を眺めていたパールが、内蓋を指差した。
395 :
通りすがり:2006/06/15(木) 00:29:53 ID:y9lK37190
ラピスとオニキスも指されたところを覗き込んだが、古い書体で書かれたそれを読むのは
ラピスには少々難しく、パールの次の言葉を待った。
「『アリアハンより旅立つ者に、この地図を与えん!汝の旅に、栄光あれ!』先人たちから
の、メッセージね」
「…その書体が、読めるんですね」
傍らで内蓋を覗き込んでいたオニキスが、感心したようにつぶやいた。
「こう見えても、ちゃんと勉強してるのよ」
地図を、メッセージを見つけたこと、そして、つい数時間前にずいぶん失礼な
物言いをしてくれたオニキスの今の言葉が、うれしくて仕方ないといった様子だ。
「意外と、かしこいんだよ、こいつは」
ラピスが、パールの髪をくしゃっと撫でる。
「意外と、は余計」
ふくれた顔のふりをしてみせるパールと、そんなパールの頭に手を置いたまま
まだ何か言おうとするラピスの様子を見ながら、オニキスはふと目を細めた。
396 :
通りすがり:2006/06/15(木) 00:38:33 ID:y9lK37190
コピーしたら改行が気持ち悪いことに…。注意します。
手が遅いので少しずつですが、お目汚しでなければおつきあいくださいませ。
ツンデレが見えない件について
このままならスレ違いだな
399 :
通りすがり:2006/06/15(木) 08:59:04 ID:y9lK37190
ツンデレは出てきます。でももうちょっと後です。
ノアニールぐらいからじわじわと…遅い?
出会い、引かれていく、という過程を重視したかったというのが理由です。
序盤からツンデレを出せなかったのですが、序盤から出していくのがここのセオリーな
ようでしたら、空気読めてなかったということで去ります。すみません。
ツンデレへの布石は敷かれているようだし、もう少し待てばツンデレ覚醒とか。
そんなにスレ違いとは思えないのだが。
個人的には続きをぜひ見てみたい。
作者さん頑張ってください。
続き楽しみ
保守
403 :
通りすがり:2006/06/15(木) 23:02:18 ID:y9lK37190
「ここからが、本当の旅の始まりってわけだな」
一段暗い闇に続く階段の先を見つめ、ラピスがつぶやいた。そして、
「さぁ。新しい世界に出発だ」
少しばかり、軽く言ってみせる。
その最初の一歩を踏み出そうとしたそのとき。後ろから、低い声が告げた。
「地下には魔物たちが潜んでいるという。…気をつけて、行くのだぞ」
先ほどの老人だ。いつの間にか、ラピスたちの後ろに立っていた。
「…わかった。ありがとう」
一呼吸置いて、トーンを抑えた声で答えるラピス。
そんなラピスの様子に、老人が満足そうに頷いたかのように見えた。
404 :
通りすがり:2006/06/15(木) 23:04:07 ID:y9lK37190
階段を一段降りるごとに闇が濃くなってくる。ラピスは、腰に下げたランタンに火を点した。
3人の周りが、ぱっと明るくなる。良好な、とまではいかなくとも、この人工的な造りの洞窟を
抜けていく分には困らなさそうだ。
ラピスが先頭に立ち、オニキス、パールと続いて階段を降りていく。
「なんだこれ」
そう長くない階段を降り、まず目に入ったのは通路にできている大きな穴だった。
しかも、一箇所ではない。ラピスたちが降りてきた階段から少し離れたところに、
進路を塞ぐように二箇所。穴の手前に何やら細い通路らしきものが何本か見える以外に、
通れるところは無さそうだ。
辺りをぐるっと見回しながら、ラピスは通路の先を確認しようと細い通路に明かりを
向けた。
「…こっちに、道が続いてるみたいだ」
振り向いて二人を呼ぶ。
ちょうど、人一人が通れるほどの細い通路。ラピスが少し通路に入ると、光の輪は一気に
小さくなって、オニキスとパールに周囲の闇が迫ってくる。
「待って。暗くしないでよ」
いくら人工的とは言え、こと洞窟など初めてのパールだ。ついさっき魔物がいるなんて
ことを聞いたせいもあって、急に不安が襲ってくる。
暗闇から逃げるようにパールは、光のある方に、ラピスの方に、足を早めようとした。
405 :
通りすがり:2006/06/15(木) 23:05:47 ID:y9lK37190
「…きゃっ。な、なにこれ!?」
ラピスに合わせて動く光の輪の中から少し外れかけていたパールが小さな悲鳴を上げた。
なんだか、床ではない何か、ぐにゃりと柔らかいものを踏んだような…?
「どうしました?」
ラピスの数歩後にいたオニキスが、パールの足元に目をやると、風化しかけた布のような
ものが目に入った。
「あぁ。なにかの毛皮のようなものですね。珍しいものでもないでしょう。ほら、そこにも」
言いながら、ラピスはパールの後方を指差して、なんでもないというように言った。
「い、やだぁ」
パールはさっきの感触を思い出して鳥肌が立つのを感じながら、ラピスの持つ明かりに
足元の照らされている、オニキスのそばに慌てて近寄った。
「怖いんですか?」
「べ、べつに。ちょっと、びっくりしただけよ」
「…いきなりあんな、ぐんにゃりしたものがあったら、誰だって驚くわよ」
パールは、オニキスを軽く睨んでラピスの方に歩いていった。
406 :
通りすがり:2006/06/16(金) 02:00:21 ID:lmn2HKxx0
周囲の壁によって狭められた明かりを頼りにいくつかの曲がり角を抜けると、少しばかり
広い通路に道は続いていた。
「この穴を、大回りしてきたんだな」
ラピスが明かりを穴の向こうに掲げるようにすると、なるほど、光の端に階段らしきもの
が見える。
そして、背後にはまた分岐路。
「なんとかなるさ」
穴に背を向けて歩き出そうとして、ラピスは立ち止まった。
「…何かいる」
闇の中に、何かが蠢いている。赤く光るいくつかの──目?
ラピスは素早く剣を抜き、背に壁があるのを確かめながらその方向に歩を進めていく。
明かりの向こうに照らし出されたのは、汚らしい灰色をした、おおきな鼠のような…。
ギィギィと鳴き声をあげながら飛び掛ろうとするより一瞬早く、ラピスが剣を振り下ろす。
ギ…と耳障りな声を残して、地に伏す魔物。だが、敵は一匹じゃない──。
じりじりと間を詰めてくる魔物に、オニキスも応戦する。パールもまた、覚えたての炎の
魔法を唱え、魔物めがけて打ち込んだ。
勝負は、一瞬だった。三人はかすり傷ひとつなく、辺りはまた静寂に包まれた。
407 :
通りすがり:2006/06/16(金) 02:01:17 ID:lmn2HKxx0
どれぐらい歩いただろう?距離にすれば、たいしたことは無かったかもしれない。
迷路のような地下通路。襲ってくる魔物たち──。
ラピスたちの剣を跳ね返すような硬さの皮を持つ魔物には、パールが覚えたての魔法を必死で
操った。
「回復しましょう」
オニキスが、ラピスの傷に手をかざす。ぽうっと、温かくなり、傷が癒えていく。
「助かる」
短く答えて、ラピスは先を急いだ。
何度も同じ場所を通っているかのような錯覚と、度重なる戦闘に疲れを感じ始めたとき、
不思議な光に満ちた小部屋にたどり着いた。
「これが、旅の扉?」
ラピスは、不思議そうにその光を見て、意を決したように二人を振り返った。
「中に、入ってみよう」
清浄な感じのする光に包まれたその瞬間、視界が一気に流れた。
ぐるぐると回ったり、ゆらゆらと何かが揺れて────どれぐらい経ったのか、
3人の回りの景色が草原に変化していた。
閉塞的な地下から解き放たれて、青い空が広がっている。魔物の気配は、無い。
408 :
通りすがり:2006/06/16(金) 02:02:21 ID:lmn2HKxx0
「長かったー。」
ぺたんとその場に座り込むパール。地面に手をついて、「痛っ」と声を上げた。
手の平が、火傷している。
「大丈夫か?」
ラピスが声をかけると同時だろうか、オニキスが、パールのそばに膝をついて、
パールの手を取った。
「見せてごらんなさい」
「だ、大丈夫。なんともないって」
急に手を取られて、パールは焦ってその手を振りほどき、オニキスに見せまいと
手を背の後ろに隠した。
「いいから」
オニキスは強引にパールの腕を取り、手の平に視線を落とした。
「いきなり、たくさんの呪文を使ったからでしょうね。慣れないことを、するからですよ」
「……!」
「そっちの手も、見せてごらんなさい」
「なんともないって、言ってるじゃない」
409 :
通りすがり:2006/06/16(金) 02:03:12 ID:lmn2HKxx0
言いながらも、オニキスの勢いに押されて、しぶしぶといった感じで両手を出す。
その手を包むオニキス。
「な、なにすんのよ」
引っ込めようとした手を握られて、パールは慌てた。
「火傷の、治療ですよ」
短く答えて、オニキスは回復の呪文を紡いでいく。
未熟さを言い当てられた恥ずかしさからパールは視線をさまよわせ、治癒されていく手の平と
オニキスの指先に集中した。
オニキスの、少し神経質そうな長い指。剣の修行をしてきたラピスとは違う──。
握られた手の平が、温かくなってくる。
(どうしたっていうのよ、私…。)
「ねぇ。もう、終わった?」
思わず問いかけてみる。
「もう、すっかり」
「なんで、ずっと、手を握ってるのよ。終わったなら、終わったって言ってよ」
パールは振りほどくように手を離して、まるで回りの景色を見回すように視線をさまよわせた。
なんだか頬が熱い。
「──よく、がんばりましたね」
「私の魔法があってよかったと思ったでしょう?」
同様を悟られまいと、強がって言ってみた。
410 :
通りすがり:2006/06/16(金) 02:44:15 ID:lmn2HKxx0
×同様→○動揺 ですね
>>400、401様。お許しいただいたみたいでうれしいです。
以下独り言です。
ストーリーとゲーム内の台詞補完のためにGB版プレイ中だったり。
4キャラを狙った性格にするのが結構大変でしたw
保守
アリスワード読みてえええええええええ
413 :
YANA:2006/06/16(金) 17:19:57 ID:j4kWedP60
ぞくぞくしてきたぜ!この高揚感!!(お前は何を言っているんだ
ウチの本命キャラが思った以上に最萌えトーナメントを勝ち抜いております。
まかり間違って優勝、なんていうのも不可能ではないかもしれん位置まで来てます。
はりきって支援しまっくてたら、いつの間にかベスト8。オウ、ジーザス。
つきましては、続編の投稿が最悪、6月末まで停止するかもしれません。申し訳ないです…。
んで、せっかくなので、今後の展開について少し。
でも、ネタバレ嫌いな人は読まないでくださいね。
レベルとしては比較的軽度のネタバレであると判断していますが、あくまで俺の主観ですので。
414 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/16(金) 21:34:22 ID:aqR03gGsO
催喪恵塔無面斗だと…!?
知ってるのか萌電
保守
417 :
401:2006/06/17(土) 18:23:35 ID:xntTn8BHO
ツンデレが見えてきましたな
YANA氏の帰還を待ちつつ。
保守
419 :
見切りタオル:2006/06/17(土) 21:48:08 ID:lbP6fNV70
……ぁ………れ………………
せなかで………ゆら……れて……………パ…パ……?アレ……ン………?
………おっ……きいせなか……………おっきい?………大きい?
あ……う………どーして!?どーしてにおんぶされてんのっ!?
………確かあの後、意地張ってお風呂から出ないで……
その後記憶がぷつり切れてるって事は、限界越えて倒れたのっ!?
それより、わたしタオル一枚しか巻いてない…………!!
あ………ダメ、頭が湧いて、なんにも考えられない…………
………うん、此はきっとまだ気を失ったフリしておけって、ルビス様が仰ってるんだわ。
…………おっきい背中。あの頃とはやっぱり違うね。
筋肉もいっぱい付いちゃって………『男』してるなぁ。
……薄目くらいなら、空けてもばれないよね………うっわぁ……!吃驚した……
こんなに近くにアレンの顔……凛々しい顔してるよね。昔はもっとポヤヤンとしてたのに。
ぁ……くちびる……………や、ドキドキしてきたーーーーーー!
鼓動が、つ、伝わっちゃうよー………わたしの心臓、もっと落ち着いてっ………
………顔があっつい……ていうか、いったい何処で目が覚めたフリをすればいーのよっ!!?
タオル氏続きを・・・
このままじゃ生殺し・・・
鼻血吹いた。とりあえずアレンは去り際に『柔らかかった』と言う事。
422 :
アレン:2006/06/18(日) 10:45:48 ID:SvIXYHi60
柔らかかったという前に言っておくッ!
おれは今ナナのおっぱいをほんのちょっぴりだが体験した
い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『おれはナナの柔らかさを背中で感じていると
思ったらいつのまにか硬いモノが二つあった』
な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
おれも何をされたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…
催眠術だとか超スピードだとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
>>アレン
テメェ・・・さっき止まった鼻血がまた吹き出したじゃねえか。
424 :
通りすがり:2006/06/18(日) 19:44:01 ID:uEk17A660
「もう、ラピスったら、人がいいんだから!」
数歩前を、肩を並べて歩くラピスとオニキスの背中に向かって、パールは愚痴った。
迷路のような洞窟を抜けて、やっとのことで新天地にたどり着いたと思ったら、その地方を
治めるロマリア国王に、城から盗み出された金の冠を取り返して欲しいと依頼されたのだ。
そんなことりより、はるか西の国では『ふね』と言うものを作っているという剣士の言葉の
ほうがずっと気になったパールなのだが、『物事には順序と言うものがあるのですよ』とオニキス
に一蹴されてしまった。
ラピスもラピスで、頼まれたときに、バラモスを倒すために旅を始めたのだと断ればいいもの
を『金の冠を取り戻せたら勇者と認めよう』などという言葉に反応してしまったのか、はたまた
困っている相手を放っておけない性分のせいか、結局カンダタとかいう盗人の住処に出向くこと
になってしまったのだ。
(盗んだものをそのままにしておくわけがないじゃない。とっくに、どこかに売られてるわよ)
とは言え、ラピスが行くと言えばオニキスも素直に同行するわけで、半ば面倒さを感じながら
仕方なくついて行くことにしたパールだった。
「高い塔だな」
ラピスは、そんなパールの心中を知ってか知らずか、隣に立つオニキスと話している。
「ほら、パール、中に入ってみるぞ」
「…はーい」
(前の洞窟みたいに、妙に暗かったり、変なものが落ちてないといいのだけど)
乗り気でない一番の理由かもしれない。襲ってくる魔物は対処できるけれど、不意打ち
のような気持ち悪さは勘弁して欲しいと願ってみた。
425 :
通りすがり:2006/06/18(日) 19:45:05 ID:uEk17A660
重厚な両開きの扉を開けると、予想に反して中は明るかった。
ところどころに明かりが置かれ、中を歩くのに不自由は無い。
いったい何階まであるのだろうと、いくつめかの階段を登ると、さっきまでの石畳とはかけ離れた
光景が飛び込んできた。
椅子にテーブル。床には酒瓶が転がり、魔物の住み着いている階下と妙にそぐわない生活感。
そして、小汚い格好をした男が二人。
「おい。変なやつらが来たぞ!お頭に知らせに行こう!」
ラピスと目が合ったとたん、駆け出した。
「留守なら話は早かったんだがな。後を、追ってみよう」
言いながら、ラピスはすでに走り出している。
逃げた男を追って上に行くと、さきほどの二人と、彼らを一回り大きくしたような屈強そうな
男が一人。手には巨大な斧を持っている。
「よくここまで来れたな。褒めてやるぜ。──だが、命が惜しければさっさと消えるんだな」
こいつがお頭──カンダタか、とラピスは剣に手をかけた。
「ロマリア城から盗み出した金の冠を渡せ」
緊張が走る。一瞬、静まる空気。
───打ち破ったのは、カンダタだった。
「俺様に歯向かおうなんて考えないほうがいいぜ」
ラピスが今まさに剣を抜こうとしたそのとき───ラピスたちの、足元が、揺らいだ。
「さらばだ。わっはっは!」
床が四角く開いていく。どこかに捕まろうと手を伸ばすのもむなしく空を掻き、野太い
笑い声が階下に落ちていくラピスたちを見送った。
426 :
通りすがり:2006/06/18(日) 19:46:02 ID:uEk17A660
「なんなのよいったい!」
ぽっかり開いた天井を見上げて、パールは毒づいた。
周りを見渡せば先ほど見た椅子やテーブルのある光景。足元に落とし穴が開いたのは不意打ち
だったが、着地先がひとつ下の階だったこともあり、怪我を負うことも無かったのだが…。
「追いかける!」
ラピスが息巻いた。こんな単純な落とし穴に落とされて、逃がすわけには行かない。
駆け出すラピス。オニキスとパールも慌てて後を追った。
「どうするの?戦うって言うの?…相手は、人間よ?」
追いかけて─── 一瞬、立ち止まってパールはラピスの背中に向かって問いかけた。
盗賊とは言え、相手は人間だ。しかも、あの巨大な斧。あんなもので切りかかられたらひとた
まりもなだろう。
「じゃあ、どうしろって言うんだよ」
「…」
パールは答えに詰まった。名案があるわけではない。だけど、相手は生身の人間だというのが
どうしても引っかかる。
「───盗賊に、情けは無用ですよ」
立ち止まるパールを追い越しながら、オニキスが静かに、だが冷酷に言った。
「あんた、僧侶でしょ!?」
「だから、何だと言うのです」
「……!」
振り向きざまに見えたオニキスの冷たい視線に、パールは言葉を失った。
427 :
通りすがり:2006/06/18(日) 19:48:02 ID:uEk17A660
「───しつこい奴だな」
大きな箱を抱えて逃げようとする子分たちを背に、お頭、と呼ばれた屈強な男がラピスたちと
対峙した。
「逃がすわけにはいかない!」
ラピスが切りかかった。
身をかわしてよけようとしたカンダタの腕から、一筋の血が飛ぶ。
「てめぇ!」
怒りをあらわに、カンダタが斧を振り上げた。後ろにいた子分たちも短剣をかまえ向かって
いく。
立ち向かっていったのは、オニキスも同様だった。
傷を負わせたラピスを狙うカンダタと、そこに参戦しようとする子分たちを食い止め、剣を
振るうオニキス。
とん、とパールは壁に背をついた。
(私は…私は、どうしたらいいの…)
手探りで短剣を確かめる。手が、震えている。
人間同士が切りつけ合う、その光景に、流れる鮮血に、なすすべもなく立ち尽くす。
「パール!俺たちにスカラをかけろ!」
巨大な斧から身をかわしながら、ラピスが怒鳴った。
言われるままに、手の平に魔力を集中する。腕を伸ばし、ラピスに、そしてオニキスに、
集めた魔力を開放する。一瞬、白い光に包まれるラピスとオニキス。
魔法の効果を見届けて、パールは自分を抱きしめるように震える手で二の腕をつかんだ。
何か、しなくてはいけない。けれど…。
428 :
通りすがり:2006/06/18(日) 19:49:03 ID:uEk17A660
ガラン、と大きな音がして、巨大な斧が床を転がった。カンダタの肩が、血に染まっている。
いつの間にか、オニキスの手によって子分たちは倒れ伏していた。
「まだやるか?」
ラピスが、カンダタの喉元に剣を突きつけて言った。
「……助けてくれ。金の冠は返すから!」
カンダタが、上ずった声で助けを求めた。先刻のふてぶてしさが嘘のようだ。
ラピスは迷った。このまま切り込めば、確実にカンダタの息の根を止めることができる。
だが金の冠を返すと言うのならば敢えてそうする必要もないだろう。
「頼む!」
一層高く、悲鳴のようにカンダタが叫んだ。
「…金の冠を、返してもらおうか」
突きつけた剣先はそのままに、ラピスは告げた。
カンダタは後ずさりして、そばに転がっていた大きな箱の中から冠を取り出し、ラピスに腕を
伸ばした。
「ほ、ほら、これだろう?」
「…命拾いしましたね」
オニキスが横から手を伸ばして冠をカンダタの手から引き離した。
その冷酷な視線から逃げるように、カンダタは後ずさりを続ける。やがてその背が倒れていた
子分に当たると、おもむろに子分たちを蹴り起こした。
「に、逃げるぞ!」
力無く立ち上がろうとする子分を引きずり、カンダタは塔から飛び降りていった。
429 :
通りすがり:2006/06/18(日) 19:50:34 ID:uEk17A660
「…血が…」
何をどう言っていいのか整理がつかない。パールは、まだ震えの残る手をぎゅっと握り締めている。
「なんてことないって」
ラピスは、頬についた返り血を手の甲でぐいっと拭いて、服でごしごしとその手を拭う。たしかに
大丈夫そうだ。
いくつか傷を負ったものの、体に異常は無い。このぐらいなら、回復と、一晩の休養で十分だろう。
「まさか、家主と遭遇しちまうとはな。まぁ、冠も取り返せたし、一休みしたらロマリアに戻ろう。
…しかしあいつら、ここから飛び降りるとはな」
言いながら、つかつかと歩いて行き、飛び降りたそのあたりから身を乗り出してみる。
逃げてくれてよかった、という思いが頭をよぎる。たしかに、とどめは刺せた。だが、カンダタを
追いかけたときに背中越しに聞いたパールの声がそれを制した。
人を殺めたことは、もちろん、無い。コロスヒツヨウガアルノカ…?喉元に剣を突きつけながらも、
迷っていた。
ふと振り返る。オニキスが、何かパールに話しかけていた。
430 :
通りすがり:2006/06/18(日) 19:52:03 ID:uEk17A660
「人間同士が戦うのを見たのは、初めてですか?」
こく、と頷いただけでパールはじっとオニキスの目を見る。握った二の腕に爪が食い込んでいる。
「…私は、とどめをさしてもいいと思いましたよ」
盗賊に情けなどいらないではないか。しかも、あの状況。こっちがやられていてもおかしくは
ない。逃がしたのはラピスの甘さだと思った。もちろん、口には出さないが。
「魔物は、いいの。でも、人間は…」
かすれた声で言葉をつむぐパール。
どん、とオニキスはパールの肩のすぐそばの壁に手をついて、パールを取り囲んだ。
「パールさんは…」
言いかけて、ふとオニキスは口をつぐむ。切り込むような視線。
どくん、とパールの心臓が脈打った。視線を、そらせない…。
気持ちを落ち着けるように、ひとつ、ふたつ、深呼吸する。
人間同士が戦うのを見たの初めてかって?そんなの、初めてに決まってる。カンダタの
持つあの大きな斧、飛び散る鮮血に足がすくんだ。二人が無事で、よかった。
ぐいっとオニキスの腕を押しのけてパールは言った。
「金の冠は取り返せたし、いいじゃない。私は、人の命を奪いたくない!」
オニキスから逃れるように、その場を離れようとする。
───が、何か手に塗れた感触を感じて立ち止まった。
触れたときについたのであろう、鮮血…。振り返れば、オニキスの腕が赤く染まっている。
「何よ、回復してなかったの?それとももう精神力の限界?」
言いながら、袋から薬草を取り出し、オニキスに押し付けた。
「たいしたことないと思ったから、回復してなかっただけですよ」
オニキスは眉間に少ししわを寄せた。
431 :
通りすがり:2006/06/19(月) 00:01:20 ID:uEk17A660
暗く、深く、底の見えない湖の水面を前に、3人は息を飲んで立ちすくんでいた。
──人間の男を愛してしまったというエルフの娘。種族を超えた愛などあるはずがない、
騙されているのに違いないと、女王───母は、その男が暮らしていたという村を眠りに落
とし、時を止めてしまったのだという。偶然にも村を離れていたために眠りの呪縛から逃れ
た村長が語った。
エルフの娘が持ち出した『夢見るルビー』とともに、その男と娘は姿を消した。『夢見る
ルビー』を返せというのが、女王からの交換条件だと言う。
罪も無い人々になんてことを、と立ち上がったのはオニキスだった。森の外れにひっそり
と暮らすエルフの里に向かったのだが、人間など見たくもないと追い返されてしまったのだ。
そして、眠りから逃れたもう一人の人物───エルフの娘と駆け落ちしてしまったという
男の父親もまた、エルフの里を訪れていた。
だが、エルフの女王は聞く耳を持たなかった。娘を騙したに違いない人間など話す価値も
ない。娘を奪われた母にあるのは、憎しみだった。
432 :
通りすがり:2006/06/19(月) 00:02:01 ID:RzIlm5Nb0
『夢見るルビー』は、暗い湖のほとりに安置されていた。
駆け落ちしたという二人の気配は、無い。どういうことだ、と3人は足を止めた。嫌な予
感が頭をかすめる。
「…これは?」
鮮やかな紅い光を放つルビーのその下に、まるでルビーの紅を引き立てるような真っ白な
紙が敷かれている。
パールはそっと手を伸ばし、その紙を手に取った。紙に視線を落とし、そして息を飲んだ。
『お母さま。さきだつ不孝をおゆるしください。
わたしたちエルフと人間。この世でゆるされぬ愛なら…
せめて天国で いっしょになります……。 アン』
何度も読み返す。…言葉が出ない。
「何が書いてあるんだ?」
横からラピスが覗き込む。一読して、ラピスはパールの背にそっと手を置いた。
「…遅かったか…」
水面を見つめ、つぶやく。まさか、こんなこと、想像していなかった。
沈黙が続く。黙って湖を見つめていたオニキスが、パールの後ろから手を伸ばし、手紙を
パールの手から取った。
「………私は、死人を探しに来たんじゃない……!」
オニキスは、搾り出すようにつぶやいた。
つかつかと湖に近づき、手を伸ばして水面に触れる。冷たい、地底の水…。
どうして…。握り締めた手の中で、手紙がくしゃっと音を立てる。
駆け落ち、──そして心中。生きていさえすれば、認められることだってあっただろうに。
湖のほとりに座り込んだまま、オニキスは動かない──いや、動けなかった。
様々な思いが、胸をよぎる…
433 :
通りすがり:2006/06/19(月) 00:02:36 ID:RzIlm5Nb0
───オニキスが、まだ僧侶を目指した頃のこと。オニキスには、心を許した女性がいた。
幸せな、日々だった。修行の疲れを癒し、独り立ちを誰よりも応援してくれていた彼女。
小さな村での日々の生活に幸せを見出し、いつか魔物に怯えなくていい日が来ればいいのに
と願っていた彼女の思いに応えようと、オニキスは修行に精を出していた。
だが、幸せは長くは続かなかった。あんなにも守りたいと願った彼女は、ある日近くの森で
無残な姿で見つかった。付近を荒らしていた盗賊たちの手によって、命を散らされた。
『ほんの少し村から離れるだけだから。薬草を摘んでくるだけだから』という言葉に、どうし
て見送ってしまったのか。『必ず、無事に帰ってくる』最後に聞いた、彼女の言葉…。
オニキスは、それまで以上に修行に打ち込んだ。そして、驚くほど早く一人前となった。
冷たい、光を目に宿して…。
『魔王バラモス』その名前は、オニキスも聞いたことがあった。
小さな村で、平和を願った彼女の思いを叶えるために、ラピスの旅立ちを聞きつけ、同行を
願い出た。
しかし、パールがついてくるとは思わなかった。町の外は危険だ。魔物や、そして…。
ラピスに無邪気について来ようとするパールが、失くした彼女と重なった。町で、ラピスの
帰りを待っていれば安全なのに───
434 :
通りすがり:2006/06/19(月) 00:03:15 ID:RzIlm5Nb0
「…ス……オニキス?」
肩に置かれた手に、オニキスははっとしてその方向を振り仰いだ。
パールが、すっとオニキスの隣に腰を降ろす。
オニキスがさっきそうしたように、パールは水面に手を伸ばし、その水に触れた。
「冷たい…」
また水面に視線を落とす。つ、と冷たい筋がパールの頬を伝った。
「「どうして…」」
同時に、つぶやいた。
手紙を握り締めたままの手に、パールの手が重ねられる。触れた水とは対照的な、暖かな…。
「何も、心中しなくたって…」
パールは水面を見つめたまま、独り言のように、水面に語りかけるように、言った。
「…えぇ」
頷いて、ふと隣に座るパールの方を見て、ぴくと眉を動かした。──涙?
「パールさん?」
急に顔を覗き込まれて、パールは慌てて顔をそらした。
「駆け落ちするぐらいだったら、認められようとしたらよかったのに」
立ち上がるパール。その手を、オニキスはぐいと掴んだ。
「…泣いてるんですか?」
振り仰いだパールの表情は、薄闇に紛れてよくわからない。
435 :
通りすがり:2006/06/19(月) 00:40:32 ID:RzIlm5Nb0
シリアスタッチの連続になってしまいました。
移行期書くのが好きだったりも…。ちょっとずつ覚醒予定。
見切りごんぶと氏まだ〜?
マイラ…その名を俺の心に刻もう
ツンデレ+温泉*長湯=極上の硬いナニカ
所縁の地で帰りを待つ妹へ
サマルトリアを再び発ってから未だそんなに日数は経っていないけれど、
今ぼくたちはラダトームにいるんだよ。
世の中には旅の扉という、特定の場所と場所を繋ぐ便利なものがあってね。
サマルトリアからアレフガルドまでも、全くの陸路だけで来られたんだ。
まぁ、それもこれもぼ
(中略)
マイラの村を発ってから二人が少し変でね。いつものことなんだけど。
気にしないようなフリをしているんだけど、チラチラ互いに互いを見合って。
視線が合うと、顔を真っ赤にしてそっぽ向いちゃったりしてさ。
ただ、一度だけ視線が重なった時に二人とも暫く固まっちゃって。
二人とも何か云い出したそうなのに口が動かない姿を、ポテチを食べながら見ていたんだけど。
苦労した挙げ句にアレンが「柔らかかったよ」と云った次の瞬間にはナナの呪文が炸裂してたなぁ。
結局、その後でナナがベホイミかけてたけれど。
そんなことするくらいなら、最初から瀕死のダメージを与えなければいいのにね。
………そういえば、ぼくがナナの呪文でダメージ受けたときには回復してくれば覚えがないな。
そんなことよりも、アレフガ
(以下略)
伝説の地を踏破した兄より
−−−−−−−−−−−−−
お兄ちゃん、ちゃんと頼んだとおり報告してくれてるわね。よしよし。
それにしても………お兄ちゃんも含めて、みーんな相変わらずなんだから。
(注:妹が目を通さなかった部分は表記上でも略されております)
ちょwwwww読んでやれよwwwwwwwwww
440 :
通りすがり:2006/06/20(火) 01:28:00 ID:j4ShYYjP0
「あんたが、あんまり座り込んだままだから。あんたが、泣いてるんじゃないかと思ったのよ」
手紙を握り締めたまま動かなかったオニキスの姿に、パールは戸惑っていた。
初めて会ったときの失礼さといい、カンダタと対峙した時の冷酷な彼とは別人のような…。
『……死人を探しに来たわけじゃない……!』搾り出すようにつぶやいたオニキスの声が、頭の
中でリフレインする。
掴まれた手を、振りほどけない。オニキスを見下ろす格好のまま、視線が合った。
どくん、と心臓が脈打つ。まただ…。静かな洞窟の中、鼓動が高鳴る。
(気がつかないで…!)
「生きていて、欲しかったんですよ。生きて、認められて欲しかった」
静かな声が響く。
オニキスは、掴んだ手を一気に引き寄せた。急に手を引かれて、バランスを失ったパールは
半ばオニキスの右肩にかぶさるように座り込んだ。
「な…どうしたって言うの!?」
声が上ずる。指先まで脈打っているのが感じられるようだ。
薄闇に紛れてわからなかったオニキスの表情が、はっきり見える。少し長めの前髪の下で
冷たい光を放っていた瞳に陰りが見えたような…?
「…パールさん…」
掴んだ手はそのままに、あいたもう片方の手でパールの二の腕を掴み、強引に引き寄せた。
441 :
通りすがり:2006/06/20(火) 01:29:37 ID:j4ShYYjP0
「……!」
強引にオニキスと向き合う形になって、パールは体を硬くした。
(いったい、彼はどうしたって言うの…。それに、私も…。)
掴まれた二の腕に力が加わるのを感じる。視線が絡む。
「な、なにするのよっ」
オニキスの胸に両手をついて、力いっぱい押し返す。
「私だって、まさか心中してるなんて思わなかった。…生きていて、欲しかった」
一呼吸、深く息を吸い込んで、パールは続けた。
「オニキス、あんたらしくない……ううん、あんたも、驚いたのよね。だけど、感傷にひたる
より、村を眠りから開放するって、あんたが言ったの忘れたの? それに…あのお父さんにも
本当のことを話してあげないと…」
一気に言って、オニキスの目を覗き込む。
ふ、とオニキスの手から力が抜けた。
「……そうでしたね」
パールから手を離して、傍らの手紙とルビーを拾い上げる。
「……今のことは、忘れてください。私としたことが、少し、動揺したようです」
視線をそらし、一言一言を選ぶようにゆっくり話す。そして立ち上がるオニキス。
「行きましょう。エルフの里に」
そう言ったオニキスは、もういつものように冷静だった。
442 :
通りすがり:2006/06/20(火) 01:30:41 ID:j4ShYYjP0
───『夢見るルビー』を女王に返し、村を眠りから開放したものの、3人の心は晴れずにい
た。種族を超えて愛し合った娘を許すことのできなかった母の嘆き。そして、息子を失った父親
の悲しみ。疲れた体を休めようと村で宿を取ってはみたものの、休んだ気がしない、そんな朝を
迎えた。
「父が…ここに泊まっていたんですか!?」
ラピスは目を見開き、思わず大きな声を出した。
偶然宿で出会った旅の戦士は、父───オルテガを知っていると話した。
「つい昨日まで、隣の部屋に泊まっていたはず。たしか魔法の鍵を求めて、アッサラームに
向かうと言っていたが、しかし…それが本当に昨日のことであったか…おかしなことに、何年
も眠り続けていた気がしてならぬのだ」
途切れた記憶を手繰ろうと、彼──旅の戦士は視線をさまよわせる。むろん、手がかりに
なるようなものなど無いのだが…。
いったい、自分はどれだけここで眠っていたのだと言うのだろう。そしてまさか、眠りから
解き放たれた今、尊敬するオルテガの息子に会うことになるとは。
「あの方が亡くなったなんて信じられない…いや、信じたくない。きっと今も旅を続けている
と、そう信じている」
力強く戦士は言った。
443 :
通りすがり:2006/06/20(火) 01:31:41 ID:j4ShYYjP0
「…そうあってほしい」
神妙な面持ちで、ラピスは頷いた。
ラピスがまだ幼い頃、平和を求めて旅立ったという父の記憶は、無い。あるのは、母がいつも
語って聞かせた、勇敢な父の記憶。一目でも会いたいと幼心に思いはしたものの、そんな父を誇
りに思い、自分もそうありたいと思った。
戦いの末、火山に落ちて命を落としたという知らせを受けたときも、母は気丈だった。ときお
り悲しげな表情を見せはするものの、ラピスに対しては「強くあれ」と言って聞かせた。
父の歩いた軌跡に、交わるとは思ってもみなかった。
ラピスは、偶然の巡り合いに感謝した。今はまだ未熟者だが、きっと父を超え、父が成し遂げ
られなかった思いを実現しよう…。
父の歩いた軌跡をたどってみよう。思いは、確信へと変わる。
「ここであなたに会えたことを、感謝します」
ラピスは、心から礼を言った。
オルテガの軌跡に驚いたのは、パールたちも同様だった。
「道をたどってみたら、ラピスの目指した平和への近道になるかもね」
オルテガのことは、小さな頃からラピスに聞かされてきたパールは、即座にそう答えた。
444 :
通りすがり:2006/06/20(火) 01:33:15 ID:j4ShYYjP0
オルテガの軌跡に驚いたのは、パールたちも同様だった。
「道をたどってみたら、ラピスの目指した平和への近道になるかもね」
オルテガのことは、小さな頃からラピスに聞かされてきたパールは、即座にそう答えた。
一旦ロマリアに戻り、3人は東にあるというアッサラームの町を目指した。
「あっつーい」
じわじわと高くなる気温に、パールは恨めしそうに太陽を見上げる。
「砂漠が近いって言うからなぁ」
応えるパールの額にも、汗が流れている。
「いやらしい敵は多いし、町は遠いし、まったくもう…」
「それだけ文句言ってるうちは、大丈夫ですよ」
オニキスが呆れたように言った。
「…誰のおかげで、大丈夫だなんて言えると思ってんの?」
「あぁ。パールはよくがんばってくれてるよ」
慣れない暑さに苛立つパールの機嫌を損ねないよう、ラピスはすぐにフォローした。
事実、パールはずいぶん成長していた。ずいぶん強力な攻撃呪文を操るようになった。
接近戦向きに鍛錬を積んできたラピスだけでは正直厳しい相手も、パールのおかげでかなり
助けられている。
……そうなるまでに、多少の犠牲はあったものの…
445 :
通りすがり:2006/06/20(火) 01:34:11 ID:j4ShYYjP0
◇◆◇◆◇◆◇
──溯ること数日前。
ノアニールから一旦ロマリアに戻り、東に進路を取ろうとしたところを、パールが待ったを
かけた。
「ちょっとでいいから、練習につきあって。何か…つかめそうな気がするの」
オルテガの軌跡に触発されたのか、少しずつ手ごわさを増す魔物たちに立ち向かうためか。
理由は語らなかったが、何かのスイッチが入ったのか、突然今までに無いやる気を見せた。
手慣らしに、ゆとりを持って臨める魔物を相手にしてみたり。ときには魔物に見立てた木の枝
を狙って攻撃呪文を放ってみたり。
「もうちょっとでこう、うまくいくような気がするのよね」
標的の小枝を並べるのを手伝って、などというパールにラピスは根気よくつきあった。
思いがけず空いた時間に、オニキスは木陰で書を開く。
──生み出す魔力に集中し、解き放つ。何度も繰り返すパール。
…悲劇は、思いがけなく訪れた。
「……ベギラマ!」
十何度めかのチャレンジだろうか。地面に置いた木の枝に狙いを定めて呪文を解き放つ。
燃え盛る炎の壁が生まれる。
「やった!やっとできた!」
手放しに喜ぶパール。この喜びを分かち合おうと、ラピスの方を振り向くと…
「お、おい。パール」
眉間にしわを寄せているラピス。
「なによ、その顔」
446 :
通りすがり:2006/06/20(火) 01:34:48 ID:j4ShYYjP0
「あれ、見てみろって」
ラピスが、標的の木の枝があったあたりを指差す。
「……なに?」
やっと成功したというのに。どうしてそんな顔をするのだと面白くない気持ちで指差された
方向に目をやると……炎が、消えていない。
「ど、どうしよう?」
慌てる間にも炎は広がって行き、傍らに詰まれた小枝に燃え移る。焚き火のように、小枝が
燃え始めた。
どうしたものかと炎を見つめる。…幸い、被害はそこだけで収まったようだ。
「…だ、大丈夫そうよ?」
安堵して、ラピスに振り返る。……いない?
「ラピス?」
「こっちだ!」
どこからか、声がする。
「パールさん、ヒャドをかけるんですよ!」
続けて、オニキスの声が飛んだ。
ああそう言えば、とパールは氷の魔法を焚き火に向かって放った。
ジュッ、と一瞬で炎が消える。
(最初からこうすればよかったのね)
447 :
通りすがり:2006/06/20(火) 01:35:29 ID:j4ShYYjP0
「ちょっと、失敗しちゃったみたい」
消えた炎の向こうにラピスとオニキスの姿を見つけて、言いながらパールはそちらへ足を
向けた。
「……まったく、ひどい目にあいましたよ」
ゴホゴホと咳き込みながら、恨みがましくパールを見るオニキス。
聞けば、木陰で本を読んでいてそのまま転寝してしまっていたというオニキスは、目の前で
燃え出した炎に慌てて飛び起きたのだという。
とっさに逃げようとするも、広がる火の勢いにマントの端を焦がされた、らしい。
「すぐ消したじゃない」
「あれは、私がヒャドを、と言ったからでしょう」
「失敗したのは私だけど、でも」
「もうちょっと周りに注意してくださいよ。あぶなっかしい」
「…あぶなっかしいのは、あんたのほうよ。あんなところで昼寝してるなんて」
言い合う二人。やれやれ、とラピスは二人の間に割って入った。
「自分の身は、自分で守ろう」
ぽん、とオニキスの肩を叩く。
「…どういうことよー!」
>>439 表記上でも略されてるって書いてあるからw
しかし王女どんな指示を出したんだwww
最近暑いね。王女もあの服だと暑そう。
あー、結婚式だ……良いなぁ。
あの白いのがウェディングドレス?だったら、あれがお嫁さんってことね。
………幸せ者ね、あの男の人。どうやって掴まえたんだろ。
ねぇねぇアレン、もうちょっと近くで見たいなー……ダメ………?
そりゃあ、わたしだって一応女の子だもん。お嫁さんには憧れるわよ。
白いドレス着て、バージンロード歩いて、神様の御前で永遠の愛を誓って………
そ、そんなこと別に良いじゃないっ。わたしのことなんてっ。
でも、なんでライスシャワーってするんだろうね。
……あれだけあれば三日はもつのに、勿体ない。
全部終わったら後で回収しようかしら………食糧を確保しておくことは大事だわ。
だけど、お米があれだけあっても他の材料がないと。
そうだ、お肉やお野菜も用意しなきゃ……ラダトーム出る前に買い物してくべきかな………
(ドン)
え?あ、ちょっ、押さないで……別にわたし―――――
とっちゃった……飛んできたからそのまま取っちゃったよ………ブーケ……
突発イベント:結婚式遭遇
いや、別に此をやるためにラダトームまで足を伸ばしたわけじゃないのですが。
わたしが今日入籍したので急遽こんなものを書いてみました。
取り敢えずだ。お前ら、祝えyうわなんだおまえやめrfじゃいえあqwsでfrgtyふじこlp
452 :
通りすがり:2006/06/20(火) 22:47:05 ID:j4ShYYjP0
再び手元に魔力を集め始めるパール。
「…メ…むぐ」
言い終わらないうちに、慌てて手を伸ばしたオニキスが口を塞いだ。抵抗するパールを抑えよ
うと、後ろから半ば抱きとめるように阻止する。
「ちょっと…どさくさに紛れてどこ触ってんのよ!」
「どこって、べつに…」
「そこは……」
「なんのことですか。あぁもう、暴れないで」
「オニキスのばか!」
言い合いながら、真っ赤になるパール。
「…オニキス、気づけよ。胸、触ってるぞ」
ラピスが、オニキスの手元を指差す。
「え?そんなわけないでしょう」
しれっとオニキス。
「…それってどういう意味よ!」
「いやだから、そんなかんしょ…」
「あんたの手は別人格ってわけ?」
パールは、耳まで真っ赤になって言い返す。
「あきらめて一撃食らっとけよ。回復ぐらいしてやるから」
笑いを噛み殺しながら、ラピスは傍観を決め込んだ。
453 :
通りすがり:2006/06/20(火) 22:49:16 ID:j4ShYYjP0
>>見切りさん
入籍おめでとうございます。お幸せに!
見切り入籍って大変失礼な言い方だな。
おめでとう。お幸せに。
>>448 見切りさんは略していいけどもリアぐらいは目を通してやれってことだよ。
そうか見切りさんは女性だったのか。
見切り氏おめ!
>>455 Ω ΩΩ<な、なんだってー!!!11
>>見切り氏
おめでとうございます!どうぞお幸せに。
益々のご活躍(更新)を期待しています。
>>通りすがり氏
覚醒してきたのは二人とも?w
引き続き応援してますので、気負わず頑張って下さい。
>>YANA氏
待ってます。トーナメントでwktkした思いを名文にぜひ置換うわなにおすやm
458 :
暇潰し:2006/06/21(水) 01:21:11 ID:FI+qlTR60
皆さんお久し振りです&新しい職人さんこんにちは
いつぞやは失礼しました……
今でもこのスレは欠かさず見て萌えさせてもらっていますw
見切りさん入籍オメデトウ〜!!
ドラクエで結婚式と言えばダンスという感じがしますが、
ナナとアレンとは踊らないのかな?w
それはともかく、天にましますルビスの御霊よ、二人の歩む道に祝福を……
さてさて、「見切りを祝う為だけに来たんじゃないんだからねっ!!」
って事で、今向こうのスレで着々と書いている物語があるんですが、
それは勇者一行がゾーマを倒した数年後という設定なんです
そこで皆さんにお聞きしたいのですが、
その勇者一行をこのスレの勇者とツンデレ賢者だったという事にしてもいいでしょうか?
特に直接出て来る訳ではないんですけどね…
職人さんはもちろん、住民さんの意見も聞かせて下さい
それではお願いします
相方はツンデレなのか、幼馴染なのか、一目惚れされたお嬢様なのか
子供は双子なのか、伝説の勇者なのか、これから石になる御予定はあるのか
激しく問いただしたい
そのぐらいオメ!見切り氏
いまごろはお楽しみですね(はぁと)
さあみんなで祝いの言葉を!!
さくやはおたのしみでしたね
461 :
通りすがり:2006/06/21(水) 09:33:54 ID:gSf8YcLT0
おはようございます さくやはおたのしみでしたねw
お約束に乗ろうと朝からパソコン起動w
それでは会社にいってきますノシ
462 :
見切り初夜:2006/06/21(水) 23:16:50 ID:baNzhgHM0
此処って武器屋の二階じゃない。
確かに金の鍵じゃないと開かない扉があるけれど、
わざわざ聖なる祠から歩いてラダトームまで来たのはこのためだったの?
せっかく謁見の間にも金の鍵使って行ったのに、王様は雲隠れしちゃったって話だし。
もー、此で大したことが無かったら一体どういう目に遭わせてくれよう。
どう見ても此の国の王様じゃないっ。
武器屋の隠居とか嘘ついちゃって………ハーゴンが怖くて逃げ出すなんて。
この人って、一応わたしたちの遠い親戚になるのよね。
………なんだか情けなくなってくるわ。
……なによ、先に部屋を出てろって。別に此処にいたって良いじゃない。
いいからって……良いからじゃ判らな………あ、ちょっと無理矢理押し出すなぁ!
(バタン)
力尽くで追い出して、アレンたら一体なに考えてるのかしら………
(ドタンバタンガチャン)
って、一体なにやってるのよー!!?
そんなヘタレでも一応王様なのよっ!無茶したら指名手配されちゃうんだからっ!!
一生逃げ回る生活なんて、わたしは厭よー!!!
お前らみんなにまとめてお礼を云っておくぜっ!
な なにをする きさまらー!(えー
464 :
通りすがり:2006/06/22(木) 00:24:10 ID:ELYLnHT60
◇◆◇◆◇◆◇
夕闇が辺りを包む頃、一向は町に到着した。
アッサラームの町は、熱気に包まれていた。そこここで、呼び込みをする者、酒を
飲み、陽気に歌う者。活気にあふれた町だ。
町の一角に大きく建てられた劇場では、この町名物だというベリーダンスを見る
ことができるという。呼び込みのおやじにつられ、何気なく足を踏み入れた。
劇場の中は、驚くほどの人が集まっていた。
舞台が暗転し、スポットライトを浴びて妖艶な踊り子たちが姿を現す。
胸元と腰を覆う薄絹と、動きに合わせてしなやかに揺れる、しゃらしゃらと音を
立てる細い鎖のアクセサリー。腰を揺らし踊るその姿に、劇場はさらに熱気を帯びる。
「…すごいな」
ラピスがぼそっとつぶやく。目は舞台に釘付けになっている。
「なんだか、エッチな踊り」
薄絹の下で揺れる体に、パールは少し顔を赤らめた。
「情熱的って言うんだよ」
465 :
通りすがり:2006/06/22(木) 00:24:59 ID:ELYLnHT60
踊りが、激しさを増していく。誘うように、挑発的に。
「パールも、あの半分でも色気があればなぁ。」
残念そうにラピス。
「…はい?」
「見ろよあの身体。セクシーだよな」
「……」
「格好だけでも真似してみると、ちょっとは女らしく見えるんじゃないか?」
うんうんと頷き同調するオニキス。
「そうですね」
言い終わらないうちに、パールはゴン、とオニキスの後頭部を叩いた。
「本当のことを…」
「今度はマントだけじゃ済まないかもよ?」
目が本気だ。
「別に踊れとは言ってませんよ」
負けてはいないオニキスだった。
466 :
通りすがり:2006/06/22(木) 00:25:40 ID:ELYLnHT60
そうこうするうちに舞台は佳境を迎え、息苦しくなるような熱気の中、幕を降ろした。
劇場の外の風が、ひんやりと心地いい。
もう夜も遅いというのに、町は相変わらず喧騒に包まれている。
「眠らない町、か」
ラピスは人ごみを器用にかきわけ、楽しむように町中を歩いていく。
夜風に吹かれ、ベリーダンスの熱気を冷ますように少しだけ遠回りをして町を楽しみながら
宿へと向かった。
町のざわめきもすっかり落ち着き、皆が寝静まった頃──パールは、そっと部屋を出て町に
出た。夜中の町を走り、ぽつんと明かりのついた店を目指す。
宿に戻ったパールは、自分の部屋には戻らず、隣の部屋のドアの前に立っていた。
静かに、ドアに手をかける。預かっていた盗賊の鍵が役に立った。
ラピスとオニキスはすっかり熟睡している。
足音を忍ばせて、ベッドサイドから大きな布を取り上げ、パールは部屋へと戻っていった。
467 :
通りすがり:2006/06/22(木) 00:26:29 ID:ELYLnHT60
部屋に戻ったパールは、持ち出した大きな布をベッドの上に広げた。
濃紺の、丈の長い、端の少し焦げた布。──オニキスのマントだ。
店で聞いたとおりに、裾を繕おうとする。
(私だって、やればできるんだから)
(あれ?おかしいな…)
繕うべき部分が、なんだか増えたような。
(ちょっとは女らしく見えるんじゃないですか、なんて。言われっぱなしじゃ、悔しいし)
何度もやり直す。
(…やっとできた…。急いで元に戻しておかないと)
──夜が明ける頃、どうにか一仕事終えたパールはマントを抱えて隣の部屋に向かった。
(まだ起きて、ないよね…?)
そうっと、足音を忍ばせてベッドサイドに近づく。
手前のベッドで眠るラピスが寝返りを打った。慌てて屈み込む。
規則正しい寝息が聞こえる。
(もう、びっくりさせないでよ)
再びオニキスのベッドサイドを目指す。たった数メートルの距離がとても長く感じる。
468 :
通りすがり:2006/06/22(木) 00:27:10 ID:ELYLnHT60
眠っていることを確認しようとオニキスの顔を覗き込んでパールは足を止めた。
穏やかな寝顔。カーテン越しに差し込む薄明かりを受けて、冷たい雰囲気を持つ横顔が幾分
和らいで見える。
(黙ってれば、いいひとなのに)
出会ったときのこと、ロマリアでのこと…ふと思い返して、パールはオニキスの寝顔を見つめた。
「……う……ん…?」
「………!」
差し込む薄明かりに、少しまぶしそうにオニキスがまばたきをした。
(気づかれた!?)
くるっと向きを変え、足早にドアを目指す。
(大丈夫。気づいてない。きっと…)
ドアに手が届く。焦りで手元が狂った。ドアが、ガチャリと音を立てた。
ドアを閉める。振り向きざま見たドアの隙間の向こう、オニキスと目が合った。
「…パールさん?」
まだ眠たそうなオニキスの声を背に、パールはすぐ隣の自分の部屋へと走る。
たどり着き、ドアを閉めて、そのままドアを背に座り込んだ。
469 :
通りすがり:2006/06/22(木) 00:28:06 ID:ELYLnHT60
(どうしよう…これ)
心臓が早鐘を打つ。戻し忘れたマントを、ぎゅっと握り締めた。
「パールさん?」
コンコン、と背中にノックの音が響く。
(こっちに来ないで…!)
無駄とは思いつつも、息をひそめてオニキスが立ち去るのを待とうとする。
祈るように、パールは固く目を閉じた。
「…入りますよ」
カチャ、と金属音が耳に突き刺さる。
意を決して、パールは立ち上がった。
「…どうしたの?こんな朝早くに」
背中にマントを隠して、パールは開けたドア越しにオニキスと向き合った。
「何事か、あったんですか?」
不思議そうに問いかけながら、オニキスはすっと目をそらす。
「…パールさん、何か、羽織ったほうが…」
廊下の窓から差し込む上りかけた朝日に、薄い夜着をまとったパールの身体が透けるようだ。
「え?……!」
言われた言葉を認識して、手に持った布を抱きかかえるようにして肩をすぼめた。
470 :
通りすがり:2006/06/22(木) 00:29:02 ID:ELYLnHT60
頭が真っ白になる。言葉が見つからない。ドアに身体を隠すように後ずさりながら、パールは
上目遣いにオニキスを見た。
「み、みた…よ、ね」
そう言われるとつい見てしまうのか、オニキスは視線をパールに戻した。ふと目が留まる。
「な、なに見てるのよ」
「いや…それは?」
はっ、とパールは自分の手元に目をやって、抱えた布の存在を後悔した。
こっそり戻してくるつもりだったオニキスのマント。まさか、こんな形で見つかるなんて…。
言い訳も思いつかない。パールは抱えていたマントをぐいっとオニキスに押し付けた。
「あんたのマントよ。…私が、焦がしちゃったから」
「あぁ。あのときの」
焦げ跡のあたりに手をやって、ラピスは手を止めた。…無い?
「…これは…」
驚いたようにパールを見る。
「べつに、あんたのためにやったんじゃないわよ。焦げたままじゃ一緒に歩いてる私が恥ずかしかったの!」
一気に言い切って、パールは力いっぱいドアを閉めた。
>>通りすがり氏
>>470の
>焦げ跡のあたりに手をやって、ラピスは手を止めた。…無い?
この部分ラピスじゃなくてオニキスじゃないですか?
472 :
通りすがり:2006/06/22(木) 01:09:59 ID:ELYLnHT60
>>470さん
ご指摘ありがとうございます。
頭が寝てる…。
幽霊船の愛の思い出の使い方を教えてください。
ピラミッドの頂上で装備する。
違うって。火山の火口に投げ入れるんだよ。
みんな優しいね
477 :
473:2006/06/22(木) 23:46:23 ID:9a1bzUoIO
しかしここではなにも おこらなかった! になりました…(;_;)
もうこりゃ、鎧を火山に投げ入れてガイアの夜明けですよ
なんでこのスレに聞きにくるんかね。
ウザイ消えろガキ
ありがとうございました。
何か口悪い奴がいるなぁ
次スレから
>>1にスレの趣旨を書けばいいって
俺らみたいに常連なら無くてもわかるけどさ
ドラクエ3(に限らず)小説(ツンデレに限る)
全く流れを読まずに書き込んでる厨が
>>1を読んでいればの話だろ。
趣旨を書いても定期的に訊きに来る厨が湧くに3000メラ。
ある物を手に入れるためってのは判ったわ。
だけど、どうしてその為にあんな物音立てる必要があったのよ。
……何度話してもすっとぼけるから、脅した?
一体なにやってるのよ、呆れた…………
第一、一国の王様を力尽くで脅してまで手に入れたかった物って、いったいなんのよ。
………どうして此の話題になると、あからさまに目を逸らすかなぁ。
なにか、わたしに知られると都合の悪いことでもあるのかしら?
……其処のシスコン、勝手に話題を変えようとしない。
あまりに下手な逃げ方しようとするなら、こっちにだって考えがあるんだから。
……時期が来たら、ちゃんと教える?
それがこの窮地を脱するための逃げ口上じゃないって証明できるの?
……じゃあ、その『時期』っていったいいつ頃なのよ。
…………もう少し暑くなってから、然るべき場所で?
むー、良く判らないなぁ………か、可愛い顔が台無しっ!?悩んでばかりいると………
も、もー、いきなり恥ずかしいこと云うなー……アレンのばかぁ…………
そ、それより、この事はちゃんと覚えておくんだから。
もしも嘘だったら、お、覚えておきなさいよっ!!
し、しまったっ!!ハンドル入力するの忘れてたorz
>>485はわたしの文て事で、どうか。
王女に抱きついて返り討ちに遭ってくるノシ
>>486 てめ、新婚のくせに王女に抱きついてくるだと?
ところで、ある物ってもしかしてあれなのか?
あらあら新婚さん?
気がゆるんでるんじゃなくて!?
お蝶夫人風味に。あの人ツンデレだよな。
この際vipに帰る…無理だわな。
質問厨が涌くであろう夏に備えて総合スレへの誘導をするように常連は心がけていきましょうか。
俺の脳内ではアレを着る時はノーパンなんだが。
保守
492 :
見切り新婚:2006/06/25(日) 21:40:47 ID:rgyCy0+10
どうして二度も潜らなきゃならないのよ………
旅の扉ってのは便利だけど、此だけはどうにも慣れないわ。
で此処は…………ムーンブルク西の祠――――
お父様……みんな…………無念はきっと晴らします。
ハーゴンを倒して、貴方達の仇は必ず取ります。
それまで……それまで、お城へは戻りません。
全てに片が付いたら、必ず戻りますから。
わたしが朗報を持って帰るまで、待っていて下さい。
ん……もう良いわ。
……会うも会わないも………わたしのことも判らないのに?
仇を討ってから成仏して貰えば、それで充分よ。
…………もー二人とも、そんな顔してないのっ。
わたしが良いって云ってるんだから、それじゃわたしに失礼ってもんでしょ。
ほぉらっ、お腹も空いたしさっさとムーンペタに行くわよっ!
493 :
通りすがり:2006/06/25(日) 22:56:22 ID:jWv97/Oi0
◇◆◇◆◇◆◇
「…あっつーい…。ひからびそう…」
『魔法の鍵 』の噂を頼りに砂漠の中にあるというイシスの国に向かって数日。やっとのことで
たどり着いた城下町の木陰で、パールは力なく愚痴をこぼした。
「水浴びでもしたいな」
恨めしそうに太陽を見上げるラピスも、疲労の色が隠せずに傍らで寝転がっている。
重い鎧を身に着けての砂の上は想像以上に消耗が激しく、足が棒のようになっていた。
比較的ゆとりのあるようなオニキスが町を散策してくると言い残して出かけてからしばらく、
ぐったりした体を休めていた。
「…そういえば、お前、この間アッサラームの宿でなんかあったのか?」
むっくりと起き上がりながら、ラピスが唐突に言った。
「はい?」
普通に応えたつもりのパールだったが、裏返ったような声が出てしまった。
「…なんかって?」
「たしか、明け方かな」
思い出すように視線を宙にさまよわせるラピス。
「……」
「目が覚めたらオニキスがいなくてな。こんな明け方にどこ行ったんだかと思いながらうとうと
してたんだけど、お前が泊まってた隣の部屋から何か話す声が聞こえたと思ったらすごい勢いで
ドアを閉めるような音がしてすっかり目が覚めたんだよ」
「そ、それで…?」
「もう一眠りしようかと布団をかぶったら、オニキスがばたばたと戻ってきたから何事かと聞こ
うかと思ったけど、そのままベッドに座ってなんだか考えこんでたから俺は寝たフリしてたんだ」
494 :
通りすがり:2006/06/25(日) 22:57:27 ID:jWv97/Oi0
「え、えー…っと」
「…あいつ、夜這いでもしたのか?」
「よばい?」
「…いや、なんでもない」
しまった、という顔をしてラピスは口をつぐみ、慌てて話題を変えようとした。
「なかなか戻ってこないな」
「…どこまで行ったんだろうね」
話題がそれたのにほっとして、パールも同調した。
この間の自分はどうかしてた、と思う。砂漠を歩いている間もさんざん思い返したのだが、
なんであんなことしたのだろうと自分がわからなくなる。焦がしたマントが気になっていた
のは事実だけど、別に夜中にこっそりやらなくたってよかったのじゃないかとか、いや、
あのまま気がつかれずに部屋に戻せていれば…?でも、それはそれでオニキスが不思議に
思うだろう。そんなことをぐるぐる考えながら歩いていたら、たどり着く頃には暑さととり
とめのない考え事ですっかり疲れてしまっていた。
あれ以来、オニキスとはまともに話していない。ここに着くまでは慣れない暑さからか
皆が口数も少なかったし、着いてからも散策してくると言っていたため別行動している。
ラピスが起きていたなんて、とは思ったが幸い話の内容までは聞こえていなかったようだし。
このまま何事もなかったことにしたいような、このままではいけないような。
495 :
通りすがり:2006/06/25(日) 23:23:48 ID:jWv97/Oi0
とりとめの無い考えは、ラピスに遮られた。
「…教会に行くとは言ってたけどな」
「案外そのへんでくたばってたりして」
いつも通りの受け答えを装ってパールは答えた。
「あいつは旅慣れてるから大丈夫だろ。俺たちよりはマシだって」
「誰がくたばってるですって?」
頭の上から、いつの間に戻ったのかオニキスの声が降ってきた。
「ここから北に、ピラミッドと呼ばれる王家の墓があるそうなんですよ。なんでも、
多くの財宝が一緒に埋められたとか」
「財宝?」
「えぇ。ここの教会の神父の話ですけどね。」
「墓荒らしでもしようって言うのか?」
「荒らしはしませんよ。ただね、『魔法の鍵 』の話をこっちでは全く聞かないんですよ」
「だったらそのピラミッドとやらは関係ないんじゃないのか?」
「いや。私は逆に気になるんですよ」
「…ふぅん。まぁ、行ってみるか?」
いまいち乗り気では無さそうに、ラピスが起き上がる。
「行くって、お墓でしょ?」
パールが慌てたような声を上げた。
「怖いんですか?」
「…べ、べつに」
「その前に、城の方に行ってみないか?」
ラピスは、城下町からだいぶ奥まったところに建つ大きな城を指差した。
住人少ないなー
今の内にツンデレは貰っていきますよ
保守
499 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/27(火) 01:40:10 ID:eyY6oxnTO
アゲアゲ
職人さんは結構居るのに住人少ないんだな
もしや住人もツンデレか
べ、別にあなたのために保守ry
執筆係たんマダー?
503 :
見切り新婚:2006/06/28(水) 10:59:40 ID:92oGPuY80
街中というか、どうして街の地下に魔物がいたのかしら。
しかも牢屋に閉じこめられてるし……て事は、誰か閉じこめた人がいたの?
閉じこめられるくらいなら、そのまま退治しておけば良かったのに。
まさか、さっきのおじいちゃん………のわけないよねー。
どう見ても普通のおじいちゃんだし。
精霊の祠とか、其処で紋章が必要になるとか教えてくれたけど。
……竜王の曾孫も強ち嘘をついたわけじゃ無さそうね。
え?今まで手に入れた紋章?
ほら、この星と太陽と水の三つよ。五つって云ってたから、あと二つね。
でも、まさかムーンペタにあるなんて。灯台下暗しとはこの事ね。
………その何か言いたげな顔はなに?
……わ、わ、わ、判るわけないでしょー!!
犬の時は辛くて心細くて、そんな情報を得るどころじゃなかったわよっ!
どっかの誰かさんは可哀相なわたしを、見捨てていこうとしたしねっ!!
……謝って済むなら、憲兵なんていらないんだからっ!!!
新婚・・・なんて卑猥なワードなんだ。
王女…(*´д`)ポワワ
506 :
見切り新婚:2006/06/29(木) 22:53:41 ID:EEpGoZaA0
地下牢に地獄の使いが閉じこめられてるって、どういう事よ。
コナンの妹さん……リアちゃんが捕まえたって?
ちょっと会ってみましょうよ。情報が得られるかもしれないし。
………ふと思ったんだけど、コナンを置いてきた方が良かったのかな。
ウソウソ、ジョーダンよ。そんなこと本気で思うわけ無いじゃない………多分。
い、いきなり襲ってくるなんて、酷いわっ。
それに誰も出してあげるなんて云ってないのに、勘違いしちゃうし。
人の話を聞く耳を教えてあげる人はいなかったのかしら。
………此から先も、学ぶ機会は無くなっちゃったんだけどさ。
そんなことよりっ。
此奴が持っていた此の杖、いかずちの杖よっ。
その名の通り、雷を放って仇為す敵を焼き尽くすと云われる魔法の杖。
本で読んだことだけはあったけど………まさかこんな処で手に入るなんて。
本で見たときからずーっと欲しかったんだぁ…………
欲しいなー……。わたしが使っても良いでしょ…………それとも、ダメ?
いかずちの杖を胸元で握りしめ、上目遣いで訴えてます。
ちょっと唇を尖らせてるとかそんな表情で。
(妄想中)
………それは反則だろう。
とりあえずその王女抱き締めていいですか?
君が質問している間に私はベッドインだ
随分と調子良さそうだねぇ…
ククク…騙されたとも知らずに…
ところで見切り氏のムーン王女は赤帽紫髪なのか紫帽金髪なのか
512 :
見切り新婚:2006/07/01(土) 00:00:55 ID:j26qaGgi0
此処って………ローレシア南端の祠じゃない。
……そうだよ、ってそれだけなの?
もうちょっと色々云うことあっても良いと思うんだけど。
……ふーん、あっそう。
……………………此の大バカ。
なによ、わたしだけが覚えていてドキドキして。
これじゃあ、わたしがピエロじゃないっ。
………そりゃあ覚えてようがいまいが、勝手だけどさ。
昔の話だし、覚えていなくても仕方ないけどさ。
…………わたしにとってあの想い出は、宝物なんだから。
そう、あれは10年ほど前か。
此の身に降り掛かる運命を未だ知らなかった頃の話―――――
投稿しちゃったっ!
こうなったら次回は出たとこ勝負で。
というか、ちゃんと文書にすることが出来るのだろうか。
>>511 そこらへんはあれですな。
挿絵なんてものもないので、皆さんの心の中、それぞれに王女はいると云っておこう。
勿論わたしの心の中にもいるぜっ!寧ろ嫁としtあ、ちょ、うそごめおねgやめrfじゃいえあqwsでfrgtyふじこlp
自宅で嫁×2との3Pなどさせん!
ここまだあったのかww
もう昔のことだし、何より子供の頃のことだ。
其処になんの用事があったのかは覚えていない。
わたしは、両親とお付きの者達と一緒にローレシア城へと来ていた。
大抵、同盟国の何処かに行くときには、楽しいことばかりだったから、
この時もそうだと思っていたんだけど。
数日経っても大人たちは何処かの部屋に篭もりっきりで、
わたしたちの相手をする暇はないようだった。
そうなると、自然、子供だけで集まって遊ぶようになった。
なったんだけど。コナンはこの頃から妹べったりで。
わたしたちより少し年が離れているリアちゃんの面倒を見ることが殆ど。
結局、わたしはアレンと二人でいることが多かった。
此から数回、回想行きます。
毛色も違うしやる必要もなかったんだけど、書いてみたかったんだ。以上。
>>514 自宅じゃないところでおっぱじめることにしますね。
あ、ちょ、うそごめおねgやめrfじゃいえあqwsでfrgtyふじこlp
>>515 頑張って保守ってます。
見切り氏乙
なんと、幼馴染フラグまで立ってしまうのか
俺の中では毎朝おでかけのチューフラグまで立ってる。
お・・・幼馴染・・・なんて卑猥な単語なのだろう。
>>521 お前この前も似たようなこと言ってなかったか?
昨日からSFCのDQ2始めてみたんだが、ローレシア城内に、
「王子に惚れてるけど身分が違い過ぎるので泣く泣く諦めようとしてる女の子」
の存在を確認したのだが、この娘が話に絡んでくるかどうかブツクサ
勝手知ったるは何とやら。
アレンは長年住み慣れた城の全てを把握しているかのようだった。
少なくともわたしからはそう思えたのよ。
だって、先の角に消えた姿を追ったら、わたしの後ろから現れるなんて当たり前。
調理場からの料理のくすね方とか、古くなった城壁から城の外へ出る方法とか。
子供の頃って価値観が違うでしょ?子供心に……こ、子供心によっ!?
不覚にも、ちょっとだけ、す、凄いなって思っちゃったのよ。
でも、もし此がムーンブルクのお城だったら、わたしが引きずり回していたんだからっ。
………まぁね、こう云うのは悔しいんだけど。
アレンのお陰で、大人たちに相手にされない中、楽しい日々を過ごせていたのは間違いないわ。
だけど、ほら。わたしとしては主導権を握られていて悔しいわけじゃない。
だからね、ある時云ってやったのよ。「飽きた」って。
そしたら彼奴、「良いもの見せてやるよ」って云いやがったのよ。
あの年で云う事じゃないわよね。生意気だと思わない?
……………其れは今も同じか。
王女かわいいよ王女
無粋は承知だが書きたくなったので書かせてくれ。
王女を連れて初めてローレシア王と話したときに以下の会話がなされる。
王「おお ムーンブルクの ○○王女 ではないか!心配しておったのだぞ。」
王「お父上や 城の者たちのことは まことに 残念であったが そなただけでも 無事でよかった!」
王「これからは このわしが ○○の 父親がわりじゃ。」
王「こまったことが あったら いつでも わしに いうのだぞ!」
姫「ありがとうございます。ローレシア王……。」
王「うむ……。」
王「息子が 次のレベルに(ry」
時期的に
>>241の直後なのだが、上記の会話から判断して、実はこの段階で
「王女がローレシア王の養女になり、王子の義姉になってしまった」
という変わった見方もできるのではないかと俺は思う。(無理があるかもだが)
>>292の下7行の会話をしてる時にこの事を自覚してるか否かも考慮して読むと、
これまでの面白さ&萌えに新たな側面が生まれて楽しいと感じる俺であった。
いやー、一度はプレイしてみるもんだね。
その見せたいものっていうのは、結構遠くにあるらしくて。
馬を調達するから、夜中にまた出て来いって。
どうしようか迷ったわよ。そんな大層なことが必要だなんて思ってなかったし。
何より、わたしは両親に心配かけるような娘じゃなかったし。
………今、疑ったでしょ。
まぁいいわ。お父様とお母様に迷惑かけてまで何かしようとは思ってなかっただけよ。
だけどね。今もそうだけど、アレンがまた憎らしげに挑発するのよね。
全く、昨日だってあれよ………って話が逸れちゃうわ。
お父様とお母様が寝入った隙に部屋から出るのはドキドキだったけど。
アレンは約束した場所でちゃんと待っていてくれたわ。
なんで遅くなったんだって怒られたけど。仕方ないじゃない、入り組んでるんだもん。
暗い城内を一人で彷徨うのは心細かったし、見廻りの兵隊さんの足音は怖かったんだから。
少しくらい、慰めてくれても良かったと思うわ。
………今も昔も、アレンに其処まで要求するのはむつかしいのかもしれないけれど。
529 :
YANA:2006/07/05(水) 00:28:15 ID:a/WdqLox0
帰還!(遅
最萌・準優勝でした、俺の嫁。パチパチ(訊いてねぇ)
まあよくやったと喜びますぜ。
随分間が空きましたが、これは某エロパロスレに義理を尽くしていた次第。すみませんでしたorz
長期休載、本当に申し訳ないっす。 (´・ω・`)冨樫にでもなったつもりか、俺の野郎
トナメ中体ぶっ壊したり、色々ありましたが、私は元気です。
それでは、予想の三倍ほど長くなってしまった第五節、スタート&今度こそ俺沈黙。
>見切り氏
(他の方の一億周期遅れで)ご結婚おめでとうございますっ!!
トナメで大暴れしてる間に、素敵なことに…イエッフー。
新婚生活満喫してくだせぇ。俺ちゃんは、合間を縫って忘れた頃に爆撃始めますので ノシ
第五節「勇者の挑戦」
始まった。世界の命運を分ける、定めの戦い。
ゾーマは玉座から立ち上がり、眼下の勇者を見下ろす。
ギチリ。両腕の魔爪に力が篭る。
「………」
だが、動かない。大魔王は、無言で、来い、と、そう命じている。
「上等だ。がっかりさせてくれるなよ…!」
初動。深く腰を落とし、敵を討ちに往くゴドー。
――――――ギンッッッ
一合目。振りぬかれた王者の剣が、ゾーマの左腕とぶつかりあう。
「!ちっ」
それだけで、敵の爪が、悪魔めいた硬度・靭度を誇ることを悟る。冗談ではない。これが、生物の体の一部だというのか。
単純な力そのものは、先ほどのバラモスの屍に劣る。だが、そんなことは問題ではない。
確かに奴の一撃は、巨大な城壁を破壊することも、地面に罅割れを作ることも出来ない。
しかし、あの爪は。仮令、小指の一本だけだとしても、人体に掠れば防具ごと接触箇所を持っていくだろう。
例えるなら、バラモスゾンビの攻撃は巨大な槌の一撃。そしてゾーマのそれは―――。
「ふん…」
ギイイイィィィィンッッッ
―――研ぎ澄まされた、豪槍の一突きである。
直撃を受ければ、光の鎧と勇者の盾を以っても防ぎきれるかどうか。打ち合いは回避に比べれば苦手ではないが、決め手に欠ける。
力だけの相手なら、消耗戦でも構わない。だが、ゾーマがそれで終わるはずがない。
奴がどんな隠しだまを持っているかも見えない以上は、彼は本来の自分のスタイルを持ち出せない。
「メラ―――」
数間離れた背後から、アリスの声が上がる。
あの呪文は…恐らくは、彼女の有する、最高の破壊力を持つ魔法。
「ゾーマァッ!!」
ヒュンッッッッ。ゾーマの半身ほどはあろうかという、巨大な火球が、ゴドーの頭上を瞬速で過ぎる。
ゴドーとの打ち合いに及んでいるゾーマは、反応できない。火球は大魔王の顔面に向かって迫り、炸裂―――。
――――――シュンッ
「―――――――――え?」
…しなかった。間の抜けた声が響く。
そんなはずがない。間違いなく、全力で放った。
彼女が知っている限りの最高の呪文を紡いで撃った火球は、しかし、目標に着弾する寸前で、霧散した。
「…!」
驚いたのはアリスだけではない。たった今目の前で展開された光景に、ゴドーもまた狼狽する。
呪文の類?…違う。魔法を反射する呪文であればないことはないが、無効化する呪文など、聞いたことがない。
ならばあれが、ゾーマの、大魔王たる所以―――。
ギンッッッッッ。
「!!」
思考の最中、頭上に振り下ろされる魔爪を、すんでのところで打ち落とす。
ガチンッッッ。受け流された一撃は、タイルの床に穴を穿った。
危なかった。まともに受ければ、王者の剣は無事だろうが、自分の腕では持ち堪えられなかったかもしれない。
ゾーマの攻撃の威力もさることながら、それでなくとも、彼の右腕は―――。
「ちっ…頼むぞ。最後まで、保ってくれよ」
腕が痺れ、本来の感覚の半分ほどを奪われている。
…ゾーマとの戦いに至るまで、百と数回。地上一階での大軍勢への全力の一撃の後、彼が、攻撃に防御に、右腕を行使した回数である。
可能な限りの防御を左腕の盾で行うにせよ、絶対に直撃だけは受けられない攻撃は、やはり利き腕に頼らざるを得ない。
だが、右腕に蓄積された負担は既に限界領域の半分以上。まともにゾーマの一撃を受け止めれば、瞬きの間に剣を取り落とすだろう。
「…何をしている。『一対一』の勝負の最中に、考え事とは」
「―――――――――」
ゾーマが、つまらなげに見下す。
いや、ちょっと待て。奴は、今、なんて―――?
「あまり失望させるな。我とて、遊んでいるわけではないのだ。貴様には、早く目を覚ましてもらわんと困る。お互いにな」
「…は」
悟る。これここに至り、アリスは思い出す。祭壇に立ち、奴と対峙した瞬間を。
ゾーマの目。そして、今の言葉。
『一対一』…奴は、実際の戦いに至って尚。私を、全く視野に、勘定に入れていない。
比喩でも、まして奴の思い上がりでもない。現に、私の攻撃は、ゾーマに、届きさえしなかったのだから。
「アリス。………おい、アリスっ!!」
「っ!」
檄が飛ぶ。
そうだ。何をしているんだ、私は。攻撃が届かない?それがどうした。そもそも私の仕事は、それだけではない。直接的な攻撃が効かないのなら、彼を助けるのに従事するのが、役目ではないか。
「スクルト!バイキルト!」
ミシリッ。唱え慣れた詠唱と共に、二人の体が密度を高める。
そう。私たちは、いつもこうしてきた。生物としての規格、埋め難い性能の差を、呪文の力で覆す。
「往くぞ。さっきまでのようにいくと思うな」
構え、ゾーマへと踏み込む。どんっ、という音をたてて軋むタイルが、彼の身体が今までとは違う力を宿していることを、裏付ける。
ガァァァンッッッ
今度は、拮抗する。先ほどとは比べ物にならない重量を持つ攻撃と、激突の衝撃に揺らがぬ強度を得た体。
二つのハンデを乗り越え、ゴドーの剣はゾーマの右腕の魔爪を弾き返した。
だが、ゾーマのつまらなげな表情は崩れない。怒りも、焦りも、喜びもない。
ただその冷たい瞳は、奴が退屈しているということを示す。
「つっ!!」
王者の剣が、そのままの勢いで、威力を殺され宙に浮くゾーマの右腕を落としに往く。
ザンッッッ
「やった…!」
命中。完全に落とすには至らなかったものの、ゾーマはまともに、ゴドーの斬撃を右腕に受ける。
アリスは初めてゾーマに与えた有効打に、小さな歓声を上げる。
一足、地を蹴ってゾーマから離れるゴドー。ふぅ、と、額に汗を浮かべて、剣を打ち込んだ右腕を左手で握る。
「――――――」
己の右腕についた、斬撃の痕を見つめるゾーマ。
傷の深さは五分…この倍の力で掛かられれば、或いは完全に落ちていたかもしれない。
だが―――ゾーマは知っている。今の彼に、それは望むべくもないということを。
「…こんなものか。貴様の力は」
「…?」
反応は、落胆。傍目にも決して軽くはないはずの負傷を受け、尚ゾーマは冷徹な態度を崩さない。
直後。
「―――――――――スゥ」
呼吸。居並ぶ牙が生え、大きく裂けた口から、深く、大気を体内に送り込む。
「!」
「っ!フ―――」
その動作は、知っている。何度も、つい先ほども、五つ首の怪物との戦いでも目にした、呼吸。
ゴオオオオオオオォォォォォォッッッ
「バーハッ!!!」
ゾーマの口から放たれる、凍える吹雪。瞬時に、周囲の風景が極寒の氷の世界に塗り替えられる。
アリスの機転によって張られた防壁により、彼女とゴドーだけは、その侵食から免れる。
「づ…っ!!」
しかし、ダメージは少なくはない。防壁により退けられた分の冷気が、本来の冷気の奔流と混じりあい、倍の威力で局地的に急速な侵食を起こす。
ズシンッ
ビキビキと音を立てて凍りつき強度を失い、自身の重量に耐えられずに拉げ、崩れ落ちていく石柱が、その吹雪が如何に強大な威力をもっているかを物語る。
「―――す…」
…ゾーマの呼吸の停止と共に、吹雪が止む。
「…詰まらんな」
「なん、だと…?」
周囲を氷結地獄に変えるほどの威力を見せ、尚ゾーマは息一つ乱さず、ゴドーを見下ろす。
目には退屈と失望。悠然と見下すゾーマに対し、ゴドーとアリスは早くも満身創痍で、息も絶え絶えである。
「いつまでその娘に頼っている。―――何度も言わせるな。早々に目覚めろ、雑種」
「何を、わけの、わからねぇこと、を…!」
再度。同じ要求を唱えるゾーマ。
傷だらけの体に鞭打ち、タイルを歪ませ、ゴドーは再び地を蹴る。
それをゾーマは、まるで捨て犬を哀れむ様な冷ややかな視線で捉え―――。
「―――口でいっても、わからぬようだな。なれば、我も少しだけ力を出すとしよう」
スッ――――――。
「!?」
両手を、頭部にかざした。
何をするつもりだ。吹雪や、炎ではない。呪文か?いや、詠唱はない。それでは―――?
―――――――――カッッッッッ
「!!!」
「くっ!?」
閃光。突如、二人に降り注ぐ、凍てつくような波動。
一瞬、何が起こったのかわからず、うろたえる二人。
「く…オオオオオォォォォッ!!!」
ダメージは、ない。ならば、往ける。構わない、奴を、討ちに往く!
ダンッ。
眩い光に衰えた勢いを、もう一度地を蹴る事で取り戻す。だが。
「―――!?」
………その、瞬間。悟った。
彼は、己のこの一撃が、ゾーマに、絶対に、届かないと、いうことを―――。
―――ビチャッ。
「…え―――?」
鈍い、液体が地面に叩きつけられた音。
…その出来事は、ほんの一秒にも満たない間に起こった。
アリスが閃光に目を眩ましたのは刹那。故に、その瞬間を見逃した彼女を責めてはならない。
消えていく光の、その先。ゾーマが光を放ち、ゴドーが切りかかった結果。
影は一つ…あの大きさは、ゾーマ。
………?…ゴドーの影が、見えない。
…否。そうではない。
徐々に慣れてきた目を凝らしてみる。
凝らして、凝らし、凝ら―――――――――
「―――ゴ―――!! ゴドオオオォォォォォォッッッ!!!」
一瞬の絶句。そして絶叫。
彼女の目に映った影は一つ、ゾーマのものだけ。当然である。
なぜならば。
彼女が愛し、彼女が知る限り一度として致命傷を受けたことがなく、どんな状況でも、どんなにボロボロでも勝利を収めてきた、彼は。
「…が…ふ…」
「―――脆いな。この程度で壊れるか、人間とは」
大魔王の左腕。鋼をも紙のように打ち貫く、豪槍の如き魔爪。
かの勇者は。纏ったその鎧ごと。腹を、完全に――――――。
ドスンッ。
「っ………」
左腕を振りぬき、ゴドーの体を崩れた瓦礫に向かって投げ捨てる。
赤い血のぬめる爪を一瞥し、半生半死の勇者に、歩み寄ってゆく。
「だから、早く目覚めろといったのだ。それが人の身の限界だ」
ズンッ。
「人間風情の研究で、我らと同等の能力を得られる魔法を紡ぎだした事は褒めてやろう」
ズンッ。
「だが、そこまでだ。魔力というものは畢竟、世界の力を借り受けて形にしているに過ぎん。
この世界の基盤を手中に収めた我にとって、それを無効化するなど、わけはない」
―――ズンッッッ
「―――最後のチャンスだ、ゴドーよ。我が怨敵として目覚め、我を討ちに来るがよい」
倒れ、身動き一つしないゴドーを真上から見下ろす。
「………」
「………」
数泊の沈黙が、玉座の間を包む。時の流れさえ、この静寂によって萎縮してしまったのではないかというほどの重圧。
だが、その静寂も、無情にも一時として持たなかった。
「…残念だ。我が待ち望んだ幾星霜の尽力の結末が、このような形となろうとはな」
心底、名残惜しそうに、そして冷徹に判決を言い渡す。ゾーマは、ゴドーに反撃の余力無し、と判断した。
スッ。
とどめを刺さんと、もう一度、左腕を振り上げる―――
ゴッッッ、ギィィィィィンッッッ
「…?」
―――ドォォォォォォンッッッ
…振り下ろされた魔爪が、ゴドーの肢体を貫くことはなかった。
代わりに激しい金属音と、直後の激突音が響いた。
「………」
思いがけない衝撃に弾かれた左腕を、訝しげに一瞥する。
ふと、脇に意識をやる。…成る程。
「……つ〜っ…っ!」
ゴドーに向けて振り下ろされた最後の攻撃に、捨て身の妨害を加えたアリスがいた。
強化の魔法も無効化され、ゴドーよりも身体能力の劣る彼女には、横から不意打ちの一撃を与えるのがやっとだった。
それでも、ゾーマの無造作な攻撃を相殺するのがやっとで、彼女は吹き飛ばされて、崩れた瓦礫に体ごと叩きつけられた。
「…何だ。まだいたのか、小娘」
「っ!…くっ…」
つまらなげに、眼下の少女に目線を落とすゾーマ。
この身に受ける、初めての大魔王の直視。
圧倒的な魔の威圧。アリスは押しつぶされそうになる意志を、奮い立たせる。
「あんたに…ゴドーは、やらせないっ!!」
意志を、言葉にする。
…もし。あの時、ゾーマが彼を貫いた左腕を振りぬいて、瓦礫に叩きつけなければ、勝負は付いていただろう。
激突時の衝撃音、あれによって、茫然自失となっていた彼女の自我は、引き戻されたのだから。
「…そうか。貴様如きがどれほどの暇つぶしになるかどうかは知らんが。よい。
その身、我が失意の捌け口とし、嬲り者にしてくれよう」
ゾーマの目に宿る、明確な殺意。先ほどまでの詰まらなげな怠惰は、微塵もない。
あれこそが、戦いに臨む際のゾーマの目。加減も、情けも、手抜きもない。
こと、殺す≠アとに関し、奴は絶対に、妥協はしない。
「のっ…上等よっ!」
恐怖と絶望を、激昂で押し戻す。
分かっている。ゴドーがまともにやってあれなのだ。私なんかがどれだけやっても、時間稼ぎにしかならない。
―――けれど。私はあいつを、信じたい。稼いだ時間の間だけでも、あいつは生きられる。
生きている限り、あいつは絶対に諦めないから。もしかしたら、万が一にも、あいつは―――。
だって、あいつは。やる、と決めた。あいつの意志は、曲がることはあっても、折れることなんて、絶対にないのだから―――!!
「来るがよい。暫し、遊んでやる」
トンッ。
一足飛びでゾーマから離れ、地面を踏み鳴らす。
「スゥ…」
…全力で、魔力を込める。倒せなくてもいい。届かなくてもいい。
奴の意識をこちらに引き付けるだけでも…!
「メラゾーマァァァァァッッ!!!」
ボシュンンッッッッ。
アリスの両手から、巨大な火球が放たれる。
大きさこそ先ほどと変わりないが、高密度に圧縮された魔力は、マグマの如き高熱を滾(たぎ)らせ、ゾーマに飛来する。しかし。
「―――マヒャド」
ビュウウウゥゥゥォォォォッッッ
「!!」
一瞬にして、吹き飛ばされるアリスの体躯。
ゾーマによって紡がれた最大級の凍結魔法の吹雪は、彼女の火球を一息で掻き消し、彼女の体を勢いよく壁に叩きつけた。
「ぐ…ふっ!」
体内から逆流した血液を、吐き出す。
悶えながら、彼女は己の浅はかさを呪う。
…甘かった。時間を稼ぐ?馬鹿な。あの怪物を相手に、私なんかがどれだけ持つというのだ。
現に、見ろ。魔法は奴に届くどころか、逆に私共々返り討ちだ。
「ふむ…一撃と持たぬか。せっかく相手せずともよい攻撃に、我自らの力で対抗してやったというのにな」
剣を支えに、よろめき、立ち上がるアリス。…遠くでゾーマが何かいっているが、よく聞こえない。
…まだ。まだ、持って欲しい。私の体…!
バギンッ
「がはっ…!!」
突如、額に何かが飛来する。
からん、と足元に落ちたものは、凍りつき、崩れ落ちた石柱の破片であった。
「そこにおれ、下郎。直に散り往く命だ、我が花を添えてやる」
くつくつ、と冷笑を浮かべ、アリスに歩み寄っていくゾーマ。
寄りながら、ゾーマは脇に積みあがった瓦礫の山の破片を掴み取って―――投げる。
バギンッ
「ぐっ!」
今度は、右腕。
先ほどの破片、どうやら、ゾーマの投げつけたものであったらしい。
ズンッ
「――――――最後に訊こう。娘、ゴドーは貴様にとってのなんだ?」
「え…?」
突然の問い。何故、そんなことを聞くのか。
これから殺す、ましてやゾーマにとって取るに足らない私の、何に興味があるというのか?
ズンッ
「答えよ」
「…二年前よ。あたしが、あいつと会ったのは」
え―――?なに、を、いっているんだろう。私は。
なぜ、こいつの問いに、答えて…?
ズンッ
「二年か。短い時間よな」
「ほっときなさいよ。…最初は、変で、自分勝手で、危なっかしい奴だな、位にしか思わなかった…
でも、おかしいのよ。あいつの色んな顔を見るうちに…だんだん、あいつのことしか、考えられなくなってった」
え?え?え?ちょっと、どうしたっていうの、私。
そんな、いわなくてもいいこと、どうして―――?
ズンッ
「………」
「…私は、あいつの事が好き。あいつは何度も、私の為に命を懸けてくれた。
だから、あたしも―――」
…ああ、つまり。
私は、もう、心を外に吐き出しでもしないと耐えられないほど、まいってしまっていると、いうことなのか―――。
「あいつの為なら、命を懸けられる」
ズンッ
「………」
凛、とした、儚くも力強い言葉が、玉座の間に静寂を作り出す。
彼女の答えを聞き終え、ゾーマは、先ほどの詰まらなげな表情とは別の、無表情で佇む。
「…それだけか。娘」
「………ええ」
数秒の間。そして。
「………我はな。己の存在の意味を知らぬ」
アリスの眼前まで迫り、彼女を見下ろし、語りだす。
その言葉は、不思議と、穏やかに聞こえた。
「生まれ出でて、千と数百年。我は己に関する全てが分からぬ。
何処で、何故、何によって、何のために生まれたのか。我は知らぬ。だがな、我には一つの確信があった。それは―――」
――――――宿敵への、憎悪。
「…宿敵への…憎悪?」
「そうだ。我の内に存在する、確かな敵への憎悪。我はそれだけを糧に今まで生きてきた。
世界を手に入れ、引き裂き、別の世界にも軍勢を放ち、創世の神すらそのためには踏み台とした。
千に届く永き闘争、尽くせる力と時は惜しみなく注ぎ込んだ。そして、今、我が宿敵は来た。だがっ!!」
ドンッッッ
「ぐっ…!!!」
激しく、しかしそれでいて抑揚なく怨嗟の言葉を口にするゾーマ。
最後に一度だけ激昂し、アリスを頭上から殴りつけた。
辛うじて盾で防ぐも、圧倒的な質量に、地面に押し潰されそうになる。
「奴は我が敵≠ナあるにも拘らず、あろうことか矮小な人の身で我の前に現れた!!
我が手段を講じ、忠告し、体に人の身で我と戦う絶望を教えてやったというのに!!
あやつは、敵≠ニしての目覚めを拒み、早々に死に絶えた!!
それでは意味がない!我が敵≠ニして覚醒した彼奴をねじ伏せ、蹂躙し、絶望の泥を啜らせなければ!!
そのための、数百年の尽力の報いがこのような茶番に終わった我が失望、貴様に分かるか小娘ッッッ!!!!」
ドンッ、ドンッ、ドンッ、ドンッ、ドンッ
「っ!…っ!!」
ゾーマは激昂とともに、彼女を何度も打ちつける。
…その姿には、先ほどまでの大魔王として威厳はない。
凄まじい形相とともに、彼女を殴りつける様は、さながら、八つ当たりであった。
「アイツノコトガスキ?ふざけるなッ!!たかだが二年程度の思い、我が永劫の徒労、道化に比べれば塵芥にも等しいッ!!!
失せよ小娘、貴様の儚き思いごと、彼奴も無間地獄に叩き込んでくれるッッッ!!!」
「!!」
ブンッ。
ゴドーを貫いた、必殺の一突き。彼女の命を絶とうと、ゾーマの左腕が上がる。
今度こそ、ゾーマの一撃はアリスの防御ごと、その体を縦に引き裂くだろう。
彼女は、破片に割られた額から滴った血に染まる視界で、他人事のようにそれを、見つめた―――。
―――ライデインッッッ!!
「!!」
「ぬ―――」
ピシャァァァァンッ。
突如、ゾーマの頭部に走る、落雷。この魔法は、そう、彼の、勇者だけのもの。
「…よう。…はぁ…あんまり、そいつを虐めてくれるな…はぁ、くっ」
彼女とゾーマのやり取りは、無駄ではなかった。
彼女が稼いだ時間を、息も絶え絶えだが、ゴドーはきっちりと、生き残ってきたのだ。
「…っ!!」
「…ゴドーか。あの状態から、如何にして復活した?」
疲労と負傷で膝を突き、遠く、彼を認め破顔するアリス。彼の名を呼びたいが、体が軋んで上手くゆかない。
そして、振り向いて彼を捉えるゾーマは、彼の魔法などまるで効かぬと、大魔王の威厳を取り戻し、問いかける。
「世界樹の葉、全部使った。出し惜しみは、なし、だ…はぁ」
ぐらり。視界が霞む。
血が足りねぇ、と、彼は思案する。傷口は塞がったものの、流した血液は戻らない。
「そうか。…くくっ、嬉しいぞ、ゴドーよ。貴様がまだ生きていてくれるとはな。
さぁ、今度こそ目覚め、我を楽しませるがよい」
「うるせぇよ。目覚めなんか知るか。俺は、俺のやりたいようにやるだけだ」
よろめく体を強引に叩き起こし、ゴドーはゾーマに向かって吼える。
完全でない状態で、それでもゾーマの直視をまともに受け止めることが出来るのは、やはり彼が勇者である故か。
「…まだ、分からぬか。もう飽いたぞ。ならば、好きにするがよい」
ズンッ、ズンッ。
ゾーマは何を思ったか、アリスから離れた場所まで歩き、遠く彼に正面から向き直って、腕組みをした。
「何のつもりだ、それは」
「小娘は最早、虫の息。立つことさえままならぬだろう。今度こそ正真正銘、一対一の戦いが出来るというものだ。
貴様の出来る、最高の一撃で、我を討ちに来るがよい」
顔に歓喜と冷笑、二つの悦びを浮かべ。ゾーマは大仰に手を広げる。
「我は一歩も動かぬ。この位置なら、小娘にも当たるまい。どうした、好きに撃て」
醜く口端を吊り上げるゾーマに、ゴドーは鋭い視線を向けて、口にする。
「――――――上等だ。後悔するなよ」
…右腕の剣を構え、覚悟を決める。
―――その覚悟がどれほどのものだったか。彼以外の、アリスでさえも、誰が予見できただろうか。
「…は」
戦慄する、アリス。
あの構えは―――自分は知っている。
いけない。止めないと。いくら、他の攻撃が通用しないからって。あれ、だけは―――!
「だ…め、ゴ…!!」
言葉が、言葉にならない。
何か。せっかく、彼が立って、また二人で戦えるのだ。何か、ゾーマを倒す決め手を、何か!
「うああああああぁぁぁぁっ!!!」
キュゥゥゥウゥンッッッ
風が、王者の剣の刀身を中心に、逆巻き始める。周囲の空気の法則を完全に無視し、その配列を組み替えてゆく。
やがて、旋風は竜巻に、竜巻は荒れ狂う暴風へと、その姿を変える。
その工程を眺め、ゾーマは更に口端を歪める。
「…よいぞ。その力、込めれば込めるほどに…!」
「ゴ…!」
何か。ゾーマの、大魔王の力を削ぐだけでもいい、奴の、邪悪な者の力を何とかする、何か―――!!
―――――――――ドクンッ
「あ…」
そうして。必死の思考の果てに、彼女の脳裏に浮かんだ物が、一つだけ、あった。
そう。どうして、今まで忘れていたのか。旅の中、地上で最後に訪れた城。そこで竜の女王から賜った―――。
「…!…っ!!」
ゴドーに、すぐさま攻撃を中止するよう懇願しようとする。だが、体が軋み、悲鳴を上げる。
彼女の叫びは言葉にならない。今にも剣を振りぬかんとする彼に、どうにか伝えようと、必死に声を絞り出そうとする。
だが―――。
「………」
「…ぇ…っ」
彼は、目で、その申し出を断った。
…アリスの思いは、伝わっていた。ゴドーは遠く、アリスの身を案じ、意識を向けていた。
その彼女が、同様に自分の身を案じて、それ≠教えようとしたことに気づいた。
しかし。彼はそれを、できない、と蹴ったのだ。
…否。そうではない。彼は初めから、知っていた。その上で「しなかった」のである。
彼にとっては、彼女が今まで「それを忘れていたこと自体が好都合」だった。
何故ならば。彼の賭けは。文字通り、死と隣り合わせの、勝算などあるかどうかも分からない、絶望的な勝負。
そんなものの負担を、彼女に背負わせてどうする。
彼女は、自分の賭けについてきてくれるといった。それで、十分。
もらえる勇気はもらった。だから、最後は、自分の手で―――。
「――――――往くぞッッッ!!!」
ギュオオオオオオォォォォォォッッッッッ
限界まで蓄積された暴風の塊。
ゴドーの振りぬいた剣から解放され、主の敵を討つために迸る。
「っっっ!!」
瞬間。ゴドーの右腕に、びしり、と激痛が走る。
最大出力の王者の剣の能力行使、その二度目。人の身である彼が、無事であるはずがない。
だが、支えねばならない。この一撃を打ち終えるまでは、どうあっても!
「っ!!」
ギリッ。
左腕の盾の柄に腕を通し、肘までねじ込み、空けた左腕で右腕を握りこむ…!!
ゴオオオオオオォォォォォッッッ
「………」
迫り来る、大気の断層。それを目の前に、ゾーマは怯む様子もない。
微動だにせず、それは寧ろ、その攻撃が来るのを、待ちわびているようで―――。
ゴッッッッッ
…直撃。宣言通り、その場から一歩も動かず、ゾーマは荒れ狂う暴風の波に包まれた。
周囲の既に崩れていた内壁の瓦礫も巻き込み、ゴドーの正面に吸い寄せられ、吹き飛んでいく。
ドシャァァァァンッ
向かいの内壁に風穴を開け、バラモスゾンビの現れたとき以上の破壊を行い、暴風はその動きを収めてゆく。
巻き上げられた粉塵が辺りを包み、何度目かの静寂が、辺りを支配する。
「………」
「………」
アリスは困惑しながら、ゴドーは右腕の激痛を耐えながら、土煙が晴れるのを待っている。
あの一撃を受け、ゾーマがどうなったか。数千の魔物を塵と化した大気の断層である、通常なら一秒と持つまい。
だが。相手はあの大魔王である。常識が通じる敵では、ない。
「気は済んだか。雑種よ」
「!………そ…な」
「………」
静寂を引き裂く、魔王の声。
土煙の晴れた先に現れたのは、無傷のゾーマ。
…アリスは、信じられない、と口の動きだけで小さく呟いた。
奴の守りは、あの魔物の大軍勢の更に数百、数千倍の上を往くというのか。
あの攻撃は、紛れもなく、自分たちの出来る最高の威力の一撃である。
それを受けて尚、無傷。
「…くっ」
ドシャッ。痛みに、遂に膝を突くゴドー。
…加えて、ゴドーは再び満身創痍。損失は、あまりにも大きい。
「噂違わぬ、王者の剣。何世紀か前に砕いておいたのだが、貴様が持っていると知ったときは多少驚いたぞ。
だが、それを恐れたのも昔の話だ。ルビスから覇権を奪い、この闇の世界に守られる今の我には、恐るるに足らぬ」
こきり、と首を鳴らし、ゾーマは悠然と語る。
これまでか、と、アリスが目を伏せようとしたその時。視界に、彼の目が映る。
「………っ」
あの目。彼はまだ、諦めていない。それどころか、ここからが勝負だといわんばかりに、闘志に満ちている。
まともな攻撃は効かず、右腕を負傷し、王者の剣の暴風も通じず、これ以上、何をするつもりなのか。
今更、あれ≠使ったとしても、どれほどの勝算足りえるか。
「…なんだ、その目は」
ゾーマも、ゴドーの向ける目を認め、顔を顰める。
当然だ。ここまで、自分は少なくとも三度、奴の勝利への一手を悉くへし折っている。
それなのに、あれはなんだ。何故、あんな目が出来る…?
「…はぁ…ふ、何だ、諦めて、欲しいのか…?ゾーマ」
ニヤリ、と、挑発するように口元を吊り上げてみせる。
だが、素人目にも分かる強がりだ。
腹部に穴の開いた鎧。剣を取り落とした右腕。脂汗を額に浮かべ、腕の激痛に耐えるのがやっとの状態。
こんな様でこれ以上、何をするというのか。
「何のつもりか知らぬが…今の貴様では、万に一つの勝ち目もないことは自明の理。それが分からぬわけでもなかろう。
よもや、今の一撃を手加減していた、などということもあるまい」
「ああ…間違いなく、全力、だったよ。次の手段を、考えないと、な」
「っふざけるなァッッッ!!!」
ビシンッ。
大気が震えるほどの咆哮に、ひび割れた石柱が新たに崩れ落ちる。
「何故そうまで目覚めを拒む!何度いえば分かる!貴様は目覚めぬ限り、我には勝てぬ!!
ああそうだ、仮令、貴様に無限の命があり、数百年戦い続けたとしてもな!!」
「…目覚め、目覚めって、うるせぇな。何を言ってるのかわかりゃしねぇ」
ゴドーは、心底うんざりしたように、眉間に皺を寄せる。
それを見て、ゾーマは更に激昂する。
「っ…よかろう!百歩譲って、貴様が目覚められないとしよう!! だが、それではどうする!?
貴様は何故、この勝ち目のない勝負を挑む!!」
「………」
「答えよッッッ!!」
ビシビシッ。
激昂に次ぐ激昂。辺りの石柱が引っ切り無しに軋み始め、その罅を音を立てて増やしていくのが分かる。
ゴドーは目を伏せ、暫く黙り込む。
二人のやり取りを固唾を呑んで見守っていたアリスも、彼の真意を聞きたくて、息を潜める。
――――――ドスンッッッ
罅割れが限界を超え、一際巨大な石柱がゾーマとゴドーの間に倒れる。
それが、合図。
ゴドーは目を見開き、ゾーマを真っ直ぐに見据え、口を開いた。
「――――――決まってるだろ。守りたい世界が、あるからだ」
「―――な―――に…?」
「ゴ…?」
―――淀みない、答え。
それを聞き、戸惑ったのはゾーマだけではない。アリスもまた、あっさりとした彼の答えに、ぽかんと口を開ける。
彼は、更に続ける。
「これが俺だけの喧嘩なら、まだ諦めてもいい。だけどな。
俺の住む世界も、このアレフガルドも。死なせたくない人たちが、沢山いる。
この手に掴める限りの全てを、俺の手で救いたい。だから、完全に出来ることやり尽くしてから死ぬまで、諦められない」
…ちょっと、待て。あいつは、一体、何を言って―――?
「それが―――俺の、生き様だ」
もう一度、ニヤリ、と不敵に微笑むゴドー。
「―――――――――」
数泊の沈黙。ゾーマは固まったまま、彼の言葉を聞き終える。
「………」
「………」
…実際には、十秒と経っていない時間は、アリスにとっては何時間にも感じられた。
だが。
「ク―――ハハハハハハハハハッ!!!」
その沈黙は、嘲笑によって、終わりを告げた。
「ああ、つまり、なんだ。貴様は、そんな、見当違いの自己満足を支えに、意地を張って我と戦ってきたということか!
クハハハハハッ!!こいつは良い、とんだ茶番だッ!!!」
響く、ゾーマの狂ったような高笑い。
ゴドーはただ、未だ強い意志を湛えた瞳で、それを見つめる。
…笑い出したいのは、アリスも同じだった。
あれほど強い言葉で、あれほど確かに誓った思いが、結局、何も変わっていなかった…?
今すぐ、彼を問いただしたい。そうしない内には、死んでも死にきれない。
――――――ああ、あいつが、ここに来る前に。自分を殴ってくれといっていたのは、こういうことだったのか?
成る程。悔しいが、殴っておいて良かった。だけれど、殴り足りない気もする。
やっぱり、ああいうのはその場の怒りに任せてぶん殴らないと片手落ちだと、彼女は悔しがった…。
「ハハハハ…フゥ」
やがて、一頻り笑い終えたゾーマは、再び、ゾッとするような冷笑を浮かべ、ゴドーに語りかける。
「―――よい。ならば、話は簡単だ。要するに、貴様は、そのマモリタイセカイとやらがあるから、諦めないのだな?」
「………」
無言を肯定ととり、ゾーマは彼を見下し、結論を口にする。
「なれば、それを摘み取ろう。しかとその目に焼きつけよ――――――!!」
「え―――?」
「―――!」
ゾーマは、禍々しい魔力を放出しながら、己の玉座の上方を指差した―――。
・ ・ ・
〜ラダトーム城・玉座〜
「………ふぅ」
アレフガルド唯一の、王を据えた町。ラダトーム。
その玉座の間は、相変わらずの、どんよりとした倦怠感に包まれていた。
「王様…」
「…のう、大臣よ。先日来た勇者…ゴドーといったか?以後、消息は掴めたか?」
「いえ。…最後にこのアレフガルドで目撃されたのが…マイラの村の武器屋、とのことで、それが凡そ一ヶ月前です。
それ以後は、何も…」
大臣の報告に、ラルス王も、肩を落とす。
「やはり、駄目でしたか…ゾーマは、誰にも」
「いうでない…」
更に重苦しくなる空気。
だが。その倦怠感も、すぐに終わりを告げた。
お、お、お、王様ーーーーーーッッッ!!!
ダダダダダ、ダンッ。大声で王を呼びながら、一人の歳若い兵士が玉座の間へと階段を駆け上がってきた。
「…?なんじゃ…騒々しい。聞こえておる」
「ししし、失礼しました!ですが、ですが、王様―――!!」
―――!―――!?―――
「――――――なん、じゃと…!?本当か!?」
ざわ…ざわざわ…。
弛緩しきっていた玉座の間が、突如、緊張に包まれ、騒然とする。
なぜなら。彼の報告は。
「間違い、ありません!展望台の兵が確認いたしましたッ…!!現在、この…この、ラダトームに…ッッッ!!」
東・西・北、三方から魔物の大軍勢が向かって来ていますッッッ!!!
・ ・ ・
オオオオオオオオオオオオオオォォォォォォッッッ!!!!!
「………なに…よ…アレ…」
「―――――――――」
あまりの光景に、アリスは体の痛みも忘れ、言葉を漏らす。
ゾーマの指差した先。玉座の上方に、突如として映し出された、遠方の光景。
最初に映ったのは、見覚えのある町並みの俯瞰。数泊だけそこで止まり、直ぐに場面は切り替わった。
―――そして。次に映し出された、絶望的なモノ。
千や二千では利かない、万単位―――大聖堂でゴドーが蹴散らした魔物の、数倍、或いは数十倍。
あれを遥かに凌ぐ、魔物の軍勢。草原や丘を埋め尽くし、最早黒い塊にしか見えない。
それが意味する答えは、一つだけ。
失意に苛まれる少女と、完全に目を伏せてしまっている勇者を前に、ゾーマは冷ややかに笑う。
「クククッ…分かるな、ゴドーよ。今より数刻の後、あの町、ラダトームは奴らに滅ぼされ、草木一本残らぬ廃墟となる」
「そん…な…」
目を見開き、明らかな絶望を見せるのはアリス。ゴドーは尚も、目を伏せたまま。
ゾーマは構わず、言葉を続ける。
「だが、それだけではない。今、貴様が見ているこの光景は、アレフガルドの基盤を操作し、我が魔力によって投影されている。
同時に、これをアレフガルドの、好きな場所に投影することも可能ということだ。…意味が分かるか?」
「…それって…つまり」
「勘が鋭いな、小娘。…ゴドーよ、聞け」
ゴドーに目を向けるゾーマ。だが彼は、姿勢を崩さない。
「このアレフガルドに存在する、全ての町・集落、凡そ人のいるであろう場所に遍く!
ラダトーム城が魔物に蹂躙される様を見せ付けよう!
待っているのは、世界の絶望と諦観だ!この世界の人間どもは、もう二度と希望を持とうなどとは思うまい!
持てば、かの町のように滅ぼされると、恐怖し、この光景が脳裏に蘇るであろうからな!!
本来、目覚めた貴様に絶望と無力感を与えるために用意した趣向だったのだが―――よもやこのような形で使うことになろうとは!
分かるか、ゴドー!?貴様が礎とし、守ろうとしたものは、二度と目覚めぬ永遠の闇、絶望の夜に包まれるのだ!
さあ、これで満足か!?ならば、早々に目覚め、我を殺すがよい!!!クハハハハハハハハハハハッッッ!!!!!」
…大きく裂けた口を更に広げ、狂ったように笑い、醜い顔を邪気に染めるゾーマ。
「………」
アリスは絶句し、恐怖と悲しみのうちに、ただ呆然と目前の光景を見つめる。
あんまりだ。あれだけ悩んで、あれだけ頑張って、あれだけ戦った結末が、これだというのか。
それでは、あまりにも報われない。私も、協力してくれた、多くの人々も、そして。その何倍も、こいつが
彼女が失意と絶望に飲まれ、闘志を完全に折られそうになる。
だが。忘れてはならない。彼女の相棒は。ただの一度も、失意も、絶望も、諦めも、口にしていないということを。
「―――――――――なあ。勇者ってさ。どんな奴のことを言うと思う?」
「「――――――は…?」」
ゾーマの高笑いが、止まる。否、止められる。
アリスもまた、折れそうになる心を、彼の闘志に満ち溢れた言葉に、支えられる。
その言葉は、今までの、どんな言葉よりも。
雄弁に、この戦いが始まったばかりで、勝機と希望に満ちたもので、報われたものだということを、語った。
「なん…だと?」
「初めは…疑問も持たなかった。勇者って、そもそも何なのか。
でも。あれから、ずっと、考えていた。…バラモスを倒して、アリアハンに帰って、アレフガルドに来て、アリスと言い争って。
アレフガルドを見て回って………そして。それが、俺の答えだ」
「何を…貴様、何を言っている…!?」
何故だ。奴の希望は、完全に砕いたはずでは、なかったか。
だというのに、何故、奴はあんなにも息づいている。何故、あんなにも力強く語る!?
ゾーマの、激昂でも、失望でも、愉悦でもない。生まれて初めての、狼狽。
大魔王は、今このとき、最初の恐怖を体験しているのだ。
「勇者…数百、数万の敵を、たった一人で滅ぼせる超人のことか?…違う」
目を伏せ、語りながら。彼は、懐に左手を入れ、何かを探る。
「世界中の人を、一人も死なせず脅威から守りきれる英雄のことか?…違う!」
ダンッ。
最早、握力を失い、満足に物を持つことも出来ない右腕を床に叩きつけ、杖代わりにして立ち上がる。
「!!」
有り得ない。我が、怯えているというのか。
相手は目覚めてすらいない、矮小で脆弱な、死にかけの人間。それなのに、何故。
我が本能が、後退を、命ずるのだ―――!
「勇者って言うのはさ―――」
ゴドーが、伏せていた目と、面を上げる。
彼が。苦悩と長い旅路の果てに辿り着いた答えを、そこに、提示するために。
「…ゴドー…」
アリスは見た。希望と確信に輝く、ゴドーの瞳を。
ああ、これこそが。こいつが見つけた、本当の、答え―――。
彼女はここに来て初めての微笑で、彼の戦い≠フ始まりを見届ける。
「人に。自らの足で歩き出すことを、教えてやれる奴のことさ―――!!」
ゴドーが、懐の左手を抜き放つ。
握られているのは…光の玉
―――地上、最も天界に近い城で、己が命と引き換えに新たな命を残そうとしていた、竜の女王から預かった神器。
そして。アリスが薄れゆく意識の中で思い出し。彼が、今、この瞬間まで隠していた、切り札。
「往くぞ、ゾーマ―――ここからが、本当の戦いだ…!!」
カッッッッッ
「ぐっ―――っ!!?」
「―――っ!?」
その瞬間。アレフガルドは、ほんの刹那であったが、等しく、眩い光に包まれた―――。
…アリスワードによって伝えられた、勇者ゴドーの変遷については、既に述べたとおりである。
だが、一つ、不可解な点が残る。
アリスワードと『偽神のノート』の食い違い。
闇の世界、アレフガルドに関する記述は、殆ど同じ。
又、アリスワード内にも、ライナー女史の名は、彼女とゴドーに近しいものとして、確かに刻まれている。
今更、彼女の自伝の内容に異論は挟むまい。
で、あれば。
「その食い違い」は、何故起こったのか。
アリスワードの文末には、それについての記述が一切語られていない。
ならば、「それ」は、勇者ゴドーの独断によって行われたということか…?
そして、少女アリスがそれを知ったのは、手紙を地下に収め、最後の決戦に赴いた後ということ。
一方、問題の偽神のノート。
こちらには、勇者ゴドーの伝説に関して、唯一つ「アリスワードにない」ことが、記されている。
…個人的な見解ではあるが。
勇者ゴドーという人物の人間性に目を向けるのならば。この「唯一つの相違点」こそが最も重要なのではないか、と、思うのだ。
彼が、長い旅の果てに出した答え。
恐らくは、万人に認められるものではないだろう。
常軌を逸して―――いや。既にアリスワードを読み、真実を知った我々にとっては、何とも彼らしい、と寧ろ納得できるだろう。
今まで彼の伝説の真実が、アリスワードと偽神のノート以外からは徹底して語られなかった理由。
伝説を語る上では不要だが、彼という人間の生き様の辿り着いた答え。
知りたくば、もう一度。既に読みつくされ、誰もが出鱈目だと鼻で笑った、別の世界の人々の戦いを。
その目に、焼き付けねば、ならないだろう…。
もう投下完了かな?書き込んでいいかな?
YANA氏キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !
ラストバトル燃えます!!!
YANA氏ktkr!!!!!
YANA氏キテター
いよいよラストバトルだっ!
うおー!目が離せねえ!
今なら其れこそ手足のように操ることだって出来るのよ。
あの時を境に習い始めたから。やっぱり悔しいじゃない、彼奴にばっかりいい顔させるのは。
でもね、当時は全くもって乗れなかったの。
と云うより乗馬したこと無かったし。文字通り箱入り娘だったからね。
最初アレンは馬を二頭連れて行くつもりだったらしいけど。
わたしがダメじゃ一頭空いちゃうでしょ。だから一頭だけ連れていくことにしたのよ。
アレンが馬を駆って、わたしが後ろでしがみつけば用は足りるでしょ?
………今はどうだか知らないけれど、当時のアレンの乗馬は下手だったわ。
だって、少しも行かないウチに気持悪くなっちゃって。揺さぶり過ぎなのよ。
彼奴はわたしが酔い易いからだって云ったけれど、お父様の後ろに乗ったときは快適だったもん。
結局、夜闇の中。月明かりを頼りに馬を牽いて歩くことになったの。
そりゃあ、確かにわたしが悪いんだけどさ。
最初に何処行くとも云わなかったアレンだって同罪だと思わない?
今と違って旅慣れた健脚じゃあるまいに。直ぐに足が痛くなっちゃったわ。
YANA氏キテル━━━━(゚∀゚)━━━━!!
なに此の激燃え最終決戦。闇ゾーマ様のトンデモぶりが素敵過ぎ。
いやがおうにも、自分の立てた最終決戦プロットに自信を無くすぜっ!!(そこかよ)
取り敢えず、YANA氏の燃え展開の合間にどーぞ。
どちらの作品もこの先の展開が激しく気になります
浮上
それは期待の表れ
断っておくけど、わたしだって最初から駄々捏ねてたわけじゃないのよ。
馬で走れなかったのはわたしの所為なんだから、ちゃーんと歩いたの。
足にマメが出来て潰れるまでは。
さっきも話した通り箱入り娘だったから、自分の足で歩いた事なんて殆ど無かったし。
幾ら草原と云ったって、平らな歩きやすいわけじゃないし。
まぁ、結局の処。足が悲惨なことになるのも時間の問題だったというわけ。
………だけど、どうして其処まで我慢したんだろ。
でね、流石にその足で歩けるほど強くなかったのよ。子供だったし。
その場に座り込んで泣くことしか、わたしには出来なかったんだ。
アレンにどんなに急かされても、もう一歩も動けなくて。
置いてくぞって云われても泣くばっかりで。
だけどわたしは一歩も動けなかったし、云ったもののアレンが立ち去る気配は全くなくて。
どれだけ時間が経ったのかな。わたしは泣き疲れちゃってボーッとしてたんだ。
痺れを切らしたのか、どうにかしないと思ったのか理由はわからないけれど。
アレンは大きく一つ溜息を吐くと、わたしの目の前で背中を向けてしゃがんで「掴まれよ」って。
最初、耳に届いた言葉の意味が判らなくて、キョトンとしちゃったわよ。
おんぶ・・・ああ、なんて卑しいんだ。
卑しいのか!
日付がかわるまでレスが無ければ王女は俺の物。
そうはさせん
>>570 王女はわたしの嫁だっ!!他のヤツにはやらんぞっ!!←酔っぱらい
>>572 随分と調子よさそうだね…
クク…騙されたとも知らずに…
今思い出すと。
あの莫迦は、結局あの頃から体力莫迦だったって事ね。
だって、結局わたしを背負ったまま、あの距離を歩ききったんだから。
疲れてたり眠かったりで、わたしは背負われている間、眠っちゃってたんだけど。
………彼奴、あの頃から身体を鍛えてたのかしら…………勿論少しは悪かったと思ってるわよ。
わたしが目を醒ましたとき、目に映ったのは彼奴の横顔だった。
歯を食いしばり、前だけを見て歩くその顔。
背負われている自分が急に恥ずかしくなって下りるって云ったんだけど。
あの莫迦、絶対厭がらせに違いないわ。寧ろ、逆に下ろさせないようにしたのよ。
全くもう、ホント意地が悪いったらありゃしない。
アレンが見せたかったのは、ローレシア南端の岬、其の祠に掛かる朝焼けだった。
いや、綺麗で有名だったのは夕焼けだったんだけど。
夕焼けが見られるときに着くように抜け出すことは無理だったし。
何より、朝焼けも夕焼けも似たようなものだろとは、着いてからの言。
全く、あの莫迦。何でもかんでも似ていれば良かったって話じゃないでしょうに。
………でも。アレンが見せたかった光景よりも。
朝焼けに映る、得意げな笑い顔はハッキリと心に残ってる。
………今から思い返してみれば。例えあの時のわたしが自覚していなくとも。
多分あれが。悔しいけれど、わたしが恋に堕ちた瞬間だと思う。
此が王女の原体験。
幼馴染みって、きっとファンタジーなんだと思います。
現実でいる人間なんていねぇよっ!!(血涙)
ちょっと酔いが覚めました。
王女の回想は、あと一回で終わりの予定です。
そしたらデルコンダルを経て、怒濤の後半突入ですね。
………ホントに怒濤になるんだろうか。
ちょっとだけ、その後の話をしましょうか。
目的を達したからだろうか。アレンはその後、直ぐに寝てしまった。
其れまで寝てたから、わたしを背負っていたアレンに及ぶべくはないけれど。
彼奴の寝顔を見ていたら眠くなっちゃって。
彼奴と一緒に馬の腹にもたれかかって、眠りこけちゃったのね。
次に目を醒ましたのは、地響きが聞こえたからでね。
お迎えが来たのよ、大軍の。少なくとも当時のわたしからしてみれば大軍に思えたわ。
場所がなんで判ったかっていうと、この時、コナンも誘ってたけれど、断られたのよね。
アレンがなかなか首を縦に振らないコナンには、何処に行くかも話していたみたいで。
そんなわけで、彼から聞き出したお父様連合が凄い勢いで捜索しに来たわけ。
………あとからしてみれば、あの状態で同じ道をもう一度往くのは大変だったでしょうね。
だから、お迎えが来たのは良かったんだろうけど。
わたしも勿論説教を受けたけど、最後に泣きながら抱きしめられたら、説教と云えるかどうか。
アレンは比べものにならないくらいこってりと絞られる羽目になったけどね。
それから暫くの間、一日中訓練を受けている彼奴を見るのが日課になったのよ。
あの莫迦にとっては、日常の特に記憶に残ることのない出来事だったのかもしれないけれど。
わたしにとっては、掛け替えのない大切な想い出なんだからねっ。
王女回想編、此にて終了です。
次回から、予告通り本編に戻りますので、安心してください(?)。
で、前回のコメントに書き忘れたんだけど。
岬は漠然とスニオン岬辺りをイメージしてみました。彼処の夕焼けは綺麗ですよってことで。
想い出・・・ああ、なんてSATUGAIしてくれるわー!!
579 :
見切り新婚:2006/07/10(月) 23:50:10 ID:owQL5OFf0
ねぇ、勝手に持ってきて良かったの?
ガイアの鎧は確かに優れた鎧の一つだけど。
……宝箱の中に眠らせておくよりは、有効利用した方が世界の為って。
何よ、そのお為ごかし。世界を救おうとしてるのに、そんな事で良いのかな。
……わ、わたしならどうしたら良かったのかって?
んー……………………黙って持ってくる?
ちょっと。どうしてこんな処で見世物になって戦わなきゃならないの。
……褒美を貰うためってのは判ったけれど。キラータイガーって強敵よ。
はぁ、みんな油断だけはしないでっ。
先ずは、わたしとコナンで援護するから、アレンは……って!
なんでコナンが飛び出してるのよっ!?
(ザシュッ)
あー………死んではなさそうね……………
仕方ないからマヌーサで幻惑、ってどうしてアレンまで飛び出すのよっ!!!
頭の悪い人がいると大変ですよね〜。クリ○トとかク○フトとか、あと○リフトとか…。
王女がんばれ!
王女冷たいwwww
582 :
見切り新婚:2006/07/11(火) 21:46:28 ID:U7QoOX3g0
流石というかなんというか。
まさか、一刀のもとに切り伏せちゃうなんてね。
でも!わたしとコナン……もとい。わたしが居るんだから、少しは頼りなさいよね。
もー、ちょっと返り血浴びすぎ………臭いが付くからあとでお風呂に入りなさいよ。
ほら、顔だけでも拭ってあげるから。
……………もうちょっと腰屈めてくれると、嬉しいかな。
………あー、もうっ!こんな処、切ってるじゃないっ!
油断してるから、そんな掠り傷みたいなの負うのよ。
血は…………あんまり出てないみたいね。
しょ、しょうがないわね―――――はい、ベホマ。
此で傷は塞がったでしょ、此からは気をつけてよね。
……ア、アンタが一人で倒しちゃったから、マジックパワーが余ってただけなのよっ。
其れに未だ覚え立てだから、回数こなして慣らせておかないと。
べ、べつに他意が在るわけじゃないんだからっ。
某絵版の絵を一目見たときから、このネタは拝借させてもらうっ!
と、(自分の中だけで)盛り上がってきたネタでした。
名も判らぬ絵師様に感謝。
もうベホマ覚えたのか
確かもうすぐイオナズン…(((( ;゜Д゜)))
保守
586 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/13(木) 20:41:08 ID:rYse3KKFO
とりいそぎほしゅ
保守
ほしゅ
589 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/16(日) 14:57:09 ID:bOs2kcmC0
ほす(´・ω・`)
保守
みんながんばれ
592 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/17(月) 00:16:57 ID:dDTPDuJhO
まだまだ保守
保守ッ!
/ ̄ ̄ ̄\ / ̄ ̄ ̄\
/(●), 、(●)V(●), 、(●)ヽ
|:::: .,,ノ(、_, )ヽ :l:::::.. ,,ノ(、_, )ヽ l_ ほ、保守するからなっ!けっ・・・けっしてGJなんかじゃないからな!
/ ̄ ̄ ̄\. -=ニ=- ' 人::... -=ニ=- ' 丿 \
/(●), 、(●)ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ̄, 、(●)ヽ
☆ |::::..,,ノ(、_, )ヽ、,, l '' ''''' ''''' \(、_, )ヽ、,,l
│ ヽ:::..-=ニ=- ' 丿 (●), 、(●) |=ニ=- ' 丿
│ / ̄ ̄ ̄\ ,,ノ(、_, )ヽ、,, |  ̄ ̄\
│ /(●), 、(●)ヽ:::::: ヽ`-=ニ=- ' |),、(●) \
│ |::::.. ,,ノ(、_, )ヽ l::::::::::::. ノ(、_, )ヽ、,, l
│ ヽ:::. .-=ニ=-/ ̄ ̄ ̄\ / ̄ ̄ ̄\ニ=-' 丿
\ \__ /(●), 、(●)V(●), 、(●)ヽ_/
\/ ̄ |::::.. ,,ノ(、_, )ヽ、,,l:::::. .ノ(、_,)ヽ、 l
/ ヽ:::..`-=ニ=- '.人:::.. -=ニ=- ' ノ
))) | __\___/ \___/
i :::/;;;:::::::\ \ ::::/
/ ::::/\''' ::::i\ :::::|::/
| ::::| | :::| |\_//
\_/ \__/ \_/
見切り氏どうしちゃったの?
保守
597 :
YANA:2006/07/17(月) 22:34:20 ID:KxBaE9/o0
皆、聞いてください。実に今更で申し訳ないのですが。
アリスワードの終曲の一話一話って、滅茶苦茶長いでしょう?
俺としても、書きあがるまで長いことスレを放置する形になるので、今のやり方は居た堪れないのです。
というわけで、今後は一話を分割形式でお送りする形にしようと思うのですがー、如何でしょうか?
性質上、一気読みを念頭に置いているため分割掲載向きではないと思うのですが…。
ご意見求む!(`・ω・´)
おいらは分割だとなんか途切れ途切れになって耐えられなくなる
まぁYANAさんのやりやすいほうでいいんでないかい?
まぁとにかく(・∀・)wktKして待ってます
第六節 「少女よ、一筋の光となれ」
〜ラダトーム・北門〜
――――――ドンッ
「…!!」
ミシリッ。
結界の軋む音に、ラダトーム北部に集結した僧侶たちは戦慄する。
既に護衛の兵たちの大半は壊滅し、残るは戦闘能力も碌に持たない僧侶たちだけとなっていた。
―――人の住む町が、何故魔物に滅ぼされず健在でいられるか。
答えは、その町の僧侶が、町全体に魔物除けの結界を敷いているからである。
…ただ。その結界は、常時、長期間にわたって張り続けねばならないものである。
それ故、防護力自体はそれほど高くはなく、侵入を防げるのは常に少数の魔物だけだ。
――――――そのため。今回のように、ある統率の下に襲撃する魔物の大軍勢の前には、何の効力も、ない。
そうして、魔物の大軍勢の報せを受け、ラダトーム中の僧侶が集められ、この町の二つの重要な出入り口の内の一つ、北門にて、局地的な結界の強化を行っているのだが―――。
オオオオオオォォォォォォッッッ!!
―――ドンッッッ
「ぐ…!」
百に及ぶ僧侶が陣を組み、門を魔物に突破されまいと必死に念を込める。
町の門と外界を隔てる、青く輝く光の壁。
結界は人の目にも視認できるほどの密度まで強化され、恐らくは、ラダトーム史上最強の結界が張られているであろう。
だが。
―――――――ドンッッッッ
「っっっ!!」
…それも。襲来した魔物の圧倒的な数の圧力の前に、限界を迎えていた。
無論、僧侶たちとてただ結界を張り、耐えるだけのつもりはなかった。
ラダトームの最重要防衛拠点である西門には、城の兵たちの主力が向かい。
残る戦力は、ここ北門と、東部地区に向かった。
そうして、ここに来た兵たちは、僧侶たちの結界で足止めされている魔物たちを、駆逐するために隊を組んだのだが―――。
――――ビシッ
「ぐっ!…司祭…!!これ以上は…!!兵たちの治療は、まだですか!?」
「無理だ…負傷者の数が多すぎる!!一人一人回復していては、追いつかぬ!」
勝てるはずがなかった。彼我戦力差は、計算するのも馬鹿馬鹿しい。
ラダトームの戦力は、多くても精々二千か三千。対する魔物は、殆ど無限に近い数。
最初は対等に渡り合っていた二勢力であったが、時間とともに魔物の数に押され、ラダトームの兵たちは疲弊。
一人、十人と、戦線を離脱していった。
そして。残ったのは、結界を維持する僧侶たちのみ。
護衛がいなくなり、あとは結界が破られるのを待つだけである。
負傷した兵たちを治療するにしても、人手が足りない。一人でも治療に回れば、それだけ結界が破られるのが早まる。
それだけは、ならない。ここを破られれば、千を優に超える魔物が瞬く間に街に雪崩れ込み、滅ぼされてしまう。
そう、最早―――彼らに残されたのは、ただ、一分でも長く結界を張り続けることだけだった。
オオオオオオオォォォォォォァァァッ!!!
―――ビシンッッッ
「…司祭っ!!」
「司祭様っ!」
尚も続く、魔物の軍勢の突撃。
結界も既に軋みを超え、亀裂の走る音が僧侶たちを恐怖で苛む。
目を閉じ、念を込めながらも、彼らは自分たちの目前で、殺意と破壊の衝動を滾らせて結界に圧し掛かっている魔物たちの圧力に、脂汗を浮かべる。
「………最早、これまで、か…」
「し…さい、どの…」
僧侶たちの頭目、老いた司祭が諦めの言葉を呟く。
魔物の軍勢の咆哮と、結界の軋む音で掻き消されそうな小さな声だったが。
それは、念を込め続ける僧侶たちに、確かな絶望の証として、提示された。
――――――ビシッッッッ
そして。今まさに、結界が砕かれんとした、その時。
「あら、駄目よー。組織の長が、そんな簡単に弱音を吐いちゃ」
「は―――?」
「?―――」
陣を組み、念を込める僧侶たちの背後。
死と破壊の具現が目前に迫っている、この状況にあまりにも不釣合いな能天気な声が。
突如として、辺りに静寂を齎す。
ザッ
「例え事実として最悪の状況だったとしても、ピンチの時ほどリーダーは不敵に笑うものよ?
じゃないと、他の人まで弱気になっちゃう。これ、団体戦の常識ね」
僧侶たちの先頭に立つ司祭が、振り返る。
念を込める僧侶たちも、それに続く。
―――そこにいたのは、一人の、あどけなさを残した少女であった。
小さな体躯に、他者を威圧するほどの魔力もなく。それでも、この状況で。その少女は、微笑っていた。
「…なにかね、君は」
何故、こんなところに歳若い少女が。
何故、逃げずにここにいるのか?
君は、何故、この絶望的な光景を前に、微笑っていられるのか。
疑問は次々に浮かんできた。だが、それよりも気になったのは。
そもそも。その少女が纏う陽気さが、我々の誰も、持ち得ないものだったということ―――。
「ただのお節介焼きよ。それよりも、司祭さん。ここの責任者はあなたでよかったかしら?」
つかつかと真っ直ぐに、門前に迫っている魔物たちの殺気に満ちた形相をものともせず。
少女は陣を組む僧侶たちの前、司祭のところまで歩み寄る。
「そ、そうじゃが…!そうだ、君、こんなところにいてはいかん!早く遠いところに逃げ―――」
漸く、正気に戻って少女に避難を促す老司祭。だが、少女はそれを笑って受け止める。
「んー、私としてもそうしたいんだけどねー。かつての教え子のたっての頼みなのよ」
「…?」
苦笑しながら、少女は頭を掻く。
老司祭は、その邪気のなさに、一瞬現状を忘れて魅入ってしまう。
しかし、少女は、微笑をそのままに、真剣な口調で話し出す。
「―――見たとこ、保ってあと2分そこらってところかしらね。ここから持ち直すのは、ちょっと辛い、か」
「…そうじゃ。だから、わしらが食い止めている間に、早く」
「逃げるって、どこに?どうやって?街の周りが魔物に囲まれているのに?」
にこり、と微笑みながら反論する少女に、老司祭は、う、と言葉を詰まらせる。
この少女は。能天気に笑いながら、その実、誰より的確に現状を見据えている。
少女は老司祭に続ける。
「いい?司祭さん。私に策があるの。この状況を打破するために、乗ってみない?」
「…策?」
怪訝そうに顔を顰める司祭。
突然現れて、何を言うのか。こんな少女に、今更、どんな策があるというのか。
仮にそれを実行して部下たちが死んだら、それこそ犬死―――。
「―――聞かせてくれないか、貴方の策を」
「な―――?」
司祭の背後。陣を組む僧侶たちの中の先頭の、歳若い青年が、片目を開けながら進言する。
「司祭殿…このままでは、ただ死ぬのを待つだけです。ならば、どんな策でも、やってみる価値はあります」
「…む」
それは、そうだ。
結界の限界は近い。ここを破られて死ぬのも、策を失敗して死ぬのも、結局は同じではないか。
それなら、やるだけのことをやった方がいい。それが、幼い少女の提案だとしても。
「いいじゃろう…話してみてくれ」
「ええ」
少女は、光のように明るい笑顔で、頷いて見せた。
・ ・ ・
「…と、いうわけ。わかったかしら?」
「………な…」
僧侶たち全員に言い聞かせるように、少女は自分の策を提案した。
その全貌に、司祭を始め、多くの僧侶たちが動揺する。
「そんな…それでは貴方が!」
一人の尼が立ち上がり、叫ぶ。
「…無理だ。あんた一人で、何が出来るというのだ」
隣の青年も、顔を伏せて呟く。
辺りの僧侶たちも皆一様に、この絶望的な状況下を前に、顔を曇らせている。
「…ん〜」
それに、少女は少し首を傾げ、再び微笑みで切り返した。
「だからね。私一人で、っていうわけには、いかないのよ」
「え…?」
耳を疑う。ちょっと待て。彼女の提案は、確か。
「もう一度いうわね。今から、結界を解除して。私が魔物と戦うわ。貴方たちは戦わなくていい」
…再び。静寂が辺りを包む。
「なんだ、それは。結局、」
「最後まで聞いて頂戴」
キッ、と、真剣な眼差しが青年を射抜く。
怒るでも、焦るでもない、ただ真剣としか形容できない視線に、青年は気圧され、言葉を詰まらせる。
「…よく聞いて。私は、結界の解除と同時に、あるもの≠ノなる。そうすれば、私はあの魔物たちと渡り合える。
けれど、ソレになった私は、呪文や回復を行えないの。対等に戦えても、終わりが来るのはそう遠くない。だから―――」
説明の最後の言葉を、その場にいる僧侶全員に言い聞かせるように、強く、唱える。
「後方からでいい。貴方たちは、残った魔力で私をサポートして。貴方たちの協力なくして、この作戦は成功しないの」
「………」
三度、静寂。結界の限界まで、あと1分を切った。
そして。先ほどの、陣の先頭で、策の提案を促した青年がそれを破る。
「…一つ、訊いていいだろうか?」
「何かしら?」
少女は、笑顔で返す。
「貴方は、この町の人間ではない」
「…ええ、そうね」
「ならば、何故、他人の町のためにそこまでするのだ?」
青年の問いに、少女はふむ、と数秒考え込む。
そして、すぐに答えは返ってきた。
「私の仲間の勇者が、今、ゾーマと戦ってる」
「…!?」
少女の言葉に、僧侶たちはざわめく。
信じられない。あの、大魔王の下まで辿り着いた人間が、いるというのか。
少女は構わずに続ける。
「頼まれちゃったの。大魔王と戦ってる間、この町を守ってくれって」
「――――――」
たの、まれた?ただ、それだけで?この、絶望的な状況に挑むというのか。
馬鹿げて―――いや。
「?」
それは、愚問というものだ。
あの少女の目を見ろ。
私だけではない。この町、このアレフガルドに住む者ならば、誰もが抱く感情。「絶望」…それが、あの少女には微塵もない。
彼女は信じている。この戦いに、勝つことが出来ると。
ならば、それを―――もう一度。自分も、信じてみよう。信じて、みたい。
「「「司祭殿」」」
複数の、僧侶の声が響く。
老司祭は、うむ、と重々しく頷いた。
「君の提案に、賭けてみよう…願わくば、主の配剤があらんことを祈って」
「ありがとうございます」
少女は穏やかに微笑み、礼を述べる。
…その微笑が、絶望に膝を屈しそうになった彼らに、知らず、どれほどの力を与えたか。
恐らくは、お互いに知る由もなかっただろう。
「今から三十秒後、結界を解除します」
「わかったわ。じゃあ、宜しくね」
もう一度、協力者たちに微笑みかけて。少女は門へと歩いていく。
魔物ひしめく、外界の地獄絵図。そこに、怯みもせずに。
「そうだ、貴方は」
青年が、彼女の背中に声をかけ呼び止める。
「…?」
「名を。教えてくれないか?」
少女は、きょとん、と一度だけ目を丸くした。
だが、すぐに元の、あどけなく、見る者に希望を与える笑顔を湛え、答えて返した。
「―――アレイ。お互い、頑張りましょう」
「―――――――――」
アレイ…一つの光≠ゥ。
成る程―――絶望の闇に包まれ、命を捨てようとしていた我らに差した、正に一筋の希望の光。
青年は、知らず微笑み、来るべき時に備えた。
「あと十秒です」
「………ふぅ」
―――チャッ。
深呼吸。腰に下げた袋から、一振りの剣を抜き放つ。
細身で、とても強大な魔物の皮膚や鱗など切り裂けそうもない。
だが。その剣は、例えようもなく**かった。
残された数秒の間。アレイは、数日前の出来事を噛み締めた―――。
YANA氏キター!
なんでアレイが?wktk
>>597 俺はいいと思うよ
いいねえ。凄くイイッス。
ついでにwktkしながら保守。
マスタードラゴンの声が聞こえると、ピサロが一歩引いた。
「仮にも魔族を束ねるものだ。天空の城に入ることはできない」
静かな声で発された言葉は、この男との別れを意味していた。
目的が同じだから仲間に入れた。わだかまりは確かにあったが、仕方がなかった。
殺しても殺し足りないほど憎いのは確かだが、此奴も…………
「歯を食い縛れよ」
前もって掛けた声は其れだけ。
意味するところを察して、黙って従うピサロを確認する。
右拳をぎゅっと握り込んで、左頬に向けてそのまま
クリフトは スカラをとなえた! ゆうしゃの しゅびりょくが あがった!
ブライは ピオリムをとなえた! ゆうしゃの すばやさが あがった!
トルネコは ゆうしゃのうでに ほしふるうでわを ごういんにはめた!
ブライは バイキルトをとなえた! ゆうしゃの こうげきりょくが 2ばいになった!
勇者「え?」
ピサロ「え?」
ゆうしゃの こうげき!
ピサロのあたまと ゆうしゃのみぎうでは けしとんだ!
保守
ぼくのことを心配しているだろう妹へ
大丈夫だよ。そんなに心配しなくても、ぼくは元気さ。
今ぼくたちはデルコンダルに来ているんだ。
ほら、この間そっちに帰ったときに話しただろう。
一度行ったけれど、褒美を貰う前に出て来ちゃった国のことだよ。
ぼくはどっちでも良かったんだけどね、
「戦っている男の人って素敵」なんて云われたら、期待に応えないわけにはいかないだろ。
だから、コロシアムで戦うことにしたのさ。
キラータイガーって、結構強いモンスターが相手だったんだけどね。
先ずぼくが斬り込んで一進一退の攻防を繰り広げたんだ。
そして、一瞬の隙をついたアレンがトドメを刺したんだよ。
ぼくはその時殆ど無傷だったんだけど、アレンは手傷を負っちゃったみたいで。
ナナが覚えたばかりの回復呪文で癒されてたみたいだったよ。
そうそう、最近微妙に貧血気味でね。たまに足下がふらつくんだ。
お前のことを気にかけている兄より
−−−−−−−−−−−−−
お兄ちゃん………紙にちょっと血が滲んでるんだけど。
気が付いたら一週間以上投稿してなかったみたいで。
ちょーっと休んでただけなんだけどなー。(反省しろ)
そんなわけで、久し振りのコナンの手紙です。
コナーーーーンwwwww
見切り氏おひさ〜
たまには妹の活躍も見て見たい。
・・・快傑おおねずみとか。
オオジ・タチガ・キタゾ
なに!?オオジタバキバゾが出たのか!!!!11
オオジ・タチハ・カエッタ
オオジタエッタ!? もう終わりだ!!
凄まじく懐かしいネタだw
ええい!俺が呪文をかける!
パルプンテ
MPがたりない!
こんな流れ大好き。
624 :
見切り新婚:2006/07/24(月) 22:59:16 ID:NbCNAJqy0
紋章も此で残り一つだけど………
もー、どうしてアレンはそんなに気楽そうなのかなぁ。
確かにローレシアでロンダルキアに通じる洞窟にあるって聞いたけれど。
第一、その洞窟が何処にあるかも判ってないじゃない。
……そのうち道は開けるって?その考えが気楽だって云ってるんじゃないっ!!
全く、もう少し世界が危機に瀕していることを自覚した方が良いと思うわ。
コナンはコナンでずーっと寝たままだし。
………寝る子は育つって云うけど、アレはちょっと寝過ぎよ。
ウチの男どもは此だから…………わたしたちの行動に世界の命運が掛かってるって云うのに。
……そりゃあ、確かに焦ってもどうしようもないことだけど。
…………なーんか気になるなぁ、その笑顔。
まさか、また高い処に登らせるとか、そんなこと云い出さないでしょうね。
……云い出さなくても登らされたこともあったけどね。
なーんか信用ならないけど………はぁ。今更疑ってても仕方ないか。
わたしは船室に下りるから、なんかあったら呼んで頂戴ね。
………そうだ。一体今は何処に向かってるの?
625 :
見切り新婚:2006/07/25(火) 21:26:51 ID:tqzn/XJb0
やっぱり、やっぱり高い処に登るんじゃないのっ!!!
月の欠片なんていらないよっ!第一なんの役に立つかも判らないのにー!!
どうしてこんな思いまでして塔に登らなきゃならないのよ………!
ほらぁ、手を離さないでよっ!!あ……歩けなくなっちゃうじゃないっ!
か、階段がいっぱいあって道が判らなくなっちゃうよね………
どうしてダンジョンって、どこもかしこもこんなに複雑なんだか。
………作った人の性根を疑うわ。ぜーったいへそ曲がりの陰険な性悪よ。
じゃなかったら、こんな人を迷わせるような作りには出来ないわよ。
きっとアレね。人を困らせるのが趣味だから、友達もいなかったはずだわ。
……神さまが作ってたらどうするのかって?だったら、神さまが偏屈なのよっ。
………な、なによ?こっちをチラチラ見て。
云いたいことがあるならハッキリ云いなさいよっ。
……くっつくか離れるかハッキリしろ?
動きづらいから離れろってのは判るけど、くっつくってどういう事よ………?
……や、やわら………!!?
こ、こんな処で………こんの、スケベゴーグルッ!!
寝惚けたこと云ってないで、いかずちの杖でもくらって目を覚ませぇーーー!!!!
(バリバリバリ………ドサ)
ほら、コナンっ!その莫迦ほっといて先に行くわよっ!!
……手なんか繋がないわよっ。その代わり、ゆっくり急いで進むんだからねっ!!!
見切り主夫乙!
コナン生きてたんだw
スケベゴーグルwwww
手繋がれないコナンカワイソスwwwww
保守
アレン→スケベゴーグルコナン→みえっぱり
王女→巨乳ツンデレ
たまらんパーティーだ。
保守ろうか
ならば俺も保守
然れば麿も保守
じゃあついでに俺も保守
尚かつわたしも保守。
ゴメン嘘。ちゃんと投下します。だから物を投げないで、あ痛ッ!
635 :
見切り主夫:2006/07/30(日) 00:22:32 ID:5Ix9KQus0
ふーん、此が水の羽衣かぁ。良い仕事してるわね。
見た目といい手触りといい、今までわたしが手にした中でも最高級よ、此。
全部が終わったら、ドン・モハメに一着作ってもらおうかしら。
じゃあ、ちょっと着てくるね。あ、そうそう―――――覗いたら、殺すから。
じゃーん、どうどう?似合ってるっ?
此って涼しくて気持ちいいのね。水の羽衣の名は伊達じゃないわ。
雨露の糸でタオルやハンカチとか作ったら、莫迦売れしないかしら。
………ねー、二人とも感想の一つや二つ云ってよ。
全くもう、ぼーっと惚けた面して赤くなってな、いで…………
………なんでそんな……スケスケ………………ちょ、ばかっ、見るなぁぁぁぁぁ!!!!!
こ、こ、こっち見る………あかとかきれいとかおおきいとかそんなのいらな…………
だから、どーでもいいからあっちむくのっ!!あっちむけぇぇ!!!
わーん、アンタたちなんかどっかいっちゃえ――――イオ……ナズン!!!!!
(チュドーン)
………あ、イオナズン成功しちゃったぁ。
すけすけ(*´Д`)ハァハァ
へたれはともかく、エロゴーグルは大丈夫だろうか。
スケベゴーグル=体力バカ→瀕死
へたれ→即死亡
イオナズン(*´Д`)ハァハァ
Tバックハァハァ
640 :
見切り主夫:2006/07/30(日) 23:05:34 ID:91Nx9doU0
こうやって下に服を着れば、透けても平気よね。
どうしてこの服には下地の一つも付けてないのかしら。
というより、そういう話はわたし時点でちゃんとすべきよね。
わたしが着ても問題になったけど、コナンが着たとしても大問題になるわよ。
………ドン・モハメに着物を作ってもらう話は、無しにしておこうっと。
いやでもアレンが着てたら――――――ひゃああああ……………………
………なによぉ。さ、さっきのことなら、わたしは謝らないんだからっ。
わたしがイオナズン使えるようになって、戦力アップもしたんだから良いじゃないっ!
第一ねぇ、す…透けてた下着を変な目で見てた、アンタたちが悪いんじゃないの。
それに仕方なくだけど、ちゃんとアレンにはベホマかけてあげたんだから………
コナンはいいのよ。自分でホイミなりベホイミなり唱えれば死なないし。
もしMP切れてても力の盾掲げればいいだけじゃない。
ア、アレンはね、自分じゃ回復出来ないから、仕方なくわたしが癒してるのよ。
だからっ!調子に乗ってアホなことばっかりしてちゃ駄目なのっ。
先に見せてくれたら…………じゃなくてっ!!!
わ、わたしが愛想尽かしちゃったら、もう回復してあげないんだからねっ!!!!
ひゃああああ……………………
オウッ!オウッ!
アッー!
643 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/31(月) 16:13:12 ID:vxxLdEql0
俺は強い!
闇ゾーマ倒してきたぞ
PTは勇者、武、武、僧 レベル20の武を賢へ
レベル40の武を戦へ レベル41の僧を武へ
勇者 武戦 僧武 武賢の最強PT
闇ゾーマ攻略のヒント聞きたいか?
おしえてあげてもいいよ
645 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/31(月) 16:44:09 ID:vxxLdEql0
光の玉使わないとゾーマ倒せない雑魚に言われたくないんだが・・・
ネタだろ
やりこみの人とか見てたらこんなの恥ずかしくて書けない
>>645 光の玉とかそれ以前にスレ違いだからな?
648 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/31(月) 16:56:06 ID:vxxLdEql0
ネタじゃねえよ
闇ゾーマ倒してきたんだって
お前には難しすぎて信じられんかもしらんが
あんた達、夏休み君なんかに構ってんじゃないわよ!
>>648 特にここに書くほどのことではないという意味だ
まあスレ違いだから帰れ
651 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/31(月) 17:10:13 ID:vxxLdEql0
妬みか・・・
654 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/31(月) 17:17:00 ID:vxxLdEql0
俺の方はFC版だから
クリアレベルは 勇者52 戦士44 武とう家44 賢者48
おいおいいくら暇でも荒しに構っちゃいけないぜ?華麗にスルーだ。
>>654 いいか、まずはちょっと落ち着いてくれ、深呼吸を3.5回くらいすれば良いだろう、
落ち着いたら、スレタイをよくみてみるんだ、
理解したか?
ようするにこのスレは闇ゾーマがどうとかいうスレじゃないんだよ、
単に職人方が書いてくれるDQ関連のツンデレなSSに萌えるスレなんだよ、
つまり、君の言っている事は根本的にスレ違いなんだ、
うそだと思うなら
>>1からスレを見て来るがいい、
それが嫌なら、保管庫を見ても良い、
すぐにスレ違いの意味が分かるはずだ、
この板には他に君が堂々と自慢できるスレがある、
それを探してそこで自慢して来い、
ただこのスレでは自慢しても無視されるか、スレ違いと言われるか、
それだけでしかない、それを分かってほしい、
じゃあ君の行動が好道であるように期待してるよ。
657 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/31(月) 17:30:50 ID:vxxLdEql0
アキバ系か
キモいな
658 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/07/31(月) 17:39:52 ID:2o/nPpwyO
662 :
見切り主夫:2006/07/31(月) 23:12:52 ID:285W1lAH0
(ザザザー)
すごーいっ!
海水が満ちて、浅瀬じゃなくなってく………此が月の欠片の力。
だけど……月の力を宿すだけだったら、満潮じゃなくて干潮でも良いってことよね。
もしも海の水が引いちゃったら………潮干狩りのし放題じゃないっ!!
此は一大事よ、今すぐ何処かの砂浜に行って浅蜊をt
(パカン)
痛いなぁ、叩くこと無いじゃない!
……莫迦なこといってるからだって?
冗談よ、じょーだん。そんなことも判らないの?
……顔がしんけん…………さー、此であの洞窟に入れるようになったんでしょ。
でも、よかったねー。泳いで行くことにならなくて。
なに残念そうな顔してるのよ………。ほら、未だ見ぬ宝物がわたしたちを待ってるんだからっ!
……何を手に入れに来たのか判ってるのかって…………?
……………コホン、そんなところでボーッとしてないでさっさと行くのよ!
見切り氏の妻もツンデレなんだろうか。それともヒンヌー?
見切り氏の妻は渡辺さんとみた
665 :
見切り主夫:2006/08/01(火) 23:01:50 ID:TztUb7aG0
あっついわねー、この洞窟。
でも、この水の羽衣着ていて良かったわ。だいぶ暑さが和らぐもんね。
………二人とも、どうしてそんなに汗だくになってるの?
んもうっ!!
大した物は落ちてないし、階段一杯だし!!
何処使ったらいいか判らないじゃない。
というよりも、何処を使ったかも判らないじゃないっ!
もう何処にいるかわかんなくなっちゃったわっ。
……なによ、ちゃんと覚えておかないのが悪いって。
アンタだって覚えてなかったじゃないっ。人の所為ばっかりにしないでよね。
あ、ほらっ!きっとあの階段は未だ使ってないわよっ!!行ってみましょっ。
……なんでわかるのかって、そんなの勘よ、勘。
いざとなったら全部イオナズンで吹き飛ばしてあげるから。
さっ、どんどん行ってみよー!
再開して以降、展開のペースが上がったと思った方がいたらそれは正解です。
>>663 ふと思ったけど、ツンデレってリアルだとただ情緒不安定なだけっぽくね?
で、ウチのはツンデレかどうか知らんが、チビのヒンヌーだ。
でもキョヌーが好きです。好きで好きでたまりません。
もう夢にまdあ、ちょ、うそごめおねgやめrfじゃいえあqwsでfrgtyふじこlp
>>664 キョヌーの渡辺さんキボンヌ
>>665 邪神の像の洞窟だっけ?苦労したなあ
>>666 ではチビのヒンヌーは俺がもらっていきまsdrftgyふじこlp;@
668 :
見切り主夫:2006/08/02(水) 23:16:31 ID:cWuVE6qT0
もー、なによっ、あの悪魔神官。
こんな処でいきなり襲いかかってくるなんて。
ま、わたしのイオナズンの敵じゃなかったけどねっ。
ふっふっふ、わたしの天下が見えてきたわ………
アレン、なに見てる………きたならしい像ねぇ。
然も気持悪い意匠が施してあるし。
ねぇ、もしかしてだけど。此処って洞窟の一番奥じゃない。
でさぁ、この辺りにいるモンスターよりちょっと強めのヤツが守ってたじゃない。
………まぁ、わたしにかかれば雑魚同然だったけど。
コホン、話を元に戻すわね。
てことはよ。もしかしたら、もしかしたらよ。
この気持悪い像が目的の物だったんじゃないかなーって、うん勘違いだと思うんだけどねー。
……こ、こんな物のために何度も階段を上り下りして、かつ暑い思いまでしたのね。
…………なに、恨めしそうな視線向けてるのよ。
はぁ、仕方ないなぁ。コナン、早くその像持ちなさいよ。
……なんでって、それが目的の物だったからでしょう。
……アレンはわたしと同じくらい強いんだから、そんなので手を塞がせるわけにはいかないでしょ。
呪文唱えるのだったら、あまり邪魔にならずに済みそうじゃない。
……鉄の槍なんか、大した役に立ってないわよ。
……なんでわたしが持たないのかって?
どーしてわたしがそんな気味悪い物持たなきゃならないの。
ほーら、うだうだ云ってないで早くこの洞窟出るわよっ。
コナン(´;ω;`)
しかしコナンのメガンテで涙する二人
でもザオリクで生き返って白ける二人
ザオリクが唱えられるのはサマルだけ。
SFCならムーンもいけたはず
674 :
見切り主夫:2006/08/03(木) 23:12:35 ID:Qlh80pkZ0
よし、出来たっ!
――世界中の街を周り、各地のケーキレシピを作れるようになって。
それらを元に、更にアレンジを加えたわたし独自のケーキ。
………確かに、最初に作ったのは食したら毒を受けるようなヤツだったけど。
ちゃんと基礎を固めてから、アレンジに取り組んだからね。
今回のは、かなりの自信作よ。
…………だけど、やっぱりちょっと不安だから、コナンを呼んだの。
変な像を持たせたお詫びもあるんだから。だからほら、食べてみてよ。
………なに、微妙そうな顔しているの。
……此処ずっと食べさせられていたから、お腹に肉が付いてきた?
そんなの、ちゃんと運動してれば減るわよ。
第一、世界中を旅してモンスターと命を削る戦いをして、どうして贅肉が付くの。
ちょっと、怠けてるからじゃない?
まー、そんなことはどうでも良いから。
早く食べて感想聞かせて、ね?
そろそろ風呂敷を畳みはじめないといけない時間になってきました。
結構長い間書いてるっぽいので、どれだけ忘れずに回収できるか判りませんがね。
>>673 FC、SFC設定をゴッチャにしてますが、
主人公はFC準拠(のつもり)なのでウチの嫁其の2はザオリクを使えません。
いいなぁ…一夫多妻制…
サマルトリアで帰りを待つ妹へ
どうも暑い日が続いているようだけど、暑気あたりなんてしてないかい?
暑いからって冷たいモノばかり食べてると、お腹壊すから気をつけろよ。
アイスやかき氷が好きなのは判ってるけど、ちゃんとご飯も食べような。
じゃないと、いつまで経っても大きくなれないぞ。
ぼくらは世界中を回って、多くの戦いと探索の果てに、
とうとう彼の地、ロンダルキアへと乗り込む手段を得たんだ。
怪しげな、邪神の像ってアイテムだったんだけどね。
此は悪魔神官とかいう恐ろしい敵を相手にして手に入れたんだよ。
なかなか強い敵だったんだけどね。ぼくの敵じゃあなかったな。
「悪霊の神々に捧げる生け贄にしてやろう!」なんて云うから。
ぼくの華麗な剣術で、ヤツが手にしていたモーニングスターを払い飛ばして、
「物騒なこと云うなよ、身体が軽くなったろう?」って云ってやったんだ。
ぼくの凄さに唖然としていたよ。まぁ仕方のないことだけど。
もうちょっとでそっちに帰れるよ。
寂しいだろうけど、もう少しだけ添い寝は我慢してくれ。
ベラヌールより旅立つ兄より
−−−−−−−−−−−−−
お兄ちゃん、華麗な剣術ってお兄ちゃんの武器は鉄の槍じゃない………
それより、二人の事が全然書いて無いじゃないっ。進展したのかどうか気になるのにぃー。
………こんなんじゃ、帰ってきても添い寝してあげないよっ。
うわ、よくよく考えたらアレってモーニングスターじゃねぇや。メイスじゃん。
そんなわけで ;y=ー( ゚д゚)・∵ターン
また;y=ー( ゚д゚)・∵ターンかwww
見切り自殺タン乙wwwwwww
何かDQM+が入ってるぞ
添い寝・・・ああなんて卑しいんだ。
682 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/08/05(土) 07:49:44 ID:qe0t9Up80
大きくならなくてもいい
むしろそのままが良い
どうでもいいがラナルータってすごくね?
まずどこがどう凄いと思ったか説明してもらおうか、でないと同意できん
俺は
>>683じゃ無いが、ラナルータの凄い所は昼夜を世界規模で違和感無く変えられる所……じゃないだろうか?
これを活用したら毎日飲み放題だし、彼女に「夜になったら……ね?」って言わせた瞬間に夜にしたりとかできるかもしれないぞ?
>>683 いやすぐ夜にしても彼女は幻滅すると思うぞ。
687 :
見切り自殺:2006/08/05(土) 21:39:59 ID:PpbDWOUq0
まさか、ベラヌールからロンダルキアの麓に飛べるなんてね。
正しく旅の扉様々だけど………あれって、一体誰が作ったのかしら。
まぁ今更そんなことはどうでも良いの。
問題は、何処に洞窟があるのかって事よっ!
……ちゃんと話を聞いてたのかって?
そんなのはわたしの役目じゃないもーん。
………溜息を吐くなっ!
なんていうか、今までのダンジョンとは空気が違うわね………
出てくるモンスターも、また一段と手強いし。此は苦労しそうわ。
だけど、まさかあの像を掲げることで、岩山が割れるなんて。
流石のわたしも吃驚し……「ふぇぇぇぇ」なんて云ってないっ!
もうっ、莫迦なことばっかり云ってないで、早く探すわよ。
……なにをって、最後の紋章が此処にあるんでしょ?
其れ手に入れて精霊の守りを貰わないと、色々困るらしいし。
……色々って――――色々よっ!
…………手招きして、なに。早く来いって?
も、もー、仕方ないなぁ。
アンタがスタスタ歩いていくから悪いんで
(ズボ)
どーして落とし穴がこんな―――ア、アンタこのことわかってたでしょー…………………
(ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ)
予防線張ってるな…意外にしたたかなのか?
先に落とし穴の存在を教えてた場合
隊列的な落下する順番を考慮すると男2名から先に落ちる
そして上を見上げると…紆余曲折の末イオナズン
↑を避けるためなのか
689 :
見切り自殺:2006/08/06(日) 22:08:21 ID:knDu/AeI0
うぅー、まさか地下に紋章があったなんて。
此で紋章全部揃ったんだから、一度洞窟出ましょうよ。
………だけど、騙し討ちで落とし穴に引っ掛けるのは、酷いと思うわっ。
……確かに。知ってたら死にものぐるいで厭がったかもしれないけど、というより厭がったけど。
だからって、アレはないでしょっ!
(ザッザッザ)
一瞬もう駄目かと思ったんだから―――って、どうして今わたしたちは階段登ってるの?
地階から階段で上ってるって事はだよ。一階から階段で降りてこられたって事じゃないの?
て事は………わざわざ落とし穴から落ちる必要なんて無かったって事じゃないっ!!!
………さぁ、一体どういうつもりだったのか、納得できるまで話して貰おうじゃないの。
……面倒臭かった?階段探して下に降りるのが?
ふーん、あっそう………納得できるわけ無いじゃないのっ!!!!!
此でも喰らって、頭を冷やせぇ!!!
イオナズンイオナズンイオナズンイオナズンイオナズーーーン!!!!!!!!
(チュドーンチュドーンチュドーン)
>>688 あなた様のリクエストに応えてみました。如何でしたでしょうか。
え、違うっ!?
王女の犬耳さげ
692 :
見切り自殺:2006/08/08(火) 23:15:20 ID:wTWRYpPE0
全く、ルビス様もルビス様よっ。
「海の何処かに」じゃなくて、もっと的確な情報をどうして流さなかったのかしら。
お陰で、世界中の海を探し回る羽目になったじゃない。
……見つかったんだから良かったろ、とかそんな問題じゃないわよっ!!
でも。勇者ロトとの約束って、一体どんな約束だったのかしら。
まーなんにせよ、お陰でこうして精霊の護りも得られたし、
漸くハーゴンと相対する準備が出来たわね。
…………永かったわ。でも、此でお父様とお母様、そしてみんなの仇が討てる―――
そっか。船で走るより旅の扉をくぐった方が、ベラヌールには近いのね。
未だにあの気分には慣れないけれど、早くくぐりましょうよ。
………アレン、なにしてるの?
ふーん、お父様に手紙を。ねぇねぇ、なにを書いたの?
……ケチー、内緒になんてしなくても良いじゃないのっ。
あっ!逃げるなっ!!
行く場所同じなんだから、旅の扉に飛び込んだからって、逃げられるわけ無いでしょーっ!!!
(フィンフィンフィンフィーン)
手紙はもちろんEDで公開ディスよぬ?
御茶目なアレン萌え
…ん?誰だい、あんた………ああ、アレイの。
会いに来た?…そりゃ、別にかまわねぇが…外には出られんぜ?
…話?………わかったよ。けど、アレイは今、ここにはいねぇよ。
………鍛冶場だよ。やっこさん、何ヶ月か前から、熱心に頼み込み始めてさ、最近親方から許しがでたんさ。
…は?んなこた知らねぇよ。何だか知らんが、昼間はずっとあそこで鉄叩いてるよ。全く、何考えてんだか…。
あ?鍛冶場の場所?いいけどさ。つまらんとこだぜ?今は、誰もあっちの鍛冶場はつかわねぇし―――。
〜 〜 〜
――――――カンッ、ジュゥゥゥゥッ
熱せられ、真っ赤に染まった金属を槌で叩き、水につける。
その作業を、今日まで、何度病的に繰り返してきたか。
…狭く、設備も最低限のものが揃えられただけの、寂れた鍛冶場の一室。
創始者・アレイが武具類の開発に莫大な資金をかけるうち、いつしか使われなくなった鍛冶場だった。
そして今、そこで一心不乱に鉄を鍛え続けているのは―――他ならぬ、アレイその人であった。
「………まずまず、かな」
出来上がった細長い鉄を金属のハシで掴み、眺める。
アレイは額の汗を拭い、一息入れるために隅に腰を下ろす。
「…重量が嵩むな。もっと軽く出来れば…うん」
ビンに汲まれた水を口に運びながら、一人思案するアレイ。
手にはいくつもの肉刺(まめ)。潰れた痕も数え切れず、彼女がどれほどの労力をここに費やしてきたかを物語る。
コン、コン。
「?…はーい」
珍しい。この鍛冶場に来客なんて。
普段は、昼食の運搬と、日没にアレイを牢に連行するために、日に二度看守が来るだけである。
それも、ノックなどなしに入ってくるため、今回のようにドアの叩かれる音は、殆ど初めて聞くものだった。
―――ガチャッ。
ドアが開き、来訪者が入ってくる。
アレイは腰掛けたまま、来訪者が顔を出すのを待つ。と―――。
「――――――あ」
「………よう。何やってんだ、おまえ」
ドアを開き、顔も覗かせずに堂々と姿を現したのは。
無愛想で、どうしようもないほどお人よしな、顔見知りの少年であった。
・ ・ ・
「久しぶりねー。元気そうじゃない」
「おまえもな。安心した」
ゴドーはアレイの向かいの鉄材に腰掛け、二人、数ヶ月ぶりの再会に頬を緩ます。
心なしか、彼の表情は普段より少し柔らかい。
「ごめんね、碌なおもてなしも出来なくて」
「いや、それはいいんだが。…それよりも、おまえ」
慣れない熱気に目を細め、チラリと脇に置かれた細身の刀身―――先ほどまで、アレイが鍛えていた鉄を窺い見る。
「一体、何をしてるんだ?…看守の話を聞く限り、おまえは、まだ…」
珍しく、遠慮がちに、ゴドーは言葉を濁らせる。
それをみて、アレイはクスリ、と微笑む。
「いいの、気にしないで。…そう、確かに、私はまだ、町の人たちに許してもらえてない。
だからこそこうして、日々の自由を制限されてる」
穏やかに語り、アレイは座ったまま、脇に置いておいた槌を拾う。
「そう、だろうな。じゃあ、これは」
「そ。これが、私の戦い」
ヒュッ。
右手に持った槌を、空に向けて振るう。
そして、ゴドーへと向き直り、再び胸中を語る。
「…私ね。モノを作ったことなんて、なかった。
だから、私が町長だった頃…この町で働いてる人達が、どんな苦労をしているか、知らなかったわ。
それで、思ったの。まずは、何か…武器でも道具でもいい、何か、自分で作って、その苦労を知って、先ずはそこから始めようって」
「…それで、コレ、か」
ゴドーはハシを拾い、剥き出しの刀身を摘む。
見ると、脇にはいくつもの、様々な形態の刀身が転がっている。
「あはは、この数ヶ月の間に、何本も失敗作を出しちゃってね。見るとやるとじゃ大違いって、分かってはいたけど実感するわ。
職人の人たちって本当、すごいのねー。こんな、いつ終わるのか、そもそも終わりがあるのかさえ分からない業を、
ひたすら鍛え続けるんだもの。自分で自分にゴールを設けてた当時の私なんか、なんて甘いんだろうって思うわ」
「………」
―――当時の私。その言葉を聞きゴドーは彼女の過去を思い出す。
神童。彼女はかつて、そう呼ばれていた。
与えられた全てを完璧にこなし、凡そ考えうる最高の精度とスピードで体現する、若き天才児。
そして、その力が齎した、過去の弊害を。
「こーら、ゴドー」
「!…」
こつん、と、ゴドーの頭に軽く槌が当たる。
気づけば、アレイは立ち上がり、自分の目の前に立っていた。
「今、余計なこと考えてたでしょ?」
「…む」
見透かされている。
まるで姉のように叱るアレイを前に、ゴドーは短く唸り、眉間にしわを寄せた。
「…ふふっ。貴方、変わったわね。前はもっと気をつけてないと、考えを読ませてくれなかったわよー?」
くすくす、と意地悪そうに微笑む。
その様は、以前のような、偽りの笑顔ではなかった。
「心配しないでいいわ。私、今、とても楽しいの。だって、何かに挑戦してこんなに上手くいかないなんて、初めての経験だもの。
槌は重いし火は熱い、手は肉刺で痛いけど…私は今、こんなにも頑張ってる」
柔らかな笑みに確かな強い意志を宿して、アレイは、む、と力んでみせる。
ゴドーもつられ、穏やかに微笑む。
「…そうかよ。お前も変わったな」
「そう?」
「ってか、強くなった。少し、惚れそうだ」
「あら、嬉しいけど、そんなこといっちゃっていいの?アリスに怒られるかもよ?」
「――――――」
―――と。瞬間、会話が止まる。
ゴドーは浮かべていた皮肉っぽい笑みを消し、何とはなしに、窓外に目を向ける。
そう、当たり前だが―――アレイは、気づいていた。彼の隣にいなくてはならない少女の不在に。
ただ、彼はらしくもなく、それを先延ばしにしていたのだ。
「―――それで。私に、何の用かしら?」
楽しい談笑の時間は終わった。
彼が、ただの気まぐれや様子見で彼女を訪ねることなど有り得ない。彼が彼女を訪ねるのは、いつも、確かな目的があるからだ。
それを、彼―――ゴドーが出し渋る。
その異常に、アレイが気づかぬはずがない。
…やがてゴドーは観念し、アレイに向き直って、ソレを話し始めた。
「アレイ。落ち着いて、聞いてくれ」
「畏まっちゃって。短い付き合いでもないでしょ?私が誰かの話で取り乱したこと、あった?」
「…それもそうだ。だが、約束してくれ。今だけは」
「――――――」
いつになく、懇願するように、彼女の約束を求めるゴドー。
アレイは初めて見るそんな彼に対し、一切のふざけを捨てることを、己に誓う。
「わかった。約束する。話して」
三言。短く強い彼女の返事を聞き、ゴドーは全てを話し始めた。
・ ・ ・
「…成る程ね。闇の世界に、大魔王、か…」
「驚かねぇんだな…」
アレイの予想以上に落ち着いた反応に、ゴドーは少し面食らう。
「そりゃあ、ね。バラモスが貴方達に倒されたっていう話は、この町にも届いてるわ。
でも、魔王の消滅とともに自壊を始めるはずの魔物たちは健在…私でなくとも、薄々感づいてる人はいると思うわよ」
「…そうか」
「――――――それで。本気なの?」
アレイから、笑顔が消える。
真剣な眼差しでゴドーの目を見つめ、ソレ≠問いただす。
「――――――ああ。本気だ」
「………そ」
その言葉に、迷いはなかった。
彼は、本気で。その、前代未聞の賭けを実行するつもりだという。
アレイは目を伏せ、窓へと歩み寄る。
…ゴドーは、アレイに全てを明かした。アレフガルドのこと。ゾーマのこと。
そして、長い旅路の果てに見つけた、答えのこと。
その答えに辿り着き、彼が行おうとしている賭け≠フ勝算を、彼女は逡巡する。
「勝算が低いのは分かってる。だが、俺だけの力じゃ、どうにもならねぇ。お前の力を、借りたい」
彼は、本気だ。ソレを行う覚悟が、ではない。
かつて、一度でもあっただろうか。
この、勇者としての責務を全うするためなら、己の命すら顧みない少年が人の力に縋っている、その事態。
彼は今、本当に、アレイの助力を欲している。
「話は分かったわ。でも、訊いていいかしら?」
「なんだ?」
ゴドーの覚悟を確かめるため、アレイは一つの問答をかける。
それに、彼は果たしてどんな返答を見せるのか。彼女の答えは、それによって決まる。
「商人相手にただで頼みを聞けとは言わない=c貴方の口癖だったわね?」
「………ああ」
「今度の報酬は、何を用意してくれるのかしら?」
「――――――」
アレイの問いに、数拍、ゴドーは目を閉じた。
ひゅ、と、窓から吹き込んだ風が彼の逆立った黒髪を撫でる。
三十秒は、そうしていただろうか。やがて、彼は観念したように息を大きく吐き、アレイを見つめ返す。
「色々、考えたんだけどな。やっぱり、何も思いつかねぇよ」
「………」
「お前の命までチップにする賭けだ。…釣り合う対価なんて、見つからない。だから、これは最初で最後の、俺の頼みだよ。
――――――『頼む』、アレイ。俺に力を、貸してくれ。」
「…っふ」
ああ、今日は、初めての事だらけだ、とアレイは内心で笑う。
あのゴドーが。意地でも私に借りを作るまいと、いつも必死で報酬を用意してきていた彼が。
この私に、『頼む』と。
―――全く―――債務を作っているのは、私の方だって言うのに。
まさか、最後の最後に、こんなとんでもない一括払いを無意識で請求してくるなんて。
なんという、商才だろうか。私なんて、到底及ばない。
「………」
アレイは顔を背け、足元の刀身を拾い、炉に向かう。
「…アレイ?」
それを、依頼の拒否ととったのか。ゴドーは戸惑い、彼女を呼ぶ。
右手に槌、左手に冷えた刀身を持ち、アレイは火の滾る炉を見つめ―――囁いた。
「――――――ねぇ、ゴドー。貴方は、どうして剣をとるのかしら?」
「え―――?」
思いがけない問い。
それは、依頼とは無関係な、彼女個人の独白のようだった。
「どういう、ことだ?」
質問の意図がつかめず、ゴドーは目を白黒させる。
「だから、貴方はどうして剣を使うのかっていうことよ」
さっきと、あまり変わっていない気がする。
だが、彼はそれでも、自分なりに考えて答えて返す。
「それは…まぁ、俺だって、武器無しで戦うのは限界があるし」
「そうじゃなくて」
カツンッ。
くすっ、とアレイは軽く微笑み、左手の刀身を胸まで持ち上げ、軽く槌で打つ。
「この世界に数多存在する武器の中で―――貴方は、何故、剣≠ニいう武器を使うのか、って訊いてるの」
「…?」
ますます分からない。というより、どうしてそんなことを訊くのだろうか。
ゴドーの戸惑う様子を見て、アレイは目元を更に緩ませ、語り始める。
「いい?考えても見て。中距離戦のリーチと威力なら槍。接近戦での精度と小回りなら短剣やナイフ。
遠距離からの必殺の一撃なら弓や大砲。障害物を破壊するなら重量に優れる斧や槌。
…状況にあわせて、その特性を活かせる武器はごまんと存在するわ」
「………ああ」
「けれどね。唯一つ、剣≠チていう武器だけは、何れの個性も備えない、酷く中途半端な武器なのよ。
でも、世界では、貴方を含め、多くの戦う人々が、剣≠使っている」
「………そう、だな」
段々、彼女の言わんとすることの意味がゴドーにも見えてきた。
そう―――よくよく考えれば、当然だ。何故、今まで疑問にも思わなかったのか。
理論的に、優れた武器は他にいくらでもあるというのに。
何故、世界ではこれほどまでに剣≠ェ愛用されているのだろうか。
「何故だかわかるかしら?」
「………………いや」
やはり、分からない。
抱いたこともない疑問をいきなり芽生えさせられ、その答えを直ぐに出せといわれても、出来るはずがない。
ゴドーは口を噤み、無言で答えを求めた。お前には、分かるのか、と。
アレイはそれを受け、何でもないことのように、答えを提示した。
「簡単よ。答えは――――――剣という武器が、この上もなく、美しいから」
「………は―――?」
ちょっと待て。彼女は今、何と言った?
鳩が豆鉄砲を食らったような、という表現があるが、今のゴドーの顔はまさしくそれであった。
美しいから―――?
バカな。俺が剣を使うのは、単純に強いからだ。
俺は間違っても、そんな理由で剣を使ったことは―――――――――いや待て。何だ、その矛盾は。
強いから?先ほど、剣よりも強い武器は山ほどあると確認したばかりなのに?
だが、剣は間違いなく、強い。
では―――その強さは、どこから来るものなのか…?
カツンッ、カツンッ。
自問自答する彼を認め、アレイは刀身を更に打ちながら、彼の疑問を的確に解いてゆく。
「…整った装飾と洗練された柄…眩く輝く刀身。それは古くからの、力と、想いの象徴」
心なしか、誇らしげに語るアレイの横顔は、今までのどんな表情よりも、輝いて見えた。
「人は皆、古からその神々しい姿に思いを馳せて…ある者は光り輝く希望を、ある者はどす黒い憎悪を、
またある者は愛する者への恋慕を込めて、剣を鍛えた…。剣はね。その美しい姿故に、作った人の想いを最も強く宿せる武器なのよ」
そこまで聞き届け、ゴドーは、彼女の真意を悟った。
「…ああ、なんだ。つまり―――」
「そ。剣という武器が、何故これほどまでに強く、多くの人々に使われるのか。
ゴドー。剣は、剣自体が強いのではないの。剣に込められた、想い≠ェ強いの―――貴方の、その剣のように、ね」
いって、アレイは視線を彼の背後に向けた。
ゴドーはそれを追い、その先にあるものに気づき、驚く。
「気づいてたのか」
「それだけの業物だもの。鞘に入っていたって、分かるわ」
「…凄いな」
「ふふっ。私もね、剣を打ち始めるようになって、色々なモノが見えるようになってきたの。
剣と対話するっていうのかな…私なんか、まだまだだけどね」
悪戯っぽく笑い、アレイは刀身と槌を台の上に置く。
「ね。その剣、ちょっとだけ見せてもらえない?」
「ん?まぁ、かまわねぇけど」
いって、ゴドーはベルトを外し、王者の剣をアレイに引き渡した。
・ ・ ・
「………」
チャッ。
鞘から抜き放ち、十秒ほど刃を眺め、すぐに剣を収める。
「うん。思ったとおり、凄く綺麗な剣」
「何だ、もういいのか?」
淡白な観察に、ゴドーは拍子抜けする。
「ええ。殆どのことは、貴方の背中にあったのを見てるだけで読み取れたわ。私があと見たかったのは刃だけ」
「それにしても、早過ぎねぇか」
「うん?だって、私、まだ技術的な刃の良し悪しなんて、よくわからないもの」
はぁ?と間の抜けた声を上げて、ゴドーは腰掛けた鉄材からずり落ちた。
そんな彼を、アレイは笑って諭す。
「そりゃそうよ。たった数ヶ月で刀工の何が分かるって言うの?私なんかまだ駆け出しも駆け出し。
私が、この数ヶ月で得られたものは一つだけ。剣に込められた想いを感じること、それだけなの」
「………そうか。そういえば、お前は」
彼女の言葉を聞き、以前のアレイの日常を、思い出す。
実兄の死に目に遭い。人々の想いを、次から次へと聞きだす毎日。
そんな彼女ならば、剣に込められた想いを読み取るまでに、それほどの時間を要しなかったとしても、不思議ではないかもしれない。
「―――これを鍛えた人は、凄く真っ直ぐなのね」
気づけば、彼女は少し、望郷の念に駆られたように、王者の剣を見つめていた。
「真っ直ぐ?何に?」
「生きることに」
にこやかに笑い、はい、と剣を持ち主に返還する。
「この剣には、生きたい≠チていう、とても強くて純粋な想いが込められている。こんなにも綺麗な想いは、初めて見るわ。
きっと、この人。一度、どうしようもない絶望を味わって、そこから這い上がったのね。
そうじゃなきゃ、こんなに生きることに一生懸命には、なれないもの。強い人…ちょっと、羨ましいわ」
「………」
ゴドーは内心、彼女の言葉に感嘆する。
その通りだった。彼の剣を作り上げた青年は、生贄の妻を連れ、絶望のまま故郷から逃げ出し、かの国に迷い込んだ。
そして、更なる絶望に包まれた国を見て―――もう一度、生きたいと、願った。
王者の剣は、間違いなく、かの青年の想いの具現であった。それをアレイは、剣を一目見ただけで、読み取った。
「ゴドー。その剣と、対話して御覧なさい」
「…はぁ?」
と、突如。アレイは、ゴドーによくわからない注文をしてきた。
「難しいことじゃないわ。別に、剣とお喋りしなさいって言うんじゃない。
その剣には、強い想いが込められてる。そして、それは貴方の為に作られた剣だから。
きっと、貴方以外には心を開いてくれない」
「…っていわれてもな」
両手に持った長剣を、持て余したように眺める。
「大丈夫。貴方になら、ちゃんと答えてくれる。そうすれば、その剣はもっと素晴らしい力を、貴方に与えてくれるはず」
「む…」
困った。そうはいうが、俺は今まで、剣と対話、とやらをしたことなどない。
彼女のように、人の想いを読み取る日常を送ったわけでも、鍛鉄の修行をしたわけでもない自分に、そんなことが―――。
「目を閉じて、剣と一体になるのをイメージしてみて」
などと考えても、彼女はお構いなしで話を進めようとするのであった。
仕方なく、彼はいわれた通り、鞘に収めた剣を床に突き立て、握りこむ。
「――――――すぅ」
終わった?
GJです。お待ちしておりました。
707 :
◆iUYYbbU6T. :2006/08/09(水) 12:56:33 ID:jtvL2WGMO
書き手の人お疲れさんです。
自分の方はと言うと、仕事が忙しすぎてっつーか休みが少なすぎて続きが書けませんw
精神的にもしばらく余裕がないため話も思い付かないです。
なのにまとめのトップに載ってるのがすごく恐縮過ぎて申し訳ないです。
自分もこのスレと書き手のみなさんを応援しています。
重ね重ねすいません。下げ忘れました。
上げてまで書き込む話ではないです。
あまりに興奮しすぎたので、今はコメントだけ。
YANAN氏がキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!とか思ってたら。
>>707って、執筆係氏じゃないですかっ!!!
もうそれだけで鼻血が出そうなくらい興奮してます。
続きは気長に待っているので、余裕が出来るまで無理はしないで下さいな。
うわ…何書いてわかんないや。
時々しか作品を投下しにこない人の話の続きが出来てる。
長らく行方不明だった人の生存が確認された。
なんつーか…言葉じゃ表せねぇ。
執筆係さんキテター!
VIPから移ってきて最初に少し見かけて以来じゃないっすかー!?
もー早くみなさんの続きがみたいです!
713 :
見切り鼻血:2006/08/09(水) 23:07:32 ID:RboPFA0n0
どーして、こんな処で水着着てるのよっ!?
そうね、確かに海だし暑いし、其の気持も判らなくもないわ。ベラヌールだからってのは判らないけど。
―――もう少しでハーゴンの元に辿り着くってのに、此処で時間を潰す意味が判らないって云ってるのっ。
……決戦前に気晴らしするのは大事?
まぁ、それなら判らなくもないけれど………でも、わたし水着なんて持って、無いわよ?
…………………なんで、其処で女性用水着が出てくるかなぁ。
……ラダトーム王に貰った?ああ、あの時暴れてたのはその為だったの………ハァ。
なんでこんなもの隠し持ってるのかなぁ、あの王様は…………
一つ云っておくけど、ああいうのは貰ったじゃなくて、奪い取ったって云うのよ。
ちょっとっ!!
こ、こっ、こっ、こんなの恥ずかしくてシャツ脱げないわよっ!!
……あぶない水着?そんな名前だったんだ………じゃなくてっ!!
何が危ないのよっ!?というか、きっとわたしが危ないわよっ!!!
もー、どうしてこんなの手に入れてくるかなぁ。
……じゃあ、なんで着たのかって………そ、そんなの―――わたしの勝手じゃないっ!
良いわよ、脱げば良いんでしょ、脱げばっ!!
……………ちょっと、何か云いなさいよ。せっかく見せてあげてるんだから。
前屈みに明後日向いてないで、こっち向いて感想くらい云いなさいって云ってるのっ!
……水着も似合ってるなって…………そ、そんなに褒めてもなんにも出な―――も?
ちょっと、一体なにと比較してるのよ。
……下着とかはだ……………ば、ば、ばっ、ば、こんのスケベゴーグルッ!!!!
あ、ちょっと逃げるな………っ!
海に逃げたって、わたしだって泳げるんだからねっ!直ぐに追いついてやるわよっ!!
(ジャバジャバジャバ)
アレン「おおっ、ナナちゃん!
コナン「こいつは、さいこうだぜ!
ナナ「そんなにみないで。
わたし…
はずかしい…
おうさま「どうして、わしはみられんのじゃ……
きっとそんなイベント。
>>693 其れ以前に内容は判る予定です。多分。
あぶないみずぎktkrwwwww
ムーン絵板のハーゴンの呪いがこんなところにまで(違
717 :
YANA :2006/08/10(木) 23:45:56 ID:HQtMJgUg0
ちょwww執筆さんキタスwwwww
便乗して、少しご挨拶を。
二番煎じの分際で草分けの方を追い越しちゃって、恐縮です…当方も気長にお待ちしてます。
とはいえ、今の俺も執筆速度遅くて偉そうなこと言えたもんじゃないですがー。えろうすみません。
まとまった時間に集中して書かないと納得のいくモノが書けず、そのまとまった時間をとれない…未熟者がっ。
こういう展開って一気読みするから燃えるのであって、分割だと勢いが減衰するんですよねぇ。
然るに俺がこの形態を選ぶに踏み切れたのは、偏にまとめサイトさんがあるからで。有難いことです。
最大級に楽しみたい方は、忘れた頃にまとめさんを覗くといいかもしれません。
ついでに、既に予想の付いてる方もいるかと思いますが、今後の傾向を少しメル欄に。
少しのネタバレもいやな人はご注意を。
718 :
見切り鼻血:2006/08/10(木) 23:54:33 ID:l9qyLEpt0
じゃじゃーんっ!
どうっ!?美味しそうでしょっ!!
……なに厭そうな顔してるのよ。
せっかく、わたしが決戦前祝いに材料掻き集めて作ったのにっ。
わたしが作ったケーキ、美味しそうでしょ?
…………顔面蒼白で後退るのは、やっぱり失礼だと思うな。
確かにあのこと思い出せば、警戒するのも判るけど。
でもっ!!アレから長いこと練習してちゃんとした物作れるようになったんだからっ。
各地の名物ケーキのレシピを手に入れて、完璧に作れるようになったのよ。
ううん、わたしの口から云うのもなんだけど、それ以上よね。ふふんっ。
あ、呆れた顔して席から立とうとしないでっ!
以前みたく、口に入れたら毒を受けるとか、そんな目には遭わないから。
………もー、信用無いわね。仕方ないわ、わたしが――――あっ!
(モグモグムシャムシャ……)
ど…どう…………?
……美味しいって………ホ、ホントッ!!
え、えへへ。えへへへへ………………も、もっと色々あるからねっ!
ほらっ、じゃんじゃん食べてよっ!!
それぞれ作者さんたちへ
乙!乙!乙!
時間は常に一定に流れていると思われがちですが、例外はそれこそ常に存在するのです
それぞれの物語を読み始める時、前回読み終わったその時からの時間の超越が起こり、前回の内容がまざまざと甦ってくるのです
それは大好きなこのスレの、大好きな話だからこそ出来る業
故に投下の間の期間など無いに等しいと言えるでしょう
だから僕らは待つんです
あなたの話に再び会える時を
王女のけーき
MP回復
待て、アレンの為に作ったのにMP回復じゃ駄目じゃないか…
だがそれがいい
723 :
見切り鼻血:2006/08/11(金) 22:02:41 ID:R8sW9WPs0
ちょっと、何処行こうって云うのよっ!?
……ロンダルキアって―――コナンはこのまま置いてくのっ!!?
世界樹の葉があれば治るって話なのにっ!
……時間がないってどういう………そりゃハーゴン倒せば呪いは解けるだろうけど………
だけど、治す手段だって無いわけじゃないのよっ!!
………アレンはどうしてそんな………………
コナンは無理して起きなくて良いから、寝てなさいっ!
……先行けって、コナンまでどうして……っ。
此処で立ち止まらせるわけには行かないって………
なによっ、男二人で判ったような顔してっ。わたしだけ仲間外れなのっ!?
もー良いわ。だったら好きにしたらいいじゃないのっ。
この莫迦が心配だから、わたしは付いてくけど。
………わたしたちがハーゴン倒して帰ってくるまでに死んでたら、赦さないんだからっ!!
―――だから。だから、ちゃんと生きて待ってるのよ。
前話からの流れで一瞬ケーキとハーゴンの呪いの関連性について悩んでしまった
それはともかく…サマルを治さず放置プレイだと…?どうなるんだ一体
健康に過ごしているだろう妹へ
全ての紋章を手に入れて、精霊の護りを得ることが出来たんだ。
其れで、とうとうロンダルキアに向かうためにベラヌールに戻ってきたんだけど。
ベラヌールは水の都なんだけど、海も近くてね。
みんなで水着を着て泳いだんだ。
然し、あのラダトーム王が隠し持っていた水着………
アレは強烈だったよ。特にナナは良い感じに育っていてね。
あのナナと水着のマリアージュは思い出すだけでもこうなんだか………コホン。
色々あってあの二人は追い駆けっこしていたけど、微笑ましかったなぁ。
だけど、これ以上ぼくはあの二人の事を見守ること、出来なくなっちゃったんだ。
恐らく三人の中で一番恐れられてたんだろうね。仕方ない、其れだけの戦果を残してきたんだから。
ハーゴンの呪いを受けてしまったんだ。お陰で動けなくなってしまってね。
あの二人はぼくを置いて先に向かった。ぼくはこの街でお留守番さ。
ちょっと不安だでね、愛用の力の盾をアレンに貸したんだ。だからきっと大丈夫だと思う。
お前も身体に気をつけて…………
呪いで倒れちゃった兄より
−−−−−−−−−−−−−
お兄ちゃん……………………
………将軍たちを今直ぐ呼び集めなさいっ!!
直ちに会議を開きます。……当然でしょう?お父様も叩き起こしてっ!
軍を操らせたら当代一と謳われたサマルトリアの女傑、
リアの名が歴史に出てくるのはこの日を境としている。
とか、そんな一文が出て来そうな展開。
>>724 そのまま置いてきぼりですよ、勿論。
メンバー減らすために良いイベントを組み込んでくれたものだな、堀井も(偉そう。
本気なのかwwwま、一向に構わないがなwwwww
わははははっ! 喜びの 一時に 少し 驚かせたようだな。
我が名は ゾーマ。闇の世を 支配する者。
この わしがいるかぎり…
やがて この世界も 闇に 閉ざされるであろう。
さあ 苦しみ 悩むがよい。
そなたらの 苦しみは わしの 喜び……。
命あるもの 全てを 我が 生贄とし…
絶望で 世界を 多い尽くしてやろう。
我が名はゾーマ。全てを 滅ぼす者。
そなたらが 我が生贄と なる日を 楽しみにしておるぞ。
わははははははっ………!
…べ、別に城に誘ってるわけじゃないんだからねっ!
その…一応ギアガの大穴は空けとくから…そ、それじゃ!
ちょwwwwwwwwwwwww
ゾーマたん・・・
DRAGON QUEST III
STAFF
(中略)
AND ACT BY NAMAE GA NAI
NA,NANIYO.ANTAGA NAMAEWO NOSETEKURETTE IITAGENI NAMAEWO IRETAKARA
STAFF ROLLNO SAIGONI IRETE AGETANZYA NAI.
ETO,SONO,ATASHINO BOUKEN,TANOSHINDE MORAETA?
ちょっと、スライム たち が あらわれた わよ!
ス、スライム たち は いきなり おそいかかって きたじゃない!
あたし が ちゅうい して あげてるんだから ちゃんと よけなさいよね!
だれだよ
男僧侶lv2「おい!大丈夫か!!」
女戦士lv2「へ、平気。たかがスライムの攻撃なんか……ッ!!」
男僧侶lv2「伏せろ!!」
女戦士lv2「きゃっ!」
男僧侶lv2「奴らはバブルスライムだ。ただのスライムだと思うな!」
女戦士lv2「うるさい!!言われなくても分かってるわよ!!」
男僧侶lv2「行くぞ!!」
女戦士lv2「勝手に仕切らないで!!」
二人の会話からは想像もせぬ程のコンビネーションで、バブルスライムを
何とか倒した。
男僧侶lv3「何とか助かった」
女戦士lv2「何であんただけlvupしてんのよ」
男僧侶lv3「あれ?ほんとだ。まあ気にスンナよ」
女戦士lv2「するわよ!!」
男僧侶lv3「怒るなよ。ほら、ホイミ!」
女戦士lv2「んんん!」
戦士の体力は満タンになった。その瞬間、戦士は僧侶を殴り飛ばしていた。
続く
男僧侶lv3「い、いてててて、何すんだよ!」
女戦士lv2「いきなりホイミ使わないでよ!」
男僧侶lv3「へ?なんで?」
女戦士lv2「何かこう、ぞくぞくするから。っっって変な事言わせないで!!」
憐れ僧侶はまた殴り飛ばされていた。
女戦士lv2「さあ、とっとと帰るわよ」
男僧侶lv3「へいへい」
余力を振り絞って立ち上がッた僧侶は、先を言った戦士を追いかけていく。
男僧侶lv3「最近の女は怖いな」
女戦士lv2「何か言った?」
男僧侶lv3「いえ、何でもありません」
アリアハンの城下町までもう少しという所で、戦士は何かに気づいた。
女戦士lv2「?」
男僧侶lv3「どうした?」
女戦士lv2「あんた、何で回復しないのよ」
男僧侶lv3「ああ、もうMP切れたからな。薬草も切れたし」
女戦士lv2「ウソ!じゃあ何で……」
何となくその先の会話が想像出来てしまった戦士は、そこからの言葉を口にしなかった。
男僧侶lv3「?」
女戦士lv2「何でもない」
男僧侶lv3「なんだよ。変なやつだな」
女戦士lv2「うるさい!!」
戦士は先へと走り出そうとしたが数メートル進んで立ち止まった。
振り向きざま、僧侶に聞こえるか聞こえないかの声でこう言った。
女戦士lv2「あ、ありがと」
了
全然ツンデレじゃなかったな。スマソ
そんなことない
実に古典的
>>738 ありがとう。修行してきます。また来ますね。
>>735 レベルアップワロス
ざんねんながら ぼうけんのしょ1 は きえました
ざんねんながら ぼうけんのしょ2 は きえました
ざんねんながら ぼうけんのしょ3 は きえました
べ、別にもう一度最初からやって欲しいとかそんなのじゃないんだからねっ!
やる気失せた。中古屋に売ってこよ
>>741 えっ、そ、そんな・・・そんなこと言わないでよ。お願い・・・
743 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/08/14(月) 19:30:19 ID:cczVciVCO
>>737 忘れかけてたツンデレの基本だな。
GJ!!
744 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/08/14(月) 19:53:35 ID:8otD2Q0JO
>>741 ご、ごめん、何か気に障ることでもした?
謝るから…そんなこと言わないで…
はぁはぁ………やっぱりコナンがいないと辛いわー。
なんだかんだ云ってたけれど、役立ってたもんね。
ザラキとかスクルトとか。
…………メガンテって、どんな風に効果を及ぼすのかちょっと興味があったわね。
まぁ、居ないことをグダグダ云ってても仕方がないわ。
さっさと先に―――って、わたしより先に行くなぁ!!
全く………いったいなんてとこなのかしら、この洞窟。
絶対ハーゴンが既存の洞窟に手を加えたに違いないわ。
じゃなければ、こんなに人を惑わせるような物が出来るはずがないもの。
だって、無限ループって一体なによっ!?
アレに気が付いて抜け出すまでの苦労は、あんまり思い出したくないわ。
………此処はいったい何処かしら―――なに手招きしてるのよ?
(ヒョイ)
ちょ、なにお姫様抱っこしてるのよー!!?
確かにわたしはお姫様だけど、そんな話じゃなくてっ!?
……前に約束したからって、一体な―――――
(ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ)
お、おとしあなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー……………………
vipを思い起こさせる書き込みktkr
こんな流れが大好きだ。
米じゃない方の名前欄忘れてますよ
無限ループって怖くね?
稲妻の剣て、すっごいのねぇー。
此処最近のアレンは、ただでさえ人並み外れていたのに、
その剣のお陰で、人外じみて来ちゃったね。
この屍の山をみたら、一体どっちがモンスターか判らないわよ。
………あ、ちょっとぉ!いきなり歩き出さないでよ、もう!!
はい、ベホマ。
力の盾を掲げるのも良いけれど、た、たまにはわたしにも回復させなさいよねっ。
その盾じゃあ、大きなダメージの全回復は出来ないんだから。
それに、もう少しわたしの援護を信用してよ。そうすればそんな怪我なん………
ねぇ、頼むからちゃんと話を聞いてよっ。せっかく人が心配して―――
………こっちだわ。こっちから何か感じる。
なんだか判らないけれど、行ってみるわよっ!
…………そうそう、話の続きはちゃんとあとでするんだからねっ!!
神スレ
おお ○○○○! しんでしまうとは なさけない!
そなたに もういちど きかいを あたえよう!
べ、べつに しんぱいなんか してないんだからね!
あんたがまけると みんながこまる ってだけなんだから!
せっかく いきかえらせて あげたんだから
こんどこそ ちゃんと かちなさいよね!
べ、べつに ぼうけんのしょ1が きえてしまったからって
おきのどくだなんて おもって ないんだからね!!
べ、べつに ぼうけんのしょ2が きえてしまったからって
おきのどくだなんて おもって ないんだからね!!
べ、べつに ぼうけんのしょ3が きえてしまったからって
おきのどくだなんて おもって ないんだからね!!
ったく…またデータ飛んじまったよ。どうして俺の買ったソフトは片っ端からハズレなんかね?
こいつも売ってまた別なの買ってくるか…俺いつになったらこのゲーム全クリできるんだろ
…今度ダメだったらエミュでやるかな…いやいや
ロトの、鎧――――
……あ、当たり前でしょっ!何度か目にしたことがあるし。
それに何より。此だけの『力』を違えるわけ無いじゃない。
……多分、本拠地まで持っていくことが出来なかっただけ、じゃないかしら。
ほら、重いし…………嘘、ゴメン冗談。だから、その手を下げてくれない?
ねぇ、せっかくロトの鎧が見つかったんだし、早く身に着けてみなさいよっ。
………ふーん……………まぁ!此でなんにせよ、ロトの装具が揃ったわけね。
………にしては、剣は相変わらずかぁ。ロトの装具を揃えることが条件かと思ったんだけど。
全く、何処かの誰かさんみたいに怠けることが得意なだけだったりしてね。
でも、此でアレンはなかなか死ななくなったわよー。
わたしの気苦労も此で少しは――――し、心配なんてしてないんだからっ!!!
……か、格好見てなにか云えって………自分だってなかなか云ってくれないくせに―――
に、に、に、似合ってるなんて、絶対云ってあげないんだからぁっ!!
日大山形の戦闘に触発されてやっとこさ意欲がわいてきました。
んで再開するにあたって、(既にいくつかストックしてたりする)
自分の進むべき道をさぐるために途中までしか読めてなかった諸職人さんの作品を、
まずはYANAさんのを最初からブッ遠しで読み始めて、たった今読み終りました。
囚われのアレイ読んだ時はリアルで泣きました。
バラモス戦、それにアリスワード。母との別れ。オルテガの最期。もうあちこちで感極まった。
何て言ったらいいのか。8時間もパソから離れられませんでした。
込められたメッセージ。スケールの大きさ、深く、細かい描写には頭が下がります。
1人の男と1人の女に芽生えた絆、覚悟、愛、お互いを大切に守る様に心打たれて
見切り氏もこんな感じなのかなと羨ましくなりました。
出版されたら3冊買います。
せっかく作るんだから区別化ははかりたいので、
こちらは今まで通り軽く短いお子様コメディを貫きます。技術的に必然なのですが。
本格小説に対抗するならできればギャグ萌え2割増で。できるかな・・・?
ぶっちゃけYANAさんの後に続いて書き出すのは非常に恥ずかしいんですけど、
自分のアイデンティティはしっかりこのスレに刻みつけます。
自分で自分のお手並み拝見ですね。
PS
・バラモス城入城時のYANA氏のIDには運命を感じました。
YANAさん自身も“一つの光”なんだね。
・(3億周期遅れで)見切りさんホントにおめでとうです。
娘ができたらツンデレに育ててねw
これから読ませてもらいます。
期待し過ぎて禿げ上がった!!
wktkwktk
よっしゃあ!!
あーもうっ!!!
同じ処グルグルグルグル回ってばっかりじゃないっ!
何時になったら外に出られるのよっ!!
そりゃね、アレンは超人的な体力で剣を振るい続けられるかもしれないけれど、
わたしはマジックパワーがなくなったら、呪文唱えられないんだからっ。
そうしたら、ただの可愛い女の子でしかなくなっちゃうんだからねっ!
……ア、アレンがなかなか云ってくれないから、自分で云っちゃたのっ。
もう、ほら。祈りの指輪で回復させるから、ちょっと待っててよ。
あ―――指輪が……………
うん、仕方ないよね。今までだって、何度か使ってきたし。
充分頑張ってくれたんだよね、ありがとう――――
ほら、さっさと先に行きましょうよ。早く出口見つけないと、此処で犬死にしちゃうわよ。
そんなことになったら、コナンだって助からないし。
………何よ、こっちをじっと見て。
……ま、またくれてやるって、べ、別にそんなこと気にしてなんかっ!
ア、アレンに貰ったのだからって、へこんでるとか、そんなんじゃないんだか―――
さっさと先に行かないで、ちゃんと人の話を聞けぇ!!!
―――今度は、壊れないやつにしてよね、ふんっ。
うわーい、執筆係さんにお祝いされちまった!
娘にツンデレされたら、多分一生悶えて生きてくことになりますね。
そんな人生は一体地獄が楽園か。
というかっ!
続けて読まれると、行き当たりばったりというか迷走ぶりというか。
そんな恥ずかしげなものがが白日の下に晒されるので、非常に恥ずかしいです。
そんわけで、鼻血をドボドボと垂れ流しながらwktk
ファンタジーでここまで熱い萌えを見せられたら
現実の女を愛せなくなった。
NYAO氏責任取って結婚してくれ。
「な、なんじゃお前達は!?」
「なるほど。この者を倒せば良いのだな。」
ドレアム の こうげき! デスタムーア を やっつけた!
「これで良いのだな。では私は帰るとしよう。
…また…会いに来なさいよねっ!」
こ〃と〃 ゆ3
えて〃ん せ5
らいなあ そ4
ありす ま4
>>763 それって6だったっけ?
もしかしてここって3じゃなくても別に構わないのか?
もしおkなのなら俺んちにある7媒体に何か書いてみたい。
今んとこ長編作品が出来てるのは1〜4かな
>>765 見切りロトさんの作品を見ていれば3だけかどうかはわかると思う
769 :
765:2006/08/18(金) 17:59:35 ID:YtOHm6MD0
>>766そうなのか。じゃあ俺は7でトライしてみるよ。一度プレイし直してからだけど。
>>767了解。ここ来たばかりでちゃんと読んでなかった。スマソ。
>>768おお、本当だ。見切りさんおもしろいね。じゃなかった、スレ汚し本当にスマソ。
770 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/08/18(金) 21:59:29 ID:KhkmoUyH0
うっわぁー!!!!一面銀世界ッ!
此処がロンダルキアかぁ。思ったよりも良いところだねっ!
……だって、雪景色よ雪景色。
これぞ正しく、「トンネルを抜けたら其処は雪国」ってやつねっ!
………さっきまでのアレをトンネルと言うには、抵抗があるけど。
一面真っ白、然も他に人がいないから処女雪踏みしめほうだ………
って、モンスターが踏みしめてたら意味無いじゃないっ!!
そのうちロンダルキアのモンスターも駆逐してあげるわっ!
あー……また呆れて先に行こうとする。
此でわたしが知らないうちに凶悪なモンスターに襲われてたら、どうするつもりなのかしら。
………………やっぱりこういう時はお約束よね。
(ペシャ)
へっへー、わたしの雪玉の威力を見たかー。
あんまりわたしの相手してくれないから、そういう目に遭うのよっ。
ふふん、悔しかったら反撃してみな―――――
(ビュオン!!!)
ちょっ!!なに本気で投げ……遊びも本気でって………
それが許される人と許されない人がいるでしょっ!!
アンタは基本的に許されない人っ!雪合戦では間違いなく本気出しちゃダメッ!!!
(ビュオン!! ブオン!! ヒュン!!)
………し、死ぬっ!当たったら絶対死ぬ………っ!!
た、たすけ――――――イオナズンッ!!!!!
(チュドーン)
人外の握力で凝縮され、人を越えた膂力で投げ出される殺人雪玉。
それを朗らかな顔で子供のように楽しみながら放る、それがアレンクオリティー。
>>765 ツーンデレクの王女もあと○回+αと終わりが見えてきたので、新規の書き手さんが増えるのは喜ばしいことです。
というか、普通に負担が減って嬉しいとか思ってますから。そんなわけでwktkして待ってますね。
いやでも、投下される頃にはもしかしたら完結してたりするのか?
そこでザラキ&メガンテですよ
>>772 > いやでも、投下される頃にはもしかしたら完結してたりするのか?
ええと、とりあえずもう一回7をやり直してから書こうと思っているので、しばらく投下は
なさそうです。期待せずにお待ちを。
見切り父「起きたかー?遅刻するぞー」
(ガチャ)
見切り娘(11さい)
「キャッ!ちょっとお父さん!あたしが着替えてるのに
ノックもしないで部屋に入って来ないでよ!
見切り父「す、すまん
見切り娘
「すまんじゃないわよ!もう何回目?
次やったらもう口聞いてあげないから!
ほら早く出て行ってよバカ!!
見切り父「・・・。(涙目)
〜その夜〜
見切り娘「お父さーん。お風呂入ろー!
見切り父「あ、ああ。(着替えで怒るくせに・・・)
>>見切り父
コナン妹に爆死した。破壊力ありすぎます!
こちらが順調なんで見切り氏が終わる頃には
投下が再開できる段階かもしれないです。
(進度でなく質の話)
ただ、題材がYANA氏と同じですしそちらが完結してからの方が水を差さなくていいかもしれません。
今すごくいいトコですから。
↑書き手としてじゃなくYANA氏の1ファンとしての意見。
777 :
見切り父:2006/08/19(土) 23:01:26 ID:Yr07/EBJ0
うー、寒いなぁ。
なんでこんな処にアジトをつくってるかなぁ、ハーゴン。
さっさと片付けて、早く帰ろうよ。じゃないと、そのうち凍死しちゃうわ。
……さっきと云ってること違うって?
アレン、時間てのはね、滞ることなく流れているものよ。
そんな一時の感情に囚われてたら、時代から取り残されちゃうんだからねっ。
ほらほら、そんな溜息ばっかり吐いてないでっ。
早く先を目指しましょうよ。じゃないと、ホントに凍り漬けになりそう………
あー、見て見てっ!!
彼処になんか建物があるっ!
こんな処にある建物だから、きっとアレがハーゴンのアジトに違いないわっ!
―――アレン、準備は出来てる?
……ちょっと待てって、どういう事よっ!
直ぐ其処にハーゴンが、仇がいるって云うのに………え?
せっかく辺りが極寒の地なんだから、頭も冷やしてみたらどうだって?
778 :
見切り父 米:2006/08/19(土) 23:07:57 ID:UydfazrH0
執筆係さんにネタにさレタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
もう思い残すことはありません。
他の方々の投下のタイミングはわたしがどうこう言うことではないので、お任せします。
男勇者と女賢者って最高のかっぷりんぐ保守
>>執筆氏
YANA氏の投下の真っ最中でもなければ水を指すことにはならないんじゃないでしょうか。
個人的にはwktkしっぱなしなんで、いつ投下があってもおkですが。
>>見切り氏
嫁二人にツンデレな娘……
呪っていいですか?
781 :
見切り父:2006/08/21(月) 23:22:19 ID:tvSGNIwb0
なーんだ、ただの祠だったのね。
てっきりハーゴンの住処かと思っちゃったわ。
だけど、どうしてロンダルキアの大地に人間が住んでるのかしら。
然もよ、邪教の本拠地だってのに、教会が備え付けられてるってどういう事よ。
それより何より。この人たちはいったい何時、何処から此処にやってきたのかしら。
それが一番気になるわっ。あの洞窟を抜けてきたのだとすればとんでもなく強いのかも知れないし。
………ちょっと訊いてくる。
全然教えて貰えなかった。
………何よ、そのニヤケ顔は。もうっ、莫迦にしないでよっ!
せっかく泊めてくれるって事にはなったんだから。
……いつの間にって?ふふん、そのくらいの当然でしょ。
此からハーゴンとの決戦が待ってるんだからね、体調は万全にしておかないと。
せっかく泊めてくれるって云うんだし、此処はその言葉に甘えてるべきなのよっ。
…………………まぁ、こんな辺鄙なところだから、勿論そんなに部屋数はないだろうし、
わっ、わたしたちに貸してくれる部屋が、一つしかないのは仕方ないことだけれど。
…………な、なによ、そんなにじっと見つめて。
へ、変なこと云いだしたら、部屋から追いだ―――――――………………え?
>>見切り祖父
ちょwwww気になるwwwwwwいや見当付くけどwwwwww
二人の関係もいよいよ佳境w
色々wな意味でクライマックスですか。
思ったんだが冒険物ラブコメってさ、
物語の終了に合わせて恋愛の方も一区切り付けなきゃならんな。
いや、必ずそうしなくてもいいのかもしれないが
それがないと俺は面白いと思えない。斜め上展開は否定しないが。
基本をきっちり抑える職人たちはさすがだと思う。
ワクテカがとまらねえぞっ
787 :
見切り祖父:2006/08/22(火) 23:47:10 ID:XsTAbSEP0
ちょ、ちょ、ちょっと待って……ちょっと待って。
聞き間違いだったかも知れないから、もう一度――――待ってっ!深呼吸するから、待って。
…………すぅ〜はぁ〜、すぅ〜はぁ〜
………良し、いいわよ………覚悟は出来たわ、もう一度云いなさいっ!!
……こ、こっ、こんな時にす、す、す、好きだなんて………頭に蛆でも湧いたんじゃないの!?
あ、でもこの寒さだと蛆なんて湧かないか……じゃなくてっ!!
どうして、今こんな時にそんな――――好き、だなんて。
……そりゃあ、生きて帰ってこられるかなんて判らないけど……後悔したくないって………
……わ、わたしがどうかって!?
それは………い、厭じゃないっ!!厭じゃないよっ!!厭な訳ないじゃない………
わたしだって。わたしだって、どうしようもないくらい、
アレンのこと、想うだけで泣きそうになるくらい好きなんだからっ!!
――――って、なんてこと云わせるのよっ!は、は、恥ずかしいじゃな―――
(ギュッ)
はっ、離しなさいよ………ばかぁ。
……ずっとこうしたかったなんて口にして、恥ずかしくないの……?
あ、顔あかくしてるー………もぅ、むりやり抱きしめといてそっぽ向かないでよっ。
……おっきいとかやわらかいとか、そういうのってこういう場面で口にする言葉じゃないと思うわ。
照れ隠しにしても、もう少し気の利いた言葉にしてよね、ばかっ。
―――ねぇ、アレン………?どうせだったらさ。後悔しない為に、結婚しちゃおっか?
なんかプロポーズきたーーーーーーー!
デレきたーーーーーーーーー!
なんか色々きたーーーーー!!
そして決戦前夜なるものを思い出した俺を誰か殺してくれ…
俺のIDもデレてるぜ…
あー・・・や、やっちゃったーーー!
何言ってるのあたしは!
ちょっと雰囲気に飲まれたかなー!まずいよー!
うぁ!今こいつ握ってる手がピクッとした!ピクッとした!!
あーどーしよー!!これじゃあ
「あたしはあなたが好きなんですけどあなたはどうですか」
って言ったのと同じだし!!
・・・なんか実際そうっぽいんだけど、今弱味握られるのは困る。
すっごく困る。まだ旅の途中だもん!
せっかくずっとバレないようにして来たのに・・・。
何とかごまかさないと!!
あ、あのね・・・?
デートっぽいやりとりかなーと思って。
でしょ?反応してくれなきゃ困るじゃない。
あ、ホントにー!?
あたしも好きだったんだー。
もっと近くに来てよお。
うん。あたし幸せだよ?
・・・すっっっごく恥ずかしー。
あたしのバカバカバカバカ。
ここの砂漠は毒蛾の粉が風に舞ってるんだきっと。
間違いないわね。
まさかオリハルコンがフツーに落ちてるとは思わなかったなぁ。
よかったわねー見つかって。
そのオリハルコンをどうするわけ?
売るの?そうね。賛成。
この辺は武器がすごく高いもんね。
オリハルコン売ってお金作って格闘場でも行かないと買い物も出来ないわよねぇー。
・・・あ、ひどい、無視しないでよバカ。
ねえ。さっきの武器屋さん、子供ができるって言ってたね。
名前考えてるって言ってたね。
こんな世界でも新しい命が生まれようとしてる。
あたし思ったよ。大魔王ゾーマってヤツは絶対倒さなきゃ。
・・・てなワケで宿屋に戻りましょ。
(ドサ!)
はぁ。今日は疲れたなぁ〜。
だって1日中あんたとベタベタ寄り添いながら探し物だもん。
いろいろと疲れたわよ。
今思うと、ってゆーかずっと思ってたんだけど、
かえってアヤシイ人たちだったわよ、あたしたち。
・・・それはそうだけど。
見つけるものも見つかったんだし。
たまにはいいんじゃないの?たまには。
さて、着替えるから外出てちょーだい。
お陰さまで久しぶりの投下です。
知らない人がいたら、すみません。
まとめサイトにのせてもらってるのでその続きです。
執筆係さんきたーーーーーーー!!
795 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/08/23(水) 07:43:13 ID:3LDLuu9kO
結婚初夜期待あげ
キタキタキタキター!!執筆係りさん!!!
なんだこの同時多発デレは……
執筆氏が見える……夢でも見てるのか俺は
保守
上の方でテンプレ整備案が出てたが。そろそろ考えないか?
799 :
見切り祖父:2006/08/24(木) 23:14:10 ID:0RNJ73Oh0
……そういうのは、男の口からいうことだろうって?
知らないわよ、そんなの。第一、古い慣習にこだわってどうするの。
今は女の子だって強くなってるんだから。アレンだってうかうかしてられないわよ。
………で。結婚するの、しないのっ!?いい加減男ならハッキリしなさいよっ。
(ガサゴソ)
………なによ、此。
……開けてみろって―――――ちょっと、此どうしたのよ………!
……代々伝わる指輪って、そんなのわたしに渡していいのっ!?
だってそんな、此貰っちゃったら、もう………
……ば、ばかっ!わ、わたしが怖じ気づいてるはず無いじゃない………っ!
ほらぁ、早くそれ寄越しなさいよっ!あっ、有難く貰ってあげる、からっ。
……壊れないって、まさか聞こえてたの………?
ちょっとー、いきなり出ていって何処行ってたのよっ?
………なにその両手いっぱいの荷物は。ちょっと待って、ホント何処に行ったの?
……旅の扉でベラヌールに。ふーん……―――そういえば、コナンは未だ生きてた?
……そう、良かったぁ。
で、結構大きな荷物だけど、一体なに買ってきたの?
執筆係さんキテル━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
相変わらずの勇者と賢者のやりとりが大好きです。
好きとか嫌いとか最初に言い出したのは誰なのかしら
駆け抜けて行く〜
わたしの♪
804 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/08/25(金) 20:56:39 ID:LqZFGgN9O
なんだ?
ここで執筆してる人はGTOの作者か?w
806 :
見切り祖父:2006/08/26(土) 10:54:31 ID:4pwBWKmU0
わたしたち二人だけの式だなんてね。
ふふっ、一応此でも王族の端くれなんだけどなぁ。
世が世なら何年もパーティーが続いてもおかしくないのに。
……それはおかしいとかいうな。
せめて、コナンとお父様にはこの場にいて欲しかったなぁ。
ありがとね、このウエディングドレス。わたしに似合ってる?
………でもね、一つ気になってるんだけど。
どうしてこのドレスは、わたしにぴったりのサイズなのかな?
怒らないからおねーさんに教えてみなさい。……あ、こら!逃げようとするなぁ!!
うわー、き、緊張するー………
幾ら他にいる人が、神父様と女の人一人だからって、此で緊張しないのは嘘だわ。
…………平時にこんな事したら、卒倒間違いなし―――――
あっ!はい、誓います!
危うく聞き逃すところだったわ………ちゃんと集中してないと。
あ―――アレンも誓いますだって……………へへ、えへへ。
次は誓いのキスね――――キス?キスって、チュー!!?
そ、そんなのしたことな、あ、こらっ!勝手にベール上げるな!
あ、顔が近付いて来る………思ったより睫毛が長――――じゃなくて!
ちょ、うわっ、いあqwせdrftgyふ7じk9おl0p;−@:
見切り氏北ー!!
ウェディングは和む・・・。
そして夢落ちにイピョウ
ムーンブルク王家はこのまま滅亡してしまうのか……?
実はホッペにキスというオチだったりして。
今夜YANA氏降臨に838861デシリットル!
世の中そんなに甘くねー
でも作品投下じゃなくて単に書き込むだけならあるかもしれないな
・ ・ ・
―――ガシャァァァァンッ
「…?」
己の仕事場―――アレイバークの現在の鍛鉄の場に響いた轟音に、鍛冶場の長は、その逞しい腕の動きを止めた。
場所は、それほど遠くない。町の外寄り…そして、この位置関係は。
「親方…」
同様に作業の手を止めた職人が数人、濃い髭が茂り、気難しそうな眼差しを湛える長の顔色を窺う。
「………」
ダンッ
と。数秒の思考の後、彼は勢いよく立ち上がり、職人たちに命じた。
「俺が見てくる。おまえらは作業を続けてろ」
いって。彼は、今は使われない、ただ一人の少女がいるだけの、寂れた鍛冶場へと向かった。
・ ・ ・
「………なんだよ。これは」
「いたた…もう。対話するだけでいいって言ったのに。魔力まで流し込んじゃ駄目じゃないの」
三分後―――鍛冶場は、惨憺たる光景になっていた。
ゴドーが剣と対話を始め、何かを感じた瞬間。彼は流れに任せ、剣に自分の力を注いだ。
直後―――剣から、凄まじい暴風が迸り、周囲の物を派手に吹き飛ばしたのだった。
辺りには大小の金属の破片や、先ほどゴドーが座っていた鉄材が散乱し、見るも無惨な有様だ。
「ね?わかったでしょう。それが、その剣の想い≠諱v
埃まみれになりながらも、アレイは解説を続ける。この話は、彼女にとって何よりも優先すべき事由なのだろう。
一方のゴドーは、しげしげと、狐につままれたように己が手に握られた長剣を見つめている。
自分の持つこの剣に宿る、強すぎる力に一抹の不安を抱きながら。
「………アレイ」
「ゴドー」
僅かに表情を曇らせながら、アレイへと向き直る。
そんなゴドーに、アレイは先ほどまでの笑顔を一転させ、真剣な面持ちで何事かを諭そうとする。
「今のでわかったと思うけど、その剣は凄い力を秘めてる。
ほんの少しの試し撃ちでこれだもの、本気で撃てばどうなるか。解らない貴方じゃないでしょう?…使い所を、誤らないでね」
それは、ゴドーが見る、アレイの初めての顔だった。
商人として、職人として。本当の意味で自立しつつある彼女の、道具の本質を理解した立場からの、警告。
彼は素直に、わかった、と頷いた。
「―――よろしい!さて、じゃあ、本題に入りましょうか」
くるりと、再び軽快に表情を一転させ、元の和やかな笑顔へと立ち戻る。
…いや、というか。今までのは、本題ではなかったのか、と、ゴドーは面食らって、今日何度目かのハトマメ顔を披露する。
「ねぇ、ゴドー。素晴らしいと思わない?私たちの世界には、この剣に込められた力や、魔法、貴方の勇者としての資質。
色々な神秘の力に満ち溢れているわ」
「…?」
…よく、わからない。そんなこと、考えたこともない。
笑顔で語るアレイに、ゴドーは首を傾げて、続きを待った。
―――この時。彼は気づかなかった。彼女が自分と同じ答えへと辿り着き、そして―――。
彼とは違う『先』を、見据えようとしていたことに。
「―――でもね。時々思うの。それらの力は、全てある特定の人たちにしか扱えない、限られた力。
…もし。もしもよ?そんな特別な力が全然なくて、皆みんな、普通の力しか持っていなかったとしたら。
この世界は、どんな風になっていたのかしらね?」
「――――――ああ、それは」
そう。それならば、解る気がする。
彼の至った考えとは違うけれど。それは、間違いなく、彼の辿り着いたのと同じ答えを経た先にしか、有り得ないものだった。
アレイは、確かに夢想した。
全ての職を極め、自身で口にした特別な力≠一度は完全に習得しながら。
その力を放棄し、ただの商人によって転職の最後を飾った彼女にしか辿り着けない、極めて近く、限りなく遠い可能性。
全ての人は、全ての人のために、人の身に宿る小さな力を奮い、全ての人々が扱える力を生み出す。
人々が神秘に慣れ親しんでしまったこの世界では、もう、有り得ないかもしれないけれど。
どこか、遠い、遠い世界で。それは、実現されているのか。
――――――もし、そうだとすれば。私が商人として頑張ってみる価値が、ほんのひと欠片でも、あるのではないか――――――?
「…な〜んてね。くすっ、ちょっといってみただけよ」
「む」
「それでもね、私は、この世界が大好きなの。
だって、そんな特別な力を得る修行がきっかけで、私と貴方達は一緒に旅を出来て、今の私が在るんだもの。
それに、この世界だからこそ、出来ることもある。そうでしょ?」
ゴドーは問いかけには答えず、アレイの表情の機微から、彼女の話の終わりが近いことを悟る。
アレイもそれを汲み、言葉を、結論へと導く。
「―――ゴドー。やるわ。私の大好きなこの世界を守るために。そして、私自身の可能性を試すために」
それは。死地へと旅立つ意思表示。
ゴドーの賭けに、自身の命をチップとして預ける、覚悟の吐露。
アレイは凛とした声で、彼に向かって右手を差し出した。
「ああ。やろう、アレイ」
ゴドーはギュッ、と、彼女の返答を右手で受け取った。
「で。聞くまでもないでしょうけど」
右手を握ったまま。途端、ふふり、といやらしい笑みを浮かべて彼に迫るアレイ。
ゴドーは嫌な予感を抱き、そのあとに待ち構える問いを予測する。
「このこと、アリスには」
ああ、やっぱり。
考えるまでもない、当然の問いだ。
来るのが解りきっていた問いだから、答えも当然、用意してある。彼はただ、それを口にした。
「―――、――――――」
「…そ。わかった。でも、知らないわよ?どうなっても。ビンタで済めばいいけど」
「覚悟は、出来てるさ。前払いも一応、するつもりだけど。それでもたりねぇだろうな」
グッ、と、握られたゴドーの右手に異常な圧力がかかる。といっても、痛くはない。だが、それは彼女にとっての精一杯の力だった。
ゴドーは、ただ事ならない空気の変化に、対面のアレイを見つめる。
「解ってると思うけど。彼女を悲しませるような結果にして御覧なさい。
私が、塞がった大穴を生涯かけてもう一度こじ開けて、貴方を追いまわすわよ。それこそ、貴方の墓の中までね」
アレイは初めて。ゴドーに静かな怒りを向ける。
ゴドーは云った。戦いが終わったら、私は穴が塞がる前にすぐに地上へと戻るように、と。
―――それは。彼が、最終的に、自分でなく、アリスを選んだ事実に他ならない。
…まぁ、わかりきった結末ではあったけれど。せめて、少しばかりの八つ当たりをしても、罰は当たらないだろう。
その、少しばかりの嫉妬を彼が読み取ったのかどうか。ゴドーは自分に出来る精一杯の本気を込め、アレイを見つめ返した。
「―――誓う。全てが終わったら、俺は、残りの人生を、あいつを幸せにするために生きる。そして―――」
それは決して、俺の死の上に築かれるものであっては、ならない―――。
「…そ。そこまでいうなら、私はもう何も云わない。時間が惜しいわ、街の見取り図、ある?」
彼の返答を聞き、アレイはス、と、商人の顔になる。
元より、彼への怒りも、アリスへの嫉妬も、僅かばかりのものだった。
彼の確かな答えを聞いた今、そんなものは瑣末ごとでしか、なかった。
819 :
YANA:2006/08/28(月) 01:24:09 ID:KLy2x/nw0
うむ。短い(今回の投稿が)。
そして長い(第六節が)。
第六節もようやく五合目辺り。思ったより数倍長くなってます。うわーん。
確定しているプロットの過程を埋めるのがこんなに辛いなんて。甘かった…。
てか執筆さんのお褒めに預かり変な汗かきながら部屋の中歩き回ってましたよ俺ってばさっ。
俺の描写力なんてまだまだですて。ないボキャブラリーを悲鳴あげながら搾り出してるだけです。
単語単位で見れば、寧ろ見切り氏の方が優れたボキャかと。自分、「膂力」とかすんなり出てきませんもの。
自分の理想とする文を書くには、その理想の三倍のボキャが必要である、というのが俺の哲学だったり。
ああ、それと。811-812のやり取りを見て、空気読むべきかどうか激しく迷った俺ザンギエフ
しかし期待には答えたいのが書き手としての本能よ!
上のカキコ見て絶対来ると思ってた俺ダルシム
とにかく乙!!
ボキャブラリーってどうやって増やすの?
小説を読み漁るのが王道。っていうか普通。
邪道は辞書を全て覚える。(笑)
>>820 「本を読もう」としか言いようが無い、ちっちゃい頃から本を読んでるとよく増える、
小説とか、物によっては漫画でも良い。
言い忘れた、YANA氏GJ
俺も忘れてた。YANA氏GJ!!
魔法使いタンハァハァ
「来なかったな」とか書き込みかけた俺ダン
YAMA氏GJ!!続きwktk
YANA氏に首を差し出してお詫び申し上げます…
o.....rz
YANA氏がGJすぎる
そしてYANA氏は実は名無しで結構書き込んでるに65535ダメージ
職人が二人も!GJJJJJです!
YANA"師"の空気の読みっぷりにワロタw
見切り執筆両氏は作品スタイルに縛られて持てるボキャをセーブしてるのかもな。
2人のガチ小説にも禿げしく期待。
YANA氏のタイミングのよさにビビッタ俺ブランカ
>>YONEX氏
アリス分が不足しっ放しの俺ガイル
催促してる訳じゃないのでwのんびりやって下さい。
サマソ溜めながら待ってるから。
834 :
見切り初夜:2006/08/29(火) 22:59:03 ID:wKZQqJxL0
どうしてわたしがあんなにパニくってたのに、アンタはあんなに冷静だったのよ。
もー、憎たらしいったらありゃしないっ!
ああいうときは、察してくれるのが―――お、お、おと、夫の役割ってもんじゃないのっ!?
……そんなに顔を真っ赤にして、なにどもってるのかって?
ふふふ。うん、知ってたけどね。相変わらず良い性格してるじゃない。
―――わたしはね、なんでも経験することが大事だと思ってるの。
だからね、この場で人生初の夫婦喧嘩ってものを経験してみても良いのよ。
勿論全力で。
……まぁいいわ。お世話になった神父様を宿無しにしても後味悪いし。
仕方ないから許したげる。それよりもよ。
アレン。もしかしてキ、キッ、キスって、い、今までに経験あったの?
……………だって、全然動揺した素振り見せなかったし。
な、なによー。そんな真剣な顔したって、だ、騙されないんだから…………
……キッ、キスぐらいって………もっと凄いこと!?
そっ、そういうことは結婚してからって、昔から決まっ………結婚したじゃん!!
……ま、まっ………心の準備ってものがねっ!!?
だ、だめ―――そんな顔して、もう我慢出来ないとかいうなぁ!
バ、バカッ、ちょっと何処さわ………………………んっ
日々、もっと言葉を知っていればもっと容易く意志を伝えられるのに。
と、悶々としてますが、何か?
>>831 わたしの中では、あなたのタイムリーなカキコに恐れ戦きました。(謎
いや、ホントに。過剰な期待されると泣きたくなります。
どうなる!!
どうなる!?
>>王子の手は手に収まり切らないふくよかな胸を揉みしだき始め
まで読んだ。
(*・∀・)<エロいな。
・ ・ ・
「…西と北に門。南は全部城壁。真北には大きな山脈があるし、東は海。
といっても、飛行能力を持つ魔物もいるし、軽視は出来ない、か」
アレイは、ゴドーに手渡されたラダトームの全体図を広げ、思索する。
…本当なら、傭兵でも雇って戦力の増強を図るのが一番なのだろうが、ゴドーの意志を汲むのならそれはできない。
第一、得体の知れない闇の世界での、しかもこんな分の悪い賭けに乗る人間など、いるわけがない。
ならば、悪戯に人々を混乱させるよりも、なんとしても、私たちだけで決着を付けねばならない。
「あと、二人」
見取り図を丸め、ゴドーに返しながら結論を述べる。
「最低でも、私の他にあと二人。この賭けに乗ってくれそうで、且つ、この戦いで戦力足り得る人材が必要ね」
「二人、か………ふむ」
思い当たる節が、ある。ただ、それは同時に、彼の心労の増加をも意味している。
そんなゴドーの内心を見透かし、アレイは彼を叱咤する。
「ほら、辛気臭い顔しないの。貴方の信頼できる仲間って言うのは、そんな程度なものなの?」
「む…」
「しっかり気を持ちなさいって。貴方が気に病む必要なんてない。少なくとも私は、自分の意志でこの戦いに往く。
貴方が信頼する人なら、きっと、同じことをいうと思うわ」
ね?と、念を押し、彼を勇気付ける。
「…ああ、そうだな。悪かった」
一度だけ目を丸くし、やがてゴドーは微笑み返す。
「じゃあ、六日後に…と、そうだ」
「なに?」
ふと、思い立ち、ゴドーはそもそもの問題を口にした。
「おまえ。ここを出る算段はあるのか?」
僅か、ゴドーの目に闘志が宿る。
アレイはそれを、すぐさま窘める。
「はいはい、勇者がそんな目するんじゃないの。…貴方、もし私が『ない』っていえば、牢屋でも破壊するつもりでしょう?」
ゴドーは無言で、視線を逸らす。図星だった。
一つ、アレイは溜息をつき、彼に己が胸中を語る。
「ゴドー、私の戦いは、もう始まってるの。そして、それはそんな形で終わらせるべきものじゃないわ。
…手を出さなくていいわ、心配しないで。ちゃんと、方法は考えてあるから」
――――――面白ぇ。聞かせてもらおうじゃねぇか、その方法ってやつを。
「…!」
「あ…」
ギィッ。
鍛冶場のドアが軋み、その角度を変える。
そして、二人の会話に割って入るように現れたのは、一人の老人。
いや。老人と呼ぶには、その体躯は逞しすぎる。かといって、中年と呼ぶには、その重々しいほどの威厳は不釣合いだ。
その男を、最も端的に表現できるとすれば、それは―――、
「………………親方」
「おやか…?」
聞きなれない言葉を発するアレイを、ゴドーは横目に見る。
と。部屋の出入り口に仁王立ちする親方、と呼ばれた男を彼女は凝視し、微かに震えていた。
―――ゴドーは知らない。
その男が、かつて革命を指揮し、この町を治めた彼女を捕らえ、そして――――――慰み者とした張本人であることを。
「………」
だが、ゴドーは本能で悟った。常に何物にも動じず、己の呼吸を乱さぬアレイを取り乱させる。
それが出来るのは、彼女の体自身に植え付けられた恐怖を、回帰させるもの以外に有り得ない―――。
無言で、彼は視線を男へと向ける。男もそれを受け、ギロリ、とアレイの隣に立つ少年を睨み返す。
一触即発。ゴドーは再び瞳に闘志を湛え、男が妙な動きをしようものなら、すぐさま叩き伏せんと、足の筋に力を溜める。
「やめて、ゴドー」
「…!」
それを、アレイは。自らの意思で制した。
今、こうして彼女がこの鍛冶場にいられるのは、己が恐怖をねじ伏せ、戦う意志を曲げず、何度もこの親方に刀工の許可を申し出たからだ。
だが、今回は勝手が違う。刀工の許可は、自分が逃げないことを条件に出されたもの。だというのに、私とゴドーは今、ここから出る算段をしていて、それを聞かれた。
怖くない筈がない。目の前には、かつて自分を汚した人間達の筆頭。男の手が、足が、視界に入るたび、彼女の意志が折れそうになる。
しかし、それでも。アレイは、戦うことをやめなかった。
「云ったでしょう。手を、出さないで」
ゴドーは、彼女のその強い意志に気圧され、そしてすぐに理解し、体の緊迫を解く。そして、事の成り行きを、見届ける。
それを認め、彼女は僅かに微笑み、再び親方へと視線を向けた。
「親方。お願いがあります」
「いってみろ」
ビシリ。
―――威圧する、男の声に彼女の精神が軋む。この恐怖に屈してしまえと。
彼女の精神をバラバラにしそうな本能の訴えはしかし―――――――――彼女の意志の前に、敗北した。
「もし、私が。貴方の眼鏡に適うような一振りを打てたなら。私を、解放して下さい」
云った。アレイの、宣戦布告は、今ここに成された。
「………」
親方は無言。眉一つを動かさず、ただじっと、アレイを見つめる。
「お時間は取らせません。五日…いえ、三日で仕上げて見せます。ですから、どうか」
アレイの嘆願は続く。ゴドーは脇目に、固唾を飲んで彼女の必死な横顔を見る。
と―――。
「甘ったれるんじゃねぇっ」
ビクンッ。
突然の親方の怒鳴り声に、アレイの体が戦慄く。
激しい怒気は、彼女の意志の否定と拒絶。
だが、アレイは一歩も引くつもりはなかった。親方の許しを得るまで、彼女は何度でも挑むつもりだった。
「おや―――」
「坊主」
親方は、懇願するアレイを無視し、ゴドーへと視線を移す。そして、問う。
「途中からだが、話は聞かせてもらった。六日後に、アレイの力が必要らしいな」
「………はい」
静かに、返答だけをする。余計なことは言わない。それが、彼女との約束を守ることに繋がるから。
ゴドーの答えに得るものがあったのか、親方は心なしか微かに満足げに口元を吊り上げ、アレイに、その提案をした。
「―――今から、六日間。おめぇは自由だ。世界中のどこへなりと行くといい。
最高の材料、最高の経験、最高の知識を持って帰って、最高の一振りを打って、俺の所に持って来い」
「―――――――――え?」
それは。アレイの、予想だにしなかった返答だった。
だって、そんな、それでは、私は。
「勘違いするんじゃねぇぞ。六日間自由にするのは、おめぇに剣を鍛えさせるためだからな。
それとも何か?こんなとこでただ黙々と作っただけの剣なんぞで、俺を満足させられるとでも思ってんのか?」
「でも、だって、」
それでは、私は。万に一つでも、逃げてしまう可能性も、あるのではないか。
「逃げたきゃ逃げな。さっきのおめぇの言葉は、その程度のものだったってことだ。
そんな奴は、捕らえておく価値もねぇ。負け犬として、どこでなりと野垂れ死にゃあいい」
男は、聞いていたという。先ほどの、ゴドーとの約束を。
それを引き合いに出され、アレイは正常な判断を取り戻す。
「この条件じゃ不服か?なら、」
「やらせて下さいっ」
更に挑発する親方に、きっぱりと、決意を言ってのけた。
親方はそれを確認し、ニヤリ、と不敵に笑い、背中を向けた。
「決まりだな。せいぜい頑張りな。―――それと、坊主」
「?…はい」
背中越し、思い出したように振り返りながら、親方はゴドーへと声をかける。
「看守から話は聞いてるぜ。おめぇにゃちっと話がある。一緒に来な」
ゴドーは何事かと目を白黒させながら、困惑する。
しかし、宣戦布告を終え、早速鍛冶場の片付けと荷物の整理に取り掛かり始めたアレイに気づき、邪魔をすまいと、彼は一声をかけ、親方とともに退出する。
「――――――六日後に。必ず、来い」
健闘を祈る、とはいわない。この戦いに今更他人、ゴドーですら、入り込む余地はない。
それを悟った、彼なりの声援だった。
バタンッ。
数ヶ月を過ごした鍛冶場の扉が、再び閉まり、部屋にはアレイだけが残った。
散乱する道具をまとめながら、彼女は想いを巡らせる。
生まれて初めて挑む、勝敗の見えない戦い。だが、彼女の心は、今までにないほど躍っていた。
これほどまでに、彼女の本気を許す戦いは、未だかつてなかったのだから。
「さあ、行くわよ、アレイ。『貴方』の器、試させてもらうわ」
キュッ。
一式の準備を整え、背中の袋の口を絞る。
バタンッ。
ゴドーと親方の退室から、三十分としない内に、扉が三度目の音を立てる。
――――――その後のことは、語るまでもないだろう。何故なら―――、
・ ・ ・
彼女が今、この場に立っていることが、全ての証明なのだから。
「5…4…」
僧侶達の秒読みが、木霊する。
(―――上出来だ。行ってこいや)
アレイの鍛えた一振りを見定め、親方は頬を緩ました。
親方の鍛冶場と、町を出るとき、心なしか、町の皆が微笑んでくれた気もしたが―――はて。あれは、なんだったのだろうか。
「3…」
もし、私の自惚れでなければ。町の人々が、私を、ほんの少しでも認めてくれたのだと信じたい。
「2…」
町は住む人と創る人の心の鏡…でしたね、兄さん。
仮に、彼らが私を許してくれなかったとしても―――私は、もう構わない。
だって。町を出るときに見た彼らは。あんなにも、幸せそうだったのだから。
「1…」
あれが、私が創り、そして彼らが育てた町です。
私は巧くはいかなかったけれど。彼らは、私の及ばなかった部分を、きちんと補って、立派な町にしてくれた。
それを、私は何より誇りに思う。
――――――だから。絶対に、あの世界を侵させはしない。
兄さんが私に託し、彼らが自らの手で育んだせかい≠。未来を、掴むために…!!
「0っ!!」
バシンッッッ
結界が弾け飛ぶ。
途端、結界に圧し掛かっていた魔物の軍勢が、咆哮をあげる。
オオオオオオォォォォォォァァァァァッ!!!
司祭と、僧達はその圧倒的な魔性の殺気に目を瞑った。
だが、魔物たちはそんなことは構わず、一秒でも早く人間の首を掻き切らんと唸りを上げて迫る。
暴力の波は、先頭に立つアレイを、今にも飲み込まんと襲い来る。
陣を組む僧達は、ああ、やはり駄目か、と、顔を背けた。
最後に彼らが見た少女は、刀身細く、鳥を誂えた剣を前方に構えて、
――――――――――――ドラゴラム
寸前。夥しい殺気に塗り潰され、色を失ったセカイを再び塗り返す、呪文が響いた。
――――――ギッ
「………?」
一瞬のうめきは、どの魔物のものだったか。
数秒を経ても尚、自分達が健在であることに違和感を覚え、先頭の青年が目を開ける。
そして、そこにあった光景は、
グオオオオオォォォォォッ!!!!
「…な、に―――」
先ほどまで少女がいた場所に立つ、人の身の十倍以上は優にあろう巨体。
爛々と輝く二つの双眸。天へと突き出た、頭部の二本の角。深緑の鱗に、雄大な翼。四肢の先端に備わる、鋭い爪。
それは間違いなく。全ての魔物を代表する、魔物の中の魔物。竜種。
「ひ…!」
いずこから現れたのか、その竜は僧達に背を向け、魔物たちと対峙している。
彼らは青年と同様の違和感を覚え、次々と目を開け、目の前の異様な光景に上擦った声を上げていく。
よく見れば、竜の前方、彼の足元のタイルから、敵に破られた城門の外、遥か彼方に至るまで、黒く変色した大地が伸びていた。
今、僧達の首が落とされず、こうして健在なのは、恐らく――――――あの竜が、魔物の軍勢の先頭を、薙ぎ払ったからだ。
魔物の軍勢は、突如として現れた、自分達と同質の敵≠ノ困惑し、歩を止める。だが。
グ…オオオオオォォォォォッ!!
すぐさま、隊列を組み直す。先頭に壁を作ったのは、大魔神の横隊。
…見る者が見れば、的確な判断だと感嘆するだろう。恐らくは、これが魔物たちにとれる最善の策。
ブ…シュゥゥゥ
竜が、唸りを上げ、口元から炎を漏らす。
深く呼吸し、大気を体内へと送り込み、灼熱へと変換していく。
オオオオオォォォォッ!!!
二度目の突撃。魔物たちは大魔神達を先頭に、大挙して、立ち塞がった大敵へと挑む。直後。
ゴオオオオオオオォォォォォォッッッ
「ぐぅっ!?」
竜の巨大な口から、迫り来る魔物たちに向かい、凄まじい勢いで激しい炎が迸る。
先ほどは意識を断っていたため気づけなかったが、その炎が大気に与える温度差の、なんと大きいことか。
震えるほどの大気の歪みで、僧達は手で顔の下部を多い、片目を開けているのがやっとだ。
グガァァァァァッ!!
大気を赤く変色させる業火に包まれ、矢面に立たされる大魔神達はうめきを上げる。
だが、それで構わない。彼らは、盾≠ノすぎないのだから。
――――――シュゥッ
やがて、業火の奔流が止まる。だが、切り崩し、魔力で強化された頑強な岩石を加工されて全身を作られた大魔神達は、瀕死ながら持ち堪えた。
と。彼らの背後から、キメラやラゴンヌ、翼を持つ魔物達の群れが飛来する。
魔物は自らの両翼に力を滾らせ、全速力で竜に肉迫していく。
――――――炎と吹雪は元より彼らのもの。それ故、その弱点も知っていた。
炎と吹雪を吐くには、その破壊力と引き換えに二つの欠陥を抱えねばならない。
その一つ目が、ソレ―――放射後の隙である。
体内に、変換の素となる大気を深く送り込み、排出・放射する。その工程は呼吸に似ている。
一度の放射で敵を仕留めきれない場合、その体は、次の大気の吸引の終了まで、無防備となる。
一撃目を大魔神の頑健な体を盾に耐え、二撃目が来るまでの隙を突いて敵を討つ。
彼らが低い知能ながら、咄嗟に考えた策は打倒であるといえる。賞賛にすら値するだろう。
だが、彼らの不運は。その相手が、「彼女」であったということと、そして。
―――「彼女が剣を抜き、竜となったこと」である―――。
ゴオオオオオオオォォォォォォッッッ
―――時間にして、一秒にも遠く及ばないタイムラグ。刹那、ほぼ同時といってもいいだろう。
竜の喉元から高熱が湧き上がり、先ほどと同等の規模の火炎が、前方へと発射されていた。
………!!!
今度は、うめきを上げる暇さえもらえない。
全力で業火の嵐へと飛び込んだ百近くの魔物の波は、秒を待たずに消し炭となる。
彼らは驚愕し、目の前で起こった摂理の歪曲に困惑しながら、朽ち果てていった。
―――摂理の、歪曲。
そう、その現象が、どれほど異常であるかを最も理解したのは、他でもない、魔物である彼らだっただろう。
例えるなら、一秒以内に深呼吸を二度行うようなものだ。
仮にその生物の肺が規格外の強度を持っていたとしても、大気の流れがそんなことは許さない。
呼吸は、器官に送り込まれる大気の流れ以上の速度では、行えない。
それを、二度。一度の呼吸で二度の呼吸を行う≠ニいう矛盾。
それは間違いなく。人間も、魔物も、魔法も、かの大魔王でさえも成し得ない異常識。
己との戦いの中、遠い世界を垣間見た少女が、己が剣に込めた想い≠フ成せる業。
少女の剣の名を―――隼の剣≠ニいった。
GB版のバグ技キタコレ
だが、隼の剣は本来、その過剰なまでの軽量化により、一瞬で二度の斬撃を可能にするというだけの単純な代物だ。
抜き身で竜化の魔法を使えば、変身後に摂理を歪曲できるようになる、という代物ではない筈なのだ。
―――そう。少なくとも。「この世界」では。
少女は最後まで気づかなかったが。何かの手違いでソレが可能である世界は、遥か遠く、確かに存在する。
ソレを、こうして可能にしたのは。
彼女が、己が世界を愛しながら、同時に、何でもない人々の世界に。
限りない工夫だけで発展した世界に。
技術と文明の進化した世界に。
「この世界では有り得ない可能性の実現」に―――手を伸ばしたからである。
別の世界の異常識の搾取。それは最早、奇跡・神の領域。
彼女の有り得ない可能性≠ヨの眺望が、ほんの一欠片だけとはいえ、別世界への扉を開いたのだ―――!
グ…!!
「!!」
ドズンッッッ
だが。奇跡とはいえ、それはやはり、欠片にすぎない。
目の前で起こっている、自分達の許容量を遥かに超える凄まじい規模の攻防に呆然としていた僧達は、突然の竜の悲鳴と轟音で我に還った。
二度の火炎の放射でかなりの数の魔物を焼き払ったが、直後、巨竜の背に大量の氷柱が突き刺さり、倒れ伏した。
城門の、上空。三十メートルの上方から、メイジキメラに跨ったエビルマージが呪文を放ったのだ。
――――――これが、二つ目の欠陥である。
炎と吹雪を吐く力を持つ魔物は、自身の体を、大気をそれぞれに変換する炉心にしている。
自然、高威力の炎・吹雪を扱う魔物は、余程の規格外・それこそ神獣クラスでもない限り、そのために体の機能を集中し、呪文など他の能力を犠牲にしている場合が多い。
ドラゴラムも、例外ではない。ドラゴラムによって放射される炎は、魔物たちの炎の数倍の威力を持つ。
それ故、その力強いフォルムとは裏腹に、格闘戦は出来ない。体の機能を、巨大な炉心へと特化させているからである。
当然、呪文を扱うことも出来ない。
つまり、ドラゴラムを使った術者は、全ての敵を屠り、人に戻るまで――――――自己の傷を、癒せないのだ。
オオオオオオォォォォォォッッッ!!
城門の外で控える魔物達が、地に伏す巨竜を見て歓声を上げる。今にも中へと、攻め入ってきそうだ。
「く…」
僧達は、その光景を前に、息を漏らす。ここまでか、と、膝を屈しそうになる。だが―――。
「…!」
倒れた竜の、瞳。僅か、首が後方へと向けられ、先頭の青年を見つめていた。
(戦って。どうか、お願い)
青年は、たった今、理解した。
あの巨竜が、少女・アレイが変化したものであるということを。
そして、思い返す。
結界を解く前に、彼女が云っていた言葉を。そう、確か、
―――けれど、ソレになった私は、呪文や回復を行えないの。対等に戦えても、終わりが来るのはそう遠くない。だから―――
だから―――そう、その先だ。その先に、私達の役割が、あったのだった。
後方からでいい。貴方たちは、残った魔力で私をサポートして。貴方たちの協力なくして、この作戦は成功しないの―――
―――ダンッッッ
瞬間。青年は、弾けたように、屈しそうになる体を直立させた。
他の僧達がビクッと体を震わせる。
「皆、残った魔力を絞り尽くせっ!」
「え…でも…」
躊躇する、後方の僧の目には明らかな絶望。
だが、そんなものは―――叩き潰す!
「おまえたちは何とも思わないのか!?あんな小さな女の子が、私達の先頭に立って戦って、傷ついて、助けを求めている!
私達の街の為にだっ!!それで、人を助ける僧侶の私達は女の子の後ろで、怖くて震えてるのか!?」
力の限り、叫ぶ。ざわめき立つ僧侶たちが、困惑し、視線を前方の巨竜へと向ける。
竜は無言で、背中に氷柱を突き立てられたまま、僧達を見つめる。
「…私は、御免だ。生きたい奴は、魔力を込めろ。そうでない奴は、下がっていろ。私は、一人でもやる」
「―――――――――」
途端。ざわめきは、止まった。
組まれていた隊列が崩れ、一人、また一人と、青年の横に居並んでゆく。
「やります…私も!」
「そうだ…若いのがあんなに必死になってるのに、こんなとこで腐っててたまるか!」
「何をすればいい!?」
若い尼も、体格のいい初老神父も、血気盛んな若輩僧侶も。前方に竜を捉えたまま、青年の指示を仰ぐ。
その目は、一様に、生への渇望に息づいていた。
「決まってるだろう―――アレイさんの、回復だっ!!」
「「「了解ッ!!」」」
十数人分の魔力が、収束される。
魔物たちは、城門の入り口を踏み越えた辺りで、風向きの変化に立ちすくみ、立ち止まる。
否。これは、風向きの変化ではない。大気が、魔力の収束に呼応し、僧侶達を中心に渦を巻き始めたに過ぎない。
「いくぞっ!!」
――――――ベホマッ!!
グォォォッ!?
一瞬、辺りに満ち溢れた青白い光に慄く魔物の軍勢。だが、次の瞬間。
ゴオオオオオオォォォォォォッッッ
グギャァァァァァァッ!!
先頭の一団は、大量の灰となって消え去っていた。
後方の軍勢は、当惑しながら目を凝らし、前方を見据える。と。
グオオオオオオオォォォォォォァァァァッッッ!!!!!
猛り、天を裂くほどの咆哮を上げる、巨竜。
力強く、翼を羽ばたかせ、空へと飛び立つ。
「!?」
巨竜の復活に呆然とした一瞬の間隙。先ほど、竜に氷柱を打ち込んだエビルマージとメイジキメラの群れが、消し炭とされた。
グオオオオォォォォッ!
竜は、上空から地上の僧達を見下ろし、もう一度吼えた。
僧達はそれを礼と受け取り、手に持つ杖を突き立て、構える。
「往こう!光の竜よ!!共に、未来を目指そうっ!!」
少女に名を聞いた青年が、竜に負けじと天へと吼える。
(―――兄さん。これが、私が想いの果てに挑む戦いです。どうか、最後まで。私の戦いを、見守っていてください―――!)
彼らの奮起を認め、竜化した少女は胸中で、今は亡き最愛の兄へと己が戦いの覚悟を語った。
―――少女の名は、アレイ。一筋の光≠フ名を持つ者。
この北門の戦いに参加した僧達は、生涯の終わりまで、その日をこう語ったという。
…その少女は、希望という光を、その笑顔に湛え現れた。
彼女は私達の絶望などものともせず、我らの先頭に歩み出た。
彼女は、私達がボロボロの結界を解くと、すぐに巨大な竜へと変化してしまったけれど。
今でもはっきりと思い出せる。彼女はその前に、一振りの剣を抜き放ったのだよ。
―――そう。その剣は、とても細くて、弱々しく見えたけれど。それはそれは例えようもなく、美しかった=\―――――。
856 :
YANA:2006/08/30(水) 17:23:16 ID:gdjT+2G50
:アレイ:
何もない平原に、一大都市・アレイバークを築き上げた大商人。
神童と呼ばれた少女で、あらゆる技能・魔法に精通する。が、普段の飄々とした立居振舞から、それを知る者は少ない。
かつてアレイバークで圧政を敷いて住民から反感を買い、牢に監禁される。後に刀工としての技術を磨き、紆余曲折の末、解放される。
アレフガルドの最終決戦以後は、地上の機械技術や産業の発展のための研究を行い、世界中を行脚、財を築く。
又、発展途上地での援助なども行い、現場主義の富豪として名を馳せるようになる。
隠居後は必要以外の私財を丸ごと寄付し、刀鍛冶を趣味として老後を過ごした。
作品の中には王者の剣の模造品もあったようだが、あまり出来がよくなくて恥だと思ったらしく、欠片も残さないためネクロゴンドの火山に放り込んで証拠隠滅したのだそうな。
…それがずっと先のアレフガルドで一騒動を起こすことになるのだが、それはまた別の話。
官能小説からSFC-GB版の融合まで、何でもアリなツンデレスレへようこそ!
いやホント最高ですww
YANA様…まさかロトの剣が妙に弱いのって…。
858 :
YANA:2006/08/30(水) 17:33:01 ID:gdjT+2G50
「やっぱり投稿しすぎだよ、おまえ。帰れ、下等なサル野郎! にくじゃが」
っていわれた( ´;ω;`)ウッ
そんなわけで、最長記録だよ、第六節。
戦闘パートになってから筆が進む進むw
>>828 それも私だ
といいたいとこだけど、俺の記憶が確かなら、生憎、
同じスレでコテと名無しを併用した経験はないのだ。
>>835 >王子は四つん這いになっても形の崩れない、男に揉まれるためだけに存在している
>エロ胸に触れた。まだ、握ったり、掴んだりはしない、普通に触れてやる。
>たゆん、と豊かな感触が返ってくる。
まで読んだ(最悪だ
他の二人の活躍に期待
>>835 まだ
>王子の剛直が今にも王女の花弁を貫かんと
までしか読んで無い、後で読む
861 :
見切りたゆん:2006/08/30(水) 22:19:37 ID:Apot6Bb90
すぅー………すぅー……くぅ………
ん……アレンの………バカ………………
ふ、ふわぁぁぁぁぁー………………………
んー…………、ん?
…………………どーして、裸!?
って、そうか。わたし昨夜アレンと――――ひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ………
………?あれ、そういえばそのアレンは何処行ったんだろ。
無い………ロトの装具と、アレンの荷物が無い…………
なんで――――そうだ、神父さんたちなら何か知ってるかも。
……独りで、行った?わたしには……ベラヌールに戻ってろ?
其れだけ…………?なによ其れっ!!?一体どういう事よっ!!!!
なんで止めてくれなかったのっ!!?
知ってるでしょ、独りでハーゴンの処に行こうとしてるのよっ!?
アレンも……どうして、わたしを置いて…………なんで……そんな―――――
………なんで…………どうして………………
どうしてなの………どうして…………っ!?どうしてよぉ……………!!!!!!
無茶しやがって…
>熱くうねる肉壁の感触。耳に響く嬌声。互いの汗で濡れる肌。上気し紅を差したかのように火照る頬。
>五感から受ける刺激に意識を持って行かれ、脳髄が灼けるような焦燥感に駆られ更に激しく責め立てる。
>自分の腕の中で喘ぐ女の、愛おしいその全てを壊してやりたいという二律背反な衝動を、その動きに転嫁する。
此処からが更に盛り上がりますよ。(ちょっと待て
さて、驚天動地の展開になってしましたが、わたしの中では此は最初から規定事項でした。
というより、多分最初の方で書きたいシーンがあるみたいな書き込みをした覚えがあるのですが、其れがこのシーンだったり。
その割には、自分のイメージ通りに文字へと落とすことが出来たのかと問われれば、肯定はむつかしく。
結局は自分の力量不足を突きつけられただけだった、というのがオチになりますが。
この後は萌えなどというものは全くもって掻き消えて、今まで唯一視点が存在しなかったアレンを主軸に進む予定です。
スレタイ唯一の拠り所だったツンデレがなくなると、存在意義すら掻き消えそうな気もしますが。
雪原に覆われた、白銀の地で行われる、世界の命運を決する最期の戦い。
その孤独な戦いの果てに、男を待つものは一体なにか。
このロンダルキアの地で、人を越えた人と、人を越える魔との決戦が始まる。
見切りドピュ氏も燃え展開に入るわけですね
wktk
案外その辺でザラキ食らって野ざらしになってたりして(ぉ
復活の玉が2仕様じゃなく5仕様なら乗り切れるけど。
しかしまあ自分達だけで勝手に決めて勝手に結婚しちゃって勝手に(検閲)とか、
シドー倒して国に帰るとアレン父と揉める事になりそうですな、政治的背景を理由に。
>>865 つまり、『見切り発車』とは『ドピュ』の事だったんだよ!!
な、なんだってー!!(AA略
隕句??繧頑ー上?ョ谺。縺ョ蜷榊燕縺ッ縺ゥ繝シ縺ェ繧九s縺�?シ?
ど、どうしたんだ?↑
>>867 な、(ry
そんなこと全く考えてなかったwww
文字化けしとる
きっとつらい事があったんだな。
アレイを辱めた親方がリアルに許せない件
何を今更
今まで特定はされてなかったけど犯人が存在していたのは確かな事じゃないか。
というわけで見切りたんの過去作においてシンシアを辱めた奴も許せない件
確かにそうだけど。
革命を指揮した人間が犯人だなんて・・・
そこに大義はあったのかと。
てっきりお祭り気分で暴走した若者がやったんだと思い込んでたからな。
yana氏そこらの描写を生めかしく頼む。(←鬼畜)
877 :
YANA:2006/08/31(木) 16:42:59 ID:oTKfPGRn0
私が思うに、戦争には大義が必要かもしれませんが、
革命には大義は不要なんじゃないか、と考えています。
戦争は、周囲の第三国を納得させるために、攻撃の理由となる大義を掲げねばなりませんが、
完全な内輪揉めである革命(ここでは狭義の意味で「貧困層による富裕層への反逆」)においては、その必要がないからです。
無論、自分達の確固たる行動原理として正義大義は必要かもしれませんが、
バークの革命の場合は富裕層(アレイ)の圧政が労働者層に著しい負担をかけたため、
大義名分以前に、彼らの緊急避難としての側面が強かったと思われます。
緊急避難行為に「自己への危機の回避」以上の大義を求めるのはナンセンスであるのでは、と。
更に現実問題として、革命で回避すべき危機を作っていた原因に対する暴力による報復なくして、
政治の頭を挿げ替えただけで、怒りに燃える民衆の振り上げた刃が鞘に収まるかというと、当然、疑問符がつくわけです。
何しろ、ドラクエ世界には世論もへったくれもないわけですから。
又、第六節ではちょっといい人っぽく描かれてる親方ですが、陵辱時はガチでした。
何でこの段階でこんななってるかというと、第七節で補完される予定です。
P.S.
以前も少し書きましたが、俺の頭はスーパー系なので、割とご都合主義の勢いで突っ走る形も多いのですw
そんなわけで、俺の手元にあるプロットが、果たして生々しい描写足りえるかは保証できません。
ですからこれを読んで「おいおい、そりゃねぇよw」という考えを抱いた方は、その冷静な判断力を大切にして下さい。
冗談抜きで、そういう視点も大事ですので。
てかそろそろここでそんなこと書いてて大丈夫なのかwwwww
俺も人のこと言えんし構わんけどwwwwww
納得した。戦争とは違うもんな。
前にも書かれてた事思い出したよ。アレイの町政についての描写がなかったからなー。
俺の思考がアリス寄りなのかもシレナス
言い忘れたがYANAタソ禿しくdクス!!!!
催促はしたもののまさか本人が直々に降臨解説してくれるとは思ってなかったよ。
>>875 アレは未だに俺も許せない件。
全く、あんな設定考えた何処ぞの莫迦も撲ってやりたいね。
もしアリスが(人権擁護の観点から自粛)な事や(当局の指導により自粛)な事をされちゃってたらゴドーはどうするんだろ。
>>881 パーティーアタック→見切り氏死亡→全滅
おお ドピュよ しんでしまうとは(ry
ジーーーーーー…
「………」
「…なんだ。俺の顔に何かついてるのか」
俺は宿屋の一室、道具の整理をしている。
で、アリスの奴はさっきからテーブルに頬杖をつきながら、ちらちらと俺の方を見ているようだった。
「えっ!?いや、その」
俺が指摘すると、慌てて何とも胡散臭い身振り手振りで取り繕おうとする。さては、何かやましいことでも考えてやがったのか。
「云いたいことははっきり云え、体に毒だぞ。特に、お前の場合は」
「…む。それ、どういう意味よ」
一応、親切のつもりだったのだが、アリスはぶすくれてしまった。ふむ、逆効果になったか。
「らしくねぇっていってるんだ。用があるなら聞いてやる、ほら、いってみろ」
俺なりに気を遣ってみる。…自分の目から見ても、明らかに喧嘩を売ってるようにしか見えない物言いだが。
しかし、そこは短いが濃い付き合いのアリス。俺の真意を理解したのか、手を下の方で組んでムジムジしながら、話し始める。
「…わかったわよ。ねぇ、ゴドー、あんた前に、なくなった右腕をライナーさんに治してもらった時に、
その…ゴニョゴニョ…を持ってきたじゃない?」
「ん?なんだって?」
最後のほうを、よく聞き取れなかった。
アリスはむー、と唸って顔を半分くらい赤くしながらチラチラとこちらを窺っている。
が、やがて観念したのか、ボソリ、と、だが最低限聞こえる程度の音量と発音で、口にした。
…一発で俺に聞こえなかった部分だけを口にしたということは、自分でもうやむやにしようとした自覚はあったようである。
「………せいえき」
「………ああ」
思い出したように、例の小瓶を脳裏に思い浮かべた。
そういえば、そんなこともあった。だが、今更それがどうかしたのだろうか。
「男の子って、ほら、一人のときは、何か、こう、オカズ…っていうの?…がないと、出ないって」
ふむ。まぁ、一般的にはそうだ。
本当はライナー直伝のちょっとした裏技もあるのだが、あれを自分でやるのは、何というか、虚しいので気が進まない。
色気はないが、俺だって男だ。こいつにはいっていないが、俺だってちょっとした娯楽として自慰を行うこともある。
「うん。それで?」
「………その。ゴドー、あの時、誰をオカズにしたのかなー、なんて」
・・・・・・・・・。
ああ、成る程。あの時は俺とあいつはそういう関係ではなかったけど。
今は、お互い気持ちを確かめ合って、誰にも言ってはいないが、相思相愛、という形に収まっている。
で、アリスは当時の俺が、誰を異性として欲求の捌け口にしていたかが気になって、
「こらぁっ!一人で冷静に分析してんじゃなぁいっ!!」
「何だ、俺はまだ何も言ってねぇぞ」
「あんたのその中途半端に緊張感のある無表情は、何かじっくり考えてるときの顔だって、分かってるんだからねっ」
む。アリス、侮りがたし。
「まぁ、いいけど。それを聞いてどうするんだ?」
「あの時のあんたが、どういう人に魅力を感じてたのか、参考になるかな、って」
俺としてはおまえのその格好は充分魅力的なのだが、とは口が裂けてもいえまい。
面倒だが、誠意は見せなければならないだろう。
「そうだな、確かあの時は………」
@………………おまえ。
A実は昔、アレイの奴が…
Bライナーの法衣って…
Cウホッ、いいエデン!
886 :
YANA:2006/08/31(木) 23:34:38 ID:oTKfPGRn0
ゴドーはアリスが(自主規制)されたら、普通に犯人をどつき倒すと思いますよ〜。殺しはしませんが。
あいつは善人ぶるつもりはないのでっていうか勇者のくせに下手な一般人よりよっぽど暴力行為、
そして自分を含めた人間の醜い部分に寛容なので。何しろこの世界に悪なんてない、と公言して憚らない男ですから。
「やるならやればいい、だが相応の覚悟は出来てんだろーな、コノヤロー」という感じ。まるで不良学生ですね。
アレイの時にそれをやらなかったのは、単に彼女がそれを望まなかったからというだけの話。
>>833 に捧ぐ、ってか息抜きをしたくなりました。主に、俺が。
タイミングとしては、魔法のビキニ事件〜地上帰還までの間のどっかだと思ってくだせぇ。
で、↓の方、@〜Cの選択肢から一つを選んでください。
展開が分岐します。選択肢によってはsneg展開になりますのでご注意を。
じゃあBで
Dイシスの女王様とか(超美人らしいし)
Eたまたま道ですれ違っただけのエロ体型の女性NPC
もしも出来ることなら全パターン書いてくれと思った俺死ね。
1.00:現在のアリス(賢者)
1.33:昔のアリス(魔法使い)
1.66:新旧アリス2人同時(脳内ゆえ可能)
ツンデレスレ的にはちょっと違う気もしますが本能に忠実に@で。
892 :
833:2006/09/01(金) 02:49:16 ID:XmzvCugwO
うれし杉w
回答はお任せします!
どれがsnegになるんだ?
やっぱり@か?
ここはCしかないと思う
F道端で拾ったエロ本
Cに一票。そちらの世界なら文化的にも問題は(たぶん)ないはずだし、エデンがどんなツンデレるか見てみたいw
>>896 誰を想像したかだからエデンの反応は見れないのでは?
てかアリスの「・・・む。」にめちゃくちゃ萌えた。
デレの土壌に咲いた一輪のツン。
奇しくもゴドーの口癖なんだよね。
俺も全部書いてほしいと思ったけど、
ここは素直に1で。
今、水戸黄門の再放送を見てると町民の娘がツンデレだ。
時代劇はツンデレ多いよなそういや
古風といわれる女性の特徴の一つだったりして
つまり俺達は、一万年と二千年前からツンデレ萌えなんだな。
8千年過ぎた頃からもっと恋しくなってきた覚えがあるな。
一億と二千年あとも愛してるって言えるんだぜ?
む?アリスが圧されてるぞ?
というわけで1
選択肢に注意が行ってしまったが肝心な事忘れてた。
ライナー直伝の裏技って何だw
虚しくなるとか言ってたな
一体なんだろう
ついでに俺はC
ウホ派が多いなw
つーかもう900。今回は1000行くね。
>>906 医学的に(俺自身詳細を知っているわけではないが、)
無理矢理勃たせる方法があるらしいので、それのことではないかと。
YANA氏投票締め切りは?
ほんとだ。そんなふいんき(ryだな
すまんかった
ぐふうまじかよ
でも俺はゴドーがエデンで抜いたと信じることにするよ
見切りドピュ氏の嫁にこのスレを閲覧してほしい
なんか俺のレスで決まっちまったみたいだけど、
俺がBを選んだのは僧侶服姿(あのぴちぴち全身タイツ)が見れる(読める)かと思(ry
しかし俺は諦めない!!
1に一票!!!
ニアBライナーの法衣って…
「―――ライナー」
「…ふ、ふぅん。や、やっぱり、年上だし、綺麗だもんね、ライナーさん」
簡潔に、答えだけ言ってやると、アリスは赤面しながらしどろもどろに一人納得し始めた。
だが、こいつの言葉は俺の意図とは全く違うものだったので、修正してやる。
「あぁ、いや。俺、そういうのはどうでもいい」
「え?じゃあ、なんで」
俺のあっさりとした反応がよっぽど意外だったのか、アリスはハトマメ顔で驚いている。
薄々気づいてはいたが、こいつ、自分自身がライナーに憧れてるんじゃないだろうか。
まぁ、それはさておき。
「ガキの頃から思ってたんだが。…僧侶の正装って奴は、どうしてあんなにエロいんだろうな」
「へ!?し、ししし、知らないわよ、そんなのっ」
ボン、という擬音が聞こえそうなほど顔を高潮させ、どもる。…本当に免疫ないな、こいつ。
ある程度理性があれば誰だって疑問に思うだろう。だって、全身タイツに前掛けだぞ。
露出度自体は限りなく低いが、その密着性から着用者のスタイルがはっきりと浮き彫りになる。
誰が考案したのか知らねぇが、聖職者の着る物なのかと頭を抱える人も多いのではなかろうか。
「俺としては、ライナー自身というより、ライナーとあの法衣の組み合わせに、思春期は随分お世話になったと思う」
「そ、そういうもの、なの…?」
こういうことって、同い年の女の子に平気で語っていいことじゃないんだろうなぁ、きっと。その辺、俺はやっぱり感覚が麻痺してると思う。
そう。あの法衣は着用者のスタイルがはっきりと浮き彫りになる。スタイルに余程の自信でもなければ、誰が好き好んで着たいものか。
だが、逆にいえば。スタイルにさえ優れていれば、それは対男性限定の人間兵器になる―――――――――と思う。
その点、ライナーはずば抜けている。スラリとした長身に加え、行過ぎれば下品と形容できかねない、ギリギリのラインをすんでの所で踏みとどまっている理想的な肉付き。
おまけに、(悔しいが認めざるを得ない)あの美貌である。ある意味、完成形といえるだろう。
まぁ、尤も。
アイツが僧侶の法衣を破門された今も着続けるのは、着ていれば人の信用を得やすいのと、あと一つ――――――あいつが絶対に口外したがらない、「ある秘密」に由来するのだそうだ。
とにかく、あいつは別に色香を振りまくためにアレを着ているわけではない。
「?…なによ」
思考を戻し、前方の椅子に、トマトみたいに赤くなって収まっているアリスを見る。
…身長は、まぁ、高い方ではないにしろ、平均的といえる。
顔は―――綺麗というのは違う。こいつのは、その、あれだ。単純に―――――――――可愛い。
「???ゴドー?」
徐々に平静を取り戻していっているのか、上気した頬を元に戻しつつ、今度はアリスが俺の顔色を窺い始めた。
だが、今更俺の思考は止まらない。
――――――で。スタイルに関してだが。
そうだ、先に言っておこう。俺は際立って大きいほうがいいという嗜好ではないし、小さくても別段、問題ない。
だがこいつの場合は。童顔に不釣合いな発育に反し、健康的で。自然体で。それでいて、いやだからこそか。
とにかく無闇に――――――――――――――――――エロいのだ。
大体なんだ、そのイヤに胸元を強調した服装はっ、てそうだった、これは賢者の正装
であって別にこいつの趣味ではとにかくそんな服だとほらあれおまえのその無駄にでかい
胸が何かの拍子でうおっまぶしってな感じで他の男に見られて俺も気が気じゃないっていうかああもう!
「………………むぅ」
………困った。変に意識し始めたせいで、今度は俺の顔が赤くなっている気がする。
「ゴドー、どうしたの?なんで今ごろ、赤くなってるの?」
やっぱり。
まいった。このままじゃ寝るに寝付けん。仕方あるまい。
俺はおもむろに、傍らに投げてあった道具袋に手を伸ばす
「???」
「確かこの辺に………あった」
十秒ほど袋に手を突っ込んで漁った後に握られていたものは――――――まぁ、いうまでもないだろうが。
例の、僧侶の法衣だった。探してる途中で名札つきの青い水着やビキニ型の鎧みたいなものが手に引っ掛かった気もするが、何かの間違いだろう。
「わ…何で、あんたがそんなの持ってるのよ!?」
ま、当然の反応だろう。俺だって、今思い出すまで存在を忘れてたくらいだし。
「前に、ライナーがサイズが合わなくなったからって、昔の法衣をくれたんだ。焼いたり捨てたりするのももったいないし、
店に売ってどこの誰とも知らない奴が着るのも我慢できないから、俺に持っててほしいんだと」
「…ふぅん。で、それをどうするつもり?」
わからんのか。ならば聞け。
「着てみてくれ」
「……………………え?」
さっきから、こんなんばっかりだな。うん。
ど直球で申し出てはみたものの、案の定、当のアリスは何が起きたのかわからず、固まってしまった。
「え、あ、う…ふぇ!?」
戻りかけていたアリスの顔が、再び紅潮し始める。
そんなこいつを見ていると、今度は逆に俺の方は冷静になれる。…ああ、俺とこいつは、こうやってバランスをとってるんだな。
「………」
ジーーーーーーーー。
次第に動きが収まってきたアリスは、手を下に伸ばして組み、俯きながらこちらを凝視する。
次の瞬間には、蹴りか拳が飛んでくるのではないかと内心身構える。が。
「………いいよ。ゴドーが、着てほしいなら」
「――――――は…?」
返ってきた答えは、俺の予想の真逆のものだった。
「ほら、貸しなさいよ。着たげるから」
ん、とレザーの手袋をはめた手を差し出してくる。ちょっと待て、正気かお前。いや、言い出したのは俺なんだけど。
「本気か?冗談だとか、思わねぇのか?」
―――ぴくん。
アリスの手が、僅かに震えた。あ。不味った。
今度こそ鉄拳が飛んでくると踏んで、筋に力を込めた。
「………冗談、なの?」
――――――が。またしても、アリスの態度は予想外のものだった。
頬を赤らめ、やや上目遣いに俯きながら俺の様子を窺う。これは一体、どうしたことか。これでは、まるで、
「………」
「………」
…お互い無言のまま、部屋に妙な空気が漂う。
俺はこれでも、感情を顔に出さないのは得意な方だ。まぁ、たまにアリスやアレイ辺りに読まれることもあるが、それは大抵リラックスによる、少しばかりの隙のようなものだ。
本気で無表情を決め込めば、誰にも考えを読ませない自負はある。今がまさにそれだ。
―――だがしかし。今、それが逆にわけのわからん膠着状態を作ってしまっている。一度こうなったのを、自分から崩すのもアレだし、さてどうしたもんか――――――
「ゴドーは、あたしが着るのは、いや…?」
所在無さげに。おずおずと手を引っ込めて、先ほどのようにへその辺りで両手を組んで、赤らんだ顔で俯きながら一言。
――――――それは、驚天動地・前代未聞の一撃だった。
「――――――ぶっ!!」
―――――――――馬鹿な。俺の鉄壁の無表情が、ただの一言で砕かれてしまった。
鏡を見るまでもない、俺は自分の眦(まなじり)と口元がビクン、と弾けたのを実感する。
なんて、不覚。この野郎、いつの間にそんな技を身に付けたんだ。
「わ…ゴドー、大丈夫?」
「ほら」
「え?」
引っ込めた法衣を引っつかんで、アリスに向かって押し付ける。
まいった。まいりましたよ。俺の負けだよ、ちくしょう。
「着てくれるんだろ。頼む」
アリスはきょとんとしたが、差し出された法衣を受け取って数秒ほど眺めると、やがて、満面の笑みで
「うん…!」
と頷いて見せた。
…俺は。そんなアリスの真っ直ぐな笑顔を見るのが照れくさくて。ぷいっと壁の方を向いてしまった。
本当、ガキだよなぁ、俺も。
で、アリスの方はというと、そんな俺の行動を、自分の着替えのための気遣いだと受け取ったのか、早々に衣擦れの音を響かせ始めたのだった。
・ ・ ・
シュッ、シューーー…ぱふん。
「…ん、いいよ、ゴドー」
「………」
…一応、云っておくが。着替えが始まってから、アリスに話し掛けられるのは、これが初めてじゃない。
着替えの最中も、法衣の着用の順序について、背中越しにあれこれ聞かれた気がするが、そんなもんを俺が知ってるわけがない。
それより何より、俺の視線の180度反対側でアリスが着替えているという事実が、俺の思考なんぞどこか因果地平の彼方にふっ飛ばしてしまってまるで話の内容など憶えちゃいねぇのだった。
「ゴドー」
「聞こえてる。じゃあ、向くぞ」
「…うん」
クルッ。
「………どう?」
「………………………………」
――――――――――――――――やばい。やばい、やばい、やばい、ちょっと待て、何だそれ。
だって、おまえ、それ、前掛けが、挟まって――――――!
「〜〜〜〜〜!」
「え?何?…あ、これ?……ん、ライナーさんには悪いけど…スーツの胸のとこ、ちょっと小さかったみたい。
だから、上の法衣が、その…胸に、落ち込んじゃうみたい」
「〜〜〜っ!!!」
バカ、腕を組むのはよせっ。前掛けが余計に谷間に食い込むだろうがっ!
「――――――ねぇ、ゴドー」
と。こいつの方は至って平静に、顔が火を噴きそうになるのを抑えるのに精一杯の俺に、照れ笑いを浮かべながら、嬉しそうに語りかける。
「前に、いってくれたよね?あたしの水着姿、他の人に見られるのが嫌だ、って」
「………ああ」
「あれ、すごく嬉しかったんだよ?ねぇ…」
ぽふん。
と。気づくとアリスは、ベッドに腰掛ける俺の隣に、同じように腰を降ろしていた。
おい、待てって。そんな格好で、そんな所に、そんな近くで座られたら―――、
「今度の服は、どうかな?…ここなら、誰にも見られないし………ゴドーの好きなだけ、見ても、いいんだよ?」
「―――――――――」
―――――――――ぷちん。
あ。なんか弾けた。
「ひゃっ…!」
ぼふん。
俺は、全身をタイツスーツで包み、艶かしい肢体を晒すアリスを抱きしめ、押し倒す。
「………馬鹿。もう、知らねぇぞ」
やけっぱち気味に、アリスを脅しつける。
だが、アリスの方は特に取り乱しもせず、微笑みながら、真上、お互いの息が吹きかかるほどの近い位置にある俺の顔に囁く。
「そんなこといって。ゴドー、顔、真っ赤」
ああ、そうだろうさ。今日の俺は、どうかしてる。
どうかしてるから、今の俺の行動に、前後の日常との整合性がなかったとしても、そこに不条理などあるわけがない。
「…ん!」
両手で包んで尚余る、圧倒的な質量を誇る豊乳を掴む。指が、心地よい重量感に震える。
ビクン、とアリスは目を閉じて息を漏らす。
「云っておくけど。今の俺は、少し、荒っぽい」
「何、云ってんの…あんたはいつも、荒っぽいでしょ」
誤解を招く言い方をするな。俺とおまえは、これが初めてだろうがっ。
「…駄目か?今ならまだ、無理矢理やめることもできる」
「ん…駄目じゃないけど。でも、」
でも、で区切り、今度はアリスも顔を紅潮させて、一頻り勿体ぶった後、最後の一文を加えた。
「好き≠チて、ちゃんといってくれなきゃ、やだ」
それが、とどめ。俺の理性は、それで木っ端微塵にされた。
「ふわっ!?」
俺はアリスを抱きすくめ、首筋に口付けながら、ソレ≠いってやった。
「〜〜〜〜っ!!」
と。アリスの奴は、見る間に顔を真っ赤にし、目に涙を滲ませた。俺の言葉がよっぽど予想外で、恥ずかしかったのか。
だが、俺は皮肉は言うが、世辞は苦手だ。残念ながら、これは本心なのだ。
だから。もう一度。いや、何度でも、いってやる。
「だ・い・す・き」
「バカぁ…ふぁああっ」
…ああ、まったく。それにしても、こいつとの初めてを、まさか僧侶の法衣ですることになるとはなぁ。ブツブツ…。
〜 〜 〜 F i n 〜 〜 〜
ちょwwwYANA氏めwww
この展開にニヤニヤが止まらないwフヒヒヒヒ
925 :
YANA:2006/09/02(土) 02:49:22 ID:otnZMKry0
あー、楽しかったー(待てや
別バージョンも書きたかったのですが、まぁ今回は一名様のみということで。
残りレスも少ないことですし、1000が先か容量オーバーが先か。
どちらにせよ、当スレでの作品投稿はこれが最後になりましょう。
この度は当方の思いつきにお付き合い下さり、ありがとうございましたw
彼方の書き込みがうおっまぶしって感じに染みました的にGJ
うはwやってくれたwありがとうwwGJ!!
これが初なのか。
イイ!!
全俺我物故割多
>あ。なんか弾けた。
俺も何かが弾けた。
朝から俺のいろんなものを弾けさせたYANA氏に謝罪と賠sy(ry
ごちそうさまでしたwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
僧侶のコスプレか
おっと忘れてた
>>淫美な、光景。
アリスはついさっきまで破瓜の痛みに顔を歪めていたのが嘘のように悦楽に溺れている。
俺は嬌声が聞こえる度頭の『タガ』が外れ、自分の腰の上で雌のワルツを踊る少女に快楽を注ぎ
まで読んだ。
ス○水がアレイルート、ビキニヨロイがエデンルートですかwwww?
937 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/02(土) 13:30:08 ID:iC7s6v8nO
アリスは処女ですか?
処 女 な ん で す か ! ?
>>936 あ!!!!
あれが別ルートだったのかwww
アリスルートだとどうなってたんだろ…そのままベッドインか?
そうじゃね?
ま、要は4回戦以上やってれば問題ない
〜その頃〜
アリス母
「アリス、怪我とかしてないかしら・・・。頼むわよ。ゴドー君。
942 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/02(土) 20:00:54 ID:k/VFoz4J0
943 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/02(土) 20:47:32 ID:v6y6mii70
DQ3をPS2かPS3でリメイクしてくれたら買ってあげてもいい
944 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/02(土) 21:11:32 ID:k/VFoz4J0
教会の神父は何であんな偉そうなの!
ほんっとムカツク!誰のおかげで世界が救われそうになってると思ってんの!?
>>944 「SSはDQ3以外でも可」を書いておいた方がいいと思われ。
このスレでも見たけど、また3以外は駄目なの?って聞いてくる人もいるんじゃない?
947 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/02(土) 21:28:12 ID:k/VFoz4J0
949 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/09/02(土) 21:38:38 ID:k/VFoz4J0
>>948 別にあんたのためじゃないんだから・・・
このスレに何か貢献できればと思ってやっただけだもん。
ツンデレ口調はむずかしいなw
950get
↑スレ立て役?
つーか
>>949がむずかしいと言いつつなかなか萌える件
952 :
949(偽):2006/09/02(土) 21:56:01 ID:dttoSDAu0
>>951 べ、別にあんたなんかに……
…そ、そんな風に言われたからって嬉しくないわよ!!(ゆでだこ状態)
ここから普通に。
テンプレに書いてないからどうなんだろうな…。
そんな事よりここから職人さんが投下しても中途半端にならないの?
し、し、心配なんかしてないわよ…。
>>952 職人もねらーなんだからそれくらいわかってるでしょ。
このスレで控えるか、あるいは次スレでの再投下か。
つーか今立てちゃってもいんじゃね?
基本的に過疎だから次スレ安価は必要ないとおもったんだが・・
まああるに越したことはないYANA。
ヘイYOU 立てちゃいなYO!!
じゃあ980で手を打とうか。(ギリギリだな)
956 :
YANA:2006/09/02(土) 23:03:55 ID:otnZMKry0
>>936 貴様ッ!!そこに直れッッッ!!!
何故分かった!?(;´Д`)ノ
個人的に、一番書きたかったのがAとB。
ゴドーが昔見たアレイのス○水姿をオカズに抜いたことを聞き、
件の水着(昔、ゴドーがアレイに押し付けられた)を奪い取って着てみせるアリス。
ところが幼児体系のアレイの水着がアリスに合うはずもなく、色んなところがぱっつんぱっつんで大変なことに。
半べそをかくス○水アリスを見かねたゴドーは、とりあえず抱きしめて、夜通し慰めてあげるのでした。性的な意味で。
そんなA番。
C番?まぁ、気にしなさんな(ぇー
電波展開一番星、確実に話を破綻させる自信があるからっさw
初めて1000を迎えられそうですねぇw
思えば遠くに来たものだ。
正解はAだったようだ・・・ハアハア
>色んなところがぱっつんぱっつんで大変
くっ、Aにするべきだったか
959 :
936:2006/09/02(土) 23:55:01 ID:Aqe3v33E0
>>956 1 ス○水&ビキニktkr!!…が、スルーorz
2 ん?わざわざ正規アイテムでないものを文中に出す必要なくね?
3 ス○水→幼児体型→商人→アレイ
あれ?
4 ビキニ型の鎧→ん?鎧?→戦士→エデン
きたんじゃね?
5
>>936 3が一発で思いついた俺は相当病んでると思います
あとこのスレが完走した暁には是非二回戦以降の模様を…
>>959 いや、パラレルワールドはあえて書かない方がいいような。
一部重複するかもしれんし作る方も大変では。
あ、2戦目はパラレルじゃねーか。
勘違いした。
4スレ目よ!我が生贄の祭壇へ良くぞ来た!
我こそは全てを滅ぼす者!
出でよ
>>963-999達 このスレを埋め尽くし その1000を我に与えよ!
べ、別に話の続きが見たいってわけじゃないんだからねっ!
き、協力する気なんてないわよ!
だ、誰が埋めてあげるもんですか!
別に次のカキコ待ってたわけじゃないもん!
おまいら、ツンデレすぎだw
べっ、別にその……げんなりしてるわけじゃないんだからっ!
……アレ?
らしくないわよ。ほら、しゃんとして!
……あ、あたしが……いるから…。
そ…その……私…スレ立てれないし……でも…それでもいいなら…
って何言わせるのよバカァ!!(////)
……え?……そ、そんな!…あ……だ、駄目よ!
い…いや……見ないで……見ないでって言ってるでしょーー!!!
先日YANAっちの降臨をズバリ当てた俺が調子に乗ってまたまた行くよーっ!!
かつて質高き場所に於て我等が道を切り開き、導いた創造主。まさしく勇者たる、執筆人。
此地に移り住みし我等の危機を幾度と無く救い、長きに渡り支えた、全てを見切りし英雄。
今宵、新たなスレの立ち出ずる時。
この両者が降臨するだろう。
あれ?じゃあここのスレまず埋めなきゃいけないね。
みんな〜!さっさと1000ゲットして次スレでの降臨待ってようぜ〜!
見切りさんと執筆さんが来たらいいなーって思っただけなんだからね!
YANAさんの事忘れてるわけじゃないんだから・・・。
結局アリスが処女だったかわからず終いなのかorz
>>973 最初から読んできて、アリスの反応を見る限り処女で間違いないのでは?
YANA氏の事だからきっとその辺りも言及してくれるに違いないw
つーか誰かスレ立て・・・
>>974 そうなんだけどただそういう事にウブな子って可能性も無きにしも非ず
YANA氏がどちらとも取れるように意図的にやってるなら憎いぜコンチクショー!
だがこのチャット状態は何とかならんかね。二人でスレ占領してるみたいで
ヤキモキする。次スレ立つまで潜伏する事にします。でわ次スレは任せたぜ!
べつに埋めや保守の為にカキコしてるんじゃ無いんだからね
早く職人達の続きが読みたい訳でも無いんだから
…ふん(///)
明日テストなのに妄想が止まりません><
太陽と雨が合わさる時、虹の橋が出来る…この地に伝わる古い言い伝えですわ。
主人公とヒロインが合わs(検閲)
>>978 Vの話だなw
主人公とヒロインが合わs(検閲)時、勇者が生まれる