もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら五泊目
1 :
冒険の書庫の書記代理:
2 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/17(土) 22:51:59 ID:EJ2669mtO
ありえへん
3 :
ドラクエ信者南部裕作:2005/12/17(土) 23:02:46 ID:AQ/+WqPnO
藤本美貴
4 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/18(日) 00:22:06 ID:PYkDquofO
乙プンテ!
そして期待あげ
宿屋の主人「お客さん、ゆうべはお楽しみでしたね」
とりあえずゴールドなんざ持ってないのでしばらくただ働きですかね
もしも目が覚めたらそこがFF世界の宿屋だったらでも面白そうだよね。6の世界とか書きやすそう。
激しくスレ違いだが
前スレ途中で書き込めなくなったんで、職人皆迷子になってるっぽいな。
ラス書きのアミタソ完全に中途だしな。
総長なんかもこのパターンでスレ落ちたと思ってるんだろうな…。
1さん乙
すみませんあたしが最後だったのでスレ立てようとやってみたのですが…
むりぽ(-_-;)
またあとでうpします
職人さん達ー!
11 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/18(日) 20:29:20 ID:E9+fM9qJO
もし目が覚めたら〜〜〜のサイト教えてけれ
12 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/18(日) 21:36:20 ID:KeAR/Okw0
とりあえず、自分の肛門にメラゾーマしまくる
13 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/18(日) 21:40:25 ID:GB2TeFMTO
とりあえず馬車を手に入れるところからはじめてみる
14 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/18(日) 21:50:20 ID:kFfyIgfOO
銅の剣を武器屋に見に行く。見たいだろ普通に
15 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/18(日) 21:56:57 ID:KeAR/Okw0
>>14 はあ? そんなもん見たくねえよ。
それよりもこん棒だろ? あの太いのが、俺の肛門に入ると思うと・・
16 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/18(日) 22:30:16 ID:wtIFQi1SO
毒ばり入れたるわ
砂漠を抜け、荒れ果てた荒野を南下して町に着く。
町までの道のりで、死霊の騎士、フーセンドラゴンと2戦したが、2戦共辛勝だった。全滅してもおかしくなかっただろう。
戦闘開始直後ヘンリーが一人突っ込み、俺が攻撃呪文で援護し、ダメージを蓄積させていく。
敵の動きが鈍くなった所で、カンダタがとどめの一撃を与え勝利、という戦法だ。
ヘンリーが一番危険な役だが、そこは俺の援護でフォローしなければいけない。つまり俺も戦闘中は一秒たりとも気を抜けないのだ。
敵の動きが鈍るまでカンダタはピクリとも動かない。一人だけ楽な役を勤めている気がする。なんだか腑に落ちない。
町は、まだ崩壊してはいなかった。
人々の顔は恐怖と絶望に満ちているが、それでも、魔族に襲われていないだけマシだろう。
今日はここで一泊する事にする。魔物と2戦して、俺達は満身創痍だ。魔力は切れ、身体も傷だらけである。
ヘンリーとカンダタが宿に向かう。俺はその前に装備を整える事にした。
「…いらっしゃい。」
ツノマスクを被った半裸の主人が掠れた声をあげる。
主人の顔はやつれ、魂が抜けた様に空虚を見つめていた。
「まだ魔族に刃向かおうとしてる奴がいるんだな…。ま、俺もその莫迦のお陰で生活できてるんだけどな…。」
俺は、無言で壁にかけられた装備を見渡す。
確かに莫迦かもしれない。ゲマの部下に一撃でやられて、それでもまだ抵抗しようとしているのだから。
だが、抵抗しなくても結局は魔族に滅ぼされるんだ。寧ろ抵抗しない方が、莫迦なのではないのだろうか。
人は、晴れ渡る青い空に輝く眩しい陽の光を、忘れてしまったのだろうか…。
俺は、シルバーメイルと風の帽子を選び、カウンターに持っていく。
「…2点で9800Gだな。」
俺は先程ヘンリーに貰った10000Gを払う。お釣りを貰い、俺は無言で店を出た。主人も同じく、俺にお釣りを渡した後口を開く事はなかった。
夜、宿の食堂で夕食を取る。
俺達は会話する事無く、重々しい空気の中黙々と料理を口に運んでいた。
そのまま、誰一人口を開く事無く夕食を終える。
そしてその後入浴し、3人共寝室でそれぞれ別の事をしていた。
カンダタは自分の斧を磨き、ヘンリーは物思いに耽り、俺は呪文書を黙々と読んでいた。
港町で拾った呪文書だが、これは上級呪文以上はほとんど載っていない。完璧な書物ではないのだ。
まあ、それでもこの書物から学ぶ事はある。ギラの中級呪文ベギラマ、スカラの上級呪文スクルト、敵の防御力を低下させる呪文ルカニ。俺が習得していない呪文はまだまだある。
それに、特技も開発した方が良いだろう。強力で、尚且つ使い勝手の良い特技。簡単に編み出せるとは思えないが…。
「お前達…聞いてくれ。」
村に着いてから今まで続いていた沈黙を、ヘンリーが破る。
先程まで両手を組んで口元に置き、目を瞑ってベッドに座っていたヘンリーが、細く目を開いていた。
「俺は明日町を出て、ここから遥か東にある海辺の村に向かう。…魔王城が聳え立つ島に最も近い村だ。」
魔王城から、最も近い?
明らかにその海辺の村と言う村に何かありそうだ。一体、海辺の村には何があるのだろうか。ヘンリーの次の発言までの間、僅かな緊張が俺の心を駆け巡る。
「1ヶ月後、その村には世界中から腕に自信がある者達が集まるだろう。魔物と対等か、それ以上に戦える者達が。」
「…遂に、魔族が決着をつけに来るか。」
ヘンリーの話を聞いていないかの様に斧を磨き続けていたカンダタが、視線を斧にやりながら独り言の様に話す。
「察しの通りだ。1ヶ月後に、海辺の村に魔族が攻めてくる。…今まで村や町を潰してきた数十の部隊の中で、最も強い2部隊がな。」
ヘンリーは呼吸をしていないかの如く、絶え間なく話を続ける。
「魔王ミルドラースの側近イブールが、わざわざ言ってきたんだ。『未だ抵抗する愚かな戦士達をここで抹消させる為、数十ある魔族の部隊から精鋭されたジャミ、ゴンズ率いる2部隊が、人間と魔族の決着をつけに海辺の村へいく。覚悟しておけ』とな。」
「人間と魔族の大決戦か…。面白いじゃねえか。」
カンダタが、フッフッフと不敵に笑う。余裕があるのか、もう諦めたのかは分からない。
そんな事より、俺はヘンリーの発言の中にあった二つの言葉が脳に響いて離れなかった。
―――――ジャミと、ゴンズ。
忘れない。いや、忘れられない。
デモンズタワーで戦ったゲマ直属の部下だ。ボロンゴ達を、一撃で気絶させてしまった奴ら。
あいつらと戦うのか。そうか…。
俺の中から、何かとても危険な感情が生まれた、そんな気がした。
「ここで挑発に乗ってしまうと戦士達が全滅し、人類の歴史は本当に終わってしまうかもしれない。だが、どちらにしろいつか魔族とは決着をつけないといけないんだ。ここで逃げる訳にはいかない…。」
ヘンリーが右拳を強く握る。
どうやらヘンリーは覚悟を決めている様だ。1ヶ月後、人類の運命は決まってしまうと言う事か。
「お前達、この決戦に参加してくれないか?一人でも多くの力が必要なんだ。」
「当然参加させて貰うぜ。人類の運命がかかっているのに、黙っていられるかよ。」
カンダタが勢い良く斧を振るう。
「ありがとう、カンダタ。…お前は、どうする?」
カンダタに視線を向けていたヘンリーが、こちらを見る。
俺の意志は、聞かれる前から既に定まっていた。
俺の中の選択肢という天秤は、片方には欠片も重さがなかった。
「…俺も参加する。」
俺は拳を強く握る。その拳は、ガタガタと大きく震えていた。
ボロンゴ達は死んではいないが、仇…それに近い感情があった。
今は感情を抑えているが、奴らを目の前にしたら暴走………奴らを殺した後も、只管攻撃し続けるかもしれない。
それだけ、あいつらが憎い。倒したい。――――――――――殺したい。
「ありがとう………仲間は多い方が有利だ。少なくとも今の時点では、世界に名を轟かせる程の実力者が10人はいないと、勝つのは難しい。」
10人か…そんなに来てくれるのだろうか。
現時点で確実に参加するのは3人。後7人も…参加してくれる者がいればいいのだが。
まあ泣いても笑っても後1ヶ月だ。俺ができる事は、只管修行に励む事だけだ。
見てろよ…ジャミ、ゴンズ…。俺は強くなる…誰よりも強くなってやる…。そして…必ず…勝つ!
架空の人物の台詞をパクってしまった。シリアス度が下がるじゃねーか。
夜が明ける。
俺はほとんど寝付けなかった。決戦の事を考えていて、目が冴えてしまった。
昨日は偉そうに言っていたが、実際良く考えてみると俺はとんでもない事をしようとしてるんだよな…。
一撃でやられた奴を、1ヶ月の修行で倒そうとしているんだ。
しかも10年も経ち、奴らも相当強くなっているだろう。俺のやろうとしている事が、無謀な行為と言われても仕方ない。
目が冴えて眠れないので、ベッドから起き上がり、辺りを見渡す。その時、ある異変に気付いた。
ヘンリーの隣のベッドにはカンダタがおらず、布団が綺麗に片付けられていた。もう起きたのだろうか。
どうも気になったので、部屋を出ようとする。
その時、扉の横にある机に、一枚の手紙が置いてあるのに気がついた。
手紙を読んでみると、そこにはこう書かれていた。
『突然出て行ってすまないと思っている。昨日から俺が偽っていた事、隠していた事をここに書き残す。まず、俺は子分を探して旅をしていると言ったが、あれは嘘だ。
俺の子分は全員数年前に死んでしまった。魔物から俺をかばってな。本当の俺の旅の目的は、ただ魔族の刺客から逃げているだけだ。数年前、子分が全員死んだ時の戦いで、ヘルバトラーと言う魔族の中でも位の高い奴を殺しちまった。
それ以来、俺は魔族に命を狙われているんだ。お前達は俺といると危険だ。だから、俺は一人で行く事にする。魔族との決戦については、1ヶ月後に俺が生きていたなら必ず参加する。これは男の約束だ。守らせてもらう。
じゃあ、1ヶ月後にまた会おう。絶対に死ぬなよ。 カンダタ』
カンダタ…。
だからヘンリーが一緒に行こうと言った時に戸惑ったのか。
あんな変態の様な格好で、パンツマンダンスの如くブンブンと斧を振っているが、奴も苦労しているんだな…。
いかん目頭が熱くなってしまった。バカでも苦労していると言う事を知って、感動してしまった。
「もう起きてたのか。」
突然話し掛けられ、驚きでピクっと肩が震える。
後ろを振り向くと、ヘンリーがベッドから身体を起こし、眠たそうな目を擦っていた。
「どうした?そんな所で。」
俺は、黙ってヘンリーに手紙を見せた。
「そうか…そういう事情なら仕方ないだろう。1ヶ月後に、生きている事を期待するしかない。」
ヘンリーは机に手紙を置き、着替えが置いてあるタンスを開けて中を漁った。
「予定変更だ。暫くこの町にとどまろう。」
ヘンリーがみかわしの服に着替えながら言う。
「この町に?」
「ああ。3人行動でも全滅する危険があったんだ。2人で行動など、危なすぎる。暫くこの町で修行してから海辺の村に行こう。3日もあれば着くから問題ない。」
成る程。確かにその通りだ。
魔物と決戦する前に死んでしまったら、それこそ無意味だろう。
それにヘンリーの方が剣術に長けているので俺としても学ぶ事も多い。俺は了承した。
「よし、じゃあどこか町で広い場所を探そう。」
数十分後、俺達は井戸の中にいた。
井戸は修行するには十分な広さで、タンスや机、電気が設置されてある。
町の人にどこか場所はないか聞くと、魔物が攻めて来た時隠れる為に作られた井戸の中を使って良いと言った。
時間が惜しいので、俺とヘンリーは井戸に降りた後すぐにお互い剣を抜く。
「手加減はなしだ…。本気で斬らせてもらう。だからお前も本気で来い。」
ヘンリーは真顔で俺を睨む。俺もそれに答えるかのように、睨み返す。
ヘンリーと戦った事はないが…俺の方が不利なのは明らかだ。少ない脳をフルに働かせていくか。
「行くぞ!」
そう言った刹那。
俺の眼前に、ヘンリーの顔が現れる。
ヘンリーは剣を強く握り締め、思い切り剣を横に振る。
俺は上半身を後ろに退き、間一髪で避ける。
…いや、命中した。俺の右の頬から、僅かに血が流れる。
ヘンリーの剣先が、俺の頬を掠めたのだ。
ヤバイ。本当に本気だ。俺は致命傷は避けて攻撃すると解釈していたが、ヘンリーは情け容赦なく攻撃する。
「はぁ!」
ヘンリーが、更に剣を振る。
今度は、直撃した。俺の左脇腹が、ヘンリーの破邪の剣によって斬られる。
俺の左脇腹から、大量の血が流れる。赤い血が。
ヘンリーが、俺を攻撃している。敵対視している。その証拠に、既に2撃も攻撃をくらってしまった。
これは、まだこの世界に慣れていない俺に、甘さは命取りと言う事を教えているのだろうか。
…ならば、それに応えようか。………くらえ!
「バギマ!!」
次の瞬間、巨大な竜巻が現れ、風の刃が身を切り刻む。
………ヘンリーと俺の。
しまった、ヘンリーと密着していたから、俺もくらってしまった。なんて事だ。
ヘンリーと俺は同時に倒れるが、ヘンリーは何事もなかったかのように立ち上がる。
「呪文は万能じゃないぞ!こう使うんだ!…イオラ!」
俺の周りに熱風が巻き起こったかと思うと、突然激しく爆発する。
やはり中級呪文だ。イオの比ではない。俺は激しい痛みで、その場に倒れたまま全く動けない。
…これが魔物との戦いなら、俺はここでゲームオーバーなのだろう。
あまりにも、格が違いすぎる。
確かにヘンリーとは実力差があると思っていた。しかし、まさかこれ程までとは…。
しかも、そのヘンリーでも魔物と一対一では互角には戦えない。つまり、俺程度が魔物と戦えば死は確実だ。
更に、1ヶ月後にはその魔物が何十にも集結した部隊と、その部隊長ジャミ、ゴンズと戦うんだ。
最早絶望的だ。俺が今から勉強して、東大に一発合格するより絶望的であろう。
「どうした?回復しないのか?お前には回復呪文があるだろう。」
俺を見下すかの様に見下ろすヘンリーが、そう言う。
回復呪文か…なんかもうしんどいな…。このまま死んでもいいよ…。
俺はこのまま寝…ようと思ったが、それでは決戦に参加すると約束したヘンリー達に余りに悪いので、俺は渋々ベホイミで回復した。
「さあ、第二回戦だ。」
再び、剣を構えてヘンリーと対峙する。
先程と同じく、ヘンリーは速攻で斬りかかってきた。
動きが全く見えない俺は、ヘンリーにいいように斬られる。
「どうした!それで終わりか!」
ヘンリーは踊り子の如く華麗に動き、隙を見つけては俺に攻撃する。剣の舞、と言った所か。
これでは先程と同じだ。ダメだ。ヤケクソでも突っ込んでやる。
「素人にはお勧めできない…。」
「え?」
俺はギラリと眼を光らせ、ヘンリーを睨みつけた。
「諸刃の剣!!!!!」
俺は両手で剣を強く握り締め、大きく剣を振りかぶってヘンリーに特攻する。
ヘンリーの目の前まで走り、力の限り剣を振り下ろした。
「うわっ!!」
紙一重で俺の攻撃を避けるヘンリー。俺は勢い余って自分の左足を斬ってしまった。
左足から血がドクドクと出る。自業自得だ。俺が馬鹿だった。今は反省している。
「恐ろしい技だ…本当に諸刃の剣だな。」
ヘンリーの目が必死だった。掠りもしなかったが、驚かせる事は出来た様だ。…虚しい。
その後、自分の身体をベホイミで無理矢理回復させ、夕方までヘンリーと戦い続けた。
その日の宿のある部屋では、ボロボロになって泥の様に眠る者と、無傷で眠る者と言う二つの光景が見られた。
魔族との決戦まで、あと30日
Lv20
HP1/103
MP0/45
武器:破邪の剣 鎧:シルバーメイル 兜:風の帽子
呪文;ホイミ、ベホイミ、バギ、バギマ、ギラ、スカラ
特技:はやぶさ斬り、火炎斬り、諸刃斬り、正拳突き
25 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/19(月) 00:26:09 ID:vdyXjNe70
続きキボンヌ
なんかこう…タギるものがあるな…
とりあえず朝ごはんに目玉焼きを頼もう。
28 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/19(月) 12:23:42 ID:3I8FnNZ90
(;^ω^)保守だお。
職人さん待ってるお。
初夏、あたしは夜勤明けの眠りから覚めたらサントハイムの隣、サランの町の宿屋二階にいた。
ドラクエの世界なら冒険をしたい、だけど1人だと危険だと思った矢先、アリーナに出会った。知らない人から話しかけてお供にしてくれなんて普通では有り得ないことに、あっさりと彼女はいいよと承諾してくれた。
夢で見た、とは言ってたからあたしが加わるのは予定の内だったんだろう。
それから北上し、テンぺでは生贄を喰らうカメレオンマンを撃破、更に北上しフレノールの町では偽姫誘拐事件。黄金の腕輪を探した洞窟では白龍と死闘。
あの腕輪、今は何処にあるんだろう。それだけは気掛かり。
その後は。
後はエンドールへ行き、アリーナが出場希望する武術大会で優勝すればそこでこれがゲームの世界であるならば二章は終了する。
元の世界へ戻る術が見つからないならこのまま旅は続行。
それは構わない。これからもっと呪文を覚えたり、まだ剣技に不安があるから習得したいし体術もまだまだだし。
いつか、旅が終わったらサントハイムでメイドとして就職もいいだろうし。
いつか…いつか、終わったら。
あの、群青の瞳をしたあの人に、想いを伝えようか…。
柔らかい布団に包まれ、私は眠りに落ちていた。
保守
>>ローディ氏・アミ氏
乙、続き待ってる!
保守するついでになんでもいいから感謝・感想くらい書くべきじゃね?
作品の後に保守だけってなんか寂しい・・・。
それと保守は一日一回で十分だとおも
魔神、総長、レッドマン、、エイコ、海斗の降臨待ち。
職人さんがんがれ〜
海斗って誰?
だれか軽く話の説明してくれると嬉しいがスレ違いだろうか?
町の井戸で修行を始めた俺達は、毎日只管戦い続けていた。
修行を重ねるにつれ、俺は徐々にヘンリーに追いついてきた…かどうかは分からないが、それでも俺はヘンリーに追いつく事を信じ、ヘンリーと修行し続けていた。
そして、2週間が過ぎた………。
「さて、今日も始めるか。」
井戸の中で対峙する俺とヘンリー。最早見慣れた光景だ。
「はぁ!」
今まで戦闘開始時はヘンリーから突っ込んできていたが、初めて俺が最初に突っ込む。
キィン!
剣がぶつかり合う音が、井戸の中に響き渡る。外に漏れそうな程大きな音だ。
俺は一歩下がり、ヘンリーに掌を向ける。
「ベギラマ!!」
掌から、ギラより遥かに大きな炎が迸る。
1週間前に、ヘンリーと剣を交えている時に何となく使ってみたら成功し、それ以来頻繁に使っている。
ほとんど逃げ場が無い程大きな炎がヘンリーに襲い掛かる。が、ヘンリーは横っ飛びで難なく避けた。
その隙を突き、俺がヘンリーに斬りかかる。
破邪の剣の先が、ヘンリーの左腕を掠る。
「ちっ!メラミ!」
ヘンリーの掌から、バスケットボール程の大きな火球が現れ、俺の身を燃やす。
致命傷は避ける事ができた。メラミの直撃を受けてしまえば、一撃でダウンしてしまう。
俺は体勢を立て直し、はやぶさ斬りで素早くヘンリーに斬りかかる。
ヘンリーは無駄の無い動きで俺の攻撃を避ける。が、時折俺の攻撃が掠っている。流石にはやぶさ斬りを完全に避けるのは不可能な様だ。
「今だ!」
ヘンリーの後ろに回りこんだ俺は、剣を思い切り振りかぶり、諸刃斬りを放つ。
「くっ!」
ヘンリーは避ける素振りを見せる。が、俺の剣はヘンリーの背中に傷をつけた。
「がはっ!」
直撃ではないが、破壊力が凄いので結構なダメージを与えた。
その場に倒れ込むヘンリー。俺はここぞをばかりに剣を握り締め突っ込んだ。
「メラミ!!」
倒れながらも俺に掌を向け、メラミを放つ。
油断していた俺は、メラミの直撃を受けてしまった。
その場に倒れ込む俺。畜生、まだまだヘンリーにはかなわないか。
ベホイミを唱え、傷を癒し立ち上がる。ヘンリーも既に俺より先に立ち上がっていた。
「やるな。日に日に強くなっているのが実感できるよ。」
そうだろうか。あまり強くなったと感じた事は無いが…。
まあ確かに、初めは剣を掠らせる事も出来なかったんだ。強くなっているのかもしれない。
「さあ、続けるぞ。」
俺とヘンリーは、再び剣を構えお互いを睨む。
「キャーーー!!!」
その時、女の悲鳴が地上から聞こえてきた。
「な、何だ!?何かあったのか!?」
そう言うとヘンリーは走り出し、ロープを伝って地上に戻っていった。
ゴキブリでも出たのだろう、と思ったが、仕方なく俺もヘンリーについていく。
そこにあったのは信じ難い光景だった。
魔物が次々に町に侵入し、町を乗っ取っている。
「こ、これは…魔族の部隊が攻めて来たのか!?」
いや、果たしてそうだろうか。どうも様子がおかしい。
魔物は確かに町を占領しているが、人々を襲う気配が無い。
魔族の部隊が来たのならば、人々を殺し建物を潰しにかかる筈だ。
その時、一匹の魔物が俺達に近づいてきた。ミニデーモンだ。
「キキキ!今日からここはポルンガ様の根城だ!お前らも死にたくなければ大人しくしてるんだ!」
成る程。この町の人間に恐怖を味合わせようと言う訳か。魔物らしいやり方だ。
「…死ね。」
ヘンリーが、ミニデーモンに剣を突きつける。
「ギギ!!何だお前!やる気か!?」
ミニデーモンがモリを構える。まさか、戦わなければいけないのか?
…倒せるのだろうか。いくら修行したと言っても、1対2は死ぬ危険性が高い。
「おい、行くぞ!」
「あ、ああ!」
俺とヘンリーは剣を構える。ミニデーモンは1対2と言う状況で、ニヤニヤと笑っている。相当自信があるようだ。
「バカな奴らだ…死ね!!」
ミニデーモンは俺に狙いを定め、飛びかかってくる。
辛うじてミニデーモンの攻撃をかわす。が、ミニデーモンの方に向き直した瞬間、ミニデーモンの放ったメラミがこちらに向かってきた。
直撃を受ける。咄嗟に両腕でガードをしたが、それでも相当なダメージだ。
攻撃をした後、こんなに早く呪文を唱えられる訳がない。畜生、攻撃しながら詠唱していたな。器用な奴だ。
「キキキ!ドンドン行くぞ!」
ミニデーモンが両手を強く握ると、二つの大きな火球が現れた。
「くらえ!!」
二つの火球が、それぞれ俺とヘンリーに襲い掛かる。
俺は剣を大きく振りかぶり、メラミが目の前まで近づいてきた所で諸刃斬りを放つ。
勢いよく振り下ろした剣は、燃え盛る火球にクリティカルヒットした。
俺に襲い掛かってきたメラミは跳ね返り、今度はミニデーモンに襲い掛かる。
油断していたミニデーモンは、メラミの直撃を受け黒焦げになってしまった。
「今だ!」
メラミを避けたヘンリーがミニデーモンに突っ込み、激しく斬りかかる。
ミニデーモンは気絶していたので、ヘンリーの剣は容易にミニデーモンの身を切り裂いた。
ミニデーモンはピクリとも動かなくなり、絶命する。
「何とか倒したな。」
ヘンリーはふう、と溜息をつく。
もっと苦戦すると思っていたが、案外楽に倒せた。多少苦戦はしたが。
やはりお互い強くなっているようだ。2週間前の俺達だったら全滅していたかもしれない。
「安心している暇は無い。一刻も早くポルンガとか言う奴を倒しに行こう。恐らく魔物達のボスだ。」
ヘンリーは早足で歩いていく。
幾ら何でもそれは危険なのではないだろうか。修行したと言っても、まともにボスクラスの相手を出来るのだろうか。
とは言っても町の人の命が危ないので、そんな事も言っていられない。黙ってヘンリーについていくしかない。
町長の家に着く。
町の人の話によると、態度も体もでかい奴が町長の家に入っていったそうだ。恐らくポルンガだろう。
町長の家1階には、爆弾岩と町長がいた。
町長は尻餅をついて何かおぞましいものを見たかの様な顔をしており、爆弾岩は何をするでもなくニヤニヤしている。
俺達は町長をスルーして2階へ上がっていった。
爆弾岩は俺達の方を向きもせずニヤニヤし続けている。大丈夫か?脳みそにプリンでも入ってるのか?
2階に上がると、すぐにポルンガがいる事が分かった。
ポルンガの鍛え抜かれた巨大な肉体が、俺達を威圧する。
ポルンガの周りには4匹の魔物が囲んでいる。2対5は流石に無理があるんじゃないか?
しかしヘンリーは、そんな事はお構いなしにポルンガの前へと突き進んでいく。なんて奴だ。
「ん?何だお前らは?」
俺達の存在に気付いたポルンガが、俺達を睨みつける。
その鋭い眼光は、更に威圧を感じさせ、背筋を凍らせる。
「迷惑だ…出て行ってもらおうか。」
睨まれると流石に恐れをなすかと思ったが、それ所かヘンリーはポルンガを睨み返した。
「ほう…良い度胸だな。」
ポルンガがのっそりと立ち上がる。身長は優に3mを越え、ポルンガは俺達を見下ろしている。
「俺様にそんなでかい口を聞くからには、覚悟は出来てるんだろうな?」
ポルンガはバキボキと指を鳴らす。
「初めからそのつもりだ。」
ヘンリーは剣を抜く。俺もそれに続き、慌てて剣を構える。
「上等だ…。おい、お前らは手を出すなよ。」
「分かりました、ポルンガ様。」
良かった。1対2で戦って頂ける様だ。感謝致しますポルンガ様。
あまりの威圧感に思わず敬語になる。これではいかんな。
「行くぞ!」
ポルンガが右腕を思い切り振るう。
俺は後ろに跳躍し、ポルンガの攻撃を避ける。
スピードは無いが、攻撃力が凄い。右拳が床に当たった瞬間、家全体が揺れ動いた。
「はぁ!」
ヘンリーが、ポルンガに激しく斬りかかる。
が、ポルンガの肉体は、ヘンリーの剣を全く通さなかった。
「甘いぞ!!」
左腕でヘンリーを弾き飛ばす。ヘンリーは壁に衝突し、倒れこんだ。
俺はそれを見て、咄嗟に詠唱を始める。
「貴様も死ね!!」
ポルンガの右拳が、猛虎の如く俺に襲い掛かる。
「スカラ!!」
俺の体が赤い光に包まれた瞬間、ポルンガの攻撃が俺に直撃する。
俺は吹っ飛びそうになるが、踏ん張って壁には衝突しなかった。スカラの効果があった様だ。
「小癪な…!しかし呪文など、俺の鋼の肉体の前においては無駄だ!!」
何をふざけた事を。戦士系は呪文に弱いと定説だ。
脳みそまで筋肉で鍛えてしまった愚かさを思い知れ!!
「バギマ!!」
巨大な竜巻が現れ、ポルンガの身を風の刃が切り裂く。
ポルンガは「ぬうううう…!」と言いながら歯を食いしばっている。
やがて竜巻は消え去り、そこに残ったのはニヤリと笑うポルンガだった。
「ふっふっふ…効かんわ!」
確かに効いていなさそうだ。やせ我慢にも見えない。こいつ、本当に呪文が効かないのか。
「メラミ!!」
その声と共に、ポルンガの左から迫ってきた火球が、ポルンガの身を焦がす。
ヘンリーが立ち上がり、呪文を唱えていたのだ。
「ふふふ…ちょっとチクッとしたかな?」
ポルンガの表情は笑ったまま変わらない。畜生、単体攻撃で威力の高いメラミもほとんど無駄か。
「そろそろとどめと行くか…はああああ!!!」
ポルンガが拳を握ると、ポルンガの体全体が黄色の淡い光に包まれた。
まずい。気合ためだ。バイキルト程持続力はないが、一時的に攻撃力が上がる技だ。
「死ねぇぇい!!」
ポルンガが、俺に向かって跳躍する。
スピードが遅い為横っ飛びで回避できたが、右拳が床に当たった瞬間、床が抜けてしまった。とんでもない奴だ。
「甘いぞ!!」
体勢を立て直した瞬間、ポルンガが回し蹴りを放つ。
ポルンガの蹴りが俺の顔を掠った瞬間、物凄い勢いで吹っ飛ばされた。
壁に衝突し、その場に倒れ込む。恐ろしい奴だ。攻撃力だけを取ったら、10年前のジャミ、ゴンズより強いかもしれない。
「さあ、覚悟しろ。」
バキボキと指を鳴らし、俺に接近するポルンガ。
…鋼の肉体か。そうか。…ならば。
俺は座り込んだまま、詠唱を始めた。
「へっへっへ、呪文は効かねえって言っただろ。」
ポルンガが俺の目の前まで迫る。そしてポルンガは右拳を思い切り振るった。
その瞬間俺はポルンガに掌を向けた。
「ルカニ!!」
ポルンガの鋼の肉体が、青い光に包まれる。
「こ、これは!?か、体が…!!」
成功だ。まだ練習も何もしていなかったが…。初級呪文なら案外簡単に使えるのかもしれない。
「い、今だヘンリー!」
座っている俺とは違い、立っているヘンリーは今すぐにでも攻撃できるので、ヘンリーに任せる事にした。
ヘンリーは防御力が低下したポルンガに斬りかかる。
ヘンリーの剣は、先程とは打って変わって次々にポルンガの肉体を切り裂く。
スピードが無いので、容易に攻撃が当たる。こうなればもう雑魚同然だ。
「ぐあああ!!き、貴様ら………!!」
「トドメだ!!」
ヘンリーが渾身の力を込めて斬りかかる。次の瞬間、ポルンガの肉体を真っ二つに切り裂いた。
ポルンガは叫ぶ間もなく絶命してしまった。
「ふう…な、何とか倒したな…。」
ヘンリーが安堵の表情を浮かべる。俺も恐怖から開放された気分だ。
「ポ、ポルンガ様が…!み、みんな逃げるぞ!!」
4匹の魔物が逃げていく。とりあえず勝った様だ。
「み、みなさん!」
町長が、階段で足を滑らせそうになりながら慌てて駆け登る。
「魔物が逃げていきましたが…まさかあいつを倒したんですか?」
「ああ、何とかな。」
「そ、そうですか…ありがとうございます………しかし…。」
町長はあまり喜んでいない様子だ。何故だろう。魔物に支配されていたかったのか?Mか?
「…いや、この際頼んでみよう。お願いします。闇の塔のドラゴンを倒して頂けませんか?」
「ドラゴン?」
町長の話によると、ポルンガ達は南にある闇の塔から来た奴らで、闇の塔にいるドラゴンを倒さないとこれからも町は襲われ続けるらしい。
いや、助けたいのは山々だが、今度はドラゴンか…。桁違いに敵がグレードアップしていくな。
「分かった。闇の塔のドラゴンを倒せばいいんだな。」
「あ、ありがとうございます!これは、闇の塔の扉を開ける鍵です。お持ち下さい。」
町長から闇の塔の鍵を貰い、目指すは闇の塔になった。
まあ今日は疲れたので、闇の塔などスルーして宿屋で思いっきり寝るがな。その間に町が滅んでも知らん。
魔族との決戦まで、あと16日
Lv24
HP67/124
MP12/60
武器:破邪の剣 鎧:シルバーメイル 兜:風の帽子
回復;ホイミ、ベホイミ
攻撃:バギ、バギマ、ギラ、ベギラマ
補助:スカラ、ルカニ
特技:はやぶさ斬り、火炎斬り、諸刃斬り、正拳突き
ローディ乙
超オモスレー
ポルンガってDQにいたっけ?
攻略サイトで調べたら、ポルンガでなくボルンカでした・・・。普通に間違えてた。
因みにDQ7のルーメンのボスです。
45 :
43:2005/12/21(水) 00:15:54 ID:b7weIYaf0
>>44 レスサンクス
重箱の隅ゴメソ
これからも期待してるガンガレ
いやね、起きたら知らない部屋にいたんですよ。
びっくりしました。
やっちゃった?やっちゃいましたか?ってまあ一通り落ち込んだりしたけど、とにかく部屋を出たんですね。
カウンターのようなところにおじさんがいるから、もういっそ潔くと思いまして、無駄に勇み足で
「スンマセーン不法侵入しましたー」
って名乗り出ましたよ。
そしたらおじさん困った顔して「おはようございます。お気をつけて」なんて言うわけです。
…え?いいの?24しなくて?マジで?
なんか知らんが助かった!サンキューおじさん!ってことで半ば逃げるようにしてその建物から出ました。
出ましたよ。
……どこ、ここ。
私は目を見開いてあたりを見渡しました。
明らかに現代日本ではありません。…でも、どこかで見たことのあるような。
車が走っていない。ケータイ打ちながら闊歩する糞生意気な高校生もいない!やった!!……違います。
とにかく、そこは私の知っている日本ではないようでした。
同じく保守
48 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/21(水) 23:14:45 ID:NJ6GUzd10
カルカド近くの洞窟宿屋なら嫌だ。
→ジャミラスに食い殺される悪夢から醒める
リメイクDQ1リムルダールも嫌だ。
→「世界の半分をゆずる」に思わずYES
リメイクDQ2ベラヌールも。
→サマルトリアの王子が金縛り
DQ4レムルだっけか
→ロザリー系の夢
保守
毎回楽しく読ませていただいています。
師走の忙しい中、職人の皆様頑張ってください。
50 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/24(土) 14:21:27 ID:scU2QzFvO
まとめサイトが更新されない件(くだん)について
新規で投下します。
オリジナルストーリーのため、キャラ設定が違うことも多々ありますが大目に見て下さいorz
──あの冒険の日々、今でも忘れてない──
ある日、俺が目を覚ましたらそこは見覚えのない部屋だった。
木造の部屋の質素なベッドに真っ白いシーツ、それは明らかに俺の部屋のものじゃない。
何も考えられなくて、しばらくの間ボーっとしていると部屋のドアを開けて男が入ってきた。
「もう昼時ですよ?外はイイ天気、そろそろお出かけになってはいかがですか?」
言われるがままに外に出てみると、なるほどイイ天気だ。太陽は真上まで昇り、青草が風で爽やかに揺れている。
ここ何処だ?
どこまでも続いていそうな野原、ビルの一本すら見当たらない。都会育ちの俺にはある意味では心臓に悪い風景。
見ると看板が立っていて「旅の宿屋」と記されていた。宿屋だったのか、と納得する自分に、だから何だ?とツッコミをいれる。
なによりも見たことの無い景色が怖くて、その不安の重圧で俺は泣きそうになった・・・。
>>52の続き
知らない土地に俺だけが一人、携帯は何故か持ってないし、財布の中身はこれまた何故か見たこともないメダル硬貨に変わっている。
訳が分からない、どうしてこんなことになった? 絶望的だ・・・助けも呼べないし、タクシーにも電車にも乗れない。
ともあれ途方にくれていても仕方がない、とりあえず此処が何処なのかを知る必要がある・・・。
俺は宿の主人に話を聞くことにした。
「いらっしゃいませ、お泊りですか?一泊4ゴールドになります」
いや俺だよ、いま出ていったばっかだろ。商売に命がけだな。
唐突に話しかけられて驚いたが、丁重に断りどうにか話を先に進める。
「うん?ここはグランエスタード王国領下の土地だよ。ここから南に道を行くとある王国さね」
グランエスタード王国、そんな国は聞いたことがない。
日本ではないのか、その問いに、主人は聞いたこもないという顔をして首を振った。
>>53の続き
分かったのは、ここは俺が住んでいた世界じゃないんだってこと。
なんらかの理由で俺は訳の分からない世界へ放り出されてしまった。
異世界とかタイムマシーンとか、信じてる訳じゃないけど、それを信じないと俺が俺自身を説明することができない。
知らない世界に俺は一人ぼっち。知らない土地なんかより深刻だ。
だって何処まで行ったって、俺の知り合いはきっと居ないから──。
それに気付くのと同時に俺を襲ったのは、先程とは比べものにならない不安と、帰りたい、と願う気持ちだった。
どうしたら帰れるか、ただそれが知りたい。
帰るための手掛かりを見つけるため、この不安を振り払うため、俺は何処までも続くかのように見える世界を歩きだす。
──とりあえず南へ。
>>54の続き
南へとは言ったものの、当然ながら南がどちらなのか分からないので、情けなくも宿屋へと戻ることにした。
「あんた、もしかして旅人なのかい?」
そう尋ねられたので、今から旅人と名乗ることにする。目的は自分の世界に帰ること。
「そんな恰好で旅をするなんて・・・無茶にも程があるぞ!おまけに手ぶらじゃないか!」
なんで服装を注意されにゃならんのだ、どう見てもアンタよりセンスいい恰好だと思ってる。
そう思いながら辺りに目をやると、宿には俺の他にも数人の客がいた。
気付けば、皆が一様に主人と似たような服装をしている。そうか、この世界で浮いてるのは俺の方なんだな。
ならばこの世界の流儀に合わせる必要がある。
幸い主人が色々と売ってくれるというので買うことにした。
>>55の続き
しかし問題が一つ。
金が無い。いつの間にか俺の財布の中にあった硬貨は使えるのか?
「布の服なら10G、旅人の服は70Gだぜ」
ゴールド、それがここの通貨なんだろうか、少し戸惑いながらもポケットの財布を開いた。
中には50と掘り細工された銀貨が一枚に、10と書かれた銅貨が数枚だけ入っている。
今から旅人と名乗ることにしたので旅人の服が相応しい、つまり70Gが必要だ。
単純計算すれば銀貨と銅貨が2枚で70Gになるはずなので取り出す。
恐る恐るカウンターの上に乗せてみた。
「毎度あり!ほらよ、旅人の服だ。ここで装備していきな、鎧は持ってたって装備しないと意味がないからな」
良かった、大丈夫なようだ。どうして財布の中身が変わっていたのかは知らないが、まぁとりあえずどうでもいい。
俺は上着を脱ぐと、言われるがままに旅人の服を着る。ズボンは恥ずかしいので上から穿いた。
>>56の続き
通気性のわりに生地がしっかりしていて中々動きやすい。なにより青いマントが恰好良すぎる。本物の旅人みたいだ。
気に入ったので脱いだ服は一通り売り払っておいた。安かったけど。
「あんた素手で大丈夫なのか?見たところ武闘家には見えないが・・・」
今までの主人の話から察するに、この世界は安全ではなさそうだった。
治安の悪いところなのだろう。素手での一人旅など危険ということか。
金も余り無い、とりあえず一番安かった10Gの檜木の棒を買う。
宿で南の方角を教えてもらい外に出た。
さっきは余裕の無さで何も考えられなかったが、よくよく考えてみれば、この世界に入れたのだから出る方法も絶対にあるはずだ。
せっかくだ、異なる世界というものを十分に満喫して、帰ったらこの体験を元に小説でも書いてやろう。
「ぅああーー!!」
大声をあげれば少しは不安を吹き飛ばせる、俺は焦る気持ちをおさえ、再度、南へと歩きだした。
以上。
携帯からなんで見にくいかもしれん。スマソ
乙、結構好きだ。こういう文体
俺の家だったらオークニスとかだろうな
ちょwwwグランエスタードってZじゃまいか!?((((( ゚д゚ )))))きたぁぁぁぁぁ!!!!
ローディ氏乙。
>>61 ごめ、7のストーリーには沿えん、壮大過ぎ。
エスタード城は出したけどオリジナルの予定なんで・・・一応断っとく。
なんかコレでゲームとか作れそうだな
君はドラクエの大地へと降り立つ・・・
『ドラゴンクエスト外伝〜異世界の勇者達〜』
君の冒険が今、伝説となるー!!
こんな感じ?
66 :
魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/12/25(日) 17:06:28 ID:zoOcTYcb0
新スレ乙です、いきなりですが一話からリニューアルします、あまりにもできが悪かったんで。
ラダドーム城から遠く離れた場所にある城、人はそれをゾーマ城と呼んでいた
ゾーマによるアレフガルドへの宣戦布告全てはそこから始まった・・・
人はその戦いを魔神戦争と呼んだ・・・・しかしその戦いも終止符を打った、ロトと呼ばれる
一人の青年によりゾーマは致命傷を負いその姿をくらませた
LEVEL1「運命」
暗黒に包まれた場所魔界でゾーマはロトから受けた傷を100年間いやし続けていた
「ついに我々は人間共へと復讐をする日がやってきた」
ゾーマは周りに集まっている部下達へと演説を行っていた。
「まずはバラモス、お前は物質界へとゆき我々のために働く潜在能力の高い者を
つれてくるのだ」
バラモスが一歩前に出で御辞儀をした後謎の玉を使い魔法の穴を作り出し物質界へと
飛んでいった
――物質界――
「おい、まだできてないのかよ」
俺はこの会社に就職したばかり、年は21新入社員のためかいろいろとこき使われている
「すいません、明日までには必ず」
「明日?馬鹿言うな今日じゅうにだ」
――一時間後――
「やっとできた」
俺が書類を持って行こうとした瞬間突然書類の上にコウヒイガ
「何だコーヒーをこぼしたのか、鈍くさいやつははっ」
あいつがやったのはみんな見ていた、しかしみんな笑っているだけだった、ずっと
そのころバラモスは東京タワーの上を飛んでいた
「潜在能力の高いやつか、時間がかかりそうだ」
「くそ、」
俺がそうつぶやいていた時に一人の男が俺に声をかけてきてくれた
「ひどいやつだな、全く」
俺と同期の唯一の親友だった
「大丈夫、俺は味方だ」
こういう良いやつだけだったらな、この世界は
――二時間後――
「ようやくできた、さて帰るか」
あたりにはもう誰もいなかった
「誰もいない、気味が悪いな」
俺は一人で公園のすぐ前を歩いていた、その時
「うわっ」
いきなり後ろからナイフを持った大柄な男が飛びかかってきた
「何なんだ、金ならやるからさっさと」
しかし男は聞く気配もなくまた斬りかかってきた
「くそ、こんなやつ」
腕が少し切れた
「こんな奴らは・・・・」
大柄な男はまた斬りかかってきた
「消え去ってしまえぇぇ!!!!」
「むっこの感じは」
バラモスが何かを感じ取ったようにその場所へと飛んでいく
ナイフが俺に振り下ろされる、これまでか・・・・
「バシルーラ!」
俺の体が少し光った気がした
「はっ!ここは?」
俺は気が付くとどこかの宿屋で寝ていた
とりあえず扉を開け周りを見渡してみる、すぐ右側にカウンターがあるのに気づいた
「すみません、ここがどこだかわかりますか?」
「はは、なにいってるんですか外を見たらわかりますよ」
とりあえず外に出てみることにするか、それにしてもなにがあったんだろうか
いままでのは夢?でもどこから、やっぱりあの後誰かに助けてもらったんだろうか。
ガチャという音と共に扉を開ける。
_, ._
( ゚ Д゚)
あたりは薄暗くどこか不気味でそこにはビルもなにもなく木のような物と
ギャアギャアと言う聞いたことのないような動物らしき鳴き声が聞こえていた
LEVEL2「魔界」
空を飛ぶ飛行物体、鳥とは似ても似つかぬような恐ろしい物、言葉では言い表せないような
においや風の感覚。
「何なんだ、いったい」
空を飛ぶ翼の生えた巨体、バラモスは自分がバシルーラでとばしたある人物を
探していた
「確かに魔界のどこか何だが、何か反応があれば」
次の日、体力も全快した俺達は、準備もそこそこに闇の塔に向かった。
闇の塔は、夜になると闇のエネルギーが高まり、魔物が強くなるらしいので、早朝に出発し、夕暮れまでに闇のドラゴンを倒さないといけない。まあ半日もかからないと思うが…。
それにしても気が重い。今から闇のドラゴンと戦いに行くのか…。
ドラゴンって言ったらあれだろ。緑の巨大な体に硬い鱗、口から燃え盛る火炎を吐き、鋭い爪で確実に獲物を仕留めるという伝説の魔物。
しかも闇と来た。闇の力で、攻撃した相手をゾンビ化させたり、即死させるかもしれない。
いや、その気になればアニメの如くブラックホールとかを作り出すかもしれないだろう。
恐ろしい事を次々に想像していく。足がガクガク震えてきた。
などと考えている内に、闇の塔に着いてしまった。もうちょっとゆっくり行こうよヘンリーさん。
数十mの巨大な塔が、目の前に聳え立つ。
紫の淡い光に覆われており、その姿から異様な雰囲気を醸し出す。
はぁ…。闇のドラゴンの伝説が誇張されて村に伝わり、実はドラゴンキッズとかただのドラキーでしたと言うのなら良いのだが…。
世の中そんなに上手く行く訳が無い。そんな雑魚にあのボルンカが従う訳が無い。
確実にボルンカより実力が上回る。…と言う事は、ドランゴの様な戦士系ドラゴンか。
攻撃呪文は効くか?効くのか?効かなかったらもう知らんぞ?
塔の中には、行く手を阻むかの如く地面にビッシリと張られたバリアがあった。
バリアを踏んだ瞬間体中に電流が流れ、俺達の体を蝕んでいく。
しかし、バリアの上を通らなければドラゴンの所に辿り着けないので、痛みを耐えて通る。
4階の宝箱にまどろみの剣があったので、ヘンリーが装備する。ヘンリー曰く、相手を眠らせる事が出来る剣らしい。
その剣でドラゴンを眠らせている間に倒せるだろうか。上手くいけばいいのだが。
最上階に着く。
途中でキラーストーカーに遭遇したが、まどろみの剣を掠らせた瞬間、キラーストーカーはその場に倒れこみ眠ってしまった。物凄い効果だ。
眠った後は、ストレス解消に正拳突きをぶちかまして倒した。気分が良い。
本題に戻るが、最上階の真ん中に大きな台座があり、そこに闇のドラゴンが待ち構えていた。
闇のドラゴンは、ドランゴに勝るとも劣らない紫の巨大な体に、細く鋭い眼で俺達を睨んでいる。
「グギャァァァァァァ!!!!」
奇声と共に、ゆっくりと立ち上がる。
人の頭程度なら簡単に掴めそうな程巨大な足で、触れただけで切れそうな程の鋭い爪を持っている。
「話し合いは通じないか…覚悟の上だが…!」
ヘンリーがゆっくりと剣を抜く。いつもの如く、それに続いて俺も面倒だと思いつつ剣を抜く。
「ギャァァス!!」
闇のドラゴンがいきなり大口を開けて飛びかかってきた!
狙われたのは俺だったが、スピードが無いので横っ飛びで容易にかわす。
「ギラ!」
俺の左手から小さな炎が現れる。これをそのままぶつけるのではなく、破邪の剣の刃に左手を近づけた。
炎に覆われた破邪の剣で、火炎斬りを放つ。破邪の剣はドラゴンの鱗を燃やし、肉を切り裂いた。
「ギャァァァ!!!」
闇のドラゴンは激しく悶える。かなり効いている様だ。
「こっちも行くぞ!」
ヘンリーは軽やかな足の運びで、ドラゴンの周囲を舞う様に走る。
そして隙を見つけては攻撃し、その後は反撃をくらわない様に一歩後ろに退いてから再び舞う様に走り闇のドラゴンをかく乱させる。
どうやら眠り耐性があるようだ。何度もまどろみの剣で斬られているのに全く眠る様子が無い。
闇のドラゴンは体中に傷を負い、今にも死にそうな様子だ。
なんだ、この程度なのか?余りにも弱すぎる。下手するとその辺の雑魚より弱い。
「トドメだ!」
ヘンリーが剣の舞を止め、闇のドラゴンの目の前に立ち剣を大きく振りかぶる。
「ラナルータ!!!」
闇のドラゴンが初めて喋る。
次の瞬間、闇のドラゴンが紫の光に包まれたかと思うと、その光が突然広がり部屋全体を包み込んだ。
部屋全体が歪む。空間を切り裂くかの様に、視界が揺れ動いている。
数秒後、紫の光は突然消滅したかと思うと、辺りが突然暗くなった。と言っても元々雲に覆われていて暗いのでそんなに変わらないが。
「し、しまった…!」
先程まで余裕を見せていたヘンリーの顔が、突然険しくなる。
一体、何が起きたんだ?ラナルータとは何なんだ?
「ラナルータとは、昼夜を逆転させる呪文だ。さっきまで昼だったが、ラナルータを使用した事によって夜になった…。」
…確か、闇の塔は夜になると闇エネルギーが増幅し、魔物が格段に強くなるんだったな。
と、言う事は…もう言うまでもないだろう。今まで形勢が有利だったが、逆転してしまった。
「…今まで散々好きな様にやってくれた様だな…。今度は私の番か…。」
闇のドラゴンの低い声が、部屋全体に響き渡る。
感じる。先程とはまるで違う闇のドラゴンの力を。
「自分達の愚かさを、死をもって後悔するがいい!!!」
闇のドラゴンが、口から燃え盛る火炎を吐き出す。
部屋全体を包む様に迸った炎は、避けようとする俺達を飲み込む様に包み込んだ。
俺達の体は、燃え盛る火炎によって焦がされる。
炎が消えた頃、俺達は力尽きてその場に倒れこんでいた。
…まだ、死んではいないか。ヘンリーはどうだろうか。
俺は激痛を堪え、首を横に動かす。ヘンリーも同じく、その場に倒れていた。
いや、違う。眼を瞑っている。死んでいるのか?全く動かない。
はは…どっちでもいいか…。一撃でこのザマだ。次の攻撃で確実に俺も殺されるだろう。
「まだ一匹生きているか…。意外とやるようだな…。」
闇のドラゴンがこちらに近づく。足踏みをする度ズシンズシンと大きな音が立ち、地面が揺れる。
さあやれ。俺を殺すのだ。憎いだろう。部下を殺した俺が。さっきまでいい様に斬りまくっていた俺が。
ふははははは。やるんだ。この世は弱肉強食だ。今殺さないといつか俺がお前を殺す。その前に殺せ。
闇のドラゴンが、俺の目の前で歩みを止め、ゆっくりと口を開いた。
「つまらん…。もう一度チャンスをやる。回復でも何でもしてもっと抵抗するんだな。」
…!!!
こいつ、舐めやがって…。お望み通り回復してやる!後悔するなよ!
「ベホイミ!」
俺の体が癒える。完全ではないが、ほとんど全回復した。バカめ、これが命取りだ。
「さあ来い!もっと遊んでやる!」
闇のドラゴンが手招きをする。
俺はそれを正面から来い、と言っているのだと解釈し、裏をかくようにはやぶさ斬りで後ろに回りこんで剣を振りかぶった。
「甘いわ!」
闇のドラゴンが、尻尾を激しく振り回す。俺は不意を突かれ、尻尾で弾かれ壁に衝突した。
畜生、さすがだ。しかし、まだ戦意は喪失していない。
俺は再び立ち上がり、剣を放り投げた。
「どうした…?諦めたか?」
闇のドラゴンは、地面に転がった使い古した破邪の剣に視線をやり、今度は俺を睨んだ。
俺は黙って両手を強く握ると、左手から青、右手から赤の光が現れた。
「バギマ!ベギラマ!」
そう叫ぶと、左手から竜巻、右手から火炎が現れた。
「火炎竜巻!!!」
バギマとベギラマを同時に放つと、それが合体し、火炎の竜巻に姿を変えた。
「面白い…受け止めてやる!」
闇のドラゴンはその場で踏ん張り、火炎の竜巻を待ち構える様に静止する。
火炎の竜巻は闇のドラゴンを包みこみ、肉を火炎で燃やし、更に風の刃で切り裂く。
その状態は、数秒続いた。あまりにも不安で、それが数十秒にも感じられたが。
そして、不安は的中してしまう。
闇のドラゴンはほとんど傷を負っておらず、平然とした顔をしている。
もう、ダメだ。そう悟った。
10年前のあの時と同じ、絶望感しか俺の中にはなかった。
ボルンカも呪文は効かず防御も堅かったが、ルカニを使えば何とか勝てた。
闇のドラゴンには、弱点が無い。
まず、見ての通り呪文が効かない。バギマとベギラマを同時使用したのにほとんど無傷だ。
ルカニは効くかもしれないが、それ以前に攻撃を当てる事が出来ない。
少し近づこうものなら、すぐに尻尾で弾かれる。ある意味鉄壁の防御だ。
「そろそろお前と戦うのも飽きた…。終わりにしようか。」
闇のドラゴンが、大きく息を吸い込む。
俺のゲームもここで終わりか。中途半端な終わり方だ。だが、それがいい。
………。
よくねええぇぇぇぇぇ!!!!!
闇のドラゴンが、凍りつく息を吐き出す。
俺の全身が凍りつく息に包まれ、体が凍り、時折飛んでくる氷によって徐々に体が血で染まっていく。
それは、俺の意識が途絶えるまで続いた…。
ドガッバキッ!ズシャッ!
…ん?
ドォン!ブチュグチャザシュ!
…何だろうか。何か音が聞こえる…。ヘンリーが…戦っているのか…?
まあ…何でもいい…。眠い…。寝てしまおう…。今度こそ天国だろうか…。
……………。
音が…消えた…?
どっちが…勝ったんだろうか…。ヘンリー…?ドラゴン…?
気になるが…眼を開けられない…。眼を手術した後病室まで運ばれる時、何か声は聞こえるが眼を開けられなかった…あの時に似ている…。
…あれは眼の手術とは関係なく、「どうせ眠いし眼開けるの面倒だからもう一度寝てしまうか」みたいなノリだったんだが…。
―――――おい…。
…話し掛けてきた…。ヘンリーの声とは違う…もっと低い…。誰…だ…?
―――――意識はあるはずだ…。そのまま聞いてくれ…。
…うん。
いや…心の中で返事しても意味ないが…。
―――――お前の事だ。2週間後の、魔族との決戦に参加するんだろう。
…カンダタか?
いや…違うな…。参加すると断定はしていないし、第一声が違う…。
―――――俺も参加するつもりだ。その時に、お前と会えたら俺の正体を言うよ。
仲間、と言う事か…。
一体、誰だろうか………。以前から俺を知っている奴か…?
―――――今は急いでいるからもう行かないとだめだ。生きていたら2週間後にまた会おう。
そして、最後に意味深な事を言った…。
―――――俺達で、リベンジしようぜ。あの時の借りを、返してやろう。…じゃあな。
そうして、謎の男は去っていった。
謎の男…そう、最後の言葉を聞くまでは謎の男だった…。
だが…今、男の正体が分かった。
最後の言葉、あの声、間違いない………。
久しぶりだな………。
――――――――――エテポンゲ。
数十分後、意識が完全に回復する。
既に夜は明け、空には紫の雲がはっきりと見えていた。
ヘンリーもほぼ同時に意識が回復し、闇のドラゴンが骸になっているのを見て驚いていた。
そこに、エテポンゲの姿は無かった。やはりもう帰ったのか…。
俺は、黙ってお互いにベホイミを施す。
「何があったんだ…お前が、倒したのか…?」
ヘンリーは完全に混乱している。まあ、ずっと意識を失っていたのだから当然か…。
俺はフッと微笑み、ヘンリーの肩を叩いた。
「魔族との決戦、絶対に勝とう。」
「…?あ、ああ…。」
ヘンリーは不思議そうな顔をしている。
そんな事は気にもとめず、俺は黙って階段を降りた。
俺の、今まで絶望という名の闇で染められていた心に、一筋の眩しい光が差した。
決戦の日は、近い。
魔族との決戦まで、あと14日
Lv25
HP105/129
MP19/63
武器:破邪の剣 鎧:シルバーメイル 兜:風の帽子
回復;ホイミ、ベホイミ
攻撃:バギ、バギマ、ギラ、ベギラマ
補助:スカラ、ルカニ
特技:はやぶさ斬り、火炎斬り、諸刃斬り、正拳突き
>>57続き
歩きだしてしばらくしたころ、俺は自分の眼を疑いたくなった。
前方に青いプルプルしたのが佇んでいる。
なんだあれどうみても動物じゃないんだが。
呆気に取られている俺にはお構い無しといった感じで、ソイツは一直線に向かってきた。
慌てて横に跳び、かろうじて激突を避ける。見た目からは予測できないほどの素早さだ。
しかし、ソイツは避けられたことに何の躊躇もせず、着地して直ぐに第二撃目を放ってくる。
腹にモロにくらった。
「ぐぅっ!!」
想像だにしなかった衝撃だ、プルプルした体のくせに男並みのパンチ力を持ってやがる。
思いきり吹き飛ばされ地面に倒れ込んだと同時に吐き気が俺を襲った。
「っっぁ・・・!!」
痛みに呻く俺に奴は続けて攻撃するかのように迫ってくる・・・。
このままじゃ・・・。
>>79続き
そうだ・・・!
俺は左手で腹をおさえながら、なんとか檜木の棒を右手に持って前へと突き出した!
「ピキィィィ!!!」
甲高い音が響く──。
ゆっくりと目を開けると青いプルプルが棒に貫かれ痙攣している。どうやら倒せたようだ。
一体全体この世界はどうなってるんだ、あんな奴が襲ってくるなんて予想もしていなかった。
これでは無事に帰るどころか、生きていられるのかも危うい。
なんとか生きる術を見つけなくては──、そう思っていると向こうに青い影の一団が見えた。
プルプルだ・・・!仲間の断末魔につられたのか、それともピクニックでもしてるのか、どちらにしろかなり不味い。
先程のダメージのせいかまだ身体が思うように動かない。せいぜい這って逃げるくらいだ。
あぁ・・・俺の人生はここで終わるのか──。
Good-Bye俺、そしてまだ見ぬ世界。
ローディ氏GJ!
エテポンゲやばいよエテポンゲまじで男前だよエテポンゲ
>>80続き
「お気の毒ですが冒険の書は消えまs」
「なにをブツブツ言ってるんだ?」
「!?」
驚いて目を開けると、そこには金髪の青年と、あの青いプルプルの死体が積まれていた。
どうやら俺は助か・・・助けられたらしい。
「危なかったな、いま回復してやるぞ」
そういうと青年は俺に手のひらをかざして何やらブツブツ唱え始めた。
「ホイミ!」
青年がそう言うと、俺の身体が暖かい光りに包まれ、腹部の痛みは綺麗に消えていった。
「うわ!?」
「なにを驚いてんだ、ただの魔法だろ?」
その青年は見た感じ16、7歳といったところか、俺と同い年ぐらいだ。
ツンツンした金髪に精悍な顔付き、真っ赤な服を着て、手には抜き身の長剣を持っている。
「大群で出てくるとスライムでも厄介だからな、魔法かなにかでさっさと倒したほうがいい」
「いい?ウィンガーディアムレビオーサ。あなたのはウィンガーディアムレビオサー」
「ど、どうした?」
「・・・いや別に」
グランエスタードとかスライムとか魔法とか、意味不明な単語ばっかりでてくる。
まじで厄日だ──。
>>82続き
「・・・とにかく、助けてくれてありがとう。危なく訳の分からないまま死ぬところだった──」
俺は膝に手をついて起き上がると、背筋を伸ばして軽くお辞儀をした。
「いや、別に気にしなくていいさ。助け合いはマナーみたいなもんだ」
「なぁ、あんたの名前を聞かせてくれよ」
「ん?名前は・・・」
「いたぞっ、おいっ!あの木の下だ!!」
突如として後ろから大声が響いた。
「やべ!ルーラ!!」
またも奇妙な言葉が呟かれたと思ったら、青年は青い光に包まれ、一瞬のうちに俺の視界から消え失せた。え?
「オイあんた!!」
今度は真横でバカでかい声が響く。うるせぇ!
見ると近距離で上半身裸の仮面男が立っている、変態!俺の世界にいたら即職質されるぞ!
「たった今、ここにいた奴が何処に行ったか知らないか!?」
呆気にとられたまま俺が首を振ると、舌打ちしてポケットから変な羽を出し空へと放り投げた。
すると、その変態も同じように目の前からいなくなってしまった。は?
あっという間の出来事に頭がついてこない、結局また俺は一人になってしまったのか・・・。
あぁ──西の空に太陽が沈んでゆく。この世界にきて初めての、夜を迎えるんだ──。
>>83続き
俺は近くの木の下で野宿することにした。
落ちている木の枝をかき集め、焚き火をするかのように木を組む。
「あとは火種だな・・・、打ち付ける金属かなにかがあれば・・・」
なにかいいものは無いかと懐をあさってみたが特になにも無い。
・・・仕方ない、時間はかかるかもしれないが摩擦熱さまに頼るとしよう。
乾いた太めの枝のくぼみに檜木の棒を当てがい、手を痛めないようにマントで包む。
悪戦苦闘の末、なんとか焚き火を完成し、火にあたっているうち、俺は深い眠りへと落ちていった・・・。
──俺が生きてきた人生分以上の驚きを今日一日で得たかもしれない。
なにもかもが初めての世界をなんとか一日過ごしたが、明日も無事に終わるだろうか・・・。
明日は一体どんな驚きが俺を・・・いや・・・、願わくば明日の驚きは自分の世界へ帰れた驚きでありますように──。
自分のベッドへ──
Lv1
HP:12/12
MP:0
武器:檜木の棒 鎧:旅人の服
>>ローディ
激しく乙
エンディングは近い?のか
いつもながらホント面白く、そしてウマイな
新人のオリジ氏もガンガレ
エテポンゲかっこいいよエテポンゲ
金髪逆毛の赤服ってあの振り回すアレのアレしか思い浮かばない
総長や4の人の続きを年内に見ることはできるかな
遭難してる人もいるだろうから無理かな
翌朝。
あの布団のふかふか感、パジャマの心地よさにいつまでもくるまれていたかったが、女官に起こされ現実に戻された。
今日はエンドールへ行く。王からはすでに手配済み。このまますぐにでも行ける。
「気をつけてな」
と笑顔をたたえて手を振る王は王ではなく一人の父としてしての顔だ。
アリーナは行ってきますと笑顔で返した。
ブライはぶつぶつ不満を言いながらも王の命なら仕方あるまいと自問自答し納得していた。
クリフトは久々に牧師と会話し楽しかった、と晴れ晴れした顔でいた。
城を出て、ブライのルーラで一瞬にしてエンドールへの祠につく。
兵士がこちらを見るなり、王から命を賜っております。どうぞお通り下さいと最敬礼した。
「大儀」
とアリーナは短く答え、祠内部へ入ってゆく。
「ああ、これは!この青い光、渦巻き…まさしく旅の扉!なんて神秘的な…感動です!」
一人感動に浸るクリフトを放っておき、渦巻きの中心へと足を踏み入れる。
瞬間、自分の体がぐにゃりと曲がった感を覚え、自分が自分ではなくなったような面妖な感覚に、これが永遠に続きそうで、恐怖の余り目を開けると、旅の扉の中心にいた。
「…ついたの?」
辺りを見回すとサントハイムの祠とは壁の色が違う。サントハイムの祠は灰色だったが、ここの壁は青白い。
「気持ち悪い」
アリーナとブライとあたし、どうやら旅の扉で酔ったようだ。旅の扉酔い。そんなの日本にいたら味わえないだろう。
「旅の扉を通りました!なんて(ry」
と酔うどころか感動に浸るクリフト君。三半規管が強い。
「さあ、行きましょう!出口は目の前です!」
基地外じみたことを言いながらスタスタと出口に向かい歩いてゆく。
あのテンションうぜぇ…。
ダルさを抱えながら出口を出るとああ、成る程、確かにここはサントハイム領ではない。
サントハイムにはなかった建物が祠の隣に。INNと看板が出てるから宿屋なんだろう。
「少し休まぬか…」
とブライが青白い顔で言うので異議なし。宿屋に入る。
椅子に全体重をかけて腰を下ろす三人。宿主に泊まりますかと聞かれたので休憩させてくれと伝えると飲み物は?と聞かれたので注文し、運ばれてきたものにちょびちょびと口をつけた。
駄目もとでコーヒーを頼むと名前こそ違うもののコーヒーが出てきてクリフト並みに感動してクリフト君は今し方きた旅の扉を見に行くといって出かけた。
コーヒーを楽しみながら喫煙しているところ、宿主が尋ねる。
「お客さんたち、旅の扉からきたのかい?」
「そうですが何か?」
「ここから北にある旅の扉、サントハイム側からはこれるみたいだがエンドール側からはサントハイムへは行けないらしくてね。故障したのかな」
旅の扉って故障するんだ。…んなわけねーべ。
宿屋の奥、寝室の戸が開いた。
身長は185cmばかりあるだろうか。目を引くピンク色の鎧。散々に使い古した感と同時に細かい傷、大きな傷が見受けられる鎧は歴戦の激しさを物語る。
顔は鼻の下に髭を生やしているから老けて見えるが、多分30代後半。日に当たり逞しく日に焼けている。
剣と盾と兜を標準装備。兵士か。
「おお」
と兵士は感嘆を髭に半分隠れた口から漏らし、食い入るようにアリーナを見つめる。警戒したアリーナは何か、と低く声を発した。
「いや…違う。すまない。人間違いだ」
低く渋い声。この声だけでごはん三杯はイケる。
「誰を探しているんじゃ」
ブライがアリーナ同様警戒しながら質問する。兵士は黙認したが、やがて口を開いた。
「…勇者を」
『勇者?』
鸚鵡返しする三人。
「この世を救うという勇者を」
プギャー(^Д^)9m
とはならなかった。なんてったって本気でモノ言っているのだ。中年じみたオッサンが。
「はぁ勇者…そんな話は聞いたことがありませんな」
ブライがおでこから流れる妙な汗をハンカチで拭く。
「そちらのお嬢さんが、勇者かと思ったのだ」
視線が、アリーナを指す。
「わたし?わたしは勇者じゃないわよ。ただの武道家」
「そうか…」
せめてこういうものを探しているのだが存じないかと勇者の写真を提示してくれれば勇者などすぐに見つかると思うのだが。
「突然の無礼、失礼した。私は北国バトランドの王宮戦士ライアン。この通り勇者を探して旅に出ている。もし勇者の噂や所在を耳にしたならば祖国に連絡していただきたい。どんな小さなことでも構いません」
と片膝をついて頭を垂れて自己紹介をするライアンは自称王宮戦士というだけあって作法もできている。
「勇者のことを耳にしたら。わかりました。バトランドへ伝えます」
アリーナは神妙な面持ちで答えた。
バトランドへ報告すればこの流浪の戦士に情報が届くのかは定かではないが、世界を救う勇者がいるというのは確かなようだ。
ライアンは伝えるとまた寝室へと戻ってゆく。
「さて、そろそろ参りますかな。主人、ありがとう」
三人は腰を上げて祠内部で旅の扉の神秘さに感動の余り呆けていたクリフトを呼ぶ。
目指すはエンドール。
何とかラーの鏡を手に入れ、サマル達を守りきったのだがかなりきつい状況だ。
俺は手持ちの薬草で何とか回復出来たのだがトーマスに薬草を塗り付けてもあまり効果が無い。
それに、サマルとリアがまだ眠っている。今行動を取れるのは俺だけか。
タケ「しゃーない。カタリナからもらったキメラの翼を使うか。なりふり構ってられへんしな。」
確か目的地をイメージして投げるんだよな…
キメラの翼を放り投げた!
タケ「うっ、うわわわわわ…!」
体が宙に浮いた。バンジージャンプで一度飛び降りた反動で浮いてるって感じだ。
すげぇ!俺はついに空を飛んだのか!?
思わずこのポーズをやってみた。
/⌒ヽ
⊂二二二( ^ω^)二⊃
| / ブーン
( ヽノ
ノ>ノ
三 レレ
………………………………………………………最高だお。
VIPPERがいたら絶対に喜ぶだろうな。俺はこの世界の神になるんだお…
だが浮かれているうちに地面に着陸し始めた。
ヤバイって!このスピードじゃ骨折は避けられない!
…っと思ったのだが地上に立つ寸前にスピードが緩くなった。
まぁ無事にムーンペタに着いたのだし良しとしますか。
早速俺はカタリナを呼び、宿にサマル、リア、トーマスを運ぶのを手伝ってもらった。
カタリナ「もょもと王子。ご無事でなりよりです。そ、それにトム兵士長まで!?一体何があったのです?」
タケ「ああ。トーマスさんがハーゴンの手下のベギラマを食らって何とか生きているが重傷だ。薬草で応急処置をしたのだが…全く効果が無い。」
カタリナ「そ、それじゃあトム兵士長は!?」
タケ「このままじゃ手の打ち様が無い。サマルを無理矢理起こして何とかするが、トーマスさんの体力次第だろうな。」
カタリナ「わ、わかりました!とにかく宿屋へ!」
俺とカタリナは急いで3人を宿屋に運んだ。
タケ「お〜い!サマル。起きろ〜」
サマル「ZZZ…」
ダメだこりゃ。完全に熟睡モードだな。90年代初期にはまった超必殺技をやるか。最強最悪の技を。
タケ「秘儀!電気アンマ!」
俺はサマルの両足を持ち電気あんまをやる態勢を取った。
今から地獄をみせちゃる!
タケ「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッ!」
俺はサマルの股間にマッハ踏み踏みをしかけた。
最初は反応が無かったのだが次第に不気味な笑い声が聞こえてきた。
サマル「くっ…うふふ…あはははは…」
効果は抜群だ!
サマル「くっ、くすぐったいじゃないか!」
タケ「グッドモ〜ニン!サマル君。良く眠れたかい?」
サマル「全然グッドじゃないよ!」
タケ「ははっ。冗談は置いといて。今真剣にヤバイ状況なんだ。」
サマル「一体どうしたんだい?」
タケ「とりあえずトーマスさんとカタリナさんの部屋に行くぞ。」
寝起きをサマルをトーマス達の部屋に連れていった。
カタリナ「あっ!サマル王子!お願いです!トム兵士長を助けてください!」
サマル「カタリナさん、もょ、一体トーマスさんはどうなっているんだい?」
タケ「薬草で応急処置をしたのだが全く効果が無いんだ。サマルの魔法ならなんとかなるって思ってな。」
サマル「う〜ん…確証は持てないけどやってみるよ。」
タケ「頼む!今頼れるのはお前しかいないからな!サマルならやってくれるはずと俺は確信している。」
サマル「もょがそこまで言うのなら…僕に任せて!何だかやる気が出てきたぞ!」
サマルの奴、テ ン シ ョ ン 上 が っ て き た ぜ 〜!って言う状態だ。
サマル「じゃあトーマスさんの治療に集中したいからもょとカタリナさんは外してくれないかな?」
タケ「じゃあ任せたぞ。」
カタリナ「お願いします。」
俺とカタリナは部屋を出て、それぞれの部屋に戻ろうとしたのだが…
カタリナ「もょもと王子。お尋ねしたい事があるのですが…」
タケ「どうした?」
カタリナ「貴方は…何者なのです?」
タケ「はぁ?」
カタリナ「トム兵士長が私に言っていたのです。もょもと王子が敵の魔法をくらってから性格が別人になったと…」
タケ「ちっ…あかん。そこまで正確に言われたら本当の事を話すわ。」
カタリナ「だ、誰なんです!?貴方は!」
タケ「おっと。あんたらの敵になるつもりはない。逆に味方やで。俺の話を聞いてから判断してや。」
カタリナ「…いいでしょう。」
タケ「俺の名はタケ。ストレートに言うと別世界の人間や。」
カタリナ「な、なんですって!?」
タケ「気が付いたらもょもとの体の中に俺の意識があったんや。」
カタリナ「どう言う事です?」
タケ「俺が別世界で眠った時に何かが起きたんやろ。俺の人格だけもょもとに入ったんや。つまりもょもとは二重人格になるって訳や。」
カタリナ「…………そんな…………ありえないわ……………」
タケ「そう。確かにありえへん事や。話は変わるけど、俺はもょもとには感謝しているよ。」
カタリナ「えっ!?」
タケ「身知らずな俺を受け入れてくれたんやからな。俺にはその恩義があるんや。仮に他の人間の意識に入ったら忌み嫌われる存在やと思うねん。」
カタリナ「そうだったのですか……………すみませんでした。タケ殿。変に疑ってしまって…」
タケ「別に構へんよ。理解してくれただけでも十分感謝しているで。ただし、俺からもお願いがあるわ。」
カタリナ「何でしょうか?」
タケ「俺の事はサマルやリアには知らさないで欲しいねん。もょもとの名誉に関わる事やからな。」
カタリナ「それなりの理由があるのですか?」
タケ「ああ。何だかんだ言ってもょもとはロトの子孫だし、今の状態でリーダーシップを張れるのはもょもとしかいない。成長スピードもかなり早いしね。
俺は影でサポートしたら良いと思っているんよ。それにサマルの奴はああ見えてもレイシストやから最悪な場合、パーティが崩壊する可能性があるからな。」
カタリナ「………わかりました。サマル王子達には内密にしておきましょう。」
タケ「助かるわ。トーマスさんにも巧く報告しといてや。今日はちょっと疲れたから休ませてもらうよ。」
カタリナ「じゃあ、おやすみなさいませ。」
俺は部屋に戻ったのだが、急に体が震えてきた。
初めて人を斬った…恐い…
何か…こう…祈祷士の断末魔が頭の中から聞こえて離れない。
ベッドに横になったのだが何か落ち着かない状態だ。
体調が良い悪いは関係なく人を殺したという恐怖で俺はパニくっていた。
その時話し掛けてきたのがもょもとだった。
もょ「タケ。どうしたんだ?」
タケ「な、何や…もょか…。起きたのか?」
もょ「おれたちをたすけてくれたんだな。まためいわくかけたなぁ。」
タケ「ま、まぁ、気にすんなや。お互い様やないか。」
もょ「それよりもどうかしたのか?ようすがへんだぞ。」
タケ「な、何にもあらへんよ…」
もょ「ウソをつくな。おまえのことはおれがよくわかるよ。」
タケ「えっ!?な、何でや?」
もょ「いっしょにいたらタケのきもちがわかりやすいからな。おれでよければそうだんにのるぞ。」
タケ「そっか…ラーの鏡を手に入れた時にハーゴンの手下と戦ったやろ?」
もょ「そうだったな。おれはねむってしまったんだが。」
タケ「それは別に構へんよ。ただ残酷な殺し方をしたんや。」
もょ「いったいどうやったのだ?」
タケ「あのクソ野郎の首をはねた…」
もょ「なっ……………………………………!」
流石のもょもとも驚きは隠せなかったようだ。
タケ「戦っている時はいかにどう殺すかを想定していたんやけど実際にやった後は満足したんや…これでええねん、ってな。」
もょ「それで?」
タケ「ただモンスターと違って同じ人間を殺したとなると後味が悪いんや…」
もょ「だからなやんでいたのか…」
タケ「ああ…ビッグマウスを言いながらお笑いぐさやで。体の震えが止まらへん…」
俺は自分の辛さをもょもとにぶちまけた。
現実の世界では人を殺すなどは余程の事が無いかぎり他人を殺したりしない。
仮に一般人が他人を殺すとしたら基地害かそれなりの理由がある者しかありえない事なのだ…
しかし、もょもとはこう返事した。
もょ「タケ、おまえはまちがっていない。」
タケ「えっ!?な、何でや?」
もょ「はんたいにきくが、なぜおまえはそうしたのだ?」
タケ「仲間を守るため。それ以上の理由は無いわ。」
もょ「それでいいじゃないか。」
タケ「け、けど…俺は…人を…」
もょ「まぁ、はなしをきいてほしい。しんだははおやからこんなはなしをきいたことがある。『我が子を守るためなら私は鬼になる』ってな。」
もょ「おれも、ひとをころすなどはきほんてきにできない。しかしハーゴンたちはりゆうはわからないがムーンブルグのひとびとをぎゃくさつしたんだ。
やっていることはにんげんじゃない。ひとのかわをかぶったあくまだ。」
タケ「…………………………………」
もょ「かりに、タケやサマル、リアちゃんをぶじょくするやつはおれがゆるさない。だいじななかまなんだからな。
おれたちにきがいをおよばすあいてがたとえにんげんでもまもるためならそいつをさばく。そういうものだろ?」
もょもとは俺にそう言った。偽りの雰囲気は無くこれがもょもとの本音だと俺はそう思えた。
タケ「もょ…」
もょ「ん?」
タケ「…………………サンキュな。お前のお陰だよ。」
もょ「どうしたんだ?きゅうに。」
タケ「悩みが吹っ飛んだよ。お前に相談して正解やったわ。」
もょ「それはよかった。しかしタケ、おまえのけってんがひとつわかったぞ。」
タケ「な、なんやそれ…?」
もょ「おまえはひとりでかかえてなやむタイプみたいだな。ちがうか?」
タケ「……………恥ずかしいけど正解や。」
もょ「それならきがるにおれにそうだんしたらいいじゃないか。きょうだいだろ?」
タケ「そうやな…ありがとう。もょ。」
そこまで見抜くとは。もょもとの第六感は恐ろしい…
反面、もょもとの最大の良い特徴だけどね。
もょ「それに、タケ。ききたいことがある。」
タケ「どうしたん?」
もょ「サマル、リアちゃんはせんりょくになるか?」
タケ「結論から言うとかなり厳しいわ…今の所やけどな。」
もょ「けっていてきなりゆうは?」
タケ「もょ達が眠っていた時に祈祷士がベギラマって言う呪文を唱えたんや。サマル達の呪文とくらべたら格が違う。」
タケ「呪文が使えない俺が言うのもあれやけど。」
もょ「そうなのか…」
タケ「個人的な意見やけど先行きが不安やで。今はムーンペタに留まって対策を練るべきやろ。」
もょ「さんこうにしておくよ。まずはラーのかがみをつかっておうじょののろいをとかないとな。」
タケ「そやね。」
もょ「めのまえのもんだいをすこしづつかいけつしていこう。かんがえすぎたらしんどくなるからな。」
もょもとは俺そう言って休ませる様にしてくれた。
もょもとがいなかったら俺はこの世界でどうなっていたのか想像はつかない。
これで安心して寝れるようになった。
おおきにな。もょ…
もょもと&タケ
Lv.12
HP:18/86
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E皮の鎧 E鱗の盾 E木の帽子
特技:かすみ二段・強撃・チェンジ・はやぶさ斬り(もょもと専用)・ゾンビ斬り・大防御(タケ専用)
>>アミ氏
割り込んでスマソ。
>>ローディ氏
乙!エテポンゲがまじ格好良い…
>>魔神氏
続きを読んでみたかったのですが新しいストーリーを期待します。
>>オリジ氏
お互いに頑張りましょう。今後ともヨロシク。
書き込むのは来年になります。職人、住民の皆様…
良いお年を。
LEVEL2「魔界」
気が付けばどこかの宿屋で倒れていて、外に出れば訳のわからない場所
さっぱり理解できない
「あの、すみません本当にここはどこなんですか?」
とりあえず宿屋の店主に聞いてみることにする
「ここ?ここは・・・・ひぃ!」
いきなり店主が悲鳴をあげ逃げ出してしまった、俺が後ろを向くと
_, ._
( ゚ Д゚)
変な動物?、よくわからんが羽の生えたサルみたいなのが二匹立っていた
「キキ、人間だ魔界にはめずらしい人間だ」
動物が人の言葉を・・・・ますます理解できん
「キキ、くっちまえ」
するとモンスターが飛びかかってきた
俺はバックステップで攻撃をかわし魔物のがら空きになった顔を右ストレートで
殴りとばす、少しひるんだようにも見えたが大してダメージは受けていないようで
すぐに体制を立て直す
「キキキ、人間のくせに生意気じゃねえか」
また飛びかかってくる羽っぽいのがはえた猿二匹、今度は避けられない!
「キキ、キ・・・・・・・ギャャャャャャャャャャャャャャャャャャヤ」
何だ?俺は閉じた目を開けると、炎に焼かれ丸焼きとなったサルらしき灰を
目の前で見つけた。
俺が呆然と灰を見つめていると突然羽のはえた物体が目の前に降りてきた
「無事か?けがはしてないだろうな?」
あっけにとられながらもとりあえずうなずく
「そうか、それなら良いんだ、それとわしの名はバラモスだ」
「バラモス?」
「どうした?、まだおびえているのか?」
「いや」
俺はすでに落ち着きを取り戻していた
「ここまできたらなにがきても驚かないよ、初めましてバラモス」
「うむ、さっきのはすまなかったな、なんせ食うこと以外は何の役にもたたん
下等生物だったんでな」
「それよりも、なぜ助けた?」
「なぜか?それはお前が魔王軍に必要だからだ」
「必要?俺が?」
「そうだ、お前が必要だ」
「それじゃあ、なぜ俺を選んだ」
「はぁ?」
「なぜ俺を選んだんだ」
「そんなのはわしにとってはどうでも良いが、お前には素質がありそうだからだ
魔王軍に勝利を導く力のな」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「だが、わしにとってはゾーマなどどうでも良いし魔王軍がどうなろうと
わしにとっては退屈しのぎでしかない」
退屈しのぎ・・・・・・・
「俺は、力を得たい新たな世界を作れるだけの力を」
「ならなおさらだ、くるか?」
俺の答えはすでに決まっていた
「もちろんだだ、これからよろしくバラモス」
レッドマン、魔神GJ!!
もょかっこいいよもょ
>>84続き
小鳥のさえずる音で俺は目を覚ます。
駄目だ、残念ながら自分のベッドで起きたいという願いは届かなかったようだ、もう俺にサンタはいないのか・・・。
俺はため息を吐きながら目を擦った、いつのまにか焚き火は消え細く黒い煙が立ち上っている。
今日も歩く、つーかバイクとかねーのか。いやあっても乗れねぇけど。
暫く南へ道なりに歩くと別れ道にぶつかった。
「←関所 グランエスタード→」
OK右ね、右には山がそびえ立ってるよ・・・。
山の下まで行くと、そこには大きく開いた洞窟が俺を手招いていた。
はっきりいって怖い、暗闇は苦手だ、しかも一人でなんて・・・こちとらホラー映画だって駄目だっての・・・。
「・・・失礼しまーす」
恐る恐る中に入ると意外と人の手が入っているのか、所々で燭台が燃え、道を照らしていた。
薄暗い洞窟をぼんやり光る燭台を頼りに進む。
それは決して気持ちの良いものではない、足元はジメジメし、時折ぬかるんで足を取られた。
壁は水滴か、それとも別のなにかか、ヌルヌルとしていて頼りない。
ふいに急に何かが頬をかすめた。背後からバサバサと羽音が聞こえる。
淡い闇に浮かぶ、大きな瞳と白い牙、涎を垂らしながらニヤニヤと笑っている・・・大きな天鼠。
「キィィィイ!!」
目が眩む、頭がグラグラして、何が起きた!?
俺がそれを攻撃されたのだと認識するまで数秒、何かが天鼠を切り捨てるまでが一瞬。
「キ・・・・・・!」
天鼠が地に落ちる。
「大丈夫ですかな?」
低く枯れた声だ、今度は一体なにが起きたというのだろう、いまだ視界がぼやける。
顔を上げると、躑躅色の鎧と兜に身を包み、口元に立派な髭を蓄え、長剣を携えた男が一人立っていた。
昨日といい今日といい、この世界の住人は余程人助けが好きなようだ。
いや、それとも俺の運が良かったのか・・・。なんにせよ二度目の命拾い。
俺は体勢を立て直し背筋を伸ばすと、昨日と同じように軽く会釈した。
「貴方もグランエスタードへ向かっておられるのかな?」
グランエスタード・・・そうだ、確かに俺はそこを目指している。まぁ理由は明確じゃない。
“自分の世界に帰る”その方法を見つけるためになんとなく人口の多そうな所に向かっているだけだ。漠然とした理由。
まぁそんなことを言っても通じないだろう、頭の可笑しい奴だと思われるのがオチだ。
「何故それを?」
「いや、道中に噂を聞きましてな」
「噂?」
「・・・なんでもエスタードのバーンズ王が自分の息子に賞金をかけたらしいですぞ。それ目当ての冒険者に今まで何度も会いましたからな」
自分の息子に賞金て、一国の王様が考えることは理解できねぇww
そんなのおとぎ話でしか聞いたことねーよ。リアルグリム童話乙ww
またその戦士が真顔で言うもんだから殊更可笑しかった。いや命の恩人に言うのもなんだが。
「それで?あんたもその賞金が目的でグランエスタードを目指し─」
そこまで言いかけた時、戦士が急に太刀を抜いたかと思うとソレは俺の頭を掠めた。
あ、なんか髪の量が減った気がする。カッパになってたら訴えてや・・・。
ドサリ、と音がした、振り返ると体の裂けた天鼠が倒れていた。
「・・・仲間の血に惹かれたか、まさに魔物・・・」
暗闇に浮かぶ無数の牙と羽音の合唱は明らかに危険信号を放っている。
「・・・旅の方、あまり長話はせずに早く駆け抜けた方が良さそうですぞ」
戦士はそう言い残したかと思うと一気に駆け出してしまった。
「ちょ・・・!」
俺も慌てて走り出す。
後ろから凄い勢いで天鼠が迫ってくる、糞!どいつもこいつも殺気立ちやがって!
こりゃ捕まったら間違いなく・・・ドン!だな。
・・・いや、ドンて何だドンて、意外と冷静だ俺。
そんなことを考えていたら前方からも不吉な羽音が聞こえてきた。
挟み撃ち──
しかし戦士は戸惑うことなく突っ込んだ、右手に持った長剣をひたすらに振り回しながら。
バババババババッッ!
暗闇で裂音と何かが地面に落ちる音が響く、恐らく天鼠のものだ。
先行する戦士が走った後にはむせ返るような血の臭いが広がった、地面は恐らく朱に染まっているのだろう。
冒険初心者の俺から見てもその戦士の強さは圧倒的で、俺はせいぜい転ばないように走るだけ。
自分の力量の無さについて考えさせられる。
光が見えた、一気に道幅が広がる、良かった、無事に走り抜け・・・。
途端に迫る羽音の数が増した、そうか道幅が広がったから──俺の視界は真っ暗になった──。
以上。
ステータスは前回から変化無し。
Lv1
HP:12/12
MP:0
武器:檜木の棒 鎧:旅人の服
俺テラヨワスwwww
おおっ!新しい職人さんも頑張っているな。
>>レッドマン
良いお年を。ノシ
109 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/12/29(木) 13:37:37 ID:SeQywDJI0
>レッドマン
良いお年を
>魔神
これからまたダークになっていくのかな?
職人様乙です!
俺も書いてみようとしたけど最高に厨くさいエンディングが先に出来てしまって導入部分で躓いたw
111 :
魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/12/30(金) 18:09:41 ID:KjQKRdxn0
俺が呆然と灰を見つめていると突然羽のはえた物体が目の前に降りてきた
「無事か?けがはしてないだろうな?」
あっけにとられながらもとりあえずうなずく
「そうか、それなら良いんだ、それとわしの名はバラモスだ」
「バラモス?」
「どうした?、まだおびえているのか?」
「いや」
俺はすでに落ち着きを取り戻していた
「ここまできたらなにがきても驚かないよ、初めましてバラモス」
「うむ、さっきのはすまなかったな、なんせ食うこと以外は何の役にもたたん
下等生物だったんでな」
「それよりも、なぜ助けた?」
「なぜか?それはお前が魔王軍に必要だからだ」
「必要?俺が?」
「そうだ、お前が必要だ」
「それじゃあ、なぜ俺を選んだ」
「はぁ?」
「なぜ俺を選んだんだ」
「そんなのはわしにとってはどうでも良いが、お前には素質がありそうだからだ
魔王軍に勝利を導く力のな」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「だが、わしにとってはゾーマなどどうでも良いし魔王軍がどうなろうと
わしにとっては退屈しのぎでしかない」
退屈しのぎ・・・・・・・
「俺は、力を得たい新たな世界を作れるだけの力を」
「ならなおさらだ、くるか?」
俺の答えはすでに決まっていた
「もちろんだ、これからよろしくバラモス」
とりあえず修正しました。
>レッドマン氏
良いお年を
年内にはムリでした・・・
皆さんよいお年を。
書き手さんたち、お疲れ様でした
これからも無理せず焦らず、頑張ってください
来年も楽しみにしています
風が、変わった。
空に登る雲は風に流されて形を変えながら西、サントハイム大陸へと流れてゆく。
あたしは深呼吸をした。肺に空気がはいってゆく。
新大陸の空気。
とうとうここまでやってきた。アリーナは武術大会出場の夢を実現できるエンドール大陸に降り立ったことに興奮を隠しきれない。
旅の扉があるのはエンドール半島の先端。これから半島を南下して内陸部に入ってゆく。
エンドールへは街道が開けていたし、遠目でも城は望めたのでそれを目標としてひたすら歩く。
途中、魔物が現れた。そこはサントハイムとは違う。
さまよう鎧、死霊の騎士といった戦士タイプの魔物を筆頭に、ポイズンリザード、プテラノドンと既戦のものたち。
蹴散らしてとうとう昼頃、エンドールへついた。
入り口には『ようこそエンドールに!武術大会開催中!』と赤い天鵞絨に金字の文字が踊り、掲げられているのを見、アリーナは更に興奮。ブライやクリフトもとうとうきましたね、と感慨深い。
エンドールは世界一の大都市であると同時に、世界一の王国である。ここと提携を結ぶ国は多く、サントハイムは古くからの付き合いがあるそうだ。
城下町に入れば露天が道の至る所に並んで売り子が元気よく声を張り上げていた。
鼻腔をくすぐり食欲をかきたてる匂いは食堂から。
武術大会という大きな催しものがあるためか人、人、人の大混雑。
様々な目新しいもの、珍しい食品、そこかしこで披露する踊りやマジックショーと見て回りたいと誘惑はあったがそれはまた後。
まず戦闘で空腹だったので腹を満たしてから武術大会の手続きをとあたしたちはエンドール城へ登った。
手続きはエンドール城内のコロシアムで行えるが、こちらには一国の王女がいる。まず挨拶するのが先だろう。
事情を話すと兵士が誘導し、謁見の間へと通された。
「よくきたアリーナ姫よ!そなたの父王から話は聞いた。武術大会に出たいそうだな。話は通してある。いつでもコロシアムへ行っておくれ!」
とエンドール王は立ち上がりにこにこと笑顔を作りアリーナの手を握った。
アリーナは手を握られながらも王の隣で玉座に座る娘をみていた。
アリーナとは大してて年齢が変わらないように思う。スワロフスキーが散りばめられた絹のドレスを着込み、頭には黄金の冠。エンドール王女とは一目でわかるが、整った顔は青ざめて、大きい目をふしどる長い睫は下を向いていた。
「あの…。彼女は?何か具合が悪いのですか?」
「ああ…娘のモニカか。具合は悪くはないのだが、今機嫌が悪いのだ」
「それは、お父様のせいですわ!」
モニカはか弱い声を張り上げ、白い陶器のような肌に涙が零れた。
「お父様は、この武術大会の優勝者の賞品にわたくしにすると公言したのです。どうして好きでもない人と結婚できましょう」
怒りを露わにし、王に食ってかかるモニカ。綺麗な人は怒っても綺麗だ。
「そうですよね、何のための結婚でしょう」
と頭を垂れ、片膝ついてあたしの隣にいるクリフトがぼそりと呟いた。
「…そうですわ、優勝者が女性なら無理な結婚をしなくてすみます。アリーナ様、どうか勝ってくださいまし!自由に生きているあなたを羨ましく思いますわ」
「すまない…。モニカ。アリーナ姫。わしからもお願いする。言ってから後悔してるのだよ」
王は再度アリーナの手を握った。
大臣は武術大会優勝候補にデスピサロなる流れ者が人間とは思えない早業で残忍に虐殺し、もはや武術大会ではなくただの殺し合いになっていると悲痛そうに漏らした。
それが決勝、最後の対戦相手。
決勝戦は幾度となく行われたが最後の砦、デスピサロと戦闘した対戦相手は死に、及び重傷。このままだと大臣の言葉のようにただの殺し合いになると見切りをつけた王は、今度の決勝で大会優勝者を決める。
たとえ貧しい出身であっても力さえあれば王家に入れれば金の心配はなくなるし、若く綺麗な娘を嫁に出きるならと男性ばかり武術大会へ出場。女性の参加は皆無に等しい。
ブライは自分たちで身勝手なことを言っておきながら一国の王女に勝てとはどういうことだと怒り心頭。しばらくは近づかないほうが身のためである。
「そんなの私が勝てばいいことでしょ?最初から勝つつもりできたんだし。デスピサロなんてギッタンギッタンにしてやるわ!腕が鳴る〜」
とアリーナはいつもの調子だ。
それでは今日はもう休むことにしましょう。これだけ人がいますと宿が飛び込みで泊まれるか心配ですからね。また明日、コロシアムに行くとしましょうとクリフトが提案した。
城からでると既に夕刻。宿に行き、休むことにした。
皆さんよいお年を。
>>119 いよいよ武道大会、楽しみになってきましたねー
職人のみなさん、住民のみなさん
よいお年を!
121 :
【末吉】 :2006/01/01(日) 02:35:30 ID:B1DDtvMw0
あけおめ
職人さんたち今年もよろしく
保守
>>106 柔らかいベッド、なんとなく覚えがあるような気がする、何故・・・?
木の天井に部屋───、そうだ。此処は昨日俺が放り出されたあの宿屋によく似てるんだ。
まさか──、また?また違う世界にでも放り出されたのか???
霞む視界の隅で机を拭いている女性──。
「ここは・・・一体?」
「ここはグランエスタード、その城下町よ」
グランエスタード。どうやら元の世界・・・・・、元の世界?違う、別に何処で目覚めようが俺の世界じゃなきゃ意味が無い。
「なにキョロキョロしてんのよ気持ち悪い」
ハハハ――、気持ち悪いってさ――――――。
・・・冗談ぽくても女の子に気持ち悪いって言われるとヘコむおorz。
しかし、俺は一体どうなったんだろう?
俺が詳しい話を説明してくれるよう頼むと、彼女は机の掃除をやめて面倒臭そうに話し出した。
彼女の名前はリン。グランエスタード城で働いている王宮戦士。(軍隊みたいなもんか?)
俺を助けたライアンという戦士がここ(城下町にある彼女の家)に運び込み、そのまま彼女に面倒を頼んだそうだ。
・・・ふんふん、つまり俺は今この家にこの子と二人きりなのね。でも彼女は兵隊さんなのね。
「あなた、名前は?」
名前・・・、そういえば初めて名前を尋ねられた。なんとなく感動。
なんかカッコヨスな名前を考えようとしたが近くにコナンドイルの小説も無いので仕方なく本名を・・・。
「ダイチ?変な名前ね、どうでもいいけど・・・」
・・・オーケイ、この子はあれか、ツンて奴か?これはその後の成長が楽しみでならない。
うはwwwなんか妄想大爆発wwその後ってなんだwwwwwww
つーか今の俺やけにテンション高ぇ。久しぶりにゆっくり会話ができたことへの反動か?
しかもよく見ればこのリンて女の子なかなか可愛い、見た目だけなら俺の好みにストライクないしピン8本はいける。
・・・やばい、アドレナリン分泌し過ぎた。頭がクラクラする。こんな体験は生まれて初めてだ。
もしや・・・・・恋?あぁ!運命的な出会いってこういうやつなんですNE!?
「あんまり動かない方がいいわよ、あんたドラキーの血の臭気にあてられたみたいだから・・・」
「ぅえ?」
「ライアンさんがあなたを助けた時に・・・そんなんで倒れるなんて・・・・」
彼女は情けない、とでもいう風に溜息をつき肩をすくめた。
聞くと、洞窟で迫ってきたドラキー(あのニヤニヤした天鼠)と返り血を浴びたライアンに挟まれた俺は気を失ってしまったらしい。
えーっと、つまりクラクラの原因はそれか!!
不意に外からドアをノックする音が聞こえ、続いて聞き覚えのある低い声が家の中に響いた。
「リン殿、入ってもよろしいかな?」
彼女は慌ててドアに駆け寄ると、急いで男を向かえ入れる。
「いや済まない。・・・・・・や!旅の方、お気付きになりましたか。ご無事でなによりですな」
ライアン──、洞窟で見た時とは随分と印象が違うように思える。
あの時は、何と言うか、溢れる鋭さのようなものを感じた気がした。いや気のせいか?
とにかく目の前にいる男はそれとは無縁のように見える、柔らかさ・・・。
「ライアンさん、明日は宜しくお願いします」
戦士は軽く頷く。そして俺は話が読めない、まぁ当たり前だが・・・。
リンとライアンはなにやら荷物を指差しながら話しだしてしまった。
「あの・・・お話の途中で悪いんですけど・・・俺は、どうすれば?」
「知らないわよ、気付いたんなら自分の目的を思いだしたでしょ?
私達、明日にはいなくなっちゃうから此処には置いとけないわ」
ライアンもウムウムと頷いて賛同している。
不味い、まずい、まずいまずいまずいまずいまずいマズイ、貧しい?ちげーよ!貧しいけどさ!
このままでは路頭に迷ってしまう。人の多い場所に来ればどうにかなるなんて間違いだった。
金も家も知り合いもいない場所でどうする!?
異世界に帰る、なんて言い出したら怪しまれてそのまま牢屋にブチ込まれるかもしれない。
自分の息子に賞金をかける王様が治める国、マジでやりかねん。
なんかとにかく着いて行かないとヤヴァイ。
「明日の仕事、ってなんなんですかね?」
関係無い、という風な目付きでリンに見られたがここで喰い下がる訳にはいかない。
どうにかその仕事に着いていく、そうすれば、ほんの少しの時間稼ぎなのかもしれないけど、孤独だけは紛らわせる。
助けてくれた、それだけの繋がり、それは向こうにしてみれば無いに等しいんだろうけど、今の俺の唯一の繋がり。
「俺、アンタ達に助けられた時の恩返しがしたいんだよ!
だから、良かったら、あんた達の仕事を手伝わせてくれないか?」
ナイス演技力wwww惚れ惚れするwwいや寧ろ厨臭いかwwwとか笑ってる場合じゃない。
「ふーん、ドラキーの血の"臭い"なんかで倒れる人が役に立つとは思えないんだけど?」
くぁ・・・ごもっとも、万事休す・・・。
「恩返し・・・。リン殿、どうですかな、戦力が多いに越したことは無いと思いますぞ」
ライアンの言葉にリンが詰まる、何かしらの関係があるのだろうか。
先程からリンはライアンに遠慮がちというか、身を引いている感があるみたいだ。
結果、ライアンの説得もあってか俺はなんとか明日の仕事?に着いていけることになった。
とりあえずは城下の宿で一泊してから早朝に出発する予定らしい。
女性の家で一泊!?とか心の中ではwktkしていたのだが、そんなに上手くはいかない。
ライアンと二人で宿を手配する。
何はともあれ、まずは上手くいったのだと思いたかった。
この時──、俺が大人しく牢屋にブチ込まれていれば、もう少し落ち着いた日々を送れたのかもしれないが────。
闇の塔を出て、町に戻った頃には既に昼前になっていた。
俺とヘンリーは、町を救った勇者として歓迎された。
と言っても、これから今日一日また修行に励むので、宴を開くのは断ったが。
町の人にエテポンゲについて聞いたが、エテポンゲらしき奴は誰も見なかったらしい。
と言う事は、この町に寄らずに闇の塔へ行き、ドラゴンを倒してそのままどこかへ消えたと言うのか。
…まあいい。詳しい事は直接会って聞く。奴なら死なないと信じている。
同時に、俺も生きていなければいけないのだが。まあヘンリーがいるから大丈夫だ。
…他力本願かよ。そんな考えじゃいつか死ぬぞ俺。
その日は疲れが溜まっていたので、修行はいつもより短く、楽なものだった。
次の日、2週間以上滞在したこの町を遂に出る事にした。
ヘンリー曰く、そろそろ海辺の村に行き、既に集まっている戦士達と修行をした方が、より強くなれるとの事だ。
戦士達か…そう言えばエテポンゲは、俺達二人でもかなわなかった闇のドラゴンを、一人で倒したんだよな…。
エテポンゲ並に強い奴らが、何人も集まるのだろうか…。となると余計に俺は足手纏いになるかもしれない。
まあいいさ、前もってメガンテでも覚えておいて、戦闘開始直後に敵の中心に突っ込んでやる。
………。
いや、後方で回復でもしておくから、メガンテだけは勘弁な。
俺達は今、緑色の触手と戦っている。
町を出て、西にある海辺の村を目指し只管荒野を歩いていたら、突然地中から緑の触手が現れた。
呪文こそ使わないものの、攻撃力が高い。
スカラを使っているのに、一撃くらっただけで口から血ィベロベロ吐いてしまった。
しかし、その場から動けない上に攻撃範囲も3m程なので、呪文で遠距離攻撃をしたら簡単に倒す事ができた。
一体何だったんだ今のは。魔物か?それにしては顔面が見当たらなかったが…。
まあ魔物は魔物であって普通の動物ではない。顔がなくても別に驚く事ではないのだろう。
それは置いといて、俺はこの魔物に出会った時から感じていた。
嫌な予感…俺達は何かやり残している事がある様な…。
…まあ、俺の適当な予感など万に一つも当たらないし、気にしなくていいだろう。
村に着く。
海辺の村でなく、既に魔物に襲われ廃村となった村だ。
家は焼かれた跡があり、人間の骨が散らばり、誰が建てたのか、墓が並んでいる。
酷いありさまだ。全部魔物がやったのか…。益々許せんな。
「もう遅いし、今日はここで泊まって行こう。…あそこに破損していない家があるな。」
そう言うと、ヘンリーは唯一破損していない家に入っていく。
おいおい、大丈夫か…。幽霊が出たりしないだろうな?
幽霊が実在するかしないかなんて考えた事もなかったが、流石に人が大量に死んだ村に泊まるとなると、少し躊躇する。
「うっ!?」
ヘンリーが家の戸を開けた瞬間、驚きの声をあげた。
何かあったのだろうか。気になったので俺も行ってみる。
そこには女がいた。
別に普通に椅子に座ってお茶を啜っていたり、死に絶えていたり、でかい口を開けてイビキをかきながら寝ている訳ではない。
―――――石。
そう、それは石だった。女の石像が、家の中にあった。
…恐らく、俺と同じ運命を辿った女だろう。
魔物に反逆し、石にされ、そして、恐らく約10年…ヘンリーは10年前に初めて魔物に襲われた村と言っていたから、10年で間違いない。
その時、ヘンリーが石化を治す杖を持っている事に気付く。
「はああ…!」
俺が声をかけるより前に、ヘンリーは既にストロスの杖を取り出し、精神を集中させていた。
そして、空高く杖を掲げると杖が光だし、やがて女の石像を包み込んだ。
徐々に女の石像が鮮やかさと取り戻していく…。
「…えっ…!?」
女が意識を取り戻すと同時に、驚きの声をあげる。
金色の長髪に青い服、身長は女にしては高い167前後だろうか。
「あれ…?私…確か石になったはず…。」
女は完全に混乱している。俺も数週間前、同じ状況にあったので、気持ちは良く分かる。
ヘンリーは淡々とした口調で、この村に到着してからの事を女に話した。
「そうだったの…助けてくれてありがとう。」
女は深くお辞儀をする。
「おい、何故お前だけ石にされたんだ?」
ヘンリーが女に問う。
確かに、さっき俺は反逆したからと思ったが、別にこの女だけ反逆したとしても、わざわざ石にする必要は無い。
…いや、魔族の世界には反逆した奴は石にすると言う規則があるのかもしれないが。
「…ゲマと言う魔道士に『弟を探している』と言ったら、魔道士が『石化で許してやる』と言って、石化されてしまったの…。私の弟と魔族が関係あるのかしら…。」
ゲマ、か…。
石化という時点で予感はしていたが、まさか奴の仕業とは…。
久々に聞いたな…ゲマという名前…。
奴にはまだ、ボロンゴとドランゴについて何も聞いていない。ゲマを殺してでもボロンゴ達と会うつもりだ。
「お前の弟は、どんな奴だ?もしかしたら知っているかもしれない。」
ヘンリーが再び女に問う。
「青い服に、白い髪の剣士よ…。10数年前、あの子がまだ子供の頃、最強の剣を求めて一人で旅立ったの…。名前はテリー…。」
「テリーか…すまない。聞いた事ないな。」
青い服に、白い髪の剣士…?どこかで見た事ある様な…。
………確か、ドランゴと戦った時にいた奴か。
ただの雑魚だと思ってあまり気にしなかったが…最強の剣を求めてたのか、あいつ。
…そう言えばあの時、雷鳴の剣とか貰ったな。あの時は重くて装備できなかったんだ。
確かまだ袋に入れてあったな…。
袋から雷鳴の剣を取り出し、握り締めてみる。
あの時と違い、丁度良い重さで、切れ味も破邪の剣より断然良さそうだ。雷の紋章もかっこいい。
思わぬ収穫があった。ヨッシャヨッシャ。
…って一人だけ浮かれてんなよ。こんなシリアスな状況で。
「ところで、今日ここで一泊していきたいんだが、この家を使わせてもらっていいか?」
「ええ、いいわよ。こんな所に魔物は来ないでしょうし。」
そうして、俺達はこの廃村で一泊する事になった。
ハァ…今日は色々あったが何と言っても一番の思い出は
金髪の美人と同じ屋根の下d
次の日、俺達はさっさと廃村を出る事にした。
仲間が一人増える。
本来なら二人で廃村を出る予定だったが、昨日まで石になっていた女、ミレーユが一緒に旅をしたいと言ったのだ。
まあこんな廃村で一人で生活も出来ないし、何より弟を探したいのだろう。
ミレーユは呪文が得意らしい。ピオリムやヒャダルコと言った、まだ見た事のない呪文を見せてくれた。
細い腕と武器は杖という所から、武術は得意でないと見える。
ここは俺が守ってやらねば。なんかかなりやる気が出てきた。
違う。そうじゃない。そんなはずじゃないんだ。
確かに俺は弱い。武術も呪文も得意ではない。
ヘンリーの方が武術に長けているし、呪文もミレーユの方が優れている。
それは納得できる。ここまではいいんだ。
でも、いくら弱いといっても足手纏いにはなっていないと思っていた。
ヘンリーにも段々追いついてきたと思っていた。
ミレーユが、りゅう戦士やグレンデルと言った攻撃タイプの魔物に苦戦しているところを、男としてかっこよく助けてやろうと思ったんだ。
だが、実際はどうだ。
グレンデルにボコボコにされていた俺が、ミレーユに助けられてしまった。しかも呪文でなく物理攻撃で。
つまり実際の所武術面では
ヘンリー>>>ミレーユ>(超えられない壁)>(天と地の差)>(届かぬ翼)>俺
これぐらいの差があるかもしれない。リアルで。
じゃあ、俺は何だ?俺の長所は?俺にしかできない事は?
回復呪文?違う。ミレーユは回復呪文は使える。しかもベホマまで。
補助呪文?それも違う。ミレーユはスカラ、ルカニの上級呪文、スクルト、ルカナンが使える。
攻撃呪文?それも違う。ミレーユにはヒャダルコ、ヘンリーにはメラミ、イオラがある。
特技?それも違う。ヘンリーにも、剣の舞という使い勝手の良い特技がある。
じゃあ、俺は何の為にいるんだ?パーティ内での存在価値は?
俺は、バイキルト以外使用価値の無い、有り得ない頭髪の爺さんよりいらないのか?
―――――嫌だ。
嫌だ、嫌だ、嫌だ…足手纏いにはなりたくない…。強くなりたい………。
―――――もう、10年前の二の舞はごめんだ。
戦闘が終わる。
また、役に立たなかった。
敵に数撃与えたが、それ以上に仲間に守られている。
このままではダメだ…。2週間後、地獄を見る事になるだろう。
かと言って、2週間で急激に強くなれる訳ではない。
じゃあ、どうすればいい?何か手段はあるのか?
…分からない。どうすればいいのか、全く分からない。
苦悩する。
俺の中に潜む悪魔が、俺の思考を掻き乱しているようだった。
魔族との決戦まで、あと12日
Lv26
HP93/135
MP45/66
武器:雷鳴の剣 鎧:シルバーメイル 兜:風の帽子
回復:ホイミ、ベホイミ
攻撃:バギ、バギマ、ギラ、ベギラマ
補助:スカラ、ルカニ
特技:はやぶさ斬り、火炎斬り、諸刃斬り、正拳突き
ローディ乙彼
ミレーユ姉さんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
サマル・・・・・・・?
乙ッー!!
保守
はっ!こ、ここは…
メルキドかっ!!
ゴーレム作ってんの観にいくか、闘技場で遊ぶしかねぇな。
モンスターに勝てねぇし。
終
翌日の朝、早速一行はエンドール城裏側のコロシアムへ向かった。
決勝戦のみ第一コロシアムで行い、予選は第一コロシアムをやや縮小したような第二コロシアムと呼ばれる練習場。
練習場といえどもこれも公式の武道大会。やや観客席の空席が目立つものの、それを補うように大声張り上げて観客は檄を飛ばす。
登録を済ませ、待合室に入ると武道大会出場の為に体を鍛えてきましたと言わんばかりの猛者がずらり。彼らは自主トレーニングを行っていたり、瞑想を行っていたりと様々。
「うわっ汗臭いですな。流石男だらけなだけあるわい」
ブライが長袖を口に当ててマスク代わりにする。
「男だもの、しょうがないでしょ」
エンドール国王は友好国の来賓だ、然るべき処遇を与えたいとアリーナに個室で清潔な待合室と決勝戦からの出場権をいただいたが、彼女は、私は王女ではなく武道家として戦いにきたのです。特別扱いは不要です、とつっぱねた。
女が優勝すれば、ということは当然あたしも女なのであたしが優勝すればあの姫は結婚しなくてすむだろうが、いかんせんこの時を待っていたのはアリーナである。
アリーナの面子は潰したくはないのであたしはいたって観客席から応援である。最もこういった場で戦う気にもならないが。
「アリーナ様、新しい武器はどうでしょう」
砂漠のバザーから使っていた鎖鎌は使い古して刃こぼれが酷かったので、ここにきて鉄の爪なる腕に嵌める熊手のような武器に買い換えた。武道家専用の武器。
「使えばわかるんじゃない?」
とアリーナは短く答えた。
「緊張してんの?」
「そりゃまぁね」
あたしが問うとニヒっと笑った。そこに兵士が駆けつけ、
「アリーナさん、あと30分ほどで第一回戦出場です。準備を」
と言った。
「あまり長居するのもなんだし、じゃああたしたちは観客席から応援しているから」
「決勝戦に向かって頑張るのじゃぞ」
「怪我をしたらすぐ薬草で回復してくださいね」
とあたしたちは言い、アリーナは笑顔で任せてよと答えた。頑張るね〜と反対にアリーナに見送られ、あたしは待合室のドアを閉めた。
アリーナはアミたちを見送るとすぐに新しい武器のメンテナンスを始めた。その顔は真剣そのものであった。
第一回戦勝ち、また勝ち…と猛者たちを投げ飛ばし、蹴りを入れ、鉄の爪で引き裂いてとアリーナの快進撃は止まらず。
第一回戦は緊張が戦いに出て、やられることが多かったが、何人かと戦っていれば次第にいつものアリーナのペースが出来、相手側が完全に飲み込まれた。
相手が弱いんじゃない。アリーナが強いんだ。
アリーナが勝つたびにあたしたちは歓声を上げ、やられているときは声を張り上げて応援する。その声は彼女に届いているかはわからないが。
トーナメントなのでアリーナが参加しない試合がある。その間は休憩になるが、水や汗拭き用のタオルの手配をしたり、怪我の処置をしてバックアップ。
彼女が死力を尽くして試合に望むのが戦いならば、肉体面、精神面で精一杯彼女の応援をすることがあたしたちなりの戦いの仕方だと思う。
そしてついにアリーナは予選の頂点に立ち、決勝へ進むことができた。
決勝戦は一週間後、第一コロシアム。午前10時から行う。
アリーナと刃を交わしたものからは、お前女なのに強かったよ、決勝は勝てよと戦い終わりの握手を求められていた。
1日中戦い疲れたアリーナは早々と宿にて休んだ。あたしたちも応援疲れで早く寝た。
次の日、決勝戦までは時間がある。技に磨きをかけたいとアリーナはひたすら練習を行う。
あたしとの取っ組み合い。ブライの魔法での攻撃の対処法、クリフトによるマヌーサ(幻惑呪文)、ピオリム(味方一人が俊敏な動きが出来る)、スカラを使った相手側が使うと仮定した味方補助呪文による対処法。
あらゆる攻撃方法をシミュレーションし、どういった攻撃、守備を行えればよいのかを親身になって考え、模索した。
真剣に取り組んでいるときこそ時間がたつのは早い。
決勝戦はいよいよ明日。今日の疲れを残さないようにと早々と休んだ。
武道大会最後の決勝戦とだけあって、国総出で大会を謳い、人の賑わいも酣に、まるでエンドールが一つの生命体として躍動しているかのよう。
一武道家として大会に出場するはずだったが誰が言ったか噂が噂を呼び、決勝出場するのが西の国、サントハイムの王女アリーナとわかってしまい、王女をみたいのか、決勝出場人としてみたいのか、宿を出ると城に行けないくらい人が集まった。
「フレノールの本物の王女バージョンだね」
とあたしは感心しながら言った。
まるで外国アーティストが来日した時のような人だかりの中、これはまずいと城から警備員が何人か要請されたのか、人だかりを跳ねのけ順路を作ったので、あたしたちは城内部へ入れた。
城内部もより一層明るく、華やかに飾り付けされて国の式典に備える。
時間がないのですぐさま第一コロシアムへと通された。
待合室に入る前。アリーナは立ち止まった。
「アリーナ、とうとう決勝だね。頑張らなくていい、あなたのいつも通りの戦い方をすればいいからね」
「回復は早めに。精一杯戦ってきてください」
「ご武運を」
とあたしたちはそれぞれ簡単に述べて壮行会をし、観客席へと向かった。アリーナの従者であるので席は用意されている。
アリーナはいってきます、と小さく、だがしっかりと言った。
待合室には決勝進出の選手は当然ながらアリーナだけだった。上がる階段には一人、案内役の兵士が物々しく立っていた。
練習試合は選手があれだけいたのに。
武器防具のメンテナンス、持てるだけの薬草を維持し、確認を終えるとアリーナは椅子に腰掛け、気持ちを落ち着かせていた。
エンドール国内で聞いたデスピサロなる人物の話、人を殺すまで攻撃を加えて残虐し、その力量はまるで人とは思えないと聞いた。
自分の対戦相手になるのであれば、負けたときには死が待っているのか。
戦いの前によけいな知識は頭に入れぬがよろしいとブライに諫められたものの、一人になり考える時間がとれると思わず考えてしまう。
外から聞こえる観客の応援、歓声、その中に混じる自分を呼ぶ声。
それでも…テンぺで武道大会の話を聞いてからはここにくることが目標であり、夢であった。
自分の力を過信する気はないが、負ける気はしない。だがその時は。
華々しく散るのもいいかもね。あ、ブライはそれを許さないかなと苦笑した。
ふっ、と頭をよぎる父の姿。自分の娘が出場するならここに、観客席にいてもおかしくないが、サントハイムの恥さらし、エンドール国王に会わせる顔がないと来ていないかもしれない。
いままでサポートしてくれてきた、アミ、クリフト、そしてブライ。一人旅したいと我儘言ってサントハイムを飛び出したけれども彼らは付いてきた。
当初一人旅にならないじゃない、と思ったけど、一人ではここまでこれなかったと自負する。ありがとう。
だが感謝の気持ちを述べるのはきっとこの後。
生きていれば。
やがて観客席からはアリーナコールが沸き、いまかいまかと出場を待っているようだ。
「アリーナ姫。時間だ。準備はよろしいか」
兵士の言葉にアリーナは頷き、徐に立ち上がる。兵士の後ろに付いて歩く。
階段を一歩一歩登る度に、観客のコールが大きく聞こえてきた。
いざゆかん、夢舞台へと。
グハァ!これじゃ生殺しだ!!
続きが待ち切れねぇ!!!
乙ッー!!
アミタソ乙
いよいよエンディング?なのかー?
正直、終わるのは寂しいかも。
「それで、どこに行くんだ」
バラモスの背中に乗せらていた
「もちろん魔王軍のところだ、そこでお前は魔人になってもらう」
「魔人?なんで?」
風がモロにあたり言葉を発せにくい
「今のままだといろいろと不都合があるからだ」
俺は少し不信に思いながらも魔王軍の元へと送られていった
ズン
という音と共にバラモスは神殿のすぐ前へと降り立った、俺はバラモスの背中から
振り落とされたが・・・・・・
「ついたぞ、ほら早く行くぞ」
バラモスに服の裾を引っ張られ引きずりながら連れて行かれる、当然俺は落ちた
衝撃で気を失っていたが
目覚めると俺はベットの上で寝ていた、体がまだ痛むが辺りを見ると一人の男が
視界に入った
「やあ、俺の名前はウルフ、よろしく頼むよ」
「はぁ、初めましてウルフさん」
「いや、ウルフで良いよ、君、名前は?」
俺が答えようとするとウルフが突然言葉を挟んできた
「ああ、まだ名前を決めてもらってなかったっけ、ささっいこう」
俺はウルフに腕を引っ張られ、扉を抜け、廊下へかけていった。
LEVEL3「ジャガン」
俺はウルフに引っぱられ、すごいスピードでかけていった、もっとも俺は途中
でこけてほとんど引きずられていたんだが、そして今俺の前には大魔王がいる
「こうして会うのは初めてだったな」
大魔王が俺に話しかけてくるとりあえずおれはびびっていて、うなずくのが
やっとだった
「我が名はゾーマ、そしてお前の名は・・・・・」
名は・・・・・なんなんだ
「ジャガンだ」
ゾーマがそう言ったように聞こえたが俺は次の瞬間には
いきなり気を失っていった
目覚めるとそこはさっきと同じ部屋だった、俺はまたベットで寝ていたみたいだ
「やあジャガン、起きた?」
ウルフの声が聞こえた、目はぼんやりしていてよく見えない
「でもすごい名前を受け付いたもんだな、ジャガンって言ったらとてつもなく
強いのろいの名だよ、確か100年くらい前の魔人がそんな名前だった気が・・・」
呪いの名ね・・・・名前にそんな深い意味があるとは思えないけど・・・・
バン!
という音と共にドアをぶち破り羽のはえた巨体が入り込んできた
まあ、バラモスだろうな
「ジャガン、いきなりだがお前にはテストをしてもらわなれればいかん」
よほど急いでいるようでバラモスに服の裾を引っぱられ高速で引きずられながら
演習場にやってきた。
テストテストテストテストテ・・・・・・いやな思い出しかない
筆記テストはマジ勘弁な・・・バラモスにアイコンタクトをとろうとしたが
目線をそらされた
「それでは魔人の卵の諸君、君たちにこれからサバイバルをしてもらいます」
司会者らしき奴が木で作った台の上に乗って説明を始めた
辺りを見るといかにもな奴らが大量に群がっていた
「ルールはない、ただ三日間チームで生き残ればクリア、死ねばそれまで」
はは、またまたご冗談を・・・・バラモスに話しかけたが華麗にスルーされた
「生き残ればはれて魔人の仲間入り、君たちの他に中級戦士二人と組んでもらって
一組三人で移動してもらう、それでゑ」
次の瞬間には司会者の首が吹っ飛んでいた、なぜか俺の方向に飛んできた
飛んできた首をバラモスがキャッチして普通に食っていた、のりで言った、
今は反省してる
「長ったらしい説明をうだうだしやがって、うざいんだよ」
首を吹っ飛ばしたのはあの女らしい、よ〜し、魔人がんばって懲らしめるぞ〜
そう思って殴りにかかろうとした瞬間強烈な足払いを受け、見事に転んだ
「足下がお留守ですよ」
足払いをし、そう言ったのはウルフだった。
ここの作品をゲームとしてやってみたいと本気で思った。
*13日目*
エイコ Lv.8 HP:52 MP:0
武器:ホーリーランス 鎧:青銅の鎧 盾:なし 兜:ブロンズキャップ 装飾品:スライムピアス
特技 しっぷう突き おたけび
-1-
だんだん慣れてきたドラクエワールド、でもいくつか不満がある。
それは。
「あー、イカポッポ喰いてえな」
誰か私にもち米と醤油と日本酒ぷりーず。
「エイコ!! いーから戦闘手伝いなさいよ! だからいつまでもレベルが一桁なのよ!!」
ヘイヘイ、小姑もうるせえ。
仕方なく槍を繰り出してプチアーノンを撃破する。
ちょっと動いた方が、気もまぎれて胃もまぎれるのだろうが、重症だ。
仕方ない、やっぱりルーラは苦手だ。その直後に乗った船では見事に船酔いだ。
色んな敵が出てくる。さすが外海は違うねえ。
方位磁石はまっすぐ北を目指している。このまましばらく行けば……
「あ! 見えてきたでやんす! チラっと! ほらチラッと!!」
マストの上のヤンガスが暑苦しく叫ぶ。ヒョイヒョイと緑のたぬ……いや王様がそこへ上る。
「どうれ、おぬしじゃいささか心配じゃからのう……おお、見てみよ姫、あれなるが北の孤島じゃ」
「ヒヒ〜ン……」
なんじゃあ馬姫、おめもあんべえわりぃが?(訳:お前も具合が悪いのか?)
「うわ、何かここまで邪悪な気配が漂ってくるわね」
魔法少女ゼシカりんがつぶやく。クー坊も大きく頷く。
「さすがだな、ゼシカ。俺も嫌な気配を感じていた。エイコには分からんだろう」
「それは仕方ないでしょ、エイコには魔力がないんだし」
私はロー●シアのおうぢさまと一緒で力馬鹿なんだよコンチキショー。
ちょっとコンプレックスだなあ、だってヤンガスだって使えるんだぞ、魔法。
山賊って魔法修行するのかあ?
「あっしのは我流でがすから、盗賊仲間に習ったでがす。
もっとも、基礎だけ教わって、最近やっと戦闘で使えるようになってきたんでがすがね」
訊いてみると、そんな答えが返ってきた。ふーん、教わって出来るもんなんだあ。
「私も習いたいなぁ、メラぐらい使ってみたいぜ、チビっちゃいメラ出して、
飲み屋でセンパイとかのタバコに火ィ点けてあげんの、かっけぇ〜☆」
「……一瞬でも向上心があると思った私がバカだったわ、そんなヘンな事に使うなら教えない」
「何、ゼシカ、お前他人に教えられるの? 教えろよ」
「やあよ、マッチの代わりなんか教えられるもんですか」
「チェーケチー」
そんな話をしながら船はちんたらと進み、肉眼でもはっきりと島を捉える事が出来るようになった。
う、確かにもやってる。立ち木には葉っぱが見えず、空気もよどんでいる。
ん? 誰か人がいるように見えるが。
「おいヤンガス、アレ、人じゃねえか?」
「うーん、そうでがすねえ、占い師風のねえちゃんと、戦士風と僧侶風のオッサンがいるでがす」
ふん、いつも思うが、どーしてジジイの戦闘要員はいてババアはいねえんだろうな。
ま、たりぃからだろうが。
程なく船は接岸し、私は威勢良く船から飛び降りる。うッ、足にキタ。
でも地に足つくってのはいいもんだ。酔いも一気に醒める。
例の先着パーティは、こちらの様子に気付くと、ゆっくりと近づいてきた。
「なんだ、用があるのか?」
ヤンガスが警戒する。私も思わず身構える。
「あ、怪しいものではありません、我々は……」
「こんなトコにいるだけで目いっぱい怪しいわ」
武器を携えた私とヤンガスにビビッたのか、僧侶風のオッサンが弁明した。
後ろの戦士は今にも剣を抜きそうである。占い師のねえちゃんがそれを止めた。
「我々は去るお方の依頼によりここへ参ったのです。しかし、ここより先へは進めませんぞ」
「何だてめえやんのか?」
「ち、違いますって!!」
気色ばむ私をねえちゃんが止める。だってそんなこと言われたらこれから戦闘だろうが。
「エイコ、ちゃんと話を聞いて、恥ずかしいから」
「交渉ごとは苦手だ。頭脳班、前へ」
無理やりゼシカとククールを前へ押しやり、ヤンガスと私は後退する。
視線を巡らすと、あからさまに空気の悪い島の様子に胸が高鳴る。
何かヤバイ匂いだ。この島は何かいそうだ。
「おいヤンガス、この島ヤベエな」
「だから来たんじゃないんですか、姉貴。エイトの兄貴がドルマゲスの野郎にとっ捕まってるんでがすよ?」
おおっとそうだった。長い船旅で忘れる所だった。
頭脳班の話をまとめると、どうやらこの先に進むには、とあるアイテムが足りないらしい。
しかし、まったく見当がつかない。
ていうか、その洞窟の入り口みたいなトコ、入れないの?
「話聞くだけじゃなくて、実際行ってみようぜ、どうなるか知りたいじゃん」
「私もそう思ったところよ、行ってみましょう」
ゼシカが賛同する。よっしゃ、じゃちょっくら見てみるか。
「待つでがす、あっし達も行くでがす!!」
「ホントに鉄砲玉だな、うちの女達は」
てめーの女になんかなったつもりはないぜ、ククール。
意を決して、洞窟の暗闇へと突入した。
-2-
あれ……?
体がふわりと宙に浮いた、ような気がした。
次の瞬間。
どしーん!!
「イッテエ!! 膝打った膝!! ……あいたた……アレ?」
すごい狭い空間に出た。薄暗い。夜明け前みたいに外が薄青い。
ん? ここ、どこかで……って。
「ハァ?! ここ、私の部屋じゃん!!」
台所合わせて12畳1Rの北向きのじめじめとした安いアパート、
目立つ家具は小さいテレビとノートパソコンとソファベッド、
床に投げ出した組曲のスーツ、楽天で買ったコーチのバッグ、
テーブルの上にはサンドイッチと野菜ジュースとヨーグルト。
間違いない。
「うそ、でしょ? あッケータイ!!」
ヨーグルトの横に投げてあったケータイをひっつかんでがばりと開く。
日付は、飲み会の次の日、時間は夕方6時半だった。
ハッと自分の姿を見ると、いつもの寝る姿、パンツにキャミソール。
「な、なーんだ、夢かあ、いやあ、壮大な夢だっ……」
視線を自分の左太ももに移したとき、安堵の独り言を止めざるを得なかった。
毒矢頭巾にやられた矢傷の痕が、生生しく残っていたのだ。
思わず、ケータイをポロリと床へ落としてしまった。
あッしまった、ククールはクー坊って呼んでたんだった。
久々なので失敗しました。
続きは近日中に。待っていた方々いましたら、遅くなってすみませんでした。
乙、そうきたか
ミレーユがいた廃村から更に西に歩みを続けると、今度は城に到着した。
この城はメダル王の城と言い、ここの王は世界中に散らばる小さなメダルを集めているらしい。
のん気な奴だな…こんな悲惨な世界だと言うのに…。
城の中に入ると、数匹のスライムがいた。
城の中にはスライムと王しかいない。何だ、王は人間不信なのか?
それにしても、スライムなんて久しぶりに見たな。この世界に初めて来た時以来だ。
あの時のスライムの攻撃は重かったが、今では一瞬で倒せそうだ。
ここの王に特定の数のメダルを渡すと、景品を貰えるそうだ。
景品と必要メダル枚数が書いてある紙があったので読んでみる。
…ふむふむ、5枚の棘のムチや、100枚のメタルキングの盾など色々あるが、俺はその中で奇跡の剣が欲しいと思った。
必要な枚数は60枚…今持っているメダルは3枚。
「おいおっさん!3枚で奇跡の剣クレヨ!」
「ざけんな!死ぬ気で60枚集めてこい!」
「何!死にてえのかこの野郎!」
「メダルは命より重い…!その認識を誤魔化す者は、生涯地を這う…!」
畜生、どうしても渡す気は無い様だ。メダルなんてこの城以外で価値なんかねえじゃねえか。
仕方ない。最終手段だ。この手だけは使いたくなかったが…。
俺は静かに、ゆっくりと剣を抜いた。
ドガッ!
「何やってんだバカ!」
ヘンリーに殴られる。正直すまんかった。今は反省している。
廃村からここまで結構な距離があり、もう夕方なので今日はここの宿屋で泊まる事にした。
宿屋と言っても王の趣味でやっている上に、客はほとんど来ないので、タダで良いそうだ。儲かった。
寝てる間にスライムに襲われなければ良いが…まあ、その時は俺の必殺バベルノンキックの餌食にしてやる。
夜が明ける。
何故か俺のベッドだけ異様にボロボロだったので、あまり寝付けなかった。体が痛い。何の因果でこんな目にあわなければいけないんだ。
ヘンリーは爽やかな笑顔で「おはよう。」と言って来た。二度と笑えなくしてやろうか。
城を出る準備をして、王座の間に行くと、青い服を着た剣士が王と喋っていた。
「ウム。全部で60枚集めたようじゃな。では奇跡の剣を持っていくが良い。」
王が剣士に奇跡の剣を手渡す。
剣士はその剣を暫く鑑賞すると、剣を握り締めた。
「…奇跡の剣の切れ味、早速試させてもらうぞ…。」
「何?」
次の瞬間、信じ難い光景が目の前に広がる。
剣士が突き出した奇跡の剣が、メダル王の腹を貫通していた。
「う…あ…!」
メダル王がその場に倒れ込む。
メダル王の腹からは、見た事の無い程の量の血が流出する。
そして、数秒間指が僅かに動いていたが、やがて動かなくなってしまった。
「ふ…まあまあだな…。ありがたく貰って行くぞ。」
剣士が振り向き、俺達の存在に気付くが、何事もなかったかのようにスタスタと城を出る。
俺は剣士の顔を見た瞬間、背筋が凍りついて全身が震えた。
剣士の正体は、テリーだった。
いや、そんな事は問題ではない。
俺が恐怖を感じたのは、テリーの眼だった。
紅い眼、鋭い目つき…まるで、魔物…いや、悪魔か何かを思わせる様な眼だった。
奴は、人間ではない。
外見は人間だが、人間の皮を被った悪魔の如く、平気で王を刺し殺した。
10年前に会った時は、こんな奴ではなかった。一体、何があったというのだ?
「テリー!!!」
不安と悲しみが混じった様な声をあげ、ミレーユはテリーを追いかける。
「お、おい!」
ヘンリーがミレーユに続く。俺も少し不安になったので、後を追った。
城を出ると、城の前で奇跡の剣を掲げているテリーがいた。
テリーは不気味に微笑んでいる。その微笑みは、無意識にゲマの微笑みを連想させた。
「テリー!!!」
ミレーユが、再びテリーの名を呼ぶ。
テリーはゆっくりと剣を降ろし、こちらを振り返る。
「…誰だ、お前らは。」
これが、俺たちに対してのテリーの第一声だった。
10年以上一人旅をしていて、姉の顔を忘れたのかもしれない。
だが、テリーの冷徹な紅い眼を見る限り、とてもそうには見えなかった。
「忘れたの!?私よ、ミレーユよ!」
「ミレーユ…?女など知らないな。俺が知っているのは、剣の切れ味…血の匂い…「生」ある者を、「死」に変えた時の快感…。」
テリーが奇跡の剣の光る刃を見つめ、不気味に微笑む。
「そ、そんな………テリー…。」
ミレーユがその場に膝をつき、泣き崩れる。
本当にテリーはどうなってしまったんだ。最強の剣を探し求めていただけではないのか?
これでは最強の剣を探し求めているのではなく、ただの殺人狂ではないか。
泣き続けるミレーユを尻目に、テリーは信じられない事を言った。
「そこの二人…。どうやら旅人らしいな。あんな雑魚を殺したぐらいで、剣の切れ味は分からない…。来い、その肉体を全てバラバラにしてやる。」
テリーが剣を構える。その眼からは、明らかに殺意なるものを放っていた。
「な、何だと…ふざけるな!」
「ふざけていると思うならそう思えばいい…。だが、本気で来ないと確実に死ぬぞ!!」
テリーが、信じられないスピードで俺達に襲い掛かる。
俺の体が一瞬反応した時には既に、テリーの剣が俺の腹部を貫いていた。
「はああ!」
テリーが素早い動きで、何度も俺の体を斬りつける。
斬られる度に、俺の視界が血で染まっていくのが分かる。
「調子に乗るな!」
ヘンリーが、俺に気を取られていたテリーに激しく斬りかかる。
が、そんな事はお見通しの如く、ヘンリーの剣を切り払った。
更に、テリーはヘンリーに激しく斬りかかる。
不意をつかれたヘンリーは、脇腹をもろに斬られてしまった。
かなり深く斬られたのか、たった一撃でその場に倒れ込む。
「ははははは!その程度か!弱い!!弱すぎる!!!」
テリーが余裕の表情で高笑いする。
「ぐ…人間同士が…争っている時じゃないんだぞ…!」
ヘンリーの発言を聞いて、テリーは再び不気味に微笑む。
「関係ないな…弱者が死に、強者が生き残る…それだけだ。いずれ人間も魔物もぶち殺して、俺が頂点に立ってやるさ。」
「貴様一人で…魔王を倒せるとでも思っているのか…!」
テリーはヘンリーの背中を踏み、その足に体重をかける。
「ぐ…ああ…!!」
「倒せるさ。魔族など大した事は無い。お前らが弱すぎるから、そう思うだけだ。」
テリーがヘンリーを踏んでいた足を地に戻すと、今度は剣を構えた。
「死ね…雑魚が…!」
「それは貴様だ!!!」
俺はテリー後ろから、魔人の如く斬りかかった。
テリーは完全に油断していたので、俺の魔人斬りが直撃する。
「ぐああ!!」
テリーがその場に倒れ込む。
よし、形勢逆転か?何とか一撃与えた。
ヘンリーと会話している時に、密かにベホイミで回復して後ろから近づいたのだ。
「ヘンリー、今回復して…」
「バカ!後ろを見ろ!」
時既に遅し。
テリーの渾身の一撃が、俺の背中の肉を切り裂いた。
声をあげることなく、再び血飛沫をあげて倒れる俺。
「魔人斬りの直撃をくらったから焦ったが…全然効かんな。やはりただの雑魚か。」
何て…奴だ。
魔人斬りは凄まじい威力を持っている筈だ。それをまともにくらって…。
…いや、やはり俺が弱すぎるからか…?あいつが強いからでなく、俺が弱いから…?
「き…貴様…!もう許さん…!うああああ!!!」
ヘンリーが立ち上がる。泣き叫ぶ様に、無数の傷から痛みが沸くのを抑えて。
更に、まるでダメージを受けていないかの如く、素早い動きでテリーに斬りかかる。
「くっ!」
キィン!
目の前で、二人の剣士の剣戟が繰り広げられる。
ほぼ、互角。
ダメージを負っていながら、華麗な動きを見せるヘンリーを見て、俺は確信した。
やはり、テリーが強いのではなく俺が弱かっただけだった。
目の前で行われている戦闘は、俺より格段に上を行っている。
しかも、少なくとも俺の遥かに上を行っているヘンリーですら魔物と対等かそれ以下の実力と言う現実。
俺の力が役に立つのか?今まで出会った戦士達より遥かに弱い俺の力が。
呪文はある程度使えるが、敵が一気に攻めてきたら呪文を唱えている間に、攻撃されるかもしれない。そうなっては呪文もまともに使えないだろう。
後方に下がって補助役に回るのも良いが、それは敵の数が少ないから成り立つ事だ。敵が何十と攻めてきたら、360度囲まれて、詠唱の余地などないかもしれない。
キィン!
「しまった!」
テリーはヘンリーの剣を勢いよく切り払い、ヘンリーは体勢を崩してしまう。
「死ね!!」
ザシュッ
テリーの素早い突きが、ヘンリーの腹の肉を貫通する。
「がはっ…!」
テリーが剣を引き抜くと同時に、ヘンリーはその場に倒れ込む。
「とどめだ!」
「バギマ!!!」
テリーの体を、真空の刃が切り裂いていく。
俺は再びベホイミで回復し、呪文を使うタイミングを窺っていた。
二人は超接近戦をしていたので、広範囲呪文は使えなかった。
ヘンリーが倒れた時、少し吹っ飛びながら倒れたので、二人の間に距離ができてバギマを使う事ができた。
まあ、ほとんど効かない事など承知だが…。
「やはり弱いな…お前は…。」
テリーは何事もなかったかの様に立ち上がる。
「ヘンリーとか言う奴とは比べ物にならないな。恐らく、邪魔者扱いされているだろう。」
「…邪魔、者?」
ヘンリーが?俺を邪魔者扱い?
「そうだ、邪魔者だ。この殺伐とした世界で、貴様の様な雑魚がいると命取りになる。こいつも、嫌々一緒に旅をしてるんだろうな。」
…そうなのか?
確かに、テリーの言う事は正しい。
弱い者がいると、他の者まで死ぬ危険性が高まる。それは承知だった。
しかしまさか、ヘンリーが俺を邪魔者扱いなど………考えた事もなかった。
「この世に弱者はいらない!弱者は醜いんだ!…死ね!!」
テリーが、信じ難いスピードで俺に突進する。
キィン!
俺はテリーの剣を切り払う。
が、一撃一撃、テリーの攻撃が繰り出される度に、俺が押されているのが明らかになる。
こんな奴とほぼ互角に戦っていたのか…ヘンリーは…。
「隙だらけだ!!」
テリーの突きが繰り出される。
ヘンリーと同じ様に、テリーの剣が俺の腹を貫通し、その場に倒れ込む。
痛い…いたい…イタイ…。
でも、もう良いんだ…。次の一撃で、楽になれる…。
エテポンゲ…悪いな…。闇の塔での約束は守れそうにない…。
「今度こそ…死ね!!」
テリーが剣を大きく振りかぶる。
――――――――――生きろよ、エテポンゲ。
ドォーーーーーン!!!
!?
予想していた効果音とは全く違ったので、驚いて眼を開ける。
そこにあった光景は、地に倒れるテリーだった。
一体、何があったのだろうか。今の音は…?
テリーはまだ意識があるらしく、必死で立ち上がろうとする。
「そ、それは雷鳴の剣…!貴様、あの時の…奴か…!」
雷鳴の剣?これが、どうかしたのか?
剣を見ると、雷の紋章が淡く光り、刃に電流が流れている。
それを見て、何となく予想はついた。
恐らく、この剣は雷を発する事の出来る剣。俺が危機に陥って、剣の力が発動した。
…と、こんなところだろうか。多分。
それにしても凄い威力だ。先程まで余裕だったテリーが、全身ボロボロである。
これを見た瞬間、俺にある考えが閃いた。
この雷は剣の力だ。だが、俺自身が雷を出せる様になれば、剣の力でなく、俺の力になる。
もし雷が出せれば、足手纏いにはならなくなるだろう。テリーを一撃で瀕死にさせる程の威力なのだから。
普通に剣で雷を出せよと思うかもしれないが、どうやら所持者がピンチでない時以外雷は発動しないようだ。
それではダメだ。常時使える様にならないといけない。だから、何としても雷を出せる様にしてやる。
…と、その前にテリーを何とかしないといけなかった。
俺はベホイミを施し、素早く立ち上がり剣を振りかぶる。
「くらえ!」
「くっ!」
俺は憎しみを込めて、剣を振り下ろす。
「やめてーーー!!!」
辺りに女の叫び声が響き渡る。ミレーユだ。
今まで膝をついて泣き続けていたミレーユが、立ち上がって叫んだのだ。
「くそ!覚えてろよ!いつか復讐してやるからな!」
テリーがその場から逃げていく。
全快の俺なら十分追いかけられたが、確実に勝てるとは限らなかったし、何よりミレーユに止められたので追いかけなかった。
「ごめんなさい…。憎いかもしれないけど、あれでも私の弟なの…。」
そうだった、忘れていた。
ミレーユに止められなかったら、そのまま殺していたかもしれない。危ない所だった。
「テリーに何があったのかわからないけど、次に会った時は、絶対に私だけで正気を戻して見せるわ…。」
正気に、か…。
あんな殺戮者が、簡単に正気を戻すとは思えないが…。
まあ、姉のミレーユなら何とかなるかもしれない。
殺されそうになっっても、俺とヘンリーで助ければ良いだけだ。次にあった時は、奴を超えてやる。
…そうだ、忘れていた。ヘンリーだ。
テリーに刺されてから回復していない。早く回復しないと危険だ。
俺はヘンリーの所へ行き、ベホイミを唱える。ヘンリーの体は、淡い光に包まれた。
………。
…ヘンリー?
どうしたんだ?起き上がらないぞ。ベホイミは成功した筈だが…。
「おい、どうした?起きろ!」
ピクリとも動かないヘンリーの体を揺さ振る。
何度も繰り返すが、全く動く気配がない。
…まさか………。冗談だよな?ヘンリー…生きてるよな…?
俺は最悪の事態を予測し、恐る恐るヘンリーの胸に耳を当てる。
……………。
最悪の事態が、的中してしまう。
ヘンリーの心臓は、機能していなかった。
地面に流れる大量の血…恐らく、出血多量………。
「死んで…るの…?」
ミレーユが、か細い声で俺に聞く。
俺は、それに答えなかった。認めたくなかった。ヘンリーが、死んだとは………。
しかし、心臓が動いていない。これは、その者の人生が幕を閉じたという証拠。
嘘だ…ヘンリー………お前は…魔族と真っ向から戦うという固い決意があった筈だ…。
それに…今生きている唯一の家族…弟も探していた………それなのに………こ、こんな所で…死ぬなんて………。
なあ、冗談だろ…?起きてくれよ…ヘンリー………。
しかし、ヘンリーがそれに答える事はなかった。
今朝、笑顔で俺に挨拶をしたヘンリーが、死体となって地面に倒れている。
この世界に来て初めて、俺が涙を流した時だった。
魔族との決戦まで、あと11日
Lv27
HP82/140
MP47/70
武器:雷鳴の剣 鎧:シルバーメイル 兜:風の帽子
回復:ホイミ、ベホイミ
攻撃:バギ、バギマ、ギラ、ベギラマ
補助:スカラ、ルカニ
特技:はやぶさ斬り、火炎斬り、諸刃斬り、魔人斬り、正拳突き
ヘンリーー!
SS考えてみたんですけど、
目覚めた場所が「宿屋」じゃないとNGですか?
>>171 面白ければいいんじゃね?
このスレの連中は新人職人大歓迎だと思うし
ガンガレ
>>エイコ
まさに「そう来たか」って感じ
現実に還ってきた例は初めてなんで続き楽しみ杉
>>ローディ
相変わらず超面白スwwww
ヘンリー氏ぬとはな…
先の展開が読めねえYO
173 :
では:2006/01/09(月) 03:20:16 ID:NS0RvhT10
「おーい、起きろー」
うーん・・・眠い・・・確か昨日は4時までvipでネタやってて・・・。
まだ10時かよ、休講で11時過ぎの電車って言っておいたじゃねえか、母者め。
「ちょっとー?・・・・ったく、ザメハ!!」
ってえwwwwwwwwwwwwwちょwwwwwwザメハてwwwwwwwww
と、脳に液体窒素でもぶち込まれたかのような衝撃が走る、
しかし苦痛ではないのは体が知っていた、が、心地の良い物ではない・・・。
途端にはっきりした意識が
「あ、ザメハ苦手だったんだっけ、ははは〜」
とか言いながら逃げていく母者を認識していた・・・。
にしても「ザメハ」?弟者にでも吹き込まれたネタか?にしてもよく効いていたような・・・
考えないことにして、着替えて学校の鞄を持って下階へ降りていった。
174 :
では:2006/01/09(月) 03:21:18 ID:NS0RvhT10
まず、何から突っ込んでいいのか解らなかったが・・・
壁に剣が掛けてあった
盾も掛けてあった
ヤリもあった
(゚Д゚)・・・・(ここは俺の家で自分の部屋で目覚めたはずですが何か?)
んな事を考えていると
「また剣2階に忘れてきたの?さっさと取ってこい!!」
とか言われた、母者は母者らしい
部屋に戻ると確かに棚に鞘に収まった剣が置いてあった、
シンプルなんだかなんなんだかよくわからないデザインだったが、悪くはない。
と、いい加減落ち着いてきて現在の状況を考えてみる
ここは俺の家だ、間違いない
しかし母者は呪文(?)を使った
剣とかヤリとかある、しかも、あの口振りだと実用品らしい
「手伝え!!」
そんなことを考えていると叫び声が聞こえてきた、どうやら「出番」らしい。
・・・っていう逆にドラクエな現代なんですけどどうですか?
新しい展開だな。面白そうだからやってみて
異常に長くなった場合テキストファイルアップでも良いのかな?
おひさしぶりです。
長期にわたり、体調不良でダウンしておりました。
まだ本調子ではないので、すぐ更新という事は厳しい状況です。
加えて、ギコナビである程度のログは残っているのですが、残す前にDAT落ちしたものがあるので、完全補完にはならないのではと思っております。
具体的には
三泊目…スレ239まで
四泊目…スレ577まで
という具合です。
大変ご迷惑をおかけします。
178 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/10(火) 17:34:53 ID:8O/xmIy70
書記サマキター! アケオメ! でも無理せず!
書記さん初めまして、もし私の作品を更新なさるのでしたらリニューアル版
でお願いします。
書記さん復帰おめでとう!!!
お身体優先でね
>>174続き
急いで階段を下りる、剣は腰のベルトに吊した、
刃渡り1メートルほどの剣はずしりと重いが、この程度なら動きに支障はない。
(あの声は明らかに父者だ、尋常な気配ではない!!)
使い慣れたワーキンググローブとジャンパーを装着しながら家を飛び出す、
その目に飛び込んできたのは・・・・・見慣れた駅前の商店街だった。
しかし・・・その通りの中央には排雨用のマンホールから身を覗かせる緑の巨体
(ちょwwwwwwwwwwwwwwこれなんていどまねき????)
それに対峙する3人の人間・・・父者もその一人だった。
「よし、これだけいればなんとかなるべ・・・被害を広げるなよ!!」
父者が叫ぶ、
いつもどうりのジャンパーにジーンズというラフな作業スタイルだったが、
腰には全長1,5bにも及ぼうかというような長剣を構え、
左腕には暴走族と格闘する機動隊員のような盾を装備している。
すると、父者は華麗に身を翻し剣を抜いた、朱色の刀身が美しかった。
道路のど真ん中で魔物(?)と対峙する・・・
そんな夢にも見なかった状況にポカンとしていると
「早く抜刀しておけ、一気に叩きつぶすぞ」
と小突かれたので自分も腰の剣を抜く、
ただの直剣かと思いきや、藍色に鈍く輝く刃の片側がギザギザの鋸状になっている、
これで斬りつけられたら柔らかい相手ならひとたまりもないだろう。
(なんかよくわかんねーけど・・・いいな、これ)
前向きに考えつつ両手で剣を構える。
と、おかしな事に気づく
(なんんかしっくりきてるぅぅぅぅぅっぅぅぅぅぅぅぅう!!)
どういうことだろう、なんとなく「慣れて」いるのだ、
たとえば、家で自分が係りになっているペットの散歩のように、
家の仕事の手伝いのように、
・・・・・・・・・・・ならちょうどいい、
どのみち今この目の前のモンスター(?)を倒さなければらちがあかないわけだし、
なにより今自分はこういう状況でこうして生きているわけだ、なるようになる、長い物には巻かれろ!!
「行くぞ!!」
父者の号令の元、戦闘が始まった!!
・・・・とりあえずこんな感じです
ローディ さんあたりのSSを見てると自分の設定だと無理がある感じに思ったりしますが、
「ガンダムはコンピューターの補助があるから歩ける」
くらいの説得力の設定を考えたつもりですので、がんばってみたいと思います。
>>183 いやいや、正直言ってかなり面白そうですね。
設定とか、ももともとスレタイ自体が無理な設定なんだから気にしないでいいと思う。
早くも父者に萌えそうです。
>>179 初めまして。
リニューアル版、了解です。
もっとも、更新自体がすぐではないのですが…。
>>180 感謝感激!助かります!
そうそう、大事なご挨拶を忘れていました。
旅人(書き手)の皆様、読み手の皆様。
今後ともよろしくお願いします。
こちらこそ!これからも宜しくお願いします!
>>185 ロムからカキコに変わった者です。
今後ともヨロシク…
書記氏お久
とりあえずログを楽しんでください
才能豊かな新人さんが沢山増えてます
>>180 GJ!
応援age
別に目が覚めたら宿屋じゃなくても良いのか?四泊目で魔神がそのことで叩かれてたが。
俺も気になってた。
>>184みたいに言ってしまうと、このスレの意味が無くなってしまうんじゃないだろうか・・・。
悪いな
結局はもしもDQワールドに行ってしまったらって妄想だからなんでもいいような気はするけど
出来れば宿屋でお願いしますってとこじゃないかな?
ところで、結局おれはSS落としていいっすか?
おk
りょーかい、じゃあ後で
やっぱ宿からじゃないとダメ?
目が覚めたら魔王だったっての書きたいんだけど・・・
ログにエスターク版あったからおkなのか?
もし目が覚めたらそこがDQ世界だったら
にしたほうがいんじゃね?
おれ天才じゃね?
正直、始まりの場所なんて何処でもいいと思うけど。
面白ければね。
面白ければなんでもいい。
もしスレ違いでも面白ければしかるべきスレに誘導されるか専用のスレが立つ。
でも「中にはそういうのがあってもいい」ってくらいで、基本は宿からスタートにして欲しい。
亜種ばっかりになるんだったらスレタイや
>>1を変えた方がいい。
1日目 LV1
…ふと目覚めたら、ヤマトっぽい格好の人が寝ている。
ジパング?というか宿屋はなかったよな。
(外で戦うにも、ヒミコの幹部(?)にバレるわけにもいかないが…)
!?という事は、ジパング北の宿屋…?
というか、北朝鮮辺り?
どちらにしても外じゃ戦えないか…ハァ…
一応、タンスのひのきの棒でも、もらっておこう。
…どこか別の所で目覚めないか、期待して寝る事にする。
続。
足下がお留守?ヤムチャのことか!ヤムチャのことかーーーー!
俺が地面に倒れ込みながら思いにふけっていると、ウルフが声をかけてきた
「言わしてもらうけど、今のは自殺行為だ」
何のことだ?俺は女には手を出さない主義なんだ、だから優しく
説教してやろうとしたものを
そう言った感じの事を説明していると、ふとウルフからチッという舌打ちが
聞こえてきたような気がした
「わかってないようだから言うけど、あの女はスピアといって中級魔人の中でも
危険な部類に入っているんだ」
「それがどうした、俺に怖い物はない!」
するとウルフがあきれたように話を続けた
「あそこ、斬られても知らないからな」
背筋がぞっとした、オーケーオーケー、相手にしないことにしよう
ってヤバス、ス何とかとかいう女が近づいてきた、もう 終わりだ・・・・
さらば俺の人生
「お前がジャガンで、そっちはウルフだったな」
何だ?自己紹介か?よかったあそこは斬られそうにない
俺が股間に手を当てほっと一息していると、女が痛い物を見るような目でにらんできた
「お前達二人とはあたしが組む事になった、せいぜい足手まといにならないようにな、
特にジャガン」
いきなり指定され、びびった俺はヒィとか我ながら情けない悲鳴を上げた
「これはあんたの試験なんだからもう少ししっかりしてくれないとな、
あたし達は単なるちょっとした手助けしかできない」
「そろそろ時間だな」
そう言うとスピアがウルフの手を掴み俺の服の裾を引っぱると
「ルーラ」
と叫んだ、それと同時に風を切る音と共に場所が木が大量に生えている森の前
へと瞬間移動した
「出発まで残り一分」
ルールを確認するためにウルフに訪ねてみることにした、スピアはとてもじゃないが
おっかなくて話しかけられない
「ルールは簡単、五日間生き残ること死ねばそれまで、途中で抜け出す事はできない」
俺は絶望した、あの女と五日間も過ごさなくてはいけないなんて
今からでも別の人に変えてもらうしかない、うん、それが良い
とのあえず優しそうな人を探していると
「時間だ、行くぞ」
このスピアの声と共に俺は手を引っぱられ、森の中へと入り込んでしまった
それと同時に別の場所に待機していたのであろう、何十という戦士達のかけ声
や走る音が聞こえてきた・・・・・・・・・・・
|`l`ヽ /ヽ/ <´`ヽ u ∨ u i レ'
└l> ̄ !i´-) |\ `、 ヽ), />/
!´ヽ、 ヽ ( _ U !、 ヽ。ヽ/,レ,。7´/-┬―┬―┬
_|_/;:;:;7ヽ-ヽ、 '') ""'''`` ‐'"='-'" / ! !
| |;:;:;:{ U u ̄|| u u ,..、_ -> /`i ! ! これからが本当の地獄だ・・・
| |;:;:;:;i\ iヽ、 i {++-`7, /| i ! !
ベジータwwwwww
これから話を進めるうちにシリアスになっていくと思います、たぶん。
207 :
魚間:2006/01/15(日) 03:32:49 ID:7wsW8zLp0
え〜とこれから投下しますが
批判とか指摘ばんばんしてください
208 :
魚間:2006/01/15(日) 03:34:58 ID:7wsW8zLp0
目が覚めると俺はデカイ椅子に座っていた。そして目の前には朱色の顔色の爺さんが何か喋ってる
「おお、ようやくお目覚めになられたか魔王様」
へ?何言ってんの?
いきなりの展開について行けない
確か古典の授業中に寝ちゃったんだよなぁ
「混乱されていると思いますがあなたは今この時から魔王なのです」
・・・・・・・魔王?
「え〜と、それはどういう意味でせう?」
すこし引き気味に俺は爺さんに聞いた。
「文字通りあなたは魔王なのです。わからないことばかりだと思うのでこれを」
そう言って爺さんは一冊の本を俺に渡した。
本のタイトルは
「・・・初めての魔王?」
俺は思わず呟いてしまった。
「そうです。その本は今のあなたにぴったりです。
まぁ今は気が動転しているでしょうから休んだ方がいいでしょう。
部屋に案内しますよ」
爺さんに案内された部屋はベッド、本棚、机、椅子があるだけの質素な部屋だった。
「じゃあ用があったら呼んでください。」
そういうと爺さんは部屋から出て行ってしまった
窓から外を見るともう日は暮れつつあった
俺の感想はただ一つ
「わからんことばっかりだ。」
そう呟いた後俺はベッドに倒れ込んだ。
209 :
魚間:2006/01/15(日) 04:07:43 ID:7wsW8zLp0
しかし本当にここは何処なんだろう。
さっきは場の空気に流されてしまったがよく考えると明らかに不自然だ
なんで授業中に寝て起きたら知らない場所でしかも変な爺さんが目の前に立ってるんだ?
しかもあなたは魔王だなんて・・・・・・普通は勇者とかだろ!?
とかなんとか思いながらとりあえず言われた通りに本を読む
オビにはこう書いてあった
『これを読めばあなたもきっと立派な魔王に。
親切に、そしてわかりやすいがモットーです』
・・・・・何処に売ってんだこんな本
というツッコミを心の中で入れた後、本を開いた
『この本を初めて読んだあなた。きっと何がなんだかわからないでしょう。』
うん。本当にわかんない
『あなたはこの世界の魔王となるべく召還されたのです。
この世界でのあなたのするべき事はただ一つ、勇者に倒されることです』
・・・・・・・・えっ?
人をいきなり召還しておいて勇者にやられろと、そう申すのですかあなたは?!
と思うと同時に自分が魔王なのだからやはり勇者もいるということに納得する俺
『あなたが召還されてから一ヶ月たつと勇者が旅立ちます。
あなたは勇者がちゃんと自分の元にたどり着けるよう
勇者を見守り、時には助けながら勇者を肉体的、精神的に成長させて下さい』
「・・・・・こ、これが魔王の仕事?」
俺は少し世界観を変える必要があると思った
GJ
>>魔神
ワロタwww
>>魚間
イイヨイイヨ、続けて。
212 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/15(日) 16:33:58 ID:tKooZO3a0
何でこんなに人がいないんだ、感想ぐらい書こうぜ。
保守
213 :
魚間:2006/01/15(日) 17:24:46 ID:IZnqro+0O
ドラクエの世界の神様ってルビスであってたっけ?
実はTUVとモンスターズしかやったことなかったりする
神様でいんじゃね?
Zでもそうだったし
ルビスは精霊でしょ?
3ならゼニスがいるけど
テスト
マスタードラゴンはいちおう神らしい。
>>183 続き
なんか色々あるみたいですが
投下しますね
父者が走り出す、若干相手の右側に寄っている。
(なら・・・)
それに続き、自分は父者の長剣に巻き込まれないよう左側に回り込む、
距離は約10b、一気に詰め・・・魔物が大きく息を吸った!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ここで意識が飛んだ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「・・・・いよう!!」
唐突に声が響く
「・・・・あ・・・あの・・・起きろって・・」
(う〜ん・・・ん?)
目を開くとそこは真っ暗な場所だった、特に暖かいとか寒いとか微妙だとかそんなのは感じられない、
強いて言うなら普通の空間、暗いだけで。
(死んだか?なら閻魔大王に書類審査してもらわないと・・・)
んな事を考えながら声の方向を向くとなにやら人影が見える、
20くらいの野郎、ジャンパーにジーンズ、特に決めてもいない髪型・・・
まさしく俺じゃぁないか・・・・ツマンネ('A`)
「いやあ、つまんねとか言われてもよぉ・・こっちにも用意って物があるじゃん」
最後だけ声に出してしまったらしい、ま、いっか
「で、俺が俺に何の用でしょうか?」
「ん、それだ、実は俺はお前なんだ・・・は解っているようだな。
詳しく言うと・・・おまえはおまえの世界の俺で俺は俺の世界のおまえなんだ」
「ほほう、言ってくれる。で、おまえの世界の俺が何しにこんなへんぴなところまで?」
「自分の脳内をへんぴなところとか言うなよ・・・いいかよく聞いてくれ
現在の状況では俺の世界におまえがいておまえの世界におれがいるよくわからない状況になってるんだ。
なんかつっこみ所が沢山あったろ?起きてから?」
「(ははあ、なるほど・・)うん、なんかしらんが母者がザメハ使った、あと剣とかあった!!」
「他には?」
「う〜んと、そうだ、なんか魔物的なやつにぶっ飛ばされたんだ、さっき」
なにやら俺2号(←今つけた)が固まるのが解った
「つまり、魔物にぶっ飛ばされて気絶したと・・・どんなやつ?」
「マンホールからウボァァってなってる緑のやつ」
「それって・・・・やばいぞ、いどまねきかよ!!
戦力は?まさか1対1じゃねーべよな?」
「一応父者とあと2名、やっぱりやべーのか?」
「うん、下手したら全滅もあり得る、現にこうして気絶してるだろ?
・・・・しょうがねぇ、ほかにも色々あったがまたの機会だ、
特技技だけ教えてやるからじっとしていてくれ」
「技術ってそんなに易々と伝えられる物かよ・・・」
「それができるんだな」
俺2号が目を瞑って念じ始める、すると、なにやら青白い炎の玉のような物が出現する!!
それはゆっくりと自分に近寄ってくると頭の当たりに被さり、吸い込まれていった
「どうだ?」
記憶が流れ込んでくる・・・・と言うよりは、体と心から何かが吸い出され、
件の青い玉と合成され、新しい情報として体の中に帰ってきた感じだ・・・。
「斬撃技が多いな・・・ま、俺だからか」
「うん、あとこれだけは見てほしい」
おれ2号は念を押すように言い、構える、剣のイメージだということは言われずとも理解した、
「で、こうだ」
激しい斬撃(のイメージ)を放つ、傍目にはなんだか解らないだろうが、自分の事なのでよくわかった。
「なるほど・・・専売特許みたいなもんなわけか・・・把握した」
「よし、じゃあ早速父者と魔物を倒してくれ・・・・」
(って、え・・・ちょwwwwwwwwwwwww)
・・・・・・
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
また意識が飛んだ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・・・気付くと道路にぶっ倒れていた、脳味噌がガンガンする・・・
そして、今見た夢(?)と現実(?)を同時に思い出す
(そうだ、俺に会って、いどまねきがいて・・・そうだ、父者は!?)
慌てて振り向くともう立ち上がり構え直している父者の姿があった。
そして後方にはさっきの二人が倒れている、どうやら突撃体勢が防御にも効いたらしい。
「父者!!」
「やられたな、雄叫びとは・・・なめたまねしやがって、うお!?」
2人同時に跳ね飛ぶ、と同時に黒い固まりが空を裂き飛んでゆく。
(いしつぶてか・・・)
いどまねきが砕いたアスファルトを投げつけてきたのだ!!
今は自分達を狙っているが、無防備な後方の2人を狙い始めるのは時間の問題だろう。
「くそ、切り込め、雄叫びは心配するな!!」父者が叫ぶ、
そう言われると何となくできる気がした、
「うおおおおおぉぉぉぉぉぉ」
剣を構え再度突撃する、すると、またもやいどまねきが大きく息を吸い込む!!
(またやられるのか?)
が、次の瞬間腕を正面で交差させる、(大防御の構えか)
と同時に自分の脇を朱色の疾風が駆け抜け・・・いどまねきに直撃する!!
ッドオオォォォォン!!!
父者の放ったかまいたちだ、
夢の中で覚えた物の中にもあった(基本技らしい)が・・・自分の物とは威力が段違いであることは何となく解った。
その威力にいどまじんがのけぞる、防御のせいでダメージは大したことないようだが・・・それで十分だった
「ザァァァァァンテツ!!」
負けじと雄叫びを上げ、剣を振り上げる!!
(俺の専売特許!!)
剣が青い気で包まれる
「メタル斬り!!」(注:)
気合いを込めた斬撃がいどまねきの腕を捕らえ、完全に切断した!!
そして勢いに身を任せ走り去る、
振り向くと父者が長剣を大きく掲げ・・・魔人斬りでトドメを刺すところだった、
戦いに勝ったのだ。
注:おれ「メタル斬り」の響きが好きなので、勝手に改造してみました
あと、文章の区切りむずい
起きたら突っ込みどころが沢山ってのが的確な表現でワラタw
224 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/16(月) 20:22:35 ID:+CRRlUtJ0
225 :
魚間:2006/01/17(火) 00:48:57 ID:6DH7Lyeg0
『貴方には召喚された世界用の名前が与えられています。
召喚された時点で既に配下の魔物達が魔王の事を世の中に知らしめているので
魔王○○?誰それ?という事にはなりません。』
どうやらこっちの世界では魔王の名前が決まっているらしい。
爺さんに聞いとかなければ。
変な名前じゃないことを祈ろう
さらに本を読んでいくと最初にすべきことという項目があった
正直助かる。魔王になれと言われても何をすればよいのかわからない。
『1、召喚された世界のことをを知りましょう
まずは自分が活動していく世界の事を知ることが先決です。
城には書物庫があるのでそれを使い、知能の高い配下の魔物に学びましょう。』
この場合の魔物ってやっぱりあの爺さんなのだろうか?
しかし書物庫かぁ・・・・・むふふ
『2、魔物の配置を決める
勇者のレベルにあった配置をしましょう。
たまにスパイスとして少しレベルの高い魔物を配置しておくのも良いかもしれません
勇者が旅立つのは召喚されてから一ヶ月後ですが
明日明日と言っていると一ヶ月はすぐに経ってしまうのでなるべく早く済ませておきましょう。』
この文を読んで今までやってきたRPGのボスの親切心にホロリとしてしまった。
苦労してたんだなぁと実感。
しかしこの夏休みに入る前の先生が生徒に言う台詞みたいなのはやめてくれ。
226 :
魚間:2006/01/17(火) 00:49:39 ID:6DH7Lyeg0
『3、城の改築をしましょう
召喚された時点での城はどれも一緒ですがあなたの好みの部屋割りに改築することができます。
MSO(Magic Support Organization)建築部に連絡すればどんな要望でも約三時間で完成。
しかも初めて御利用の際には無料ですので是非利用しましょう。』
MSO?本の出版社を見てみるとこれまたMSOとなっている。
おそらく魔王の援助団体みたいな組織なのだろう。
しかし改築なんかする意味あるのか?
魔物たちもいきなり城がかったら困るだろうに
読んでいくうちにだんだん瞼が重くなってきたので今日はこのくらいにしておこう。
明日は本に書いてあった通り爺さんにこの世界について学ぶとしようかな。
そう予定を立てながら俺は夢の世界へと旅立った。
・・・・・・・だがそれは起こった。
ワロスwwwwwwwww
このスレって人少ないよね。感想すらかかれてない作品があってサビシスofz
好きな作品には何行でも感想を書けるけど、
興味の無い作品には『GJ』くらいしか書けないんだよなあ。
かといって、好きな作品にだけ感想を書くのもね…。
230 :
魚間:2006/01/17(火) 18:31:35 ID:2qkFsZOrO
個人的に言うと感想は正直に書いてほしいな。
気を使わないで普通に
「ここがやだ」とか「こうした方がいい」って言ってくれた方が助かる
特に今は物語の土台を書いてるから自分でも面白くないとわかってるから
GJって言われても気ぃ使ってくれてるんだなぁと思う
+自分の作品がどのように評価されてるのかわかんないので困る
という訳で俺の評価は正直に書いてほしい
「ツマランッ!」「糞」でもいいけどドコが糞か指摘してくれたら嬉しい
こういうのって俺だけ?
あと携帯からなんで改行変&長文メンゴ
231 :
魚間:2006/01/17(火) 18:37:37 ID:2qkFsZOrO
個人的な意見なんだけど感想は正直に書いてほしい。
今は物語の土台を書いてるから自分でも面白くないってわかってるから
GJって言われても気ぃ使ってくれてるんだなぁと思う
+自分の作品がどのように評価されてるのかわかんないので困る。
という訳で俺への評価は正直に書いてほしいな
「ツマランッ」「糞」でもいいけどドコが糞か指摘してくれたら嬉しい。
こういうのって俺だけ?
あと携帯からなんで改行変&長文メンゴ
232 :
魚間:2006/01/17(火) 18:41:34 ID:2qkFsZOrO
二度書きしてしまった…orz
確かに自分も糞とでも何でもいっていいから感想書いてほしいな・・・・・
四泊目でいろいろあったから仕方ないとは思うけど。
>>231 正直に書こう。面白いよ。
土台部分らしいけど十分(・∀・)イイ!!
これからが楽しみ。
ところで「魚間」って何て読むの?
>>233 正直に書こう。イマイチデス
本当スマン
一読者の意見なんで…
>>234 全然良いですよ、正直に書いてもらった方が。
やっぱり頭の中で思い描いているのと実際に書くのとでは変わってくるし、
メモ帳にじっくり書いて見るとするか。
じゃあおれにも
今いる職人さんのほとんどがそうだから言わないようにしてたけど
まさに今やってるみたいな職人の素の語りが好きじゃない。
トリ付けてるだけで淡々と作品投下されてた初代スレの頃はよく感想書いてたけど
職人同士の乙コールとか増えてから面白いなと思ってもレスしなくなったよ。
238 :
魚間:2006/01/18(水) 00:33:29 ID:eFV75V/KO
新人が偉そうな事言いますんで
興味ない方はスルーしてください
俺も読み専だったとき乙コールが好きじゃなかった。
てか今も好きじゃない
馴れ合いみたいで嫌なんだよな。
で、書く側にまわるととにかく自分の作品に対する正直な感想が欲しくなる
けど誰もそのようなことを書いてくれないので
要望を出してみました。
確にこの流れで批判レスをするのは難しいと思うけど
下手な馴れ合いよりもそっちの方が断然いいと思う。
さっきとほとんど同じこと言ってるけど
許してくださいm(__)m
>>237さんこんな意見もダメでしょうか?
239 :
魚間:2006/01/18(水) 00:52:24 ID:/Ga2iVgl0
自分が原因で気まずくなりそうなので投下
夜中にふと目が覚めた。
もう外は真っ暗でほとんど何も見えない。
明かりになるものはないかと探そうとしたとき携帯に気が付いた。
圏外だったが思った通りだったので気にしない。
それよりも自分を夜中に目が覚めさせた原因について真剣に考えなければならない。
何故起きたかはわかっている。
この形容し難い緊張感。
過去に数えきれない程体験したことがあるものだ。
対処法もわかっている。
だがここは俺の知らない場所だ。元居た場所とは勝手が違う
もう気が付いた人もいるかもしれないが言っておこう。
俺を夢の世界から現実世界へと引きずり戻した原因は唯一つ、
それは・・・・・・
小便がしたい(下ネタでスマン)
俺は何故か今の作者様方は感想という馴れ合いより殺伐とした空気の方が好きだという偏見を抱いてた
感想欲しかったら言ってくれればいいのにぃ!イケズぅ!
とりあえずGJ
俺のGJは「どうでもいい」と言う意味では無くてただ感想が思い浮かばないから感謝だけはしておこうって意味です
マジで続きを楽しみにしてます
作者の皆様、宜しくお願いします
241 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/18(水) 07:16:27 ID:Mxv6v+jKO
馴れ合いツマンネ。書き手同士でヨイショし合って気持ち悪い。
このスレレベル落ちたな。ほんの一部の質の高い職人さん超頑張れ
↑じゃあお前が書け
あー創作文芸板の三語文スレとか、本スレと感想スレが別にしてあるスレ
時々見かけて何でなのかと思ってたけど、うざがる奴が多いのか…。
ここも分ける? あれはあれで仕切り屋がうざい事あるけど。
分けても無意味。
ガ板が典型。
厨が多いこの板なら尚更。
前に意見出てなかったか?
そんなことをするほど職人が高頻度で投下するわけじゃない、という理由から。
創作文芸はなかなかスレが落ちないし、
別にシリーズモノでやっているわけじゃない。
だから敷居が低くて、誰でも書ける。いや、三語文自体が簡単というわけじゃないが。
感想がいくつも書き込まれるほど、読んでいる住人だって多くない。
創作文芸に出入りする奴は、皆小説家を目指してる奴らだから、他人の文章に敏感で、
小説の体を成してるものは読むだろうし、感想も持つだろ。
ここは専門板じゃないから、読むだけ読んだけど感想を覚えるほどには深く読み込んでなかったり、
そんな中で「文章を書ける」職人さんに意見していいものか?って考えも少なからずあると思うよ
否定したら、きっとスレ内で誰かに指摘されるだろう。
偉そうにしやがって、お前が書いてみろ、と言われるかもしれない。
そう言われるという可能性を否定しきれないのは、ひとえに
創作文芸板と異なり、住人がその道の素人だからだ。
これこれこういう理由でつまらない、これこれこうしたら面白くなる、ということを、
ここの住人の批評する力では表現できない。
そして、例えそれができなくても、面白かった、つまらなかった、という簡単な意見ですませていいのか?
っていう葛藤があるはず。
だから文章の批評は「文章を書いている」当事者同士の馴れ合いになりがちなのだし、
根本的に意見が少なくなってしまうのもむしろ、当たり前のことだろうと思える。
読み込む必要がある程の文章ではなく、ノリで楽しむべきである、という事を理解してるだけに、
真っ当な感想はつきにくい。
長文スマソ。
246 :
魚間:2006/01/18(水) 09:29:52 ID:eFV75V/KO
凄く説得力のある言葉で感服いたしました。
>>234「うおま」ね。魔王のアナグラム?
ゴメン、もうムリ。こんな流れじゃ書けない。
続きは自分のブログにでも書くわ。
キミたちのように無機質にいられる程、おばちゃんは若くないのよ。
では、名無しに戻ります。
248 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/18(水) 12:34:56 ID:mvsILuLHO
あーあ…
もうグダグダ。このスレが落ちるのも時間の問題だな。
LEVEL4「強者」
戦士達の気合いのこもったかけ声が辺りから聞こえてくる
一分ほど走った後にスピアに静止それ一度立ち止まる
「静かにしていろよ、見つかるとやっかいな事になる」
――沈黙――
「草陰に隠れるんだ」
ウルフが小声で言うとちょうどすぐそばにあった草陰に身をかがめ、隠れた
そして隠れてからさらに一分ほどが経った・・・・
辺りから風がやみ、葉の揺れる音も聞こえなくなった
その時大柄な男一人と小柄な男女がちょうど北の方角から現れた
「誰もいない?」
女が小柄な男に尋ねた
「たぶんな、だが油断しないほうがよいだろう」
小柄な男がそう言ったのを聞いた
「もしだれかいてもよ、俺たちにゃかなうわけないぜ!」
大柄な男が得意げにそう言っているのを見て、小柄な男はあきれているようだった
俺は二人と一緒に身をかがめて隠れていたがこういう状況に不慣れな俺はついつい音
を出してしまった、それもとびっきりでかい音で
ブアックション!
俺のくしゃみの音に気づいた三人組がこっちの方を見る
ヤッヤッバイ!すんごいにらまれている!恐怖で体が震えているようだ、俺が
「くそ、後で覚えていろよ」
スピアが立ち上がり剣を抜く
「ここで隠れているんだ」
ウルフも立ち上がり剣を抜く
そっそうか!目には目を!恐怖には恐怖なんだ!
俺には二人の言葉など聞こえてすらいなかった
「そんなところに隠れていたか」
小柄な男が言う
「だけど」
今度は女が
「俺たちに見つかったのが運の尽きだ!」
最後に大柄な男が叫ぶように言い身の丈ほどもある大剣を抜き出した
「まあまて、まずは自己紹介といこう、俺はゲイトだ」
小柄な男の名前はゲイトと言うらしい
「私はカイン」
「そして俺はゲンドウだ!」
ウルフとスピアは構え、攻撃に備える
そして二人が攻撃に移ろうとした瞬間何者かに呼び止められた
「まあまて、ここは一つ私に任せてもらおうではないか」
それはまさしくジャガンだった、恐怖で錯乱していて自分でもなにをしているのか
よくわからなかった
「君たちは援護したまえ!行くぞ!」
二人だけではなく三人組もあっけにとられている
「HAHAHA! 行くぞ、究極奥義!」
勢いよくジャンプし、奥義を発動させる
/⌒ヽ
⊂二二二( ^ω^)二⊃
| / ブーン
( ヽノ
ノ>ノ
三 レレ
俺が奥義を発動させた瞬間、ゲイトの放った火炎呪文ギラにより身を焼かれ
あっけなく墜落した
二( ^ω^)二「うわーだお」
スピア・ウルフ「早いよ!」
今仲間達の心が一瞬一つになった
「なっなにあいつ」
とりあえずカインには恐怖を与えられたようだ
>>247 エイコタソ…(´・ω・`)ショボーン
あーあ、どいつもこいつも
職人を物書きマシンかなにかと勘違いしてるんじゃない?
ロクなことも書いてやらくせに、あれウザイこれウザイやめろツマンネって何様だよ
乞食の分際で口だけは一丁前な奴ばっかり
寂れるのも当然だね
良いこというねエイ・・・・・・じゃなくて
>>255
257 :
256:2006/01/18(水) 18:21:05 ID:DES249rw0
よく見たら人違い・・・・・・・・・・・・・
でもいいこといってるね。
それを踏まえて否定的な意見をみんな黙ってたのに
率直な意見クレって言うから率直な意見が出ただけだろうよ…
意見がほしいという気持ちはよくわかる。創作活動をする者ならば当然の心理だ。
しかし、そのための努力を惜しんではならない。
日々向上心を絶やさず、文章力を磨き、鍛えることだ。
不特定多数の人間が集まる「掲示板」という場でなら、
いい文章にはそれに応じた感想がおのずと書き込まれるものなのだから。
と、以前に一度だけ一発ネタを投下した私が言ってみます。
あの時ほめてくださった皆様、その節はありがとうございました。
言い文章か・・・・・難しいな、もっとじっくりじっくりとメモに書いたり
うまい人のを参考にするべきなのか。
つか、去るのはいいとしても後を濁すのはどうかと思うんだがなあおばちゃん。
まだここで書こうとしてる人間もいるだろうし、空気悪化させるのは酷いような。
まあそういう自分さえ良ければそれでいいって感性は非常におばちゃんっぽいが。
>>魔神
いきなりはじけててワロタw
>>260創作文芸板とか行ってみるといいよ。
なんだかんだで色々と議論しあってるから、参考にはなるはず。
アリーナがグラウンドへ上がると観客の熱狂が更にヒートアップした。
いままで暗いところにいたので太陽光が眩しかった。アリーナは思わず目を細めた。細めた中に、正面二階観客席にはエンドール国王と王女、その傍らに自分の仲間が緊張した顔で座っていた。
お父様はきていないのね。
素早く見切り、安堵した感と、そして少しの寂しさを覚えた。
数え切れない程の観客がアリーナを応援している中、さすがのアリーナも緊張したが、深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。
レフリーが叫ぶ。
「お待たせしました。エンドール武術大会決勝戦。挑戦者はなんと!西の国サントハイムの王女アリーナ!」
わあぁ、と観客がざわめく。
「それでは始めます。最初の対戦相手は…ミスターハンです!」
グラウンドにミスターハンと呼ばれた弁髪の武道家が兵士と共にきて、右手を上げて観客に答えた。
「始めっ!」
レフリーのかけ声と共にハンが素早く動き、アリーナに一撃を食らわす…。
アリーナは素早く拳を流し、左手を繰り出すが、ハンがまた避ける。
一進一退の攻防戦、拳と拳のぶつかり合いあいに、観客たちは驚きと動揺を隠せない。
アリーナは自分の実力総てを出し切っている。それを受け止めて尚且つ攻撃を仕掛ける目の前の実力者に、こういった相手が欲しかったのよ、と心の中でほくそ笑む。
ハンは確かに強かった。アリーナより更に上の武術を持っていた。
洗練された拳は下手な武器よりも強力である。
だが、鉄の爪を装備したアリーナの前では降伏せざるを得なかった。
ハンは、倒れた。
「アリーナ様、一人勝ち抜きぃっ!」
レフリーの勝敗を決める声にわあぁ、と観客は喚く。
「楽しかったわ」
アリーナが自分の汗を拭くのを忘れてハンに握手を求めた。ハンはグラウンドに寝そべりながら、
「鉄の爪か…。俺もその武器を使いたかったよ。だが、俺は純粋に素手で、武道家として戦いたかったんだ…。まぁ鉄の爪を俺が装備していたにしろ、お前の勝ちだよ。頑張んな」
アリーナとがっしり握手を交わした。
ハンが兵士に連れられ会場を後にした。レフリーがアリーナに次の戦いの為に薬草を使うか問う。疲労回復にと薬草をはんだ。たちまち疲れが吹っ飛ぶ。
力を取り戻し、軽く肩を馴らすアリーナを見て、レフリーは次の対戦相手を呼んだ。
「次の対戦相手はラゴスでございます!」
クロスボウを小脇に抱えた青年が現れた。
「始めっ!」
ラゴスと呼ばれた相手は矢を引き、アリーナに向かって放つ。アリーナは素早く左へ飛んで避け、矢は虚しくアリーナが今し方いた場所を切り裂く。
クロスボウは対象物を見極め、矢を射る。小さいながらも繰り出される凶悪なまでの殺傷力はブライが以前使っていたのを見て、流石のアリーナもこんなものにやられたらひとたまりもないと感じたものだ。
が。
クロスボウには欠点があった。
それは矢を補充するのと見極めて放つのに多少のブランクがある。
いくら使いこなせていても、こればかりは避けられない。
ましてやそのブランクを補える長距離離れているならまだしも、たかだかこのグラウンド、10mくらいの至近距離。
ラゴスは、アリーナのすばしっこさを知らないのだ。
第二矢をセットする前に、アリーナの鉄の爪が、ラゴスの顔面に炸裂した。
ラゴスが気を失い、グラウンドに散る。
「勝負あった!アリーナ様、二人勝ち抜きぃっ!アリーナ様、薬草は…」
「使わないわよ、何も怪我していないんだからっ」
「はっ!それでは次の対戦相手はビビアンでございます!」
ラゴスが引きずられてコロシアムを出ていくのと同時に、金髪巻き髪、化粧バリバリ、胸の谷間を強調したバニーが入ってきた。バニーが観客に投げキッスをして答える。
なんなの、こいつ…。馬鹿にして。すぐにこてんぱんにしてやるわ。
アリーナは右手の鉄の爪を握りしめた。
「始めっ!」
アリーナが胸部に向け、攻撃を仕掛けた。
「ヒャドっ!」
ビビアンが持っていたロッドから吹雪が吹き荒れた。あまりの吹雪に足一歩も出ないアリーナ。
「いやーんもうっ!アリーナったら自分が胸がないからって人のを羨ましがっちゃあ、だ・め・よ」
「羨ましがってません!!」
吹雪による冷傷に悶えた。それでも攻撃を加えようと身体の痛みに耐え、ビビアンに向かう。
「せっかちは…嫌われるわよ」
ビビアンの紅い口紅に彩られた口元がニヤリと歪んだ。
「バギっ」
ロッドから真空の風が舞う。
腕を身体の前でクロスし、上半身を守る。風が、腕を、足を鎌鼬のように斬り裂いてゆく。風が消え去った後に残った傷だらけで身体のあちこちの痛みに気を取られている人間の急所である右大腿部にその赤いハイヒールで力いっぱい蹴りを入れた。
激痛が、体全体に走る。
自身を支えきれず、グラウンドに背部からくずおれた。
いけない。このままではやられる…!
アリーナは薬草を取り出し、はむ。身体が急激に活力を増し、やられた右大腿部も痛みが和らいだ。
すぐさま体を起こす。相手を見据える。ビビアンは隙だらけだった。だが迂闊には近づけない。なぜならロッドの先の宝石が魔力解放を待っていた。
たぶんまた攻撃呪文だ。どこかで解き放ってもらわないと…。
アリーナは再び鉄の爪を構えた。ビビアンとじりじりと対峙する。
対峙したまま時間がどの位たったのかはわからない。汗が額を伝う。
進まない苛立ちに動いたのはビビアンだった。
「メラミっ!」
ロッドから放たれる巨大な火炎弾がアリーナを襲う。
直撃は免れたものの、火炎弾の熱気に当たってしまい、肌を焦がす。再び呪文を唱え始めるビビアン。そうはさせまいと火傷を負いながらも鉄の爪を煌めかせる。
爪が隙をついて胸元を殺ぎ、鮮血がばっと噴き出す。
「やったわねぇ!」
憤慨したビビアンはバギマを唱えた。だが呪文が発動しない。ビビアンの顔に露骨に焦りが浮かんだ。ベホイミを唱え、胸元の回復を促す。
アリーナとてその間は薬草で火傷を治す。完璧ではないが、身体はいつもどおりになった。
「アリーナぁ…」
ビビアンが困り顔でアリーナを呼ぶ。
「どうやら魔力切れちゃたみたい」
ビビアンはてへっと舌を出した。
ビビアンは人間サンドバッグと化した。
「アリーナ様三人目勝ち抜きぃっ」
ボコボコになったビビアンは引っ込んでいった。
アリーナは火傷に効くとクリフトから貰った薬を肌につける。肌が引きつくほどの酷くはない火傷だったので、治るのも時間の問題だ。
「次の対戦相手はサイモンでございます!」
フルアーマーの戦士がやってきた。
全身を鋼の鎧、鉄仮面で覆って、肌の露出が全くない。右手には破邪の剣、左手に鋼の盾。攻撃、守備共に優秀そうだ。
「始めっ」
アリーナは構えた。せっかちは嫌われるわよ…。先手必勝のアリーナも先程のビビアンの戦いで学び、相手を見ることにした。
アリーナが攻撃をしないのを見てサイモンが攻撃を仕掛ける。
のろのろのろ…。
ブンっ!
剣を横に凪ぐ。アリーナは後方へとジャンプし間合いを取る。再びサイモンはガチャガチャと鎧独特の音をたててのろのろと近づき、アリーナに向かって剣を下ろす。
剣技はなかなかなものの、鎧が重いのか動作がやたらとのろい。
アリーナは素早く相手の背後に回り、爪で攻撃をした。案の定、嫌な音だけたてて、鎧にはさしたる傷を負わせられない。
サイモンはがしゃんと切りつけられたほうへ方向転換し、剣を振るう。
動きの速さは私のほうが有利だ。だが爪が役に立たない。拳で殴りつけたら反対に自分が怪我をしてしまう。どうしたら…。
剣を避け、間合いを取る。
そうだ…。
アリーナはサイモンの背後に忍び、背中を力いっぱいに蹴りを入れた。
サイモンは真っ正面からグラウンドに叩きつけられる。わたわたした後ゆっくり起き出し、また剣を携えて、アリーナに向かう。
アリーナはまた背後に回り、蹴りを一発。またサイモンは倒れる。
なる程、鎧は傷つけられなくても中身は叩きつけられダメージを受ける。
それを何度か繰り返すと、こ、降参…とか弱い声を上げながら、サイモンは万歳した。
「アリーナ様、四人目勝ち抜きぃっ!」重装備は確かに防御面ではよいかもしれない。武器もいいものを使っている。だがこんなへたれみたいな倒され方でグラウンドを去るのだけは嫌だなとアリーナは思った。
「それでは…五人目…ベロリンマンでございます!」
観客がざわめく。流石にアリーナも呆気にとられた。グラウンドに来た相手は魔物だったのだから。
毛むくじゃらの体躯は毛が衝撃を和らげる。体型だけは馬鹿デカい。それと比例してパワーもありそうだ。
見た目は面白いが心してかからないと…。
アリーナは唇をきゅっと結んだ。
「始めっ!」
「何っ!?」
驚きを隠せなかった。ベロリンマンは四体に分裂した。どれも同じに見える。それらがアリーナに立ちはだかる。
わからないので適当な一匹を選び、爪で斬り裂いた…と思ったら手応えはなく、空を裂いただけ。幻はなくなり、本体が馬鹿にしたようにベロを出し嘲笑した。
と同時に拳がアリーナの腹部に捻り込まれる。鳩尾に入った。激しい痛みに声が出ず、衝撃に思わずグラウンドに倒れ込み俯せになる。息が出来ない。
なに、あれは…幻術…?マヌーサの類か…?マヌーサ?それなら…もしかしたら勝てるかもしれない…!
アリーナは薬草を使い、身体の痛みの軽減を図る。
鳩尾の痛みは消えないものの、立位は取れる。左手で鳩尾をさすりながら再び対峙する。
と。またベロリンマンが分裂し、四体になり、四体がアリーナに向けて拳を下ろす動作をした。
『アリーナ様。マヌーサは自分の姿を投影し、自分の分身を何人にも作り、あたかも何人もいるようにします。本体が動けば分身も同じ動きをしますから些か驚きますね。私も使うのでこれはあまり言いたくないのですが、マヌーサの弱点を教えましょう。それは、』
見定めた。
『相手がどこにいたかをまず確認してください。マヌーサを唱えた瞬間、分裂する前のいた場所に本物がいます』
「お ま え だ ! 」
鉄の爪が、巨大な体躯に突き刺さった。すかさす幻術など使わせないように素早く斬りつけ、これ以上は傷つくのは嫌だとベロリンマン自ら会場を出ていった。
「勝負あった!アリーナ様、五人勝ち抜きぃっ!」
レフリーの声に、会場がわあっと喚く。
倒せたのはクリフトのお陰だよ。アリーナは心の中でも呟いた。
再び薬草で回復し、次の試合を待つ。
あんなに騒ぎ喚いていた観客も、エンドール国王が立ち上がり、喋り出すととたんにしんと静かになった。
「よくぞここまできた、アリーナ姫よ。さぁ、これより武術大会最終決戦じゃ。デスピサロを呼んで参れ」
「はっ!」
グラウンドの入り口に佇んでいた兵士に伝えると、急ぎ足で迎えにゆく。
いよいよ最終決戦か。とうとうここまできたのね。後はデスピサロと戦えばいいだけ。一体どんな奴なんだろう…。
アリーナはアミ達を見た。アミ達は無表情で見守っている。
支援
何も応答のないまま時間がたつと会場がややざわめいてきた。これはいかんと再度国王は兵士に催促する。
「どうした?早くデスピサロを呼んで参れ!」
どうしたんだろう?
アリーナも兵士達の異常事態に困惑する。
「国王様!」
兵士が息を切らし、グラウンドから二階の国王へと叫ぶ。
「デスピサロを探したのですが、どこもかしこもおりません!」
「何、デスピサロがおらんだと!?うぅむいないものは仕方ない…。…エンドール武術大会優勝者はアリーナ姫に決定じゃ!!」
エンドール国王の決断に、会場が、はちきれんばかりに熱狂で埋め尽くされた。
花火が上がり、色鮮やかな紙吹雪が舞う。観客総立ちで拍手とアリーナコールが沸き起こり、アリーナを包んだ。
サントハイムでお姫様をしていたときだって、こんなに祝福をされたことはない。
アリーナは右手を上げて観衆に答えた。アリーナは国王を見た。国王は頷いていた。モニカ姫は安堵したような顔で国王に寄り添い、拍手を送る。クリフトは拍手をし、アミは両手で手を振っていた。ブライは…泣いていた。
「応援してくれてありがとう!!」
武術大会を共にし、歴戦をくぐった右手の鉄の爪が、太陽光を反射し、煌めいた。
投下終了かな?
乙です
乙ッー!!
これからしばらく修行してくるんで更新はしばらくないと思います。
一応報告しときますた。
感想ではなく要望ですが・・・
アミ ◆36yZlE15gsさん、2章でやめないで
続きを書いてほしい〜〜。
ムリかな?
>>278忘れたらいけないのは
ガチガチの文章ばかりが良い文章とは限らないからな、ってことだぞ。
頑張ってね。
281 :
魚間:2006/01/19(木) 23:59:52 ID:xFDp8H8F0
>>239の続き
困った。
部屋にはトイレは付いていない
ということはこの城の何処かにあるトイレを探さなければならない
悩んでいてもしかたがないのでとりあえず部屋の外に出る。
部屋の外も何も見えないくらいに真っ暗だった。
携帯の時計では現在午前四時。
この世界の時間と一緒かはわからないが俺が召喚される前の時間と
部屋から見た外の景色から判断するとだいたい合ってるだろう
無駄かもしれないがそれでも僅かな可能性に期待をよせる。
「あのぉーー、誰かいませんかーーーー?」
・
・
・
・
声は虚しく響いた。
自らナレーションをしてさらに虚しくなった
あの爺さん用があったら呼んで下さいとか言ってたくせに呼んでも来ないじゃないか
しかたない。やはり自分で探すしかない
テクテクテク
・
・
テクテクテク
・
・
282 :
魚間:2006/01/20(金) 00:24:08 ID:U4DfGJbB0
(約10分後)
・
・
テクテク
・
・
「ここさっき通ったっけ?」
ここは城のはずだ
何でここは迷路みたいなんだ?
どう考えてもおかしいだろ!
そんなことを愚痴っても仕方がない。
自分でもベタな展開と思うがまさに俺は迷ってしまった。
戻ろうにもすでに戻る道さえもわからない状態
こんなことなら部屋の窓からさっさとすませておけばよかった。
このままいくと我慢の限界に・・・いや、それどころではない
最悪のイメージが脳裏をよぎる
国中に配られる号外
見出しは【魔王、自分の城で迷って餓死(笑)】
開かれる記者会見
城に押し寄せる記者団
モザイクがかかり、あの機械で修正された独特の低いor高い声で
見た事も会った事もないはずの魔王についてのコメントをする魔物。
しかしそんな衝撃のニュースも持って一ヶ月。
一年後には『魔王○○?誰それ?』
しゃ、洒落にならんがな
創作文芸板で魔神発見応援sag
>>284 うおー!クォリティたけー!
第2部期待してまってます
288 :
284:2006/01/21(土) 07:09:03 ID:9pQ8QWTeO
>>286-287 読んでくれてありがとう
このスレが好きだから初めて書き物に挑戦、大学ノートで書き始め二ヶ月かかってやっとここまで出来ました
残りは余り時間を空けずに書いていって必ず完結させます
あと、読み返すとおかしい所が多かったので後日修正版をアップします
普通に面白い、読み込んでしまった
290 :
284:2006/01/21(土) 16:30:46 ID:czy5EeS30
>>290 読んだよ すげー
普通にオモシロス たかはしがんばれ
>>290 こう言ううpの仕方もアリだねぇ
一気に読める楽しみって言うのもイイね
作者さん二部期待してます
「よくぞ頑張ってくれた!本当にありがとう!そなたの今の姿を見ればきっと父王も喜んでくれるだろう!」
まだ興奮冷めぬ武術大会後、エンドール城謁見の間。アリーナの傷の手当てもそこそこに、戦いが終わって国王にすぐさま呼ばれた。
軽はずみで婚約を優勝商品にしたり、戦い疲れた者を都合で呼ぶなどつくづく傍若無人な人である。
自分の尻を他人に拭かせたエンドール国王は自分の行動を顧みず、ただ目尻に皺寄せ笑顔を作り、娘の結婚を帳消しにしてくれたアリーナに握手を求めた。
アリーナは心ばかりの椅子に腰かけながらはあ、と溜め息にも似た声を発し、エンドール国王のやや強引な握手に為す術もなく、されるがままだった。
まあ、武術大会を盛り上げてくれたとのお礼も多少はあるだろうが。
「私からもお礼を申し上げますわ」
優勝者が女性で結婚をしなくて済んだモニカ姫の顔には笑顔が戻っていた。血色も良い。
「戦いの様子を一部始終見させていただきましたわアリーナ様。お強いのですね。素敵でしたわ。ああ…アリーナ様が男性でしたら…。あら、私何を言っているのかしら?いやだわ。気にしないでくださいね」
「ΩΩΩΩ<な、何だってー!?」
「ちょwwwモニカwwそれ言わないwwwうぇwうぇwww」
「アリーナ姫がエンドールで武術大会を行うことをサントハイム国王は知っているのですが、会場にいらっしゃいませんでした。何かご存知ですか?」
クリフトが国王に問う。国王は王座に戻り、どっかりと腰を下ろした。
「王に通知はしたのだが返事が返ってこなかったのだよ」
「国王は国王なりの仕事があって来れなかったんじゃろうて」
ブライが白髪の髭を撫でながら言う。
「仕事っていってもねぇ…。王の前に一人の父親だし、自分の可愛い一人娘の晴れ舞台くらい仕事はほっといて来る努力はして欲しいねぇ」
あたしのごく真っ当な意見がなかなか通らないもんなのだよ、とブライは教えてくれた。
王との会話後、すぐにクリフトによる怪我の応急処置によって疲れこそまだ残っているものの、アリーナの身体の傷はほぼ全快。
アリーナは疲れているものの、優勝したことをサントハイム国王に知らせたいとすぐさまサントハイムへ帰ることを希望した。
異議はなかった。城をぶち壊し、サントハイムの税金の半分は城修理代にかけていると思われるおてんば姫に唯一誇れるものが出来たのだ。
このことをまさしく故郷に錦を飾ると言わないか。
彼女は言ってきた。私は武道家になりたいと。最近では『世界一の』がつくようになった。有言実行にて今まで培ってきた力を試せたのがこのエンドール武術大会。そして優勝。
これはあくまでも過程に過ぎない。自分の欲する道に努力を怠らず邁進すればいつかは自分の欲するものが手に入るであろう。
自分を信じて。
今はただ、サントハイム国王の元へと急ごう。
謁見の間を後にし、階段を降りてゆく途中すれ違う人々はアリーナに祝福を述べた。
アリーナは微笑みながらありがとうと礼を返した。
クリフトやブライは我が事の様に嬉しかった。
実に多くの人から祝福を貰い、ほくほく顔でエンドール城を出ると、城門に人が大勢固まっており、エンドールの兵士があたしたちの姿を見かけると、アリーナ様!この者が…と人垣を割いて導いた。
「アリーナ様…」
辺りに野次馬を呼んだ張本人はサントハイムの兵士。傷だらけで仰向けになり努力性呼吸(自然に呼吸を行えず、自分が意識して懸命に呼吸を行う)をしていた。
「ど、どうしたんですか、その傷!!」
クリフトがすぐに回復呪文の詠唱に入る。サントハイム兵士はか弱い動きで腕を振るった。
「何を!?」
兵士の思いがけない回復呪文の拒否に叫ぶクリフト。
「アリーナ様…。すぐに城にお戻りください…し…城が…」
兵士はそれだけあたしたちに伝えて、今し方動いていた腕が力なく地面についた。
クリフトは意識、呼吸が無いことを確認してから、あたしと連携して心肺蘇生法を試みるが徒労に終わった。
遺体はエンドールで弔ってくれるそうだ。丁重に礼を述べてあたしたちはブライのルーラでサントハイムへと舞い戻った。
城は見事に蛻の空だった。
「お父様!みんな!ねぇ!誰もいないの!?」
「奇怪な…どうしたことじゃ?どうして人っ子一人もおらん?」
城内部は荒れていなかった。何者かが争った形跡もない。ただ、城にいた人たちだけごっそりといなくなってしまった。
もし武術大会決勝前にこんな状態だったら通知をしても返ってこないのは当然といえば当然か…。
皆それぞれ別れて城内部をくまなく探してから一カ所に落ち合い、伝える言葉は「いない」。
二階の謁見の間、三階の国王と王女の部屋にあがったが一階と変わらない。
「皆何処へ行ったのでしょう…おーい!」
だがクリフトの声は響き渡るだけで反応は返ってこなかった。
アリーナがぶち破った壁から二階の屋根に降りると一匹の小さな猫がアリーナに懐く。
アリーナは猫を拾い抱き上げた。何かあったんだろうか。猫は細かく震えていた。
「懐かないミーちゃんがこんなになって…」
猫を拾って胸に抱きしめながら呟く。猫はにゃーにゃーと喚い「私、こんなあり得ないことにいつの間にかなっているとは思わなかった…」
アリーナの声が震えた。
「奇怪な…。もしや国王が夢で繰り返し見たということが現実になったのか?」
ブライの問いかけに誰も応答しなかった。
「これからどうしましょう…」
クリフトが呟く。あたしは提案した。
「…よく聞いて、皆。ねぇアリーナは、王様が今はいないけど、生きていると思う?」
そうであって欲しいと思う…。とか細い声で言う。
「この世界に王様がいるとしたら、探しに行く?」
…。猫を撫でながら下を向く。
「王様がいなくなりました。これではサントハイムは機能しない。隠していてもいつかはバレる。そしたら領内の人は混乱するよね。そこでサントハイム王国王位第一継承者のアリーナ、あなたが、今ここで即位しサントハイムを守るという方法がとれるんだけど」
「私は…」
下を向いていたアリーナはあたしに顔を見せた。緋色の大きな瞳は涙で揺らいでいた。
「まだ何も出来ないから…」
「まてアミ。ここでアリーナ様が女王として即位は可能だ。アリーナ様は何も出来ないと申しておるがそれは儂らが助け合えばよいことだ。だがいなくなった城の人達はどうなる?」
ブライが冷や汗をたらしながら質問する。あたしは、さぁね。そのままでしょうよ。と答えた。再び向き合う。
「アリーナ。あなたに出来ることは二つある。一つはここで今すぐ女王即位。もう一つはサントハイムをほったらかして王様を捜す」
「私は…。私は…」やや時間をかけたあと、答えた。
「お父様を捜す」
「あなたは王位継承者よ?国を治める人なの。ほったらかしにしていいの?」
「本当、この国に住む人には申し訳ない。私の我儘で迷惑がかかる。だけど、自分の大切な人が訳もなくいなくなって、はいそうですか、それまででしたねなんて出来ない」
アミだってそうでしょう?大切な人がいなくなったら捜すでしょう?諦めたりしないでしょ?と反対に問われ、あたしは閉口した。
「わかった。だけどもし結果が残念だったとしても?」
アリーナは小さく頷いた。
「アミさん…そんなこというなんて酷いですよ」
クリフトが訝しげに言う。酷くなんてないよ。仮定で聞いているだけ。それに、重大な事柄をすぐさま判断出来ないような女王に将来はなって欲しくないんでね。
「じゃあ決まり。あたしたちは王様を、城の人たちを探す。で、FA?」
城を眺めた。
長年住み慣れた城だ。旅をしている最中、三人はたまには帰りたいと願ってきた城だ。だが今は。設備はそのままだが迎えてくれる人がいない城は、なんだかよそよそしかった。
城内部には錠をかけられるだけかけ、魔物よけの聖水を振りまいて泥棒と魔物の侵入に備えた。城内部の人が帰ってくれば誰かしら合い鍵は持っているはずである。
「お母様、お父様が帰ってくるまで城を守ってください」
アリーナは城に向けて祈りを捧げた。あたしたちも倣う。
「それでは、いってきます」
「おはよう。朝よ。早く起きなさい」
ん…どうやら寝ていた様である。
よく聞きなれた声に反応し、体を起こす。話しかけてきた人をまず歯磨きをしてからと手振りをし、洗面台で歯磨きをする。
終わった後、椅子に腰掛けながら昨日買ってきた牛乳をちびちびやりながら一服する。ここでようやく一息。会話が出来る。
「なんだか気分悪そうだね。良く寝たからかな」
「良く寝れた…。うん。なんだか長い夢をみたような気がして」
「何の夢?」
「忘れちゃった。…ねぇ、これは、あたしがいるここは夢の中なのかな」
「夢じゃないよ」
ベッドに腰掛けながら、アリーナが答える。
「そうだよね。ここはサランの町の宿屋だもんね。で、アリーナは昨日エンドールで武術大会で優勝したんだよね」
「そうよ」
そうだよね…。またサランの宿で休めば、これが夢ならば、現実に戻れるかと思ったんだけど。
「サランの町にいるお父様の教育係にサントハイムの全権を任せたから。信頼出来る人だから安心ね。あとは友好国のエンドールに頼めば」
「本当にそれでいいの?」
「いいわ…。サントハイムの人を、お父様を捜す。それに…お父様の夢が現実になって城の状況があるならばそれを知りたいし…」
それに世界には強い人いっぱいいるでしょ?手合わせしてみたいし、と本音を漏らした。
「クリフトたちも付いて来てくれるし」
アリーナは窓を仰いだ。
「私一人じゃ何も出来ないし…ありがたいわよね」
「あたしたちの大切さをわかってくれた?」
「うん…大切というか…優勝したときアミたちを見て、応援してくれてたんだなって。喜びを分かちあえる人がいるっていいなぁと思った。一人で嬉しい、皆ならなお嬉しいってね」
どうやら…多少は成長しているようである。まだ若いからこれから学ぶところはいっぱいあるし、これからであろう。
「まぁこんな話はいいのよ。早く準備してよね」
あたしははぁいと返事して準備を開始した。
空は、見事な秋晴れ。雲一つなく青空が広がる。山裾は早くも赤、黄色と紅葉しだしていた。日はまだまだ暖かいが、吹く風はほんの少し寒さを纏う。
「遅いぞアミ!儂より遅く起きるなんてどういうことじゃっ。気持ちが弛んでおるぞ」
「朝っぱからそんなに怒らないでよ、血圧あがるよ」
「おはようございます、アミさん。昨日はよく休まれましたか?」
「寝過ぎて疲れたくらいよ」
これからまた、世界を股に掛けて、あたし達はサントハイムの人々を捜しに旅にでる。
これからの未来。出会い、旅、そして運命に。あたしたちは。
導かれし者たち。
「ほら行かないなら先に行くよ!」
「アミ〜、待ってよ〜」
「アミさん、アリーナ様〜置いていかないで下さいよ」
「仕方ないのう…」
走るあたしをアリーナが、クリフトが、ブライが追いかける。
あたしの探求(クエスト)すべき道は、アリーナ達と一緒。この空の下…。
さあ、ゆこう。
あたかも続きがあるような感じになりましたが、これで完結です。
続きはありません。これ以上は4の人と被りますので。
応援、批判、訂正してくださった方、何より読んでくださった方。ありがとうございました。
書記様>体調はいかがですか?
保管ですが、誤字脱字が酷い駄文ですのでアミ◆36yZlE15gsの文章は一切保管しないでください。
それでは名無しに戻ります。本当にありがとうございました。
お疲れさまでした
本当に楽しめる作品をありがとう
本音を言えば被るのだけが理由なら終わって欲しくありません。
4の人も他の人が4の5章を投下できないなんて暗黙のルールができてしまったら
決していい気分はしない(それどころか気を遣ってやめかねない)と思うのですが。
それとは別にアミさんがここで終わりたいのでしたら
無事完結おめでとうございます。本当にお疲れ様でした。
離れて久しい私のふるさとは、何の謙遜もなく、まったくの田舎である。
春にはレンゲが咲き苺の香りが空気を染め、夏の風は青く茂った水田を爽やかに巡っていく。
秋になれば色鮮やかな木々が山を賑やかし、冬は痛いほど澄んだ空に満点の星が輝く。
そしていつの季節にも大気には柔らかな草や土の匂いがまじり、私の心を慰めてくれたものだ。
だから、であろうか。
寝覚めの悪い頭で、長い間帰っていない故郷の生家を、ぼんやりと思い出したのは。
ほのかに石鹸の香る柔らかなシーツと、木造りの壁。それは懐かしいいなかの雰囲気と
とてもよく似ていた。似ていた、が、それだけだった。
見覚えのない箪笥に見覚えの無い燭台――そもそも燭台などというしゃれたものは我が家にはない。
上半身を起こしふと見下ろしてみれば、自分が横たわっていたベッドすらも全く見知らぬ代物だ。
そして私は、何気なく周りを見やる……
……
…………
あああああああああ!!!1!!1!
そんなこと冷静に語ってる場合じゃNEeeeeee!!!!
いやいやいやいやかん、違う、いかん、おつちけ、おちけう、餅つけ、いやいや落ち着け自分。
非常事態発生、至急状況を確認せよ。イエッサー。
室内を見渡す。質素な家具が一通り揃っており、壁に据付けられた一輪挿しには、見たことのない
花が大輪を咲かせている。天井には蛍光灯ではなくランプがぼんやりと光っていた。
静かだ。テレビも無い、ラジオも無い、車の音すら聞こえない。
思わず見なかったことにした窓辺に、おそるおそるもう一度向き直ってみる。
まっくら、暗い、くらい。どうやらまだ夜のようだった。それならもう一度眠ろう、これは夢だ。
そう思って、いやむしろそう願って、私はふかふかの布団にもぞもぞと潜り込んだ。
……寝られん。というか、まったくさっぱり眠くない。どうやら体内時計はすっかり朝のようで、
朝食を求めてすきっ腹がごろごろと唸っている。
仕方なく床を抜け出す。くたくたのシャツにカーゴパンツ。これ、昨夜コンビニに行ったまんまの
格好じゃん。
いつもならワンルームの部屋でベッドから抜ければすぐにキッチンで、朝一番に熱いコーヒーを
淹れて食パンをトースト、といった具合だけれど、今日ばかりはそうもいかない。
――今日だけで済めばいいのだが。
部屋を出ると、そこは通路だった。右と左しか分からないまま、辺りを不審げに見回しながら
そこを進んでいく。私が後にしたのと同じような扉が、二三並んでいた。
その先で私を待ち構えていたのは、
「おはようございます。それではいってらっしゃいませ」
頭から爪先まで、緑色の服にすっぽり身を包んだ恰幅のいいオヤジだった。口ぶりからするに
ホテルのサービスマンのようだ。にしても派手な服だなおい。
ホテル、というより、ペンションだろうか。いや、この際そんなことはどっちでもいい。
宿に泊まった覚えなんてないし。第一ひとり暮らしでかつかつのフリーターにはホテルに泊まる
金なんてない……ん?金?
「あの、お聞きしたいんですけど……お金、はその、どれくらい」
「いやだなあお客さん、昨夜お泊りになるときにきちんと頂いてますよ」
…え?
「ああ、そうだそうだ。お連れの方はもう発ってしまいましたけど、よろしかったんですか?」
……は?
「お連れの方? って?」
「昨夜、あなたを担ぎ込んできた方ですよ」
………話がよく分からない。
「あなたは気を失ってらしたから覚えてないでしょうけど。お連れではないんで?」
「な……何のことでしょう」
狐につままれたような顔の私を見て、派手なホテルマンは一瞬だけ眉をひそめる。けれどすぐに
それを引っ込めると、商売人のあこぎな顔に変わった。
「まあともかく……チェックアウトということで。お部屋にお荷物のお忘れはございませんか?」
「え、あの、いやいやいや、困ります」
突然人をうっちゃるような態度に、思わず口を挟んだ。右も左も……いや、それは分かる。けど
北も南も分からない私を追い出そうというのか、この緑色したデブは。ピザでも食ってろよ。
ていうかピザ食べたい。腹減った。
「はあ、困ると言われましても、こちらも商売ですんで……」
「でも、これからどうしたらいいか分からないんで、今すぐ出て行けと言われましても」
「そのようなことをおっしゃられましても、こちらも商売ですんで……」
「食事だけでも」
「当宿屋には食堂はついておりません。恐縮ですがこちらも商売ですんで……」
何この無限ループ。出て行く以外の選択肢は無いとでも言う気か。
「じゃあせめて、もう一泊」
「代金はお一人様1ゴールドになります」
「……ちょっと待っててください、部屋見てきます!」
もと来た廊下をあてずっぽうで走って戻る。「ゴールド」とかいう言葉の意味は分からなかったが、
要は金だろう。しかもたったの1。一。いち! それなら財布があれば何とか……
「あの、申し訳ございませんが現金のみでのお支払いになっておりますんで……」
何とか……ならなかった。
部屋にかかっていたくたびれたピーコートの中には、かろうじて小銭入れが入っていた。
今の全財産、964円。緑のたぬきの前にじゃらじゃらと小銭をぶちまけたが、奴は首を横に振る
だけだ。れっきとした現金を前にして何を言うんだこの緑のたぬき。
「ですからゴールドでお出ししていただきませんと。第一、『えん』なんて通貨知りませんよ」
何度掛け合ってみても、これだ。
最終的には、「では、またのお越しをお待ちしております」の一言と共にむちゃくちゃいい笑顔で
見送られた。二度と来るか!
行く当てもないし、もちろんどうしてこんなところにいるのか、それすらも分からない。
とりあえず何かしらの情報を得るために、私は宿屋を後に歩き出した。
――――――――――――
唐突に始めてなんかごめん。
最後まで書けることを祈りつつ、のんびりやってくよ。
(T-T)アミさんお疲れ様でした!
>>アミさん
続き、読んでみたかったですが完結お疲れさまです
このスレで初めての完結作品ですね!
また何か書きたくなるのを期待してますw
ところでエイコタンは名無しに戻っちゃうし魔神は修行に行っちゃうし
他の職人さん達も毎日更新できる訳じゃないし。
落ちる予感。
>>306-308 ――まだ夜じゃないか。ひどい宿屋もあったものだ。
古めかしい石畳の道を踏みしめながら、私は溜息を一つはきだした。ピーコートの襟元をしっかりと
重ね合わせる。日が差さないとやはり冷える。こんなに朝日が待ち遠しいのは久しぶりだ。
辺りを見渡しながら足を進める。見覚えのない町並み、というか、変な町並みだ。
コンクリ舗装でない道やら、電信柱もない風景やら、暗くてよく分からないが遠目にはお城のような
ものも見える。
ゴールドとかいう通貨、何故か不自由しない言葉。
少なくとも北に拉致された、というわけじゃなさそうだ。第一今いるところは情報番組で映される
あの寂れた景色じゃなく、そう、むしろ昔世界史の資料集で見たような、中世ヨーロッパのような
感じがする。当然日本でもないに違いない。
日本どころか、ここはどうも私の知る世界ですらない気がする。
あー……きっと私は本当はこの世界の生まれで、どこかの国の王様になるべき存在で、昨夜眠っている
間に麒麟が私を迎えに……というのは冗談にしても。とりあえずここはどこだ?
そうこうしているうちに、随分と人気の無いところまで出たようだった。
辺りには草木が生い茂り、足元も石畳から踏み固められただけの土の道に変わっている。時計も携帯も
無いから分からないが、とりあえず結構な時間歩き続けてきたはずだ。
まだ日は明けないのか、日は! いや落ち着こう、怒っても仕方ない。多分宿を出たのが夜になった
ばかりだったんだろう。……あの緑饅頭め。
ぐちぐちと文句を言いながら、私は未知の土地をずんずんと進んでいく。
そのときだった。
草むらがガサガサと音を立てる。不意に生き物の気配を感じて、私は意識をそちらへ向けた。
……
……
……なにこれ。
赤い、ぶにぶにした、ゼリーに顔がついたような変なものが四つほど、群れをなして現れたのである。
そして驚いて思わず後じさりした私に、そいつらは飛び掛ってきた! ていうか生き物なのかよこれ!
ひとつ、いや、一匹が足に、もう一匹が身体に、そして残り二匹は背中めがけて体当たりを繰り出す。
うわやめろ服汚れるこのコート一張羅なのに!とかくだらないことをとっさに考えた。が、それどころじゃ
ない。痛い痛い痛い!痛い!!
柔らかくてプルルンな見た目と触感をしているくせに、パワーはかなりのものだ。ぶつかられただけで
すっころんで、思い切りしりもちをついた。
それを狙ったように、後ろに回った二匹が頭を狙って落下してくる。それを文字通り死に物狂いでよけ、
足と腰にへばりついた二匹を字面通り半狂乱になって振り払い、私はよろよろと立ち上がった。
こんなふらふらな状態で逃げても、多分追いつかれる。そもそも足だってそんなに速いほうじゃない。
やっつけるしかないだろう。
突然暴れだした獲物にひるんだ笑うゼリー達から少し距離をとり、私は道端に転がっていた枝を手に取った。
若干都合が良すぎる気もしないでもないが、今はそんなこと気にしていられない。気にしていたら物語なんて
ちっとも進まないのだ。
再び飛び上がって突撃してくる一匹のぶにぶにを、思い切り打ち払う。ホームラン! 高校時代、伊達に
ソフト部でマネージャーしていたわけじゃない。……あんまり関係ないか。
その不幸なスマイルゼリーくん(命名私)は勢いよく道の脇の石にべしゃっと叩きつけられ、動かなくなる。
……死んだ? 殺しちゃった? ていうか本当に生き物?
いろいろなことが脳裏をよぎる。ゴキブリ以上のサイズの生物を殺すのは初めてだった。
仲間がやられたのを見て危険を感じたらしい残りスマイルくん達が、ちりぢりになって逃げ出していく。
私はそれを呆けたまま見送った。とりあえず危機は去ったようだった。
本当にここはどういうところなんだろう? 人はいた。町もある。変な生き物がいて、人を襲ってくる。
結局誰にもこの世界のことを尋ねられないまま、民家の集落を抜けてしまった。
まあ真夜中だし、こんな時間に戸を叩くのは失礼にあたるだろう。
幸い道もあることだ、このまま歩いていけば新しく街が見えてくるに違いない。多分。
今のうちに聞きたい事柄を纏めておくことにした。
ひとつ、街の、もしくはこの国の、もしかしたら世界の名前。それが分かるだけでも随分と気は楽になるだ
ろう。もしかすれば、帰る当てが見つかるかも知れない。
ひとつ、経済事情。「ゴールド」って何なんだ。
そして何より、あの赤くてぷにぷにの笑う軟体生物らしきもののこと。あれはいったい何だったんだ。
またしばらく時間が経った。
ゼリーにぶつかられた脛は、多分黒ずみにでもなっているのだろう、じくじくと痛みを訴えてくる。
そして何度目になるか分からない溜息をはきだそうとして……私は息をのんだ。
竜だ。すらりと長い胴体、淡い紫色の鱗を夜の闇にきらめかせる、美しい竜。
昔話や漫画やゲームなんかでは嫌になるほど目にしてきた姿だったが、こうして本物の目の前に立つと
その雄雄しさ、気高さがよく分かる。
そしてその竜はゆっくりと目をあけると、
「あああああああ!! 熱い熱い熱い!!!!」
ものすごい炎を私めがけて吐き出してきた! こいつも人を襲うのか! 何で竜なんているんだ!
かろうじて火の粉をかぶるだけで逃れ、ささやかながら武器である枯れ枝を見る。先端が見事に燃えて
なくなっていた。背筋がぞわりと粟立つ。うまくかわせなければ、私もこうなっていたのだ。
私の意識が消し炭になった枝先に向いている間にも、竜は次の攻撃に身構える。
そのときだった。
「危ない、退がれ!」
私は思い切り後方に引っ張られ、その勢いで本日もう一度、見事にすっ転んだ。
打ち付けた腰をさする私を尻目に、ひとりの人間が竜の前に果敢にも立ちはだかる。突き飛ばしたのは
あんたか!
文句の一つでも言ってやろうかとして、……自分が助けられたことに気づいた。一瞬前に私のいた場所が、
見事に黒焦げになっている。
はっと顔を上げた。銀髪の、すらりとした女性がそこにいる。盾をかざして立っているところを見ると、
どうやらあの炎を防ぎきったらしい。アンビリーバブル!
突然あらわれたもうひとりの人間に、竜はぎろりと鋭い瞳を向ける。標的は私から彼女に移ったようだ。
今なら逃げられる。……でも、腰が抜けた。立てない。
「バギクロス!」
彼女は迫り来る紅蓮に手をかざすと、謎めいた言葉を放つ。次の瞬間、女性の細身を灼熱の炎が包み込んだ。
あれではいくら防いでも防ぎきれるものじゃないだろう。私は悲鳴をあげ……いや。
「……!」
突如巻き起こった旋風が、炎を竜に押し返したのだ。反撃されるなどとは思っても見なかったのだろう、
竜は降り注ぐ火の嵐に後じさりをする。
「今だ、逃げるよ!」
彼女は振り返り、へたりとしゃがみこんでいる私の腕をがしっと掴む。その出で立ちからは想像もつかない
馬鹿力で、私は引きずられるようにその場から走り去った。
竜の姿が見えなくなるまでがむしゃらに走って、大木を見つけてその下にうずくまる。
そこで初めて、私は自分の命の恩人の姿をまじまじと見つめることができた。
短い銀の髪に褐色の肌。青い目。西洋風の顔立ちでもないが、日本人のはずもない。ついでに見事な
ボンッキュッボンのスタイル。……美人だ。私と同じ生き物には到底思えない。私だって「並だ」という
程度の自信はあるが……やめよう、悲しくなる。
そして彼女は気風のいい喋りの、何とも派手なお姉さまだった。
「あんたねぇ、そんな格好でこんな野っ原歩いて、死にたいわけ?」
私はその一言にかちんときた。思わず言い返す。
「そんなって……別に普通じゃないですか。あなたこそ、恥ずかしくないんですか、それ」
それ。黒いぴったりとした上下に、黄色いショートベスト。腰元にはベストにあわせたヤマブキ色の
スカーフが巻かれ、その下に短剣がちらつかせている。銃刀法違反じゃん。
盾に麻の丈夫そうな袋がくくられていて、それを背負っている。ファンタジーの旅人のような格好だった。
しかし彼女はそれの何がおかしいのか、とばかりに顔をしかめる。
宿屋のアオカビ生えた饅頭みたいなオヤジといい、全身タイツの美女といい、この世界の常識は、どうも
私の常識とは随分かけ離れているようだ。
「まあいいよ、とにかく街まで戻ろう。ここいらは強い奴も多いからね、油断してるとすぐにやられる」
いかにも軟弱そうな私を見て、「こいつを放置したらのたれ死ぬ」とでも思ったのだろう。彼女は皮手袋を
はめた手をすっと差し出した。強い奴、というのは、あの竜みたいな生き物のことなんだろう。
「あたしは盗賊のミモザ。あんたは?」
分からないことは増える一方だったが、彼女についていけば何か分かるかもしれない。その一縷の希望と
共に、私は彼女――ミモザの手を取る。
「私は……クロベ」
クロベ Lv1
フリーター
HP 6/17
MP 0/1
E かれえだ
E ピーコート
320 :
元書き手:2006/01/22(日) 14:49:16 ID:qSbxJOiJO
正直もうこのスレ終わりだと思う。初代からずっと関わってるけど職人が厨臭くなった。
別におもしろくないってわけじゃないよ。話自体は凄くおもしろいし更新が楽しみなのは今もかわらない。
ただ過剰に他の職人や読み手と馴れ合い過ぎなんだよ。結果雰囲気悪いとか言って出ていくとか宣言するアホがいるし。一体何様よ?
おまえらマンセーされたくて書いてんのか?職人が自己満足で淡々と投下して、その上でおもしろいとか
おもしろくないとか思ったやつがレスすりゃいいんだよ。ツマンネて言われて凹むような奴は最初から書くなや。
忙しくて更新できなくてごめんとかその程度ならわかるけどそれ以上のプライベートとか必要ないだろ。
雰囲気雰囲気言うけど確実に今の状況を作り出したのは過度に馴れ合う職人でありバカの一つ覚えみたいに乙コールする乞食共だ。
要するに職人はオナニーしてれば良いわけだな?
参考にさしてもらう。
アミタソ乙でした
保管に値する文章だと思うんだけど
>>all
変な人は華麗にスルーでヨロ
>320
把握した
>>320 言いたいことはわかったけど、元書き手とかいちいち自己主張する必要があったの?
受けなかった負け犬がおもろいって言われてる職人に嫉妬してるようにしか見えないよ
たしかに2chでは職人にしろ糞コテにしろコテハン同士の雑談はそれだけで拒絶反応がおきたり、叩きの対象になるからね
簡単な賛辞やアドバイスならコテでもいいかもしれないけど、長くなりそうな雑談やなんかは名無しでやったほうがいいかもね
まぁ、過疎化の原因はそれだけじゃないと思うけど
職人さんばかりに責任を押し付けずに、読者も少し考えたほうがいいんじゃない?と僕の意見ですがね
>324
乙
つーか、初代スレからいる身としては、昔より明らかに雰囲気良いと思うんだが。
前は、投下されても誰も乙の一言もなく、その上、職人そっちのけで議論する始末。
なんだか、ずっと妙な粘着も張り付いてて、雰囲気最悪だった。
それに比べりゃ、今は上手くいってるほうだと思うよ
>>319 読みやすくて好きです。
頑張ってください
>>305二回目の投下で主人公が女性だった事に気づいたw
がんばれー
>>アミさん
乙。お暇でしたらまた、なんか書いてくだされ
ほ
保守
331 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/24(火) 22:40:55 ID:bE3uMilO0
ここは駄文の集合したスレですね
キ // /::::://O/,| /
ュ / |'''' |::::://O//| /
.ッ \ |‐┐ |::://O/ ノ ヾ、/
: |__」 |/ヾ. / /
ヽ /\ ヽ___ノ / . へ、,/
/ × / { く /
く /_ \ !、.ノ `ー''"
/\ ''" //
| \/、/ ゙′
|\ /|\ ̄
\|
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ) < 無視すれば良いだろ
(⊃ ⊂) \
| | |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(__)_)
クルッ _____________
∧_∧ /
( ・∀・ )彡<お前が家や学校でされているようにな!
⊂ つ \
人 Y  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
し (_)
埋めマンさん帰ってこないかなぁ
4の人と総長は頼むから完結させてくれ…
こんだけワクテカさせといて引退はひどすぎるorz
こんな生殺し状態いやだー
4の人、俺は待ち続けるぜー
もちろん他の職人さんも
338 :
魚間:2006/01/27(金) 01:53:26 ID:OJfRCd2c0
>>282の続き
更に10分程迷っていると曲がり角の先からほんのりと明かりが見えた。
「まさか人が!それともトイレか?」
高まる期待と尿意を抑えつつ駆け出した。
曲がり角までがやけに遠く感じる
そして角を曲がるとそこに待っていたのは
ほんのりと光る床だった。
段々血圧が上がっていくのがわかる
期待を裏切られた事もあってか俺のストレスも最高潮に達していた。
「このぉ腐れ床がぁー!平面の分際で人間様を騙していいと思っているのかー!」
そう叫びながら俺は八つ当たり気味に床を踏みつけた。
が、次の瞬間
「あべぉびょら〜〜◎△★求`◆Å〃♀〜!?」
全身に電流を流されたような(いや流されたことはないんだけど)衝撃と激痛が走った。
・
・
・
危ない危ない。もう少しでチビるところだった。
後退りながら一瞬そんなことを思ったが衝撃と痛みに耐えきれず、
俺の足は限界を迎え、倒れていく。
床が目前に迫ってくる。反射的に体を支えようと身構えた
冷蔵庫がない…
とりあえず保守。
降臨待ち。
夜中の木陰は暗闇でしかなかったが、ミモザがつけた携帯ランプ(……だろう、多分)のおかげで互いの顔は
よく見える。先程の竜――サラマンダーというらしい――や他の獣が姿を表す可能性も無いとは言い切れない。
もうしばらくはこの場から動けそうに無かった。
……いろいろなことがありすぎた。
目を覚ました途端、わけのわからないペンション?にいる。私はどこかで気を失っていて、それを誰かが拾って
そこにとどけられたらしい。
「ところで、えっと……ミモザさん、今、何時くらいなんですか?」
「今? ちょうど昼を過ぎた頃だね。腹でも減ったのかい?」
「……は?」
昼頃? どうみても真夜中じゃないか。こんなまっくらなのに、昼? 馬鹿も休み休み言え、ってなものだ。
「それどんな冗談ですか」
「冗談? 何のことさね。ほんとのことを言ったまでだよ」
干した肉やら固パンやらを取り出しながら、ミモザは事も無げに言ってのける。嘘をついているようには見えず、
それが妙に
「だってお日様も射してないのに、」
「――ここにはね、太陽がないんだよ」
紡ぎかけの私の反論を遮って、彼女はぽそりと呟いた。
私は言葉をなくして上を見る。なるほど、そこには太陽の光はない。しかし、よくよく眺めてみれば夜空だとも
思えない。月もなく、星もない空。そのくせ雲が流れていく様がはっきりと見て取れるのは、どう考えても奇妙な
光景でしかなかった。
「本当に夜になるとね、何も見えなくなる。文字通りの真っ暗闇さ。さっきは太陽が無いと言ったけど、少し違う。
この世界はね、闇に覆われてるんだ。だから日の光も、月の光も届かない」
そう言うと、ミモザもまた上を見やった。頭上を雲が流れていく。
「あの……ここはどこなんですか」
人を狙って襲う生き物、光のない世界。私は、彼女に問いかけた。
「ここはアレフガルド。……知らないってことは、あんたも『落ちてきた』の?」
「『落ちてきた』?」
解らない言葉を、そのまま聞き返す。ミモザはうなずいて、口を開いた。
「アレフガルドの上にはね、別の世界があるんだよ。あたしはそこから落ちてきた。そういう奴は多くないけど、
珍しくもない。クロベ、あんたもそうなのか?」
「それってどんなとこですか!? 帰れるんですか!?」
「ちょ、ちょっと……落ち着きなよ。そう一度に尋ねるもんじゃないって」
にわかに色めきたった私に、ミモザは少したじろいだ様子だった。けれどそんなことに構ってる場合じゃない。
これはいきなりの手がかりなのだ。私が帰るための。
「まあそうだね。一言で言えば……帰れる」
彼女は、言った。そう、はっきりと。
「帰れる? 本当に? 今すぐ?」
「出身の国は? 知ってりゃ送ってやるよ」
ちょっとコンビニでも行かない?的なノリでミモザは言う。そりゃそうだ、家に帰るだけのことなんだから。
これで明日には変な夢を見たと友人に笑って話せるだろう。顔の筋肉が緩むのを感じながら、私は帰る先を
彼女に告げた。
「日本です」
「……ニッポン?」
けれど、返ってきたのは怪訝そうな声だった。
「どこだい、それは」
「……え?」
「あたしの知る限り、そんな名前の国は聞いたことがないよ」
そのミモザの一言は、私を絶望の底に叩き落すにはあまりにも十分だった。
343 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/28(土) 09:57:57 ID:AezfiOoy0
あげるか
344 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/01/29(日) 14:59:26 ID:f/l5cyaxO
過疎
保守
346 :
書記 ◆nUtX8ZK/82 :2006/01/30(月) 23:56:01 ID:nnihZGBg0
まだこのパートスレいきてたのかwww
4の人と総長は帰ってきたのか?
>>347 4の人は去年の10月頃にエスターク戦をうpってたはず
>>348 マジか!
ちょっ、過去ログ漁ってくる
>>349 10月にデスパレス、12月にエスターク戦だったwwwっうぇww勘違いktkr
すごいいいところで止まってるから続きが気になってしかたないよ4の人…
10月に来て12月に来たから2月にも来てくれたらいいなあ。
「あ…あぁ…姫様…姫様ァァァァ!!!」
クリフトの叫びに反応し、視線が集中する。
最初は、それが何か解らなかった。
何が居るのか、何が起きたのか、何が進んでいるのか。
何一つとして解らない中で、それでも今迄の経験が俺にドラゴンキラーの柄を強く握らせる。
ズルリ。何かを引き摺るような音。
アリーナの腹から生えていた腕が見えなくなると同時に、かくん、と、彼女の足が崩れる。
皮肉にも、腹を突き破っていた腕がそれまで彼女を支えていたのか。
支えを失った彼女の身体は、力無く神官へともたれかかり――そのまま、二人とも倒れこむ。
「姫、様――ウワァァァァァ!!…お前はあああ!!」
クリフトが術の詠唱を始める。
今まで聞いた事の無い、言葉。渦巻く怨嗟、滅びの念!
「待て!クリフト、先に――」
ソロの制止の言葉も届かず、呪文は完成する。
それこそ――。
「集団即死(ザラキ)ィィィィィィィ!!!」
組まれた手が方向を定め、神官の背から吹き上げる黒い炎!
とぐろを巻くように頭上で一回転した後、一直線に突き進み、アリーナを傷つけた腕の主を包み込む!
ぐらり、と。はっきりと目に見える。ヤツの身体が傾ぐのが。
「――やった!」
快哉の声を上げるクリフト。そんな彼に――駆け寄る、ソロ。
「……なるほど、ザラキ、か……」
響く声に、クリフトの身体が固まる。
「一瞬で対象の血液を凝固させる…決まれば必殺の術か…かなりの錬度が必要であろうに、その若さで中々優秀では無いか。
だが、惜しいかな…魔族の王たる私には、効かぬ。――極大、焦熱(ベギラゴン)」
無造作に払われる魔王の腕。
たった、それだけで。漆黒の炎は吹き散らされ、新たに生み出された、留まる所を知らない灼熱の業火が大きく顎を開きクリフトを呑み込まんとする。
動けない。今、自分が動けば――その炎は、足元のアリーナを灼き尽くす。だから、クリフトは動けない。
倒れたアリーナを抱え、棒立ちのクリフトに飛び掛り、何とかその範囲外に弾き出したのは、ソロだった。
だが…無傷とはいかず、足が真っ黒く炭化してしまっている。
「…ソロさん…!」
「ぐっ…俺は、大丈夫だ、自分で治せる…クリフト、アリーナを治してくれ…」
その言葉にはっと我に返ったか、すぐにアリーナへと治癒呪文をほどこす。
「う、っく…はぁ…はぁ…ベ、上位治癒(ベホイミ)…」
まるで命そのものがこぼれていくかのように流れ出ていく真っ赤な血液を、クリフトは少しでもアリーナの身体に戻そうとする。
赤黒く染まったその両手を、腹に当て、しきりに治癒呪文を唱えている。
それに、興味を失ったかのように全く頓着せず…悠然とフロア内を進む、その、男。
誰一人として動けない。彼の者が発するプレッシャーに押し潰されないようにするのが精一杯で――俺は勿論、ソフィアすらも――。
やがて、男が眠りに就いたエスタークの前に立つ。
「……エスターク帝が敗れたか。流石にやってくれるものだな……」
ちらり、と見上げていた視線を横に逸らす。
そこには、マーニャがいた。
「――まさか、ベギラゴンだなんて……いやね……上には上がいるの……?……だけど!
私の妹分、弟分をこれ以上やらせはしないよ!」
鉄の擦れる音が響き、マーニャの扇が開かれる。
呪文一つの威力では、劣れども。その練り上げる速度での勝負に持ち込む。
その意図を、付き合いの長い俺は理解した。
刹那の間。
「メラ――」
「――遅い」
サッと中空に舞う血飛沫。圧倒的な踏み込みで、マーニャが十分と見た距離を踏破し、その剣を振るう――。
マーニャの呪文が遅い、だって?
そんな事があるものか!違う、あの男が…疾過ぎるんだ…!!
「…術に関する天賦の才があるようだな、女…だが、それは武術を疎かにして良い理由にはならん。…惜しいな、その才能すらあるというのに」
スローモーションのように、ゆっくりと倒れるマーニャ。
一撃、だ。アリーナも、マーニャも、女性の身であるとはいえ、彼女たちを一撃で昏倒させる事が出来るヤツなんて…。
「…予言は成就しエスターク帝は敗れたが、好都合と言えば好都合か。幸い、勇者はこの場に居るのだからな」
びっと剣から血を払い、再びゆっくりと歩き出す。
「――デス、ピサロ……」
ソフィアが、ぽつりと名を呟く。
ダメだ、と押し止めるには、余りに距離があり過ぎた。それに、この重圧の中、何か行動を起こせたとも思わない。
「デスピサロ!!!!!」
引き伸ばす事無く、すぱっと響き渡る言霊で魔王の重圧を打ち破る。
それはあたかも、言葉をぶつける、のではなく、言葉で相手を斬りつけるかのように。
タンッ、重力に反発し空を舞う音。
デスピサロが、上空からの強襲を受けるべく剣を構える。
ッキーーーーーーーーーーン!!!!
金属と金属がぶつかり、弾かれ合う音が響く。
着地、二の太刀三の太刀と、ソフィアは止まる事無く剣を繰り出す!
「お前が…!お前が……!!」
「……!?バカな。何故貴様――」
「お前が、殺した!父さんも、母さんも…師匠も長老も…!!シンシアモォォォォ!!!!」
初めて見せる魔王の動揺。呟かれる疑念は即座に慟哭でかき消され、デスピサロもまたすぐに正気に返る。
唐竹、袈裟、逆袈裟、上から叩きつけるような斬撃。
打ち下ろし、打ち下ろし、打ち下ろす、単純な動きにデスピサロは全く揺るがない。
いつものソフィアなら、それはフェイントだ。上へ注意を引きつけておいて、足元を崩す。
デスピサロもそれを見越してか、反撃らしい反撃を行わない。
だが、俺は――いつも彼女の姿を眼で追っていた俺は、いち早く気付いていた。
彼女の剣にあるのは、怒りと迷いのみ。そこに駆け引きなどありはしない。
すぐにデスピサロもそれに気付くだろう。だから、自分の足を拳で叩き、震えを止めて、俺は駆け出した。
「シンシア?…誰の事だ。いや、大方それもあの村の者の名か。
そういえば、擬態(モシャス)で貴様に化けた娘がいたが…」
ソフィアの剣が軽いのは、確かにあるだろう。
だが、それにしたとしても――例えそれがライアンやソロであったとしても、デスピサロが傾ぐ事は無いのでは無いか。
彼奴の強さなどというものをこの俺が計り知れるとも思わないが、今迄の戦いでソフィアをああも簡単にあしらう者はいなかった。
「なるほど、それ故に私を殺すか…道理だな。
だが、妙だ。筋が通っているというのに、何故、そんなにも貴様は迷っているのだ?」
打ち下ろした剣が迎え撃つ剣と噛み合い、鍔迫り合いが発生する。
それも、デスピサロは受けるだけ。ソフィアが押し込むが、デスピサロはそれに対抗する為の力のみを発揮している。
ソフィアを覗きこむかのように顔を近づけ、瞳を見据える魔族の王。勇者と、魔王の、邂逅。
口を開くソフィアだが、言葉が続かない。
彼女は未だ失語の影響で、咄嗟に雄弁なる言葉を紡ぐ事が出来ない。
「……ソロが居るという事は、貴様たち、ロザリーに出逢ったな。
何か吹き込まれたか……」
ちらりと視線をソロへと向けるデスピサロ。
ソロは、雷撃招来(ライデイン)の術を練り上げ解放するタイミングを計っている。
ソフィアが長く時間を稼げると考えれば、マーニャの治癒へと向かうのだろう。
それをしていないという事は、つまり――そういう事、だ。
「…どうして、人間を滅ぼそうとするの!?ロザリーと一緒に、二人で…ロザリーヒルの皆と一緒に、幸せに…暮らせば良いじゃない!?」
「それは…今更だ。もう、遅い。
それに人間を滅ぼさねばならぬ事に、変わりは無い。…人が生きていれば、いずれロザリーは…」
「そんなの…そんなの解らない…」
「解らない?本当に、そう思うのか?違う。これは確定した事象だ。
人が存在する限り、ロザリーは常に怯え、危険を感じながら暮らさねばならぬ」
「だけど、私達は違う!」
「そう、お前達は。だが、そうじゃない者達もいるだろう?」
「大多数の関係の無い人達まで、滅ぼそうと言うの…!?」
「そうだ。…そう、お前達は関係ない、というのだな。自分たちと違う人間の仕出かす事は、与り知らぬ事だ…と」
「――それは……」
「案ずるな。間違っている訳では無いさ。…だがな、勇者よ。獣も、鳥も、ホビットも…魔物すらも。喰らう為以外には、必要以上には、殺さないのだ…。
愚にもつかぬ、蒐集欲を、見栄を、満たす為に…他者を傷つけるのは、人間というカテゴリーに属するモノだけなのだ。
欲深い人間と、そうではない人間と、どう区別をつける?貴様たちで隔離してくれるのか?
ロザリーと四六時中離れずにいる、というのは現実的では無い。永い時を共に生きれば、数日、数時間、数分、数秒…離れる事にもなる。
愛しい者一人守るという事は…存外に難しいのだ。それは人間を滅ぼす事以上に、な」
「嘘!狂った魔物は享楽に耽る為に人を殺すわ!それに――お前は、私の大切な人達を喰らう為以外に、殺した!」
「その理屈で言うならば私は狂っているのかもな?…魔に、とて。護るべきものはある。それが可笑しければ嗤うがいい」
「私にだってあったのよ――貴方は……貴方は、誰の気も知らず、自分の事ばかり…。
だから誰かを殺せる、ロザリーを悲しませる!ロザリーは、そんな事…望んでいないのに…」
「他人の気を知っているかどうかは興味が無いが……何も知らぬのは貴様達だよ、天空の勇者。
雑兵ですら察している事にも気付かず、こうも向こう見ずでは、な」
デスピサロがすっと体を横にずらす。
押し込んでいたソフィアは力をいなされ、数歩たたらを踏んだ。
一閃。
ぱぁっと、場違いな音がする。
そう、思った。だって、こんな鮮やかな。
鋭利な刃と、使い手の技量次第では、こんなにも――死、とは。綺麗な音がするのだろうか?
「――イヤァァァァァァ!!!」
ソフィアの絶叫が聞こえる。
ああ…何度目だろうか…俺は、また…彼女を守れなかったんだ…だって、彼女に、こんな…悲痛な声を出させてしまったんだから…。
むかむかと、胸をせり上がってくるものを、びちゃりと吐き出す。
どうやら、腹、のようだった。
止め処なく溢れる俺の血液が、だくだくと地面とソフィアを汚していく。
「………ご、めん………汚しちゃっ………て………」
「勇者よ。これも、私の責だと思うか?」
頭上から、声がする。
俺はソフィアに抱えられているのか。
これは、ダメだ。なんとか彼女に距離を取ってもらって……頭を、冷やしてもらわないと……。
「違う。それは違うな。その雑兵が死に瀕しているのは貴様の責だ。
何も出来ず、駒に甘んじている貴様の、な。…だが、それを責めるのすら酷なのか、最早…我等には、何も…」
苦悩に満ち満ちた声。
既に痛みすらも消え果た世界で、俺にはそう聞こえた。
「……栓無き事か。良い。ここで楽にしてやろう。せめて、貴様だけでもな」
ズンッ。
魔王の剣が。
無造作に、余りに簡単に、俺の頭上にある彼女の心臓を――貫きせしめた。
ああ。
あああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!
――あ、ぁ。
ソフィア、ソフィア、ソフィア!!!
俺を抱えていた腕からふっと力が抜ける。
後ろ向きに倒れていく少女を、支えようと身体をよじるが、それは丸っきり動きとして反映されない。
とさっと、小さく軽い音がする。
何度も何度も彼女の名を呼べど、それは声にならない。
ごぽごぽと、腹から逆流してくる血泡を散らす結果となる。
「……」
地に這い蹲る俺たちを見遣る魔王の慧眼。
それは、冷たく、哀れみが宿っており。
「…そうか、ソロと…貴様か…勇者に声を与えたのは」
「――……は……?」
「雑兵と言えども侮れぬものだ…これで、変わるのか、それとも何も変わらないのか。…今はまだ、その答えが出る時では、無いのか――」
ッガァァァァン!!
耳を劈く怒号と共に、俺の視界が白濁する。
白んだ世界は容易に光を取り戻す事はなく、出来る事といえば熱を失っていく彼女を、抱き締めるのみで。
少し吹き飛ばされたのかもしれない。だが、今は意識を手放してしまわないようにするのが精一杯で周りを確認する事もできない。
「…ピサロ」
「フ…ライデインか。まだ、そこ止まりなのか?」
「ああ。本当は、今少し――時間が欲しかった所だが。なに、人生はいつも転機の連続だし――肝心な時にいつも間に合うかと言えばそうでもない。
お前が、俺とソフィアの村に来た時と、同じに」
「そうだ。…私達は、いつも間に合わぬ」
「だからこそ、今あるもので、出来る限りをやるしかない。嘆いたって、仕方が無いのだから」
「…同感だ。私と貴様は…似ているのだろうか?」
「止めてくれ。そんなの、お前も不本意だろう?」
デスピサロの剣が持ち上がる。それを受け、下段に構えるソロ。
それは、まるで一枚の壁画のよう。
碧髪の、鋭い目つきをした美しい青年と、長い銀髪に紅い瞳の、魔族の王。
二人が対峙する周りには、眠りについた地獄の帝王と、累々と横たわる青年の仲間たち。
決着が――つく。
永かった旅の目的の一つが、今――。
「デスピサロさまぁ!」
が、張り詰めた空気を、ミニデーモンの幼い声があっさりと破ってしまう。
デスピサロもソロも、視線を外さぬままではあったが。
「たいへんです!ロザリー様が…ロザリー様が、人間たちの手に!」
「…なんだって、ミニモン!それは本当か!?」
「え?ソ、ソロ様…?」
その報を聞き、真っ先に驚愕の声を上げたのは、ソロだった。
対して、デスピサロは――既に剣を鞘に収め、部屋の出口へと歩みを進めている。
「待て、ピサロ!俺も――」
「…それには及ばん。お前は、その者達を救ってやるんだな。
まだ…独りで戦っている時の癖が抜けていない。それでは、これから先…立ち行かんぞ」
マントを翻し、それきり足を止める事無く、姿を消す。
ミニモンが、ちらちらとソロを気にしながらも、続いて行った。
後に残されたのは。
浅い呼吸を繰り返すアリーナ。かろうじて出血だけは止められたマーニャ。二人の治癒でついに力尽きたクリフト。
俺と何よりソフィアの状況に、顔面を蒼白にしながらもすぐに脱出(リレミト)の準備をするソロ。ソフィアに、ありったけの治癒呪文をかけ続ける俺。
そして、呼吸が止まり、その肌の温もりを失ったソフィア。
あまりに静かで、惨憺たる光景。
初めてだった。
これほどまでに、打ちのめされたのは。
最早何も考える事もできず、ただ、ひたすらに術を練る。
やがて、それすらも出来なくなった。もう、俺に出来るのは…自分の失われていく体温で、少しでもソフィアを暖めようとする事だけだった。
HP:2/105
MP:3/48
Eドラゴンキラー Eみかわしの服 Eパンツ
戦闘:物理障壁,攻勢力向上,治癒,上位治癒
通常:治癒,上位治癒
リアルタイムで読ませて頂いたよ…
まさにフォルチュナート(幸運)だ。
ああ…これは良い……
待ってて良かった…
これはやばい
4の人キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・* !!!
正直4の人のトリップ見るだけで興奮する
でもこの展開は…。・゚・(ノД`)・゚・。イイケドナケル
これがあるから、このスレを見ているようなものだ。
ありがとう。ありがとう。
震えがとまらないよ・・・
4の人キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
ソフィアが…ロザリーが…
目が覚めてみるとベットの上だった。
長い時間寝ていたらしく、少し頭痛がする。体に力を入れ、起きあがろうとした時、
異変に気付く。この布団は・・・
いや、それどころかこの部屋自体、見覚えが無い。ここは何処なんだ?
軽く混乱してきたが、取りあえず体を起こす。と、着ている服に目が行った。
まったく見覚えのない服だ。オレはどうしちまったんだ・・・
何とかこれまでの事を思い出そうとするが、何も思い出せない。
そんなバカな。そうだ、オレの名前は・・・
なんて事だ。名前すら覚えてないなんて・・・
さらに混乱し、頭痛も酷くなってきたが、ここで頭を抱えている訳にも行かない。
部屋を見渡すと、端の方に布袋とその横には・・・
オレの目がおかしいのか?どうみても剣にしか見えない物が・・・
そっと持ち上げてみるとズシリと重い。銅で出来ているようだ。
布袋の中には丈夫そうな服、皮で出来た帽子、あとは財布らしき物が入っていた。
開けてみると、中には見た事の無い硬貨が入っていた。Gと彫ってある。
何だこれは。中世の世界に迷い込んだみたいじゃないか・・・
おそるおそるドアを開けると、同時に隣のドアも開き、戦士のような格好をした
男が出てきた。
「よう、ルークさんよ。ちゃんと眠れたかい?」
ルーク?オレの事か?この男は?
頭の中を?マークが駆け回っていく。そんなオレを尻目にその男は
「もうこんな時間だ、そろそろ出ようぜ。10分後にロビーで落ち合おう。
と言い残し、自分の部屋へ入って行った。
「DQの宿屋で目が覚めたはずの現実世界の人」を保つのは難しそうだな・・・
ルークも部屋に戻り、ベットに腰掛けて1から考える。
信じられない事だが、俺は異世界に迷い込んだしまったようだ。
と言っても、元の世界の事も思い出せないのだが・・・
さっきの男と行動を共にしているようだが、一体どんな関係なんだ?
まあ今の所、あの男と行動を共にするしかないようだ。
外に出る準備を始める。
服を着替え、帽子を被る。少し迷った末、剣をもってドアを開ける。
廊下を抜け、階段を降りるとロビーとその先にはカウンターが見えた。
あの男はまだ来てないようだ。
所在無さげに立っていたルークにロビーにいた老人が近寄ってきて、
小声で言う。
「あんた、昨日アモスと泊まっていたな。あいつには気を付けた方がいいぞ」
アモス?さっきの戦士の名前のようだな。どうゆう事か詳しく聞こうとしたが、
当のアモスが来たため、老人はそそくさと立ち去ってしまった。
「なんだ?あのジジイは」
と聞かれたが、言葉を濁す。
「まあいい。行くぞ」
支払いをすませ、足早に宿の外へ出て行くアモス。
慌ててついて行く。
外に出ると、やはり見覚えの無い町が広がっていた。
レンガの家、石畳の道、小高い丘の上には立派な城まで・・・
こりゃマジで中世の世界だな。思わず苦笑いを浮かべながらアモスの後を追う。
建物の看板に目が行く。見たことも無い文字・・・
のはずなのになぜか普通に読めてしまう。
武器と防具の店、ゴールド銀行、道具屋・・・
と、道具屋の前でアモスが立ち止まる。
「そういえば、オレは薬草を3コしか持ってないんだが、あんたはいくつだ?
えっ?薬草?なんだそれ・・・
戸惑った表情を浮かべたオレに、何を勘違いしたのか
「何だ、持ってないのか。3コじゃ心許ないな」
と言い、道具屋へ入っていく。
「親父、薬草3コくれ」
「はい、24Gになります」
「あんたが持つ分だから、自分で払いな」
慌てて財布を出し、何とか支払いを済ませて薬草とやらを受け取る。
アモスはどんどん進んで行き、町外れの方に向かう。
このままではサッパリ状況が分からないままだ。
覚悟を決め、立ち止まってアモスに話しかける。
「なあ、アモス・・・さん」
「なんだい?」
「えっと・・・今からどこへ・・・何をしに行くんだっけ」
「はあ?」
呆れた表情を浮かべるアモス。
「いや・・・確認だ、確認」
「・・・まあいいか。今からナジミの塔へ行って、そこに巣食う魔物の親玉を
倒すのさ。上手く退治できりゃ、王様から報奨金がたんまりという訳さ。
他の奴らに先を越されない内に行くぞ」
また歩き出したアモスを追って町を出る。入り口の横に「アリアハン」
と書いてある。この町の名前らしいな・・・
正直言ってまったく現状を掴み切れないが、今は流れに身を任すしかないようだ。
半分ヤケクソな気分になりながら、ルークは見知らぬ大地を歩き出した。
つづく
毎回他の職人達が更新する気失せないか心配になる。
>>376続き
町を出て道なりに進んで行く。
「あれを見てみろよ」
アモスが指差す先に海が広がっていた。
ひときわ目立つのが小島にそびえ立つ塔だ。
「アレがナジミの塔さ」
ニヤッと笑いながらアモスが言う。
「でも、どうやって入るんだ?船でも使うのか?」
「バカ言え。船なんて何処にあるんだよ。この地方には港も無いんだぞ」
「じゃあどうやって・・・」
「その内、分かるさ」
アモスは上機嫌で鼻歌を歌いながら進む。
ふと、さっきの老人の言葉を思い出す。
「アモスには気を付けた方がいいぞ」
一体、何を指して言ったのか良く分からない。
今の状況では、コイツに頼るしかないじゃないか
「構えろっ」
いきなりアモスが発した大声で現実に引き戻された。
驚いてアモスの構える先を見ると、奇妙な3匹の生物がいた。
体は青く、ブヨブヨしたゼリーみたいな物体。
妙に愛嬌のある顔をしているが、コイツは何者なんだ・・・
横でアモスは
「何だ、スライムかよ・・・」
と、余裕の表情を浮かべている。
「こんなカス、オレ一人で十分だ。そこで見てな」
と言って謎の生物に飛びかかり、あっという間に3匹とも切り殺してしまった。
「こんな雑魚じゃあ何の経験にもならないな。行こうぜ」
悠然と歩き出すアモス。しかしオレは初めて見る戦闘にショックを受けていた。
オレにも同じ事が出来るのか?
答えが出ないまま進むと、いきなり空から何者かが襲ってきた。
「危ないっ」
アモスの声が飛ぶ前に、とっさに身をかわしていた。
自分にこんな動きが出来るなんて・・・
襲ってきたモンスターを見ると、ガイコツを持ったカラスだった。
考える前に体が動いていた。
剣を構え、カラスに襲いかかると縦に剣を叩きつける。
「グエーッ」
叫び声を上げながら絶命するカラス。
不思議と不快感は感じなかった。前にも味わったような感触。
(ひょっとして、元の世界で人殺しでもやっていたのかな・・・)
くだらない事を考えながら、先へ行くアモスに追い付く。
「中々やるじゃないか。まあ、それくらい出来なきゃ雇った意味も無いんだがな」
そう呟くアモス。
どうやらオレは、コイツに雇われている身らしいな・・・
続けてアモスは言う。
「万が一、薬草が尽きるような事になったらホイミを頼むからな。見りゃ分かる
だろうが、オレは魔法はサッパリだからな・・・」
また分からない言葉が出てきた。
ホイミ?呪文?全く意味が分からない・・・
まあどうでもいい。ようやくこの状況にも慣れてきた。
その内に意味も分かるだろう。
アモスは
「少し急ぐか。日が暮れる前にレーべの村に着きたいからな」
そう言うと急ぎ足になり、ルークも慌ててついて行く
次はレーべの村か・・・
今までのオドオドした気持ちは無くなっている。
ワクワク感さえ感じるようになって来た。
しばらく進むと道の先に集落が見えてきた。
あれがレーべの村のようだ。
つづく
381 :
松田侑之臣:2006/02/03(金) 06:17:44 ID:ZE1BvLsv0
はじめまして。職人さんに感化されて私も話が浮かびました。拙い文ですが、頑張ります。
382 :
松田侑之臣:2006/02/03(金) 06:40:42 ID:ZE1BvLsv0
柔らかな日差しと鳥の鳴く声がする。まるで絵に描いたようなびゅーてほーさんでーの朝。俺は違和感に苛まされ起き上がった。確か俺の部屋の窓は本棚につぶされて…ってうわーーーー!!なんだよここ!煉瓦に囲まれた部屋にベッド一つのみ。おいおい、どこの独房だよ…
383 :
松田侑之臣:2006/02/03(金) 07:02:04 ID:ZE1BvLsv0
一体ここはどこだ?確か俺は昨日は一日中エロ同人誌の原稿を描いていたはず。そうか!記憶喪失だな。えーっと俺は松田侑之臣(まつだゆうのしん)職業同人作家28歳蠍座B型彼女いない歴28年…って今の状況には関係ねぇー!と、とりあえずここを出よう。
とりあえずトリップつけようぜ?
改行もお願いします…
致命的なまでに駄目駄目だ…
そうしてしばらく私は二の句を告げられずにいた。
見知らぬ景色、不可思議な世界。ここは私の生まれ育った次元とは別物なんだ、と、先程までは思えていた。
どうしてこんなことになったのかは分からないけれど元いた場へと戻るのは容易いことではないだろう、とも薄々
感じてはいた。
だけど一度でも「帰れる」と言われた後で突然それをひっくり返されれば、やはりこんなにも辛い。
「そう気を落とさない。何とかなるだろうよ。多分」
黙り込んだ私を見て何かを察したのか、女盗賊はぽそっと言った。見ず知らずの人にこんな風に励まされるのは
悪くない。
「そうだ……よかったら、上の――あたしが来た方の世界に行ってみる?」
突然の申し出だった。私は垂れていた頭を上げて彼女の顔を見つめる。
「手がかりはあるかもしれないし、無いかもしれない。ま、何にしてもそろそろここから離れたほうがいい」
そして思い出したように、ミモザは私を見、手に持った干し肉を見た。
「……あんたも食べる?」
一日ぶりに口にした食べ物はとてもおいしかった。私がしょっちゅう酒の肴にしているようなジャーキーと違って
味気も素っ気もない代物だったけれど。
私が目覚めて宿を出たのは朝に当たる時間のようだった。そして半日かけて歩いてきて、サラマンダーに遭遇し
ミモザに助けられ今に至る。と彼女は言う。
夜しかないこの世界――アレフガルドでは、時間の感覚がまったく掴めない。
今日は何日ですかと聞こうとして、すぐに無駄だと気づいた。どうせ違う世界の日付が返ってくるだけだろう。
「食った?」
手渡された食料を全て平らげた私をまじまじと見て、ミモザは聞く。私はそれに満足そうに答える。
「いただきました」
「よろしい」
そして彼女はにこりと……いや、にやりと、笑った。
「町に着くまで荷物持ちヨロシク」
……はい?
「当然でしょ、世の中全てギブアンドテイク。これ常識」
うん、そうですね。
「おまけにさっき助けてやらなかったらあんた死んでたわよね。ギブアンドテイクどころか、って話よね」
まったくその通りです。
「じゃ、そういうことだから」
了解いたしました。
私は頷いた。逆らう余地はこれっぽっちも残されていなかった。
だけどまあ、これでいいじゃないか、と私は思う。
歩き続けたところで家に帰れるわけでもなし、ミモザの申し出を断ってひとりでどこかに行こうとしたところで当てが
あるわけでもなし。何よりこのままだと死ぬ。原因が空腹だろうと疲労困憊だろうと竜だろうと関係ない。超死ねる。
死ぬのは御免だ。だから、これでよかったのだ。
そして、もちろん背中には私のものじゃない荷物が乗っかっているわけである。最初こそ、こんな重そうなもの持てる
かあ!などとあくまでも頭の中だけで叫んだわけだが、こうして持ってみると意外にそうでもない。盾が、予想して
いたよりもはるかに軽いのだ。
「そんな調子じゃ町に着くころにゃ夜が更けるよー……って言っても今も夜更けみたいなものか」
自分のボケに自分で突っ込みをいれつつ、私の前を美女が行く。持つものを持たない彼女の足取りは、何だか
憎たらしいくらい軽やかだ。
私は町までの遠い道のりを浮かべ、うんざりと溜息をこぼした。
さっきまで座り込んでいた木陰を後にしてからも、何度か襲撃を受けた。
あれらは総じて「魔物」というんだとミモザが教えてくれた。ちなみに赤くて笑うぶにぶにはスライムベスという魔物
らしい。それを伸してやったことを話してみたところ、どうやらそいつらはこの辺りで一、二を争うほど弱っちいという
ことだった。
それともう一つ分かった事実。それは今現在私をこき使っているこの女盗賊がめっぽう強い、ということだ。
サイズの小さな魔物は腰に据えた鞭で散らし、敵わない相手と見るや素早く撒いて逃げ出す。その鞭だって鋼鉄の
鎖を編みこんだもので、SMの女王様がばしばし鳴らすような皮製の軽いやつとは大違いだ。あれで叩かれれば
ミミズばれどころではすまないだろう。
一方、私はといえば、スライムベスやら泥の手首(マドハンドというそうだ)やらが現れたときにはそこいらの枝を拾って
突きまわし、竜だの石像だの骸骨だのに出くわしたときは草むらに縮こまり、ミモザに引っ張られてその場を後にする。
なんか情けない。すごい情けない。
でも仕方ないだろう。こんな風に命のやりとりをすることなんて、これまでの人生の日常ではありえなかったんだから。
私は惨めったらしく息を吐き出して、ミモザの旅荷物一式を背負い直……さなかった。
「もうだめ」
思わずその場にへたり込んでしまう。もう限界。ここまで走ったり歩いたりしてきたのが奇跡だ。まったく、自分で
自分を褒めたい。ちょっと古いか。
とにかく、もう限界なのだ。高校を出てからこっち、まともに運動などしていないのだから。
「もうだめってね。歩かないと先に進まないよ」
振り返るなり、ミモザは呆れた声を出した。駄々っ子をあやすママみたいなこと言ってる。確かにそんな状況だ。
「せめて水、水を……」
「はは、ごめん。さっき終わった」
それは笑いながら口にできる言葉ではないと思う。
私はがっくりと肩を落とした。漫画とかなら顔に青い筋が入っているところだ。
「ま、水が終わったってことは町が近いってことだ。そのくらいの目安で水筒に入れてきてあるから。本当なら
三割くらい残るはずなんだけど、ふたりで飲んだから終わるのも早かったんだろ」
さすが旅人はこういう状況に慣れているのだろう。冷静だし計算づくだ。
「でも結局のとこ、今飲む水はもちろん、」
「ないね」
「も う だ め」
そういえば道中スライムベスに体当たりされた足が痛む。忘れていたわけじゃないが、どうしてこう疲れると
そういうことに敏感になるのだろう。
「ほら立つ。荷物は持ってやるから」
ありがとうございます、と思わず言ってしまったが、そもそもこれはミモザの荷物だ。
それでもありがたいことに違いはなかったので、私は最後の力を振り絞って立ち上がる。
その瞬間。
「あだだだだだだd(ry」
足に激痛が走った。
あまりのことにもう一度地べたに尻をつく。多分今、涙目になってる。
「あー……こりゃ駄目だわ」
私のカーゴパンツの裾を持ち上げて、ミモザは呟いた。痣になっているだけだと思っていたが、ところがどっこい
そこは赤くなって腫れかけていた。「折れてるね」
「痛い痛い痛い! ちょ、触んないでってば!!」
ちょんと突っつかれて、私は思いっきり叫んだ。骨折するなんて生まれて初めての貴重な体験だったが、できる
ことならそんな初体験は一生遠慮したかった。
「だーいじょうぶ。せいぜいひびだから」
何でこの人はにこやかにそういうことを言えるんだ。打撲だったのが重いものを持って走り回って疲労骨折した
とも言う。その原因はあなたです。
……はあ。治るのにどれくらいかかるんだろう。
「ま、とりあえず治してやるから落ち着きな」
そう言ってミモザは目を閉じ、意識を集中させ――
「ホイミ」
その途端、真っ赤になった私の足をぽわんと光が包み込んだ。みるみるうちに痛いのがとんでいって、あっと
いう間にいつもどおりの健康で貧弱な足に戻る。初めての骨折の全治はものの数秒だった。
「うん、すっかりいいね」
さっきまで患部だったところをぴしゃりと叩かれたが、鈍い痛みはちっとも感じない。本当にすっかりいいようだった。
そういえばのどの渇きもさっきよりましになった。疲れも取れているようだ。
「すごい……魔法みたい」
「魔法だよ」
ぽかんと口を開ける私にそう言って、ミモザは「それも知らないのか」と呆れ顔をした。この世界ではどうやら魔法は
周知の事実のようだ。……すごいじゃん。
「どうやるんですか? 私にもできる?」
「まあそれは町に着いたらね。はいこれ」
尊敬と興味に目を輝かせて質問攻めをする私に、ミモザは草むらに放られたままの荷物を預けた。
見え始めた町の灯が、遠くで私を笑っている。
クロベ Lv1
フリーター
HP 17/17
MP 0/1
E ひろったえだきれ
E ピーコート
>>392 投稿形式を見直すと良いと思う。
一回に送信する量が三行程度なのも読みづらい原因、他の職人さんは
少なめでも一回に15行程度は送信してる
同人作家の駄目男がドラクエ世界にという発想自体は悪くないんだし
今北
4の人凄杉。別次元。
一字一句噛み締めるように読んだ。
何気に
>>352 GJ!
>>クロベ
面白くなってきた。
続き楽しみにしてる。
>>松田侑之臣
ガンガレ
新人は大歓迎
ここからトリップが変わりますが、同じ人物です。
紛らわしくなってしまって申し訳ありません。
>>380続き
レーベの村に入り、辺りを見渡す。
当然だが、アリアハンとは違い、家や施設が数軒あるだけの小さな村だ。
宿に入り、食事をしながらアモスと話す。
「明日は朝一で洞窟に向かうぞ」
「洞窟?塔じゃないのか?」
「塔に入るには岬の洞窟って言う所を抜けないと行けないんだ。その先が
塔につながっているんだ」
「そうか・・・どんなモンスターがいるんだろうな・・・」
「そりゃ行ってみてのお楽しみさ。明日に備えて早く寝るぞ」
アモスと別れ、自分の部屋に入り、服を替えてようやく一息つく。
ゆっくりと今日の一日を振り返る。
オレは、この世界でルークと呼ばれる男に乗り移ってしまったようだ。
まだ元の記憶は戻りそうにない。
まあ、その内に記憶も戻って元の世界に帰る方法も思い付くだろう。
楽天的な考えをしている内に、いつの間にか眠りについていた。
次の日
「ガンガンッ」
と大きな音がする。うるさいな・・・
「いつまで寝てんだ。とっくに朝だぞ」
ようやく目が覚めた。
そうか、ここは異世界で・・・
昨日の事を思い出す。そうだ、朝一って言ってたな。
慌てて準備をして外に出る。
アモスは腕を組んでイライラした表情をこっちに向けてくる。
「いつまで待たせるんだ。急がないと日が暮れちまうぜ」
「悪かったよ。行こうか」
「代金はお前が払え」
いちいちセコイ奴・・・
とは思うが、それでこいつの気が済むならいいか、と思って代金を払う事にする。
町を出て、南に向かって進み、険しい森の中へ入る。
何度かモンスターと遭遇したが、昨日の敵と同じような奴だ。
楽勝でなぎ倒し、先へ進んでいく。
しばらく進むと大地に大きな穴が開いていた。
洞窟の入り口のようだ。アモスに続き、中に入る。
嫌な臭いはするが、思ったよりは明るい。
道は枝分かれしているものの、そんなに複雑ではない。
角の生えたウサギのようなモンスターなども襲って来たが、そんなに
苦戦する事はなく進んで行く。
狭い道を抜け、大きな部屋にでた瞬間、思わず息を飲んだ。
部屋の先に人間が倒れていた。冒険者らしき格好をしている。
アモスが近寄っていき、顔を覗き込むと
「死んでいるな・・・まあ、こんな所で力尽きるような雑魚は
最初から来るなって事だ」
そう言いながら死体の荷物を探る。
「何してんだよっ」
思わず声を荒げて非難するが、
「みりゃ分かるだろ。死んだらあの世には持って行けないんだ。生きてる
人間の役に立った方がコイツも浮かばれるさ」
と言いながら、再び探る。
「おっ、財布か・・・ちっ、200Gかよ。武器は・・・こん棒かよ、
こんな物はかさばるだけだな。行くぞ」
「このまま放っておくのかよ。せめて埋めて葬って・・・」
「アホか?無駄な時間と体力を使ってどうすんだ」
吐き捨てるように言い、先へ行ってしまう。
胸がムカムカしてくるのを感じる。
冒険者としては、あいつが正しいのだろう。
それにしても、今の死体に対する行動は・・・
本当に行動を共にしてて大丈夫なのか?
迷ったが、こんな所で取り残されるわけにはいかない。
先に行ったアモスを追う。
ようやく追いつき、先に進むとひときわ大きく、長い階段がある。
階段を上った先には、これまでと違った景色が広がっていた。
つづく
>>400 わざわざ分けんでも
つかレス数無駄遣いするなよ
総長が帰って来る夢を見た
ローディ・レッドマン・エイコ・魔神、帰ってきてくれ。
404 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/05(日) 09:51:32 ID:Mn2o34/G0
とりあえずage
面白くなってきたね。
>クロベ氏
文章が程よく緻密で、上手いと感じる。
女性のフリーターなんだろうが、リアルさがうまく描けてると思う
次は武術か魔法を身につける段階か、頑張って欲しい
>オルテガ氏
文章が軽くて読みやすい。DQ的な「厳しさ」を出そうとしてる感じが好ましい
情景描写をもすこし加えるとさらにわかり易くなると思う。どこにいるか、何をしているか、を。
>松田侑之臣氏
三行で終わらせないで、もう少し続けてみる努力を。
繋ぎとしての文を加えてみるなり、わざと次の行に移してみるなり一行あけてみるなり
「文章として読みやすく」はSSでは基本だから。
設定は面白い。だからこそ、設定を活かすような文章を。
DQ宿屋スレだけど、後期に差し掛かった方の「主人公」は
完全にDQの世界の住人として機能してるね。DQ小説として面白いのはいいんだけど。
406 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/06(月) 02:24:05 ID:fpi2lJyD0
あげ
?「きゃああああああああああああああああ!」
バチーン!!
タケ「ぶべらっ!!」
何でこうなったの?
ドックン・・・・・・ドックン・・・・・
もょもと心臓の鼓動が早い・・・・・俺はその音で目が覚めた。
その時に信じられない光景が!
リア「もょもとさぁん・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
もょもととリアが抱き合っているのだ。
経緯は知らないがもょもとが物凄く緊張している。
それにリアが物凄い泣いた後の様だった。
こいつめ、なかなかやりおるな。
タケ「もょもと君。キミもなかなかやりますな〜。くくく。」
もょ「タ、タケかっ!ど、どうしよう・・・」
タケ「何焦っているねん。お前も女を口説けるようになって微笑ましいやないか。」
もょ「ち、ちがうんだ。リアちゃんとはなしていたらきゅうになきだして・・・・」
タケ「まーまー落ち着けって。俺に経緯を話してみろや。」
ここはおちょくらないと面白くないからとりあえず経緯を聞くことにした。
もょもとが言うには、
・祈祷師に殺されそうになった時に助けてもらった。
・サマルとの関係が上手くいかない事に耐えられない。
・一人で寝るのが怖くてもょもとに頼ってきた。 って言う事らしい。
タケ「成る程なぁ・・・・まぁ、ええやんか。」
もょ「お、おれはどうしたらいいのかわからいぞ・・・」
タケ「俺に任せておけって。自称『浪速の女殺し』の俺様が力になるからな。」
もょ「たよりにしているぞ。タケ。しかし『なにわのおんなごろしって』なんだ?」
タケ「気にすんな。そうもんやで。」
もょ「そ、そうなのか。」
タケ「それにな、リアちゃんをこれから先上手く活かせるのも俺達次第なんや。失敗は出来へんで!」
もょ「まかせろ。おれもあのこにはげんきでいてほしいからな。」
タケ「おっ!嬉しい事言ってくれるやん!じゃあ俺が言う言葉をそのまま真似るんやで。ええな?」
もょ「わかった!」
もょ「(リアちゃん………………………)」
リア「………………………なぁに……………………?」
タケ「もょもと君。キミもなかなかやりますな〜。くくく。」
もょ「タ、タケかっ!ど、どうしよう・・・」
タケ「何焦っているねん。お前も女を口説けるようになって微笑ましいやないか。」
もょ「ち、ちがうんだ。リアちゃんとはなしていたらきゅうになきだして・・・・」
タケ「まーまー落ち着けって。俺に経緯を話してみろや。」
ここはおちょくらないと面白くないからとりあえず経緯を聞くことにした。
もょもとが言うには、
・祈祷師に殺されそうになった時に助けてもらった。
・サマルとの関係が上手くいかない事に耐えられない。
・一人で寝るのが怖くてもょもとに頼ってきた。 って言う事らしい。
タケ「成る程なぁ・・・・まぁ、ええやんか。」
もょ「お、おれはどうしたらいいのかわからいぞ・・・」
タケ「俺に任せておけって。自称『浪速の女殺し』の俺様が力になるからな。」
もょ「たよりにしているぞ。タケ。しかし『なにわのおんなごろしって』なんだ?」
タケ「気にすんな。そうもんやで。」
もょ「そ、そうなのか。」
タケ「それにな、リアちゃんをこれから先上手く活かせるのも俺達次第なんや。失敗は出来へんで!」
もょ「まかせろ。おれもあのこにはげんきでいてほしいからな。」
タケ「おっ!嬉しい事言ってくれるやん!じゃあ俺が言う言葉をそのまま真似るんやで。ええな?」
もょ「わかった!」
もょ「(リアちゃん………………………)」
リア「………………………なぁに……………………?」
タケ「(元気をだせ。くよくよするな。)」
リア「で、でも………………………」
もょ「(辛い事だがもう逃げる事は出来ないのが現実なんだ。)」
リア「えっ………………………?」
タケ「(これから先辛い事が沢山あると思う。けど逃げたからって言って問題が解決する訳じゃないんだ。)」
リア「そんな……………………」
もょ「(問題が発生したらその事に向き合う事が大切なんだよ。だからっと言って辛い事を時間をかけてに解決していけばいいじゃないか。)」
リア「だって………………………辛いんだよ!そんなのおかしいじゃない!」
タケ「(実は俺も旅に出る前はすごく臆病者だったのさ。)」
リア「えっ!!も、もょもとさんが!?」
もょ「(ああ。スライムすらまともに向き合えず怖がっていたんだからな。)」
リア「信じられないよ!ありえなーい!あははははっ!!」
タケ「(だろ?しかし俺も最初から自信があったんじゃないよ。」
リア「じゃあ、もょもとさんはどうやって強くなれたの?」
もょ「(………………………心の支えになる人物がいたからだ。そいつのおかげで今の俺があるって言っても過言ではないな。)」
リア「いいなぁ………………私のはそんな人がいないよ……………………」
タケ「(酷い事言うなよ。少なくても俺にとってリアちゃんは大事な仲間だぞ。)」
リア「何でそう思うの?」
もょ「(ああ、リアちゃんしかない魅力って言う物に惹かれたんだ。それに一緒にいて楽しいしな。)」
リア「ほ、本当!?」
タケ「(ああ。旅する機会はどうであれ、リアちゃんは愛想が良いしパーティーのムードメーカーだぞ。)」
リア「そ、そんな事ないよ(//////////)」
もょ「(あはっ!可愛いなリアちゃんは。顔がすごく赤いぞ。)」
リア「お、おちょくらないでよ!」
クセぇ!滅茶苦茶クセぇ!格好つけ過ぎの臭いがプンプンするぜぇー!!
………………………っ自分が考案したにも関わらずかなり恥ずかしい。
結果的には上手くいった。
タケ「(少しは元気が出たみたいだな。)」
リア「あっ………………………。」
もょ「(俺が言えるとしたらリアちゃんはもっと自分に自信を持ったほうが良い。俺と同じロトの子孫なんだから。いいかい?)」
リア「うん!がんばる!」
タケ「(明日もあるんだしそろそろ寝るとするか。)」
リア「そうだね!また明日。おやすみなさ〜い!」
リアは自分の部屋に戻って行った。
タケ「ふ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜めっちゃ疲れたわ。」
もょ「おつかれさま。サンキュな。タケ。」
タケ「それよりももょ。お前もかなり成長したなぁ。」
もょ「なんでだ?」
タケ「いざって言う時に信じられない程上手く決めるんだからな!」
もょ「タケからしてどうだった?」
タケ「すげぇわ。マジで。初心者にしてはな。」
もょ「ほんとうはかなりきんちょうしたんだけどな。まぁけっかオーライだ。」
タケ「ああ。」
もょ「さて、おれたちもねるとするか。」
タケ「その前にもょに謝らないとあかんのよ。」
もょ「なぜだ?」
タケ「お前の失敗例をリアちゃんに話したんだからな。お前の権威に関わることやし。」
もょ「それはちがうな。タケ。ぎゃくにそれがせいこうへのじゅうようポイントだぞ。」
タケ「まじすか?」
もょ「じぶんのしっぱいれいをだすことによってあいてにうちあけやすくするんだろ?」
タケ「ご名答や。流石やで!」
もょ「それにおれがローレシアのおうじだろうがなんだろうがいまはたびびとにすぎないんだからな。」
タケ「良い事言うねぇ………………………そう言われると救われるわ。」
もょ「さっ、はやくねようぜ。つかれただろ。」
俺達は眠る事にした。
翌朝………………………
俺は目を覚めた。昨日の傷口や疲れが無く全快に回復している。
やはりこの世界の宿屋=病院みたいなものか。酸素バーに行った後の様な感じで気分が清々しい。
ちょっと寝過ぎた様だ。もょもとに挨拶するか。
タケ「お〜い。もょ〜!」
もょ「………………………………………………………………………………………………」
全く反応が無い。敵のラリホーでも食らったか!?早く代わらないとヤバイ!
しかし信じられないことが現状で起きていた。
19〜20歳位の紫色の髪をした綺麗な女性が立っているのだ。しかも全裸で。
おまwwwwwwwwwwwwwwwwwwマジでwwwwwwwwwwwww
どう見てもオールヌードです。ありがとうございました。
周辺をよく見てみるとサマルは鼻血だして倒れているしリアも腰が抜けている。カタリナはうろたえているのだ。
だからもょもとは気を失っているのか。やっぱりウブだなこいつ。
しかし流石にエロ本を見慣れている俺でもちんちんがおっきしたおって言う状態だ。
マジで美しきエロスって言っても過言ではないスタイルなのだ。
+ + * *
おっぱい!おっぱい!
+ * + *
(^\ * /^)
(ヽ、\ / /)
(ヽ、 \ + ( /)
⊂ニ ) _ ) ∩ ニ⊃
⊂ ( ( ゚∀゚)彡 ⊃
+ (/(/ ヽ( ⊂彡 )ヽ)
ノ / )ヽ) +
+ * (つ ノ +
(ノ *
* + *
この世界に来て良かったよママン………………………
束の間………………………
?「きゃああああああああああああああああ!」
バチーン!!
タケ「ぶべらっ!!」
現実に戻されちゃいました。何で俺(達)だけ?
?「い、いそいで服を買ってきて!」
タケ「わ、わかった!」
女の子の服を買うのは恥ずかしいのだがこの際気にしては仕方がない。
防具屋の親父がニヤニヤしている。
まずは落ち着かせるために某Y・Kさんの真似をする事にした。
1……3……5……7……9……11……13……15……17……19……21……23……25……
奇数とは割り切れずマヌケな数字だ。このマヌケさが私を落ち着かせてくれる…………………………
って落ち着いている場合じゃねeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!!!!!
第一印象が肝心であり、このパターンは最悪なパターンである。
どないしよ。マジで困った・・・・・・・
悩んでもしゃーない!とりあえず旅人の服を購入し宿屋に戻った。
俺はカタリナ旅人の服を渡し、サマルを呼んでもらう事を頼んだ。
タケ 「サマル。大丈夫か?」
サマル「ぼ、僕には刺激がきつすぎたよ。でもすごい綺麗かったね。」
タケ 「バカ!違うだろ。トーマスさんの事だよ。サマルもかなり疲れただろうし。」
サマル「僕は大丈夫だよ。しかし……」
タケ 「まさか、駄目だったのか?」
サマル「一命は取り留めたよ。でもね、両足が動かないという障害が残ったんだ……………………」
タケ 「そうか……」
サマル「ごめんね。もょ。折角期待してくれたにも関わらず悪い結果だよ……」
タケ 「いや、サマルは良くやったよ。」
サマル「えっ!?」
タケ 「瀕死の人間をそこまで回復させたのだから。生きているだけ良い結果じゃないか。胸を張れよ!」
サマル「ありがとう……ううっ……」
タケ 「な、泣くことも無いだろうが。しっかししろよ!もー」
こいつも泣き虫なのかよ。まぁ、母性本能が頷く女性にはたまらないだろうな。
タケ 「サマル、ところで部屋にいた綺麗な女性は誰だ?」
サマル「えっとねぇ、確か・・・・・ムーンブルグの王女だよ。何でそんな事を聞くんのさ?」
タケ 「ちょっと刺激がきつくてな。ド忘れしてしまったんだ。いきなりビンタを食らった影響もあるけどな。」
サマル「そうなのかい!?すごい女の子だね。」
タケ 「まー男に裸を見られたんだから無理も無いけどな。」
話をしていくうちのこの様な事があったらしい。
・朝食をしている内に子犬が宿屋入ってきた。しかもリアが可愛がっていた子犬らしい。
・もょもとがその子犬にラーの鏡を照らした。
・ムーンブルグの王女が現れた。 って事らしい。
まさに摩訶不思議な現象である。
これなら『ムーンブルグの王女たんはエロカワイイ』というスレッドが立ってもおかしくは無い。
いやぁこんな美女と旅ができるなんて嬉しいもんですな。
でもこれから先どうなるのか不安でいっぱいな俺(達)であった。第一印象が悪かったし。
もょもと&タケ
Lv.12
HP:86/86
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E皮の鎧 E鱗の盾 E木の帽子
特技:かすみ二段・強撃・チェンジ・はやぶさ斬り(もょもと専用)・ゾンビ斬り・大防御(タケ専用)
>>
レッドマン乙!!
ムーンタソキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
(;´Д`)ハァハァ
(´-`).。oO(ムーンタソは15歳をキボン…)
>>290 から続き
〜 第二部 〜
●旅立ち
気を失った俺は完全に回復するまで宿屋のベッドで過ごし、重傷だったテリーも
隣のベッドで寝ていたが驚異の回復力で俺より早くベッドを降りた
とても死に掛けていたとは思えない
トルネコは─
身体は完全に回復した
だけど、あのドラゴンが言った通り全ての記憶を失い戦う力も無くなっている
この事は魔王の手下によって全ての人間達に知らされたそうだ
突然、人間の敵である魔王から伝えられた勇者の敗北
人々は勇者がいた事すら知らなかったのに、勇者が現れた喜びより先に悲しみを聞かされ
魔王の思惑通り、人々はこの世界の未来に絶望した
ライフコッドにはグランバニアからたくさんの兵士を引き連れ王がやってきた
王は俺とテリーに詳細を求め、トルネコと会った後
「まるで人形では無いか……」
そう呟きしばらく塞ぎ込んだ
回復し目を覚ましたトルネコはまるで別人だった
感情を無くし表情は薄れ、話しかけてもあまり反応が無い
当然、ネネも大きなショックを受けしばらく泣き続けていたが
「私がきっと治してみせます
トルネコさんが何者であろうと、私の気持ちは揺るぎません
それにやっと… この村に留まってくださったのだから……」
そう言って今、トルネコと暮らしている
この言葉を聞いた俺は平常心を保っていられず村の外でなんとも言えない感情を押し殺した
"オリハルコンをフィッシュベルの鍛冶屋カンダタに頼み自分用に鍛え直すように"という伝言と一緒に
ネネからトルネコの荷物を受け取った
この村にいる時、何かあれば俺に全て譲るように頼まれていたそうだ
自分の身に何かが起こる事を考えていたトルネコを思い再度、身体を震わせた
あの戦いから十日がすぎ、村は平静を取り戻し元のゆっくりした時間が流れている
トルネコの件があったというのにそれさえやさしく見守ってくれる、不思議な雰囲気だ
「タカハシ、お前はこれからどうするつもりだ?」
「一度グランバニアヘ行こうと思ってる
この村には預り所が無いからトルネコさんの荷物を預けられないんだ
その後フィッシュベルの鍛冶屋へ行くよ」
テリーと二人、入口広場で話していた
「そうか… 雷鳴の剣、折ってしまって悪かった
あれから忙しくて言う暇無くてすまない」
「気にすることはないよ、俺にはオリハルコンの剣がある
それで、雷鳴の剣も修理してテリーが使ってくれないか?」
雷鳴の剣の持ち主としてふさわしいのはやはりテリーだろう
「いいのか!? …しかし折れた剣を修理出来るのか、それにこれは魔法剣だ」
「大丈夫だと思う、フィッシュベルの鍛冶屋は魔法剣を鍛え直せるって前にトルネコさんが言ってた」
「む… よし…
俺は城を辞め雷鳴の剣を直し修行の旅に出る
上級兵士だなんて調子に乗って安心しきっていた自分を鍛え直す」
テリーが悔しそうな顔で言った
あの戦い─
素人の俺でもわかるくらい完敗だったんだ
テリーが悔しがるのもうなずける
「この村の警備はどうするんだ?」
「王が警備兵を置いていってくれたから大丈夫だろう」
王はグランバニアへ戻る際、連れてきた兵の一部を警戒の為村へ残していた
「一緒にフィッシュベルまで旅しようじゃないか、タカハシ!」
「うん、俺も心強い よろしく」
「たぶん長めの旅になるだろうからグランバニアでしっかり準備していこう」
テリーは今すぐ出発しようと言いたげだったが、俺はいろいろ準備があるから出発を明日にしようと提案した
「ふーん? グランバニアでもいいような気もするが、まぁ構わないよ」
本当は準備する事なんてこの村では何もない
旅に出ればきっと厳しい毎日だろう
だから、この平和な情景を忘れないよう目に焼き付けておこうと思った
●理由
翌朝、トルネコには会わず村長やネネに挨拶をして村を発ちグランバニアからの道を逆に進む
遭遇する魔物は全て俺が相手をしテリーは言葉で支援した
「どんどん戦え! 最後に残るのは経験だけだぞ!」
オリハルコンの剣はトルネコ用に鍛えたというだけあって少し扱いにくい
どういうわけか剣筋が安定しないのだ
「早く鍛え直さないと変なクセがついてしまいそうだ」
「うむ 最初のうちにクセがついてしまうと中々矯正出来ないからな
そのクセが困るものでなければ問題はないがこの場合─ 困るクセだな」
精神力を強さに変える魔法の剣─ のはず
俺の精神力は貧弱なのか全く力を発揮しているように感じられない
もっと強くなれという事か
「預り所で待ち合わせよう」
「よし 俺は城へ行ってくる」
順調にグランバニアへ到着した俺達はそれぞれ別行動を取った
テリーは兵士を辞めるため城へ、俺はトルネコの荷物を預り所へ預けに行く
荷物の中には俺宛に地図や旅メモ、手紙が入っていた
手紙にはゴールド紙幣が挟まれ勇者であった事が書かれている
俺が一人で旅しても大丈夫なように準備してくれていたのか
そういえばお金の事なんて何も考えてなかったな…
「タカハシ、準備はどうだ?」
旅メモの通り荷物をまとめ終えると同時にテリーが声を掛けてきた
「お、あとは食糧だけだよ 城はもういいのか?」
「ああ済んだ 姉さんが強く反対したけど無理矢理出てきたよ」
「大丈夫なのか?」
「姉さんだって上級兵士なんだ、必ずわかってくれる」
「そうか… じゃあ、食糧を買いに行こう」
頑丈で大きなリュックに長期保存可能な乾物だけを選び袋へ詰めていく
念の為多めに詰めると大きなリュックは一杯になった
これで二人の荷物は三つ
「一人二つを交替で持っていこう、旅が進むにつれ軽くなるさ」
地図を確認すると休憩所部分に"水補給可否"が書いてあり何もなさそうな場所に"食料品店"という印が付いている
きっとトルネコのように強い商人が食糧を売っているのだろう
ただ何日掛かるかまでは書いていないから食糧や水は節約しなければいけないだろう
「いくか!」
準備万端、二人意気揚々と門をくぐる
初めて自分の意志で目的地を決めた
これから進むのは未知の世界の未知の土地
不安もあるが進まなければ何も始まらない
「テリー、フィッシュベルの後どうするんだ?」
「俺は修行出来る場所を旅しながら探す お前はどうするんだ?」
「うん、イシスに行って魔力を引き出してもらおうと思ってる
その後は─」
トルネコがいなかったら今頃どうなっていたかわからない
俺を助けたトルネコは 今呪いによって苦しめられている
「…トルネコさんの呪いを解く方法を探しながら、修行の旅をする」
「そうか 呪いを解く旅か…
辛い旅になるかもしれないがお前なら見付けられるさ」
はっきり言って全くアテがない
もし、方法が見付からなくても 神であるルビスならもしかして‥
「テリーは、強くなってあのドラゴンを倒すのか?」
「それも、そうなんだが…
頑張って強くなれば勇者になれるんじゃないかと思ってるんだ
俺は… もうじっとしているのは嫌だしこの世界を進んで平和にしようと決めた」
勇者になる、か
俺にはその勇者というのがよくわからないがこの世界の希望であることは知っている
…神は何もしてくれないが
「勇者に、なれなくてもいいんだ
とにかく強くなって魔王を倒す、きっと出来ると思う その時は、加勢頼むぞ!」
「わかった 約束だ!」
魔王と… 戦える程強くなれたとして果たして─
勇者トルネコを思いながら お互い言葉を交わした
>>タカハシ
>>レッドマン
二人とも最後までがんがれ!
エイコタソや魔神もいなくなったからなぁ。
今降臨している職人さんは頑張って欲しい。
>>405 分かりやすいアドバイスをありがとう。
参考になります。
これから少しずつ面白くなるように頑張ります。
>>399続き
周りを見渡すと、これまでの洞窟と違い人工的な建物のようだ。
空気も良くなったし、地上に出てきたみたいだな。
「ここからナジミの塔みたいだな。オレもここまで来るのは初めてだ」
アモスはそう言ってこっちを見る。
「どうやら、ここからのモンスターはこれまでとは一味違うようだな・・・
気配で分かる。絶対に足を引っ張るなよ」
「分かってる」
そうだ、まずはこの塔を無事にクリアする事を考えよう。
他の事を考えるのはその後だ。
まださっきの死体が頭に残っている。
あんな風にはなりたくない。なってたまるか・・・
アモスの言う通り、塔のモンスターは一味違った。
カエルの怪物、サソリと蜂の合体した様なモンスター。
スライムなんかとは段違いの攻撃を受け、薬草も減っていく。
それでも何とか進みながら、自分の力も上がっていくのを感じていた。
奇妙な気配を感じる。
その方向を見ると、灰色のローブを着た人間のようなモンスターがいた。
そいつが手を掲げ、口でゴニョゴニョ言う。
その瞬間! 火の玉が一直線にオレに向かって来る。
(やばいっ!)
とっさに体を捻り、なんとか直撃を避ける。
「ゲフッ・・・」
体が焼けるのを感じる。打撃とは違った痛み・・・
何だこれは?飛び道具は反則だろ・・・
再び、モンスターが手を掲げる。
もう一回食らうのはマズイ!しかし、今の体勢は最悪だ。
思わず目を瞑りかけたその時―
アモスがモンスターの背後に回り、強烈な一撃を叩き込んだ。
「しゃああああっ」
声も無く、モンスターは消える。
アモスに助けられるとは・・・
礼を言う間もなく、アモスは先に足を進める。
ホントせっかちなヤツ・・・
体力を回復させるために薬草を食べる。
マズイ、だいぶ減ってきたな。2人合わせてあと2つか・・・
ボスにたどりつく前にこの調子で大丈夫なのか?
不安になるが、今は前に進むしかない。
またモンスターの気配を感じ、慌てて振り向く。
緑色をしたスライムだった。
「何だ、スライムかよ・・・」
どっかで聞いたセリフを言い、思わず気が抜ける。しかし・・・
「まずいっバブルスライムか・・・しまった。毒消し草を忘れちまうとは・・・
いいか、絶対にコイツの攻撃は食らうなっ。こんな所で毒なんか食らっちまったら
確実にあの世行きだぞ!」
早口でまくし立てるアモス。
コイツがこんなに慌てるなんて、そんなに危険なモンスターなのか?
オレにはスライムにしか見えないが・・・
前触れも無く、オレに向かって跳ねて来た。速いっ!
間一髪でかわし、カウンターで一撃見舞う。が、アッサリかわされてしまう。
なんて素早いヤツなんだ・・・
ひとまず間合いを取り、アモスを見る。
アモスは他のモンスターとの戦いで手一杯のようだ。
一人でやるしかない。
覚悟を決め、剣を握りなおす。
と、その隙にまた襲ってきた。
今度は避けきれずにもらってしまう。しまった・・・
体中に痺れる様な感覚を覚える。
う・・・体は・・・体は動く!
再び襲ってきたバブルスライムを何とかかわし、渾身の打ち下ろしを入れる。
物凄い感触が手に伝わり、あっという間にモンスターが消え失せた。
何だ今の手応えは・・・
感じた事の無い手応えだったな・・・
余韻に浸るオレにアモスが近寄ってきた。
「ルーク!大丈夫か?」
「ああ、少し体が痺れるけど、すぐに治まる」
「そうか、毒は食らわなかったみたいだな」
2人とも傷を負っていたため、薬草を使う。
ついに使い切ってしまった。
>>435 気にしなくていいよ。
いつも読ませてもらってます。
「これで終わりか・・・後はアンタのホイミ頼みだな」
そう言って、アモスは階段に向かう。
ホイミ・・・
昨日アモスが言ってたやつか・・・
マズイ、何の事だかサッパリだ・・・
昨日アモスに詳しく聞かなかった事を今さら後悔する。どうすれば・・・
完全にアモスはホイミとやらに頼り切っている。
今さらだけど、伝えておいた方が・・・
慌ててアモスを追って階段を駆け上がる。
どうやらここが最上階のようだ。
アモスが目の前で立ち尽くしていた。
「さまよう鎧・・・」
アモスの視線の先には、輝く鎧にみを包み、大剣をかまえたモンスターが
仁王立ちしていた。
モンスターは微動だにしない。
諦めの表情を浮かべているアモス。
「どうしたんだ?コイツはそんなにやばいのか?」
「見て分かんないか?コイツはな・・・これまでのモンスターとはレベルが
違いすぎるんだよっ」
「じゃあ・・・どうするんだ?」
「こういう時は・・・逃げるが勝ちだ」
言うなり振り返り、階段を引き返そうとするアモス。しかし・・・
階段の下には大量のモンスターが道を塞いでいた。
逃げ場は無い・・・戦うしか道は無い!
幸い、下のモンスターが上がってくる事はないようだ。
さまよう鎧がノソッとこっちへ動き出す。
アモスがこっちを向いて叫ぶ。
「こうなりゃおとり作戦だ。近寄ってアイツの注意を引き付けろ。その隙に
オレが止めを刺すから。いいなっ」
オレがおとりかよ・・・
こういう時は、言い出した方がおとりになるもんじゃないか?
思わず心の中で突っ込みを入れるが、今は選択の余地は無い。
ゆっくり近寄ってくる相手に対し、左サイドから攻撃する構えを見せる。
よし、体をこっちに向けてきた。今だ!
その隙に素早く背後に回ったアモスが疾風のような突きを繰り出した。
「ジャガーーーーーーーン!!」
金属音が塔に鳴り響く。
やったか?
が、次の瞬間、アモスが大きく吹き飛ばされ、地面に叩きつけられていた。
「ウグっ・・・」
血を吐き、苦しそうな声を漏らすアモス。
攻撃を直撃で食らったようで、立ち上がることさえ出来ないでいる。
そんな・・・
あのアモスが一撃で致命傷を・・・
アモスの一撃もまるでダメージにはならなかったようで、さまよう鎧は
平然と立っている。
「アモス、大丈夫か?」
急いで駆け寄り、声をかける。
「うっ・・・ホイミ・・・ホイミを・・・」
苦しそうに呟く。
どうすれば・・・
オレが呆然としている内に、さまよう鎧が迫ってくる。
アモスはあと一撃でも食らえば間違いなく死ぬだろう。
さっきはアモスに助けられた。今度はこっちが助ける番だ!
注意をこちらに引き付けるために、さまよう鎧の背後に回りこむ。
上手い具合にこっちに意識を移したようだ。
しかしどうする?
アモスの攻撃でもまったくダメージを受けない相手だ。
スピードでは負けていない、だがそれだけでは・・・
考えがまとまらないオレに対し、焦れたのか向こうから迫ってきた。
「ちょ・・・ちょいタンマ!」
・・・通じるはずもなく、なおも迫り来る。
鋭い打撃を何とかかわし、隙だらけの脳天に剣を浴びせる。
「ジャガーーーーーーーン!!」
再び、金属音が響き渡る。
が、まるで効いた様子はない。だめか・・・
頭の中を絶望感が支配する。
相手はその隙を見逃さなかった。
不意に、心臓を狙った突きが迫る!
我に返り、必死に体を捻る。よし、かわしたっ!
が、返しの攻撃をまともに受け、アモスと同じように大きく吹き飛ばされ、
床に叩きつけられた。
なんてパワーだ・・・
意識は辛うじてあるが、体が動かない。
腹に深手を負ったようで、止めども無く血が溢れて来る。
さまよう鎧は勝利を確信したようで、急いで追撃はして来ないようだ。
「くそ・・・」
もうおしまいなのか?
オレはこんな・・・どんな世界か分からないような所で死んじまうのか?
嫌だ・・・そんなのは嫌だ・・・
続く
>◆gYINaOL2aE
作者の思うつぼなのかもしれんが、今まで以上にピサロが嫌いになった。
続きを楽しみにしている。
444 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/10(金) 14:44:16 ID:FRiYlX8g0
age
445 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/10(金) 15:04:06 ID:hozidxAMO
続き楽しみにしてるっす
空中から・・・といってもたいした距離はなかったのだが俺の体は炎に焼かれ
地面へと落ちた。
大ダメージを受け、立ち上がることすらできなかったがスピアが回復呪文をかけてくれ
何とか立ち上がるまでには回復した、立ち上がった瞬間殴られたが・・・
剣を抜く音と共に例の三人がこちらに向かって歩き始めた、
俺たちとの距離が十分近づくと、ゲイトが話しかけてきた。
「さて、どうする?ここで死ぬか、それとも負け犬のごとく逃げ出すか?」
そのとなりでゲンドウとカインはにやにやと笑っていた。
「そうだな・・・気は進まないが・・・・」
スピアがウルフと顔を合わせる、ウルフはコクリとうなずいた
「あたし達の目的はこの新人を生き残させること」
スピアが俺の方を横目で見ながら続けた
「ここは・・・・逃げ出させてもらおうか!」
スピアがそう言ったのと同時に俺とウルフとスピアは180度回転し逃げ出そうとした
しかし例の三人は俺達が逃げ出す前に回り込み、剣の切っ先を俺に向けていた
ゲンドウが高らかに笑いながら言葉を発した
「やっぱり逃がすのは気が進まねぇ、何しろ俺はさっきから戦いたくてうずうず
してるんだからな」
ゲイトは好きにしろ、とだけ言うと呪文の詠唱を唱え始めた
「爆発呪文、イオ!」
ゲイトの掌が光るのと同時にスピアとウルフはそれぞれ左右に側転し、俺は
それに釣られ後ろにダッシュすることで爆発に巻き込まれずにすんだ。
ゲンドウは高らかに
「ウォォォォォォォォォオ」
と歓喜の混じった声で叫んだ・・・
忙しいから続きは次回
魔神タンが帰ってキタ−ー(゜∀゜)ーー
もかえり!
再び盛り上がってきました!
450 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/11(土) 07:18:10 ID:RgBkND8oO
まあ確かに盛り上がってきてははいるが…
ここから全盛期のクオリティを取り戻す事に期待age
FFの世界観で書いてみたいなぁ
スレ立てれ。面白いの書けりゃ盛り上がる。
つまらないのが書けりゃ糞スレ立てるなと言われるが。
453 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/12(日) 13:31:57 ID:1pyAJ2FS0
あげ
454 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/12(日) 13:42:00 ID:34/k8FhMO
455 :
451:2006/02/12(日) 13:43:40 ID:Jq9l8o1gO
>>452 今ここで書いてるのが完結出来たらスレ立てしてみます
ちょっぴり書き溜め始めたけどおもしろいかどうかは正直わからないです
ありがと
とりあえず装備を確認する
457 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/12(日) 13:50:59 ID:6vG5sUDr0
あげ
458 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/12(日) 13:53:36 ID:34/k8FhMO
サマルトリアの王子の名前のバリエーションてどんくらいあるの?
FFねぇ、スレ立ったら俺も行ってみるかな。
460 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/12(日) 17:00:38 ID:Cq886ZJZ0
r;ァ'N;:::::::::::::,ィ/ >::::::::::ヽ
. 〃 ヽル1'´ ∠:::::::::::::::::i
i′ ___, - ,. = -一  ̄l:::::::::::::::l
. ! , -==、´r' l::::::/,ニ.ヽ
l _,, -‐''二ゝ l::::l f゙ヽ |、
レー-- 、ヽヾニ-ァ,ニ;=、_ !:::l ) } ト お前みてえなガキは泊まっていきやがれ
ヾ¨'7"ry、` ー゙='ニ,,,` }::ヽ(ノ
:ーゝヽ、 !´ " ̄ 'l,;;;;,,,.、 ,i:::::::ミ
::::::::::::::::ヽ.-‐ ト、 r'_{ __)`ニゝ、 ,,iリ::::::::ミ
::::::::::::::::::::Vi/l:::V'´;ッ`ニ´ー-ッ-,、:::::`"::::::::::::::;゙ , な!
:::::::::::::::::::::::::N. ゙、::::ヾ,.`二ニ´∠,,.i::::::::::::::::::::///
:::::::::::::::::::::::::::::l ヽ;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /
::::::::::::::::::::::::::::::! :|.\;::::::::::::::::::::::::::::::/ /
461 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/12(日) 17:11:26 ID:CNnHEUMl0
よし!この宿屋燃やそう!
462 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/12(日) 18:34:37 ID:34/k8FhMO
サマルトリアの王子に寄り添って生きていく!!
フィールド移動の時も守ってもらうの ^ ^
いいでしょ。
とりあえずトイレ
>463
はいはいIDがドラクエドラクエ
あまり住人を怒らせない方が良いw
「え? 無い?」
ミモザの素っ頓狂な声が、店内に響き渡った。
「申し訳ないんですが、入荷もいつになるか……」
店の主人はそう言って謝り倒す。私は荷袋を背負ったままミモザの後ろできょどきょどしている。
町――ラダトーム城下町というらしい――に着くなり、ミモザは道具屋へと足を運んだ。
何でもナントカという代物があれば、ミモザの言うところの「上の世界」に行けるということだ。そんな便利なアイテムが
あるもんだろうかと思ったが、あえて突っ込むのはやめておいた。魔法だの魔物だのが存在する世界だ。そういう
ものがあってもおかしくないのかもしれない。
ちなみに今は宵をすぎた頃らしい。ミモザがこの世界の時計を見せてくれたが、見慣れたものとは全然違う。結局私に
読むことはできなかった。
まあとにかく、話を戻そう。
「無いってったって、こないだ来た時はあったはずなんだけど」
「ですからその……売り切れてしまいまして、その……」
「じゃーさっさと入荷して」
「先程から申し上げているとおり、入荷予定が未定なんですよ」
「は? ふざけんじゃないよ」
ミモザさんこわーい。ミモザさん鬼ー。……これはあくまでも頭の中だけで思っただけだ。
「ちょっとあんた!」
「ひゃっ」
ところがミモザは急に振り返り私を睨んだ。まさかテレパシー?などとくだらないことを考え私は肩をすくませる。
「あんたも何か言うことないの? 結構一大事なんだけど」
……そんなものは流石にこの世界にもないらしい。ちょっと安心した。
「あのね。今どういう状況か分かってるわけ?」
私は素直に首を横に振り、ミモザは呆れて肩を落とす。
「『上』に行くにはね、キメラの翼が無くちゃいけないんだよ」
キメラの翼……そういえばそんなことをミモザは言っていた。翼というくらいだから、背負って飛んでその「上の
世界」に行くような感じなんだろうか。
「ちょっと、聞いてる? でね、普通は道具屋なんかに行けば気軽に手に入るものなんだけど……」
一旦言葉を切って、ミモザちらっと道具屋の主人を見た。恰幅のいい男はかわいそうに、蛇に睨まれたカエルの
図そのままだ。
「ここには無いんだって。町中で道具屋なんてこの一軒しかないのに」
「はぁ……」
「はあじゃない! 帰るどころかアレフガルドから出られもしないかもしれないんだよ!」
出られない。アレフガルドから。
それはまずい。
バイトもあるし今年は就活も考えてたのに。せっかく好きな歌手のライブチケット取れたのに。今週のトリビアも
楽しみにしてたのに。
……
……はぁ。
何てくだらないんだろう。これらが、私の全てなんだろうか。
いや、そんなこと考えている場合じゃない。――帰るんだ、何としても。今はとりあえずそれだけだ。
「あの、どうしてないんですか? どこに行けば手に入るんでしょうか?」
しどろもどろしている店の旦那に、しどろもどろしながら私は問いただす。とにかくキメラの翼とやらがないと困るらしい。
「どうしてもどこもも、とにかく無いものは無いんですったら。あなたもお連れの方に何とか言ってくださいよ、もう」
……何コイツ。突然強気になりやがった。
私のことを舐めているわけか。ああそうか。確かに私は気は強くない。キャッチセールスの人にもよく声をかけられるし、
新聞勧誘だって断れないし。
「いや、でも、あの……」
「じゃあどうしろっての? え? こっちは客だよ、答える義務ってもんがあるだろ」
おお、ミモザさんかっこいい。こういうときに押し切れる人はすごいと思う。……接客する側としては最悪だけど。
「実は、その、……非常に申し上げにくいんですけどもね」
急に威圧されるオヤジ。態度変わりすぎ。ていうかミモザさんこわ過ぎ。
「さっさと言いな」
「……全部とられちゃったんですよ、強盗に」
( ゚Д゚)ポカーン (゚Д゚)ハァ?
開いた口がふさがらない。ちなみに左が私で右がミモザだ。
「いやね、全部って言っても、そもそもうちには数個しか置いてなかったんですけどね」
弁明するべきはそこじゃないだろう。
「あの、これからどうするんですか?」
「あー……もう敬語とかいいよ、何かうざいし」
投げやりに言って、ミモザはぐったりと宿の部屋に備え付けられたベッドソファに身を投げ出した。
今、私たちは宿屋の一室にいる。ちなみに昨日の朝に私が追い出された宿だ。
結局あの後、道具屋のオヤジから聞き出せたのは、その強盗一味の親分の名前だけだった。
――カンダタ。
そいつのせいで、私たちは今現在こうして宿に逗留せざるをえない状況に陥っているわけである。
「にしてもあの野郎、またやってくれたわ」
「『あの』って、知ってるんですか? その神田さんとか言う人」
いきなりタメ口でいいと言われても、はいそうですかと素直に砕けられる私じゃない。
「カンダタだよ……ちくしょう、今度会ったらしばく。絶対しばく」
「ミモザさんこわい」
「怖くて結構。あームカつく!」
神田……じゃない、カンダタという強盗は、「上の世界」では名の知れた悪党だったという。
強盗から人身売買まで、金になることならなんでもするような男だと、ミモザはちょっと聞くに堪えない罵詈雑言を
交えながら話してくれた。
「でも、そんなのが何でアフレカエルドにいるんですかね」
「アレフガルド。知らないよそんなの」
「それにキメラの羽で帰れるんなら、とっとと帰っちゃってるんじゃないかと思うんですけど」
「キメラの羽じゃなくてキメラの翼ね。……それなんだけどね、多分まだ帰っちゃいないと思うんだよ」
私はあいまいに相槌を打って、続きを促した。
とても美人の口から飛び出してきたとは思えない、大変汚らしい罵りを交えての彼女の説明を次に要約する。
上の世界からこのアレフガルドにやってくる人は、多くもないが少なくもないらしい。カンダタはそういう人達に店から
奪ったキメラの翼を高額で売りつけるつもりだろう。
というたった二行ほどの説明を、ミモザはこんこんと、そりゃもうこんこんと話してくれた。聞いてて疲れた。
「で、どうするんすかこれから」
「決まってるでしょそんなん」
どうやらミモザにはカンダタヌッコロス!以外の選択はないようだ。目が怖い。
となると、当然金魚の糞である私もそれについていくことになる……のだろうか。正直なところ超ヤダ。
「あの、他にいい方法は……?」
「多分ない。カンダタのアホをしばくのが一番手っ取り早いだろうし」
「そうだ、魔法があるんなら、それで帰るとか」
「無理ムリ。あたしルーラ使えないし。ていうか使えればさっさと使ってるってば」
そしたらあんたを拾うこともなかったけどね、と言ってミモザは歯を見せて笑う。……ここは喜ぶべきだろうか。
「それに、他の町に行くにしても多分、途中でおっ死ぬだけさね。この辺りの魔物はまだ何とかあしらえるけど、正直
それだってギリギリだし。もっと強いやつに会ったら逃げられるかどうかも分かんないよ」
ミモザはこともなげに言ってくれたが、私は思い切り_| ̄|○ した。ミモザでそれなら、私なんてあっという間に「上の
世界」を通り越して空の上の世界だ。
「あたしの仲間なら魔法で上にも帰れるんだろうけど。……やっぱしあいつらもう帰っちゃったのかしらねぇ」
「仲間?」
彼女に仲間がいるとは初耳だ。今日一日ずっと行動を共にしたにはしたけれど、魔物と戦ったり逃げ出したりで話なんかろくに
できていない。だから彼女のことはほとんど知らない。
「そ。あんたくらいの歳の子と、いけ好かない兄ちゃん」
想像つかないものの、とりあえず頷いておく。
「こっちに落ちてきたとき、はぐれちゃったんだよ。二人ともルーラ使いだし、会えれば一挙解決なんだよね」
「じゃあその仲間の人たちを探せば……」
「そりゃそうだけど、会えるかどうかなんて運次第だしねぇ。そもそもあいつらに会えさえすれば、あたしとしちゃ上に戻る
必要もないんだし」
「はぁ」
どうも彼女なりに、上の世界へ行く理由はあったようだ。まあミモザだって、見ず知らずの奴のためだけに必死になるようなタイプ
でもないだろうし。
「本当のこと言うとあんたなんか放っといても良かったんだけど、仲間のお人よしがうつったんだろうね」
私の心を見透かしたように、ミモザはそう言って苦く笑う。そして私はその仲間に会ってみたい、と、少しだけ思った。
そしてそれをミモザに伝えると、「ま、とりあえずカンダタをぶっ倒して向こうに行ければ会えるかもしれないよ」とだけ、鞭をいじり
ながらにこやかに切り返された。
結局と言うかやっぱりと言うか、強盗退治に出かけるより他、選択肢はないらしい。
クロベさん文章巧いなあ。
読みやすくって好きだ。面白くなってきたし。続きガンガレ!
アフレカエルドワロスwwwwwwwwww
これからも頑張ってくださいwwwww
アレフガルドに絶望があふれかえるど
発祥スレは落ちても住人に受け継がれる意思みたいでなんかカッコヨス
ゲーハッハッハッハッ
>>442続き
何とか回復する方法は・・・
ホイミ、そうだホイミだ。
でも、どうやって使えばいいんだ・・・
その時、頭の中に男の声が聞こえて来る。
『念じろ、心に回復を念じて声に出すんだ、ホイミと』
回復を念じ、声を出す・・・
考えてる暇は無い、ダメで元々だ。
しっかり念じ、声に出す。
「ホイミ・・・」
オレの体を光が包み、みるみる内に傷がふさがって行く。
体も動く!これがホイミか!
慌てた様子でさまよう鎧が迫ってくる。
それを無視してアモスの元に駆けつける。
まだ間に合うのか?
顔を覗くとまだ息が・・・急いで唱える。
「ホイミ!」
何とか間に合った!アモスの傷もふさがって行く。
「大丈夫か?」
「おせえんだよ・・・」
苦笑いを浮かべ、立ち上がるアモス。
今は喜びに浸ってる場合じゃない。
何とか、この怪物を倒さないと・・・
その時、ふと考えが浮かんで来た。ひょっとして・・・
その考えが正しいかどうか自信は無い。
それでも・・・
「アモス、今からアイツを引き付けてくれないか」
「・・・何か考えがあるのか?」
「頼む、言う事を聞いてくれ!」
「・・・分かった、任せろ!」
言うなり相手に飛びかかるアモス。
剣と剣がぶつかり合い、激しく火花を散らす。
目の前のアモスに目が行き、オレへの警戒はゼロだ。
何度も同じ手に引っかかるやつだ・・・
パワーは凄いけど、頭の方はゴキブリ並だな。
さまよう鎧の視界に入らないように気を付けながら、少しずつ近寄って行き、
チャンスを窺う。
頼む、もう少し粘ってくれ・・・
と、アモスの体勢が乱れ、さまよう鎧が決めの体勢に入る。
今だっ!!
背後から一足飛びに近づき、肩口を狙って力を込めた打ち下ろしを叩きつける!
「シャーーーーーン!!」
手応えあり。
地面には切り落とされたさまよう鎧の腕が転がっていた。
やはりそうか・・・
確かにボディの装甲は堅い。でも、鎧と鎧の継ぎ目なら意外に脆いんじゃないか
と思ったが、正解だったみたいだ。
右腕を失くしたさまよう鎧は、混乱した様子で右往左往している。
床に落ちた剣を左手に持ち替えればいいのに、そんな考えは浮かばないようだ。
やはりゴキブリ並だ!
俄然、力を得たオレは、怒りに狂い、突進して来た相手を軽くいなし、今度は
首を狙って剣を真一文字になぎ払う。
これで終わりだっ!
「ジャガーーーーーーーーーーーン!」
会心の手応えと共に、首が地面に転がる音が響きわたる・・・
「やった・・・」
ようやく一息つき、体中の力が抜ける。
助かった・・・
アモスが微妙な表情を浮かべている。
「何だそりゃ。全部一人でやりやがって・・・オレの立場はどうなるんだよ」
そんなことは無いさ。
アンタがあそこでおとりになってくれたから・・・
そう言おうと思ったが、あまり慰めになってないな。止めとこう。
「さーて、帰って報奨金を頂戴するとしよう」
「でも、オレ達が倒したって信じてもらえるかな?何も証拠が無いし」
「それは・・・そうだ!この死体を持って行けばいいじゃないか!」
「冗談だろ・・・」
オレの必死の抗議も空しく、死体を背負わされるハメに・・・
余計な事は言うもんじゃないな。
これ、半端じゃなく重いんだが・・・
「持って行かないと金が入らないんだぜ、そうなるとアンタに給金を払え
なくなるけど、いいのか?」
のんきな声で言うアモス。
そりゃアンタは頭と右腕だけだから楽だよな・・・
幸い、先ほどまで階段の下を塞いでいたモンスター達は去り、近寄って来る
気配も無かった。
ボスがやられ、散り散りになったんだろう。
塔を下りて洞窟に入る。先ほど死体のあった場所だ。
見たくは無いが、つい目が行ってしまう。
前にいたアモスが思い出したようにこっちに振り返り、言う。
「ルーク、さっき何か言ってたな。埋めて葬ろうとか・・・
そういう甘い考えは捨てた方がいい」
「・・・・・・」
「今の世の中を考えろよ。荷物から目を離した隙に奪われ、背中を向けた瞬間
に後ろから刺される。そういうご時世だ。そうだろ?ましてやオレ達は冒険者
だ。甘い考え方は命取りになる・・・覚えておきな」
「・・・ああ」
この世界と言われても・・・
この世界はそんなに危険なのか?
正直、アモスの言葉にあまりピンとこなかった。
洞窟を抜けると、辺りはすっかり闇に包まれていた。
「それを持ってレーべに行くわけにはいかないな・・・
森を抜けたら野宿して、明日アリアハンに向かう事にしよう」
アモスの言葉も耳に入らない。
塔の激闘+荷物の重さで死にそうだ・・・
その後、森を抜けて野宿したみたいだが、その事はあまり覚えてない・・・
次の日の朝
この世界に来て3日目の朝だ。
昨日の疲れもだいぶ取れ、体も軽い。
重い荷物を背負い、必死にアモスの後を追いかけながらも色々考える。
しばらくは、この世界でルークとして生きるのも悪くないかもしれない。
このケチで、短気な男とこの世界を旅するってのもいいかもな・・・
その後で、記憶を取り戻す事と、元の世界に帰る事を考えても遅くないのでは。
それと、今のオレであるルークの事だ。
一体何者なのか?アリアハンの出身なんだろうか?それとも・・・
オレがルークに乗り移っているのなら、ルーク本人の意識は何処に行っている?
そこまで考えて、昨日の事を思い出す。
塔での戦闘の最中に聞こえて来た声・・・
アレはアモス自身の声だったのではないか?
だとすると、ルークの意識はオレの中で眠っている事になるが・・・
まさか、そんな事はありえないよな・・・
慌ててそんな考えを打ち消して、先へ進む。
昼過ぎにアリアハンにたどり着く。
町に入り、城へと進んで行く。
当然のことだが、オレの背負っている荷物は目立つ事この上なく、そこら中
から悲鳴などが聞こえて来る始末。
慌てて城の兵士達がこちらに飛んで来る。
「お前ら、そこで止まれ。それは何だ?」
「ナジミの塔の親玉さ。オレ達が退治して来てやったんだよ」
胸を張って答えたのは勿論アモス。
「なんだと。しかしこれは・・・なぜさまよう鎧が・・・
とにかくそいつを降ろせ」
ようやくこの荷物から開放されるのか・・・
勿論、喜んで降ろしたのは言うまでも無い。
オレ達にしばらく待つように言い残し、兵士達はさまよう鎧を持って
去って行った。
482 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/14(火) 06:39:13 ID:mjUrd1ulO
支援カキコ
二時間後・・・
「いつまで待たせやがるんだ!」
もう我慢できんと言った具合に、アモスが怒鳴る。
オレでさえイライラしてきている。ましてや短気なアモスでは・・・
気持ちは分かるがオレに当たられても困る。
こういう時は話をそらすのが一番いい。
「そういえば、さっきの兵士達がさまよう鎧を見て驚いてたけど、何でだろ?
ボスがどんな奴か知らなかったのかな?」
「ああ、最近あの周辺にモンスターが急増してたから、その親玉がいることは
分かっていたが、どんなモンスターなのかまでは誰も知らなかったさ。
オレも、まさかさまよう鎧が出てくるなんて想像もしてなかったからな・・・」
「それで驚いてたわけか」
「まあな、そもそもこの地方は世界中で、最も棲息モンスターのレベルが低い地方
だからな。他の地方では、さまよう鎧以上に強いモンスターが当たり前だって
話だぜ」
マジかよ・・・
やっとの思いで倒したアイツが、他の地方では雑魚?
正直、信じたくない話だ・・・
つづく
間違えた・・・
>>480 アモス自身の声だったのではないか
になってるけど、正しくは
ルーク自身の声だったのではないか
です。
恥ずかしい・・・
>>434 続き
●テリーの考え
「若者と語るのは久方ぶりで飲みすぎてしまったわい!」
「ホイミンも飲むんですか?」
「一度飲ませたんじゃがえらく横暴になっての、それ以来飲ませてないんじゃ わっはっは!」
しんみりした話は終わり談笑に切り替わっていた
トルネコもそうだったが聞いていてとても楽しい
テリーはというと黙ったまま 顔は話に合わせ笑うのだが何か考えているようだ
"そろそろ寝るか"と片付けを始めると突然、テリーが口を開く
「メルビン殿 俺に剣術を教えてくれませんか」
突然の話にメルビンが眼をパチクリさせる
「すぐにではなくこの雷鳴の剣を修理してからになるのですが…
先ほどの手並、一瞬だけでしたがあなたは俺などより遥かに強いと感じた
……お願い できないだろうか」
油の無くなりそうな激しいランプの炎が テリーの真剣な表情を際立たせる
「ふぅむ… しかしワシは もう昔ほど動けないんじゃよ
教える事が果たして出来るかどうか」
「言葉だけでもいいのです あなたからいろんな事を学びたい!」
「…なぜ 剣術を学ぶ?」
「それは 目の前で倒れる人を無くしたいから─ です」
ランプに油を継ぎ足すメルビン
一瞬消えかけた炎が安定した明るさを取り戻し その厳しい表情を照らす
「今すぐ決めてもらおうなんて考えていません
次会うことが出来たときに…」
深々と頭を下げるテリー
三人に静寂が降りる
静かに燃える小さな炎
手を伸ばせば届きそうな星空 見ていると吸い込まれてしまいそうだ
メルビンが口を開く
「テリー殿 あんたはワシを─
ワシに黙って何処へも行かないと約束できるか?」
「お約束、します…!」
「……ワシはグランバニアへ向かうから町の周辺を探すと良い
ただし、本当にどこまで教えられるか保証はないぞ?」
「ありがとう ございます!」
メルビンの言葉にしっかりした返事をするテリー
テリーは メルビンの元で学ぶ事を決めた
トルネコの師 きっと強くなれるだろう
「今日は遅い…
ワシも長旅が待っておるからもう寝よう 今日は楽しかったよ」
メルビンがそう言いながらホイミンを抱え馬車へと入っていった
「テリー、今後が決まったな おめでとう」
「ははっ めでたい事か?」
「うーん… まぁでも今まで無かった目標が出来たわけだから」
「そうか そうだな」
「俺は どうしようかな…」
器に残った酒をちびりとなめる
僅かな量なのに身体が熱くなった
「お前は呪いを解く旅だろう
あ、強くなってルビス様に会うってのもあったか…」
「うん まぁ… 正直一人でやっていけるか不安だらけだが頑張るよ
それから、テリーの判断は正しかったと思うよ」
「トルネコ殿を育てた腕前だ この人につけば強くなれると思った
……次会えた時はでも、商人になっているかもしれん」
「似合わないな… そうだったら笑ってやる」
「何を言うか! 強い商人だ!」
"そろそろ寝よう" まだ煙くさい小屋へ入る
ちょっとの酒で酔った俺の身体がもう動けないと勝手に寝転がる
「……なぁタカハシ」
「ん?」
「何か 俺に隠してないか?
お前から不思議な雰囲気を感じる時があるんだ
ルビス様の声を聞く事が出来るし強くなる早さも尋常じゃない
特別な─ 人間だったりするのか?
時々ひどく悩んでいることもあるし…」
「……」
俺はテリーの真実を言うべきか迷った
ここで言ってしまうとテリーも巻き込んでしまう
いや それより信じてもらえないほうが辛い
「……何も無いよ 俺は普通の旅人だしいろんな偶然が重なってるんだと思う
強いって言ったって今までが弱かったんだからさ、強く見えるだけだよ
俺は特別な人間なんかじゃないよ!」
「そうか それならいいんだが…… 何かあったら何でも言ってくれよ?」
「ああ、なんでもないんだ …ありがとうな」
「じゃあもう一つ
お前は後向きに考えすぎるから根暗に見える事がある それじゃ女に嫌われるしモテないぞ?」
「うっ 余計なお世話だ!」
テリーは気付いている
俺が普通の住人では無いことに─
俺の得意技ネガティブ思考
これが魔物を倒せる技だったら楽なのに
『おれ:必殺ネガティブ思考!』
『魔物:ぎゃあああぁぁ あ なんか戦ってもこの人間にはどうしても勝てない気がする…』
『おれ:貴様があがいても俺には勝てぬ!』
『魔物:どう考えても無理だー』
「フフ…」
「なんだ?! 突然笑うなよ、気持ち悪いぞ…」
「す、すまん…」
……無理だよなぁ
●フィッシュベル
「ではまたな グランバニアで待っておるよ」
「はい、必ず戻ります」
「タカハシ殿… お前さんとはまたどこかで会えると願っているよ 達者でな」
「メルビンさんもお元気で… お世話になりました」
本当に また会えると良いな
「じゃあねタカハシ! ボクの事も忘れないで!」
「もちろんだよホイミン、またな!」
馬車が離れていく
少しトルネコを感じさせる人だった
「よし! 食料も水も補給できたし行こう!」
重くなった荷を背負い歩き始める
うまいモノを食べすっかりリフレッシュした身体は軽かった
「ところで、海の魔物はやっぱり魚だったりするのか?」
「魚みたいなのもいるがな、カニや貝の化け物もいるぞ」
貝はともかくカニのでかいのは恐いな
巨大なハサミではさまれたらと思うと…
『ザサッ ザサッ』
「出やがった!」
想像の魔物はすぐに姿を見せた
少し離れた前方に三匹の魔物が壁を作る
「よし… 俺はあの亀を相手にするからお前は残りを頼む」
「わかった」
二手に分かれ魔物を挑発する
最初に動いたのはヘルパイレーツ 俺が相手をする魔物だ
が─ 俺達の目論見とは逆にその長い槍がテリーを突く
面くらい慌てて避けるテリー オクトリーチも続けてテリーへ襲いかかる
砂の上だというのに異常に素早い動きを見せる魔物
残るガメゴンは俺をじっと見ている
じりじりと間を詰めようとするがうまくいかない
逆に間を開けられてしまう
「こいつ… なかなかやるな」
今まで倒した魔物達とは違い頭を使っているようだ
これでは得意な間合いに入り込めない
見えないが離れた所でライデインが地に落ちる音が聞こえた
俺は痺れを切らし突きの構えで足元を蹴る
初見の魔物相手に突きは危険だ─
「ゴアアァ!」
もう一歩で剣尖が届くという刹那
ガメゴンの吹く冷気をまともに喰らう
「クッ…! この!」
弱い冷気だ
細かい傷を負いながらもガメゴンの頭と胴体の間を斬首した
「倒したか」
「大した威力じゃなかったから助かったよ」
薬草を数回噛み飲み込む 苦みが痛みと傷を消していく
ヘルパイレーツとオクトリーチはライデインによって炭になっていた
「ガメゴンは物理攻撃があまり効果ないんだ 弱点である首を良く見極めたな」
「甲羅は硬いだろうし… 正直言うと冷気が痛くてもう一歩踏み込めなかっただけだよ
本当は尻尾を狙ってた」
「尻尾? なんでまた」
「いやぁ、尻尾持ってる奴はソレがやっぱり弱点なのかと……」
「なるほど まぁ倒せたから善しとしよう まだまだ経験が必要だな」
「ギチギチッギチッッ!」
二人を四方八方から囲み気味の悪い声を出す数十匹の魔物
何体倒しただろう テリーの魔力が無くなってから剣で戦っていた
かれこれ1時間 そうしている
「俺が海に入らなければ─」
「よせ! 今は逃げる事を考えるぞ!」
受ける刃が折れてしまいそうな程強い力でハサミを振り回す魔物
「群じゃなけりゃこんな相手……!」
心が緩み 海に入ってしまったのがよくなかった
潮をかき混ぜる音は音速で海中へ伝わりガニラスとしびれくらげを刺激した
倒しても倒してもキリがない こいつらは仲間を呼ぶのだ
すぐそこにある町へ 入れない
「このぉぉ! もう町は目の前だっていうのに!」
「このままじゃまずい… 成功した事のない技だが… やってみるぞ─」
巨大なハサミが俺の背中を殴る
のけぞり 痛みに耐え 身体を翻し巨大な口へ剣を突き刺しそのまま水平に斬り裂いた
ガニラスの身体に外側から傷を付けることは容易では無い 内部から傷付けるしかない
そのガニラスにはライデインがよく効く
あまりにあっさり倒せるためテリーも調子にのり魔力全てを最初のうちに使い果たしてしまった
「そ、そいつはすごい技なのか?!」
「成功すればな! 逃げ道を作るにはこれしかない… いくぞ!!」
テリーが腰を落とすと同時にその足元─
大地に地震のような揺れがズゥンと伝わり その衝撃波は地上の魔物と砂を吹き飛ばし視界を遮る
「うお……!」
「い、今だ走れ!!」
声を合図に舞っている砂の中へ走り込む
前がほとんど見えない が、今しかチャンスは無い
「走れはしれハシレ!!」
巻き上がった砂塵が落ち着き周りが見えてくる
「─町だ!! あ!?」
振り返ると魔物に囲まれうずくまるテリー
先を走ってたんじゃ?!
「タカハシ! か、構わず行け!」
「なにを言う!」
町は目の前だったが急いで引き返す
テリーを囲む魔物 ガニラスの群の中にしびれくらげがいる
「麻痺か…! 今─」
「メラミ!!」
後ろから声 同時に巨大な炎の塊が熱風と共にガニラス数匹を消し去る
突然の炎に魔物達は混乱し 俺も驚く
「今のうちに!」
声に押され身体が勝手に動き右往左往する魔物の間からテリーを引っ張り出す
「メラミ!! ベギラゴン!!」
グゴォォゴゴゴ… 轟音
あたり一面炎に包まれ魔物を燃やし尽くしていく
「大丈夫?」
「ありがとうございます 助かりました…」
「気にしないで キアリク」
麻痺を治す魔法をかける若い女
「う… あ、ありがとう…」
礼を言うテリー まだ調子は戻らない
魔物の群の在った場所にはたくさんの光が現れその亡骸を持ちさっていた
あれだけの魔物を一気に燃やしてしまうとは─
「どういたしまして とにかくフィッシュベルへ入りましょう」
テリーに肩を貸し言われるまま町の門をくぐる
「やっと… ここがフィッシュベル… テリーやったぞ!」
『ドサッ』
「テリー?!」
続く…
>>タカハシ氏
流れがすごく面白い。オリジナルの「DQ」だけに、自由度があって、かつ発想力も豊か。
ただ、読みやすさを重視しているのかもしれないけれど、場面と場面の繋がりが解り辛い時がある。
ついでにいうなら、どこにいるか何をしているかどのように感じたか、
というのが「常にはっきりと」していない気がする
元の世界がある通常のSSと異なり、あなたのそれはオリジナルのDQ世界だから
もう少し流れが緩やかでも良いはず。その分しっかりと、地の文を構築したほうが面白くなるんじゃないかな。
>>職人の方々
頑張ってください。
常に面白く読ませてもらっています。
>>497 丁寧な感想ありがとう
ご指摘の通り、実は「感情表情場所表現」が不得意…
物足りなさを感じながら書き、反面長すぎ説明的すぎになる事を心配し削ってしまう事も多いです。
最近はドラクエっぽく無いんじゃないかと心配し、果たしてここで続けていいモノか考えたり。
頂いた意見を大事に少しでも成長出来るように、完結目指して頑張ります。
499 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/15(水) 15:19:21 ID:HtzQ0bNX0
久しぶりに来たけど、また盛り上がり始めてるね。
>>498 楽しいから完結まで頑張ってほしい。
オルテガ氏
文章が読みやすくてイイ!
今後に期待。
他の職人の皆さんも期待してます。
500 :
497:2006/02/16(木) 04:26:27 ID:XybJyWMG0
>>498 個人的には「現実世界」と「仮想(DQ)世界」が入り混じるところが、このスレの一つの醍醐味だとも思う。
でも作者の作った世界は、作者の作った小説です。だから好きに書くべきではないでしょうか。
面白ければ良いというものではないが、良いものは皆面白いのですから。
なんてグダグダと書いて、職人の方のやる気を殺いではいないかと
感想つける方も正直ヒヤヒヤです
読み手に状況を伝えるだけの文章量と、
テンポを崩さないようにするだけの文章量。このあたりのバランス、凄く難しいとは思います
頑張って欲しい
>>499 ありがとう
必ず完結させます
>>500 感想を貰える事は例え一文字であってもうれしいですし励みです
やる気無くなったりする事は全くありません
先のレスは言葉足らずでした
とてもわかりやすい助言、感謝してます
オルテガさんの作品で気になる事が・・・
作品自体は楽しく読ませてもらってるけど、主人公の記憶が無いってのは
このスレの趣旨からは反してるような気がするんだけど。
余計なお世話かもしれないけどね。
>502
趣旨なんてねぇよ
宿で起きればいいのだから
レッドマンも他人の体内から始まったんだけどまぁいいんじゃね?
楽しめたら。
ローディ氏マダー?
マチクタビレタヨ…
506 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/17(金) 04:27:03 ID:OcPq5lT20
とりあえずあげ
>>483続き
それからアモスにこの世界の地図を見せてもらう。
・・・なるほど、この世界は想像以上に広い。
アリアハン、レーべ地方なんてほんの一部に過ぎない事がよく分かる。
それにしても、これと同じような地図を見た事があるような気がする。
その事を考えると、失った記憶がうずくような感覚が・・・
元の世界に関係する何かがあるような気がしてならない。
「どうしたんだ?やけに深刻そうな顔だが」
アモスの声で思考が中断される。
記憶を取り戻す糸口を掴んだような気がしたんだが・・・
まあ、慌てる事はないか。
そうしてる内に、ようやくさっきの兵士の内の一人が戻ってきた。
「お待たせしました。ご足労ですが、これからアリアハン城まで同行願いたい
のですが、よろしいですか?王様が直々に会いたいと申しております。
ところでお二人の名前は?」
さっきとはうって変わって丁寧な口調だ。
アモスが驚きと嬉しさが入り混じった顔で答える。
「オレがアモスでコイツがルークだ。勿論OKさ。まさか王様本人からお褒めの
言葉を頂戴できるとは光栄だね」
兵士はそんなアモスを見て不安を覚えたのか、
「あの、分かっているとは思いますが、王様の御前ではくれぐれも粗相の無いように・・・」
と、釘を刺してくる。
「大丈夫さ。オレは見た目通り紳士だからな。オレよりもコイツの事を心配したらどうだ?」
誰が紳士だって?
でも、確かに王様の前でどんな態度をとればいいかなんて、オレには分からない。
アモスを見て、それを真似するしかないな。不安だけど。
城門まで来て間近で城を見ると、その大きさ、美しさに圧倒されそうになる。
城の中に入り、真っ直ぐに絨毯の上を進む。
周りの連中が興味深そうにこっちを見つめ、こそこそ話しなどをしているのが
少し癇に障る。
階段を上り、大きな部屋に入るとその先に玉座に座り、堂々とこちらを見つめる人物。
この人が・・・
兵士に促されるままに前に進み、王様の前でアモスに習って跪く。
兵士がオレ達の説明を始める。
「この二人が、ナジミの塔に住み着いた魔物達の親玉を倒したという、アモスと
ルークであります」
「アモス、ルークよ、面を上げよ」
「はっ」
王様の言葉に、俺たちは顔を上げて正面を向く。
王様は無言のまま、真っ直ぐにこちらを見据えたままだ。
気のせいか、オレ達を観察するような、二人の人間性を量るような・・・
そんな感じを受けるのは考えすぎか。
ようやく王様が口を開く。
「この度のお主達の働き、まことに見事なものだ。その働きに報わねばな」
そう言って側近に何かを命じている。
やがて兵士が大きな袋を運んできた。
「お主達には金5000Gを取らせる。今後、一層世の中の為に励んでくれる事を
期待する」
「はっ」
慌てて頭を下げるオレとアモス。
割と呆気なく王様との体面を終え、城の外に出た。
アモスは緊張感から開放され、金も入った事でハイテンションだ。
「思ったよりも呆気なかったな。それにしても・・・5000Gだぜ!
苦労した甲斐があったな」
とニヤニヤしている。
「さあ、今夜はドンチャンと行くか!」
「あ、その前に相談したい事が・・・」
「分かってるって。分け前の事だろ?ちょっと待ってろよ」
「いや、ちがうんだけど・・・」
人の話は最後まで聞けよ・・・
「そらっ、それがお前の分だ。それと、明日までの約束だったけど、今の内に
給金も払っておくよ。合計で2000Gだ」
硬貨の入った袋をアモスから受け取った。ズシリと重い。
2000Gか・・・
Gの価値はまだよく分からないが、かなりの大金だろう。
確か薬草が8Gだから・・・薬草250コ分!
・・・多いのか?
それにしても、アモスのセコさから考えて、5000Gの内の1000Gでもくれれば
いい方だと思っていたけど・・・
ケチだという認識を改める事にしよう。
「さあ、飲みに行くぞ!」
そう言って駆け出して行くアモス。
せっかちなのは決定だな・・・
今の内にこれからの旅について話したかったんだがな。
まあ明日でもいいか・・・
今日はぱーっと行くか!
二人で夜の酒場に繰り出した。
この世界の酒は最高に美味い。
達成感、開放感を満喫しながら飲んでいるから余計にそう感じるのかもしれないけど。
そんな事はどうでもいい、とにかく美味い!
以前の世界でもこんなに美味い酒は飲んだ事が無いに違いない。
オレのペース速さに心配したのか、アモスが
「おいおい、顔が真っ赤だぞ。それくらいにしとけ」
などとくだらない事を言ってくる。
「何言ってんだい?今日飲まなくていつ飲むんだよ。手が止まってんぜ?オレが
ついでやるからぐっと行きな」
「ルーク、お前・・・酒乱だったのかよ・・・」
この辺から意識が朦朧となる。
アモスに担ぎ込まれて宿屋に着く頃、完全に意識が離れ、眠りについていた。
ここは何処だ?
頭が重く、現実なのか夢なのかよく分からない。
そこは見覚えがあるような部屋だった。
ベッドの上に男が寝ている。
少しして男が目を覚ます。
男はしばらくぼーっとしていたが、やがて体を起こして驚いた表情を浮かべている。
部屋を見渡してさらに混乱しているようだ。
男に声を掛けようとしたが、オレの姿が目に入らないようで完全に無視される。
やがて男は意を決したようにドアを開け、外へ出て行った。
追いかけようとしたがまるで体が動かない。
やがて少しずつ視界が狭まって行き、その内に完全に闇に包まれて行った。
目が覚めると最初にこの世界に来た時の部屋だった。
「夢だったのか・・・」
さっきの映像がまだ目に焼き付いている。
夢にしてはあまりにも鮮明だったが・・・
それにさっきの部屋と、そこにいた男。
これも失った記憶に関する事なのか?
昨日の酒が残っており、頭痛が酷くて考えがまとまらない。
これ以上考えても無駄みたいだな。
かなり寝坊したみたいだ。
早く準備をしないとまたアモスが怒鳴り込んで来るだろう。
そう思い、準備をしようと立ち上がる。
と、サイドテーブルに手紙のような物がおいてある。これは?
開けてみると、それにはこう書かれていた。
『自分の甘さを少しは思い知ったかい? アモス』
どういう意味だ?
自分の甘さ・・・
そこでやっとピンと来た。ひょっとして・・・
慌てて自分の荷物を持って来て、中を探る。
やはり無い・・・
昨日アモスから受け取った2000G、それに元々持っていた財布も無くなっている。
部屋を出てロビーに行き、フロントの男にアモスの事を聞くと、昨夜オレを部屋に
運び入れ、そのまま去って行ったと言う。
オレの宿代は前金で払って行ったらしいが・・・
ロビーのソファーに座り呆然としているオレに、見覚えのある老人が声を掛けてきた。
「どうやらアモスに一杯食わされたようだな。だから気を付けろと言ったというのに・・・」
ああ、あの時の爺さんか。
「爺さんはアモスの知り合いなのか?」
「いや、向こうはワシの事はしらんだろうが・・・でも関係ないとはいえないな」
「・・・どういう意味だ?」
「それは・・・いや、話すと長くなる。いずれ話す機会もあるだろうて」
そう言って宿を出て行く老人。
まだ聞きたいことは山ほどあるんだ。
慌てて追いかけて宿の外に出るが、すでに老人の姿は無かった。
あても無くアリアハンの町を歩く。
これからどうしたらいいんだろう・・・
考えてみればこの世界に来てからというもの、アモスの後について行動して
いただけだ。勿論、そうせざるを得ない事情があったが。
そのアモスはもういない。
殆ど何も分からない世界でただ一人、しかも無一文。
今日に孤独感が襲って来る。
我ながら不思議だが、あまり腹は立たない。
確かにどちらかといえばケチな男だった。
やられてみれば、いかにもアモスらしいじゃないか。
でも心の何処かでまだアモスの事を信じていたい。
こんな考えさえ、もしアモスが聞いていたら「甘い」の一言で済まされるだろうけど。
それでも異世界に飛ばされて、そこでの唯一の心を許せる相手。そう思い始めていたから。
「ルークさん!探しましたよ」
背後から声を掛けられ、思考が打ち切られる。
振り向くと、昨日の兵士だった。
「オレ?何か用があるのか?」
「はい。今から城まで来て頂けませんか?王様から話があるそうです」
「えっ、王様が?」
「はい、付いて来て下さい」
そう言うと、返事も聞かずに兵士は歩き出した。
王様がオレに用・・・
勿論どんな用かまったく想像がつかない。
まあいい、ついて行けば分かる事だ。
兵士について行き、城に向かって歩き出す。
まあなるようになるさ・・・
つづく
>>515 今日に→急に
です。
二度とこういうことが無いように気を付けます。
レスを無駄にしてスマン
乙
オルテガ乙
展開も速いし伏線も気になる。
かなりいい感じ。
あと、誤字脱字くらいでそんな謝罪はイランかと。
了解。
age
ヘンリーは死んだ。また一人、尊い命が奪われた。
こうして、人々は苦しみ、死に絶え、絶滅に時々刻々と近づいていく。
魔族の手によって。
テリーは人間…しかし、あれほどの狂気の沙汰を躊躇せずにやってしまうなど、魔族となんら変わりない…。
魔族を…この手で根絶やしにせねばいけない。殺戮で快楽を得る異常者を…。
殺戮者を殺し、根絶やしにする…。納得はいかないが、これ以外に方法がない…。
あれ程の殺戮集団を、この世から滅する為には…。
俺達二人は無言のまま、西の海辺の村に向かっていた。
俺が負ぶっている『物』…ヘンリーの遺体。
せめて…海辺の村に墓を建てようと思い、海辺の村まで運んでいる。
俺に力があれば…テリーを退け、ヘンリーも死ぬ事はなかっただろう。
だからヘンリー…見ていてくれ。俺は誰よりも強くなってみせる。
そして…憎き種族、魔族を根絶やしにしてコリンズを救ってみせる。
3時間程経っただろうか。俺達は、遂に海辺の村に到着した。
船が数隻ある以外、何も特徴のない平凡な村。
ここが…10日後に、人類の運命を賭けた決戦が繰り広げられる場とは到底思えないが…。
しかし、遥か北にある魔族の城が微かに見えた瞬間、その疑問が一気に解消した。
孤島に聳え立つ暗黒の城…これだけ離れていても、恐ろしいほどの魔力が押し寄せてくる感じがする。
最終的にはあの城に乗り込むのだろうか…上陸した瞬間、魔力に呑まれそうな気がしてならない。
いや、弱気になっている場合ではない。ヘンリーやボロンゴ達の仇を、俺が取らねばならないのだから。
それより、まずは墓を建てよう。ヘンリーの墓を…。
俺は決戦の際に巻き込まれないよう、村の端に墓を建てる事にした。
ミレーユに離れてもらう様に言い、地面に拳を垂直に突き立て、深呼吸をする。
「はぁっ!!!」
叫び声と共に拳を引き、一気に地面を抉り込む様に打つ。
ドォォォン!!!!
「きゃ!!」
轟音と共に砂が八方に飛び散り、一瞬地面から突風が巻き起こる。それに驚いたのか、ミレーユが声をあげる、
砂が目に入らないよう目を瞑り、風が収まると同時に目を開くと、そこには丁度人一人が入れる程の穴が出来ていた。
ふぅ、と溜息をつくと、今度はヘンリーを担ぎ、今俺によって作られた穴にゆっくりと寝かせた。
ヘンリー…これで…完全にお別れだな…。
後は砂で埋めるだけで、ヘンリーの顔を見る事は二度となくなる………。
俺は最後に、ヘンリーの右手を強く握った。暖かさを失った、冷たい手。
絶対にコリンズを助けるから…お前も…俺を見守っていてくれ…ヘンリー…。
お前が見守っていてくれたら…俺…絶対ゲマ達を倒せると思う…。
………じゃあな………ヘンリー……………。
俺は足元の砂を、力なく握り締めた…。
「お主達…何をやっておる?」
突然、隣から老人の声が聞こえてくる。
声のする方を向くと、紫のゆったりとしたローブを纏い、樫の杖をつく老人がいた。
「…墓を作ってる。魔族との決戦に参加しようとしていた奴だから、せめてここに墓を建ててやろうと…。」
そう言って、俺は黙々と砂をかけていく。
「…ふむ。ちょっと待ちなさい。」
「…?」
老人にそう言われ、砂をかけていた手を止めた。
老人はヘンリーの傍で膝立ちになり、胸の辺りに一目で痩せ細っているのがわかる、細く肌色の悪い手を乗せた。
数秒すると老人は胸から手を離し、ゆっくりと立ち上がった。
「この者…生き返らせる事ができる可能性があるぞ…。」
「何っ!?」
老人の言葉を聞いて、即座に驚きの声をあげる。
本当なのか?一度死んだ者を生き返らせるなど…普通では考えられない。
「まだ最近習得したばかりじゃが…試す時が来たか………蘇生魔法、ザオラルを…!」
ヘンリーにかけた砂を払い、老人の家に運んだ俺達は、老人が使っているベッドにヘンリーを寝かせた。
老人の名はカルベと良い、この村の長老であり、世界的にも有名な大魔法使いだそうだ。
「習得までに30年かかった蘇生魔法…まだこの世でわし以外に使える者はいないだろう…。わし自身も成功する自信はあまりない…あまり期待せんほうが良いかもしれんぞ。」
そう言って、老人はヘンリーの胸に手を添えて、何か呪文を唱え始めた。
生き返る可能性は低い…そう言われても、期待せざるを得ない。他に、生き返らせる術がないのなら。
「お主達も決戦に参加する者達か?」
「え?あ…まあ一応…。」
呪文を唱えておきながら突然話し掛けてきたので、一瞬応対に困った。
「ならば修行でもしておくといい…。この呪文はかなり時間がかかるでな…。」
外に出て、俺は剣の素振りをし、ミレーユは呪文書を読んでいるが、全く集中する事ができない。恐らくミレーユも同じであろう。ヘンリーの生死が決まる時に、修行に集中などできるはずもない。
出来れば…いや、絶対にヘンリーとゲマ達を倒したい。だから…生き返って欲しい。
絶対にザオラルを成功させてくれ…カルベ長老…。
「ごめんなさい…。」
家の壁にもたれかかって本を読んでいたミレーユが、いつの間にか涙目でこちらを見ていた。それを見て、適当に剣を振っていた手を止める。
「私があの時…弟を止めていたら…。」
ミレーユの眼から、頬を伝わり、涙が零れ落ちる。
「ミレーユのせいじゃない…。それに…生き返るのかもしれないんだから、泣くなよ…。」
「…そうね………。ごめんなさい…泣いてばかりで…。」
ミレーユは、か細い手で涙を拭う。
弟、テリー…。
何故テリーはあれほどまでに豹変してしまったのだろう。
単に人格が変わった…テリーの持っていた奇跡の剣の魔力…魔族に操られた…。
原因は色々挙げられる。ミレーユはいつかその原因を突き止め、テリーを助けるのだろう。
当然、それには協力するつもりだが…俺自身の問題はどうなのだろう。
ボロンゴ達の行方…元の世界に戻る術…。前者は、魔族に聞けば分かるかもしれない。だが、後者は?
この世界に来てから、一度も元の世界に戻る術など聞いた事がない。
もし、この世界で生涯生きていく事となったら…俺に居場所はあるのだろうか。
俺が異世界の人間と言う事実は誰一人知らない…。この際、相談するべきか…。
その時、長老の家の扉が、ゆっくりと開かれた。中から出てくるのは、カルベ長老。
「…!長老、ヘンリーは…!」
待っていた現実は、余りに酷なものだった。
目を閉じたまま、首を横に振るカルベ長老。その姿が、既にヘンリーの生死を物語っていた。
「くっ…!」
ヘンリーの死を信じたくなかったのか、勢い良く家の中に飛び込む俺。
が、その勢いは、ヘンリーがいる部屋の前に来た所で、ピタリと止まってしまった。
開けるのが怖い。答えはもう、分かっているのに。
いや、寧ろ答えが分かっているから、開けるのが怖いのかもしれない。
ドアノブに手をかけるも、手が大きく震え、ノブがカチャカチャと音を立てる。
が、それでも真実をこの目で確かめなければならないので、俺はドアノブを強く握り締め、ゆっくりとドアを開けた。
キィィ…と音を立て、ドアの向こうにあった光景は、やはりヘンリーがベッドで横たわっている姿………否、ヘンリーは上半身を起こしていた。
「心配かけてすまなかった…。」
ヘンリーは、確かに俺に喋りかけた。生きている…?…ヘンリーが…?
「…って事は…爺!騙しやがったな!」
「ひょーっほっほ!わしは死んだとは一言も言っとらん!」
畜生、ジジイめ。漫画に出てきそうな事やりやがって。後で魔人斬りの餌食決定。
「…テリーが…俺がお前を邪魔者扱いしていると言っていただろう。」
「…ああ。」
確かにそう言っていた。あいつの勝手な思い込みだろうと言い聞かせていたが…まさか、本当に…?
「確かにお前は弱い。攻撃も防御も呪文も並以下。戦術も最悪だ。素質もないしな。」
「………。」
ここまではっきり言われると気分が良い。感謝したいぐらいだ。
「だが…一番信頼している奴を邪魔者扱いするはずないだろう?」
「信頼…?」
本気で言っているのだろうか。役立たずの俺を信頼しているなどと。
「普通の奴なら、この世界の現状を知った瞬間逃げ出すさ。」
まあ…確かにそうだが…。
とりあえずアテがないからヘンリーについていった、というのもあるだろう。正常な脳を持ってたらヘンリーについていかないと思うが…。
一番の理由は…やはりボロンゴ達と再会する事か。危険を冒してでも再会したい、と言う気持ちが俺をここまで来させたのかもしれない。
その時、ヘンリーが俺に手を差し出した。
「絶対に魔族を倒して…お互いの目的を果たそう。」
俺はその言葉に、握手で応えた。
ヘンリーの手を握った瞬間、ついぞ感じた事のないような暖かさを感じ、俺が抱えていた不安が薄らいでいった。
魔族との決戦まで、あと11日
Lv27
HP82/140
MP47/70
武器:雷鳴の剣 鎧:シルバーメイル 兜:風の帽子
回復:ホイミ、ベホイミ
攻撃:バギ、バギマ、ギラ、ベギラマ
補助:スカラ、ルカニ
特技:はやぶさ斬り、火炎斬り、諸刃斬り、魔人斬り、正拳突き
527 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/20(月) 00:08:07 ID:6KvRGDUJ0
なんじゃ、こりゃw
528 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/20(月) 03:15:39 ID:WRHp5rlqO
age
オルテガ氏、ローディー氏乙です!
凄まじいほどwktk
531 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/20(月) 10:56:23 ID:uhstyoW9O
ローディ乙
魚目は消えたんかな?まぁあいつおもしろくなかったし…
あいつのせいでこの板荒れたからいなくなってよかったねー
533 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/20(月) 15:53:47 ID:i1Ue5TwIO
誤爆か?
ローディ乙!
帰ってくるのを待ってたぞー
オルテガ乙!
どんどん面白くなってきた。今後に期待
>>516続き
城に着き、昨日と同様に王様の前に通される。
「ルークよ、突然呼び出して済まなかった。驚いたであろう?」
「いえ、そんな事は・・・」
昨日とは王様の雰囲気が違うように感じるのは気のせいか。
「あの戦士とは袂を分かったようだな。はっきり言って都合が良い。
どうもあの戦士には信用のおけぬ気がしていた。どうやってお主だけに話せば
いいか、正直迷っていたのだよ」
「オレだけに?」
「そうだ、今から話す内容は、絶対に国民には知られてならないのだ。
もし、お主が私の頼みを断るとしても、その内容は自分の胸に秘めておく事だ。
絶対に他言してはならない」
そう言って言葉を切り、じっとこちらを見つめてくる。
怖いほどの視線で。
「それでは話そう」
ゆっくりとした口調で話し始めた。
「お主もこの世界中で起きている異変に気付いている事と思う。
異常気象、モンスターの異常増加、そして世界を覆う澱んだ空気。
これらの異変にはちゃんとした理由があるのだ。この異変を引き起こしている
張本人はこの世界に突如現れた魔王だ。その名を『バラモス』という」
「魔王・・・バラモス・・・」
声が掠れている。
魔王だって?お伽話じゃあるまいし・・・
「そう、魔王バラモスだ。世界中の殆どの人々は、その存在にすら気付いていない。
この異変に対して、何も分からずに怯える事しか出来ないのだ」
「・・・・・・」
それでオレにどうしろと?まさか、まさかな・・・
「数年前、このアリアハンから世界を救う旅に出た勇者がいた。その名を『オルテガ』という。
勇者オルテガは闘いの末、魔物の手に落ちて命を落としたという」
王様は再び話を中断し、目を閉じて何かを考えているようだ。
まるでその頃を思い出すように。
「そして3ヶ月前、今度はそのオルテガの息子が旅立った。
親の敵を討ち、世界を救う旅へと・・・
その名は『トリスタン』という」
魔王バラモス、勇者オルテガ、そしてその息子トリスタン・・・
「トリスタンが旅立つ前に、現状報告を頻繁に行うように言っておいた。
実際、最初の頃は報告が来ていたのだ。
しかし、この1ヶ月間、報告が途切れ、消息は掴めぬままだ」
「・・・それで、オレへの頼みとは何でしょうか?」
「本題はこれからだ。消息が途切れたとはいえ、命を落としたという情報も入ってはいない。
私は何処かで生きていると信じているのだ」
「・・・・・・」
「お主への頼みとは、これから世界中を旅して、トリスタンの消息を探って貰いたい。
そして無事に探し出す事が出来たら、今度はトリスタンの旅を助けてやってほしいのだ」
「・・・・・・」
あまりの内容に声も出ない。
一人の人間を探して世界中を旅する?
まるで雲を掴むような話じゃないか。
おまけにこの世界の事は殆ど分からないし、仲間もいない。
さらに一文無しの無い無い尽くし。
人探し以前の問題だ。
それに万が一見つかっても、今度は魔王退治かよ・・・
話にならない。
こんな依頼を受けるのは自殺行為もいい所だろう。
なぜオレにこんな事を頼むんだ?
仮にもここは城じゃないか。兵士だって幾らでもいるだろうし、そいつらに行かせれば
いいじゃないか。
無関係のオレに頼むなんて、王様としてのプライドは無いのか?
・・・断ろう。
無言のオレに、尚も王様は話を続ける。
「今回、ナジミの塔のモンスターに報奨金を掛けたのもこの為だ。
倒して来た戦士を直接見て、信用出来そうな人物ならこの話をしようと思っていた。
そして私は自分の目に自信を持っている」
・・・そうゆう言い方は卑怯だ。
何とか上手く断らなければ・・・
「でも、オレには世界を旅する為の知識も無いし、仲間もいないので・・・」
「その点は心配無用だ。共に旅をする経験豊富な仲間をこちらで用意しよう」
オレの言葉を予想していたように、すぐに返事が返ってきた。
何か外堀がどんどん埋められて行くような・・・
「ワシをその旅に同行させてほしいのじゃが」
突然の後ろの声に振り返ると、そこには魔法使いのような格好をした老人が立っていた。
いつからそこに居たのか・・・全く気配を感じなかった。
王様も驚いた顔をしている。
「マトリフ殿、何を言うか。第一、その老体で旅などと・・・」
「老体とは聞き捨てなりませんな。それにもう決めた事じゃ。
息子が殺され、孫が行方不明などと・・・このままでは死んでも死に切れませんな。
息子の敵を親が討つのは当然の事。止めて下さるな」
王様は困った顔を浮かべているが、やがてオレに向かって爺さんの紹介を始めた。
「こちらは勇者オルテガの父親である魔導士、マトリフ殿だ」
マトリフと呼ばれた爺さんは、鋭い眼光をこちらに向けてくる。
「たしか・・・ルーク殿でしたな。話は全部聞かせて貰った。
どうじゃろう?このワシを連れて行く気は無いかな?ワシは若い頃に世界中を
旅して回った。今回の旅にきっと役に立つと思うのじゃが、如何かな?」
どうだと言われても・・・
王様の話を聞いた限りでは、かなり危険な旅になりそうだというのに、こんな爺さんを
連れて行って大丈夫か?幾ら旅の役に立つと言われても・・・
・・・って、何で依頼を受けるのを前提で考えているんだ?
断るんじゃなかったのか?
そんなオレをよそに、マトリフは王様に向かって、
「話はまとまった。旅の許可を頂きましょう。
このマトリフとルーク殿、そして・・・もう一人ワシに心当たりの人間がいるので、
その3人で行かせて貰う。そういう事じゃ」
ちょっと待てよ、このじじい。
オレは行くなんて一言も言ってない。
しかも、もう一人連れて行くなんて、なに勝手な事を言ってんだ!
「ちょっと待ってくれよ、まだオレは何も言ってないぜ」
抗議しようとするオレを遮り、
「今後の事を相談するとしよう」
そう言うなり、マトリフは外に向かって歩き出してしまう。
待て、話は終わってないぞ・・・
何でこの世界の人間はせっかちな奴ばかりなんだ・・・
救いを求めて王様を見るが、王様は既に諦めた顔だ。
「まあ・・・そう言う事だ。マトリフ殿と相談して、今後の方針を決めてくれ。
また出発の時に顔を出すように」
そう言う事だって・・・なんてアバウトな王様なんだ。
こっちもどうでもいい気分になり、マトリフを追いかける。
それにしても、オレってなんて流されやすい男なんだ・・・
元々のオレがそうなのか、ルークという男がそうなのか・・・
城を出てマトリフに追いつくと、待ちくたびれたという顔だ。
こういう所、誰かに似ている・・・
「若者のくせに、老人を待たせるとは・・・早く付いて来るのじゃ」
「待ってくれよ、マトリフさん。何処へ行くんだ?」
「ワシの家じゃよ。誰もおらんから話しをするのにちょうどいいからな」
マトリフに付いて町を歩く。
町の外れ近くの小さな家の前でマトリフは立ち止まった。
「ここじゃ」
中に入ると、最初に思ったよりも広かった。
周りには何やら実験器具のような物が置いてある。
そして本棚には難しそうな本がズラッと並んでいた。
どうやら何かの研究でもしているようだな。
応接室の様な所に通され、ソファーを勧められる。高そうなソファーだ。
座ってみると、体が沈んで行くほどに柔らかい。
「いつから一人暮らしを?」
「3ヶ月前からじゃよ・・・オルテガが旅立ったのが8年前・・・その嫁は体が弱くてな。
オルテガの死を聞き、後を追うように病気で逝ってしまった。
それからはワシの手でトリスタンを育てて来た。トリスタンが旅立つ時、ワシも付いて
行きたかったんじゃが、トリスタンは一人で行くと言い張ってな・・・
それで一人という訳じゃよ・・・」
淡々と話すマトリフ、それでも家族への想いは痛いほど伝わってくる。
何も考えずに無神経な事を聞いた事を後悔する。
「悪かった・・・変な事を聞いて・・・」
「気にする事はない。別にそこまで孤独な訳ではないからな。何故ならば・・・」
その時、玄関の方から大声が聞こえて来た。
「お邪魔しまーす。マトリフさーん、入るよー!」
・・・明らかに女の、それも若い女の声だ。
「おう、噂をすれば・・・」
マトリフの顔が微かに綻んだ。
ドアが開き、若い女が勢い良く入ってくる。
短めに整えられた髪、少しきつめの目、美人に分類される事は間違いない。
それにしても若い。まだ16,7位じゃないか?
ひょっとしてこの爺さん・・・
マトリフを軽蔑の目で見てやった。
「こら、何を想像しておるか!この娘の名は『ミリアム』じゃ。
まあワシの助手のようなもんじゃ」
慌てるとこが怪しい。
ミリアムと呼ばれた少女は心外といった顔でマトリフを睨んでいる。
「ちょっと待ってよ、いつ私がマトリフさんの助手になったのよ?
・・・ところであなたは?」
今度はこっちを見て聞いて来る。
「あ、オレの名はルーク。えっと・・・」
今の状況を話そうとして思い留まる。
王様に他言無用と言われたのを思い出したからだ。
しかしマトリフは
「大丈夫じゃよ、この娘は全てを知っておる」
そう言ってミリアムにオレの事を説明し始めた。
王様に頼まれた内容、それにマトリフも付いて行く事も。
「トリスタンを探す旅?私も行く!絶対に行く!」
説明が終わると同時にミリアムが叫ぶ。
「でかい声を出すな!お前がそう言うと思って、王様には伝えておるわ」
・・・ハイ?今、何と言いましたか?
「うむ、先ほどワシが言っていたもう一人とは、この娘の事じゃ」
「さすがマトリフさん!こういうのって以心伝心って言うんだよね?」
そう言ってはしゃぎ回るミリアム。
オレはまた頭痛が酷くなって来た・・・
オレの苦悩などには気付かず、あくまで明るい声でミリアムは
「よろしく!ルークさん、一緒に頑張ろうね」
と言って、手を差し出して来る。
その手を握りながら、遂に悟りの境地に達する。
世界を旅する仲間が爺さんと小娘か・・・
まあ、爺さんとの2人旅よりはナンボかマシだよな。
・・・待て、別に行くと決めた訳じゃないぞ。
マトリフは用事があると言って出かけて行き、ミリアムと2人きりになる。
ミリアムからトリスタンの事を聞く。
2人は幼馴染で、兄妹同然に育ったと言う。
トリスタンが旅立つ時に付いて行こうとしたが、マトリフ同様、置いてかれたそうだ。
「連れて行けないって言われて凄く悔しかったんだよね。
私なりにトリスタンの役に立ちたくて、色々特訓してたのに・・・」
「女の子を危険な目に遭わせたくなかったんだと思うけどな」
「それくらい分かってるよ。でも、そんな考え方おかしいよ。
トリスタンは昔から全てを一人で抱え込もうとするのよ。私はそばで見ていたから分かるの。
だから尚更力になりたかったのに・・・一人で出来る事なんて限られてるじゃない。
そうでしょ?」
一応フォローのつもりだったが火に油だったようだ。
ただ、ミリアムの想いは十分に伝わって来た。
遊び半分でついて行きたがっている訳じゃないようだ。
オレもそろそろ結論を出す時だな・・・
最初は断るしかないと思っていた。
しかし冷静に考えて、断ってそれからどうする?
断れば、当然今後に何の当ても無くなる。金も無いし今日泊まる所すら不自由するだろう。
それに失った記憶を取り戻す事、そして元の世界に帰る事。共にどうすればいいか、見当も付かない。
依頼を受けて世界中を旅すれば、それに対する手がかりを掴めるかもしれない。
最後に・・・アモスの事だ。あんな目にあったが、やはり又会いたい。
会ってどうしたいのか、自分でも分からない。それは会ってから考える事だ。
それらを考えたら・・・何だ、結論なんて出ているじゃないか
つづく
オルテガ乙
乙
亀レスだが…
ヘンリー(´;ω;`)ウッ…
549 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/22(水) 01:39:00 ID:hbRyLJzT0
オルテガGJ
テンポが良いし文章も読みやすいね。
ただ、テンポが早すぎて状況が分かりにくい部分もあるかな。
その辺のメリハリを付けるともっといいと思う。
他の職人も帰って来てくれー!
期待age
だるそうな主人公とか出ないかな。エイコさんみたいな…
カタリナが俺達を呼びに来て、リアたちがいる部屋に戻った。
部屋に入るとリアとムーンブルグの王女が仲良く話している。
リア「そうなんだぁ〜」
王女「ふふふっ。それでね………」
カタリナ「失礼します。王女様。もょもと王子とサマル王子をお連れしました。」
タケ「よう。」
王女「あっ!変態王子!!」
タケ「誰が変態王子だと!?お前の一方的だろうが!表出るか!?」
リア「(ビクッ)」
カタリナ「いくらもょもと王子でも暴言は許しませんよ!!」
サマル「お、落ち着いて。もょ………!カタリナさんも、ね?」
いきなり変態扱いかよ。たまったもんじゃないな。
王女「どうしてくれるのよ!」
タケ「悪かったよ。すまん」
王女「ふん!素直に謝ったから許してあげる。」
タケ「はぁ?」
王女「いいから感謝しなさい!」
タケ「わかったよ。」
全く美人でも短気な女は嫌なもんだ。
サマル「そ、それでね。ムーン王女。トーマスさんの事なんだけど」
ムーン「ムーンでいいわよ。いったいどうしたの?」
サマル「ご、ごめん。僕が一晩中治療していたのだけど下半身不随なんだ…」
タケ「トーマスさんはハーゴンの手下にベギラマを喰らって致命的なダメージを受けたんだ。サマルが何とかしてくれたのだが駄目だった。サマルなりに頑張ってくれたんだけどさ。」
ムーン「そうなの………私に任せておいて!」
タケ「何とかなるのか?ムーン?」
ムーン「とにかくトーマスの所に案内して頂戴。」
リア「ムーンさん案内するね。」
俺たちはトーマスがいる部屋に向かった。
トーマス「あっ……お、王女様。申し訳ございません。私が不甲斐ないために…」
ムーン「いいのよ。あなたが無事でよかったわ。」
トーマス「けど私は足が動かないのです…」
ムーン「ちょっと待ちなさい。すぐ治してあげるから。」
ムーンがなにやら唱え始めた……………………
ムーン「ベホイミ」
何と言う事でしょう…………トーマスの火傷の後が無くなっていったのだ。
トーマス「おおっ……足が…足が動く…」
タケ「すげぇ…」
ムーン「上手くいって良かったわ。これで一安心ね。」
カタリナ「あ、ありがとうございます!流石王女様ですね!」
サマル「僕のホイミと大違いだ………」
ムーン「サマル。貴方が応急処置してくれたおかげで上手くいったのよ。」
サマル「そ、そうなの?」
ムーン「ええ。何も手当てをしていなかったらトーマスは死んでいたわ。」
タケ「俺も薬草の手当てをしたんだけどな。」
ムーン「もょもと。薬草は確かに万能な効果はあるのだけど精々軽い軽傷の時ぐらいしか使えないわ。治療する対象が重傷な場合はあまり効果が無いの。」
タケ「そうなのか…しかし重傷の時に使える道具は無いのか?」
ムーン「見聞学だけど上薬草や特薬草って呼ばれる道具があるらしいわ。中々市場には出回っていない。初級呪文で治療する場合は継続的に唱えなければいけないのよ。」
サマル「しかしべホイミってホイミの上級呪文だよね?」
ムーン「それで合ってるわよ。サマルも覚えたほうが良いわよ。」
リア「ねぇねぇ、ムーンさんはどうやってべホイミを唱えられるようになったの?」
ムーン「私の場合は3年前から呪文の特訓をしていたのよ。それで使えるようになったわけ。」
この娘…性格が高慢な所を除けばかなり頼りになるな。
もょ「じゃあすうじつかんとっくんしよう。みんな。」
タケ(い、いきなり出てくんなや。びっくりしたやないか!)
もょ(すまん。わるいけどタケ。フォローにまわってくれ。みんなにだいじなはなしがしたい。」
タケ(わ、わかったで。)
もょもとの雰囲気が普段と違う…何があったのだろうか?思わず言葉を詰まらせてしまった。
ムーン「一体どうしようとしているの?もょもと。」
もょ「ぜんたいてきにレベルをあげなければいけない。そこでだ。サマル。」
サマル「何だい?もょ。」
もょ「トーマスさんからええっと…やりの…なんだったけな…」
タケ(槍術ね)
もょ「そう、そうじゅつをおしえてもらってくれ。くさりがまじゃやくぶそくだ。」
サマル「そんなのキツいよ。僕はもょみたいに力があるわけじゃないよ」
もょ「なにをいっているんだ。サマルはききかんをかんじなかったのか?きとうしとたたかったときに。」
サマル「うっ…」
もょ「さいあくのばあいぜんいんがしぬかのうせいもあるんだ。これをきもにめいじておかないとダメだぞ!」
サマル「わ、わかったよ。」
リア「もょもとさん。私はどうすればいいの?」
もょ「ムーンといっしょにじゅもんのとっくんをしてくれ。できればカタリナさんにけんじゅつのほうもおそわってほしい。」
リア「うん!私も剣術を学びたい所だったのだから頑張ってみるね!」
もょ「じゃあおれがつかっていたせいどうのつるぎをわたしておくよ。」
もょもとはリアに青銅の剣を渡した。
ムーン「もょもと、貴方はどうするの?」
もょ「もういちどムーンブルグのしろにいく。むだあしかもしれないがごせんぞさまがのこしたものがあるかもしれないからな。」
ムーン「なぜそう言い切れるの?」
もょ「ムーンみたいにじゅもんがつかえるひとがおおかったとおもう。なにかあるかもしれないっておもってさ。」
ムーン「一人で行くつもり?」
もょ「もちろん。じゃあまかせたぞ!」
ムーン「ちょっと!勝手に行かないでよ!」
もょもとは町の外に向けて走り出した。こいつ足が早ええええええええええええええええ!!!!!1111!!!
もょ「はあっ!はあっ!」
タケ「どないしたんや?急に。お前らしくないなぁ」
もょ「まぁ、たまにはおれたちだけでもいいかなっておもってさ。」
タケ「それはちゃうやろ〜?んん?もょもと君。」
もょ「な、なんだよ。タケ。」
タケ「もしかしてちょっと恥ずかしかったんやろ?もょ?」
もょ「そ、そんなことなかったぞ。」
タケ「そんな事ないよな。って俺には誤魔化す事は不可能やで。」
もょ「な、なんでもないぞ。ほんとうに。」
タケ「まぁええわい。深入りはせんとこ。それより何かあるんか?ムーンブルグに」
もょ「ああ。むかうりゆうはおれのかんだよ。」
タケ「えっ?それだけなんか?」
もょ「おう。」
タケ「話は変わるけど俺から言えることは一つあるで。もょ。」
もょ「なんだ?」
タケ「恋愛は沢山して経験を積むことや。それがお前自身にとって糧になるからな。覚えておき。」
もょ「な、なんだよ。きゅうにそんなことをいいだして…」
タケ「気にすんな。俺の独り言やで。とにかくムーンブルグに向かいますか。」
しばらく歩いて行く内に誰かが呼ぶ声がした。
タケ「おい。もょ。誰かが呼んでいるで。」
もょ「だれだろう?」
段々人影が見えてきた……………………
ムーン「もょもと〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
タケ「ムーンちゃんやないか。良かったな。もょ。」
もょ「バ、バカ!なにいってんだよ。」
タケ「まぁ俺は楽しませてもらうわい。」
ムーン「ようやく追いついたわよ!はぁ〜疲れた。」
もょ「どうしたんだ?ムーン?」
ムーン「案内役は必要でしょ。勝手に行動されたら困るわよ!それに私の方がお城について詳しいわ。」
もょ「おお、たすかるぞ。ムーン。よくトーマスさんたちがきょかしたなぁ。」
ムーン「気にすることは無いわ。私は当たり前の事をするだけよ。さっさと行くわよ!」
もょ「なにあせっているんだ?ムーン?」
ムーン「べつにあせってないわよ!もう!もょもとの馬鹿!!」
こりゃ〜オモロイ展開になってきたでぇ!俺は楽しく静観するとしますか。
俺たちはムーンと一緒にムーンブルグの城に向かう事にした。
もょもと&タケ
Lv.12
HP:86/86
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E皮の鎧 E鱗の盾 E木の帽子
特技:かすみ二段・強撃・チェンジ・はやぶさ斬り(もょもと専用)・ゾンビ斬り・大防御(タケ専用)
オルテガ、レッドマン乙
レッドマン乙。
B級ラブコメみたいだが個人的には後の展開に期待する。
559 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/24(金) 04:38:45 ID:s4mPwJ/60
人格で技チェンジってのは結構面白い要素だと思う。
ゲームならいざしらず、小説で上手く使えるかは賭けだと思うけど。
つーか眠りや麻痺状態でも交代すればokだしな。
いい意味で素人っぽくて斬新だと思った。
プロ作品なら御都合主義と叩かれそう。
561 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/24(金) 14:04:49 ID:45sH5Ad/0
書き手は以前より減ったけどそれぞれ作風が違っていいね
新人さん出てこないかなー
562 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/25(土) 08:49:50 ID:6NU2zzLT0
やっぱこの手のSS書くときは攻略本とか必要だよな・・・
世界観やそういうのを知るためにも。
オリジナルで書いてる職人さんもいるようだけど
俺だと知識不足かもしれんな。。。
記憶ないとそこの世界の住人だから問題ないけど
記憶あったらスライムぐらい倒しに行こうとするかもな。
あとは町の外に出て「メラ!」とか叫んじゃうんだろうな
で魔法出なくて恥ずかしくなってるに違いない!
564 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/25(土) 11:12:37 ID:F7iVVm5p0
職人さん降臨待ち
もし目が覚めたらDQ世界か・・・
場所によるが、カワイ子ちゃんがいれば文句なしだぜ?
その日は泥のように眠った。丸々一日動き続けた反動で、体のあちこちが痛んだ。
夢の入り込む隙間もないほど深い睡眠に落ちていく。
目を覚ましたら元の生活が待っていて、バイトに明け暮れ何となく過ぎていくだけの日々が始まる。そんな
ことを少しだけ、考えたりもした。
けれど、目覚まし時計のかわりに私をたたき起こしたのは、
「おーい起きろ! 朝だよ朝!」
やたらと気合の入ったまだ聞きなれない女性の怒鳴り声だった。
やっぱりこれは現実なのだ。……認めたくないけど。
備え付けの部屋着を、昨日目覚めてからずっと着たきりスズメの一張羅に着替えて、宿の部屋を出る。
カウンターでチェックアウトの旨を伝えているミモザを私はぼんやりと見ていた。まだ眠い。だるい。
「ところで」
緑のオヤジに話しかけていたミモザが、ふと声を潜める。
「この町に強盗が来たって話を聞いたんだけど?」
……やっぱりやる気か。殺る気と書いてやる気。結局、強盗退治なんて危ないと思います(><)という私の
意見はまったく耳に届かなかった。……うー、行きたくない。
「ああ、聞きましたか、お客さん」
溜息をはく私をよそに、宿屋の饅頭ダヌキは訳知り顔で口を開いた。
「そうなんですよ。十日ほど前ですかね……突然現れたんです。この宿は襲われずにすみましたが、道具屋や
武具の店なんかは大変だったみたいですよ。
民家にも押し入ったそうで、金目のものから食料までかなりの被害だったとか」
そしてカウンターに肘を突き、オヤジは話を続ける。どうやら結構喋りたがりのようだ。
「それと、……ちょっと情けない話なんですがね、私どもも一応抵抗はしてみたんですよ。
けれどもこれがまた全然歯が立ちませんで。武具屋の旦那なんか怪我が元で寝込んじまってる始末。それも
たった数人の賊に……おっそろしく暴力的な奴らですね、あの強盗どもは」
「ふうん……で、そいつらはどこに?」
ミモザがその続きを促すように相槌を打つ。肝心の情報はまだ出てきていない。
「それがですね、どうもまだこの近辺をうろついてるみたいで……残念ながら私には『どこ』とは分からないのですが、
おそらく近くに根城でも構えているんでしょうな。
それとこれは愚痴になるんですが……昨日も現れまして、その、今度は奪うのではなく、奴らがかっさらっていった
あれやこれやを馬鹿高い値段で売りつけてくるんです。
もともとは自分のものだったとは分かっているんですが、何分逆らえないもんですから、大金出して取り戻す人も
少なくありません」
そこでようやく口を閉ざした宿屋の旦那は、疲れたように溜息を吐き出した。
「まったくもう、住民一同泣き寝入りですよ」
昨夜のミモザの予想は、どうやら大方当たっていたみたいだ。ぽそっとさすが同業者、と言ったら、あんな野蛮な奴と
一緒にするなと鞭を鳴らされた。私だけでなくオヤジも飛び上がる。だからミモザさんこわいってば!
「そうか、よく分かった。ありがとう」
これ以上聞くことはないと踏んだ彼女は、旦那に金貨を一枚渡す。情報料、といったところか。
「クロベ、行くよ? あんたは何かいいの?」
「何か?」
「聞くこと。ないならいいけど。……ないでしょ? ないね? さ、行こう。悪かったね、旦那」
ほんと無理やりな人だなぁ。
「あの、ちょっと待って、一つだけ!」
なかば引きずられるようにしながら、私は慌てて口を開いた。
「昨夜の前、私を宿まで運んでくれた人がいたって言いましたよね? それって、どんな人だったんですか?」
「……」
宿屋の主人は私の顔をまじまじと見る。そして沈黙する。
そんでもってもう一度まじまじと見て、ようやく思い出したように目をぱちくりとさせた。
「ああ、昨日の困った方でしたか!」
「困った方……」
何かムカつく。けど、とりあえず認めざるを得ない。オヤジの意図する意味とは違えど、困っていたことに違いはない。
「まあそうですけど。で、おとといの私の連れさんて、どんな方なんですか」
もしも会ったら、……もしも会えたら、お礼を言いたかった。こんな世界に突然やってきて、目が覚めたら魔物の腹の
中だった、なんて笑い話にも出来ない。いやいや、笑い話に出来る私がまずいなかっただろう。
「教えてください、お礼、言いたいんです」
全身緑の服を着込んだタヌキ親父は首をかしげ、思い出そうとしている。緑のタヌキか。……そば食べたくなってきた。
「そうですねぇ……紫色のマントを羽織っていて、ずいぶん大振りの剣を背負ってましたね。あとは……少年のような
ナリをしてましたけど、多分女性の方だと思いますよ」
紫色のマントに、大きな剣の女の人。口の中で何度も何度もその言葉を反芻したせいだろう、隣で同じように
その特徴を呟くミモザには、ついに気づかなかった。
クロベ Lv1 フリーター
HP 17/17 MP 0/1
E かれえだ E ピーコート ミモザのにもつ
クロベさん乙です
「お主達、魔族との決戦に参加すると言っていたが…本気か?」
まだ全快には至っていないヘンリーをベッドで休ませたまま、俺達は海辺で長老と話をしていた。
「決戦に参加せずに逃げても、いつかは殺されるだろうし…何より魔族には借りがある。倍にして返すつもりだ。」
俺は右拳を強く握り締める。魔族への怒りは微塵も風化していないようだ。
「そうじゃったか…。」
カルベ長老は僅かに笑みを零す。
「お主達のような勇気ある若者がいるとは思いもせんかった…。まだ、希望はあるかもしれんな…。」
遥か北に見える魔族の城を睨み続けていたカルベ長老が、今度は海辺の村に視線を変えた。
「この村にも、1ヶ月前には大勢の村人が住んでいた…。皆、呪文の知識に長け、中には中級呪文を操れる子供などもおった…だが…。」
カルベ長老の表情がガラリと変わる。今まで微笑んでいたのに、突然悲しみに満ち溢れた表情を浮かべた。
「魔族が攻めてくると知った途端、この有様じゃ。わし以外皆、村から逃げていきおった…。」
多くの呪文を操れる村人達ですら、逃げていったのか…。やはり、それ程魔族は脅威の存在なのだろう。
俺達の行く先々で、人々の悲痛な叫び声を聴かされる。魔族は、どこまで恐ろしいんだ…。
「わし一人でも魔族と戦うつもりじゃったが…正直なところ、確実に死ぬと思っていた。魔族の強さは嫌というほど実感しとるからな。」
カルベ長老はふぅ、と溜息をつき、俺に視線を合わせた。
「じゃが…今は違う。お主達のような者がいれば、魔族を倒すことも可能かもしれん…。」
カルベ長老が杖をつきながらゆっくりと歩き、ミレーユの前で止まる。
「ミレーユ…じゃったか。これを持っておきなさい。」
カルベ長老は、銀色の素朴な首飾りを外すと、ミレーユに手渡した。
「これは…?」
「…お守りのような物じゃ。大切にするんじゃよ。今日はもう遅い。この村の宿を使うといい。」
そう言って、カルベ長老は家に戻っていった。
次の日、ヘンリーはすっかり全快し、既に修行に励んでいた。
俺はヘンリーと剣術修行を行い、ミレーユはカルベ長老に呪文を教わっていた。
決戦に参加する他の戦士達と修行をするのが望ましいのだが、生憎誰も来ていない。『まだ来ていない』のか、『誰も来ない』のかは分からないが…。
ただ、生きている限りカンダタとエテポンゲが来るのは確かだ。今の時点では、カルベ長老を含め6人…思いのほか少ないが、奇跡が起きれば、或いは…。
「隙だらけだ!」
ヒュンッ
剣が空を切る音が響く。俺の左腕を、ヘンリーの剣が掠っていた。
危ない所だった。戦闘中に考え事などしている暇はない。相手が魔物だったら死んでいたかもしれん。
「掠ったか…。中々反応が良くなってきたな。」
とヘンリーに言われるものの、まだまだヘンリーにはかなわない。先程から、ダメージを受けては回復、受けては回復という拷問に近い修行を続けている。
「メラ!!」
ボウッ
俺の左方向から小さな火球が放たれ、俺に直撃した。明らかにおかしい。ヘンリーは俺の目の前にいるのに。
メラを放ったのは、カルベ長老だった。杖先が真っ直ぐこちらに伸びている。
「まだまだ甘いのう…。決戦は1対1で行われる訳ではない。常に自分と戦っている相手以外にも警戒をしておくんじゃ。」
確かに。どうも1対1に慣れすぎていた。完全に不意を突かれてしまったようだ。
「時々わしのメラが飛んでくるから、常に警戒しておくんじゃ。いつ飛んでくるか分からんぞ。」
完全に拷問だ…ただでさえ俺より遥かに強いヘンリーと1対1で戦わなければいけないのに、メラまで飛んでくるとは…。
「やっと着いたぞ!」
俺が再び剣を構えた瞬間、村の入り口から声が聞こえてきた。
そちらの方を見ると、全身痣や切り傷だらけの旅人らしき者が4人いた。
「お前達は?」
ヘンリーが、旅人達に歩み寄る。
「俺達は魔族との決戦に参加する為にこの村に来た。」
金髪のリーゼント頭の剣士が一歩前に出て、ヘンリーに答えた。
「何、それは本当か!?」
「ああ、このまま黙って魔族にやられる訳にはいかないからな。俺達も協力させてもらう。」
一気に仲間が4人も増えた。それは喜ばしい事だ。が…。
俺は心の底から喜ぶ事は出来なかった。その4人の中に、カンダタも、エテポンゲもいなかったのだ。
まあ、まだ10日あるからそれまでに来る可能性は十分あるんだが…。
それにしても気になるのは、この4人の面々。どうにも既視感が拭い去れない。
金髪のリーゼント頭の剣士、小柄で軽装の盗賊風の男、フンドシとマントの変態男、全身防具で身を堅め、顔以外覆い被さっている戦士。
「む…君は、あの時の地下の魔物を倒してくれた少年!?」
フンドシの変態が俺に迫り来る。一瞬生命の危機を感じ取ったが、あまりの恐怖に動けなかった。肩を鷲掴みにされる俺。
「久しいな!君が仲間に加わってくれるとは、頼もしい!」
…ようやく思い出した。地下が虫に占領されていた城の変態王か。どうりでこのインパクトのあるフンドシにデジャヴを感じた訳だ。
しかし、この変態王強いのか?あの時は虫程度に恐れをなしていたのに…。
「ん?おお!わが城の試練を乗り越え、魔物を倒して洞窟を開通させてくれたあの時の少年か!」
今度は、リーゼント。
「お、お前は…宿屋の女を助けるために俺のアジトn
取り敢えず長老の家に入って一旦場が落ち着いた。
どうやらフンドシ=変態王、リーゼント=ブラスト、盗賊=盗賊の頭(エテポンゲの親分)らしい。また懐かしい奴が揃ったな。
結局、無言のまま全く喋らないもう一人の戦士の正体は分からなかったが、やはりどこかで見た事がある気がする。
「ふむ…今のところ8人か…。まさかこれ程集まるとは思わなかったわい。」
俺も、正直カンダタとエテポンゲ以外にはもう誰も来ないと思っていた。まさか、魔族に対抗しようと思っている奴がまだこんなにいるとは。
これは魔族討伐も夢ではなくなってきたかもしれない。いや、確実に『現実』にしてみせる。
「実はな…先日、魔族達がわしにあることを言いに来たんじゃ…。」
突然重々しく口を開くカルベ長老。
「魔族が直接…?一体何を…?」
緊迫した雰囲気の中、俺はカルベ長老の言葉を待った。
「『部隊長ジャミ、ゴンズの他に、部隊員は50。それと、魔族の秘密兵器を用意してきてやる。覚悟していろ。』…と。」
「ご…50…だと…!」
一瞬で部屋全体、いや、世界が『絶望』で埋め尽くされる。
俺は、荒野に生息する野生の魔物ですら対等に戦えない。50匹の部隊員は魔族の城の奴らで、恐らく野生より知能も高く強いだろう。それが、50…。
それに、秘密兵器とは…?武器…?最強の魔物…?それとも他の何か…?
とにかく今分かることは、この瞬間俺の中にある『希望』が『絶望』に変わってしまったということだ。
「面白い…。」
皆が絶望の表情を浮かべる中、ブラストは一人薄ら笑いを浮かべていた。
「数が50?秘密兵器?面白いじゃないか。相手にとって不足はない。」
どうやら、相当の覚悟をしてきているようだ。このブラストという男は。
「わが城の王や兵士、住人、そして世界の人々の為にも、俺は魔族を倒してみせるぞ!」
拳を強く握り、歯を食いしばるブラスト。
「そ、そうだな…。」
「どうせ捨てる命だ。とことんまでやってやろうじゃないか。」
「ビビってる場合じゃない!やってやろうみんな!」
本心なのか一時的な感情の高ぶりなのか、皆が、ブラストに煽られ奮起する。
「決戦は近いぞみんな!今まで散々弄ばれた分、ここで返り討ちにしてやろう!」
「おお!!」
その日は夜も遅いので全員が早々と眠りについた。
「はぁ…やはり一時的に感情が高まってただけかもしれないな…。」
宿のベッドに横になり、ぶつぶつと呟く俺。あれから数時間、既に怖気づいていた。
数が50、というのは冷静に受け止めている。ギリギリ許容範囲だ。
俺が気になっているのは、秘密兵器。
どうも胸騒ぎがする。この『秘密兵器』というのを聞いた時から…。気のせいだろうか…。
カチャッ
突然ドアが開かれる。そこに立っているのは、例の謎の戦士。
戦士は先程の重装備とは違い、ステテコパンツ一枚という大胆な格好をしていた。
「どうした…?」
戦士は何も言わず、俺に歩み寄る。
不気味だ…。一体何を考えているんだ…。何故突然俺のところに…。
「やはり忘れちまったか…俺のことを…。」
「えっ?」
戦士が初めて口を開いた。『忘れちまった』とは…やはりどこかで会っていたのか?
「まあ…会ったのはほんの数分だったしな…忘れていても仕方ないだろう…。」
と言われるものの、全く思い出せない。どこかで見たことはあるんだが…。
「俺だ。魔物に畑を荒らされていた村の、武器屋だよ。」
「あ………ああー………。」
言われてみるとそんな気が……ん?
待て、確かあの村の武器屋は…。
「暫く見ない内に、随分良い体つきになったな。どうだ、今夜一緒に…。」
「うぎゃああああああああああああ!!!!!!」
次の日、俺とカルベ長老を除く6人は、呪文や剣の修行に励んでいた。
武器屋の腹に大きな切り傷が出来ており、皆が心配そうにしていたが、当然俺だけはスルーだ。
それはいいとして、俺はというとカルベ長老とある話をしていた。
「結論から言うと、無理じゃな。」
がくりと俯く俺と、優雅にコーヒーを飲むカルベ長老。
俺はカルベ長老に稲妻の呪文を教えてもらうよう頼んだが、一言目でその希望を断ち切られた。
畜生、大魔導師のカルベ長老なら容易に教えてくれると思ったんだが…。
「昔はただ一人、勇者と呼ばれる者が使えたが…今は誰一人として使えるものはおらん。わしに使えん呪文がお主に使える訳ないじゃろう。」
「いや待て、俺が勇者の血をひいている可能性が…。」
「たわけ!お主のような頼りなさそうな奴が、勇者な訳ないじゃろうが!」
確かにそうだ。第一俺は異世界から来たんだし、勇者な訳がない。
「諦めて、剣の修行でもするんじゃ。稲妻の呪文など、使おうと思うだけ時間の無駄じゃぞ。」
そう言い残して、カルベ長老は部屋を出て行く。
が、それでも俺は、あの稲妻の呪文が使いたかった。あの時見た稲妻の威力は、それ程凄かったのだ。
休憩時間、就寝前、早朝訓練の前。俺は少しでも時間があれば、雷鳴の剣をいじって、この剣を利用して自分の魔力で稲妻を出そうとした。
が、そんな努力も虚しく、雷鳴の剣は稲妻を放つどころかピクリとも反応しなかった。
そうして、無情にも瞬く間に月日が流れ、決戦前夜………。
「まず、ブラストとヘンリーが前線に立ち…。」
カルベ長老が書いた海辺の村の図を見ながら、作戦会議が行われていた。
皆が集中してカルベ長老の話を聞いている中、俺はと言うと全く集中できなかった。
まだ、カンダタとエテポンゲが来ていないのだ。
決戦前夜…もう二人が来る望みは薄い。もしや、二人ともどこかで魔物に…。
いや、あの二人に限ってそんな事がある筈がない。
きっと、今日の夜中に颯爽と現れるんだよな…そう…だよな………。
自分にそう言い聞かせるも、最早そんな考えは俺の中で消えかかっていた。
それに反比例して膨れ上がる思いは、二人の『死』だけだった。
暗黒の雲の遥か彼方で、月が力なく輝く深夜。波の音をBGMに、波打ち際で夜風に当たる俺。
決戦を次の日に控え、俺の意識は覚醒していて眠れなかった。
明日、ここが戦場になるとは考えられないほど、辺りは静まり返っていた。
ここが魔族の墓場となるか俺達の墓場となるか…全ては明日、決まる。
「眠れない…のか?」
突然俺の後ろから声がする。声の正体は、ヘンリー。
「ああ…。決戦のこともあるけど…それより…。」
「カンダタのことか…。」
「………。」
やはり、ヘンリーも気になっていたようだ。未だ姿を見せないカンダタが。
「あいつのことは…もう何も言うな…。お前も、分かっているんだろう…。」
「………。」
やはり、カンダタはもう………。じゃあ、エテポンゲも………?
俺達二人でもかなわなかった闇のドラゴンを一人で倒したエテポンゲが…まさか…そんな事が…。
使えなかった稲妻呪文…。
魔族の秘密兵器…。
そして、現れないカンダタとエテポンゲ…。
決戦を前に抱える俺の不安は、あまりに大きすぎるものだった。
魔族との決戦まで、あと1日
Lv32
HP167/167
MP88/88
武器:雷鳴の剣 鎧:シルバーメイル 兜:風の帽子
回復:ホイミ、ベホイミ
攻撃:バギ、バギマ、ギラ、ベギラマ
補助:スカラ、ルカニ
特技:はやぶさ斬り、火炎斬り、諸刃斬り、魔人斬り、正拳突き
ローディ乙
「あぁ?」
目が覚めて一言目に出た言葉がそれだった。
それはちらかった自分の部屋とは全く違う空間だった。
殺風景な部屋の清潔なベットの上に俺は寝ていた。
とりあえず昨晩のことを思い出してみる。
(えーと、たしか仕事から帰ってきてG1ジョッキーやってて
いつの間にか寝たんだよな。どうなってんだこりゃ。)
とりあえず部屋の外に出てみることにした。
そこには豪華な廊下が広がっていた。
(なんだここ?まさか北に拉致されたか!?何で俺が・・・。
うそだろ・・・。俺も曽我ひとみとかの仲間入りかよ。
冗談じゃねぇ!!)
※「おや、目が覚めましたか!よかった。」
俺「おわ!?」
突然後ろから声がしたので振り向くとそこには太った中年
のオッサンが立っていた。人が良さそうである。
俺「あ、どーも。あの、ここは?」
※「今日の明け方頃、あなた神殿の外に倒れていたそうですよ。
でこの宿屋に運ばれて来たんです。あ、ここはダーマ神殿
です。いくらなんでも知ってますよね。」
俺「・・・。はぁ!?wダーマ神殿ってドラクエの?
なんだドッキリかwあぁ〜ビビったwあれ?カメラは?」
辺りを見回してもカメラなんてなかった。ただ目の前のオッサンがポカンとして俺を見ている。
気まずい空気が流れ始めた。
※「どうやら頭を打ってしまったようですね・・・。お気の毒に。
気晴らしに神殿の中を散歩してきては如何ですが?私は朝食の
準備をしていますので。着替えはあなたのいた部屋に置いてお
きましたから着てみてください。」
そう言うとオッサンは厨房らしい部屋に入っていった。
(・・・信じられねぇ。なんかの冗談だろ。はは・・・。
とりあえず散歩してこよ。ん?なんか寒いなここ・・・。)
ふと気付いたら俺はパンツ一丁だった。
Eステテコパンツ
ローディ氏盛り上がってきたー
いよいよ決戦か…。…。
新人ヘタレ氏も乙
うまいね。
ローディ氏乙です
いよいよ決戦、楽しみ!
ヘタレ氏の書き出し一行目の「あぁ?!」が変にツボに入ってしまったw
とりあえず部屋にあった布の服を着てみた。
それはまるっきりドラクエの攻略本で見たのと同じ物だった。
(どうやらマジらしいな。まぁ、俺こうゆうことには
すぐ頭切り替えられるし。うん、ここはドラクエの世界だ。
納得した。なんでここにいるかとかめんどくせーことは
後で考えよう。とりあえず散歩だ。つーかドラクエの何だ?
3か6か7か。まぁそれもそれとなく聞いてみよう。)
とりあえず部屋を出て適当に歩くと大広間みたいなでかい部屋に
でた。そこにはまるっきり仮装大会のような景色が広がっていた。
とりあえず数人で世間話をしてるらしい奴らに近づいてみた。
俺「ムドー」
とりえあえず小声で呟いてみた。反応がない。
(6ではないのか・・・。)
俺「バラモス」
※「ん?魔王バラモスがどうしたんだ?」
(ビンゴ!)
俺「いやバラモスって怖いッスよね。」
※「は?なに言ってんだ?変な奴だな。」
適当に合わせてその場を離れた俺は考えた。
(3か・・・。よしこうなったら俺が転職してバラモス
倒してやるか。そしたら俺が勇者ロト!俺が伝説を
はじめてやる!)
そう心で決意すると神官ぽい偉そうなジジイの所に走った。
ジジイは高い台の上にいた。本当に偉そうだ。
とりえずジジイの前に立って言った。
俺「あの〜転職したいんすけど。」
爺「ほう。ではどの職に就きたいのじゃ?」
俺「勇者でお願いします。」
爺「たわけ!勇者は職業ではないわ!このスカタンが!!」
俺「え?そーなんすか?そういえばそうだ。じゃ戦士でいいや。」
爺「本当にいいんじゃな!?ん?レベルが足りんわ!!
顔洗って出直してこい!!」
俺「あら?すいまんしたー。」
(そういやレベル20にならないと転職できないんだっけ。
忘れてた。よしレベル上げるか。)
レベル上げのため俺は神殿の外にでていった。
丸腰で。
Eぬののふく
586 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/26(日) 18:53:54 ID:/G2IpdXF0
>>ヘタレ
クソ面白
積極的杉な主人公萌え
つーか丸腰で3ダーマかよw
ヘタレが早くもyabeeeeeeeeeeee!!!!!11111
589 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/02/27(月) 09:20:34 ID:7R0yHLBD0
新機軸だなwヘタレ氏
頑張ってw
カワイ子ちゃんいないのかよ・・・
新たに始めてもいいかい?
前スレとかまとめサイト、隅々まで読んでないので内容被りそうだけども。
>>591ではないのですが少し書いてみたので読んでもらえると嬉しいです。
あ〜、また多分一限目さぼっちゃったよ・・・。
眠気具合から考えると今は10時ごろのはずだけど・・・何時だろ。
そんなことを思いながら手探りで携帯を探す。
あれ?いつも枕元に置いてあるのに。目覚ましのアラームがうるさくてベッドから落としたかな?
仕方なく目を開きベッドの下を見る。無い。
まぁいいや、携帯は後だ。
テレビのリモコンを探す。無い。
というかテレビ自体が無い。
何か変だと思い部屋を見渡す。
一気に意識が覚醒した。
友達の家に泊めてもらったときや旅行に行ったときなんかは
朝起きたとき自分がどこにいるのかわからなくなるときがあるものだが、
今回は明らかに異質だ。こんな部屋は見たことが無い。
木造の三畳間に古いベッド。何処かに監禁されたのか?
昨日の記憶・・・しっかりある。確実に昨日は自分のベッドで寝たはずだ。
どうしていきなりこんなところに?ワケがわからない。
しかしこれは考えても仕方が無いだろうと思い、今できることをすることにする。
少しでも現状を把握するため窓の外に視線を移す。・・・中世ヨーロッパだ。
僕の目の前には中世ヨーロッパの町並み。そう遠くないところにお城まで見える。
一瞬夢かとも思えたがこの感覚は夢ではないだろう。
混乱している頭でもわかったことがひとつ。小さいながらも窓は開く。
窓のすぐ下は人通りの多い道。つまり僕が監禁されているという可能性は低いということだ。
もう僕一人では埒が明かない。とにかく人に会おう。部屋を出るため一応持ち物や服装を気にする。
僕が着ているのはロードオブザリングの登場人物が着ているような中世ヨーロッパの旅人風の服。
そのポケットに五枚の金貨の入った袋。もういいや、何でもありだ。
部屋を出ると番号のついた同じようなドアがずらっと並んでいる。ここはどうやら宿泊施設のようだ。
階段を下りがやがやと人の声のするほうへ進む。一気に視界の開けたそこは食堂だ。
屈強な中世ヨーロッパ風の人たちが談笑している、日本語で。
もういいや、なんでもありだ、翻訳コンニャクでも食ったんだろう。
もうそんなどうでもいいことはどうでもいい。いろいろ知りたいことがあるんだ。
出口の横にカウンターを見つけ、多少挙動不審になりながらもそこへ突進する。
「すっ、すぃゃせん!」
恐ろしく間抜けな声だ。しかも聞きたいことがあるのに後の言葉が出てこない。
「お食事ですか?」
「い、いぇ」
「チェックアウトですか?お名前をどうぞ」
名前!?こんな得体の知れない場所で本名を出すのは嫌だ。
僕は咄嗟によく使うハンドルネームを口にしようとした。
「え〜と、スズ様ですか?」
!!
「あ、・・・はい・・・」
「それでは行ってらっしゃいませ」
返事もせずにギクシャクと外に出る。
・・・もういいや、なんでもありだ。
外に出てみたものの行くあてなどあるわけがない。ちょうどいい、少し休もう。
・
・
・
どこなんだろう、ここ。さっき聞きそびれた。
某巨大テーマパークにも見えないことはなかったが、それにしては生活臭過ぎる。
街を見渡す。まず目に入るのは城。落ち着いたら入ってみたいかも。
あとは・・・店とか・・・教会。神父さんならいろいろ聞きやすいかもしれない。そろそろ動くか。いざ教会へ。
教会の中にはまばらに人がいる中に一際目を引く大男が一人。
モヒカンだ・・・初めて見たよ・・・さすがになんでもありだなぁ・・・。
でも今欲しいのは面白い人じゃなくて助けだ。次こそは、と息を整えて神父さんに話しかける。
「あのぅ」
「はい、何かお困りでしょうか?」
「はい、ちょっと僕、記憶に欠けたところがあるみたいで・・・ここはどこなんですか?」
「おお、それはお困りでしょう。私でよければお力になりますぞ。
まずここはレイドックの城下町。レイドックの名に聞き覚えは?」
「いえ・・・ありません」
現実世界では。ゲームの中でならあるのだがそんなふざけたことを言うつもりはない。
と言っても城といい街の並びといいゲームの中のレイドックに妙にしっくりくるのも事実だった。
「あの・・・ここは日本ではないんですね?」
「日本・・・あなたの故郷ですかな?そのような地名は私の頭には無いようです。
お力になれず申し訳ない。」
・・やっぱりおかしい。
思いっきり日本語を使っていながら日本を知らないなんてことがあるだろうか。
僕の頭の中にはとても信じられない仮説がひとつ。とても信じられないが一番しっくりくる仮説。
「あの・・・あとひとつ。昨日爪を切ってたら失敗して深爪しちゃって・・・」
「おお、これは痛そうに、さすれば我が教会に5ゴールドのご寄付を。ホイミ!」
!?
まさかそんな・・・
「さて、まだ私にできることはありますかな?」
「いえ、どうもありがとうございました。おかげですごく助かりました。あ、そうだ。
5ゴールドでしたね?」
「いえいえ寄付というものは余裕のある方からのみ受け取るべきもの。
お困りの方から受け取ろうなどとは思っておりませんよ。
さっきのはつい癖で・・・お気になさらないで下さい。」
「じゃあお言葉に甘えて・・・。それじゃホントにどうもありがとうございました!」
「お気をつけて。あなたに神のご加護があらんことを・・・」
神父さんの話をまとめると、ここはどうやら昨日までとは違う世界であり、
ここでは「レイドック」や「ホイミ」などドラクエの世界にそっくりなものがある。
というかドラクエ世界そのものだ。深爪もきれいに治っている。
こんなこと昨日までじゃあり得ないことだ。それをあの神父さんはさも当たり前のように・・・。
そう。ここはドラクエの世界。
何故かはわからないが僕はドラクエの世界に迷い込んでしまった。
そう思うとさっきの大男はどう考えてもハッサンだ。
この街で唯一の知り合いに会えたような気がした。しかし向こうはこっちのことを知らない
話しかけようにも実際に見たあの大男に話しかけるのはちょっと勇気がいる。
知り合いになる必要性も問われるが、いずれは世界を救う大物だ、仲良くして損はないように思える。
・・・簡単に仲良くなれればだが・・・損得勘定丸出しだなぁ。
今日はもう人に話しかけるとか気力が続かないので適当に街をブラブラするだけにする。見れば見るほどレイドックだ・・・。
初めてドラクエ6をやったときのことが思い出される。
・・・やっぱり人の家のタンスとか勝手にあさったら怒られるよなぁ?
2時間程歩いただろうか。体が激しく疲れを感じ、まだ日は出ていたが宿に戻ることにした。
お金を払って部屋へ行き、ベッドに倒れこむ。あ〜、一体何なんだ・・・。
意味わからん・・・。帰れるんだろか・・・。
帰れるんなら一週間くらいいてもいいかもなぁ・・・。そういや宿のオヤジ僕の名前知ってたよな・・・。
そのうちに僕の意識は薄れていった。
続く
何か一人称が僕ってのが新鮮だ。
あと翻訳こんにゃくイカス
神父のくだりが聖職者らしくていいね。
次回楽しみにしてます。
18歳にして新社会人の一員となった私を待っていたのは、見知らぬ家々を訪問し、ひたすら保険の話を聞かせてまわるという仕事だった。
デザイナーを夢見て高校に通ったはずなのに、いざ卒業してみると、このバカみたいな会社への就職が決まっていた。
これ以上勉強するのが面倒くさくなり、進学よりも自分が自由に使える金が欲しい、という安易な気持ちで就職したのだ。
「マナミって、居心地はいい奴だけど、いつもダルそうだよねー」
それが友人達から私に寄せられた人物評だった。
だって、私は来る物拒まず、去る物追わず。
高校3年間の交友関係なんて一瞬で終わるものなのに、いちいち怒ったり泣いたりするのって、面倒くさいじゃない…。
自分は一体何をやっているんだろうと、ふとした瞬間に思わなくもなかったが…。
一日中外回りに出ていた。未だ着慣れないスーツは心なしか重く感じられる。木枯らしが足元をすくっていった。
今日も一件の契約も取れなかった。
事務所に戻るのは気が重かった。自然、足取りも引きずるような重いものとなる。
ふと、足元ばかり見ていた私の視界の端に何かが映った。
深夜を通して営業しているファミレスのネオンだった。
サボりたい。寒さをしのぐという誘惑に勝てず、私はあたたかな店に入り、コーヒーを頼んだ。
安っぽいスポンジの椅子が、やけに柔らかく感じられ、私はうとうとしはじめた。
ハッと気付いて、慌ててポケットの中の携帯電話を探った。折り畳みを開くのももどかしいくらいに時刻表示を見ると、
あれから3時間以上も経ってしまっている。
帰社時間を1時間も過ぎていることになる。課長の鬼のような形相が目に浮かび、傍らのバッグをひったくるようにして手に取った。
帰らなければ。私はうんざりした。またことあるごとにねちっこく嫌味を言われるに決まっている。
勢い込んで立ち上がった私であったが、そのときになってある事に気が付いた。
そこはファミレスではなかった。
どうやらビジネスホテルの一室のようだ。
室内は至って簡素なもので、ベッドとタンス、テーブルしかない。生木が剥き出しの床に、石の壁。
明治か大正にしかお目にかかれないような、いまどき珍しいランプがテーブルの上にはあり、そこからは独特の匂いが漏れている。
ガタンと派手な音がして、何かにけつまづいた。勢いこんで椅子を蹴飛ばしたらしい。
テーブルには、自分の顔の跡がくっきりと付いていた。寝息の湯気が付いているわけだが、それは空恐ろしくなるほどに不細工だった。
ここに突っ伏して寝ていたのか…。
ファミレスからホテルに入った道程がさっぱり思い出せない。しかし、そんなものは課長の説教の前にはどうでもいい事だ。
とにかく今は急がねばなるまい。と、ここでふと私はある事に気が付いた。
このマニアックな部屋…もしかして。
なんて事だ。けだるく生活してはいても、道を踏み外す事は絶対にしまいと思っていたのに。
ここは……ラブホテルなのではないか?
ラブホテルというものはとにかく様々な部屋があるらしい。これまで生きて居て入った事は無い。
無いが、しかし。こういう中世みたいな部屋は、何か意味深なものを表現しているような気がした。
なんでこんな部屋があるんだろう。この疑問を解決するため、私は無い知恵しぼって渾身の結論に行きついた。
答え:雰囲気作りのため…ではないか。
しかし、こんなタンスしか無い貧乏くさい部屋に連れてこられたら、普通にリアクションに困るだろうという、新たな疑念が生じた。
いや、違うよ。私のバカ。
どう考えてもラブホじゃないよこれ。
でも、何だって私はこんな妙な所に居るんだよ。
私はこめかみを抑えた。そこは、勢いよくピクピクしていた。
大きく深呼吸して、少し冷静になって考えてみる。
私は、あちこち調べてまわった。不安から、自分のバッグを片時も離さなかった。
窓を見付け、無性に外の空気を吸いたくなってカーテンを開けた。
そこには、またしても私を悩ませる光景が広がっていた。
見渡す限り、濃い緑の森、彼方にそびえる青々とした雄大な山、さんさんと照りつける太陽に反射した湖水の煌きも見える。
眼下には、ドールハウスか何かのように、小奇麗にまとまった古めかしい家々があった。
電線もアスファルトも車もない。
見るからに、そこはヨーロッパのどこかにある光景だった。それも2〜3世紀ほど前の。
何より、今は午後6時頃のはず。この太陽の位置はおかしい。
私はケータイを再び手に取る。18:31とそこには表示されていた。
……おかしい。怪しむ私の目の前で、表示時間は18:32となった。…ちゃんと動いてはいるようだ。
あれからいくら考えても状況に答えが出せず、結局私は部屋を抜け出した。
どこをどう走ったのかよく覚えてはいないが、細長い廊下を渡り、階段を降りたような記憶はうっすらとある。
よほど混乱していたに違いない。気が付くと、簡素なホールらしき場所に居た。目の前にはカウンターがある。
さらに、カウンターには金髪の外人がいた。その向こうに、出口とおぼしき扉がある。
私は壁際に身を潜めた。
金髪が私に気付いた様子はない。
息さえも殺す私。
金髪が扉から背を向けた。
……今だ。
脱出成功だ。どうやら高校時代、校門で待ち構えている服装チェックする教師(スカートの膝丈や、髪やピアス穴を調べるアレだ)
をかわす技術が、ここでも功を奏したらしい。
うしろめたい事をした覚えは無いが、何か聞きとがめられる事を恐れて抜け出した。
そのときは、そこは何かの宿泊施設だろうという見当しかつかなかった。
『宿屋』という古めかしい呼び方をされている事を知るのは、もう少し後になってからだった。
お言葉に甘えて書いてみました。こういうのって初めてで…、
何かと不都合があるかもしれませんが、精一杯頑張りますので、
これからよろしくお願いします。
キョウ ◆Hju2GLbs6k氏、591 ◆MAMKVhJKyg氏乙!
キョウ氏のは軽い感じで文章に入りやすいな。
591氏のは細かい描写で雰囲気が分かりやすい。
どちらの続きも楽しみにしてるよ。
俺も参加したいんだが、物語の構成上、ドラクエ世界につくまで長さがあるんだ。
それでも平気だろうか?スレ違いになったり・・・
>608
ゴタクはいいからやってみろ
君には期待している
少し書いたので更新
>>603-605 つづきから
会社に戻らなければならない。という観念はこのときすでに消え失せていた。
どうやらここは日本ではいようだ。
街をうろついてみたが、モンゴロイドは一人としていなかった。皆、目鼻立ちのくっきりした外人ばかりなのである。
夢ではない。私の体重を支える両手に触れる石畳。その質感は、あまりにもリアルに冷たかった。
ドッキリでもない。だって、私はまる一日半食べていなくて、道端にひっくりかえっても誰も助けには来てくれなかったのだ。
真夜中の街に人気は無い。相変わらず中世じみていて、私のさまよう限り、どこまでも古風な建物が続いていた。
私は道路の代わりに敷き詰められた石畳の上で横になっていた。
『飢え』ってこんなかんじだったのか。体中が熱くなったような感覚を覚えたかと思うと、唐突に虚脱感がやってくる。
何も考えたくなくなってきた。私の頭の中をさまざまな食べ物がよぎる。何より水、水が欲しい…。
水といえば…。私は気力を振り絞り体を起こす。
昨日、例の宿泊施設の窓から、湖を見たのを思い出した。
もうなんでもいい、水が飲みたい…。私はフラフラと立ちあがり湖へ向かう事にした。
方向感覚は危うかったが、こっちだとカンで思った方向へ進むと、城門らしきものが見えてきた。
さらにその向こうに森、そして木々の合間を縫うようにして、あの湖がかすかに見えた。
喉を潤す水は、かすかに草の匂いがした。
生き返った。こんなに水が美味いと思ったのは初めてだ。
あれから湖に辿り付いた私は、思う存分水を飲んだ。
ひと心地つくと、そのままボーッとして湖を眺めていた。
ここはどこなんだろう。とか、はやく帰らなきゃ。とかそういったマトモな考えは不思議な事に思い浮かばなかった。
ただ、静かな夜にひたっていた。
もう会社へ行かなくてもいいような気がした。空腹は困るけれど、胃に穴があくようなストレス社会にいるよりは、
こうして自然の中でアホみたく呆けている方が幸せのような気がした。
ガサリ、と背後から音がして、唐突に沈黙が破られた。
反射的に振り向くと、信じがたい生き物がいた。
そいつと目が遭う。私は金縛りにあったように動けなくなった。
鬼というものが本当に存在するなら、こういう姿をしていただろう。
暗闇でもあざやかに映える真っ赤な皮膚をしている。血を浴びたように鮮烈だった。
下半身は人間ではなく獣のもので、つま先は頑健な馬のヒヅメで出来ていた。
顔は…見るからにアブない。二つの角を持った凶悪な面貌が、私を見てニタリと笑う。開いた口の隙間からびっしりと鋭い牙が見えた。
なにこの生き物、ヤバすぎる。やっぱりドッキリ?
なんで私の事を見て『これはうまそうな人間だ』と舌なめずりしているのよ。いくらなんでもやりすぎ…、
ここで私の思考は中断された。
鬼が私に向かって飛びかかってきたからだ。
おぞましい顔が迫る。
気が付くと私の左腕には数本の深い裂傷が出来ていた。…と、傷が見えなくなる。夥しい血が溢れかえり、傷を見えなくしたのだ。
「……!!」
声が出ない。人間は、あまりの痛み、あまりの恐怖に出くわすと、言葉を失うらしい。
悪夢のようだった。
そのとき、目の前を風のような速さで何かがよぎった。
私と鬼の間に出現したのは、炎のようなたてがみを持つ巨大な豹だった。
二抱えはありそうな太い喉から低い唸り声を発し、四肢を力強く地に付けている。
ああ、もう助からない。ただでさえ化け物に襲われているのに、新手がやってくるなんて。
失血からか、涙からか目がかすみはじめた。意識も朦朧としてくる。
だが、気絶する刹那に、見た気がするのだ。
この場にそぐわないリボンをつけた小さい頭、そして青いマントを翻す小柄な人物を。
つづく
最近新人さんが増えてきたな、うれしい限りだ。
そのかわりに前にいた職人さんがいなくなったような・・・
タカハシとかオルテガとか
591 ◆MAMKVhJKygさんのはドラクエXかな…?
ドラクエXが舞台なのはあまり見ないなぁ、いっそ自分で作成するしかねえかなぁ…
と思ってた矢先なので渡りに船(?)です。
文体も好みであるし、 超 G J !!!!!
え〜と以前荒れる原因を作った私ですが、続きを投下することを皆様は許してくださるでしょうか?
616 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/02(木) 02:00:05 ID:7/LJ+Xe90
スマン、上げてしまった・・・
初代からいる住人としては4の人と総長の行方が気になるもうもどってこないのかなorz
>618
4の人はたまに光臨するだろが
職人さん達乙です
名前が出たのでちょっとカキコ
一行二行書くのに手間取ってとっても時間かかってます…
でもゆっくり投下していきますよ
>>610-611 つづきから
眠りから覚めようとしているんだな。と分かった。
水底から浮かび上がってくるようなふわふわした感覚は、毎朝繰り返していた事だったから。
「飼ってもいい?」
「拾ったの」
「ダメです!」
目を開ける前に、ぼんやりとした意識ながらそんな言葉を聞いた。
「犬・猫・魔物ならまだしも、人間の娘を飼うなんてもってのほかです!…まぁ、本当に呆れた。
そもそも、この娘さんの意志を考えてごらんなさい。そんな事が言えますか?……おっと、気が付かれましたか?」
喋っていたのは、白髪混じりの赤毛を切りそろえた壮齢の男だった。いかにもお人好しそうな丸々とした顔を、心配そうに歪めている。
私は、ベッドに横になっていた。
一瞬、また例のあの宿泊施設で寝ていたのかと思ったが、それとは違う場所のようだ。石壁でなく、豪奢な壁紙が見える。
顔だけ動かして傍らに目をやると、男を挟むようにして、金髪の少年と少女がこちらを見ていた。
二人とも小学生くらいだ。少女は、肩より少し上のサラサラの金髪で、両脇に蝶々結びのリボンをつけていた。
男の子の方はというと、くせっ毛があちこちはねていて、まるでヒヨコのようだ。しかも青い眼は好奇心に輝いていて、いかにも子供らしい。
「ご気分はどうです?少し話が出来ますかな?」
男は日本語を喋った…しかも流暢に…と、思った矢先、彼は奇妙な言葉をつむいだ。
「アンクルホーン」
何かの外国語かと思い、私は不理解を示すため首を横に振った。が、男は構わず続ける。
「あんたを襲っていた魔物の名前ですよ」
男は、子供たちに聞かせてはならないといったふうに、私だけに耳打ちした。
「高い知能を持ち、人間をいたぶって食らう種です」
魔物。あの悪鬼が…。私は総毛だった。
しかし『魔物』。なんだこのリアリティのない、けれども私の体験を一括で説明できる言葉は。
「だからこそ助かったんですよ。ヤツがあんたに微弱な攻撃を加えているスキに、この子達が助けたんですよ。アンクルホーンを倒してね」
…え、この人今なんて?
男の話だと、この子供達があの赤い鬼――アンクルホーンを倒したらしい。
信じられない。嘘でしょ、こんな小さな子供達が…。
私はまじまじと二人の子供を見た。私の目にはあからさまな疑いが込もっていたが、子供達の方ではそんな事は気にならないらしく
無邪気に見詰め返してきた。
「あと、ボロンゴもいたよ」
「ボロンゴ、おいで。おねぇさんにごあいさつするの」
「ちょっと、お二人ともお待ちな…」
ボロンゴ?疑問に思う間もなく、そして男が子供達の呼びかけを制するよりはやく、何かが部屋に入ってきた。
心臓が止まるかと思った。
扉を破らんばかりに押し開けて部屋に乱入してきたのは、あの炎のようなたてがみの獣ではないか。
アンクルホーンとやらに私が襲われて、怪我をして、気絶する直前に見た大きな豹だ。
男の話からして、異形のものを魔物と呼ぶのなら、この『ボロンゴ』とやらも魔物に類するのではないか?
そんな私の混乱と疑問を察したらしい男が説明してくれた。
「ええと…、このボロンゴは、キラーパンサーという魔物なんですが、いい魔物というか…」
「ともだちなんだよね」
『ボロンゴ』はそう言った女の子の脇に巨大な顔をすり寄せて、ゴロゴロと喉を鳴らした。
「とにかく危害はありませんので」
私はボロンゴのサーベルタイガーのような牙をこわごわ見詰めるばかりで、言葉を返すどころではなかった。
さらに男からは、ここはグランバニアという名前の街だという事を聞いた。あの湖の近くの、そして例の宿泊施設のある街。
この部屋は、そのグランバニアのとある施設らしい。病院みたいなものだろう、と私はそのとき思っていた。
「出血は多かったです。ですが、見た目の割りに傷は浅く済んでいます。もちろん命に別状ありません。
大丈夫ですよ。しっかり気をお持ちなさいな」
男は、励ますように言った。言い聞かせるような様子はまるで父親のようだった。
「それよりも深刻なのは、…あんたちっともごはんを食べていなかったでしょう。急性の栄養失調ですよ」
「それは…この辺りでは頼る人がいないから」
自分ではれっきとした返事をしたつもり――むしろなんでこんな当たり前の事を聞くんだろうと疑問に思いながら言葉をかえした。
しかし男と子供達は3人が3人とも顔を見合わせて笑った。
「この街の誰かに助けてもらえばよかったんだよ。なんでそうしなかったの?」
少年の言葉に私は絶句した。子供だから知らないのだろう。見ず知らずの人に助けを求めても、誰も関心を示さない事を。
しかし、いい大人でもある男が言った言葉に、私は自分の中にある何かが崩壊するのを感じた。
「このグランバニアの城下町の人々はみんないい人たちばかりなんですよ。行き倒れになりそうな人間をほっとくはずありません。
あんたはどこかの家のドアを叩いて、助けてくださいと一言言えばよかったんです」
いや……そんな事言われても…知らないよ、そんなの…。
理不尽なこの状況に対する怒りが、緊張の糸が、キレた。
「そんな事知るわけないじゃない」
私の口から、呪詛のような声が出た。
いつも無気力な私からは想像できない声だ。あれどうしたんだろう、と思う間もなく次々と言葉がほとばしった。
「目が覚めたら全然知らない場所で、周りに知り合いはいないどころか、外人ばっかりで…」
愚痴が止まらない。
「どうしろっていうの?…何をしろって!?」
とうとう私はパニックになった。
この街はそうかもしれないけれど、日本の、私の住んでいる町では理不尽な犯罪と、他人に対する徹底的な無視がはびこっていて…。
そんな平和な街があるなんて事、知らない。
「ケータイはどこに行っても圏外だし、こ…ころされかけるし…!」
アンクルホーンに殺されかけた恐怖を思い出し、体中に震えが走った。
私の言葉の奔流は、涙声になって唐突に終わった。
辺りはシンとなった。
気遣わしげな男。私と男を心配そうに交互に見比べる子供達。そして未だ震えの止まらない私。四者の重い沈黙で部屋が満たされた。
最低だ…私。
この人たちは助けてくれたのに。
頼れる存在にやっと出遭えて、私、間違った甘え方してるよ。
私は、言葉の壁を勝手に感じ取り、誰にも助けを求めなかった。
街の露店で果物や食べ物を売っている店を見かけたが、同じことだった。
言葉が通じなさそうでも、彼等が自分とは何の関わりもない他人でも、ぶつかってみれば良かったのだ。
自分がこんなに甲斐性無しだったとは。
「娘さん、あんたどうやら訳有りのようだ。しばらくこの城で養生なさい」
長い沈黙の果てに、男が真面目な顔をしてこう言った。
「え…城?」
私は、あまりにも意外な言葉に、謝る事も忘れて、おうむがえしに言葉を返した。
「申し遅れました。あたしは城仕えの小姓のサンチョです」
私が口を挟む暇もなく、男――サンチョは二人の子供を抱き寄せて、さらに言った。
「こちらはグランバニア王家のレックス王子様と、レミ王女様にあらせられます」
子供達はそれぞれサンチョが言った通りの名前で自己紹介した。
王子?王女?ああ、なんかもう……ついていけない…、けど…、
「娘さん、あんた名前は?」
「……ナナセマナミ」
「ナナ…マ…?」
「マナミでいいよ」
これだけは言わなきゃいけない。
「あの…助けてくれてありがとう」
怒鳴った事が本当に恥ずかしく、申し訳なく、私は蚊の泣くような声でお礼を言った。
顔を上げられなかったので彼等の表情は分からない。けれど、三人とも、笑っている。そんな気がした。
私、何やってるんだろう。こんなむず痒い事して。
不思議と心地よく感じる温かさを、どうすればいいのか分からずに、もてあましていた。
つづく
GJ
乙です
「すげぇ!」
そこには今まで見たこともない壮大な景色が広がっていた。
森の中をぬけると、広大な海が姿を見せた。
まだ魔物は出現していない。
無駄にテンションが上がった俺はくちぶえをふきながら歩いた。
(早くでてきやがれ、モンスター共。レベル上がらねーだろ。)
せいぜい最初だからスライムや大がらす程度だと決め込んでた俺は
自信満々で歩いていた。
「グルル・・・。」
後ろで嫌な声が聞こえた。声の主はスライムや大ガラスじゃないことだけは確かだった。
おそるおそる振り向く。目の前に写った物は熊だった。
しかもごうけつそうな。
(ひぃぃ!熊!? しかもすげーごうけつそう!ごうけつ熊!?
何で!?そういえばダーマ付近はスライムなんてでねーよ!
どないしよ・・・。)
俺「バギクロス!」
俺「・・・。」
(終わったな・・・。あぁなんでよりによってダーマだったん
だ。これじゃレベル上げできないじゃん・・・。)
覚悟を決めた俺はジャブを打ってみた。
(左ジャブは内側にえぐりこむようにして打つべし!)
ペシッ
情け無い音がした。熊にダメージはなさそうだ。当然だった。
しかもどうやら怒っているようだ。
熊「グワォ!!」突然熊は襲いかかってきた。
俺「ヒィ!?」
そのときだった。
※「ベギラマ!」
その声と同時に帯状の炎が熊を包んだ。熊は速攻森の中へ逃げていった。
※「大丈夫か?」
ベキラマでごうけつ熊を追っ払ったこれまたごうけつそうな
男は言った。
俺「ありがとうございます!弟子にしてください!」
とりあえず今の気持ちを簡潔に述べた。
※「は!?」
やれやれ俺の大嫌いな説明をしなければならないようだ。
Eぬののふく
上に追記
見出し「●賢者メイ」から
GJ
毎度おもしろく読ませてもらってるぜ
ただケータイだと長くて途中で切れちまったorz
区切りのいいところでページを分けてくれないか?
>>632 タカハシ
GJ!
特に賢者の石の辺りの解釈、面白かったです。
次回も楽しみにしてます。
ところで漏れもss書いてみたんだけどまだプロローグしか完成してない物でも
投下してしまって大丈夫だろうか?
635です。落とした物勝ちとのことですんで思い切ってw
では投下します。
――少女が泣いている。
一筋の光も差さないくらい、くらい闇の中。
体は脳に何も伝えず、地面の存在すら怪しい。
何も、無い。
少女の他は何も無い世界。
そんな世界で少女は声すら上げずに。
誰にも見せず、誰にも見られず。
ただ、泣いていた――そんな夢を、見た。
陽射しと鳥の鳴き声で意識が覚醒する。
目が覚めた後、一時のまどろみ。
自分が毎朝ささやかな愉しみにしている時間だ。
ただ、こんな夢を見た後では反転して嫌な時間となる。
それは目に見えていた。
だから、目覚ましの二度寝防止を頼りにいつもは被る布団を、今日は足で跳ね上げ一気に起き上がろうとした。
いつもの日常との違いなんてそれだけの筈だった。
――違和感。
布団が跳ね上げられないのだ。
風邪で力が入らないのではなく、足は完全に布団を蹴り上げている。
けれど上がらない。まるで布団が大きくなった感じがする。
自分はこんな大きな布団は持ってない。
第一、ワンルームの一人暮らしをしている部屋にはそんなスペースはない。
妙だ。と思いつつも手で布団を跳ね除け目を開いた。
視界に映るのはいつもの見慣れた天井ではなく、木製の知らない天井だった。
「――ッ! 」
どこか朦朧としていた意識が一気にローからオーバートップすら突き抜けて覚醒する。
心臓の鼓動が早まり。体中の毛穴が開いて。じわっ、と嫌な汗が噴き出して来た。
見知らぬ天井を見ただけで、ここまで狼狽することは無いだろう。
だれか。そう、例えば悪友の手が込んだ悪戯かもしれない。
それとも実は昨日の晩、深酒をして意識が無くなりここに運ばれただけかも知れない。
ここまで狼狽するのは理由がある。
いつの間にか震えていた。記憶より小さな手≠ナ鼓動を押さえるように胸元を固く握り締めた。
自分の体は――5・6才の子供のモノになっていた。
ごくっ、と息と不安を無理やり飲み干しベットから降りる。
床はフローリングのように艶のある物では無く、ニスの塗られていないただの板だった。
窓からの陽射しは強い。自然と目を細め外の様子をうかがう為そちらに足を向けた。
ぎぃ、ぎぃ、と一歩踏み出すたびに床が軋む。まるで自身の未来が軋むように。
窓辺まで歩を進め、半開きになっている観音開きの雨戸のような木製の窓を押し開く。
一瞬、白く視界が染まり飛び込んできたのは石造りの中世ヨーロッパの様な町並みだった。
眼下には時代がかった服装の人物が大勢歩き回っている。
教科書のイラストでしか見たことの無い荷馬車まで行き交っていた。
――なんで。そう口にしようとしたが声にならなかった。
本当に驚くと人間は固まってしまうものらしい。
人が多い路地を駆けてきた馬の蹄の音と罵声で我に返るまで呆けていた。
我に返った後、状況を確認することにした。
何故こうなったのか考えるにしても材料が足りないからだ。
まず昨日から順を追って今に至るまで記憶を再生する。
1、バイトが終わり23時頃帰宅。疲れてはいたが、いつもと変わらない。
2、コンビニで帰りに買ったパンを食べ、風呂に入り、ジャックダニエルをロックで一杯。
25時頃までネットをやって寝た。これもいつも通り。
3、良く覚えていないが夢を見て目が覚めたら子供になってここに居た。
夢以外に変わった事は何も無い。
とはいえフロイトじゃあるまいし夢が原因など――まるで御伽噺だ。
大体それが原因でも手の出しようが無い。現状無意味だ。これは保留することにする。
次にどこに居るのか。だ。
外の町並みは石畳で舗装された幅5・6m程の路地。さっきは気付かなかったが緩やかな斜面になっている。
これは中世ヨーロッパの町の特徴だ。
下水道が無かったため窓から投げ捨てた汚物が自然に流れるようにする為だったと思う。
建築物もテレビで前に見たローマ辺りの物にどこか似ている。
テーマパークのような安っぽさが無く重厚である。という意味もこめてだ。
この時点でここは日本ではないことは確信できた。
更に、時代も現代ではないだろうこともだ。
時代がかった服装の人物達、荷馬車、ここまでなら手の込んだ外国のテーマパークという線もある。
しかし人が多い路地を駆けてきた馬≠アれは、在り得ない。
テーマパークで行うには危険すぎるアトラクションだ。
さらにシーツの肌触りが随分ごわごわしていた。織物の生産技術が低い証拠だ。
この様な目立たない消耗品まで厳密に再現していてはコストが高すぎる。
つまりは目の前の光景はリアルタイムで現実。ということ。
結論。
目が覚めたら体は子供。おまけに中世ヨーロッパの何処か。原因は不明、あやしいのは夢。対策無し。
――全く、最悪だ。
『正直、ありえねえだろ』とバイト先の先輩の言葉が頭に浮かんだ時。
ドンドンと部屋をノックする音と、若い男の声が聞こえた。
「シャルル。入るぞ」と。
思考の海に沈んでいた意識を浮上させ慌てて扉の方へ振り替える。
すぐ後に軋んだ音を立てて扉が開いた。
男はこちらが返事をする間を置かずに部屋に入ってきた。
大きい。それが第一印象だった。
なにせ180cmはある。今の自分が子供であることを差し引いてもでかい。
この時代なら十分に大男の分類に入るだろう。
体格もがっしりしているし、もじゃもじゃの髭と、肩まであるウエーヴしたくすんだブロンドの髪をしている。
映画に出てくる騎士のような人だった。
実際に裏付けるように腰には柄に十字の刻まれた立派な剣を下げている。
男はこちらに向かい真っ直ぐに歩き、目の前まで来るとしゃがんで目線を合わせて口を開いた。
「シャルル、旅の疲れか? だがな、もっと早く起きなければいけない。父さんはもう食事を済ませてしまったから
食事は下で主人に言って出して貰え」
そう言った後こちらに返事を促すような視線を向けてきたので「はい、解りました」と無難に答えた。
すると男は一瞬驚いた顔をした後、笑顔を浮かべ乱暴に頭を撫でてきた。
「昨日までのお前がウソみたいだ! やれば出来るんじゃないか。
その調子で今日はおとなしくしててくれよ。父さんはこれから仕事で城に行かねばならないから、
お前は宿で待っててくれ」
ぽんぽん、と軽く頭を叩き踵を返して男は部屋を出口へ歩いていく。
扉を閉める瞬間立ち止まり、懐を探った男は振り返り「シャルル」と呼びながら本を投げて寄こしてきた。重い。
「プレゼントだ。退屈だろうからそれを読んで待ってなさい」
そう言い残し、今度こそ部屋から出て行った。
「――シャルル、か」
一人、呟く。
子供になっていたのは判っていた。
それでも全くの他人になっていたのは予想外だった。
昨日まで名前は佐藤≠セった。それが起きてみればシャルル≠セという。
佐藤≠ナあるのにシャルル≠ニして認識され扱われるのは、されて始めて知ったが中々に応える。
見知らぬ土地、見知らぬ時代、そこで常に認識されない。本当の独りというのだ。
正直に話しても信じて貰えないだろう。下手をすると宗教裁判にでも掛けられるかもしれない。
これからも元に戻らないかぎり孤独は続く。
そんなのは御免だった。
少しでも多くの情報を集め、対策を立てる必要がある。そう思い、男に渡された本に目をやった。
古めかしい装丁の本で、重かったのは表紙が牛皮とおぼしき皮で、紙ではなく羊皮紙を使っているからだった。
ロ…リア記<^イトルは掠れていてはっきりと読めなかった。開いて中を見ることにする。
しかし、先ほどの会話もそうだったが明らかに日本語ではないのに何の問題も無く使えているものだ。
まぁ使えないよりは断然良いし、今考えても答えなど出ないからそれも保留だな。等と考えながら本を開く。
けれども判明した事態は予想の斜め上をいっていた。
中に記されていた本のタイトルはロマリア記
他にも登場している地名がポルトガ、カザーブ、アッサラーム、イシス、と並んでいた。
……中世ヨーロッパですらなかったのだ。ここは。
今、自分が居る世界はかって愉しんだゲーム。
――ドラクエVの世界だった。
つづく
646 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/03(金) 18:25:56 ID:Y8SkKjqq0
>>645 乙です
出だしからものすごく惹きつけられた
展開楽しみ
647 :
646:2006/03/03(金) 18:31:10 ID:Y8SkKjqq0
うわごめん
ageちゃった…
>>545続き
しばらくしてマトリフが帰って来た。何処へ行ってたかを聞いてみたが、言葉を濁される。
まあ、旅立つ準備でもしていたんだろう。
それから3人で今後の方針を決める話し合いをする。
「で、まずは何処へ向かうんだ?」
オレの問いにマトリフが答える。
「そうじゃな・・・まずはトリスタンが行ったと思われる行程をそのまま辿って行く事にしよう。
まずはロマリアじゃな」
そう言ってマトリフは地図を取り出し、ロマリアを指し示した。
アリアハン大陸とはかなり離れた大陸にロマリアはあった。
「船はどうするんだ?」
オレは当然の疑問を口にした。なぜならアリアハン大陸は周りを海に囲まれている。
違う大陸を目指すとすれば、必然的に船が必要となるだろう。
しかし、マトリフに言わせると船が無くてもロマリアには行けるらしい。
その方法を聞いたが、全く理解不能だった。旅の扉だのワープゾーンだの・・・
ホント良く分からん世界だよな。慣れてきたけど・・・
そこへミリアムが口を挟んできた。
「そんな回りくどい方法より、最初からトリスタンが消息を絶った場所に向かって、その周辺を
探し回った方が早いし、効率がいいんじゃない?」
オレは悪くないアイデアだと思ったが、マトリフは即座に首を振って却下した。
「最初からあの場所へ向かうのはあまりに無謀じゃ。はっきり言わせて貰うが、ミリアム、それに
ルーク殿の今の力であの辺りのモンスターが相手ではどうにもならんよ・・・
ワシとて、実戦からは数十年は遠ざかっておるからの」
ミリアムは尚も引き下がらずに反論する。
「でも・・・急がないとトリスタンが・・・」
「大丈夫じゃよ。間違いなく、トリスタンは生きておる。それよりも探しに行く我々がくたばっては
どうしようも無いじゃろう?まずはロマリアからじゃ」
確信を持った口調でマトリフは言う。なぜ生きていると言い切れるんだ?
オレはもちろん口には出さないが、トリスタンが生きている可能性は低いと考えている。
報告が途切れ、行方が分からないとなれば、そう考えるのが妥当だろう。
自分の肉親の無事を信じたいのは当然だろうけど・・・いや、それとは別に100%確信している口調だ。
・・・まあいい、どうやら結論が出たようだ。最初の目的地はロマリアに決まった。
オレはさっきの会話の中で気になった事を聞いてみた。
「さっき言ってたトリスタンが消息を絶った場所は何処なんだ?」
「ジパングと呼ばれる場所じゃ」
マトリフはそう言ってアリアハンの真北にある小さな島を指した。
ジパング・・・ジパング?
頭に衝撃が走った。
ジパング・・・間違いなくその名前に聞き覚えがある!・・・しかし何処で?
「どうしたの?大丈夫?」
ミリアムが心配そうな顔でこっちを眺めている。
「いや、なんでもないさ」
言葉を返しながら、また手がかりが遠ざかっていくのを感じていた。
話し合いを再開して、今度は細かい事を決める。
出発は明日の朝に決まった。薬草、毒消し草などの旅の必需品は、出発のついでに買い込む事にする。
装備も良い物にしたいが、ここアリアハンは武器、防具、共に品揃えが悪いらしいので諦めるしかない。
方針が決まり、ミリアムは旅立ちの準備の為に帰っていった。
「今夜は泊まってゆくがよい」
マトリフがそう言ってくれた。無一文のオレにとっては渡りに船だ。
ありがたく泊めてもらう事にする。
夕食の後でマトリフが自分の行っている研究について話し始めた。
その研究とは・・・呪文、それも失われた呪文・・・
マトリフの話によると、この世界には様々な呪文が存在しているという。
敵への攻撃呪文、自分や仲間の傷を回復する呪文、他にも多種多様があるらしい。
それを聞いてようやく納得がいく。塔で使ったホイミの正体の。
マトリフの講義は続く。
「ワシが研究しているのは、遥か昔にこの世界に存在し、やがて失われていった呪文じゃ。
それを現代に蘇らせる研究をしておる」
「失われた呪文・・・例えばどんな呪文があるんだ?」
「そうじゃな・・・例えば一度でも行った事がある場所なら、そこに瞬間的に移動出来る呪文、これは
完成間近じゃが・・・他には究極の攻撃呪文、さらには死者の魂を蘇らせる呪文すら存在したという」
死者の魂を蘇らせる?それって生き返らせるって事か?
にわかには信じられない話だが、マトリフの顔は真剣そのものだった。
その後も呪文についての講義は続き、正直言って理解出来たとは言い難いが、ひとまず呪文についての
基礎知識を得る事は出来た。
さらにマトリフから呪文書を借りて読んで見る事にした。
ホイミは回復系の呪文の中で一番初歩的な呪文だと書いてある。
他にもオレが使える呪文はあるのだろうか?
考えても分かるはずも無いし、この前みたいに頭の中に声が聞こえて来る事も無いようだ。
・・・これについては今後の宿題だな。
これからの旅には更なる強敵が待っているようだし、早いうちに自分が使える呪文を知っておく事は
絶対に必要不可欠な事だろう。
更には、便利な呪文を新たに覚える事が出来ればいいけど・・・
マトリフによると、呪文を覚えるのは閃きに近い感覚らしく、本を読んでいれば覚える事が出来る
という訳ではないらしいので、簡単には行きそうにも無い。
長い講義が終わり、寝室に案内された。
目の回るような一日を振り返り、思わず溜息が漏れる。
旅の計画は決まったが、だからといってやる気が増すとは限らないようだ。
むしろ今後の事を考えるとテンションが下がる一方だった。
魔王バラモス・・・名前だけでどんな奴か分かるはずもないが、世界中に様々な異変を異変を
引き起こしている張本人。万が一トリスタンを探し出せたら、今度はその魔王を倒す旅か・・・
そうなったらどうなる事やら・・・
探し出す前から考えても詮無い事とは分かっているが、考えずにはいられない。
オレは生きて元の世界に帰れるのだろうか?
そう考えているうちに、今日の疲れも手伝っていつの間にか眠りについていた。
・・・その夜、昨日と全く同じ夢を見た。
昨日と同じ部屋、同じ男。男が慌ててる姿まで昨日と一緒だった。
やはり声は掛けられず、やがて昨日と同じ様に夢の世界から少しずつ遠ざかって行くのを感じていた。
次の日
気持ちがいいとはとても言えない目覚めだ。
夢の事が頭から離れそうにない。あの男は・・・
オレの頭の中で、一つの仮説が出来上がりつつあった。
余りに突拍子の無い、非現実的な仮説が・・・
と言っても、それを話す相手もいないんだが。
誰かにオレの話を聞いてほしい、不意にそんな願望が湧いて来た。
突然こんな世界に飛ばされたという事、この世界での体験、そしてこれからの事も。
どれだけ心細かったか、どれだけ危ない目にあったか、これからどうするべきなのか。
誰かに話したくて、相談に乗って貰いたくて堪らないんだ・・・
勿論、そんな事を話せる相手なんかいりゃしないし、いたとしても信じてもらえる訳も無い。
マトリフとミリアムならあるいは、とは思うが、まだそんな話が出来るほど信じてはいない。
本当の仲間と感じるには時間というものが必要だろう。
この孤独感の本当の正体にようやく気付かされた。
異世界に飛ばされたから、信じ始めていたアモスに裏切られたから、だけではなかったんだ。
自分の正体を誰にも話せない寂しさ、この思いを誰とも共有出来ない寂しさだったんだな・・・
すっかり頭の中がネガティブな思考に支配される。
何を考えてるんだ?オレは。
今から旅立とうと言う時に考える事じゃないだろ・・・
強引にそんな気持ちを振り払い、立ち上がって準備を始める。
寝室を出て、食堂に行くと、マトリフは既に準備万端といった様子だった。
早く出発したいのだろう。朝食もそこそこに、外に出る。
まだ早い時間帯だが、既に町は動き出していた。
忙しそうに左右を行き交う人々。
そこに魔王やモンスターに怯えるといった様子は窺えない。
バラモスの存在に殆どの人は気付いていないと王様は言っていたが、どうやらその通りのようだな。
そんな事を考えながら町の中心部へ向かって歩き出す。
中心部に着くと、マトリフはG銀行へ金をおろしにいった。
オレはミリアムとの待ち合わせ場所に一人で待つ事にする。
「その旅はやめておいたほうが身のためだぞ」
突然の声に、その方向をみると・・・
そこには宿屋で会った老人が立っていた。
「また爺さんか・・・アンタ一体何者なんだ?何で旅の事を知っているんだ?」
オレの質問には答えず、ろうじんは更に話を続ける。
「老人の忠告は聞いておくものだ。無視して行けば、間違いなくお主の身に災いが降りかかる
事だろう。何も知らない世界で死にたくはあるまい?」
それだけ言うと、オレから背を向けて人ごみに紛れ、消えるようにいなくなっていた。
続く
決戦の日の朝、俺達8人は海辺で魔族がやって来るのを待ち続けていた。
ヘンリー、ブラストが先頭に立ち、その少し後ろに俺と武器屋とカシラ、後方にミレーユとカルベ長老とフンドシが構えている。
フンドシはああ見えて魔法使いだそうだ。上級呪文も複数使えるらしい。修行の時は全く呪文を使っていなかったが、本当なのだろうか。
―――――デモンズタワーで、ヘンリーと再会してから1ヶ月。
俺は、魔族との決戦に向けて死ぬ思いで修行を続けた。
僅か1ヶ月で、ジャミ達にどこまで近づいたのかは分からない。寧ろ、10年前より更に実力差を見せつけられるかもしれない。
霞がかった希望なのか、くっきりと、色濃く輝く希望なのか…。
何れにせよ、決戦は目前に迫っている。
やれる事は全てやった、という訳ではないが、この僅かな時間で出来る事は、魔族が襲撃してくるのを待つのみ―――――
「来たぞ!!!」
先頭にいるブラストの声と共に、一気に心臓が高鳴る。
遥か北の魔族の城を見ると、今まさにこの世の悪魔達が押し寄せてくるところだった。
とてつもない魔力が感じられる、一隻の巨大な黒い船。それを取り囲むように、周りを旋回する鳥の魔物。
それを見るや否や、決戦に参加する者達全員の体が大きく震えるのが分かる。それは俺も例外ではない。
全身大きく震え、剣を握る手からは多量の汗が流れ出る。
戦わずとも、分かる…。魔族の圧倒的な魔力が…。
船が徐々に近づくと共に、全身から危険の信号が発せられる。
多量の汗、無意識に食いしばる歯、速さを増す心臓の音…。
「構えろ!!」
ヘンリーがそう叫ぶと、全員が武器を構える。それに遅れて俺も剣を握り締める。
気がつくと、黒い船よりも先に、鳥の魔物が目の前に迫っていた。
魔物達は俺達を確認したのか、鋭い眼光を放ち、巨大な翼を高速ではばたかせ、一気に迫り来る。
そして遂に、魔物達が鋭い爪をたて、唸り声をあげながら襲い掛かってきた!!!
「はあぁぁぁぁぁ!!!!!」
ヘンリーが雄叫びをあげ、臆することなく魔物に飛びかかる。それに続き、ブラストも。
キィン!カァン!!
目の前で繰り広げられる、人類の運命を賭けた決戦。今、その決戦に俺も…。
「はぁっ!!」
――――――――――参入する!!!
繰り広げられる戦闘。鳴り響く奇声、雄叫び、爆音。
怒り、憎しみ、悲しみ…俺の中にある全ての感情を、剣に込め、果敢に振るう。
「とどめだ!!」
ズシャァッ!
「ギャァァァァァァス!!!」
旋回していたスターキメラが、奇声をあげ、パタリと地面に崩れ落ちる。対する俺は、2、3撃攻撃を受けた程度。
信じられない程強くなっていた。この村に来るまで魔物に圧倒されていた俺が、今は互角以上に戦っている。
攻撃を受けても平然としているブラストや武器屋、素早い動きで敵に触れさせもせず仕留めるカシラ、そして、ベギラゴンやメラゾーマといった上級呪文を容易く操るカルベ長老、フンドシ…。
なるほど。これほどの実力者達と毎日瀕死になるまで修行をしていたら、強くなる訳だ。
ヘンリーの動きも段違いに良くなっているし、ミレーユも以前までは使えなかったマヒャドを唱えている。
これは、案外容易に倒すという事も有りうるかもしれない。
「バギッ!クロスッ!!!」
俺に集中砲火をかけてきた三匹のガーゴイルに向かって、巨大な真空の刃が襲い掛かる。
真空の刃は瞬く間にガーゴイル達を飲み込み、全身を切り裂いた。
稲妻呪文の代わり、と言うのもどうかと思うが、バギの最上位呪文バギクロス。カルベ長老に教わった呪文だ。
あの稲妻には及ばないが、それでも、魔物を一撃で仕留める程の威力を持つ。
因みにもう一つ、ホイミの最上位呪文ベホマも習得した。まだ1回成功しただけで、実戦の中では未使用ではあるが…。
まあこの決戦の中で、何度も使う時が来るだろう。それ程、大規模で危険な戦いなのだから。
20余りの鳥の魔物を殲滅させる。
ガーゴイル、スターキメラ、ホークブリザード…手強い相手ではあったが、完全にこちらが圧倒していた。
余力はまだ十分に残っている…後は船の中にいる半数程度の魔物…倒せるか、否か。試してやる…!
「中々やりますね…皆さん。」
突然どこからともなく聞こえる高い声に、俺は全身が凍りついた。
船からふわりと飛び降りる一匹の魔物…紫のローブ…不気味に微笑む顔…それは紛れもなく、魔導師ゲマ。
ゲマは、ゆっくりと俺達に歩み寄る。不気味な微笑みを崩すことなく。
10年前の…あの時とは段違いの魔力を感じる…。ダメだ…全身ゲマに縛られているかの様に、身動きを取る事ができない…。
「き…貴様が何故ここに…!!!」
ヘンリーが、ゲマに剣を向ける。剣先が震えて定まっていないところから、ゲマに恐怖しているのが分かる。
「自己紹介がまだでしたね…。私はゲマ…。魔王ミルドラース様の側近の者です…ほっほっほ…。」
「くっ…!」
ゲマは、剣を向けるヘンリーを完全無視。8対1という状況下でも、ゲマから焦りや恐れを感じる事は出来ない。
戦わなくても、分かる…。10年前と比べて、ゲマとの差は、縮まるどころか、圧倒的に開いていた。
「ご安心ください…。あなた達と戦うつもりは毛頭ございません。血の宴を拝見しにきただけですから…ほっほっほ…。」
「ち…血の宴だと…!」
ヘンリーが、一歩前に出る。僅か1m足らずだが、ゲマに対して一歩近づくというのは、常人がなせる『業』ではない。ゲマの前では、そんな容易なことですら行うのは困難なのだ。
「そう…血の宴…。魔族と人間が戦い、傷つけ、殺しあう…。その様な最高の興を見ないわけにはいかないでしょう…ほっほっほ…。」
微笑みながら淡々と恐ろしい事を言うその姿は、まさに狂人…。やはり魔族とは皆、この様な思考をしているのだろうか。
「おっと、戦いの途中でしたね…失礼…。では、船の中で拝見していますので頑張って下さい…ほっほっほ…。」
そう言って、ゲマは船の中へと戻っていく。それと同時に、船の中で待機していた魔物達が、一斉に押し寄せる。
悪魔神官、メタルドラゴン、ゴールデンゴーレム…先程の鳥の魔物とは、段違いの強さを誇る魔物達…。さっきのは余興と言うのだろうか。
さっきより厳しい戦いになりそうだが…それでも、絶対に倒してゲマのところまで行ってみせる…!
ザシュッ!
「つっ!」
シュプリンガーの斬撃が、ヘンリーの脇腹に直撃する。
「メラゾーマ!!」
カルベ長老の放った巨大な炎の玉メラゾーマが、シュプリンガーの全身を焦がし尽くす。
「キシャァァァァァ!!!」
耳鳴りがする程の断末魔と共に、地面に倒れ絶命するシュプリンガー。
「どうしたんじゃ!勝てない相手ではないじゃろう!」
「す、すまない…!」
先程からヘンリーの動きが悪い。やはり、ゲマと対峙したのが原因なのだろうか。
実のところ、俺も同じだった。戦闘中にゲマの事ばかり考えてしまって、集中できていない。お陰で、仲間に助けられ続けるという失態を晒している。
この戦いにだけ集中したい…そう思ってはいるのだが、ゲマを間近に見た直後に、一時的にゲマを忘れ去るなど、至難の業…。ゲマという存在は、それ程脅威…。
さっきゲマが現れたのは、動揺させるためなんじゃないか…?魔族の恐ろしさを見せつける為に、現れたのでは…。
その様な考えが、無限にループする。
戦闘中にそれ以外の事を考えるなど、この世界では『死』を意味する。
実際、仲間がいなければ今頃、確実に屍と成り果てていただろう。
これではダメだ。ジャミやゴンズ、ゲマのところに辿り着くのは到底無理…。
今は、この戦いに集中しろ。ゲマという、最大の雑念を振り払い…。
「―――スカラ!」
再び剣を構え、魔物の海に飛び込んでいく。ゲマという目標に辿り着くため。
苦戦を強いられながらも、合計50匹の魔物を殲滅させる。
安心したのも束の間、次なる試練が待ち受けていた。
既に船から降りて、高見の見物をしていたジャミと、ゴンズ。
ゲマ程ではないものの、とてつもない殺気と魔力が感じられる。
流石ゲマ直属の部下、と言ったところか。50匹の魔物を倒した俺達を見ても、恐れるどころかゲマの様に不気味に微笑んでいる。
「へっへっへ…50匹倒しやがったか…。意外とやるようだな…。」
ゴンズがニヤニヤと笑いながら、口を開く。
「今度は俺達が直々に戦ってやる…と、言いたい所だが…その前にまだ戦って貰わねばいかん奴がいる…。」
まだ他にいるのか…?まさかゲマが戦う訳ではあるまいし…と言う事は…。
「遂に使う時が来たな…魔族の秘密兵器…。」
やはり…来た…!
秘密兵器とは、魔物だったのか。一体、どんな魔物なのだろうか…?
ジャミが、ゆっくりとこちらに手を向ける。それに警戒して、俺は剣を構える。
「秘密兵器、と言うより…実験体なんだがな…。…出でよ!実験体!!」
次の瞬間、周囲が突然光ったかと思うと、ジャミの目の前に、稲妻が舞い落ちた。
ドォーーーーーン!!!!!
「くっ!!」
「へっへっへ…。俺達と戦いたければ、まずこいつを倒すんだな。」
稲妻の後に聞こえたのは、ジャミの声。眩しさで目を瞑っていた俺は、ゆっくりと目を開く。
「―――なっ!?」
そこにあったのは、信じ難い光景…。俺のある一つの期待を、跡形もなく消し去る、最悪の光景…。
「ド………ドランゴ………!」
全長4mの、巨大な斧を持つ恐竜…ドランゴ…。
まさか、こんな形で再会する事になるなんて………。
「コロ…ス………コロスコロスコロスコロス…!」
ドランゴは巨大な斧を振りかぶり、俺に向かって一気に振り下ろす。
ドォォン!!!
間一髪で避けるが、斧の着地点の砂が吹き飛び、砂嵐が巻き起こる。
「ド…ドランゴ!俺だ!思い出してくれ!!」
そう叫ぶが、思い出す可能性が無いに等しい事は、既に分かっていた。
ドランゴの紅い眼は、テリーの眼と同じ様に、悪魔の様な眼光を放っていた。
「ん?お前は…へっへっへ、そうか。10年前にデモンズタワーで、ゲマ様に石にされた奴じゃねえか。まさか復活してたとはな…。」
返事をしたのは、ドランゴでなく、ゴンズ。
「元仲間同士が敵として再会…面白ぇじゃねえか。おい実験体!あいつを集中的に狙え!!」
「ググ…リョウ…カイ………。」
ドランゴは標的を俺一人に絞り、再び斧を構える。
10年前に共に戦った仲間は、最早俺を『敵の中の一人』としてしか見ていなかった。
Lv32
HP121/167
MP69/88
武器:雷鳴の剣 鎧:シルバーメイル 兜:風の帽子
回復:ホイミ、ベホイミ、ベホマ
攻撃:バギ、バギマ、バギクロス、ギラ、ベギラマ
補助:スカラ、ルカニ
特技:はやぶさ斬り、火炎斬り、諸刃斬り、魔人斬り、正拳突き
ローディ氏
割り込んでスマン
なんかここにきてSS作者さん達は質・量ともに充実しだした感じだな
スマン!肝心なことを言い忘れた。
投下乙カレー
タカハシさん読ませてもらいました。
オルテガさんいよいよ旅始まりますね。
ローディさんいよいよクライマックスかな。
新人さん頑張れ〜
みんな乙かれー、いつも楽しみに読ませてもらってる。頑張ってくれ。
あとはまとめサイトの人さえ帰ってきてくれたら・・・
667 :
1:2006/03/05(日) 03:22:18 ID:50lPgs5i0
職人の皆さん本当にお疲れさまです。
いつも楽しませてもらってます。
ところで、気が早いようですが、そろそろ次スレの準備が必要なようです。
実はこの現行五泊目スレは既に450KB近い容量になってしまってます。
前スレは容量制限500KBで突然落ちてしまったため、一部の職人さんが迷子になってしまいました。
このような事態を避けるべく、少しだけ早めに次スレを立てたいと思います。
新スレへの要望・テンプレ等、意見をお待ちしております。
>>1 現在連載中の職人さん達と作品のリストがあるといいかな
タカハシさん、オルテガさん、ローディさん、GJです。
それぞれ違った面白さがあって楽しく読ませてもらってます。
新人さんは大歓迎です。
これからに期待してます。
>>668 同意です。
それと初めての人のために簡単なストーリー紹介があるといいかも。
>>668,670
長らく休載している職人さんや、新しく始めようとしている人にとっては気後れするようにならないか?
>>1 さんの負担が増えることになるけど、まとめサイトのほうで「5スレ目で連載中の職人リスト」みたいにしてもらったほうがいいと思う。
ストーリー紹介はいらんだろ
過去ログ読めばいいんだし
>>672 社会人は忙しいので過去ログ読む暇が中々ない
そういう層のことを考えるとあった方がよいと思う
この板は意外と30代の人も多いし
674 :
1:2006/03/05(日) 22:52:03 ID:50lPgs5i0
好評連載中な職人さん達を軽くまとめてみました。
ローディ ◆qdB5QYIaRc
オリジ ◆8Ntuwr18d2
魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g
レッドマン ◆U3ytEr12Kg
DQな現代 ◆gqal0QWwZw
魚間◆TRIPなし→4PnqyfvO3
>>305-308→クロベ ◆JNf/CxpPRk
◆gYINaOL2aE ※通称「4の人」
オルテガ ◆8JKqodVw2k→zYgagV2g.w
タカハシ ◆2yD2HI9qc ※うp板にまとめあり
ヘタレ ◆ozOtJW9BFA
キョウ ◆Hju2GLbs6k
591 ◆MAMKVhJKyg
シャルル ◆zu/zVku.Kc
埋めマン ◆TZg1R4cTLE(総長の中の人)→行方不明
アミ ◆36yZlE15gs ※無事完結
ストーリーを紹介するのはテンプレが長くなりすぎて辛いかもです。
>>671さんの意見もあるし、どうしましょうか。
まとめサイトの書記さんは体調不良のようですし。
ところで、総長の中の人と同じトリップを某板の1にて発見。
それとなくレスしておきましたが…。
675 :
670:2006/03/05(日) 23:08:16 ID:6hmZyX6b0
>>674乙です
>>670の意見はあれば良いかなと思って書きましたが
無理のようなら気にしなくてもいいですよ
>674
前エイコってヘタレいなかったっけ?
スレ荒れで逃げ出したヤツ
そーいうこと言うのやめろや、だから荒れるんだろーが。
そもそも途中で止めようが何しようが職人さんの勝手だろ。
678 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/06(月) 10:49:48 ID:g1eQVqjG0
本人の意思もあるわけだし、ヘタレで済ませるのはいいことではない。
個人的には残念だけど、そういった期待に応える義務は職人にはないのだし、
職人に暴言を吐く権利も我々にはない。
そうは言っても、職人さんには望むレスはつかないかもしれない、という覚悟を持って欲しいし、
読者側にとってもそれは同じこと。ここはFFDQの1スレであって、創作文芸ではないのだから。
そんなこんなを理解した上で、スレとして楽しめるような住民でありたいもんです。
次スレが立っても、1読者の俺としては、引き続き期待します。
うほっみんなイイ子だねぇ
ってか俺も言い過ぎたごめんなさい
でも乙コール&感想を嫌がるのがなんか俺的にどうなのかなとオモタ
あぁ総長・・・
>>1を発見したw
ところで次スレはいつ立てるんだい?
>>673 作品のあらすじは職人さんが書いてもらった方がいいんじゃね?
但し、強制ではなく任意で。
683 :
1:2006/03/06(月) 22:12:16 ID:XM++r+dQ0
次スレテンプレ案について続き。
ストーリー(あらすじ)紹介については無しの方向で。
職人さんリスト
>>674をテンプレ追加ということでどうでしょうか…。
>>681 次スレは残り10KB程度になってからですかね。
スレの性格上、あまり早く立てすぎても物語の前後関係が混乱しそうですし。
今現在残容量まだ50KB近くあるようです。
職人さん方、まだまだ投下OKです。
684 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/07(火) 06:38:40 ID:yqjkuQXe0
個人的にはパっと書いて気軽に投下、脱退できるような
そういう自由度があってもいいと思う。
色々なルールを付け加えるのもいいけど、職人さんを引かせる原因にはならんかね?
>>654続き
老人が消えた後も、オレはしばらく呆然としていた。
確かに老人はこう言った。
「何も知らない世界で死にたくはあるまい?」
・・・オレがこの世界の人間じゃないと知っているのか?
いや、そんなはずは無い!知っているはずが無いじゃないか!
それに、何で旅の事も知っているんだ?しかも危険だからやめろだなんて・・・
一体何なんだ?あの糞ジジイは・・・ひょっこり現れては不吉な事ばかり言いやがって
・・・
オレに対して恨みでもあるのか?
一方的に言いたい事を言って、その理由を尋ねる前にいなくなるときている・・・
しかも行動にまで口出しして来るなんて・・・
誰だって理由も分からないままに自分の行動にケチを付けられたら腹が立って当然だろう。
そうだ、あんなジジイいう事なんて気にする事はない。
この旅は絶対に行かなければならない・・・
世界を救うためだなんて事は思わない。自分のために、元の世界に戻るためにも必要なはずなんだ。
不思議なもので、今までイマイチ乗り気になれなかったのが嘘のように変化していた。
少しして、ミリアムがやって来た・・・が・・・
「どうしたんだ?その格好は・・・」
思わず口に出してしまった。
昨日の服装とは違い、何やら武道の稽古着のような服を着ているのだ。
「ああ、これの事?似合ってるでしょ?」
話を聞いてみると、ミリアムは幼い頃から武道の稽古を積んできたとの事だった。
「トリスタンの旅を助けるつもりでずっと特訓してたのよ。だから結構自信あるよ」
言葉通り、自信満々の顔をしている。
武道・・・とてもそんな風には見えないけど・・・
勿論、自分の身を守れる程度の力を持っていてくれないと、こちらとしても困るのも確かだ。
最後にマトリフがやってきて、ようやく3人揃う。
3人で道具屋に行き、薬草、毒消し草を買い求める。
塔での事を思い出し、少し多めに買っておく事にした。
更には食料等も買い込んで、買い物を済ませる。
これで出発の準備完了・・・いや、大事な事を忘れる所だった。
王様に出発の前に顔を出すように言われていたっけ。
ひょっとしたら、餞別でも貰えるかもしれないし・・・
「よし、出発するとしよう」
マトリフはそう言って、ミリアムと共に町外れに向かって歩き始める。
それを慌てて呼び止める。
「ちょっと待ってくれ。王様から出発の前に顔を出すように言われているんだ」
しかし、マトリフはいかにも面倒臭そうな顔で言う。
「そんな事は時間の無駄じゃ。せいぜい長い激励の言葉を聞かされるのが関の山じゃろう。無用無用」
とんでもない事を言う爺さんだ。
「いくらなんでも王様を無視して行くのはまずいんじゃないか?」
と、呆れて言い返すが、
「大丈夫じゃ。ワシは王が幼い頃、その教育係をしていたからの。未だに王はワシには
全く頭が上がらんわ。出発するぞ」
と言ってまた歩き出してしまう。
仕方なくそれに付いて行きながら、今後に大きな不安を感じていた。
この爺さんには振り回されそうな予感を・・・
その内に町の入り口が見えてきた。
この世界にやって来た日に、アモスと通った時の事をふと思い出す。
あの時は、何も分からないままに流れに身を任せる事しか出来なかった。
今回はそれとは違う。
最終的に旅立つ事を決めたのはオレだ。自分の意志で決めたことだ。
流されて行くのではない。
この先に何が待ち受けているかなんて分からないけど・・・
それでも今は行動する事が先に繋がるはずなんだ!
そう心に言い聞かせて町の門をくぐり、再びアリアハンの外へ足を踏み出した。
しかし・・・謎の老人が残した言葉、その予言は忘れようにも忘れられずに頭の片隅の中で
シコリのように残っているのだった・・・
序章、完。
第一章につづく
ただ今454KB
>>638 続き
●別宴
「なぁこの輝き… 美しいよなぁ…」
カンダタの手に依って復活した雷鳴の剣を掲げうっとりとしながらつぶやくテリー
二日間掛け修復された雷鳴の剣を携えこの宿の部屋へ戻ってきたのだ
俺はと言うと、鍛冶屋から追い出された後市場でうまい刺身を食べたり砂浜で物思いに耽ったりして過ごした
いざ一人になってみると何もすることが無い
メイから食事の誘いでもあるかとちょっぴり期待していたのだが姿すら見ることがなかった
「確かに、折れる前よりも… なんというか輝いてる気がするなぁ」
うっすらと青白い光を放つ雷鳴の剣を見て俺も言う
刀身から溢れんばかりの力を放っているように見える
「だろう?
カンダタさんが言うには俺の魔力と強い思いが賢者の石の力を最高にまで高めたそうなんだ
この剣で早く戦いたいなぁ………」
なるほど
テリーの剣に対する思い入れはとても大きかったから─
「そうそう、カンダタさんからの伝言だ
"明日の朝、村の入口へ来い"と言っていたよ
いよいよお前の剣も鍛え直すんだな、でもなんで村の入口なんだろう?」
「うーん、たぶん俺の剣捌きを見て修正するんじゃないのかな」
「なるほどなぁ ああしかし美しい……」
伝言を伝え終わったテリーは再び自分の世界へ入り込む
雷鳴の剣は復活した
ということはテリーがこの村にいる理由もない
もう 出ていくのか?
「なぁテリー
雷鳴の剣も直ったし、お前はすぐに出ていくつもりなのか?」
しばらく無言で剣を見つめた後テリーは返事を返した
「ああ… お前には済まないがメルビン殿を待たせてあるからな
明日、早々に発つつもりだよ」
「そうか…」
この村に着いたらお互いそれぞれの道を歩む事はわかりきっていた
でもやはり別れは─
外は暗い
部屋の真ん中にあるランプは強い光を宿している
「いよいよ、か…
ここまで一緒に旅をしてくれてありがとう
短い間だったけど楽しかったしたくさんの事を学ばせてもらったよ」
少しうつむき、テリーの方は見ずに言う
面と向かって言うのはちょっと照れ臭いからだ
「俺の方こそ、剣を譲ってもらいなにより─」
言いかけた言葉を止めるテリー
「なにより、なんだ?」
「ああ 俺はずっと思っていた
お前と旅をするのはなんというか宿命だったんじゃないかと、な
前に言ったよな? お前は他の人と違うと…」
「はは なんだよそれ
テリーは自分の意志で兵士を止め今以上に強くなろうと決めたんじゃないか
俺は何も言わないし関係ないと思うぞ?」
そう 俺はたまたまトルネコと出会いテリーと出会い─
全ては偶然だ
この世界は異世界の人間が入ってきたことで何か変わったかもしれないが…
「そうか、まぁそうだな考え過ぎか
でもお前に出会えたことは感謝しているんだ、礼を言う
さぁ今夜は酒でも飲んでお互いの今後を語りあおうじゃないか!」
そう言い部屋を出るテリー
明日から俺は一人なんだな
そういえばこの世界で一人きりっていう状態は半日くらいしかなかった
これからやっていけるのか 不安だらけだが─
トルネコを助けたい気持ちは今も揺るがない
助ける術を探す旅が俺の為にもなると信じてる
「酒を持ってきたぞ!
と言ってもお前はすぐ酔うからこの小さな瓶一つだ」
二人してドカッと椅子に座りお互いの器に酒を注ぐ
「じゃぁ… お互いの今後に乾杯だ!」
手に持った器をコツッとぶつけ一口
木製だからチィンと気持ちの良い音が出ないのがなんとも味がある
「なぁタカハシ
お互い二度と会えなくなるわけじゃないんだ
旅をしていればきっと再開できる その時が楽しみだな」
「うん、メルビンさんは旅商人だし俺もあちこちを移動する
次会うときはテリーを越えるくらい強くなるさ」
「言ってくれたな!
だがその言葉を聞いて安心した、お前なら絶対強くなれるし一人でもやっていける」
そう また会えるさ
明日で別れるのは確かだけどお互い旅を続けることには変わりが無い
「その時まで… 死ぬなよ
俺たち二人できっと、魔王を倒すんだ
交わした約束、忘れないでくれよ」
俺は黙って頷きテリーの器に酒を注ぐ
もちろんだよ、死ぬもんか
生きて元の世界へ戻るんだ
その晩遅くまで語り合いいつしか眠りについていた
朝靄がまだ残る早朝
俺はテリーと共にフィッシュベル入口にいた
テリーはこのまま村を発ちグランバニアへと向かう
「じゃあなタカハシ
お前とは戦友であり友だ
また会えることを信じている」
「もちろんだよ」
静かだ
心臓の音がテリーに聞こえてしまうんじゃないかという位に無音
友との別れにしては落ち着いている
短いつきあいだったけどとても濃い日々だった
「よし、じゃあ俺はいくよ」
「元気、でな!」
「お前もな、じゃあまた!」
村の外へ歩いていくテリー
俺はその姿をじっと見送る
テリー
俺は元の世界へ戻らなきゃならない
もしかしたら二度と会うこともないかもしれない
だから…
いや、お互いの目的を見事に果たそう
もしも、出来ることならまた会いたい、な
テリーとの別れ
日が昇りきるまで姿が見えなくなっても俺は見送った
〜 第二部 完 〜
〜 第三部へ続く 〜
オルテガ氏乙
いよいよ本当の旅立ちですね。続きに期待してます。
タカハシ氏乙
続きは気長に待つ事にします。
このスレを見てテリーが好きになったやつは手を上げろ!
ノシ
>699
ローディな件について
ノシ
タカハシ氏の影響もあるな。愛着がわいてきた。
広くそして薄暗い部屋・・・・
そこに5人の魔王が集結していた。
「さて・・・奴の様子はどうだ?」
バラモスよりもわずかに小さく、羽のはえている魔王・・バラモスブロスが発言した
「今は試験中だ・・・」
それに兄であるバラモスが答えた
「本当に奴なんだろうな?もし違ったら兄貴に責任をとってもらうぜ」
ブロスがバラモスに向かって吐き捨てるように言った・・・
この兄弟は昔から仲が悪いことで有名だった、魔王となるずっと前から・・・
すると黒色の髪をした長髪の男が発言をし始めた
「それはともかくとして・・・・試験が終わり次第あの男は私の部下として
いただきたいのですか・・・」
「それは貴様の決める事ではない、全てはゾーマ様の考えで我々は動かなく
てはならん」
長髪の男に反対したのは美しい姿をした女性だった、しかしその本当の姿は
六本の首のあるおぞましい姿をした怪物だ・・・
醜い姿を拒む彼女はその能力を使って美しい姿に自分を変えていたのだ・・・
「それならばなぜ我々はこうして集まっているのです?こうして集会
を開く意味などないでしょう?通信で命令を出せばそれですむはずです」
長髪の男はオロチに反論した、その言葉は冷静だった
「たかが魔人である貴様にそんなことを言われる筋合いはないわ!!!」
それにオロチも反論するが長髪の男はそれでも冷静に言葉を返していった
「いまここで本当の姿を見せてくださいよ
自分を偽っているような人が偉そうにしないでくださいよ」
オロチは言い返せずにただうなるだけだった、そして我慢が限界を超え
長髪の男に飛びかかろうと言うときに・・・・
「そこまでにしろ、ゾーマ様だ」
ゾーマの気配に素早く気づいたキングヒドラは静かに言い放った
オロチはゾーマの名に反応し、あわててイスに座り直した。
短いけど今日はここまでで。
一瞬キングヒドラをキングギドラと思ってしまったw
魔人さん乙です
オロチがイスに座る姿を想像して、かわいいって思ってしまいましたw
あ、想像したのは魔物の姿のオロチね
707 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/10(金) 10:59:57 ID:AFB5huz60
面白いね。
携帯の人で
>>697のタカハシ氏の第一部文字化けしないで見られる人いる?
709 :
ククール:2006/03/10(金) 12:39:24 ID:RhUULPWW0
おはよう。今日も城でかわいこちゃんをナンパシテキタゼ
>>ククール
kwsk
712 :
ククール:2006/03/10(金) 15:18:30 ID:RhUULPWW0
サザンビークにおそろしいほど可愛い子がいるよ
>>711 素早い対応ありがとうございます
あのトルネコをあんなにかっこよくみせるのはスゴい…
俺達はムーンブルグの城に再び戻ったのだが、個人的には戦場の跡地には行きたくないものだ。
流石にムーンも驚きの表情を隠せなかったようだ………
ムーン「…………………………………………」
もょ「どうしたんだ。ムーン?」
ムーン「………何でもないわよ。行きましょ。」
生まれ故郷が跡形も無く崩れ去っているのだから無理も無い。
さすがに城内も以前俺達が来た時よりも嫌な雰囲気になっていた。
魔素が強くなったと表現してもいいだろう。
探索をしている内にモンスター達が近寄ってきた。リビングデッドだ。
もょ「ムーン、くるぞ!」
ムーン「もょもと!ちょっと時間を稼いで!私が呪文で援護をするわ!」
もょ「まかせたぞ!」
もょもとの先制攻撃でリビングデッドに斬りかかったのだが一撃では倒せない。
もょ「くっ…しつこいやつだ…」
リビングデッドが半身になっても襲い掛かるので切りが無い。その時後ろからムーンの声がした。
ムーン「バギッ!」
ムーンが発声した後に小さな竜巻がリビングデッドを切り裂いたのだ。
ムーン「危機一髪ね。もっとしっかりしなさいよ。」
もょ「おかげさまでたすかったぞ。」
ムーン「気を抜いては駄目よ。」
この娘もサマルと同様に回復呪文や攻撃呪文も使うのか……戦力的にも魅力的だ。それに美人だし(;´Д`)ハァハァ
王座の間についた時炎の様な物がうろついていた。確かムーンブルグ王の魂だ。
ムーン「もょもと。あれは魔物なの?」
もょ「ちがうぞ。あれはおうさまのたましいだ。」
ムーン「ええっ!?う、嘘でしょ?」
もょ「おうさまのおかげでムーンをたすけることができたんだ。」
ムーン「そんな…」
ムーンはいきなりムーンブルグ王の所に駆け寄った。
ムーン「お父様!」
王「ダレカイルノカ……?」
ムーン「私よ!ムーンよ!ここにいるわ!」
王「スマナイ…ワシニハナニモキコエヌ…シカシナツカシイカンジガスル…」
ムーン「うっ…うっ…お父様…」
ムーンが泣き出した。自分の父親に話しかけても意思伝達が出来ない。それを見ている俺も切なくなった。
タケ「うっ…………………」
もょ「どうしたのだ。タケ?」
タケ「ち、ちょっと嫌な事を思い出してしまってな…」
もょ「なにがあったんだ?」
タケ「悪いなもょ。それは言えへんのや。俺自身の事やねん。すまん。」
もょ「わかった…きいてしまってすまないな。」
タケ「ええんよ。ただ…俺から言える事は女の涙は男にとっては毒やで。」
もょ「ああ…おれもリアちゃんがないたときはすこしつらいきぶんになった…」
タケ「そっか…………………」
俺はそれ以上何も答えられなかった。言葉では表現できない感情が込み上げて来たのだから………………
ムーン「もょもと…」
もょ「ム、ムーン…その…」
ムーン「私なら大丈夫…お父様や城のみんなの敵討ちのためにハーゴンを倒すわ。」
もょ「そ、そうか…なんてこえをかければいいのかわからなかった…」
ムーン「いいのよ。でも、貴方が慰めようとする気持ちが雰囲気で伝わるわ…その、ありがと。」
もょ「あ、ああ…」
ムーン「お父様の書斎に行きましょう。何か記録があるかもしれないわ。」
聞いている俺も胸がドキドキドッキンっとなっちゃいましたよ。とにかく俺達は王様の書斎に向かった。
書斎は思ったほど被害が無く、荒されてはいなかった。
俺にとってこの世界の文字が読めないはずなんだが俺の視点では何故か日本語で表示されていたのだ。
本の種類には『ロトの末裔の記録』『呪文の理・初級編』『あらゆる武器の入門書』などがあった。
タケ「もょ。ロトの末裔の記録っていう本を俺に読ませてくれへん?」
もょ「ああ。これはごせんぞさまのきろくみたいだな。」
タケ「ちょっと読んでみるか。おっ、この部分が気になるな。」
ロトの末裔アレフは悪の帝王と呼ばれた竜王の最強の部下、ダースドラゴンと戦った時、古の聖剣ロトの剣と呼ばれるものを封印されてしまったらしい。
一旦アレフは戦いから離脱し、そこでアレフは…………を使い、………………レヴァティンを作り出し、再度ダースドラゴンに挑んで勝利を収めた。
ちなみにその武器で竜王を倒したと言われている。しかしアレフが竜王を倒した後レヴァティンが消え去ってしまったのだ。
もょ「どうだった?」
タケ「アカン。焦げ付いて詠めへん所もあったわ。ありえへん事もあるんやな。武器が消えてしまう事があるなんてな。」
もょ「しかし『レヴァティン』っていうぶきはなんだろうな?」
タケ「現在わかる範囲内では最強の武器ってい言う事ぐらいやな。ましてロトの末裔アレフが竜王と戦ったときに使っていたみたいやし。」
もょ「う〜ん…ロトのつるぎとどっちのほうがつよいのだろうか?」
タケ「二つとも手に入れたらわかる話やろ。しかし超が付くほど夢物語やで。ホンマ。」
ムーン「もょもと。そっちはどうだった?」
もょ「そうだな。いまとのところはさいきょうのぶき『レヴァティン』がわかったくらいだ。ハーゴンをたおすのにひつようだろうな。」
ムーン「私は『呪文の理・初級編』を読んだわ。私にとっては復習になるけどサマルやリアにも頑張って貰わないとね。」
もょ「しかしとっくんするのはいいのだがつぎはどこにむかえばいいのだろうか?」
ムーン「書斎で見つけた世界地図によるとルプガナって町が一番近いみたいね。しかし砂漠を越えてさらにドラゴンの角って呼ばれる塔にも向わないといけない。」
もょ「なるほど…じゃあルプガナにきまりだな。」
ムーン「ええ。それじゃあ戻るとしましょう。私も勝手に抜け出してきたんだから。トーマス達も心配しているだろうし。」
このまま何事も無くムーンペタに戻れるはずだった。しかし…
ムーン「もょもと!まだリビングデッドが3体がいるわ。やるわよ!」
もょ「おう!ムーンは…
タケ「(ちょっと待ちいや。もょ。まだリビングデッドがおるみたいやな。)」
もょ「(タケ、なにかさくがあるのか?。)」
タケ「(俺に代わってくれへん?こいつらなら新必殺技が効果テキメンな相手やからな。それに後に備えてムーンちゃんの魔法力を温存しておかないとアカンやろ?)」
もょ「(それならまかせたぞ。しかしいつのまにみにつけたんだ?)」
タケ「(それはお楽しみやで。まぁ見とき。)身構えるだけでいい!俺に任せてくれ!」
ムーン「けど貴方じゃ一撃で倒せるはずがないわ!」
タケ「出来るんだよな。それが。」
ムーン「えっ?」
タケ「ゾンビ斬り!!」
リビングデッドを切り裂いた後一瞬にして白く輝きリビングデッドが消滅した。ちょっとパワーアップしたって感じか。
もょ「(すごいじゃないか。タケ!)」
タケ「(巧くいったやろ?後2体もサクサクっとやっちゃいますか。)」
残りのリビングデッド達も難無く倒すことが出来た。
ムーン「やるじゃない!」
タケ「無事に終わって良かった。それより気を抜くなよムーン。近くにこいつらを操っていた術者がいるかもしれん。」
ムーン「えっ!?」
タケ「俺がサマル達とラーの鏡を探していた時こいつらを操っている奴がいたからな。」
ムーン「…わかったわ。急ぎましょ。」
タケ「とにかく早くムーンペタに戻ろう。」
こうゆう時は急ぐのが得策だ。城の入り口まで戻った時に事件が起きた。
銀髪の男と怪しい仮面を被りローブを着ている人間が対峙している。仮面の方は間違い無くハーゴンの手下だ。
手下「貴様何をしている!私の邪魔をするとはいい度胸だな。」
?「それよりここはどこなんだ?あんた知らないか?」
手下「私の質問を無視するとは。生意気な男だ。死ね!ベギラマ!」
?「はー…やれやれ。問答無用か。マジックバリア!」
男が呪文を唱えると光の球体が男を包み、ハーゴンの手下の呪文を無効化にしたのだ。
手下「バ、バカな…」
?「無駄な魔法力を使わせやがって…とりあえず死んでもらうとするか。バギマ!」
手下「Gyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!!」
この男…マジ強え…しかもバギよりすごい竜巻を出すとは。
ムーン「い、一体何があったの?」
タケ「あの男がハーゴンの手下を呪文で殺したみたいだな。」
ムーン「あの人は味方なのかしら?」
タケ「わからん。しかしムーンの魔力もすごいがあの男の方がムーンより上回っているかもしれん…」
ムーンと話しているうちに男が近づいてきた。
?「あんたら。ここはどこなんだか教えてくれないか?」
もょもと&タケ
Lv.13
HP:76/92
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E皮の鎧 E鱗の盾 E木の帽子
特技:かすみ二段・強撃・チェンジ・はやぶさ斬り(もょもと専用)・ゾンビ斬り・大防御(タケ専用)
ただ今473KB
そろそろ次スレ
レッドマン乙。
意外性がある展開が良い。
連載当時に比べたらかなり上手くなった。
銀髪の男っていうと1人しか思い浮かばん
セフィr・・・嘘嘘ww。
あいつかな?レッド氏、お疲れ様っした〜。
おもちへ
この手紙をもって、僕の仕事を終わりとする
まず、僕の病態を解明するために、アンコ教授に病理解剖をお願いしたい。
以下に、ぜんざい治療についての愚見を述べる。
小豆の根治を考える際、第一選択はあくまで手術であるという考えは今も変わらない。
しかしながら、現実には僕自身の場合がそうであるように、発見した時点で転移や播種をきたした進行症例がしばしば見受けられる。
その場合には、抗癌剤を含む全身治療が必要となるが、残念ながら、未だ満足のいく成果には至っていない。
これからの治療の飛躍は、手術以外の治療法の発展にかかっている。
僕は、君がその一翼を担える数少ない医師であると信じている。
能力を持った者には、それを正しく行使する責務がある。
君には治療の発展に挑んでもらいたい。
遠くない未来に、小豆によるあんこの死が、この世からなくなることを信じている。
ひいては、僕の屍を病理解剖の後、君の研究材料の一石として役立てて欲しい。
屍は生ける師なり。
なお、自ら治療の第一線にある者が早期発見できず、手術不能の小豆で死すことを、心より恥じる。
ぜんざい五郎
新スレたったので職人さんは移動してね〜。
まもなくここは 乂1000取り合戦場乂 となります。
\∧_ヘ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
,,、,、,,, / \〇ノゝ∩ < 1000取り合戦、いくぞゴルァ!! ,,、,、,,,
/三√ ゚Д゚) / \____________ ,,、,、,,,
/三/| ゚U゚|\ ,,、,、,,, ,,、,、,,,
,,、,、,,, U (:::::::::::) ,,、,、,,, \オーーーーーーーッ!!/
//三/|三|\ ∧_∧∧_∧ ∧_∧∧_∧∧_∧∧_∧
∪ ∪ ( ) ( ) ( ) )
,,、,、,,, ,,、,、,,, ∧_∧∧_∧∧_∧ ∧_∧∧_∧∧_∧∧_∧
,,、,、,,, ( ) ( ) ( ) ( )
ksk
729 :
ククール:2006/03/12(日) 15:58:47 ID:ck+nLIN80
だな
そして埋めマンが登場
↓ドゾー
↑
しゃぶれよ。
銀髪の男?ヴァン?キマリ?クジャ?風神?ヴァイス?セフィロス?ロッズ?ヤズー?カダージュ?セッツァー?ロック?バッツ?セシル?フリオニール?皇帝?エルムドア?
10分以内に1000行ったらおっぱいうp
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