懐かしきドラクエの思い出

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124名前が無い@ただの名無しのようだ
リアル中学生のころに発売になったDQ3。
勇者にはDQ1からずっと使ってきた名前を入れ、
3人の仲間には、DQ2のサマル・同じくムーン・友人の名前を入れた
このゲームは当時、クラスの男子のほとんどがハマり、給食の時間はあちこちで冒険の情報交換会。
互いを本名で呼び合わず、勇者の名前で呼び合ったりもしていた。

そんな折り、俺が密かに想いを寄せていた女の子が、友人にニックネームで呼ばれているのを聞いた。
そのニックネームは偶然にも、俺のパーティにいるムーンと同じ名だった。
俺が勇者の名で呼ばれ、その女の子がムーンの名前で呼ばれる…
まさに俺のクラスはDQ3の世界そのもので、毎日学校に行くのが楽しかった。

ただ、リアルの俺は、その子に想いを告げる勇気が持てなかった。
その反動からか、冒険の書の中にいる同名のキャラを必死で育てた。
装備は最優先で買い揃えただけでなく、悟りの書や、敵の宝箱からしか取れないレアアイテムもすべてプレゼント。
当時「キャラのMPをより多くする」というのがクラスで流行っていたが
育成の甲斐あってか、俺のパーティの女賢者はクラスで「優勝」できた。

ある日の放課後、俺も勇者の端くれとして勇気を奮い起こし、その子に想いを告げた。
残念な結果に終わったが、その後も俺にできるだけショックを与えまいと、優しく気遣ってくれていたのは分かった。
もしかしたら、その子の人生にとって初めての異性からの告白が、俺からのものだったのかもしれない。

いまでも、このムーンの名を聞くと、当時のことをそっと思い出したりもする。