めぐれメタルの冒険 2.5 deep strangeness
何か話題ちょうだい
じゃあドラクエ6の思い出(笑)
154 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/10/18(火) 23:36:05 ID:jqwVcR5H
バブすけ捕手&揚げ
お久しぶりです。
日曜にシスアド受けてきました。
報告が遅れて申し訳ございません。
60/80
62/73(TAC配点81.5)
でした。受かってるといいなーって感じですね。
金曜と土曜に熱が出たのがピンチでした。
ところで再開の方なのですが、もう一週間待って頂けないでしょうか。
ゼミの進級論文の提出期間が縮まってしまい、
さらに下級生向かい入れの為の準備をしなくてはならないのです(面接、試験など)。
非常に勝手だとは思いますが、どうかご理解ください。
ではまた。
>>書き手さん
お疲れさまです(´∀`)つ且~~
再開は時間のあるころでいいですよ。
>>153 身の代金をネコババ。
島ムドーで全滅5回
防御の大切さを教えてもらったな>ムドー
海底でキラーマジンガに瞬殺(´・ω・`)
アモスに真実を話しちゃう
ここまだあったんだ。なつかしいww
まあ読んでけや
僕たちはグロンテプスさんの背中に乗って本島を目指した。
島は今も轟々と真っ赤に染まっている。
本島にも大きな山があるようだ。山も真っ赤に染まっていてはっきり分かる。
本島までは一時間というところであろうか。
一体何が起こっているのか想像もつかない。
僕たちは島を見つめては唾を飲んだ。
「悪魔だよ!きっと悪魔の仕業だよ!」
そう言って怯えるのはゆうぼんだ。ガクガク震えている。
確かにそう言いたくなる様な恐ろしい光景ではある。
「しっ・・・島に入ったら・・・みっ!見つかって!・・・呪われるの?・・・ううっ!」
同じくつむりんがガクガク震えて相槌を打つ。
あれが悪魔の仕業なら呪われることもあるかもしれない・・・が。
マグマンが二人に声を掛ける。
「安心しろ。あれが悪魔の仕業なら俺たちはとっくに呪われてるぜ。」
島を真っ赤にするほどの魔力ならば、あの位置から僕たちを呪うことも可能かもしれない。
ホイミンが足元を見つめて喋る。
「あの島の光は神々しいです。命に満ちた炎のよう。悪魔の仕業というよりは神様の所業かもしれませんね。」
もし神様ならば呪いではなく、裁きを受けることになる。
おじいさんが唸る。
「ふーむ。その手の類であるならば、真っ赤に染まった島はわしらに近づくなという警告なのかもしれんのう。」
なるほど。そういう考え方も出来る。
スラングが溜息をついて言う。
「ふう。おいおい。てめえらマジで言ってるのか?そんなもの居やしネーよ。
壮絶な戦いで真っ赤に染まったって言った方がまだ説得力あるぜ。」
いや。それもどうかと思うけど・・・本気で言ってないよね?
僕がみんなに声を掛ける。
「みんな。僕は自然現象の類じゃないかと思う。
山火事や火山の噴火ではないと思うけど、島特有の原因があって真っ赤になってるんじゃないかと思うんだ。」
僕はそういって島を見上げた。
もしかしたら自分を納得させるためにああ言ったのかも知れない。
あの赤さは神秘的だけど不気味なんだ。
・・・!?
なんと僕の目の前で不思議な光景が始まった!
本島全体に広がっていた赤色が、今度は島の端から消えていったのだ!
少しずつじんわりと赤色が消えていく。
山の表面を中心に円を小さくしていくかのように縮まっていく。
一体何が起こったというのだろうか!?
僕たちは本島に急いだ。
島に着いたときには既に山の一部を除き赤色がなくなっていた。
夜空には満月が見える。
ゆうぼん。
「本島に上陸するの!?」
つむりん。
「呪われるよ・・・呪われるよ・・・。」
二人が泣き出しそうな顔で言う。
スラングが眉間にしわを寄せて言い捨てる。
「ガタガタ抜かすな!うぜーから黙ってろ!」
僕が二人をなだめる。
「怖かったら二人は残っていてもいいんだよ。グロンテプスさんと海にいれば安心だからね。」
ゆうぼんが青い顔をして答える。
「ううん。僕も一緒に行くよ。強くなるために来たんだから、逃げないよ!」
つむりんは無言で震えているが、時間を置いて喋りだした。
「・・・ゆうぼんは・・・行っちゃうの?おじいちゃんは?」
おじいさんが少し困った顔をした後に枯れた声で行った。
「わしは行くよ。いざという時にルーラで逃げられるようになるからのう。
グロンテプスと一緒ならば大丈夫じゃよ。お留守番をしておれるはずじゃ。」
つむりんは恐怖に歪んだ顔をして答えた。
「・・・それなら・・・僕も行く。・・・おじいさんと一緒がいい。」
「よし。ならば行こう。つむりんや。」
マグマンが二人を励ます。
「勇気あるぞ。二人とも。大丈夫。いざとなったら俺が守ってやるさ。」
そういって震えてる。さすがマグマンだ。
赤色はいよいよ小さくなり、山の一点を残し全て消えた。
僕は自然とつぶやく。
「あそこに・・・なにかある。」
そうこう言ってる間にその一点も消えてしまう。
グロンテプスさんとは朝方に来てもらう約束をして別れた。
本島は広い。小島とは大違いだ。
気になるあの山も大きい。麓までの距離もある。
また山登りか・・・そんなことを思いつつ僕は歩みを進める。みんなも付いてくる。
周りを見渡しながら進む。
ホイミンが地面の芝生を調べながら言う。
「やはり単純に燃えていた訳ではありませんね。焦げ後も見つかりません。」
マグマンが答える。
「まったくだ。何の異変もねえ。数分前まで何があったんだ。」
つむりんが変わったことを言う。
「もっもしかして・・・島・・・全体が・・・光ってた・・・?」
面白い考えだ。草一本一本に赤く染まる習性があるのかもしれない。
おじいさんがううーむと首を傾げる。
「ルラムーン草と言う光る草の話は聞いたことがあるぞい。とても珍しい草でとうの昔になくなったと聞くがのう。」
スラングが異論を挟む。
「いや。違うな。小島は光ってなかったぜ。ここの芝生と小島の芝生は似ている。そうだろー。」
賢い。言われてみればその通りだ。
もちろん全くの別種という可能性もあるが、芝生は同じと言っていいほど似ている。
僕たちは周りに注意しながら山を目指す。
しかし例の如くモンスターに出会わない。
小島と合わせてモンスターに出会ってないことが不気味だった。
山に近づいた辺りで、なんと大きめの住処を発見した!
僕たちはいくつかの家に顔を出し声を出して訪ねて見た。
しかし・・・なんということであろうか!
どの家にも一匹もモンスターが居ないのである!
不自然に残る生活の跡が不気味さを増す。
マグマン。
「だめだ。この家にもモンスターが居ないぜ。」
ホイミン。
「先ほどの赤い光と関係があるのかもしれませんね。」
ゆうぼん。
「たぶんあの光がモンスターを襲ったんだよ!あわわっ!」
僕。
「いざとなったらルーラで逃げれる。先を急ごう。」
僕たちは急いで山に向かった。
時期に麓に着き、気になる場所に目安をつけて登っていく。
本来山の中を自在に歩き回るのは大変だ。
この島も小島と同様に芝生の面積が多いのだが、それでも暗闇が手伝って道を誤りやすい。
しかし僕たちにはスラングがいる。
スラングに飛び上がってもらい居場所を確認するのだ。
とうとう・・・赤い光が一点に集まっていた場所へ辿り着いた。
なんとそこには謎を解く鍵があった!
大きな洞穴がぽかーんと口を開いていたのだ!
奥は相当深そうだ。
ゆうぼんがつぶやく。
「危険じゃないかな?」
何が起こるか分からない。ゆうぼんに限らずみんな不安だった。
マグマンに協力してもらい、たいまつを作る。
僕たちは洞穴を進むことに決めた。
一歩踏み出すと中は大きな通路の様な一本道になっていた。
荒々しく掘られたかのような道だ。自然に出来た空洞なのかもしれない。
ベホズンだって通れそうなくらい広いのが特徴だ。
意外なことにジメジメしたような気持ち悪さはない。
五分ほど歩くが、洞穴は延々と続いている。少しずつ地下に向かっている気がする。
時にくねくねと道を曲がる。
この先に何が待ち構えているのだろうか?
つづく。
保守ありがとうございました。
やっとこさ復活です。
>>156 ありがとうございます。
つ旦~~
ドラクエ6はぶちスライムとスライムの裏話が好きです。
夢と現実を織り交ぜたストーリーが魅力的ですね。
最近テンポについて悩んでますが最後まで続けます。
それではまた。
つむりん萌え(*´Д`)ハァハァ
スタリオン保守
サスケ保守
あげますあげます
サスケ保守をしようと思ったら先越されてたー
175 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/10/30(日) 23:26:03 ID:Y5oI6wVM
人間二人を恐怖に陥れたはぐりんを圧倒したはぐメタに大ダメージを与えたエミリーと同等の実力を持つサイモンに辛くも勝利したはぐりん
でも敵わなかった邪悪な騎士を倒したアーサーと互角のピエールでも一度は苦渋を舐めさせられた邪悪なスライムを倒したはぐりん
をも相手にしなかったゆうぼうが唯一相手にしたスタスタですら倒せなかったブリードを戦闘不能寸前にまで追いつめたはぐりん
を窮地に立たせたホーの首を吹き飛ばしたスタスタですら不可能な山越えをやってみせるスラングを瞬殺した修行中のはぐりん
さえも簡単に石化したブースカを倒して見せたマグマンの呪文がまったく利かないメタルボディのはぐりんは最強保守
今日投下しようと思ったのですが仕上がりませんでした。
すみません。また後日に。
星
☆ゅ
一回分は出来たのですが、明日早いので投下している時間がなさそうです。
日曜に二回分投下しますね。
夜中になりそうです(´・ω・`)
洞穴を降りていく。
突然スラングが立ち止まる。奥を見据えて告げる。
「おい。なにか音がしねえか?」
僕が答える。
「しっ。みんな立ち止まって。静かにしよう。耳を澄ませてみるんだ。」
・・・ごっごっ・・・すっすっ。
奥から足音とざわめきの様なものが聞こえる・・・気もするが、何も聞こえない気もする。
駄目だ分からない。
先に進んで確かめるしかない。
しばらく歩き続ける。
!
今度は確かに何かが聞こえた!
うめき声と口々に叫ぶ声の様なもの。しかしこれは岩が崩れた音かもしれない。
どちらにしろ用心した方がよいようだ。
さらに歩き続ける。
奥の方がうっすらと明るい気がする。
!!
一気に歓声の様な声が上がる。今までに比べて一団と大きな音だ。
「・・・ス!・・・ス!」
なにか叫び声の様なものが聞こえる。微かに地面が揺れた気がした。
僕たちは顔を見合わせて先を急ぐ。
スラングだけは立ち止まったものの、すぐに追いかけてきた。
「諸君!」
よく通った高い厚みのある声が響く!
奥の方からだ!
遠くから聞こえるのになんてはっきりしているんだ!
「今こそ我らが立ち上がり・・・」
先に進むに連れて歓声が大きくなってくる。
間違いない。何かがいる。
歩みが駆け足となる。
視野が明るくなっていく。灯りが置いてあるのだ。
「新しき時代の扉を開くときではなかろうか?! 」
目の前に途轍もなく巨大な空間が飛び出す!
正面に道はなく左右に回れば下り階段がある。危うく落ちるところだった。
下を見下ろせば大きな舞台と数百のモンスターたち!
「サイレス!サイレス!」
数百のモンスターが声を合わせて叫ぶ!
声は部屋中に響き渡り地震の様に床が揺れる!
手には真っ赤なたいまつを持っており、炎の揺れる姿が不気味だ!
舞台の上には一匹の巨大なモンスターが片手を掲げながら立っている。
ちょうど僕たちの真下だ。鳥のモンスターだろうか。
僕たちは息を潜めて様子を窺った。
モンスターは掲げていた手を下げ、今度は両手を大きく広げて喋りだした。
「そう! 魔物の魔物による魔物のためだけの世界・・・・・・。」
何を言っているのか分からない。
隣でマグマンが「演説か?」と囁く。
モンスターは続ける。
「しもふり肉を毎日食べられる世界!」
なんとも力の入った言葉だ。
心の底から望んでいることが僕にも伝わる。
ゆうぼんとつむりんが興味心身に身を乗り出す。
マグマンがゴクッと喉を鳴らす。
「そんな世界を私は諸君に約束する!!」
モンスターの肩が震える。手を握り深く声を響かせる。目には涙が溜まっている。
「サイレス!サイレス!」
再び歓声が沸く。
ホイミンが耳打ちする。
「彼らがここの住民でしょうか?あるいは危険な宗教団体かもしれませんね。」
!!?
僕たちが目を話した隙につむりんが落ちていく!
身を乗り出しすぎたのだ!
まずい!見つかったら・・・!
「であるからして・・・・・・」
ぼとっ。
あろうことかモンスターの背中に落ちてしまった!
いや堅い地面に叩きつけられなかった分幸運だったかもしれない!
「ムムム!!!???
背中が何故かむず痒い。」
モンスターが異変に気づく。手を後ろに回す。
つむりんはビクビクしながら手から逃げる。
背中の上を歩き回る。
ついに背中から飛び降りて舞台の斜め後ろを歩き出す。
「諸君! しばし背を向ける無礼をお許し願いたい!」
モンスターは深く一礼すると後ろを振り返った!
くっ飛び出すしかないのか!?
モンスターはつむりんを見つけるとニヤリと笑った。
なんて嬉しそうで、なんて意地の悪そうな笑顔だろうか。
「お前・・・この島の者ではないな・・・。」
一歩近づく。
つむりんは真っ青になってそのまま左に走り出した!
鳥のモンスターはそのまま歩き続ける。
集まっているモンスターたちはざわめいた。
僕はマグマンを見て言う。
「降りよう!今なら間に合う!」
マグマンが答える。
「ああ。それしかなさそうだ。」
スラングが悪態をつく。
「ちっ化け物の次は数百のモンスターか。貝殻のガキめ。後で殺してやる。」
ドン!トトン!タン!スタ!バッ!
僕たちは地面の下に飛び降りた!
モンスターたちがより大きなざわめきを起こす。
鳥のモンスターが振り返り一瞬呆然としたが、再び邪悪な笑顔に戻った。
しかし次の瞬間、僕たちも、この島のモンスターたちも、誰もが予想できない事態が起こった!
ゴゴゴゴゴ・・・!
頭上で崩壊音が響く!
それと同時に大小様々な岩が降ってきた!
天井が崩れたのだろうか!?
何が起きたのか分からず、行動が遅れる!
「はっ!いけない!つむりん!」
僕とスラングが飛び出すが、この距離では間に合わない!
「つむりーーーん!」
僕たちは振ってくる岩を砕きながら進むが、明らかに手遅れだった!
岩が落ちて煙が立つ。
煙が止んだ時、つむりんの居た場所には大量の岩とおびただしい血が残っていた・・・。
僕はガクッとその場に倒れこむ。
!?
積み重なった大量の岩が崩れ始めたのだ!
信じられないという顔で見ていると岩の影から一体のモンスターの姿が見えた!
なんと先ほどの鳥が身を挺してつむりんを庇っているではないか!
裂傷、打撲傷、大量の血にまみれており、翼の羽も散っている。
しかし変わらぬ笑顔で立っていた。邪悪な笑顔のまま周りの岩を吹き飛ばす。
そして左手でつむりんを抱え、右拳を頭上に高く掲げ、大声で叫んだ!
「1日1個のしもふり肉を要求する!」
モンスターはばったりと倒れこんでしまう!!!
「サイレス!サイレス!」
再び歓声が上がる。
──庇ってくれたのか!?なんのために!?いや最後の言葉は・・・さっきの続き!?
いいや!そんなこと考えてる場合じゃない!
「ホイミン!回復呪文を!」
ホイミンがベホマでモンスターの傷を癒す。
目を覚まさないが、命に別状はなさそうだ。
つむりんが心配そうに見つめている。
周りを見渡せばモンスターの集団に囲まれていた。
一種類を除けば僕たちの大陸でも見かけるモンスターたちだ。
おじいさんが小さな声でその種族の名前を読み上げる。
ファーラット。緑色で三つ目のモンスターだ。モコモコとしている。抱きつけば暖かそうだ。
残りはスライム、スライムベス、ホイミスライム、ベホマスライム、キメラだ。
一つの種族に付き数十匹はいる。キメラだけは微妙に色付きが違う。
みんなざわめいている。鳥のモンスター・・・サイレスと呼ばれていた、彼を心配しているのだろう。
特にスライムとファーラットはおどおどした表情をしている。
中には僕たちに敵意を向けている者もいる。
突然現れた僕らを不審に思っているのだろう。あるいはサイレスの治療をさせろと迫りたいのかもしれない。
僕が呼びかける。
「突然お邪魔して本当にごめんなさい。
このと・・・えっとサイレスさんには仲間の命を助けてもらい感謝しています。
仲間が回復呪文をかけましたので無事だと思います。しかし意識がありません。
どこか休めるところへ運べませんでしょうか?」
周りから安堵の声が上がる。スライムが十匹ほど出てきて、サイレスを担いでは走っていく。
モンスターたちが相談を始める。
きっと僕たちについて話しているのだろう。
スラングが耳打ちする。
「雑魚ばっかりだ。俺一人でも一掃出来る。さっきの鳥だって寝込みを襲えば一発だぜ?」
僕が耳打ちを返す。
「駄目だよ。それは最後の手段だ。激突は極力避けよう。」
相談の結果が出たのか一匹のファーラットがやってくる。
汗を掻いていて少し怖気づいている様だ。
「はっはじめまして。僕はファーラットのモコモン・・・です。
先ほど舞台で演説をなさっていたのは我らの魔王、サイレス様。
一体どのようなご用でこちらへいらっしゃいました?」
僕が返事をする。
「突然現れ、迷惑をかけてすみませんでした。
僕たちはこの島を治めている王に伝えたいことがあってきたんです。
危害を与える気はありません。話さえ終われば島から出て行きます。」
「分かりました。信用しきったわけではないんですが、落石は君たちの降りた後に起きました。
君たちも命を落とすところでしたよ。サイレス様はいつ目が覚めるか分かりません。
明日になるかも・・・。部屋に案内します。そこで待ってください。」
僕たちはそういわれると広場の隅っこの通路へ案内された。
他のモンスターたちも行動を再開する。
ホイミスライムやベホマスライムはサイレスの治療について相談を始め、他のモンスターたちは何かの準備を始めた。
通路を抜け、小部屋に入る。
モコモン君は部屋を早足で抜けていく。
仲良くなれればモコモコの身体に抱きついてみたいのだが、今はそうもいかない。
つむりんが「あの鳥の人・・・大丈夫かな・・・。」とつぶやく。
僕はつむりんを慰めながらみんなに声を掛けた。
「とりあえず王に会えそうでよかったよ。けどあの落石はどうして起きたのだろう?」
おじいさんが答える。
「ふむ。元々古くて荒い洞穴じゃった。自然に崩れたと見るのが妥当じゃろう。
あの辺りに他のモンスターも居なかったしのう。」
僕は納得し頷く。
「じゃあサイレス様が目を覚ますまで休もう。食事も取らなくっちゃ。」
僕たちは長い時間を小部屋で過ごした。
もう夜も更けたかもしれない。
その間僕たちは今後の行動を確認したり、雑談したり、久しく遊んだりした。
ゆうぼんが顔色の悪いつむりんを必死に励ます。
二人とも身を乗り出したことを反省しているようだった。
小部屋にモコモン君が再びやってくる。
ちょうど『種&実シリーズなりきりごっこ』をしていたところだったので、異様な風景に彼は三つの目を丸くする。
そしてキョロキョロと部屋の中を見渡した後、異常がないことが分かったのかホッとした顔をした。
力の種ことマグマンがゴロゴロ転がりながら話しかける。
「ほら、みんな変な佇まいをしているから、混乱させちゃったじゃないかちから。
なにか用かいちから?一緒に遊びに来たのかいちから?」
モコモン君は首を縦に振った後あわてて横に振り直した。
焦る姿が面白いたいりょく。くるくる。
モコモン君が喋りだす。
「サイレス様が目を覚まされました。君たちの話をしたら是非会いたいとのことです。会うんですよね?」
「もちろんちからーーー!」
「あうよたいりょく!」
スラングが舌打ちをする。
「ちっ。そうと決まったらその下らないごっこを止めろ。さっさと行くぞ。」
「素早さの種は冷たいりょく!」
「やらないって言ったろ!!!」
ごっこを中断し、魔王の休む小部屋へ向かう。
なおモコモン君は不思議の木の実役に任命した。心の中で。
小部屋へ着く。
中ではサイレスがベットの上に座って待っていた。
「諸君。このような醜態、このような場所で失礼する。少しばかり疲れてしまったようだ。
わざわざ情報を伝えに来てくれたとは感謝の極みだ。話を聞かせて頂きたい。」
僕が話しかけようとするとその前につむりんが前に出た。
「さっ・・・さきほどは・・・ありがとうございました・・・。
本当に・・・ありがとうございました・・・。
ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・。」
そのまま泣き出してしまった。
サイレスは魔王に相応しい邪悪な笑顔を浮かべて言う。
「気にすることはない。当然のことをしたまでだ。
それに見るといい。ほうら!元気そうだろう!生まれた時から身体は丈夫でな。」
腕をぐるぐる回し、立って見せる。
僕は嬉しいような申し訳ないような顔をしつつ喋りだした。
「気を使って頂きありがとうございます。どうか座って話をお聞きください。
まずは改めて先ほどの無礼をお詫びいたします。また仲間の命を救って頂き感謝します。
実は・・・。」
僕たちは自己紹介をした後にゆうぼんの話をした。
サイレスは静かに目を瞑り、時々僕の目を見て話を聞いた。
「なるほど。諸君の伝えたいことは分かった。そのような危険な人物がいるとすれば事態は急迫を告げる。
だが諸君の言うことをそのまま信用することは出来ない。本当とは限らないからだ。
もしそのゆうぼうとやらが尋ねてきてもそのまま攻撃を仕掛けることはない。
しかし!実際に危険な人物であると判断した時には協力しないことを誓おう!
また今後一年は島の見回りを強化しよう!
伝えに来てくれたことを感謝する!」
おおっなんて話の分かる鳥なのだろうか。ブースカとは考え方の根本が違う気がする。
「ありがとうございます。これで安心して島を離れることが出来ます。
・・・二つだけお聞きしてよろしいでしょうか?」
「なんなりと。」
「なぜつむりんを助けてくれたのでしょうか?
それに僕たちが来た時この島は赤く染まっていました。なぜでしょうか?」
「魔王とは威厳を持たなくてはならぬ。手下達を慈しむ余裕を築かねばならぬ。
力なきモンスターであろうとも、私を慕う手下であれば、一握りのしもふり肉にもこと欠かせてはならぬ。
諸君が友であるならば歓迎しよう。例え初めて会った相手だとしても危機にある者は手下と変わらぬ・・・!」
僕は嬉しくてつい口が緩んでしまった。
「僕はそんな魔王が好きです・・・。ブースカのような魔王よりも・・・」
サイレスは怪訝な顔をする。
「彼に会って無事だったとは・・・!
運良く逃げれたのだな・・・。よかった。よかった。」
スラングが横からしゃしゃり出る。
「逃げたんじゃねえ。ぶっ潰してやったんだ。」
サイレスが驚いた顔をする!
「あのブースカを!?」
僕は弁明する。
「戦いたくて戦ったわけではありません・・・成り行きで。」
サイレスは残念そうな顔をしたがすぐに笑顔に戻った。
「ふむ。彼のことだ。大方諸君の自己防衛だろう。
手下を駒の様に扱っていた男だ。諸君が手を出さずとも、いつかそうなっていたに違いない。
不思議な魅力はあった。思想を乗り越え、成長した姿も見てみたくはあったが仕方あるまい。
気にしてはならんぞ。」
「・・・はい。」
「質問に答えよう。昨日から明日にかけては満月だ。この三日間、古の伝説を奉り百年演説祭が行われる。
本来は百年に一度の祭りのはずなのだが、代々の魔王が演説好きなために一年に一度の習慣となってしまった。
恥ずかしいことに私も例から漏れてはおらぬ。
島が真っ赤に染まったのは儀式の一環で一斉にたいまつに火を灯したからだ。
この儀式上への道は暗い上に、頻繁に使わぬため、たいまつを使った方が良いのだ。
それがそのまま儀式の一つになったのだな。島の外から見ていたのであればさぞかし綺麗であったろう。
今日はもう遅い。良ければ一晩休んで、祭りを見ていくと良い。」
「はい!そうさせて頂きます!」
会談を終えて再び元の小部屋へ戻る。
変な言い方だが、いい魔王だった。
僕たちは少しの雑談をした後、明日に備えて種や実の様にじっと眠った。
193 :
書き手 ◆F/WveZadCU :2005/11/07(月) 08:07:08 ID:b6gYhMa6
今日はここまでです。
結局朝方に・・・すみません。
二通りの展開を考えていたのですが、途中でやっぱりこっちにしようと書き直してました。
内容的に正反対になりますので・・・。
ではまた今度。
読んでないけど乙!!!
読めよw
乙!
196 :
素早さの種:2005/11/08(火) 12:38:55 ID:0pCSvPpE
素早さの種役はもらったすばやさ
「心の中で」にわろすばやさ
どう見てもスラングです。
本当にありがとうございました
煽られたら冷たいりょく(の種)と言ってみようキャンペーン実施中
age忘れ
↓200おめ
200 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/10(木) 03:38:43 ID:IesO2KpX
前スレの途中まで読んでた。
それから暫くPCが出来なくて、おいてかれてしまった。無念だ。
201 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:
つ[
>>1にある過去ログ]
更新は週に一回分。一日一回読めば余裕で追いつくぞ。
復活を信じてる。
スレが変わるごとに人が減ってる気はするねw