FF6をノベライズしようぜ!!〜第2章〜

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1名前が無い@ただの名無しのようだ
なんか前のスレッドが512k越えてて書けないって出たから次スレ建ててみた。勘違いだったら削除依頼しときます。
前スレ
【FF6をノベライズしようぜ!! 】
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1111167126/
あらすじはまとめページができるまで我慢しといて。
2名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/06(月) 18:28:24 ID:ZSJpbWf3
勝手にすれば
3名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/06(月) 18:32:56 ID:eOkMk4wv
誰か気付け
4名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/06(月) 18:34:54 ID:A0D4Fmbh
前スレが落ちて見れなくなった時のためにログだけは保管しといた
あらすじとかは後で入れるつもりだけど、長いから文章力ある人がまとめてくれると助かる
ttp://081.in/ff6/ff6noberaizu.htm
5名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/06(月) 18:38:34 ID:eOkMk4wv
>>4 ログが読めればまとめは後で良いや。最後にageとく。
6名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/06(月) 18:39:46 ID:vUsqy9rl
職人乙!
7名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/06(月) 18:48:15 ID:dSmcRddk


     \     、 m'''',ヾミ、、 /
       \、_,r Y  Y ' 、 /';,''
       、 ,\ヽ, | | y /、 ,;;,,'',
        \、\::::::::::/, /,, ;;,
        ヽ\ o 、 ,o / { ;;;;;;;,,
        丿 [ \|:::|/ ]  >"'''''   <ガリで。
        >、.>  U   <,.<
       ノ  ! ! -=- ノ!  ト-、
     ..''"L  \\.".//_ |   ゙` ]
8ティナ編:2005/06/06(月) 18:50:46 ID:A0D4Fmbh
第2ラウンドが始まった
先ほどの対峙で自分達の方が格上だと判断したのか、完全に油断している三兄弟
「何度やっても同じことさ!さっさとくたばっちまいな!」
三兄弟が攻撃を仕掛けようとしたその時、ガウが猛スピードでレーヴに突進した
「ガウウウウウウ!!!」
「ぐっ!?」
間髪入れずにスエーニョも蹴り飛ばし、ソーニョを孤立させる
再び三兄弟がまとまらないように、ティナとティファがすぐにソーニョに攻撃を仕掛ける
焦ったレーヴとスエーニョがすぐにソーニョの援護に向かおうとする
しかし・・・
「くっ こいつ・・・」
ガウが2人の前に立ちはだかる
「邪魔だよ!どきな!」
ファイガとサンダガが同時にガウを襲う
「うああああ!!」
いくら耐性を持ったとはいえ、上級魔法を2つも同時に受けて無事でいられるはずがない
「兄ちゃん!今いくよ!」

ガシイ!

「まて・・・・どこいくんだ?」
スエーニョの足をガウが掴む
その隙を見計らい、レーヴがソーニョの元へ行こうとする
しかし、ガウはスエーニョの足を掴んだまま振り回し、レーヴにぶつけて再びソーニョから距離を取らせる
「おい!何やってんだよ!早く来てくれよ!!」
元々一人ではそれほど強くない上に、敵は2人
ソーニョからは余裕が消え、焦りだけが見えてくる
9ティナ編:2005/06/06(月) 18:51:20 ID:A0D4Fmbh
「ちょ、ちょっと待ってよ!こいつが邪魔なんだよ!」
「くそっ どきなって言ってんだろ!」
ガウの顔面を蹴り上げるレーヴ
更にスエーニョが追い討ちをかけるようにガウを掴み、直接電気を流し込む

「ガウ!」
ソーニョを攻撃しているティナが後ろを振り返る
「ティナさん!今はこいつを倒す事だけに集中するのよ!」
「でも・・・・!」
「ガウの気持ちを無駄にしたいの!?」
「・・・・・」
このままではガウが危ない
ガウを助けるには、一刻も早くソーニョを倒すしかない
「この糞アマどもが!図に乗んなぁ!!」
ブリザガを唱えようと宙高く浮かび上がるソーニョだが、瞬時に反応したティファに叩き落される
「ぐあ!ちっくしょう・・・!」

「はあ、はあ、はあ、こいつ・・・いい加減に死になさいよ・・・!」
何度殴っても魔法をぶつけても決して倒れないガウの体
一人がガウを食い止めて一人がソーニョを助けようとしても、即座にガウに回り込まれ邪魔される
しかし、それも流石にそろそろ限界に来ていた
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ・・・・」
ガウの体からとめどなく流れる血と汗
意識が朦朧として、立っているのも辛い
気力だけで戦っているような状態である
カイエンを助けたい、その思いだけがガウの力となっていた
「そろそろ限界みたいだね・・・いま楽にしてやるよ」
10ティナ編:2005/06/06(月) 18:51:55 ID:A0D4Fmbh
レーヴとスエーニョが魔力を溜め始める
特大のファイガとサンダガを撃つ気である
虚ろな目でその様子を見るガウ
「(みんな・・・ごめんな・・・)」
ガウは死を覚悟した
「死ね!!」

ドゴオ!!
ドス!!

「!?」
魔法を放とうとした瞬間、2人の体に鈍い痛みが走った
レーブの腹部にティファの拳が
スエーニョの胸にティナの剣が刺さっていた
スエーニョは即死だった
「ティナ、ティファ・・・・なんで・・・?」
「もう終わったわよ」
ティファが親指で後ろを指す
そこには、ソーニョの死体があった
「ソーニョ!スエーニョ!!」
レーヴの前に3人が並ぶ
「あとは、あんただけよ」
「ガウの痛み・・・カイエンさんの苦しみ・・・味わわせてあげるわ」
「た、助け・・・・ギャアアアア!!!」


「ガウ、大丈夫?」
ボロボロになったガウをティナが優しく抱き起こす
11ティナ編:2005/06/06(月) 18:52:43 ID:2c9MmGBZ
レーヴとスエーニョが魔力を溜め始める
特大のファイガとサンダガを撃つ気である
虚ろな目でその様子を見るガウ
「(みんな・・・ごめんな・・・)」
ガウは死を覚悟した
「死ね!!」

ドゴオ!!
ドス!!

「!?」
魔法を放とうとした瞬間、2人の体に鈍い痛みが走った
レーブの腹部にティファの拳が
スエーニョの胸にティナの剣が刺さっていた
スエーニョは即死だった
「ティナ、ティファ・・・・なんで・・・?」
「もう終わったわよ」
ティファが親指で後ろを指す
そこには、ソーニョの死体があった
「ソーニョ!スエーニョ!!」
レーヴの前に3人が並ぶ
「あとは、あんただけよ」
「ガウの痛み・・・カイエンさんの苦しみ・・・味わわせてあげるわ」
「た、助け・・・・ギャアアアア!!!」
12ティナ編:2005/06/06(月) 18:54:35 ID:2c9MmGBZ
「ガウ、大丈夫?」
ボロボロになったガウをティナが優しく抱き起こす
「ウ・・・なんとか・・・・」
「あんたのおかげで助かったわ。ありがとうガウ」
突然城がぐにょぐにょと歪みだす
そして三兄弟の死体が煙のように消えていく
よく見ると、ティナ達の体も徐々に消えていく
「こ、これは・・・?」
「夢の世界が消えようとしている・・・」
「カイエン、目ぇ覚ますのか・・・?」

「皆さん、ありがとうございました」

その声に振り向くと、一時的に消されていたミナとシュンがいた
「夫に伝えてください・・・・私達は、いつまでもあなたの心の中で生き続けている、と・・・」
「それと、自信持ってってね。パパは、僕からしたら誰よりも強くて立派な戦士なんだから」
と言って、微笑みながら2人は消えていった
「はい・・・2人もお元気で・・・」
ティナ達も2人に微笑みかけ、夢の世界から消えていった・・・・
13ティナ編:2005/06/06(月) 18:55:15 ID:2c9MmGBZ
「・・・・・う・・」
「カイエン、起きたか!」
カイエンが目覚め、大喜びするガウ
「ティナ殿・・・ティファ殿・・・・それにガウ殿・・・・迷惑をかけたようでござるな」
「覚えているんですか?」
「ずっと辛い夢を見ていたでござる。そこへ突然、皆が夢に出てきて・・・・細かいことまではよく覚えてないでござるが」
頭を抑えながら思い出そうとするカイエンに、ティナが話しかける
「奥さんとお子さんが言ってましたよ。心の中で生き続けるって・・・・もっと自信を持ってって・・」
「うむ・・・・しかし・・・」

ドゴオオオオン!!!

突然カイエンの部屋の壁が崩れた
いや、崩されたという表現の方が正しいか
明らかに何かの衝撃で壁が崩壊した
「な、なんでござるか!?」
「あれは・・・・」
魔物・・・・といえば魔物だが、明らかにただの魔物ではなかった
首の長い、黄色いドラゴンが4人の目の前で息を荒げながら立っていた
「八竜だわ・・・!やっぱりここにいたのね!」
凄まじい威圧感ではあるが、とても勝てないというほどの相手ではない
しかし、それは全員がベストな状態での話である
三兄弟との戦いで、3人(特にガウ)の体力はかなり削られてしまっていた
無傷なのはたった一人・・・そう、カイエンである
「(3人は夢の中の戦いでボロボロでござる・・・・拙者が何とかしなければ・・・・しかし、こんな相手に勝てるのか・・・)」
今こそ、カイエンの真価が問われる時である
14名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/06(月) 18:56:20 ID:2c9MmGBZ
コピペミスった
>>10はなかったことに
んじゃあとよろ↓
15名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/06(月) 21:18:12 ID:6x0HGCtY
保守
16名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/06(月) 21:22:18 ID:0qDKtxAj
確かに瓦礫の塔にイエローとスカルがいるのは嫌だな、ここでイエローを出すとは、いいセンスしてるぜ。
・・・ところでゾゾ山のストームドラゴンはどうすんだ?カイエンがすでにドマだし。
17名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/06(月) 21:26:01 ID:vUsqy9rl
マッシュ達が近くじゃん
18名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/06(月) 21:35:12 ID:6x0HGCtY
マッシュだけじゃ無理じゃないか?ツォンはあれだし…
19名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/06(月) 22:02:35 ID:vUsqy9rl
リターナーにケットシーとレッド]Vがいたから、そいつらを捨てゴマに
でもキャラ増やしたくないなぁ
20名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/06(月) 22:13:46 ID:0qDKtxAj
スカルドラゴンはやっぱダリルの墓だよな、ファルコンにいたりとか。
21名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/06(月) 23:12:34 ID:eOkMk4wv
明日(いつかわからんけど)ツォンの崩壊後の経緯も踏まえて前スレ573の3、4パーティが出会う寸前までの所を書くから
タークスの作者さんはそこへ来るか(別に3人とも来なくていい)どうかだけは考えといて。
22名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/06(月) 23:21:09 ID:Lk0sfXYA
マッシュ編途中まで書いちゃった
経緯とかの過去話をするのに支障をきたさない展開なんで後少しでうpします
23名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/06(月) 23:25:36 ID:eOkMk4wv
マッシュ編でツォンとマッシュだけじゃストームドラゴン倒せそうになかったら、
ケットシーやレッド]Vも出してかまわないよ。後で、こっちがいろいろ修正すれば良いわけだし。
24マッシュ編:2005/06/06(月) 23:49:37 ID:Lk0sfXYA
「おお、マッシュではないか!」
マッシュを出迎えたのは、一時期共に戦ったリターナーの長バナンだった
「なんだ、バナンとは知り合いだったのか。こっちの犬みたいなのがレッド13。こっちのぬいぐるみみたいなのがケット・シーだ。どちらもなかなかの実力者だ」
「よろしく」
「よろしくたのんますわ」
「(な、なんか随分変わったメンバーだな・・・)」
と思ったが、気にしないことにした
「しかし、帝国無き今、我々リターナーの存在意義はないかもしれんな。ケフカは、もはや我々が手を出せるレベルではない」
バナンが重い口調で話し出す
「でも俺は諦める気はねえぜ。仲間を集めて、ケフカの野郎をぶちのめす」
「だがマッシュ。仲間の生存が確認できたと言っても、あくまで噂のレベルでしかない。本当に生きていたとしても、どこにいるのか・・・」
ツォンのその言葉に、マッシュから希望が薄れていく
「くそ・・・これからどうすりゃいいんだ」
沈黙が流れる
その時、事件は起こった

「うわああああ!!」
「な、なんだこいつは!ぐああ!」

「何だ!?何が起こった!?」
慌てて外に出るマッシュとリターナー
何かがゾゾ街を飛び回っている
それだけではなく、街の住人を次から次へと襲っている
その正体を確認した時、ツォンは愕然とする
「あいつは・・・・伝説の八竜、ストームドラゴン・・・!」
「伝説の八竜!?何でそんな奴がこんな所に!」
そう喋ってる間にも、犠牲者は増えていく
25マッシュ編:2005/06/06(月) 23:50:06 ID:Lk0sfXYA
「おい、レッド13とケット・シーとか言ったな!お前らはみんなを避難させてくれ!あいつは俺が倒す!」
「そんな、何無茶言うてんですか!1人であんな化け物に勝てるわけないで!」
「そうだよ!オイラたちも戦うよ!」
「今は人命が優先だ!急いでくれ!まだ死人は出ていない!」
「わ、わかった・・・」
仕方なく、大急ぎで犠牲者の回収と、住人の避難に専念するレッド13とケット・シー
そしてマッシュがストームドラゴンの目の前に立つ
「ギイイイイ!!」
「ちっ・・・・間近で見るととんでもねえ化け物だな・・・・死ぬかもな、俺・・・」
苦笑いをしながら構えを取るマッシュ
ストームドラゴンは様子を見ているのか、なかなか仕掛けてこない
「なんだ?怖気ついたのか?来ないならこっちから行・・・」
ズギャ!!
「ぐお!」
いきなりストームドラゴンが超スピードで突進し、マッシュの肩の肉を食いちぎった
「は、はえぇ・・・!!」
正に目にも止まらぬ速さだった
続けて四方八方から連続で攻撃を仕掛けてくる
ろくに対処しきれずに、マッシュの体力はどんどん減っていく
「くそ・・・やっぱ俺一人じゃ無謀だったか?」
そして背後からストームドラゴンが牙を向けて襲いかかってきた
「やべえ!」
バキイ!!
「えっ・・・?」
ストームドラゴンが何者かに蹴り飛ばされた
その後姿は、どこかで見覚えがある・・・
「マッシュよ、考えるのではない、感じるのだ。目で追えないのなら、心の目で感じ取れ!」
「あ、あぁ・・・!!あなたは!!」
26マッシュ編:2005/06/06(月) 23:50:55 ID:Lk0sfXYA
その人物が振り返る
その顔は、マッシュがよく知っている顔だった
「お、おしょうさま!!」
それはマッシュの師匠、ダンカンだった
「どうしたマッシュよ。まるで幽霊でも見たような顔をして」
「だ、だって・・・バルガスに殺されたんじゃ・・?」
「ファファファ、わしは死なん!たとえ裂けた大地に挟まれようとも、わしの力でこじ開ける!」
マッシュの目には嬉し涙が浮かんでいた
「おしょうさま、よくぞご無事で・・・。おしょうさまがいれば百人力ですよ!」
「何をいっとるのだマッシュ?わしはこれ以上手を貸さんぞ。後はお主一人で何とかせい」
「え、えぇ!?」
マッシュは自分の耳を疑った
厳しいのは十分に承知の上だったが、こんな状況でまで試練を与えてくるとは・・・
そしてストームドラゴンが起き上がり、再びマッシュ達に向かってきた
「来る!」
しかしかわしきれずに、またしても手痛いダメージを受けてしまう
「マッシュ!さっき言ったことをもう忘れたのか!?」
「・・・!」
考えるのではなく、感じる
マッシュは目を閉じ、ストームドラゴンの動きを探り始めた
ストームドラゴンの動きに法則性はない
しかし、風の流れや音、それらの情報からストームドラゴンの動きに体が反応する
マッシュはその時初めてストームドラゴンの攻撃を避けた
だが、避けているだけでは勝てないことはマッシュもよく分かっていた
「(どうすれば・・・?)」
「マッシュ!以前お主に一度だけ見せた技があるだろう!ダンカン流拳法最終奥義、夢幻闘舞を!」
27マッシュ編:2005/06/06(月) 23:51:44 ID:jT7oEQf/
「む、夢幻闘舞!?しかしあれは・・・・」
「自分を信じろ!今のお主はあの時とは次元が違う!できるかどうか悩むぐらいならやってみろ!」
「お、おしょうさま・・・」
夢幻闘舞・・・・それはダンカンが編み出した最強の必殺技である
しかしそれを放つには、並外れた身体能力と鍛錬が必要である
マッシュは過去に何度か挑戦してみたが、一度もまともに出来た試しがなかった
「(迷うなんて俺らしくねえやな・・・やってやるぜ!!)」
ストームドラゴンの攻撃をかわしつつ、少しずつ照準を合わせていく
そして、ストームドラゴンの動きをマッシュが完全にとらえた
真正面から向かい合うマッシュとストームドラゴン
そしてストームドラゴンのアゴを蹴り上げ、動きを止めた
「うおおおおお!!!」
「!!?」
ストームドラゴンの目には、マッシュの体が分身したように見えた
しかしそれは、その身体能力をフルに活用し、ストームドラゴン以上の超スピードで周りを囲んでいたことによるものだった
そして、全方向からのマッシュの全力の攻撃がストームドラゴンの体の箇所全てに叩き込まれた
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラーーー!!!!」
ドドドドドドドドドド!!!
「グギャアアアアア!!!」
ストームドラゴンの体は、空中でバラバラになった
マッシュは遂に夢幻闘舞を習得したのである
「ハア ハア やったぜ・・・」
「マッシュよ、よくやったな。ついにわしを超えたようじゃ」
「おしょうさま・・・・本当に、ありがとうございました!」
深々と頭を下げるマッシュ
そしてダンカンは弟子の成長を何よりも喜ぶのであった
28マッシュ編:2005/06/06(月) 23:52:46 ID:jT7oEQf/
「ところで、何故こんな所に?」
「リターナーの本部にずっといたぞ。最も、顔を隠して気配も絶っていたがな」
「えっ!?」
その言葉に驚くマッシュ
自分の恩師が近くにいたのに全く気付いていなかったのだ
「ファファファ、観察力に関してはまだまだじゃな。バナンとわしは昔からの長い付き合いでな、よくリターナーに顔を出していたんじゃよ」
「そ、そうだったのですか・・・」
そして2人はリターナー本部に戻っていった
レッド13とケット・シーも本部に戻り、再び話は続くのであった
29名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/06(月) 23:53:54 ID:jT7oEQf/
ここまでです
勝手にダンカン出しちゃったけど、この後の展開に困らなければ幸い
30名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/06(月) 23:59:53 ID:vUsqy9rl
夢幻闘舞キタ―――――(・∀・)――――――――
マッシュ初期からは考えられないくらい強くなってるぜ
31ストラゴス編(前スレ790から):2005/06/07(火) 01:15:31 ID:lCHxrWvb
そして男は目を閉じ、ブツブツと何かを唱え始めた。すると両手が光り始め、
その光は瞬く間に眩い光になった。
ストラゴス「な、何じゃ?!うわ!!!」
両手を見ていたストラゴスは、眩い光を見た瞬間に目を閉じたが、手遅れだった。
ストラゴスはその場で倒れ込んでしまった…。

男(ルビカンテ)「ククク…、精神的に弱っている奴はあっけないものだ。それにしても
このジジイ、なかなか強い魔力の持ち主だな。ただのジジイなら無視するところだった
が、見た瞬間に気に入った。こいつを操れば、俺たちの力になるだろう。おい、起きろ」

ストラゴスはむくりと起き上がった。しかし、その目には覇気がない。
ルビカンテ「魔法は効いているみたいだな。よし、俺についてきな」
ストラゴスは黙って頷いた。そして二人は塔に向かって歩き出した。



ルビカンテ「ククク、うまくいった。この魔法は絶対にとけないだろう。
こいつにとって何か衝撃的なことがおこらない限りな」
32名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 04:56:53 ID:3Pnw54mh
4のルビカンテと違ってこのルビカンテは汚い奴っぽいなw
33名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 08:37:23 ID:X9iawLWe
>>24-28
マッシュファンの俺にとってはたまらない
マッシュかこいいよマッシュ
34名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 08:38:41 ID:X9iawLWe
ついでにageとこう
35名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 17:12:01 ID:+co53mrw
このスレおもスレー
36名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 17:17:31 ID:RUiHlONt
>>35
お前の所為で地球に氷河期が
37名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 19:11:42 ID:UobnFcAJ
やっと>>21の話が完成したけど、マッシュ達までリターナー本部に戻って来るんだよな。
戻ってくる前に話を終わらせるにはキャラが少なくて(タークス3人組が入れば話は別)一方的な戦闘になっちゃうし
戻ってきた後だと、誰も犠牲にならずにこの話は無駄に終わっちゃいそうなんだけど。
もともと、この話は多すぎる仲間キャラを減らすために書いてるわけなんだけど、どうしよう?
ケット・シーとレッド]Vだけかタークス3人組が戻ってくればなんとかなりそうなんだけどどっちかどうにかできませんか?
38名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 19:33:57 ID:rjZfUzgH
何を言ってるのか全然わからんのだが・・・
39名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 19:37:01 ID:UobnFcAJ
>>38 簡単に言うと、マッシュ達まで来ると役者が多すぎるってことです。
40名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 19:50:09 ID:5/3vGXND
それって崩壊後の話?
崩壊前の話じゃないのか?
崩壊後だとして、リターナー本部で戦闘が起こるって意味か?
マッシュがいると不都合ってことなら、理由つけてまた一人旅させれば?
41名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:03:55 ID:UobnFcAJ
崩壊前だといろいろ不都合が起こるから崩壊後の話。
でも、なんとか上手くつなげてみるわ。
マッシュ達の話の方がこっちの話より重要ですし。
だからそれまでマッシュ達の話は待っててくれ。
42名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:15:05 ID:5/3vGXND
ていうかさ、マッシュ編の最後辺りの話の流れだと、
本部に戻った二人ってバナンとダンカンのようにとれるのだが
作者さん、そこらへんどうなの?
43名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:21:26 ID:CRAi7WNH
>>42
バナンはずっと本部で待機してた
戻ったのはマッシュとダンカン
44名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:22:53 ID:UobnFcAJ
>>43 マジかよ。また直さないと
45名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:23:26 ID:UobnFcAJ
上のに追加 ツォンはどこ行った?
46名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:26:40 ID:5/3vGXND
待って 本部ってどこ?
ゾゾの扉の向こう?原作と同じ位置?
47名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:27:47 ID:CRAi7WNH
マッシュ→ドラゴンと戦闘
ダンカン→マッシュより少し遅れて参戦
ツォン→本部で待機
バナン→本部で待機
レッド&ケット→住人救出

戦闘終了後

マッシュ→バナンと雑談しながら本部帰還
ダンカン→マッシュと(ry
ツォン→本部
バナン→本部
レッド&ケット→マッシュ達の後に本部帰還
48名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:28:04 ID:CRAi7WNH
>>46
ゾゾの扉
49名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:28:18 ID:UobnFcAJ
崩壊後には無いから、適当に。
俺が書いた話ではゾゾ山の北らへんに設定しといた。

>>43 さらにすまんが、バナンって途中から来たの?
50名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:31:31 ID:CRAi7WNH
>>49
ん?崩壊前のストーリーでバナンの所にレッドケットが来たから、それから3人はずっと一緒だったと思ってたんだけど?
51名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:31:34 ID:UobnFcAJ
>>47 本部で待機って>>24でバナンの声が聞こえるんだけど。
52名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:32:51 ID:UobnFcAJ
>>50 あれっ?今って崩壊後の話じゃないの?
53名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:35:34 ID:+co53mrw
普通に読んでれば分かると思うんだが…
54名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:39:19 ID:CRAi7WNH
>>51
そりゃ本部にマッシュが招かれたんだから、そこにバナンいるでしょ
マッシュが外に出たのはドラゴン騒ぎが起きてからなんだから
その後はバナン出てきてないよ

>>52
前スレ567はまだ崩壊前でしょ
その後崩壊したけどバナン達は生き残って、ツォンを助けて、その後マッシュが訪ねてきた
55名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:40:17 ID:UobnFcAJ
マッシュ ツォン・バナンたちとゾゾ山で合流

ゾゾの街でストームドラゴンと戦闘開始

リターナー本部からダンカンが登場

皆本部へと帰還
でいいんじゃないの?
56名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:42:40 ID:CRAi7WNH
>>55
合ってるよ
何か問題ある?
57名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:44:00 ID:UobnFcAJ
>>56 リターナー本部の場所=ゾゾ山ではないよな?
58名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:44:43 ID:5/3vGXND
おまいらおちつけ
話がかみあってないぞ
59名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:49:24 ID:CRAi7WNH
>>57
文面からゾゾの扉の奥だと判断した

マッシュがゾゾの扉を開ける
ツォンと出会う
ツォンに案内されて奥の部屋でバナンレッドケットと出会う
ドラゴン騒ぎが起きてマッシュとダンカンが外に出てドラゴンを倒す
そのままゾゾの扉の奥に帰還

そんなに複雑にしたつもりじゃないんだけど
60名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:51:04 ID:UobnFcAJ
>>59 やべっ、そうなの?
それじゃあ、すぐ帰ってきてとてもじゃないが、リターナー本部での話が書けないorz
61名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:57:23 ID:+co53mrw
俺も普通に奥の部屋だと思ってた
足ひきづるツォンがそんなに遠くに行けるはずもないし、バナン達は、マッシュとツォンが会った所のすぐ近くにいるもんだと
62名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 20:59:19 ID:UobnFcAJ
うあっ、そうなのか。
足ひきづるってところ読んでなかったわ。
じゃあ、誰かに運ばれてってことにするわ。
63名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 21:01:15 ID:D5xiC22o
崩壊前
レッドとケットがリターナーと同盟結ぶ
その後すぐに世界あぼーん

崩壊後
リターナーは生き残り、崩壊で本部が無くなったのでゾゾに移住
リターナーがツォンを助ける(レッドとケットもまだいる)
マッシュがゾゾの扉を開ける
ツォンと出会う
ツォンに案内されて奥の部屋でバナンレッドケットと出会う
ドラゴン騒ぎが起きてマッシュとダンカンが外に出てドラゴンを倒す
そのままゾゾの扉の奥に帰還

大体こんな流れだろ?
そんなに難しいか?
64名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 21:03:52 ID:w5uvJ0Pf
えーとタークス編書いてんの俺なんだが…俺はこれからどう書けばいい?
話が複雑になるようならしばらくやめとくが。
65名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 21:07:13 ID:UobnFcAJ
>>63 それはわかる。問題はゾゾ山と本部の遠さが問題なんだよ。
   最後に魔法を使うからその影響でゾゾ山が吹っ飛ぶんだよな。その設定だと。
   だからそれなりに距離は欲しいんだけど
66名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 21:08:58 ID:UobnFcAJ
>>64 そのまま書いておk。旧タークスは関係なくしといた。
67名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 21:10:28 ID:w5uvJ0Pf
>>66
了解。
68名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 21:15:19 ID:5/3vGXND
むしろID UobnfcAJに折れてもらうしか…
話がこんがらがってきたし
69名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 21:15:39 ID:D5xiC22o
ゾゾ街にもゾゾ山にも吹っ飛んで困るようなものはないと思うけど
なんだったら今からでもゾゾの北に本部作っちゃえば?
ゾゾの扉にあったのは仮本部ってことにして
「ゾゾにはたまたま用事があって来ていて、これから本当の本部に戻る」
とかなんとか適当に理由つけて

マッシュが邪魔なら、仲間を探すため、とか言って旅にだしちゃえば
ダンカンもたまたまリターナーに顔見せただけ、とか言って家に帰らしちゃえば
70名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 21:16:40 ID:UobnFcAJ
俺が考えたのはこんな感じ↓
ttp://www.vipper.org/vip26445.bmp.html
pass
ff6map
下手な絵でスマソ
71名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 21:18:04 ID:UobnFcAJ
>>68 わかった。何とか試行錯誤してみる。
   他の作者さんが書いた話は崩さないようにしてみます。
72名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 21:24:02 ID:5/3vGXND
>>71
おまいいいやつだな〜 ガンガレ
おれも久々に書こうかな。マッシュの一人旅のネタがチラホラ出てきたし
73名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 21:25:17 ID:UobnFcAJ
ちなみに>>70の絵は10時過ぎには消すから、見たい人はお早めに。
74タークス三人組編:2005/06/07(火) 21:55:18 ID:w5uvJ0Pf
とりあえずVSアースドラゴン編完結させとく。


しばらくは何も、起こらなかった。
それでも張り詰めた緊張感と肌を刺すような殺意は緩むことはない。

先に行動を起こしたのは、アースドラゴンである。
咆哮をあげ、彼はこちらに向かって突進してきた。避けることはたやすかったが、その後の尻尾を降った攻撃は厄介だった。リーチが広い上に、空中だと完全に無防備な状態だ。
執拗に噛み付こうとしてくるアースドラゴンを間一髪の所で避け、レノは隣でただの塊と化した座席を見て苦い表情をつくる。

「弁償しろとか言うなよな…」
イリーナがアースドラゴンに斬りかかって行くのが見えたが、刀を降り下ろした瞬間彼女は顔色を変えて慌ててその場から退いた。

「先輩!こいつ―――堅いですよっ!」
手がじんじんと痺れる。まるで岩でも相手にしたかのように。あのドラゴンの皮は異常なまでの堅さであった。
結構な時間使い込み、そろそろ変え時かと悩んでいた刀は刃こぼれがひどい。あと二、三回斬りかかろうものなら刀の方が折れてしまう。

攻撃のしづらそうな相手だとは思っていたが―――これではレノのクナイも短剣も通用しない。ルードとなれば論外である。
75タークス三人組編:2005/06/07(火) 22:17:13 ID:w5uvJ0Pf
電磁ロッドや銃があればまだ状況は良かったのだろうが、自分たちが一度『死んだ』時にそれらの類のものは全てなくなっていた。

気がつけば外に放り出されいて、こんな身体だ。不完全な不老不死は苦痛ばかりの何ものでもない。

宝条への怨恨はますます深まるばかりだ。なんとしてもあの男だけはこの手で息の根を止める。そしてその為には―――眼前のこの竜を倒さなければならないのだ。

打撃は無理。とはいえ自分もルードもイリーナも大した魔法攻撃は出来ない。

考えている間にもお構いなしにアースドラゴンは襲ってくる。そして遂に―――

「っつ!!」

鋭い爪がレノの脇腹を捕らえ、引き裂く。
今回はローラを襲っていた魔物の時とは違う。傷口から生暖かい血が流れだし、一拍置いてから身体中を鈍痛が走った。

普通の魔物から受けた傷ならばものの数秒で回復するが、八竜や幻獣から受けた傷は最低でも再生に二十分はかかる。その間に更に攻撃を加えられれば、死ぬことだって、あり得るのだ。

もちろん自分たちは他の人間の何倍も抵抗力はある。腕が吹き飛ばされてもすぐ再生するし、心臓をナイフで刺されても体内器官が即座に再生するから平然としていられるのだ。
76名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 22:34:58 ID:eiRYSXeK
久々にシャドウ編書いたんだけど、タークス編はアースドラゴンぶっ殺すまで書くの?
>>75で終わりならうpしたいんだけど
77タークス三人組編:2005/06/07(火) 22:49:13 ID:w5uvJ0Pf
つまり再生を遅くさせる攻撃が出来ればレノ達を殺すことができる。
が、幸か不幸かその攻撃方法を持つのは幻獣と八竜、そして宝条だけ。

そんじょそこらの魔物や人間相手では三人は絶対に死なない。

脇腹がひどく疼いたが、ルードがすぐさま駆け寄って回復魔法を唱え、その痛みはすみやかに引いていった。後は自然に再生するのを待てばいい。

「ありがとさん」
何を今更、という目で見てくるルードを横目にレノはすっと立ち上がって、

「さーて、どうしますか、と」
アースドラゴンは爪と牙を交互に振り下ろしながらイリーナと戦っていた。

彼女は二本の刀をクロスさせて辛うじてその攻撃を防いでいる。
今の自分に出来るのは守りだけだ。

額から汗の滴が零れ落ちる。イリーナは素早く刀を引き飛びすさると、アースドラゴンから少し距離を置いたところで再度刀を構えなおした。

身体が熱い。イリーナは今まで八竜を相手にしたことはなく、知っていたのは自分を殺せる存在であるという事ぐらいだったが、想像以上にこの伝説上の魔物は強い。

本当に殺されてしまうかもしれない―――そんな不安が一瞬頭をよぎるが、直後にそんな思考は振り払った。

自分はまだ死ねない。宝条に復讐し、そして上司であるツォンと生きて再会するまで、死ぬ訳にはいかないのだ。
78名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 22:51:01 ID:w5uvJ0Pf
>>76
ぶち殺すまで書きますが、シャドウ編、良ければアップしてください。こっちがいっぺんやめたほうがいいかな?
79名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 22:52:27 ID:eiRYSXeK
>>78
いや、割り込むと見にくくなるし、書いてるのを止めさせる権利なんてないんで書き切っちゃっていいよ
後がつかえてるからって無理に早める必要も無い
どうせまだ寝ないし
80名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/07(火) 23:12:51 ID:UobnFcAJ
もうすぐ書き終わるけど、他の作者さんが書いているから明日にするわ。
それじゃ、落ちます。
81タークス三人組編:2005/06/07(火) 23:17:34 ID:w5uvJ0Pf
>>79
ありがとう。じゃあお言葉に甘えさせていただきます。


毅然とした表情で顔を上げ、イリーナは次の攻撃に備える。
だが―――レノとルードが見るに、イリーナはそう長くは持ちそうもなかった。
なにか打開策を考えなくてはならない。長期戦になればこちらが圧倒的に不利なのだから。

「先輩危ないっ!」
刹那、何か白く光る物がふたりの視界を掠める。それがアースドラゴンの牙であることに気付くのにさほど時間はかからなかった。

異様に発達した顎と牙はレノとルードが先ほどまで立っていた場所にあった赤いシート張りの座席を噛み砕いていた。

あと一秒でも遅れていればふたりの身体も同じ運命をたどっていだだろう。

アースドラゴンは獲物を逃した悔しさからかやみくもに腕をふるい、天井にあった照明器具をいくつか破壊しはじめる。

そして次の瞬間―――小さな異変がホールに起こった。

一番最初に異変に気付いたのはイリーナだった。頬を、髪を、汗以外の冷たい雫が伝ってゆくのを感じ、反射的に上を見上げた。同時、雫の勢いは一気に増し―――半壊したホールに降り注ぐ。

「スプリンクラー…?」
どうやら何かの衝撃でスプリンクラーが作動したようだった。
82タークス三人組編:2005/06/07(火) 23:39:09 ID:w5uvJ0Pf
イリーナは特に何も思わなかったが、レノの方は何か思い付いたようだった。

ルードに何ごとか囁くと、イリーナに来い、とジェスチャーする。
「どうしたんですか?」
「今から俺の言うことに従ってくれ」
早口にそう告げると、彼はマントの内側から捕縛用の鎖を何本か取り出し、イリーナに手渡した。

「いいか―――俺があいつを舞台の上に誘導したら、そいつで足でも何でも縛っとけ。あいつの注意は俺が惹いとく。とにかく身動きが取れないようにさせろ、と」

イリーナは何の事だかよく分からないようだったが、それでも神妙な顔つきで鎖を受け取り、「やってみます」と頷いた。

と、舞台の天井のほうから何か黒い、紐のようなものがぶらりと垂れ下がっているのが見えた。

「さっすがルード、仕事が早いぞ、と」
黙々と作業する相棒の姿を思い浮かべ、レノは笑う。

早速レノはアースドラゴンの前に立ち、わざと目に付くように舞台の上へ走り出した。
アースドラゴンもそれを追って舞台へと登ってくる。

レノは黒い紐を掴み、そのままアースドラゴンの至近距離を走る。
イリーナも同時に走り出し、レノから受け取った鎖をアースドラゴンの身体に巻き付け始めた。

アースドラゴンは視界の端で動くレノを吹き飛ばそうとするが、すばしっこく動くレノは動きを止める事はない。
83タークス三人組編:2005/06/07(火) 23:51:24 ID:w5uvJ0Pf
苛立ちを募らせるアースドラゴンの攻撃はいつの間にか隙が大きくなり、鎖を巻くのも格段に楽になった。

イリーナが足に鎖を巻こうとすると―――あの黒い紐が目に入った。黒い紐のところどころはむき出しになっており、カラフルな糸が―――

「これって……」
ようやくイリーナは黒い紐の正体に気付いた。そしてレノがやろうとしている事も。次にはレノが作業を完了させ、イリーナも鎖を巻き終えた。

「んじゃ、いっちょ派手にいきますか」
そう言うが早いが彼はイリーナと共に舞台の袖に滑り込む。ふたりともびしょ濡れだった。それはアースドラゴンも例外ではない。

「ルード!やってくれ!」

滑り込むと同時、レノはルードに叫んでいた。

刹那―――

何かが光ったと思った瞬間、耳をつんざく轟音が響き、次いで焦げ臭いと煙が一斉に発生する。

雷、だった。

レノはルードに照明器具や電気関連のコードをこちらへ垂らすように頼んだのだった。
ルードが電圧を操作し、あとは合図でスイッチをいれれば濡れたアースドラゴンの巨体には雷が落ちる。

いくら堅い皮だろうが今のには耐えられまい。あの鎖は通電性をよくするため、そしてあのドラゴンを逃げられらぬよう縛るためのものだったのだ。
84タークス三人組編:2005/06/08(水) 00:12:44 ID:cifkBFIY
脆くなった皮膚を斬り裂くのはもはや造作もない事だった。

イリーナが刀を構え―――煙が立ち上ぼるアースドラゴンの身体をためらいもなく、斬った。

苦しげな叫びをあげたアースドラゴンだが、イリーナが刀を鞘に納めると、それが合図のように地面に倒れこみ―――ずしん、と舞台を震動させてから、動かなくなった。

「任務完了、と」
ついレノの口からそんな言葉が飛び出ていた。ルードがホールへとおりてきて、小気味良い音をたてて二人はハイタッチを交わす。

「終わり…ましたね」肩を激しく上下させながら、イリーナ。
レノはその頭をぽんぽんと軽く叩いて、
「ご苦労さん」

「み、皆さん!本当にありがとうごさいました!」

感極まった様子でダンチョー達が次々にホールへ入ってきた。
みな一様に頭を下げながら、レノ達に礼の言葉を述べる。

「じゃ…約束の情報と報酬だ」
「もちろん!少々お待ちを―――」
「いや、報酬はいい」
言ったのはルードだった。
え?と全員の目がルードに集中する。レノとイリーナでさえ、困惑した表情だった。

「…金はここの修理に使え。俺たちが半壊させてしまったからな」
「よろしいのですか!」
ルードは躊躇なく頷いた。

「ルード先輩…レノ先輩、いいんですか?」「相棒がああ言ってんだ。宝条の情報さえもらえりゃ俺は構わねぇよ」
85タークス三人組編:2005/06/08(水) 00:29:22 ID:cifkBFIY
ですね、とイリーナも笑顔で同意し、無口な先輩に心中で拍手を送ったのだった。


「宝条さんは、よくオペラを観に来られておいででしたよ。最近は見ませんが…何でも最近はジドールによくいるらしいんですが…」「ジドール……」
イリーナがその地名を噛み締めるように繰り返す。

―――そこに、新たな手掛かりがある。

ダンチョー達の感謝の言葉を受け、レノ達はオペラ劇場を出た。
向かう先はジドール。
この旅に今度こそ終演の幕を引くべく、三人は進むのであった。


一応アースドラゴン編は終了。あとは他の職人さんの指示を待ちます。
86名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 00:41:24 ID:jOsv2W5B
乙かれい。
ファンタジー要素ほぼ0の知能戦か
こいつらにはリアル志向でいってほしいな
87名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 00:43:13 ID:j75BaYB/
>>85 乙。で、早速なんだけど、前スレ600から700あたりに宝条が登場してますよ。
   まあ、ガセの情報ってことでもいいんですけど。
あと、シャドウ編なんだけど、これも前スレの最初の方にチャダルヌークが登場しるから気を付けて。

>>80なんだけど、投稿しないとどうも眠れないから今からうpしてもおk?
88名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 00:47:56 ID:bx/E6Ma4
>>87
どぞ
89その他編:2005/06/08(水) 00:50:51 ID:j75BaYB/
ここはゾゾの街の近くにあるリターナー本部。

本部とは言っても世界崩壊の影響で他の支部は全てなくなってしまったが。
時は世界崩壊後直後へ戻る・・・

その時ツォンはリターナー本部の近くで飛空挺から落ちて深い傷を負って倒れていた。
ツォン「ぐぅ、この傷じゃあ動けないな。ちくしょうこのままここで野垂れ死にかよ。」
そして、ツォンは深い眠りへと落ちていった。

話し声が聞こえる・・・
ケット・シー「旧タークスのリーダーのツォンはんを見つけてからもう3ヶ月やんな。死んでへんけど
       意識が戻らんね。」
レッドXV(以下レッド)「そうだね。一応、治療を施しているから命には別状はないけれど
             早く意識が戻って欲しいね」
ケット・シー「それにしてもこれからどないしよう?
       飛空挺ゲルニカは崩壊時に三闘神の波動によって墜落してもうたし、ただ歩いて情報収集ってのもなぁ」
90その他編:2005/06/08(水) 00:52:49 ID:j75BaYB/
・・・
それから二人は黙って考えていた。少し経って
「うん?」ツォンが目を覚まし、ベッドで寝ているの気付いた。
ツォン「俺は生きているのか?それにここは何処だ?」
ケット・シー「おお、やっと意識を取り戻したんか。心配しとったで」
レッド「ここはリターナー本部だよ。ツォンさんはここの近くでひどい傷を負って倒れてたから僕たちが
    治療を施しておきました。」
ツォン「そうなのか、すまないな。ところでどうして俺の名を?そして、今、世界はどうなってるんだ?」
二人は現在わかっている情報を全て話した。ツォンもこれまでの経緯を話した。
そこへ、4、5人の普通の格好をした男たちと神官の格好をしたおばあさんが入ってきた。
「どうやら意識が戻ったようですな、ツォンさん。私はバナン、リターナーの長です。」
ツォン「始めまして、治療の方ありがとうございます。」
バナン「いや、意識が戻って何よりです。さて、レッドXV、ケット・シー今日はゾゾの方へ行こうかの。
    残った者は、私と。双方とも何かあったら連絡するように。」
ツォン「何をしに行くつもりですか?」
バナン「あまりあてにはしていないが、情報収集をしにな。なにせ、これ以外のことはできんからの。
    それにあなたみたいに危険な状態である人々も見つけられるかもしれん」
ツォン「そうですか、なら俺も行きましょう。傷の治療のお礼も兼ねて。何かわかるかもしれないですし」
レッド「その傷で大丈夫なの?」
ツォン「何とかな。それに、ここにいちゃいけない気がしてよ。」
こうして、ツォンらを含めた十数名はゾゾ山へと向かった。
91その他編:2005/06/08(水) 00:53:30 ID:j75BaYB/
同じ頃本部の南ら辺(ゾゾ山は北とする)では
各地を放浪していた闇撃ちのバディンと魔導女王のミユリが迷っていた。
ミユリ「ね〜おなか減ったよ〜。それに今ここどこ〜?」
バディン「さあ ね?世界崩壊のせいで地図は役に立たなくなっちまったからな。迷っちゃったな。」
ミユリ「ええ〜、これからどうするの?」
バディン「どうしような。」バディンは目を細めて辺りを見回した。すると、何かを発見したようだ。
バディン「おい、なんかあそこに見えないか?」
ミユリ「えっ?何にも見えないよ〜」
バディン「とにかく行ってみるか。」
そして2人は、リターナー本部へと向かった。
92その他編:2005/06/08(水) 00:54:00 ID:j75BaYB/
また同じ頃、本部南西側付近では
世界崩壊を生き延びたプレシデントと二刀流のセフィリアが彷徨っていた。
もともと、肥満体型で運動不足なプレシデントの体力は限界に達していた。
それをセフィリアが支えながら歩く途中、
プレシデント「私はもう駄目だ。セフィリア、おまえだけなら生きていける。もう、私を見捨てていいぞ」
セフィリア「そんな、あなたを置いていける訳が無いでしょう。どうか、そんな弱気にならずに、プレシデント様」
プレシデント「ありがとう、セフィリア。二人で頑張って生きよう。んっ?あそこに何か見えないか?」
プレシデントは本部の方向を指差した。
セフィリア「確かに、あそこで休めるかもしれません。行ってみましょう」
二人はリターナー本部へと向かい始めた。
93その他編:2005/06/08(水) 00:56:22 ID:j75BaYB/
そしてほんの遅れて、東側の近くでは
金髪でスコールと同じようなガンブレードを持った男と長い黒髪でスパッツをはいた女が歩いていた。
「なあ、ここは何処なんだよ?リノア」
リノア「地図もでたらめでわからないわ、サイファー。」
サイファー「そうか、それにしても世界はどうなってるんだ?世界は崩壊しちまうしよ。」
リノア「そうね。スコールたちやガーデンとも連絡がぷっつり途絶えたまんまだしね。」
サイファー「そうだな。連絡が途絶えて早3ヶ月か。
      それにseedのメンバーをさらって改造した宝条ってやつの情報も未だに掴めねぇな」
リノア「ところで、なんであなたと行動してるわけ?」
サイファー「おいおい、今頃気付いたのかよ。」
リノア「じゃあ、何で?」
94名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 00:57:09 ID:cifkBFIY
セフィリア生きてたのか!すんごい展開だ…
95その他編:2005/06/08(水) 00:57:29 ID:j75BaYB/
サイファー「今回seedたちの役目はその宝条ってのを捕まえるわけで、
      お前もスコールたちに協力しようとしたんだが重要視されず俺みたいなやつと組まれたって訳だ。
      seed以外で協力しようとしたのはお前だけだったからな。
      でも、俺は嫌じゃないぜ。俺の夢のための練習にもなるしな」
リノア「協力しようとするのは当たり前じゃない。以前は協力してもらったんだし。ところであなたの夢って何?」
サイファー「ああ、俺の夢は、魔女の騎士になることなんだ。なぜかというと・・・・・」長々と自慢げに話し始めた。
話が終わって「なんだよ、その顔は。」
リノア「いや、あなたみたいな自己中心的な人が魔女の騎士になりたいとはね〜。でも、私は魔女じゃないわよ?」
サイファー「そうだけどよ・・・」
しかしサイファーはリノアが(本人は気付いていないが)魔女に近い存在であることにうすうす感づいていた。
リノア「あれっ?何かしらあの建物?」本部に気付いたリノアが言った。
サイファー「何だろうな、とりあえず行ってみるぞ。」
こうして2人はリターナー本部へと歩き始めた。
96その他編:2005/06/08(水) 00:58:31 ID:j75BaYB/
時は今に戻りツォンたちがゾゾへ向かいに行った後、少ししてリターナー本部にて
ガチャ、本部に2つある出入り口のドアの南側のドア(もう一方はゾゾの街から入る方)が開いた。
バディン「すいませ〜ん、誰かいますか〜?」
リターナーの兵士たちがやってきた。
兵士「ここはリターナー本部ですが、何か用ですか?」
バディン「え〜と、迷っちゃってね。あと、少しだけここに居させてもらっていいですか?」
兵士「いいですよ。ささ、こちらへどうぞ」兵士は二人を広間へ案内した。
そして、二人が休憩してまもなくして
セフィリア「すいません、ここで休ませて貰っていいでしょうか?」
兵士「いいですよ、それにしても今日は旅人が多いですねぇ」
セフィリア「私たちのほかにも誰か来たんですか?」
兵士「ええ、さっきも二人ほど来ましたよ。あちらの方です」
セフィリアとプレシデントが広間へ入った時、バディンとミユリがこちらを振り向いた。
97名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:01:04 ID:j75BaYB/
!!!!!
両方とも驚きセフィリアが身構えながら言った。
セフィリア「あなたたちどうしてここへ?まだプレシデント様の命を狙っているの?」
バディン「いや、全然。それに、俺たちは戦いに来たんじゃないんだ。武器を下ろそうぜ」
セフィリアは構えを解いた。     
バディン「すまない、あれは国を滅ぼせという仕事のためにやっただけであって、もう滅びたからいいんだ。
     過去のことは全て水に流してくれ」
ミユリは何のことかさっぱりわからないまま首をかしげていた。
ミユリ「なんだかわからないけど、私からもお願い。バディンを許してあげて。」
セフィリア「ならいいわ。それよりどうしてここへ?」
お互いの経緯について話し合った。
そこへ、サイファーとリノアが入ってきた。
リノアがバディンとミユリを見た瞬間驚いた。
サイファー「どうしたんだ?リノア。例の2人のseedか?」
リノア「そうよ、そのまさかよ。あなたたちアーバインとセルフィは宝条に連れ去られて改造されたんだわ。
    その後はどうなったかわからないけど。」
サイファー「そうか、ならこいつらをどうすればいいんだ?」
リノア「そうねぇ。連絡が取れない今は、一緒に行動するしかないわね」
98名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:02:43 ID:j75BaYB/
バディン&ミユリ「アーバイン?・・セルフィ?・・・・・宝条?・・あ、頭が・・・痛い」二人は頭を抑え始めた。
そして
キィィィィィン・・・・辺りがまぶしい光に包まれた。皆が気付くとそこには元の二人の姿の面影はなく、
ちょうどヴィンセントが魔獣化したときのようなモンスターがいた。
宝条は、彼ら二人をさらって帝国へ実験材料として送ったときに、もしものときのために
記憶が戻ると意識を奪い魔獣化するよう改造してから送ったのだった。
セフィリア「これは!?二人がモンスターに!?」
リノア「たぶん、記憶が戻ろうとすると、魔獣化するように仕組んだんだわ。許せない。」
グオオオオオ 2体が一気に襲いかかってきた。
サイファー「くっ、やるしかねぇな。戦えねえ奴は皆隠れておけよ」



連投規制でなかなか投稿できないから、皆何でもいいから(醜くならない程度)に書いてくれ
99名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:03:52 ID:j75BaYB/
ガキイイン 
襲いかかってきたバディンの方をサイファーが受け止める。
そこへミユリが飛びかかってくる。
サイファー「やべっ」
ガキン 間一髪セフィリアが受け止めた。
セフィリア「こっちは私が何とかします。そちらはあなたが」
サイファー「わかった。リノアは俺らを援護しろ」
リノアがこくんと頷き戦況を見極め始めた。
元々1対1の戦いにはかなり強い二人が優位になっていた。
ミユリがスロットを回し、ファイラ×3をセフィリアはそれを剣圧で切り裂きながら前進し始める。
「はぁっ」懐へ入ったセフィリアがミユリを弾き飛ばした。
セフィリア「はあ、はあ、もう終わり?」息を整えながらゆっくり近づく。
あと、1mの所まで来たときミユリが不気味に笑った。
ミユリ「死ネ・・・ジ・エンド」そういった瞬間、辺りが花畑に変わった。
サイファー「な、何だ?」
リノア「やばいわ、間に合って」危険さに気付いたリノアが技を繰り出した。
パキン・・・
その瞬間、リノアの繰り出したインビジブルムーンとジ・エンドが相殺されたのだ。
インビジブルムーンをとっさに使ったリノアはその場に座り込んでしまった。
リノア「間一髪・・だったわね」
100名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:06:52 ID:j75BaYB/
ミユリ「バ・バカな。死ネエエ」疲労で動けなくなっているリノアにミユリが襲いかかる。
セフィリア「甘い!」
ザンッ
セフィリアを完全に忘れていたミユリは横から斬られて倒れた。
ダダダダダダダ
向こう側ではバディンはサイファーに向かって速射弾を乱射していた。
サッサッと避けながらサイファーどんどんバディンと間合いを詰めていく。
そして、バディンに切りかかろうとした刹那
ズドオオオン
バディンは取って置きの切り札「波動弾」を撃ったのだ。
そこには、何も残っていなかった。
リノア「サイファー!?」悲観の声をリノアがあげる。
しかし、次の瞬間
ザクン
いつの間にか背後にいたサイファーがバディンの体を切り裂いた。


>>98 一番下の行の「醜く」じゃなくて「見にくく」ね。マジでスマソ
101名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:07:12 ID:jOsv2W5B
102名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:08:12 ID:j75BaYB/
サイファー「最後のは少し驚いたぜ」爆破した時の埃だらけのサイファーが言った
バディン「ぐはぁあああああ」バディンはそこへ倒れこんだ。
リノア「これで終わりかな?」3人が見交わす。
そこへ倒したはずのバディンが怪しく輝き始めた
「こうなれば古の魔法で巻き添えにしてやる・・封印よ解けろ・・ぐふ」そういうとバディンの体は跡形も無くなった。
そして、同じように倒したはずのミユリが起き上がった。
ミユリ「コレデ消エロ」何やら、魔法の詠唱を始めた。
リノア「何かやばい。あいつを止めて」
「うおおお」
セフィリアとサイファーが切りかかる。
ミユリ「邪魔をスルナ」波動で押し返された。
サイファー&セフィリア「ぐうっ」二人が壁に叩きつけられうめき声を上げる。
そして詠唱が終わってしまった。
ミユリ「ククク・・・私と滅びよ。・・メ・・ル・・・トン!!!」
昔ケフカの放ったトルネドの数倍はあろうかという竜巻+熱が辺り構わず襲う。
「うああああ」
「きゃあああ」
その威力は凄まじく、全てが終わったあとそこには土以外何も無い荒地となってしまった。
103名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:09:38 ID:j75BaYB/
ちょうど反対側にいて、本部に帰ろうとした、マッシュ達にもその光景ははっきりと見えた。
皆は呆然と立ち尽くしていた。ややあってマッシュが口を開く。
マッシュ「な、何だよあれは?」
バナン「わからん、しかし凄まじいことだけはわかった」
ダンカン「たぶんじゃが、あれはメルトンという古代最凶の魔法じゃ。
     メルトンは敵味方を構わず凄まじい被害を与え、
     術者も無事ではすまないと昔本で読んだことがあったがあれ程とは・・・・」
しばらく一同は黙ったまんまだった。自分がもしあそこにいたらなどと考えると恐怖で立っていられないものもいた。
バナンが重い口を開いた。「とりあえず、戻って見ようか?」
マッシュ「そうだな。何か手がかりがあるかもしれないからな。」
バナン「よし、皆、気持ちの整理が付いたらあそこへ戻ってくるように。」
そしてマッシュ達はリターナー本部が在ったであろう場所へ向かった。
104名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:11:07 ID:j75BaYB/
一方その頃、瓦礫の塔内部では、
ケフカ「何だったのだ?今の凄まじい衝撃は?」さすがのケフカも少し驚いていた。
ザックス「さあな。しかしすげえのは確かだ」
その衝撃に唯一心当たりがあったのは宝条であった。
宝条(今のは・・・昔帝国が復活させようとしていた魔法だろうか?)
宝条「ケフカ、私が調べてこよう。デスゲイズを貸してくれないか?」
ケフカ「わかった。もしものことだ。ギルガメッシュも連れて行け」
宝条は急いでその場所へと向かった。
105名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:15:33 ID:j75BaYB/
しばらく飛んで行き、その場所へと降り立った。
ギルガメッシュ「どうやらここみたいだな。しかし、何にもねえな」
宝条はあたりを詳しく見回した。(やはりあの魔法か)
宝条「うん?何だこれは?」地面に少しだけ盛り上がっている所が見えた。
宝条「おい、掘り出すのを手伝え。」無理やりギルガメッシュを手伝わせそれを掘り起こした。
そこから何とサイファー(死体)が出てきたのだ。
ギルガメッシュ「うおっ何だこいつは」いきなり出てきた物にギルガメッシュは驚いた。
宝条はサイファーの体を、まじまじと見つめた。(あの、魔法で体が完全に残っているとは。しかも、こいつはどこかで・・・)
宝条はしばらく記憶をひっくり返していた。
宝条「そうか、こいつが女神が言っていたサイファーとやらか。すばらしい。最強の肉体、精神の両方を持っている。
   ククク、ハハハハハ」宝条は狂ったように笑い始めた。
宝条「作れる・・作れるぞ。私の最高傑作の改造人間が」
笑っている宝条をギルガメッシュは少し引き気味に見ていた。
ギルガメッシュ「そ、それじゃあ、帰りますか?宝条さんよぉ。」
宝条「ああ、行ってくれ」
106名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:17:36 ID:KCYRhqI3
 
107名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:17:39 ID:j75BaYB/
二人がデスゲイズを飛び乗って戻ろうとしたとき、
ツォン「待て、宝条!!」
ゾゾから戻ってきたリターナー達が数名やってきた。
宝条「ふんっ、誰かと思えばツォン君か。君の部下は死んでしまったので私の研究材料にしてもらったよ。クックック」
ツォン「貴様ー!!!」ツォンが力の限り叫んだ。しかし、足を引きづっている上、デスゲイズに追いつけるわけが無い。
宝条「うるさい男だな。私は忙しいのだ。ギルガメッシュ、こいつらが例の反乱分子だ。鎮圧しておいてくれ」
ギルガメッシュにテレポストーンを渡しながら行った。
ギルガメッシュ「よっしゃ、腕が鳴るぜ。来い、人間共!」ギルガメッシュが飛び降りながら言う。
宝条「それでは、先に失礼するぞ」デスゲイズが加速してすぎに見えなくなってしまった。
ツォン「くそっ、宝条め。許さんぞ。」
ギルガメッシュ「それは俺を倒してからにしな。」ケフカから貰った斬鉄剣を構えた。
108名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:19:17 ID:j75BaYB/
そして、ギルガメッシュが戦っている間に先に戻ってきた宝条は足早に研究所へと入っていった。
ケフカ「なんだ、どうしたんだ?あいつは」
ザックス「さあな、でもああいう顔した時はすげえ発明をするぜ。」
ケフカ「そうか、なら待つとしようか。」
数日経って、ようやく宝条が研究所から出てきた。もちろん、改造したサイファーと連れて。
ケフカ「宝条、それでは聞かせてもらおうか。まず、何があったんだ?」
宝条「ああ、あの衝撃は古代魔法のメルトンらしい。私が昔帝国へ送った実験体が使ったらしい。」
ケフカ「メルトン・・噂に聞く天地崩壊魔法か。それに、その魔法を復活させようと、帝国が昔実験したと聞いたことがあるな。
    それで、そいつは?」
宝条「こいつはサイファー。以前、女神が言っていたんだが魔女の騎士になりたい夢を持った男だ。
   それで、見事強さを見せつけれたら女神の手前を守備させてやってくれないだろうか?
   ちなみに私が作った中ではザックスに匹敵いやもしかしたらそれ以上かもしれない」
ケフカ「ふふ、そんなに自信があるのか。いいだろう。インフェルノ、来い」
黒い機体で左右に鋭利な爪(ブレード?)を持った機械が現れた。
ケフカ「それでは始め!」
109名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:21:37 ID:j75BaYB/
始まった瞬間から、目にも止まらぬ速さで、右手のラフと左手のケトゥからそれぞれレイピア、メタルカッターが
サイファーに向けて発射された。
しかし、サイファーはレイピアを剣で打ち払い、メタルカッターを避け、あっという間に懐へ入り、一閃。
ズバッ
その一撃でラフとケトゥは瀕死にインフェルノ自体もかなりのダメージを受けた。
インフェルノ「デルタアタック!!」
それぞれの頂点に強い力が込められた三角形が飛んでくる。
サイファー「ぬるいな、はあっ」剣をすばやく振るい、衝撃波を飛ばしデルタアタックごと弾き飛ばした。
ズドッ
この一撃でラフとケトゥは壊れ、インフェルノもあと、少しで壊れそうだ。
サイファー「もう終わりか?」すぐに間合いを詰めようとした。
インフェルノ「メテオ!!」かつてアルテマウェポンが放ったメテオと同等の威力の隕石が降り注ぐ。
サイファー「はあああああ!」なんと、降り注ぐ隕石を切り裂きながら構わず進んでいく。
そして、インフェルノの前まで来た。「終わりだ」そう呟くと、縦一閃に剣を振り下ろした。
ズーンンン インフェルノの巨体が崩れ落ち爆破した。
ケフカ「すばらしい。まさしく、最高傑作だな。よし、褒美だ。受け取れ」
サイファーは漆黒のガンブレードを受け取った。
サイファー「こいつは?」
ケフカ「アポカリプスと同じく魔剣セイブ・ザ・クイーンだ。それを使うが良い」
サイファー「恩にきるぜ。」
110名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:21:54 ID:KCYRhqI3
 
111名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:24:03 ID:j75BaYB/
ケフカ「さて、お前には望みどおり女神の前で守備してもらおう。それに、宝条」
宝条「何だ?」
ケフカ「お前にはどうやら私に勝るとも劣らないほどの知能がある。その力使って、狂信集団の塔の宝玉を守護してもらいたい」
宝条「だが、前にルビカンテとバルバリシアを守りにやったはずだが?」
ケフカ「奴らではどうも心許ない。どうだろう?」
宝条「ですが、私には力が無いのだが、どう戦えと?」
ケフカ「ふむ、これからお前に私の魔力を与えよう。それでどうかな?」
宝条「よし、やってみてくれ」そういうとケフカは手を向けて何やら力を込め始めた。
「かあああ、かー!!」シュウウウウウ・・・宝条に黒い光が入っていく
ケフカ「これでどうだ?」
宝条の外見はあまり変わらなかったが、魔力にあふれていることには宝条自身は気付いていた。
宝条「おお、この力は。力が溢れてくるぞ」
ケフカ「そうか、成功したようだな。よし、狂信集団の塔へ向かえ。そして、これからは自分をマジックマスターと呼ぶが良い」
宝条「わかった。それでは」
そして宝条は狂信集団の塔へと向かって行ったのであった。
112名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:25:42 ID:j75BaYB/
狂信集団の塔最上階にて、
宝条「ここが新たな研究所となるかな?」
ルビカンテ&バルバリシア「何だ、お前は?」
宝条「ああ、私はマジックマスター。新たにここの宝玉の守護を任された。お前らじゃ不安だとケフカは言っておったからな。」
ルビカンテ「なんだと、貴様」
バルバリシア「やめろ、ルビカンテ。わからないか、奴の凄まじい魔力が」
ルビカンテ「くっ、だがな。」
宝条「なんだ来るのか?死んでも知らんぞ」
ルビカンテ「うおおお」ルビカンテが宝条めがけて襲いかかった。
宝条「ふっ、雑魚が、・・・サンダラ」普通のサンダラよりもはるかに凄まじいサンダラがルビカンテめがけて落ちる。
ルビカンテ「くっ、リフレク」パキィィン、サンダラを跳ね返した。
宝条「ほう」跳ね返ってきたサンダラをもう一発サンダラを撃って相殺させる。
宝条は気付いていた。自分は魔法を詠唱無しで撃て、しかもその威力が桁違いであることを。
宝条「クックック。これではどうかな?デスペル」ヒュイイイン、リフレクが解ける。
ルビカンテ「無駄なことを、もう一発リフレクを」「フレア!」
ズドオオオン
宝条は相手がリフレクをかける前にもう一発魔法を撃ったのだ。フレアの直撃を受けたルビカンテは一瞬にして消えた。
宝条「ふむ、これが連続魔か。」
バルバリシアは呆気にとられていた。
バルバリシア「次元が違う。」
宝条「どうだ、お前もやるか?」
バルバリシア「いや、無駄に命を使うことは無いわ。あなたに従います。」
宝条「そうか、では、お前も城門の警備をしておけ。もうすぐこの塔は魔法しか使えなくなるからな。」
バルバルシア「?」なぜ魔法が使えなくなるかを聞きたかったが、早くこの場を去るようにした。
それから宝条は手を天に掲げた。
「はあああああ」手から光がでて塔全体を包んでいった。
宝条「これでよし、と」
こうして、塔全体は魔法しか使えなくなってしまった。
113あとがき:2005/06/08(水) 01:26:57 ID:j75BaYB/
なんか気付いたらかなり長い文になってた。20くらいもスレ使ってスマソ。
いろいろと手直しを加えたんだけど、まだおかしいとこあったら言ってくれ。

オリジナルキャラなんだけど、数回読んでミユリ→セルフィ、バディン→アーバイン、セフィリア→?のイメージが
浮かんできたから、そう書いてしまった。オリキャラのイメージが作者さんと違ってたらすいません。 
あと、クラウド⇔ザックスの様にスコールもなんか欲しいと思ってたからサイファーを書いてみました。
ほかにも、バルバルシアとかルビガンテとか4やったことないんですが、イメージで。全然違ってたら度々すいません。
最後に、連投規制のために投稿してくれた人サンクス。それじゃ、今度こそ寝ます。
114名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:34:04 ID:cifkBFIY
>>113
乙!オリキャラいいなぁ。セフィリア好きだー
115名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:34:06 ID:+dl7veTp
>>113 乙
新タークスやらサイファーやらリノアやらでてきて、また増えるんかいって思ってたら、上手に消してくれたな。サイファーの登場は良かった。スコールの存在意義ができたし。
116名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:36:09 ID:KCYRhqI3
>>113
激しく乙んこ
キャラも敵も大分片付いた感じ
気になるのは、瓦礫の塔でザックス、セフィロス、サイファー、アルティミシアがいるから、
クラウドとスコールが目立ちすぎるような気がするぐらいだな
その時はその辺何とか考えないとな

んじゃ俺もシャドウ編うpして寝る
117シャドウ、リルム:2005/06/08(水) 01:36:50 ID:KCYRhqI3
暗闇の中を2人は歩き続けた
その屋敷は、そこらのお化け屋敷などよりよっぽど恐ろしかった
普段は気の強いリルムも、この類の物は苦手なのか、あからさまにシャドウにくっ付いていた
その時、通路の奥の方に一筋の光が見えた
よく見ると、扉が少し開いていて、そこから光が漏れている
「ね、ねえ・・・あそこ、明かりがついてるよ」
「・・・・誰かいるな。気を抜くなよ」
用心を怠らない2人だが、ここに来て初めてリルムのファイア以外の光を見て、安心感が隠せなかった
そして、シャドウが扉をゆっくりと開ける
まぶしい光が段々広がってきて、それと共に安心感も大きくなっていく

・・・・しかし・・・・その安心感はすぐにまた恐怖心へと変わるのだった・・・・

「な、なんだこれは・・・・!」
シャドウの目に最初に映ったのは、壁に飾られた大きな絵
アウザーが落札した、幻獣ラクシュミの絵である
普通だったら目移りするほど美しい絵であるのだが、その時ばかりは違った
絵からは禍々しく邪悪な何かが漂っている
絵の中で優しく微笑む女神も、まるで悪魔のように映った
次に目に映ったのは、その横でシャボン玉のようなプカプカ浮いている泡の中に閉じ込められているアウザーだった
「き、君達は・・・?だ、誰だか知らないが、助けてくれぇ!」
シャドウは最初はアウザーが諸悪の根源だと思っていたが、アウザーのこの言葉で、彼も被害者であったことに気付いた
「おい、一体この屋敷はどうなっている!?なぜ絵から魔物が出てくるんだ!それにその絵は!?」
「い、いっぺんに質問しないでくれ。元凶はそのラクシュミの絵だ!どうやら魔物がとり憑いていたらしい・・・・
  私が今朝起きた時には既にこの状況になっていたのだ・・・絵にとり憑いた魔物が、屋敷の他の絵にも影響を及ぼしたとしか・・・」
118シャドウ、リルム:2005/06/08(水) 01:37:16 ID:KCYRhqI3

「・・・その通りだ」

絵から声が聞こえてきた
「シ、シャドウ・・・絵が何か動いてる・・・っていうか何か出てくるんだけど・・・」
リルムは震える手で絵を指差す
その絵からは、不気味な女が、とてつもなく不気味な魔力を放ちながら出てきた
「・・・・何者だ、貴様」
シャドウが身構えながら、その女に問う
女はニヤリとしながら答える
「私の名は・・・・アデル。女神アルティミシア様より生み出されし魔女・・・」
「魔女だと?女神とは、三闘神の女神のことか?」
「いかにも・・・・。アルティミシア様やケフカ神に逆らう反乱分子を殺すために生み出された
  とはいえ、こちらもお前たちの居場所が掴めんからな。こうして人を苦しめれば自然とそちらから姿を見せると思っていた
  それにこの絵はただの絵ではない。ラクシュミの魔力が込められた絵だ。その魔力を吸収すると共に、お前たち反乱分子を待ち続けていた
  まあ、こんなに早く現われたのは計算外のラッキーだったがな・・・・ククククク」
笑い方まで不気味なアデル
そしてシャドウが口を開く
「なるほどな・・・・だが、一ついい事を教えてやる」
「ほう?なんだ?」
「・・・・よく喋る奴は、早死にする」
シャドウが忍刀を抜き、戦闘体勢に入った
「クククク・・・・なかなか面白い男だ。ますます殺したくなったよ・・・!」

ブオッ!!!

女神に生み出された魔女だけあって、そこらの魔法使いの魔力とはわけが違う
その魔力の桁の違いに、リルムは嫌と言うほど感じ取っていた
119シャドウ、リルム:2005/06/08(水) 01:38:05 ID:Ouk8g13Y
「・・・・」
怯えた目でアデルを見据えるリルムにシャドウが話しかける
「リルム、お前は下がっていろ」
「ば、ばかにすんなよ!あんただけじゃ頼りないから、あたしだって戦ってやるよ!」
「ふっ その方がお前らしい」
シャドウの仮面の奥で、静かな笑顔がこぼれる
そしてアデルの方に振り返り、再び気を引き締めるシャドウ
勝ち目は薄いが、この屋敷に入った以上、逃げることもできない
シャドウとリルムは、この強大な敵にたった2人で戦うしかなかったのだ

そして戦闘が始まった
相手は魔女、何をしてくるか分からない
シャドウは様子を見るかのようにアデルに攻撃をしていく
アデルもシャドウの攻撃を軽くいなし、動きを見ている
リルムも補助的に魔法でアデルを攻撃し、淡々と戦闘は流れていく
「(なかなか仕掛けてこないな・・・・誘っているのか?)」
シャドウはアデルの考えが読めないまま戦い続けた
しかし、アデルはすでに行動にでていたことにシャドウは気付いていなかった
「・・・! シャドウ離れて!!」
「!?」
リルムがいち早くそれに気付いた
「ファイガが来るよ!!」
その直後、アデルの手に一瞬でファイガ級の魔力が集まった
そしてその炎が放たれたが、動きの素早いシャドウは間一髪でそれを避けた
それは地面にぶつかり、その場にとてつもなく巨大な火柱が上がる
屋敷はアデルが作り出した特殊な空間に覆われていて、屋敷が燃えるようなことはなかった
「なっ・・・・なんて炎だ」
「そんな・・・上級魔法のファイガを詠唱も無しに唱えるなんて」
アデルはその言葉に対し、不敵に笑って答えた
「いまのはファイガではない・・・・ファイアだ」
120シャドウ、リルム:2005/06/08(水) 01:38:28 ID:Ouk8g13Y
「え!?」
「これが人間と魔女の魔力の違いというものだ。お前がファイガに見えた今の炎は、私にとってはファイアでしかない
  言っておくが・・・アルティミシア様の魔力は、この私の魔力を更に超越しておられるぞ」
「ちっ・・・・化け物め・・・!」
改めて自分達が戦っている敵の強大さを思い知らされた
あの炎がファイアなら、ファイガをくらえば恐らく即死だろう
魔法は絶対に当たるわけにはいかない
しかし相手は魔女
魔法の威力はあっても、肉体はあまり強くないはずである
シャドウはアデルの魔法に最新の注意を払いながら、素早く動き回り、アデルの体を斬りつけていく
「ククク、なかなかやるではないか・・・」
「(なんだこいつ・・・・何故そんな余裕で笑っていられる?また何か企んでいるのか?)」
アデルにばかり集中していたシャドウは、後ろで援護をしていたリルムの危機に気付かなかった
「キャアアア!!」
「なに!?」
後ろを振り返ると、リルムがアウザーが入っていたシャボン玉のような泡に閉じ込められていた
その泡が、真っ直ぐにアデルに向かっていきぶつかった
グチュグチュグチュグチュ・・・・
少しずつリルムの体がアデルに取り込まれていく
「リ、リルム!!」
そして間もなく、リルムの体がアデルと同化した
シャドウはその状況に、どうしていいのか分からなくなる
リルムは意識を失ってぐったりしていた
「ククククク・・・・どうしたのだ?さっきまでの勢いは・・・」
「き、汚いぞ貴様・・・!」
下手に攻撃すればリルムが傷つく
それに、忍術のような広範囲に渡り敵にダメージを与える手段も使えなくなってしまった
121シャドウ、リルム:2005/06/08(水) 01:39:03 ID:Ouk8g13Y
とにかく早くアデルを倒さねば、リルムがどうなってしまうか分からない
リルムを傷つけないように最新の注意を払いながら攻撃し、魔法にも気を配るシャドウの精神力はどんどん消耗されていった
「(これ以上長引かせるわけにはいかん・・・仕方ない、これを使うか)」
シャドウはアデルに気付かれないように、忍刀に猛毒を塗りたくった
その毒はかなり強力だが、塗ってもすぐに落ちてしまう厄介な代物であった
毒が落ちない内に、アデルに「刺し込む」必要がある
斬るだけでは体の奥にまで毒は回らない可能性があるためだ
その上、これはかなり貴重な物で、持っているのはこれっきり
チャンスは一度である
アデルが魔法を放ち、シャドウはそれをギリギリのところでかわし、アデルの懐に入り込んだ
流石のアデルも、魔法を撃った直後は動きが鈍くなる
「(くらえ!)」

ドゴオオオオオン!!

「なっ・・・・!?」
シャドウの頭上に突然巨大な雷が落ちた
それはアデルによるものではなかった
「まさか・・・」
「そう、そのまさかさ」
その雷は、リルムから放たれたものであった
しかしリルムは気を失ったままだ
アデルはリルムを操作し、自分の魔法とは別にリルムにもシャドウを攻撃させたのである
「くそ・・・・」
致命的というほどではないとしても、確実にダメージは受け、体も痺れている
アデルの魔法も段々避けられなくなっていき、直撃するのも時間の問題になっていた
122シャドウ、リルム:2005/06/08(水) 01:40:32 ID:1e3K20TZ
「(俺に残された手は、これだけだ・・・・。世界に数える程度しかない、最強の手裏剣・・・風車・・・)」
それはまさにシャドウの切り札だった
外見は普通の手裏剣とさほど変わらないが、切れ味と威力は天と地の差がある
刺さった標的の体を、その瞬間に全身を蝕む魔具である
だが、これを確実に当てるためにはアデルの隙を作る必要があった
しかし今のシャドウにそれは不可能に近かった
「大分弱ってきたようだな。そろそろとどめを刺してやろうか・・・・」
アデルが魔力を溜め始めた
上級魔法の準備である
「死ね!!」
「くっ!」
反射的に防御するが、それが無駄であることはシャドウもわかっていた

ドゴオオオオオン!!

「・・・?」
自分の体は何ともない
では今の音は・・・?
「ぎ・・・・・こ、このガキ・・・」
それは、アデルにリルムのサンダガが直撃した音だった
無論その電撃はリルムにも伝わっていた・・・
「馬鹿な・・・!何故・・・気絶しているはずなのに・・・私の意志でしか動けないはずなのに・・・!!」
キイイイイイン・・・・
リルムに再び魔力が貯まっていく
「なっ! やめろ!!」
またサンダガがアデルの頭上から直撃した
「リルム!よせ!お前の体が持たんぞ!!」
123名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:40:48 ID:+dl7veTp
後、ルビガンテ殺したのも正解だね。ああいうキャラは適当に殺していくべき。

>>75シャドゥ編楽しみにしてます。
感想で2スレも消費してスマソ
124シャドウ、リルム:2005/06/08(水) 01:41:37 ID:1e3K20TZ
しかしリルムは気絶したまま、二度、三度、四度とサンダガを自分もろともアデルにぶつける
「お、おのれええ!!」
流石のアデルも、たまらず同化していたリルムを引き剥がす
床に落ちるリルムの体をシャドウが受け止める
「リルム・・・・」
髪がちりぢりになり、所々火傷しているその体は痛々しかった
「無駄にはせんぞ・・・リルム」
シャドウがスクっと立ち上がり、風車を手にアデルの前に立ちはだかる
「人間どもが・・・・これで終わりにしてやるぞ!!」
アデルがかつてない魔力を溜め始める
シャドウはまだ動かない
アデルが魔法を放つ瞬間、その瞬間なら絶対に避けられることはない
しかし、その刹那の瞬間を見極めるのは神業に等しい

・・・・・・・・・・

「くたばれ人間どもぉ!!」
「(いまだ!!)」
シャドウが風車を全力かつ正確にアデルの胸に投げつけた

ザクッ!!

「ぐはっ・・・!馬鹿め・・・!!こ、こんなちっぽけな武器で私を倒せるとでも思って・・・・  !!? うぐああああ!!!」
風車が刺さった部分からアデルの体がどんどん腐食して崩れていく
そしてアデルの体が完全に崩れた瞬間、屋敷を覆っていた嫌な空気が消えた
同時にアウザーを閉じ込めていた泡も割れ、床にそのふくよかな体が落ちた
「あいた!ふう・・・・どうにか倒せたようじゃな」
125シャドウ、リルム:2005/06/08(水) 01:42:13 ID:1e3K20TZ
そんなアウザーに目も暮れず、シャドウはリルムを起こそうとする
「リルム!おいリルム!しっかりしろ!!」
息はあるものの、ぐったりとしている
「こ、こりゃ大変だ!しかしここにはポーションが・・・」
アウザーもリルムの様子に気付き慌てふためくが、何もできない
「くそ!俺がふがいないばかりに・・・!」
シャドウは今まで人の命を殺めたことは何度もあったが、人の命を救ったことはなかった
だが、絶対にリルムだけは死なせたくなかった
もちろん仲間だからという理由や、自分を助けるためにリルムが傷ついたからという理由もある
言葉では説明できない感情だった
シャドウがここまで人を助けたいと思ったのは生まれて初めてかもしれない
しかし、現実は厳しい
助けたいと思うだけでは、人を助けることはできない
とにかく早く病院へと、リルムを抱きかかえて部屋を出ようとしたその時
絵から何かが出てきた
「なっ!くそ、今度はなんだ!?」
その絵から出てきたのは、アデルとは打って変わって、美しい女性だった
「な、なんと・・・」
アウザーも信じられない光景を目にし驚く
「私はラクシュミ・・・・アデルの呪縛から救っていただき、感謝します」
「ラクシュミ!?まさか、本物の幻獣がその絵に宿っていたとは・・・・」
「その子の命、私が助けましょう」
「できるのか!?」
「私の癒しの力は、全幻獣の中でフェニックスに次ぐ力を持っています。死んでさえいなければたやすいものです」
そしてラクシュミの手から光がこぼれ、リルムに降りかかる
みるみるうちにリルムの火傷が消え、目がゆっくりと開き始める
「リルム!」
「おお!無事でよかったよかった!」
「私からのせめてもの礼です。これで再び、ゆっくりと眠りにつくことができます・・・」
ラクシュミが絵の中に戻っていく
「ラクシュミ・・・すまない。ありがとう」
シャドウの言葉にニッコリと微笑み、ラクシュミは絵の中に完全に戻った
126シャドウ、リルム:2005/06/08(水) 01:43:14 ID:nJgzZN9t
そして戦いが終わり、リルムが目を覚ました
「う・・・・ん。終わったの・・・?」
「ああ、お前のおかげでな。全く無茶しやがって」
その言葉にリルムはきょとんとする
「え?あたし何かした?」
「・・・・覚えてないのか。まあいい、とりあえず絵を好きなだけ見ていけ。アウザーがこころよく了承してくれた」
と、アウザーに目配りをするシャドウ
「当然じゃ。命の恩人なんだからな。今日に限らず、見たくなったらいつでも来るといい」
「ホントに!?おっさん見た目通り太っ腹だねぇ!」
「は、はは・・・元気な子じゃな」
127名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:44:07 ID:jOsv2W5B
>>113
駄作。欲張りすぎ。単調。みせ場がない。
キャラ出せばいいってもんじゃない。
殺せばいいってもんじゃない。
こいつがいるならこいつも〜という発想はいい加減すぎる。
正直褒められたものではない。

悔しいと思うなら頑張れ。俺だって褒めたい。
128シャドウ、リルム:2005/06/08(水) 01:44:35 ID:nJgzZN9t
その日はアウザーの屋敷でゆっくりと休み、次の日に屋敷で豪華な朝食を済ませた後、シャドウ達はジドールを後にする
「へぇ、あたしそんなことしたんだ?」
アデル戦で起こったことをシャドウはリルムに話していた
「ああ、お前がいなきゃ確実にやられてたな」
リルムがあの時とった行動は、完全に無意識でのことだった
しかし、リルムも何となく思ったのかもしれない
シャドウだけは絶対に死なせたくない、と
その思いがアデルの意志を振り切り、行動できたのかもしれない

お互い何かで繋がっていることを2人は薄々感づいていた
しかし、それが実際は何なのかは、確信することは決してなかった
いや、それは2人にとっては知らない方がいいのかもしれない・・・・
「ん?なんだ・・・もう暗闇じゃないんだぞ」
見ると、リルムがシャドウの手を握っていた
「べ、別にいいじゃんよ!こうしてると・・・何か落ち着くんだよ」
顔を赤くしながら、いつものように荒い口調でごまかすリルム
「・・・・やれやれ、お前もまだまだ子供だな」
「う、うるせーよ!」
そしてシャドウもリルムの手を握り返す
2人は他に仲間が生き延びていることを信じ、ぎこちなく手を繋ぎながら荒野を歩くのだった・・・・・
129名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:47:23 ID:nJgzZN9t
とりあえずアウザーの屋敷編は終了
チャダルヌークの代わりは他に適任者が思いつかなかったんで8から引っ張ってきた スマソ
多分また書くけど、これといって続きはまだ考えてないんで書きたい人いたらどぞ
130名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 01:47:47 ID:cifkBFIY
>>128
乙!超乙!めっちゃ和んだ。リルムとシャドウのコンビがいい。
131名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 11:09:00 ID:aw2ePBgk
神光臨あげ
てか、「今のはファイガではない、ファイアだ」にワラタw
シャドウリルム編は終始出来がよかったわ
132名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 15:24:59 ID:VGx3b74U
乙です。
ところでストラゴスの行方は?
133名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 15:29:30 ID:zN6TBOtZ
面倒だし経歴かかずに狂信者の塔辺りに送られたってとこでいいかと
134名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 16:29:32 ID:cifkBFIY
シャドウ&リルム編で敵減らしも兼ねてオリジナルエピソードをやりたいんだが…駄目か?
135名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 16:52:12 ID:+dl7veTp
>>134
めっちゃやって欲しい
こう思ってるのは俺だけじゃないはず…

シャドゥ、リルム編想像以上に良かった…激しく乙!!
136名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 17:15:02 ID:cifkBFIY
じゃ、書きます。消す敵は誰がいいと思う?
137名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 17:30:18 ID:zN6TBOtZ
八竜キボン
138名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 17:49:02 ID:8XC0Ai0u
いいか、みんな
        (゚д゚ )
        (| y |)

この2人はFF6の主要キャラだが
    ロック  ( ゚д゚)  セリス
       \/| y |\/

ごちゃ混ぜにすると
        ( ゚д゚)  ロリセックス
        (\/\/
139元神羅編・新タークス編作者:2005/06/08(水) 18:08:53 ID:OnTTNI1l
>>113
オリキャラをいじってくれたのはうれしいけどさ…何で殺すの…
140名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 18:27:54 ID:1rBYgikp
どうでもええわ
141名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 18:28:59 ID:yxxN2rZ+
死んでもストーリーに全く支障が出ないキャラばっかり出すから
142名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 18:53:50 ID:JQaeUbA2
>>132-133
>>31が泣くぞ
143まとめ:2005/06/08(水) 19:08:55 ID:JQaeUbA2
エドガー、ユフィ、セリス、ゴゴ:エドガーは盗賊達とフィガロ城へ、他3人はこっそりと後をつける

モグ、ウーマロ、エアリス:仲間を探すためにナルシェを出る

セッツァー:ダリルの墓へ行くもボスを倒せずコーリンゲンに引き返す

ロック、スコール、オルトロス:レッドドラゴンを倒し、フェニックスの洞窟最深層へ

シャドウ、リルム:仲間を探すためにジドールを出る

ティナ、ガウ、ティファ、カイエン:夢の三兄弟を倒し、その後イエロードラゴン出現

クラウド:コロシアムでジークフリードとの決戦を約束

マッシュ、ツォン:ゾゾでリターナーと一緒

ストラゴス:ルビカンテに操られ、狂信者の塔で放心状態

レノ、ルード、イリーナ:宝条を探すため、オペラからジドールへ
144まとめ2:2005/06/08(水) 19:13:29 ID:JQaeUbA2
ケフカ:特に状況は変わらず

三闘神:同上

ザックス:魔神守護

サイファー:女神守護

アルテマバスター:鬼神守護

宝条:ケフカに力を与えてもらい、狂信者の塔の守護

四天王:ルビカンテ→死亡 バルバリシア→瓦礫の塔へ帰還 カイナッツォ→瓦礫の塔 スカルミリョーネ→ダリルの墓

ギルガメッシュ:マッシュやツォン達と戦闘開始


残りの八竜
ホーリードラゴン、イエロードラゴン(戦闘中)、スカルドラゴン、ブルードラゴン
145シャドウ&リルム編:2005/06/08(水) 19:57:45 ID:cifkBFIY

「おいしーい!」
生クリームとバニラアイスの塊をせわしなく口に運ぶリルムを、シャドウは何も言わずにただ見つめていた。

街中のレストラン。
なかなか洒落た内装の店内の一角でシャドウとリルムは休憩を取っている。が―――その休憩はどうやら予想以上に高くつきそうで……。

リルムの横には空になったケーキの皿、それも一枚ではない。
ざっと見ただけでも最低五皿。そして最後の“シメ”として大盛りチョコパフェ。

はぁ、とシャドウは胸中で息をついた。
やめておけと止めた所で、「この間助けてあげたのは誰だと思ってんのよ」の一点張りだ。

裏社会の顔として恐れられたシャドウが、一人の少女に頭も上がらない男となってしまったさまはかなり滑稽である。

が―――実を言うとシャドウ、最近はこの状態に一種の心地よさを感じていた。
それがどこからわいて出た感情なのかはまったく検討もつかなかったのだが。

ただ、笑ったり楽しそうにしているリルムを見ていると―――自分が守ってやらなくてはという強い義務感のようなものがひしひしと溢れてくるのだ。

146名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/06/08(水) 20:09:47 ID:j75BaYB/
>>129 激しく乙。俺にはこういう展開が書けないから尊敬する。

>>127 確かに欲張りすぎかもしんない。だけど、この話は6以外のキャラをひっくるめて少しでも本編に沿わせようとする話で
   上にも書いたとおり特別キャラをライトアップして書くような真似はできないから全編通して(こういうと悪いけど)存在が薄そうなキャラの話を書こうと思ったわけ。
   6キャラ以外は全編通して詳しくは書かれていないんですし。 
   それに、6をそのまんまノベライズしたらつまらないとか、キャラが多すぎて困るって言っていた意見も取り入れたつもり。
   確かに死なせすぎかもしれないが、前スレの88でFF◆HOZlQYR1MYさんが「何かの犠牲無しに何かを得ることはできない」って書いてあるじゃん。
   だから俺はそれを忠実に再現してみただけなんだよ。  

後、訂正で>>107でギルガメッシュが構えた物は斬鉄剣じゃなくて陸奥の守か雨の村雲らへんにしといて。
斬鉄剣はオーディンとかのイベントで使えるかもしれんから。  
ちなみに、狂信集団の塔の四天王が守備してる門辺りは武器で戦えるかどうかは特に決めてないから、作者さんに任せる。   

長文スマソ
147シャドウ&リルム編:2005/06/08(水) 20:46:21 ID:cifkBFIY
一体、この想いはなんなのだろう。

シャドウの問いに答えてくれるものは、なかった。

数十分後、恐ろしく軽くなった財布片手にシャドウはまたもやため息をついていた。
「あーおいしかった!また来ようっと!」

当のリルムは呑気にそんな事を言っている。「よし次次!ガイドマップによるとこの先に美味しいクレープがあるらしいからね!」

これにはシャドウも呻くしかなかった。
極上スマイルで曲がり角の先を指差すリルムの瞳はきらきらと輝いている。そのクレープだけでも何ギル使われるかわかったもんじゃない。

「おい…もう所持金が…」
「所持金?大丈夫大丈夫!イザとなったらあたしが綺麗な絵を描いて売るから!あ、そんときはシャドウ、売り子よろしくね」

「待っ―――」
「さぁ、れっつごー♪」

威勢よく右腕を突き出し、リルムは駆け出していた。甘いクレープの匂いが誘う方へ。

意気揚々と曲がり角を曲がって―――

誰かと、ぶつかった。
二人分の悲鳴。シャドウがやってきた時にはリルムと、彼女と同じぐらいの年端の娘が倒れており、石畳には少女の物らしいスケッチブックや筆、それに絵の具が散乱していた。
148名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 20:48:38 ID:JQaeUbA2
>>147
アースドラゴン編の時も思ったけど、一度メモ帳とかに全部書ききってからうpした方がいいぞ
また他にうpしたくても出来ない人がいるかもしれんし
149名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 20:58:54 ID:cifkBFIY
>>148 すまん、そーするよ。だいぶ遅くなりそうなのでみんなどんどん投下してってください。ごめんな。
150名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 22:44:27 ID:j75BaYB/
>>146 なんか走り書きみたいだorz
    真ん中辺は愚痴だから気にしなくていいです。

>>148 頑張って下さい。楽しみにしてます。
151名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 22:48:55 ID:jOsv2W5B
>>146
>6をそのまんまノベライズしたらつまらない
結局つまらないなら書かない方がまし まだなぞった方がいい

それにお前が消したのって新羅編に出たどうでもいい奴らにお前が出した奴らだけじゃん
本編に絡みそうな味方キャラ消すんじゃなかったのかよ
どうせ今後出る見込みのない奴消したって意味ないし
むしろ敵キャラを増やしてんじゃねえか

>確かに死なせすぎかもしれないが〜〜
どこが忠実なんだ?何を得たんだよ?敵キャラか?イラネ
しかもそんなの全然関係ないだろ。無理矢理結びつけようとするな
152名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 22:56:10 ID:+dl7veTp
まぁまぁ。またーりいこーや。都合悪くなったら敵キャラは適当に消しゃいいんだし…
153名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 22:57:10 ID:UPmIvxH+
>>152
そんないい加減なこと言うなよ
出ては消え出ては消えの繰り返しだぞ
154名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/08(水) 22:57:34 ID:j75BaYB/
>>151 うぇっすまねえ。無理矢理結び付けすぎかもな。
    しばらく潜伏しとく。
    代わりにお前が書いとけよ。特に参考にするから。
155追加:2005/06/08(水) 23:08:34 ID:j75BaYB/
>本編に絡みそうな味方キャラ消すんじゃなっかのかよ
そんなことは一言も言ってない。
だけど、本編にかかわらない話を書いた所で結局プレシデント編の二の舞なんだがな・・・
156名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/09(木) 00:03:35 ID:/Gur7rjS
兎に角!

プレジデント編は無駄だった!


これでいいんじゃね?
157元神羅編作者:2005/06/09(木) 00:31:26 ID:wh9myWuV
ここは世知辛いインターネッツでつね
158ティナ編:2005/06/09(木) 00:53:31 ID:eL2SGqwj
ティナ達の目の前に現われたイエロードラゴン
カイエン以外の3人は全く戦えないほどの怪我や疲労はなかったが、相手が悪すぎた
こんな状態で易々と勝たせてもらえるほど、伝説の八竜は甘くない
やはりこの戦いの鍵を握るのは、一人無傷なのカイエンだ
しかし、そのカイエンもいまいち動きが悪い
まだクラウドと戦った時の方が強かったぐらいである
「カイエンさん・・・」
その様子を心配するように見るティナだが、仲間の心配をしている余裕もない
気を抜けばすぐにやられてしまう
そんな相手と戦っているのだ
「(ハア、ハア・・・思うように体が動かんでござる)」
当たり障りなく言うと、カイエンはビビっていた
夢の三兄弟に改めて見せ付けられた自分の弱さ
今のカイエンにとって、イエロードラゴンは必要以上に恐ろしい敵に見えてしまっている
いくら息子に自分は強いと言われても、やはり根拠がない
クラウドとも、フェンリルとも全力で戦った
あれが自分の持てる力の全てだった・・・・カイエンはそう思い込んでいる
いや、実際にそうだったのかもしれない
そしてその結果がアレでは、フォローのしようがない

カイエンがそんなことを考えている間にも、ティナ達の命はどんどん削られていく
特にガウは元々負傷が激しかっただけに、かなり危険な状態で、すでに立つ事すらできない
「(皆があんな化け物に恐れずに立ち向かっているというのに、拙者は一体何をやっているのだ・・・)」
カイエンは刀を握り、イエロードラゴンに向かっていく
しかしイエロードラゴンがギロっと睨むと、体がすくみ、攻撃できずにイエロードラゴンの攻撃をかわすだけに終わってしまった
そしてますます自信をなくし、動きも更に悪くなる
まさに悪循環である
159ティナ編:2005/06/09(木) 00:53:52 ID:eL2SGqwj
『パパ!しっかりして!』
「(!? その声は、シュン!?」
心の中から息子の、シュンの声が聞こえてきた
『あなた、皆さんはあなたのために危険を冒してまで助けてくださったのよ!?受けた恩は返すのが侍でしょう!?』
「(ミ、ミナ・・・)」
『パパ言ってたじゃん!大切なものを守るために戦う時は、たとえどんな強敵だろうと全力で立ち向かえって!
『人間なら誰だって落ち込むこともあるわ・・・自信をなくすことだってある。でも、それを乗り越えることが大事なんじゃないの?
 私も、シュンも、ドマの皆も、あなたが私達のことでいつまでもくよくよしている事なんて誰も望んでいないわ
 あなたはドマの皆の憧れだった・・・あなた目当てでドマの兵士に志願した人だってたくさんいることを、あなただって知ってるでしょ?』
ミナの言葉の一つ一つがカイエンの心に強く染み渡る
『パパ、お願いだよ・・・・パパを助けてくれた、あの人達を助けてあげて・・・パパができなきゃ、誰にもできないんだから』
「(ミナ・・・シュン・・・・拙者は・・・・)」

その時、イエロードラゴンが口を大きく開け、その鋭い牙で倒れているガウに襲い掛かった
「ガウ!」
すぐ近くにいたティファが救出に向かうが、とても間に合わない

ガキイイイイイイン!!!

「カ、カイエン・・・?」
ガウが目にしたのは、カイエンの後姿
その刀で牙を食い止めていたのだ
ぶつかった時の衝撃で、刀の刃がカイエンの手に少し食い込み、血が垂れていく
「ティナ殿・・・ティファ殿・・・もうしばし時間稼ぎを頼む」
「・・・・は、はい」
カイエンの目が変わった
ティナとティファはそう感じた
160ティナ編:2005/06/09(木) 00:54:33 ID:eL2SGqwj
実際に変わったと視認できるわけではない
しかし、明らかにさっきまでのカイエンとは何かが違っていた
そしてティナとティファがイエロードラゴンを引きつける
カイエンは刀を鞘に収め、柄をしっかりと握り締め、腰を落とし前かがみの姿勢をとる
居合いの構えである
カイエンは目をつぶり、精神を研ぎ澄ませた
「カイエン、なにする気だ?」
ガウのその言葉も今のカイエンの耳には届かない
「(ミナ、シュン、すまなかったでござる・・・・・拙者はお前達を言い訳にして、自分から逃げていたのだ・・・・)」
自分の無力さを理由に閉じこもるのではなく、無力さから生まれる悔しさを糧に、二度と同じことを繰り返さないように強くなる
カイエンはそう決意したのだ
守るべきはずだったミナとシュンに逆に目を覚まさせられるとは、少し情けない気もした
しかし、ただ単純に家族のありがたさ、温かさに感謝するのだった

「キャア!」
ティナとティファがイエロードラゴンの長い首によってぶっ飛ばされ、壁に叩きつけられる
そしてカイエンに気付き、そちらの方にのしのしと歩いていく
「しまった!カイエンさん逃げて!」
しかしカイエンは微動だにしない
「お、おいカイエン!あいつくるぞ!」
もうイエロードラゴンの間合いに入ったというのにカイエンはまだ動かない
立ったまま死んでしまったのかと思うガウだったが、無用な心配だったことにこの後すぐに気付く
161ティナ編:2005/06/09(木) 00:55:28 ID:E1MDaJbe
再び大口を開け、カイエンに襲い掛かるイエロードラゴン
「カイエン!!」
「カイエンさん!!!」








今、何が起きたのか
たった今カイエンを襲ったイエロードラゴンの頭は、その長い首と共に宙を待っていた
その場にいたはずのカイエンは、刀を抜いた状態でイエロードラゴンの背後にいた
イエロードラゴンの首が斬り離された部分からは、数秒してから血が噴出し始める
ティナ達が状況を把握するのはその直後だった
「拙者の最後の必殺剣・・・・『断』でござる」
そしてカイエンはゆっくりと刀を鞘に収める
これが、カイエンの本当の力である
「す・・・・すげーーー!!すげーぞカイエン!!ははっ!」
体は弱っていても、口だけは元気なガウ
「・・・・ガウ殿、大丈夫でござるか」
そんなガウにカイエンは歩み寄り抱き起こす
「カイエンさん・・・・よかった」
ティナ達もカイエン達の元へ駆け寄る
「心の中で妻と息子に喝を入れられたでござる。おかげで目が覚めたでござるよ」
カイエンの顔からは、自信が満ち溢れていた
162携帯から:2005/06/09(木) 01:11:31 ID:drLsilp8
ティナ編まだあと1レス分残ってるけど、パソがイカれたんで明日うぷします
163名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/09(木) 04:31:52 ID:U3ao5UfA
>>156
お前の言うとおりだと思うぞ。まさしく負の遺産。

シャドウ&リルム編、良かった。作者さんGJ。
新しく始まった挿話も期待してる。作者さんガンバレ。
164ティナ編:2005/06/09(木) 08:02:59 ID:E1MDaJbe
「もう過去を振り返るのはヤメでござる。今はただ、おのれの信ずる道を行くのみでござる!」
「いいぞカイエンー!色男ー!」
「あんた、色男の使い方間違ってるわよ・・・」
せっかくカイエンがカッコよく決めたのに、ガウのボケのせいで台無しである
しかし、その場にはさっきまでの緊迫した雰囲気とは一変、和やかなムードが流れていた

しばらくして体力が回復したところで、4人は外に出た
「これからもいろいろと迷惑をかけるかもしれぬが、今後ともよろしくでござる」
「そんな改まって言わなくても・・・」
「まあいいじゃないティナさん。よろしくお願いしますね、カイエンさん」
「ガウ腹減ったぞ。早くどっか町に行って飯食おうぜ」
ガウの人の話の聞かなさも、ここまで来ると立派なものである

ティナが心の中で父に呼びかける
「(お父さん、聞こえる?)」
・・・・・・
「だめか・・・」
「え?何が?」
「お父さんに次のドラゴンの居場所を教えてもらおうと思ったけど、ダメみたいだわ。自力で探すしかないわね」
「まあ、なんとかなるだろー。それより早く飯くいたいぞ」
「はいはい・・・」
次の手がかりが見つからぬまま、ひとまずどこかの町へと向かうティナ達であった
165名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/09(木) 12:46:04 ID:LTdi1nb0
ティナ編もおもろい
GJ
166名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/09(木) 17:20:58 ID:tOwZu7Mu
>>157 おまいは悪くない。ただ、投稿した所が間違っただけ。
   7ノベライズのスレがあったなら神扱い(言い過ぎかも)されてたかもな。
   その力はかなりのものだから、別の話でも書いてみたら?
ついでにage
167名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/09(木) 18:00:28 ID:CbF1b8/H
FFと何の関係もないオリキャラ
誰も聞いちゃいないのにオリキャラのどうでもいい紹介文
いちいち名前の前に「二刀流」だの「闇討ちの」だのつける痛さ
閑話のはずが、本編が霞むほどの投稿量
本編には絡まないと言っておいてツォンのことで絡んでくる
致命的なのはその件に関しての前スレでの↓のDQN発言

431 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/05/13(金) 15:35:37 ID:he0Jm27/
>>430
いやいや、プレジデント神羅編の作者としては、ツォンに死んでもらわないと困るw
誰か修正してくれよ

こんなんで神扱いしてくれるほど2chは甘くない


それはそうとティナ編作者乙
カイエンの心理描写とかよく書けてると思った
ガウも相変わらずいいキャラしてる
168名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/09(木) 18:39:18 ID:tOwZu7Mu
確かにいちいち名前に何かつけるのはウザいな。
ごめ マジで言い過ぎた。
そういや、神といえばHOZlQYR1MYはまだここ見てんのかな?
案外、黙って投稿してたりしてな
169シャドウ&リルム編:2005/06/09(木) 19:41:17 ID:xG4R5AR+
「ごっ、ごめん!大丈夫!?」

起き上がったリルムが、焦った様子で少女に頭を下げる。彼女ははおろおろしながら頷き、地面に落ちた画材道具を拾いあつめはじめた。リルムもそれを手伝う。

「…絵、好きなの?」「う、うん…」

おとなしそうな雰囲気を纏ったその少女は、短く切り揃えた髪を揺らしながら懸命に絵の具を拾っている。

ふと、開いたままのスケッチブックに目が行った。
そこに描かれていたのは風景画。リルムは思わず目を見開いた。

「すごい…これ、あなたが描いたの?」
細部まで書き込まれたそのスケッチは自分と同じ年頃の少女が書いたものとは思えない程で―――簡単に言えば上手かった。

少女がちいさく頷くと、リルムは満面の笑みで、

「あたしも絵、大好き。油絵?水彩画?」
身を乗り出して尋ねて来るリルムに、少女ははじめこそ気押しされたようだったが、リルムの質問に答えてゆくうちに同じ絵が好きな者同士すぐに打ち解けていった。

話についていけずに呆然とその場に立ち尽くすシャドウをよそに、少女はリルム達にお茶をごちそうすると言い出したのだった。
170シャドウ&リルム編:2005/06/09(木) 19:43:39 ID:xG4R5AR+
家に入ったシャドウ達に、少女―――エリスはひととおりの自己紹介をしてくれた。

両親は彼女が幼い頃に亡くなったらしい。が、今は隣の夫婦にさんざん世話を焼かれて不便な事はなにひとつないらしい。

油絵の匂いがする染み付いた部屋の中、エリスはシャドウとリルムに紅茶を出し、散らかっててすいません、と照れくさそうに笑った。

描きかけのキャンパスに、絵の具の入ったパレット、椅子の上には高価そうな画集が詰まれてある。恐らく両親が遺したものだろう。
リルム達はこれまでの経緯をエリスに話し、その上で仲間達の行方を彼女に問うたが、エリスは申し訳なさそうに首を降り、「ごめんなさい」と頭を下げた。

「いいんだよ、エリスが謝る事じゃないって」
「本当ごめんなさい…あの、今日は泊まっていってもらっちゃ、だめかしら」
「えっ?」

「私、リルムともっとお話してみたいし…」リルムはぱあっと顔を輝かせて、

「いいのっ?」
おい、とシャドウが咎めるような視線を向けるが、

「いいじゃんか!宿代も浮くし、万年じり貧のシャドウにだって都合いいでしょ!」
誰のせいだと咄嗟に言いかけたが、ここは堪えて胸の中へとしまっておく。


続きは夜に投下予定。出先の携帯からですまん…
171マッシュ編:2005/06/09(木) 21:22:31 ID:CmLbRvfr
ギルガメッシュと対峙するリターナー一味
バナンは元々戦闘要員ではなく、ツォンは戦闘不能
リターナーの雑兵もこんな相手では無力である
頼れるのはマッシュとダンカンの2人だけ
「仕方ない、今回はわしも手伝ってやるとするか。お前もさっき受けた傷がまだ痛むだろう」
「おしょうさま・・・ありがとうございます」
「さあ、来やがれ!」
マッシュとダンカンがギルガメッシュに突進する
2人分の拳の乱打がギルガメッシュを襲う
「(ちょ、ちょっと待て!こいつらつええじゃねえか!)」
予想外の2人の強さに驚くギルガメッシュ
しかしここでトラブルが起きた
ズキッ!
「うぐ!」
激しい運動をしたため、マッシュのストームドラゴンから受けた傷が痛み出した
たまらずその場にしゃがみこんでしまう
「やはりお主は休んでおれ、マッシュ!こやつはわし一人で倒す!」
その言葉にムッとするギルガメッシュ
「んだとぉ!?みくびるのもいい加減にし」
バキャ!!
「ぶっ!」
ダンカンの肘鉄がギルガメッシュの顔面に直撃する
続けて反撃する間も与えないダンカンのラッシュ
「(す、すごい・・・・おしょうさまは、俺がおしょうさまを超えたと言っていたが・・・やはりあの方は凄い・・・!)」
マッシュは改めて師の偉大さを実感した
「とどめじゃ。あっけなかったな」
ダンカンがギルガメッシュに止めを刺そうとするが、ここで不運にも2つ目のトラブルが起きた
172マッシュ編:2005/06/09(木) 21:23:36 ID:CmLbRvfr
「うっ!・・・・ごほっ!ごほっ!!」
「お、おしょうさま!?」
急に咳き込むダンカン
口を押さえているその手からは、血が漏れだしていた
「くっ・・・・やはり年はとりたくないものだな・・・3分も持たんとは・・・」
ガクっと膝をつくダンカンを見て、ギルガメッシュはニヤリと笑う
「へへ、何か知らねえがチャンスみてえだな。おらあ!!」
ダンカンのあごを蹴り上げるギルガメッシュ
「き、貴様あ!!」
体の痛みを振り切り走るマッシュ
そしてギルガメッシュの剣がダンカンに振り下ろされる
「おしょうさまああ!!」
しかしギルガメッシュは気付いていなかった
自分の背後から、何か白くて小さい物が猛スピードで飛んできていることに

ドス!!

「ぐお!!な、なんだ!?」
ギルガメッシュは痛みの源の自分の腹を見た
そこからは、槍が貫通していた
その隙にマッシュがダンカンを助け出した
「ふう、間に合ったクポ〜」
「そ、その声は・・・」
一瞬誰だと思ったマッシュだが、こんな口調で話す者は他に考えられない
「やっぱりモグか!」
槍を引き抜き、後ろに跳び距離を取るモグ
その後方にはウーマロとエアリスもいた
173マッシュ編:2005/06/09(木) 21:25:21 ID:CmLbRvfr
さっきのは、ウーマロが槍を持ったモグを全力でギルガメッシュに投げつけたことによるものだった
「くそっ 新手か!?」
腹を押さえ振り返るギルガメッシュ
「だが、これで終わったと思われちゃ困るな・・・・ギルガメッシュチェーンジ!!」
その瞬間ギルガメッシュの体がまぶしく光った
そして、そこにはさっきまでの面影はほとんどない、形態変化を遂げたギルガメッシュが立っていた
「(バッツ達と戦った時のは何かの間違いだよな・・・・今度こそこの最強の剣の威力、試させてもらうぜ!)」
ギルガメッシュはエクスカリバーを取り出した
「いくぜ!まずはてめぇからだモーグリ!」
「!」
ギルガメッシュのエクスカリバーが振り下ろされ、モグは槍で防御体制を取る
そして・・・

パキイイイン!

「・・・・へ?」
エクスカリバーの刃先が何とも脆く折れた
「・・・・?なにがしたかったんだクポ?」
防御したモグにも全くと言っていいほど手ごたえがなかった
まるで発泡スチロールで殴られたような軟い感触だった
それはエクスカリバーではなく、偽者のエクスカリパーであることなど、ギルガメッシュは知る由もなかった
唖然とするギルガメッシュは、前方で詠唱をしているエアリスに気付いた
「ま、まさかその魔法は・・・・・よ、よせ!やめろ!!」
「・・・・デジョン!!」
エアリスがデジョンを唱えると、ギルガメッシュの足元に次元の狭間への穴が開かれた
「またかよおおおおおぉぉぉぉぉ・・・・・・!!!」
そしてあっけなく穴に吸い込まれていった
「・・・なんだったんだあいつ」
マッシュが呆れた顔でつぶやいた
174マッシュ編:2005/06/09(木) 21:27:46 ID:CmLbRvfr
戦いが終わり、リターナーは廃墟と化した本部を見て回った
あの大爆発の原因などの調査のためだ
「しかし本部がこんな状態になってしまっていたとは・・・・」
バナンがその無残な光景を見て言った
そこには何も残っていなかった
「・・・・仕方あるまい。またゾゾの支部に戻ろう」
というツォンの意見に、バナンはため息をしながら了承した
「では、わしも家に帰るとするかの」
「おしょうさま!大丈夫なのですか!?」
まだ歩き方に不安が感じられるダンカンをマッシュが心配そうに呼び止める
「普通に歩くだけなら無問題じゃよ。じゃあな、マッシュ。達者でやれよ。それと、たまには顔を見せるようにな」
「は、はい・・・。ありがとうございました!!」
マッシュは改めて頭を深く下げ、恩師を見送るのだった
「じゃあ、俺もモグ達とまた旅にでるぜ。部下、無事だといいな」
「ああ・・・じゃあな、マッシュ。仲間、見つかるといいな」
マッシュを見送るツォンの目は、少し寂しそうだった

そしてマッシュ達はゾゾを後にし、他の仲間を探す旅にでる
「礼言い忘れてたな。助かったぜ。ところで何であんな所にいたんだ?」
「たまたまゾゾの近くを通りかかったクポ。その時大爆発が起きたから、気になったから見に行ったら、おっちゃん達がいたクポ」
「お、おっちゃんって・・・・俺はまだ27だぞ!?」
「細かいことは気にしないクポ」
細かくねえよ、と言おうとしたが、気にしてもしょうがないので止めた
ここで、今まで黙ってたエアリスが口を開いた
175マッシュ編:2005/06/09(木) 21:28:28 ID:CmLbRvfr
「ところでマッシュさん」
「ん?なんだ?」
「旅の途中でコロシアムに寄ったんだけど、そこでかなりいい記録だしたらしいですね」
「おうよ!記録はジークフリードに次ぐNo2だぜ!」
と鼻高々に言うマッシュに、エアリスは少し気まずそうに言う
「えっと・・・・No3に落ちてましたよ」
「な、なにい!?一体誰が!?」
鼻っ柱が叩き折られた気がした
ここでマッシュは何となく、ダンカンの「自信とうぬぼれは違う」という言葉を思い出した
井の中の蛙とはまさに自分のことだな、とマッシュは少し恥ずかしくなった
「スコールっていう人がNo2になったらしいわ。それと、これは最近耳にした噂なんだけど・・・そのNo2の記録をまた塗り替えた人がいるらしいですよ」
「ってことは俺、今No4かよ・・・・とほほ。その新しいNo2って一体誰だよ」
「名前は分からないけど・・・・金髪で大きな剣を使う剣士らしいわ。顔もカッコイイから、コロシアムのちょっとしたスターになってるらしいです」
その言葉にマッシュは更に驚いた
「な、なんだって!?それってまさか・・・・」
「クラウド・・・の可能性がかなり高いわね。マッシュさんより強い人なんて世界中探したって、そういるもんじゃないし」
「ってことは、クラウドは今コロシアムに?」
「行ってみる価値はあると思います」
新たな仲間の手がかりができ、マッシュにも希望が見えてきた
「よっしゃ!とにかくコロシアムに行こうぜ!ついでにモグ、おめえも参加しろよ。結構強いんだしよ」
「・・・・遠慮するクポ」
「つれねえな〜。ウーマロはどうよ?」
「ウー?」
「ウーマロは手加減ができないから止めた方がいいクポ。下手すると死人が出るクポ」
そんな雑談をしながら、4人はコロシアムに向かって歩き出した
176名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/09(木) 22:49:15 ID:CzV1jLmo
ここは瓦礫の塔
ケフカ他一同は考えていた
ギルガメッシュやルビガンテ等戦力の喪失
八竜の残りも少ないし、古代の魔獣もかなりの数をやられてしまった。
「・・・本編だとまだアレクソウルとかキングベヒーモスとか残っているんだがな」
ケフカが何かを呟いている。
「何言ってるんですか?ケフカ様」
カイナッツオが恐る恐る尋ねる。
「・・・いや気にするな、ただの独り言だ」
一応、この瓦礫の塔はまだ崩される心配の無い城だった。
最後の翼はスカルミリョーネの策略で飛べない状況下にあるし
伝説の八竜の一匹は地中奥深くの古代の城に居るためそう簡単には封印は解けない
だがやはり戦力は少しでも欲しい所だ。
「・・・・・そうでしたわ、ケフカ様」
バルバルシアが何かを思いついた。
「なんだ?言ってみろ」
「前に資料で見た老人・・・そうストラゴスとかいう奴でしたわね・・・あいつは今ケフカ様の信者になっていましたわ」
「・・・・ほう・・・・それで?」
「奴の力を利用しない手はないはずです・・・・・奴を仲間に合流させ・・内面から一気に崩す・・・というのはどうでしょう」
バルバルシアの恐ろしい戦略の前にケフカは判断する。
「・・・しかしだな、それだと最悪奴らに洗脳されていると見抜かれてしまう・・・やはり塔の守備を任せるとしよう」
ケフカの決断にバルバルシアとカイナッツォも頷いた。
「とりあえず潜在能力を引き出しておこう・・・それなりの魔法使いに成長するだろう。」
「なら私はストラゴスをここに連れてきますわ」
バルバルシアは飛び立った。
残ったカイナッツォは・・・・
「・・・・さてどうしたものかな」
そんなカイナッツォをケフカは怒鳴った。
「貴様!やる気あるのか!海がおまえの得意な地形なんだからとりあえず船でも襲ってろ!今はニケア〜サウスフィガロ間を定期船が通ってるぞ!」
「わかりましたよ〜」
ケフカもいよいよ動きだす
177元神羅編作者:2005/06/10(金) 00:26:57 ID:oysiLME8
なんというか神羅編叩き過ぎ。
そりゃつまんないし、投稿数多すぎたかもしれないけど、FF7キャラを初めに登場させたのはオレじゃないし、ノリがいいスレだったからルーファウスとかユフィとか登場させたんだよ。
スレの初期から盛り上げようと書き込みしてたし、神羅編終わってからいきなり叩き初めるし酷すぎ。
178名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/10(金) 02:38:27 ID:kaKJ6+1R
あのさ、もう一回お前さんが「書く」って言ったあたりからスレを読み直してみな。
明らかにお前さん空気嫁てないから。
それにさ、途中で「ツマランから書くのを止めろ」なんて言えんだろ。言ったとしてお前さんが止めたとも思えんけどな。
終わった後に書き込まれたものは、例え「駄作だった」や「無駄だった」だとしてもちゃんとした感想だよ。
つまらなかったのは自分も認めてるところなんだろ?
その感想を糧とするか毒にするかは個人の資質の問題だが、自己弁護は自分の中だけでやった方が良いよ。
179名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/10(金) 08:11:56 ID:BHTAHGLQ
別にルーファウスやユフィが登場しただけで叩いたりしたわけじゃないだろ
その後、明らかに自分のオナニーとしか思えない、FF6と無関係の、オリキャラと7キャラ(しかもどうでもいい脇役)だけの話をだらだらと書き続けたからだ
その後も普通に書いた作者の文を修正しろだの、せっかく自分が出した(どうでもいい)キャラ勝手に殺すなみたいなDQN発言
このスレでは、つまらなかったり文章が上手く書けてなかった等の理由だけで叩かれることは基本的にはない
それが何故ここまで叩かれてるのか、前スレ見直してよーく考えてみな
180171-174:2005/06/10(金) 10:11:03 ID:IFfy7Lhq
あああ!!今気づいたけど、ケット・シーとレッド13の存在忘れてたwwww
こいつら影薄すぎww
・・・ゾゾで留守番でもしてたってことにしといて・・・・・orzホントスマソ
181名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/10(金) 20:26:42 ID:ygqXpkJj
なんかスカルミリョーネとかカイナッツォとかキャラが違うよな
182名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/10(金) 22:16:55 ID:O40RknJl
その前にあの二人ってキャラ立ってた?
183名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/10(金) 22:22:39 ID:hpD2AWwo
何でも有りがこのスレだろ
184名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/10(金) 22:33:34 ID:8KQFgyUm
なんか、前と比べて叩きが多くなったな。
このスレに突っ込むことは無しじゃなかったのかよ。
185名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/10(金) 22:58:42 ID:oJeFIWDo
普通に書く分には叩かれないよ
面白かったり良かったりした物はちゃんと褒めてるし
2chにしてはマターリしてる方だ
186名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/10(金) 23:03:04 ID:8KQFgyUm
いや、でも以前と比べれば叩かれるのが多い気が。
特に神羅編。
叩くのはあまりにふざけている話だけのときにしようぜ。
無効かどうかくらいで。
ところで、まとめサイトに掲示板の設置ギボン
187名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/10(金) 23:12:28 ID:iiwyjJXs
「特に神羅編」っていうか、神羅編以外叩かれてないやん別に
>>113に関しても、神羅編のオリキャラ絡みの話だし、複数で批判してるわけじゃないし
それにただ「つまらん」とかの一言で終わらせてるんじゃなくて、根拠を述べた上での批判だから
188名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/10(金) 23:17:44 ID:8KQFgyUm
とりあえず神羅編についての叩きはこれで終わりにしないか?作者がかわいそうだし
189元神羅編作者:2005/06/10(金) 23:50:25 ID:oysiLME8
一読者として楽しみにしてますよ
190名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/10(金) 23:56:06 ID:O40RknJl
ケフカに反抗しようとしている奴っている?
191クラウド編:2005/06/11(土) 01:09:10 ID:m2dQpi9R
『みなさんお待たせいたしました!これより、ジークフリード選手VSクラウド選手のドリームマッチを行います!!』
コロシアムは相変わらず賑やかだった
世界崩壊で大切なものをいくつも失った人々にとって、コロシアムはオークションは数少ない娯楽だった
このような場所でだけは全てを忘れて楽しめるのだ
ここでは今、約束どおりにクラウドとジークフリードの戦いが行われようとしていた
チャンピオンとNo2の戦いとあって、これまでにない客数で大盛り上がりだった
No2には一度だけチャンピオンに挑む権利があり、その戦いでチャンピオンを倒せば、記録を無視してチャンピオンの座を奪えるのだ
『まずは、ジークフリード選手の入場です!!』
その強さと鮮やかな剣術で、毎回様々な客を魅了してきたジークフリード
もちろんファンも多く、大歓声があがっていた
『続いて挑戦者、クラウド選手の入場です!!』
静かに落ち着いた感じで入場するクラウドだが、そのクールな表情とは裏腹に、闘志がみなぎっていた
「キャーーー!!クラウド様がんばってーー!!」
『おーっと、あふれんばかりの黄色い声援です!どうやら女性ファンがかなりついているようですね!羨ましい限りです!』
そして闘技場中央に2人が向かい合う
「はは、会場中の女性は君の味方のようだな。少々やりにくいよ。勝ってしまったら女性みんなを敵に回してしまうからね」
と、笑いながら喋るジークフリードに対しクラウドは
「・・・・興味ないね。いいから全力で戦え。観客など関係ない」
「ふっ。やはり君はいい・・・久々にかなり楽しませてもらえそうだよ。言われなくても全力で戦うつもりだから安心したまえ。死んでも恨むなよ」
そう言って手を差し出すジークフリード
「ああ・・・俺もあんたを殺すつもりで戦うからな」
クラウドとジークフリードの握手が交わされ、いよいよ戦いの時がやってきた

その時、観客席に4人のグループがやってきた
「おっ まだこれからみたいだぜ」
「でも、座る席がないわね・・・仕方ないわ、立ち見しましょう」
その4人とは、マッシュ達であった
ちょうど今さっきコロシアムに着いたところである
「思った通り、クラウドだったな。まあ、俺らが生きててあいつが死ぬとは思えねえけどな」
192クラウド編:2005/06/11(土) 01:09:57 ID:m2dQpi9R
そして、戦いのゴングが、いま鳴り響いた
剣を抜き、お互いに様子を見ている
「(相手は俺よりも明らかに格上だ・・・下手な小細工は無用。ただ俺の力の全てをぶつけるだけだ)」
先に仕掛けたのはクラウドだった
その剣のサイズからは考えられない連続攻撃に客は一層盛り上がる
しかし、その攻撃をジークフリードは全ていなしている
「ちっ!」
後ろに下がり距離を取ったクラウドは、その場から高く跳び、ブレイバーを放った
「!?」
ジークフリードがいない・・・
気付いた時にはもう遅かった
ジークフリードはクラウドの真後ろにいて、そのまま真っ直ぐに下から剣を振り上げた
「ぐっ!」
咄嗟に体を捻って、かする程度で済んだが、クラウドの精神的ダメージは大きい
「相手が普通に立っている状態ではその技はお勧めできないな。高くジャンプしてしまうと、体の自由が利かなくなる」
「なんだと・・・」
ジークフリードの言葉に、怒りをあらわにするクラウド
今度は凶斬りを放った
しかしまたしてもジークフリードの剣で全ていなされて反撃を受け、クラウドの体は大きく後ろに吹っ飛ぶ
「(くそ・・・・強い・・・!)」
ここで再びジークフリードはクラウドを批判する
「君は、今まで1対1で自分より強い敵と戦った経験があまりないんじゃないか?」
「・・・・・・だったら何だ」
「今の君は明らかに焦っている・・・というより、気圧されている。以前見た時とは戦い方がまるで違う
  油断するのは感心できないが、余裕は持つに越した事はない。さっきの攻撃といい、焦りが冷静な判断を狂わせているのではないか?」
193クラウド編:2005/06/11(土) 01:10:49 ID:m2dQpi9R
・・・・図星だった
たったあれだけの立会いでこれだけの事を見抜くとは、やはりジークフリードはただ者ではない
観客席で観ているマッシュ達も、その強さに目が点になっていた
「う、嘘だろ・・・あのクラウドがああも簡単に・・・」
「・・・・コロシアムのチャンピオンは伊達じゃないってことね」
「あんな強い人初めて見たクポ・・・」

さらにジークフリードは続ける
「君とスコール君の強さは、全くと言っていい程互角だ。どちらも勝っている点、劣っている点があり、甲乙などはつけられない
 だが、今の君と私と戦った時のスコール君では、明らかにスコール君の方が強かったよ。力を出しきれていないんじゃないか?」
「黙れ!!」
ガキーーン!!
ジークフリードはクラウドの攻撃を受け止め、鍔迫り合いの状態となる
「その剣、アルテマウェポンだろ?」
「!!」
「見てみたまえ、君がNo2の記録を作った時とは青色の輝きが全く違う。アルテマウェポンは使い手の精神状態にも大きく影響する
  その剣の輝きの薄さが、今の君をそのまま表しているのだ」
ズバ!!
「ぐはっ!」
クラウドの胸が斬りさかれる
アルテマウェポンの輝きはますます薄くなっていく
194クラウド編:2005/06/11(土) 01:12:15 ID:m2dQpi9R
「・・・・私は以前、セフィロスという男と刃を交えた」
「な、なに!?」
突然ジークフリードの口から出た、自分が最も憎むべき敵、倒さなければならない敵の名前にクラウドは驚愕する
「結果は私の惨敗だった。だがセフィロスは私を殺しはしなかった。まるで、楽しみを残すかのようにね」
「・・・・・」
「セフィロスが言っていた。クラウドという男を捜している、と。君のことだろう?
  そして、君がここに来たのも超えるべき存在があるから・・・・。それがセフィロスなんじゃないのか?」
「・・・・超能力者か貴様は」
全て見抜かれていた
その事にも驚いたが、今自分が手も足もでないジークフリードが、セフィロスに惨敗したというのが最も驚いた
自分はそんな奴を倒そうとしているのか・・・・と
「少なくとも、私を倒せなければセフィロスは倒せないということだ」
「・・・・・ふふ、はははは・・・」
「・・・?何がおかしい?」
「どうやら俺は世界一の身の程知らずのようだ。だが、それもまた面白い・・・」
クラウドのアルテマウェポンの刀身が、その輝きを増していく
「当面の目標ができた。今ここで、何としてもあんたを倒す」
「ふっ切れたか・・・いいだろう。かかってきたまえ」
ジークフリードは、さっきまでとは比べ物にならないクラウドの気迫をひしひしと感じていた
だが、それはジークフリードの精神を更に高ぶらせた
その場が静まり返り、観客達も息をのむ
この後、観客達はコロシアム史上に永遠に残るであろう戦いを目にすることになる
195名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 10:08:51 ID:y1DNb81d
期待age
196セリス:2005/06/11(土) 12:19:10 ID:jY/xVYN7
闇に浮かぶ二つの月。片方が雲で欠けると、一方もそれに呼応する。
片方は微かに波を作る。一方は動きを止めたまま。
やがて波の揺れが大きくなっていく。どんどん波紋を広げている。
二隻の船が水上を掻き分ける些細な音で、夜の静寂は一時穏やかに姿を消した。

セリスは波に揺れる水面の月を眺めては、船室で物思いにふけっていた。
それは……………やはりケフカについて。

私は…ケフカを救うと決めた。おじさまとの約束。彼のため。自分自身の為。
あの時に、この剣に誓った。

セリスは、鞘に納めていた剣を抜き、眼前で横一文字に据えた。
ロウソクの光が剣の腹で煌めく。

それは変わらない。でもそう思っているのは世界でただ一人、私だけ。
カイエン……妻と息子を殺された……
エドガー……今も臣下のためにその身を動かしている。つまりその先には……
ティナ………精神操作による虐殺の強要、さらには肉親を自分の手で……
他の皆だって、きっと何かを彼に奪われた。世界中の人々が彼を許さない。
勿論正義は彼等にあるし、それを止める権利は私にはない。
でも私が歩こうとしてる道はそれとは全く逆なんだ。
それを…………受けとめられるのだろうか。私の決意だけで。

ロック…………あなたは味方してくれる?
197セリス:2005/06/11(土) 12:20:45 ID:jY/xVYN7
水面の月が激しく揺れている。魚か何かがそこを通ったらしい。


それに、実際問題でケフカを助けられるのだろうか?
おじさまは、ケフカの中に魔石が取り込まれたと言っていた。
魔大戦の死せる怨念が集まって出来た、暗黒の石。
その魂が今のケフカを操っているんなら、そいつを取り除けばいいと思ってた。
でも、どうやって?
そんな術、この世界に存在するの?
もしそれができたとして、本当にケフカは元に戻るの?
精神が壊れたままかもしれないし、最悪の場合死んでしまうかも……

ふとセリスは、今の自分にはあまりにも無慈悲な予言を思い出した。

結局は、あの予言通りになってしまうのだろうか。
自分が………ケフカを…………
いや、まだ決まったわけじゃない。はっきりしたことは書かれていなかった。
けど、それが何?何の慰めにもなっていないわ。
今私の前にある壁はとてつもなく大きい。
確実にケフカは死に向かってる。この壁を越えなければ、それを止められない。

高すぎるよ………
198ゴゴ:2005/06/11(土) 12:22:32 ID:jY/xVYN7
通り雨の様だ。空は暗雲ですっぽりと覆われている。

「奴の………ことか?」
それまで隅で座ったまま、石の様な態度をとっていたゴゴが、初めて自ら口を開いた。
あまりの突然ぶりに、両手に顔をうずめていたセリスの体が反射的に小震いする。
「ええ………どうすればいいと思う?」
しかし質問の意味をすぐに理解したセリスは、答えの出ない問いの答えをゴゴに求めた。
「さあな……私はただ真似をするだけだ」
やっぱり……そうよね
「だが私にも好みはある」

「彼もその一人だった。
死にゆく自分の体には目もくれず、ただ伝えるために生きるその姿。
なんとしても真似てみたいと思った。
他の生物とは違う、彼の生きる原動力を知りたいと思わせた」
聞きながらセリスは、あの丘の情景を思い出していた。
「さて、お前についていけば、あの時以上の衝動を味わえるだろうか?」
……………………………!!
沈黙が流れる。長い、長い。いつの間にやら、雨はもう止んでいた。


不意な震動が沈黙を突き破り、異変を肌で感じるまで、二人は動くことはなかった。
199ユフィ:2005/06/11(土) 12:26:02 ID:jY/xVYN7
うへぇ〜〜〜〜〜

乗り物酔いを起こすユフィには、正に最悪な状況である。
そして………そう、吐いている。
「ウプッ!………はあ…きぼぢわる〜〜〜」船の船首にもたれかかり夜風にあたるが、全く酔いはさめない。
(こんなとこシャドウに見られたら、またバカにされるんだろうなぁ〜〜
忍者たるものならこうこうこうだ!って感じで)
ふと空を見上げ、輝く月にシャドウの顔を浮かべる。
(あたしがいない間に、他の女と浮気してるんじゃないだろうなぁ〜〜)
……酒は入っていないはずだが、酔っぱらったように月に向かって拳を振り続ける。
予想は外れているとも言えないのだが、どちらかと言えば浮気相手はこっちである。
(………なんであたしを連れてってくれなかったのさぁ〜〜〜)
200ユフィ:2005/06/11(土) 12:27:12 ID:jY/xVYN7
あの時の記憶を辿る。
崩壊の音。道化の硬直。周りの叫び声。視界の中心に居座るシャドウ。
だんだんと、景色が色を失っていく。自分の声すら響かない。
気づくとそこは、見知らぬ街のベッドの上だった。

(会いたいよ、シャドウ)

大粒の涙が溢れ出す。大粒の涙が溢れ出す。
すすり泣く声は聞こえなかったが、静かな波音にかき消されているだけだった。

泣き止んだのは、雨が降ってから。
涙の筋とともに、その悲しみも少しだけ洗い流してくれたようだった。
どしゃ降りの中で寝転がっていると、酔いもさめてきたみたいだ。
「生きてるよね。また会えるよね」
自分にいい聞かせるように、はっきりと口に出して言った。やがて雨も止んだ。

「おっしゃー!頑張るぞー!」
叫びながら、元気よく飛びあがる。
だが、うまく着地出来ず、おもいきりしりもちをついてしまった。

船が大きく揺れていた。
201エドガー パターンA:2005/06/11(土) 12:29:12 ID:jY/xVYN7
―――自分は重荷になっている―――

エドガーは今までの旅を振り返っていた。そして、出てきた結論がそれであった。

タークスの赤頭との戦闘。お世辞にも善戦できたか?
セフィロスとの初対。ただただ震えていただけだ。
シドとの初対。ヘリの運転手君がいなかったら間違いなく死んでいた。
幻獣戦。ビビって足が止まる。仲間から罵声をあびる。
ティファやマッシュが倒れては、何もできずおろおろするばかり。
魔大陸。誰かを抱えて守ることさえ出来なかった。

私は、王だぞ?皆を統べ、民を守るもの。それが王だ。
帝国を倒す為に城を出ておいて、このザマはなんだ?

動かなければ。誇りをかなぐり捨ててでも。
だからこんな荒っぽい方法もとった。
もしそれで家来達を助けられないのなら、仲間の役に立たないのなら。
私は王を辞め、旅も辞めよう。

いきなり船が揺れだした。
「クッ!なんなんだ一体!?」
エドガーは転ばないようベッドにしがみついた。
ガチャリ!
やや乱暴な音を立て、扉が開いた。
「親分、大変だぁ!外に来てくれ!」
返事も言わずにその盗賊と外に飛び出すと、そう遠くない所に巨大な渦ができていた。
船はもう巻き込まれ始めている様だった
202エドガー パターンB:2005/06/11(土) 12:31:30 ID:jY/xVYN7
「しかし結構さまになっているな」
エドガーは鏡に写る自分の盗賊格好を見ながら、ポーズを取りつつそう言った。
「盗賊稼業に転向もいいかもな」
そうつぶやいて自分の顔を除きこんだが、すぐに表情がくずれた。
「アッハッハッハッハ!ドロボウはロックだけで手一杯じゃないか」
本人がその場にいたらほぼ間違いなく例のセリフを吐くだろう。
どこか遠くにいるのなら、くしゃみぐらいしてるはずだ。
もしかしたら、全く別の誰かに人指し指をふっているかも。
「ロックか……あいつ、うまくやってるかな」
ふと、素に戻ったエドガーは、旧友に想いをはせた。が、
「ああイカンイカン!なぜこんな時までヤローのことを考えないといけないのだ!
……………………………………ああ、ティファちゃん」
脳内ロックをぶん殴って追い出し、思い出すのはあの夜のことだった。
しばらくエドガーの想像にはモザイクをかけないといけない。


「親分、大変だぁ………………」
「ワアアアア!きっ貴様!ノックぐらいしろ!」
「………すいやせん。ってそれどころじゃねえんだ!外に来てくれ!」
その盗賊と外に飛び出すと、そう遠くない所に巨大な渦ができていた。
それに近づくにつれ、始めは何も感じなかった船の揺れが、
どんどん異常になっていくのを感じた。
203名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 12:32:42 ID:k4CIo82k
この板一番の神スレですな
204名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 12:33:02 ID:jY/xVYN7
さて困った。最初はこのままサウスフィガロに直航の予定だったんだけどさ、
カイナッツォ来るってんでそうもいかなくなっちゃったよ。
こいつの技とか格好とか弱点とか教えてくれんか?忘れた
おれ携帯からなんで、よく調べられないんだよ。
でもバトル書くのは苦手だ……………


あとエドガーのパターンA、Bについて

最初はAの方を思いついたんだが、暗いし、エドガーは気楽な方がいいかなと思ってBも書いた
でもAももったいないかなと思い、載せた
みんなでどちらのパターンでいくか選んでくれい
205名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 12:46:25 ID:XcQUTkQe
技・津波
格好・亀みたい
弱点・雷
その他・津波を発生させるには時間が必要で
津波を防ぐにはカイナッツォを攻撃しなければならない
しかし、本体は津波エネルギーによる盾で守られている為
攻撃は届かないが空からなら攻撃可能(ジャンプ他)
206名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 13:18:51 ID:jY/xVYN7
>>205
ありがとう。てか強いじゃん!!
勝てるのかこんなやつ
207名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 13:22:43 ID:KYIfu8J8
残った八龍はあとブルードラゴン、スカルドラゴン、ホーリードラゴン・・・だよな?確か。
208名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 13:31:37 ID:XcQUTkQe
ブルードラゴン・古代城(フィガロ城イベントクリア後引っ掛かる地層の奥に存在)
スカルドラゴン・瓦礫の塔
ホーリードラゴン・狂信者の塔・聖属性の攻撃は吸収

>>206
二番目に弱いはず
209名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 14:11:11 ID:833A09dh
>>204
↓このページの下から2番目の真ん中にいる奴がカイナッツォ。
ttp://urrryyy.hp.infoseek.co.jp/FINAL%20FANTASY4%20SFC/monster/index.htm
雷系の魔法をうちまくれば倒せる。
210名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 15:44:09 ID:3vZXyhH9
クカカカカ・・・
211名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 20:56:09 ID:y1DNb81d
上手いな〜。激GJ
細かいことだけど、エドガーの一人称は「俺」じゃなかったっけ
話す相手が目上だったり初対面だったり王として誰かと謁見するような時は「私」だけど、それ以外では「俺」だったと思う
212名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 21:40:05 ID:jY/xVYN7
>>211
うん。そうなんだけどさ。
オリジナルでは「私」だし、王としてのエドガーの思考を書いたつもりだから、
頭の中の一人称はやっぱり「私」かと
パターンBには使ってないしさ

それはそうと、A,Bどちらか選んでくれんか?
これは選択肢のつもりなんだがわかりにくかった?
……それとも、どうでもいい?
213名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 21:48:28 ID:L4rMk8CW
>>212
どうでも良くは無いだろうが、誰に聞いてるんだ?
読者か、それとも続きを書くつもりの人に対してなのか。
最初にレスした人で決まりなのか、多数決なのか。
それが分からんとレスしづらかろうよ。
214名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 21:59:00 ID:jY/xVYN7
>>213
はあ。正直スマンカッタ
じゃあ多数決で
215名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 22:19:14 ID:XcQUTkQe
あれ・・・空から攻撃するのはバルバルシアで
カイナッツォは魔法を一定回数当てるんだっけかな?
216名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 22:27:10 ID:y1DNb81d
カインvsカイナッツォはゲームでは全くなかった
217名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 22:34:53 ID:IbQ07e0r
あれっ?スカルドラゴンってだりるの墓にいたんじゃなかったっけ?
218名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 22:39:26 ID:y1DNb81d
ダリルの墓のボスはデュラハンだけ
スカルとイエローは瓦礫の塔にいる
219名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 22:50:32 ID:IbQ07e0r
>>218 サンクス。イエローはもう倒されたよな。スカルも瓦礫の塔にいるのはマズいって誰か言ってなかったっけ?
220名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 22:51:42 ID:y1DNb81d
あくまでゲームの中での話だから、面白くするためのアレンジなら自由にやってもいいと思うよ
221名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 22:59:39 ID:XcQUTkQe
そういや魔列車って消滅したから
ヴィンセント・バレット・シドは死んだままだよね?
222名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 23:01:35 ID:IbQ07e0r
>>221 消滅はしてないと思う。シド兄弟がじいさんの後を継いでるよ
223名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 23:18:00 ID:XcQUTkQe
そうか・・・スカル戦でゾンビ仲間軍団とかルビガンテ憑依とかやりたかったが
224名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 23:18:59 ID:KYIfu8J8
>>219
俺俺、なんかさ、瓦礫の塔にいるとなっても宝条、ザックス、三闘神、多すぎだろう。
だから、ゾンビの多いダリルの墓がいいかな・・・って思ってさ。
225名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 23:23:25 ID:IbQ07e0r
>>224 その分インフェルノとガーディアンが抜けてるけどな。実質ボスの数は原作と同じくらいだと。
226名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 23:24:09 ID:y1DNb81d
ていうかダリルの墓にスカルまで送っちゃうと、ボスが3人になるぞ
たかがダリルの墓でそんな激戦になってもなぁ・・・
227名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/12(日) 00:15:17 ID:z7DKKLNv
>>226
そうでもないだろ
飛空艇はこの世界で唯一の瓦礫の塔への侵入手段
これを断たれたらオシマイ
激戦になる事は必死だろ
228名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/12(日) 00:20:06 ID:nIk1Pooc
帝国城に仕掛けていた爆弾を使って一階から瓦礫の塔を上ろう!
なんて展開を考えていた俺はどうなるんだろう
229名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/12(日) 00:24:57 ID:gGxKf6t4
カイナッツォ、スカルミリョーネ、デュラハン、スカルドラゴン
こいつら全部エドガー達が倒すとなると、エドガー達活躍しすぎじゃないか
ボス一匹しか倒してないパーティもあるのに
230名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/12(日) 01:05:02 ID:qSqly90b
スカルドラゴン、俺が今書いてるシャドウ&リルム編で出したいのだが、良いか?
231名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/12(日) 01:17:23 ID:gGxKf6t4
>>230
いんじゃない?
とりあえずクラウド編うpする
232クラウド編:2005/06/12(日) 01:18:47 ID:gGxKf6t4
闘技場で激しくぶつかり合う剣と剣
ジークフリードには、さっきまでのようにいちいち喋っている余裕はなかった
クラウドの本来の力・・・いや、それ以上の力でジークフリードを追い詰める
スコールの時以上にジークフリードは手こずっていた
しかし、やはりそれでもジークフリードの方がまだ一枚上手である
だが、クラウドはあくまでも冷静だった
無謀過ぎず、慎重過ぎず
「(さっきよりは大分・・・・いや、かなりマシになったな。だが、その程度では私は倒せんよ)」
ジークフリードの斬撃がクラウドの左腕に当たる
「くっ!」
通過点に過ぎないはずのジークフリード
しかしその壁はあまりにも高い
「勝負あったな」
「・・・まだだ」
だが、左腕が痛み、満足に剣を持つこともできない


・・・セフィロス・・・?
ジークフリードが遠く感じる
そのジークフリードの更に遥か後方にセフィロスを見た
これが、今の俺とジークフリードとセフィロスの力の差か・・・?
笑っている・・・誰よりも冷たい目でこっちを見て笑っている
どこまで俺を弄ぶつもりだ・・・?
力の差があるというのなら、強くなってやる
ごく単純なことだ・・・・貴様を倒すには、貴様より強くなればいい
倒してやる・・・・貴様だけは、絶対に俺の手で・・・・・・・!!
233クラウド編:2005/06/12(日) 01:19:29 ID:gGxKf6t4
「どけ・・・」
「ん?」
突然発したクラウドの言葉の意味をジークフリードは理解できない
「あんたがそこに立っていると、セフィロスの所に辿りつけないんだ・・・そこをどけ」
アルテマウェポンの輝きが、今までで最も強くなった
同時に、クラウドの体を纏う闘気もかつてないほど強くなった
「・・・・ふっ ならば力ずくで通るがいい」
「はあああああ!!!」
クラウドは走る
ジークフリードに向かってではなく、その先に見えるセフィロスに向かって
クラウドの剣撃がジークフリードを襲う
「甘い!」
ジークフリードはクラウドの剣を受け流そうと構えを取る
しかし・・・
「なに!?」
ジークフリードの目に映ったのは、無数の剣閃
視界の全てが剣閃で覆われた
「(これが・・・究極の剣技・・・超究武神破斬・・・か)」
その剣閃に思わず見とれるジークフリード
そして全ての剣撃がその体に斬り込まれた
血を噴き出しながら宙を舞うジークフリードの体
「勝っ・・・・た・・・・」
クラウドはその瞬間、勝利を確信した



「・・・・惜しかったな」



「!!?」
234クラウド編:2005/06/12(日) 01:20:04 ID:gGxKf6t4
クラウドはハッと顔を上げた
その時、クラウドの腹から胸にかけて激痛が走った
「がはっ・・・!」
クラウドから全身の力が抜け、その場にうつ伏せに倒れ込む
『クラウド選手ダウンです!10カウント以内に立てなければ敗北が決定してしまいます!』
その必要はなかった
もう、クラウドに立ちあがる力はなかった
「(セフィロス・・・・やはり俺には遠すぎるのか・・・?)」
朦朧とする意識の中、セフィロスを見る
しかし、もうセフィロスは見えない所まで離れていた
『8・・・9・・・10!!10カウントダウン!ジークフリード選手の勝利でーーーす!!!』

観客がクラウドの大健闘に大歓声をあげる
マッシュ達も、クラウドの敗北を残念がりながらも、ジークフリード・クラウド両者に拍手を送る
そしてジークフリードは・・・
「・・・・・ケアル!」
クラウドから痛みがわずかに引いた
「すまんな、回復魔法は専門外なんだ。この程度の魔法しかかけられないが、立てるか?」
「・・・・ああ・・」
クラウドは腹を押さえながらゆっくりと立ち上がる
「・・・・やはり、そう上手くはいかないな」
「そうだな・・・だが、いい線いってたよ。君の左腕が万全の状態だったなら、あれで私の負けだっただろうな」
「負けは負けさ。言い訳するつもりはない。全てにおいてあんたが上回っていた」
うつむきながら話すクラウドに、ジークフリードはある提案を思いついた
235クラウド編:2005/06/12(日) 01:22:07 ID:gGxKf6t4
「・・・・なんなら、勝てるまで私に挑むか?私を倒せない限り、セフィロスも倒せないんだからな」
「しかし、挑戦権は一度きりだぞ」
「コロシアムで戦えるのはこれっきりだが、外で戦う分には自由さ。どうするかね?」
「・・・・いいだろう。いろいろとすまない」
「礼には及ばんさ。私の都合も入っているからな」
「あんたは・・・・何のために強くなったんだ?誰かを倒すため・・・それとも、何かを守るため、か?」
「どちらでもないさ。今は、希望を失った人々に少しでも楽しんでもらうために、コロシアムで戦い続けるだけの身さ」
「・・・・」

そしてクラウドは医務室へと戻った
中から話し声が聞こえる・・・・それも聞き覚えのある声が
ドアを開けると、そこにいたのは・・・
「クラウド!」
「お、お前たち・・・何故ここに?」
マッシュ達が、クラウドがここに来るだろうと思い、待ち伏せしていたのだった
そしてお互いにこれまでの経緯を話した
「クラウド、お前も俺たちと来いよ。仲間を探して、ケフカをぶちのめしてやろうぜ!」
「いや、それはできない。少なくとも、今はまだ・・・」
「どうして?」
エアリスが不安そうな表情でクラウドに問いかける
「今の俺では、セフィロスを倒すことはできない。ここで力をつけてからだ」
「セフィロスもわかるけどよ・・・・でも、今はケフカと三闘神を倒すのが先決だぜ」
「三闘神の一人はセフィロスだ」
「!!」
236クラウド編:2005/06/12(日) 01:22:58 ID:gGxKf6t4
その言葉に驚く一同
「魔大陸で見た三闘神の像、あの時はまさかと思ったが、間違いない。あれはセフィロスだった
  どういうことなのかは分からないが、とにかく三闘神と戦うということはセフィロスと戦うということだ
  仲間を一通り見つけたら迎えに来てくれ。それまで俺はここで修行する」
クラウドの真剣な目を見て、マッシュはため息を吐きながらもそれに納得した
「わかったよ。じゃあ、また来るぜ。それまで勝手にどこか行ったりするなよ」
「ああ、そのつもりだ」
そして部屋を出ようとするマッシュ達だが・・・
「おい、エアリス。行くぞ?」
エアリスがベッドに座ったままだった
そして何かを決心したかのようにエアリスが口を開く
「・・・・あの、私もここに残っていいですか?」
「エアリス?」
思いも寄らなかったエアリスの言葉
クラウドが驚くのも無理はない
「クラウドのそばにいてあげたいの。あなたは何もかも一人で抱え込みすぎだわ
  それに無茶もしすぎ。そばにいないと、心配でしょうがないのよ」
「エアリス・・・」
少し迷ったマッシュだが、ここまで言われて駄目というわけにもいかなかった
「わかったわかった。じゃあ俺ら3人だけで仲間探しに行くぜ。クラウドのこと、頼んだぜエアリス」
「お姉ちゃん、元気でクポ」
「ウー!」
「はい、みんなも頑張ってね」
そしてマッシュとモグとウーマロはエアリスを置いて、コロシアムを出て行った

「・・・いろいろ心配かけたようだな」
「いいのよ。何か辛いことがあったら、いつでも私に言ってね。力になれるかもしれないから」
クラウドはここで、まずはジークフリードを超えることを目標に、コロシアムで一から鍛えなおすことにした
そんなクラウドを、エアリスはただただ見守るのだった
237シャドウ&リルム編:2005/06/12(日) 01:54:37 ID:qSqly90b
決まりだね、とリルムはウィンクをし、

「エリス、あたしこの辺りを散歩したいんだけど、案内してくれない?」
「うん!」
仲良く寄り添って家を出て行くリルムとエリスをシャドウは出された紅茶片手に眺めていた。

食べ損ねたクレープをエリスと食べて、画材屋でいろいろな話をして。共通の趣味を持っているだけあり、二人の話は途切れる事がなかった。

「ねぇ、エリスが今一番描きたいものってなぁに?」
「えっ?そうねぇ…」
彼女はちょっと考える仕草を見せてから、やがてにっこり笑い、答えた。

「風景画、かな」
「風景画?」
「普通の風景画じゃないの。ほら、あの山」
エリスが指差す先には、一見何の変哲もない山があった。

「龍神さまが住んでるって言われてるのよ。あそこから見える流星群はとても綺麗なんですって」

リルムの頭の中に、一面の星空と、そこを幾重にも流れていく流れ星が浮かび上がる。

絵描きとしては、身震いするほど魅力的な光景だった。

「…!あたしもそこ、行ってみたい!」
「ちょっ、それは駄目よ!あそこはいま魔物が住み着いてしまって…とても人が行けるような場所じゃないわ」
238シャドウ&リルム編:2005/06/12(日) 01:55:53 ID:qSqly90b
「大丈夫!あたし、結構強いんだから!それにシャドウもいるしね」


「駄目だ」
一蹴。
「なんでよー!」
納得いかないという感情を全身でアピールするリルムに、シャドウは素っ気ない口振りで淡々と答える。

「魔物がわんさかいる場所にわざわざ出向くなんて、正気の沙汰じゃないだろうが。お前、死にたいのか?」
「うっ…」
的を射た発言に、リルムはつい押し黙ってしまう。

「でもぉ」
「でもも案山子もない。たかが絵を描くためにだな―――」
「ちょっと待ちなさいよ!“たかが”って何さ、“たかが”って!」

今のは彼女の絵描きとしてのプライドに触れたらしい。あどけない顔を精一杯怒りにしかめながら、お決まりの常套句を吐くように叫ぶ。

「あんまり馬鹿にしてると、似顔絵描くぞ!」
…効果、なし。
「とにかく、だ。その山に行くのは俺が許さない。分かったな?」
平坦だが、強い口調。まるで父親にでも諭されているかのようだ。リルムはしばし俯く。やがて顔を上げると、仕方ないと言うように息をついた。

「わかったよ…。確かにあんたの言う通りだもんね」
それだけ言って、彼女はエリスをともなって階段を登っていった。上にたくさん画集があるとエリスが話していたから、それを見に行くのだろう。
239シャドウ&リルム編:2005/06/12(日) 01:57:56 ID:qSqly90b
小さな後ろ姿を見送りながら、シャドウは止めていた忍具の手入れを再開する。

――彼はひとつ、誤算をしていた。
あの頑固な少女が、そう簡単に諦めるような性根ではないことを―――。

夜も更けた頃、エリスは肩を優しく揺すられる僅かな感覚で目を覚ました。

ゆるゆると瞼を開けると、ぼんやりとうつろな視界に今日出会ったばかりの少女。
「リルム…?」
「しーっ」

人差し指を口許に当て、彼女はにこにこと笑っていた。――これからイタズラでも仕掛ける子供のように。

はい、と差し出されたのはエリスの服と靴、それにスケッチに使う画材の入った布の鞄だった。

「山に行こう。今日は星もいっぱい出てるし!」
「でも…」
「安心してよ。シャドウなんかいなくたって、あたしが魔物の三匹や四匹、ちょちょいっと倒してあげるから!」

エリスがもう少し大人であったなら今の時点で危険を察して駄目と言っていたかもしれない。しかし、彼女はまだ幼すぎた。魔物の恐ろしさより、絵を描きたいという欲求の方が勝ってしまったのだ。
「…うん!」
頷いて、服と鞄を受け取る。数分後には山へ行く為の準備はすべて整い、二人は開けられた窓から外へ出た。
誰もいない、真っ暗な町中。

子供心に高揚感を煽るその光景の中を、リルムとエリスは進む。
暗闇に、エリスの赤いリボンがはためいた。
240名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/12(日) 02:03:11 ID:qSqly90b
続きは後で投下します。遅筆すまん…
241名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/12(日) 09:38:27 ID:sxckFQn8
エドガーパーティーがクラウドと合流するのは?
そうすれば多少コロシアムに立ち寄って更にはマッシュ他と合流できそうだけど
242名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/12(日) 10:06:48 ID:/uFAvhPi
もちろんシャドウは後から追ってくるよな?サマサみたいに、
・・・そういえばインターセプターはどうしたんだ?
243名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/12(日) 11:30:33 ID:Z3/Sksdb
>>229 エドガー達だけじゃなくてマッシュ達も合流させて倒したらちょうどいいんじゃないか?

>>236 乙。ジークフリードがこんなに強かったなんて知らなかった。
244名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/12(日) 13:46:43 ID:ubDGsUnI
>241
エドガー達がコロシアムに行く意味はないよ
マッシュ達はもうコロシアムから出ちゃったし、クラウドはまだ参入できないし
マッシュ達と合流するのはいいと思うけど

>242
インターセプターは最初からいない
いても書きにくくなるだけだし
てか最初の一文の意味がよくわからんのだが
245シャドウ&リルム編:2005/06/12(日) 14:52:09 ID:qSqly90b
世界崩壊で亡くなった両親がお守りとしてくれたというそのリボンは、今や彼女の宝物であることをリルムは昼間に聞いた。

それを語ってくれた時の笑顔だがどこか悲しげな色が混じったエリスの顔が思い出されて、全ての張本人たるケフカへの憤りはリルムの中でますます膨れ上がって行くばかりであったが、今はそれと同じぐらいシャドウに対しての怒りも大きくなっていった。


『お前はまだ子供なんだ』

その言葉が、さっきからずっと頭の中でリピートされている。

不快だ。本当のことだからますます不快だ。「(ふんだ―――)」
身体の底がムカムカする。自分だって一端に戦っているつもりだ。自分が子供なのは確かだが、それだけで弱いと一方的に決め付けるなとシャドウに言ってやりたかった。

気がつくと、山の麓が目の前に。
「ここだね?」
「そうだよ」

実質何の意味もない“立ち入り禁止”のロープをくぐり、ふたりは山を登り始める。
地図もコンパスもあるし、何よりリルムには転移呪文があった。準備にぬかりはない。

鬱蒼とした山道を、懐中電灯の明かりだけを頼りに進む。
「おばけでも出そうな雰囲気だよね…」
「出たらどーする?」「やめてよ〜」
246シャドウ&リルム編:2005/06/12(日) 14:53:02 ID:qSqly90b

小突き合いながら歩く。歩き始めて五分ほど経った頃、それは唐突に訪れた。

ガサリ
ガサリ ガサリ

空気がはっきりと分かるほどに変化を遂げる。
近くの木陰からだ。ひとつ、ふたつ…みっつ。

次の瞬間、絶妙なタイミングで木陰から魔物がその姿を現した。
目をギラギラと光らせた魔物は、じりじりとリルムとエリスの元へと詰めより―――

「エリス!あたしから離れちゃ、ダメだよ!」
次いで、リルムの掌に青白い閃光が生じる。「サンダラ!」
雷は正確に魔物の身体を貫き、絶命させた。
残された一匹が合図のように飛び掛かってくるのをリルムは冷静に見つめ、不意に持っていたスケッチブックを向ける。

そこに描かれていたのは、眼前の魔物の姿―――。
ぐにゃり、と空間が歪む。

スケッチブックから具現化し、飛びだした魔物は、向かってくる魔物に噛み付き、あっと言う間に動かなくさせる。
「…すごい」
消滅してゆく“スケッチブックの魔物”を呆然と眺めていたエリスの唇から自然と言葉が漏れていた。―――あまりにも、鮮やかである。
247シャドウ&リルム編:2005/06/12(日) 14:54:39 ID:qSqly90b
「どお?」
振り返ったリルムの顔は、得意気であった。

「―――――」
前触れもなく、シャドウは覚醒する。
…何か、よくないものの気配を感じたのだ。直感的に“よくないもの”の根源に思い当たり、彼は早足で、しかし静かに自室を出る。隣室の、エリスとリルムが寝ている部屋のノブに手を掛けた。

ガチャリ

ドアを開けたシャドウの忍装束を、開放された窓から侵入してくる涼やかな夜風が煽る。
―――案の定、二人のベッドはもぬけの殻であった。

「―――っつ!あの馬鹿が!」
どこに行ったか、というのは当に分かっている。あの二人が向かう場所はひとつだ。早くしなくては、間に合わない。
魔物が大量発生する陰には必ずと言っていいほど強大な力を持った親玉の存在があるのだ。

身体のどこかで反射的な感情が働く。シャドウは山から臨める山を睨みながら、窓の外へと身を躍らせた。


頂上につく道程は意外とたやすいものであった。あれから何度も魔物の襲撃があったが、リルムによっていずれも事無きを得ている。星に照らされる、山の頂。リルムもエリスも高鳴る胸を抑えて、徐徐に距離を縮めて行く。

ゆっくり、
ゆっくり、
…………?

何かが、おかしい。
248シャドウ&リルム編:2005/06/12(日) 14:58:30 ID:qSqly90b
異変に気付いたのはリルムだった。
山頂に、何かがいる。静謐なこの場にそぐわない、禍々しい何かが。
闇を切り取ったかのような大きな影。
人外の存在であることは容易に想像がつく。これは…。

「竜……!」
それも普通の竜ではない。一言で言うならば、その身体は“骨”であった。毒々しい緑色の骨は殺意で研ぎ澄まされ、吐き気を催すような腐敗臭が目眩がするほど辺りに満ちている。

「りゅ、龍神さま…?」
違う、違う、これは―――
「龍神さまなんかじゃないよ、エリス!これは、これはバケモノだよっ!」

あるはずの無い声帯から咆哮があがり、大気が震えた。空洞となった口から粘液のようなものが吐き出され、リルムは思わず口を押さえる。
粘液を浴びせられた下草はみるみるうちに変色し、やがて枯れ草としてその身を晒した。
「(――毒!?)」
あんなものをくらったらひとたまりもない。そう思う間にも二発目が、来る。

怯え切ったエリスの手を引き、リルムはすかさず魔法の詠唱を始めた。
が、エリスを守りながら詠唱に集中はできず、目茶苦茶となった魔法の構成はただの残滓として空気中に霧散する。
249シャドウ&リルム編:2005/06/12(日) 15:23:56 ID:qSqly90b
圧倒的な、恐怖。
竜が長い尾を振るった。リルム達を狙ったものではなかったが、その風圧はふたりを吹っ飛ばすには十分で。

「エリス!」
リルムとエリスを繋いでいた手が離れる。竜は紅く輝く眼をリルムへ向け、一歩一歩、こちらへとやってくる。
「なんで、どうして、魔法が―――!サンダラ!ブリザガ!なんでもいいから出てよ、サンダガ!」
完全にパニックを起こした彼女の精神はもはや魔法を放つどころではなかった。

鋭い尾が自分を貫くのを見ないうちに、彼女はきつく瞳を閉じた。――――その時。

身体を横から突き飛ばされた。目を開けたリルムの視界に、赤いリボン。
「エリスーーっ!」
吹き飛ばされたエリスはピクリとも動かなかった。
リルムが駆け寄り身体を揺するが、彼女はぐったりとしたまま。

「そ…んな…」
地面に膝をつく。大粒の涙が、溢れた。

自分が山に行こうと言い出さなければ。

自分がもっと強ければ。

「(シャドウ――)」彼は正しかったのだ。「(あたし…馬鹿だよ…)」
とどめを刺すべく距離を詰めてくる竜が、リルムの目には映っていた。

もう、何も出来ない。シャドウの顔が思い出される。

―――お願い…

―――シャドウ、助けて――――
250名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/12(日) 15:26:06 ID:qSqly90b
完結間近。夜には最後を投下しますので、気長に待っててくれ…!
251名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/12(日) 15:28:14 ID:Ni9GLD05
滅茶苦茶期待してます。
八竜遭遇前のリルムの心境やなんかは
かなり「らしい」よね。
252名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/12(日) 21:20:26 ID:gGxKf6t4
おk
ロック編が停滞してるから書くわ
253名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/12(日) 22:21:24 ID:/uFAvhPi
いまさらいうのもなんだがフィガロ停滞の原因が八竜ってのも面白いかも・・・
254ロック編:2005/06/12(日) 23:30:03 ID:gGxKf6t4
フェニックスの洞窟に入ってから3時間
最深層まであとわずかである

スコールにはずっと気になっていたことがあった
他人の事にはあまり干渉しない彼にしては珍しいが、とりあえずロックに聞いてみた
「なあロック、あんたフェニックスの魔石を手に入れてどうするつもりだ?トレジャーハンターとして、ただ単にお宝を手に入れたいだけか?」
「え?いや、そんなんじゃねえよ・・・・別の、ことだ」
いつもベチャクチャと話すロックにしては珍しく歯切れ悪く返答する
「・・・・まあ、話したくないのなら別にいい。無理にでも聞きたいわけじゃないからな」
「いや、聞いてくれ。ここまで協力してくれたお前には知る権利がある」
「わいのこと、また忘れてへんやろな?」
2人の間からヌッと顔を出すオルトロス
あの時、氷付けになったまま放置されたことをまだ根に持ってるようだ
「わ、忘れてねえよ。結論から言うと・・・・・・恋人を生き返らせるためだ」
「なるほど。まあ、単純な理由だな」
恋人のことを思い出すかのように、しばらく目を瞑り黙るロック
そして再び話し始めた
「俺はあの時、あいつを守ってやれなかった・・・・全部俺のせいなんだ」
255ロック編:2005/06/12(日) 23:30:31 ID:gGxKf6t4
恋人の名は、レイチェル
ミシディアという街で見かけた、どこにでもいるような普通の娘だった
俺はそいつに一目惚れした
特別美人というわけでもない、ごく普通の娘だったのに、何故か魅かれた
心の底から俺の女にしてやりたいと思った

酒場でバイトをしていたレイチェルを待ち伏せて告白した
当然、見知らぬ男にいきなり告白されてOKするような馬鹿な女じゃなかった
むしろそんな女だったら、向こうがOKでも俺はNGだ
だが、それでますます好きになった

その後も酒場に通い続け、猛アタックをした
次第に俺の熱意が通じたのか、レイチェルは折れた
何回告白したかなんて覚えてない

付き合い始めてからも、特別変わったことはしなかった
一緒に飯食ったり、演劇等を見たり、手繋いで散歩したり
恋人同士として当然のことだけをしてきた
だが、それでも俺は幸せだった
レイチェルの目を見るだけで、心の中の闇が全て洗い流される気がした
俺があまりにしつこいから仕方なく付き合ったかのようなレイチェルだったが、それも次第に変わっていった

だが俺はトレジャーハンターだ
いつまでも同じ街に留まるわけにはいかない
恋人とトレジャーハントとどっちが大事なんだ、と聞かれると、どっちも捨てられない
俺はそういう人間だった
俺はどっちも欲しかった
256ロック編:2005/06/12(日) 23:31:02 ID:gGxKf6t4
ダメ元でレイチェルに言ってみた
「俺と一緒に来ないか?」
レイチェルの返答はYESだった
それも何の迷いもなく、あっさりと
俺と一緒に来るという意味を分かっているのかと心配したが、その必要はなかった

「もう、あなた無しでは生きられない・・・・・」

その言葉が嬉しかった
当然レイチェルの両親は猛反対した
しかしレイチェルはそんな親の言う事にも耳を貸さず、俺と共に自分が生まれ育ったミシディアを出た
一言でいえば、駆け落ちだ

当たり前だが、レイチェルはトレジャーハントに関しては素人だった
お宝を手に入れる頃にはもうバテバテで、帰りは俺がおぶさるなんて事はしょっちゅうだった
だが元々運動神経のいいレイチェルは、早いうちに慣れ始め、俺がちょっと急いだくらいでは置いてけぼりになることはなくなった

付き合い始めてから3年
俺たちは結婚を意識し始めた
プロポーズするには、やはり指輪が必要だ
婚約指輪を買うぐらいの金の余裕はあった
だが、トレジャーハンターなら指輪に入れる宝石も自分で手に入れてこそだ

ナルシェで古い文献を調べた
ミシディアの近くの山にある洞窟内部で、七色に輝く宝石があるらしい
もちろんそんな事を知って黙ってる俺じゃない
俺はその宝石を、俺たちの婚約指輪に使おうと決心した
もちろん、驚かせるためにレイチェルには内緒だ
257ロック編:2005/06/12(日) 23:33:08 ID:Ccga4C//
俺はレイチェルを連れて、ミシディア地方へと向かった
ミシディアの近くにあったから、そこの宿屋に寄っていった
3年ぶりの生まれ故郷だったが、レイチェルは両親に顔を見せることはなかった

翌日、俺たちはその山へと向かった
険しい山道だったが、俺はもちろん、レイチェルも危なげなく登ってこれた
「ねえロック、今回は何を手に入れるの?」

今までは、事前に必ず何を狙ってトレジャーハントをするのかをレイチェルに話してから行っていた
しかし今回は何も言わずここへと来た
レイチェルの疑問は当然のことだが、言ってしまっては喜びが半減する
「へへっ 見てからのお楽しみってことで」
俺はそう言って適当にごまかした
「え〜、何よ。気になるな〜」

俺は早くその宝石をレイチェルに見せてやりたかった
自然と足も速まる
このぐらいならレイチェルもついてこれるだろうと思った
しかし、これが俺の最大の誤算だった

「ねえ、ちょっと待ってよ。速いって」
俺に置いていかれないように急ぐレイチェルは、足場が悪い道にも関わらず、足元の確認を怠った

「キャア!」
「ん?・・・・!! レイチェル!!!!」
足を踏み外したレイチェルの華奢な体は、岩壁に叩きつけられながら落ちていった
やがて平面になっている所に落ちて止まったが、レイチェルはピクリとも動かない
258ロック編:2005/06/12(日) 23:33:29 ID:Ccga4C//
一体何故こんなことになってしまったのか
そんなこと、誰がどう考えてもわかりきってることだ
だが、その時の俺は何が何だかわからなくなっていた

全身から血を流しているレイチェルを抱きかかえ、ミシディアの病院へと走った
話を聞きつけたレイチェルの両親が病室に来た
娘の痛々しい姿にショックを受けながら、俺に対して怒りの視線を向けた
だが俺にとってそんなことはどうでもよかった
レイチェルに助かってほしい・・・・ただそれだけを願い続けた

治療が始まってから何時間が経過したか
奇跡的にもレイチェルは一命を取り留めた
それだけでなく、意識も回復した
俺はこの時ほど、信じてもいなかった神に感謝したことはない
「レイチェル!よかった・・・・本当によかった・・・・」
俺はレイチェルの手を握り締め、嬉し涙を流した

しかし、その嬉しさは、次に発せられたレイチェルの言葉で一気に崩れ去った
「・・・・・あなた、誰・・・?」
「えっ・・・?」

医者の話によると、レイチェルは崖から落ちた時に頭を強く打って記憶を失くしてしまったらしい
自分の名前も、両親のことも、俺との思い出も・・・・全て

怪我は完治したが、記憶は戻らなかった
退院して自分の家に戻ったレイチェルを、俺は何度も訪ねた
しかし、レイチェルの両親がそれを許さなかった
俺は何度も殴られた

そして何度目かの訪問で、レイチェルは退院後に初めて俺の前に姿を見せた
そんなに日にちは経っていないのに、何か懐かしい気がした
しかし、レイチェルは思いも寄らないことを言った
259ロック編:2005/06/12(日) 23:33:47 ID:Ccga4C//
「帰って・・・・。あなたが誰なのか知らないけど、あなたが来るとお父さんもお母さんも辛い顔をするの
 私の記憶がなくなったのもあなたのせいだって聞いた。・・・・・悪いけど、何も話すことはないわ」

それだけ言ってレイチェルは玄関の扉を閉めた
俺は絶望した
レイチェルにとって、俺はもう赤の他人でしかなかった

俺はもう、レイチェルから離れるしかなかった
記憶を失くしたレイチェルは、これから新たな人生を歩むことになる
俺がそばにいたら、それすらもできないのだ

それから2年
俺が砂漠を歩いていた時、一人の女性が倒れていた
その女性は、フィガロという国の召使いらしい
サウスフィガロに買出しに行った後、砂漠で迷ってしまったらしい

俺は女性を助け、フィガロまで送ってやった
そこで俺はエドガーという国王にあった
「私の大事な召使いを助けてくれたと聞いた。心から感謝するぞ。君は冒険者かい?」
その後しばらく話しているうちに妙に気が合った
トレジャーハンターの俺と国王のエドガーの気が合うとは、不思議な話だった

その後俺はエドガーの紹介で、リターナーという反帝国組織へと入った
大勢の仲間と共に一つの目標に向かって一致団結するということは、悪くないことだった
気が紛れた
レイチェルを忘れることができる気がした
260ロック編:2005/06/12(日) 23:34:51 ID:qk5+wcXW
そして更に4年が経った
リターナー本部で仲間達とトランプして暇つぶしをしている時、事件が起きた
慌てた様子でリターナー兵が部屋に入ってきた
「大変だ!リターナー支部で対帝国用の兵器を造っている事が帝国に漏れた!帝国の大軍がそこに向かっているらしい!!」
帝国の兵器を造っていた支部・・・・どこだったか
リターナーの支部は世界各地に点在しているため、一つ一つを把握していなかった

「兵器を造っている支部がある所っていったら・・・・・ミシディアだっけか?」
「!!!」
俺の心臓の鼓動が急に早まった

忘れかけてた恋人の顔が俺の頭をよぎる
もう関わることはないだろうと思っていた
レイチェルのことは忘れ、お互いに違う人生を歩んでいこうと心に決めた
それなのに・・・・

「おい!みんな早く準備しろ!ミシディアに急ぐぞ!!」
「あ、ああ・・・」
他の仲間は俺の声に少し驚いていたようだった
ミシディアと俺の繋がりなんて、他の仲間は知らないんだから当然だ

ミシディアについた俺たちは、その無残な光景を目にした
女子供問わず、路上に倒れている何の罪も無いミシディアの人々、燃え盛る家々、そこら中から響き渡る悲鳴
「とにかく、リターナー支部に行くぞ!・・・・っておい!どこへ行くロック!!」
リーダーの言葉にも耳を貸さず、俺は一人レイチェルの家へと走った
261ロック編:2005/06/12(日) 23:35:19 ID:qk5+wcXW
レイチェル・・・・レイチェル・・・・レイチェル・・・・
俺の頭にはそのことしかなかった
レイチェルにとって俺はもう他人だ
だが、俺にとっても他人か?
違う!!
記憶をなくそうがどうなろうが、レイチェルは俺が世界でたった一人、最も愛した女だ!

帝国兵をなぎ倒しながら俺は走った
そしてレイチェルの家の前に辿りついた
その家は、他の家同様燃え盛っていた
玄関のドアを開ける
すぐそこに、レイチェルの両親の死体が転がっていた
二階に上がり、レイチェルを探す

レイチェルの家に来たことはなかったが、俺の勘がレイチェルは二階にいると告げた
そして、一つの部屋のドアを開けた
「・・・・・・レイチェル!!」
レイチェルは床に倒れていた
まだ息はある
俺は窓を突き破って燃える部屋から脱出した

「レイチェル!目を開けてくれレイチェル!!」
・・・・・・・・・・
!!
レイチェルの目がうっすらと開き始めた
俺は希望を見たが、その希望はすぐにまた絶望に変わるとは思っていなかった
レイチェルの命の灯火は、間もなく消えようとしていた
262ロック編:2005/06/12(日) 23:37:25 ID:qk5+wcXW
「・・・・・・・・・ロッ・・・ク・・・?」
「!! レイチェル!記憶が戻ったのか!?」
「ロック・・・・最後に会えて・・・・よかった・・・・」
「最後だなんていうな!俺が絶対に助けてやる!」
「ロック・・・・・私・・・・・・・・」
「・・・・レイチェル?レイチェルーーーー!!!」

レイチェルが何を言おうとしたのかは分からない
だが、その言葉は紡がれることなく、レイチェルの命は尽きた

ミシディアの街は壊滅した
帝国軍を全滅させたリターナーは、俺の元へと集まってきた
「ロック。何だ?その娘は。知り合いか?」
「・・・・・」
俺には答える気力すらなかった

その時、妙なジジイが俺に話しかけてきた
そのジジイは、ミシディアの近くにあるコーリンゲンに住む死体愛好家のようだ
話し方といい仕草といい、変人なのは誰が見ても明らかだった

そいつは、レイチェルを生き返らせる方法があると言った
だが、それを教えるには自分にレイチェルの遺体を預からせろと条件を出してきた

あの時の俺はどうかしてた
何にすがってでも、レイチェルの笑顔がもう一度見たい、レイチェルともう一度話したいと思った
俺は条件を飲んで、その方法を教えてもらった・・・・・
263ロック編:2005/06/12(日) 23:38:43 ID:qk5+wcXW
ロックの話が終わり、しばしの沈黙が流れた後、スコールが口を開いた
「それが、フェニックスの魔石か・・・・」
「ああ・・・・そいつの言葉だけじゃ信じられないから、自分でいろいろ調べてみた。どうやらでたらめではないらしい
 ・・・・俺がレイチェルを連れ出さなければ・・・俺が山道で急がなければ・・・俺がレイチェルのそばを離れなければ・・・・」
後悔の念が再びロックを襲う
こんな時、どんな言葉をかけてやればいいのか、スコールにはわからなかった
ただ、黙って歩いていた
それに対しオルトロスは
「く〜〜!泣かせる話やないか!こうなったら、わいもとことん付き合うで!」
「・・・・サンキュ」
デリカシーのないオルトロスの言葉も、ロックには励ましと取れたようだ

そして、3人はついに最深層へと辿りついた
その奥には、一粒の光が見える
それが、ロックが捜し求めていたフェニックスの魔石である・・・・
264名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/12(日) 23:40:23 ID:qk5+wcXW
長々と書いておいて話自体はまったく進んでないな・・・スマソ
まあ、続きはまた今度書きますわ
265名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/12(日) 23:43:11 ID:BkfFfJ7K
乙カレー。
けど結局このスレでもロックは死体愛好家のままか
それとも、最後にどんでん返しがあるのか
266名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/12(日) 23:50:14 ID:ubDGsUnI
超乙…あんたすごいよ
267名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 00:04:03 ID:9KJWZa0O
乙・・・最高!!!
268名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 01:16:54 ID:pgdP2Gzw
全米が泣いた…

乙!
269名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 18:20:33 ID:9KJWZa0O
まとめたいんだけど、いまいち流れがわからない。だれかまとめてm(_ _)m
270シャドウ&リルム編:2005/06/13(月) 21:49:00 ID:kuIOPXww
何もかもが聞こえなくなった無音の世界。
目の前には竜の牙。
全てが終わろうとした刹那――――

小さな小さな物音が、リルムの耳に飛び込んでくる。
そして。

骨だけで構成された竜の身体が突如発生した波によって押しやられる。

リルムの目にしっかりと焼き付いた、その姿。
黒い忍装束を身に纏ったその男は、リルム達の前に立つと、たった一言こう言った。

「――――ぶじか」
「シャ…ドウ」

彼の姿を見ただけで、気持ちが落ち着きを取り戻し、心の中を浸食していた絶望が引いていくのがわかる。

「……スカルドラゴンだな。伝説上の生物だと思っていたが…」
「スカル…ドラゴン?」

「伝説に伝わる八竜のうちの一匹だ。聞いたことがないか?」

該当する記憶はなかったが、今はそれどころではない。リルムは震える足でなんとか立ち上がると、エリスを手近な木陰に寄り掛からせ、しっかりとその小さな手を握り締めた。
「………絶対、助けてあげるから」

確固たる意思を込め、彼女は起き上がりはじめたスカルドラゴンをぐっとねめつける。
271シャドウ&リルム編:2005/06/13(月) 21:49:49 ID:kuIOPXww

「落ち着けよ」
軽く頭を撫でられる。シャドウがこんなことをするとは意外だったが、不思議と波立っていた感情がおさまっていった。

「あいつは皮膚は無いが骨に痛覚があるらしい。打撃は十分利く。…行くぞ」
「うん!」

シャドウが忍刀を構え、リルムが魔法の詠唱態勢に入る。
一気に間合いを詰め、シャドウはスカルドラゴンの頭蓋に切りかかった。

そこから距離をおいた所でリルムが魔法を唱える。精神の落ち着いた今ならば確実にスカルドラゴンに当てる自身があったのだ。

「ファイラ!」
周りの空気を焦がしながら炎弾がスカルドラゴンに殺到する。その全てが命中し、スカルドラゴンは苦しげな叫び声をあげた。どうやら炎が弱点のようである。だとすればもうこちらのものだ。

彼女は再度意識を魔法の詠唱にのみ集中させた。


シャドウは巧みな動きで相手を翻弄し、順調に攻撃を重ねている。リルムの援護もあり、戦況はこちらに傾いたかと思われたのだが―――

ふいにスカルドラゴンが標的を変えた。即ち、後方で魔法を唱えているリルムに。

腐臭がいっそう強くなった。これがあの有毒性の粘液を出す時の合図だということをここ数分でシャドウは学んでいる。
272シャドウ&リルム編:2005/06/13(月) 21:53:29 ID:kuIOPXww
―――まさか。

リルムは一心不乱に魔法の詠唱を続けている。
はたから見れば恰好の標的であった。

「逃げろ!」
言うが早いがシャドウはリルムの方へ猛然と駆け出しており、その身体を抱きすくめて飛びすさっていた。

「―――シャドウ!?」
彼女を地面に降ろすと同時、熱っぽい痛みが腕をはしり、シャドウは呻いてその場に座り込んでしまった。

リルムが慌てて彼の右腕を見ると、粘液で溶けた忍装束から見える肌がどす黒く染まっていた。あの粘液がシャドウの肌を腐らせ、壊疽をおこさせていたのである。

「シャドウ…!!!」落ちるのも時間の問題だ。

せめて自分が回復魔法が使えたら…!

自責の念がリルムの胸を鋭く貫いた。
「…リルム」
息も絶え絶えに、シャドウ。
「次で決める。お前は、全魔力をファイガに集中させるんだ」
「でもシャドウの腕が…!」

「そんなことは終わってから考える」
彼は左手で巻き物を取り出して、

「やるぞ」
リルムは一瞬ためらったが、ここでスカルドラゴンを倒さないことにはシャドウの腕は治せない。
リルムは強く頷き、
すっと白い掌に魔力を集中させる。
巻き物を開いたシャドウは、スカルドラゴンに向けて術を発動させるべく精神をなだめた。
273シャドウ&リルム編:2005/06/13(月) 21:55:43 ID:kuIOPXww

腕が今までにない痛みに悲鳴をあげている。けれど、負ける訳にはいかないのだ。

―――リルムを守るために―――


リルムは持てる限りの全ての力を掌に集める。彼女の頭の中には、シャドウとエリス。

守るべき人への思いが、力へと変わる。

「火遁!“炎龍”!」「ファイガ!!」
限界まで高められた力が放たれた。巻き物から炎で造られた龍が飛び出し、リルムの魔法がそれを後押しする。

その姿はまさに―――
エリスは朦朧とする意識の中を彷徨い、唐突に目を覚ました。

刹那、まばゆいばかりの炎が目を眩ませ、エリスの瞳の内で輝く。
雄々しく、美しいその存在は腐敗した空気を燃え付くさんばかりに夜空を駆ける。


……龍神さま……?

エリスの脳内に、今は亡き両親が語ってくれた話が蘇ってきた。

龍神はもともと山に住み着いた邪悪な魔物を倒しに行った勇敢な男達が変化した姿だという。

自分達の大切なものを守ろうとした彼らが今再びここにいる。

ふっ、と。目覚めた時と同じように、エリスの意識は唐突にそこで途切れたのだった。
その頬には、涙が伝っていた。
274シャドウ&リルム編:2005/06/13(月) 21:56:39 ID:kuIOPXww

炎龍はスカルドラゴンの身体に食いつくようにして纏わりつき、火の手をあげさせる。
凄惨かつ幻想的な光景。

苦悶の叫びをあげるスカルドラゴンは燃え盛る炎の中を逃げ惑い、転げ回るが自ら立ち上ぼる炎から逃れる術もなく。

やがてスカルドラゴンの影は動きを止め、崩れた。
あとにはただ、とどまることをしらない炎。
「水遁」
シャドウの声に呼応して、先程スカルドラゴンを襲った波が炎を覆う。
押さえ付けるようではなく、優しく宥めるような水の流れが紅い輝きを鎮めさせ、やがては僅かなくすぶりも残さず消え去った。

黒い大きな焦げ跡が地面には残っていたが、スカルドラゴンの姿はどこにもない。

…終わった。

そう確信すると同時、シャドウは地に膝をついていた。
リルムが悲鳴のような声をあげてそちらに駆け寄る。

「シャドウ!しっかりしてよ!シャドウ!」腕の腐敗するスピードは異常なまでに早かった。今は辛うじて身体に繋がっている状態で、シャドウの身体は全身が炎のように熱い。
「リル…ム…」
良かった。守れた。シャドウの胸中に痛みと安堵が交互に訪れる。
275シャドウ&リルム編:2005/06/13(月) 21:59:12 ID:kuIOPXww
「シャドウ!しっかりしてってばぁ…!」

泣き出しそうなリルムに、シャドウはポケットから取り出した何かをリルムに手渡す。

掌の中で光を放つそれは、魔石。
「ラクシュミを…呼べ。……それで、治るはずだ……お前がそんなんじゃ…俺もエリスも助けられんぞ」

息も絶え絶えの彼から差し出された魔石を、リルムはうっすら涙の滲んだ瞳で受け取った。

精神を集中させ、心に強く願う。
魔石の光が増す。
次の瞬間には、絵に描いたような美女が姿を現していた。

「あなたが…ラクシュミ?」
彼女は何も言わず、美しい微笑みを肯定とした。
金の髪が夜風になびく。
「お願い!シャドウとエリスを…助けて!」どこまでも柔らかく彼女は頷く。
翡翠色の光がふたりに降り注いだ。
シャドウの腕の傷は嘘のように塞がって行き、荒かった呼吸は徐徐に穏やかさを取り戻してゆく。

「う…ん…」
木陰にいたエリスが肩を震わせた。
リルムは急いでそちらにエリスの顔を覗き込み、
「エリス?エリス、大丈夫?」
「リルム……」
透き通るような碧眼がリルムを捕らえ、一泊遅れて安堵の笑みをつくった。
「良かった…無事だったんだね」

「それはこっちの台詞だよ!良かった、良かったぁ…」
ぎゅっとエリスを抱き締めるリルムを見守りながら、シャドウは立ち上がる。腕の神経を蝕むような痛みはもうない。
276シャドウ&リルム編:2005/06/13(月) 22:01:56 ID:kuIOPXww

彼女の元へ歩み寄ると、リルムは我に帰ってうなだれた。

その様子がひどく脆く儚なげで、シャドウは思わずお叱りのための言葉を飲み込んでしまった。

胸中で溜め息をつく。後ろで自分を見ているエリスの目が「許してあげてください」と訴えかけていた。

迷ったあげくに、彼は右手をあげ―――


怒られるだろう。当たり前だ。言いつけを破り、エリスを危険な目に合わせてしまったのだから。そして、シャドウまでも。

歩みよってくるシャドウの顔は伺えないが、確実に怒りで顔をゆがめている。

リルムの前に立った彼が、右手を上げた。
目を閉じたリルムだが――頭にも頬にも、衝撃が来ることはなかった。

かわりに、髪を優しく撫でる暖かな感触。

「――――無事でよかった」
上から降ってきた声。見上げたシャドウの姿が歪む。身体の中から熱いものが込み上げてきて、零れ落ちた。

「あたし…あたしっ…ごめんなさぁい!!」シャドウの腕の中に飛び込んで、胸に顔を埋める。ひどく安堵を感じさせるものがそこにはあった。

シャドウはかなり困惑したようだったが、それでもリルムの背中に腕を回し、頭を撫でてやる。

紺碧の空に埋め込まれた星空が、二人を照らしていた―――
277シャドウ&リルム編:2005/06/13(月) 22:08:13 ID:kuIOPXww
二日後、シャドウとリルムはエリスの家を出た。
「気をつけてね」
家の外で、エリスがリルムに言う。
「うん。全部終わったら、今度こそ山に絵描きに行こうね」
スカルドラゴンを倒した後、山からは魔物は消えていた。

「シャドウさんも、本当にありがとうございました」
「気にするな。これが大人なら報酬でももらうところだが」
こころなし、彼の表情も穏やかだ。

「そうだ、リルム、シャドウさん。これ」
エリスはおもむろにリボンに手を伸ばし、しゅるりと髪を解く。

赤いリボンがリルムの手に置かれた。
「持っていって。お守りよ」
「でもこれは…」

「いいの。大事な人の為ならお父さんとお母さんも賛成するはずだもの」
「エリス…」
「それにこのリボンはスカルドラゴンから私を守ってくれたわ。効果もばつぐんよ?」

リルムはリボンを見つめ、シャドウに二つに切ってくれと頼んだ。ほどなくして二つに別れたリボンはリルムとシャドウの腕に巻かれる。
いつか必ず会うための、誓い。

「さようなら!」
「元気でな」
「お二人も!」
二人の前途を誘うかのように、澄んだ風がひとつ流れる。

自然と、リルムとシャドウの手が繋がれた。言葉はいらない。ただそこにある互いの存在が何よりも安心できた。

希望への光は確実に、二人が歩む道に差している―――
278名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 22:10:26 ID:kuIOPXww
投下終了!あとは他の職人さんにまかせるよ。拙い文章&長々とすまんかった。タークス編も今考えてます。では本当に長い文章に付き合ってくれてありがとう。
279名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 22:20:09 ID:bCzVZmfw
こりゃあ今までで一番の出来じゃないか?
280名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 22:46:18 ID:9KJWZa0O
>>278 いや〜最高だ。乙カレー
281名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 22:54:02 ID:pUS0md5w
これで八竜はあと2匹、
ホーリードラゴン、ブルードラゴンか
狂信者の塔は宝条がいるからともかく、古代城はどうする?
282名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:08:06 ID:jZtYJYT1
飛空艇入手して
仲間集めてる時でよくない?
283名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:17:37 ID:pUS0md5w
いっその事、八竜撃破後、バハムートでも復活してもらおうか?
284名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:22:06 ID:9KJWZa0O
だれかデスゲイズ使う?いなかったら他と比べて弱いらしい鬼神をパワーアップさせようかと
285名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:25:43 ID:jZtYJYT1
どうしようデスゲイズとバルバルシア辺りを組ませようと思ったが
デスゲイズにはバハムートの魔石を組み込んでぱわーうpとか
アレクサンダーとかもこのままじゃ出ない品
286名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:26:02 ID:NYS+n1m+
>>278
乙だけど、何でラクシュミの魔石持ってんの?
魔石になったんじゃなくて絵の中に戻っていったはずだけど・・・まあ細かい事はいっか
287名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:30:21 ID:uaxCTD5i
古代城に八竜がいるってケフカが発言してるから、ブルードラゴンを他の場所に移動させるわけにはいかないからな

ちなみにエドガー達が事件解決してフィガロ浮上する途中に古代城に引っかかるっていう展開には無理がある
城の人達は窒息寸前なのに、そんな所に寄り道するわけにはいかないからな

ブルードラゴンについては一応俺も構想中だけど、無理ぽだったら言うわ
288名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:33:22 ID:kuIOPXww
遅ればせながら>>279>>300ありがとう。めっちゃうれしいよ。
>>286
そうだった…。各自脳内補完しといてくれ。正直すまんかった。
289名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:34:24 ID:kuIOPXww
アンカーミスった!
300じゃなくて>>280へのレスな
290まとめ:2005/06/13(月) 23:35:22 ID:uaxCTD5i
エドガー、ユフィ、セリス、ゴゴ:乗船中。カイナッツォの襲撃にあう

マッシュ、モグ、ウーマロ:仲間を探すためにコロシアムを出る

セッツァー:ダリルの墓へ行くもボスを倒せずコーリンゲンに引き返す

ロック、スコール、オルトロス:フェニックスの魔石ゲトーする直前

シャドウ、リルム:スカルドラゴン撃破。再び旅にでる

ティナ、ガウ、ティファ、カイエン:イエロードラゴン撃破。ドマ城を後にする

クラウド、エアリス:クラウドは修行中。エアリスは保護者

ストラゴス:ルビカンテに操られ、狂信者の塔で放心状態

レノ、ルード、イリーナ:宝条を探すため、オペラからジドールへ

ツォン、ケット・シー、レッド13:ゾゾ
291名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:36:14 ID:9KJWZa0O
>>290 まとめ乙。ようやく流れがわかってきたよ。
292まとめ2:2005/06/13(月) 23:36:51 ID:uaxCTD5i
ケフカ:特に状況は変わらず

三闘神:同上

ザックス:魔神守護

サイファー:女神守護

アルテマバスター:鬼神守護

宝条:ケフカに力を与えてもらい、狂信者の塔の守護

四天王:ルビカンテ→死亡 バルバリシア→ストラゴスをケフカの所へ カイナッツォ→エドガー達の船を襲撃 スカルミリョーネ→ダリルの墓


残りの八竜
ホーリードラゴン(所在地不明。ゲームでは狂信者の塔)、ブルードラゴン (古代城)
293名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:38:35 ID:pUS0md5w
一時期全滅した八竜の魂が集まってダークバハムート、またはティアマトになるって展開を考えちまったんだが・・・
さすがに無理があるな。

コーリンゲンとコロシアム近いからそろそろマッシュたちと合流するかな?
294名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:39:02 ID:9KJWZa0O
バルバルシアをロック達のところへ向かわせてフェニックスの魔石を壊そうとする展開はだめかな?
295名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:40:54 ID:9KJWZa0O
>>293 全部全滅した後にそうなればおもしろそうだ。それでそいつを倒せばライトブリンガーが。
296名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:41:14 ID:kuIOPXww
タークスのオリジナル話、ジドールのオークション絡みで考えてるんだが。そこでデスゲイズ出していいか?
297名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:41:24 ID:uaxCTD5i
>>294
すまん、ロック編については構想だけは出来上がっちゃってるんだ
これから書くとこ
298名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:43:15 ID:9KJWZa0O
>>296 いいんじゃないの?倒せなさそうだけど

>>297 じゃいいや。
299名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:47:08 ID:pUS0md5w
>295
そこでライトブリンガーか!なるほどねぇ、面白い!
300名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:52:35 ID:jZtYJYT1
6キャラの瀕死必殺技は覚える方がいいのかな?
301名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:54:08 ID:uaxCTD5i
ロックだけは魔大陸のドラゴン戦で覚えた
エフェクトが確認しにくいから書きにくいかも
302名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:54:12 ID:bCzVZmfw
無理に出そうとしなくていいだろ
303名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:57:13 ID:uaxCTD5i
他のキャラには固有技があるしな
304名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:57:16 ID:Hx7cU9py
ケフカ戦の最後の最後で瀕死技で逆転!って展開も燃えるので
必ずしも全員覚える必要は無いんじゃない?
ゲームでも普通に一度も見たこと無い人もいそうだし、まぁ書く人の気分で。
ところで、アルテマバスターはここでもトイレを守ってるのか?
ザックス辺りの剣になって貰ってウェポンVSバスターってのも
面白そうだなぁ、って思ってたんだけども
305名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 23:59:24 ID:Hx7cU9py
余談だが、闘技場で初めてマッシュの瀕死技を見た時
隠し必殺と思って、有名どころの格ゲーのコマンドを全部試したのは
多分俺だけじゃないと思う
306名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/14(火) 00:04:42 ID:9KJWZa0O
>>304 ウェポンじゃなくてもライトブリンガーがあるよ。問題は誰が使うかなんだけどね。また、誰か適任いないかな?
307名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/14(火) 00:05:17 ID:jZtYJYT1
俺の脳内じゃ
セフィロス(魔神)の力を使って魔人ザックスと戦うが
途中セフィロスに意識乗っ取られて魔神ザックスになってたりする
308名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/14(火) 00:10:02 ID:tzhWY5Pf
>>307 その間に魔神倒されたら両方とも終わりじゃね?
309名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/14(火) 00:12:54 ID:tzhWY5Pf
関係ないけど300=307? 日付変わってもIDが一緒だ
310名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/14(火) 00:42:51 ID:Lq6QVF6u
>>306
>『使い手が強いのなら、それ相応の強い武器が必要だ。もう今のお前では並の武器を使っていてはすぐに壊れてしまうかもしれん
  人間界、幻獣界含めて、地上最強と呼ばれた聖剣ライトブリンガーを手に入れるのだ。必ずやケフカを倒す大きな力となってくれる
  そのあまりの力に、人間にも幻獣にもそれを使いこなせる者はいなかった・・・・しかし、そのどちらでもないお前になら、あるいは・・・』

というわけで使い手はティナに決定済み
仮にも主人公だし
311名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/14(火) 00:47:01 ID:Lq6QVF6u
>>304
ザックスはすでにアポカリプスをケフカから貰ってる

まあ、ここまで続くと内容忘れてくるのも無理ないけどな
312名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/14(火) 00:48:11 ID:tzhWY5Pf
>>310 いや、ライトの方はわかってた。問題はバスターの方なんだよな。
313ロック編:2005/06/14(火) 01:22:51 ID:PjBr0Y5w
ロックはゆっくりとその魔石に歩み寄る
これがあればレイチェルは生き返る・・・・・
期待と緊張がロックの鼓動を早める

魔石を手に取る
炎の幻獣だけあって、なんだか温かい
そして、他の魔石と比べて美しかった
淡い赤色に輝くその魔石は、まるで宝石のようだった
「これがフェニックスの魔石・・・・」
傷一つ、汚れ一つ付いていない
「大丈夫だ・・・・これがあれば、きっとレイチェルは生き返る」
しかし、一つ問題があったことをスコールは知っていた
「だが・・・魔導士でもないあんたに、フェニックスのような上級の幻獣を召喚できるのか?」
「魔法と違って、幻獣の召喚は並の人間でも不可能じゃない。だが・・・本職の魔導士とは負担が全然違う」
魔石を懐にしっかりとしまったのを確認して、ロックが続けて言う
「もしダメだったら、魔導士の仲間を探してそいつに頼むさ。とりあえず、俺がやってみる」
「上手くいくとええな、ロック。影ながら応援しとるで」
「おう」
そしてロック達はフェニックスの洞窟を出て、待ちくたびれて完全に機嫌を損ねているテュポーンをなだめて空を飛び立った


そしてコーリンゲンに降り立ったロック一行
大急ぎで走るロックを慌てて追いかけるスコールとオルトロス
そして勢いよく一軒の家へと入っていった
「爺さん!!フェニックスの魔石を手に入れてきたぜ!レイチェルの遺体は!?」
「うひょ!本当に取ってきたの?すごいすごーい、うっひょっひょっひょ」
「(話には聞いていたが、本当に変人だな・・・)」
老人を見た瞬間に出たスコールの感想だった
314ロック編:2005/06/14(火) 01:24:03 ID:PjBr0Y5w
老人は3人を連れて、レイチェルの遺体が保管してある部屋へと案内した
遺体は冷凍保存されており、月日が経ったにも関わらず、綺麗なままだった
まるで今にも目を開けそうだった
しかしそんなことはありえない
唯一の例外が、このフェニックスの魔石だ
ロックは息をゴクリと飲み、ゆっくりと慎重にフェニックスの魔石をかざす


・・・・その時、スコールは気付いた
自分達のすぐ側から感じる、邪悪な魔物の気配に・・・・・・


「ロック伏せろ!!」
「えっ!?」

ドゴーーーーン!!!

どこからか魔法が飛んできた
「な、なんだ!?」
部屋には他に誰もいなかったはずだ
ロック、スコール、オルトロス、そして老人
この4人だけの密室だったはずだ
ロックはその場に伏せている
スコールとオルトロスは状況を把握しようと辺りを見回している
となると、残っているのは・・・・
「ちっ・・・邪魔が入ったか」
「まさか・・・・」
315ロック編:2005/06/14(火) 01:25:31 ID:PjBr0Y5w
3人の視線が老人に集まる

シュウウウゥゥゥ・・・・

老人の姿が徐々に変わっていく
不気味な魔物の姿へと・・・・
「てめえ・・・誰だ」
「我が名はアレクソウル・・・・この世界で無残な死を遂げた悪人達の魂の集合体だ」
その体からは、負のオーラが絶えず放出されていた
まさに、死人達の怨念そのものだった

「何が目的でこんなことを!」
ロックのその問いに、アレクソウルは不気味に笑いながら答えた
「簡単なことだ。貴様らにフェニックスの魔石を取りに行かせ、それを奪い、我自身の蘇生に使うためだ
 生憎、フェニックスの魔石による蘇生の力は、100年に一度しか使えんからな。この機会を逃す手はない・・・・・・・むっ!?」
スコールのガンブレードの剣先がアレクソウルを襲う
その剣先を、間一髪で宙に飛び上がり避けた

「・・・・どうせ悪事を働いて死刑にでもなった奴らの集まりだろう? いつまでも現世にしがみついてないで、さっさと地獄に落ちろ」
冷たく言い放つスコールの言葉に、アレクソウルがキレた
「貴様・・・・生きて帰れると思うな!!」
アレクソウルの負のオーラがますます強くなる
「誰にも邪魔はさせないぞ・・・俺は絶対にレイチェルを生き返らせる!」
ロックも武器を構え、戦闘体制に入る
激戦の時はすぐそこまできていた

一方オルトロスは、物陰に隠れ、文字通り影ながら応援していた
316名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/14(火) 01:34:22 ID:rRHFnK2Y
こんな所でアレクソウルキター!
ゲームとは全然違った展開でおもすれー

>296
アースドラゴンも倒したのに、これ以上タークスがボス倒すのもどうかと思うぞ
FF6のキャラが絡んでくればまだいいけど、7の脇役だけじゃなぁ…
317名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/14(火) 01:58:57 ID:8egfAgTR
>>316そうかもしれん…宝条との関わりが深く出て来る話のほうが良いかも。
318名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/14(火) 02:51:38 ID:S1pgusV9
スレ見たらFF6って書いてるのに
7のキャラも混ざってんだな(^∀^)オモスレー
319名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/14(火) 08:04:36 ID:dP7ZddyP
宝条も既にFF6における重要なボスキャラになっちゃったからな〜。そもそも勝てるわけねーし
メインキャラでボコボコにした後に止めを刺すぐらいならできるだろうけど、それも何かおいしいとこ取りって感じだし

これからタークスを活躍させるとなると、新しいボス出して倒させるぐらいしかないんじゃねーか
もしくは戦闘面じゃなくて心理描写とかを重視するとか
320名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/14(火) 17:08:52 ID:WhI7VGtl
うわっなんかアレクソウル、レイチェルにとりつきそうだ。
321セフィロス編:2005/06/14(火) 18:39:27 ID:PuzMHIYD
一匹の使い魔が瓦礫の塔へと降り立った
「・・・・ふむ。そうか、ご苦労」
それは魔神セフィロスの使い魔だった
使い魔からの伝言を聞き、邪悪な笑みがこぼれる
「ん?どうしたんだよセフィロス」
ザックスがセフィロスの様子の変化に気付く
そこでセフィロスはある事を思いついた

「ザックスか、ちょうどいい。お前、コーリンゲンの近くにコロシアムができたのを知ってるか?」
「ああ、聞いたことはあるけど、それがどうかしたのか?」
「どうやら、そこにクラウドがいるらしい」
「!! 本当か!?」
セフィロスの言葉に驚きと喜びを同時に表す
「奴と戦いたいんだろう・・・?また行方が分からなくなる前に、行ってきたらどうだ。ただここで待つだけというのも退屈だろう?」
セフィロスは何かを企んでいる・・・・ザックスは勘付いていた
だが、そんなことはどうでもよかった
クラウドと戦える・・・・それだけで十分だった
今のザックスにとって、クラウドを倒すことが全てだった
自分でも理由はわかっていなかった・・・・宝条に何もかも改造されてしまったからだ
自分が何故クラウドと戦いたいのか・・・倒したいのか・・・そんなことは考えたこともなく、気にもしなかった
「いいだろう。んじゃ、早速行ってくるぜ」
そしてデスゲイズに騎乗し、コロシアムへと向かって行った
322セフィロス編:2005/06/14(火) 18:39:40 ID:PuzMHIYD
「ん?あれはザックス・・・?」
ケフカが、ザックスがどこかへ飛び立つのを目撃し、セフィロスに聞き出しにいった
「魔神よ。奴はどこへ行ったのだ?」
「反乱分子の一人の居場所がわかった。奴とその一人はちょっとした因縁があってな、始末しに行かせた。まあ、無事に帰ってくる可能性は五分五分といったところだ」
「おいおい、それではお前の守護人がいなくなってしまうではないか」
「・・・・俺にそんなものは必要ないと思うが・・・そんなに心配なら、これでどうだ」
セフィロスの体から人型の何かが出てくる
ほとんど化け物だったが、女性に見えなくもない
ケフカはそれをまじまじと見て、その正体に気付いた
「これは・・・・ジェノバか?」
「そうだ。母さんに俺の守護人となってもらう」
「だが、ジェノバと融合して今のお前の強さを手に入れたんじゃなかったのか?お前がパワーダウンしてしまっては意味がない」
「母さんとの融合はきっかけでしかない。今更分離したところで、俺がパワーダウンするようなことはない。見ろ、姿も人間の姿に戻ったわけじゃないだろう?」
確かに、ジェノバと分離してもセフィロスの姿は人間には戻らず、天使のような姿のままだった
「ふむ・・・・まあいいだろう」
ケフカはそれで納得し、戻っていった



「クラウド・・・お前がどれだけ腕を上げたのか楽しみだ・・・ザックスはお前の強さを計る物差しであり、お前の最高の修行相手だ
 存分に利用し、強くなり、そして早く俺の元へ来い・・・・くくく・・・ははははは・・・・」
セフィロスは一人、静かに笑っていた
323名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/15(水) 11:46:12 ID:FkBXqvF/
6以外のキャラや設定に絡ませたものが続いてるが、正直どうかと思う。
単なる思いつきの域に過ぎないから。
6儀愛のキャラを出したいのなら、もう少し必然性や考証をしっかりさせないと。
324名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/15(水) 15:21:13 ID:3lahpLqJ
あげとこう
325名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/15(水) 22:12:05 ID:15RAY++D
アルティミシアが女神になろうとした理由をちゃんと作れば
自動的にスコールの必然性が出てくる・・・かもしれない
326名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/15(水) 22:35:37 ID:liQzhS8v
後からそういう話を書いてもなあ
327名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/15(水) 23:14:10 ID:kLt3HfCq
ザックスVSクラウドやらないほうがよくない?一応6メインだし。ラスダンでいいじゃん
328名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/15(水) 23:19:25 ID:nUbitXIz
ラスダンだともっと7寄りの展開になるぞ
ザックスもセフィロスもやっぱクラウドが倒さなきゃ駄目なんだろ?
この2連戦で両方ともクラウドが大活躍なんてしちゃったら他の奴は一体なんなんだって展開になるぞ
329名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/15(水) 23:22:48 ID:nUbitXIz
VSサイファー スコールが撃破
VSアルティミシア スコールが撃破と言いたいところだが、別に因縁はないから他の誰かでもいい

VSアルテマバスター 誰でもいい
VSグリーヴァ 誰でもいい

だが、魔神ルートの方は
VSザックス クラウドが撃破
VSセフィロス クラウドが撃破

普通に考えてこうなるぞ
ジェノバなら他の誰が止め刺しても問題なさそうだし、ジェノバの方が適任
330名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/15(水) 23:26:13 ID:AVu/fiv+
>>328-329
だな〜
てかクラウドだけまだ一人もボス倒してないし、そろそろボス戦やらせてやってもいいんじゃないか
タークスでさえ八竜の一匹を倒してんだから
331名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/15(水) 23:29:48 ID:2aTqwT8u
ザックスとの戦闘後、ホーリードラゴン戦が最もいいところだよな。
できれば八竜全滅後になにかイベントが起きてくれればいいんだけれど・・・
以前書いてあったライトブリンガーの復活か?それともさらなる強敵の復活か?
332名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/15(水) 23:30:33 ID:liQzhS8v
クラウドとザックスが、スコールとサイファーが一騎打ち

その間に仲間が三闘神撃破

これでいいんじゃないの?「こいつは俺が引き受ける」とか言ってさあ
333名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/15(水) 23:33:11 ID:2aTqwT8u
あと、追記なんだが。FF6の要素がだんだんと減ってきているぞ。
なんでもありなのはかまわないけれど、FF6がベースなんだし、FF7主要の戦いとかはなるべく避けておいたほうが・・・
あと、セッツアーはそろそろコロシアムに移動させたらどうだ?
334名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/15(水) 23:34:04 ID:AVu/fiv+
>>332
セフィロスがクラウドと対面することもなく死んでいいのかよ
335名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/15(水) 23:34:42 ID:liQzhS8v
>>333 迎えに来るまではコーリゲンで待機でいいんじゃないか?
    別に理由は無いんだし
336名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/15(水) 23:36:35 ID:liQzhS8v
>>334 そうだったな。じゃあ、このままの展開でいいんじゃないの?
    スコールとサイファーは一騎打ちで問題無しみたいだし。
337名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/15(水) 23:41:22 ID:wB8D5tc7
6の要素減ってきてる?どこが?
338名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/15(水) 23:46:46 ID:liQzhS8v
>>337 減っているというか、他のキャラの乱入で6の濃度が薄くなってるってとこだな
339名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/16(木) 02:27:26 ID:pWw24SZS
楽しければいいじゃないの。
もとからぶっ壊れたストーリーなんだしw
340名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/16(木) 08:00:14 ID:DCRk/Ro3
>FF7主要の戦いとかはなるべく避けておいたほうが・・・
ザックス登場した時点でクラウドVSザックスは避けられない。手遅れ
まあストーリーぶっ壊して、ウーマロVSザックスとかやる事も出来るだろうけど、ブーイングの可能性大
素人にはお勧めできない

>あと、セッツアーはそろそろコロシアムに移動させたらどうだ?
>>335も言ってるけど、行く必要性が全くない
セッツァーとクラウドを会わせてどうするんだ?


とりあえず>>339には同意
楽しければそれでいい
341名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/16(木) 08:49:07 ID:n56Tmkov
まあ初っ端が乱交パーティーだったし
出てしまったキャラをどうこういうつもりはないが
他シリーズのキャラが出てこない話の方が
楽しいのは確かだ。俺の好みではね。
342名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/16(木) 11:21:38 ID:BBjxRS2W
341に同意。
他シリーズのキャラなしでも楽しめるはず。
343名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/16(木) 12:23:03 ID:GQY6PV7Y
今更言ってもな
他シリーズのキャラが出てきたのは最近の話じゃないし、もっと前から言うべき
344名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/16(木) 13:26:05 ID:AoQ+gw0z
>>343
確かに正論だが、このスレに最近になって来た人だって居るだろうしな。
批判はともかく感想はしょうがないんじゃないの?
345名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/16(木) 19:30:55 ID:9f+0AX8T
結論!!
楽しければそれでいい!!
ってことでいいよな?
346名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/16(木) 19:57:12 ID:W2LuB/VK
停滞してっけどな
347名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/16(木) 21:41:42 ID:DvDxZKcB
主に停滞中は議論してるね。
348名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/16(木) 21:54:59 ID:W2LuB/VK
いくら議論しても最終的な決断をするのは作者なんだから、自分の思い通りの展開にしたかったらどんどん書こうぜ
349名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/16(木) 22:32:43 ID:9f+0AX8T
文章力がないんだよー・・・
350名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/16(木) 23:36:33 ID:DvDxZKcB
>>348 あんまりめちゃくちゃな展開にされても困るんだけどね。
351名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/17(金) 16:16:49 ID:Ekk1a9VR
前に出た話なんだけど、ブリンガーVSバスターって話の構想なら思いついたんだけどダメ?
352名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/17(金) 17:09:59 ID:NcpJ8RoL
バスターの抜けた穴を埋められるんならいいんじゃないの
どっちにしろかなり先の話になるだろうけど
353名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/17(金) 23:54:37 ID:KGNcMKvS
触手をボスにしないで
オーディーンじゃないと切れない触手とかどうだろ
地下には崩壊の影響で目覚めた触手がわんさといるから
一気に全部ぶった切る凄い奴が必要とか
354名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/18(土) 00:10:04 ID:FkPkhtXJ
多分職人はほとんど去ったな
355名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/18(土) 00:16:44 ID:71KzQB2T
過疎ってきたな…
一肌脱ぐか…
356名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/18(土) 00:23:08 ID:fpDT1yc8
カイナッツォ書いていいかな?
357名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/18(土) 02:30:48 ID:65sn0Fv+
どんどん書いてくれ
358名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/18(土) 10:29:19 ID:loXN7/rX
触手じゃないやつもいいかも知れんな。っていうかなんで触手が攻撃するかもわからんし。
359VSカイナッツォ:2005/06/18(土) 12:01:25 ID:/Qq9xhnn
船を揺るがす元になった大渦は次第に収縮し、
やがては四肢に神経を集中させてバランスをとる必要もなくなった。
だがその場に形成された異様な空気は、最早拭いきれるものではなかった。
数秒前まで存在した螺旋の中心には、顔こそ人の様にとれなくもないが、
爬虫類のような胴体、背中にはアルマジロ型の甲羅を背負った、
巨大な魔物が水面でその存在を知らしめていた。
その不気味さに気圧され、甲板では悲鳴にも似た台詞が飛び交っていた。
その中の一人が恐怖に顔を引きつらせながらも、エドガーに尋ねた。
「親分、どうします?」
……こいつらが戦力になるような相手じゃないな。
「降りろ」
「は?」
「救命ボートぐらい備わっているだろう。ここは俺がなんとかする。
合図があるまで岩陰に隠れていろ。早くしろ全員だ!」
少なからず戸惑っていた盗賊達だったが、エドガーの怒号により一斉に動きだした。
操舵手さえもボートに乗り、船に残るはエドガーのみとなった。さて。
「こんな夜から騒がしいな。レディが乗っていたらどうするつもりだったんだ?」
軽い口調と独特な身振りで、群青色の化け物に話しかける。
360VSカイナッツォ:2005/06/18(土) 12:03:03 ID:/Qq9xhnn
「フェフェフェ。人間風情が何をそんなに余裕に構えておる」
体長7〜8mといったところだろうか。その無粋な口が大きく歪む。
「幸か不幸か、こんな状況には慣れっこでね。
一応聞いておこう。お前、何が目的だ?」
先ほどと変わらない口調ではあったが、声のトーンが僅かに下がっていた。
「フン、目的も何も、我が召喚主の命により、貴様らゴミクズを海に沈める為よ」
「召喚主?もしかしてお前、ケフカの手下か?」
「ほう、その名を知っているとは。さては貴様が反乱分子とやらの一員か?」
ケフカめ。厄介な奴をよこしてくれたな。
「丁度いい。貴様がこのわしに沈められる第一号だ!」
沸き上がる異変。目に映る光景はそれを如実に表していた。
奴の後ろに広がっていた風景が突如遮られる。目を凝らしてよく見ると、それは海水。
瞬く間にそれはせり上がり、さながら巨大な滝壺を思わせた。
決定的に違うのは水の進む向きが逆だというところだろうか。
轟音を巻き散らしてできた滝は、一種の芸術品であった。
「母なる海に抱かれて死ぬがいい!」
その声が合図となり、津波は船を襲った。
361名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/18(土) 12:08:58 ID:/Qq9xhnn
>>356
わりぃ。もう構想はできてたんだ。
ただ最近忙しくて、書く暇がなかったんだよ。許せ。
362名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/18(土) 12:27:36 ID:loXN7/rX
もしやエドガー一人で戦うわけではないよね?
363名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/18(土) 12:33:24 ID:/Qq9xhnn
はっはっはまさか
ちなみにエドガーはパターンBのほうで
364名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/18(土) 16:50:16 ID:t/rYo4ve
参考程度に言っておく
カイナッツォの笑い方は「クカカカカカ・・・」
一人称は俺
365名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/19(日) 04:23:08 ID:SaCFYBUb
ロックって崩壊後はドコにおるの?
366名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/19(日) 04:47:53 ID:4dDljl7d
☆の山だってば
367名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/21(火) 08:57:22 ID:paTP9w3U
hoshu
368名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/21(火) 22:44:34 ID:Aknwrznv
あげ
369ロック編:2005/06/22(水) 00:20:19 ID:16ne3bdL
コーリンゲン村の外れに位置するごく普通の家
この家の地下で人間と魔物の戦いが繰り広げられていることなど、村人達は知る由もない

ロック達とアレクソウルの戦いが始まってから数分
形勢はロック達が優勢であった
伝説の八竜をも退けた2人は、アレクソウルの手に負えるような相手ではなかった
「よーしええぞ、そのままいてこましたれや!」
その様子を物陰からひっそりと見守るオルトロス
相変わらず自分より強そうな相手にはとことん逃げ腰である

「(ちっ・・・・こやつらここまで出来るとは。だが、我の本当の恐ろしさはこれからだ)」
アレクソウルの様子が変わった
それに気付かずにスコールが突っ込んでいく
「はあ!」
スコールのガンブレードがアレクソウルを襲う
しかし、斬ったように見えたにも関わらず、全く手ごたえが感じられない
斬られたと同時に、アレクソウルの体は煙の様に消えた
「な、なんだ!?どこいった!?」
ロックが状況を飲み込めずに辺りを見渡すが、アレクソウルの姿は見えない

次の瞬間、ロックの背に激痛が走った
「ぐあっ!!」
それはスコールのガンブレードによるものだった
「スコール!何を・・・・!?」
ロックはすぐに気付いた
スコールの目は、魔物のそれだった
アレクソウルがとり憑いていることはすぐに予想から確信に変わった
「くくっ どうだ!この男を殺さん限り、我はこの肉体から出ていかんぞ!」
「な、なんだと・・・!」
370ロック編:2005/06/22(水) 00:20:38 ID:16ne3bdL
ロックが戸惑う暇もなく、スコールにとり憑いたアレクソウルが襲い掛かる
ガンブレードのような特殊な武器はアレクソウルには全く使いこなせていなかった
しかし、それを振り回すだけでも今のロックにとっては猛攻である
背中の痛みももちろんだが、仲間を殺さなければアレクソウルは倒せず、レイチェルの蘇生もできない
そのことがロックの攻撃を嫌が応にも抑制させていた

「あわわ、まずいことになったで・・・・わい逃げた方がいいかもしれへんな」
オルトロスはその場から、アレクソウルに気付かれないようにそっと立ち去る
そして家から出た途端

ドン!

村を歩いていた男とぶつかった
どこかで見たことがあるような・・・・
「いてて・・・あっ!お前はオルトロスじゃねえか!生きてたのか!?」
「おお!あんさんか、ちょうどよかったわー。ロック達が大変なんや!助けてくれへんか!?」
「ロック達が?どういうことだ?」
そしてオルトロスが男に事情を説明する
「なるほど・・・近くにでかい墓場があるせいか。だが、対策は分かってる。すぐに行くぜ!」
「ほんま頼んますわ。わいは何もできへんからな」
そして男とオルトロスは家に入り、地下を大急ぎで降りていった

「ハア、ハア・・・・」
ロックは背中の痛みで目がくらんできた
やられるのも時間の問題である
「ククク、これで終わりにしてやる。死ね!」
アレクソウルがガンブレードを振り上げた瞬間、部屋のドアが勢いよく開いた
「ロック!大丈夫か!?」
オルトロスと共にその男が入ってきた
ひらひらとした黒い服に、綺麗な顔立ちと、美しい銀髪
間違いなく、ロックとオルトロスが以前共に戦ったあの男である
371ロック編:2005/06/22(水) 00:21:00 ID:16ne3bdL
「セッツァー!お前なんでここに!?」
「んなことは後だ!それよりそこをどけ!」
セッツァーの怒声にロックはすぐにその場を離れる
その直後、セッツァーは瓶を取り出し、中に入っていた水をスコールの顔にぶちまけた
「貴様何を・・・・・!!?ぐああああ!!!」
スコールの体からアレクソウルが飛び出した
それは、ダリルの墓に行く時に持っていった聖水の残りである
「う・・・?俺は何を?」
アレクソウルが抜け、スコールも正気を取り戻した

「おのれ・・・人間どもが・・・!」
弱るアレクソウルの前には、3人の男がズラっと並んでいた
「ここまでだ・・・アレクソウル」
それぞれが武器を構え、じりじりとアレクソウルに近づく
「(くっ どうする・・・・このままでは・・・・。はっ!)」
ふと後ろを見たアレクソウルは、あるものに気付いた
「(これだ!)」
アレクソウルが再び煙状になる
そして・・・・
「・・・・? まさか!」
372ロック編:2005/06/22(水) 00:22:45 ID:16ne3bdL
ロックの予想は当たっていた
アレクソウルがとり憑いたのは、レイチェル
長い間動く事のなかったレイチェルの体が、ゆっくりと身を起こす
そして、魔物の目でロック達を睨み、ニヤリと笑った
顔は同じなのに、レイチェルの面影を感じることはできなかった
「き、貴様あああ!!レイチェルから出て行け!!」
怒り狂うロックをセッツァーが制止する
「落ち着けロック!これがあれば無意味だ!」
そしてセッツァーは再び聖水をレイチェルにふりかける
しかし・・・・
「な、なぜだ!?」
スコールの時のように、アレクソウルが出てこない
「無駄だ・・・聖水では生者と死者の融合を切り離すことはできても、死者と死者の融合を切り離すことはできん
 融合の度合いが死者同士だと格段に上がるんでなぁ・・・・」
その言葉にロックの顔が青ざめる
そしてアレクソウルは、レイチェルが寝かされていたベッドの下に隠していた剣を取り出した
「さっきとり憑いたそこの男に比べると遥かにパワーは落ちるが・・・・貴様にとってはこちらの方が効果的だろう?」
と、ロックを見ながら言い放つ
「(・・・・ちっくしょう!どうすればいいんだ!)」
ロックの考えがまとまらないまま、レイチェルにとり憑いたアレクソウルは真っ直ぐにロックに向かっていった
スコールとセッツァーは、ロックの答えを待つしかなかった
373名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/22(水) 06:12:19 ID:F3vk8U40
乙。>>320の予想大当たりだな。
ところでロックとガウが幻獣だって事を覚えてる香具師はいるのだろうか。
374名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/22(水) 08:22:19 ID:Zx9o33gi
見た目変わらんし、せっかくパワーアップしたんだから人間に戻らなくてもいいや
ってことで幻獣のままなんだよな
とりあえず久々の職人降臨乙
375名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/22(水) 16:39:45 ID:fUMyYKWW
幻獣故の欠点とかありまくりな訳だが・・・・・
ガーディアン好きなんでもっかい出していい?
もちろん自分で倒すところ書くから
376名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/22(水) 16:49:11 ID:tFMdO15Y
ダメとは言うまい
これ以上職人にあーだこーだ言うと、このスレ終わる
基本的にお任せ
377名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/22(水) 18:48:52 ID:dGN3Y8zQ
おお、予想どうり
378名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/22(水) 22:58:17 ID:7agvjS42
そういえば、三闘神倒したらロック達消えちゃうんだな・・・
379名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/22(水) 23:43:47 ID:tFMdO15Y
>>378
その辺は設定いじればどうにでもなるっしょ
元は人間だったわけだし
380ロック編:2005/06/23(木) 01:26:10 ID:A61dEtxr
ロックに振り下ろされる、レイチェルにとり憑いたアレクソウルの刃
気が動転しているロックはそれをガードすることも忘れている

ガキン!

「むっ!」
スコールが割って入り、その刃を受け止めた
「ロック!こいつは俺たちで食い止める!それまでに結論をだせ!!」
ロックはハッと我に返った
自分が置かれている状況をもう一度頭の中で整理してみる

レイチェルにはアレクソウルがとり憑いている
聖水は効かず、決定的なダメージを与えなければアレクソウルの本体は出てこない
しかしレイチェルの体を大きく傷つけてしまうと、蘇生した直後にまたすぐ死を迎える
かといって、このまま何もしなければこちらがやられる
ロックにとっては大切な人でも、スコールとセッツァーにとってはレイチェルは所詮他人だ
自分の命をかけてまでレイチェルを救う義理はない
ロックのエゴで、仲間まで犠牲にすることはできない

「(どうすればいい・・・・どうすれば・・・・)」
自分も仲間もレイチェルも助かる方法を、ロックはひたすら考え続けた
こうしている間にも、スコールとセッツァーは攻撃することができず、ひたすらアレクソウルの攻撃を凌ぎ続けている
時間の猶予はそれほど残されてはいない
「あ〜〜もう!せめてレイチェルはんが死んでなかったら聖水で追い出せんのになーー!」
オルトロスが何気なく発したこの言葉
この言葉にロックは解決の糸口を掴んだ
381ロック編:2005/06/23(木) 01:31:26 ID:A61dEtxr
「レイチェルが・・・死んでなかったら・・・? あっ!!」
「な、なんや?大きな声だして」
ロックは懐に手を入れ、再びその石を手にする
「フェニックスの魔石?あっ そうか!」
オルトロスもロックの考えに気付いたようだ
「今フェニックスを召喚し、レイチェルを蘇生させる。そして聖水をかければ・・・・」
「そうや!もうそれっきゃないで!」
そしてロックがフェニックスの魔石を掲げる

しかし、アレクソウルがそれに気付いてしまった
「貴様!そうはさせんぞ!その蘇生の力を使うのは我だ!!」
ロックに攻撃を仕掛けようとするアレクソウルだが
「おっと!そうはさせねえよ!」
「・・・ここを通りたかったら、俺たちを倒してから行くんだな」
スコールとセッツァーがアレクソウルの前に立ちはだかる
レイチェルのような並の人間にとり憑いたアレクソウルが、この2人を倒して前に進むことなどできるはずもない
問題があるとすれば一つ、ロックがフェニックスを召喚できるかどうかだ

ロックが魔石を握り締め、強く念じ始めた
「(・・・・くっ なんて魔力を持った幻獣だ・・・!全身の力が吸い取られるみたいだ!)」
召喚そのものがかなりの負担がかかるというのに、最上級の幻獣であるフェニックスを召喚するなど、並大抵のことではなかった
「こらあ!気張らんかいロック!!あんさんがここでぶっ倒れたら今までの苦労がパーやで!!」
「(そ、そうだ・・・俺は絶対にレイチェルを生き返らせると決めたんだ。この程度の苦しみがなんだってんだ!!!)」
そして一際魔石の輝きが強くなる
「うおおおおおおお!!!!」
382ロック編:2005/06/23(木) 01:32:04 ID:A61dEtxr

カッ!!!

部屋中にまばゆい光がほとばしった
思わずその場にいた全員が目を強く閉じる
そしてゆっくりと目を開け、それに映ったものは・・・
「こ、これがフェニックス・・・・」
癒しの力を持つ幻獣の中では、ラクシュミをも遥かに上回る能力の持ち主
鳥にしてはとてつもなく大きく、その身は紅蓮の炎に包まれていた
こんな状況でなければ、その美しさに思わず目を奪われていたことだろう
『・・・・・私に何用だ』
「フェニックス!今すぐにレイチェルを生き返らせてくれ!できるか!?」
『・・・・・・』
フェニックスはレイチェルの身体を凝視し、しばらくして再び口を開いた
『・・・・できなくはない。だが、一つ問題がある』
「そんなことは後で聞く!できるなら早くやってくれ!」
『・・・・・承知した』
そう言うとフェニックスは、その大きさからしたら狭い部屋を飛び回り、レイチェルの身体を炎で包んでいく
「くっ!この炎は・・・・!!」
その炎は燃え盛っているにも関わらず、決して熱くはなく、心地よいぐらいに温かい
しばらくして、炎が徐々に消えていった
そして、長い間消されていたレイチェルの命の灯火に火が付いた
『・・・蘇生成功だ』
「ほ、本当か!?」
その一言にロックは歓喜の表情を表す
しかしフェニックスはどこか浮かない顔である
383ロック編:2005/06/23(木) 01:33:11 ID:A61dEtxr
「よっしゃ!今一度これをくらいやがれ!」
セッツァーは持っていた最後の聖水をレイチェルの身体にかける
「ぐあああ!!」
スコールの時のように勢いよくアレクソウルの本体が飛び出す
その瞬間、スコールがアレクソウルを斬りつける
「ぐっ!調子に乗るな!」
スコールに反撃しようと宙に浮かび上がりながら魔法の詠唱を始める
しかし、その後ろから来る者にアレクソウルは気付いていなかった
「終わりだ!」
「なに!?」
ロックのバリアントナイフがアレクソウルの後頭部をえぐった
「ば、ばかな・・・・我がこんな人間どもに・・・・」
煙状になって消えていくアレクソウル
今度のそれは憑依への合図ではなく、本当の死への過程であった
もう2度とアレクソウルが現世に現われることはないだろう・・・・

「レイチェル・・・・目を開けろレイチェル!」
依然目を閉じたままのレイチェルの体をロックが揺する
確実に息はある
心臓も動いている
そして・・・・
「・・・・・・・・・・・・う・・・」
「レイチェル!」
「ロック・・・・?」
ついにロックはレイチェルと再会を果たした
涙を流しながらロックはレイチェルを抱きしめる
スコールは無愛想ながらも、無事に上手くいってよかったと心から思う
セッツァーは、恋人ダリルのことを思い出す
オルトロスはひたすらもらい泣きをする
384名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/23(木) 01:34:31 ID:dQ2jMbb/
支援
385ロック編:2005/06/23(木) 01:36:57 ID:A61dEtxr



・・・・・・しかし、その喜びも束の間だということを、4人はすぐに知ることになる



「・・・・? こ、これは・・・・!?」
ロックがすぐにレイチェルの異変に気付く
レイチェルの体が徐々に崩れていく
いや、灰になっているのである
「ど、どうなっているんだフェニックス!?」
『これが、さっき言いそびれた問題だ。その娘はあまりにも死の期間が長すぎた。冷凍保存されていようが関係ない』
「なんとかならないのか!」
『命はロウソクだ。吹き消されたばかりなら、まだすぐに火を付けることができる
 しかし長い間放置しているとロウも劣化し、火を付けてもすぐに消えてしまうのだ
 その娘の命も、一時的には戻ったが、すぐにまた火が消える・・・こればかりは私でもどうすることもできない』
「そ、そんな・・・・」
落胆するロックの頬を、レイチェルの手が優しく添える
「・・・レイチェル?」
「ロック・・・その幻獣が言う通り、私はまたもうすぐ死ぬわ・・・自分でも何となくわかるの」
「そんなこと言うな・・・・・・・頼む・・・生きてくれ・・・・」
止まらないロックの涙をレイチェルがそっとふき取る
まるで小さな子供を慰めるかのように・・・
386ロック編:2005/06/23(木) 01:38:02 ID:A61dEtxr
「だから・・・あの時言いそびれた言葉・・・・今言おうと思うの」
何かを言いかけて、そのまま死んでしまったレイチェル
あの時何を言おうとしていたのか、ロックもずっと気になっていた
「ロック・・・・私、あなたに会えて本当によかった・・・・いろいろ大変なこともあったけど、とても幸せだった・・・
 死ぬ間際にあなたのことを思い出せて、嬉しかったわ・・・・あなたという人がこの世界にいたことを思い出せて・・・・」
レイチェルの体がどんどん灰となり崩れていく
もう、残された時間はごくわずかだ
ロックはレイチェルの言葉一つ一つを心に強く刻み込む
もう2度と会うこともできないであろう、恋人の言葉を・・・
「ロック・・・・・本当にありがとう・・・・天国に行っても、あなたがくれた幸せ、決して忘れないわ・・・」
「レイチェル・・・でも俺のせいでお前はこんなことに・・・・・俺は・・・・」
「・・・私に対する償いという鎖が、あなたを縛り付けている・・・それを断ち切って
 そして、今あなたが想っている人を・・・・その人を私の分まで愛してあげて・・・・
 最後にもう一度・・・・ありがとう。さようなら・・・・・・・ロッ・・・ク・・・・・」

・・・・・・・
ロックの腕の中で、灰となって消えていったレイチェル
もう、レイチェルの顔を見ることはできないのだ
永遠に・・・・

レイチェルの灰を、コーリンゲンの花畑の真ん中に埋めた
「ロック、それは?」
ロックが手に持っているのは、美しく七色に輝く宝石
「あの時・・・・やれなかったレイチェルへのプレゼントだ」
その宝石を、指でそっと埋め込んだ
「俺はもう大丈夫だ。レイチェルの分まで精一杯生きてやる」




フンガーーーー!!!!
387ロック編:2005/06/23(木) 01:38:46 ID:A61dEtxr
「な、なんだ!?」
どこかで聞いたような雄たけびがコーリンゲンにこだまする
テュポーンが村のど真ん中に下りてきたのである
当然、村人は大パニックである
「ほな、わいはここでさよならするで」
ピョンとテュポーンに飛び乗りながらオルトロスがロック達に突然の別れの言葉を告げる
「なんだよ、一緒に来ないのか?」
「そろそろコロシアムの受付に戻らなあかん。ジークの兄貴にまだ恩返しできてへんしな
 コロシアムも盛り上がってきて忙しゅうなっとると思うし、タコの足も借りたい状況やと思うからな」
「そうか。まあ、達者でやれよ」
「ほな、またな。短い間やったけど、楽しかったで」
そうしてテュポーンとオルトロスは北西の空へと消えていった

「・・・・ちょっといいか?」
「ん?なんだ?」
今まで黙っていたセッツァーが口を開いた
「助けてやったんだ。今度はお前らが俺に協力してほしい。お前らにとっても悪くないことだと思うからな」
「・・・まあいいだろう。で、何をすればいいんだ?」
と、スコールが聞き返す
「この近くにでかい墓場がある。そこに昔の知人の墓と共に、飛空艇が安置してある
 だが、今では魔物が巣くっていて、やたら強いのもいて俺一人じゃ手に負えねえ」
「飛空艇!?本当か!」
「ああ。それがあれば仲間も探しやすくなるだろう?」
答えは考えることもなく決まっていた
「よし、んじゃその墓場とやらに行こうぜ!」
しかしまだ浮かない顔のセッツァー
「・・・・しかし、まだ心配だな。お前らが強いのは分かってるが・・・・。もう2・3人仲間がいれば・・・」
388ロック編:2005/06/23(木) 01:40:41 ID:A61dEtxr
と言った矢先、村の入り口から聞き覚えのある声が・・・
「あー腹減ったな。飯屋はどこにあったっけか?」
「僕はロイヤルステーキ定食と大トロとウナギ丼とハイパーほしにくが食べたいクポ」
「ウー、俺は豚の丸焼きとチョコレートパフェとジャンボドーナツとアルテマランチとスペシャルマシュマロが食いたいウー」
「お、おめえら・・・俺がそんな金持ってるわけねえだろ!?てか、ちっとはモーグリと雪男らしいもの欲しがれよ!」
その声に、ロックとセッツァーは真っ先に反応した
「マッシュ!!それにモグとウーマロじゃねえか!」
「え?・・・あっ!ロック、生きてたのかーー!!」
コロシアムを出たマッシュ達は、とりあえず腹ごしらえしようとコーリンゲンに寄ってきたのである
そしてお互いのパーティが今までにあったことを説明しあった

「よし・・・・このメンバーなら絶対いける!いくぞ野郎ども!」
「何でお前が仕切るんだよセッツァー」
「・・・・・」
「その前におなか空いたクポ」
「ウー!」
「言っとくが、俺はおごらねえぞ」
「王族のくせにケチだクポ」
「うるせーよ!悪かったな貧乏王族で!」
「・・・・・お前ら・・・ちったあ緊張感持てや」
呆れるセッツァーをよそに、とりあえず腹ごしらえをし、明朝に6人はダリルの墓に向けて出発した
果たして今度こそ、飛空艇を手に入れることはできるのであろうか
389名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/23(木) 17:09:47 ID:+1cN8EXn
激しく乙。ついでにまとめとくよ
エドガー、ユフィ、セリス、ゴゴ:VSカイナッツォ >>360

マッシュ、モグ、ウーマロ、セッツァー、ロック、スコール:合流してダリルの墓へ >>388

シャドウ、リルム:スカルドラゴン撃破。再び旅にでる >>277

ティナ、ガウ、ティファ、カイエン:イエロードラゴン撃破。ドマ城を後にする >>164

クラウド、エアリス:クラウドは修行中。エアリスは保護者 >>236

ストラゴス:ルビカンテに操られ、狂信者の塔で放心状態 >>31

ツォン、ケット・シー、レッド13:ゾゾ

オルトロス、テュポーン:コロシアムへ戻る >388

390名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/23(木) 17:18:12 ID:+1cN8EXn
まとめその2 ついでにageとく
ケフカ:特に状況は変わらず

ザックス:クラウドと決闘しにコロシアムへ >>322

セフィロス:ジェノバを分離。以降、ジェノバがセフィロスの守護 >>322

サイファー、アルテマバスター:それぞれの三闘神を守護

宝条:マジックマスターとして狂信集団の塔の守護 >>112

四天王:ルビカンテ→死亡 バルバリシア→ストラゴスをケフカの所へ 
カイナッツォ→エドガー達と対峙 スカルミリョーネ→ダリルの墓

残りの八竜
ホーリードラゴン(所在地不明。ゲームでは狂信者の塔)、ブルードラゴン (古代城)
391クラウド編:2005/06/23(木) 22:43:44 ID:A61dEtxr
コロシアムの近くにポツンと広がっている小さな草原
そこでは、剣の素振り音が絶えず響いていた
打倒ジークフリードのために、クラウドは修行に明け暮れていた
その様子をエアリスは近くの切り株に座り眺めていた
「ふう・・・・」
クラウドの額から汗が滴り落ちる
「クラウド、少し休んだら?朝からずっとやりっぱなしよ」
「ああ、そうだな・・・・」
クラウドはエアリスの横に腰掛け、ゆっくりと休息をとる

「思えば、こういう風に2人きりで過ごすのってかなり久しぶりなんじゃない?」
「・・・そうか?・・・まあ、そうだな」
「うわぁ、興味ないってか・・・・・まあ、クラウドらしいけど。あなたの頭の中はいつも戦いのことばかりね」
「セフィロスを倒す・・・それが今の俺の全てだからな。他の事にまで気を回している余裕はない」
そう言いながら、両手を頭に回し仰向けになって寝る
昔から寝ながら空を見るのが好きだった
「セフィロス・・・・あなたのお母さんや故郷を奪った男・・・」
「今ではニブルヘイムも大分復興してきたようだが・・・・失った物はもう戻らない
 あいつはイカレてる。何を考えているのかさっぱり分からない。とにかく、俺がみんなの仇を討つ」
「止めはしないけど・・・・何度も言うけど無茶はしないでね?」
「・・・・ん?なんだあれは?」
392クラウド編:2005/06/23(木) 22:44:10 ID:A61dEtxr
南の空から何か飛行物体が近づいてくる
魔物・・・・その魔物の上に人間の男が騎乗している
クラウド達の真上に来た瞬間、男が魔物から飛び降りた
男はクラウド達の目の前に着地し、ゆっくりと立ち上がりながら顔を上げた
「!!!」
その顔を見た途端、エアリスは驚愕した
「よお・・・・久しぶりだなクラウド」
「・・・?誰だお前?」
「おいおい何だよ、俺を忘れたってのか?・・・・ああ、そうか。宝条に記憶を消されたんだな」
クラウドは何のことを言っているのかさっぱり分からない
「エアリス、お前も一緒だったとはな」
と、エアリスに目配りする
「エアリス、知り合いか?」
「・・・・うん。彼の名はザックス・・・・同じ村の出身で、私の幼馴染よ」
そして、エアリスの初恋の相手でもあった
「(ザックス・・・・・?どこかで聞いたことがあるような・・・)」
クラウドは自分の記憶を辿り、ザックスという名前を探す
かつて何度も聞いたことがある名前だが、どうしても深くは思い出せない
「忘れちまったってんなら思い出させてやるよ。宝条の記憶の消去は超小型の機械によるものだ。外してやるよ」
そう言ってザックスはクラウドの頭に手を伸ばし、髪に隠れていた虫サイズの機械のようなものを指でつぶした
「くっ!? ・・・・・・・・・・・・・!!」
「思い出したようだな。気分はどうだ?」
「・・・・・・最悪だな」
393クラウド編:2005/06/23(木) 22:45:08 ID:A61dEtxr
クラウドとザックス
2人は親友でありライバルだった
若くしてソルジャー・クラス1STとなった優秀な戦士だった
神羅は2人に絶大な期待を寄せていたが、クラウドが頭一つ抜けていた
ザックスももちろん超優秀なソルジャーだったが、パワー、スピード、剣術、精神力、状況判断力、全てがクラウドにわずかに劣っていた
ザックスはその事にコンプレックスを抱いていたが、その時はそれほど気にはしていなかった
クラウドはたった一人の親友だったからだ
そう心に言い聞かせていたからだ

ある日クラウドとザックスは、たまたま扉が開いていた宝条の研究室にこっそりと入った
「うへぇ、悪趣味な研究室だな。一体何の研究してやがんだ宝条は」
「・・・・・おい、ザックス。これを見ろ」
「ん?なになに・・・・・ソルジャー精製法・・・?なんだこりゃ」

それは宝条の恐るべき研究資料だった
ソルジャーとは、優秀な神羅兵の中から選ばれた精鋭
しかし、それを選別するのは宝条
それも研究材料として、強制的に・・・・
大量の魔洸を体全体に浴びせ、ジェノバ細胞を取り込むことにより、戦闘能力を大幅にアップされたソルジャーが作り出される
その際にジェノバ細胞によって記憶を塗り替えられ、このことはソルジャー達は一切覚えていない
それを定期的に行わなければ、ソルジャーとしての質の大きな向上は望めない
しかしそんな事を繰り返せば、やがて魔洸中毒となり死に至る
ベテランのソルジャーがいないのはこのためだ
そう、ソルジャーとは使い捨ての駒なのだ

2人はショックを受けた
そんな事は全く知らなかった
いや、覚えていなかった
このままここにいては、魔洸中毒で死んでしまう
2人は神羅を脱走した
394クラウド編:2005/06/23(木) 22:46:38 ID:A61dEtxr
しかし、逃げている途中で神羅に見つかり、戦闘となった
いくら2人が強いとはいえ、多勢に無勢
ザックスは殺され、クラウドも重傷を負った
「馬鹿どもが!生け捕りにしろと言っただろう!貴重なサンプルを・・・・」
「も、申し訳ありません宝条博士」
「ふん、まあいい。ザックスの方は後で私が改造して生き返らせる。クラウドの方は記憶を消すだけでいいだろう」




「・・・・で、その後お前はどうしたんだ?ザックス」
「宝条に改造されて、見ての通り生き返った。宝条は今はケフカの手下になった。実質俺もな
 三闘神となったセフィロスにお前がここにいるって聞いてやってきた。お前を倒すためにな」
そう言うと、いきなりザックスは剣を抜き、その振られた剣はクラウドの顔面の手前でピタっと止められた
クラウドの前髪が数本パラっと落ちる
「・・・・完全に洗脳されているわけじゃなさそうだな。それが何故俺に剣を向ける?宝条に復讐しようとは思わないのか?」
「自分に歯向かうような中途半端な改造を宝条がすると思うか?頭では分かっていても体がそれを許さない。一応宝条に従っているフリをしてるが、実際は糞くらえだ」
「1つ目の質問に答えていないな。もう一度聞く。何故俺に剣を向ける?共に神羅を脱出しようと誓ったんじゃなかったのか」
「お前にもだよ、クラウド・・・・宝条に改造されたことにより、俺の嫉妬、憎しみ、悪意、それらの負の感情があふれ出てきた
 クラウド、本当は俺はお前が憎かった。宝条に改造されて、それにようやく気付いたんだ」
395クラウド編:2005/06/23(木) 22:50:57 ID:A61dEtxr
軽い口調で話していたザックスの表情が、徐々に険しくなっていく
クラウドと同じ、その蒼い目でクラウドを睨みつける
「俺はお前に恨まれる覚えはないが?」
「そうだろうな・・・俺が勝手に妬んでいただけだ。何をするにも、俺はお前の次だった・・・・。
 何をするにもお前と比べられ、ほとんど同じ強さにも関わらず、わずかな能力の差で俺はとことん下に見られた
 お前がいなければ、俺はNo1になれた。もちろんNo1はセフィロスだったが、あいつは別格だしな」
その話を、エアリスは悲しそうに聞く
変わってしまった初恋の幼馴染を涙目で見つめる
それにザックスは気付いていたが、あえて気付かないフリをしていた
今のエアリスを見てしまうと、決心が鈍ってしまう気がしたからだ
「ただの自己満足なんだよ・・・・お前を倒して俺がNo1になりたい。その欲望が奴の改造によって溢れているんだ」
「・・・・わかった、もういい」
クラウドも剣を構えた
クラウドとザックス、アルテマウエポンとアポカリプスが、それぞれ対峙しあう
「早めにケリをつけるぞ。あまりこの話を長引かせると、また読者に叩かれそうなんでな」
「あ?なんの話だ?」
「・・・・なんでもない。いくぞザックス!」

さっきまで素振り音が響いていた草原に、今度は2つの剣のぶつかり合う音が鳴り響く
エアリスはクラウドに加勢することはなかった
エアリスにとっては、クラウドもザックスも大切な人だった
それもあるが、何より2人の私闘に手を出すことはできなかった
ただ、2人とも無事に終わることを祈るしかなかった
396名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/23(木) 23:29:35 ID:+1cN8EXn
新しいタイプの作者だな。おもしれー
だけど、一つだけつっこませてくれ。クラウドはソルジャーにはなれなかったんじゃなかったっけ?
397名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/23(木) 23:39:30 ID:6NmeRsz2
>>396同意
まぁ面白いからいっか
398名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/23(木) 23:42:16 ID:AJytSwLj
世界崩壊後にもニブルヘイムあったのか!?しかも復興が進んでるとは・・・
まぁ非常に面白いからこんな下らんこという必要もないけれど。
399名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/23(木) 23:42:22 ID:A61dEtxr
>>396-397
7のセリフ集載ってるサイトとか見てみたんだが、なにぶん設定がややこしくてね
いっそのこと開き直ってオリジナル設定にしちゃおうってことにした
7メインの話じゃないから、いじっても大丈夫かなーと
とりあえずお褒めの言葉ありがとう
400名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/23(木) 23:45:42 ID:JiFzFS7N
>>399
うん、ナイスな機転だ。
下手に元ネタ使ったら、どんどん6から遠ざかっていくしな
乙。
401名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/23(木) 23:47:48 ID:+1cN8EXn
そういや、世界崩壊後の7の世界は元ネタがないからどうにでもいじれるなw
402名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/23(木) 23:57:27 ID:AJytSwLj
とりあえず、6と7と8の一部の街は融合しているって考えていいですか?
403名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/23(木) 23:59:24 ID:+1cN8EXn
8は元々無いよ。6と7はどうなんだろう?
404名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/24(金) 00:02:09 ID:QmAv4Dey
誰か地図作ったとかいってなかった?
俺は携帯からでみれなかったわけだが
405名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/24(金) 00:03:48 ID:+CocCESu
ああ、あれはゾゾ周辺だけの地図だったよ。
誰か作ってまとめサイトに載せてくれんかな?
それより、掲示板の設置はまだかなぁ
406名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/24(金) 00:07:45 ID:Y+Jkpl0k
7はミッドガルからジュノンまでが書かれてた
位置はサウスフィガロの西の方
8はバラムガーデンだけ出てきた

あと、掲示板はここだけで十分だと思うよ
407名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/24(金) 00:11:31 ID:Y+Jkpl0k
間違えた
ニブルヘイムとかロケット村も書かれてたな
とりあえず単純に、6の世界の西の方に7の世界が広がってるって考えればいいんじゃない?
408名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/24(金) 00:12:30 ID:I0QWnKBA
IDよく見たらロック編とクラウド編同じ作者だ
すげー
409名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/24(金) 00:14:40 ID:+CocCESu
6の世界の裏側が7の世界ってことでいいんじゃね?
410名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/24(金) 00:22:48 ID:8r4BnsZ9
シャドウ&リルム編から俺なにも書いてないことに気付いた…
途中までタークス編投下するよ。とりあえず戦闘はなしで、曖昧だった過去の方を書いてみる。ツォンと絡ませないといけないので。
411タークス編:2005/06/24(金) 00:23:23 ID:8r4BnsZ9

「どれがいいかなぁ〜」

ジドールの武器屋。イリーナはアースドラゴン戦で酷使した刀を買い替えるべく、レノとルードを引き連れ武器屋で刀をかれこれ三十分ほど吟味している。
当然のごとくうんざりした顔のレノは、先程から苛々とイリーナをねめつけているが、彼女はそれに気付く様子もない。

宝条の手掛かりを追ってジドールまでやってきたはいいものの、当の宝条の情報は皆無であった。状況はふりだしに戻ってしまったのだ。

そんなこんなでもう一日滞在してからジドールを出ることになり、その前にいつものように買い物を済ませている。


「よし、決めた!やっぱこれとこれだ」
ようやくイリーナが二本の刀を選びだし、それを抱えてレジへと歩いてゆく。

唐突に、レノは彼女が刀を持ち始めた理由を思い出した。

この身体になってしまったのをやっと理解しはじめたころ、イリーナは新タークスの存在を知った。

まだツォンが死んでしまったと思っていた彼女は彼らに復讐するために、新タークスのうちの一人、セフィリアに対抗するべく刀を二本求めたのだ。

もっとも―――それから世界崩壊が起こり、神羅そのものがなくなってしまったので、イリーナの血の滲むような努力は結局水の泡となってしまったのだが。
412タークス編:2005/06/24(金) 00:25:23 ID:8r4BnsZ9
神羅が壊滅してしまったと知った時の彼女の顔がいまだに忘れられない。

怒り、絶望―――そんなものが混ざりあった表情。ただただ呆然と、眼前の現実を見つめているしかなく。

けれど絶望ばかりではなかった。その後の調べでツォンがまだ生きているということ、そして自分たちを今の身体にした宝条の存在を知ったのである。

それからだった。イリーナの眼に再び復讐の焔が灯り始めたのは。
神羅時代にはなかった冷たいものに、背筋が粟だつことも何度かあった。

三人の宝条への復讐心が強い事に変わりはないが、イリーナが一番明確にその思いを全面に押し出している。

まるで、イリーナという存在自身が殺気で象られているかのように。


代金を支払い、新しい刀を腰に差す。心地よい重みだった。

「あぁそうだ、よろしければこれをどうぞ」愛想のよい笑いを浮かべた店の男が、釣りを渡すと同時に工芸品らしいペンダントを差し出した。

「久しぶりに可愛いお客さんがきたもんだから、ちょっくらサービスしたくなっちまいましてねぇ」
聞いてもない事をぺらぺらと述べながら、男はイリーナにペンダントを握らせる。

「…ありがとう」
少しためらってから、イリーナはペンダントをマントの中にしまいこんだ。アメジストのような色合いが美しいペンダントだ。
413タークス編:2005/06/24(金) 00:27:09 ID:8r4BnsZ9

「ふーん…オマケにしちゃやたら出来がいいな」
店を出たレノが先程イリーナが受け取ったペンダントを眺めながらつぶやく。

「よかったな、イリーナ。女に見られて」
「どういう意味です!?」
「………」
例によって例のごとくルードの無言の仲裁(要は睨みだが)が入り、二人は呻いて押し黙るのであった。


「あとは寄るとこないよな?宿屋帰ろうぜ」「そうですね。明日早いですし」
「…だな」

街はすっかり日も暮れて、人通りも全くない。反面、オークション会場の方からは賑やかな声が聞こえて来る。
そして―――宿屋に向かう道中で、突然それは訪れた。

―――――

イリーナの耳に、何かが聞こえたのだ。
微々たる音量だが、確かに。
――――――
身体の奥底が、軋んだ音をたてる。歯車のように、ゆっくりと。

――――オマエハ、知ッテイルノカ?
ふいに、その音が声となって身体の中で響いた。反射的に足を止める。

―――オマエハ人間ジャナイ

イリーナの額に汗が浮かんだ。見えない“声”は続ける。
―――知ラナイノカ?無知ナ者。

確かに自分は人間ではない。一度は死に、不老不死となった身だ。だが――そんなことが今更なんだというのだ?
414タークス編:2005/06/24(金) 00:29:15 ID:8r4BnsZ9
――――オマエラハ不老不死ダケジャナイ
オマエタチニハ―――
何か別のものが自分たちの身体にいるような言い方だ。そうイリーナが思った瞬間、心臓が大きく脈打った。

まるで自分ではないものが答えたかのように。

――――オマエラの血ノ中ニイルノハ―――やめろやめろやめろ!
ほとんどパニック状態に陥り、イリーナは頭を抱えて声を振り払おうとする。

―――魔物ヨリモ恐ロシイ―――
あたしの頭の中に入って来るな!

必死の抵抗も、どうにもならなかった。
声は無慈悲にも、その先を語った。
――――狂戦士ノ血ダ―
あ…あ…

身体の中に焼けた鉄を押し込まれたかのようだった。
彼女はその場に崩れ落ち―――

「イリーナ?どうした、と?」
「……?」
道に座り込んだままのイリーナに歩み寄るレノとルード。
レノがイリーナの顔を覗き込もうとすると―――

殺気。そして、銀色が閃いた。
「っつ!?」
「イリーナ!」
居合い抜き。そう理解するまでさほど時間は要さなかった。

刀を構えた彼女の瞳は、飢えた捕食獣を思わせるほど鋭い。明らかに、イリーナ以外のなにかだった。
415名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/24(金) 00:29:45 ID:8r4BnsZ9
とりあえず本日ここまで。みんなすげぇなぁ
416名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/24(金) 00:53:46 ID:QmAv4Dey
乙かれい。
あんたも十分すごいと思われ

こっちゃスランプだ
おおまかな流れはできてるんだが肉付けがなあ…orz
ロック編とクラウド編両方書いた人とか、俺からすればありえねえ…化け物め!
417名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/24(金) 12:48:42 ID:+CocCESu
誰編書いてる?
誰もいなかったらエドガー編を書いてみようかと。
418名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/24(金) 17:10:00 ID:QmAv4Dey
ビンゴだ。スマン。
とりあえず週末には書くつもりだが、もし書けなかったらバトンタッチしてもいいか?
419クラウド編:2005/06/24(金) 17:20:25 ID:Y+Jkpl0k
目まぐるしく交わりあう2つの大剣
2人はほぼ互角・・・・いや、ややザックスが押しているか
ザックスの激しい猛攻に、クラウドはなかなか攻めることができない
アルテマウェポンでなかったら、とっくにクラウドの剣は折られているだろう
しかし全ての攻撃を剣で受け切れているわけではなく、何回かは斬られている
クラウドの肩や胸、足、腕から血がこぼれる
攻撃を続けながら、余裕の出てきたザックスがクラウドに話しかけてきた

「クラウド、神羅時代に俺たち何回か、木刀でだが手合わせしたよな?戦績覚えてるか?」
「知るか・・・」
「ちょうど20戦。0勝4敗16引き分けだ・・・・俺は一度もお前に勝てなかった!」
ガキン!
「くっ!」
勢いよく振り下ろされたザックスの剣を下から押さえるクラウド
少しでも気を抜いたらそのまま潰されてしまいそうな重圧である
「ソルジャーになったばかりの頃は俺たちは全く対等だった。実力も、神羅の連中からの目も・・・
 だが、少しずつ俺たちの力の差は開いていった。その4敗も、14戦目ぐらいからだ
 後から差が開き始めたのは明らかだ」
「・・・・・」
「何故だ?使う武器も同じ、身長も同じ、年齢も同じ、こなしたミッションの数も同じ、神羅に入ってからの戦闘経験も同じだ!
 それなのに、何故お前は俺の一つ上をいく!?」
ドゴ!
「ぐはっ!」
ザックスの足蹴りがクラウドの腹部を直撃する
離れたかと思いきや、すぐさまザックスは再びクラウドに連続攻撃を仕掛ける
420クラウド編:2005/06/24(金) 17:21:03 ID:Y+Jkpl0k
「だが、それも今日で終わりだ。宝条に改造された俺は、あの頃よりも遥かにパワーアップした。もうお前に遅れは取らない!」
「・・・・・・嬉しいか?」
「なに・・?」
「そんな方法で強さを手に入れて俺に勝って嬉しいかって聞いてんだよ!!」
ズバ!!
「がっ・・・!」
クラウドの剣が初めてザックスを捕らえた
予想外の反撃に思わずたじろぐザックス
「改造されてその程度の強さなら、改造なしだったらお前・・・・とっくに俺にボロ負けしてるぞ・・・」
「てめえ・・・!!」
「来いよ・・・俺は逃げも隠れもしない。お前の全力の一撃を撃ってこい。それで終わりにしてやる」
「・・・・後悔させてやるぜ」

さっきとは一変、草原には風の音だけが鳴り響く静けさが漂っていた
クラウドもザックスも、まばたき一つせずにお互いを見据えている
その様子をただ見ているだけのエアリスも、思わず息をのむ
「(・・・・・くる!)」
ザックスの目を見てすぐにそれがわかった
その瞬間、猛スピードでザックスはクラウドに突撃した
これまでとは気迫が違う
間違いなくザックスの最高の一撃がくる
「その剣ごと真っ二つにしてやるぜ、クラウド!!」
「・・・・・・」
ザックスのアポカリプスが、横一閃にクラウドを襲った
しかしクラウドは冷静にザックスの動きをよく見て、アルテマウェポンの刀身をアポカリプスの剣先に上手くあわせた
「なに!!?」
アポカリプスがアルテマウェポンの刀身を滑る
ザックスの攻撃の勢いは完全に受け流され、クラウドの遥か後方にその体は運ばれる
真正面から受けてくると思っていたザックスは完全に裏をかかれた
421クラウド編:2005/06/24(金) 17:21:40 ID:Y+Jkpl0k
「ちっ!このヤロ・・・・・・・はっ!」
ザックスは慌てて後ろを振り返ったが、もう遅かった
クラウドが剣によって飛ばした闘気が、ザックスに直撃した
クラウドに飛び道具はない・・・そう思い込んでいたザックスは、半端に距離があったせいで油断していた
「破晄撃か・・・・・くそっ・・・・それがあったの忘れてたぜ・・・」
ドサッ・・・・
血まみれになったザックスの体が、草原の真ん中に倒れこむ
「・・・所詮改造など、まやかしの強さに過ぎない。肉体が強くなろうが、技術や精神力、戦闘における勘などは育たない」
クラウドはゆっくりと剣を鞘に収めた
しかし・・・・
「・・・・くっ・・・ハア、ハア、な、何勝手に剣しまってんだよ・・・まだ終わってねえぞ・・・」
剣を杖代わりにして、ザックスはその重い体を立ち上がらせる
もう戦闘不能なのは誰が見ても明らかだ
「ザックス!もうやめて!」
「お前は黙ってろエアリス!さあ来いよクラウド!俺は死ぬまでやめねえぞ!」
「ちっ・・・!この馬鹿が・・・!!」





「・・・・・ちく・・・しょう・・・」
「・・・・もう終わりだ、ザックス」
破晄撃をくらってからも、ザックスは何度斬られても立ち上がり、クラウドに向かっていった
しかし、それももう限界である
戦う力どころか、もう生きる力も残されていない
「ザックス!しっかりして!」
エアリスが倒れているザックスに駆け寄り、回復魔法をかける
しかし、一向に傷は治らない
422クラウド編:2005/06/24(金) 17:24:04 ID:Y+Jkpl0k
「無駄だよ・・・回復魔法ってのは、細胞を活性化させて傷を治す魔法だろ・・・?
 生き返ったっつっても、俺の体はもう死んでるんだ。宝条が人工的に作った血は流れていても、心臓ももう止まっている・・・。
 自然回復することもない。俺の治療・・・・いや、修理をできるのは宝条だけだ」
「そんな・・・・」
「クラウド・・・・結局・・・一度もお前に勝てなかったな・・・なんでだろうな・・・」
「・・・俺がお前より強かった。それだけのことだ」
「・・・だよな。だが認めたくなかった・・・・・・互角ならまだしも、あからさまにお前の方が強いなんてことはな・・・」

ザックスの体からとめどなく流れる血
これが流れ切った時、ザックスの2つ目の命は終わる
「ザックス、何故そんな風になってしまったの・・・?子供の頃のあなたはそんな人じゃなかった
 ちょっと負けず嫌いなところはあったけど・・・・それが何故?」
「・・・俺は変わっちゃいねえさ・・いつだって一等賞になりたかった。親友を蹴落としてでもな・・・・・。元々腐ってたんだよ」
そう言いながらザックスは懐から紙切れを取り出し、クラウドに手渡した
「これは?」
「宝条の研究室からパクってきた。ケフカがいる瓦礫の塔の場所と、塔の内部の地図だ・・・女神、魔神、鬼神の像の位置もそこに書かれている
 お前のお目当てのセフィロスは魔神だ・・・・戦いたかったらよーく参考にしやがれ・・・」
「何故これを俺に?」
「・・・・俺に完勝したんだ。どうせならそのままセフィロスも倒して本当のNo1にでもなっちまえ」
「・・・・・ああ、そのつもりだ。・・・・・・ザックス、すまない」
「謝ってんじゃねえよ・・・全部俺が悪いんだからよ・・・・・・ったく・・・最後の最後まで・・・いけすかねえ野郎だ・・・ぜ・・・・・・・・」
423クラウド編:2005/06/24(金) 17:26:24 ID:Y+Jkpl0k
・・・ザックスは2度目の死を迎えた
クラウドとエアリスは、近くにザックスの墓を作り、十字架の代わりにアポカリプスを供えた
「・・・・明後日、ジークフリードに再戦を申し込む」
「えっ もう・・・?大丈夫なの?」
「さあな。だが、今の俺なら勝てそうな気がする」
「そう・・・・じゃあ、とにかく今日と明日はゆっくり休んでね」
「ああ」
そして2人は重い足取りでコロシアムへと戻っていった
体だけでなく、心も休ませるために・・・



その一部始終を使い魔の目を通して、セフィロスが見ていた・・・
「これは驚いた・・・勝てても重傷は免れないと思っていたが、予想よりずっと楽に勝ったな
 ふははは・・・・いいぞクラウド。ますます楽しみになってきたよ・・・・」
クラウドの強さは、確実に一歩一歩セフィロスに近づいている
その証拠が、明後日のジークフリードとの再戦で明らかになる・・・
424名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/24(金) 18:15:55 ID:k8yDC0bp
さてタークスのイリーナに憑いている魔物の正体はいったい・・・
425名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/24(金) 18:33:12 ID:I0QWnKBA
>>419-423
面白すぎる…
神だな
ロック編も期待してるからがんがれ!
426セッツァー編:2005/06/24(金) 20:24:13 ID:Y+Jkpl0k
荒野を歩くセッツァー一行
ダリルの墓に着くのは間もなくである
「それにしても、野郎ばっかでむさっ苦しいパーティだな・・・・華がねえよ華が」
「ウホッ!いいパーティ・・・」
「・・・・・ウーマロ、お前何言ってるクポ?」

セッツァーの愚痴とウーマロの意味不明な発言はさておき、ダリルの墓の前に到着した
「さて、いよいよだな・・・次こそ上手くいくといいが」
そう言ってセッツァーは墓の入り口を開ける岩に手をやろうとすると・・・
「待て!」
「ん?なんだよマッシュ」
「・・・・何か嫌な予感がするぜ。入り口の所に何かいるぞ」
確かに、入り口の向こうから何か邪悪な気配がする
その場にいた6人全員ががそれを感じ取れた
それが何なのかも、皆大体は予想はついていた

そして、マッシュが両手に聖なる闘気を溜め始めた
オーラキャノンの準備である
「・・・・よし、いいぞ。開けてくれ」
「あ、ああ・・・・」
セッツァーは恐る恐る墓の入り口を開けた
その瞬間!
427セッツァー編:2005/06/24(金) 20:25:38 ID:Y+Jkpl0k

ドバアアアア!!

「うわっ!なんだこいつら!」
ロックがその様子に驚愕するが、無理もない
入り口から、穴を開けたダムの水のようにアンデッドがあふれ出てきたのだ
「はあーーー!!!」
それと同時にマッシュがオーラキャノンを放つ
しかしマッシュのオーラキャノンだけでは全てのアンデッドを倒すことはできなかった
「ま、前より増えてやがる・・・・!」
顔色の悪いセッツァーがつぶやいた
そう、明らかに以前セッツァーが来た時よりもアンデッドの数が増えているのである

マッシュが撃ち漏らしたアンデッドは、とりあえずすぐにスコール達が片付けた
今のこのパーティにとって、決して一匹一匹は強くはないが、数が多いと相当厄介である
しかし、入り口ですでにこれだけのアンデッドがいる
その事実に、先が思いやられる
「・・・・もう2・3人仲間連れてきた方がよかったかね・・」
「弱音吐いてんじゃねえよ!いいから行くぞ!」
マッシュに腕を掴まれ、半ば強引に墓内部に連れ込まれるセッツァー
「わ、わかったよ!わかったから放せっての!男に触られて喜ぶ趣味はねーんだ!」
その後をロック達4人が、やれやれと言った表情でついていく
アンデッドの恐怖はまだ始まったばかりである・・・
428名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/24(金) 23:11:08 ID:+CocCESu
また、クラウド編とセッツァー編は同じ作者か。
すげぇ。神が降臨しなさってる。

>>418 おk。でも、できるだけ書いて欲しい。ところで、セリス達も同じ船に乗ってるのか?
429名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/24(金) 23:27:41 ID:QmAv4Dey
>>428
いや、乗ってないよ。二隻の船に別れてる。
エドガーの船が先を行ってて、距離をとってセリス達の船が後をついてきてる感じ
430名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/24(金) 23:52:00 ID:+CocCESu
>>429 サンクス。そうだったのか、じゃあ、エドガー編は書かないと思うわ。
    ケフカが強襲して、セリス強奪→洗脳してブリンガーVSバスターみたいなのをやろうと考えてるんだが
431名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/25(土) 00:01:23 ID:hyhh9gsp
それはそれは超展開でw
こっちも結構超展開やろうとおもっとります。



ただ文がね・・・・
432名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/25(土) 00:10:07 ID:hIeuqD6Z
>>431 俺もw 前にバスターVSウェポンの話が出たときから考えてんだけど、なかなかねw
    ケフカについてあんまし知らないから前スレのセリスの旅立ち編辺りを参考するしかないかな
433セッツァー編:2005/06/25(土) 01:39:42 ID:oqb7Rmwh
ダリルの眠る墓に入ってから早数時間
以前セッツァーが最深部に辿りつくまでにかかった時間は20分程度だった
何故こんなに遅れているのかは、言うまでもないだろう
「ハア、ハア、くそったれ!倒しても倒しても沸いてきやがる!」
「キリがないな・・・・やはり大元を断たなければ、こういう類の魔物はいくらでも溢れてくるぞ」

あれから一体何匹のアンデッドを倒しただろうか
前後左右上下、奴らはどこからでも襲ってくる
6人はそれぞれ別の方向を担当し、常に気を使っていた
肉体も精神もかなり疲労してきている
その中でも特にイライラしているのはマッシュだ
「おいセッツァー!いつになったらお前のダチの墓に着くんだよ!この辺にあるのは違うのか!?」
「・・・コーリンゲンやジドールで死んだ奴も皆ここに眠ってんだよ。俺のダチの墓はここの一番奥だ・・・飛空艇もな」
「マジかよ・・・」

確かにこのパーティは強かった
仲間内で一番のスピードと強力な武器を持つ、ロック
同じく、仲間内で一・二を争うパワーを持つ、マッシュとウーマロ
巧みな戦闘技術と攻撃のバリエーションでどんな相手にもオールラウンドに対応できる、モグとスコール
そして、危険を伴うが、決まれば超強力な威力を発揮するスロットの使い手、セッツァー
攻撃面に関して言えば、まさに最強の精鋭達と言っても過言ではない

だが、このパーティには大きな弱点があった
それは、回復魔法の使い手がいないことだった
ポーションも世界崩壊の影響で、調合の材料の調達や輸入が思うようにいかず、かなり高値になってしまっていたのだ
だからこそ、こうして体力が減る一方なのである
もっと言えば、魔法を使える者自体がいない
これまで出くわした敵は、全て武器や拳で倒してきたのだ
もし物理攻撃に強い敵が出てきたとしたら、苦戦は免れない
しかしそれでも今更引き返すわけにもいかない
6人は前に進むしかなかった
434セッツァー編:2005/06/25(土) 01:41:13 ID:oqb7Rmwh
一方その頃・・・・
「・・・・・狭いな。調子に乗ってアンデッドを量産しすぎたか」
ここは墓の最深部の部屋
大量のアンデッドに埋もれながら、スカルミリョーネがつぶやいていた
「まったく・・・・少しは計画的に行動してくれないか。明らかに無駄に作りすぎじゃないか」
デュラハンがぼやくのも無理はない
部屋の中はまるで満員電車である
「う、うるさい!私だって失敗する時はある!」
「・・・・いつもじゃないのか」
「・・・・・しかし窮屈な上に暇だな。しりとりでもするか?」
「くだらん、一人でやってろ・・・・・・・・・・・むっ?何か来るぞ」
その時、勢いよく扉が開いた
ぎゅうぎゅう詰めになっていたアンデッド達が部屋の外に流れ、少しは楽になる
しかしその次の瞬間、アンデッド達がバッサバッサと宙を舞う
「な、なんだ!?侵入者か!?」
慌てふためくスカルミリョーネにセッツァーがツッコむ
「・・・・侵入者はお前らだろ。人のダチの墓を荒らしやがって」

ドパーーーーン!!

その声が聞こえた直後に、部屋中に光の放射線が放たれた
435セッツァー編:2005/06/25(土) 01:42:32 ID:oqb7Rmwh
それはセッツァーのスロット技の一つ、セブンフラッシュである
それによって、残りのアンデッド達が一気に片付いた
アンデッドが消え、部屋にはスカルミリョーネとデュラハンだけが残った
「貴様はあの時の・・・・なるほど、仲間を連れてきたか。だが、同じことだ」
6人を前にしても、スカルミリョーネもデュラハンもまだ余裕の表情を見せている
しかし、その余裕を裏付けるほどの実力をこの2匹も持っていることは事実である
「そうかな?こいつらの強さ、すぐに思い知ることになるぜ」
「お前も思い知らせてやれよセッツァー。人にばっか頼ってねえでよ」
「正論だな・・・」
「おうよ!お前もたまには男らしいとこ見せてやれよ!」
「そうだクポ。ここまでアンデッドを倒した数が一番少ないのは明らかに兄ちゃんだクポ。もっと頑張れクポ」
「ウー!ウー!」
「・・・て、てめえら・・・人がせっかくカッコよく決めたってのに台無しにしやがって・・・。くそ!やりゃいいんだろ!?やりゃ!」
セッツァーもここに来てようやく火が付いたようだ
この2匹を倒せば、ダリルの墓と飛空艇はすぐそこだ
大分体力を消耗してしまった6人だが、ここが正念場である
436名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/25(土) 09:52:34 ID:ZYXqR2jT
hoshu
437名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/25(土) 10:16:02 ID:VJtUZ4R3
あげます
438名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/25(土) 13:56:08 ID:YhnGTiMK
なんていうかオリジナルの設定とか話を付け加えるのが上手いと思う
それも、あくまで脱線しすぎない程度に抑えて
レイチェルとか、クラウドとザックスの関係とか結構アレンジされてたり
あと、たまに書かれたりするギャグ要素も面白い
それでこのペースで書いてるんだもんな…よくそんなに次から次と新しい構想が思い浮かぶもんだ
439名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/25(土) 21:29:51 ID:y3X+4BAy
>438
想像力豊かな賢人が多い証拠さ。
440セッツァー編:2005/06/25(土) 21:43:39 ID:oqb7Rmwh
敵は2人
セッツァー達はパーティを3人ずつに分け、それぞれ一匹ずつ倒す作戦を取った
「フシュルルルルル・・・・・」
土のスカルミリョーネに挑むのは、セッツァー・ロック・モグの3人
「モグ、お前と肩並べて戦うのはナルシェ以来だな。頼りにしてるぜ」
「僕もロックのこと頼りにしてるクポ」
「俺は無視かよ・・・」

スカルミリョーネ・・・・屍の色を模したような薄茶色のローブで全身を纏った不気味な魔物
アンデッドを無限に作り出す能力はかなりのものだが、スカルミリョーネ自体は全く強そうには見えない
アンデッドがいないと何もできないのか・・・・それとも・・・・
「何にせよ先手必勝だ、いくぜ!」
先に飛び出したのはロック
スカルミリョーネは魔法でロックを迎え撃つが、素早いロックになかなか当てることができない
「ならば、これでどうだ」
スカルミリョーネが指をパチンと鳴らした瞬間、ロックの足元から何かが飛び出した

ガシッ!
「うっ!?こ、こいつら!」
下から這い出た4・5匹のアンデッドが一斉にロックの足を掴んだ
必死で振り払おうとするが、まとわり付いて離れない
「死ね!」
すぐにスカルミリョーネが上級魔法の照準をロックに合わせる
「や、やべぇ!」
ロックを襲う特大の炎
こんなのをまともに食らったらただでは済まない
「ちっ!」
441セッツァー編:2005/06/25(土) 21:44:10 ID:oqb7Rmwh
セッツァーが舌打ちしながら、すぐさまロックにまとわり付いているアンデッドの頭めがけてカードを投げつける
アンデッドも頭は急所なのか、力が抜け、土に返っていく
しかし炎はもうロックの目の前である
今さら解放されても避けきれない
「くっ!」
ロックが防御姿勢をとったその時

ヒュン!

「うお!?」
ロックの顔の横を、後ろから何か細長い物が通過した
突然の事態にロックは思わずのけぞる
それは炎を巻き込み、そのまま術士のスカルミリョーネへと突き刺さる
それは、モグの投げた槍だった
魔法を吸収するというモグの槍の特性を活かした攻撃である

「ぐはあああ!!」
燃え盛るスカルミリョーネの体
そのチャンスを逃すロックではない
ウィングエッジを投げつけてスカルミリョーネの動きを止め、すかさずバリアントナイフで斬りつける
「か、体が崩れていく・・・・・」
スカルミリョーネの体がどろどろと溶けていく
最後にそこに残ったのは纏っていたローブだけで、中身はもうそこにはいなかった
「ふう、思ったよりあっけなかったな」
武器を収め、モグとセッツァーに親指を立ててグッドサインを送るロック
2人もロックに応える

しかし、3人はアンデッドのボスの本当のしぶとさを、この時はまだ理解していなかった・・・
442セッツァー編:2005/06/25(土) 22:13:36 ID:oqb7Rmwh
スカルミリョーネによって黄泉帰ったデュラハン
デュラハンはかつて1000年前の魔大戦時代に猛将として恐れられていた
それだけに強さは折り紙つきである
だが、それに立ち向かうマッシュ・ウーマロ・スコールの3人も決して劣ってはいない
「(こやつら・・・できる!)」
デュラハンはすぐに3人の強さを理解していた
デュラハンが乗っていた馬車はすでに破壊され、長槍を手に3人を真正面から相手にしていた
「はあ!」

ズガガガッ!!

「ぐあ!」
「くっ!」
横に振り回された長槍が3人を同時に襲う
魔大戦時代では何百何千の敵をなぎ倒してきたデュラハンである
デュラハンにとっては3人同時にかかってこようが、1対1とさほど変わらない
「つええぞあいつ・・・・ただ者じゃねえな」
「だが勝てない相手ではない。しかしバラバラに攻撃しても駄目だ。即興のパーティだが、何とかして連係しなくては」
しかしそれには大きな問題があった
「・・・・なあ、ウーマロを交えて連係ってのも無理な話じゃねえか?」
「・・・・それもそうだな」
「ウ?」

デュラハンが再び3人の前に立ちはだかり、武器を構える
「作戦タイムは終わったか?こちらもいつまでも待ってるほど気は長くないぞ」
結局作戦はまとまらなかったが、攻撃力だけで言えばこの3人はとてつもないものがある
とにかく攻める、それが最良の選択だった
破れかぶれのような作戦だが、なんとこれが功をなした
攻撃力だけでなく、頑丈さも相当なものだ
ちょっとやそっとの攻撃では3人は何度でも立ち上がれる
そしてなりふり構わず攻め続ける
次第にデュラハンに余裕がなくなってきた
443セッツァー編:2005/06/25(土) 22:14:16 ID:oqb7Rmwh
「(ちっ・・・魔大戦時代にもこんな厄介な奴らはいなかったぞ・・・仕方あるまい、あれをやるか)」
デュラハンが3人から距離を取り、その長槍に冷気を纏わせ始めた
「な、なんだ・・・?」
「くらうがいい!ノーザンクロス!!」
長槍を振るった瞬間、3人を極寒の冷気が襲う
「うわあああ!!さ、さみいい!!」
「くっ!この冷気、ブリザガの比じゃないぞ・・・!」
次第にマッシュとスコールの体が凍りつき始めた
「ふはははは!完全に凍りついたが最後、我が槍で貴様らの心臓を一人一人貫いてくれるわ!」

・・・・しかし、この超冷気を全くものとしない者がいた事にデュラハンは気付いていなかった
「ふはははははは・・・・はっ!?」
ガシイ!
デュラハンの顔面を、巨大な手が鷲づかみにした
「ウ、ウーマロ!?」
「そうか、奴は雪男だ・・・・冷気なんて効くはずがない・・・」
「ウーーーーー!!」
デュラハンの顔面を掴んだまま、ウーマロが宙高く飛び上がった
そして天井を蹴り、物凄い勢いで落ちてくる
「ガーーーーー!!!!」

ドゴオオオオン!!!

その勢いに任せ、全体重をかけてデュラハンの頭を地面に叩きつけた
頭は完全に埋もれ、地面から首から下だけが出ているデュラハン
ピクリとも動かず、徐々に体が崩れていくところを見ると、どうやら即死したようだ
「・・・・すげえパワーだな・・・・・パワーだけじゃ俺でもこいつにゃ勝てねえわ・・・」
「まあ、何にせよあいつがいて助かったな」
444セッツァー編:2005/06/25(土) 22:15:16 ID:oqb7Rmwh
「おう、お前らも終わったみたいだな」
スカルミリョーネを倒したロック達と合流する
いずれも疲れを隠し切れない
「よし、ようやく厄介な奴が片付いたな。先に進むぞ。ダリルの墓はもうすぐそこだ」
そう、終着点はすぐそこである
もうすぐ着くということ、それだけが6人の原動力となっていた
しかし・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・フシュルルル・・・・」
「!!?」
6人はバッと後ろを振り返る
スカルミリョーネのローブがもぞもぞと動いている
ローブの下の地面から徐々に何かが這い上がってくる・・・
「か、勘弁してくれよもう・・・」
「・・・・・」
今度ばかりはセッツァーのその弱気な発言に誰も何も言うことはできなかった
5人とも同じ気持ちだったからだ

先ほどの貧弱そうな体格とは打って変わって、巨大な化け物と化したスカルミリョーネ
肉が腐敗しているのか、体中から骨が飛び出している
「フシュルルル・・・・馬鹿な奴らだ。私を殺してしまったことにより、更なる恐怖を味わうことになるのだからな・・・
 死してなお恐ろしい、この土のスカルミリョーネの強さ・・・・地獄に落ちても忘れぬよう、貴様らの脳みそに焼き付けてくれるわ!!」
もう引き返す事はできない
最後の力を振り絞り、6人はこの強大な敵に挑む
445タークス編:2005/06/26(日) 00:06:31 ID:cZmEMXYF
「一体どういう事だ!?」
「俺が聞きてーよ!」
持っていた短剣で攻撃を防ぐのがやっとのレノである。

二刀流というのはなかなか厄介だった。舞うように、しかし狂気に満ちた動作で斬りかかって来るイリーナの表情からは時折覗かせるあの冷たいものが溢れていた。


白い火花が散る。
あれほど激しい動きをしているにもかかわらず、イリーナは疲れた様子すら見せない。
まずいな、とルードは胸中で舌打ちをした。
レノとルード、二人で相手をしているが、彼女は一向に隙を作らず。
ここまで強くなっていたのか、と思うと同時に、ルードは不可解な状況をいぶかしむ。

一体イリーナになにがあったのか。尋常でないのはわかる、あの何分かのあいだに、何が―――

カラン………

小さな音。
石畳の床に、風になびくイリーナのマントから紫色の輝きが落ちた。
それを見たルードは、直感的にそのペンダントからイリーナから感じるものと同じものを感じ取った。

「あれだ…」
「なんだよ?」

「…レノ。お前はイリーナを抑えておいてくれ」
「はぁ!?」
冗談じゃない、と反論しようとするが、その時にはルードはさっと駆け出しはじめていた。

446タークス編:2005/06/26(日) 00:07:28 ID:cZmEMXYF
そうする間にもイリーナの斬撃は迫る。
―――金属音。

「(ったく…いつの間に強くなりやがって)」
心中でひとりごちながら、レノは身体を退き、次の攻撃に備えた。
ルードは床に落ちたペンダントを拾い上げ、サングラスの奥の瞳から眺めた。
淡く妖しい光を放つ、紫の石。
すぐさま掌中で、強く強く握り締めた。

瞬時に紫色の破片が飛び散り、そして―――破片が、まるで溶けるようにその姿を朧気な光に変える。
蛍火のような光は一束に集結し、次には弾けて、消えた。

突然、レノと斬りあっていたイリーナから殺気が途切れる。

刀を取り落としたかと思うと、かくんと膝を折りレノに倒れ込んだ。
「っ、と…」
華奢な身体を支えると、炎のような熱さが伝わってきて。
「……どうやら、これが原因のようだな」
ルードが差し出したのは、あのペンダントの紐だった。

「…あの武器屋、問い詰める必要がありそうだな」
「その前にまずは宿屋だぞ、と。熱がひどい」

通常彼らが熱を出すなどはあり得ない。よほど爆発的なものが彼女の中で発生したのだろう。レノはそう推測した。
ルードは頷くと、イリーナの身体をひょいと片手で抱え上げた。
447タークス編:2005/06/26(日) 00:09:16 ID:cZmEMXYF

深夜の武器屋。
何ごともなければ店仕舞いしていたはずの暗い店内に、二つの人影。
「さて、と。教えてもらおうじゃねぇか。あのペンダントの正体」
上から降ってくる声に、この武器屋の店員はただ怯えながら首を振った。
「そうか」
刹那、手に激痛が走る。
「あぎゃあぁっ!!」「言え。知らないとは言わせない」
真紅の髪の男、レノは冷たく言い放った。

床に無様にはいつくばった男。見上げた先にはレノとルードの二人が。
「ほ、ほ、ほんとに知らないんです!信じてくださいよぉ!」
「本当にか?」
「本当です!だって私ゃ、紫色の石の事なんて―――ぎゃああアあアっ!!」

「…嘘、だな」
ルードが静かに、だが確かな存在感のある声で呟く。

「な、なんで…」
「俺たちは『ここでもらったペンダントでうちの連れが大変な事になったとは言ったが―――“紫色の石のせい”とは一言も言ってねぇだろうが」

「それは…ペンダントと言われたらその石のせいだとしか―――」「黙れ」
レノの足にかけられた力が強まり、男は悲鳴をあげて背中を反らせた。
「見苦しいぜ、おい?」

448タークス編:2005/06/26(日) 00:10:58 ID:cZmEMXYF
男の背中に、ルードがどかっと座り込む。短い呻きが店内に響いた。

「俺はな、意外や意外、医学の成績良かったのよ」
いきなり突拍子もない事を語り出すレノ。

「だからな、よく知ってんだよ。どこをどうすればどこが痛いとか…な!」
渾身の力を込め、レノは柔らかな手の感覚を踏みにじる。
苦悶の叫びは外部の誰にも届くことはなく。すっとしゃがみこんでレノは男の顔を覗きこんだ。

「さ、どうされるのがお好みだ?踏まれるのがいやなら蹴るか?ん?」
「あぐ…あ…」
恐怖の余り声が出ない。そんな彼には構わず眼前の赤毛は晴れやかに笑う。

「ほら…早く選べっての、と」
「うぅ…」
圧倒的な恐怖に男は震える唇と身体で、しかしなんとか声を絞り出した。

「は…話します…話しますから……!」
「よろしい」
くだらない嘘はつくなとルードに釘を刺されてから、男はゆっくりと語り始めた―――


「あの石をあんたらに渡すようにと…ケフカさまに命令されたんですよ……」
「ケフカ様?」
レノもルードも、その名前は知っている。世界崩壊を引き起こした張本人だ。

自分達と何の関係があるのかと首をかしげるレノに、男は驚愕の言葉を紡いだ。

「ケフカ様と宝条さんが…あんたらを狙って……」
「!?」
「宝条!?」
449名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/26(日) 00:12:39 ID:cZmEMXYF
とりあえずここまで。本日中には続きが書けると思う。セッツァー編の職人さん、ガンガレ!
450セッツァー編:2005/06/26(日) 02:03:29 ID:pe7g2NPk
6人の士気は、ここに入る前と比べて格段に下がっていた
体力も精神力も限界に来ていた
疲れきった状態で倒せるほど、スカルミリョーネは弱くない

その腐敗したスカルミリョーネの体から放たれる悪臭は、人体に影響を及ぼすのに十分だった
下手な毒ガスよりもよっぽど強烈である
何もせずとも、セッツァー達はどんどん弱っていく
それに加え、その巨体から繰り出される猛攻
全滅するのは時間の問題である

「フシュルルル・・・・どうした?さっきまでの勢いは・・・どうやらもう限界のようだなぁ」
「ハア、ハア・・・・なめんじゃ・・・ねえよ・・・」
いま6人の中で最も闘志をみなぎらせていたのは、意外にもセッツァーだった
他の仲間が思っているよりもずっと、セッツァーはスカルミリョーネに対して怒りを覚えていた
恋人の墓荒らし・・・・・死者の冒涜・・・・・・
この墓場にはダリルの他にも、ギャンブルに溺れ身を滅ぼして自殺したセッツァーのギャンブル友達も何人か眠っていた
恐らく、今まで倒したアンデッド達の中にも混じっていただろう
永遠の休息すらもさせないスカルミリョーネを、セッツァーは許すつもりはなかった

セッツァーはスロットを回し始めた
その目は、いつにも増して自信に満ちている
「ふん・・・何をする気か知らんが、黙って見ているほど私はお人よしではないぞ」
スカルミリョーネがじりじりとセッツァーに近づいていく
「むっ!?」
セッツァーを守るように、ボロボロの体でスカルミリョーネの前に仲間達が立つ
「久々にセッツァーがやる気だしてんだ・・・俺らも休んでるわけにいかねえからな」
「お、お前ら・・・」

向かっては殴り倒され、向かっては殴り倒され・・・
5人はセッツァーのスロットを成功させるために、全力でセッツァーを死守していた
「(・・・・世話ばっかかけちまってるな・・・すまねえ。絶対に成功させるからよ)」
451セッツァー編:2005/06/26(日) 02:04:51 ID:pe7g2NPk
カシャッカシャッ!

BAR BAR

「(BARが2つか・・・・もう一つBARが出ればランダム幻獣だ。何が出てくるかにもよるが、強力な一撃をお見舞いできる事は確かだな)」
あまり時間はかけられない
意を決したかのように、最後のリールを止めた
カシャッ!

BAR!!

「よっしゃ成功だ!!幻獣が出てくるぞ!」
ゴゴゴゴゴゴ・・・・・
スロットが止まった直後から地響きが鳴っていた
一体何が出てくるのか・・・
下級の幻獣ではスカルミリョーネを倒すことはできないだろう
最低でも中級クラスの幻獣は欲しいところである
「・・・・・んっ?地面が・・・・盛り上がっている・・・!?」
地面から何かが出てくる
どうやら相当巨大な幻獣のようだ
「タイタンか・・・・?」

ボゴオオオオン!!!

スロットによって召喚された幻獣が姿を現した
大きい、とてつもなく大きい
まるで城のようである
「あ・・・・あれは・・・・ま、まさか・・・・」
その正体に気付いたスカルミリョーネがかつてない恐怖感を覚える
それもそのはず、スカルミリョーネが最も苦手とする属性を持つ幻獣の中でも、最上級クラスの強さを持っているのだから
「・・・・タイタンなんてもんじゃねえな・・・とんでもねえ奴を呼び出しちまった・・・はは・・」
452セッツァー編:2005/06/26(日) 02:05:54 ID:pe7g2NPk
セッツァーも自分で呼び出してびっくりである
幻獣アレクサンダー・・・・バハムートに並ぶ強さを持つ聖なる幻獣である

そして、アレクサンダーの聖なる審判がスカルミリョーネを裁く
「や、やめ・・・・・うあああああああ!!!!」
アレクサンダーの放ったまばゆい光を浴びたスカルミリョーネは一瞬にして消え去った
死者を冒涜した罪は重い・・・・スカルミリョーネの魂は完全に浄化された
二度と生まれ変わることもないだろう

「やったな、セッツァー」
ロックがセッツァーの肩をポンと叩いた
「ああ・・・・お前らのおかげだよ」
「よせよ気色わりい。お前ほど礼が似合わない奴も珍しいぜ」
「・・・・・この野郎」

そして遂に一行はダリルの墓前へと辿りついた
「ダリル・・・久しぶりだな。長い間来てやれなくてすまなかった」
セッツァーはダリルの墓前に座り込み、水をかけ、手を合わせた
それを見てロック達も手を合わせ黙祷する
「・・・・飛空艇はこっちだ。着いてきてくれ」
「え?もういいのか?」
「そんな柄じゃねえよ。あいつだって分かってることだ」

6人はゆっくりと階段を下りていく
そこからはもう、飛空艇の白い機体が見えている
「・・・思い出すな、あの頃を・・・・」
階段を一段一段下りていくたびに、ダリルとの思い出が一つ一つ頭の中に映し出されていく・・・・
453名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/26(日) 02:10:24 ID:pe7g2NPk
>>449
ありがとう、あんたも頑張ってくれ
次でダリルの墓編終わらせるんで
長引いてスマソ
454名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/26(日) 11:15:22 ID:szxPXWaA
そして飛び出した瞬間、デスゲイスが!!
っとか面白そうだな・・・
455タークス編:2005/06/26(日) 11:18:33 ID:cZmEMXYF
今確かにこの男は“宝条”という単語を口にした。
思いも寄らない展開である。レノは彼に詰め寄った。

「宝条は…ケフカと一緒なのか?」
「は、はい…」
「今どこにいる?」

内面から滲み出る感情を抑える。
「わ…わかんねぇよ…宝条さんはどっかの護衛についちまって…」「護衛…?」
「な、なっ?俺ちゃんと言ったぞ?だ、だ、だから許してくれぇぇ」
この男はさしずめケフカの組織の下っ端かなにかだろう。ならばもう聞き出せることはなさそうだ。
とにかくケフカに接触できれば宝条と会えるかもしれない。

「…よし、と。ま、今回は許してやる。ただ次に俺達を狙うなんて馬鹿な真似したら……」
続きはルードが引き継いだ。
「………その時は、覚悟してもらう」


店を出ようとする二人を見つめていた男。その胸中にはまた別の激しい恐怖が――
言っちまった言っちまった言っちまった言っちまった言っちまった!まずい、まずい、殺されちまう!!

そうだ!あの二人を…今のうちに始末してしまえば。
あの二人が背中を見せたところを―――

「あーそうだ」
レノが何かに気付いたのか、背中を向けようとしたところで立ち止まる。
「こういう場合背中を見せた時になーんかやろうとする奴多いからさ。だからまぁ―――」
ぬっと現れたルードが男を掴み上げ、
「眠っとけ」
456タークス編:2005/06/26(日) 11:20:24 ID:cZmEMXYF
腹に衝撃。

「じゃあな、と」
ひらひらと手を振りながら、レノとルードは哀れな店員の男に別れを告げた。


夢を、見ていた。

暗い檻の中に、閉じ込められた何かの影。
呻き、叫び、そして…。
「――――!」
目を覚ます。そこは暗闇の底ではなく、ベッドの上であった。
「よっ、お目覚めか?」
「レノ先輩…ルード先輩も…」
重い身体を起こすと、ふらふらと頭が眩む。
「あたし…」
「…お前は5時間と23分6秒眠っていた。自分が何をしていたかは…思い出せるか?」
「………ぼんやりとは」

うなだれるイリーナと、その隣に座るレノとルード。二人はイリーナに先を話すようにと無言で促した。
457セッツァー編(回想):2005/06/26(日) 12:51:18 ID:pe7g2NPk
「セッツァー、いつまであたしの後ろに付いている気?そんなにあたしのお尻が魅力的なのかしら?」
「くっそ!嫌みな女だぜ!」


セッツァーの恋人ダリル
美しく、長いウェーブの金髪
女優並のルックス
白い肌
美しく整った巨乳
引き締まったウエスト
長い足
街ですれ違う男が誰もが振り向く絶世の美女だった

セッツァーと知り合ったのはカジノだった
1人で飲んでいたダリルにセッツァーが声をかけた
偶然とは思えないほど共通の趣味を持っていた2人は気が合い、友情から恋愛に変わるのに時間はかからなかった

ダリルもセッツァーと同じく、飛空艇のパイロットだった
ダリルの持つ飛空艇の名はファルコン
ブラックジャックよりも速い、世界最速の飛空艇だった


「ゴーーーーール!またあたしの勝ちだね。1000ギルきっちり払ってもらうよ」
「わーったよ。ったく、一体どうすりゃそんなスピードが出せんだよ・・・」
「もちろん企業秘密さ」


2人はよく飛空艇の速さを競っていた
しかし未だにブラックジャックは全戦全敗
ファルコンの速さには全く勝てなかった
458セッツァー編(回想):2005/06/26(日) 12:51:58 ID:pe7g2NPk
ダリルはファルコンの速さの限界を追及し始めた
試行錯誤して整備すればするほどファルコンはどんどん速くなる
「おうおう、朝っぱらから頑張るねえ」
「当たり前よ。誰よりも速く、誰よりも高く飛ぶ。そして、あたしは世界で一番近く星空を見る女になるのよ!」
飛空艇を整備している時のダリルの目は、まるで子供のようだった
「・・・・ただ、今度のテスト飛行は少し危険かもしれない。もしもの事があったらセッツァー、あんたがファルコンを・・・・・ん!」
その先は言わせまいと、セッツァーが唇でダリルの口をふさぐ
「馬鹿言ってんじゃねえよ。お前からファルコンを頂くのは、スピードに勝ってからだ」
「・・・・ふっ。まあ、一生無理だろうけどね」

1週間後、久しぶりに2人揃って空に飛び立った
今回は競争ではなく、ゆっくりと並んで飛んでいた
「く〜〜っ!やっぱ空は最高ね!3日も間が空くとすぐに禁断症状がでるんだから!」
「今回はずいぶん整備に時間を費やしたもんな。そんなに速くなったのか?」
「多分ね。・・・・あ〜〜〜うずうずしてきたわ!セッツァー!あたしもう我慢できない!」
どれだけ速くなったのか、気になってしょうがなかったのである
「やれやれ、まるで中毒者だな・・・まあいい。俺もダチとの約束があるからな。日没までには帰れよ」
セッツァーは迂回して降りていき、ダリルは待ってましたと言わんばかりにファルコンを最高速度で走らせた




・・・・・・・・ダリルは帰ってこなかった




セッツァーは大体予想はついていた
世界中を飛び回り、とある山脈で壊れたファルコンを見つけた
ダリルはもう死んでいた・・・
459セッツァー編(回想):2005/06/26(日) 12:52:43 ID:pe7g2NPk
「これが、世界最速の飛空艇ファルコンだ」
「今でも動くのか?」
「ああ・・・飛空艇にも魂がある。魂がある限り、飛空艇は何度でも飛び立つ」
セッツァーは入り口にあったような出っ張った岩を押した
ゆっくりとファルコンの上に出口が開き、日の光が徐々にファルコンの機体に広がっていく
数時間暗闇の中にいたセッツァー達も、まぶしさに思わず目がくらむ
「ファルコン、待たせたな。お前も早く飛びたくてうずうずしてただろう・・・・何せ、ダリルが作った飛空艇だもんな」

地中に鳴り響くエンジン音
回り始めるプロペラ
ゆっくりと、ゆっくりと、ファルコンの機体が浮かび上がる
「飛べ!ファルコン!」

ブアッ!

ついにファルコンが完全に飛び立った
コーリンゲンの村人達が空を見上げ、その年季を感じさせないファルコンの美しい機体を見る

「おおお、すげー!本当に飛んだぞ!」
「すごいクポ!ブラックジャックよりカッコいいクポ!」
「おめーは一言多いんだよ!・・・・・ダリル、ファルコンのついででいいからよ、見守っててくれよ・・・・!」

世界中の人々の希望を乗せ、ファルコンは大空を飛ぶ
ファルコンも飛空を待ち望んでいたかのようである
「また夢を見させてもらうぜ、ファルコンよ!!」
「俺たちの夢もな」
「ああ、きっとみんな生きている。ファルコンなら、きっと探しだせる。行こう!」
「クポ!」
「ウー!」
仲間を求めて、ファルコンは遥か彼方の空へと飛び立っていった・・・・
460名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/26(日) 12:58:38 ID:pe7g2NPk
>>459の名前欄に(回想)抜くの忘れてた
まあいいや、とりあえずダリルの墓終了
他の作者さんも頑張ってくれ
461名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/26(日) 14:15:04 ID:rEJc8Err
>>460 乙。やっぱ凄いね。
ちなみに言っとくとダリル=ゴゴっていう裏設定があるらしい。 
誰か使えるかもしれんから言っとくよ。
462名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/27(月) 00:41:21 ID:43GkECgQ
神乙age
463タークス編:2005/06/27(月) 00:41:40 ID:oGwrVtmq

「狂戦士…ねぇ」
イリーナが話し終えてすぐ、レノが口を開いた。
狂戦士(バーサーカー)。神話などに出てくる名である。普段は普通の人間だが、戦闘となるとまるで獣のように猛り狂って戦う―――

その血が自分達の中に?にわかには信じがたい話だが、今の身体の事を考えればありえなくもない。

「しかし…宝条は何故それを俺達に知らせた?わざわざペンダントに細工までしておいて…」
「見たかったんだろ」「何をです?」

忌々しげに彼は舌打ちし、
「研究の成果。イリーナを刺激してその狂戦士状態とやらにさせた姿を…あのイカれた科学者、どっかで俺たちを見てんのさ」
沈黙が、訪れる。

宿屋の窓から覗く空は暗い。まるであの檻の中のように。


闇に包まれた室内。静寂という言葉がしっくりとくる室内の空気が、低い笑い声で震えた。
「クックックッ………」
彼は掠れた声で、だがとても楽しそうに。
室内の光源は宝条の掌に浮かぶ青い光のみ。
光の中には何も見えないが、宝条はその光の先にあるものをさも今見ているかのようだ。
『宝条さま』
どこからか、なまめかしい女の声が響く。

「バルバリシアか。あの青魔術師はケフカのところへ送ったのか?」
464タークス編:2005/06/27(月) 00:42:11 ID:oGwrVtmq
『いいえ、まだよ。それより…スカルミリョーネとザックスがやられたわ』
バルバリシアの報告にも宝条は顔色一つ変えずに、
「そうか。………所詮は脳のない下等生物か…」

『どうする気?』
「しばらくはそのままで良いだろう。それに…観察対象もようやく面白い動きをはじめてくれたからな」

全ては狂った科学者のための研究材料に過ぎない。

「楽しみだな…クックックッ……クァックァックァックァッ!」


翌日の昼頃、昨日出来なかった買い物をしていた三人は、またも意外な人物の名を聞くこととなった。

「今、ツォンと言ったかい?」
「え?」
道具屋の若い店員の問い掛けに、イリーナは咄嗟に振り返った。

たまたまツォンの話題があがり、三人で話していたところだったのだ。
「知ってるのか、と?」
「知ってるもなにも…ツォンさんならよくうちに来るよ」

驚く一同をよそに、店員は続けた。
「今はゾゾにいるんだけど…最近はあんまり見ないなぁ。なんでも足が悪いとかで…」

「………」
レノ達は顔を見合わせる。
会いに行くべきか、行かないべきか。
「こんな身体であっても…な」
「………あぁ」

自然、二人の視線はイリーナに集中する。
465タークス編:2005/06/27(月) 00:43:41 ID:oGwrVtmq
彼女の復讐の理由にはツォン絡みのことも入っている。
イリーナはうつむいたまま、何かを考えている様子だ。その姿がなんだかひどく痛ましい。

「――――行くか、ゾゾに」
口火をきったのは、ルードだった。
「本気か?」
「ツォンさんには…一度会っておかなくてはな」

レノもイリーナも、それに沈黙で肯定を示した。
宝条との決着をつける前に、ツォンとのこともはっきりさせておかなくてはならない。
これは…宿命のようなものだ。

再会は、近い。


タークス編、投下終了です。無駄に長くてスマソ
466ティナ編:2005/06/27(月) 01:32:27 ID:cBRmv1fJ
フィガロ城が沈んでいる砂漠
そこにティナ達がやってきた
未だに仲間も八竜も手がかりが見つからない

「ん?なんだあれ?」
ガウが何かを発見したのか、遠くを指差した
「むう・・・・城のポーンのようでござるな」
目を細めながらその細長い物の正体を確認するカイエン
「それに国旗みたいなのがあるわね・・・・まさか、フィガロ城!?」
ティナは見覚えがあるフィガロの国旗
それが砂漠から飛び出しているのだ
「なぜフィガロ城が砂漠に沈んでいるの?」
フィガロ城のことを知らないティファがティナに質問する
「フィガロ城は、砂漠の中を移動することができるの・・・・もしかしたら、世界崩壊の時に移動していて、何らかのトラブルがあったのかも」
「た、大変じゃない!もし城の中の酸素がなくなったら・・・・」
「うむ・・・・地中に沈んだままでは空気が送られないでござるな・・・」
「そうね・・・何とかして助けてあげられないかしら」

しかし、沈んだ城を引き上げることなどできるはずがない
と、目がいいガウがまた何かを発見した
「おっ あそこに変な穴が空いてるぞ」
「穴?」
ガウの視線の先にある、砂漠にいくつか立っている岩山
そこに人が十分入れるほどの穴が空いているのだ
中はどうやら洞窟になっているようだが・・・・
467ティナ編:2005/06/27(月) 01:32:38 ID:cBRmv1fJ
「なあ、ここからあの城に通じてないのか?」
「さ、流石にそんな都合のいいことは・・・」
「しかし気になるでござるな・・・・中から、何やらただならぬ気配を感じる」
「・・・・入ってみる?伝説の武具とかが隠されてたりして」
「ティファさんも都合がよすぎます!・・・・でも、確かにカイエンさんの言う通り、何か気配を感じますね・・・入ってみますか」

4人はその洞窟に入っていった
ティナの言う通り、それがフィガロ城に通じているなどという都合のいい事はなかった
むしろその洞窟はフィガロ城とはどんどん逆方向に続いている
しかし、「城に通じている」というのは間違っていなかった・・・

狭い洞窟を抜け、開けた所に出た
その4人の目に飛び込んできたのは・・・・
「こ、これは・・・・都市?」
一体なぜこんな所に都市があるのか
ずいぶん古びていて、人の気配も全くしない
その代わり、どこからか魔物の気配が漂っている・・・・
遠くには城も見えている
「ほら見ろ、フィガロ城についたぞ」
えっへん、といった態度で威張るガウ
「どう見ても違う城よ。とにかく入ってみましょう」

そこは、魔大戦で滅びた古代都市だった
1000年の時によって、フィガロの砂漠の地下深くに埋もれていたのである
この先で、ティナ達を待ち受けているものとは・・・?
468名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/27(月) 12:14:39 ID:5EGUy1gb
お前ら乙んこ
ティナ編久しぶりだな

ていうか、結局エドガー編は書けなかったのか
469名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/27(月) 18:32:00 ID:R6Vnv/oT
うおーーー!!そういう風に古代城に繋げるか!!これは面白い!!
トンベリマスターとサムライソウル・・・オーディンにブルードラゴン、姫
これは面白そうだ・・・
カイエン対サムライソウルなんて面白そうだなぁ
470名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/27(月) 21:37:23 ID:cryIOk3N
洞窟抜けたからトンべりマスターは出てこないと思うよ。とにかく乙です。

あ、帰還する時に会うかも知れんね。
471名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/27(月) 23:18:38 ID:cBRmv1fJ
>>469
あんがと
ただ、雑魚戦はあまり書けないかもね
構想は最初に全部まとめるんじゃなくて、書きながら考えるタイプだから、要望は応えられるだけ応えられるけど
あんまりたくさんの事を書く文才もないんで、程ほどに頑張る

>>470
エドガー編書こうとしてる人?
だとしたら、最初からそのつもりで書いたよ
ファルコンも飛んだし、残りの敵も少ないし、ぼちぼち全員集合させていこうかと思って
472ティナ編:2005/06/28(火) 00:27:25 ID:kofTmvwo
地中深くだというのに、そこは明るかった
電気がついているわけでも、日の光が入っているというわけでもない
何とも摩訶不思議な所である
「一体ここはなんなのかしら・・・・」
都市の入り口で辺りを見渡すティナ達
人一人いなく、物音一つしない静けさ
だが、魔物は確実にいる
4人とも魔物の気配には気付いている
それだけに、この静けさは不気味さを、より引き立てていた

カチッ

「ん?」
何かスイッチが押されたような音が・・・・

『げ、幻獣だーー!!幻獣が攻めてきたぞーーー!!!』

「な、何事でござるか!?」
ついさっきまで、間違いなく誰もいなかったはずのそこに、突如兵士のような格好をした人々が現われた
それと同時に、真上に無数の幻獣も現れ、更に一斉に空襲を仕掛けてきた
「みんな伏せて!」
ティファの言葉に咄嗟にその場に伏せる3人だが、幻獣達の爆撃は真っ直ぐにティナ達に向かって落ちてくる
「だめ!直撃する・・・!!」

ドドドドドドド!!!
473ティナ編:2005/06/28(火) 00:28:24 ID:kofTmvwo
「・・・・・?なんとも、ない・・・?」
ティナ達は無傷だが、辺り一面が無残に吹き飛んでいた
そして、兵士達が爆撃によってバラバラになっている
「む、むごい・・・・!」
「う・・・・」
その光景に思わず口を手で押さえるティファ

スゥ・・・・・・・・・

「き、消えた・・・・?」
再び、その場は静かな空間に包まれた
兵士も、幻獣もいない
吹き飛んだ家々は元通りになっている
「・・・・・・・・・ガウ」
「ビクッ!」

・・・・ティファがどうやら気付いたようだ
ガウのすぐ横の門柱には赤いスイッチがあった
「ガウ!何が起こるかわからないのに、不用意にそんなもの押さないで!」
「だ、だって・・・・こんな所にスイッチがあったら誰だって押したくなるだろ!?」
「ま、まあまあ2人とも・・・・喧嘩はやめるでござるよ。どうやらさっきのは幻だったようでござるな」
「幻というよりは、映像のように感じたわ・・・・やっぱりこの都市、何かあるわね」
3人(もちろんガウ以外)は、しばしその場で考えた
「・・・・これだけの都市なら、図書館の一つや二つあってもおかしくないわ。そこでいろいろと調べてみない?」
「・・・・そうね。そうしましょう」
ティファの提案に、ティナとカイエンが頷く
4人はひとまず図書館を探し、この都市についていろいろと調べてみることにした
474名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/28(火) 00:39:25 ID:B+RSUDbY
早くも続きキター
前から思ってたけど、ガウとティファのコンビ面白いなw
こういうありえない組み合わせが楽しめるのもこの小説の醍醐味だな
今ティナ編書いてる人は、最初にガウ編書き始めた人と同じ?
475名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/28(火) 17:23:00 ID:PmrlIATh
ちょっとガーディアン復活の為にケフカ編書くね
476VSカイナッツォ:2005/06/28(火) 18:35:50 ID:yWnt60F4
「った〜〜何なのさ一体!」
打ち付けたおしりをさすりながら、悪態をついてユフィは立ち上がった。
そしてその原因を海に求めた。
少なくとも見える範囲で追走していたはずのエドガーの船が、何かに遮られたのか、見えない。
「ユフィ!何なのこの揺れは!」
船室からドアを蹴破る勢いでセリスが飛び出してきた。それにゴゴが続く。
「あ……あれ」
ユフィが指差す先、そこには巨大な水の壁があった。
背は高くなり、幅は広がり、その滝の様な音は大きくなる。こちらに近づいているのだ。
「ど〜すんのさ!あんなん巻き込まれたらひとたまりもないよ!」
そう言ってる間にも、津波との距離はどんどん狭まっていく。
「ゴゴ!言う通りにして!〜〜〜〜………できる?」
「わかった」
セリスの提案を躊躇なく了承したゴゴ。
「何言ってんだよ!そんなん失敗したら確実に」
ユフィが慌てて反論するが、
「他に方法は無いし思い付かない!それともここで水没する?」
「うぅ〜分かったよ!はぁ…」
と、いやいやしく納得した。
「じゃあゴゴ、お願い!」
抜いた剣を甲板に突き刺し、この後に備える。
ユフィもやや震えながらマットを支える鉄パイプにしがみついた。
「…………」
477VSカイナッツォ:2005/06/28(火) 18:38:36 ID:yWnt60F4
「っ!!〜〜〜うぅぅうぅぅうぅお落ちる落ちる落ちるってこれ絶ったいぃぃい!!」
津波全体を薄く包括している微かな、総量としては多大な魔力。
それに気づいたセリスはあの津波が敵からの攻撃だと予想した。
ゴゴにも真似できるのなら、対抗手段としては成り立つ。
だが、波の性質はそう単純なものではない。
例え二つの波がぶつかりあったとして、相殺することはなく進み船を飲み込むだろう。
ならばどうするか。セリスの作戦は―――
「やっぱり無理があるって!船は波乗りするためにあるんじゃないんだよ!?」
船は今、ゴゴの津波の上にあった。
みるみるその高度をあげ、今や相手の津波の高さにまで並んだ。
当然安定など望めるわけもなく、不定期な揺れで船体が後方にずれていくのは
目に見えて、いや感覚で分かった。それを―――
「無念の死を抱き続ける大地よ 黒き呪縛となれ…」
魔法で―――
「グラビデ!」
強引に安定させる。
重心を無理矢理変えてしまうのは船にかなりの負担がかかるが、この際仕方無かった。
「心臓に悪いよこんなの………!!セリス来たぁ!」
ユフィの前方で先の津波がこちらと正対して接近していた。
「ユフィお願い!」
「え〜と大体……残り50m!」
スッ……
セリスはそのままの体勢で――片ヒザをついて床に突き刺した剣の柄を握りながら――目をつぶる。
ユフィの声とその時に心を備えて。
478VSカイナッツォ:2005/06/28(火) 18:41:57 ID:yWnt60F4
「残り30……20…じゅっ…今!」
そして重なる二つの轟牙。
水が戯れる音にはとても捉えられない空気の爆震が、場を支配した。
波の高さが一気にはね上がる。その水圧に圧され、船は悲鳴をあげていた。
木材が軋む音を聞き逃すのは不可能に近く、いつ壊れてもおかしくない状況だった。
だがセリスはその姿勢を崩さなかった。
力の流れを自分の感性が追いつく限り読み取り、そして叫んだ。
「魔封剣!」
剣先から伝わる青紫の霧光。それはセリスの体を包み、やがては船全体を覆った。
水壁の空を駆ける勢いが衰えてきたのとは対照的に、圧し上げられた船は宙に放り出された。
魔力を奪われその勢いを維持する術を失った津波は、
周りに余波を残しつつ、夜の海へと沈んでいく。
一方船は、かけられていた重力の甲斐もあり比較的安定していたが、
それは同時に墜落の速度が増す事も指していた。
「慈愛に満ちた大地よ 繋ぎ止める手を緩めたまえ」
まるで幽霊が放つようなボヤけた光が、
「レビテト!」
美しい浅瀬を思わせるエメラルドグリーンに様変わりする。
二つの重力から解放された船は、暫しの間空を漂っていた。
「とりあえず、これで目の前の危機は脱したわね…」
セリスが安堵の声を、しかし表情を崩さないままもらした。
「セリス!やっぱりいたよ!」
船首から顔を出すユフィの瞳には、
エドガーが乗っているとおぼしき船と、
何やら亀を型どった、この津波を起こしたであろう魔物が、
暗い海の中に佇んでいる姿が映っていた。
479VSカイナッツォ:2005/06/28(火) 18:44:28 ID:yWnt60F4
(おいおい…こんなの聞いてないぞ…!)
目の前に形成される津波に、エドガーは内心困惑していた。
(不味い、これは対処できるものじゃない。
あんなものに巻き込まれたら、文字通り海のもくずになってしまう。
何より問題なのは、逃げ場、いや足場がないことだ。
万事休すか…)
無意識の内に構えていたオートボウガンの取っ手に手汗がうつる。
そして津波は、大音量を上げて………遠ざかっていった。
(!?どういう事だ?)
「…と、いいたいところだがな」
と、魔物が言葉を紡ぐ。
「やはりお前は後回しだ。まずは後ろの虫ケラから消してやろう」
(何を言っている?こいつの後ろに何が…待てよ。
この船は最初コイツが作りだした大渦に巻き込まれていた。
そのせいで進行方向が変わっていたとしたら?
真逆に反転していたとしたら、奴の後ろにいるのは……!)
「まさか……貴様!」
「クカカカカカカ!やぁっと気づいたかこのゴミクズがぁ!
こんな夜中にたった二隻の船、どうせおまえのお仲間だろう?
今頃は蟻クズのように慌てうごめいてる虫ケラ共の姿が目にうかぶぜぇ!
おっと安心しろよ?
おまえのツラが不細工に歪むのを楽しんだ後で、すぐ同じ場所に沈めてやるからよぉ!
グヘヘへ愉快だねぇ!ゴミクズがおれに弄ばれる姿はなぁ!」
魔物が勝ち誇る声が、エドガーの耳に嫌でも入る。
「きっさまぁーーー!」



「…ところで、なんで突然口調変わったんだ?」
「中の人の調査不足にクレームが来てな……
それにまともなセリフと出番欲しかったし…
ケフカ様扱いひどいんだもん……」
480VSカイナッツォ:2005/06/28(火) 18:46:45 ID:yWnt60F4
しかしその高笑いは、背後の異変によってかき消された。
「なっなんだこの音は!?」
と、魔物が振り返る前にエドガーはその光景を目にしていた。
徐々に小さくなっていく津波が突然大気を震わして、空高くほとばしったのだ。
かと思うとすぐに海の中へ消え去り、その余波が押し寄せてきた。
「クヌウッ……ハァ!どういうことだ!?」
余波をかぶった魔物がうめきながら波間から顔を出した。
二者の視線の先には、緑色のモヤに包まれた船の、ゆったりと浮遊している姿があった。
それはこの一夜限りに浮かびあがる飛空艇。
エドガーはほんの一瞬、その高らかな神秘に見とれていた。
だがそれは思惑が外れたことに憤怒している魔物によって遮られた。
「おのれ虫ケラがぁ!このカイナッツォを愚弄しおってぇ!」
途端、カイナッツォと名乗った魔物の口部付近が、見るも異常なほどに膨らみだした。
おもいっきり仰け反った後、一気に液体を発射、いや吐きだした。
上空の船に、巨大な水塊が襲いかかる。



「セリス、何か飛んでくる!」
地上を観察していたユフィから、またしても危険到来の知らせが入る。
言うや否やその水塊は、
「平行なる束縛よ 今一時のみ 彼の地に届く道を示せ…」
物凄い早さで船を直撃した。
481VSカイナッツォ:2005/06/28(火) 18:49:13 ID:yWnt60F4
しばしの安息はすぐさまに打ち消され、船はその光を失った。
続く連弾。一発一発が重く響き、最早船はその原型をとどめていなかった。
木材の破片がパラパラと、続いて本体らしき塊が、
エドガーとカイナッツォの目前に堕ちてくる。
「ヘェッヘッヘッヘ!束の間の希望は味わえたかぁ?
さあて、そろそろおまえも消してやろう!」
と、先ほどに勝る高笑いを上げて、エドガーの方に振り向いた。
「…ん?なんか数が増えてねえか?」
見つめる甲板の上にはゴミクズに加え、軽装でショートカットの虫ケラ、
それに赤い布に身を包んだイモムシがそれぞれこちらを見下ろしている。
それに…何だこの光は?おれの目下を水色に照らしている。月明かりか?
「大気に潜む無尽の水 光を天に還し 形なす静寂を現せ!」
空を見上げようとした瞬間に後ろから響く叫び声。
だが今度は振り返ることは叶わなかった。
間髪入れずにセリスの剣がカイナッツォの首裏を突き刺したからだ。
突然の奇襲に体は硬直し、そして次で決定的なものとなった。
「ブリザガ!」
セリスを纏っていた溢れんばかりの魔力が、残り全て剣先に注がれた。
瞬時に群青色の体が温度を失い、氷霜が体面に定着する。
それはカイナッツォにとどまらず、辺りの海面にまで及んだ。
軽めの乾いた小気味良い音が、そこら中から鳴り響いた。
こうして、荒れた氷面の中心に、体上半身のみを突出させた、
醜い化け物の氷像が完成した。
482セリス :2005/06/28(火) 18:51:34 ID:yWnt60F4
おじさま……何故?あの時ゴゴに助けを求めていれば、
少なくともしばらくは生き長らえたハズ………
ううん。私、ホントは分かってる。そういうことじゃないんだよね。

おじさまが私に託したものは、想像よりとても重たかった。
あの時は分かったようで何も解っていなかった。でも、今は違う。
無理な事を成し遂げようとする者に、振り返ることは時間の無駄。

背負ったものがどんなに重くても、先にある壁がどんなに高くても、
私はもう立ち止まらない。足を止める弱さは要らない。
ただ前に突き進むだけ。
拾っていこう。切り開く力を。掴んでいこう。撃ち破る力を。

おじいちゃん、力を貸してね。




だから私には、この程度の壁に怖じけづいてる暇はない。

「くはぁ…虫ケラごときが…このおれに…!」
この程度の石ころにつまづいていられるほど、私の道のりは甘くない。

やがてカイナッツォの気配が消えると、セリスは剣を引き抜いた。
そしてせせらぎすら聞こえない海をつたって、仲間の元へ舞い戻った。
483セリス :2005/06/28(火) 18:53:47 ID:yWnt60F4
「凄いじゃんセリス!なんかもー圧倒的って感じだよ!」
ユフィが身振り手振りで何かを表そうとしている。
「見せ場を取られてしまったな。
でもまあ、レディーファーストという言葉もあるしね」
冷や汗を拭い、エドガーがやれやれといった感じで、しかしおどけた表情を見せる。
それらへの返事もほどほどに、セリスはゴゴの元へ歩みよった。
そして、こう言った。
「どう?私のこと、お気に召した?」
後ろの二人の目が点になる。えもいわれぬ顔だ。
「…まだまだといったところかな」
相変わらず心情は読めない。だがなんとなく微笑んでいる様に感じた。
「フフッ」
セリスは笑った。
「ちょっとセリス!本気なの!?」
「君のセンスにとやかく言うつもりはないのだが…あ〜、その、ホラ、ロックとか!」
慌てて二人が割り込んでくる。
「クッ、アハハハハ!」
その慌てぶりがまたおかしくて、それがさらにセリスの笑いを誘った。
「…も〜、なんなのさ…」
その様子にあきれ返る二人。会話することを諦めたようだ。
と、セリスが急に二人の方に踵を返した。そして改まった面持ちで、こう切り出した。

「二人に話しておきたいことがあるの」
484名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/28(火) 18:55:20 ID:yWnt60F4
ここまで。遅くなってスマソ
485名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/28(火) 19:02:13 ID:kofTmvwo
乙カレー
他の人のを読んでると、自分がまだまだだってことがよーく分かるな
俺もこれぐらい書けるようになりたいわ

>>474
うん、崩壊後からガウのパーティ書いてるのはずっと俺だけ
イエロードラゴン戦で終わりにしようと思ったけど、誰もその後ティナ編書かないみたいなんで再び書き始めた
486名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/28(火) 21:04:42 ID:3tNzhshf
>>484 スゴス。魔法の詠唱って自分で考えた?
487名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/28(火) 21:21:13 ID:yWnt60F4
>>486
テレポだけ自分で。後はFFTの詠唱集から借りた。あれはすごい便利

>>485
ありがと。恐縮だわ。
そういえば古代城って魔大戦と関連あったんだよな。
設定考えてみよう。
488名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/28(火) 21:34:10 ID:kofTmvwo
やべ、参考サイトよく見たらトンベリマスターとサムライソウルって雑魚じゃなくてボスじゃん
危うく大量発生させて一掃させちゃうところだったw
そろそろ3発目書こうかな
489名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/28(火) 21:54:29 ID:i4xVuQDV
>>484
遅ればせながら乙!
490ティナ編:2005/06/28(火) 22:43:12 ID:kofTmvwo
しばらく歩き続けて、4人は都市の中でも一際大きな建物の前に辿りついた
「ここ・・・かしら?」
看板があるが、古代文字で読むことができない
「・・・・古代図書館・・・って書いてあるわ」
「ティナ殿、読めるのでござるか?」
「古代文字は少し勉強したことがあるんです。とりあえず、ここで間違いないみたいですね」

そして4人は用心をしながら図書館の中へと入っていった
入り口のドアが錆び付いていて、開けるのも一苦労である
「うわ・・・・すごい量の本ね」
4人の目に飛び込んできたのは、一面に広がる本、本、本
本棚の高さも、天井すれすれまである
その数は、一生かけても10分の1も読みきれないだろう
「・・・・・これを・・・全部調べるのでござるか?」
「さすがにそれはちょっと・・・・とにかく、それらしき本を片っ端から調べるしかないですね」
4人は手分けしてこの都市について書かれた本を探してみることにした
読書が苦手な人間にとっては、その場にいるだけで頭痛がしてしまうかもしれないような環境である

そして、5時間後・・・・
「ふう・・・・・みんな、一旦集まって」
ティナが広間のデスクの前で3人に集合をかける
読書が好きなティナも、さすがにかなり疲れているようだ
「じゃあ、わかったことを挙げていきましょう」
「うむ・・・どうやら、ここは魔大戦時代にあった都市のようでござるな」
「この都市の名は、『古代都市ヴァルハラ』・・・・」

魔大戦・・・・・それは、1000年前に起こった人間と幻獣の戦い
その戦いは凄まじく、世界の全てを焼き尽くした
その戦いの後、幻獣達は封魔壁の洞窟の奥に身を隠し、世界には人間だけが残った
この古代都市は、幻獣の襲撃によって滅ぼされた都市である
491ティナ編:2005/06/28(火) 22:45:50 ID:kofTmvwo
「ここでは、都市の各地で起きた最後の出来事を記録する技術があった。さっき見たのは、ここが幻獣に滅ぼされた時の立体映像ね
 最後に起こった出来事だから、次にあのスイッチを押した時には、恐らく私達が都市に入った時の映像が流れると思う」
「門柱にあった赤いスイッチが他のいろいろな場所に点在しているようでござる。それを押していけば、何が起きたのか分かるのではないだろうか」
「滅ぼされたにも関わらず都市が綺麗に残っているのは、都市そのものの自動修復によるものだわ。何かが壊れると、まるで都市が命を持っているみたいに修復するらしいわね
 立体映像といいこれといい、もの凄い技術力だったことは確かだわ」
「ええ、今では考えられない技術だわ。魔大戦後に人間が復元させた機械技術なんて、この頃の物と比べたら、たかが知れたものだったのね・・・」
「それと、この古代都市にも一人の幻獣が味方していたようでござる。その幻獣の名は・・・・・オーディン」

「オーディン・・・・・?あっ!」
ティナが何かを思い出したようだ
「そういえば、おとぎ話で聞いたことがあるわ・・・・人間達の捕虜となったオーディンが、人間に寝返って幻獣と戦ったって話を」
「あ、私もその話聞いたことある!でも、詳しいことは分かってないのよね・・・・なんで捕まっただけのオーディンが命を懸けて、仲間であるはずの幻獣と戦ったのか」
「おとぎ話の結末は、どうなったのでござるか?」
「・・・人間にたった一人の幻獣が味方したように、幻獣にもたった一匹だけ異種族の者が味方したらしいわ
 そのおとぎ話には『蒼き竜』としか書かれてなかったけど・・・その竜にオーディンは石化させられてしまったとか・・・」
492ティナ編:2005/06/28(火) 22:46:15 ID:kofTmvwo
しばしの沈黙が流れる
元々ここに用などなく、興味本位で来たような所なので、これ以上深入りする必要はない
しかし、ここには何かがある
このまま帰るわけにはいかない
3人はそう直感していた
・・・・・・3人・・?
「そういえば、ガウは?」
「・・・・・・あっ」
ふと見下ろすと、うつ伏せに倒れて耳からプスプスと湯気を出しているガウの姿が・・・
「どうやら、話が難しすぎて頭がオーバーヒートしてるようでござるな・・・・」
「・・・まあ、無理もないか。本も物凄くつまらなそうに眺めてただけだったしね・・・・ほらガウ、いくわよ。起きなさい」
「・・・・・うぅ、頭痛いぞ・・・」

完全にダウンしているガウを、仕方なくティファが背負って図書館を出た
とりあえず、城を調べてみないことには何も分からない
オーディンが人間の味方をした理由、幻獣の味方をした『蒼き竜』の正体、そしてここに来た時から感じる強大な魔物の気配・・・・
それらの謎がそこで解けるのか、それは1000年経った今でも命の鼓動を鳴らし続けている、古代都市ヴァルハラだけが知っていた
493名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/29(水) 11:06:31 ID:vW29RUhK
エドガー、ユフィ、セリス、ゴゴ:カイナッツォ撃破 >>483

マッシュ、モグ、ウーマロ、セッツァー、ロック、スコール:ファルコン浮上 >>459

シャドウ、リルム:スカルドラゴン撃破。再び旅にでる >>277

ティナ、ガウ、ティファ、カイエン:古代城へ >>492

クラウド、エアリス:明後日ジークフリードと再戦 >>423

ストラゴス:ルビカンテに操られ、狂信者の塔で放心状態 >>31

ツォン、ケット・シー、レッド13:ゾゾ

オルトロス、テュポーン:コロシアムへ戻る >388
494名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/29(水) 11:08:47 ID:vW29RUhK
ケフカ:特に状況は変わらず

セフィロス:ジェノバを分離。以降、ジェノバがセフィロスの守護

サイファー、アルテマバスター:女神、鬼神を守護

宝条:マジックマスターとして狂信集団の塔の守護

バルバリシア:ストラゴスをケフカの所へ連れて行くために狂信者の塔へ

デスゲイズ:生存中

残りの八竜
ホーリードラゴン(所在地不明。ゲームでは狂信者の塔)、ブルードラゴン (古代城)
495名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/29(水) 13:07:04 ID:MHFvYJwr
なんか、相変わらずストラゴスは放置されてるなw
496名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/29(水) 14:03:12 ID:TqRZbW0R
誰も好き好んで爺さん一人の話なんて書きたくなかろうて
リルムが迎えにくるまで話進めようがないし
497ティナ編:2005/06/29(水) 16:17:15 ID:yvpT6tv/
古代城への道を歩いている途中、何度か立体映像再生のスイッチがあった
そのたびに押してはみたが、入り口にあったような映像ばかりで、結局新たな事実は何も分からない
やはり城に行くしかないのか
「ん・・・・?あそこに何かいるわ」
ティナの視線の先に、何か小さいものが動いている
緑色の頭に、フードのついた羽織、黄色く光る目
左手にはランプ、右手には包丁を持って、ティナ達の前をのろのろと歩いている

「あ!あいつは・・・!」
ティファに背負われていたガウが、その小さなものの姿を見て驚いた
「どうしたの?」
「ガウ、獣ヶ原であいつ見た事あるぞ・・・・トンベリとかいう魔物で、ちっこいくせに滅茶苦茶強いんだ・・・」
ティナ達の話し声が聞こえたのか、トンベリがこちらに振り返った
「むっ!?こちらに気付いたようでござる!こうなれば、先手必勝!」
カイエンが刀を抜き、トンベリに突撃した

「うわ!?いじめないで!僕、悪いトンベリじゃないよ!」
「へっ?」
突然トンベリが発した素っ頓狂な言葉に、カイエンは思わず間の抜けた声を出す
しかし、確かにそのトンベリからは魔物特有の邪気を感じない
潜在能力を探っても、ガウが言うような強い魔物とはとても思えない
「・・・カイエンさん、刀をしまって。多分、私達に危害は加えないと思うわ」
「う、うむ」
498ティナ編:2005/06/29(水) 16:17:55 ID:yvpT6tv/
何がなんだかわからぬまま、カイエンは刀を鞘に収めた
「ビックリしたな〜もう・・・。それにしても、人間見るのなんて1000年ぶりぐらいだな」
「せ、1000年!!?・・・あなた、今何歳なの?」
「1007歳だよ。小さい頃に姫様に拾われたんだ」

今でも小さいだろ、とツッコミたくなるが、それより他に気になることがあったので言わなかった
「もしかしてあなた・・・・1000年前からずっとここに一人でいたの?」
「うん・・・みんな死んじゃったけど、都市は生きてるから水や食料には困らなかったんだ」
「それにしても1000年前からいるとは・・・物凄い長寿でござるな」
「トンベリは5000年は生きれるよ。絶滅危惧種だから個体数は少ないんだけどね」
そして、もう一つ気になったこと
「姫様っていうのは?」
「あの古代城のヒルダ姫様だよ。とっても優しい人だったんだけど、幻獣達の襲撃でオーディン様と一緒に石化させられちゃったんだ
 僕だけが、王の間の隠し部屋に隠れてたから助かったんだよ」

おとぎ話には姫のことは出てこなかった
どうやらこのトンベリ、他にも古代都市が滅んだ時のことをいろいろ知ってそうである
「あの、よかったら案内してくれるかしら?私達、ここの事についてもっと知りたいの」
「えっ・・・・・・うーん、まあいっか。姉さん達、悪い人じゃなさそうだし」
499ティナ編:2005/06/29(水) 16:18:35 ID:yvpT6tv/
こうして、トンベリに城を案内してもらうことになった
「ところで、姉さん達どうやってここに来たの?」
「地上の岩山に穴が空いてたのよ。そこをずっと歩いてたらここに・・・」
「へえ、何ヶ月か前に地上でやけに大きな音がしたけど、その時に空いたのかな」
その大きな音とは、言うまでもないが世界崩壊によるものである
世界崩壊の時に生じた地震により大地に亀裂が入り、偶然地上とこの古代都市が繋がったのだ

「ところでトンベリ殿、この都市にお主以外の魔物はいるのでござるか?」
「えっ?いないはずだよ。1000年前のあの日から、僕はずっと一人だよ」
「ふむ・・・・そうか」
しかし、確かに強大な魔物の気配を感じる
歩いているうちに、それが城から漂っているものだということに4人は気付き始めた

軽い口調で話してはいたが、ティナ達の前を歩くトンベリの後ろ姿は、どこか寂しそうだった・・・
500名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/29(水) 17:32:06 ID:4KeClEEn
500get!
501名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/29(水) 17:41:12 ID:MHdsQjzL
蒼い龍が八竜の融合体と思っちまった俺がいる・・・
502名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/29(水) 18:44:00 ID:MHdsQjzL
さてこのトンベリがどうなっちまうんだ・・・面白く読めたぞ。
503名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/29(水) 20:33:31 ID:B3wWd/MX
スライムのパクリワラタ
トンベリ加入とは意外な展開だな
504名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/29(水) 20:51:29 ID:MHFvYJwr
蒼い竜ってブルードラゴンじゃね?
八竜倒したら、ダークバハムートとか出てくるんだろうか?
505名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/29(水) 23:09:12 ID:MHdsQjzL
>503
そういえばそうだな・・・
506名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/30(木) 13:52:22 ID:cqw2xGC7
ガーディアン復活まだかな。
ついでに保守
507名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/30(木) 18:50:06 ID:I2bmEHPx
あのトンベリが誰かに操られる・・・そしてマスターになる・・いやまて、
このままパーティーとして参加するのも面白そうだ。
ならサボテンダーも期待していよう。
508ティナ編:2005/06/30(木) 22:04:06 ID:7gA1wGiO
歩き続けること約10分
4人はトンベリに連れられて城へと辿り着いた
近くで見ると、フィガロ城の数倍はあろうかという大きさである
今の時代に、これほど大きな建物は存在しないだろう

城に入ってからも、何度か映像再生のスイッチがあった
しかし相変わらず、人間と幻獣が戦っている・・・・いや、人間が幻獣に虐殺されている映像ばかりであった

途中、一際大きな扉があった
入ってみると、何とも豪勢な家具が揃っていた
部屋の大きさも、個人の部屋にしては相当なものである
「あっ ここはオーディン様の部屋だよ」
「オーディンの?・・・・捕虜なのに、こんな立派な部屋をもらったの?」
「最初は捕虜だったんだけど・・・・あっ、多分これ見れば分かると思うよ」
そう言って、トンベリは部屋の入り口にあった映像再生のスイッチを押した

『オーディン様!』
スイッチを押した途端、美しい女性が慌てた様子で部屋に入ってきた
誰が見ても、それがトンベリの言っていた姫であることは明らかだ
そして、部屋の奥には明らかに人間ではない者が剣の手入れをしていた
『姫、何故ここに・・・?ここにいては危険です、隠し部屋にいて下さい』
『・・・・私だけ隠れて助かりたくなどありません。それに、この城はもう終わりです・・・せめて、死ぬ時ぐらいはあなたの傍に・・・』
『姫・・・・・』
オーディンが意を決したように剣を取り立ち上がった
『俺を助けに来てくれた仲間達には悪いが・・・・抵抗させてもらおう』
『えっ?オーディン・・・様・・・?』
足早に部屋を出て行くオーディンを、姫も追って出て行った
509ティナ編:2005/06/30(木) 22:04:25 ID:7gA1wGiO
映像はここで終わっていた
「トンベリ、どういうこと?」
「幻獣達がここに攻めてきたのは、捕われたオーディン様を助けるためだったんだ。でもオーディン様は仲間を裏切った。それは・・・」
「・・・・姫の・・・ためね?」
ティナは、姫のオーディンを見る目は愛する者を見る時の目だと気付いていた
「うん・・・オーディン様には、仲間よりも大事なものができた
 捕虜になった後、姫様はオーディン様の真っ直ぐで純粋な心に魅かれたんだ
 そんな姫様に、オーディン様も次第に心を動かされた。でも、お互いそれを口に出すことはなかった」
「どうして?」
ティファはそれが分からなかったが、ティナには分かった
「・・・・人間と幻獣は、相容れぬ者・・・」
「そう。自分が幻獣に恋をしたなんて、口が裂けても言えなかったんだ
 いくら姫様でも、もし兵や民に聞かれたりしたら大変だ
 ましてや、この頃は人間と幻獣の対立が一番激しかった時代だったんだしね」

ティナにはマディンの記憶がある
それだけに、この話は心が痛んだ
それと同時に、自分の両親以外にも人間と幻獣の恋があったことに、少し嬉しさを覚えた
「王の間へ行こう。そこで、オーディン様の最後の戦いが見られるよ」

5人は王の間への階段をゆっくりと登っていった
無人の静かな城に、階段を上がる音が響き渡る
「あれが、オーディン・・・?」
玉座の前にたたずむ石像
間違いなく、さっきの映像で見たオーディンである
そして、その隣には姫の石像も・・・
「じゃあ、再生するよ」

カチッ
510ティナ編:2005/06/30(木) 22:05:03 ID:7gA1wGiO
『オーディン!貴様なぜ我らに剣を向ける!?』
『悪いな、事情が変わった。俺はそっちに戻るつもりはない。お引取り願おうか』
『ふざけるな!裏切り者め・・・・・貴様もここの人間達と共に地獄に送ってやるわ!』
しかし、オーディンは強かった
全幻獣の中でも上級に位置するオーディンに、並の幻獣では歯が立たなかった
オーディンの斬鉄剣の前に、幻獣達は次々と斬り倒されていった
『お、おのれ・・・・我らでは手がつけられん!奴を呼べ!』
その場にいた幻獣達は一目散に王の間から逃げていった

『オーディン様!』
物陰に隠れていた姫がオーディンの元へ駆け寄る
姫の隣にはトンベリの姿もあった
『姫!まだ出てきてはなりませぬ!奴ら、まだ何か隠し玉を持っているようですぞ!』
『ですが、やはり私だけ助かりたくありません!オーディン様一人に戦わせて、私は隠れているなんて・・・』
『・・・・俺は死にません、必ず生き延びてみせます。・・・・・その時は、あなたと共に・・・』
『オーディン様・・・』
『しかし、今あなたが戦いの巻き添えをくって死なれては何の意味もありません。どうか、ここは身をお隠し下さい」

『・・・・・わかりました』
王女はしばし考え込んだ後、ようやくオーディンのいう事を聞き入れた
『オーディン様、気をつけてね!死んじゃダメだよ!』
『うむ・・・・姫を頼んだぞ』
そう言って、オーディンはその大きな手をトンベリの頭にポンと置いた

グオオオオォォォ・・・・・
『むっ!どうやら隠し玉のお出ましのようだな・・・・・姫、トンベリ!早く隠し部屋へ!』
『は、はい!」
2人が玉座の後ろの隠し部屋に入ったのを確認し、階段の方に目をやる
そしてゆっくりと、それの正体があらわになる
511ティナ編:2005/06/30(木) 22:09:50 ID:7gA1wGiO
紫のタテガミに、蛇のように長い胴体、そして蒼色の鱗
それは、おとぎ話に出てきた蒼き竜だった
『・・・・・・この威圧・・・八竜か!?あやつら、こんな奴を手なずけていたとは・・・』

「八竜!?」
ティナ達はオーディンから出たその単語に過剰に反応する
「そうだよ。後で図書館で調べて分かったことだけど、あいつは伝説の八竜のうちの一匹、ブルードラゴン
 その実力は八竜の中でもトップクラスで、ホーリードラゴンに次ぐNo2の強さなんだ」
2番目に強い八竜と聞いて、思わず息をのみ、その映像に釘付けになる4人

『だが、我が斬鉄剣に斬れぬ物はない!ゆくぞ!』
臆する事なく、ブルードラゴンに突進するオーディン
ブルードラゴンは宙を舞い、斬鉄剣は空を斬る
『ちっ!厄介な奴だ!』

オーディンは気付いていなかった
ブルードラゴンの頭部にばかり注目し、自分の後ろにブルードラゴンの尾があったことを・・・
ザクッ!
『くっ!小癪なまねを・・・・・・・・・・・!?こ、これは!』
反撃に出ようとしたオーディンの足が動かない
そう、足から徐々に石化しているのである
『・・・・・ここまでか』
すでにオーディンの石化は腹部にまで浸透していた

バタン!
『オーディン様!!』
我慢できず、隠し部屋から姫が飛び出した
『ひ、姫!なにを・・・・!!』
それを見逃さず、すかさずブルードラゴンの尾が姫の肩を捉えた
『う・・・』
姫にもすぐにオーディンのように石化が始まる
512ティナ編:2005/06/30(木) 22:20:00 ID:7gA1wGiO
しかし姫のその表情に恐怖は感じられなかった
むしろ、清々しいようにも見えた
『オーディン様・・・・これで・・・何も気にせず・・・永遠に・・2人きりになれますね・・・・』
『ひ、姫・・・・・・』

2人が完全に石化する前に、その映像は終わった
「・・・・・・」
4人は言葉が出なかった
人間と幻獣の恋
それは、人間と何ら変わりない・・・・いや、それ以上だった
それ以上に純粋だった
「僕は姫様に言われて、あのまま隠し部屋で息を潜めていたんだ
 こんな魔物の僕を拾って育ててくれた恩も返さず、姫様を見捨てたんだよ・・・・」

5人はゆっくりとオーディンの石像に近づいた
あれから1000年経った今でも、2人の時は止まったままだった
「おい、ティナ?なんか体が光ってるぞ?」
「えっ?」
ガウのその言葉に、ティナに視線が集まる
確かに、ぼんやりとティナの体が光っている
「オーディン様の体も!」
オーディンの石像もティナ同様光っている
「もしや・・・・ティナ殿とオーディンが共鳴しているのではなかろうか?」
「そんなまさか・・・・・あっ!」
ティナは微かに覚えていた
自分が帝国に操られナルシェに行った時、氷付けの幻獣と共鳴した事を
その時の光とそっくりなのである

パアアアアァァ・・・・・・・
513ティナ編:2005/06/30(木) 22:20:43 ID:7gA1wGiO
「ちょ、ちょっと!オ、オーディンの石化が解けていくわよ!」
モノクロのオーディンの体が、うっすらと色味を増していく
オーディンの石化が完全に解けるまで、それほど時間はかからなかった

「オ、オーディン様・・・・?」
トンベリが恐る恐るオーディンに話しかける
「・・・・?これは一体・・・・・・・うっ!うおおおおおお!!!!」

ブアアアアアア!!

突然豹変したオーディンの魔力が王の間にほとばしる
頭を抑え苦しむオーディン
「オーディン様!?どうしたの!?」
「まずい!錯乱してるわ!鎮めなきゃ!」
「で、でも何で!?」
「知らないわよ!とにかくこのままじゃ私達が危険だわ!」
オロオロするトンベリをよそに、4人は戦闘体制に入った

「!?」
オーディン以外にも何かがいる
邪悪な気配をすぐ近くに感じる
カイエンだけが、それに気付いていた
侍独特の闘気に・・・・
「ティファ殿、伏せよ!」
「えっ キャア!」

ガキイイイン!!
514ティナ編:2005/06/30(木) 22:25:24 ID:7gA1wGiO
ティファの頭上から落ちてきた何かの刃を、カイエンが受け止めた
「こ、こやつは・・・・侍!?」
「・・・・・・・コ・・・ロ・・・ス」
傘に着物に刀
侍である事は間違いないが、その身はうっすらと光っていて、少しばかり透けているようにも見える
「侍の亡霊・・・サムライソウルか!ティナ殿達はオーディンを頼む!こやつは拙者が引き受ける!」
「わ、わかったわ!」

「うおおおおおおおおおお!!!!」
未だにオーディンの魔力は暴走し続けている
その表情からは、完全に我を失っていることがよく分かる
力ずくで鎮めるしかない

その上級幻獣の凄まじい魔力に気おされながらも、ティナ、ティファ、ガウの3人はオーディンに立ち向かう
そして、突如現れた謎の魔物サムライソウルを、カイエンが全力で食い止める
今まで静かだった古代城で今、1000年の時を超えて再び激戦が繰り広げられようとしていた
515名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/30(木) 22:30:41 ID:7gA1wGiO
長すぎた
文章をまとめる力がなかった
今は反省していない
516名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/30(木) 22:35:02 ID:vZ8yehRb
>>515
反省しなくてもいいですとも!!
十分にGJですとも!!
517名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/30(木) 22:36:27 ID:kQsHmNts
別にいいさ
518名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/30(木) 22:37:53 ID:I2bmEHPx
うますぎっ
やはり八竜にも実力の違いがあるというわけだ。
そこがいい。
実力的には八竜はどんな順番なのかな?
519名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/01(金) 10:27:56 ID:Lp/2CcKP
おもろいなー
あんな簡潔なストーリーをよくここまでディープにアレンジできるもんだ

>>518
ホーリー>ブルー>他
としか言えないな
ほとんどマッシュ一人にやられたストームが最弱か?
520名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/01(金) 12:55:04 ID:yS3izuF3
ゲームでは1番苦労するストームが一番最弱ってのもいいな。
それに、一番弱いホーリーが一番強いってのもおもしろい。
激しく乙です。
521名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/01(金) 13:01:34 ID:Lp/2CcKP
名前だけはホーリーが一番強そうなんだがな
でもゲームでは最弱
522名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/01(金) 18:05:57 ID:tq4nqemm
ストラゴス編を少し考えたのだが、
ケフカがストラゴスの青魔法の能力を引き出す→ストラゴスはデスゲイスに乗ってバルバリシアと共に、ファルコンのパーティーと戦闘
というのはどーよ?まぁリルムがファルコンに乗っていなきゃ進まないんだけどな。
523ティナ編:2005/07/01(金) 21:16:34 ID:XhDZwwGK
「はあああ!!」
オーディンが鬼の形相でティナに攻撃を仕掛ける
オーディンの斬鉄剣が横一閃に振り回される
「くっ!」
剣で防御体制を取るティナ
しかし・・・・

シュッ!

「・・・・・えっ?」
「・・・・ティ、ティナの剣が!」
折れたのではない
斬れたのである
しかし、何かがぶつかったような衝撃は全くなかった
まるで隙間を通されたような感触をティナは感じた
事実、その擬音は剣が斬られたような音ではなかった
ティナの剣の刀身が回転しながら宙を舞い、その刃が床に突き刺さる
斬鉄剣はその名の通り、鉄すらも紙のように、いとも簡単に斬り裂く
名も無い刀鍛冶が打った、ごく平凡なティナの剣も例外ではなかった

そのあまりの切れ味に、思わず3人の顔が青ざめる
オーディンの視線は、今度はガウに向けられた
「い、いぃ!?」
後ずさるガウにじりじりとオーディンが近づき、ガウの背は王の間を支えている柱の一つにぶつかった
完全に蛇に睨まれた蛙である
「ちょ、ちょっとタンマ!マジでマジで!!うわああくぁwせdrftgyふじこlp;!!!」
524ティナ編:2005/07/01(金) 21:16:47 ID:XhDZwwGK
声にならない悲鳴をあげるガウに、容赦なく横一閃に振られる斬鉄剣
「ガウ!!」

ズバ!!

しかしその剣閃は、腰を抜かしてしゃがみこんだガウの頭上を斬り裂く
すなわち、柱を・・・・
城の柱すらも、その剣は一瞬で斬り裂いたのである
ガウは半べそをかきながら脱兎のごとくその場を脱出する

「じょ、冗談じゃないわよ・・・・あんなのくらったら即死だわ・・・・。ティナさん、何か策は?」
しかし、ティナはすでに準備ができていた
「ファイガ!!」
激しい業火がオーディンの体を包む
「おお!やったぞティナ!」
「・・・・・いえ、やってないわ・・」

グア!!

オーディンが魔力を爆発的に解放させると同時に、炎が完全に消えた
火傷なども全くしていない
「そ、そんな・・・・」
「オーディンに炎は効かないようだわ・・・・どうすれば・・・」
考えさせてくれる間もなく、再びオーディンは3人に突進してきた
525ティナ編 (カイエン:2005/07/01(金) 21:17:40 ID:XhDZwwGK
一方こちらでは、カイエンとサムライソウルの激しい斬り合いが繰り広げられていた
「お主、一体何者でござる!?なぜこのような所に侍の亡霊が!」
「・・・ケフカサマノ・・・メイレイ・・・・・ハチリュウ・・・マモル・・・・!!!」
ガキン!
「ぐっ!」
刀ごとカイエンの体が弾かれる
片言ではっきりとは聞き取れなかったが、大体言ってることは分かった

ケフカの命令で、八竜を守る・・・・
「(一体どういう事でござろうか・・・・もしや、ここに八竜が?)」
サムライソウルの攻撃は止まらない
「お主!誇り高き侍が何故ケフカなどに従っているのだ!お主の刀が泣くぞ!」
「ダ・・・マ・・・レ・・・! (・・・・拙者を殺してくれ)」
「むっ!?」
サムライソウルの声がダブって聞こえた
片方は、魔物の片言の声
そして微かにダブって聞こえてきたのは、カイエンと同じ、人間の声だった
同じ侍だからこそ、その声を聞き取る事のできるのかもしれない

「ハンランブンシハ・・・ミナゴロシニ・・・スル・・! (世界崩壊で無念の死を遂げた後、拙者の魂はケフカに拾われ、洗脳された・・・)」
「な、なに!?」
「(貴殿の言う通り、拙者の名刀・陸奥守が泣いている・・・・だが拙者の意志ではどうにもならぬ・・・止めてくれ・・・頼む・・・・・)」
「・・・・・・お主・・」
526ティナ編 (カイエン:2005/07/01(金) 21:22:40 ID:XhDZwwGK
カイエンは、その侍の心をしかと受け取った
サムライソウルから距離を取り、イエロードラゴンと戦った時のような居合いの体制に入る
「ニガサン・・・・シネ!! (やってくれ!)」
「・・・・御免!!」

ザン!!!

カイエンの必殺剣・断によって、サムライソウルの体は真っ二つに斬り裂かれた
「(・・・・・すまぬ、礼を言う・・・・この陸奥守、お主の好きに使ってくれ)」
「お主、名は何と?」
「(・・・・アシュラだ。さらばだ、侍よ・・・)」

サムライソウルの体は完全に消え、その場には陸奥守だけが残った
「アシュラ・・・・拙者が目標としていた伝説の侍ではないか・・・!今では齢100を超えているはず・・・つい最近まで生きていたとは・・・」
カイエンはゆっくりと陸奥守を拾い、その洗練された刀の美しさに思わず目を奪われる
「アシュラ殿・・・・極楽浄土で、ゆっくりと休まれよ。・・・・ケフカ、やはり貴様だけは許すわけにはいかんでござる!」
カイエンは改めてケフカへの復讐を誓った

「ティナ!!」
「むっ!?」
ガウの声に振り返るカイエン
一体ティナに何が起こったのか・・・?
527名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/01(金) 21:24:34 ID:XhDZwwGK
やべえ、こんなに長引かせるつもりじゃなかったのに・・・
やっぱり最初にある程度構想練らんとダメだなこりゃ
書いてるうちにどんどん話が広がっていく・・・
528名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/01(金) 21:44:02 ID:leNfU6I0
そ れ で い い !
529名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/01(金) 22:16:46 ID:vMdBMcLU
傑作だ!!
530名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/01(金) 22:24:42 ID:YR7B3bvI
カイエンカッコイイよカイエン
531名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/01(金) 22:41:24 ID:vMdBMcLU
陸奥守がここで手に入るのかー・・・なるほぅど。うまい具合に作ったな・・・
グローランスとかも出てくるんだろうなぁ・・・
考えてみれば皆伝の証あってもなにかの足しにならないもんね。
532名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/01(金) 22:55:52 ID:yS3izuF3
皆伝の証はアイテムじゃなくて会得するものみたいな分類でいいんじゃないか?
533名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/01(金) 23:05:35 ID:vMdBMcLU
皆伝の証は誰が取得するのか・・・それがまず大前提だね。
やっぱシャドウかな・・・なんとなく
カイエンもマッシュも奥義は覚えとるし。
534名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/02(土) 00:26:22 ID:dGJFBgXu
別に無理に皆伝の証だす必要ないんじゃまいか
てか、ガウのヘタレぶりワロタ
引っ越しとか、ふじことか、シリアスなシーンにさりげなくギャグを入れるティナ編作者好きだわ
ついでにage
535名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/02(土) 19:05:45 ID:NtKtMBQ0
20年ご、初まりはフンハバの子孫が再びモブリズ襲撃、しかし戦闘できるほどの戦士はいない 街は焼かれ、人々は死ぬ しかしカタリーナの娘が母からTinaの存在を聞く、願う娘…Tinaの魂が飛来し、フンババ撲殺。Tinaは魔石化し娘に力を貸す
536名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/02(土) 19:12:28 ID:NtKtMBQ0
娘は街の幼馴染み、住民には両親がいなく家族に近い死んだ皆… フンババ復活の原因を調べるべくTinaの意思を継ぎ旅に出る… はい、ここから皆さんで続きをレスして下さい
537名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/02(土) 19:39:30 ID:5EKCkfnp
遅いが
>>526GJ!!
538名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/02(土) 22:26:26 ID:xQriD8RT
皆伝の証っていう技みたいなものにしたらどうだろうか?
例えばカイエンだったら溜めてから必殺剣を4連続で出すとか。

>>536 ケフカ倒して一段落した後やりましょう。
539名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/02(土) 23:05:34 ID:kReL+fe/
何で皆伝の証が出るのを前提に話が進んでるんだ?
そんな無理やり出さなきゃいけないような物か?
ゲームでも別にただの役に立つアクセサリーだし、全然必須ってほどじゃないだろ
もちろん作者が書きたかったら書けばいいんだけど

とにかく、案ばっかり出して作者の書きたい事を制限させるのはイクナイぞ
540名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/02(土) 23:22:18 ID:y7De9hBz
>539
案だから大丈夫、作者が気に入らなければスルーすればいいし。
541名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/02(土) 23:48:41 ID:xQriD8RT
制限じゃなくてアイデアな。一人じゃ知っていることも限界があるし。
542ティナ編:2005/07/03(日) 01:59:33 ID:juzQsdXV
ティナの左肩からとめどなく流れる血
傷口はパックリと割れていて、かなり深い
斬鉄剣を避けきれずにくらってしまったのだ
「うあ・・・・あああ・・・・!!」
痛みに顔を歪ませるティナ
回復魔法をかけようにも、痛みのせいで上手く集中できない
「ティナさん!しっかりして!」
しかし、ガウもティファもカイエンも、心配するばかりで何もできない
回復手段を持つ者はティナしかいないのだ

「オーディン様もうやめて!目を覚まして!」
だがトンベリの声はオーディンには届かない
「がああああ!!」
「トンベリあぶねえ!」
トンベリに振り下ろされた斬鉄剣から、ガウが飛び込み間一髪で助ける
「はあ、はあ、だめよ・・・何を言っても無駄だわ・・・・・・力で抑えないと」
「でも・・・!」
「ガウとティファさんの2人で思いっきり殴れば、殺すことなく気絶させられるかもしれないけど・・・あの剣を何とかしないと」
確かに、体の部分は頑丈な鎧で覆われているが、首から上はむき出しである
ティファとガウの2人の力が合わさり、そこにくらわせられれば、流石のオーディンも無事では済まないだろう
しかし、斬鉄剣がある限り迂闊に近づけない

こうして話し合っている間にも、オーディンは一歩一歩ゆっくりとティナ達に近づいてくる
「・・・あの剣は拙者が何とかしよう!ガウ殿とティファ殿は準備をするでござる!」
「カ、カイエン、大丈夫なのか!?」
「100%上手くいく保証はない!しかし、やるしかないでござる!」
そう言うと、カイエンは何を思ったのか刀を鞘に収め、オーディンの前に立ちはだかった
「カイエンさん!?丸腰で一体何を!?」
「いいから力を溜めるでござる!拙者に構うな!」

カイエンの気迫に押され、ティファはファイナルへヴンの準備を、ガウは野性の力を解放し始めた
そして、丸腰のカイエンに真上から真っ直ぐに斬鉄剣が振り下ろされた
543ティナ編:2005/07/03(日) 02:00:18 ID:juzQsdXV
バシイイイ!!

「!!」
斬鉄剣はカイエンの身を斬ることはなく、止まっていた
カイエンの両手によって・・・
「真剣・・・白刃取りでござる!」
口を開けて唖然とする仲間に、カイエンが促す
「ガウ殿!ティファ殿!今のうちに早く!!」
「あっ・・・よし!いくぞおっぱい!」
「その呼び方やめろって言ってんでしょ!」
オーディンは剣を戻し体制を整えようとするも、カイエンが剣を離さない

そして・・・・
「でやああああ!!!」
ガウとティファの拳がオーディンの顔面を完全に捕らえた
オーディンの体は吹き飛び、壁にめり込んだ
息はあるものの、完全に気を失っている

「ふう・・・・久方ぶりでヒヤヒヤしたが、上手くいったでござるな」
少し擦りむいた手を舐めるカイエンを、ガウは尊敬の眼差しで見ていた
「あっ!」
「どうしたのトンベリ?大きな声だして」
「思い出したよ・・・・そういえば、ブルードラゴンについて、本にはこう書かれていた
 たとえ何らかの手段で石化がとけたとしても、すぐに呪いによって正気を失い、ブルードラゴン以外の者に襲い掛かると
 随分前に読んだきりだから忘れてた」
「ぬかりはないってことね・・・・あのままじゃ、起きたらまた私達に襲い掛かるわよ・・・どうすればいいのかしら」
「ブルードラゴンが死ねば呪いも解けるんだけど、ブルードラゴンがどこにいるのか・・・」

「はっ!」
カイエンが、サムライソウルの言葉を思い出す
確かにサムライソウルは八竜を守ると言っていた
それがここにいるということは・・・・
544ティナ編:2005/07/03(日) 02:04:50 ID:juzQsdXV
「・・・・ブルードラゴンは、恐らくこの近くにいるでござる」
「えっ?でも・・・・いるんだったら僕も気付くだろうし・・・。いや、でも城には滅多に来ないから、もしかして・・・」

「グオオオオオオォォォォ!!!」

「!!!」
明らかに魔物のものと思われる咆哮がこだまする
オーディンの魔力の暴走によって、長きに渡りこの城で眠り続けていた魔物が目を覚ましたのである
「い、いまのは・・・・」
先ほど映像で聞いた咆哮と同じものである
間違いなく、ブルードラゴンがこの城のどこかにいる
「・・・・あっちの階段の下から、気配を感じるわ」
ティナが指差したのは、玉座の後ろ側にある下り階段
そこから咆哮が聞こえてきたのだ

「行ってみましょう」
「ティナさん、怪我は大丈夫なの?」
「まだかなり痛むけど・・・でも、痛がってる場合じゃないわ」
ティナはまだ出血が止まらない肩を、痛々しそうに押さえながら歩き出した
階段を下りていくにつれ、徐々に気配が濃くなる

・・・・・そして、その下りた先の姫の部屋に、奴はいた・・・

「ブ、ブルードラゴン・・・!!」
映像で見たブルードラゴンそのままだった
魔大戦終結後に八竜は全て封印されたと歴史に記されていたが、ブルードラゴンだけは1000年間ずっとここで眠っていたのである
「イエロードラゴンとは威圧の度合いが全く違う・・・!皆、気をつけるでござる!」
「これは・・・・簡単に勝たせてくれそうにないわね・・・・」
伝説の八竜のNo2の実力が、今明らかになろうとしていた
545名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 07:32:22 ID:0aLHsAUF
その時である!ティナはオナニーを始めた。それを横目で興奮しながら見つめるカイエン!もはやカイエンはバーサク+トランスの最凶状態に!ブルードラゴンがカイエンに再び襲いかかる、カイエンはよけずに飛び込み鞘から刀を抜き「自慰乱舞閃!」 勝った…
546名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 09:58:06 ID:5zRBq+CA
>545
却下ね、
547名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 10:27:47 ID:0bFpoe3H
まあリレーなんでダメな理由はなにひとつないんだが、流れで言えばボツだろうな
でもおれは好きだわww昔のノリですげーよかったw
548名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 11:02:21 ID:b4snWxN2
>545
つまんねーよ氏ね >544

馬鹿はほっといて頑張ってくれ
549名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 11:02:58 ID:0aLHsAUF
547 俺か?アリガトウ また突然やってやるから楽しみに待ってな 次はすげーぜw
550名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 11:12:50 ID:6boHIV3e
>>549
来なくて良いよ
お前の所為であと、450くらいしかレスが出来ない
バイトで言うとあと200キロバイトくらいになった
お前の為のレスじゃないんだ。
てか、たわごとなどききたくない
わ!
551名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 11:19:29 ID:yyCeUBq7
>>548 >>550
まあ、ID:0aLHsAUFが何書こうが職人には全部スルーしてもらえばいいさ
流れを考えると、次スレ辺りでちょうど終わりそうだし
552名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 13:17:13 ID:04F4782N
>>549 当然やるんじゃなくて空気読んでからやれよw面白さはあるんだしw
553名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 13:21:55 ID:Me6m/RHI
いや面白くもねえし
554名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 13:26:31 ID:bSsSpsZj
いいじゃん、別に。最初が乱交で、これリレー小説なんだろ。
職人を気取るなら文句言うなよ。
555名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 13:27:59 ID:sCtp0mac
FF ◆HOZlQYR1MYが書いたエドガーとティファのエロシーンはストーリーに支障もなく、何より最高に面白かったからいいが
前スレの129とか>>545みたいなただストーリー壊してるだけの奴はイラネ
556名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 13:31:52 ID:04F4782N
>>555 最初からいる人?俺もそうなんだがもう初めからいる人は少ないだろうな。
557名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 13:32:41 ID:b4snWxN2
>555
同意
エロとかアホな展開書くのは別にいいが、こんなのただストーリー壊してるだけだし
558名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 13:40:54 ID:FagZ3p3v
グルルルルルルルル・・・
ブルードラゴンの唸り声が、腹の奥底にまで響き渡ってくる。
ただそこにいるというだけなのに、それだけで全てを超越している。
これほどの存在感ある敵と対峙したことは、かつてなかった。
「なんて威圧感・・・」
ティナがかろうじて、搾り出すように言った。
何か口にしていないと、そのまま心身ともに飲み込まれてしまいそうだ。
「むう、伝説の巨竜、はてさてどこから手をつけたものやら」
歴戦の剣士カイエンですら、その機を見出せないでいる。
その時だった。
「ガウガウ、ござるもおっぱいも退がってろ」
そう言いながら、ガウが一歩前に踏み出す。
「なんと、ガウ殿!」
カイエンが声をかける暇もなく、ガウはそのまま飛び込んでいった。
ただし、ブルードラゴンにではなく、地面へと・・・・
「・・・・・・・・・・え?」
思わず顔を見合わせるティナとカイエン。
「ま、まさか、このタイミングで”とびこむ”でござるか?」
「何故?何故なのよぉぉぉぉぉっ!!」
ティナの絶叫がこだまする。

   (了)
559名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 13:42:10 ID:04F4782N
>>538 今度から名前欄には誰編か書いてくれ
560名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 13:42:47 ID:04F4782N
ミスった >>538じゃなくて>>558
561名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 13:52:02 ID:sCtp0mac
ところで、エドガー編はもう書かんのか?
562名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 16:48:11 ID:m/0w8rjW
>4
携帯対応のまとめたの作ってくれませんか?
563名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 16:48:58 ID:m/0w8rjW
あげてしまいました…
564名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 16:53:08 ID:0bFpoe3H
565名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 18:15:12 ID:MFmZk0fa
>>564
乙。みたところ職人さんは三人いるっぽいね。書くエピも決まってるし。シャッフルとかしたら面白そうだ。
566名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 18:37:44 ID:GDraYDFO
>>564
お疲れ様です。
質問なんですがPCからは見られないんでしょうか。
詳しくないものですいません。
567名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 19:50:00 ID:0aLHsAUF
ビクン、ビクンッ、 ブルードラコンのイチモツの鼓動が響き渡る。ただ勃起してるだけなのに全てを超越している。これほど存在感あるイチモツと対峙したことは無かった。「なんて大きい…」Tinaが物欲そうにいった 竿を口に含まないと下の口から大洪水になりそうである
568名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 19:56:28 ID:0aLHsAUF
「むう…伝説の巨チン竜、はて羨ましいでござる」 歴戦の竿帥カイエンですら愚息を見つめ比べている。「ガウガウ、ござるもオッパイも好きだな〜」そう言いながらガウがイチモツを出す。 「なんとガウ殿!」カイエンが声を掛ける暇無くガウはTinaに飛び込んでいった
569名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 20:02:51 ID:0aLHsAUF
ただしTinaのマ○コへと 「…え?」思わずあえぐTinaと羨ましそうなカイエンが顔を会わせる カイエン「まさかこのタイミングでTina殿の密壺に飛込むとは…くっ、辛抱たまらん!」Tina「えっカイエン!目が…チョッと待ってよ〜前はガウが…アン、」「かたじけ無い、え〜いままよ!」
570名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 20:10:37 ID:0aLHsAUF
「ズボ!ヌポ!クポー!…」ん?「Tina殿!Tina殿!タマランでゴザルな〜オっオウ〜」 「カイエン、良いわ〜ガウもいい〜でも最後クポって何〜?アァ〜ン、」 Tina達は夢中で気付いていない。そうお気付きの通りモグがきたー!しかしシカトして楽しむカイエン&ガウ「いっいくー!」
571名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 20:10:58 ID:JuurlDVn
気合い入ったスレだなww(^Д^)
572名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 20:18:24 ID:0aLHsAUF
スッキリした3人はジハード(性戦)に備え下着を装備した。するとカイエン「モグ殿ー!きたでござるか〜すまぬすまぬワシも久しゅうてな夢中に」Tina「凄いんだからもう二人とも…」4人(3人)の結束は色んな意味で1つになる ドラゴンはサカリがついてコンフュ状態
573名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 20:40:48 ID:VsOtj639
なんか初期のセッツァーを思い出してワロス
574名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 20:48:13 ID:0aLHsAUF
カイエン「ほほ〜うブルードラコンめ、Tina殿の裸がテンプテーションとなった訳でござるな、よし今じゃ!自我を忘れた竜なぞ恐るるに足りん!乱交乱舞斬(モグの恨みバージョン)!」 勝った…
575名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 20:50:35 ID:04F4782N
>>566 PCは>>4のサイトでいいんじゃね?
576名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 20:58:50 ID:b4snWxN2
糞スレになったな
厨板でリレー小説をするってのがそもそも無謀だったな
577名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 21:10:51 ID:VsOtj639
>>576
んな一日二日の出来事でそう言わんでも・・・
578名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 21:22:22 ID:5zRBq+CA
やっているのは同一人物というのは分かるとして。
どうも馬鹿が一匹混じっているようだな。
これでは困った・・・
まぁ、子供のお遊びしかできない餓鬼はほっといてやりましょう。
579名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 22:01:50 ID:m/0w8rjW
>564
ありがとうございましたo(_ _*)o
580ケフカ編:2005/07/03(日) 22:28:45 ID:x8m15P63
自分の手元にある戦力も減ってしまい
ケフカはかなり焦っていた。
「まさか地底に居る古代の竜を見つけるとは・・・・予想外の事が多いな」
しかし今度はそれをはるかに上回る予想外の出来事が起ころうとしていた。


次元の狭間・・・・・・世界と世界の間にあるこの空間には強大な力を持った魔物が生息している
かつてここではクリスタルに導かれし戦士達と邪悪な魔導士による世界の命運を分けた戦いが行われていた。
もちろんその戦いの影響でほとんどの魔物は死滅していったがギルガメッシュの用に
信念で生きてきた魔物もいるし、他の魔物を遥かに凌駕する実力を持った者等が生き抜いている。
次元の狭間はまだ顕在していた。

「そうだな・・・・・また多次元の魔物を呼び寄せてみようか・・・・・・」
ケフカはギルガメッシュや四天王をよびだした空間呪文を唱え始めた。
だが、トラブルはこの時起こる。
「いでよ!クリスタルから生まれし混沌達よ!」
何も無い空間に突如大穴が開き中から何か出てくる。
「さてと・・・これで戦力はどうにかなるだろう・・・」
と安心していたその時
「ん?・・・・!」
空間から出てきたのは四足歩行の機械だった。
機械はいきなりケフカに波動砲を発射する
「なんだと!・・・・うぉ」
不意の一撃に流石の神も対応できず波動砲が直撃する。
「ピピ・・・・ターゲット・ロック・・・・・・コレヨリハイジョシマス」
「なんだこいつは!?・・・・・・・いや確か・・・・・・・」
ケフカは頭の中にある記憶を駆け巡る。
「・・・・・・・・これだ!」
581ケフカ編:2005/07/03(日) 22:30:05 ID:x8m15P63
ケフカの頭にある場面が蘇る。

ギルガメッシュ達を呼び出した時か

「そうそう、次元の狭間にゃもしかしたらあんたを超える魔物がいるんだぜ」
「ほう・・・どんな奴なんだ?そいつは・・・・配下にしてみようかと」
「え〜っと・・・・オメガってゆう機械と神竜ってゆうドラゴンだ」
「機械!?人が作った機械が神より強いと言うのか!?」
「そうは言ってもよお・・・・ほんとにあいつ強いんだぜ」
「もういい!」

「まさかこいつがそれなのか?」
今、神VSラスボスを超えるかも知れない究極機械の戦いが始まろうとしていた。
582名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 22:38:02 ID:5zRBq+CA
・・・そうだった
そいつらの存在を忘れていたぜ。
オメガ、神龍・・・
うまい!!
583名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 23:33:22 ID:0bFpoe3H
まあ最初辺りにに出たんだけどな
584ケフカ編 ◆HOZlQYR1MY :2005/07/04(月) 04:01:15 ID:AYIURDOq
「なるほどなこれがオメガとか言うやつか」
ケフカは恐るるに足らず反撃を繰り出した
「たああああああ!!!」
ケフカの拳がオメガに直撃する

そのとき!
空間の歪みから何かが這い上がってきた

「ほう、人間にしては中々の力をもっているようじゃな」
「誰だ!!」
そこには頭巾年老いた老人がいた
「だがオメガ一体倒せないとは倒したことないのう」
「誰なんだ貴様は!!」
ケフカの問いに答えず老人はオメガに近づいていった
オメガは二発目の波動砲を撃とうとしていた
しかし老人はオメガよりはやく攻撃を繰り出していた
「アルマゲスト!!」
あたり一面が光に包まれる
ケフカが気付いた頃にはオメガはバラバラになっていた
「な!!」
「フフフ、驚いているようだな、この時代の若いもんはだらしがないのう」

「貴様は一体!!」
ケフカが叫ぶ
「フォフォフォ名乗るような者ではないわ」
「しかし今の力只者ではないな!」
「…知りたいか?」
「もちろんだ!!」
老人は静かに語り始めた
585ケフカ編 ◆HOZlQYR1MY :2005/07/04(月) 04:18:55 ID:AYIURDOq
老人はゆっくり口をひらく
「ワシは今からおそらくこの時代から何百年も後の人間じゃ」
「!!!」
「そんなワシが何故ここにいるか…次元の狭間じゃ」
老人は話を続ける
「次元の狭間は時が止まっているんじゃ、つまりどの時代から入っても、みんな同じ時を過ごす事になるんじゃ」
「なんと!」
「逆を言えば次元の狭間を経由すればどんな時代にも行くことができる、お主がこの時代から狭間へのゲート開いたんでの暇つぶしに出てきたわけじゃ」
「なるほど!!」
「次元の狭間はいろんな時代の人々、モンスターが居るんじゃ、どうだおもしろいじゃろう」
ケフカは黙ったままである
「ワシはこれから狭間一仕事あるから戻るがの、お前さんも頑張り、この時代で頭とりたいんじゃろ?」
「ああ」
「いっとくがワシらの時代はお前らの何百倍はレベルが高いぞい」
「そのようだな」
「まあいいわ、では達者でな、もし力が必要になったらまた呼ぶと良いぞい、その頃にはワシは人の形をしていないかもしれないがの」
「?? あ、まて!せめて名前を!!!」
「名乗るほどのもんじゃないてゆうとろうが、あとむやみに空間呪文をつかわんほうがええぞ、狭間はすべての時代のモンスターがウヨウヨなんじゃ、どんなに恐ろしい魔物いるかわからんからな」
「わ、わかった」
「ではまた会おうぞ」
老人は狭間のゲートをくぐって行った

なんだったんだ…

586名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/04(月) 07:32:25 ID:XIRBtpZq
1キタ――――――――!!!!!!!
587名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/04(月) 10:18:42 ID:OriBWFVD
1乙!

昔のようなキレがなくなったように思えたが、独特の展開は健在だなww
また機会あったら書いてくれ☆


老人=エクスデスか?
588名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/04(月) 18:27:44 ID:dDKUPPSB
1光臨!!長い間待ってましたよ。乙です。


>>528 神龍は確かフェニックスと合成させられて今の鬼神になりましたよ。
589名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/04(月) 20:29:45 ID:pP8LVuuv
>588
え?グリーヴァが鬼神じなったんじゃないっけ?
それにアルテマが融合して外れたんだよね。
590名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/04(月) 20:40:52 ID:dDKUPPSB
そうだけど、なんかグリーヴァって言うと明らかに他の3闘神と比べると格下らしいからそう言っただけ。
591名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/04(月) 21:00:58 ID:XIRBtpZq
なんだその微妙な嘘は。
ていうかもう、鬼神は弱いままでいいだろ
セフィロス、アルティミシア、ケフカが大体同じ強さだろうし、
これ以上ラスボス級を増やされても
592名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/04(月) 21:19:02 ID:upI5A4vw
>590
だからって勝手に設定変えるなよ

>591
ケフカが頭一つ抜けてると思いこみたい
ラスボスだし
593名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/04(月) 21:22:59 ID:jBK7OvIu
>>1来たし>>565のシャッフル企画(?)なんか楽しそうに思えてきたな。
594名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/04(月) 21:41:46 ID:dDKUPPSB
>>591-592 前スレ230前後見りゃわかるよ。
595名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/04(月) 23:23:20 ID:RwhZ8tRy
>>593
シャッフルって言っても、定期的に書いてるのは1人か2人だからあんま意味ない
596ティナ編:2005/07/05(火) 10:42:55 ID:lKNrZOf+
飛び込んだまま戻ってこないガウ
まさか逃げたんじゃあ・・・・・という不安がティナ達の頭をよぎる
「・・・・いや、ガウ殿は多少ボケてはいるが、仲間を見捨てるような人間じゃないでござる!」
「そうよ、信じなきゃ!」

しかしティナは未だに肩の傷が癒えない
トンベリに戦闘能力はない
仕方なく、ティファとカイエンがブルードラゴンに立ち向かうことになった
「尾に気をつけて、二人とも!」

ブルードラゴンの尾に刺されれば、たちまち石化してしまう
尾に最新の注意を払い、慎重に攻撃を仕掛ける
だが、そんな消極的な攻撃ではブルードラゴンにダメージを与えることができない
名刀・陸奥守も、使い手がそんなことでは切れ味も鈍る

「グオオオオオ!!!」
ブルードラゴンの頬が膨れ、次の瞬間カイエンに向けてアクアブレスが吐き出される
ギリギリでジャンプして避けるカイエンに、追撃で間髪入れずに第2のアクアブレスがカイエンを襲う
空中で避けることはかなわず直撃してしまった
「がはっ!」
「カイエンさん!!」

カイエンの体がまっさかさまに床に叩きつけられる
「はああ!!」
次の攻撃が来る前に、ティファが素早く全力でブルードラゴンの身に蹴りを入れる
だが、ブルードラゴンの硬い鱗には生半可な攻撃は無意味である
「キャア!」
ブルードラゴンの鋭い爪がティファを襲う
カイエンに続き、ティファまでもが倒れてしまった

次に標的となったのは、もちろんティナである
「ね、姉さんに・・・・近づくな!」
597ティナ編:2005/07/05(火) 10:43:13 ID:lKNrZOf+
震える手で包丁を握り締め、ティナの盾となるトンベリ
「だめよトンベリ!逃げて!」

バシィッ!!

「あうっ!」
ブルードラゴンの長い胴体でトンベリの小さな体が引っぱたかれ、壁に叩きつけられる
「トンベリ!」
そして、ブルードラゴンの頬が再び膨らみ始めた
「・・・・よし治ったわ!」
ようやく肩の傷が完治し、すかさず横に跳びアクアブレスを避ける
「サンダラ!」
「!! グアアアアア!」
水のドラゴンに炎は効かないと見たティナは、不慣れなサンダー系魔法で応戦する
しかし・・・・・

「た、大して効いてない・・・」
リルムのサンダガだったら倒せたかもしれないが、ティナのサンダラでは倒すまでには至らなかった
「グルルルルル・・・・」
かえって神経を逆撫でするだけの結果となった
壁際に追い詰められ、絶体絶命のティナ

しかしここで救世主が現れた
「ガウーーーーーー!!」
地面から勢いよく飛び出したのは、先ほど地面に飛び込んだガウだった
「ガ、ガウ!?今まで何やってたの!?」
「城のちから、いっぱい食ってきたぞ!元気もりもりだ!」
1000年経っても未だに時を刻み続ける古代城
そのエネルギーは計り知れない
598ティナ編:2005/07/05(火) 10:43:28 ID:lKNrZOf+
ブルードラゴンを一目見て勝てないと踏んだガウは、城に飛び込みエネルギーを食べる作戦にでたのだ

「グルルル・・・・ガア!!」
ブルードラゴンが尾でガウに攻撃を仕掛ける
しかし、小さい上にすばしっこいガウにはなかなか当たらない
「ガウーーー!!」
高く跳び上がったガウは、渾身の力を込めてブルードラゴンの顔面に拳を叩き込んだ
「や、やった・・・すごいわガウ!」

他の八竜だったら、この一撃で終わっていただろう
だが、ブルードラゴンはそうはいかなかった・・・
「げっ!?ま、まだ生きてるぞ!」
「そんな・・・・」
怒りが頂点に達したブルードラゴンは、かつてない魔力を溜め始めた
「・・・・こ、この魔力は・・・・まさか、大海嘯を!?」

本当に強い水の魔物は、場所を選ばずに津波すら引き起こす
こんな城の中でそんなことをされたら、例え水圧に耐えたとしてもすぐに溺れ死んでしまう
「グオオオオオ!!」
「ま、まずい!」
無意味だと分かっていても身構えるティナとガウ
しかし、後ろからゆっくりと近づいていた小さな者の存在に、ブルードラゴンは気付いていなかった

プスッ

「・・・・!!!? グアアアアア!!!」
何かが刺されたような音がした
「・・・ト、トンベリ!?」
それは、さっきまでの気弱なトンベリではなかった
肌の色もよく見ると、緑ではなく青になっている
トンベリに眠っていた力が、ここにきて覚醒したのだ
599ティナ編:2005/07/05(火) 10:49:08 ID:Tl3IE46E
このトンベリはただのトンベリではなかった
伝説とされていた魔物、トンベリマスターになれる可能性を持った世界で唯一のトンベリだったのだ
「・・・・姫様の・・・オーディン様の・・・・殺された城の人達の・・・・・・・・・・みんなのうらみだ・・・・!!!」
包丁から怨念のようなものが漂う
それはこの城でブルードラゴンに殺された人だけでなく、今までブルードラゴンが殺した者達全ての恨みも篭っている
その怨念がブルードラゴンを包み込み、その身を溶かし始める
「グ・・・・アアアア・・・・アアアア!!!!」

シュウウウウゥゥゥ・・・・

「・・・お、終わった・・・?」
ティファとカイエンも目を覚まし、さっきまでが嘘のような静けさが漂う
「トンベリ、あなた一体・・・・」
「・・・・僕はなれたんだ・・・トンベリマスターに・・・」
「えっ?」
「行こう、オーディン様を起こしに。もう大丈夫なはずだから」

王の間に戻ると、ちょうどオーディンが目を覚まし始めていた
「むっ・・・・これは・・・?」
「オーディン様!正気に戻ったんだね!?」
「トンベリ・・・・?お前、その体は・・・・それに、お前たちは一体・・・?」

ティナ達はオーディンに事情を説明した
「そうか・・・・すまなかったな」
「気にしないでください。無事で何よりです」
「しかし私だけ戻っても・・・・姫は・・・・」
姫だけは石化したまま戻らない

しかし、一人の何気ない発言によって状況は一変することになる
「・・・・ん?なあ、何でお前らそんなに落ち込んでんだ?ティナの魔法で治せばいいじゃんか」
「!!!」
600ティナ編:2005/07/05(火) 10:49:38 ID:Tl3IE46E
単純なガウだからこその思いつきである
「確かに・・・・エスナなら石化を治すことはできるでござる」
「でもあれから1000年も経ってるんでしょ・・・・?」
「いえ、やってみる価値は十分にあるわ。みんな下がってて」

姫の石像の前で精神を集中させるティナ
「・・・・・エスナ!」
そして・・・・
「姫!」
「姫様!!」
徐々に血色を取り戻し、やがて姫の石化は完全に解けた
「・・・・オーディン様・・・トンベリ・・・?」
1000年間止まり続けていたオーディンと姫の時間が、ここでようやく進みだした

「そうだったのですか・・・・・何とお礼を言っていいのやら」
「礼には及ばんでござるよ。たまたま通りかかっただけでござる」
「いや、せめて剣だけは弁償しなくては・・・・そうだ、私の斬鉄剣を持っていくといい」
そう言って、ティナには少々大きいかもしれない斬鉄剣を手渡した
601ティナ編:2005/07/05(火) 10:49:47 ID:Tl3IE46E
「でも、こんな大事なものを・・・」
「私にはもう必要ない。これからは、姫とトンベリの3人で、静かにここで暮らしていく
 少し重いかもしれないが、お前達のこれからの戦いに役立ててくれ」
「・・・・はい!大事に使います」
「では、拙者達はこの辺でおいとまするでござる」

「・・・・あっ、姉さん達!」
去っていくティナ達を、トンベリが呼び止める
「んっ?どうしたの?」
「えっとその・・・・・姉さん達と一緒にいて楽しかったよ・・・・また、遊びに来てね!」
「・・・・うん!トンベリも、オーディン様も、姫様も、お元気で!」
「お前達も、達者でな・・・相手が神だろうと、負けるなよ」
「みなさん、本当にありがとうございました。あなた達のことは、一生忘れません」

気まぐれで来たここでの経験は、決して無駄にはならなかっただろう
仲間と残りの八竜を求めて、ティナ達は古代都市を後にするのだった
602名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/05(火) 12:48:21 ID:gglIxCaZ
乙かれさん、おもろかったよ
これで残るはホーリーだけか
603名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/05(火) 17:01:32 ID:QvVP4x6h

結末までゲームとは違ってて面白いな
ティナ達はこのままエドガー達と合流かね
604名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/05(火) 19:04:26 ID:eIrTO09O
ついに最後の竜はホーリードラゴンとなったか・・・
うまいなぁ・・・やはり最強の八竜は超激戦になること間違い無しだろうな。
期待して持ってましょう。
605名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/05(火) 22:07:23 ID:eIrTO09O
あ、あとさ、かなりどうでもいいことなんだけど・・・
アシュラって世界崩壊で死んだっと書いているけど生きていたら100を超えている・・・
なんとも長生きだったのか・・・

まぁ面白さがその矛盾をかき消すから全くどうでもいいことなんだけど・・・
606名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/05(火) 22:26:06 ID:QvVP4x6h
いや、普通に長生きしたんだろ?
カイエンが憧れた伝説の侍なんだから長生きしてもおかしくない
何か矛盾してるか?
607名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/05(火) 22:34:28 ID:Tl3IE46E
アシュラは凄い人だったから長生きできたって事になってるでござる

遅れたけど、HOZlQYR1MY氏乙です
もう帰ってこないと思ってたよ
608ケフカ編:2005/07/05(火) 23:19:09 ID:b7Gyj7BJ
謎の老人から出会ってからケフカはだんだんと異常が出てきた。
元々、度重なる敗戦の報告やオメガとの戦いでの疲労、そして自分よりはるかに強い者がいるという葛藤によるものだった。
そして、今度のブルードラゴンが撃破されたという報告によってケフカは完全に不安になっていた。
ケフカ「これからどうしようか?いくら8竜の封印があるにしても、いささか不安だ。もう異次元の魔物は呼び寄せられぬし
    何か柱となるものが欲しいな。」
そうこうケフカが考えてるうちに封印されたはずの記憶が段々と解かれていく・・・

三闘神の間?にて
セフィロス「まずいことになったな、俺がジェノバを取り出したせいでケフカの制御力がやや落ちている。戦闘能力は落ちていないのだが。」
テレパシーのようなものを使って別の場所にいるアルティミシアとグリーヴァに思念波を飛ばし会話をしているようだ。
アルティミシア「そうね・・・コントロールは出来なくなるが記憶の封印だけでもしておきましょうか?」
セフィロス「そうだな、あの記憶が戻るのはまずい。よし、やるぞ!」
そう言い終ると三人からケフカに向かって黒い光が飛ばされた。
609ケフカ編:2005/07/05(火) 23:19:35 ID:b7Gyj7BJ
再び戻ってケフカの間では
ケフカは段々と蘇ってきた記憶に苦しんでいた。

『おはようセリス!』
何だ・・・・
『止めてよ、セリスをいじめないで!』
これは・・・・
『実験体ならボクがなるから!だからお願いだよ………!』
私はセリスの身代わりになったのか・・・・
『いつまでも僕のことを忘れないでね、セリス………』
そんなこと一言も聞いてないぞ・・・・
うおおおおお そこへ三闘神が放った黒い光がケフカ(正確にはケフカの内部にある黒石)に命中した。

シュウウウウウ ケフカは黒い煙に包まれた。
そしてその煙が晴れていくと以前とは比べ物にならないほど禍々しいオーラを放つケフカがいた。
ケフカ「くう、何だったのだ、今のは?しかし、やるべきことはわかっている。セリスだ・・あいつを徹底的に調べねばならん!」
そして、猛スピードで空へ飛び出しセリスたちの乗っている船へと向かった。

とりあえずここまで。この後、セリスたちを強襲しに行く話しを書くからまだエドガー編は待っといて欲しい。後、少し前スレからパクってごめん。
610名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/06(水) 00:07:23 ID:G5R+MnZI
乙。別にこの後の話は特に考えてなかったから大丈夫だよ。
あとセリフパクんのもいいんだけど、思い出すのは全部自分が言ったセリフかいww
ナルシストめw
611シャドウ、リルム:2005/07/06(水) 00:51:07 ID:XlqmvGHg
「なんだ・・・・この塔は」
「随分高い塔だね〜。雲の上まで続いてるじゃん」
ここは狂信者の塔
それを見上げているのは、シャドウとリルムだった
「入ってみよっか?何かありそうじゃん?」
「待て・・・・何か嫌な予感がする。たった2人で入っていいような場所じゃない・・・・」
「そう言うと思ったよまったく・・・・・ん?あれは・・・・・おじいちゃん!?」
「なに?」
リルムの視線の先には、見慣れた人物の姿が・・・・
「やっぱりおじいちゃんだよホラ!何やってんだろあんな所で・・・・・おーい!おじいちゃーん!」
「あっ おい!・・・・やれやれ」
目の前に祖父らしき人物がいて止めるわけにもいかない
シャドウは周りに注意しながらリルムに続いて塔の下の広場へと走る

「おじいちゃん!」
やはり見間違いなどではなく、ストラゴスだった
「・・・・・・・・・」
「・・・・・おじいちゃん?」
リルムが目の前にいるというのに、ストラゴスは完全に無反応である
「おいジジイ!可愛い孫娘がいるってのにシカトかよ!」
「・・・何か様子がおかしいぞ。意識はあるようだが・・・・俺たちに気付いていない・・・いや、認識していないようだ」
ストラゴスの目は虚ろで、何かにとり憑かれているかのように、その広場をグルグルと歩いて回り続けている

その時、上から何かが降りてきた
「ん・・・・?なんだあれは。女・・・・か?」
金髪の美女だった
しかし、魔物であることはその身から発せられる魔力が示していた
612シャドウ、リルム:2005/07/06(水) 00:51:35 ID:XlqmvGHg
「お前達、何者だ?ここに何しに来た」
「それはこっちの台詞だ。ストラゴスに一体何をした?」
「・・・・なるほど、お前達がケフカ様の言っていた反乱分子ってわけね」
心なしか、その場に吹かれる風が一層強くなったように感じた

「私はケフカ様の僕、バルバリシア。そいつはケフカ様の所へ連れて行く。お前達に渡しはしない。
 最も、お前達の声はそいつには届かないけどね」
「この年増!ジジイに何したって聞いてんだよ!!」
「と、年増・・・!?私はまだ28よ!!」
「ほーら、やっぱ年増じゃん。やーい年増〜、オバン〜」
「このガキ・・・・・殺す・・・・・・!!」
「・・・よせリルム・・・・口喧嘩してどうする。どうやらストラゴスは洗脳されているようだな。ケフカに利用されそうになっている」
「そういうことよ。お前達を殺し、さっさとストラゴスをケフカ様の元へ連れて行くわ」
風が更に強くなった
その強風に、体重の軽いリルムはしっかり踏ん張っていないとあっという間に吹き飛ばされてしまうかもしれない

「ストラゴス、お前にも加勢してもらうぞ」
「な、なに!?」
バルバリシアの言葉に反応し、ストラゴスがシャドウ達の前に立ちはだかる
依然、その目は焦点が定まっていない
しかし、明らかにシャドウ達に敵意を向けている
「・・・・待っててよおじいちゃん。すぐに目覚ましてあげるから!」
613名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/06(水) 17:13:22 ID:aQZnwPWT
アチャーすまない。
そこの所だけどうしても思い浮かばなかったんだよなorz
614名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/06(水) 17:16:56 ID:aQZnwPWT
レスアンカーは>>610ね。
できれば今日の夜辺りにはうpするかも
615名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/06(水) 19:26:13 ID:TkHvUCpv
八竜が全滅したらジハードの魔石が手に入るのは本作のほうだけど、
こちらではどうするの?
まさか倒してはい終わりじゃいままで苦戦した話が台無しだし・・・
616名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/06(水) 20:08:41 ID:tx6R0iY6
読者が何言おうが最終的には書く人が決めることになってるから、どうなるかはその時にならないと分からない
617エドガー編:2005/07/06(水) 23:29:31 ID:aQZnwPWT
カイナッツォを撃退したエドガーたちは急いでまた2艘の船に別れた。
しばらくエドガーは非難させた盗賊たちの帰還を待っていた。
しかし、怖気付いたのか津波にさらわれたのかで誰一人とて帰っては来なかった。
エドガー「フィガロまで案内させてもらいたかったが残念だな。まあ、手元にフィガロ城への侵入の方法の情報があるからいいか。
     よし、再度セリスたちと合流するか」
エドガーは自分の乗っていた船を手放し、セリス達の乗っている船へと移った。
セリス「あら、エドガー、盗賊たちはどうしたの?」
エドガー「ああ、怖気ついたのか津波でさらわれたのか知らんが誰一人帰ってこなかったんだ。
     だから、ここからはこの船で行こうと思う。」
ユフィ「それでどこへ行くのさ?」
エドガー「ええと、盗賊たちの情報によるとサウスフィガロの洞窟からフィガロ城の地下へと続いているらしい」
セリス「そうなの?前に、その洞窟へ入ったけどどこにも怪しい所はなかったわよ」
エドガー「それがな、その洞窟の内部にある泉の反対側にフィガロの地下室の先が突っ込んでいるらしいんだ。」
セリス「泉の反対側ってあそこはかなり深いわよ。」
エドガー「それも対策がある。その泉にはでかい亀がいてそいつはかなり人懐っこいらしい。上手くすればそいつに運んで行って貰える寸法だ。」
ユフィ「ええ〜?まだ乗り物に乗らなくちゃいけない所があるの〜。カンベンしてよ〜」酔っているユフィが弱々しい声で呻いた。
セリス「ふふ、大変だわね、ユフィも」
そうこう雑談しているうちに何故か段々と重々しい空気になってきた。
セリス「私だけかしら、何か辺りの雰囲気が変なのは?」最初に気付いたセリスが言った。
エドガー「そういや、そうだ。何だろう?」
セリス「何?あれは?」遠くの空から何かがこちらを目指して飛んできている。近づくにつれてさらに空気が重くなってきた
ユフィ「またかよ〜やんなっちゃうわよ〜」
エドガー「皆!気を引き締めろ!あれは今まで戦ってきたどんな奴よりもやばい気がする!」その危険性に気付きエドガーが怒鳴った。
すぐさま4人は戦闘体制に入った。

そして禍々しいオーラを放ちながら4人の前に現れたのはもちろんケフカだった!

とりあえず今日はここまで。なかなか進まねぇ
618名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/07(木) 00:10:28 ID:AIeGEl8+
もう後はファルコンで仲間回収して、狂信者の塔攻略して、瓦礫の塔で最終決戦するだけなんだが
ゲームの本筋は未だに触手戦前なのか
619名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/07(木) 12:25:51 ID:WAep41oS
>>615
前スレ706嫁
620名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/07(木) 19:45:26 ID:ISZwIqBg
>619
OH!!気づかなかったね!!どうもありがとう。
621エドガー編:2005/07/07(木) 23:50:59 ID:fUJl66j+
世界崩壊を起こした張本人であり、かつて戦った相手でもあるがその時とは遥かに変わってしまったケフカがいきなり目の前に突然現れて4人はこの上なく驚いた。
その姿は全身はやや赤みがかかっておりかつて身に纏っていた道化師のような服はもうなくほぼ真紅の布1枚でありその隙間からは凄まじい筋肉が見えていた。
しかし、何より違ったのはのこぎりのようにギザギザとしている大きな翼が背中から生えていた。
セリス「まさかあなたはあのケフカなの?」
ケフカ「ふっふっふ、そうそのまさかですよ。どうです?このすばらしい翼。私はこの世界の神になったのだ。」
エドガー「人間が神になんかなれる筈が無い!どうせ三闘神によるまがいものなんだろう?」凄まじい威圧に押し殺されながらも必死に抵抗しているように言った。
ケフカ「うるさい!貴様、ここで殺されたいのか?」
エドガー「どうせ直々に殺すつもりで来たんだろう?だけど、簡単には殺られるつもりはないぜ!」4人はそれぞれの武器を構えた。
ケフカ「まあ、死に急ぐな。愚か者め。私は今日はセリスに用があってきたのだ。それ以外のものは私が手を下さなくても絶望と共に死に行くがいい」
セリス「わっ私に何の用よ!?」
ケフカ「ふふ、とぼけるな、セリスよ。私が帝国の魔導士になる前のことを知っているだろう。私にはそれ以前の記憶が無いのは何故なのだ!?」
セリス「あっうっそっそれは・・・」一番脆い部分を突かれてセリスは困惑した。まず何から話せばいいのかやわかってもらえるだろうかとかのことを考えると途方もないことだと感じたからだ。
ケフカ「どうせ答えられないのだろう。しかし、貴様を洗脳してでもその記憶を思い出せばならん。そして、その愚かな事をした人間どもをこの世界から消し去ってやるわ!」
622エドガー編:2005/07/07(木) 23:51:25 ID:fUJl66j+
エドガー「そうはさせるかよ!」セリスに襲い掛かろうとしたケフカにすぐさまエドガーがオートボウガンを打ち込んだ。
ケフカ「くっ、邪魔な虫ケラ共め。2度とこの世界に現れぬよう消し去ってやる、・・デジョン!」ケフカの手から黒い網のような物が放たれ、3人は避ける術もなくその網にかかる。
「うわあああああ」
バシュン・・・
3人はいとも簡単に消えてしまった。
セリス「そんな・・・皆」一瞬で決着がついてしまいセリスは絶望した。
ケフカ「くくく、案ずるな。別に消えたわけではない。どういう訳かこの世界では殺しても、復活するらしいから異次元に送っといてやったわ。さて、セリスよ来てもらおうか。」
セリス「きゃああああ」またも一瞬にして意識を失い、ケフカに連れ去られてしまった。
623エドガー編:2005/07/07(木) 23:52:55 ID:fUJl66j+
場所は変わってエドガー達が飛ばされた場所にて、
そこは地面すらも無く、辺りは真っ黒であり、3人は宙に浮いているような感じだった。
ユフィ「いたたたた、戦闘が始まったと思ったらいきなりこれかよ〜。それでここはどこなの?」
エドガー「わからない。しかし、自由に移動できるし思考もちゃんとできる。どうやら死んではいない様などだが・・・」
ゴゴ「ここは異次元の狭間なのだろう。ケフカが使った魔法は以前に真似したことがあるからな。」
エドガー「ゴゴ、それは本当なのか?どうやって出られる?」
ユフィ「そんなの、また自分たちにその魔法をかければいいんじゃないの〜?」
ゴゴ「いや、それは無駄だ。その魔法つまりデジョンは異次元に送る魔法だ。また、自分にかけて戻る確立は無いに等しい。
   それに、私が真似できるといってもその雰囲気や魔法の撃ち方を全て凝視して真似をしている。この異次元の狭間でさっきと同じ魔法を使うのは不可能だ。」
ユフィ「何だよそれ〜。役に立たないじゃんかよ〜」
エドガー「いや普通に見れば何でも真似できるのは凄いと思うんだがな」
????「おや?もしかして新しい異次元の住人か?」ふと、どこからか声が聞こえた。
エドガー「誰だ?」予期せぬ声に驚きながら答えた。
624エドガー編:2005/07/07(木) 23:54:22 ID:fUJl66j+
????「俺か?俺様はギルガメッシュ。お察しの通りここは異次元の狭間だ。俺は訳あって異次元に来たのは2回目なんだ。」
ユフィ「相当運が無いんだね〜」
ギルガメッシュ「うるさいぞ、そこ。FFシリーズで最も人気がある?俺様の出番がこんなに少なくてたまるかよ。」
3人(何言ってんだこいつ・・・)
エドガー「それで、ギルガメッシュ。ここから抜け出す方法は無いのか?」
ギルガメッシュ「そんなの、あったらとっくに・・・何じゃこりゃ?」ポケットから白い石ころが出てきた。
エドガー「そっそれは、テレポストーン!どうしてそんなものが?」
ギルガメッシュ「そういや、宝条に貰ったこと忘れてたな。」3人はずっこけた。
ユフィ「それ使えば戻れるかな〜?」
エドガー「たぶんな。これで、またケフカを倒しにいけるって訳だな。」その言葉を聞きギルガメッシュの顔色が変わる。
ギルガメッシュ「倒しに行くだと・・・まさか、貴様らは反乱分子なのか?」
エドガー「ああ、お前らから見ればそういうことになるな」
ギルガメッシュ「そうと聞いちゃあ、一緒に帰るわけにはいかねぇ。お前らを叩き潰してやるぜ」ギルガメッシュが構える。
ユフィ「一緒に仲良くは・・・無理そうね」3人も構えた。

超スローペースでスマン。明日辺りには終わると思うわ。
625名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/08(金) 12:05:43 ID:lIEgS7DE
エドガー、ユフィ、ゴゴ:次元の狭間にさよならバイバイ >>624

マッシュ、モグ、ウーマロ、セッツァー、ロック、スコール:ファルコン浮上 >>459

シャドウ、リルム:狂信者の塔でバルバリシア&ストラゴスと対峙 >>612

ティナ、ガウ、ティファ、カイエン:古代城クリア >>601

クラウド、エアリス:明後日ジークフリードと再戦 >>423

ストラゴス:バルバリシアと共にシャドウ&リルムと戦闘開始 >>612

ツォン、ケット・シー、レッド13:ゾゾ

オルトロス、テュポーン:コロシアムへ戻る >388
626名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/08(金) 12:09:24 ID:lIEgS7DE
セリス:ケフカに拉致られる

ケフカ:パワーうpしてセリスを拉致る

女神アルティミシア、魔神セフィロス、鬼神グリーヴァ
↑サイファー、ジェノバ、アルテマバスターがそれぞれ守護

宝条:マジックマスターとして狂信集団の塔の守護

バルバリシア:ストラゴスと共にシャドウ&リルムと戦闘開始

デスゲイズ:生存中

ホーリードラゴン:どっかにいる。たぶん狂信者の塔
627名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/08(金) 12:12:44 ID:lIEgS7DE
主な所持品

ティナ:斬鉄剣
ロック:バリアントナイフ、ウィングエッジ、フェニックスの魔石
カイエン:陸奥守
モグ:モルルのお守り
クラウド:アルテマウェポン、ナイツオブラウンドのマテリア
628名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/08(金) 12:20:44 ID:eqkIE773
どっかに居るワロスwwwwwww


どうしよオメガを利用してガーディアン復活とか
ストラゴスの洗脳強化と共に青魔法コンプとか出遅れちゃった。
まぁ>>よりすこし前とか付け足せば可能かも知れんけど
629ビッグス外伝:2005/07/08(金) 17:00:49 ID:XI4mCdjA
「ビッグス、おい、目を覚ませビッグス」
ウェッジが俺を呼ぶ声が聞こえる。どうやら気を失っていたらしい。
うっすらと目を開けると、心配そうに俺を覗き込むウェッジの姿が。
「おおビッグス、気がついたか」
「ここは・・・」
俺はあたりを見回した。どこか荒涼とした原野だ。
ごつごつした岩塊、背の低い木々がまばらに点在するだけの。
見渡す限り、街も人もないようだ。
気温も異様に高く、気づけば戦闘服に汗がまとわりついている。
「どうしてこんなところに俺たちは・・・」
そもそも俺たちは、ガストラ皇帝から直々の極秘指令を受けて、
産まれながらに魔導の力を持つという少女と3人で、
炭鉱都市ナルシェに潜行していたはずではなかったか。
「ああ、俺にもわからねぇ。坑道の奥で幻獣と対峙していた筈だってのに」
ウェッジの言葉に、俺は肯いた。
そうなのだ、確かに俺たちは炭鉱の奥深くで、隠匿されていた
氷づけの幻獣を発見し、それを持ち帰ろうとしていた所だったのだ。
ところが、その幻獣がだしぬけに妖しい光を放ちだし、
その光を浴びて俺たちは・・・
「そうだ、彼女、ティナとかいう魔導の少女は?」
だしぬけに俺は尋ねた。
「それもわからねぇ。俺が目覚めたときには、
彼女の姿はどこにもなかったぜ。
先に目が覚めてどっかに行っちまったのか、それとも最初から
俺たち2人だけが、この変てこな場所に飛ばされちまったのか」
630名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/08(金) 19:48:35 ID:95t7FD0y
いきなり話が変わってワープした二人のお話、そういえばどうなったのかきになるなぁ・・・
631エドガー編:2005/07/08(金) 23:10:53 ID:WMt/DZ8J
今、気付いたんだけど異次元の狭間じゃなくて次元の狭間ね。>>628ガーディアン復活してから書こうと思って待ってたんだが、なかなかうpされなかったから先に書いちゃった。許しておくれ。
そんじゃ、本編な↓

ギルガメッシュ「前回戦ったときは油断してたからな。今回は最初っから全力で行くぜ。・ギルガメッシュチェーンジ!!」
前回と同様にギルガメッシュの体がまぶしく光り、形態変化を遂げたギルガメッシュが現れた。そして、また同様にエクスカリバーを取り出そうとするが前に折れたことに気付く。
ギルガメッシュ(やべぇ、エクスカリバーは折れちまったこと忘れてた・・・あっ!ケフカ様から貰った雨の村雲があるじゃねえか、この際だ、使ってみるか)「行くぞ、貴様ら。この雨の村雲の錆になるがいい。」
雨の村雲を取り出し、力を込め始めた。
うおおおお 雨の村雲にギルガメッシュのパワーが伝わっていく!
エドガー「くっ、なんだかやばそうだな。」
ユフィ「とにかく避けようよ。あんなの喰らったら一溜りも無いよ」3人は避ける体制に入る。
ギルガメッシュ「おりゃあああああ」ギルガメッシュの力が伝わって柱の様になった雨の村雲(スコールのブラスティックゾーンみたいなやつ)が固まっていたユフィ・ゴゴに向けて振り下ろされる。
ズドーンンンンンン 
ギルガメッシュ「へへ、やったか?」徐々に霧が晴れてきた。しかし、そこには2つの丸太しかなかった。いわゆる変わり身の術だ。
ユフィ「ふへぇ〜、危なかった。最近、忍術やって無かったら失敗してたらヤバかった〜」冷や汗をかきながらユフィが言う。
ギルガメッシュ「なっ!?こしゃくな。今度こそ切り刻んでやるぜ。」再びギルガメッシュが3人に襲い掛ろうとした。
632エドガー編:2005/07/08(金) 23:11:29 ID:WMt/DZ8J
しかし、異変が起きた。襲い掛かろうとしたギルガメッシュは足がもつれてこけたのである。
ギルガメッシュ「ぐあ。何だ?体が重いぞ?」
シュウウウウウ ギルガメッシュの擬態が解けていく。
ギルガメッシュ「しまった、フルパワーだったから体力が無くなったのか」
エドガー・ユフィ「ニタ〜」2人は不気味な笑い顔をしてギルガメッシュの前に立つ。
ギルガメッシュ「うっうわ何を亜qwせdrftgyふじこlp;@:」
ドカッ!バキッ!グシャッ!!
エドガー「ふう、なんとか片付いたな」エドガーが手を払いながら言う。
ユフィ「そうね、やっとこれで戻れる」ボコボコにされた?ギルガメッシュからユフィがテレポストーンを強奪した。
エドガー「よし、戻れるかどうかはわからんがやってみるぞ。・・・テレポ」
エドガー達の姿が光に包まれてその空間から消えた。

・・・・ドサッ
3人は見事にさっきまでいた船の上に戻ってきた。
ユフィ「いたたたた、また着地失敗〜」思いっきり尻もちをついた尻を擦りながユフィが言った。
エドガー「それより、セリスは!?」3人は辺りを見回すが、どこにも人影は無く次元の狭間へ飛ばされる以前と船の様子は変わりなかった。
「くそっ、やっぱりケフカに連れ去られてしまったのか」エドガーがその苛立ちからマストを蹴った。
ゴゴ「どうやら、時間もあまり進んでないみたいだな」月を見上げながら以前の位置と確認しながら言った。
ユフィ「いや、そうでもないみたいよ。あれあれ」ユフィが指を指した向こうには、やや崩れかかった街とその近くに大きな洞窟があった。どうやら、サウスフィガロ周辺に着いたようだ。
エドガー「よし、上陸するぞ」3人は船を港に泊めて街に入った。

とりあえず、俺が考えてたのはここまで。あいかわらずまだまだな文章でスマネ。
633ケフカ:2005/07/09(土) 00:26:46 ID:9tS0wXAn
瓦礫の塔にセリスを連れたケフカが戻ってきてから数十分
洗脳して自白させるまでもなく、セリスは言葉に迷いながらもケフカに全ての事実を話した
「なるほど・・・・私がお前の身代わりになった、と・・・」
「ごめんなさいケフカ・・・ごめんなさい・・・・」
セリスの両目から大粒の涙がこぼれる
自分をかばったせいでケフカはおかしくなってしまった
かつてあれほど憎んでいた敵を目の前にして、今では詫びの気持ちしかない
「・・・・だとしたら、お前には感謝しなきゃなぁ・・・ヒッヒッヒ」
「!?」
「私は後悔なんてしていない。かといって、お前が助かって良かったなどという気持ちも微塵もない
 あの実験のおかげで、私は力を手に入れた・・・・そして、野心もな。おかげでこうして神として君臨できた」
「ケフカ・・・・あなた・・・・」
「あの実験でおかしくなった? 違うね!それまで被っていた仮面が取れただけのことだ!」
「違う・・・・あの頃のあなたは、悪の欠けらもなかった」
「聞きたいことは聞いた。もうお前に用はない」
ケフカは右手に魔力を溜め始めた
魔封剣などでは到底抑えきれないほどの魔力を・・・
「何か言い残すことはあるか?命乞い以外なら聞いてやるぞ」
「・・・・・無いわ。やって」
「ふん!」
ケフカの手からセリスに向けて魔法が放たれようとしたその時

ズキ!

「ぐっ!?」
突然ケフカの胸が痛み出した
「・・・・ケフカ?」
「(セリスを殺すことへの拒否反応か・・・?まだ実験前の私の人格が残っているのか
  そんなものは邪魔なだけだ、必要ない・・・・が、これは時間をかけて消すしかないようだな)」
「・・・・スリプル!」
634ケフカ:2005/07/09(土) 00:27:05 ID:9tS0wXAn
「うっ・・・・・!」
ケフカのスリプルによって、セリスはそのままうつ伏せに倒れた
「ふん・・・・まあいい、いずれ殺してやる。おい!こいつを牢にぶち込んでおけ!」
ケフカは手下の魔物に命じ、セリスを連れて行かせた
「私を救う・・・?余計なお世話だ。私は、今の私が気に入っているんだよ・・・心の底からな・・・ヒッヒッ・・・・・ヒーッヒッヒッヒ!!」

瓦礫の塔にケフカの笑い声が響く
その頃、三闘神は・・・
「結局あの女によってバレてしまったようね」
「・・・まあ、いいんじゃないか。奴はこのまま世界中の生き残った人間を皆殺しにし、新たな世界を作る。
 バレたところで、ケフカのその意志に変化はない。俺たちは、このまま奴に協力してやればいい」
三闘神の目的もケフカと同じだった
だが、頂点に立つことに興味はない
楽して目的を達成するには、同じ目的を持つ者に付けばいい

「・・・・アルティミシア様」
「グリーヴァか。どうした」
「アルティミシア様のおっしゃる通りでした・・・・ご覧下さい」
見ると、グリーヴァとアルテマバスターの力が、以前よりもアップしているのである
「どういうことだ?」
セフィロスが聞くと、アルティミシアはニヤリと笑って答えた
「グリーヴァとアルテマバスターの魔力の波長が、驚くほどに合っているのだ。
 何もせずとも、近くにいるだけでお互いを高めあう・・・・グリーヴァの力が、私やセフィロスと同程度になるのも、そう遠い話ではない」
「ほう・・・・それは楽しみだな」
三闘神の計画も順調に事が進んでいた

そんな三闘神の計画など知らず、ケフカは笑い続ける
セリスの話を聞いて戸惑うどころか、むしろ楽しんでいる
ケフカに更生の余地はなかった
635名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/09(土) 22:46:26 ID:095IksDh
誰かこの後のエドガー編(たぶん触手戦になると思う)書く?
636名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/09(土) 23:04:11 ID:hx9/tK8g

 ヘ⌒ヽフ   ♪のとと とんか とんか とんかつ〜
(・ω・ )
O┬O )     ののとん〜かん〜か とんかつ〜
◎┴し'-◎ ≡
          のののにまわして のののにまわして とんかつ〜〜〜〜♪
637名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/10(日) 17:21:08 ID:M3AeDVrY
また過疎化したか?
638名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/10(日) 17:50:17 ID:aNP+LB3v
1日うpがないだけで過疎化したとは言えない
FF4のノベライズのスレの進行速度は悲惨なことになってるぞ
639名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/10(日) 18:17:21 ID:M3AeDVrY
なあそれ前スレの>1にも書いてあったんだけどファイナルファンタジーSってやつか?
640名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/10(日) 18:19:27 ID:3damtpbW
それはまず違う
641名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/10(日) 18:26:04 ID:M3AeDVrY
わかった、真面目にノベライズってやつか?
642名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/10(日) 19:48:54 ID:/NVaKBg3
ごめん、ここはどういうスレなんですか?
FF6は好きなんで書いてみたいんだが、なんか色々クロスオーバーしててよくわからない。
643名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/10(日) 19:56:29 ID:aNP+LB3v
FF6を面白おかしくアレンジするネタ小説スレ
644名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/10(日) 20:00:40 ID:aNP+LB3v
とりあえず最初から読まずに普通に書くと矛盾だらけでツッコまれまくる可能性大だから頑張って前スレの1から読んでくれ
645名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/10(日) 20:28:14 ID:rtIovVVv
>>642
本筋がFF6、登場人物は6と7で
リレー形式で一本の話を書いている最中。
646名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/10(日) 20:28:34 ID:rtIovVVv
ごめん、登場人物は他にも居る
647名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/11(月) 17:11:22 ID:dW5wfKFJ
>>642
無視して書き進めてもらって構わないよ。
7のキャラが割り込んでくるような話なんて、無理して継承する必要はない。

>>644
矛盾だらけと君はいうが、7のキャラが出てきた時点で、
すでに矛盾は臨界点に達している。
いまさらそんなストーリーを維持することに何の意味があろう。
648名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/11(月) 18:32:24 ID:qKznACPY
>>642 最初から読んでもらえばわかるけど、書いてる途中に割り込む可能性があるからメモ帳とかに下書きしといた方がいいよ。

>>647 せっかく6のストーリーに少しずつだが沿ってるんだから大まかな流れは維持してほしいけどな。
649名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/11(月) 19:45:45 ID:9ppyYUgM
>647
じゃあ、今から他シリーズのキャラは全部パッと消せとでも?
三闘神も何の説明もなく本来の奴に戻せと?
今まで何人もの人が繋げてきたストーリーを今更シカトなんて出来るわけがない

それと、俺が言ったのは「FF6のストーリーの矛盾」じゃなくて、「このスレのストーリーの矛盾」だから
FF6の話が狂ってることなんてみんな分かりきってることだ
それでも書く人はいるし、俺みたいに楽しんでる人がいるからこのスレは続いてるんだよ
650名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/11(月) 22:38:56 ID:qKznACPY
>>642 何編書くかだけでも教えてくれれば、簡単なあらすじは説明しますよ。
651名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/11(月) 23:20:32 ID:O8Md12ew
>無視して書き進めてもらって構わないよ。
>7のキャラが割り込んでくるような話なんて、無理して継承する必要はない。

誰にもこんな事を勝手に決める権限はない
しいて言えばFF ◆HOZlQYR1MYぐらいだ
652名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/11(月) 23:25:14 ID:O8Md12ew
一応訂正
×しいて言えば
○権限があるとすれば

とりあえず他シリーズキャラが割り込もうが、俺は最初から読んでてこのスレ好きだからこのまま続けてほしい
半分はネタスレみたいなもんだし、原作とは違った展開が見れるのは良い
653名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/11(月) 23:32:18 ID:qKznACPY
>>最初から読んでて ←ナカーマ
654642:2005/07/12(火) 00:34:11 ID:8XS+/jVD
みんなレスありがとう。
>>650
何編っていうか書いてみたいキャラはティナやリルム。熱血路線の、ピンチを根性で乗り切るがんばる女の子っていうシチュ。
>>648
>書きこむ前にメモ帳とかに下書き
その辺は心得てるので大丈夫。一応別スレでSS投下した経験あり。
>>652
>原作とは違った展開が見れる
クロスの魅力だね
655名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/12(火) 00:55:52 ID:ciuUk2Bk
>>654
じゃあ、全員合流するまで待ったら?
今はティナとリルムは離れてるけど、最終決戦は全員で行くことになるだろうし
ケフカ倒した後に好きなように書くってのもアリかと
656名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/12(火) 01:04:48 ID:8XS+/jVD
>>655
ケフカ倒してもまだ続くの?

つか今ログ最初から読もうとしてるけど挫折しそうw
なんでセッツァーがエロバカキャラになってんのw
657名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/12(火) 17:23:18 ID:2LL+JYxd
>>655 続けるかどうかは作者が決めるとこ。FF ◆HOZlQYR1MYだったら独特な新しい展開をひょっこり書きそうだなw

で、リルム編のあらすじは
崩壊後ジドールで目を覚ます(シャドウが介抱?)→アウザーの屋敷でアデル撃破(ラクシュミの魔石ゲット)
→街で知り合った少女と夜遊びして近くの山へ行きそこでスカルドラゴン撃破(オリジナル)→狂信集団の塔でバルバリシア&ストラゴスと対峙
って感じ。

ふと思ったんだがこのストーリーの感じでいくと狂信集団の塔ってかなりキツくないか?魔法使える奴はかなり限られてるんだし。
658名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/12(火) 17:50:59 ID:ciuUk2Bk
ティナ リルム ストラゴス エアリス
4人で頑張れ
ていうか、あんまり人数多すぎても書きにくいだろ
659名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/12(火) 17:56:36 ID:2LL+JYxd
でも、他の奴らは?何もせずに突っ立ってるだけじゃ困るよなw
660名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/12(火) 17:59:46 ID:ciuUk2Bk
一応俺は、狂信者の塔の大まかな展開は考えてある
と言っても、もちろん他の人が最初に狂信者の塔編を書き始めたらそれに続けるけどね
661名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/12(火) 18:36:52 ID:at34WsxT
6総合スレに すごい絵師が あらわれたぞ!
662642:2005/07/12(火) 18:43:51 ID:8XS+/jVD
ティナ編の次の目的地ってどこ? 
ティナの武器が斬鉄剣からライトブリンガーに変わる前に一度ティナの肉弾戦を書いてみたいのですが。
このまま狂信者の塔にいってしまうんだろうか。
663名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/12(火) 18:48:24 ID:2LL+JYxd
リルム編のまとめはスルーかよwまあ、いいけど。
ティナ編の目的地は特に決まってないよ。オリジナルストーリーでも書いてみれば?
664名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/12(火) 18:48:32 ID:3f+fc6c7
>>662
今フィガロ城の近くだから、エドガー達が来るまで下手に動けないんじゃない?
665名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/12(火) 18:51:22 ID:2LL+JYxd
エドガー達に合流させるのもありかもな。
666642:2005/07/12(火) 22:38:06 ID:8XS+/jVD
>>663
ごめん。話の流れが、このまま狂信者の塔ってどうなのよ? って流れだったからそっちの方にしかレスしなかった。
リルム編のあらすじ教えてくれたことについては感謝してる。

ところでカーバンクルの魔石はこのリレーの中に出てきた?
667名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/12(火) 22:40:31 ID:3f+fc6c7
暇だから久々に書くか
668名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/12(火) 23:02:03 ID:2LL+JYxd
>>666 出てきてないけど、崩壊前にどっかのパーティにやられたと思う
669セッツァー編:2005/07/12(火) 23:16:09 ID:3f+fc6c7
白い飛行物体が、赤く染まった大空を走る
その飛行物体は、まるで空中遊泳しているかのようにも見える
それもそのはず、今まで毎日のように空を飛んでいたパイロットが、数ヶ月ぶりに空に帰ってきたのだから
「随分はしゃいでんな〜、セッツァーの奴・・・・」
満面の笑みでファルコンを操縦するセッツァーを見て、マッシュがつぶやいた
「・・・・おいセッツァー、いつまで遊んでる。仲間を探しに行くんじゃなかったのか?」
「そうだ。まだ行ってない町に降りて情報収集するべきだろ」
スコールとロックが不機嫌そうに言うが、セッツァーは聞く耳を持たない
「そう固い事言うなっつの。久々の空なんだからよ、もう少し飛ばせろよ」
鼻歌まじりにファルコンを飛ばし続けるセッツァーに、5人はもう呆れて物も言えない

「ったく・・・・あの馬鹿は放っといて、俺らだけでこれからの事を考えようか」
「とりあえず、クラウドとエアリスの居場所は分かってるクポ。他の皆を探すクポ」
「・・・・なあ、フィガロ城に行きてえんだが、駄目か?崩壊後にどうなったのか心配でよ」
深刻な表情でマッシュが仲間に懇願する
自分が生まれ育った城や、城の兵や民が心配なのは当然のことである
「別に、構わないんじゃないか?どうせ他にアテもないし」
「んじゃ、フィガロ城に行ってみっか。おーいセッツァー!お前そろそろいい加減にしとけよ!」
次の目的地が決まり、ロックがセッツァーを叱咤するが、相変わらずセッツァーの反応はない

しかし、今回は浮かれていて話を聞いていないわけではなかった
「聞いてんのかよセッツァー」
ロックがセッツァーの肩をグイっと引っ張るが、セッツァーは目を細めながら前方を見据えたままだ
「おい・・・・何か近づいてくるぞ」
セッツァーが指を差した先で、何かが飛んでいる
ドクロのような顔をしたコウモリ
魔物であることは一目瞭然だ
670セッツァー編:2005/07/12(火) 23:17:39 ID:3f+fc6c7
「あいつは・・・・デスゲイズだ!」
「スコール、知ってんのか?」
「世界崩壊のショックで封印が解かれた、恐ろしい魔物だ・・・・まずいな。敵視される前に逃げた方がよさそうだ」
「何言ってんだよ。スカルミリョーネに比べたら全然、力を感じないぜ?人に危害を加える魔物がいるって分かってて放っておけるかよ」
そう言って、マッシュは両手に聖なる闘気を溜め始めた
「よせマッシュ!」
スコールが止めたが、遅かった
放たれたオーラキャノンはデスゲイズに直撃した
ダメージは負ったようだが、致命傷には全く至らない

デスゲイズがファルコンを睨みつけ、反撃しようと襲い掛かってきた
「ちっ!しょうがねえな、直接ぶちのめしてやるぜ!」
「オッケー。まあ、6対1なら楽勝だろ」
マッシュとロックが臨戦体制に入ると、スコールが再び制止する
「待て!それ以上奴を刺激するな!おいセッツァー早く逃げろ!!」
スコールの慌て様に、5人は不信に思った
マッシュの言う通り、決して強そうには見えないにも関わらずだ
671セッツァー編:2005/07/12(火) 23:18:13 ID:3f+fc6c7
「キイイイイイイ!!」
デスゲイズが金切り声をあげる
同時に、6人の周りをどす黒い霧が包み込んだ
「な、なんだ!?」
「まずい!セッツァー早く!」
「あ、ああ!」
セッツァーが慌てて旋回しようとするが、もう遅かった
「・・・・ん?おいロック、何だその頭の上の数字は?」
「いや、お前の頭の上にもあるぞ?」
その60という数字はマッシュとロックだけではなく、セッツァーにも、スコールにも、モグにも、ウーマロにも付いていた
「くそ、やられた!死の宣告だ!1分以内に奴を倒さないと、俺たち全員死ぬぞ!」
「な、なんだってーーーー!!?」

「キキキキキ・・・・」
馬鹿にするような笑い声をあげた後、デスゲイズは旋回して飛び去っていった
「あ、あの野郎・・・!世界最速のファルコンから逃げられるとでも思ってんのかよ!」
セッツァーもすぐにファルコンを走らせ、逃げるデスゲイズを追った
「急いでくれ!カウントが0になったら俺たちは終わりだ!」
逃げるデスゲイズと、追うファルコン
この大空で、命がけの鬼ごっこが始まった
672名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/13(水) 20:13:33 ID:XUYM2eMZ
触手編書くけど、ティナ達も合流させていいかな?
673名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/13(水) 22:03:15 ID:81T8EFlP
触手倒してから合流させた方が、エドガー活躍できるし人数少なくて書きやすいと思うけど
まあ好きに書けば?
674名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/13(水) 22:38:07 ID:01r6gt5v
俺も同意、でも作者の意思で決めていいと思う。
675名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/13(水) 22:46:57 ID:JubdfqNg
>>669
命賭けの鬼ごっこ!
オリジナルが面白い(・∀・)
676名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/13(水) 22:54:07 ID:rQwTcpz5
いちいち宣言しなくていいのでは?
もしかしたら他の人も書いてる最中かもしれないし、
その人にしてみれば、そんな風に書かれてたらもし出来上がっても書き込みにくいと思う
677名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/14(木) 02:37:12 ID:B7YZ2GhN
>>669-671
禿乙GJ!


早よ続き読みたいわ…。
とどめはやっぱりあの技かな?
678名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/14(木) 18:05:06 ID:Oi8IljZZ
>>676 他の人が書いてるならその人に任せようと思ってな。人のを横取りするのはいまいち好きじゃないから。
679名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/14(木) 21:37:56 ID:Jq7P1141
スレの容量大丈夫か?
680名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/14(木) 22:26:40 ID:Oi8IljZZ
376KBらしい。480くらいになったら誰か立てれば?このまま行くと1000は行きそうにないからな。
681名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/15(金) 00:22:57 ID:WX84f53w
>>676
微妙な所だね
書いてる途中に投下されてたらものすごく哀しいよ
682名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/15(金) 09:20:18 ID:XTEDZEZR
もちろん個人差あるけど、2〜3レスぐらいなら構想考える時間含めて数十分で書き終わる
5レス以上書こうとすると1時間以上かかるけど、このぐらい過疎ってれば割り込まれることはほとんどない
683名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/15(金) 17:32:43 ID:XZwDnzNQ
>>682 俺の場合は2、3レスに1時間くらいはかかるな。

どうやら、誰も書いてなさそうだからできたら夜辺りにエドガー編をうpするわ。
684シャドウ、リルム:2005/07/15(金) 18:24:41 ID:ac80zfhq
「いくぞ!」
いの一番に飛び出したのはシャドウだった
忍者刀の鋭い刃がバルバリシアを斬り裂こうと鞘からその姿を現す
しかし次の瞬間、シャドウを暴風が襲った
「うわっ!」
シャドウの体は、その風に枯葉のように吹き飛ばされる
「ふふふ・・・・攻撃できるものならしてみなさいな」
見ると、バルバリシアの周りを小さな竜巻が覆っていた
竜巻を一瞬で作りだす能力、ただ者ではないとシャドウは踏んだ
あれでは並みの攻撃ではバルバリシアの体に傷一つつけることができない
「それなら、これでどうよ!」
リルムがサンダガを落とそうと手を上げた瞬間

バシュウウウウゥゥ
「・・・・・・えっ」
魔法が発動しない
いや、魔力が練りだせない
「おじいちゃん!?」
そう、やったのはストラゴスだ
リルムがサンダガを唱える前から、ストラゴスはサイレスの詠唱を始めていたのだ
「魔法は私にとっても厄介だからね。でも、魔法が使えない魔導士など、生身の人間と変わらないわ」

シャドウの攻撃はバルバリシアには届かない、リルムの魔法は封じられている
シャドウが新たな策を考える暇もなく、バルバリシアが反撃にでた
「ちっ!」
リルムの小さな体を脇に抱え、シャドウがバルバリシアとは反対の方向に走り出した
「ちょ、ちょっとシャドウ!どこ行くのよ!」
「逃げる!このまま戦っても無理だ!」
「おじいちゃんを見捨てるの!?ここで助けないと、ケフカの所に連れて行かれちゃうんだよ!?」
「悪いが、ストラゴスとは自分の命を投げ出してまで助けるほど親しくはない」
685シャドウ、リルム:2005/07/15(金) 18:25:03 ID:ac80zfhq
半分は嘘だ
シャドウはストラゴスよりもリルムの命を優先した
それに、ケフカの所に連れて行かれるからと言って、わざわざ洗脳しておいて殺すことはしないだろう
そう判断したシャドウは、迷わずリルムと共にこの場から逃げることを選択した

「!!!」
・・・考えが甘かった
「これはこれは、お久しぶり」
「は、速い・・・!」
風を操る魔物だけあって、シャドウを追い越し回り込むほどのスピードがバルバリシアにはあった
「ついでに言うと、もう勝負はついたわよ」
「なに!?」
足が動かない
バルバリシアがシャドウを追い抜いた時、その指先で2人に触れた
バルバリシアの指先には、石化の効果が備わっている
シャドウとリルムの石化は膝まで及んでいた
「そんなの効くもんか!・・・・・エスナ!」

・・・・・・
「あれ・・・?」
「ふふ、忘れたの?サイレスの効果はまだ続いているのよ」
「あっ・・・・!」
そう、リルムは今魔法を使えない
エスナで石化を治す事も当然できない
「・・・・万事休すか」

「だが、お前達人間は追い詰められると何をするか分からないからね。石化を待たず、このまま止めを刺してあげるわ」
そう言うと、バルバリシアはストラゴスを呼んだ
「何をする気だ・・・」
「決まってるでしょう?お前達の止めはストラゴスに刺してもらうわ」
686シャドウ、リルム:2005/07/15(金) 18:25:27 ID:ac80zfhq
バルバリシアの横に立ち、ストラゴスは魔力を溜め始めた
「!! おじいちゃんやめて!あたしが分からないの!?」
「自分の孫娘を殺す気か!目を覚ませストラゴス!!」
しかし、2人の声はストラゴスには届かない・・・・
「無駄よ。洗脳を解けるのは、私かルビカンテだけ。みっともなく足掻かないで、お祈りでもしたら?」
そして今まさに、特大の魔法が2人に向けて放たれようとしていた

「やめないと・・・・・似顔絵描くぞクソジジイ!!!」
「!!」

ドゴオオオオオン!!!!

「ギャアアアアア!!き、貴様・・・・何を・・・!?」
ストラゴスの魔法は、シャドウとリルムではなく、すぐ横にいたバルバリシアに向けて放たれた
「おじいちゃん・・・?」
今のその目は、リルムがずっと見てきた祖父の優しい目だった
「・・・・エスナ!」
続けてストラゴスはエスナを唱え、2人にかけた

「ば、馬鹿な!何故洗脳が解けたの!?」
「・・・・・わしとリルムの絆は、お前達がたやすく絶てるほどヤワじゃないゾイ!」
「愚か者め・・・!このまま私に従っていれば、ケフカ様に力を与えてもらったものを!」
「そんなまがい物の力など、わしには必要ない!!」
687シャドウ、リルム:2005/07/15(金) 18:30:15 ID:ac80zfhq
「・・・おじいちゃん!」
ストラゴスの曲がった背に、リルムが飛びついた
感触・・・匂い・・・どれも懐かしい祖父の背中に・・・
「リルム、ありがとう。おかげで正気を取り戻せたゾイ」
「馬鹿!・・・心配・・・してたんだから・・・・」
「すまん・・・・詫びは、あやつを倒してからゆっくりとするゾイ」
ストラゴスがバルバリシアを睨みつける
「わしの可愛い孫を悲しませた罪・・・・決して軽くはない!」
「老いぼれが・・・・私を本気で怒らせたいようね・・・」

ブア!!

「くっ・・・・ここに来て、まだ風が強くなるのか!」
「何?シャドウびびってんの?あたしは全然へっちゃらだけどね!」
ストラゴスとシャドウ、最も自分を安心させてくれる2人
この2人と一緒にいれば、どんな敵にも負ける気がしなかった
「シャドウ、お主にも、もう一踏ん張りしてもらうゾイ」
「ふっ・・・やってやるさ!」
しかし、バルバリシアも今度は本気でくるだろう
果たして、3人はこの強大な敵を倒すことができるのだろうか

「人間・・・・つくづく不愉快な生き物だ。絆など・・・・この私の風で切り裂いてくれるわ!!」
688名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/15(金) 19:22:57 ID:Du2PmPX2
乙。
でもさ、サイレスって口を封じる魔法だぞ
なんでリルム、喋れるんだ?
689名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/15(金) 19:28:44 ID:ac80zfhq
書きにくくなるから効果を「喋れない」から「魔力を練れない」に変えた
それだけ
690名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/15(金) 19:38:12 ID:CcmD9nih
うおー、ついにストラゴスに見せ場がw
しかも何かカッコイイぞw

>688
この小説でそんな細かいこと一つ一つツッコんでたらキリがないゾイ
691名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/15(金) 20:08:07 ID:Du2PmPX2
それもそうか
だが声が出ないゆえに起こるリルムの身振りや表情を各場面に当てはめてみてくれ


ものすごく……萌えないか?
692名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/15(金) 20:26:45 ID:KvERatOA
>>691
お前天才だな。

それはそれとして、作者さんGJ。次回も期待してます。
693名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/15(金) 23:00:55 ID:CcmD9nih
>691
まあ萌えるけどw

ともあれ、まだロクな活躍シーンがないのは、エドガーとユフィぐらいかな
ユフィはいいとして、エドガーは初期の頃からいるのに全然だな…
触手戦に期待
694エドガー編:2005/07/16(土) 01:02:49 ID:7+VyJKDr
街に上陸したエドガー達は必要最低限な物を買い込み、急いでサウスフィガロの洞窟へと向かった。

エドガー「崩壊前とはあまり変わってないな、さっさと進むぞ」
洞窟の中は魔物が巣くっていたがエドガー達の敵ではなかった。
どんどん敵を倒しつつ以前見た泉を目指して先へ進んだ。
そして、ついにその泉のフロアへと辿り着いた。
ユフィ「ふへぇ〜やっと着いたね。少し休もうよ」へとへとになったユフィが座り込んだ。
エドガー「じゃあ、休んどいてくれ、俺は泉の方を見に行ってくる」そう言うと泉の方へ走っていった。
ユフィ「なんだか、凄い燃えてるね。まあ、自分の城なんだからなんだろうけど。」
少ししてエドガーが戻ってきた。
ユフィ「おつかれさん、亀はいた?」
エドガー「いや、見つからなかったんだ。どうしよう?」
ユフィ「口笛でも吹いてみれば?私は吹けないんだけど」
エドガー「そうだな、行くぞ。」
695エドガー編:2005/07/16(土) 01:04:24 ID:7+VyJKDr
3人は泉の前まできた。泉は崩壊前とは大して変わらなかったが、少し濁っているように見えた。
ユフィ「うひゃあ、深そうだね。向こう側に何か見えるけど、泳いではいけそうにないね。それじゃ、よろしく」エドガーの方をポンと叩く。
エドガー「ああ」エドガーが口に指を加え口笛を吹く。
そのフロア一帯に口笛が響いた。
すると、水中から巨大な亀が現れた。
ユフィ「でかっ、ホントに乗れるの?」
エドガー「人懐っこいはずだからたぶん・・・な」
3人が驚き戸惑っているとその亀が乗ってこいと前足(手?)でジェスチャーをした。
ユフィ「乗れってことなの?」
エドガー「たぶんな。よし、乗るぞ」3人は甲羅の上に飛び乗った。
すると亀は対岸の方向へ泳ぎ始めた。
エドガー「ずいぶん、簡単に乗せてくれたな。」
ユフィ「乗り心地は・・船よりはマシかな。それよりこの亀って何年くらい生きてるのかな?」
亀「・・・・1000年くらいじゃ」
ユフィ「うわっ喋った」
エドガー「驚いたな、喋る亀なんて」
亀「驚くことはないじゃろう、人間の言葉を喋る魔物もいるじゃろう。それと何処が違うんじゃ?」
エドガー「確かにな。それより、お前はいつからここにいるんだ?」
亀「わからないのう、ずっとここにいる気がして忘れてしまったんじゃ。」
エドガー「そうなのか、城にあった歴史書によるとこの洞窟は何百年も昔からあったらしいから忘れるの無理はないよな。
     ところで、最近俺たち以外で人は来たか?」
亀「ちょっと、前に大きな地震があってからは向こう岸から出てきた奴ら4、5人くらいしかいなかったのう」
エドガー「そうなのか、じゃあ俺達が一緒に行動していた盗賊どもは城からの脱獄者か。だとしたらたぶん城へと繋がっている」
亀「よし、着いたぞ」気がつくともう向こう岸へと辿り着いていた。
ユフィ「ありがとね、亀さん」3人が口々にお礼を言う。
亀「ああ、お前たちも気をつけてな」
3人は亀と別れて別の場所へと続いている穴へ入っていった。
696エドガー編:2005/07/16(土) 01:05:01 ID:7+VyJKDr
3人がその穴をくぐるとやや薄暗い部屋へと出た。
鉄格子で囲まれており、ベッド以外何もなかった。どうやら牢屋のようだ。
エドガー「ここは・・城の地下牢か。やっぱり繋がっていたか」
ユフィ「それより、何か空気が薄くない?」
ゴゴ「砂中にいるんだ。空気が薄くてもしょうがない」
ドアが開いており3人は部屋の外へ出た。そこには数十人の人がいた。
エドガーがすぐに、近くにいた兵士に問いただした。
エドガー「おい、どうなっているんだ?なぜ、砂中から抜け出そうとしない?」
兵士「エ・・エドガー様。よくぞ、ご無事で。何故だかわからないのですが、城が動かないのです」その兵士は弱っており、息も絶え絶えに喋っていた。
エドガー「なら、機関室は調べに行ったのか?」
兵士「はい、4、5人行きましたが誰も戻ってこないのです。」
エドガー「そうか・・・わかった。私たちが行こう。皆、もう少し頑張ってくれ。必ず救い出してみせる。」
そこにいた人たちに少し希望の色が戻った。そこへ、一人の男がよたよたとやってきた。
男「お・・お待ちください。」
エドガー「武器屋の親父か、何の用だ。止めはさせないぞ」
親父「いや、そうじゃありません。以前に頼まれた物を作っておいたのです。」そういうと、1本の矢のような物を差し出した。
エドガー「これは・・・まさかもうできたのか?」
親父「はい、1本だけですが何かの役にでも立つかと思いまして」
エドガー「恩に着るぞ。必ず役に立たせてもらうからな」
そして、3人は機関室へと向かった。
697名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/16(土) 13:09:20 ID:yGQuw7cL
>>696
よかったら続き書いてみたいんだけど、

>1本の矢のような物

↑がなんの伏線だかさっぱりわからん。エアアンカー?
698名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/16(土) 13:18:31 ID:8MRrlvZX
>>697
それをうまくアレンジするのが職人の腕の見せ所では
699名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/16(土) 13:21:15 ID:yGQuw7cL
>>698

職人って呼ばれるほどの腕ないっすよw
700名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/16(土) 13:58:32 ID:7+VyJKDr
>>697 エアアンカーのつもり。ゲームのグラフィック見る限りではオートボウガンと同じようだったから表現がそれ以外思いつかなかった。
    それでエアアンカーの原理って何?続きもちゃんと考えてるんだけど、それくらったらどうなるのかいまいちわからん。
701名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/16(土) 14:02:51 ID:8MRrlvZX
圧縮空気を敵の体内に打ち込み、敵が動くとそれが爆発して内部からダメージを与える
・・・かな。エアアンカー。
702名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/16(土) 14:07:34 ID:yGQuw7cL
>>700-701
了解。じゃエアアンカーでやってみるよノシ
703名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/16(土) 14:17:11 ID:7+VyJKDr
>>701 なるほど、そうなってたのか。そんじゃ、続きは>>702に任せるよ。
704名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/16(土) 14:54:29 ID:7iFwFXiM
ボウガンの弾って設定?
705エドガー編:2005/07/16(土) 17:28:47 ID:yGQuw7cL
>>697です。

 機関室への道のりにさほどの距離はなく。
 動力室への扉の前にさほどの時間をかけずにたどり着いた。
「……エドガー」
 ユフィがエドガーに話しかけたのはそのときだった。
「音がする。ちゃんと、機械の駆動音が聞こえてくる」
「ああ、俺にはかすかにしか聞こえないけど、一応は動いているのはわかる」
「まあ、これでも忍者の端くれだからね。目と耳は人よりいいよ。で、エンジンなんだけど……」
「うん」
「エンジン、壊れているかもしれない。不協和音っていうの? "ガリガリガリー"とか"ドガガガガー"とかそれこそイヤ〜な音がするんだ」
「……もとから、城が動いていない時点でそういう可能性は想定していただろう」
 ゴゴが口を挟む。ユフィはそれに反発することはなく頷いて、エドガーに続けた。
「うん、だから扉を開ける前に、心構えはしといたほうがいいよ、……王サマ」
 それは、つまり。
 ――――もし、この城が復帰不能になっていたとしたら、アンタはそれに耐えられる?
 その忠告に、王様は。
「ああ、心配してくれてありがとう。ユフィ。大丈夫心配はいらないさ」
 気負うことなく余裕を崩さず、微笑って、答えた。
「さあ、ユフィ、ゴゴ、準備はいいかい?」
 頷くふたり。それにエドガーも頷きを返して、三人は扉の向こうへ突入した。

 城が動かなくなった原因を、三人は一目で理解する。
「これは……」
「そういう……、ことか」
 それは、樹木の根のような触手の群れだった。エンジンの隙間という隙間を通り、ところせましと絡み合い、エンジンの稼働を妨げている。
 それらは、意志を持っているのか、まるでエドガー達の進入に反応したかのように敵意を撒き散らした。
「来るっ!」
 ユフィが叫ぶ。
 瞬間、ヒュンっ、と空気を斬る音を聞くや否や、三人は戦士の本能に任せて散開する。
 三人が立っていた位置の石畳が爆ぜた。触手の一撃に砕かれたのだ。
 その威力に驚く暇を与えず、触手の群れが、バラバラに別れた三人それぞれをめがけて、四方八方から襲いかかるっ!!
706エドガー編:2005/07/16(土) 17:30:24 ID:yGQuw7cL
「こ……のぉっ!!」
 焦りの叫びとは裏腹に、その身のこなしに淀みはなく。
 襲い来る触手すら足場にして、ユフィは壁際目指して軽やかに跳ぶ。

「…………」
 沈黙のまま。機関室の中心を点とした、ユフィから線対称の場所でゴゴもまた、触手から身をかわす。
 ユフィの動きを"物真似"して、彼もまた、壁際へと走る。

「……っっ!」
 エドガーもまた、駆ける。ユフィのような身のこなしは彼にはない。だが触手の群れに臆することはなく。
 身を低くし、触手に肌を裂かれながらも直撃を避け、一直線に疾走した。
 ダン、と一際大きく踏み込んで、前方目指して低く跳ぶ。空中で背後へと身体を反転。
 背中を壁に打ちつける勢いのまま、エドガーは部屋の端に到達した。
 室内を見渡す。ユフィもゴゴも、無事に壁際まで到達したことを確認できた。
 壁を背にしたのは背後からの一撃をなくすため。
 後退できないというリスクはあるが、全方位を囲まれてしまってはどのみち後退は不可能になる。
 故に――――
 三人、意志を合わせるように頷いて。
 ――――あえて退路を絶ち、迫り来る触手を、片っ端から迎撃する!!

 脳天を断ちにくる一撃を、ユフィは半身を引き、そのまま旋回。横に位置をずれることで身を躱す。
 躱しざま、逆手に持ったクナイを突き立て、引き裂く。触手が痛みに身もだえするようにうねる。
 (遠目から見たら樹の根にも見えたけど……、色が似てるだけだった。これ、生き物だ)
 近くで見れば、表面がテラテラと不気味に光っているのがわかる。
 粘膜か――――?
 そこで思考は妨げられる。迫る触手が、今度は束になって襲い来る。
「くっそ……!」
 うねり、疾り、振り乱される触手の群れ。
 捌ききれるか。舌打ちひとつとともに、ユフィは触手に挑みかかった。
707エドガー編:2005/07/16(土) 17:32:48 ID:yGQuw7cL
 ユフィと同時にエドガーも、それが生々しい怪物だと気づいていた。
 薙ぎ払われる一撃を剣を盾にして受ければ、触手は刀身に絡みつき、彼の手から剣をもぎ取り。
 触手が足下に突き立ったその跡には、どこか粘ついた液が石畳に付着しているのだ。
 エドガーはひとりごちる。
 (こういう悪趣味なヤツは、他の生物の養分を吸い取るタイプだと相場が決まってる)
 触手がエドガー達三人に反応した理由も、おそらくはそれが理由だろう。
 だとすればあまりモタモタしてはいられない。疲労で動きが鈍ったところを捕獲されては終わりだ。
 だが、相手が生きているのなら。食欲を持った知性のない怪物でしかないというのなら。話は簡単だ。
 ――――「こいつ」で根こそぎにすればいい!!
 思考の間にも触手は迫る。エドガーはそれら全てを視界に収め。
「ここは俺の城だ。招かれざる客には早々に退場願おう!」
 機械を構えて照準を定め。
 叫ぶ。
「ゴゴ、ユフィ、『併せろ』ッ!!」

 触手の襲撃。クナイで躱す、手裏剣で躱す、マテリアで躱す、躱し続ける。
 だが限界はもうすぐそこ。触手がユフィの身体に掠るたびに付着する粘膜が、確実に彼女の動きを鈍らせる。
 (ヤバ、身体が重たくなってきた……!)
 焦燥がつのる。
 その瞬間。
「ゴゴ、ユフィ、『併せろ』ッ!!」
 (――――っ!!)
 エドガーに目を向ける。機械を構えたその姿をみて、彼の考えを瞬時に察する。
 触手が迫る。足を刈るような低空の払い。
 それを踏みつけるように足裏で受け止め、その反動を利用して、ユフィは跳ぶ。
 空中にある彼女に追いすがる触手を、投げ落とす手榴弾の爆発が怯ませた。
 だがそこまで。宙にいるユフィに、次の攻撃を回避する術はない。
 触手が、獲物を捕らえたという確信を以て、天井まで到達したユフィへと走る。
 その瞬間。
「バイオブラストッ!!」
 『二方向』から放たれた毒液の波が、全ての触手を覆い尽くす――――!!  
708697:2005/07/16(土) 17:37:03 ID:yGQuw7cL
用事ができてしまい、触手戦を終わらせるまでは書けませんでした。ごめん。
もし書かせてもらえるのなら、日付が変わる頃には続き投下できると思います。
リレーでこんなこと言うの無粋かもしれないけど、ちゃんとした一区切りまでは書きたかったので。
ほんとごめん。
709名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/16(土) 18:01:49 ID:NvrK5lD0
乙。文体から察するに、前のシャドウ編作者か。さすが。
710名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/16(土) 21:18:23 ID:2Ptj3dEN
前のシャドウ編作者?
711名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/16(土) 22:06:54 ID:7+VyJKDr
>>709 文体でわかるなんて凄いな。
前のシャドウ編作者ならこの話任しますよ。

ちなみに、俺が考えてた話では触手の本体がいて、そいつにエアアンカーを打ち込んで倒すって構想。
ここで打ち明けても意味ないけど、なんか参考にでもしてくれれば嬉しい。
712名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/16(土) 22:13:34 ID:2Ptj3dEN
前の人って狂信者集団の塔の人だよな?
713名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/16(土) 22:18:30 ID:7+VyJKDr
たぶんな。このスレを引っ張てる1人だと思われる。
714名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/16(土) 22:20:17 ID:2Ptj3dEN
二人しかいないけどな…職人さん
715名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/16(土) 22:23:25 ID:7+VyJKDr
いや3人はいると思うだけど。
716名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/16(土) 23:16:32 ID:ssBncfeu
俺がアウザー編と今のバルバリシア戦書いてる作者だけど、エドガー編は俺じゃないっすよ
717名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/16(土) 23:32:11 ID:NvrK5lD0
言い方悪かったかな。
スカルドラゴンとオリキャラ書いた人。タークス編もこの人だとおも。
つーか本人来たら分かるか
718名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/17(日) 00:03:36 ID:aDNqXMjE
ノシ
タークス編&スカルドラゴン書いたのは俺
エドガー編は書いてないから多分前のエドガー編の人のだよ
俺の文体ってどんなんだろ…気になるな
719名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/17(日) 00:24:39 ID:NYgl1YS1
>>718
あれ、違った?まあいいや
実際今は作者何人くらいいんだろ
ノシってみようか

ノシ
720名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/17(日) 01:19:11 ID:SXrETmG6
トリップ付けない理由を教えて欲しいのだが
721エドガー編:2005/07/17(日) 05:04:36 ID:aexnlTeK
>>697です。>>707の続きです。遅れてしまって申し訳ない。

 エドガーと、そしてゴゴの"物真似"によるバイオブラストの挟撃は触手の群れ全てを一掃していた。
 苦しみもだえるようにうごめき、痙攣し、やがて動きが止まっていく。
「やたっ!」
 ユフィは毒液の水たまりに落ちないように、天井を蹴り、近くのゴゴの後ろへと着地。
 バシバシとゴゴの背中を叩きながら、ふたりの成果を褒め称える。
「いやー考えてみればそうだよねー。こんな脳みそなさそうなナマモノには確かに毒が一番キくよ。うん、さすが王サマ、アッタマいい!」
「大したことはないよレディ。これくらいの教養は紳士として当然のたしなみ……!?」
 唐突に「ユフィ!!」とエドガーは叫んだ。
 それは、危機を訴える叫びだったのに。
 ユフィもゴゴもかえってエドガーに注目してしまい、逆効果となってしまった。
「か、は――――!?」
 ユフィは全身を締め付けられる激痛を感じたその直後、呼吸を強制的に断絶させられた。
 生き残った複数の触手が、彼女の背後から強襲したのだ。腰から喉元まで、触手が巻きついている。
 急速に剥がれ落ちる意識の中、必死に喉へと手をやる。
 (力が、抜け、て……!?)
 喉元に指をねじ込もうとしても指先に力が入らない。喉を締め上げられ、力を吸い取られ、ユフィの意識はそこで途絶えた。

「ゴゴ!!」
 エドガーが回転のこぎりを構え、彼の声に了解してゴゴもそれを"物真似"る。
 だが、のこぎりを使うことは出来なかった。
 ユフィを捕らえている触手を断ち斬ろうとしたのとき、触手は彼女を、あろうことかゴゴめがけて凄まじい勢いで放り投げてきたのだ。
 石畳を貫くほどの触手の力。その力で投げ飛ばされ、床や壁に激突すれば無事ではすまない。
「く……!!」
 ゴゴはユフィを受け止めるも、彼女の勢いを殺すことができないままに吹き飛ばされた。
 ユフィごと壁に叩きつけられ、壁に小さなクレーターを残し、そのまま床にずり落ちる。
「ユフィ! ゴゴ!」
 ふたりは、動かない。
 動揺するエドガーめがけて、触手が奔る。
722エドガー編:2005/07/17(日) 05:05:41 ID:aexnlTeK
「くそっ……!!」
 ふたりを気にしていれば、自分もやられてしまう。
 ふたりの手当をするためにも、まずはこいつを倒さなければ。
 苛立ちを吐き捨てるように、バイオブラストのトリガーをもう一度引く。しかし効果は認められず。
 (……毒属性に、耐性があるのか?)
 まさか、触手の群れそれぞれが、別々の属性耐性を持っていたのだろうか。
 しかし疑問を吟味する暇を与えぬとばかりに、触手が容赦なく襲いかかる。
 身体をよじりながら、触手を躱す。
 まとわりつく粘膜が、動きを鈍らせる。
 怒りに燃えているのか、触手の動きは段違いに速くなっていた。
 動いている触手の数は、すでに片手で数えられる程まで減っているというのに。
 もうすぐで、勝てるのに。
 そのもうすぐが、遠い。

 頭上から躍りかかる一撃に、バランスを崩した。
 そして次弾、迫る真一文字の横薙ぎ。それを、あえて受けた。
 鈍った身体では躱しきれない、と回避の可能性を捨てて、わざと吹き飛ばされることを選んだのだ。
 もし今の一撃が刺突であれば、死に物狂いで躱していただろうが。
「ガハッ!!」
 尋常ならざる衝撃。
 ユフィやゴゴのように、エドガーもまた壁まで吹き飛ばされる。
 不意打ちではなく、しっかりと覚悟して受けた一撃。にも関わらず、エドガーもそこに倒れ伏してしまった。
 そうして。
 動かなくなった侵入者に安堵したのか、触手の動きが緩慢になった。
 触手はユフィ達より遠くに飛んでしまった生きのいい獲物よりも、近くの気絶した獲物を優先した。
 ズルズルと、ゆっくりと。
 触手がユフィとゴゴの元へと伸びていく。
723エドガー編:2005/07/17(日) 05:06:57 ID:aexnlTeK
「ぐ……う……!!」
 腹が痛い、腕が痛い、足が痛い、頭が痛い。
 ――――だから、なんだっていうんだ……ッ!!
 震えるほど、拳を握りしめることはできるのなら。
 震えるほど、歯を噛みしめることはできるのなら。
 意識を失っている仲間たちがいて、意識をまだ保っている自分がここにいるのなら。
 身体が、どうして動かないことがある。
「やめ、ろ……ッ!」
 枯れた喉で声を絞り出す。だがそれは、誰が聞いても、力のないとわかる声。
 触手が、エドガーへと意識を移したかのように、動きを止めた。
 そして数瞬後、エドガーに向かって触手が動き始めた。

 倒れている分、触手の這いずる感触が、地面を伝わってダイレクトに伝わってくる。
 くそったれ。こんなことなら、もう少し身体を鍛えておけば良かったかな。
 弟を思いながら、そんなことを呟いた。
 もっともエドガーは、戦士としても十分な程の身体能力をすでに持っていたのだけれど。
 マッシュが、10年間の修行で、ダンカンの後継者の資格に相応しい位置まで登りつめたように。
 エドガーもまた、10年間、己を高めることを忘れていなかったのだから。
 フィガロのための帝王学や機械工学も、そして機械武器を操り振り回すための腕力も、全て努力で手に入れたもの。
 その努力も、ここで死んでは報われない。そんなことは、許されない。
 だってこの努力は、自分のためのものではないのだから。

 そう、この努力は国のために。
 それなのに、リターナーのため世界のためと城を空け。
 その結果が、潜ったままの城に閉じこめられた人々だというのだから、なんて、無様。
 倒れた部下達には、いくつ謝っても足りるものではない。考えたくはないけれど、死んだ人間も、大勢いるだろう。
 それでも、彼らは。
「王よ」
 うわごとのように、小さな声で、呟いていた。
724エドガー編:2005/07/17(日) 05:37:51 ID:aexnlTeK
 ――――もし、この城が復帰不能になっていたとしたら、アンタはそれに耐えられる?
 ユフィの忠告がリフレインする。
 あのとき、大丈夫だと、嘘をついた。女性相手のポーカーフェイスは、お手の物だから。
 ……耐えられるわけが、ない。彼に、そんな覚悟ができるわけがない。
 機械など、いくらでも直せる。どんな故障であろうと、俺が直してみせる。
 でも、俺が死んだら、王様が死んだら。
 この城が死んで、国が死ぬ。
 そんなことを、例え想像の中でだけでも、認めるわけにはいかないんだ――――!!

「俺を喰いたいのか、バケモノ」
 気がつけば、立ち上がっていた。
 女好きで、機械好きな、フィガロの王様。
 編んだ金髪は埃と血にまみれているけれど。軽薄で、飄々とした態度はいつものままに。
 回転のこぎりを握りしめ、バケモノの前に立っている。
 笑いが、こみ上げる。自分が、誇らしくてたまらない。
 これはただの、アドレナリンの過剰分泌にしかすぎないのだろうけれど。
 それでも、国を想っていたらいつの間にか立ち上がっていた、なんて。これ以上なく王様らしいじゃないか。
「無理だな。俺の命は自惚れでもなんでもなく、重いんだ」
 髪をかきあげ、一歩を踏み出す。
 触手の群れはようやく獲物の変貌に気づいたのか、そこで、立ち止まった。
 その、瞬間。
 今まで逃げるだけだった獲物は、自分から触手へと肉迫した。
 回転のこぎりを一閃。触手の一本が断ち切られ、絶命する。残り三本。
 そこでようやくエドガーを狩猟対象として再認識したのか、緩慢な動きが一転する。
 二本の触手が絡み合い、捻れ、一本の槍と化してエドガーを襲う。
 その一撃を、回転のこぎりの胴体を盾として受け止め、奥にいる一本の触手へと肩から体当たりするように突っこんだ。
 オートボウガンを押し当てる。トリガー・オン。必殺の零距離射撃、全弾命中。結果は語るまでもなし。
 残り二本。振り返る。そこで、動きが止まった。
 そこで目にした光景に、あっけにとられたのだ。

 触手が、お互いを喰い合っていた。
725エドガー編:2005/07/17(日) 05:40:31 ID:aexnlTeK
 グチャリグチャリと、聞くに堪えない音が響く。やがて、触手が一本に減った。
 そして、残った一本が、いまだエンジンに横たわる他の全ての触手、その毒殺死体全てを根元から『吸い上げる』。
 リルムにはみせられないな、とぼんやりと思いながら、エドガーは微笑った。これで、エンジンの掃除が省けてありがたい。
 まるでヘドロを吸い上げるかのような醜い音にも、エドガーは眉をしかめることすらしなかった。
「ああ、すごく強そうだ。きっと今のお前なら俺を喰うことも簡単なんだろうな」
 死体の全てを吸い上げた一本の触手。この部屋に入った瞬間の、全触手を上回る威圧感。
 それを前にしてなお、エドガーは冷静にボウガンの照準を合わせる。
「今から放つ一撃を耐えることができたなら、お前の勝ちだよ」
 エドガーの声など触手には聞こえていないのだろう。彼の口上が終わらぬ間に、触手が奔る。
 タン、という音。放たれたたった一本の矢など、触手は意に介さずエドガーへと突進する。
 だが、しかし。
「Move,and you're dust(動けば死ぬぞ)」
 果たして、敵はその言葉を聞き届けることができたであろうか。
 次の瞬間、触手の身体が内部から爆ぜた。いくつもの肉片となり四方八方に飛び散った。
 それは、託された誓いの矢。
 滅びた世界の中で、埋まった国の中で、それでも民が、王のためにと造りあげた誓いの一矢。

「ノコギリの刃も、ボウガンの矢も、今の一撃も、全てがフィガロの一撃だと知れ」
 
 言い捨てて、そこで終わり。エドガーは頭からすでにバケモノのことを消し、仲間達と、国民達を救うべく、歩き出した。
726エドガー編:2005/07/17(日) 05:49:32 ID:aexnlTeK
 浮上した城の中で、地上への帰還を、そして王の帰還を国民は喜び合う。
 そうして、王は、国民に頭を下げた。国を空けた責任は、どうあっても償えるものではないと。
 だが、それは王の短慮だ。
 エドガーを悪く言う人間など、フィガロの中にはひとりもいない。いるはずがない。
 彼が王だからではない。
 彼が王に相応しい人物だと、誰もが信じているから。
 だから、みんなは王様に、こう言うのだ。
 
 "おかえりなさい、我等が王よ"

 みんなが、笑った。
 ユフィも、ゴゴですら、微笑みを浮かべた。
 王様も、笑った。

 そうしてまた、旅立ちの時が来る。
「これからコーリンゲンで情報集めだね、ふたりとも準備はオッケー?」
 ユフィの声に、ふたりは頷いた。
 三人は歩き出す。
 エドガーが、一度だけ城を振り返った。

 "貴方が王であるのなら、私たちは貴方をいつまでも待ち続けるでしょう"

 王様がいて、民がいて、国がある。
 世界が滅びかけようとも、国は――――フィガロは、ここに生きていた。


>>709-719
えーと、とりあえず、俺はこのスレの>>642だす。ファイナルファンタジーの小説を書いたのもこれがはじめて。
前のシャドウ編作者というのは具体的にどこら辺を書いた人なのか教えてくれませんか? 文体が似てるっていうのなら参考にしたいので。
一応コーリゲンを出したのは、仲間の集合場所に使えないかなっていう程度なので、まだこの先合流予定がなければ、
コーリンゲンではちょっとくつろいだだけとか、そんな感じでスルーしてください。
727名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/17(日) 09:01:46 ID:IC4YD/pB
>>720
割り込みにくくなるから
728名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/17(日) 09:11:29 ID:IC4YD/pB
おk読み終わった
>>721-726激しく乙
エドガー初めての活躍良かったよ
729合流:2005/07/17(日) 09:23:33 ID:IC4YD/pB
コーリンゲンにやってきたエドガー達は、酒場で情報収集を始めた
酒場のマスターから聞いた話、それは・・・・

「青いバンダナの男、銀髪の黒服の男、熊のようなたくましい男、モーグリ、雪男、額に傷のある黒髪の男が来た」

「・・・・わかりやすいな。特にモーグリと雪男ってのが」
「間違いなく、あいつらだよねぇ・・・額に傷のある男ってのはよく分からないけど」
「だが、どこに行ったかまでは分からない、か。どうしたものかな」
悩むエドガーとユフィにゴゴが口を挟む
「だが、つい最近までここにいたということは、近くにいるかもしれん。ここにいるより、フィガロ城に戻った方がよくないか?
 浮上したことに気づけば、きっと様子だけでも見に来るはずだ」
「それもそうだな。よし、戻ろうか」

一方その頃・・・・
「あっ!フィガロ城が浮上してる!」
「なんと・・・・何があったか分からんでござるが、よかったでござるな」
「ガウガウ!またあそこで美味い飯食えるのか!?早く行くぞ!」
「相変わらず食い意地張ってるわね・・・・とは言え、私もお腹すいたから、行ってみましょうか」
説明するまでもなく、ティナ達だ
古代城に繋がっていた洞窟から出た4人の目の前にフィガロ城が立っていたのである

そして・・・・・

「あら?あっちから誰か来るわよ?」
ティナの視線の遥か先からこっちに向かってくる3人組
「あ・・・あああ・・・・!!」
それは、かつて共に戦った仲間、エドガー、ユフィ、ゴゴだった
向こうもティナ達に気づいたのか、大急ぎで走ってきた
こうして、2パーティは感動の再会を果たした
730名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/17(日) 09:25:42 ID:NYgl1YS1
お疲れ。作品的にも時間的にも。

>>145>>169>>237>>245
大体ここら辺が前シャドウ編作者かな。
ていうか文体似てるっていってもなんとなくの範囲だし、
新作みてまた違った印象を受けたよ


エドガーカコイイ
ヘタレ返上しすぎ
731まとめage:2005/07/17(日) 10:46:22 ID:M2g4Z2ta
職人さん達乙です。
物語が進んだのでまとめとくね。

エドガー、ユフィ、セリス、ゴゴ、ティナ、ガウ、ティファ、カイエン:コーリゲンにて合流>>729

シャドウ、リルム、ストラゴス:ストラゴスの洗脳が解けバルバリシアと対峙>>687

マッシュ、モグ、ウーマロ、セッツァー、ロック、スコール:デスゲイズを追う>>671

クラウド、エアリス:明後日ジークフリードと再戦 >>423

ツォン、ケット・シー、レッド13、オルトロス、テュポーン:以前と変わらず >>625参照

セリス:眠らされて牢へぶち込まれる>>634

732名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/17(日) 10:48:38 ID:1zjFHvel
マンコ
733まとめその2:2005/07/17(日) 10:52:46 ID:M2g4Z2ta
ケフカ:更正の余地無し、三闘神の企みに気付かず>>634

女神アルティミシア、魔神セフィロス、鬼神グリーヴァ
↑サイファー、ジェノバ、アルテマバスターがそれぞれ守護
:グリーヴァとアルテマバスターが共鳴してお互いがパワーうp>>634

宝条:マジックマスターとして狂信集団の塔の守護

バルバリシア:シャドウ&リルム&ストラゴスと対峙

デスゲイズ:ファルコンに追いかけられる

ホーリードラゴン:どこにいるのかはまだ不明

主な所持品
ティナ:斬鉄剣
ロック:バリアントナイフ、ウィングエッジ、フェニックスの魔石?
カイエン:陸奥守
モグ:モルルのお守り
クラウド:アルテマウェポン、ナイツオブラウンドのマテリア
シャドウ達:ラクシュミの魔石?
734名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/17(日) 11:06:17 ID:M2g4Z2ta
まとめ見るとマッシュとかシャドウにも武器が欲しいよな。
ちなみに容量は412KBです。
735名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/17(日) 11:06:23 ID:IC4YD/pB
まとめ乙
フェニックスの魔石は持ってると思うけど、ラクシュミの魔石はどうなんだろな
矛盾生じたけど、それほど重大なことじゃないからそのまま話進んでたけど
クラウド達は瓦礫の塔の地図も持っている

あと、エドガー達とティナ達が合流したのはフィガロ城ね
ファルコン組がデスゲイズ倒した後に来るっぽいから
736名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/17(日) 11:51:40 ID:aDNqXMjE
まとめ&職人さん乙。なんか読み返すとすごく壮大な話になってきてるな
737726:2005/07/17(日) 12:09:24 ID:aexnlTeK
なんか読み返してみたら俺のだけひどく浮いてる気がする……。こんなんでよかったんだろうかorz

>>711
あらためて謝罪を。シャドウ編作者氏じゃないどころか、いきなりの新参者のくせに話を書いてしまって申し訳ない。
エアアンカーを敵の大元に撃ちこむっていうネタ、自分なりに使わせていただきました。そちらの嗜好に合っていたでしょうか。

>>728>>730
>エドガー初めての活躍良かったよ
>ヘタレ返上しすぎ

エドガーどれだけヘタレだったんすか(;´Д`)
738名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/17(日) 12:29:05 ID:NYgl1YS1
うわー出たーこれが神レベルの人によく見られる特有の行動「 謙 遜 」だー


エドガーの事は過去ログ読めば分かる。>>2-5辺りにまとめサイトがあったはず
739名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/17(日) 12:38:53 ID:czlVI3ek
GJ!!
エドガーカコイイな

>>731
どうでも良いけど
セリスが二人居ます
740名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/17(日) 13:56:25 ID:M2g4Z2ta
いろいろ指摘があったので>>731の修正版を。

エドガー、ユフィ、ゴゴ、ティナ、ガウ、ティファ、カイエン:フィガロ城(コーリゲン側)で合流>>729

シャドウ、リルム、ストラゴス:ストラゴスの洗脳が解けバルバリシアと対峙>>687

マッシュ、モグ、ウーマロ、セッツァー、ロック、スコール:デスゲイズを追う>>671

クラウド、エアリス:明後日ジークフリードと再戦 >>423

ツォン、ケット・シー、レッド13、オルトロス、テュポーン:以前と変わらず >>625参照

セリス:眠らされて牢へぶち込まれる>>634

前スレ↓
ttp://081.in/ff6/ff6noberaizu.htm
現在の容量 415KBくらい
741名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/17(日) 14:23:37 ID:Uhhwvk7T
このスレの住人

職人が2〜3人
普通に書いてくれる人が4〜5人
読者が何人だろ
まとめさんが1〜2人

かなり適当ですはい
742名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/17(日) 21:07:47 ID:71OEfPpz
触手でかつてのエロ復活か!?

…って舞い上がってた俺が情けないくらい、めちゃくちゃ良かったよ
エドガー初めての活躍
743名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/17(日) 21:17:19 ID:itApaz2e
俺も触手でエロに期待してたw
GJでした。
744名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/18(月) 00:52:51 ID:XutnmR5L
>>718
批評厨っぽく言ってみると、

ティナ編作者
文末に「。」がつかない。物語にギャグを入れるタイミングが上手い、戦いが始まろうとするときの最後の煽り文っぽいやつのセンスは神レベル。人を燃えさせる少年漫画的なものを感じる。

…ごめんおまえさんのじゃないな。
745名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/18(月) 01:13:14 ID:TRd8DXOl
>>726
>ファイナルファンタジーの小説を書いたのもこれがはじめて。

746名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/18(月) 01:15:25 ID:TRd8DXOl
>>726
>ファイナルファンタジーの小説を書いたのもこれがはじめて。


( ゚д゚)
 
(つд⊂)ゴシゴシ

>ファイナルファンタジーの小説を書いたのもこれがはじめて。
 
(;゚д゚)
 
(つд⊂)ゴシゴシ

>ファイナルファンタジーの小説を書いたのもこれがはじめて。
  _, ._
(;゚ Д゚) …!?


>>744
その調子で他の作者の分も頼む。
747名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/18(月) 01:31:46 ID:XutnmR5L
おk
調子こいて書いてみた

>>726
FF初とはすごいと思う。いい意味で正統派の物語だった。
みんなが言うように文体はタークス編作者と似たところが多いけど、話の構成の仕方は他とは群を抜いてる気がする。
燃えさせるというより引きつける文章。

748名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/18(月) 17:36:56 ID:Q1wdEiPA
見た感じ一番遅れてるのがクラウドか
749ファルコン編:2005/07/19(火) 15:28:13 ID:PtqUlJFT
風を切って猛スピードで飛ぶ二つの飛行物体
死を司る伝説の魔物デスゲイズと、世界最速の飛空艇ファルコン
セッツァーの思っていた通り、スピードだけならファルコンの方が遥かに上だった
しかし、すぐにそれを理解したデスゲイズは縦横無尽に飛び回る
機体が大きく小回りが効かないファルコンは、完全にその動きに翻弄されていた
マッシュのオーラキャノンやウーマロの吹雪で撃墜を図るものの、そう簡単に当たるわけがない
そうしている間にも、死のカウントダウンは1つ1つゆっくりと、そして確実にその数を減らしていった

「もう残り40秒切ったぞ!早く撃ち落せよお前ら!!」
「お、お前の方こそもう少しまともな操縦しやがれ!こんなんで当たるわけねーだろ!」
「喧嘩してる場合じゃないぞ!ちょっとは落ち着くんだ!」
そう言うスコールも、自分があと数十秒で死ぬと分かっていて冷静になれるわけもない
残り30秒を切り、いよいよ6人の精神は追い詰められ始めていた

「・・・・クポ!」
意を決したかのように頷いたモグは、今まで誰も見た事がない踊りを始めた
「おいモグ!踊ってる場合じゃないぞ!」
気が触れたと思ったのか、踊っているモグを怒鳴るセッツァーをロックが制止する
「待てセッツァー、あいつの踊りには不思議な力があるんだ」
「しかし残り時間が・・・・」

必死にデスゲイズを追うセッツァー
何とか撃ち落そうと試みるマッシュとウーマロ
一心不乱に踊り続けるモグ
その様子を、ただ見るしかないロックとスコール
カウントはいよいよ10秒を切り、6人の背後にうっすらと死神の姿が見え始めた
750ファルコン編:2005/07/19(火) 15:30:27 ID:PtqUlJFT
「キッ!?」
デスゲイズが異変に気付いた
デスゲイズの周りを、黒い雷雲が覆い始めた
必死に振り切ろうと更にスピードをあげて飛び回るが、その雷雲はどこまでもデスゲイズに付いていき離れない
「な、なんだ?どうなってんだ?」
「まさか、モグ・・・・?」
雷雲はまるで磁石に吸い付く砂鉄のように、どんどんデスゲイズに集まっていく

残り5秒
6人の背後の死神が鎌を振り上げる
そしてモグの踊りが終わったその時!
「キッ!!キイイイイイ!!!!」

ピシャアアアアアアアン!!!

耳をつんざくような雷の音が空に響き渡る
デスゲイズを覆っていた雷雲が一斉に放電し、その電流は一瞬のうちにデスゲイズの頭部から足元まで全身を襲った
黒こげになったデスゲイズの身は、そのまま赤く染まった海へと落ちていった

「・・・・た、助かった?」
耳を押さえていたロック達が、それぞれの頭上と背後を確認するが、数字も死神も消えていた
「僕の最後の踊り・・・・・『空のシンフォニー』だクポ」
それは・・・・・草原、森、山、砂漠、洞窟、街、水辺、雪原
これらの地での踊りを全て極めたモーグリだけがたどり着く領域だった
8つの踊りを覚えれば一人前として認められるが、モグはそれすらも超えたのだ
751ファルコン編:2005/07/19(火) 15:32:15 ID:PtqUlJFT
「ウー!さすがオヤブンだウー!」
「全く、小さいくせに大した奴だぜお前は」
笑いながらモグの背中をバシバシと叩くマッシュ
モグは、照れが3割、叩かれる痛みが7割と言った表情だ
「あ、そうだ。すまねえなスコール。忠告無視して余計なことしちまって」
柄にもなく頭を下げるマッシュに、スコールは無言で応える
もう済んだ事に、咎めることはないようだ

「さて、これからどうするよ?」
「フィガロ城に行くことになった。マッシュが無事を確認したいらしい。ついでに情報収集もしていく」
「OK。いくぜファルコン!」
再び静けさを取り戻した空を、ファルコンはフィガロ城方面へと飛び去っていった
752フィガロ編:2005/07/19(火) 15:34:55 ID:PtqUlJFT
「陛下!」
フィガロ城の玉座の間に、慌てた様子で兵士が入ってきた
「どうした?」
「何やら飛行物体がこちらに近づいてくるようですが・・・・迎撃しますか?」
「敵かどうかも分からないのに攻撃するわけにもいかないだろう。わかった、外に出てみよう」
「私達も行くわ」

再会したエドガー達とティナ達は、話もそこそこに城の外に出、その飛行物体とやらを確認した
すでに日が没し始めて、辺りも暗くなっていてよく見えないが、確かに白い物がこちらに飛んできている
飛空艇であることは分かったが、今まで見た事もない
「・・・・何かしらね。ブラックジャックでもハイウインドでもないけど」
「むっ。降りてくるぞ」

その飛空艇はフィガロ城のすぐ前に降り立った
そして、中から出てきたのは、何とも懐かしい顔ぶれだった
「兄貴!」
「マッシュ!生きていたのか!」
「ティナ、無事でよかったぜ!」
「ロック、あなたこそ・・・」

小さかった反乱分子の炎がいよいよ本格的に集まり始めた
今はまだ神に対抗しうる力はない
しかし、その力が完全に集まる時はすぐそこまで来ていた
3つのパーティの経緯を話し合い、これからの事を考えた
753フィガロ編:2005/07/19(火) 15:37:27 ID:PtqUlJFT
「とりあえず、クラウドとエアリスを迎えに行ってみるか?」
マッシュがコロシアムに置いてきた2人のことを思い出す
「でも、自分が納得できるぐらい強くなるまで、一緒に来ないみたいなこと言ってたクポ」
「他にアテはないし・・・それに、クラウドのこと気になるから、行ってみない?あいつ、放っておくとすぐ無茶なことするから」
「(エアリスと同じようなこと言ってら・・・)」
ティファの言葉にマッシュはそう思ったが、口には出さなかった
「んじゃ、コロシアムに行ってみっか?」
「待てマッシュ。お前、久しぶりにフィガロ城に帰ってきたんだから、今夜ぐらい泊まって皆に顔見せていけよ。ばあやも心配してるぞ」

エドガーのその言葉に、思わず言葉が詰まる
10年以上も帰っていない故郷、フィガロ城
元々、城の無事を確認するためだけに戻ってきただけで、城の中まで入るつもりはなかった
自分勝手に城を飛び出した自分を、城の皆はどう思っているのか怖かった
どんな顔で会えばいいのか分からなかった

黙って俯いているマッシュの肩に、エドガーが優しく手を置いた
「安心しろマッシュ、みんなお前の帰りを待っている。誰もお前の事を悪く思っていない」
「だが兄貴・・・・」
「フィガロの民を信じられないのか?」
「・・・・わかった。でも、今夜だけだぜ?明日にはコロシアムに出発するからな」
「そのつもりだ。さあ、皆も入ってくれ。部屋ならいくらでもある」
マッシュは少し緊張しながらも、懐かしい故郷の空気を感じながら、城の中へと入っていった
754フィガロ編:2005/07/19(火) 15:39:40 ID:PtqUlJFT
国民達はマッシュの立派に成長した姿に、みんな喜び合った
その様子を見て、マッシュは安堵の息を漏らす
同時に、こんな自分を慕ってくれている国民達を疑っていた自分が少し恥ずかしくなった

「マッシュ・・・・あんなに小さかったのに、ずいぶんたくましくなって・・・・」
「ばあや、すまない・・・・ただいま」
マッシュは喜びの涙をこぼす乳母を抱きしめる
あの時とは正反対の身長差に、乳母はマッシュの成長を改めて感じる
その日はマッシュの帰還と、エドガーの仲間の無事を祝う盛大な宴となった
ティナ達は戦いで疲れきった体を癒し、宴が終わるとそれぞれの部屋へと戻っていった

・・・・コンコン
「ん?誰だ?」
部屋のドアをノックする音にマッシュは身を起こす
「起きてるか?」
「兄貴、どうしたんだ?」
「いや・・・・思い出話でもしようかと思ってな」
「・・・ああ、いいぜ」
2人はフィガロ城のテラスへと歩き出した
そう、あの時2人の道を別ちあった、コインを投げた場所へ・・・・・・
755名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/19(火) 15:54:57 ID:ANW9b3n5
連投支援
756名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/19(火) 15:59:36 ID:PtqUlJFT
>>755
ごめん、一旦ここで終了
長文書いた後は終了宣言した方がいいかな
スマソ
757名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/19(火) 16:03:39 ID:tkeiVtBu
それはいつものように暑苦しい朝だった。
私はいつものように、自然に7時に目が覚め、シャワールームへ。
昨晩も寝苦しかったのだろう。体中は湿っぽく気持ちが悪い。
ぬるいシャワーが熱い体を冷ます。長い髪の毛から滴り落ちる水滴を
目で追いながら見た夢を思い出す。

群集が
私を
人間とは違う呼称で叫び散らす…

いや、
悲鳴‥・・・・?

気が付けば
私の手は
赤く染まっている

汚れたのは
身体だけじゃない

不敵な笑いが込み上げる

真っ暗の闇を彷徨いながら・・・

目が覚めた時は、驚くほどまぶしくて、瞼が熱くなった。
今日も私の存在を不動のものにする為に、
人を殺めるの?
どうして自分に問うの?
そう、私には何もない。
華奢な身体に似合わぬ重装備を纏い、
今日も私は何かの為に戦う。
758名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/19(火) 22:22:39 ID:3LWbk3g+
空のシンフォニー ネーミングセンスうまー
いいことだ、オリジナルがあまりにも変じゃないような繋げ方。
759フィガロ編:2005/07/20(水) 11:47:12 ID:m68tgEbk
「どうだ?久しぶりのフィガロは」
「何もかもが懐かしいぜ。変わってるのもあれば、あの頃から全然変わってない物や人もいる」
深夜のフィガロ城に響き渡るエドガーとマッシュの足音
みんな寝静まっており、起きているのは見張りの兵士だけである
2人に気付いた若い兵士が笑顔で一礼をし、2人も応えながら歩いていく
「今のは、トムだっけか?俺と同い年の」
「ああそうだ、小さい頃よく遊んだだろ。あいつも今では頼れる兵士さ」

まるで初めて来た観光客のように辺りをキョロキョロしながらマッシュは歩く
忘れかけていた思い出も次から次と蘇る
「さあ、着いたぞ。まずは乾杯しようじゃないか」
テラスに腰掛け、グラスに酒を注ぐエドガー
月の光が2人を照らす
ここから見る月だけは、あの頃からずっと変わっていない
「フィガロに、乾杯」「どうだ?久しぶりのフィガロは」
「何もかもが懐かしいぜ。変わってるのもあれば、あの頃から全然変わってない物や人もいる」
深夜のフィガロ城に響き渡るエドガーとマッシュの足音
みんな寝静まっており、起きているのは見張りの兵士だけである
2人に気付いた若い兵士が笑顔で一礼をし、2人も応えながら歩いていく
「今のは、トムだっけか?俺と同い年の」
「ああそうだ、小さい頃よく遊んだだろ。あいつも今では頼れる兵士さ」

まるで初めて来た観光客のように辺りをキョロキョロしながらマッシュは歩く
忘れかけていた思い出も次から次と蘇る
「さあ、着いたぞ。まずは乾杯しようじゃないか」
テラスに腰掛け、グラスに酒を注ぐエドガー
月の光が2人を照らす
ここから見る月だけは、あの頃からずっと変わっていない
「フィガロに、乾杯」
760フィガロ編:2005/07/20(水) 11:47:52 ID:m68tgEbk
コピペミスったのでもう1回



「どうだ?久しぶりのフィガロは」
「何もかもが懐かしいぜ。変わってるのもあれば、あの頃から全然変わってない物や人もいる」
深夜のフィガロ城に響き渡るエドガーとマッシュの足音
みんな寝静まっており、起きているのは見張りの兵士だけである
2人に気付いた若い兵士が笑顔で一礼をし、2人も応えながら歩いていく
「今のは、トムだっけか?俺と同い年の」
「ああそうだ、小さい頃よく遊んだだろ。あいつも今では頼れる兵士さ」

まるで初めて来た観光客のように辺りをキョロキョロしながらマッシュは歩く
忘れかけていた思い出も次から次と蘇る
「さあ、着いたぞ。まずは乾杯しようじゃないか」
テラスに腰掛け、グラスに酒を注ぐエドガー
月の光が2人を照らす
ここから見る月だけは、あの頃からずっと変わっていない
「フィガロに、乾杯」
761フィガロ編:2005/07/20(水) 11:48:27 ID:m68tgEbk
長男として日頃から王政の教育を受けていたエドガー、自由奔放に遊びまわっていたマッシュ
生活感も性格もまるで違った2人だったが、仲の良さは誰が見ても微笑ましいものだった

あの日・・・・・・フィガロの先代王、エドガーとマッシュの父が亡くなった日
王の突然の死にフィガロは混乱していた
エドガーとマッシュは、まだ10歳の子供だった

この頃のマッシュは、今では想像できないほどの小柄な少年だった
教育を受けていたエドガーと違って、マッシュには父の死が与える国への打撃というものが分かっていなかった
ゆえに、純粋に父の死だけを悲しんでいた

だが、国民にとっては悲しむだけでは済む問題ではなかった
常に皆を支え続けたフィガロ王
王というものは、民を導く存在
それが急にいなくなってしまっては、これからどうすればいいのか分からなかった

政治はどうなってしまうのか、魔物が攻めてきた時に誰が指揮を執るのか、帝国に付け入られないのか
数々の不安が民の頭をよぎり、王の死よりも国のこれからの事を考えざるを得なかった
葬儀が執り行われた後は、すぐに国民の間では跡継ぎの話が始まった

大臣か、神官長か、まだ子供のエドガーか
マッシュは、大人になった今では事情が分かるが、この頃は国民のその態度が我慢できなかった



「・・・・・マッシュ」
「兄貴・・・・・う・・・・う・・・・」
マッシュは自室で一人泣いていた
優しかった父、心の支えだった父、亡くなる数日前まではいつものように笑いかけてくれた父
それを突然失った子供のダメージは計り知れない
762フィガロ編:2005/07/20(水) 11:57:26 ID:m68tgEbk
「泣くなマッシュ。そんなことでは父上に笑われるぞ」
エドガーはマッシュにハンカチを渡し、話を続けた
「父上の遺言状が部屋の引き出しから見つかった。フィガロは俺たち兄弟に任せる、だそうだ。
 俺たちが一人前になるまでは、大臣や、神官長である ばあやがいろいろ手伝ってくれる」
「何が跡継ぎだ!親父が死んだってのに、どいつもこいつもその事ばっかりだ!
 誰も親父の死なんか心の底から悲しんじゃいない!!」
「そんな事はない。だが、父上が突然死んで皆不安になっている。国には、王という支えがなくてはならないんだ」

マッシュは考えた
だが、それでも簡単に納得できることではなかった
自分にとっては、父は王などではなく、父なのだから
考えれば考えるほど、「国」という縛りに嫌悪感を抱き始めた
それと同時に、マッシュが求め始めたもの・・・・・「自由」

「・・・・・国を出よう」
「えっ?」
「2人で国を出よう!こんな争いごとばかりな国なんてもうたくさんだ!」
「だがマッシュ・・・父上は俺たちに国を任せると。父上に次いで俺たちまでいなくなってしまっては、国の皆は・・・」
「兄貴だって・・・本当は王位なんて嫌なんだろ?兄貴が勉強している間にも自由に遊びまわっていた俺のこと、いつも羨ましいって言ってたじゃないか」
「自由・・・・」

その言葉にエドガーは揺れた
長男であるが故に、幼い頃から受けていた教育
敷かれた人生のレール
今まで何の疑問も持たずに走っていたレールの上

"なぜ俺が王になんてならなければならないんだ・・・"

エドガーは時々そう思っていた
だが、それを口に出せば、父や民全員を裏切ることになった
763フィガロ編:2005/07/20(水) 11:57:59 ID:m68tgEbk
自由・・・・エドガーにとってそれは無縁だっただけに、強く憧れていた
マッシュの言う通り、国なんて捨てて、自由に生きたい・・・・・だが、皆を裏切りたくも無い・・・・

「・・・・・コインで決めよう」
「コイン・・・?」
「表が出たらお前の勝ち、裏が出たら俺の勝ち。国か自由か、好きな方を選ぶ。どっちが勝っても恨みっこなしだ」
「・・・・・わかった。さあ、投げてくれ」
「いくぜ、そーら」

高く弾かれるコイン
表か、裏か
フィガロの運命を決めるそのコインは月に照らされ、キラキラと星の様に光っていた


グラスの酒はもう飲み干されていた
「そしてお前は自由を選び、俺が国王となった」
「すまねえ・・・・いや、ありがとうな、兄貴」
「ん?何がだ?」
「あのコイン・・・・・両方とも表だったんだろ?」
「!!」

エドガーはその言葉に、思わずグラスを落としそうになった
「し、知っていたのか?」
「いや、カマかけてみた。やっぱりそうだったのか」
「う・・・・お前、いつからそんな知恵を・・・」
沈黙が流れ、夜風の音だけが2人の耳に入る
764フィガロ編:2005/07/20(水) 12:04:06 ID:m68tgEbk
「・・・・でもよ、何故だ?兄貴だって自由に生きたかっただろうに」
「遊びまわっていたお前に国を任せるわけにもいかない・・・・というのもあったけどな。
 お前には、この城は狭すぎる・・・・・そう思っただけさ」

マッシュはその言葉に少し胸が痛んだ
結局自分は、兄に国を押し付けていただけなのではないか、と
「・・・ケフカを倒したら俺、ここに戻ってくるよ」
「えっ?」
「兄貴が国を支えるなら、俺は兄貴を支える。そのために、俺は強くなったんだ」
「マッシュ・・・・ありがとう」
「さあ、もう一杯やろうぜ。まだ飲み足りねえだろ?」
「ふっ・・・・当然だ」
再びグラスに酒を注いだ2人は立ち上がり、月に向かって杯を上げた
「親父に」
「おふくろに」
「乾杯」


翌朝・・・
「さあ、出発だ。コロシアムまで頼むぞセッツァー」
「おう、しっかり捕まってな」
ファルコンはコロシアムに向けて飛び去っていった
そのファルコンを、フィガロの民達は見えなくなるまで手を振り続けていた

"エドガー様、マッシュ様・・・・どうかご無事で"
765名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/20(水) 14:05:52 ID:GFRoJK5O
>>764 乙。フィガロ回想編キター
766名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/20(水) 14:53:02 ID:aJ7B9xEX
俺が一番好きなシーンだ…
やっぱフィガロ兄弟最高だわ
超GJ
767名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/21(木) 17:24:32 ID:lyzqBC7L
保守
768名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/21(木) 20:38:13 ID:RETE7gPw
クラウド編俺書いていい?
769名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/21(木) 21:54:01 ID:Yo9i7sc8
フィガロ(・∀・)イイ!!
ウマスギス

>>768
聞かないでいいから好きに書いてくれ
770クラウド編:2005/07/22(金) 00:10:30 ID:Hys9WB2z
『レディースアンドジェントルメン!!!みなさーん燃えてますかぁ!』

ハイテンションな司会の声がマイクから電気的な拡張となって響く。

闘技場の観客席は朝も早いというのに空きがない。初めて王者ジークフリードを追い詰めた挑戦者・クラウドがもう一度チャンピオンに勝負を挑んだというからだ。

その情報が人々の間に広まるのにあまり時間はかからず、熱い勝負を見届けるために闘技場には老若男女問わずさまざまな人間が集まってきている。

『この戦いは私が今まで生きて来た中でもっとも素晴らしく、そして忘れられないものとなりましょう!まずは―――チャンピオン・無敗の男、ジークフリード!!!』

歓声が湧き上がる中、フィールドの中央にジークフリードが現れる。悠然と、しかし隙のない彼の動作はやはり前と違わぬ王者のそれだ。

『続いて挑戦者―――クラウド・ストライフ!!!』
マックスレベルに達した観客席からの歓声を聞きながら、フィールドへの通路をクラウドとエアリスが歩く。

「頑張ってね」
クラウドの背中にかけられる優しく力強い声。

無言でその言葉を受け取り、クラウドは歩き続ける。その横顔にはゆるぎない意思が宿っていた。

771クラウド編:2005/07/22(金) 00:11:10 ID:Hys9WB2z

「クラウドなら、勝てる。わたし信じてるから」
姉や母親を思わせる暖かなエアリスの言葉。彼女の恋人―――そしてクラウドの友人でもあった彼も、この試合を見ているに違いない。

負けたら承知しねぇぞ、という友の声を聞いたような気がした。

「………行ってくる」そう呟いて、クラウドは戦いの舞台へと踏み出していった。


「……やぁ」
にこりと柔らかな笑みを浮かべる眼前の男。「随分成長したようだ…この前と眼が違う」
内面から感じられる焔。口調は抑えているが、ジークフリードはすでに背筋に興奮を覚え始めていた。

――――どうやら手加減などはできそうにない。

二人同時に剣を抜く。研ぎ澄まされた刃に陽光がきらめいた。

「では…行くぞ、クラウド」
クラウドの瞳が真っ直ぐこちらを見据えた。
「俺は…あんたを超える!」


『――――レディー…』

すべては大切なものを守るために――――


『ファイッ!』


772クラウド編:2005/07/22(金) 00:12:33 ID:Hys9WB2z

司会が叫ぶと同時、高い金属音を伴って白い火花が散った。
ぶつかりあうクラウドの剣とジークフリードの剣。

両者一歩も退かない。退けない理由が、どちらにもある。

剣を離す時、再び剣をぶつかりあわせる時すら二人は互角だった。激しい斬りあいが続く。途中で司会が実況も忘れて見入ってしまったほどだ。

僅かな隙を狙って、ジークフリードの刃がクラウドの肩あたりへ振り下ろされる。しかし瞬時にそれに気付いたクラウドは剣で刃をはじき飛ばし、間合いを開けた。

体勢を立て直し、両者睨み合ったまま間合いを詰めて行く。

先に動いたのはジークフリードだった。
剣の射程圏内にクラウドが入るのを見切った瞬間、一気に踏み込みクラウドに斬りかかる。

「(―――速い!)」間一髪、その攻撃を受け止めたものの、剣を通してくる衝撃は半端なものではない。

あの速さでこのパワー。やはり彼も日増しに強くなっている。

完璧に止め切れなかった攻撃は隙を呼び、その隙はまた次の隙を呼ぶ。

一瞬体勢を崩したクラウドをジークフリードは見逃さなかった。
無防備になった腹のあたりに剣の柄尻を叩きこむ。
773名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 00:13:28 ID:Hys9WB2z
とりあえず本日ここまで…
久しぶりだな〜俺頑張るよ
他の職人さんもガンバ
774名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 05:18:07 ID:021cQzk0
乙です。
しかしですな、いくら何でも区切るところが中途半端すぎやしないかいw
続き書きたくなる衝動に駆られる人が何人かいそう。
775名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 06:45:19 ID:Hys9WB2z
スマソ。いやはや俺は遅筆に加えてこれだからさ…なるべく頑張ってみる。
776名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 08:05:05 ID:RRlUiOP5
>>774
一応リレー小説だってこと忘れてないか
777名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 09:42:55 ID:DQ+IuqS1
しかし前スレで美味しいトコ取られたって
愚痴ってた奴もしたし、ここでは「続きを書く」
宣言がある場合は割り込み不可なんだろうさ。
778名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 11:37:05 ID:i/g0X6cN
リレーっていうことは最後はどうなるんだろ。
誰がエンディングを書くのかで争いが起こらなければいいんだがw
やっぱり言いだしっぺのホジキリミー?
自分が言うのもなんだが、作者様方、最後までどうぞ仲良くやっていってくだされ。
良スレだし面白いんで楽しみにしてるんで。
779名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 11:37:20 ID:IM82Llw6
ファルコン&フィガロ、クラウド共に乙!
現段階で話が続けられそうなのは、クラウド編とシャドウ編だけかね

>777
「続き書く」って言った後に何日も空けるのもアレだけどな
宣言した場合は何日以内に書かなきゃ駄目とかいう定義があればいいんだけど

上にも書いたように、他の話はほとんど一時完結しててクラウドとシャドウぐらいしかメインストーリーは書けなさそうだから、
どっちかがいつまでも書かれないと話が進まないからね
780名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 11:47:04 ID:pLiBsERD
ラストダンジョン誰が何編書くかある程度決めとかないか?あとで被るの
781名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 11:47:35 ID:pLiBsERD
ラストダンジョン誰が何編書くかある程度決めとかないか?書いてる途中に被るのも嫌だし…
782名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 11:55:04 ID:IM82Llw6
>>781
書いてる途中に被るほど職人は多くないし、いろんな話書きたいって職人もいると思う

逆に書いてる人がもし5人とか6人いた場合、2人か3人は書きたくても書けなくなる
ゲーム通りにいけば、パーティは3つしか出来ないんだからな


好きな時に好きな人が好きな話を書く
これでいいと思う
>>777の言い分もわかるけど、リレー小説って形式は初代>>1が決めたことだし、割り込まれても文句は言えないはず
783名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 12:32:24 ID:t7glUKYc
エンディングはみんなが書きたいだろうからなぁ…俺も書きたいし
でも、誰が書いても納得できるのはホジキリミだけだろうな
まだいるのなら是非お願いしたい
784名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 12:34:17 ID:021cQzk0
>ホジキリミ

誰? 詳細希望
785名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 12:37:01 ID:t7glUKYc
訂正
誰が書いても→みんなが

>784
初代>>1
786名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 13:20:37 ID:4RstMoLD
ヒント:マルチエンディング
787名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 13:30:12 ID:pLiBsERD
>>786
おまえ頭いいな
788名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 14:25:37 ID:Vt8+tYif
>>786
あんまりモメるようだったら、マジでそうすることになりそうだな・・・・
最初がアレな小説だし、マルチエンディングも悪くないかもな
789名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 16:16:30 ID:gQPOhMzm
>>779 まとめには書かなかったけど、元タークス3人組の話やビックス・ウェッジ外伝も途中のまんまだったと思う。
790シャドウ、リルム、ストラゴス:2005/07/22(金) 18:11:27 ID:Vt8+tYif
バルバリシアが魔法の詠唱を始める
邪魔をしようにも、とてつもない向かい風で近づく事ができない
そしてこれは、聞き覚えのある詠唱・・・・
ストラゴスとリルムにとっては、この魔法が大事なものをいくつも壊したのだ
エアロガを遥かに凌ぐ風の最強魔法、トルネド

忘れかけていた・・・いや、必死で忘れようとした記憶が、リルムの脳をよぎる
「おじいちゃん・・・・」
震える手で祖父の服を掴む
ストラゴスは孫の頭に優しく手を置き、微笑みかける
「大丈夫じゃよ、リルム。2度も同じ手でやられはせん」

バルバリシアの詠唱が終わり、その手にはあの時のケフカ以上の魔力が集まっている
「ククク・・・・・死ね!!」
巨大な竜巻が現れ、シャドウ達に向かって突き進み始めた
「(くっ まずい!この速さでは後ろに逃げても追いつかれる!かといって横に逃げるスペースなど・・・)」
逃げ場などどこにもない
誰が見てもそれは明らかだったが、シャドウは必死に3人が助かる道を探していた

「(んっ?ストラゴス・・・?)」
竜巻が目の前にあるというのに、ストラゴスは平然と詠唱をしている
「ぶつぶつぶつ・・・・・」
「おじいちゃん何やってんの!?早く逃げようよ!」
「もうだめだ!巻き込まれるぞ!」
竜巻が、今まさに3人を巻き込もうとしていたその時
「フォースフィールド!!」
791シャドウ、リルム、ストラゴス:2005/07/22(金) 18:12:21 ID:Vt8+tYif
パキイイイン!!

「・・・・な、なに!?」
バルバリシアは自分の目を疑った
竜巻が一瞬にして消えたのである
ストラゴスの唱えたフォースフィールドによって、その場を支配していた風の魔力が完全に消されたのだ
「シャドウ、今じゃ!奴に攻撃を!」
「いいですとも!」

すかさずシャドウがバルバリシアに斬りかかる
しかし、バルバリシアは再び小さな竜巻を身に纏った
「ちぃ!」
その竜巻にシャドウの武器が弾かれ、回転しながら宙を舞う

シャドウの攻撃を凌ぎ、一息ついたバルバリシアを間髪入れずにリルムが攻める
「このガキ!調子に乗るんじゃないよ!」
ブオ!!
「キャア!」
リルムに向かって真っ直ぐと吹き付けられる突風
その軽い体は、たまらずに吹き飛ばされ、岩壁に叩きつけられる
「リルム!」
シャドウがリルムの元に駆け寄る
思ったよりダメージは大きい

「貴様・・・・よくもわしの孫を!」
「ふん、老いぼれが・・・・孫ともども、仲良くあの世に送ってあげるわよ」


かけがいの無い孫を悲しませ、怖がらせ、更にひどい目にあわせた怒り・・・・その怒りが、ストラゴスに眠っていた力を呼び覚ました・・・・
792シャドウ、リルム、ストラゴス:2005/07/22(金) 18:12:58 ID:Vt8+tYif
「はああああああ・・・・!!」
「な、なんだ・・・?」
ストラゴスの体を覆う、かつてない凄まじい魔力
「(何だこの魔力は・・・!ゴルベーザさま並・・・・いや、それ以上・・・!)」

バルバリシアは恐怖した
このままにしてはいけない
一秒でも早くこいつを仕留めなければ!

「死ね!」
「死ぬのは・・・・お前じゃ!」
バルバリシアが仕掛けるよりも先に、ストラゴスの魔法の詠唱が終わった
それは、世界のどこにも使える者は存在していなかった、幻にして最強の青魔法・・・

「グ ラ ン ド ト ラ イ ン!!」

「な、なんだこれは・・・・・・ぎ・・・あ・・・!!ぎゃあああぁぁああ!!!!」
身を引き裂かれるような激痛がバルバリシアの全身を駆け巡る
今まで見た事もないような大魔法に、シャドウは思わず腕の中のリルムを忘れて凝視する
まばたきした次の瞬間には、バルバリシアはもうそこには存在していなかった


「・・・・はっ!リルム!リルムは無事か!?」
我に返ったストラゴスが、先ほど吹き飛ばされたリルムの元に駆け寄った
「げほっ!・・・・な、なんとか、ね。それより、凄かったねおじいちゃん。やればできるんじゃん」
「なにを!まだまだ若いもんには負けんゾイ!」
793シャドウ、リルム、ストラゴス:2005/07/22(金) 18:14:25 ID:Vt8+tYif
さっきとは打って変わって、和やかなムードが流れる
「・・・・そういえば、ここはどこなんじゃ?」
「わからない。ケフカの手下がいたということは、何もないはずはないが・・・」
ストラゴスが塔に向かって歩き出し、観察するようにぐるりと周って、2人の所に帰ってきた

「この塔・・・・絶対魔法区域結界が張られておるゾイ」
「え?絶対魔法・・・・なに?もう一回言ってよ」
「絶対魔法区域結界、じゃ。簡単に言うと、この結界の中では魔法以外の力は全て無力となるのじゃ」
「要するに・・・魔法じゃなければ戦えないということか。武器などで攻撃しようとすると、どうなるんだ?」
「攻撃を当てても、一切痛みは感じんし、傷もできん。魔法だけが全てなんじゃ」
「てことは〜・・・・この塔に3人で入っても、さっきと同じようにシャドウは役立たずなわけだ」
「・・・・・」
バルバリシアとの戦いでロクに活躍ができなかったシャドウは痛いところをつかれ、言い返すことができない

「・・・・ま、まあ、ちと言い方はきついがそうなるかの」
「じゃあ、あたしとおじいちゃんだけで入ろうよ。絶対何かあるってここ」
「馬鹿を言うでない。これほどの結界を張るほどの魔力の持ち主が潜んでおるということは、わしら2人だけでは手に負えんゾイ」
「・・・・仲間、か。ティナやセリスがいれば・・・」

3人は途方に暮れながらも、ひとまず塔から少し離れたところで野宿をし、体を休めることにした
794名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 18:21:30 ID:021cQzk0
>>793

そういやセリスの扱いこれからどうするんだろ。ケフカ戦直前までお休み?
狂信者の塔でティナとツートップ張らせたかったけど無理っぽいな。
795名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 18:22:34 ID:021cQzk0
>>793
乙。

そういやセリスの扱いこれからどうするんだろ。ケフカ戦直前までお休み?
狂信者の塔でティナとツートップ張らせたかったけど無理っぽいな。
796名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 18:25:30 ID:Vt8+tYif
三闘神戦でも戦線復帰できる<セリス
797名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 20:13:35 ID:PcM0ICbu
>「いいですとも!」
悪い、なんかワロラw
じじいやたらカコイイ。グランドトラインしびれた。乙!
798名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 21:36:31 ID:gQPOhMzm
>>793 乙カレー

>>794 俺が書こうと思ってる。

とりあえず、次スレまではラストダンジョンの話はお預けか?
799名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 21:41:01 ID:4RstMoLD
>>798
おれも途中まで書いてる
800名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 21:54:07 ID:gQPOhMzm
もしやガーディアン復活編?
801名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 21:57:17 ID:4RstMoLD
いや、セリス脱出編
802名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 22:00:17 ID:gQPOhMzm
俺は洗脳されてティナ達と戦う話を書こうと思ってるんだけど。前にあったブリンガーVSバスターをしてみようかと思ってるんだが
803名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 22:03:49 ID:4RstMoLD
いや、でも、セリスの旅立ちを書いた身としては、そんな展開はつらいなあ、と。
804名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 22:09:34 ID:gQPOhMzm
まだあの時の職人さんいたのか。そんじゃ、任せます。
805名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 22:12:10 ID:4RstMoLD
すまん、ありがとう。
なるべく早くあげるようにするよ
806名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 22:14:27 ID:t7glUKYc
洗脳はそろそろマンネリ化してきたしなぁ
807名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 22:16:56 ID:gQPOhMzm
>>805 ガンガレ。期待してます。ちなみにスレの容量は450KBくらいだからクラウド編とか狂信集団の塔の話まで持ちそうにないから490くらいになったら誰か建てくれ。
808クラウド編:2005/07/22(金) 22:17:25 ID:Hys9WB2z
短い呻きをあげよろめくクラウドに、更なる追撃の手が伸びる。

「クラウド!」
エアリスが悲鳴に近い声をあげた。
ジークフリードが構え、振り下ろした刃は今度こそ防ぎきれなかった。冷たい痛みが腕に走る。

だらだらと、腕を伝う生暖かい紅。
「っく…」

予想以上に深く斬られたらしい。
気の良さそうな男はそこには存在しない。
今クラウドと斬り合っているのは鋭い眼光を放つチャンピオンの男。

横に凪がれた剣を受け止め、弾かれたかのように下がるクラウド。次の瞬間にはジークフリードがクラウドの懐に入り込み、斬撃をくりだす。

ただひたすらそれの繰り返し。
だが、じょじょに二人の間にははっきりとした優劣がつきはじめていた。

息も荒く、だんだんと身体の動きが鈍くなりはじめたクラウドに対し、ジークフリードは息ひとつ乱した様子がない。

再び、金属音が響く。
「(くそっ…)」
剣が彼に届かない。何故だ。ジークフリードに勝てるとザックスに勝ったあの時は確かに感じたのに。

剣が、攻撃が、

「(届かない―――…)」
809クラウド編:2005/07/22(金) 22:18:01 ID:Hys9WB2z
苛立ちは募るばかり。
「……残念だ」
「!?」
ふいに、ジークフリードが言葉を紡ぐ。
「最初入って来た時はあんなに強い焔を眼に宿していたのに―――今は焦りばかりで隙だらけだ」

「―――っつ!」
力の限りに剣を振るクラウドだが、大きすぎるモーションのそれを避けるのは容易で、隙を作る以外の何者でもなく。

「…残念だ、本当に」まずい、と思ったときには遅すぎた。
フィールドに鮮血が飛び散る。
「ぐっ…!」

痛みに剣を取り落とし、よろよろと後退するクラウド。なんとか倒れずにはいたものの、それも時間の問題だった。
残った体力でジークフリードの攻撃をかわすのがやっとである。クラウドの腕や足、肩を掠めてゆく刃。

身体中を蝕む熱い痛み。
「クラウド、落ち着いて!」

必死のエアリスの応援すら、今のクラウドには届いていなかった。ただ目の前の彼に近付くことに必死で。

だがクラウドの放つ刃はすべてジークフリードには届かなかった。まるで彼との間に見えない壁でもあるかのようだ。
810クラウド編:2005/07/22(金) 22:19:10 ID:Hys9WB2z
追えば追うほど遠くなる。

必殺の一撃がクラウドに迫った。
もう避けられない。

――――衝撃。

フィールドの端の壁まで吹っ飛ばされ、壁に全身をしたたか打ち付けた。

『クラウド選手ダウン!10カウント以内に立ち上がれなければクラウド選手の敗北が決定致します!』

司会の実況も、観客席からの叫びも、エアリスの声も、もはやクラウドの耳には入って来なかった。
世界から音が消えたかのような、沈黙。

満身創痍の身体。ボロボロの剣。

またあの時と同じ。
彼を超えると約束したのに。

「(終わり…か)」



――――クラウド!


彼方で、だれかの声が木霊した。
………知っている。この声は。
「(ザックス…)」


811名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 22:20:45 ID:Hys9WB2z
本日ここまで
タークス編書かないですまん
だれかメインと絡められる話があれば考えてみるんだが…
812名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 22:22:51 ID:gQPOhMzm
>>811 乙。また、なんとなく中途半端っぽい所で終わってるなww
    それより、タークス編の作者さんだったのか。以外に、まだ職人さん達はいますね。
813名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 22:37:06 ID:JLiXw2m6
あ、そういやもうガーディアン復活してもいい状況だったか
814名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 23:02:54 ID:Vt8+tYif
クラエア回収→脱出セリス回収→狂信者でシャドウ達と合流で全員集合

だな
815名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 23:38:10 ID:qoVSOVQo
シャドウ編、クラウド編作者乙。
ところでグランドトラインがここで出たが、エボシ岩って書かれたっけ?
816名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 23:41:20 ID:Vt8+tYif
>>815
ストラゴスが放置されてる間に佳境に入ってきてスルーされた
もうエボシ岩編が割り込む余地なさそうだから、書くとしたらケフカ倒したあとだな
817名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/23(土) 19:10:39 ID:qkgzCb7o
作者方乙です。
818シャドウ、リルム、ストラゴス:2005/07/23(土) 21:23:37 ID:MA38374w
日はすでに暮れ、月明かりだけがその荒野を照らしていた
狂信者の塔の近くには小さな赤い光が揺れていた

その赤い光・・・・たき火を3人の人間が囲むようにその身を休めている
2人は座っているが、1人はぐっすりと眠っているようだ
「可愛い寝顔じゃ。いつもはちと口が悪いが、寝顔だけは普通の10歳の女の子そのものじゃのぅ」
寝袋の中で寝ているリルムの頭を撫でながらストラゴスがつぶやいた
久しぶりに見る孫の寝顔・・・・何度見てもその心は癒される

「よほど疲れていたんだろうな。ここ最近は戦ってばかりだったからな」
「そういえば、お主には礼を言わんとのう。助けてもらったんじゃからな。ありがとう、シャドウ」
「・・・・礼などいらん。俺はあんたを見捨てて逃げようとしたんだからな」
「だからこそじゃよ。リルムの命を最優先してくれたんじゃから。
 それに、今までリルムはいろいろとお主に助けられたようじゃからの」
「俺もそうさ・・・リルムには何度か助けられた。足手まといと思ったことはない」


・・・・・・・・・・・


・・・気まずい
もともと口下手な上に、ストラゴスと2人で話すのはこれが初めてだ
ストラゴスに黙られると、何を話せばいいのか分からない
もう寝てしまおうか

そう思ってシャドウが横になった時、ストラゴスが口を開いた
「よかったら、少し話を聞いてくれんかの?じじいの無駄話じゃが」
819シャドウ、リルム、ストラゴス:2005/07/23(土) 21:24:29 ID:MA38374w
「んっ、ああ・・・・聞くだけならな」
シャドウは突然の言葉に慌てて身を起こす
ストラゴスはコップに少し残っていた水を飲みほし、深呼吸をしてから語り始めた
「・・・・・・・リルムは、わしの本当の孫ではないんじゃ」
「!」
シャドウは思いも寄らぬ言葉に少し驚いたが、リルムとストラゴスと知り合ったのは最近だ
昔からの知り合いにそんなことを言われればもっと驚いたであろうが・・・

「じゃあ、リルムの家族は?」
「リルムの父は行方不明、母は病死し、身寄りのないこの子をわしが引き取った」
「リルムはその事は・・・」
「まだ小さかったから、おそらく覚えてはいまい。リルムには、父も死んだと言ってある」
「・・・まあ、そうでも言わないとこいつの性格を考えて、絶対に父親を探しに行くなどと言い出すだろうしな」
「うむ。もちろんリルムにそんな危険なことはさせたくないというのもあるんじゃが・・・・わし自身、この子を失いたくないんじゃ
 血は繋がっていなくとも、リルムはわしのたった一人の家族じゃ。父親にこの子を取られるのが怖いんじゃよ」

そう・・・ストラゴスにとって、リルムは無くてはならない存在なのだ
たとえ本当の父親が現れたとしても、渡したくはない
たとえリルムが祖父よりも本当の父親を選んだとしても、渡すつもりはない
わがままなのは分かっている・・・・・だが、リルムがいない生活など考えられない
自分は本当の家族以上の愛情をリルムに対して注いでいる
ストラゴスは、その自信があった

「リルムも・・・あんたが思っている以上に、あんたのことを好いていると思うぞ」
「そうかのう・・・?よく罵声を浴びせられることが多いが・・・」
「崩壊後にあいつと一緒になって以来、あんたのことを話さない日はなかった。
 あんなジジイ、などとよく言っていたが、照れ隠しなのが見え見えでこっちが恥ずかしくなってくる」
「・・・そうか。それだけで十分じゃな」
820シャドウ、リルム、ストラゴス:2005/07/23(土) 21:26:06 ID:MA38374w
ストラゴスは少し安心したかのようにため息をついた
「ところで、何故俺にそんな話を?」
「別に聞いてくれれば誰でもよかったんじゃよ。この歳になると、雑談ぐらいしか楽しみがないからのう
 ・・・それに、お主は他の仲間よりもリルムのことをよく考えてくれていそうだと思ったんじゃよ」
たき火の火はもうすぐ消えようとしていた
「さて、そろそろわしらも寝るとしようか。つまらん話を聞いてくれて感謝するゾイ」
「いや、そんなことはないさ。・・・じゃあ、また明日な」
そして、2人も眠りについた



(・・・・・全部知ってるよ、おじいちゃん。パパのことも、おじいちゃんが本当のおじいちゃんじゃないことも・・・
パパのことは確かに気になるし、会いたいとも思ってるよ
でも・・・もしパパが見つかっても、おじいちゃんから離れるわけないじゃない
あたしにとっても・・・・おじいちゃんはたった一人の大事な家族だよ
そんなことも分からないなんて・・・馬鹿なんだから)



リルムは少しふてくされたように寝返りをうつ
そんな孫の思いも知らずに、ストラゴスもゆっくりと眠りにつくのであった・・・
821名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/24(日) 01:55:11 ID:eUBWZejx
シャドウはクライドだよね・・・?
とりあえず聞いておきますが。
822名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/24(日) 21:00:53 ID:/QTmFGEt
たぶん、そうだけどシャドウの夢編書くのか?
823セリス:2005/07/24(日) 21:41:19 ID:wjGIWNMZ
夢をみていたような気がする。
不意に切り変わった場面に違和感を感じる事はなく、
何かを訴えようとしていた筈のそれは、儚い泡の様に消えてしまった。


「私‥は…」
見開いた眼に移る天井は、ランプも電灯もないはずの部屋に、僅かな光を落としていた。
まだ霞んだままの意識に、おぼろな記憶。とりあえずは体の感覚を取り戻す事を選んだ。
おもむろに右手で頬をなぞると、微かな水滴の感触が中指に染みて冷たい。
だるさが残る上体を強引に持ち上げ、辺りを見回してみる。
タイル式の赤黒い床、そして壁。隅の方には洋式トイレの様な物が見える。
所々に散らばっている鎖は全て、赤い錆が目立つ鉄格子に繋がっていた。
その殺風景と言えなくもない牢屋に囲まれ、
唯一周りに反していたのが、セリスが眠っていた白いベッドだった。
鉄格子の向こう側は―――――
血管?内臓?筋繊維?
幾世にも渡る生命の構造過程を侮辱するかの如く、
それらを思わせる器官が不自然に、グロテスクに、継ぎはぎの様に絡み合って、
外廊の床、壁、天井を形成していた。よく見れば、この部屋の天井も同じ造りだ。
その総てがゆったりと脈打っている様に見受けられる。
じっと眺めていると、鼓動音まで聴こえてきそうだ。

実に、実に不快な光景だった。
あらゆる生物の死骸を強引に結びつけたかの様なそれは、不協和音の視覚化と言っても過言ではなかった。
生命の冒涜、不完全集合体、出来損ない、神の真似事、憐れな児戯………どれとも違う。
だがそのすべてを内包しているそれは創造主の狂気、そして混沌を如実に物語っていた。
824セリス:2005/07/24(日) 21:44:48 ID:wjGIWNMZ
だが今のセリスにとって、それらの紋様はなんら意味を持たなかった。
海上での戦闘、そして突然の邂逅と、精神的疲労が限界に達するには十分な要素。
加えて魔法で強引に眠らされては、焦点があわないのも無理はない。
だが次第に意識がハッキリして、記憶のモヤも取り払われた今。



セリスは笑った。


目覚めてなお、目の前の風景に一片の影響も受けないのは、ある一つの事実が関係していた。

―――私は今、生きている―――

それは自分の生存への讚美でなく、ましてや皮肉でもなかった。
今此処に在る自分。それは彼に残る良心うな態度を取ることに、
セリスは薄々気付いていた。
だって、あれはケフカじゃない。彼の上辺を操る存在。
つまり、あれが真に倒すべき根元。おじさまがいうには、魔大戦の死者の集合体、黒石。

…追い出してやる。

改まった決意と、彼の心を確認できた喜びを胸に、セリスは立ち上がった。
逆境をくぐりぬける度に、彼女の背中には芯が通り、その眼はより遠くを見据えていく。


セリスは避けていた。無意識の内に。
『自分の命は、単にあの予言に生かされただけではないのか』
そう考える事を。

ふとセリスの焦点が、眼の前に
825セリス:2005/07/24(日) 21:46:25 ID:wjGIWNMZ
ふとセリスの焦点が、眼の前に広がる不協和音に合わさる。
彼女はただ一言、こう告げた。
「窮屈そうね」
826名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/24(日) 21:49:06 ID:+tB1oYBw
ところで今のところの設定に関して聞きたいんですけど、

・ナイツオブラウンドは今まで使用されたことがあるのか。無いのなら何か理由があるのか
・前スレの魔導研究所(?)のあたりでカーバンクルやカトブレパスと戦っていたが、それらの幻獣は魔石としてパーティの手元にあるのか
・7キャラと8キャラはそれぞれの本編でいえばどのあたりから6世界にやってきたのか
(例えばスコールは「ママ先生」やアルティミシアの因縁を覚えているのか、クラウドやティファはニブルヘイムでのセフィロスとの因縁を覚えているのか、など。それとも本編クリア後?)

827セリス:2005/07/24(日) 21:50:28 ID:wjGIWNMZ
「やっぱりどれも駄目ね…」
虚しくもかざされた両手をだらりと降ろし、深くため息をつく。
掌に微塵も力を感じられなかったのは、恐らくは初めから予想がついた事だが、
こうも手応えが得られないと、どうしても気落ちしてしまう。

「脱出しよう」
眼が覚めてからそう考えるに至るまで、さして時間はかからなかった。
セリスは一刻も早くケフカを救う手掛りを知りたかった。
ここでじっとしてても何も掴めない事は明白だ。
「けど、おかしいわね」
腰に添えられた剣はそのまま、見張りの姿は見当たらない。
不用心としか思えないこの状況から予想されること。
「ブリザド!」
何も起らない。
「テレポ!」
風景はそのままだ。
「レビテト!」
重力は継続されている。
「何かに妨害されている?」
剣を引き抜いて鉄格子に切りつける。高らかな金属音はその鉄壁を告げていた。
赤黒い壁にも試したがどこも同じ反応だ。
「そう簡単には出してくれないようね」
知りうる全ての魔法を唱えてみたが、結果は同じ。

脱出はムリ……?いや、この程度のことで根を上げるわけにはいかない
考えるのよ…どうすれば脱出できる?
………………………この部屋では魔法が使えない 魔法を封じるなんてことは、魔法にしかできない
牢屋という形式をとっていることから、多分その魔法は継続的にかけられているはず
じゃあ、その魔力はどこから出ているの?きっとそこらの魔物かなにかに違いないわ
その大元の魔力を一瞬でも遮断できれば……………

算段はまとまった。後は実行に移すのみだ。
828セリス:2005/07/24(日) 21:53:41 ID:wjGIWNMZ
魔封剣。セリスが得意とする魔術戦闘における奥義である。
放たれた魔法を純粋な魔力にまで還元し、自らの魔力とする、回復と防御を兼ね備えた術だ。

魔封剣を使いこなすには、空間に放たれた魔力の流れを正確に読み取らなければならない。
その瞬間毎に課せられる研ぎ澄まされた集中力。
セリスはそれをほとんど自身のセンスで成し遂げている。
ケフカの影に隠れてはいたものの、セリスは正に天才だった。
だがそれ故に、気付かなかった。
セリスは魔封剣を、頭ではまるで理解していなかったのだ。
ほとんど感覚的に魔封剣を使用してきたセリスにとって、魔封剣はそれ以上の存在には成り得なかった。

だが、あの海上での戦闘。
かつてないほど強い死への連想。加えて、双肩にのしかかる仲間の命。
今まで味わうことの無かった窮地に立たされたその時。
重圧と責任がうまく噛み合い、彼女の精神は一歩前の境地へ進んだ。
そして気付いた。
巨大な津波の中で荒れ狂う膨大な魔力の流れを、一片残さず読み取らんとしている自分に。
それは彼女に新しい可能性を提示していた。

今。
赤い錆に汚れることもいとわず。その鉄格子を握りしめ。
その目は瞼に覆われて。その眼は細やかな無数の曲線を見据えていた。
829セリス:2005/07/24(日) 21:57:22 ID:wjGIWNMZ
驚いたわ………ここ、周りすべてに魔力が流れてる

集中しないと分からない程度ではあるが、あの不快な通路、ベッド、果てはトイレにまで魔力が通っていた。

まさか……この建造物、全部魔法でできてるんじゃ…

と、勘繰ったりもしたが、それを知る事に意味はないとして、意識を更に拡げていった。
しばらく付近と同じ様な魔力状態が続いていたが、
後方斜め下部、明らかに違う部分を見つけた。
球形に張り巡らせていた意識を、その部分と一直線になる様に留める。すると。

!!!何、この、存ざいっ、感……くっ!今にも……押し潰っ、され、そうになる……!

予期していなかった重圧に当てられ、セリスの顔は苦々しく曇り、両手には震えすら伝わっている。

「幽閉されて尚、無駄な抵抗をとるか」
!!
恐らくはこの結界を産み出している張本人であろう存在が、セリスの脳に直接語りかけてくる。
それに伴うプレッシャーは、セリスの予想内にあった敵の範疇を遥かに超えていた。

「諦めよ、人間。我が主の崇高なる意思は、最早何者にも邪魔だて出来ぬ」

あん、た、何者よ……!

別段テレパシーが使えるわけでもないが、大体そんな内容を、セリスは相手にとばした。
そしてどうやら届いたようだ。格式ばった口調で、返事が帰ってくる。



「我 神々に造られし生命なり 我は全に在らず 個に在らず
携えるは破壊と怨念 抗うものは塵へと帰さん
主は我をこう呼ぶ 究極の破壊者 アルテマバスターと」
830セリス:2005/07/24(日) 22:01:29 ID:wjGIWNMZ
アルテマ………?たしかどこかで………
!そうだ、魔大陸…ガストラへ続く道をふさいでいた門番、アルテマウェポン……
そういえば似ている、あの時の威圧感……私達の存在を否定するかのように飛ばしてくる殺気……
でも、違う……アレよりも桁違いに強い……コレをケフカが作ったっていうの……?

「当然だ。主は神となる御方ぞ」

今度は問いかけたつもりは無かったが、頭の中を読まれていた様だ。
一語一語が言霊となって、セリスの精神を深くえぐる。

「下賤な人間の手で造られた出来損ないと、神の創造物である我を混同するな
我が主の児戯は人間の知能を軽く凌駕すると知れ」

こんなの………立っていられない……!!

容赦なく放たれる覇気の数々に気圧され、意識を保つのが精一杯だった。
意識だけが繋がっているせいか、体ごしよりも直接影響を受けやすい様だ。
このままでは、脱出の意思を挫かれるのも時間の問題だった。

「理解したか?ならば大人しく傍観していろ、主が世界を手にする軌跡を。
まあ最も、主が貴様を殺せと言えばそれまでだが」
………ケフカは、世界を手に入れてどうしようっていうのよ……?
「それに答えたとして、貴様に主の理想を理解出来るのか?」
…理想?
「主の理想……それはあらゆる苦の鑑賞」
…………

その言葉を聞くと同時に、セリスの脳裏にある情景が浮かび上がった。
視界の先には―――――――彼がいた。

『えっ?う〜ん………よく分かんないけど、セリスにはずっと笑っていてほしいな』
831セリス:2005/07/24(日) 22:05:41 ID:wjGIWNMZ
「生の終焉は至極の官能」
『僕は病弱だから、生きていることに何よりの幸せを感じるよ』
「泣き叫ぶ声は恍惚の美酒」
『歌を歌っているとね、とっても安らかな気分になれるんだ』
「怒り狂う姿は妖艶なる踊り子」
『お祭り騒ぎを見てると、こっちまでわくわくしちゃうよ』
「平伏す民は愉快な道化」
『外で自由に駆け回ってる皆が、ホントに羨ましい』
「嘲笑うは愚かなる結束」
『君はずっと僕の友達でいてくれるよね?セリス』
「蔑むは弱者の希望」
『強くなれるといいなあ。セリスを守れるくらいに』
「あらゆる絶望あらゆる欲望 新世界では満たされる
息絶えたならば新たに生みだし 弄んではまた殺す
未来永劫続くは輪廻 これぞ我が主の理想境」
『誰かのとなりには誰かがいる。人はその誰かの笑顔を、一生求め続けるんだと思う』
「我は主の肉を授かりし分身にして 我が主における唯一の理解者
これは全て我が主の意思 人間の貴様には解るまい」

………るな

「だがそれでよい 主の理解者は我だけで」



「 巫   山   戯   る   な 」
832セリス:2005/07/24(日) 22:07:45 ID:wjGIWNMZ
そうハッキリと声に出して。開かれた目は幾らか血走り。それでいて脈拍は何故かいつもより落ち着いていた。

(!!なんだ、こやつ……明らかに変貌している………
これが、先程まで我という存在の前に消え去らんとしていた、脆弱な一個体なのか…!?)

セリスが強く握りしめる鉄格子。その中で流動する魔力。
乱れる。急激に。めまぐるしく。
錆がかった堅牢は瞬く間にその役目を、その形を放棄し、虚空に混ざりてやがては消えた。

(馬鹿な………結界が破られる!)


魔封剣にはもう一つ条件があった。魔法を操る技術。
それこそただ単に魔法を繰り出すという話には収まらない。
例えば放たれたファイアを、途中でケアルに変えてしまうとか。
X,Y,Z軸に至るまで、正確な位置に魔法を発生させるとか。
一度加工されてしまった魔法を純粋なものに戻すには、その程度の力は不可欠だった。
そしてまたそのレベルにまで、セリスは既に達していたのだった。
例の如く気付く事は無かったが。

もし、その魔法操作術が、相手の領域にまで及ぶとしたら。
相手の魔力を意のままに操れるとしたら。

「ぐっ……貴様!本体である我の魔流まで乱すだと!?まずい……このままでは……!」
そしてセリスの周りの風景はその外見を維持出来なくなっていく。
不意に天井が、まるで波紋の様に歪んでは消えてゆき、その先の景色を映し出した。
そして、引っ張られた。
833セリス:2005/07/24(日) 22:09:54 ID:wjGIWNMZ
「!」
それまで形容し難い怒りと憤りに身を委せていたセリスだったが、
上空に引き付けられるという違和感を肌で感じ、とっさに身を翻した。
天井の先にあった天井に四肢でへばりつくと、いささか感覚が混乱し、状況の把握に苦しんだ。

とりあえず立ち上がってみて気付いた。引っ張られたのではなく単純に落ちただけなのだと。
辛うじて周辺に見える機械的な構築物と、髪をなびかせるそよ風は、
先ほどまで在った空間の異様性をことさらに強調していた。
「辛うじて」程度しか周りを散策出来なかった理由。
それは四方に生える漆黒の獣脚と、上方を丸ごと支配する胴体の為であった。
その腹部辺りには、ごっそりと穴が空いていた。
「つまり、今まであんたの腹の中に閉じ込められてたってわけね」
なるほど閉じ込めるにはうってつけというわけだ。
重力が反転していた理由は分からないが。
セリスはそう思った。
「貴様……キサマアアアアアアアアアアアア!!!!」
頭でなく、空気に響く咆哮。それは冷静さを、余裕を、威圧感を欠いたものだった。
だがそれ以前に何かおかしい。まるで今にも崩壊してしまいそうな、そんな響き。すると。

 ――――――――――――!!!!

耳をつんざくばかりの音波に、思わずセリスは顔を伏せ、耳を塞いだ。
834セリス:2005/07/24(日) 22:13:58 ID:wjGIWNMZ
何が起きたのか。それを知るべく今一度上を覗いて見ると。

「人間………」
人間。そう、人間。
アルテマバスターの穴は、もう塞がっていた。黒い皮膚の代わりに、黒い人間の彫刻で。
彫刻ではない。恐怖と絶望を顔に浮かべて、呻く蠢く泣き叫ぶ。
老若男女あるいは魔物。正に一種の地獄絵図。
一匹の魔物などではない。ならば何かという質問には答えられない。
セリスはおもむろにその場を離れた。行き止まりの壁にもたれかかり、遠目からアレを見つめる。

「ウオオアオアオイアアアアアエアアイウイアウオオアアアアア!!!」
「コ……ロスコロスコロスコロスコロシテヤルコロシテヤルコロスゥゥゥゥゥ!!!」
「タスケテ……ダレカタスケテタスケテタスケテタスケテ」

恐怖心はなく。蔑むような、憐れむような目で、ただソレを見ていた。
ふとここが屋外である事に気付く。
浮かび上がるは、満天の星空。
「綺麗」


永遠にも思える様な刹那が過ぎ、
「うおおおおおおおおおおおお!!!」
それまでの呻き声を全てかき消す怒号が響く。
それと共に、体中を蠢く者共も、皮膚の壁に姿を消した。
「我は……究極の生命……貴様は……コロス!」
当初に聞いた声と同じだったが、まだ冷静を欠いている様だった。
そして間髪入れずその巨体を翻し、雄叫びをあげながらセリスを襲う。
セリスは、最後までソレを冷徹に射止めていた。そして。
「テレポ」

ほぼ同時に鈍い金属音。崩れ落ちる建築物の中に、セリスの姿はなかった。
835セリス:2005/07/24(日) 22:16:27 ID:wjGIWNMZ
予想外は空の上で。
移動魔法を唱える際にとっさに連想していた地、フィガロ城。
その意思とは裏腹に、体は別の地を目指している感覚。
何者かの力が働いているのか、修正は不可能だった。
そして降り立った地。そこは。

「塔……?」
暗雲立ち込める空の下、不気味な塔が目の前にそびえたっていた。

なぜこんな所に?とにかくもう一度テレポを……

だが片膝をつく彼女の体。

「!?体が……いうことを……」

遂に緊張の糸が切れたのだ。思えば眠らされる前以上の精神の酷使。この現状は必然だった。

ガレキの塔と狂信者の塔は強い力で結び付いていた。そしてセリスの疲労。
それがこの地に行き着いた理由だということを、セリスは知ることは無かった。


エドガー…ユフィ…ゴゴ…

薄れゆく意識の中で彼女の脳裏をよぎったのは、異次元にとばされた仲間達の顔だった。
振り返ってみれば、あの部屋で目覚めてから今に至るまで、仲間を想ったのはこれが初めてだった。


そして、彼女の意識は、そこで途切れた。
836名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/24(日) 22:18:46 ID:wjGIWNMZ
改行制限UZEEEEEEEEEE
携帯なんで手間取った。すまん
837名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/24(日) 22:20:54 ID:eUBWZejx
うめぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
まじでまじで
838826:2005/07/24(日) 22:28:17 ID:+tB1oYBw
うわ。
割り込んでこめんOTL
839名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/24(日) 22:48:51 ID:wjGIWNMZ
>>824訂正


今此処に在る自分。それは彼に残る良心。在りし日の精神。

消え去ってしまっているかと思った。それが一番気掛かりだった。
だからこそ、これだけの安堵と歓喜を覚えることができた。
そして意外にも、あの時のケフカの言葉に傷ついていない自分。
あの時罪悪感に涙はしたものの、心の何処かでケフカがあのような態度を取ることに、
セリスは薄々気付いていた。


だれかパソコン譲っておくれorz

>>838
いや丁度区切られてて良かったwww
840クラウド編:2005/07/24(日) 23:45:07 ID:FUYsLJPm

いる筈のない、彼の声。

――――諦めるな!

「(…ザックス…ごめんな、あいつにはやっぱり―――)」
―――弱気になってんじゃねぇ。

お前には守るものがあるんだろ!
「(…守るもの…)」
仲間、星、……自らの心。
―――負けるな。こんなとこで負けたらぶっ飛ばすぞ。

俺に勝ったあのクラウドはどこ行きやがった!

姿の見えない友の声がひしひしと胸を打つ。そうだ、自分はこんなところで負けるわけにはいかない。
剣を杖にし、立ち上がる。同時に失われていた音が一気に耳に流れこんできた。

『立ちました!クラウド選手、立ち上がったぁーっ!!』
歓声がハウリングのように闘技場をゆるがす。
剣を構えなおしたクラウドの瞳には、一切の迷いを排除した光が宿っている。

はっ、とエアリスが息を飲む。
そして、次には涙が溢れだして。

「ザックス…」
確かに、立ち上がったクラウドの背中に彼を見た。


「(眼が変わった―――)」
最初に入場してきたときよりも、大きい何かがジークフリードには感じられた。
841クラウド編:2005/07/24(日) 23:46:29 ID:FUYsLJPm
一体彼に何が?
まるで、そう―――


まるで隣に彼がいるかのようにクラウドは感じた。
眼を閉じ、気をなだめる。
すべての万象を感じ、受け入れて。

ジークフリードが地を蹴る音を聞き、眼を開ける。

そして―――――


「なぁ、クラウド」
訓練のあと、夕日に照らされた宿舎への道を歩くクラウドとザックス。

返事をすると、彼は悪戯を思い付いた子供よろしく、にかっと笑ってこう言った。

「俺とお前、戦ったらどっちが強いと思う?」
「はぁ?」

額の汗を拭うタオルを持つ手が止まる。あまりにも突拍子もない質問だ。
「…興味ないね」
しばしの沈黙ののち、お決まりの台詞をクラウドは吐くが、ザックスはなおも食い下がる。

「つれねーなー。なっ、やっぱり自分は強いとか思う?俺の事どう思う?強いと思う??なっ、なっ」
「興・味・な・い」
語気を強めて言うものの、彼は一向に引き下がらないどころか今度はクラウドの肩を揺さぶり始めた。

「なーなー!どう思う?」
…鬱陶しいことこの上ない。
842クラウド編:2005/07/24(日) 23:47:23 ID:FUYsLJPm
「あんまりしつこいと…今日の夕食のヨーグルトやらないぞ」
「うっ!それは勘弁…」

心底困り果てた様子のザックスに、クラウドは宙を仰いで溜め息ひとつ。

「…じゃあクラウド、これだけは言わせてくれ」
いきなり声のトーンを落とすザックス。
これには少し驚いたのか、クラウドはふっとそちらに視線を戻した。

夕日で陰りの差したその顔は、いつになく真剣な面持ちで。

「いつか―――俺とお前がもっともっと強くなったときに、戦おうぜ。もちろん手加減なしで。で、勝った方は約束するんだ」

そこまで言って彼は肩の力を抜き、いつもの明るい笑みで親友に手を差し出す。

「“俺はお前に勝った。だからもう俺は絶対誰にも負けない”ってさ!」

「なんだそりゃ…」
口調とは裏腹に、自然クラウドの顔にも微笑が浮かんでいる。

「いやさ、こういう台詞一度は言ってみたかったんだよ。で、負けた方は今度は勝つぞって修行するわけよ。……クラウド、これ約束してくれるか?」

答えを言う必要があるのだろうか?
否定する理由など、どこにもない。

「もちろんだ」
右手で彼の掌を握る。
「よし!決まりだぞ!」
843クラウド編:2005/07/24(日) 23:48:47 ID:FUYsLJPm
喜々とした表情で、ザックスもその手を握りかえした。

「約束だ!」

固く固く、握られた掌。

「おい!」
坂道の上から第三者の声。見上げると、夕日に美しい銀髪が反射して。

長身の影は彼らに呼び掛ける。
「お前ら、何してるんだ?早くしないとメシがなくなるぞ!」

「すんませーん、セフィロスさん!」
「今行きます!」
二つの影が走り出す。
顔に、晴れやかな笑顔を浮かべて――――


青空に、銀のきらめきが舞う。

それがジークフリードの剣であったことはだれもが知っていたが―――誰もしばらくは何が起こったか理解できず、ただ目に入ってくる現実を呆然と眺めていた。

地面に倒れたジークフリード。そして、その首筋に剣を突き付けるクラウド。

沈黙。

それだけが広がっていた。
844名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/24(日) 23:50:03 ID:FUYsLJPm
例によって例のごとく、中途半端なとこで終了…ごめんよ…
ちょっと今回漫画くさすぎたかも。
845名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/25(月) 16:28:12 ID:d4rFkDeA
>>835 乙。すっげぇ上手いです。ただ、魔法剣の仕組みとか呼んでたら少し頭が痛くなったw

>>826 ナイツはまだ使用してない。
    他の幻獣の魔石はたぶん入手してないと思う。
    3つ目のは適当に設定作っていいかと。
    こんな感じだと思う。
846名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/25(月) 19:27:04 ID:fSiL14PW
>>845
確かに分かりにくいなありゃ

じゃあ補足説明

セリスは二つの新しい能力を手に入れました。

1,魔流読み(仮)
 …精神を集中させることで、魔法を使う敵の居場所が分かったりします

2,魔操術(仮)
 …敵が魔法を使おうとする時に、うまく操ってその魔法を
  キャンセルさせることが出来たりします

※どちらも多少の魔力と時間を消耗します


こんな感じかな
狂信者の塔やバスタとの再戦の時とかに重宝するようにしたかった
847名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/25(月) 21:39:01 ID:ZA5YvTVo
とりあえず、意識不明のままどうやって逃げられるのか・・・
848名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/25(月) 23:59:55 ID:d4rFkDeA
>>846 説明乙。ところで最後にテレポで辿り着いたとこって狂信集団の塔なのか?
849名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/26(火) 00:15:48 ID:3mate4Th
>>848
>>835にあるじゃん


スレ容量っていまどれくらい?
そろそろテンプレ会議やっとかね?
850名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/26(火) 00:19:47 ID:uBICaOiW
>>849 ホントだ。見逃してたよ。
    スレの容量は480前後。490になってたら建ててみるよ。建たなかったら他の人よろしく。
    それでこっからはテンプレ会議か?
851名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/26(火) 00:27:59 ID:jEmeNGe5
とりあえず
まとめサイト
ttp://081.in/ff6/ff6noberaizu.htm
携帯用
ttp://web.fileseek.net/cgi-bin/p.cgi?u=http%3A%2F%2F081.in/ff6/ff6noberaizu.htm
は必須かな
あらすじとかはどうするよ
FF6ノベライズといいつつ、ちゃっかり他作品のキャラも混じってる旨もいれとくか?
852名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/26(火) 16:13:56 ID:uBICaOiW
>>847 シャドウ達が近くにいるじゃん

あらすじは考えてないけ
どリレー形式だから割り込まれても文句は言わないとかあらかじめメモ帳に書いとくなどようなことも入れといた方がいいかと
853名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/26(火) 16:16:14 ID:uBICaOiW
すまん改行ミスった。
あと、次のスレのタイトルは「FF6をノベライズしようぜ!!〜第三章〜」でいいか?
854名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/26(火) 17:46:25 ID:km8zHAqR
まとめサイト
ttp://081.in/ff6/ff6noberaizu.htm
携帯用
ttp://web.fileseek.net/cgi-bin/p.cgi?u=http%3A%2F%2F081.in/ff6/ff6noberaizu.htm

・リレー形式だから割り込まれても文句は言わない
・書く時はあらかじめメモ帳に書いてからまとめてうpすること
・他シリーズのキャラが混ざってるけど気にするな
・ストーリーはかなりアレンジされてるが、一応本筋はFF6
855名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/26(火) 22:13:41 ID:uBICaOiW
>>854 それでいこうか
856名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/26(火) 22:21:41 ID:CaMP/UnO
>・書く時はあらかじめメモ帳に書いてからまとめてうpすること

これいらなくない? さすがに書き込みフォームに直書きする人っていないと思うんだけど……。
857名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/26(火) 22:28:56 ID:jEmeNGe5
>>856
確かに基本中の基本だしな

このスレのまとめサイトは出来てんのかな?それも1に貼っとかないと
職人さんうpよろ
858名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/26(火) 22:36:59 ID:uBICaOiW
>>857 まとめというか前スレを保管してあるだけなら>>854にある。まだそこのサイトの管理人さんは来ていらっしゃるのかな?
    来てたらこのスレも保管してもらおうと
859名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/26(火) 22:39:12 ID:km8zHAqR
>>858
もう800までは保管した
次スレに移ったら残りを保管して更新するつもり
860名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/26(火) 22:43:56 ID:uBICaOiW
>>859 乙です。ちなみに携帯用の方も同じ管理人ですか?
861名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/26(火) 22:45:16 ID:km8zHAqR
>>860
携帯のは別の人
862名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/26(火) 22:56:20 ID:jEmeNGe5
>>860
それがおれ
といっても、
元のサイトにファイルシークっていう携帯用web閲覧サイトを通してるだけだから、
実質すごいのは859氏な訳で

つまり携帯用は859氏のサイト完成待ち


あとテンプレに

・エロあり注意

ってのも入れておこうか
863名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/26(火) 23:07:36 ID:uBICaOiW
>>862 そうだったのか。そんじゃ、準備は万全というわけですな。
テンプレまとめ↓
・リレー形式だから割り込まれても文句は言わない
・他シリーズのキャラが混ざってるけど気にするな
・ストーリーはかなりアレンジされてるが、一応本筋はFF6
・エロあり注意
こんな感じでいいか?
864名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/27(水) 14:01:38 ID:cWcLjFbt
このスレはあとクラウド編が一区切りついたら埋めて、次スレ行っちゃった方がいいかも

埋めネタとして「あなたが選ぶこのスレの名作(迷作)は?」とか「あなたが希望するこの先の展開は?」とか。
865名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/27(水) 14:08:56 ID:Hxb4kp0I
>「あなたが希望するこの先の展開は?」

そんなこと書いたら職人の自由が奪われる
866名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/27(水) 16:21:51 ID:lXuptotn
職人さんが次スレから投稿したいのならすぐにでも建ててきますよ。
867名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/27(水) 18:16:02 ID:gEZ8lNxn
クラウド編こっちに投下できそう?
868名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/27(水) 19:33:04 ID:7UZkctLT
>「あなたが希望するこの先の展開は?」
ケフカ倒したら別世界に行きそのまま継続
869名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/27(水) 21:17:50 ID:47mGtJBb
オレ的名作ベスト3


3位:シャドウパーティVSスカルドラゴン

2位:エドガーパーティVS触手











1位:前スレ47
870名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/27(水) 22:34:13 ID:lXuptotn
>「あなたが希望するこの先の展開は?」
ケフカ撃破後はその後か別シリーズへ移行してほしいな
871名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/27(水) 23:12:10 ID:GjI0Uway
アルティミシアが闘神になった理由は本編では適当にスルーしておいて
外伝形式で掘り下げていって欲しい
872復活のガーディアン:2005/07/27(水) 23:37:27 ID:7UZkctLT
数日前、突如現れ神に喧嘩を売った究極機械オメガ・・・・
何者かによってぶっ壊されてしまったが
その破片は今、別の形となって生まれ変わるところだった。

ケフカ「メキダラ・メキダラ・・・・・・・ハァッ――――!!!!!!」
蘇る究極兵器。
右腕には波動砲、左腕にはメタルカッター、頭部からアトミック・レイを放ち
脚部や背中からミサイルを撃つ・・・更に人型となって動きやすくなった新型ガーディアン

ケフカ「いいな!?貴様はいまからP(パーフェクト)ガーディアンだ!」
Pガーディアン「・・・・了解シマシタ」

オメガの破片はPガーディアンとなった・・
そして
ケフカ「さて、Pガーディアンにはどこを守ってもらおうか・・・・・」
Pガーディアン「ソウデスネ・・・・・・イッソ二人デ戦イマショウカ?」
ケフカ「まぁ・・・・それでもいいんだが・・・・ん?ちょっと待てよ・・それって・・・」

しばしの間沈黙が漂う。

それから数時間後
Pガーディアン「マダッスカ?」
ケフカ「うるさいぞ!少し黙ってろ!」

更に数時間後

Pガーディアン「マダー?」
ケフカ「うっせえんだよ!てめぇなんかどっかいっちまえ!」

Pガーディアンが瓦礫の塔を降り、ケフカ勢を離れたのはこの数分後の事であった。
873名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/27(水) 23:52:53 ID:gEZ8lNxn
前はシドが異常に強かったが…今は誰が一番強いんだ?
874名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/27(水) 23:55:28 ID:tjO2i94E
トランスティナ
875名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/28(木) 00:06:45 ID:wKzeNy/Q
やっぱ総合的に考えて魔力も力もトランスティナ。
戦闘で圧倒的に有利なのは不老不死の三人だけどいかんせんひとり戦闘能力低そうなのいるからな。
876名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/28(木) 00:18:23 ID:k35xRA4t
ティナはマディン戦でインフレしたからな〜
まあその分回数制限はついたけど
877名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/28(木) 08:52:42 ID:ZkoUkll2
このリレー内でトランスに制約あったっけ? 制限時間はゲームにもあったけど。
トランスしたらバテるとか。
878バルガス編1:2005/07/28(木) 11:50:53 ID:HtEcNIrM
「あなた、もう一回、ね?」
「おいおい、少し休ませてくれよ」
「ダ〜メ♪」
俺の名はバルガス。放浪の武道家だ。
放浪し、落剥した俺ではあるが、これでも昔は名の知れた武道家だったのだ。
幼少の頃より、師でもある父・ダンカンから厳しい修行の手ほどきを受け、
15になった時分には、父と共に、近隣に並ぶものなしと称された程だったのだ。
しかし、それも全て、弟弟子が現れるまでのことであった。
弟弟子・マッシュの潜在的な能力に魅せられた父は、俺を差し置いて、奴を
後継者にすると言い出し、最終奥義を奴に伝授しようとした。
当然看過できるわけのない俺は、奴と立会い、勝った方を後継者とするよう
師に直訴した。
師は俺の心を汲み、立会いを認めてくれた。
結果は、このザマさ。
879バルガス編2:2005/07/28(木) 12:00:20 ID:HtEcNIrM
「ねぇねぇ♪」
「頼むから少し休ませてくれないか」
「いいわ、じゃ、私がしてあげる。」
マッシュに敗れた俺は自暴自棄となり、全てを捨てて放浪の旅に出た。
荒んだ放浪生活の中で、俺はとある村でい鳥の少女とであった。
彼女は以前の記憶を失っているらしく、誰からも心を閉ざしていたが、
なぜか俺には心を許してくれた。
失意の放浪と、記憶喪失。
境遇こそ違えど、どこか通ずるものがあったのだろう。
俺たちが結ばれるまでには、そう時間はかからなかった。
こうして俺の放浪の旅は終わり、今は甘い新婚生活にどっぷり漬かっている。
「動いちゃだめ、じっとしててね」
そういうと妻は、シーツの中にもぐりこんだ。
「ううっ、よせ、ああ、いい気持ちだよ、レイチェル・・・・」
880名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/28(木) 12:14:01 ID:PPXr1oed
>>877
フンババ戦後にマディンが「体に負担かかるからほどほどにしとけ」って言ってた

>>878-879
おもろい
881名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/28(木) 14:50:37 ID:wKzeNy/Q
>>879
バルガスw
新展開に期待。

これからの展開かぁ。ロックがバラムガーデンにいったりカイエンがコスタで水着の姉ちゃんにたじたじになっちゃうのか…?

やべぇ、見たいw
882名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/28(木) 15:04:07 ID:MmnoSa5e
>>879
×い鳥
○1人
でおk?勝手にスマソ
883名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/28(木) 18:00:25 ID:k35xRA4t
なんだかんだで900まではいきそうだな
このスレは雑談が多かったからな
884名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/28(木) 18:32:23 ID:v8lRpbbu
マッシュに負けた時にはどう考えても既にレイチェル死んでるんだけど、面白いからどうでもいいや
885名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/28(木) 18:46:00 ID:wKzeNy/Q
レイチェルと思わせて実は…みたいなミスリードだったりしてな
886名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/28(木) 21:20:55 ID:XBaAtIJy
また初期の展開かw
887名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/28(木) 22:18:03 ID:dQiFU4QQ
容量が490KBになったから次スレ立ててきますね。
888名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/28(木) 22:24:12 ID:dQiFU4QQ
立ててきました。
【FF6をノベライズしようぜ!! 〜第三章〜】
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1122556897
889名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/29(金) 14:12:44 ID:89dIRV9w
さぁうめようか

俺的名シーン

三位クラウド対ザックス
二位エドガー対触手
一位セッツァーの乱交パーティー
890名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/29(金) 14:19:02 ID:Et9Eq6f8
そうだな・・・俺的名シーン

三位クラウド対ザックス
二位エドガー対触手
一位セッツァーの乱交パーティー
891名前が無い@ただの名無しのようだ
良作談義やるんなら前スレ抜きでこのスレだけでしようよw
俺が印象に残ったのはエドガーvs触手編とセリス脱獄編。

でもエドガーvs触手は、出来がいいだけに戦闘終了後の>>726の、国民との再会シーンの展開が
妙に急ぎ足だったのが残念だった。投下を急いだせいだろうけど。
それとユフィが触手に締め上げられてるシーンはもっと詳細に克明にエロく描写するべきだった思うのは俺だけじゃないはずだ。
ともあれ次回作期待。

セリス脱獄編は、書き手のレベルの高さ、という意味ではこのスレでダントツ1位だと思うけど、話の出来そのものは良くなかったな。
語彙を振り回しすぎて読者に理解を強いるはめになってる。句読点の位置と文脈の流れをもうちょっと整理すればかなり良くなってただろうね。