**アラオヒサシブリ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・**26

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474あぼーん
あぼーん
475 ◆7R3I2Rj8QM :2005/05/04(水) 01:10:20 ID:oYBUxFur
「でも、その旅の目的って何か知ってる?」
「私が聞いた話だと、お母様を探す旅、だったかしら…」
「そう。その旅の目的を果たすためには、旦那様の盾がいるって事なんだそうよ」
「盾って、旦那様が結婚相手の人にあげると言ってる、あの盾のこと?」
「その盾。噂だと、お嬢様の結婚相手に立候補したのもその盾が欲しいからって聞いたのよ」
「うそ!?それじゃお嬢様が可哀想!」
有頂天だったフローラの頭の中はあっという間に沈みこんでしまった。わずか数十秒の間の出来事だった。
「ケインさんが…」
体中から力が抜けてしまったようになり、側の壁に体をぶつけてしまう。その時の音で、会話をしていた二人のメイドがフローラの存在に気付いた。
「お嬢様!!」
二人が仰天してフローラを見ていた。しかし、フローラの目には彼女たちは映っていない。
映っているのは脳裏に残された、儚いインの幻影だけだった。
笑顔と優しさに満ちている彼の顔が、何よりも魅力的な光を帯びてフローラの中に居続けている。
その幻影を強く握りしめながら、その時は立ち尽くすことしか出来なかった。
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