905 :
1/5:
4主 「……前々からおまえに聞いてみたかったことがあるんだ。」
6主 「どうした、そんなに恐い顔をして。ああ、元からか。」
4主 「お前は2つの人格に分かれて、また合わさったんだよな。」
6主 「まあ、確かにそんなようなことがあったな。」
4主 「それって、どんな感じなんだ?」
6主 「これって俺は神様ってこと? むしろ大魔王かな?」
4主 「もし良かったら教えてくれないか。」
6主 「これってドラゴンボールの話ね。知ってるだろ、ピッコロ大魔王。」
4主 「聞けよ、人の話。」
6主 「聞いてるよ。で、何でそんなこと知りたがるんだ?」
4主 「お前なら分かると思ったんだ。2つの矛盾する気持ちの整理法を。」
6主 「整理整頓は得意だぞ。道具が整理できる大きな袋は6が元祖だし。」
4主 「物じゃなくって、心の問題なんだ。」
6主 「『思い出す』『忘れる』の特技も俺からだ。便利な世の中になったもんだな。」
4主 「どうせリメイクじゃ使えないよ。ってそうじゃなくて……」
6主 「話してみろよ。吐き出しちまったほうが楽になるかもしれないぜ。」
4主 「……!」
6主 「この通り俺は話を聞いちゃいないし、忘れるってこともできるからさ。」
906 :
2/5:スクエニ暦03/04/01(金) 21:43:17 ID:ZOsvZMX6
4主 「そうだな。どうせ聞き流すだろうから話してみようか。」
6主 「そうそう。思いつめるとろくなことはないぞ。」
4主 「俺はピサロが憎い。シンシアやみんなの仇だから当然だ。
それなのに俺はロザリーを生き返らせてピサロを救うような真似をした。」
6主 「矛盾してるな。思わず『異議あり!』って言いそうになるな。」
4主 「世界樹の花を使えばシンシアも生き返らせることができたかもしれないのにだ。」
6主 「『異議あり!』って元ネタ分かるか? 逆転裁判なんだけど知ってる?」
4主 「どうして俺はシンシアを犠牲にしてまで敵を助ける真似をしたのだろうか。」
6主 「その答えは自分で分かっているだろう。その答えに納得してないだけでさ。」
4主 「……その通りだ。」
6主 「お前は最初に『2つの矛盾する気持ち』って言ったろう。
今の話じゃ気持ちと行動が矛盾しているだけだもんな。」
4主 「たぶん、俺はピサロと自分を重ねたのだと思う。」
6主 「そこだけ切り離して聞くと『ウホッ!』って言いそうになるな。」
4主 「恋人を失って我を忘れたあの男にかつての自分の姿を見たんだ。」
6主 「この『ウホッ!』と801って違うものなのかね。俺には分からん世界だな。」
4主 「俺には仲間がいたから立ち直ることができた。だが、ヤツにはいなかった。」
6主 「ああ、こんな不埒な世界のことをターニアは知らなくていいんだよ。」
4主 「ヤツを同情する気持ちと憎いと思う気持ち、自分でもどちらが本当か分からない。」
6主 「どっちも本当の気持ちだ。片方を嘘だと言って誤魔化すことはできないさ。」
907 :
3/5:スクエニ暦03/04/01(金) 21:44:25 ID:ZOsvZMX6
4主 「だったらなおのこと、俺のとった行動は許されるものじゃない。」
6主 「どんな行動が許されないんだ?」
4主 「俺あいつに同情して、仲間にして、シンシアを裏切るような真似をして……」
6主 「お前はシンシアを裏切ったのか?」
4主 「違う! ……いや、俺は彼女を裏切ったのだと思う。」
6主 「俺にはそうは思えないけどな。」
4主 「気休めはよしてくれ!」
6主 「落ち着け。そもそも何故シンシアはお前命がけでを守ったんだ?」
4主 「それは、……俺が勇者だから。」
6主 「そうだ。お前が世界を救う勇者だからだ。」
4主 「でも、俺は……ピサロを倒せなかった。」
6主 「倒せないんじゃなくて倒す必要がなくなったのだろう。
仲間になったピサロはもう世界を滅ぼす危険はないのだからな。
世界を救う方法は魔王を倒すことだけじゃなかったってことだ。」
4主 「でも、これでよかったのか? 仇も討てず、シンシアを生き返らせることもできず……」
6主 「勇者と言えど辛いことだろうな。自分を犠牲にして他人を助けることは。」
4主 「俺は……俺が勇者だからこんな目に遭わなきゃならないのか……」
6主 「それはちょっと違うな。お前は真似をしただけだ。」
4主 「真似?」
6主 「そうだ。お前の周りにいた、自分を犠牲にしてお前を救ってくれた人たちのな。」
4主 「……シンシア……みんな……」
6主 「お前は誰も裏切っていない。お前はみんなの遺志をしかっりと受け止めていたんだ。」
4主 「俺、許してもらえるかな? シンシアやみんなに許してもらえるのかな?」
6主 「許すも何も、誰もお前のことを恨んでなんかいないさ。」
4主 「本当にそう思うのか?」
6主 「シンシアたちはお前を恨むなんてことはしないさ。
俺は彼女達のことを知らないけど、お前を見れば分かる。
お前の周りにいた人がお前を恨むようなことはしないってな。」
908 :
4/5:スクエニ暦03/04/01(金) 21:45:28 ID:ZOsvZMX6
4主 「今日は恥ずかしいところを見られちまったな。」
6主 「これがバーバラタンの恥ずかしいところだったら良かったんだが。」
4主 「おかげでだいぶ気持ちに整理がついたよ。」
6主 「よし、バーバラにとてもいえないものを装備させるキャンペーンだ。」
4主 「このことは、ほかの奴らには言わないでくれよ。」
6主 「今日はエイプリルフールだ。今日聞いたことはみんなお前の嘘なんだ。」
4主 「ああ、そうだな。」
6主 「だからお前の言ったことは真に受けないことにする。」
4主 「そうしてもらえるか。」
6主 「もっとも俺の言ったことをお前が信じるのはお前の勝手だけどさ。」
909 :
5/5:スクエニ暦03/04/01(金) 21:46:53 ID:ZOsvZMX6
4主 「あいつも世界を平和にしたことでバーバラと離れ離れになったんだよな。
世界のために自分を犠牲にしたのはあいつも一緒なのかもしれない。
6主よ、お前は人の話を聞かなくて、支離滅裂で、
シスコンで、ロリコンで、いいヤツだよ。
……ありがとう。」