【女体化】ヤンガス×♀主人公【エロカワイイ】

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701パルミドにて
みんなイイヨイイヨー(*´д`*)
あっしも小ネタを投下するでげす。深く突っ込まないで欲しいでげす。


ミーティアを無事取り戻した一行は、パルミドで宿を取る事にした。
その晩、皆が寝静まった後、エイトはヤンガスをそっと起こし、スラム街の奥の、階段を上った先へ連れ出した。

なかなか話を切り出さないエイトを心配そうに見つめるヤンガス。
暫くの沈黙の後、エイトが重い口を開いた。
「ねえ…ヤンガス」
「なんでげすか、兄貴」
「ビーナスの涙を渡しに行った時、最後にゲルダさん、ヤンガスの耳元で何か囁いていたよね。なんて言っていたの?」
エイトはゲルダに対する嫉妬心を押し殺し、思い切って聞いてみた。
「大した話じゃねえでがす。『エイトの兄貴を守ってやれ』ってな事を言われただけでげす」
「それだけ?」
あっさりした答えに拍子抜けするエイト。

ヤンガスは、更に言葉を続けた。
「そんな事は、ゲルダに言われなくても分かっているでげす。あっしは、ドルマゲスの野郎を殺った後も兄貴に付いていき、一生守ると決めているでがす」
最後の方のセリフを妙に強調するヤンガス。
エイトは、心に支えていたものがすうっと溶けていくのを感じた。
「ヤンガス。僕も、ヤンガスにずっと傍にいて欲しい。僕もヤンガスを一生守るよ」
エイトとヤンガスの間を、暖かく柔らかな風が通り抜けた。

「…そろそろ戻ろう、ヤンガス」
「そうでげすね、兄貴。怪しまれないうちに宿に戻るでがす」
二人は並んで、ゼシカ達を起こさぬよう、静かに宿に戻った。
道中、一言も言葉を交わす事はなかったが、もはや二人の間に言葉は必要なかった。

あの時ヤンガスが、
(本当は、ゲルダに『ヤンガス。バンダナの彼女を守ってやりな』と言われたでげす。でも、姉御が自分から『本当は、僕は女なんだ』と話すまで、あっしの心の奥にしまっておくでがす)
と思っていた事は、今はまだ、エイトには秘密である。
702名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/08 16:15:30 ID:PctJqwO2
ヤンガス漢だ!いいなあ〜
エイトタソの隠れた嫉妬心も可愛い!
703名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/08 16:34:28 ID:qUoR6sWZ
>>701 ヤンガスの優しさに萌えた…

またつまんない小ネタ落としていきますげす。

689の続シリーズ
『乳とエイトと練金と怒られしヤンガス』
704名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/08 16:36:21 ID:qUoR6sWZ
パフパフ屋から戻った一行。
満足げな男達を横目にエイトは思い詰めた表情をしていた。
その夜ー
眠れないで外に出たゼシカは馬車の前で泣きながら練金に精を出すエイトを見つけた。
エ「ひっくひっく…。」
ゼ「ちょっと!エイトこんな時間に何やってるの!?
あっ!だ、だめよ練金釜にスライムと鉄の胸当てなんか入れちゃ!!」
エ「うわーん!付けるだけで胸がボインボインになる魔法の乳あてを作るんだー!!邪魔するなー!離せー!」
ゼ「無茶よー!スライムは形は似てるけどおっぱいじゃないわー!!」
ゼシカは暴走するエイトをなんとかなだめた。
ゼ「一体どうしたって言うの?」
エ「ひっくひっく…だってヤンガスが…ヤンガスが…パフパフ屋で『やっぱりぱふぱふは大きいのに限るでげすなぁ』って…」
ゼ「全く、あの馬鹿!デリカシー無いんだから!あたしが言うのもなんだけど女の子が胸の大きさなんか気にしちゃいけないわ。
よし、あたしがヤンガスを起こしてきて謝罪させてあげる!」
エ「え、ちょっ…ゼ、ゼシカぁ!」
ゼシカに引きずられてヤンガス登場。
ヤ「う〜ねみいでやんす〜。何か用でがすか?」
ゼ「眠いじゃないわよ!この自分に素直男!エイトに謝りなさい!微乳馬鹿にしてすんませんっしたーって!」
ヤ「ば、馬鹿になんてしてねえでげすよ!あっしは思ったことを隠せないだけで…」
ゼ「女性の敵!!夢から覚めなさい!」
ヤ「そんな乳したゼシカの姉ちゃんに言われたかねえでげす!」
ゼ「じゃあ、微乳もアリなのね?」
ヤ「も、もちろんでがす!!-………でも無くても良いけどちょっとはあった方が…」
エ「うわーーーん!!どうせ僕の乳は卑屈過ぎだーーーー!!」
ゼ「あっ、ちょっとエイト!?」
ヤ「やめるでがす!鉄の胸当てとキングスライムを練金釜に詰めるのはやめるでげすー!!姉御ー!」

ククール「女の人を胸で判断することは良くないことですよ〜」
トロデ「ラーラララーラララーラララーラ…」


…すいません orz
705名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/08 17:32:32 ID:PctJqwO2
ゼシカのキャラが良すぎです。
706名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/08 19:53:57 ID:UmpbsbbR
おっぱい占いなククールGJ!(W
707名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/08 23:29:59 ID:zsZRPzfy
腐男子・腐女子の巣
708名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/08 23:53:47 ID:b+QSkOMw
スライムからキングスライムになってるところがワロタw
本当に錬金してみたいよ。
709名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/09 02:03:47 ID:9ZxisSJH
>>704
後半のバスト占いの会話にワロタ。
710名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/09 02:47:23 ID:6KZnEbg/
.       ∧_∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       (;´Д`)< スンマセン、直ぐに片付けます
  -=≡  /    ヽ  \_______
.      /| |   |. |
 -=≡ /. \ヽ/\\_
    /    ヽ⌒)==ヽ_)= ∧_∧
-=   / /⌒\.\ ||  ||  (´・ω・`)>>707
  / /    > ) ||   || ( つ旦O
 / /     / /_||_ || と_)_) _.
 し'     (_つ ̄(_)) ̄ (.)) ̄ (_)) ̄(.))


711名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/09 04:21:02 ID:IacYidIf
微乳で悩むエイトイイです!
712名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/09 17:58:01 ID:k1qGyMEJ
腐女子キモいよ。
713名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/09 19:27:13 ID:IacYidIf
今日は人が少ないですね。
714名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/09 20:41:33 ID:z4+LbSs8
腐女子の大好きなテニプリの日ですからね
715名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/09 21:57:49 ID:IacYidIf
時代遅れ。そんなの観てる人は今時・・・(ry
716名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/09 22:39:15 ID:G3WOXA30
じゃあ今時の腐女子は何を見てるんですか?
717名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/09 22:50:14 ID:J3FGFDVR
人間講座の茶道
718名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/09 23:14:30 ID:fHPGgc6J
>>714-716からは
すっげー腐女子臭せーぜ
気をつけなぁージョースターさん!
719名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/09 23:27:04 ID:MamoKWVz
腐女子ってなに?
720名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/10 01:32:24 ID:nSZSzp1z
現在再プレイ中
やーべーエイトがマジ女の子に見えてきた。俺も末期だな
ここの職人さん達のお陰ですw
721名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/10 02:39:48 ID:JpCMP3Am
>>719
夢見る(少し大人の)少女のことさ
722名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/10 16:06:47 ID:XOPv/Xcm
腐女子は脳内変換が得意なんだな
723名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/10 16:08:33 ID:EhPYJ1bF
構うと喜ぶから、童貞キモオタはスルーで。
724名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/10 17:38:23 ID:nSZSzp1z
マターリ行こうよ。
725名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/11 08:02:13 ID:hZAl9XXf
糞スレ認定
726名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/11 09:36:29 ID:L10LNNVp
.       ∧_∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       (;´Д`)< スンマセン、直ぐに片付けます
  -=≡  /    ヽ  \_______
.      /| |   |. |
 -=≡ /. \ヽ/\\_
    /    ヽ⌒)==ヽ_)= ∧_∧
-=   / /⌒\.\ ||  ||  (´・ω・`)>>725
  / /    > ) ||   || ( つ旦O
 / /     / /_||_ || と_)_) _.
 し'     (_つ ̄(_)) ̄ (.)) ̄ (_)) ̄(.))




727メローネ ◆ozOtJW9BFA :05/02/11 15:24:35 ID:uYMcnpJi
「このスレ、糞スレ認定」






と俺が、お前らに言ってました
728名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/11 20:34:37 ID:tJPTP8m0
やっぱヤンガス装備は鉄球じゃなくて斧だよね〜。エイトはブーメランがしっくりくる。
729名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/11 21:27:33 ID:yBe7YrMd
剣装備でヤンガスと背中合わせで戦ってるのも萌える…
初期の二人しかいなかったころの切羽詰まったバトルとか
730名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/11 21:32:19 ID:xe2BuSta
自分はエイトタソは槍のイメージが。みんなそれぞれ個々のイメージあるのってオモロイね。
ヤンガスは斧攻撃のパフォーマンスが全てスバラシイ。
731名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/11 21:48:30 ID:S3RCBwec
烈風獣神斬での顔アップと跳ねっぷりが好き。
732名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/11 22:50:59 ID:tJPTP8m0
エイトのハッスルダンス見たい。
ヤンガスは格闘でもカコイイよね〜〜。
733名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/11 23:29:24 ID:xe2BuSta
実はまだ、エイトタソがつられて踊ってる姿を見た事がない!
他のメンバーは何度も見たのにな…。踊らないウチのエイトタソorz
734メローネ ◆ozOtJW9BFA :05/02/12 01:06:53 ID:/Z7HCjRG
おーや、また半角カナ文字か。
腐女子は飽きないねぇ。よしよーし
735名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 01:27:45 ID:VL/K7wrq
俺はゼシカ以外つられたのを見た。
二週目頑張ってます。
736名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 10:08:20 ID:/C+gX8f7
!そうか、ヤンガスには「格闘」でもよかったなぁ・・・。
ウチはエイトとククが剣、ヤンガスは斧、ゼシカはコスにあわせて鞭だった。
2週目の課題はセリフチェックとスキルチェンジだ!
>>734 ヘビに噛まれとけ。
737名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 10:18:47 ID:maN6TIER
そういえば、格闘スキルは全然上げなかったな…。
2週目は1週目に上げなかったスキル上げる楽しみがあってイイね。

>>736
女の子にレスして貰えると喜ぶからスルーよ。
738名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 10:56:11 ID:S2mh72eU
一週目エイト勇気と剣・ヤンガス鎌と人情・ククカリスマと弓・ゼシカお色気と格闘だったな〜。
2週目はヤンガス斧にしたらカッコイイ技多くて嬉しかった。エイトたんは槍。役には立つけど映像的にあまり好きじゃないな。
739メローネ ◆ozOtJW9BFA :05/02/12 11:34:41 ID:USkv4q4N
あれ、腐女子は女の子じゃなくてメス豚だぞ。おいおーい間違えるなよ。
学校でそーんな、ことも学ばなかったのか

あ、そうか毎日オナってるから頭が悪くなって、そんなことも忘れてたのか。それは失礼、失礼
740名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 11:46:48 ID:VL/K7wrq
クク、弓矢とカリスマばかりあげちゃったからなあ。ゼシカはなぜかナイフ系ばっか。
なんで主人公のエイトにはカリスマがないんだ?
他のキャラも装備品でグラフィック変えて欲しかったね('A`)
武器と盾以外も見たカターヨ。
741名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 11:56:43 ID:udVOZxo2
あの鎧はTHE☆KOKANが寒くないだろうか
742名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 12:38:18 ID:maN6TIER
レベル99まで上げても、全てスキルがマックスにならないなんて最初は知らないから
どのスキルもまんべんなく上げてたら、どれも最終奥義(?)が取得出来ないとこだったね。
誰かそうした人いるのかな。

2プレイ目は鎌と格闘上げたい。けど先頭キツいかな。
743名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 12:47:06 ID:maN6TIER
先頭じゃない! 戦闘ですた。
744名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 13:00:49 ID:qzIdre33
>>730
エイトの槍はかっこいいし強いね。
ブーメランはあんま強くなかったのでスキルは上げてない
745名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 15:57:24 ID:UnRtKP/z
ずっと我慢してたがもう限界。

雑談は余所でやって。
おまいらがどうプレイしたかなどこれっぽっちも興味ない。
746名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 16:00:31 ID:f+to5dhv
確かにウザいが共感できる部分もあってなんともいえない
747名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 16:12:30 ID:WNhMkTK0
腐女子・ウザい女2ちゃんねらのガイドライン10スレッドから飛んできました
748名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 16:16:19 ID:PPtOEFEC
そうですか。

で?
749メローネ ◆ozOtJW9BFA :05/02/12 16:40:59 ID:In/O7wpc
ここが801スレを801板に立てれない、駄目腐女子のスレだ。
なになに?このキモい豚さんはなんだって?ああこれが腐女子だよ
この豚さんたちはね、男が男の尻に股間の物を挿す、妄想が大好きなんだ。
え?この人たちは、片方の人間を女にしてるって?
あぁ、片方は女だね。でもね、その女はね、腐女子の妄想によって
男から女に脳内変換された可哀想な人だよ。この組み合わせを女体801と言うんだ。
しかもこの、腐女子は、負けず嫌いなんだ。良い例は>>723
この腐女子は決め付けるのが大好きで、現実でも決め付けが好きなんだ。
どうゆう見解をして、そのような結果になったなど、言いもしないで、批判しつづける
どうだ?ベィビィ・フェイス、腐女子が如何に自分勝手か、わかったろ?
750名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 16:49:30 ID:fHmL3wl1
バレンタインネタが浮かんだけど纏めきれないんだよなー
751名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 17:08:34 ID:Mah9QbJO
>>745
興味なければスルーしたら?

今までだってヤンガスやエイトについての雑談から発展して、
それを元ネタとして作品が投下されるのを繰り返してるんだから、
ここ数日作品投下がない事を見ても、何かネタになる為に話てもいいとオモ。

ポンポン投下されてる時に関係ない雑談は邪魔になるけど、馬鹿が荒らしてるから
流す為にもレス続けてた様に見えたけど。
752名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 17:29:07 ID:VL/K7wrq
投下はしたいんだが荒れてるからできないんじゃ?と思われ。
7530/7 ◆RHiNvM/d/Y :05/02/12 17:41:49 ID:+As2J+FA
では、ちょっとした話を投下させていただきます。
長文書きのため、改行がギザギザで読みにくいと思いますがご了承ください。
流れを変えるのに一役買えれば幸いです。
7541/7 ◆RHiNvM/d/Y :05/02/12 17:45:43 ID:+As2J+FA
 その女の子は、不機嫌でした。
 年に一度のバザーでにぎわう西の国サザンビークです。めずらしい武器や道具を求める旅人たち、
ひともうけをたくらむ商人さん、さらには人の財布をスキあらばとねらう泥棒さんまでもが世界じゅうから
やってきていて、城下町の大通りはもう人波でぎっしり。ところ狭しと軒をつらねた屋台や露店には、
おいしそうな食べ物やきれいな装飾品がならび、いろんな芸人さんたちが歌やダンスを披露して、
目をうばわれた人はたちまちお客さんになっていきます。
 彼女が不機嫌な顔をして歩いているのは、そんな城下町の東の通りです。料理の材料や貴重な
薬草の店がならぶ西側に比べ、東では名だかい戦士さんたちの使うような優れた武具や、ほかの
街にはない高価な指輪や帽子が売られています。
 でも、そうした品物に彼女は気を取られてはいません。彼女が真剣に目を走らせているのは、通りを
行き交う人、店に並ぶお客さんのひとりひとりでした。人々を見るその眼差しには、もし親切な人が気付い
たならすぐにわけを聞いて手をさしのべてあげたくなるような、まっすぐなきまじめさと、こどもっぽい不安の
色が、はっきり表れています。ふしぎなことに、人のおおぜいいる中をそんなふうにきょろきょろしながら
歩いていても、彼女は人にぶつかったりすることがありません。よく見ると、ぶつかりそうになるより早く、
右に左に、しっかり、よけているのです。しぜんな動きなのでよけられた人たちは気にすることなく通り
すぎていきますが、見る人が見れば、こいつはただ者ではない、と驚き怖れることでしょう。
 そんなふうに人波の間を器用に歩いていた彼女が、急に、南の城門に向かって、駆けだしました。
 閉じていく城門の前では、今しがたこの城下町に着いたばかりの商人さんが、壮観なサザンピーク城、
それにバザー会場にごったがえす人々を眺め、ため息をついているところでした。
7552/7 ◆RHiNvM/d/Y :05/02/12 17:47:59 ID:+As2J+FA
「すみません」
 彼女はその商人さんに話しかけました。何かを聞きながら、手のひらを頭の左右ですぼめたり、
丸めて胸の前で縦に振ったり、腰のところで斜め下へ払ったりしてみせています。中年の商人さんは
彼女の身振りを交えた質問をじっと聞いていましたが、やがて首を横に振りました。
「さあ。俺はベルガラックから来たんだが、そんな色っぽいお嬢ちゃんは見なかったよ」
「そうですか。すみませんでした」
 彼女はていねいに商人さんに頭を下げます。まぶたを少し落とし、わずかに口を尖らせているその
顔には、控えめですが、がっかりした様子、そして苛立ちがみえます。彼女はそんな短気な女の子では
ないはずなのですが、今日に限ってはどうも機嫌が悪いようです。
 また城門が開き、今度は若い女戦士さんがやって来ました。彼女はすぐ駆けより、つい今商人さんに
したような手振りと質問をしました。
「ふーん……。あたいは見ちゃいないけどさ。おおかた他の男に引っかけられたんじゃないかい?
そんな出るとこ出てる娘、男が放っとかないだろうよ。ま、諦めんだね」
 女戦士の答えを聞いた女の子は、しょんぼりとうなだれながら、やっぱりむっとして唇を結びました。
 彼女は、今日のお昼からずっと、こうして旅人に聞き込んだり、通りを何度も往復したりしているの
です。そしてもう西の山脈のかなたに日が沈みかかっています。彼女が不機嫌なのは、いくら走り
回っても、ほしい情報がぜんぜん手に入らないからでしょう。
 でも、それだけではないようです。
「うひょー! そんな色気ムンムンの姉ちゃんがこの町にいるってのか。それならオレ様も探してやろう。
もし見つかったら一晩貸してくれよな。がははは」
「ああ。あの胸のでっかい……いや、僕もそこの宿に泊まってるんだ。君、あの娘の友達なの? こんど
紹介してもらえないかな。お礼はするよ!」
 訊ねた相手からそんな返事がかえってくるたび、彼女は悲しそうな、怒ったような顔で、うつむいていました。
 そうして、彼女の表情が晴れないうちに、サザンビークの城下町は夕闇に包まれていきました。
756名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 17:49:19 ID:AQSoL7gG
 
7573/7 ◆RHiNvM/d/Y :05/02/12 17:51:31 ID:+As2J+FA


「おや。エイトさん、おかえり」
 宿屋に帰ってきたエイトに、宿の女将さんが声をかけました。
「お連れさん……ゼシカさんでしたっけ、見つかったかい? ……まあそれは残念だったねえ。
でも、お前さんたちが大事な仲間と考えてるなら、向こうだってそう思ってるはずさ。だからよほどの
ワケがあるんだよ。うん、あとのお二人さんならもう帰ってきてて、お部屋にいるよ。すまないけど、
夕食はもう少し待ってもらえないかね」
 女将さんに眠そうな笑顔でうなずいてみせると、エイトは、くたくたに疲れている身体を引っぱり上げる
ようにして、二階へのぼっていきます。
 一見、細身で頼りなげな若者に見えるこのエイトですが、じつは北のトロデーン王国で近衛兵を
している、りっぱな騎士です。しかもなんと、つい昨日、エイトの故郷であり兵士として仕えていた
トロデーンのお城を呪いのイバラで封印した犯人、道化師ドルマゲスを、仲間たちとの長い旅のすえ
ついに北の遺跡に追いつめ、激しい死闘の果てに葬り去ってきたばかりなのです。
 そんな現代の勇者ともいえるエイトたちが新たに抱えた難事、それが、仲間の一人ゼシカさんの、
突然の失踪でした。
 名家のお嬢さんであり、強力な魔法の使い手、しかもとびきり魅力的な体つきの美女ゼシカさん。
彼女にとってもドルマゲスはお兄さんの仇でした。そのゼシカさんが、見事に本懐をとげた翌朝、
エイトたちに何も告げずに姿を消してしまったのです。
 残されたエイトと二人の仲間は、街じゅうから城内をくまなく探し、三人別々に情報を集めることに
したのですが、ゼシカさんのことは見知っていても行方まで知っている人は現れませんでした。
けっきょく『北の関所』に行ったらしいという以外とくに手がかりはないまま、エイトはほかの二人の
成果に望みを託して、宿に戻ってきたのでした。
7584/7 ◆RHiNvM/d/Y :05/02/12 17:54:18 ID:+As2J+FA
 けれど。エイトが、泊まっている部屋のドアノブに手を伸ばしたとき、
「これほど探していないということは、ゼシカの姉ちゃん、この国にはいないようでがす。やっぱ、
むさい男ばっかのパーティーがイヤになったんじゃ……」
「安心しろ。このオレがいるかぎり、断じてそれはない!」
 中から聞こえてきたのは、二人の仲間のそんな話でした。
 どうやら残りの二人、もと盗賊のヤンガスさんと聖堂騎士のククールさんにも、ゼシカさんの行方は
つかめなかったようです。
 がっかりして目を伏せるエイト。心配そうな表情を浮かべて拳をにぎりしめ、首をかすかに横に振って
います。ゼシカさんの身を案じているのです。ゼシカさんとは、三人のうちでいちばん仲が良かったエイト
ですから、落ち込むのはあたりまえでしょう。
 でも、そこはエイトです。もう一度ぐっと拳をにぎって背を伸ばし、眉と唇を引き締め、凛とした表情に
なりました。新たな旅……ゼシカさんの行方を捜す旅に出発する決意が固まったのです。
 その決意をさっそく仲間に伝えようと、エイトはドアノブをにぎりました。そのとき、またヤンガスさんと
ククールさんの話が、聞こえてきました。


「ゼシカの姉ちゃんがいないと、あっしらにも張り合いがないでがす。こう、花がなくなったというか……」
 ベッドに腰かけたヤンガスさんが、肩をすくめて言います。
「ああ。いなくなって初めて、ゼシカのありがたみってもんが身にしみてくるぜ。とくに、知らない間に
目がいっちまう、あの胸な」
 壁に寄りかかるようにしているククールさんも、腕組みをしながら、うなずきました。
「オレはすっかり、あれが隣で揺れてくれてないと戦ってる気になれないって体質になっちまったよ」
「まったくでがすなぁ。反則でがすよ、あの胸は」
「さすがのオレも、初めて見たときは、胸に水風船でも入れてんのかと見まちがったくらいだからな」
「水風船は言いすぎでがすが、さすが自分で最強と言うだけはあるでがす。兄貴やあっしたちのことは
まるで知らなくても、ゼシカの姉ちゃんは覚えてるなんて奴ばかりでしたでがす」
7595/7 ◆RHiNvM/d/Y :05/02/12 17:57:10 ID:+As2J+FA
「そりゃあオレだって、あんなスタイル抜群なお嬢さまが歩いてたら、他の女連れてたって声かけてる
からな……お、エイト」
 ドアが開いて、エイトが入ってきました。どうしたのか、うつむいています。
「おかえりでがす兄貴。どうでがした?」
 ヤンガスさんが、すぐ駆けよって、首尾を聞きました。ところが、エイトはそれに答えず、ヤンガスさんの
前で立ち止まりました。目は前髪に隠れて見えませんが、結んだ唇、それに肩が、細かく震えています。
「兄貴……?」
 心配になって下からのぞき込んだヤンガスさんは、瞬間キッとにらみつけてきた黒い瞳と、そこに
薄く浮かんだ涙を見て、息を呑みました。「エイト?」ククールさんも、エイトの様子がおかしいのに
気付いて、壁から背中をはなしました。
「あ、兄貴? 何かあったでがすか!?」
 エイトは、黙ったまま、らしくない悔しそうな目でヤンガスさんを見下ろしていました。そしていきなり、
ヤンガスさんの羽うちわのような手のひらを両手で取って引き寄せ、自分の左胸に押し当てました。
「ほ、ほらっ! 僕にだって、ちゃんとあるんだぞっ!」
「へ……?」
 ヤンガスさんのつぶらな瞳が、もっとまんまるになりました。
 それは。
 ゼシカさんのもののように、男の人の目を釘付けにしたり、水風船のように揺れたりするには、
はるかに足りない大きさでしたけれど。
 幾重にも巻かれたさらし木綿に抑えつけられていましたけれど。
 ヤンガスさんの太い指と皮の固まった手のひらをやさしく受け止め、やわらかく押し返すそのふくらみは、
やっぱり、女の子の、おっぱいでした。
「あ、あ、あに……」
 エイトの女の子なところに自分の手が触れている、その映像に一瞬遅れて、手を包むそれの
やわらかい感触が、腕から肩を伝わってヤンガスさんの脳に達しました。
「きっ……!」
 瞳が上を向き、体が後ろに引っ張られるように傾いて……どしん! ヤンガスさんはあお向けに
ひっくり返ってしまいました。
7606/7 ◆RHiNvM/d/Y :05/02/12 18:00:39 ID:+As2J+FA
「や、ヤンガスっ!?」
 エイトはびっくりしてヤンガスさんを抱き起こしました。「ヤンガス! ヤンガス!」呼びかけますが、
ヤンガスさんは、しあわせそうな、夢見ごこちな顔で、鼻血を流して気を失ったままです。もし目を
覚ましたとしても、うるんだ瞳で必死に心配してくれるエイトの顔をこんな間近で見たら、もう一度
ぶったおれてしまうでしょう。
「ククール、何とかしてぇ!」
 その涙声に、ぼうぜんと見守っていたククールさんがハッとなり、やれやれという、いつもの冷めた
表情に戻りました。
「んー……こりゃ出血多量で即死だ。ザオラルかけなきゃだめだな」
 ヤンガスさんのそばにかがみこんでククールさんがまじめな声でそう言うと、エイトは「ええっ?」と
泣き出しそうな顔になります。
「冗談だ。気絶してるだけさ。ほら、そっち持ってくれ。寝かしときゃそのうち気が付くだろ」
 二人はヤンガスさんをベッドに横たえました。エイトが、ハンカチで、鼻血をそっと拭いてあげます。
そんなエイトに、ククールさんがくすりと笑い、からかうように言いました。
「しっかしエイトちゃんて大胆だな。いくら好きな男だとはいえ、いきなり、触らせるとはなあ」
 とたんにエイトは、火がついたように真っ赤になって、ククールさんを振りむきました。
「す、好っ……ぼ、僕はっ、その、そんなつもりだったんじゃない!」
「けどさ。そういう娘、オレは嫌いじゃないぜ?」
 視線を合わせにやりと笑うククールさんに、エイトはますます赤くなって顔を背けましたが、不意に
その顔をゆがめて、「うそだ」と、唇を尖らせました。
「……どうせ、ヤンガスもククールも、ゼシカみたいに、出るところが出てて、色っぽくて、女らしくて……
そういう娘にしか、興味ないんだろ」
7617/7 ◆RHiNvM/d/Y :05/02/12 18:07:31 ID:+As2J+FA
 はっきりと不機嫌なエイトの言葉に、ククールさんは、あちゃあ、というように、斜めに首を振りました。
「やっぱさっき聞いてたのか。あれはそういう意味じゃなくてな……。悪かったよ。そんなに気にしてるとは
思ってなかった」
 すまなそうにククールさんが言いますが、エイトの顔はみるみる床を向いていきました。
「街の人とかはいいんだ。でも……ヤンガス、と、ククールは、僕のこと知ってるじゃないか。僕、
こないだ、みんなにちゃんと話したのに……なのに……。僕だって、ほんとはゼシカみたいに……」
 エイトの、泪で次第に消えていくような訴えを聞いて、ククールさんはあわてて両手を振ってみせました。
「ああっ、だからさ、悪かったって。その、男装してなきゃならないんなら、むしろ、ぺちゃっとしてたほうが
いいんじゃねえかって……おっと、んーな怖い顔するなよ。お前がそんなふうに割り切って考えてんじゃ
ないかと、オレは思ってたわけさ。けど、ま、女なんだから、気にするのは当然だよな」
 そう言ってククールさんは、ぱんっと両手を合わせました。
「よし。お詫びにオレがさ、でっかくする方法を教えてやるよ」
「えっ?」
 エイトが、涙目に期待と不信を混ぜて、ククールさんをゆっくりと見上げました。
「そんな方法あるの? ミルクをいっぱい飲むとかじゃなくて?」
「んー、まあな。教えてやるからオレの部屋に来いよ。こいつには知られたくないだろ?」
 エイトは、顔を赤らめて、少しのあいだ迷っていましたが、眠ったままのヤンガスさんにそっと毛布を
かけてあげると、ククールさんについてその部屋を出ていきました。


 ――宿の一室からオレンジ色の雷光と若い男の悲鳴があがって大騒ぎになったのは、このすぐ後でした。
 この数日後には、暗黒神の呪いに囚われていたゼシカさんを救いだし、さらに数ヶ月後には世界をも
救うことになるエイトたちなのですが……。
 今夜のところは、冒険もゼシカさん探しも、お休みのようです。
762名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 18:11:41 ID:AQSoL7gG
乙ッ!
もぎもぎされたのかw
763 ◆RHiNvM/d/Y :05/02/12 18:42:09 ID:+As2J+FA
……タイトル書き忘れた(´・ω・`)「紅一点」でお願いします。

ということで、テーマが激しく変わってしまってますが、>>181のネタをSSにしたものです。
一応ヤンx8主(♀)、といっても女体主人公そのものをネタにしているので、このスレの主旨とは反しているかもしれません。
読むのに努力が必要なSSですが、お読みくださった方に感謝します!


  ,'^y'⌒⌒^zヘ
  ))! .ノ#~゙リ) 〉)  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  (.(ヾ(!`ー´ノ!|:| < 私のいない間のエイトが心配だわ。
   ゙ /ヽ、)ノ)づ.  | 男二人に囲まれて 何かされてないかしら?
.   U曰ニ〈 .||   \__________________
    .// ,!@ ||
   ん、_!__!ゝレ 悲しい……悲しいわね


    ∧ノ~
   .ミ| ・  \
    ミ|   ... '_)   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    ミ| (|!^ヮノ  < 私もいるから大丈夫ですわ  .     ., ,
    | (ノ  |)    \___________    . iア_ー_´,マ
    |  姫 |                       .   (.,___、;ノ
    .人.._,,,ノ      .       ……何がじゃ 姫よ 〈i!__ハ_,>
      し'J                        .    ゙L;,i__,,;_,ゞ
764名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 22:24:41 ID:j9DdLRDf
>>763
モツカレ〜
GJ!非常に良かったです!
765名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 22:35:42 ID:VL/K7wrq
乙です!
久々の神降臨〜!!
766名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/13 00:30:34 ID:J0wXUJdc
>>763
ほのぼのテイストでイイ!

なんとなく波に乗って自分も投下。装備の話が出てたので、そのネタで。
7673分の1:05/02/13 00:32:10 ID:J0wXUJdc
エイトが嬉しそうに武器屋から戻ってきた。
細い腕にはしっかりと抱えられた鋼の剣。
買い物の後のおつりやらなにやらをこつこつためていたらしい。
結構な大所帯になってしまったため、食事代から宿代から全てが全て節約第一になっていた。
体力の差を考えて、まず装備をそろえるのはゼシカ、次にククール、そしてヤンガス。
エイト自身はここ数ヶ月まともに武器も防具も買い換えていない。使い込んで手に馴染んだハイブーメランは
かなり前に手に入れたブーメランを釘と錬金してこしらえたもの。
いい加減威力も弱まってきていたが、本人が気に入っているのと諸般の事情で結局そのままになっていた。
ようやっと手に入れた新しい武器をながめ、指でその冷たさを確かめながら、忘れかけている剣術の基本動作を思い出す。
柄を握り締めると、旅を始めたころの緊張感が戻ってくる。静かにまぶたを閉じ、今後の戦闘をイメージする。
色あせてはきているものの、まだまだきれいなままの黄色いコート。ヤンガスは調整に入ったエイトを見ながら、
少し苦味の混じった顔をした。

試し斬りと言えば言葉は悪いが、身体が軽くなったかのように勢いづいてエイトは魔物に挑む。
いつもは先に出ているヤンガスに動きを合わせ、連携を取りながら次々と片付けていく。
後方支援の二人とは距離を置き、魔物の注意を自分達に引き寄せながら、習い覚えた動きを繰り返す。
しばらく使っていなかったのに、身体はちゃんと覚えていたらしい。反射的に急所を捉え、一閃する。
頬の端に血が飛ぶ。エイトのではなく、魔物の返り血。コートに飛んだそれがまだらな模様を作っている。
ヤンガスが飛び、高い位置から魔物を殻ごと叩き割る。隙間を抜ける魔法はヤンガスに気を取られた魔物に直撃し、
爆音が響き渡る。
一通り戦闘を終えると、日が暮れかけていた。夕日の色に照らされる一行。
血の匂いにあてられたのか、トーポが息苦しそうにポケットから顔を出した。
7683分の2:05/02/13 00:34:30 ID:J0wXUJdc
「兄貴は何で急に剣を使おうと思ったんでがすか?」
「ん?」
枝にかけたコートが重そうに揺れている。かなり派手に汚してしまったので洗ったのだが、
裾の部分を中心に褐色の斑点が残っている。焚き火のはぜる音が小川の音と混ざり、流れる。
「急にってわけじゃないよ。本当はもっと前から使いたかったんだけど、お金なかったから」
「もっと前からってことは、あまり気に入らなかったんで?」
「まさか。あれものすごく便利だよ。だからあんなに使い込んだんじゃないか」
「あっしが兄貴にあげてからずっとでがすからねぇ。壊れかけたのを修理がてら錬金して」
「ヤンガスがくれたものを粗末に扱うわけないでしょ」
「そう言われるとかゆくなるでがすよ」
布地の乾き具合を確かめ、もう少しかなとつぶやく。乾くにしたがって斑点は薄くなっていくが、やはり完全には消えない。
本来なら、もっと前からこんな風に汚れているはずなのだ。今の今まできれいなままだったのはありがたいようで、情けない。
ヤンガスが自分の蓄えでエイトにブーメランを買ってから、エイトの戦いでの役割が変化した。
ゼシカもククールもいないころはそれで十分に分担ができていたのだが、今は状況が違う。
とはいえ、明らかに攻撃力で劣る兵士の剣を引っ張り出すわけにもいかず、今日までずるずるとブーメラン使いをこなしていた。
早速汚れがこびりついた刃の部分を磨く。慣れない事をしたせいか、腕が妙に疲れている。
青い服からのぞく腕と、新しくついた生傷。
上着を着ていない状態だと、エイトは普段にも増して小さく見える。小さいからといって儚いわけではないのだが。
どこか満足げに手入れをする姿を見て、ヤンガスはなんともいえない気分になる。
エイトは知らないのだ、ブーメランを持たされたその本当の理由を。
「兄貴はもうブーメランを使う気はないんでがすか」
聞いているのか念を押しているのか微妙な調子に、エイトが手を止めた。少し考えるように上を向いてから答える。
7693分の3:05/02/13 00:36:00 ID:J0wXUJdc
「使う気はない、というか。後方支援三人もいらないでしょ?ゼシカが鞭で、ククールが弓。このうえ僕までブーメランだったら、
まるで見物客みたいじゃない」
「あっしはそれでもいいんでがすがね」
「僕はよくない」
あっさり返すと、ひょいとヤンガスの手を掴む。何事かと顔を赤らめるが、そんなことはおかまいなしに手のひらをながめ始めた。
「豆、いくつできてる?」
「…さぁ、数えたことなんてないでがすよ。いつものことでがす」
「僕はゼロ。ブーメラン使い始めてからずっとできてない。ずいぶんときれいな手だよ、兵士のくせに」
ひとつ、ふたつ…声を出して数えるエイト。その指の動きはどこか楽しんでいるようでもあり、悲しんでいるようでもあり。
ななつ、かぁ。ずいぶんたくさんできてるんだね。そりゃ、ひとりで前線張ってりゃ豆のひとつやふたつできるでがすよ。
ツボの刺激をするように、豆のひとつひとつを指で押していく。こんなになるまで、頑張ってくれているんだね。
でも、大丈夫。これからは僕も手伝えるから。
「…兄貴?」
「そういうこと。前はさ、二人しかいなかったから僕がサポートしてもよかったけど、今はゼシカもククールもいる。
僕だって一応前線に立てるくらいの体力はあるんだ。なのにヤンガスひとりに先頭切ってもらうのはおかしいよ」
心拍数を悟られないようにしながら、ヤンガスはエイトの顔を見る。少し悔しそうな、懐かしそうな。
770これでおしまい:05/02/13 00:37:06 ID:J0wXUJdc
「一番最初のころのこと、覚えてる?ブーメラン買ってもらう前、いつも二人で背中あわせで戦ってたよね。
今日、それを思い出した。そしたらなんだか、懐かしくて。余計なこと考えてる場合じゃないんだけど、不思議と気持ちが高ぶってた」
「そりゃ、あっしだってそうでがすが」
「そうなの?」
こくこくとうなずくヤンガス。できるなら手を離してほしいとは言えず、豆を押さえている指に視線を落とす。
「…なんだ、考えてること一緒だったんだ。じゃあなおさら、問題ないね」
これからもよろしく、屈託のない笑みを浮かべながらいたわるように両手でヤンガスの手を包み込む。
耳まで真っ赤になっていることには全く気づいていないらしい。今が夜であることに、ヤンガスは心の底から感謝した。
そろそろ乾いたかな、再びコートのところに戻るエイト。
シミになってはいるが、大分見られる色になったコートをはおり、見張りにつく。
…ブーメランを渡したのは、あのコートが血で汚れるのが嫌だったから。
しかしどうやら、自分の想像している以上に、このリーダーは頑固らしい。
まだ感覚の残る手を振りながら、ヤンガスは嬉しさ半分、諦め半分で後姿を眺めていた。
771名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/13 00:39:08 ID:J0wXUJdc
字数制限の読みが甘かったorz
お目汚し失礼しました…
772名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/13 00:46:52 ID:BKqtbQEp
GJ!!
なんか見守るような愛って感じでいいですね〜
773名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/13 01:13:54 ID:sZSaLQsl
GJです!感激。
次から次へと良作が!!!
774名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/13 11:44:14 ID:+Qr755s5
774(名無し)ゲット!!
775名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/13 13:09:20 ID:sysBzMaw
今初めて覗いたけど、萌えまくり。
作家志望のはしくれとして書きたくなってきたんですが、DQ8やってないのでまずやってきます。
776メローネ ◆ozOtJW9BFA :05/02/13 18:39:44 ID:RENwvr8f
ここが801スレを801板に立てれない、駄目腐女子のスレだ。
なになに?このキモい豚さんはなんだって?ああこれが腐女子だよ
この豚さんたちはね、男が男の尻に股間の物を挿す、妄想が大好きなんだ。
え?この人たちは、片方の人間を女にしてるって?
あぁ、片方は女だね。でもね、その女はね、腐女子の妄想によって
男から女に脳内変換された可哀想な人だよ。この組み合わせを女体801と言うんだ。
しかもこの、腐女子は、負けず嫌いなんだ。良い例は>>723
この腐女子は決め付けるのが大好きで、現実でも決め付けが好きなんだ。
どうゆう見解をして、そのような結果になったなど、言いもしないで、批判しつづける
どうだ?ベィビィ・フェイス、腐女子が如何に自分勝手か、わかったろ?
777名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/13 19:06:13 ID:yqL0MJ9j
>763のミーティアが妙にかわいい・・
778名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/13 19:09:55 ID:sZSaLQsl
かわいいよね。自分も思った。
779名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/13 20:23:20 ID:BKqtbQEp
>>775
がんがれ!超がんがれ!
待ってるぞw
780名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/13 22:55:14 ID:U2XQC7A7
>>775
凄い期待して待ってます!!
781名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/14 07:29:04 ID:nuKpabkU
>>775
……立場抜きでマジレスすると、
本気で作家になりたいなら、インターネット掲示板の、さらに辺境の萌えスレのごく少ない顧客のためのSSになんて時間費やすヒマはないと思いますよ。
とにかく一作の小説書いて人に見せるということ、何かのニーズに応えるということについては修行になるかもですけど……。
782名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/14 08:27:52 ID:ijYWNbCL
>>781
普通下の2行のみで投下すると思うけど。
まさかここにSS投下する事で、小説家デビューしようなんて考えてる人はいないと思うよ。
作家になる為の活動以外の事をするのは、>>775タソの自由だしね。

>>775
と言う訳で、気にせず投下お待ちしてます!
783メローネ ◆ozOtJW9BFA :05/02/14 17:06:16 ID:4puBkhrQ
なんだ、この腐敗スレ。
まだ落ちていなかったのか
784名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/14 18:10:37 ID:LqBE7B56
エイトタソって茶髪だよね?
785名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/14 20:53:30 ID:adQFJSO+
このスレでSS投下してる香具師は、エイトを女だと設定して書いてるの?
786名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/14 21:15:55 ID:ijYWNbCL
>>784
黒髪な印象あるけど、茶髪だね。

>>785
マジレスするなら、主人公の性別選べたら良かったのに、という声から生まれたスレですので。
787名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/14 21:54:35 ID:LqBE7B56
そうですか茶髪ですか!どうもありがとうございます!!
788名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/15 02:19:08 ID:uIMCGBd5
ヤンガスは黒髪なのか?
789名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/15 06:43:58 ID:Pb1LMOhI
>>788
yes
790名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/15 08:34:56 ID:lmddlFkD
おにぎりですから。
791名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/15 08:52:50 ID:y1gSEphX
ヤンガスの頭見ると某かゆみ止めのもろこしヘッドを思い出す
792名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/15 17:59:01 ID:9e5Fi9JG
そういえば、バレンタインの話なかったな
エイトタンは上手に作れるのだろうかw
793名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/15 20:14:14 ID:lmddlFkD
バレンタイン前にネタふりすれば良かった!
794名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/15 20:33:42 ID:DacDdG6I
ではホワイトデーネタをホワイトデー前くらいにw
795名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/16 05:44:03 ID:GJ6AuT4s
自分にリボンまいてプレゼントなヤンガス。イイネイイネー
796名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/17 04:54:31 ID:mVQSXEDd
神降臨待ち
797名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/17 18:45:40 ID:zXIJGWLR
激しく時期はずれと思いつつ投下
ttp://akm.cx/2d2/img/5278.jpg
798名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/17 19:51:11 ID:NrZQRb43
>>767
イイデスネッ!
っていうか性格的にはキノの旅のキノみたいなのでいいんですか? エイトたん。
799名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/17 19:53:03 ID:NrZQRb43
ミス。>>797さんへです。
800797:05/02/17 22:39:36 ID:zXIJGWLR
800get!
>>798
レスありがとうございます。キノは新解釈かも。
私的にエイトはどんどんいろんなことに首突っ込んでいくイメージがあります。
そういえば、ここの方々はどんな感じに女エイトの性格を設定してるんでしょうか。
やっぱり天然かわいい系だったりするのかな