再会 → 反乱軍のテーマ

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69名前が無い@ただの名無しのようだ
「フリオニール、貴方にだけ話があるの…」
彼女は今まで彼が見たことのない――
まるで、なにかに酔っているかのような表情で、はっきりとそう告げた。

…フリオニールは耳を疑った。
というより、王女が何を言っているのかもあまりよく理解できずに。
ぽかんと大きく口を開け、間の抜けた顔のまま硬直してしまった。

「…フリオ。 ……私たち、外に出てるわね」
マリアが複雑そうな声でそう言ったけれども、フリオニールの耳には都合よくも入らない。
マリアはため息をつきながら、しぶるレイラの手を引き、その寝室を部屋を後にした。
つまり、今寝室にいるのはフリオニールとヒルダの二人だけ…になった。

「フリオニール?…ふふ、いつまでそうしてるの?」
フリオニールははっとしてヒルダを見た。
彼女は、先ほどと同じようにベッドの上に腰掛けたまま、
どうしたらいいかわからずにただおどおどしている彼を上目遣いに見上げた。
誘惑の眼差しで。

(…む、胸が見えそうだ…)
フリオニールはたかぶる気持ちを抑えるように、その眼差しから目をそらした。
けれども、当のヒルダはそれを気にする様子もなく――ただ、甘い声で言った。
「フリオニール…。 …… もっと、そばに来て…」

その言葉に、フリオニールはさらに紅潮した顔で、またヒルダを凝視する。
「お、王女…そんな」
(――う、うそだろ? だって、俺は…)
「…ふふ、はやく来て」
(――だ、だめだ…こんなの)
70名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/05 03:27:38 ID:SiDOGDJz
ヒルダは動揺するフリオニールに微笑み、そのまま倒れこむように横になる。
よく手入れされたベッド、白いシーツの上に長いカールした髪が広がり
普段はあまり露出することのない、白く美しい足が太股のあたりまで露わになった。

――フリオニールはごくり、と生唾を飲むと――ふらふらとそのベッドへと近づいた。
――だめだ、とわかっていても。
――もう、たまらなかった。とまらなかった。

フリオニールは、横になっているヒルダにゆっくりと重なるように、
大きなベッドの上へと四つん這いになった。
ぎし、というベッドのきしむ音が、欲望を煽る。
ヒルダは、そんなフリオニールの青い目をのぞき込むように見つめながら、
紅潮した彼の頬へと優しく手を伸ばした。
びくっと、フリオニールの身体が震える。
「ふふ… …かわいいのね」
ヒルダは目を細めてそう囁くと、そのままその手を広くはない背中へと回した。
「フリオニール、焦らさないで」

そして、彼の中で何かが切れた。