アグリアス様に萌えるスレ Part16

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438ある信者の告白 ◆QjqnRqGxSY
先程まで夜叉のごとく私を破壊していた女性が、なんとひくひくと喉を震わせ涙を流していたのです。
「私は……私は……、ラムザに、ラムザに食べて、もらいたかったのに……」
聴衆はシンと静まり返り、彼女の咽び泣く声だけが響き、傷口からは血が流れていました。
青年はただ狼狽えているようですが、私には察しがつきました。
私の頭の下につぶれている、小さなケーキのことなのでしょう。
今はつぶれてしまっておりますが、もともと不器用な形だったそれは、おそらく……。
彼も私の後頭部についたクリームに気付いたようです。
「……すまない、馬鹿だな。馬鹿なんだ……私は………」
「そんなことっ!」
青年は立ち上がり、彼女を抱きすくめました。聴衆がどよめきます。
支えられていた手を離されて頭を強かに打ちつけた私は、今にも意識が遠のきそうです。
「アグリアスさん、あなたが、あなたがいてくれたから……ぼ、僕は……」
「…ラムザ…………」
そこで私の魂は、血の味と共に暗闇の中に落ちてゆきました。
気を失う寸前、聴衆のどよめきが一層高まったのを覚えております。


 そうして今朝、腫れ上がった顔をおさえながら、私は軋むベッドの中目覚めました。
あの後、意識を取り戻した私はなんとか家まで帰りついたものの、そのまま泥のように倒れました。
まったく災難な日でした。一寸先は闇と申しますが、いやはや世の中何があるか分からないものです。
しかし、今朝になって私はこうも思うのです。
もしも私ごとき凡夫の犠牲で、ひと組の恋人にささやかな幸せをもたらせるのだとしたら、
それはもう、私はもちろんのこと、私の神もまた望まれるところではありませんか。
雨戸を開けると、陽気は眩しく、街は輝いております。
あのお二人はどうしているでしょう。この美しい陽射しをどこかで浴びているのでしょうか。
質素な食事を済ませ、私は朝の礼拝のため教会へ赴きました。
昨日の怪我で、うっかりふらついてしまい、道で人にぶつかってしまいました。
相手は緑色のフードをかぶった女性で、謝ろうとしたらまず鼻に



 終