1 :
保:
2 :
保:04/10/14 16:31:36 ID:hmzI0OIe
3 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/14 16:42:50 ID:7cKF1xcX
お願い〜♪お願い〜♪
4 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/14 16:45:31 ID:mGXDWitl
新スレおめでとう
5 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/14 16:46:05 ID:IyBiy/e2
愛の戦士ワロタw
乙です、保さま
7 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/14 17:51:59 ID:878+OiNz
哀戦士・ピエールは絶対女
乙カレー
乙ピエール
復活するとは思わなかった
>>1
乙
乙ピー
とりあえず張り
5のピエール。鎧の下は絶対女。
しかも、フランス系ブロンドの幼女。
ピエールという名前は死んだ兄貴の名前で、
敵を討つために五歳にしてスライム珍走団内部へ。
暗殺により復讐を終えるも、
他の一団と共に主人公に強襲を受ける。
その中で主人公に兄の面影を見つけ、
慕情とも恋愛感ともつかぬ想いにより、
パーティーへ加わる。
なお、鎧と剣は固定式で、
レベルが上がると下のスライムの突進力が上がるため、
攻撃力も上がると思われる。
5のエミリー。頭巾の下は絶対女。
しかも、フランス系ブロンドの幼女。
エミリーという名前は死んだ兄貴の名前で、
敵を討つために五歳にして盗賊団内部へ。
暗殺により復讐を終えるも、
他の一団と共に主人公に強襲を受ける。
その中で主人公に兄の面影を見つけ、
慕情とも恋愛感ともつかぬ想いにより、
パーティーへ加わる。
なお、頭巾と斧は固定式で、
レベルが上がると外の人の突進力が上がるため、
攻撃力も上がると思われる。
16 :
ド:04/10/15 01:02:17 ID:2LM5BUWb
5のサイモン。鎧の下は絶対女。
しかも、英国系ブロンドの幼女。
サイモンという名前は死んだ兄貴の名前で、
敵を討つために五歳にして放浪騎士団内部へ。
紳士の決闘により復讐を終えるも、
他の師団と共に主人公に強襲を受ける。
その中で主人公に兄の面影を見つけ、
慕情とも恋愛感ともつかぬ想いにより、
パーティーへ加わる。
なお、盾と剣は固定式で、
レベルが上がると外の鎧の突進力が上がるため、
攻撃力も上がると思われる。
17 :
ド:04/10/15 01:03:52 ID:2LM5BUWb
・・・しまった、削る方間違えて上げてしまった・・・orz
仕方ない
バレついでに、保さん乙です
けんど、絵板主導で進んでるからこっちはどうしても過疎るね。
SSとか書ければいいんだけど文才ないからなあ・・・。
なにか…打開策が必要だと前スレから思ってた。
このままじゃ保守だけで1000を目指すことになりそう。
21 :
保:04/10/15 20:43:03 ID:N6mDJSQs
SSねぇ…自分も無理かなぁ〜。 職人さん降臨キボンヌ
とりあえず、即席でAAネタでも作ってみた
彡ミl"'ヽ /i ___ ニヤニヤ
{[i];二三} // 《======》
「 ̄~l j,j、// (・∀・ ) Ω
ヽ_,ノ_ } O` ⊂三三三》つ.§
, ' U ヽ>ヽ ノ,\,,.\,,│§
.{ ; ・∀・ } (_(__). §
`ー----ー'’
主人公「兜の下ってどうなってんの?
/゛`lミ彡 ___
; {;三ニ[i]}《======》
「 ̄~l ⊂(・∀・#)
ヽ_,ノ_ }⊂三三三》
, ' U ヽ>ノ\,,.\ヽ
.{ ; ・∀・(_(__).
`ー----ー'’
主人公「いいから見せろや、ゴルァ!!
22 :
保:04/10/15 20:44:22 ID:N6mDJSQs
(ノタ~ヾハヽ ___
从゚、 ゚*リ) /゛`l《======》.て
「 ̄⊂j,j {三ニ(゚Д゚ ;) て
ヽ_,ノ_ }  ̄⊂三三三》
, '<ノ U ヽ ノ\,,.\ヽ
.{ ; ;∀; .} .(_(__)
`ー----ー'’
___ ___,,,
《====(ノタ~ヾハヽ
*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(*´д从゚、 ゚*リ)゚・*:.。..。.:*・゜゚・*
《.三三 ⊂$(::).>
<;;;;::+: ノ::::+ノ
(___(__)
ルドマン「なんと 幼女が好きと申すか!?
そ それはいかん!
『出会い』
彼女は孤独だった。
しかし、最初からそうだったわけではない。
生まれてすぐに親を亡くしていたが、片寄せあって暮らした年の離れた兄がいた。
そのころの彼女は幸せだった。兄は彼女にとても優しかったから。
彼女が心から慕う兄は、ピエールという名の凄腕のスライムナイトだった。
魔王軍にあっては鬼神と呼ばれ、敵からも味方から恐れられていた。
だからだろうか、数年前に魔王軍内の革新派と保守派の間で内部抗争があったとき、
そのどちらにも与しようとしなかったピエールは双方からやっかまれて殺された。
彼は妹を凶刃から守って死んだ。「お前は強く生きろ」とだけ言い残して。
彼女がピエールを名乗り魔王軍に入ったのは、それからいくらもたたないうちのことだった。
魔王軍に入ったピエールはめきめきと剣の腕を上げた。その姿には鬼気迫るものがあった。
それもそのはず、彼女の目的は仇を討つことだったからだ。
仇を討つために感情を殺し、性別も捨てた。
そのかいあってか、ピエールは兄を死に追いやったのと同じ暗殺という手段によって見事に仇討ちを果たした。
仇敵の血に塗れた手を見て、感情を押し殺したまま冷たく笑う。
ピエールは兄を思って微笑もうとしたのだが、もう自然に笑うことは出来なくなっていた。
仲間を殺したピエールにはすぐに追っ手がかかった。
魔王軍を一人抜け、愛スライムとともに野山を昼夜を問わず駆け抜けた。
向かってくるものは切り捨て、あてどなくただただ逃げ続けた。
ラインハット城の近くまで逃げ延びたとき、とうとう彼女はあまりの疲労と空腹に意識を失って倒れ伏した。
25 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/15 22:42:32 ID:arnTlrYc
「ねーねー、○○○○(←あなたの名前を入れてください」
「どうした、スラリン?」
スライムの呼びかけに、青いターバンの青年が足を止める。
「こんなところにスライムナイトが倒れてるよ。死んでるのかな。ぷるぷる。」
ターバンの青年は無言のまま、スライムが見つめる方向に歩いていった。
するとそこにはスライムの言うとおり、スライムナイトが倒れている。
青年が手を差し伸べ、脈を図ろうとするとそのスライムナイトはばっと飛び起きた。
瞬時に剣を抜き放ち、青年の首筋にぴったりと押し当てた。
青年は何かを言おうとしたが、それを押しとどめるように切っ先をさらに首筋に押し付ける。
その時、ピエールはふと青いターバンの青年と目があった。
切っ先を首筋に押し当てられ、いつ殺されてもおかしくない状況の中で青年はピエールに微笑みかけていた。
その中に懐かしい何かを見つけたピエールはもう剣を振るうことは出来なかった。
急にちからがはいらなくなって取り落とした剣が、石とぶつかって甲高い音をたてた。
ターバンの青年は優しく両手を背中に回すが、ピエールはもう抵抗できない。
青年はピエールのガラス細工のように繊細なピエールの体をそっと抱きしめた。
ピエールの視界は涙でゆがみ、殺していたはずの感情が津波となって押し寄せてくる。
彼女は孤独だった。だが、今は違う。
久方ぶりに暖かく大きな優しさに身を預けたピエールの頬に一筋の涙が伝っていた。
とここまで書いて自分の文才に絶望を覚えましたマル
26 :
前205:04/10/15 22:47:45 ID:uU9M4o2A
27 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/15 23:38:03 ID:wJvBXDdM
下ネタでもOKですか?>ピエール
セイバーたん避難スレですか?
30 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/16 12:55:06 ID:RtMnQvn9
このスレエロすぎ。妄想されても仕方…
そうでもないと思うけど。
今のところエロSSは一つも無いし。
物凄い良スレ
36 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/17 12:28:37 ID:JWbmc2XR
活性化祈願age。
37 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/17 14:46:21 ID:ncy06235
スライムナイトの上の人はオナニーをしている
ヘェー
絵板エチー
39 :
保:04/10/18 19:51:35 ID:/KgeGmXf
がんがって、スレ専属のAA職人になろうかなぁー…
↓試作品 中サイズピエール
∧ f´,ミ彡
| | r''∪ヽ
| | {=三=}
モェヽ.♀ノ.「 ̄l
ゝ.人,'ノヽ_ノ
6´ じヽ
( ,,・ ∀ ・,, )
`ー─―−'
(゚д゚)ウマー
41 :
ド:04/10/20 04:29:30 ID:gZmTBlek
42 :
保:04/10/20 12:56:38 ID:y0VaUK7J
>>41 うーん、元ネタわかんない(つД`) とりあえず、ありがたく貰っていきます。
勝手に作ってスマソですが、133さんの絵をAA化してみた↓
./:::/\:::ヽ::ヾ::kミ::::k'j
l |:::.|ー^'k-whヽ彡ノ::::,!
.| |:/k{ッ. f{llッ`||h.lノ.!::::|
..| ゙!::|~',、 ~~ iア″ l::::|
! l ゙'ゝ、_ / Zー-、ヽ:l
l .| .r')\|/´.ト、 .`l 'ヽ
.!. | _`kイ | ゙l;;;''y...ノ `' !ュ_.
| ! |┌,ニニ ̄-- ┐|| 人 /;;;;;; !
.| ! || l ' | v | ヤイ'゙`~k;;;;;i/.l、
..| l l .! ./ヽ. | ト-ーヾ';;;/゙ン"ー、_
|.ゝl | ./ ヽ、 | |::::: , イ/ヽ\、__ `'-,
=ニ'彡 レ 。 ・ ノ ! |イ彡ノヽミl人f→:-' "
)E| lゝ--― '" ! l´;;;;;;;;;;;ノ .`-.
./ l l v | ,iリ ;;;;;;;;,./ ヽ
./ ヽ\⊥..ノ./;;;;;;゙;;;イ、 ヽ
! ヽ `ン " ~<〆"´::ヽ ヽ
.| Ο Ο ヽ...:::::::: `、 !
| ヽ..:::::::::`ゝ |
43 :
保:04/10/20 18:42:58 ID:b/zmj55u
ちょっと修正
./:::/\:::ヽ::ヾ::kミ::::k'j
l |:::.|ー^'k-whヽ彡ノ::::,!
.| |:/k{ッ. f{llッ`||h.lノ.!::::|
..| ゙!::|~',、 ~~ iア″ l::::|
! l ゙'ゝ、_ / Zー-、ヽ:l
l .| .r')\|/´.ト、 `! 'ヽ
.!. | _<kイ | ゙l;;;''y...ノ `' !ュ_.
| ! |┌,ニニ ̄-- ┐|| .人 ./;;;;;; !
.| ! || l ' | v | ヤイ'゙`~k;;;;;i/.l、
..| l l .! ./ヽ. | |_,>=ヾ';;;/゙ン"ー、_
|.ゝl | ./_ ,、ヽ、.| |:::::::::, イ入、__. `ャ:
=ニ'彡'レ `' ` ノ ! |イ彡ノ从,λf→:-'"
)E| lゝ--― '" ! l´;;;;;;;;;;;;,ノ `-、
./ l l v | ,iリ ;;;;;;;;,,./ ヽ
./ ヽ\⊥..ノ./;;;;;;゙;;;;,イ、 ヽ
! ヽ `ン " ~<〆"´::ヽ ヽ
.| Ο Ο ヽ...:::::::: `、 !
| ヽ..:::::::::`ゝ |
相変わらず、人居ないなぁ・・・ (´・ω:;.:...
44 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/20 19:03:18 ID:I+IGw86D
>>43 AAウンマーイ
ってか、ほんと人いないですね。
(・∀・)イイ!!
ヘンリー王子が帰ってきてからというもの、ラインハットにはかつてないほど平和な時間が流れていた。
かつて偽太后により、その力で人々を恐怖させ大地を血に染めたラインハット兵団は
侵攻のためではなく、国土のモンスター排除にのみ徹底された。
おかげで治安の確保は城下町だけではなく、ほぼ国土全域に及んでいた。
それは国民の居住可能区域の拡大につながり、さらに農業生産量の拡大にもつながった。
おかげで人々は、なにを恐れるでもなく、自由に暮らしていた。
しかし、国王コリンズには一つだけ不安があった。
もはや誰もが存在を忘れつつある、北東の遺跡である。
半年前、遺跡に向かわせた調査団は未だ帰ってはこない。誰一人…。
国王はまだ知らない…棲む場所を追いやられたモンスターがどこに潜んでいるのか。
人々はまだ知らない…平和の裏にある犠牲を。彼らの反対に位置する者たちの犠牲を。
反撃の狼煙が上がる。
47 :
133:04/10/20 23:02:18 ID:QBPnxqG4
>>43 うわっ!
ありがとうございます
AA上手いなぁ。
>>47 いやぁ、どうもです。
自分の絵だとどうしても手を抜いてしまうんで、使わせてもらいました。
AA作るの慣れたら、AA作成依頼でも承ろうかなーとか思ってるんですが、
需要あるんだろーか…?
49 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/23 01:28:29 ID:1cdTOWoI
age
8には出ないかな・・・。
>>50 出るよ。
スカウトもできる。愛の戦士ピエール
ところでずっと気になってたんだが
>>14-16の文章には元ネタがあるの?
54 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/26 19:48:01 ID:VRbDS/ky
マジレスするとピエールは絶対男
お絵かき板なくなってるorz
205です。
暫く来てない内に
絵板に神絵が多く追加されてて
あまりの神々しさに吃驚…w
皆様全員ネ申だ(*´∀`*)
>55
えー、見れますけど(´・∀・)?
58 :
133:04/10/27 21:34:27 ID:TRL8vD+Q
ってか、今気付いたが保管庫が・・・!
保の人ですが…諸々の事情で精神不安定になってしまい、HPふっ飛ばしてしまいました。
申し訳ない…PCのデータも消してしまったので、復元できないです。
今は少し落ち着いたものの、運営する気力や信用を無くしてしまったので、このまま引退します。
とりあえず、石でも投げつけて盛大に追い出してやってください。
ご迷惑をおかけしました。
>>60 そういうことでしたか・・・
残念ですけど仕方ないですね。
保管庫の運営などほんとうにお疲れ様でした。
お疲れ様でした。
保さんにはすごく感謝してますよ。
ある意味ボランティアでやっててくれたんですから。
また暇な時にでも絵板に顔出してくださいね。
63 :
205:04/10/29 23:27:35 ID:qUEVeG5q
>60
そうですか…
今までお疲れ様でした。
そして有難う御座いました。
さわやかな風とともに、草原の中を走る街道を馬車に揺られながら進んでいると、遠くに街が見えた。遠目からでもわかる巨大な城が、あの街はラインハットだということを示している。
「本当に帰ってこれたんだな」
ヘンリーが周囲の色と同じ鮮やかな緑の髪を風にさらしながら、ポツリとつぶやいた。そのまま立ち止まってしまい足を動かす気配がない。
複雑な表情の相棒に、リュカは何も言うことができず、ただ手にした杖を握り締めた。
パトリシアが歩みを止めた人間たちをいぶかしむように首を振り、いなないた。
ラインハットへ向かう途中、リュカとヘンリーはさまざまな情報を得た。奴隷として世間から隔絶されていた時間を埋めるために、様々な話を聞いたのだが、一番驚いたのはラインハットの変わりようだった。
先王が崩御してから、王妃の人が変わったような悪政により、国の荒廃は目を覆わんばかりだという。
母国のひどい噂を聞いたヘンリーは強がっていたものの、時折見せる悲痛な表情はリュカにもつらい思いをさせていた。
「行こう。そのためにここまで来たんだからな」
「うん。君の国を救わないと」
悩みを振り払うように言ったヘンリーに向かって、リュカも力強く頷いてみせる。
それでも、やはり街が、城が近づくほどにヘンリーの口数は少なくなっていった。
突然、パトリシアが大きくいなないた。と、同時に街道の左右の森からいくつかの影が飛び出してきた。魔物が襲ってきたのである。
視界の隅をかすめたゼリー状の塊から、ヘンリーはモンスターにスライムがいると判断した。
「リュカ! スライムがいる、敵はたいしたことがないぞ」
一般に、モンスターは人間を襲う場合、同じ程度の力量を持つもの同士で徒党を組む。ヘンリーの言葉はその常識から判断したものだった。
「愚か者めっ!」
リュカの声ではない、甲高い子供のような声が聞こえてきた。意表をつかれたヘンリーは、思わずそちらを凝視する。
「な、なんだぁ? スライムが人形乗っけてるのか?」
「いや、どうやら小さな魔族みたいだけど……」
ひそひそとリュカとヘンリーが敵の様子を窺う。奇妙なモンスターと一緒にいるダンスニードルともアウルベアーとも戦ったことはあるが、この奇妙な敵と出会うのは初めてだった。
普通よりも一回り大きいスライムの上に、完全武装した騎士が乗馬よろしく乗っているのだ。
いつまでたってもかかってこない敵に焦れたのか、騎士が手にした剣を振りかざした。
「どうした人間めっ! 栄光あるスライムナイトの私に恐れをなしたかっ!」
「おい、あれスライムナイトっていうらしいぜ」
「そうみたいだね」
「なにをひそひそとやっている。かかってこないのならばこちらから行くぞ!」
スラムナイトはその名にふさわしく、巧みに騎乗しているスライムを操って突撃してきた。
それを機に、じりじりと馬車を囲んでいた他のモンスターも襲いかかってくる。
「リュカ、そいつはお前に任せた」
ヘンリーは言うが早いか、リュカの返事を待たずに、スライムナイト以外のモンスターを相手にし始めた。
「ちょっとヘンリー!」
スライムナイトの攻撃を杖で巧みにさばきながら、リュカが抗議したが、ヘンリーはこちらを振り向こうともしない。
「なかなかやるな人間」
「そっちこそ小さいわりになかなかの剣さばきだよ」
「小さいだと。騎士に対する侮辱かっ!」
リュカの言葉どおり、スライムナイトは力こそそれほどでないものの、その短いリーチを生かした回転の速い攻撃はなかなかのものだった。並みの冒険者ならばやられてしまっていたかもしれない。とはいえ、リュカを倒すまでには至らない。
自身の攻撃があたらないことに業を煮やしたのか、スライムナイトは大きく飛びのいて距離をとった。
「くそっ! どうして攻撃してこない」
「なんだが子供を相手にしてるみたいで」
苦笑するリュカの言葉がスライムナイトに火をつけた。
「きさまっ、これほどの屈辱を私に与えるとは……許さん! くらえイオっ!!」
スライムナイトの小さな手に魔力が集まっていくのをリュカが察知した瞬間、爆音とともに光がはじけとんだ。
一瞬で閃光が消え去るとスライムナイトは高らかに宣言した。
「騎士を侮辱した報いを思い知ったか」
「驚いたよ。まさかイオを使えるなんて」
戦闘中とは思えないのんきな声が背後で聞こえた。スライムナイトがあわてて振り向くと、そこには冷や汗を拭うリュカの姿があった。
「いつの間に……」
「君の負けだ。ほら、向こうも終わるところだ」
リュカの視線の先では、ちょうどヘンリーがモンスター達にとどめをさすところだった。
「イオラ!」
鋭く響く言葉のあとに、先ほどの自分のものよりはるかに大きな閃光を見たスライムナイトは自分たちの負けを知った。
「私一人でも戦うっ!」
がむしゃらに剣を振り回すスライムナイトに、リュカもあきらめたのか杖で応戦し始める。
数合打ち合ったのち、リュカの杖が鋭くひらめき、スライムナイトの剣と、兜が宙を舞った。
「……私の負けだ。殺せ」
リュカがうなだれるスライムナイトを困ったように見ていると、ヘンリーが剣を納めながらやってきた。
「なにやってるんだリュカ」
「いや、どうしたものかと思って」
「どうしたもこうしたも、相手は魔族なんだぞ」
「それはそうかもしれないけど」
ヘンリーにもリュカがためらう理由がよくわかった。
二人の目の前にうなだれているのは金髪の幼い少女だったからだ。
とがった耳と、荒く息をつく口の隙間から見える鋭い牙が、少女を人間ではない、魔族なのだと認識させるが、それを除けばなんら人間と変わらない。
それどころか、魔族の少女はこのままいけば間違いなくとびきりの美人になると思われる、すべすべとした白い肌と、見惚れるような端正な顔立ちの持ち主だった。
そのとき、辺りにくすぶっている煙を吹き消すように一陣の風が吹いた。肩までにきれいに切りそろえられた魔族の少女の金髪がさらさらと揺れ、よけいに二人の躊躇を大きくする。
困惑する二人を鋭くにらみつけると、スライムナイトが口を開いた。
「どうした。早くとどめをさすがいい」
「どうしよう?」
「俺に聞かれてもこまるぜ、リュカ」
「そうだ、君も僕たちの仲間にならないかい」
突拍子もないことを言い出したリュカを、スライムナイトはぽかんと口を開けて見上げる。
「またお前の病気がはじまった」
ヘンリーがわざとらしく肩をすくめ笑った。
スライムナイトは事態についていけず、きょろきょろと二人を見回した。
「どうかな? 僕たちの旅に一緒に来てくれないかな」
「な、なにを言いだすのだ貴様は。私は魔族で、お前は人間だろう」
「でも僕と君はほとんど違わないよ」
「無茶を言うなっ!」
「ほらな、無理だって」
ヘンリーがちゃちゃを入れるも、リュカは相手をせずに言葉を続ける。
「それに、ほかのモンスターはともかく、僕には君が好きで僕たちを襲ったようには見えない。なにか事情があるのなら、教えてほしい。助けになれるかもしれない」
スライムナイトはどきりとした。自分の身の上を見抜かれたような気がしたからだ。
騎士になる前は、人間といえども殺すのは嫌だった。
それが、幼い少女の身でスライムナイトとなったのは、魔族の抗争に巻き込まれ、薄汚い罠にはめられ死んだ兄のかわりに汚名を晴らすためだった。
魔族の軍団に入ったのもそのためだった。
だが、先ごろ、兄を謀殺した魔族によって家名の取り潰しが決まった。
スライムナイトは目的を失い、半ばやけくそになって人間を襲ったのだ。
黙ったままでいるスライムナイトをどう思っているのか、リュカはさらにしゃべり続けた。
「よし、それじゃあこうしよう。君を殺すかわりに僕の言うことを聞いてもらう。僕の望みは当然仲間になってくれ、だ」
「もうあきらめろよリュカ。みんながみんなスラリンたちみたいにはいかないさ」
ヘンリーの声がぼんやりと、スライムナイトの耳に届いた。
スライムの名前? なぜ人間の口からスライムの名前などが……。
疑問が顔に出たのだろう。ヘンリーがそれに答えてくれた。
「こいつはさ、不思議なやつでスライムとか、ドラゴンキッズなんかを仲間にしてるんだよ。そいつらは今、モンスター爺さんのところで人間社会の常識について勉強してるところだ。何日かしたら引取りにいくことになってる」
「まさか! モンスターが人間になつくなんて」
「そのまさかなんだよ。こいつは変なやつなんだ」
にやりと笑うと、ヘンリーは誇らしげにリュカの肩を叩いた。
「どうしてもだめなら僕たちはもう行くよ。君を殺すことはできそうにないしね。どうだろう、一緒に来てくれないかい?」
先ほどと同じ言葉をリュカが繰り返した。
自身をじっと見つめる黒い、不思議な光を湛えた瞳を見ていると、スライムナイトは不思議に安らぎを覚えた。
人間相手にそんな感情を抱くのはなぜだろう。そう思ったときに、スライムナイトは気づいた。どこか死んだ兄と同じ雰囲気を、この人間は持っているのだ。姿かたちが似ているわけでもないのに。
リュカの瞳を見ていると、とげとげしかった心が次第に落ち着き、吸い込まれそうになっていく。
陶然としていた自分に気づき、スライムナイトは頬を染めた。
「……わかった。ついていこう」
その言葉にヘンリーが少し驚いた顔をしたが、自分の口から出た言葉に一番驚いたのはスライムナイト自身だった。
勝手に、口が動いていく。
「お前に、いや、あなたに私の剣をささげよう」
そう言うと、スライムナイトは跳ね飛ばされた剣を拾い、リュカの前に捧げるようにしてひざまずいた。
突然の展開にうろたえるリュカに、ヘンリーが王族らしくアドバイスをする。
「そういうときは許すって言えばいいんだ」
「わ、わかった。……許す」
多少ぎこちないながら、誓いの儀式が終わった。
リュカがスライムナイトに手を差し伸べる。
「仲間になれて嬉しいよ。これからはよろしく」
にっこり微笑まれた幼いスライムナイトは、顔を真っ赤にしてそれに応えた。
スライムナイトが握った手は暖かかった。
「ところで、君の名前はなんていうの?」
「ピエールだ」
「ピエール?」
ヘンリーとリュカが同時に繰り返した。
「騎士になるときに女の名は捨てた。かわりに尊敬する兄の名をもらったのだ」
「そうなのか。……よし、それじゃあ改めて、よろしくピエール! さあラインハットに向かおう!」
リュカの号令によって一行は、戦闘によってそれてしまった街道に戻ることとなった。
街道沿いに置いてきた馬車へ向かう途中、リュカがピエールに向かって微笑んだ。
「どんな事情があるのかはわからないけれど、そのうち、いつかでいいから、本当の名前を教えてもらえたら嬉しい」
自分にだけ聞こえるようにささやかれたリュカの言葉は、ピエールの耳にとても優しい響きとして届いた。
兄が死んでから初めて、ピエールは心に暖かいなにかを感じた。
そして、なぜかどきどきしてリュカの顔を見ていられなかったピエールは、すでにパトリシアの手綱を握っていたヘンリーのもとへ駆け出した。
さっそく新しい仲間に話しかけているヘンリーがリュカに見えた。翠緑と金が寄り添う姿がひどくほほえましい。
「おい、お前小さいくせにそのしゃべり方なんとかならないのか?」
「黙れ、貴様のような者にうんぬんされる筋合いはない」
「なにぃ。これでも俺はラインハットの王族だぞ」
「貴様のようなものが王族とは片腹痛い」
軽妙な二人の掛け合いと、緑豊かな街道を背景に、馬車はラインハットへ進む。
これが後に、グランバニアを守護する美貌の女騎士と称えられることになるピエールと、グランバニア王リュカの出会いであった。
ピエールの設定を見たら、主人公との出会いのシーンが頭に浮かんで、
思わず書いてしまった。
こんなのピエールじゃないという人にはすまんかった。
「思わず書いてしまう」レベルじゃないよ!
凄いよアンタ!最高だよ!もうピエールタソ(*´д`*)ハァハァ
意外と厳しい口調のピエールタソ(*´д`*)ハァハァ
…あんな絵を描いてしまった自分が恥ずかしくなってきたよ(´・ω・`)
>>64-
>>70 ∩
( ⌒) ∩_ _ グッジョブ!!
/,. ノ i .,,E)
/ /" / /"
_n グッジョブ!! / / _、_ ,/ ノ'
( l _、 _ / / ,_ノ` )/ / _、_ グッジョブ!!
\ \ ( <_,` )( / ( ,_ノ` ) n
ヽ___ ̄ ̄ ノ ヽ |  ̄ \ ( E)
/ / \ ヽ フ / ヽ ヽ_//
美貌の女騎士・・・GJ
ずっと疑問だったんだよ!
Vの主人公は
モンスターどもに囲まれて、女っ気ゼロの旅を
(何かヘンリーはマリアに惚れてるらしいから気まずいし)
サラボナの結婚イベントまでよく発狂せずに続けられたなぁ…
と思っていたのに!こういうことだったのか!ちくしょう!
ビアンカ・フローラとの三角関係が気になります。
Vの再プレイやりたくなってきた…
主人公とピエールたんだけでクリアしてみるか
リクしてもいい??
>>77 SS、それともイラスト?
どちらにしろ、ダメもとでリクしてみてはどうだろう。
79 :
64:04/11/02 01:17:35 ID:XFCBuJCm
住人の皆さん好意的な感想ありがとうございます。
リクについてですが、SSのほうなら、
そのシチュで妄想が浮かべばできるかぎりがんばりますが。
絵でも誰かしら描いてくれるでしょう。
ここの絵師さんはノリ良いですし(最近過疎化してるけど)
とりあえずリクしてみたら?
81 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/02 22:40:52 ID:vWyWRaIP
あげとく
SS投稿したかったのにageられちゃった……。
>>82 ごめんなさい。ほんと、ごめんなさい。
あまりに下がってたのでさびしかったんだよう。
このすれはえろいですね
補修?
>>1 ピエールは男ですが何か?
女騎士なんて居ませんが何か?
88 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/10 18:03:53 ID:fvR2hgBo
保守
89 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/10 18:07:24 ID:K50vzFKU
保守する必要なんてあるのかと
ウィッチレディのロリ画像キボンヌ。
91 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/12 15:39:13 ID:Xt3TP3K/
自分で探せ
∧ f´,ミ彡
| | r''∪ヽ
| | {=三=}
モェヽ.♀ノ.「 ̄l
ゝ.人,'ノヽ_ノ
6´ じヽ
( ,,・ ∀ ・,, ) ←ピエール
`ー─―−'
といってみる
>>90 どこかのサイトに貼っていたもの。
//
/ 、/ .○
| | ||
_/====|_ ||
<´((( )))`||>
∩( ´∀` )∩
(;;) .`=@= (;;)
Y Y
.(ヽヾー - - ノ/)
ヽ) ` ̄ ̄~ (/
腐女子どもがピエールになりきって、リュカとハァハァするスレかよ
お前らの邪な欲望はモルボル並だな
マーリンも実は老婆の仮面をかぶった美少女だったり?
ほしゅ
このまま消え失せていくんかのう…このスレも
保守
, |!
|.|彡ミ}"'ヽ
_| | [i]-{〒}
O匸 ,j_j ̄l
,;'-==]、,,ノ
く/ >^ 、')
,;'`J ヽ
{ ;・∀・}
`ー---ー’
\ r'"^{ミヾ
\ {〒}-[i]巛
´Ol,j_,|~ ̄~|
[-,ヽ_,,ノ
('ノ^< ヽ〉
,;' し' 、
{,・∀・ ; .}
`ー---ー’
普通のスライムに乗せるのはきついと思うので
, |!
|.|彡ミ}"'ヽ
_| | [i]-{〒}
O匸 ,j_j ̄l
,;'-==]、,,ノ
く/ > ^ 、
,;''丶) \
{ ・∀・.}
ヽ、 _,ノ
^"~”^
\ r'"^{ミヾ
\ {〒}-[i]巛
´Ol,j_,|~ ̄~|
,,[-,ヽ_,,ノ
,ノ < ヽ〉
,;' し'.\
{ ・∀・ }
ヽ、 _,ノ
^"~”^
少し大きめのスライムに乗せてみる
,,、
ノ' ヽ
,;' \
{ ・∀・ }
ヽ、 _,ノ
^"~”^
比較
ノ^ 、
,;' ヽ
{, ・∀・}
`ー---ー’
彡ミ}"'ヽ
川[i]-{〒}
匸 , ,j_j__
、Oj-,=] O ,|
/`く/l,_l〉_,ノ
/ し`J
ノミキ;シヾ
リ ミ ゚ー゚)ヽ
,;" V )〒}
O }ー=,{ O"
l i l
し`J
分離型
年末までにこれで何かかけるといいなと思ってたり
, |!
|.|彡ミ}"'ヽ
_| | [i]-{〒}
O匸 ,j_j ̄l
,;'-==]、,,ノ
く/ > ^ 、
,;''丶) \
{ ・∀・.}
ヽ、 _,ノ
^"~”^
\ r'"^{ミヾ
\ {〒}-[i]巛
´Ol,j_,|~ ̄~|
,,[-,ヽ_,,ノ
,ノ < ヽ〉
,;' し'.\
{ ・∀・ }
ヽ、 _,ノ
^"~”^
,,、
ノ' ヽ
,;' \
{ ・∀・ }
ヽ、 _,ノ
^"~”^
ずれたorz
ドラクエ8のラスボス強すぎ!!!なんだよ四回攻撃って
パソコン何でも相談室
パソコン何でも相談室
だ、ダメだ!
落ちてしまう!!!なんとかせいッ!!!!!
8で愛の戦士ピエールに会いますた
109 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/29 19:36:50 ID:Jt/wc7nM
怒れる神の像・アポロンは絶対女
スライムが本体で、上の鎧着た戦士は、
かたつむりのカラのようなもんだろ?
幽波紋です。
8の図鑑によるとスライムを守ってあげたくて上に乗ってるそうだ
113 :
ピエール撲滅委員会:04/12/05 18:19:30 ID:dp0O28HP
スライムナイトは音古です
DQ8でスカモンのスライムナイトは「愛の戦士ピエール」
という通称になっとるが、偶然の一致?
いや、前情報でそれが出た後にこのスレ立ったから
どっかで見たけど、
スライムナイトはスライムから上の部分が生えてきて進化するって設定なんでしょ?
(生える時の激痛で大半は死んでしまうって見た希ガス)
つまりピエールの中身もスライムなんじゃないの?
117 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/10 00:03:38 ID:vbba3oCB
彡ミl"'ヽ /i
{[i]二三} //
「 ̄~l j,j、//
ヽ_,ノ_ } O`
, ' U ヽ>ヽ
((( { ・∀・ }
`ー----ー'’
彡ミl"'ヽ /i
{[i]二三} //
「 ̄~l j,j、//
ヽ_,ノ_ } O` 人
, ' U ヽ>ヽ ( ) ウンコー
((( { ・∀・ } ヽ(・∀・)ノ
`ー----ー'’ (___)
彡ミl"'ヽ /i
{[i]二三} //
人 「 ̄~l j,j、//
/ \ ヽ_,ノ_ } O`
, ' ヽ ( U .)
((( { ・∀・ } (・∀・)ノ
`ー----ー’(___)
彡ミl"'ヽ /i
{[i]二三} //
人 「 ̄~l j,j、//
/ \ エ? ヽ_,ノ_ } O`
, ' ヽ ( U .)
.{ ; ・∀・ } ((( ( ・∀・)
`ー----ー’ (___)
118 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/10 00:04:56 ID:vbba3oCB
彡ミl"'ヽ /i
{[i]二三} // 。oO(なんか変だな)
「 ̄~l j,j、//
ヽ_,ノ_ } O`
( U .)
((( ( ・∀・)
(_____)
ん?
彡ミl"'ヽ /i
{[i]二三} //
「 ̄~l j,j、//
ヽ_,ノ_ } O`
( U .)
((( ( ・∀・)
(_____)
人_ノし、_人_ノし、_人_ノし、_人_ノし、_人_ノし
ノ ーーっ '、_
`) ├'´ ――――――――!!! (´
`) ノ (´
⌒VY⌒VY⌒VY⌒VY⌒VY⌒VY⌒VY´
そ
彡ミl"'ヽて . /i
{[i]二三} //
「 ̄~l j,j、//
ヽ_,ノ_ } O`
( U .)Σ
( ・∀・)そ
(_____)
119 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/10 00:06:02 ID:vbba3oCB
彡ミl'/iヽ
{[i]//三}_
匸// j,j E |
ヽO` }、_,ノ
(ク U . )
((( ( ・∀・) <ウンコー
(_____)
/|
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄
| 剣持つ手が逆だった。
\________
120 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/10 04:07:58 ID:6kh2EqOB
わらた
ヲ−イ
はーい
エンディングでピエールは照れているとか言っていたから女の子だろうな。
(討伐モンスターリストより抜粋)
仲良しのスライムたちがいじめられているのに腹を立て
スライムを守ろうとした決意した。勇気あるモンスターなのだ。
>>117-119www
126 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/21 14:13:45 ID:GF1IPrEF
終了
させるか〜
あけおめ〜
よーっし。
ヒマなんでピエールと共にもう一度DQ5やり直します。
ビアンカもフローラも糞食らえ。二人旅じゃあ。
ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
考えても考えてもこのスレが盛り上がるアイディアが浮かばん!!!!!
とりあえず、何か思いつくまではピエールに萌えとこうぜ。
絵板はそれなりに進んでるんだけどねえ。
132 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/05 09:56:00 ID:+5U9jjzO
起死回生祈願age
133 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/05 10:04:47 ID:xnGhvfxn
おっしゃおっしゃ
雑じれ酢すると上のナイトは
下のスライムの武器もしくは体の一部らしい
135 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/06 23:31:38 ID:Vpp6c3vx
>>1 モンスターズ以外のピエールは男だから
解る?
136 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/06 23:50:21 ID:5G2g8AGX
>>134 らしいね。俺はいまいち納得できない設定だ。
5だとたしか上がジャンプしてスライムから切り離されていたような
8では上と下別々らしいよ
というより上下1体なのは、組センセの小説とモンスターズでだけ。
139 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/07 00:06:31 ID:qU4hkDIj
>>138 あ、そうなんだ。上下一体はモンスターズの攻略本で見たけど、
モンスターズだけが上下一体てのはなんかソースあんの?
>>139 ・5〜7の公式ガイドブックではすべて「スライムに乗った騎士」。4コマ漫画等でも上下別。
集英社版のイラスト集「ドラゴンクエストモンスターズ」(ややこしい)でもしっかり魔族がスライムにまたがっている式。
・6、7、PS5、8は、ゲーム中のリアクションでハッキリ分かる。
微小時間内で二体分裂できるというなら別だが、そう無理に考えなければならない理由もない。
配合システムなど、一体の魔物でなければ支障をきたすDQM専用の設定だと思われる。
5が出る前に読んだなんかの雑誌説明では魔族の戦士だった
スライムに乗りすぎて歩くのは苦手とかそんな感じのこと書いてあった
142 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/07 21:50:13 ID:Q95V8/3I
ピエールはオナニー専用キャラ
143 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/12 00:16:15 ID:RCiIRvXK
オナニー専用キャラはピエール
ピエールが
, |!
|.|彡ミ}"'ヽ
_| | [i]-{〒} ←お好きな名前をどうぞ
O匸 ,j_j ̄l
,;'-==]、,,ノ
く/ > ^ 、
,;''丶) \
{ ・∀・.} ←ピエール
ヽ、 _,ノ
^"~”^
みんな生きてる?元気?
147 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/24 03:01:44 ID:lPn/G+lS
148 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/24 06:14:46 ID:4NyRrKO4
ピエールの口調
・侍口調(小説や4コマなど)
・「そりゃっ!うりゃっ!」(PS2版X)
・「〜すらー」(携帯版DQM)
あとは?
俺も前々からピエールの奴だけは絶対女だと睨んでた
同士が見つかって嬉しい
性別などない
もうここには誰もいないんだよ…133も160も205も保も…。
みんないなくなっちまった…。
このスレももう消えていくべきなんだ…彼らの思い出とともに。
久し振りにお絵かき掲示板に行こうとしたら404…
いつのまに…
>>151 一応定期的には覗いてはいるんですけどね…まぁ、ほんと見守ってるだけな感じです。
>>152 見れますよー。
|∀・)ヨシ ダレモイナイ・・・トウコウスルナライマノウチ
「貴様はリュカを、リュカを裏切るのか!」
偽太后の招待を見破り、それを撃破したのが、幼いころに行方不明となっていたヘンリー皇子であるというニュースは瞬く間にラインハットに広まり、城の中から城下町まで、いたるところでお祭り騒ぎが起きていた夜。
これからのラインハットの行く末を予感させるように、明るく希望に満ちている城内で、他とはまるで違う、重苦しい雰囲気の場所があった。
そこはかつてヘンリーが子供時代に使用していた部屋だった。
二つの人影がある。
一つはヘンリー、かつての部屋の主。
そしてもう一つはスライムナイトのピエール。男の名前であるが、ピエール自身は金髪の可愛らしい少女である。
そのピエールが今にもヘンリーにつかみかからんばかりに小さな拳を握り締めている。
ヘンリーが肩をすくめた。
「裏切るもなにも、これはリュカだって承知してることだろ」
「私はそういうことを言っているのではない!」
再びピエールが怒鳴った。
それには応えず、ヘンリーは少女の横を通り、かつての自分の机の前に向かった。
ゆっくりと、机を撫でる。まるでなにかを確かめるように。
「貴様っ! なにか言えっ」
ヘンリーが振り返り、緑の髪がゆれる。
「ここは俺とリュカが初めて会った場所なんだ」
ごまかすつもりかと思ったのだが、予想外に真剣なヘンリーの表情にピエールは口をつぐんだ。
「いろいろあったけどまたここに帰ってこれた。そしたらさ、わかったんだ。俺はもうリュカと一緒には行けない」
悲しそうな瞳でヘンリーはピエールを見つめた。
「俺だってまだまだリュカと一緒に旅をしていたいさ。けどな、ラインハットに帰ってきてわかっちまったんだ。
俺はこの国の王子だった。そして、今は弟が王をやってる。俺はここで……することが、しなくちゃいけないことがある。
ラインハットを支えるってことだ。これは俺にしかできない」
「それならもう……リュカを助けなくていいと言うのか!」
「それはもう別のやつがやってくれる」
「だれがそんなことをできるのだ。リュカがお前ほど信頼しているものを私は他に知らん」
にやりとヘンリーが笑った。なにかしかけようとする前の、不適な顔だ。
「いるさ。ピエールお前だよ」
「からかうのはよせ!」
「珍しくまじめに言ってるんだぜ? まだ短い付き合いだけどわかったんだ。お前なら俺のかわりにリュカを助けてやれるってな」
「それでもっ!」
「これ以上言うなよ? 俺だってつらいんだぜ」
ヘンリーが口の端を吊り上げる。
むりやりに笑ったその顔は、ただ泣いているよりもつらく見えた。
「……わかった」
ピエールが静かに返事をする。
「おい、手を出せよ」
言われるままにピエールが手をだすと、ぱちんと勢いよく叩かれた。
「バトンタッチだ。リュカの相棒役のな」
こんどは恋女房になるのかな。そりゃまだ早いか? 軽口をたたくと、ヘンリーはひらひらと手を振って部屋を出て行った。
ぱしゃっ。
ぼんやりしているうちに噴水に近づきすぎたらしい。顔に水滴がかかった。
我に返ると途端に夜風の冷たさが肌を刺しだす。
わずかに身震いすると、ピエールはリュカが止まっている宿を振り返った。
真円に少し足りない月がリュカのいるであろう屋根を照らしている。
今頃は寝ているのだろうか、それとも結婚相手について思い悩んでいるのだろか。
「ヘンリー。貴様から受け継いだリュカの相棒役はもうすぐ終わりそうだ」
ひとりごちると、噴水の水に手を浸す。
ひんやりとした感触がピエールの掌を伝って、心に染み渡るようだった。
この町にこなければ。
ルドマンが天空の武具など持っていなければ。
そうすればリュカと女たちが出会うことなどなかったのだろうか。
あのとき。初めてサラボナにやってきたとき。
リュカとフローラが楽しそうに話しているのを見て、なぜか胸がちくりと痛んだ。
青い髪のフローラと紫の衣服に身を包んだリュカはとてもお似合いに見えた。
天空の盾を得るために、フローラとリュカが結婚しなければならないことを知ったとき、再びちくりと胸が痛んだ。
水のリングを手に入れるために、洞窟へ向かう際、リュカは幼馴染のビアンカと再会した。
久しぶりに出会った二人はとても嬉しそうで、二人でいるのが当たり前に見えた。
喜ばしいことのはずなのに、私はなぜか胸が苦しかった。
そしてつい先ほど、ルドマンがリュカに結婚相手を選ぶように言ったとき、私は気づいた。
この胸の痛みがなんなのかを。
私はリュカに恋をしていたのだ。
それを知ったとき、息がつまり、立っていることすらできなくなった。
人間と魔族が結ばれるわけもないのに。
ルドマンは言った。二人のうちどちらかを選ぶがいい。
当然だ。私は三人目にはなれない。
ピエールは水面に移った自分を見つめた。
ショートカットの愛らしい少女がゆらめきながらこちらを見ている。
夜風が金髪をさらさらと撫でた。
ああ、私がもっと大人で美しければ。
もっとリュカと早くに出会っていれば。
いや……私が人間でさえあれば。
「ふふっ」
知らぬ間にでた自分の自嘲の笑いにピエールはびくりと身を震わせた。
「私は……」
「あれ? ピエールも眠れないのかい?」
もう少しでピエールは叫び声をあげるところだった。それをなんとかこらえ振り返る。
リュカがいた。おそらく明日のことを考えると眠れないのだろう。
「大変なことにまきこんじゃってすまないね」
「いえ、そんなことは」
リュカは大きく腕を伸ばし、夜の静かな空気を胸いっぱいに吸い込んだ。
「リュカは……もう決めているのですか?」
聞きたくない。知りたくない。そう思っているのに、勝手に口が動いた。
「結婚相手を」
単刀直入な質問に、リュカはやわらかくと微笑んで見せる。
「うん」
ピエールは全身から力が抜けていくような気がした。
「外に出て、この夜空を見たら決心がついたよ」
「そうですか。おめでとうございます」
「ありがとう」
ああ、私の役目は終わってしまった。
心のどこかでわめき叫ぶ自分をピエールはむりやり押さえつける。
「ピエール。気が早いって思うかもしれないけどお願いがあるんだ」
「なんでしょうか」
まだ先のことだと思うけれど。そう前置きしてリュカが口を開いた。
「子供ができたらその子のお姉さんになってあげて欲しいんだ」
「私が……ですか?」
「うん。きみにも僕の家族になってほしい」
もちろんスラリンや、マーリンたちもだよ。リュカは嬉しそう笑った。
「きっと楽しいと思うよ。どうだろう?」
私があなたのことを愛していると言ったら。この胸のうちをさらけだしたらリュカはどうするだろう。
こんなにもつらいのなら自分の想いに気づかなければ良かったのに。
ピエールはにっこりと笑った。
今まで生きてきた中で一番上手に笑えた。
唇の端をあげて、目を細めて。
心のそこからの笑顔で。
「はい。私でよければ喜んで」
「良かった、ありがとう。そう言ってくれて本当に嬉しいよ」
「それよりも明日の主役がいつまでもこんなところにいて体を壊すと大変です。早く寝たほうがいいですよ」
リュカの体を宿に向かって押すようにしながら、ピエールが言った。
「そうだね。そろそろ帰るよ。ピエールはまだここにいるのかい?」
「はい。私はもう少しここに」
「ピエールこそ風邪なんかひかないよう気をつけて。それじゃ、また明日」
リュカが宿に向かって歩き出す。
その後姿を見送るピエールの笑顔は美しかった。
しかし、その目にうっすらと涙が滲んだかと思うと、涙が一粒零れ落ちた。
リュカの背中が滲んでぼやけてしまう。
ピエールは心が締め付けられるように痛むのを感じて、胸を押さえた。
それをきっかけにあとからあとから涙が溢れる。
しばらくの間、ピエールは自分が泣いていることに気づかなかった。
やがて、あごを伝って零れ落ちた涙がぽつりと服にしみをつくるのを見て、初めて自分が泣いているのだとわかった。
そのとたん、全身から力が抜け、崩れるようにしてその場にうずくまってしまう。
「……あ、明日は、笑って結婚式を祝わないといけないのに、私はっ……」
顔を抑え、溢れる涙をこらえようとする。
星空の下、ピエールはいつまでも泣き続けた。
広場の噴水は、ただ水を舞い散らせ続けている。
式の当日。
出席者が笑顔で若い二人を祝っているなか、赤い目をしたピエールも周囲の人々と同じように、満面の笑みで結婚を祝福した。
しかし、金髪の少女の頬を一筋だけ、涙がつたったことは誰も知らない。
>>155,156-161
なるほど。
これが、かの有名な『ドラゴンクエスト』にも記されていない、グランバニア王のプロポーズ失敗談ですか。
よくぞ公開してくれました。あなたには「GJ」を贈ります。
これをGJと呼ばずになんと呼ぶ。
ピエールにはこれからもリュカを想っていてほしいですな。
>>155-161 切ない!切ない!GJ!!!
上手いなぁ…見事に物語の合間を破綻無く縫い上げる…
ピエールタソへの愛の成せる業ですね。とても素敵です。
よい妄想の材料になりました…!ありがとう!GJ!
泣ける
こんなGJ久しぶりに見た・・・あんたマジで凄いよ
そろそろ新しい動きがほしいな
最後の一文が…
泣ける…
ピエール…!
愛の戦士・ピエールは絶対女好き って読んじゃった。
172 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/02 22:33:20 ID:lwnqEBMI
>>168 ピエールの略奪愛とか・・・。
石化した嫁さんを探している間くらいがチャンスだ。
>>172 そういえば、その間主人公のまかり知らぬ所で8年位年月が経ってるわけだよな。
……成長したピエールタソハァハァハァハァハァハァ(*´Д`)
その間→その前に
愛らしい幼女から、可憐な少女に成長ですよ。
その成長ぶりに主人公もつい見とれてしまうぐらいです。
藻前らの想像力に乾杯
・デモンズタワーの悲劇
・主人公を探す8年間
・石化した嫁さんを探す2年間
そういえばビアンカを嫁に選んだ場合、
石化した期間に年を取らないとすると
二人は同い年になるっぽいな
177 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/04 23:54:20 ID:+I5VLQ8C
こいつら変態ですからっっ 残念!!
ピエール好き斬り
844 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ sage New! 投稿日:05/02/15 17:43:21 ID:XcnYXXMg
フトO|Eトロト
874 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ sage New! 投稿日:05/02/15 19:22:18 ID:XcnYXXMg
ベホマンwwwwwっうぇwっうぇうぇwwwwwwww
一番下じゃない
最下層記念カキコ
ぱふぱふ に対抗して、
ピエールたんの つるぺた を。
そんな、ひどい・・・
次は妻の出産に立ち会うピエールの心境が見てみたい。
「ピエール殿! ピエール殿!」
誰かに抱きかかえられ、声をかけられたピエールはゆっくりとまぶたを開けた。
ピエールを抱きかかえていた若い騎士は、その長いまつげと美しい瞳が徐々に姿を現すのを目の当たりにして息を呑んだが、
そんな場合ではないと気を取り直し、ピエールに問いかけた。
「おお、ピエール殿気がつかれたか。いったいなにがどうなっているのです? リュカ王はいったいどこに?」
記憶がはっきりしないまま、ピエールはぼんやりと自分を覗き込んでいる青年の顔を見つめた。
まだ少年の面影の残る顔に見覚えがあった。確かグランバニアの騎士団の一員だったはずだ。
何度か剣の手合わせをしたことがある。
「私は……」
まだうつろな調子でピエールが呟く。
「いったいなにがあったのです?」
「なにが……?」
言いかけてあたりを見回すと、風に揺れる草原が目にはいる。
薄いもやが煙り、青々とした草の先は濡れていた。朝露だろう。
夜だったはずなのに、いつのまに朝に? ピエールは自問した。
夜だった? 私はなにを……。
と、ピエールが跳ね起きた。後ろでポニーテールに結わえた金髪が、その名のように揺れる。
すべてを思い出したのだ。
「そうだっ! リュカは、リュカはどこにっ!」
大慌てで辺りを見回すが、自分と同じように倒れているスライムや、魔法使いたち、彼らを解放しているグランバニア騎士団の姿しかない。
「……ここはどこだ?」
自分が気を失う前にいたのは玉座気取りの椅子がある、あの馬のモンスターの部屋のはず。
「いったいなにがあったというのだ」
いつのまにか豊かな口ひげを蓄えた壮年の騎士団長がピエールのそばにやって来ていた。
団長が魔物の血にぬれたピエールの剣を拾い上げる。
「戦いがあったというのはわかるのだが……なにがなにやらまるでわからんよ」
パーティの知恵者マーリンが騎士に肩を借りて、ピエールのほうにやって来た。年齢のせいか、ピエールよりも回復が遅いらしく、かなりつらそうだ。
「ピエールお主なにがどうなったか覚えておるか?」
スライムナイトは少し目を伏せ、気を失う前のことを思い出そうとした。
「確か、あのジャミという魔物を追い詰めたとき……突然やつが光を放って、それから……!」
ピエールは絶句したかと思うと、その場にへなへなと崩れ落ちてしまった。
「どうした? わしもそこまでは覚えておるんじゃがな」
マーリンがピエールに先を促す。
ピエールはうつろな表情で、かすれるような声を喉の奥から絞り出した。
「その光を浴びたリュカとビアンカが石に……石になってしまって、そのとき私たちは光の後に襲ってきた衝撃に吹き飛ばされたんだ」
「では、この塔の中に国王と王妃がおられるんだな!」
「しかし王子と王女の姿がどこにも」
「それなら大丈夫だ。王子様と王女様はご無事だ。おそらく王妃様がとっさに隠されたのだろう。ベッドの影で発見された。今は城で眠っておられるから安心しろ」
騎士団長はすぐさま団員を集めると、数名をピエールたちのために残し、自ら先頭に立って塔に入っていった。
じりじりと亀よりも遅く時間が経過していく。
耐えかねて、ピエールがまだ痛む体を引きずって塔に入ろうとしたとき、白銀に輝く騎士の兜が見えた。
その足取りは重く、表情は暗い。当然だろう、国王が石造と化してしまったのだから。
だが、それでもきっと元に戻す手段はあるはずだ。命に代えてもそれを探し出してみせる。
ピエールの悲壮な決意は残酷にも裏切られた。現実はさらにつらいものだったのだ。
「国王御夫婦の石像など塔のどこにもなかった」
ピエールの全身が凍りつく。
そして、あまりに絶望的なことがおこると涙すら流れないのだということを知った。
「そんなわけがないっ!」
団長が嘘をつくはずがないとわかっているのに、ピエールは絶叫すると半狂乱になって塔に駆け出した。
その美しい髪を振り乱し、傷が開き、血が噴き出すのにもかまわず、美貌を誇るスライムナイトはなにかに取り付かれたようにリュカの姿を探し求めた。
が、結局どこにも石像は見つからなかった。
しかし、ピエールはそれを認めずリュカを探し続けたため、その身を案じたマーリンがメッキーにラリホーをかけさせ、強制的にそれをやめさせた。
崩れ落ちるピエールの顔は泥と、血、そして涙で哀れな化粧を施されていた。
結局、絶望だけを抱えて一行はグランバニアに帰還することとなった。
去り際、スライムの背に揺られていたピエールが意識を取り戻し、リュカが最後にいた塔を遠目から眺めた。
丘の果てに消えていく塔の上に優しく微笑む主の顔が浮かんで、消えた。
それからすぐにグランバニアでは前国王のオジロンの指揮によって、国王夫妻捜索命令が出され、リュカに付き従っていた魔物たちや、騎士団は言うにおよばず、国民からも有志による捜索隊が出された。
まだそれほど長くグランバニアにいたわけでもないのに、リュカたちの人柄は国民の信を得るに十分だったらしい。
みな、それぞれの全力をつくして国王を捜し求めた。
特にピエールの働きは凄まじく、不眠不休でリュカを探し続け、休むのは限界を超えた体が強制的にスイッチを切り、意識を失っている間だけというものだった。
そのようなことをしていれば、健康を害するのは当然で、げっそりとやつれ、美しく輝いていた金髪はその輝きを失い、凄惨な姿となっていた。
しかし、その鬼気せまる姿がピエールの美しさに新しい彩を加えているのだから、皮肉と言うよりほかない。
周囲の者はピエールを心配したが、女スライムナイトがそれを受け入れることはなかった。
じっとしているといつも過去の記憶がピエールを苛んだ。
それゆえ、ピエールは主を探し続けるしかなかったのだ。
普段は静かなグランバニアの城下町だが、ここ数日は珍しく人々が妙にうきうきと落ち着きがない。
それはそうだろう。
先日、長い間行方知れずだった名君パパスの息子が帰ってきたのだ。
残念なことにパパスは死んでしまっていたが、その子リュカは父に勝るとも劣らない青年に見えた。
その上、パパスの息子は美しい妻を連れていた。風変わりな仲間とともに。
それだけでもう、山に囲まれた素朴な国の住人は嬉しさに舞い上がってしまったのだが、リュカの帰還後、さらに嬉しい知らせがあったのだから堪らない。
なんと新しいお妃様は身篭っていたのだ。
そしてついに、今日グランバニアの跡取りが生まれた。なんと男の子と女の子の双子だという。
城から発表があってすぐ、国民は浮かれ騒ぎ、上下の区別なく肩を叩いて喜び合い、そのまま国を挙げての大宴会が始まった。
町も、城もすべてが笑顔で満ちている。
だがピエールの顔に一切の感情はない。
「今日はめでたい日」
まるでいつかのラインハットのようだ。
ピエールは城の一室で一人椅子に座りながら、かつての冒険を思い出した。
一人でいるとつい感傷的になってしまうな。
ピエールが苦笑する。
さきほどまではマーリンも一緒にいたのだが、とうとうあたりのお祝いムードに酔ったのか、老魔法使いには珍しく興奮した様子で部屋を出て行っていた。
他の魔物たちはと言うと、とっくの昔に街に降りている。
ゲレゲレなどは朝から街の子供を背に乗せて一日中走り回っていた。
「あのときはヘンリーがいたか……いや」
ふるふると頭をふると、素直に王子と王女の誕生を祝えない自分を恥じた。
原因は明白である。
嫉妬だ。
リュカの妻、グランバニア王妃ビアンカが妬ましいのだ。
美しく笑っているあの場所。リュカの横が。
「もしあの人がいなければ……」
自分がリュカの微笑を独り占めしている光景を想像して、ピエールの胸はきゅっと締め付けられた。
「わ、私はなにを考えているのだ。あの結婚式のときに吹っ切ったはずだろう?」
うろたえながら自分を戒めるものの、恐ろしい考えが浮かんで止まらない。
もし、あの赤ん坊が自分とリュカの間に生まれた子供ならば。
今いる赤ん坊が消えてしまえば。
ピエールの耳元で見たこともないかつての主、魔界の大魔王がささやいた。
お前のいる場所はそこではないこちら側だと。
魔物なら、魔族なら、気に食わないことがあれば自分の思い通りにしてしまえば良いではないか。
どうあがいてもお前は人間ではないのだから。
体の末端からなにかどす黒く冷たいものがじわりと侵入してくるのを、ピエールは小さく震えながら、じっと耐えた。
突然、背後のドアが開いた。
ピエールがびくりとして振り返ると、城付きの侍女が驚いた顔でこちらを見ている。
「ピエール様? どうかされましたか」
「いや、なんでもない。なにか用事でも?」
「城内でも宴会が始まりましたもので、もしよろしければと思いまして」
「あ……ああ、すぐに行かせてもらう」
緩慢な動作で椅子をから立ち上がると、ピエールは大きく息を吐いた。
「どうかしているな。主の幸せを素直に喜べないとは」
先に行った侍女を追いかけてピエールも部屋を出て行った。
後味の悪い想いは部屋に置いて。
その夜はぞっとするぐらい静かだった。
昼間の騒ぎがまるで嘘だったように物音一つしない。
グランバニアが眠って、いや、死んでしまったようだった。
ピエールは胸のもやもやを振り払うようにして、浮かれる人々の群れに入っていたのだが、どうやらいつの間にか眠ってしまっていたようである。
飲みつけない酒を口にしたため、ずきずきと痛む頭をさすりながら起き上がった。
あたりは幸せそうな顔をして眠りこけている人でいっぱいである。
とにかく部屋に帰ろうと起き上がると、廊下のほうで紫色のマントが翻った。
見間違えるはずもない。リュカだ。
それにしても様子がおかしい。
異様な静けさに妙な胸騒ぎ覚えながら廊下に飛び出した。
「リュカ!」
「ピエール!?」
いつものリュカらしからぬ蒼ざめた顔をしている。
「ビアンカと子供たちが魔物に誘われた!」
「そんな!」
鋭い悲鳴をあげると、ピエールの顔から血の気が引いていった。
先ほどいなくなればと願った人ばかりだ。
「やつらの飛び去った方角を見るとおそらく、北にある塔に向かったのだと思う。
ピエールは仲間を連れて後から追いかけてきてくれ。僕は先に行く」
「待ってくださいリュカっ!」
ピエールの静止も聞かず、グランバニア王は風よりも速く駆け出していた。
「どうしてこんなことに」
ピエールはすぐさま城内をめぐり、兵を集めようとした。
しかし、どうやら城でふるまわれた酒に薬が混ぜられていたらしく、まともに動けるのは魔物たちだけだった。
城の兵士の為に書置きを残すと、ピエールたちはリュカを追った。
妙に明るい月の光が一行の不安を煽ったが、誰も口をきかない。
口にすれば嫌な予感が現実になるような気がしたのだ。
草原を全力で駆けているはずなのに、泥の中でもがいているように前に進んでいる気がしない。
誰もが不安に侵されていたが、ピエールの様子は尋常ではなかった。
焦点を失った瞳。普段のキレがまるで感じられない動作。
全力で動いているのに体は冷え切っている。
悪寒のせいだろうか、体が震えているせいで、歯がカチカチと神経を苛立たせる音を立てる。
「どうしよう、どうしよう、私のせいだ」
みな必死なせいで誰も聞き取ることはなかったが、塔に着くまでの間、ピエールは自分を責める呪詛の言葉を吐き続けていた。
私がいなくなれと願ったから。
願ってしまったから。
リュカの幸せを壊してしまった。
私を家族にと言ってくれたのに!
塔に着くと、すでにリュカが巨大な馬の魔物と戦っているところだった。
そして魔物を追い詰めた瞬間、あたりが閃光に包まれて……。
178さんのレスで妄想がもわもわと
とりあえずデモンズタワー前編です
(´ii _` )
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!
乙です
197 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/22 21:50:32 ID:DtSJhAqD
GJ
後編待ってます!
スマソ
興奮のあまりあげてしまった
そういやTDQ2のスライムナイトもょぅι゛ょだったな…
200 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/22 23:02:54 ID:0Lx1WabX
2
0
0
げ
っ
と
!
オ
メ
デ
ト
ウ
!
最近、パペット娘たんの株が上がってきた。
負けるなピエールたん。
ろうそくの燃える音だけが響く静かな部屋に、一人の少女が眠っている。
泥のように深い眠りについているらしく、ぴくりとも動かない。
「ピエールの説得はわしにまかせてくれんか」
「マーリン殿がそうまでおっしゃられるのなら」
「すまんの」
廊下で声が聞こえたかと思うと、ゆっくりとドアが開けられた。
濃緑のローブに身を包んだ老人が立っている。
人の気配を感じたのだろう、少女がわずかに身じろぎをした。
「……私は?」
「すまんの。起こしてしまったようじゃな」
「マーリン?」
「お主はまた、気を失って倒れてしまったのじゃよ」
ピエールの体ががたがたと震えだす。
「そうだ! わ……私に休んでいる暇など」
「いかんぞピエール。お主はまだ動けるような状態ではないんじゃ」
体をむりやり起こし、ベッドから出ようとしたピエールはマーリンにとめられた。
非力な魔法使いを押しのけることすらできず、ピエールはベッドに戻されてしまう。
「マーリン! 私は……!」
「まず体を休めんか」
「そんな暇はない! 私のせいでリュカとビアンカは」
「お主のせいではない。強いて言うなら、浮かれて油断していたわしらみんなのせいじゃよ」
「違う! 私が愚かなことを願ったばかりに!」
自分の言葉にピエールはびくりとして、口を押さえた。
きょときょとと定まらない視線で老人の様子を窺う。
しかし、マーリンは先を促そうとせず、枕もとの椅子に腰掛けた。
しわだらけの手を伸ばし、ピエールのひたいにかかった髪をよける。
「……マーリン」
「お主はいつかのリュカの言葉を覚えておるか?」
マーリンの指がピエールのほほに触れた。
「リュカはわしらと家族を作ろうといった」
ずきりとピエールの心が痛む。
「わしは嬉しかったよ。こんな年まで魔法の研究ばかりして他を省みないジジイにそんなことを言うやつがおるとは思わなんだでな」
照れくさそうにマーリンが笑う。
「それからなんだか楽しくなっての。こんなに奇妙な家族なんぞ世界のどこを探してもおらんよ。
へんてこな一家もあったもんじゃ。じゃからというわけでもないんじゃが……わしはお前のことを本当の孫娘だと思っとるよ」
こんな干からびたミイラに言われても嬉しくないじゃろうがな。マーリンが器用にウインクしてみせた。
ぽろぽろとピエールの瞳から涙がこぼれる。
「私は、私は……」
なにを言ってよいかわからないピエールの手をマーリンが優しく握り締めた。
「なにも言わんでええ。わしだけじゃない。他のみなもお主のことを案じておる。
そのことだけは忘れてはいかんぞ。わしらは家族なんじゃ」
なにも言えず、ただただピエールは嗚咽を漏らした。
重ねられた手の甲に暖かい雫がいくつも落ちていく。
それから数十分。ピエールが泣き止むのを辛抱強くマーリンは待った。
赤い目をした少女がゆっくりと顔をあげると、老人はそれをにっこり笑って迎える。
「お主の涙でふやけてしまうかと思うたわい。……もう無茶はせんな?」
問うのではなく、確認のための質問だった。
ピエールはゆっくりとうなずく。
「よろしい。さて、ジジイに全部話してしまうがいい。どうせ知ったところですぐに死んでしまうわい」
しわだらけの顔をわざらしくと妙なふうにして、マーリンが茶目っ気たっぷりに言った。
それからピエールは吐き出すように、搾り出すように、すべてを語った。
リュカを愛してしまったこと。
自分が魔族であることを呪ったこと。
嫉妬のあまりビアンカが、生まれたばかりの双子がいなくなればよいのにと願ってしまったこと。
そして本当に王妃が、さらわれてしまったこと。
それを追ったリュカが行方知れずとなってしまったこと。
すべての責は自分にあるのだということ。
ときに話が前後し、ときに言葉を失ってしまうピエールを、辛抱強く老魔法使いは支えた。
話し始めたときには暗かった窓の外が、いつのまにかうっすらと明るくなっていた。
「ピエール」
「……マーリン?」
「よう話してくれた。つらかったじゃろうなぁ」
マーリンがピエールを抱きしめる。
伝わるぬくもりが自分を癒してくれている。ピエールはそう感じた。
もう自分を責めることはすまい。そうも思った。
「……さて、もう一眠りするといい。昼ごろにもう一度来るでな」
この老骨に徹夜はきついわい。腰を叩きながら、マーリンが部屋を出て行った。
その後姿を見送りながら、久しぶりにピエールはうなされることのない眠りについた。
「マーリン」
前回とは違い、部屋にやって来た老人をピエールは落ち着いた表情で迎えた。
魔法使いの手には可愛らしい双子の赤ん坊が抱かれていた。
二人とも幸せそうに眠っている。
「その子たちはもしや……」
「そうリュカとビアンカの子供じゃよ。さぁ抱いてみるがいい」
ピエールは静かに首を振った。
「私にはそのような権利はありません」
「ふむ。そうは言うがのピエール。この子たちを立派に育てるのはのぉ、お主の権利であるとともに、義務でもあるんじゃよ」
怪訝な表情でピエールはマーリンを見上げた。
「なにせお主はこの子たちのお姉ちゃんなんじゃからな」
なかば強引に赤ん坊を渡されて、おろおろしながらピエールは双子を抱きかかえた。
「これが私の弟と妹……」
ミルクの香りのする、柔らかく、暖かい貴い命をその胸に抱くと、ピエールの瞳に涙が浮かぶ。
「どうしたのだ……? 最近の私は涙もろくなってしまって」
いつの間にか、目を覚ましている双子がピエールに向かって微笑みかけた。
目の前のピエールの金髪に興味があるのか、必死で手をのばしてそれを掴み取ろうとしている。
赤ん坊に向けられた少女の慈しみに満ちたまなざしを見て、マーリンは心中穏やかでなかった。
ピエールが自分を取り戻したのは大変にめでたい。
しかし、孫娘が赤ん坊を抱いて微笑んでいる姿は、名画も裸足で逃げ出す輝きを持っていた。
間違いなく、この少女は清純な心と至上の美貌を持った美女となる。
数年後に必ずやってくるであろう悪い虫から、いかにして孫を守るか。
一難さってまた一難とはまさにこのことじゃ。老人は新たな悩みを抱えることとなった。
それは同じ孫娘に対する悩みでも、先のものとはまるで違い、素晴らしく甘い悩みではあったけれど。
この日を境に、ピエールは以前のように自分を削るような日々を過ごすことをやめた。
仲間と協力し、双子の成長を見守りつつ、主を探す日々を送ることとなる。
「リュカ王捜索の船が出るぞー! 水門開けー!!」
城のすぐそばの港、といっても国際港湾都市ポートセルミとは比べ物にならない小さなものである、に兵士の声が響き渡った。
合図とともに、大きな音をたてて海に続く門が開かれていく。
波止場には船を見送るために、多くの人間たちが集まっている。
その一番先頭に、きらきらと輝く金髪を揺らして双子が手を振っている。
グランバニアにいるものなら知らぬものはない、王子と王女である。
「ピエール! 次の航海には僕たちも絶対に着いていくからね!」
海に落ちるぎりぎりまで船に近づいて王子が叫ぶ。
サンチョが慌ててそれを追いかけた。
「大丈夫、次はありませんよ。今回で王を見つけて見せますから」
もう何度目になるかわからない航海。
今回で終わるかどうかもわからない探索の旅。
それでもピエールは笑顔でそう答えた。
昔よりずいぶん伸びたポニーテールを優美に動かしながら、ピエールが指示をだしている。
もう、かつての少女はいない。
つらい恋を乗り越え、それを糧にした蕾が花開き、今まさに女への階段を踏み出しつつある女騎士の姿があった。
オジロンの視線が大騒ぎしている双子と、甲板で手を振っているスライムナイトに交互に移る。
みんな健やかに育っておる。
最初の航海からもうずいぶん経つ。
そろそろピエールにもいい相手を見つけてやらんといかんな。
あのような美女がいつまでも一人というのはもったいない。
こちらに向かって手を振る騎士を見てぼんやりとそう考える。
まったくわしはこういう世話好きジジイでいたいものを。
はやくあの娘が鎧ではなく、ドレスを纏えるようになればよいのだが。
うちの国王どもはいつもいつも心配ばかりかけおる。
甲板では忙しそうに船員が動き回っていた。
「碇をあげろ!」
近年グランバニアの宮廷社会で多くの騎士、貴族の恋わずらいの種となっている女騎士が、声を張り上げた。
船がゆっくりと進みだす。
ピエールも船首に向かって足を動かしだした。
おしまいです
略奪愛とかのえちぃ展開がなくてすいません
(*´Д`)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア
乙であります!!!
ピエールの成長が見れて泣けてきた。
マーリン老GJであります!
マーリンと来ればアーサーで
ピエールの生き別れの妹というのはどうだろう
>>213 アーサーは男の子にしてあげてください……
奴が女となると 別のキャラしか浮かばなくなっちまう……w
マーリンの老人の姿は仮の姿でその実態は妙齢の美女。
だからピエールの気持ちもよくわかると・・・。
さすがにだめか。
娘キャラがピエールたんだけだからこそ、
ピエールたんが輝くのですよ。
美人になったピエールを見て腰を抜かす主人公を見てみたい。
石化の年月は
ょぅじょを 美少女に 変えるに 十分な年月だ
(´・ω・`)
(`・ω・´)
二人が死に222731
小説あれで終わりなの?
激しく期待してるんですが・・・
ここはグランバニア。峻厳な山々に囲まれ、澄み渡った湖の傍らにある国。王がいなくなって久しい国。
その主のいない王城の中庭に元気な声が響く。
「僕、大きくなったらピエールをお嫁さんにする」
声の主は幼い少年。てんでばらばらにとんがった癖毛を持つ、元気そうな男の子である。
彼はレックス。幼いながらも天空の剣に選ばれた伝説の勇者である。
そして、少年に花をささげられているのがピエール。勇敢なスライムナイトである。当然だが、今はスライムに乗っていない。自分の足で立っている。
それどころか、鎧ではなく、清楚な白いドレスに身をつつんでいる。
名前こそ男のようだが、長く美しい金髪を後ろで纏め、風にそよがせている少女である。
いや、今はもう違う。グランバニアに初めてやってきたときは少女であったと言うのが正しいだろう。
現在のピエールは女の子ではなく、今まさに咲き誇る大輪の花のように美しい、一人前の女性に成長していた。
いったん剣を抜けば、そこらの騎士では歯が立たないほど勇ましい働きをするピエールが、おろおろとうろたえている。
「い、いけません王子。なにを言っているのです」
「いけなくないよ。だって僕ピエールのこと好きだもん」
まっすぐな好意に、思わずどきりとしてしまうピエール。
恋愛という戦いは不得手なのだろう。見る見るうちに頬がうっすらと桃色に染まった。
「ピエールは僕のお嫁さんになるのは嫌?」
「嫌ではありませんが、その、私は、えっと……」
助けを求めるように、困った顔で周囲の大人たちを見回すが、みな笑っているばかりで取り合ってくれない。
かつてこの国の王であり、現在は行方知れず王の後見人として政務を行っているオジロンなどは目尻に涙を浮かべている。
「ということは、ピエール殿は未来のグランバニア王妃ということか」
「そうなればグランバニアの歴代王妃は美人ぞろいだという噂がまた広がりますよ」
サンチョもにこやかにピエールをはやしたてた。
「お二人ともっ!」
からかわれたと思ったのか、ピエールは頬を薄く染めた。
このあたりを見るに、まだ自分の美貌を把握しきれていないらしい。
「冗談はおよし下さい」
照れくさそうにうつむいてしまう。
ふと、ピエールは自分の手の中に花があることに気づいた。
いつの間にかレックスがむりやり押し込んだらしい。さすが伝説の勇者である。まったく油断も好きもない。
ピエールが苦笑していると、突然、場違いに陽気な笑い声があがった。
「はっはっは! まったくです。なんと言ってもピエール殿はなにせ人間ではない、魔族ですからな。
いくら冗談とはいえ王子にはふさわしくございません」
豪奢な絹の衣服を纏い、ビロードのつやつやしたマントを羽織った男だった。
彼はグレコード。グランバニアでも一、二を争うほどの家格の男であり、まだ三十という若さでありながらグランバニア騎士団の部隊長を任せられるほどの男で、現在は配下を率いて王家の近衛として活動している。
「伝説の勇者である上に、我が栄光あるグランバニアの王子であらせられるレックス様には、やはりこんな得たいの知れぬ女魔族などではなく、品格、家柄、美貌が揃った淑女でなくては」
ときおり、ピエールを牽制するように睨みながら、大げさな身振りで語ってみせた。
この数年でピエールや、マーリンのようにリュカが連れてきた魔物たちはすっかりグランバニアになじんだかのように見える。
しかし、やはり人間とモンスターという溝は深く、グランバニアの宮廷には、ピエールやマーリンのような魔族を排斥しようとする、守旧派とも言える人々がいた。
彼はその急先鋒とも言うべき男で、ことあるごとにピエールたちにつっかかっているのだ。
たちの悪いことに、グレコードはけっして家柄のみの男ではなく、将来の騎士団長候補にも目されるほどの実力の持ち主であった。
それだけに王族といえどもその行動を露骨にたしなめることはできない。
そんなことをすれば、グランバニアの宮廷社会が真っ二つに割れることにもなりかねないからだ。
「これ、ただの戯言ではないかそれほど真面目に受け取るでない」
オジロンが苦りきった表情で言った。
サンチョはおろおろとあたりを見回している。パパス様が、坊ちゃんがいらっしゃればとでも考えているのだろうか。
「僕は本気だよ。ピエールがいい」
ひとり無邪気なままのレックスがオジロンに抗議する。
グレコードがわざとらしく肩をすくめた。
「まだ王子はお若いですからな」
「もう十分に大人だよ。天空の剣だって使えるし。ね、ピエール」
強張ったまま、ぎこちない笑顔を貼り付けていたピエールは王子にふわりと優しく微笑んだ。
「いいえ。王子はまだまだ子供です。先日も呪文のお勉強から逃げ出したでしょう?」
「そ……それはちょっと用事があったんだ」
「きちんと勉強しないと立派な王様にはなれません」
「ピエールの意地悪」
「意地悪ではありません。王子のためです」
先ほどまでの微笑ましい雰囲気が再び庭園に流れ始めたが、それをぶち壊しにしたのは、やはりグレコールであった。
「ふん! 魔族が王子のためなどと片腹痛い。どうせ王子に取り入って、あわよくば妃になどと考えているのであろう」
自分たちを疎む人間がいるのは知っているが、やはり面と向かって言われると傷ついてしまう。
それでも、ピエールは凛としてグレコールを睨みつけた。
グレコールもますます敵意をむき出しにする。
「なんだその目は」
あたりがぴりぴりと張り詰めていく。
傍らに控えていた女官の中には涙を浮かべるものも現れた。
そんな中、オジロンが大きく溜息をついた。
「いいかげんにせんかグレコード。お主の言ったようにまだ王子は幼い。嫁取りなどまだまだ先の話じゃ」
「いや、これは失礼いたしました。これもグランバニアを思うがゆえの先走りとお許し下さい」
慇懃に礼をしてみせるグレコード。
お主がいてくれればこんな面倒はないものを。親子揃ってわしに迷惑ばかりかけおる。オジロンは抜けるように青い空を仰いだ。
と、寒々しい庭園の空気を荒々しい足音が乱した。
いつにない騒々しさに一同が怪訝な表情を浮かべる。
「どうか! 殿下方に……大臣殿とピエール殿にお目通りを、重大事でございます!」
庭園から外界へ繋がる門の向こうから大声が聞こえる。
ピエールはその声に覚えがあった。
グランバニア騎士団の一人、ロマールのものである。
常ならば落ち着いた冷静な判断のできる男の狼狽振りに、門番の兵士もうろたえているらしく、扉の向こうで押し問答が行われているらしい。
「ええぃ! いいから早くそこを開けんか!」
「ですから、いつもどおりの手順を踏んでいただければすぐにでもお開けいたします」
いつもの手順とは、かつてサンチョがかつてのグランバニア王、つまり現大臣に初めてリュカを引き合わせたときのように、身分と名を名乗り、用件があることを門番に伝えるという、少々まどろっこしいやりとりのことである。
グランバニアの王族に用事がある際の伝統的な儀礼であった。
「黙れ黙れ! リュカ王が見つかったというのにそのようなまどろっこしいことをしていられるか!」
庭園の中の人々がぎょっとした顔をいっせいに門に向ける。
しかし、ただ一人。ピエールだけはドレスの裾をひるがえし、弾けるように駆け出していた。
束ねられた金髪が駿馬の尾のように跳ねる。
風をはらみ膨らんだドレスの裾から、輝くような美しい白い足が伸び、大地を蹴った。
あっという間に門にたどり着くと、素早く門を開ける。
自分の背中で扉の開く音を聞いた門番が慌てるが、もう遅い。
「今のお話は本当ですか!」
ピエールは扉から飛び出すと、ロマールに掴みかからんばかりにして詰め寄った。
突如現れた美女に、わずかの間、見惚れたものの、ロマールはしっかりとうなずいた。
「このような嘘をつけるはずがない」
「ただ似ているだけの石像ではないだろうな!」
慌ててやってきたオジロンが息を荒げながら問うた。
「捜索隊に同行していた魔法使いが確かになにがしかの強力な魔力を感じると」
「それではまだ本物かどうかわからんではないか」
今までの数々のぬか喜びのせいで、すっかり疑ってかかる癖のついたオジロンが、眉をひそめる。
「そうおっしゃられては返す言葉もございませんが……、今回はマーリン殿が捜索隊に加わっておられました。
今回は本物の国王であるとの確信があるとのことです」
「なんと! マーリンがおったとな。それではもしや……!」
「とにかく、その石像の元へ行きましょう。本物である可能性がわずかでもあるのならば、私は行きます」
はやる気持ちを抑え、冷静を装ったピエールが大臣に言った。
「そうは言うがお主は先日捜索の旅から帰ってきたばかりではないか。まだ体も癒えておらんだろう」
「ありがたいお言葉ですが、ご心配には及びません。私ならば大丈夫です。それでは準備がありますので」
言い終わらないうちに駆け出してしまった美女の背を見つめ、オジロンは溜息をついた。
まったく。あれほど見目麗しい乙女になっておりながら、中身はあくまでリュカ第一の騎士とはな。
少しでよいから回りに目を向けてくれれば、どれほどの男が自分に恋焦がれておるか気づこうものを。
オジロンの言葉は嘘ではない。
現在のグランバニアでは二人の女性が宮廷男性の心を魅了しているのだが、そのうちの一人がピエールであった。
残るもう一人はというと、なんとグレゴールの年の離れた妹、クラウである。
凛々しいピエールとしとやかなクラウ。このタイプの違う二人の女性が、現在のグランバニアの男たちの熱い視線を独占しているのだ。
「惜しいことじゃ。……これ、サンチョ! なにをぼんやりしておる。はやく王子、王女の旅支度を手伝わんか。
今度こそ本物の国王かもしれんというのに、子供らがおらぬでは話にならんではないか」
オジロンの言葉に、いままで呆然としていたサンチョは慌ててレックスを連れて城に入っていく。大声でタバサの名を呼びながら。
「今度こそ本物であればよいのだが。どうか天空におわす竜の神よ、このグランバニアに国王を帰したまえ」
何度同じ願いを繰り返したかわからない。それでもオジロンは祈らずにいられなかった。
感想ありがとうございます。
みなさんの暖かい言葉に調子に乗りました。
前編です。
駄目だし等ありましたらよろしくお願いします。
ウホッ いいピエール
233 :
33:05/03/18 19:52:15 ID:UNDuhgkw
後編読みたいなぁ。
あの部隊長もどう絡んでくるのか
234 :
233:05/03/20 16:58:53 ID:ncwdG19A
って今更気付いたが名前残ってるな。
このスレの33氏ではないので誤解なきよう
236 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/03/22(火) 00:02:58 ID:FCx4jc0N
上がれ
美少女に育ったピエールたんのお胸は、
どの程度まで育っているのかね?
そんなにおっきくないです…
カップはいくつかね?
おぢさんに教えてみなさい。
…Bです…ふにぃ……ごめんなさぁい〜〜
>>240 謝る必要はない。
とりあえず、今夜はご主人様のところにいって、
優しくしてもらうように。
なんだ。
ご主人様とはぐれたのか。
なら、おぢさんがご主人様と早く再会できるようプレゼントをあげよう。
っ[ぶかぶかのローブ(5主おさがり)]
これを素肌の上に纏いなさい。
きっと直ぐに逢える。
…ありがとう…ふにゃ〜…あったかい…
ワロス
寝ぼけてるときか
おまえら、ID:BO/Sh4EKは下のスライムですよ
.人
(・∀・)<ドモ〜
age
>>251 人
(;´Д`)ヾ(∀・ )はいはい、ハァハァしないの〜w
ぎゃあ直リンしてしまtt(ry
256 :
246:2005/03/23(水) 07:56:04 ID:1ZvDkfB1
>>251 漏れにも(;´Д`)ハァハァしおってw
>>253 パート1ってことは続編あるかもしれんのね
期待して待ってよう
さっきリメイク5の2週目やってて青年時代始まった瞬間にピエール仲間にした。
萌え死ぬ。強いし。
…まだご主人様見つからないんですけど〜…ふにゃぁ……グス
よし、ならば私の所に(ry
ふぁ〜い…(てってってっ
孤島にある豪華な屋敷の庭に、常にはないほどの大勢の人間の姿があった。
グランバニアの王家にかかわるものたちだった。
レックス、タバサはいうに及ばず、ピエールたちモンスター、他にサンチョやグランバニアの騎士部隊も一部いる。
「それではお願いします」
サンチョが王女を促すと、母親譲りの金髪を纏めた左右のリボンを可愛らしく揺らし、少女は手にした杖を石像に向かって振りかざした。
何度も味わった緊張が一同に重くのしかかる。
今まではこの後、落胆と諦めを抱えグランバニアへ戻ることとなった。
しかし、なぜか今回は全員が奇妙な確信を持っていた。
間違いないと。
それでも。万が一を考えると、誰もそれを口にできなかった。
希望はそれが失われたときに、はるかに大きな絶望となるからだ。
王女タバサがぶつぶつと神秘の呪文を呟いている。
魔法使いマーリンとともに見つけ出した呪文。石と化したものを甦らせるためのストロスの杖の魔力を解き放つ呪文である。
タバサの小さな唇が結ばれた。
呪文が終わったのだ。
杖の先端が輝く。
もしこの石像が真実リュカであるなら、杖の光を浴びれば元に戻るはずだった。
脇に控えていたピエールのこめかみを汗がつたう。
これまではこの後、何も起こらなかった。
やはり今回も。そんな思いが皆の心に滲み出す。
だが、それは違った。
杖の先端から放たれたまばゆい光が石像を照らすと、それはしだいに目を開けていられないほどに輝きを増していく。
そして、輝きは大きく弾けたかと思うと、ゆっくりと薄れていった。
光が去ったのがわかると、一行はおそるおそる目を開けた。
期待と、得体の知れない不安が胸を支配する。
そこにあったものは、冷たい灰色の石像ではなく、八年前のあの日、グランバニアの人々が見た姿のままの青年王だった、
知らず、ピエールの頬を暖かいものがつたった。
ピエールだけではない。その横にいたマーリンも顔を覆っている。ゲレゲレも嬉しそうに喉を鳴らしている。
その場にいた全員が光の存在を感じた。リュカに直接会ったことのない若い兵士も目に涙を浮かべている。
しばらくの間、リュカは呆然としたままだった。まだ自分が元に戻ったことに気づかぬように。
やがて、確かめるように掌を握り、ゆっくりと開くと、今度は恐る恐る両手を動かした。
そうして、自分の体のあちこちを撫でる。
「僕は……」
そこまで言ってから、リュカはようやく自分を見つめる人々の視線に気づいた。
サンチョが鼻をぐしゅぐしゅいわせながら、二人の子供をリュカの前に押しやる。
「君たちは……まさか……」
目を見開いて少年と少女の顔を凝視するリュカ。
「……お父さん!」
子供たちは泣きじゃくりながら生まれて初めて見る父親に飛びついた。
父親は一瞬、戸惑ったものの、壊れ物を扱うように優しく、しかし強く、自分の子供を抱きしめた。
「ああ……レックス、タバサ……! 僕の、ビアンカの、子供たち……」
ずっと望んでいた光景を、ピエールは瞬きもせず、ただ見つめていた。
かつて抱いたような醜い嫉妬はなく、純粋な喜びがピエールをつつんでいる。
本当は真っ先にリュカに飛びつきたかった。
けれど、その資格があるのは自分ではない。両親の顔を知らない子供たちだ。
グランバニアの長女として、弟と妹の幸せを願わねばならない。そして、今では双子の幸せは自分の幸せでもあるのだから。
ピエールは声もなく涙をこぼし続ける。
ただ一心に目の前の光景を心に焼き付けようと。
やがて、子供たちは満足したのか、父親の手を引いてグランバニアの家臣団の下にやって来る。
島に着いたときに中天に輝いていた太陽はゆっくりと沈みつつあった。
サンチョは坊ちゃん、坊ちゃんとむせび泣いて、手にしたハンカチを濡らし、それでも足りないのか鼻までかんでいる。
心配かけたね。と声をかけられると感極まったのか、泣き崩れてしまった。
わずかの距離にもかかわらず到着を待ちきれなかったのか、ゲレゲレが主に向かって飛び掛る。
たじろぎながらも、リュカは幼い頃と同じようにキラーパンサーを抱きとめると、その頭を撫でた。
強力なモンスターを従えて、ゆっくりと一歩ずつ近づく主の姿に、グランバニア騎士団は誇らしげな笑顔を浮かべだす。
今なら自分たちの王が世界一の王だと胸を張って確信できるからだ。
整然と並んでいる騎士たちに、リュカは照れくさそうに微笑みながら手を上げた。
期せずしてグランバニア万歳、リュカ王万歳とシュプレヒコールが起こる。
リュカは困った顔をしたが、心配をかけてすまなかった、ありがとう。と応えた。
先ほどよりも大きな歓声が沸きあがる中、リュカがなにかを探すように視線をさまよわせる。
やがて、目的のものを見つけたのか、リュカの視線が定まった。
騎士団たちよりもさらに後ろに、リュカの探していたものがあった。ピエールやマーリン、モンスターたちだ。
ずんずんと大きくなる主の姿に、ピエールたちは動くこともできなかった。
自分を迎えるモンスターたちをしっかりと抱擁しながら、リュカが次々に声をかけていく。
「マーリンにスラリン、メッキーも。みんなありがとう。心配かけたね」
そのうちに、抱きしめられていないのはたった一人になってしまった。
この八年間、一番自分を削り、その身をグランバニアに捧げた乙女である。
今、その姿を隠そうとしている太陽の最後の光の中に金髪の女騎士が立っている。
見たことのない美女を見つけたリュカは、驚いたように数度まばたきをした。
そしてちらりと彼女の横にいたスライムに目をやる。普通のスライムよりもはるかに大きいそのスライムには見覚えがある。
疑惑は確信に変わった。
「君はもしかして……いや、間違いないピエールだね」
この数年、どれほど聞きたかった声か。それが自分の名を呼んでいる。
ピエールは己の体ががたがたと震えだすのがわかった。自分の意思ではどうにもならない。
「ずいぶんと大きく、いや、ずいぶんと綺麗になった」
「リュカ! リュカ!」
とうとう抑えきれず、手にしていた兜を放り出てし、主の名前だけを叫び、ピエールはリュカに抱きついた。
昔はあれほど大きく見えたのに、その差はかなり縮まっている。
八年前ならば、リュカの胸しか見えなかったはずが、今ではわずかに顔をあげれば、昔日と変わりない柔和な笑顔を見ることができる。
過ぎ去った年月を思い、今この瞬間を感謝しながら、ピエールはただ主の名を呼び続けた。
そしてリュカも、かつては少女だったピエールの体が、女らしく柔らかみを感じさせるようになっていることに、過ぎていった年月の重みを感じた。
泣きじゃくる騎士の背中を優しく撫でているうちに、リュカはふと違和感を感じた。
なぜだろう。そう考えていると、理由に思い至り、苦笑してしまった。
原因はピエールの鎧である。正確にいうならピエールの鎧の形。
少女から大人の女へと変わった、もっともわかりやすい変化。二つのふくらみは以前とは比べ物にならない。
リュカは自分の中のピエール、精一杯背伸びをして頑張っているあの愛らしい少女騎士がもういないことを少し残念に思い、それから成長したピエールを知るために、頬に手を伸ばした。
頬の涙を優しく拭ってやると、ピエールと目があった。
顔に触れられている手から、リュカの体温を感じ、ピエールはすべてが許され、報われた気がした。
「ありがとうピエール。僕のいない間、すごく頑張ってくれたみたいだね。みんなから聞いたよ。本当にありがとう」
そして、小さく耳元でささやいた。
ただいま僕の家族、と。
長く渇望していたかたちでグランバニアへの帰還が叶った一団は、いきようようと船に乗り込もうとした。もちろん先頭はグランバニア王リュカである。
そのリュカが船に足を踏み入れる直前、立ち止まった。
いぶかしむ家臣たちに向かって振り返ると、大きく両手を広げた。
「さあ、みんなで帰ろう! 僕たちの家へ、グランバニアへ!」
ピエールは確かに見た。言い終えたリュカがこちらに向かってぱちりとウィンクしたのを。
グランバニアの人々は、国王御帰還の報を聞くと、いっせいに港に向かった。
歓声と、楽隊の奏でる祝いの曲に囲まれて、船は滑るように港に到着した。
タラップから紫の衣に身をつつんだ青年が降りてくると、人々は一斉に静まり返った。
グランバニア王は大地を踏みしめると、船に乗ったときと同じように両手を大きく広げ、大声で叫んだ。
「ただいまグランバニア! ただいま僕の家族たち!」
しばらくぽかんとしていた人々は、やがて口々にそれに応えだした。
おかえりなさい。おかえりなさいグランバニアへ!
船に乗っていたものたちは、ただいまを連呼し、迎えるものたちはおかえりを連呼する。
わけのわからない喜びと興奮に、人々は上下の区別なく酔った。
かくしてピエールは主を取り戻したのだ。
なんだかいい流れをぶった切るようでもうしわけないですが、後編です。
>>265の最後の行「手にしていた兜を放り出てし」は誤植です。すいません。
正しくは「放り出して」です。
>>233さん
すいません部隊長はからみませんでした。
必ずしもピエールたちに好意的な人ばかりではない。ということを入れたかったもので。
隊長が絡む話はあんまり期待せずに適当に待っててくださると嬉しいです。
うむ。
で、美少女に育ったピエールたんは何カップかね?
何カップかね?
>>268 この流れなら言える!GJだ!
あとあの部隊長は出てくると萎えるから出さなくて正解だよ。
ふにゃぁ…先こされちゃったぁ…
あんな部隊長みたいな感じの奴は主人公が帰ってきたとたんにおとなしくなるんだろうなぁ
いえ、
>>233ですがGJです
>>268様。
>>273氏の仰るような感じの展開にでもなれば溜飲が下がるな、って思っただけですのでお気になさらずに。
そしてマジレスすると細身のピエールがBカップだとするとバストが77〜78くらいしかないということになるので
>>270-271は違うのでは
即ち、ピエールたんはトランジスタグラマなCカップってことか。
そうだな。
そうなんだな。
ちっこい娘さんなのにCカップだと、
おっきめに見えるぞ。
美少女の時はBカップで、
美女の時にCカップと言う事だったんだよ。
アーサーはスライムナイトの二匹目、
つまりピエールがいることが仲間になる条件な訳で
ピエールに憧れる少年剣士だったり少女剣士だったりするわけだな。
場合によっては百合ハァハァですよ?
まあピエールの本名はカトリーヌだと信じて疑わない俺なので
妄想垂れ流しがウザかったらスマン
ピエールは寂しそうに去って行ってる可能性もあるぞ
続き出来たのか、GJ。
つーか面白すぎる
>279
(・∀・)ニヤニヤしますた
アーサーたんはピエールたんをライバル視する美ようじょ。
スライム渡して姉妹の契り
マーサ様が見てる
ウホッいいID!!
アーサーはきっとドリル
ピエールはツインテール。
今PS2版施行中
ピエールが仲間にナッタ━━━( ゚∀゚ )━(∀゚ )━(゚ )━( )━( ゚)━( ゚∀)━( ゚∀゚ )━━━!!!!
はなす 使わなきゃよかった…_| ̄|○
うりゃっ!そりゃっ!
ごめんね〜…ふにぃ…
セミロングがいい。前髪上げてでこだしてるともっといい。
今度は絵板が死んどる…。
絵板をグレードアップしませんか?
上手い人はツールを選ばず上手いと思うんですけど、過疎対策に。
ついでに18禁絵も可にすれば、もっと人も集まるかと。
ピエールたんのウェディング姿が見たい。
鎧を脱いで、純白のドレスを着て欲しい。
298 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/15(金) 00:24:55 ID:y/F1T7R5
スライムの頭がナイトのあそこに入ってる画像にはまってオナニーが止まらない
やっぱり入ってたかピエール
…だってぇ…きもちいいんだもん…ごめんなさぁい…ふにぃ〜
よしよし、お兄さんがもっと気持ち良い事を教えてあげ(ry
お海老、あんまり人いないのかな(´・ω・`)