ドラクエの小説スレッドパート2.5

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114名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/09 09:52:44 ID:sH7PCfQp
保守
115名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/09 13:12:09 ID:yYwCyueP

116名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/13 18:25:08 ID:iZwofbBp
ふ〜む。
ゲームブックとTRPGが混ざったようなのってどう?
毎回選択肢があって、もちろん気に入らなければ変更あり。
んでもってキャラクターの台詞も書き込み可って感じで。
トルファ 「云々かんぬん」
って具合。難しいかな?
117名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/14 00:16:11 ID:XfZbF5F4
ドラクエ3with4は終了なのか。
118 ◆jKU3Ls1IlM :05/01/14 00:53:33 ID:FyRzvpSe
第五の扉 〜 イシス 風と砂の狂想曲 〜

 赤い旅の扉を通りトルファは砂漠の王国イシスに辿り着く。
そこで彼を待っていたものは、宝石を探し求める砂の精霊の眷属と、彼らによりこの地より排斥されつつあった
風の精霊の一族だった。赤い屋根のついた寺院の門がマークとして彫られた宝石。それは、トルファを誘う
赤い旅の扉に深く関係したものらしい。この地を治める風の精霊よりピラミッドに巣食う砂の精霊達を追い払うこと
を依頼されたトルファは、ガイド(案内人)を任じる少女イーシャとともにピラミッドへ。

 ピラミッドの中は砂の精霊の巣窟と化していた。墓を徘徊する砂の精霊の妨害を退けたトルファは、
最下部で敵の首魁と出会った。宝石を求める彼の交渉を蹴ったトルファに本性を露わにして襲いかかる
砂の精霊の王。熱砂と吹雪の錯綜する激闘を制し、トルファは砂の王を倒した。

 風の精霊達から感謝の礼を受けるトルファの前に、また赤色の渦を巻く旅の扉が現れる。
だが、今回は少しばかり勝手が違っていた。赤一色の空間を割って突如侵入してきた謎の襲撃者。
男と風の女王の助けを借りて襲撃者の手より逃れたトルファだが、赤い旅の扉が何故自分を選んだのか……
その疑問の答えを得ることはできなかった。

 今後の旅の助力を約束してくれた風の女王に見送られ、トルファは次の旅の扉へと足を運んだ。

第六の扉 ダーマ神殿
119華龍光臨:05/01/15 12:01:24 ID:XWckvwVi
程なくデスマシーンはフォーリッシュで足を止めた。
そして、城壁に向かって一太刀。
「やらせはしない!」
「兄者!」
城壁の上にて立ち向かう劉備。一太刀で城壁は破壊されてしまう。
咄嗟に横に飛び、反撃の矢を放つ。
デスマシーンの足が完全に止まった。
「ここなら胸部まで攻撃は届く。なんとかせねばな。」
もはや相手を一発で黙らせないといけない。
エリーの妨害電波を利用してどのように致命傷を与えるか。
再び太刀が城壁を叩き割る。
「…!ゼボット殿!」
「どうした!」
「相手が身を屈めた瞬間にお願いします!」
「…任せろ。相手の行動をつかさどる装置を攻撃しろ。そこを破壊しろ。」
「わかりましたぞ!」
ぐっと剣を振り下ろした後、相手が少し身を屈める。
そのときならば普通では攻撃が届かない箇所も攻撃できることだろう。
「兄者!」
「何処を狙うか。兄者はもう決めになっているのですかな。」
「うむ。頭部だ。あそこなら、普通の攻撃は届かない。」
自分がからくり技師ならば普通に攻撃が届く胸部や脚部に装置はつけることはないだろう。
ならば、最も高い位置──すなわち頭部に装置があると考えてよいだろう。
もちろん、根拠はないが…自分には"視え"る。
自分に"視え"ているのならきっと皆にも"視え"ているだろう。
相手が太刀を振り上げる。来る!
太刀と城壁がぶつかり合うとき、城壁が砂山のようにはじけ飛ぶ。
120華龍光臨:05/01/15 12:02:49 ID:XWckvwVi
城壁の破片が宙に舞う。
その破片に足をしっかり据えて弓を構える。
普段の自分ならできないことだ。
だが、今ならできる。落ち着いている。
関羽たちも構えている。矢筒から矢を取り出し構える。
弓を引き絞り、矢を放つ!
狙いは過たない!当たった!
「どうだ?!」
「ちくしょう!兄者!装甲が分厚くて矢じゃ届かない!」
「怯むな翼徳!射続けるのだ!」
いつもの倍以上の速度で矢を放っているはずだ。
なのに、相手に致命傷を与えることができない。
まずい。
十秒しかない時間がまさに刻一刻と過ぎていく。
瓦礫が重力に引かれて地に落ちる。
もはや限界。瓦礫を蹴り、相手の出方を伺う。
それしかない。
もうエリーが限界だ。
そう思った瞬間。城壁を書ける馬に乗った影があった。趙雲に他ならない。
馬の勢いとその腕力で放たれる鉄の槍。それは流星となる。
121クソコテ撲滅委員会:05/01/18 13:20:02 ID:9ts9j2LL
クソコテ死ね
122クソコテ撲滅委員会:05/01/18 15:05:33 ID:9ts9j2LL
クソコテ死ね
123名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/18 20:27:14 ID:D2yffScO
NGワード推奨
クソコテ撲滅委員会
124名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/19 17:58:02 ID:3KwRGrx+
前から気になってるんだがクソコテって誰のこと?
125諸葛亮スラリソ ◆5VrxCs/8kA :05/01/21 12:09:01 ID:+1J5dkfF
かつて、人は流れ星をどのように見たのだろうか。
吉兆か、凶兆か。
人の生死を見たか。
空を舞う龍の姿だろうか。
それは、人それぞれであろう。
そして、流星を槍に見立てた者がいた。
飽くなき空への憧れ、尊敬の念。
趙雲自身がそうだったとは限らない。
だが、今、彼の槍に宿っているのは流星。
流星は龍となって敵を喰らう。
今、龍が光臨する。

空を舞い、そして。
大気が震える咆哮をあげる。
人も、魔物も、からくりも動きを止める。
具現化した龍がデスマシーンへと向かっていく。
嵐が巻き起こり、雲を裂き。
デスマシーンの頭部を一噛み!
そこで、龍は消えた。

完全な沈黙。
全ては幻?
一体何が起こったのか。民も兵士も呆気に取られていた。
しかし、彼らにはわかっていた。
太刀を再び振りかざしたままの姿で硬直しているデスマシーン。
その頭部には深々と鉄の槍が突き刺さっていた。
ぐらりとデスマシーンが傾き、そして。
轟音を立てて倒れる。
「やった…!」
こうして、フォーリッシュまで進軍してきたデスマシーンはついに倒れた。
勝利を信じて疑わなかった漢たちの勝利であった。
126華龍光臨:05/01/21 13:05:45 ID:+1J5dkfF
デスマシーン撃破の知らせはすぐさまフォロッドに届けられた。
すぐさま宴の準備がなされて大騒ぎになった。
ついに、平和が来る。
民に平穏が訪れたのだ。

注がれたワインを口にして辺りを見回す。
張飛はワイン樽かついで一気に飲み干している。
関羽は端のほうでトラッドと共に何か談笑している。
孫尚香は舞を舞っている。
趙雲は──さすがというべきか。こんなときでも周囲の警護を怠っていない。
…視界の隅でゼボットの姿が見えた。
いまだ、エリーに理解を示さないものもいる。仕方のないことだが…
どうやら共同墓地の近くにいるようだ。もう一つ人影がある。
…王女?フォロッド王女か…
声は聞こえないが表情は読み取れる。
悲しそうな表情で王女が何か呟く。
それを流すかのように、応答するゼボット。
しばしばエリーに目配せする王女。
そして、共同墓地の隣の個別の墓を見遣る二人。
…そして、はっきりと聞こえた。
「今でも姉様のことを?」
「ああ。許さない。絶対にだ。」
「事故だから…」
「ああ…」
その夜。一人ゼボットは庵へと戻った。
いくら救いの手を差し伸べても、当人に救われたい意思がなければ無駄である。
ゼボットは敢えて、その道を歩んだ。未来永劫閉ざされた道を。
しかし。当人はそれで幸せというならば…
見守ってやるべきであろう。
…後は有耶無耶になった。
127クソコテ撲滅委員会:05/01/21 13:55:28 ID:WUZGW7nD
クソコテ死ね
128クソコテ撲滅委員会:05/01/22 13:45:36 ID:KrC5SkAa
クソコテ死ね
129クソコテ撲滅委員会:05/01/22 13:51:07 ID:d5BREUe3
クソコテ死ね
130名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/22 21:00:59 ID:2l6kU24v
>>127-129
そんなに自分を責めないで…
131クソコテ撲滅委員会:05/01/23 17:54:28 ID:d+//Mp5E
クソコテ死ね
132クソコテ撲滅委員会:05/01/26 12:31:21 ID:gFXx9YGq
クソコテ死ね
133クソコテ撲滅委員会:05/01/28 14:16:56 ID:vEsxBvkS
クソコテ死ね
134クソコテ撲滅委員会:05/02/01 14:10:44 ID:Lv4z0rSv
クソコテ死ね
135華龍光臨:05/02/02 02:42:45 ID:RiITHDc3
翌日、王の間にて宝物庫を開放し、各傭兵に報酬が配られた。
一国の宝物庫を解放したのだ。どれもこれも精密で高価な細工物であった。
とはいえ、張飛は。
「俺は酒が飲めればいいや。」
で、関羽は。
「某には必要ありませぬぞ。」
であるし、そういう自分もそうほしいものはない。
アルスはどちらかといえばこの戦いで手に入れた様々なからくりに興味があるようであるし、キーファは一国の王子である。
ガボは既に食堂に行って食事をしていることだろう。
ということで、孫尚香とマリベルで適当に見繕うことに。
「とりあえずは終わった…な。」
復興に手を貸せないのは残念だが苦労を分かち合ったこの国王と民がいればなんら問題はないだろう。
そして。
「行ってしまうのだな。趙雲殿。」
「ええ。いろいろ世話になりました。」
「よい。おぬしがいたからこそこの戦には勝てた。聞けば、目的がある劉備殿たちと旅をするのだな。」
「はい。」
「うむ。おぬしの無事を祈っているぞ。」
趙雲もまた、フォロッド国王に別れを告げていた。
ここで貸してもらった装備一式を返して、手にはこの世界にやってきたときに持っていた粗末な槍だけを持って。
136華龍光臨:05/02/02 02:43:58 ID:RiITHDc3
「そうだ。劉備殿。」
「何か御用ですか?フォロッド王。」
「うむ。ゼボット殿からこれをあげるようにと。」
荷車付きで運ばれたそれはとても重い。
「ありがとうございます。」
アルスが作ったからくりにそれを乗せる。
「そろそろ皆を呼んで行こう。…国王様。お世話になりました。」
「うむ。気をつけていくのだぞ。」
ちらほらと皆が集まっていく。
そして、皆が集まったことを確認してフォロッドを発った。

「…行ってしまいましたね。」
トラッドが王の傍らに立つ。
「うむ。…もしかしたら、あの方も国王だったのやもしれんな。」
「?」
「温厚で穏やかな表情の裏に覇王たる資格を見たような気がするのだよ。」
「…かもしれませぬな。…趙雲といい、あの者たちといい。不思議な者たちでしたな…」
137華龍光臨:05/02/02 02:45:36 ID:RiITHDc3
ところで、ゼボット殿が我々にくれたものは何だったのですかな?」
石版の台座に戻る途中。
「確かに気にはなるな。だが…我らには腰を休める家はない。」
宿にいまだ泊まっている身。いろいろ貰ったとしても置く場所に困ることだろう。
「そういうことなら私に任せておいて。物を置く場所なら困らないしね。」
やはりここは裕福なマリベルの出番であろう。
グランエスタード城に置くということも考えたが様々な物を置いて来訪者に不快な思いをさせてはいけない。
「では、マリベル、頼んだぞ。」
「任せておいて。」
そうこうしているうちに石板の台座へとたどり着いた。
「では、帰ろうか。」
こうして、龍は龍の元へと集いた。
138名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/08 13:58:43 ID:jlN576bq
スラリソさんがんがれ〜。
トルファマダーチンチン!?
139クソコテ撲滅委員会:05/02/11 19:36:27 ID:xoOjCVAC
クソコテ死ね
140クソコテ撲滅委員会:05/02/15 14:04:20 ID:PGxXqi9t
クソコテ死ね
141名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/15 14:16:14 ID:MgwEEMaY
引きこもり共め氏ね
142華龍光臨:05/02/19 18:12:42 ID:5v8ekWWC
目を開ける。そしてそこには見慣れたグランエスタードの宿屋の天井が。
あれからグランエスタードに戻り、事の顛末をバーンズ王に報告。
趙雲をバーンズ王に紹介し、王が疲れただろうということで宿屋に向かった。
そしてしばらくは何事もなく劉備たちは住宅地拡張計画に参加しつつ毎日を過ごしていた。
ゼボットから貰った物というものはからくり掃除機であった。
今ではマリベルの家で稼動中でもちろんいくつかはグランエスタード城に寄付した。
マリベル家のメイドが私の仕事が少なくなったと泣きながら駆け込んできたのは記憶に新しい。
いつもの部屋を出て階段を下りる。
一国家の復活は大量の旅人を呼び込んだ。
嬉しい限りではあるが、人が多くになるにつれいろいろと問題が出てくるものだ。
とはいえ、バーンズ王の手腕もなかなかなもの。新たに直面した事態に柔軟に対応している。
「準備はいいな。」
「おう、兄者。」
そして今日は復活したフォロッド、フォーリッシュに出かけるということに。
「趙雲もよいな。」
「はい。いつでも準備できています。」
アルスが直した小舟で行くというのもあったが、丁度城下町からフォーリッシュ行きの船が出ているとのことのため、乗せて行ってもらうことにした。
143名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/26 09:29:38 ID:1jdQYnpv
保守
144名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/28 16:06:52 ID:RKQpaku7
145諸葛亮スラリソ ◆5VrxCs/8kA :05/03/05 22:39:33 ID:lbwfut0o
すまん。
肺炎にかかって入院する可能性が…
146名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/08 11:25:51 ID:wdSHNfrO
>145

病気を治すほうを優先しる
147名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/17 23:10:52 ID:oLYm5hE6
保守
148 ◆jKU3Ls1IlM :2005/03/21(月) 22:03:59 ID:XT96LrYX
なんというか、フォズの設定調べていたんだけど、よくわからんかった。
まぁ、7のダーマ神殿は他の7をプレイしたことのある人に任せて俺は3のダーマ神殿で行くか。
149名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/03/23(水) 23:17:18 ID:UYaSTvIf
>>148

フォズはアイドル扱いされてますよ。
ブロマイドがあるから
150華龍光臨:2005/03/27(日) 22:17:54 ID:n+Vnv7vH
三日ほどの船旅を経てフォロッドのある大陸に上陸した。
港は整備されていない。しかし、一度いけば後はルーラという便利な呪文で行き来できるのだ。
「このような呪文があれば死道との戦いを優位にはこべたのやも知れぬ。」
劉備たちは知らない。
孔明が様々な呪文を駆使して抵抗を試みたものの敗れ去ったということを。
「戦いだけではない。太平の世になったとしても便利なものだったことだろう。」
平原を歩く。大勢の旅人が町へと向かっていく。
「城壁が見えましたぞ。」
「そうだな。時が越えてもなお趙雲が築いた城壁は健在だったか。」
その城壁は破壊されたところは修復され、脆くなった場所は修繕されていたがそれ以外はそのままの姿を残していた。
151華龍光臨:2005/03/27(日) 22:19:35 ID:n+Vnv7vH
「9名様ですね。」
「うむ。」
宿帳に書き込み、ゴールドを支払う。
いろいろとやりたいことが多いがまずは。
「自由行動だな。」
こういうことも悪くはあるまい。
とりあえず、散開することにした。

宿を出て大きく息を吸う。
かつてのような油臭さは感じられない。
だが、心に引っかかるものはある。
自然と足が砦のほうに向いた。
なぜだかはわからない。ただ、呼ばれているような気がしたからだ。
あのときのように教会を経由して砦内部へと入る。
どうやら、かつての砦内部は資料館になっているようだ。
違和感を感じた。
フォロッド王国の成立から今に至るまでの資料がずらりと並ぶ。
だが、あの時の資料だけが一切存在しない。
戦時下にて様々な資料が紛失するというのは珍しくはない。
だが、一切の資料がなくなるなんてありえない。
…誰かが故意にそういった資料を処分したのだろうか。
何のために?
それとも、自分たちが関与しなくなった後に何かが変わったのか。
「いかがなさいましたか。劉備殿。」
「趙雲か。」
資料を同じく眺めていた趙雲が声をかける。
こちらの世界に流れ着いて最初の土地であるため愛着もあるのだろう。
「うむ。一度フォロッド城に行き、でき得る限りの情報を集めようと思って、な。」
その後は一人の冒険者としてさまざまな文献を頭に入れていた。
いつ帰れるかわからぬ、かの地を救うために。
152名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/02(土) 03:07:31 ID:luqir2eF
初代スレが見れないぞ。
153名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/02(土) 17:46:21 ID:yR6ErgXr
初代スレのミラーが死んどる
154華龍光臨:2005/04/03(日) 20:09:37 ID:jE0No1jW
翌日、フォロッド城に足を運んでみた。
旅人たちに解放されているその城は昔と変わらず要塞としての姿をとどめていた。
城に近づくにつれて妙なことに気がつく。
「何か油くさいな。」
そう。かつてフォーリッシュでかいだからくり兵の油の臭い。
あまりいい臭いではない。
「まさか、からくりの兵がまだ?」
「いや、それはないであろう。それであったならフォーリッシュが厳戒態勢であるはずだ。」
いったい何か。近づくにつれて謎は深まったが様子がわかる距離まで来ると謎は氷解した。
からくりだ。
ただし、襲われているのではない。からくりを作っているのだ。
城中に研究者が走り回り、清掃用からくりが動き回る。
…白煙が見えたり、爆発音が時々聞こえてくるがまあ、平和なのだろう。
喧騒が聞こえる。門の手前で王と思しき者とそうでない者の言い争いのようなものが聞こえる。
王はまだ若い。そして相手は白髪がやや混じっているが体つきからこの国に仕えている兵士…もしくは剣術指南かそのあたりだろう。
「なぜに禁断の地に行くことを止めようとする?アルマンよ。」
王の名前はわからないがその相手はアルマンというらしい。
王に真っ向から反抗している。普通の立場の人間ならば牢に放りこまれても仕方がない。
「そこには歩行できるからくりがあるというではないか。わが国の研究も捗ることに違いがないぞ。」
歩行できるからくりがある。研究が捗る。ということは、少なくともこの国には今、歩行できるからくりは保有していない。ということ。
…嫌な予感がする。
過去にこの国にかかわっているからくりの技師なんて一人しかいない。
「アルマンよ。私は知っているのだぞ。おぬしがこの国の歴史書をすべて抹消させたということを。…悪いが、このことを知った今、おぬしを無罪放免ということには…」
横でアルスがキーファと頷く。
まずはアルスが一手を出すようだ。
155華龍光臨:2005/04/03(日) 20:11:08 ID:jE0No1jW
「お取り込み中すみませんがあなたがフォロッド王でしょうか?」
アルスが歩み出た、横にはキーファも一緒だ。
「なんだ、お前たち。…!」
アルスには視線がいっていない。アルスは計算済みだ。
「これはキーファ王子。そのような場所で待たせて申し訳ない。お知らせあらば何時でも迎えの者をおくったというのに。」
「そういうのはあまり好きではないのでね。」
事前にバーンズ王が書簡で手紙を送っていたのだ。
フォロッド王とキーファ王子とは面識がある。ここはさすが王族といったところか。
「ところで、そちらの話に割り込ませてもらうが、少し事情を知っているかもしれない者としてそちらの話に加わらせてほしいのだが。」
王もアルマンも驚きを隠しきれない。
それもそうだ。抹消したはずの歴史を知っているなんて。
それも自国ではなく他国の王族が。
「…それは真か?」
「…ここから西の地のことではないじゃないか?そこにいるだろうからくりの技師の…」
「よい、嘘ではなさそうだな。」
アルマンがキーファを制する。アルマンは過去の資料を抹消したらしいということ、ということは内容を知っている。
過去を実際に見てきた自分たちならば話の内容から容易にゼボットのことが想像がつく。
だが、過去を見るなんて想像もつかないアルマンには不思議でならないようだ。
「この者たちを禁断の地へ。よろしいですかな。」
「うむ。」
156名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/12(火) 22:48:55 ID:6q/QVcaI
スラリソさんガンガレー!
157名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/14(木) 00:02:02 ID:1Cywqp0C
158華龍光臨:2005/04/15(金) 02:43:06 ID:u9s3V7aB
そこは時間が動くことを拒んでいるかのように思えた。
どれほどの時間が経ったかわからないが手入れされることのない道は荒れ果て、雑草が周囲を覆い、木々は日の光さえも通さないほど成長して何かを守るかのように立ち入りを拒絶している。
ランプに明かりをともす。いまだ昼というのにあまりの暗さに足元もおぼつかない。
フォロッド付近は開けた平野だというのに、この界隈はまるで樹海。
まさに秘境に着てしまったのではないかという感覚に襲われる。
しかし、不快さは一切感じない。
安らげる場所のように感じる。
ゆっくりと時の流れを感じながら奥へと進んでいった。

幻想的な世界が広がっていた。
日の光が当たらないそこは数多くの蛍が宙を舞いかすかな光が広がっていた。
それでも、時間の流れがそうさせたのか荒れ果てていても変わらぬそれ…
庵はまだそこにあった。
かつてあたりを掃除して回っていたからくり掃除機はもはや動くことなく打ち捨てられていて目の前に放置されていた。
「ここが禁断の地というのか。」
「はい。あれを見てください。」
庵には明かりが灯り、動く影が見えた。
「住人がいるというのか?」
「はい。およそ二百年前から一人。ずっとここで働いています…」
庵の扉を開ける。相当ガタが来ていて力を込めると壊れてしまいそうだ。
部屋は散らかったまま。
そして──
159華龍光臨:2005/04/15(金) 02:45:16 ID:u9s3V7aB
「ゼボットサマ、キョウモウゴカナイ、スープサメタ…ツクリナオシ…」
「おおっ!これが歩行するからくりか!」
兵に命じて捕獲の準備をさせる。
「お待ちください。あのからくりがこちらに気づいた模様ですぞ。」
こちらに向き直り何かを確認するようにこちらを眺める。
「カクニン、カクニン…」
辺りを見回し、劉備に向き直った。
「リュウビゲントクサマ。オマチシテオリマシタ。ゼボットサマガオワタシスルヨウニト、アズカッテイタモノガアリマス。」
フォロッド王たちは耳を疑った。
「ワタシハマチマシタ。ゼボットサマノメイレイドオリ、アナタガクルノヲマチマシタ。」
エリーはベッドの横のぼろぼろの宝箱から石版を取り出す。
そして、それを劉備に渡してかすかな声で言葉を続ける。
「ゴゾンジデショウトハオモイマスガ、「死道」ノウエニハサラニキョウダイナチカラガアリマス。アナタニデキルワタシガデキルコトハココマデデス。」
「ありがとう。長い間。待つのは辛かったことだろうに…」
「スベテハコノトキノタメ…アリガトウ、アリガトウ…ア…リガ…ト…」
そして、ゆっくりとその動きを止める。
何かを支えを失ったのか、いや、成すべき事を終えて後は逝くだけだったのか。
まるでゆっくりと時が流れるように膝を突き、倒れた。
「限界はとうに過ぎていたというのか。すまない…長かっただろう…」
沈黙が辺りを包む。
「ゼボット殿とエリーの墓を作るぞ。」
「わかったぜ。兄者。」
「われらも協力しよう。」
そして、ゼボットの亡骸と共にエリーの墓を作った。
彼のことだ。過度の装飾はいらない。
ただ、エリーがそばにいればよいと思う。
160華龍光臨:2005/04/15(金) 02:47:14 ID:u9s3V7aB
「今回は残念だったが是非とも我が手で二足歩行のからくりの作成を実現させようと思う。」
ぐっと、拳を点に突き上げ誓うフォロッド王。
あれから、フォロッド城に戻り、謁見の間で過去について話した。
アルマンの説明を加え王とアルマンは和解することもできた。
「王よ。我らも助力しますぞ。」
「そういえば、マリベルの家に置いてあるからくりの中に研究の役に立つものがあるかもしれないな。アルス。」
「ですね。今度来るときにはいくつか、からくりを持ってきましょう。」
「そうか。王子。ご助力に感謝する。」
「よかったですな、兄者。」
「ああ。エリーは意思のあるからくりだ。…きっと人以上に人らしいからくりであっただろうな。」
目を閉じる。
戦火の中にありながら自分を貫いた者。人々を救済しようとした者。あえて孤独の道を歩いた者。
その誰もが幸せでいられるように戦う。
ぐっと握り拳を作る。
「よし!それじゃあ、一杯酒でも飲みに行こうか!兄者。」
「そうだな。だが、くれぐれも飲みすぎるなよ。」
空へ上ったエリー。それを迎えるゼボット。
これからもあの二人は幸せであるに違いない。
あえて救いの手を差し伸べないことが救いになることだってある。
自分の行いが正しいかはわからないが、間違っていない。
それが確認できただけでも自分は幸せだ。
この世界にいるだろう「龍」は彼らを快く迎えてくれただろう。
真に心を通じ合った間柄ならば人間とかからくりとか、
           ──たいした問題ではないのだろうから。
161クソコテ撲滅委員会:2005/04/21(木) 14:10:24 ID:VYNikvCR
クソコテ氏ね
162名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/24(日) 10:38:04 ID:V+n0Wjyl
>>161
実は楽しみにしてるでしょ?
163名前が無い@ただの名無しのようだ
ほしゅる