**アラタナデアイ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
今日は鏡開きなのでフローラ様にお汁粉でも作っていただきたいです。
あと、次スレはどうしますか。
「アラ黒歴史」とか。
黒歴史、とかネガティブっぽいイメージはちょっとパスかな。
痛ストOKの人もいれば、ショックで駄目ポ、の人もいるし。
サンニンメノナマエハ?ルドンコウゲンとか、長いか;
**アラレモナイ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・25**
前スレで出ていたスレタイ案をサルベージしてきますた。スレ番号は脳内変換プリーズ
**アラマブシイ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラセツナイ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラリメイク(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラオヒサシブリ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラツイニ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラコドモ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラドーシテ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラオツヨイ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラナガイキ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラミナサン(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラドナタ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラシツレイ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラオハナ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラオハツ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラヒドイヒト(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラスナ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラクレ(▼д▼)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラマキジャケ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラビア(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アランドロン(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラマツタケイリ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**プリン・アラモード(゚д゚)フローラ奥様のオヤツですわ・24**
**アラチョット(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラモット(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラマキジャケ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラジョタイ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アライタスト(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラモウイチド(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
**アラボードゲーム(゚д゚)奥様のスレですわ・24**
956 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/11 22:27:42 ID:0sOMxeu7
ちなみに俺の案
**アラタナイチメン(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・25**
スマン、あげてしもーたorz
**アライチュウ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・25**
>956
あ、それに1票。
あと、テンプレもそろそろ準備しなきゃな。
それから、避難所でもちょっと書いてあったけど
基本的なことだけでもローカルルール作らないか?
純白のドレスをひるがえし、イオナズンを放つ究極のお嬢様。
DQ5の白き薔薇、フローラ奥様を心ゆくまで愛でるスレです。
フローラ萌え同士、みんなで仲良く語りましょう。
ヾ*;";"i";*;ヾ;"i";*;ヾ;"i"
|i;;ii;iiメソ"i";*;;,* .゚
|l!||ll|リ/i;^*
l;l!ll|l|
l|il|ll!|
|:l||||l|
l|il|ll!|* *
l|il|ll!|___ * ,. ‐v‐ュ
|;l!l|||l===》 モエ・・・ .L,.'´ ヽ <過去スレは
>>2-10あたりですわ
l|il|ll!|Д`) * く ! ノノハ )) 。、.,,。*
l|il|ll!|⊂》 * /)_/) くN M > /||*゚ ヮ゚ノ! ∞ノ))) ☆。、.,,。*
|ill||ll|ノ Σ 彡゚・_ ゚;ミ ( ・∀・) く @つヾつ川゚ ワ゚)/ 。、.,,。*
|;l!l|||l ミミ_,,_,,ミ ノノ|;_;ヾ† ヽ/;;;;;;;;;ゝ ノノ;_;_;イ
前スレ
**アラタナデアイ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1095528451/
961 :
テンプレ2:05/01/11 22:48:07 ID:Edd2fwzW
ピッタリ ___‐v‐ュ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
ミッチャク .《======》´ ヽ ミ∧ < スレ住人の皆様、 |
( * ´∀`)ノノハ))/ ・ |ミ \ これからもよろしくお願い致しますね。|
《三三つ.ll*゚ ヮ゚ノ(_)' |ミ \________________/
.ノ;/;;;:;;;;;/.θつ彡/ , |ミ
.〜<三ミミ ..(__)ノ;;;;;;;;;//`ー'" |
γ/ ノ`ーΩ' ヽ
/,へ、 ,) ( ,‐、 ノ. ノ ,,、,、,,, ,,、,、,,,*
/__)/`二ン⌒し/ /〜i / * 。 ,,、,、,,,
,,、,、,,,* ,,、, .//" (__) ./ / ,,、,、,,, ,,、,、,,
,,、*,、,,, ,、 /__) / / ,,、,、,,, ,,、,、,,, ,,、,、,,
,,、,、,,,,,、,、,,, ,,、 .|__),,、,、,,, ,,、,、,,, 。 ,,、,、,,,*
応援サイトですわ
http://yotsuba.saiin.net/~nenashi/ 応援サイトのミラーですわ
http://izumo.cool.ne.jp/floralhomepage/enter.htm 絵掲ですわ
http://yotsuba.saiin.net/~nenashi/floraoekaki/oekaki.cgi UP板ですわ
http://yotsuba.saiin.net/~nenashi/imgboard122r6/imgboard.cgi 避難所ですわ(**アライヤダワ(゚д゚)フローラ奥様の別荘ですわ**@FFDQ板避難所)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/2960/1039836242/l100 フローラ萌えスレッド保管庫
http://dq5-2ch.e-city.tv/flora/
962 :
テンプレ3:05/01/11 22:49:38 ID:Edd2fwzW
963 :
テンプレ4:05/01/11 22:51:22 ID:Edd2fwzW
964 :
テンプレ5:05/01/11 22:52:07 ID:Edd2fwzW
フローラを選んだ場合SFC版とPS2版の違い
システム
SFC版:石化前は命令不可能、LV10までしか上がらない(LV10縛り)
PS2版:石化前でも命令可能、LV10縛り無し。
もらえるアイテム類
SFC版:テルパドールで2000G、チゾットへの山道で水の羽衣をもらえる。
PS2版:上の二つに加えてブオーン倒した後にサラボナでおこづかい5000G、
主人公石化解除後に夜のカボチで神秘の鎧ももらえる。
神秘の鎧は青年時代前半にキラーパンサーを仲間にしていないともらえないので注意。
フローラと結婚後に山奥の村、ビアンカの家の下にいる人に話しかけると不思議な木の実をもらえる。
結婚式の場所
SFC版:サラボナの教会で結婚式
PS2版:カジノ船で結婚式
最近スレ進行がゆっくりだから
>>980くらいで大丈夫かな。
よろしく。
いたストのフローラってどんな感じなの?
やったことないから親切な人、セリフとかおしえてくれまいか…
>>966 台詞収集スレにいけばたくさん載せられてるよ
台詞収集スレにいってみれ。
いたストでフローラが主人公ラブだったのはGJと言いたい
あの毒舌っぷりで尚且つ『○○?誰それ、わたくしの愛しい人はアンディですわ』
なんて言ってたら、って思うと、今の暴走フローラでさえ愛しく思える。
>>954 あられもないフローラ奥様って
どんなことしてくれちゃうんだよ(*´Д`)/ヽァ/ヽァ
なんて誘うスレタイだw
>>971 気をつけてねー!
嫌になったらいつでもここに帰っておいでー。ノ
むしろあのフローラ様は平行世界の別人
>>972-973 見てきました…かなりハードコアなフローラですね。
予想していたとはいえ、いささか衝撃的でしたよ。つーかビアンカに対してのイヤミが…
どんなフローラでも受け入れるけどさ!!
うむ。それでこそフロスレ住人だ。
フローラ様に罵倒されたい
俺も痛ストの台詞を初めてちゃんと見たけど
思ったほど衝撃を受けなかったな。このスレでちゃんと覚悟ができてたせいか?
やっぱ、何だかんだ言って主人公ラブの台詞があったのに救われた感じだ。
暴走フロタンを受け入れ、主人公LOVEなフロたんと相思相愛ラブラブ生活か
おしとやかなフロタンとゆっくり愛を育むか
・・・それが問題だ。
いたストフローラはおもろいけど嫁にはムリー!
>>978 どっちのフロたんもゲットで両手に花(*´∀`*)
980ゲットしたので次スレ立ててきます。
Λ
/ | \
/ │ \
/ │ \
 ̄ ̄ ̄Τ ̄ ̄ ̄
フ | 主
ロ | 人
| . | 公
ラ |
. |
. |
埋めシャウト
女子だけどフローラ大好きだ〜!!お嬢様で健気で優しい所、大好きだー
外見も大好きだ〜。
痛ストはちょっとショックだったけど、アレはアレだ〜!!
フローラ好きなのには変わりなし!!アレみて好きになった、って人もいて嬉しい!!
ルドマンからの手紙が届いたのは、朝の祈りが終わった時だった。
いつもと違うシスター達の態度に、フローラは時が来たことを悟った。
つらいこともあったが、楽しかったここでの生活。それが終わろうとしている。
サラボナに帰れば、あとは親が決めた相手と結婚し、
ルドマンの跡継ぎの妻としての生活を送ることになるのだろう。
屋敷の管理やお付き合いに忙殺され、もうこのような穏やかな時間を過ごすこともない。
昼食もろくに喉を通らなかったフローラは、海へと下る細い道を
小さなため息をつきながら下っていった。
午後の海は柔らかな日射しに照らされて深い碧から明るい銀へと様々な表情を見せながら
浜にうち寄せ細かな泡を作り、そしてフローラを誘うように引いていく。
---この海を眺めるのも、あと数日なのね・・・
慣れない生活で沈んだ気持ちも、巡る季節の中の小さな歓びも、
時々あふれ出すはかない望みも、この海はいつも黙って聞いてくれた。
「最後にもう一つ、聞いてくださいますか?
わたくしは・・・あの時の、あの男の子に、もう一度・・・」
フローラの脳裏に、幼い頃の想い出がよみがえる。
ルドマンに引き取られて間もない頃の船旅で出会った少年
漆黒の髪と不思議な瞳に引き込まれそうになったあの時。
「そんな昔の想い出を、とお笑いになりますかしら?
そうですわよね。でも・・・最近、あの方のことが思い出されてならないのです。
どこのどなたかもわかりませんのに・・・・」
自嘲気味に小さく笑うと、足下に転がる流木のかけらを広いあげ、
力いっぱい海に投げた。
流木のかけらはしばらく波にもてあそばれて漂っていたが、
やがて潮の流れに乗れた様で、ゆっくりと沖に向かって流れ始めた。
それを追いかけるようにフローラもゆっくりと、岬の先端へ向かう狭い浜辺を歩き始めた。
小さな白い花をつける背の低い草木の藪を越えようとしたとき、
フローラはその向こうに見慣れた樽が転がっているのを見つけた。
「まぁ・・・これは・・・」
流木と共に夢の中をさまよっていたフローラは、急に現実に引き戻された。
それは時々この浜に打ち上げられる樽であった。
どこから流れてくるのかはわからない。
だが決まって、中には死体がつまっていた。
フローラは胸元にさげたクロスを握り彼らのために頭を垂れると
樽をあけるため、下男を呼びに戻ろうとした。
しかしその時・・・樽の中で、何かが動く気配がした。
フローラは息を呑み、思わず後ずさった。
「・・・いいえ、きっと、魚ですわ・・・」
でも、しかし・・・
フローラはギュッとクロスを握りしめると、そっと草をかき分けて、樽に近づいた。
・・・コトリ、コトリ・・・
気のせいではない。中で何かが動いている。
フローラはためらった。もしかしたら、中にいるのは魔物かもしれない。
しかしフローラの中の何かが、フローラを導いている。
いけない、と思いながらもフローラは樽に手を掛けた。
樽の蓋はきっちりと閉まっており、フローラの力では開きそうにない。
フローラはコンコン、と軽く樽を叩き、樽に耳をつけた。
中から人の息づかいが聞こえる。
「誰か・・・誰か!」
フローラは声を上げた。しかし丘の上に人影はない。
フローラはためらったが、「すぐに、戻ります」と樽にささやき丘に続く道を駆け上った。
やがてフローラは、丘の向こうの畑で作業をしていたシスター達と共に戻ってきた。
シスターの一人が鉈でそっと樽を割ると、中からはいつもの死体と同じ服装の
3人の男女が出てきた。
彼らはやせこけ、傷だらけで体温も下がっていたが、まだ息はあった。
呪文が使えるシスター達がホイミとベホイミを唱える。
やがて彼らの頬にほんのりと紅が差し、呼吸も落ち着いてきた。
だが、相当弱っている様で、彼らの意識は容易には戻らず、
シスター達は修道院から戸板を持ってくると、彼らをそれに乗せてそっと運んだ。
「今まで何度もなくなった方を弔いましたが、命を救えたのは初めてです。
フローラ、よく気が付きましたね。」
作業を見守っていた修道院長がフローラに言った。
「はい・・・ありがとうございます。」
フローラは答えたが、その意識に修道院長の言葉は届いていなかった。
---この方は・・・まさか・・・
フローラは、遠い昔の記憶を探っていた。
何かが、時間を超えた二つの出会いを結びつけようとしている。
しかし、意識のない彼に訊ねることも、その瞳を確認することもできない。
フローラは、その薄く形の良い唇をきゅっとかみしめると、
シスター達と一緒に戸板を持ち上げた。
彼らのために部屋が温められ、暖炉の前にベッドが並べられた。
医学が得意なシスター達が海岸で手当仕切れなかった彼らの傷を手当てする。
フローラもその手当てを手伝っていた。
夕日が海を染めながら沈み、辺りが闇の沈黙を迎えた頃、
比較的傷が軽かった女性が意識を取り戻した。
だが彼女は「ヒカリノキョウダン・・・助けて・・・」とだけつぶやくと、
また深い眠りに落ちていった。
「光の・・・教団・・・」
年嵩のシスター達がそっと目を見合わせた。
「なにか・・・ご存じなんですか?」
フローラが小さな声で訊ねる。しかしシスター達は彼女の問いに答えようとはしなかった。
シスター達の反応に、フローラの心の中には小さな不安が芽生えた。
フローラがなおもシスター達に訊ねようとしたとき、廊下からフローラを探す声が聞こえてきた。
フローラは言葉を飲み込むと、そっと部屋を出た。
「ええ!でも、出発は4〜5日後だと・・・」
フローラは思わず大声をあげた。
使いの若い男は、フローラの美しさに押されながら、申し訳なさそうに答えた。
「はい、その予定だったのですが、大きな嵐が来そうだということで、
明日出ないと、しばらく出港できなくなるかもしれないそうなので・・・」
「でしたら、嵐の後に出港した方が安全なのではありませんか?」
フローラは落ち着こうと小さく深呼吸した。
「しかし・・・嵐が港を直撃しますと、その、船が壊れでもしたらここでは修理できませんし・・・」
使いの男は困った顔をして、しどろもどろになりながら答えた。
こんな美しいお嬢様がもっといたいと言うなら、いさせてあげたい。
しかし天気は自分にはどうすることもできない。
いや、天気でなくても下っ端の自分にはどうにかできることなどないのだが。
男の困惑した顔に気付いたフローラは、我に帰った。
「まぁ・・・ごめんなさい。ちょっと・・・びっくりしてしまいましたので・・・」
「あ、いえ、一晩でみなさんにお別れなんて、難しいですよね。」
「ええ、まぁ、そんなことは・・・・」
そうだ、修道院の方にも、お世話になった近隣の方にも、ご挨拶をしなければ。
しかしフローラが動揺した理由はそのことではなかった。
---せめて、あの方が気が付くまでここにいたい・・・
でも、彼が気が付いたとして、どうしようというのだろう。
あんな昔の、それもほんのわずかなすれ違いなのに・・・
それに、あの方かどうかさえわからないのに・・・
フローラは小さくため息をつくと、自分に言い聞かせるように言った。
「お気遣いありがとうございます。でも、お天気には勝てませんわね。
明日出発いたしましょう。よろしくお願いします、と船長さんにお伝えください。」
フローラのほほえみに完全に虜になった使いの男は、
彼女に見とれ、頭を下げるのも忘れて
「はい、わかりました」と答えた。
使いの男は名残惜しそうに何度も振り返りながら、
馬の背に揺られ、港へと戻っていった。
「気になるのですね、あの方々が」
フローラと共に男を見送った修道院長の言葉に、フローラはハッと振り返った。
フローラは自分が、耳まで真っ赤になっていることを感じた。
だが幸いに、修道院長は、フローラの心の奥まで見透かした訳ではなかった。
「あなたがお救いしたのですものね。お元気になるまでお世話したいというお気持ち、わかりますよ。」
「は・・・はい、院長様」
修道院長の言葉に、フローラはほっと胸をなで下ろした。
と同時に、自分の事ばかり考えている事に気付き恥じた。
せっかく何年もここで修行したというのに・・・
修道院長はため息をつくフローラの肩をそっと抱いた。
「あなたがいなくなると寂しくなりますね。
わたくしどもは、あなたからたくさんの事を学びましたから。
あなたの幸せを、ずっと祈っていますよ。」
修道院長の言葉に、急にフローラの中に明日ここを永遠に離れるという実感がわいてきた。
「院長様、わたくしは・・・」
フローラの美しい青い瞳に涙が浮かぶ。
ここでの楽しい日々、様々な出会い、かけがえのない経験、そして、今日の事・・・
「わたくし、ほんとうは・・・」
「フローラ、わたくしたちが共に過ごした時は消えることはありません。
例え姿は見えなくても、心はつながっているのですよ。
あなたがわたくしたちのことを思い、わたくしたちがあなたのことを思うとき、
心は必ず、つながっています。」
「かならず・・・?」
「ええ、どんな時も、誰とでも。だからフローラ、別れを恐れないで。」
「はい、院長様・・・」
フローラは精一杯の笑顔を見せた。
東の森が白んでくる頃、フローラは3人が眠る部屋をそっと覗いた。
急な別れを惜しみ、シスター達と一晩中語り明かしたのに、
彼女の美しさは疲れでかげることはなかった。
彼らの看病をしていたシスターがフローラに気付き、部屋に招き入れる。
「ずいぶん落ち着かれましたよ。そろそろお気づきになるんじゃないかしら。
きっと、フローラさんにお会いできなくて残念がりますわ。」
シスターはそうささやくと、やかんに水を足すためフローラに頼んで部屋を出た。
3人の顔色は昨夜に比べて良くなり、かすかな寝息も規則正しい。
きっと気が付いて、食事がとれればすぐに元気になるだろう。
フローラはひときわ傷が多く重症だった、漆黒の髪の男を見た。
うっすらと残る頬の傷にそっと触れた。
東の空がだんだんと闇から朝焼けへうつり、
そして産まれたての太陽が新しい日の始まりを告げながら登ってきた。
窓から差し込む朝日がフローラと男を照らす。
彼のたくましい腕には、ホイミでも薬草でも消えない傷が残っている。
「ヒカリノキョウダン」がなにかわからなくても、その傷から
彼がどんな生活を送ってきたのかは想像がつく。
そっと彼の布団をなおしながら、フローラは思わずつぶやいた。
「あなたは・・・彼なの?」
その時・・・
海は、フローラの願いを叶えた。
男の目がかすかにひらいた。
深い、深い緑の瞳。
全てを受け入れ、包み込む暖かな瞳。
その瞳に、朝日を受け驚きに輝くフローラが映る。
やがて男はそっと目を閉じた。
それはフローラにとって、ほんの一瞬であり、永遠に続く長い時でもあった。
かすかに聞こえる潮騒が二人を包む。
一粒の涙が、フローラの頬を伝い、男の頬に落ちた。
それは星の様に輝き、二人をつないだ。
サラボナに戻ったフローラを待っていたのは、ありったけの歓迎とルドマンの無謀な婿選び計画だった。
その日々のめまぐるしさに立ち止まって昔を懐かしむ暇はなかった。
しかしそんな忙しさの中でも、ビアンカは時折あの瞳を思い出した。
「あの方がわたくしのことを思ってくだされば・・・心はつながっている・・・きっと・・・」
ルドマンの計画は止められず、久しぶりに会った幼なじみのアンディの言葉に困惑し、
せめてアンディを思いとどまらせようと街に出た日の事だった。
リリアンがフローラの腕から飛び降り、走り出した。
必死に追いかけたその先に、彼が立っていた。
決してフローラ以外の人間になつかないリリアンが、その男にはおなかを見せ、しっぽを振っている。
「まあっ!? リリアンがわたくし以外の人に なつくなんて初めてですわ。
あなたは いったい……。」
男の視線と、フローラの視線が絡み合う。
優しく微笑む、深い緑の瞳。
そう、この瞳は・・・・
この瞳は、確かにあの瞳だ。
漆黒の髪、腕の傷跡。
頬にかすかに残る傷跡。
フローラの胸は高鳴った。頭の中が真っ白になる。
言葉が出ない。どうしよう、なんて言おう。
フローラは、自分をなんとか落ち着けようと深呼吸をした。
だが次の瞬間、フローラは気付いた。
彼は、「自分」に気付いていない、ということを。
空を自由に飛んでいた鳥が、撃ち落とされた気分だ。
彼が自分を憶えていないことを予想はしていたが、
急に現実を突きつけられ、淡い期待を抱いていた楽天的な自分に腹を立て、
自分の事を憶えていない彼に不条理な怒りを憶えた。
フローラはもう一度深呼吸すると、声が震えぬよう気をつけながら言った。
「あら いやだわ。わたくしったら お名前も 聞かずにボーッとして。」
平成を装おうとしても、つい妙なことを口走ってしまう。
「お名前は……そうですかアベルさんと おっしゃるのですね。」
--アベル・・・それが彼の名前・・・アベル・・・
心の中で繰り返す。胸の奥が熱くなる。
フローラの心は混乱し、泣き出しそうになっている自分に気付いた。
「本当に ごめんなさい。また お会いできたらきっと お礼をしますわ。」
そして、「あ、あの、この街の・・・・」という彼の言葉を遮り背を向けると
つい声を荒らげた。
「さあ リリアン 帰るわよ。いらっしゃい!」
フローラは街をまっすぐにつっきり、屋敷へと急いだ。
自分がいつになく厳しい表情をしていることも、
涙があふれていることも、
街の人々が驚きと好機の目で自分を見ていることもわかっていた。
だが、今の彼女にはそれらのどれも止めることはできなかった。
リリアンがついてきているかどうか確かめることもせず、
フローラはまっすぐに屋敷に向かい、自分の部屋に飛び込み、そしてベッドに潜り込んだ。
ただならぬ気配を察したメイドが心配する声も、
部屋を閉め出されたリリアンがドアの前で鳴く声もフローラには聞こえない。
布団をかぶるとフローラは、思いっきり泣き声をあげた。
思う存分泣いて、思う存分放心した後、フローラはやっと部屋のドアを開けた。
リリアンは吠えすぎて疲れ果て、騒ぎを聞きつけたルドマン夫妻はおろおろしていた。
彼らは一斉にフローラに抱きついた。
「おお、かわいいフローラ、いったい何があったというんだ?」
「お父様が無茶なことをなさるからですわ。」
ルドマンの言葉に、まだ心が落ち着かないフローラはつい意地悪な答え方をした。
ルドマンは少々面食らった様だが、すぐにフローラを抱きしめ弁解した。
「だがね、フローラ。強い男を選ぶのは、おまえの為なんだよ。」
「そうでしょうか?ルドマン商会の為ではなくって?」
---こんなことを言っても何にもならないのに・・・
頭ではわかっていても、止めることができない。なんてわたくしは弱いんでしょう。
フローラは自己嫌悪に陥り、また涙を浮かべた。
気分が悪いと夕食を断り、フローラは部屋に籠もっていたので、
屋敷のいつもと違う様子に気付かなかった。
部屋に運ばれた食事に手をつける気にもならず、
フローラは頭を冷やそうとベランダに出た。
庭の向こうの道を、男が数人、屋敷に向かって歩いてくる。
見知らぬ男に混じって、アンディがいる。
フローラは慌てて部屋を飛び出した。
「お父様!いったいどういうことですの?」
身支度をしていたルドマンのところに、フローラが乱暴にドアを開けて入ってきた。
ルドマンは妻と顔を見合わせ、そして観念した様に言った。
「これから、婿選びをするんだよ。」
「もう少し話し合うって言ってくださったじゃありませんか。」
「しかしな、フローラ」
ルドマンはフローラを落ち着かせようとソファーに座らせ、その手をきつく握った。
「もう、今日始めると言うことで知らせをしてしまったんだよ。
せっかく集まった若者達を門前払いするわけにはいかんだろう。」
「でも、あんな危ないこと・・・」
「大丈夫、おまえにはそれだけの価値があるんだよ。
とにかくおまえは部屋にいなさい。」
こういう口調の時は、どうやってもルドマンの意志を変えられないことをフローラは知っていた。
ルドマンは妻にフローラを部屋に連れて行く様に言い、居間へと向かった。
998 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/12 19:35:20 ID:30JRYKJA
自分の部屋に戻ったフローラは、力無くベッドに腰を下ろした。
あまりにもいっぺんにいろんな事がありすぎて、なにをどうしていいのかわからない。
もう何も考えられない。
自分はなんて非力で、ちっぽけで、弱いんだろう。
フローラはベッドに身体を投げ出すと、ぼんやりと部屋の中を見回した。
リリアンは昼間の騒ぎなど忘れたかのように、自分のクッションに丸まって寝息をたてている。
自分も、何かも放棄して寝てしまおうか・・・
夕日で、棚に飾った木彫りの女神像が輝いて見える。
修道院でフローラが彫ったものだ。
フローラは、女神像がじっと自分を見ている気がした。
むくりと起きあがり、女神像の向きを変える。
すたすたとベッドに戻り、女神像の後ろ姿を見る。
しばらくクッションを抱えてフローラは考えていたが、
やがて立ち上がると女神像の向きを直し、クッションをリリアンめがけて投げると部屋を出ていった。
ん?
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。