**アラタナデアイ(゚д゚)フローラ奥様のスレですわ・24**

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337non-titile
ああ、乙女よ。日の光に透ける髪は空の青さを映して風に
流れるまま輝きそよぎ、新芽の瞳は見つめるものをかえっ
て戸惑わせるかのように何かを投げかけ、語りかけてくる。
飾り石のついた踝までの長い衣装は、乙女の華奢な身体を
包み、彼女の魅力をあますところなく引き出している。
白い腕に抱かれた花々さえ乙女の愛らしさの前にはその華
やかさも霞んでしまう。
乙女よ、君は今旅立つ。かたわらの若者と手を携えて果て
なく広い世界へと。

子供の頃のことを思い出す。町には同じ年頃の子供たちが
いなく、僕と君はいつも一緒に過ごした。
春の日に、風に散ってゆく桜の花びらを止めて、と僕に泣
いてうったえた君。夏の夜、地平の向こうに消える星座を
見つめ『大人になったら大好きな人をたすけて支えてあげ
たい』と呟いた君。そして君は修道院へ預けられた。
338non-titile2:04/11/12 21:41:52 ID:XXwx6kah
僕はただひたすら君の帰る日を待っていた。でも・・・時
は僕だけを置き去りにして行った。8年の歳月は君の中で
どんな風に過ぎていったのだろう。さだめの星はいつ動き
出していたのだろうか。僕たちはもうあの頃とは違うんだ
ね。
 詩人の妻ではなく戦士の妻になることを選んだ乙女。
行く手に何が待っていようと決して後悔しない、自分自身
で決めたことだから、と揺ぎ無い決意を見せた凛とした唇。
僕は願わずにはいられない。君の未来にあふれる幸せがあ
らんことを。こちらを振り帰り、眩しそうに笑いそして手
を振る愛くるしいその姿。黒髪の戦士よ、あなたに彼女を
託そう。見るものを惹きつけずにはおかない不思議な瞳を
持つ旅の戦士。あなたが底知れぬ何かを背負っているのを
僕は感じた。しかし何であれ、彼女を想うあなたの心は嘘
いつわりない、と僕は信じている。
 乙女よ、どうか幸せに。

 天の使いか、妖精か、それとも美神そのものか。
 薄桃色の頬にかかるはひとすじの青い絹糸の髪。
 僕はいつまでも綴っていこう。詠っていこう。
 このサラボナの地に咲いた白薔薇と讃えられた
 乙女のことを。