とにもかくにも、僕は堀井君を抱えたまま、ビルから無事避難できた。
あたりの地面はまだわずかに揺れ動いている。頭上は大きな木が枝を広げていて、太陽の光を遮っている。
道路は瓦礫が散らばっていて、とてもではないが歩ける状態ではない。
木の根元では、消防隊員に警察、それに自衛隊がピケを張っていた。
「はい、避難して、避難して!ここは危ないよ!」
警官の誘導のままに、僕らは2kmほども離れた場所まで避難するはめになった。
街は、突如出現した木を眺めようとする野次馬でごった返している。
空に届きそうなほどに伸びてしまっているので、ここからでもはっきりその姿が拝めるのだ。
僕は、とりあえず腰を落ち着けられそうな場所を探して歩いた。
堀井君といろいろ談判しなければならないし、それに、この騒動で疲れてしまったようだ。
だいたい堀井君の体は、オデコが必要以上に広いうえに、僕には使い勝手が向いていない。
はやいところ自分の肉体に戻る手段も見いださなければならなかった。
「お〜い、坂口君。現在位置はどこなんだ?早く落ち着けるところに行きたいよ。」
パソコンの中から堀井君が呼びかけた。表の様子が見えないためか、不安がっているようだ。
「今かい?ええと、ここは・・・」僕は住居表示を探した。
そして、現在位置が、偶然にも僕の肉体が安置してある病院の至近距離にあることに気付いた。
僕は、堀井君にこの事実を告げた。
「ついでだから、坂口博信の肉体の調子はどうなのか、尋ねていこう。」
そして、僕らが病院のそばまでやってきたときのことだ。
「おい、あいつ、堀井だぜ!」
「マジかよ!」
若者の叫ぶ声と、こっちへ駆けてくる足音が聞こえた。僕は身の危険を感じ、振り返ってみた。
良スレ
続きには、下記のお約束をお願いしますね!
>「あ、堀井雄二だ!」
>「堀井だ!堀井だ!」
>「ドラクエの堀井だ!」
>「すげえ、ほんとにハゲてる!」
>「ハゲゴンクエスト!」
「おい、堀井雄二だぜ!」
「まじかよ!」
「ハゲゴンクエストの堀井だよ!」
「すげぇ、頭が本当にラーの鏡だ!!」
ハゲゴンクエストがこれほど好評とは。(^∀^)
ラーの鏡というのも絶妙ですな。
振り向いて僕が見たのは、二十歳くらいの男三人だった。
そろそろ廃れてきたはずのパツキン頭(この言い方自体古いか)に、耳と唇のおびただしいピアス。
僕のいや〜な予感は的中しそうだった。
「こっち向くんじゃねぇよ、堀井!」
「てめえのデコで日光が反射して、まぶしいんだよ!」
「ラーミアの卵!プラチナヘッド!へへっ、こんなセリフ思いつくなんて、俺って頭いい〜。」
目上に向かって、なんという口の利き方だ。こんな人間には、FFもDQもその他のゲームも遊んでほしくないものだ。
「ハゲゴンクエスト、いらねーや。クソゲーが。」
若者の一人が毒づくと、僕のほうへ大股で近寄ってきた。
これはまずい展開になってきたようだ。あいにく、周りに人影はない。
三十六計なんとやらだ。僕は病院へ入ることを後回しにして、その場から足早に立ち去った。
だが、すぐ後から、三人が大股走りでついてくる。
「堀井!てめぇのせいで、坂口が死んだんだぞ!」
思わず僕は振り返った。いつの間にか、一般の人にまで噂が広がっていたらしい。
だが、あの若者の発言は、見当違いも甚だしいというものだ。
そもそも、坂口博信は、肉体も魂もいまだ死んでなどいない。勝手に殺されたくはないぞ。
それに、どういう理屈をもってすれば、堀井君のせいで僕が死んだという方向へ話が進むのやら。
これはぜひとも一喝してやりたかった。
だが、相手は、僕の話に耳を貸すような態度の人間ではなかった。
「坂口君は死んでなんかいないぞ!過労で倒れただけだ。静養すればもとどおり復帰できるさ。」
僕は叫ぼうとした。叫んだつもりだったけれど、堀井君ののどを借りて大声を上げるのは、僕には無理だった。
「はあ?聞こえねえな。」
近寄ってきた若者が、僕の襟首を引っつかんだ。ワイシャツのボタンが二つばかり飛んだ。
僕は、堀井君が入ったノートパソコンと、資料が入った紙袋をしっかりと胸に抱きかかえた。
その僕の腕を、別の若者がやってきてひねり上げた。
「あたたた・・・君らは、なんて事を…」
その凶暴な手口に、思わず僕は叫び声を上げてしまった。
「やーい、取ったぜ、取ったぜ!」
なんと、こともあろうに、連中は堀井君を…もとい、パソコンを僕の胸元から奪っていった。
「そ、それは駄目だ!返すんだ、君たち!」
だが、言動から察するところ、三人はアンチドラクエ派のようだった。
そんな彼らが堀井雄二の言うことを聞くはずもない。
三人は嘲るような笑い声とともに駆けていった。僕は、愕然として、彼らを見送るのみだった。
しばらく行ったところで、連中の一人が、四角いものを宙に放り上げるのを見た。
「あああ・・・」思わず僕は走り出してしまった。
なにしろ、その物体は、他でもない、くだんのノートパソコンだったのだ。
あれが壊れたら、堀井君の魂はもちろんのこと、僕の肉体だって最悪の末路を迎える羽目になる。
そんなことになれば、FFもDQも間違いなくおしまいだ。
スクエニの看板ゲームの破滅だけは、なんとしてでも阻止しなければならなかった。
・・・だが、駆け寄ろうとした僕は、歩道の敷石につまずき、転んでしまった。
そして、ノートパソコンはアスファルトにぶつかり、火花を散らしながら見るも無残に割れてしまったのだ。
水を差すようで申し訳ないのだが、ハゲはワイシャツを着用しない。
いつもTシャツ姿。もしくはその上に柄シャツか黒シャツをボタンはずして羽織っている。
なわけで、その少年たちは、服装で「これはハゲタソらしくない」と見抜けなかったという展開でw
しかし! ハゲタソの魂は 一体どうなってしまうのかっ!(ハゲタソ調)
>>162 そうなのか。ハゲタソはワイシャツを着ないというのは知らなかった。
じゃあ、「ワイシャツのボタンがちぎれた」のではなくて、
「Tシャツの襟元が引き裂けてしまった」という展開に、脳内変換プリーズ。
そして情報サンクスアロット。
言われて思い出したが、
>>140のリンク先の写真でも、たしかにスーツは着用してはいなかったな。
帽子ばかりに気を取られていて、よく見ていなかったのだが。
>>163 >「Tシャツの襟元が引き裂けてしまった」
この表現、面白い!さすがハゲ×ヒゲさま!w
そういえば、昔はハマショーのような大きな真っ黒のサングラスをしていたが
今はナウなヤング(死語)を意識してか
最近は、少し濃い目程度の小さめのやつに替えたね。
ときどきageないと落髪しそうで……
うろたえるヒゲタンに萌え
>>164さん
堀井様も、寄る年波には勝てず、サングラスの色を薄くしないと周りが見えにくくなっているのでしょう。
正直、まだまだ頑張って、さらに新しいDQを出してほしいものです。
>>165さん
上げサンキュー。定期的に見ているので、dat落ちはしないとは思いますが。
落髪という言い表しかたが面白いですね。
急ぎの用があるので短く書き込み。
「あ・・・あいつら・・・」
思わず僕は汚い言葉を吐くところだった。
少年たちは、そのまま振り向きもせずに、笑い合いながら去っていく。
パソコンのディスプレイは無残にも割れ、中から黒い液体が流れ出している。液晶だろうか。
キーボードやコネクタからは火花が飛んでいた。あたかも二度とパソコンが使えなくなったことを示すかのように、
そして堀井君の魂を鎮めようとするかのように。
これでDQ8は延期になるのかな。
いつも楽しみに拝読させていただいてます。
>>152の最後から5行目あたりからの、忘れたころにやってくるハゲ氏のヒゲ氏に対する
妙な執着に笑わせてもらいました。
続き楽しみにしてま〜す。
坂口氏はいたストについてどう思っているんだろうか
やはりそれには萌えるドラマがあったのかな
>>170 きっと萌えたのではなかろうか。
このSSもどきにも、いたストの話を織り込みたいのだが、
入れる隙間がなかなか見つけ出せなくて往生している最中であります。
パソコンから漏出した黒い液体は、煙のように浮かんでいった。そのまま消えてしまう・・・
僕はそう思ったのだが、どうも様子が違うようだ。
宙に止まったまま、全体はもやもやとかすんでいるが、煙の構成粒子の一つ一つはハイスピードでうごめいている。
ちょうど蚊柱を連想すると分かりやすいかもしれない。あまり見ていて気分の良いものではなかった。
僕は、自分がサングラスをかけていることを思い出した。
そして、このもやもやを肉眼で直視しなくてもいいことに気付いてほっとするとともに、
サングラスの提供者であり、再び会うこともまかりなかろう堀井君のことを追憶した。
「堀井君・・・水面下で進行中の、いただきストリートのことは、僕に任せてくれたまえ・・・。」
だが、僕の判断は、少しせっかちに過ぎたようだ。
煙のような黒い粒子が、おもむろに色合いを帯びてきた。まるで虹のようだ。
そうしてきらきらと鮮やかなネオンのように輝きだしたかと思うと、そこには、
僕がてっきり会えなくなってしまったかと早合点した堀井君の巨大な頭部が浮かび上がっていたのだ。
「ふっはははは!堀井雄二はこんなことくらいで破滅せん!
やあ、坂口君。君には面倒をかけたね。でも、もう大丈夫さ。
また自由に動けるようになったからね。」
堀井君は、巨大な笑顔をこちらに向け、僕に話しかけた。
動くたびに、オデコがきらきらと虹色に輝いている。サングラスがなければまぶしくて直視できないだろう。
ちょうど立体ホログラムのような堀井君の巨大な頭は、当然ながら道ゆく人々の注目をも引きつけた。
人々がぽつりぽつりと周りに集まってきて、呆然とした目で堀井君を見ている。
どうやら、先ほどの糞ガキ、もとい、少年たちも、この巨大堀井の出現に気がついたようだ。
こちらを振り向いて眺めている。
そう、僕ら普通の人間と、堀井君との状態を具体的に述べてみれば、
FFのラスボスと、その前に立つ戦士たちの図式にそっくりなのだ。
もちろん堀井君がラスボスで、僕らが戦士だ。
おおぜいの人たちの注目を浴びるなか、堀井君は嬉しそうにケラケラと笑っている。
頭と首だけの存在で。
「いや〜、坂口君。さっきパソコンを放り出しやがった連中は、正直言って頭にくるねえ。」
堀井君が急に真面目な顔になると、話しかけてきた。
「そ、そうですね、堀井君。ああいう連中には、テレビゲームなど一切プレイして貰いたくないものですね。」
一般ピープルもおおぜい見ている手前、堀井君にタメ口は利けない。
なんたって音に聞こえたハゲゴンクエストの堀井君なのだ、
ゲームにとりたてて関心のない人にとっては、僕よりも堀井君の顔のほうが馴染みがあるだろう。
ここでおかしな言動を取ってしまうと、後からどんなとばっちりが返ってくるかもしれないのだ。
『せめて人目につかないところで出現してほしかった・・・。』僕はそう思ったが、もう遅い。
「ああいう手合いには、それなりの応酬を与えてやらないといけないな。
そう思うだろう、坂口くん?」
堀井君は言葉を続けた。
「そりゃあ、僕だってそう思いますよ・・・あっ!」
僕は声を上げてしまった。
発言するが早いか、堀井君が、あの三人の少年に向かって飛んでいったからである。
しかし三人は、いきなり迫ってきた巨大なハゲ頭におびえるどころか、指をさして嘲り笑っている。
「うわっ!すげえ!堀井の幽霊だぜ!ギャハハハハハ!」
>>172 おヒゲの不自然な敬語に萌え
しかし凄い展開だ毎回
光を放ちながら頭部だけで特攻かます堀井萌え
>「うわっ!すげえ!堀井の幽霊だぜ!ギャハハハハハ!」
状況が分かってないな、この若者はw
台風の目のようなハゲタソの頭…
周囲だけ晴れ。虹も出ている。すげーや、ハゲタソ
177 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/10/24 14:50:23 ID:7k0Kgbnz
_,,,-‐-、,,-─-、,,
,,-─'' -、 ,,ニ二、 ゙ヽ
/ ,r'" _,,r'ヾヽ ゙ヽ ヽ ゙l、
─┼‐ // ,,r'" ^ヽヾ ヽヾ i、 で
○ // / / |ヾ l、ヽ i、 堀 、
. ノ ,l,// / | ゙l゙l゙l ゙l i i 井 誰
ヽ ,l/l l,l/ _ _ ,! |ヾl |゙l l ゙l 雄 が
. ⌒l ///⌒l ‐''"ヽ ,,r‐\ !l:ト、ヽ | ゙| ニ ・
ノ ヽ _//||(く| /;;;;;;;;;)-‐-/;;;;;,,,、ヽ .iレ⌒l l ゙l だ ・
_,, ⌒l ノ l゙lヽl ヾ;;;;;;/ l;;;;;;;;;;;;;〉 li /〉l ハヽ っ ・
_,,-‐''" ノ !llしl ~〈 .ノ`''‐-" .|i,// l | |ヾ .て
/ ヾ ヽ う l || l ゙l (l ,/- / :/|ノ人゙l、゙l:: ?
,,i" ヾ ヽ 丿|! ト、 l __二、_ / :/|川::::::`ー、
. ,i ,-‐、 __,,⊥─,ニて二- ,i" |川;|:::::::::::::::
,i l⌒l i_-=''" ;;;ノT~ヾ /_,,-''",ノ|;l /:::::::::::::
|. _,⊥┤ ゙l,,,-‐T^ヽ ゙i | /" ,/ リ /:::::::::::::::
_,,,-‐''"::::::::;l | ゙l ト、 ゙i ゝ──" ,,r'" ./::::::::::::::::::
-''"::::::::::::;;;-r'''i ' ,' i l \/ミrーく\ ,/::::::::::::::::::::
::::::::_,,-''' | l ノ( i | | ,,l `":::::::::::::::::::::::::
-''' ゙l | ⌒ i / ! ゙> <:::::::::::::::::::::::::::::::::::
http://www.mainichi.co.jp/life/hobby/game/interview/photo/17.jpg
さすがの堀井君も、少年たちの態度には堪忍袋の緒が切れたようだ。
「ぼ、僕を怒らせたな〜!」
大きく口を開いて飛んでいく堀井君の頭部。こちらからはその後姿しか見えないが、
たぶん目をぎらぎらと光らせ、歯もむき出しにして、少年たちを噛み砕こうとしているに違いない。
僕は固唾を呑んで見守っていた。
差し歯が取れそうな予感。
堀井君はぐんぐん飛んでいき、たちまち不良少年どものそばにたどり着いた。
少年たちがいささかたじろぎながらも、相変わらず相手をなめた態度をとって堀井君を見下しているのが、
離れたここからでも良く見えている。
また指をさして言っているようだが、今度の声は小さくてあまり聞こえない。
だが、内容は想像できる。
どうせ「サングラスがダッセエなあ」とでも言い合っているのだろう。大きなお世話だ。
自分の体が堀井君からの拝借物であることを、僕は忘れていなかった。
堀井君が馬鹿にされるポイント・・・それは、そのまま、今の僕自身が侮辱される点に相当してしまうのだ。
堀井君のどんな点がからかいの対象になるかを見極めて、そこを是正していかなければ。
うん、そうしてこそ、世界に名を馳せたゲームクリエイターたる坂口博信の面目が保たれるというものだ!
僕がこんな事を思い描いていた、その瞬間だ。
「き・み・た・ちぃ〜〜。目上に対して呆れるばかり無作法な態度を取るやつだな!
君らのような手合いには、口で善悪を説いてやっても、何の効果もないだろう。
僕がこんな幻のような姿になっちまったのも、君らの責任だぞ。
こうなったら、君たちに、お仕置きをしてやらなくっちゃ!僕の名にかけて・・・!」
ビルの谷間に、堀井君の銅鑼声がこだました。
「僕の名にかけて・・・
名にかけて・・・
名にかけて・・・
堀井雄二の名誉にかけて・・・!!
ホリイユウジの名誉にかけて・・・!!!
ホ・・・リ・・・イ・・・・・・!!!」
堀井君の頭が、ぎらりと粘っこく輝いたようだった。
すごい呪文だ!www
凡人では思いつかんくらいすごい!!
堀井のホーリー!!!
これが噂の古代種って奴か…
堀井君(の巨大な頭)は、縦方向にぐるぐると回転を始めた。回りながら叫んでいる。
「見よ、これぞ神の光!受けよ、天のやいばを!
かのファイナルファンタジーの坂口君が僕の名に捧げた、聖なる力の魔法、
清めの魔法、これぞホーリーだ!!」
・・・おいおい堀井君、そんな前口上は、FFの魔法には必要ない。DQの呪文にだってなかろう。
それに、僕は君の名に捧げるために、ホーリーの魔法を考案したわけではないぞ。
ホーリーは英語のHOLYに由来する、そんなことは堀井君だって百も承知のはずだ。
だが、激昂して躁になった堀井君には、何を話しても、通じなかろう。
僕は無駄な手出しをするのを諦め、成り行きに任せていた。
「ホーリィホーリィホーリィ〜〜!!」
堀井君が叫んでいる。やがて、空のかなたから、純白の光が幾つもの玉になって降り注いでくるのが見えた。
たちまちあたりは光で満たされる。
それと同時に、強烈な風圧のようなエネルギーを全身に受け、僕はそのまま突き飛ばされてしまった。
次に気がついたとき、何もかもが光の押し寄せる前のとおりになっていたが、
周りに立っていた人たちは、僕と同様に、道ばたに倒れこんでいた。
堀井君の頭は、まだ宙でぐるりぐるりと縦回転を続けている。
「あの少年たちは・・・?」
僕は三人の姿を探したが、影も形も見当たらなかった。
それもそのはずだ。あの三人は、堀井君が回転しながら、とんちんかんな前口上を唱えているあいだに、
しっかり逃げ去ってしまっていたのだ。
僕は、光が辺りの街並みを包み込む、その一瞬前に、三人がどこへともなく走っていく姿を思い出した。
堀井君は、この事実に気がついているのだろうか。
堀井とホーリーをかけてるのかw
スレタイがああな割に結構進んでると好奇心で覗いたら・・・
とんでもない超展開の話になっていたのか!
話作ってるハゲ×ヒゲ氏すごいです。
ヤバい感じに下がってるので
ここらで一度hageておきますね。
しかしいつもものすごい展開だ。
しまった失敗
hageあがれハート!!
さすがホリイだ、ハゲてもなんともないぜ!
「ふっははははは・・・おやぁ?」
どうやら、堀井君も、あの三人のなきがらが目の前に倒れていない事実に気付いたようだ。
「なな、なんとっ!かの坂口君が創造して、この僕がその名にかけて放ったあの呪文を、
あのバカ餓鬼どもは受け取りもせずに逃げていってしまったのだな!?」
堀井君の頭が徐々に紅色を帯びてきた。
「くっそ〜、覚えてろ、覚えてろっ!今度出遭ったら、ザラキーマをお見舞いしてやるから!
ええいっ、ザラキ、ザラキ、ザラキ〜〜!!」
空から小さいものがぽたぽたと落ちてくるのが見えた。なんと、ハトやスズメの死骸である。
かわいそうに、堀井君が腹立ちまぎれに放った死の呪文の犠牲となってしまったようだ。
(ここで付け加えておくが、FF開発者の僕、坂口だって、DQの呪文くらいひととおりの知識として持っている。)
このまま堀井君が際限なくザラキを唱え続けているとどんな状況に陥るかは、たやすく予想できた。
いまこの場にいるのは、僕と堀井君だけではないのだ。無関係の大衆を巻き込むわけには行かない。
だが、ああやって死の呪文を叫び続けている堀井君のそばに行くことは、すなわち自殺行為といってよいものだった。
僕はどうしても二の足を踏んでしまう。
そうやって躊躇しているうちに、僕の周りには、だんだんと人だかりができていた。
いつの間にか、パトカーや消防車までが現れたようだ。
そのうち自衛隊や駐留米軍までやって来るのではなかろうか。
暴走状態の一歩手前である堀井君を、犠牲者を出さずに落ち着かせる方法はないものか・・・?
なんだ、僕自身が、堀井君にとって何物にも替えがたいものを所有しているじゃないか。
つまり、堀井君の本来の肉体だ。まさか、自分自身を殺してしまうような堀井君ではあるまい。
僕は、数歩離れたところに停車していたパトカーを見つけると、そこへ近寄って頼んだ。
「申し訳ありませんが、拡声器があれば、お借りしたいのですが!」
警察官は、僕の顔と、向こうに浮いている顔とがそっくりなのに戸惑いつつも、快く拡声器を貸してくれた。
良スレ
まあヒゲだってキルやデスなどの魔法を使って普段はうっぷん晴らしをしてると思うのだが(w
クリフトのセリフだっけ?
「ええいっ、ザラキ、ザラキ、ザラキ〜〜!!」
僕はパトカーに据え付けてあったメガホンを手に取ると、向こうでいまだ回転をし続けている堀井君へ呼びかけた。
「あ、ああ、あ、ただいまマイクのテスト中〜、堀井君、堀井君、無駄な殺生をするのはやめたまえ!
君の周りを見たまえ、鳥が何羽も死んでしまっているじゃないか!
すべて君が、死の呪文を放埓に投げかけたせいだぞ。
そのまま呪文を唱えていたら、こんどは街の人たちが犠牲になるじゃないか。
たたでさえ、今の君のその姿に、誰もがおびえているというのに!
生き返らせろとは言わない、せめて余計な呪文を唱えることを慎んでくれたまえ!」
堀井君はルーレットが止まるときのようにゆっくりと回転速度を落とすと、僕のほうをじっと眺めた。
否、見ていたのは僕だけではない。周りに雲霞のごとく集まった群衆をも視野に納めていたのだ。
その堀井君に向けて、何台もの携帯電話のカメラレンズが向けられている。
あんなものを撮影して、どうするのか、頭を悩ませるところだが。
堀井君は、辺りをひとわたり見渡すと、今度は僕自身を見据えてのたまった。
「オッケ〜!鳥たちにはかわいそうなことをしたな。ザオリクしておこう。
だが、それにしても許せないのは、さっきのガキどもだ。見つけ出したら即刻マダンテだな。」
マダンテといえば、たしか強力な爆発呪文。そんな事をされては街が破壊されてしまうではないか。
僕らはゲームクリエイターだが、ゲームの世界と現実とを混同するわけには行かないのだ。
堀井君の暴走を止めようと、僕は再びメガホンで怒鳴ろうとした。
「堀井君、堀井君、また暴力沙汰を・・・」
と、ここで耳をつんざくような金属音。メガホンがハウリングを起こしたのだ。
周りの警官も、一般群集も、顔をゆがめて、耐えられないといった表情を作っている。なんてこった。
そして、堀井君も、顔を引きつらせていた。
「ぐわわわぁぁ!坂口くぅ〜ん、その音は、その音は・・・!!」
この『キィ〜ン』というハウリングを聞いて喜ぶ人はいないだろうが、堀井君は少し慌てふためきすぎかな。
「慌てるな・・・」と僕は叫ぼうとして、メガホンを口に持っていこうとした。
そのとたん、堀井君がつむじ風のように僕の目の前へすっ飛んできた。手を延ばせばぶつかりそうなほど近くにまでだ。
「わ〜っ!!それは、それは、下ろしてくれぇっ!二度と触らないと・・・」
堀井君の巨大なハゲ頭が、顔面をしわくちゃにし、引き裂けんばかりに大きく口を開いて叫んだ。
こうしてすぐ目の前で見ると、大型バス一台がすっぽり入ってしまいそうな巨大なシャイニングヘッドだ。
「少し取り乱しすぎだよ、堀井君。たかがハウリングくらいで・・・
いや、それとも・・・!?」
その瞬間、僕の脳裏に閃くものがあった。
こいつはただのハウリングじゃない。堀井君が慌てるところを見ると、魔力が備わっているのだろうか。
だとすれば、このハウリング音は、怪音波なのかもしれない。
天下に類なき堀井君とはいえ、レベル半減の作用から免れることはできないというわけか。
僕はパトカーを眺めた。どこにでもありそうな、白と黒のセダンだ。警官の私物らしき座布団まで敷いてある。
どう眺めても、魔力が備わっているようには思えない。
ここは堀井君に問いただすしかなかろう。
「堀井君、いったい、君は、この拡声器のハウリング音に何を感じたんだい?」
僕は、幼稚園の先生がするように優しく問うたはずなのだが、
それでも堀井君の顔は紫色になって、まるで手厳しく折檻を受けて萎縮してしまったようにみえた。
「僕はいいさ、坂口君。君のレベルが・・・君のレベルが下がってしまったら、僕の肉体から抜け出せなくなる。」
「なな、なにを、ばかな・・・!」
意表を突いた堀井君の発言にたまげてしまった僕は、息がつまってしまい、これだけ言うのが精一杯だった。
保守
パトカーのランプに赤く照らし出される堀井氏燃え、いや萌え
hageとく
やっと書けるようになった・・・今まで十日間もプロキシ制限に引っかかっていました。
全然書き込むことができなくて、待ちかねていた(?)皆様には、失礼なことをいたしました。
「で、も〜っ、」
堀井君の表情が、いきなりがらりと変わった。あのぬくもりのある堀井スマイルでにこにこと笑い出したのだ。
心なしかおでこもきらきらと輝きだしたようだ。
「レベルが下がっちゃったからといって、悲観することはないですな。
なぜかって、戦いを積んで、レベルを上げてしまえば済むことなんですから。
さあ、坂口君、僕とともに戦おうじゃないか。戦って、経験値を稼ごうじゃないか。」
堀井君は、そうしゃべりながら、僕の肌に触れそうなくらいにじわじわと身を寄せてきていた。
もっとも、僕の肌とはいえ、これは今かりそめに僕のものになっているだけであって、
本来の持ち主が堀井君であるという事実を忘れてはならない。
僕は堀井君に向かって答えた。
「堀井君、その巨大な頭で、そんなに近づかれてしまっては、不気味なだけじゃないか。
だいたい、こんな東京の街なかで、戦える相手などいようはずがないだろう。」
僕らはゲームクリエイター。だが、現実とゲームの世界とは、弁別してしかるべきだ。
堀井君も、日本を代表するクリエイター、それを理解していないはずはない。
だが・・・僕の脳裏を、ある予想がよぎった。いまの堀井君には、現実も空想の世界も同じものなのではなかろうか?
そう考えた僕の目の前に、堀井君の唇が迫ってきた。
熱い息吹が感ぜられる。
僕は、貞操の危機を感じとり、ほとんど反射的に叫んだ。
「ほっ、堀井君!きみは、自分自身に接吻してみたいようなナルシストなのか!?」
いえ、続きが読めると思うと本当に先が待ち遠しいです
しかし鏡に向かってうっとりしている姿は想像したくないなぁ<ハゲ
保守
さて、今日の未明の騒動をヒゲとハゲはどう思っているのか
201 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/28 16:31:29 ID:wCP6xbLa
ok
hageてくださっている皆さん、ありがとうございます。
こちらは相変わらずプロキシ制限がかかってばかりいて、
なかなかカキコすることもままならない状況です。
>>202 いえいえ、いつもいつも面白い文章を読ませていただいて、本当に感謝しています。
規制が解除されて復帰するまで、スレはなんとしてでも死守したいものです。
むこうは落ちちゃった…_| ̄|○