もうこうなったらネタの使いまわししかないですよ
「ねえ、おとうさん」
「なんだい」
「えへへ……呼んでみただけ」
「やれやれ、またか。父さんはいそがしいんだよ……こら」
こつん。
するとそこへ突然サンチョがあらわれた。
「あれあれ〜、それいいんですか? 泣かれますよ、ホイミンさんに。ボクのギャグをとらないでくださいって
大泣きされてしまいますよ」
「サンチョ、君なら僕たち親子の間だけの秘密ということにしてくれるはずだよね。そう、何も見なかったこと
にしてくれよ」
「サンチョ、私からもお願い」
「いえ、それが、わたしのすぐ後ろにいるんですよ」
「誰が?」
「ホイミンさんが」
サンチョはひらりと身を横にふった。
後ろに控えていたホイミンは、いまにも破裂しそうな爆弾を抱えた真っ赤な顔をしていた。
「よくも、よくもボクの得意なジョークを……」
リュカはほっとした。
「なんだベホマンじゃないか。サンチョ覚えといてくれ、青いほうがホイミンで赤いほうがベホマンだから。
よく似てるけど中身は全然違うんだよ。ほら、こうすれば一目瞭然」
リュカはホイミンの触手を一本ぐいと引っぱった。
「ベホマンだからベホマの効果があるんだよ」
淡い光がリュカを包む。
「お父さん回復した?」
父のやること為すこと何でも嬉しそうなポピーが笑顔でたずねると
「うん、まあ……ね。なんだか効きが悪くなったような……」
と、リュカは答えたのだった。
>>100 元ネタ・・・
確かにそのまんまジョーク集から取ったネタもひとつあったりしますし、
結構色々あります。
>>101 なんだか私奴の成長を見届けるような口ぶりで・・・w
>>102 続きを書けない私の負けです(泣
>>105 動けない方達になんというひどい責め苦を・・・w
余裕のありすぎる勇者がいいです!
112 :
105〜:04/07/17 18:41 ID:KAnIwhtS
エロ以外の小説はあまり盛り上がりませんねえ。
>110〜
お疲れ様です。
それこそ落語のようなオチですね。
ところで使い回しとはどういうことでしょう?
「ほほほ。石となり、その姿のままで世界の終わりを見届ける……いいですねぇお二人とも」
ゲマの発した呪いがビアンカを包んだ。
「うっ、やだ、リュカ!」
ビアンカの叫び声がリュカの意識に入り込み、咄嗟に夫にしがみつこうとする妻から身をかわそうと
リュカはルーラを唱えた!
天井をつきぬけるほどの激しい高望みをした彼は、どこか遠くへ、打ち上げ花火のように、夏の夜空の果てへ
消え入ろうとしていた。ただ一人で、妻を置いてけぼりにして。
「この薄情者ぉーーーーーーー!!!」
しかし、リュカは塔の天井を突き破ることなく、空中で完全に石化した。
ならばとそのまま18年の重みをかけて、積年の恨みとともに引力とともに憎き仇の鼻面めがけ、
石像のリュカは迷うことなく突進した。
「な、なな何?」
遮られたゲマの言葉。空間圧縮。ゲマは押しつぶされ、完全にリュカは自分の足元に敵を征圧した。
その瞬間、リュカとビアンカはゲマの呪縛から解き放たれた。
「やったビアンカ、ゲマを倒したんだ」
「本当にあのときはどうなるかと思ったよ。でもギリギリのところでルーラを唱えて正解だった。
ゲマの奴も僕がこんな手を使おうとするなんて思いもしなかっただろうな」
「そうね、私を置いて逃げようとしたもんね」
「ち、違うって……」
>>112 ネタというか、文章、シチュエーションの使いまわしでしたね、ぐふっ
エロは人々の本能に訴えますからねぇ。ギャグとはまるで求心力が違います。
もし人生においてギャグとエロの二者択一があったら、ほとんどの人がエロを取るのではないかと
で、自分のことに話を振ると、エロSSには手を出さない方がよさそうです。滅茶苦茶になりそうなので。
一度書いてみたいけどね……w
そんな剣士さんガンバ。他の小説には無い感性が素敵ですよ!
そういえば、剣士さんはFFDQ板で読んでいる小説とかある?
なんとなく気になる・・・・
今日は給料日だ!
きっと街中を行き交う人々は、いつもは固めの表情を少しゆるめてあちらこちらの店に顔を出すだろう。
沈みがちだった夜の街の灯火も久々に明るく人々を照らしだすに違いない。
「でも私たちって固定給じゃないんだよね。次から次へと沸いて出るモンスターをやっつければ、お金が確かに
たまるけど、なんかほとんどエンカウントしない日もあって収入がマチマチ。落ち着かないんだよね。
みんなと遊ぶ日を合わせるのが難しいよ」
バーバラは手元の50ゴールドを指で弾いてぶつぶつとつぶやいた。
「あの通りを並んで歩くあの人たちは今日どこかで待ち合わせをしたカップルで、きっとこれから食事にいくとこ
ろなんだ」
ため息交じりで揺れる心のなかの風景をうらやましそうに眺めるバーバラ。
「そんなことよりバーバラ、戦ってよ!」
難敵に苦戦するミレーユの声があたりに響く。でもバーバラには届かない。
「あっ、前に予約したホテルの高級レストラン、あれキャンセルするの忘れた」
バトルレックスが吐いた炎がミレーユを包む。
「MPが足りねえ……誰か回復を……ぐわっ」
ハッサンが敵に胸を突かれて倒れた。ガーディアンが剣の柄を突きつけたらしい。
らしいというのはバーバラがたった今のその光景をほとんど心のなかに留めていない印象に残らない雑風景
としか捉えていなかったからであり、つまりは上の空であり、
「バーバラッ、何してんだっ、手を貸せよ」
激しい魔物の剣さばきの中で叫ぶイザの声にも、
「確かにみんなの身近にこの私がいるんだけど、仲がいいもの同士貸し借りは無しってことで了解してるから」
いま私は戦えない、というメッセージだけを残していた。
「キャンセル料かかるけど仕方ないか。あれは私の名前だったし」
歪んだ笑みとともに乱舞する厨子王丸の長刀に弄ばれイザは深手を負った。
「お金のやりとりはスムースに。それは余分な感情が入り込まない見知らぬ他人同士の方がうまくいくのよ」
そして今回バーバラが仲間につくった借りは、相当後になるまで根を持たれそうだった。
敵が最後に残ったテリーに照準をあわせると、テリーは激しく血昂ぶる目を敵よりもバーバラに仕向けた。
懐の裏ポケットに手をつっこんで取り出した銅貨をバーバラに投げつけようかと思ったが、敵の攻撃が
予想以上に早く抜き手を呪文で封じられ、息の絶える寸前の声を洩らして地に伏せてしまった。
「た…のむ……バーバラ、は、やく、マダ……ンテ、を……」
どうやらバーバラを商人に転職させたのがまずかったらしい。
>>115 感性の違いってのはかなり重要なんだとあらためて思ったりします。
そのギャグがおもしろいかどうかは読み手のギャグのセンスにかかっている、なんて言い方もありますしね。
まるで、その作品がおもしろくないのは読み手側の責任だみたいな言い方で…
すみませんw
自分が言ったセリフじゃないので、勘弁してくださーい
「小説」で検索してヒットするスレは2ちゃん覗くたびに毎回チェックしてます。
でも最近はあまり更新しないスレが多いですね、残念。
バーバラ(ノ∀`)アチャー
リメイク6では職業ごとに会話ができたりして。
あとチャモロが忘れられてます。・゚・(ノД`)・゚・。
良スレ保守します!
。
保守
上げてみます。
124 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/09 01:48 ID:p21PxD3t
脱糞
ホッキンデッシュ
>>119 きっとリメイクではやってくれるでしょう。萌えな人たちがぶっとびそうなありえない性格の会話とか……
あと、チャモロはバーバラの壮絶ぶりに体調を崩されて入院中とか……
最近アリーナの様子がおかしい。変だ。大抵は部屋に閉じこもりっきりで、たまに姿をみせたときは、
常識では考えられない行動をとっている。
家臣の方々はしきりに姫の奇行ぶりを訴える。
「ひっ、姫様が、カエルを食べているところを見ました」とか
「なんという御乱心! 真夜中、姫が月を目指して空中遊泳をしているところをみましたぞ!」とか
「サンドバックに熱心に拳を打ち付けているところ突然天井が崩れ落ちて、中の砂がぶちまけられ、挙げ句の
果てに床を丁寧に掃除をしている現場を目撃しました! あれは夢だったのでしょうか!」
これは一大事とみたクリフトとブライは、ある決意をした。
すなわち、決して誰にも開くことのなかった姫の自室のドアを今夜こじあける。
まるで堅牢な要塞のように、幾重のもの鎖が巻きつけられ五重の鋼鉄製のシャッターで戸締まりされている
部屋のことである。
そのように厳重な体制をアリーナが敷くようになったのは、一月ほど前からのことだった。
一月前といえば、飼い猫のミーちゃんが腹痛を起こして近くの動物病院に診てもらいにいったところ、動物には
保険がきかないために非常に高額の治療費を請求され、アリーナが落ち込んでノイローゼになってしまい、
三日ほど食料庫に閉じこもってしまったという出来事があった時である。
その辺りからアリーナは変わってしまった。
どんなときでもうすら笑いを浮かべ、ひらひらと宙を舞う木の葉のように城内をさまよい歩いては足の小指を
角にぶつけ、それで痛いというわけでもなく、虚ろな目をぶらさげたまま「ブリンク16、ぶりんく16」
とつぶやくようになった。
クリフトとブライは、燭台のランプの明りが消えた図書室で月の光だけに照らされながら、各々の決意の
ほどを語り合っていた。
ブライは涙に濡れてくしゃくしゃになった髭を直そうともせずずっとクリフトと向かい合っていた。常に姫には
泣かされてきたが、今回はさすがに程度が違う。
「クリフト、ワシも一緒に姫の部屋に乗り込む。そして姫に正気を取り戻してもらうべく百発ビンタをかます。
反撃でワシは死ぬかもしれんが、どうせ老い先短いこの老いぼれ爺じゃ」
ブライは最後の花道を飾るくらいの気持ちでいるという。堕ちかけたサントハイムの王女を救うことができる
のならば、この命ささげても惜しくは無いというふうに。
クリフトは大きくうなずいた。それから立ち上がり神官帽を真っすぐに直して言った。
「行きましょう、ブライ様」
そして二人は念のためにメタルキングの盾と剣を二つもっていくことにした。
アリーナの部屋の前。いつものように冷たい鉄の扉とぐるぐる巻の鎖が出迎える……かと思いきや、違った。
簡素な木製の扉がそこにあり、むせるほどの濃い森の香りが漂い二人を戸惑わせた。
訝しげに扉を見続けるクリフトにブライが顔を寄せた、そのとき扉が開き、中から夜会着を着たアリーナが
顔をのぞかせた。
「二人とも、何をしているの?」
クリフトは慌てて盾と剣を握っていた両手を背中に隠した。
「ひ、姫こそ、最近のご様子は、いかほどでございますか」
ブライは面食らった。夜会着と思われていたアリーナの服装は、実は凝った絵模様のある派手な下着だった。
「そのような恰好で……」
次の言葉が出ないブライをさしおいて、アリーナはクリフトにいきなり腕を伸ばし、肩をつかんで強引に中に
引き寄せた。当然クリフトはメタルキングの盾と剣を床に落とす。
「なっ、何を」
「ブライは入ってこないでよ」
アリーナは軽くにっこりをして、扉を閉めた。
目をぱちくりさせていたブライがあっ、と思い、咄嗟に手を出したがもう遅く、どんなに押しても叩いても扉は
開かなくなってしまった。
ブライは後ずさり、回れ右をして廊下を小走りに駆けていった。
「姫様……」
クリフトは緊張してそれ以上声が出なかった。窓からさしこむ月明かりは見事なまでに殺風景な部屋を
クリフトの目に映し出していた。
飾りたてるものどころか、生活ぶりをうかがわせるものが何一つない。机も椅子も、よく持ち込んではろくに片付けずに放り散らしてある菓子類の袋も、本も戸棚も、よくくつろいでいた寝椅子もなくて、中央にあるベッドだけが
異様なまでに存在感を示している。
クリフトは息を呑んだ。乱雑にしわをつくったシーツには何かこぼしたような染みがついている。
アリーナはクリフトの後ろからゆっくり近づいて、首筋に手をおいた。
「フフ……こっちにきて」
クリフトは飛び上がるくらい驚き後ろを振り返ろうとしたが、それより早くアリーナはクリフトの肩を追い越し、
ベッドの上に跳ねて乗った。
アリーナはベッドの上で仰向けになり、首をもたげかけると手を持ちあげ、おいでおいでをした。
「ねえ……いいことしましょう」
クリフトは唖然とするなか、生唾を飲み込んで、しきりに上半身に力をこめていた。
「姫……様、私は……」
アリーナは胸を覆っていた下着をとりはずして床に放り投げた。
「フフ……早くきて、じらさないで」
両腕を頭の上に乗せ、悩ましげなポーズをとりクリフトを挑発した。
クリフトは突き進んだ。ベッドに横たわれるアリーナを目指して。
荒々しい息がこぼれているのを承知でアリーナの耳元に顔を近づける。並々ならぬ興奮が体を包み込んで
いるのを淑女たる姫に悟られる。それを恥ずかしいとも思わない、理性がほとんどなくなっていたので。
「姫さま、うつくしくて、そ、その」
「かかったなクリフト!」
アリーナがクリフトの顔面を鷲づかみにして横倒しにし、ベッドに押し付けた。
「ふがっ」
クリフトはわけもわからず、手足をじたばたさせた。
「おまえが消えればもう姫はサントハイムに心残りがなくなる。姫は観念して諸国の王子に嫁ぐだろう。
何年経っても現れないおまえに疑問を抱き、そのうちこれまでの愛は偽りだったという確信に変わってな。
だから安心して死ぬがいい、クリフト」
偽アリーナは正体をあらわした。紅色の美女の肉体に蛇の下半身を足した魔物、ラミアクイーンである。
魔物は映える金髪をふり乱しクリフトの体に圧しかかった。
クリフトはもがき続けた。手足がしびれて火傷を負った痛みを感じて自分の心に火がついたと確信した。
姫はここにはいなかった。いたのは将来の夢を潰して愛という信頼をむさぼり食う魔物であった。
クリフトは拳にも火が燃え移ってすべて焼き尽くしてやりたいと心の中で叫んだ。
突然扉が開いた。
「クリフトッ、無事か!」
マヒャドを唱えて扉を凍結させ、それにマーニャのメラゾーマを浴びせて砕いたのだった。
そう、都合よく通りかかったマーニャを偶然ブライは見つけて連れてきたのだ。
「何者だ貴様ら」
「何者とは何ごとじゃ。アリーナ姫のお目付け役ブライを知らずして何が姫の変わり身じゃ」
「じいさんのことは忘れられていたわけか、そりゃ悲惨」
ラミアクイーンはクリフトを壁に叩きつけると、牙を剥いて二人に襲いかかった。
地面を這うように接近する魔物を凝視して、マーニャは唱えるべき最適な呪文を頭に思いうかべた。
「べギィィィイラゴーん!」
床に向けて手をかざし、照射、燃えさかる炎は床を伝いラミアクイーンを包み込んだ。
魔物は悲鳴を上げて、それでもなお接近しようとした。
「ぬっ、ワシのマヒャドで」
ブライが止めの呪文を唱えようとしたそのとき、クリフトがパッとブライの目の前に躍り出た。
「許せん、貴様だけは」
クリフトは憎しみに燃える拳を打ち出し、魔物の喉元にたたきつけた。骨の砕ける音が響きわたる。
ラミアクイーンはブリンク16を唱える暇も与えられずに息絶えた。
クリフトは手を火傷した。
あえいでいるクリフトの治療にマーニャは薬草を使う。
呼吸はおとなしくなったが、傷は深く回復には時間がかかりそうだった。
今は回復呪文の使い手がいない。使い手のクリフトはまるで舌がまわらない。
「何とか撃退したわけじゃが、本物の姫様はどこにおられるのかの」
ブライの一言で、静かだったクリフトにまた火がついた。マーニャの治療の手をはねのけ、無言で立ち上がり
部屋を出て行こうとする。
「なにやってんの! まだ無理だって」
マーニャとブライがクリフトを押さえつける。正気になったのかクリフトは突然気が抜けたように座り込む。
ふうと息をついてマーニャが汗を拭おうとしたときに、騒々しい足音が近づいてきた。
「たっ大変だー」
大臣が崩れた扉を踏み越えて中に入ってきた。
「何ごとですか、大臣」
ブライは面倒くさいことになりそうだと、部屋の荒れ果てぶりを見て思った。
「やはりここにいたか。そ、それが、なんとも信じがたいことに、アリーナ姫がエンドールに囚われているという
のだ」
ブライは顔をしかめてマーニャと目をあわせた。
「たった今入った情報によると、エンドールで武術大会が開かれており、その優勝賞品がアリーナ姫だとか」
マーニャはぽかんとして大臣を見つめた。
「なにそれ?」
続きはまた後にします。
続きがあるかどうか疑問だったりしますが…
+FF2ですね!凄い面白い!!
元ネタを知らなかったので、ドキドキしながら読みました。
文体も話ごとにガラッと変わって、そこも楽しみだったりします。
大変だとは思いますが応援させてください。
dat落ちになりそうで危なげなので上げておきます。
上がってなかった・・・OTL
下にあってもdat落ちはせんよ、基本的に。
スレが770くらいになったら最終書き込みの古い順に落ちる。
やっぱり
>>130の続きは後まわしになりましたね・・・
エスタークのすごろく場にアグリアスが来ていた。
「この並び……あれを撃ちたくなる形をしているが、それはともかく」
アグリアスはすごろくチケットの半券をぐっと握る。
「これは一度きりのチャンスだ……絶対に外せん」
さっそくサイコロを振った。
1が出た。草原のマスに止まる。
「調べるべきか、無視して進むべきか。この選択は重要だ。ここに宝があればそれをみすみす見逃す手は
ない、すごろく券は一枚しかないのだから。徹底して掘り尽くすべきだろう。だが、もし埋まっているのが宝では
なかったらどうする?思いがけない災難を掘り当ててしまったらどうするのだ?」
しばらく悩む。
そしてアグリアスは決断する。
よし、調べよう。こんなふり出しから罠があるとも思えん。くどくど考えず、もっとずっと先の見通しを立てるべきだ
そしてアグリアスは足もとを調べた。
そして――うわっ 落とし穴だ
「残念でしたね。またのお越しをお待ちしております」
そして終了した。
「なんだと、ふざけるなぁッ、聖光爆裂波!」
覇気とともにラグナロクから聖剣技が放たれて、向こう6パネルを雷光がつらぬいた。
パネルは吹き飛び、あとにのこされた残骸が埃を巻き上げてごちゃごちゃに。
叩き込んだ己の技の凄烈さにアグリアスは息をのむ。
「またやってしまった。これで何度目だ……。私が挑戦するたび、すごろく場は崩れ去ってゆく……」
愕然と両膝を折ってへたり込み、手で顔を覆うアグリアス。
暗い過去の記憶が洪水となって彼女の頭の中で荒れ狂う。
独り悶絶しているとろに係員がやってきて彼女の肩を叩く。
「あなたがすごろく場荒らしの異名を持つアグリアス様ですか。ちょっと事務所の方まで来ていただきたい。
支配人がお待ちです」
アグリアスは涙をすすりながら係員の顔をみつめる
「なんだ……茶でも出してくれるのか」
「そうですね、態度によっては命が無くなるかと」
突如物陰からあらわれた数人の黒ずくめの男たちにアグリアスは身体を拘束された。
事務所に通されたアグリアスをまっていたのは支配人エスターク。
「わたしが精魂こめてこしらえたすごろく場をよくも……」
身の危険を感じたアグリアスはラグナロクを投げつけ、テレポ移動で事務所から脱出した。
思わぬ光景に部下たちは動揺した。
「き、消えました!」
「探し出せえっ」
エスタークは憤怒に歪んだ顔で部下たちを睨み据えた。
手の甲で涙をぬぐい、魔界の荒野を南へ下るアグリアス。
「くそッ……せめて北斗壊骨打にするんだった。あれなら被害は最小限度で済んだというのに。
……なぜ私は自分を抑えられないんだ。どうしてブラックリストから私は逃れられないんだ」
アグリアスはダンジョンを出てから、からっきしの大声というものを大空見上げて叫んだ。
それは喉がかすれて声になっていない声だった。空にかかった紫の靄がアグリアスの声を吸収して
笑い返してやっているような光景だった。
歩き続け、アグリアスはジャハンナに入ると顔を伏せて、人目を避けながら街の片隅へ消えていった。
>>132 よかった。面白いって言ってくれると本当に嬉しいです。FF2の面白さを借りたからこその面白さでもありますが。
というかゲームでのラミアクイーンのイベント本当に可笑しくてw
>>133 FF2ってやっぱり7以降のFFと比べるとマイナーな感じがありますね、やっぱり。自分もGBAのリメイクで初めて
プレイしたクチで。でもやってみると面白かった。
文体は、特に自分のスタイルというのは決めてなくて、というか、そんな大そうなこと言えるほど書きなれてなくて、
毎回話を書く時期近くに読んだ本に影響されてたりw。 応援は、嬉しいですw(涙
リロード忘れてた……失礼しました。
>>135 自分の書き込みはいつも忘れたころにやってくるので……保守してくれると助かります。
>>136 そういうことらしいですNE
「大変、大変だよ」
「どうしたの」
「今日もテリーが夏服着てきたのよ。もうとっくにみんな衣替えしたのに一人だけ半そで。目立って目立って」
「それで?」
「私大声で言ってやったんだ。おーいそこ、半そでの小学生ー、寒くないのー、元気だねーって」
「そうしたら?」
「俺は群れるのが嫌いだ、みんなと違う個性を大事にしたいんだ、何しろ制服というデザイン統一がコンセプト
の服で個性を出すにはこの時期を利用するしかなかったんだ。って言われた。やっぱりテリーはかっこいい
ね」
「ただ天邪鬼なだけじゃないの、あるいは季節感というものをわかってないのか」
「うん、そうとも言うね(・∀・)」
ドリスが王宮の豪奢なテーブルの上に書き置きを残していった。
「王子なんてうんざり、吐き気がする、もう二度とあんなの見たくない、さよなら王家の人々」
帰ってきたビアンカはそれを見て仰天した。
「どういうこと、これ?何があったの」
貴賓室で来賓と語らい合っているリュカのところへビアンカは猛然とかけこむ。
「リュカ、これを見て」
ビアンカはドアを開くなり開口一番こう言った。
突然のことにリュカは驚いて、顔をしかめた。
「今大事な話をしているところだ、それにいきなり入ってきて失礼じゃないか」
皺と髭のすごい八十すぎかと思われる来客が、まあいいですからとリュカに手をさしだし、ではこれにてと
席を立った。
リュカは老人が去るのを見送ってからビアンカに小言を言う。
「あの人はグランバニアの老人施設に毎年寄付をしてくれている方なんだ。失礼があってはいけないよ」
ビアンカはまつ毛を伏せて一言謝った。それから猛然と顔をあげてリュカに食い入った。
「でもこれを見たら居てもたってもいられなくなって!」
手の中でくしゃくしゃになっていた紙をおもいっきりひろげてリュカに見せ付けた。
「……なんだって、ドリスが?」
リュカが文面とビアンカの顔を交互に見比べた。
「そう、これ見てどう思う?ティミーがドリスに何か……心当たりある?」
「いや」
「そうでしょ? どういうことなのかわからないのよ」
ビアンカは心配そうに窓の外の景色をながめた。
「でもドリスがいなくなったのは確かなわけだよな」
リュカも窓から見える景色のなかに俗世間を知らずしておしゃまなドリスの姿を探していた。まさかまだこんな
城のすぐ近くにいるはずがないというのに……。
リュカは首を何度も振った。ひとつ思いついたことがあって、でも相当きわどいことを何気なくつぶやいた。
「ティミーはまだ10歳、ドリスは24歳の婦女子、普通ありえないよなぁ……」
ビアンカは驚いてリュカを見つめた。
「何いってるの、そんなの……そんなわけあるはずないでしょ」
「何いってるの、そんなの……そんなわけあるはずないでしょ」
抗議するような目をリュカに向ける。
「でも他に考えられるかい? 男と女の感情のもつれ合いの産物としか読めないんだよ、この置き手紙」
ドリスの手紙からは憎しみ、怨念といったものが伝わってくるのだ。
ビアンカが重苦しい息を吐く。
「嘘よ……ティミーはまだそんな子じゃないよ。だってあんなに可愛くてまだあちこち飛び回ってる腕白の盛り
じゃない。なのに……」
「そう、だからこれはティミーじゃなくて、ドリスの方から誘ったことなんだ、きっと。ほら、だってあの子は」
リュカとビアンカはぱっと顔を見合わせた。
「ドリス……長年城に篭もりっぱなしだったもんね」
「寂しさもあっただろうし、日々鬱屈してたんだと思うと、本当に可哀相な子だったんじゃないか。歪んだ方向に
気が向いてしまっても、無理ないよな」
「オジロンさんがいけないのよ。ドリスに外出を禁じたのはおじさまじゃない」
「僕がもっと気をつけなくちゃいけなかったんだ。叔父には叔父の考えがあるとばかり、任せっきりにしてきた…
しょせん直接親子孫の関係から離れた親類は他人同士だなんていうのは……薄情だよな」
「そうよ、言ってあげなくちゃ、ドリスはもう大人なんだって。彼女は一人で生きていける、立派に人生を歩んで
いける女よ」
リュカは大きく息を飲み込んだ。
「よし、とにかく今は彼女を探しだすことだ。とりあえずドリスの行き先として考えられそうなところは……」
そのときいきおいよくドアが開いて当のドリス本人が部屋に入ってきた。
「あ〜、ちょいと間違えたっ」
ドリスは棒立ちのリュカの手から手紙をつまみあげるとテーブルに押し付け、皺だらけの紙を睨みながら
上から筆ペンでちょいちょいと文字に付け足しをした。
「タマゴって点が必要だったっけね。これでよし、と」
ドリスは独り納得した顔でうなずくと部屋を後にした。
「玉子料理から解放されるぞばんざーい、親元離れてみるっていいなぁ」
一度好きだと口にしたとたん、際限なく玉子関係の料理で占められるようになった王家の食卓にうんざりのドリ
スは、今夜酒場で鴨の燻製肉をほおばりながら酒を楽しみたいお年頃。
今回も楽しませてもらいました。それではちょっとだけツッコミを。
アグアりスのステータスならエスタークもなんのそのって気が(´Д`;)
何となくですが、「どうしたの」「それで」「そうしたら」「そうとも言うね」
のセリフがミレーユではないかと感じました。
何だかんだ言ってドリスはティミーに院政を働きかける気がします。
まあ、その方が安泰だと思いますが。
>>144 しかしエスタークを倒してしまったら更なる強大な組織に命を狙われそうな予感。
リメイク6ではドレアムがすごろく場をつくってたりして、そこのブラックリストに……
確かにあのセリフはミレーユのものとして書いてました。もう一人はバーバラで、最後からふたつ目のセリフが
クラスメイトの横槍。なんとしても弟のフォローにまわりたいのがミレーユなんでしょうか。
ドリスは・・・・・・将来影の権力者になるのかもしれませんね。
あの性格はたなぼた式になんでも手に入りそうな強運を司る性格ですから、たぶん・・・
「どれだけお金を使ってもすぐ元の分以上に稼いでくれる。毎日豪遊できるなんて幸せ」
勇者は満面の笑みをうかべて仲間たちを見つめた。
「ああ、たまらないなァ、本当に(´∀`)」
商人×3が本領を発揮するパーティだった。
「稼いでも稼いでもどんどん増える出費に追いつかない。赤字続きでもう冒険どころじゃない」
勇者は仲間たちを恨めしそうに見つめた。
「ああ、貯まらないなァ、本当に(TдT)」
遊び人×3が幅をきかせるパーティだった。
某月某日、スクウェアエニックス本社に、ドラクエの生みの親である堀井雄二氏の遠い親戚にあたる人物が
週に一回通っている英会話教室の教師A氏の友人の知り合いがやっている芸能プロダクション関係者で、
映画監督を目指して来日した中国生まれのラテン系アメリカ人、ホーリィ・UG・フレアー氏(誰だよ)が訪れた。
「ワタシ、オモシロイげーむノキカクをオモイツイタので、ゼヒツカッテクダさい」
応接室で担当者がどんな案か聞いてみると、今までに出たFFDQ作品のキャラを入れ替えるというものだった。
「しかしそれだけで違ったゲームになりますかね」
「でもおもしろそうだから試しにシミュレートしてみないかい」
ちょうど本社に来ていた堀井雄二氏がそう言って、とりあえず三人は開発室へ向かった。
「ドラクエ5とFF7のキャラを入れ替えましょう」
ドラクエ5の主人公をFF7の世界へ転送中……
「ややっ、本当にFF7の世界にとばされるなんて」
リュカ(5主人公)はタキシードを着込んでいた。
どうやらここは婚礼式場らしい。
そのとき、重々しい響きで向かいの扉が開いてウェディングドレス姿のティファがあらわれた。
「リュカ、私たちついに結婚するのね」
突然のことにリュカは驚いた。
「ちょ、ちょっと、いきなりどういう展開なんだこれ」
ティファはリュカの身を純白のドレスに包んでうっとりとした眼差しを浴びせる。
「嬉しいっ、でももっと早くこうしていればよかったのに。リュカが結婚を渋るものだから」
「お、おかしいんじゃないか、FF7に結婚イベントなんてないはずだ!」
「別にいいじゃない、おかしくたって。私たちもう夫婦になれるんだし」
「意味がわからないよ!」
困惑するリュカ、そしてその場に突如エアリスがあらわれた。
「リュカ……そういう結論なわけね。まあ、私もデート一回でリュカの心をつなぎとめることなんて出来やしない
と思ってはいたけど」
エアリスはリュカにかじりつくティファをまじまじと見つめる。
「ふーん、でもティファとね……」
ティファは目をぱちくりさせて、あらいたの?とでも言いたげにエアリスを見た。
「幼なじみっていいわよ。子供の頃から結ばれる運命にあるだなんて素敵だと思わない?エアリス」
「幼なじみなんてのはただの腐れ縁だと思い知ってね、リュカ」
エアリスとティファの間に火花が散った。
「ファイナルヘブン!!」「零式バハムート!!!」
リュカは、荒れ狂う式場の中心で絶望をさけぶ。
「うわあ、やめてくれ二人とも。僕はもともとこの世界に来たくはなかったんだー!」
「…………」
「なぜ結婚イベントが発生してしまったの?」
「どうやら5主人公のデータには結婚イベントがつきまとうようです」
「デ、コノげーむハドウデショウ」
「……もうひとつの方も見てみようか」
開発室で今度はクラウドをドラクエ5の世界に転送中……
サラボナの街ではルドマンが財力にものをいわせて人口を集め、クラウド排斥運動を起こしていた。
「クラウド反対!」
「クラウド来るな!」
「フローラお嬢様を守れ!」
見晴らしの塔の頂で盛り上がる運動の中心にはルドマンとフローラがいた。
「クラウドが来たら、きっと忌まわしいセフィロスの『あのイベント』もついてきてしまう。そうなっては我が娘は
殺されてしまう! なんとしてもクラウドには来て欲しくない!」
「お父様、私、事態が良い方向に進むように祈っておりますわ……」
「いかんフローラ!祈りなど。あのイベントは、まさに祈りの最中に起こったのだ。今はどんな些細なことでも
気をつかわねばならん。形だけとはいえ、自ら不幸を呼ぶような真似はせんでくれ」
「は、はい。お父様……」
何もすることができず、フローラの肩はのしかかる不安に震えた。
「クラウドはんたーい!」
「とにかく来るな!」
「フローラ様を守れ〜」
クラウド否定の大合唱がサラボナ一帯に木霊する……
「クラウドのデータが逆流しました。まるで転送を嫌がっているような……」
「こんな不思議なことがあるの?」
「デ、ドンナモンデショウ、ワタシのアンは」
「とにかく却下」
フレアー氏は、スクエニ本社をさびしそうに去っていった。
DQで遊び人×3ネタを見るとやりたくなるんですが、
結局いつも無難なパーティーしか選べません。
ホーリィ・UG・フレアー氏(誰だよ)
ここでもう笑ってしまいました。このソフトでぜひDQとFFをやりたいです!
とりあえず、・長男セフィロス(FF7)・次男セシル(FF4)・三男テリー(DQ6)で
銀髪三兄弟チームとか。セシルが苦労しそう。
銀髪三兄弟は、くたびれて色あせた屋根の下で雨漏りの音におびえながら囁きあっていた。
「どうしてこうも貧乏なのかねえ、僕達は」
「おまえがいつもくだらん物を買ってくるからだ、この色男」
「そうだふざけるなよ。末っ子の俺はいつも兄貴のおさがりを着て我慢してんだ」
末弟テリーの怒りは頂点に達した。
家全体がぐらりと響き、かつてないほどの雷雲がテリーたちの頭上で轟き始めた。
「サンダガ!!」
すどーん。
「って、兄貴かよ!この雷雲呼んだのは」
テリーはたまげて目がくらくらして星を見ていた。
セフィロスは台所に向かい、染みのついたコーヒーカップに水を汲んでからもどってきた。
それをぐいと一杯飲み干してから一息つく。
「おまえの怒りを表現するのにすばらしい演出だっただろう。まあとりあえず落ち着くんだな」
セフィロスはこんな兄をやっていて、今年二十九歳になる。
「そんなことやってるから女にモテないんだ、このクソ兄貴」
悪態をついたテリーは、兄からカップを奪い取った。
「なにする気だ」
セフィロスはテリーを見つめた。
「こんな水なんか飲んでる場合じゃないぞ。俺は今日姉さんに会いに行く予定なんだ」
「僕達に姉さんいたっけ?」
セシルがぽかんと口をあけている。
「どうせいつもの妄想だろうな、こいつの姉妄想はとうとう尋常ではない域に達した」
セフィロスはいつのまにか家宝であるマサムネをその手に握っていた。
「兄さん!」
「止めるなよ、セシル。私はこの弟にしてこの兄ありと言われるのがもう我慢できん」
テリーに引導を渡すため、セフィロスが狂気の腕を振りかざした。
「外は大雨だよ、そのうえ家の中には血の雨を降らせるなんて酷いよ!」
「だがもう遅い、弟よ覚悟!」
鈍い輝きをはなつマサムネにあわせて雷鳴の剣がきらめいた。
セフィロスとテリーの鍔迫り合いだ。
「やるな弟よ、さすがは剣士の血筋だな」
「くっ、こんな馬鹿やってる俺たちはいったい何なんだって話だぜ!」
そう、こういう兄弟たちだったいう物語なのです……。
>>149 同じく遊び人三人はやったことないですねぇ。
いくら後で賢者に化けるとはいえ、そこまで育てるのにあまりに手間暇かかるお子様たちのようですしw
勇者の身になってみるときっとそれが骨身に染みてよくわかるんでしょうね。
ところで銀髪三兄弟って響きが良くて、勢いのあまり変な想像をふくらませてしまいました・・・
そして私はどうやらセシルの性格がいまいちつかめていないようです(泣
・セフィロス→私 ・セシル→僕 ・テリー→俺
呼び方の設定も性格設定もバッチリでした.。.:*・゜゚・(´ー`).。*・゜゚・*:.。.
貧乏設定なのは意外だったんですけど、味がありますね。
セシルは料理も洗濯も家の修理もやらされるタイプ?だと想像しました。
ごちそうさまでした! の一言です。
153 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/25 00:54:55 ID:5T87smR9
応援age
154 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/25 00:58:49 ID:mdfCV07S
全然面白くないんだよキモオタども
>>154 うーん、まあ、調子にのってたかなと思うことはある。
ただ、もう少し抑制した書き込みをしてほしいかな。どこの誰かも知らない相手にその言い方は、果たして
何の意味があるんだろとも思ったし。
もちろん、おもしろくない・おもしろいは存分に言ってくれて構わないよ。
なにしろこのスレ、レスがつくこと自体稀な現象なので……。
>>152 やはりA・Iさんでしたか。
性格設定に違和感なしですか。よかったー。
貧乏にしたのは、彼らが雰囲気的にリッチそうだったから、それを逆転することがまずギャグにつながる
と思いまして……まあ、大して考えもなしにそういう設定にしたという噂もありますがw
>>153 ありがたいです。本当に。
――そしてしばらくギャグから逃亡します
死んだ花の香りとヘンリーの吐息で満たされた教会前の空気。
オラクルベリーを出てはじめてたどり着いた村、ラインハット。
リュカはつい昨日まで、記憶からこの村の名前が抜け落ちていた。
焼け跡から這いずり出てきたばかりのようなひどい顔をして、シスターがリュカを抱きしめた。
「リュカ、リュカですね。……あの坊やがこんなに」
深めにかぶっていたシスターのフードから土ぼこりがこぼれて、リュカの胸を転がっていった。
「いま、天に召された方の弔いをしてきたところです……ずっと私たちを支えてくれたあの人が死んで、
私は、もう、信じられるものも全て信じられない」
リュカの背中へまわした手に次第に力がこめられていく。シスターの目に怨嗟とおぼしきものが映り、
黒く光ってくすぶりはじめた。
何も悪いことはしていない、神に背くような真似をしていない。
日々の移り変わりに忠実で、祈りを絶やしたことなどはない。
苦しんで、苦しんで、苦しんだ、私たちは。
リュカは、濁りのない潤んだシスターの瞳をやさしいまなざしでそっと迎えた。
「辛かったんだろうね、わかるよ」
パパスが既にこの世にいないこと、長かった奴隷生活のことを話すと、シスターは目をいっぱいに丸くして
リュカの顔に近づけた。
「あ、ああ、リュカ、あなた……」
そのままキスもできそうな距離まで来たとき、リュカはシスターの抱擁の手を解いて、今度は自分の両腕を
彼女の背中にまわした。
「僕も辛いことを経験したよ、シスター」
雑に地を舞う木の葉も、黒く煤けた壁も、よく晴れた空までもそろって、ふたりを慈しんで泣いていた。
リュカは教会を出た。
あとはヘンリーをどうするかだ。
どこにも姿が見えない。
もう、ひょっとしたら、村を出て行ってしまったんじゃないか。
リュカはじりじりとする背中をさすりながら、ひとまず峠を越える辺りまでと決めて歩き出した。
ご迷惑をおかけしました。
5はこの辺りが大きな節目だと感じます。
ヘンリーや序盤の魔物との冒険が一番好き! という方も多いのでは……。
本当にヘンリーと別れた後は切なくなります。
緊急保守
緊急保守