FFの恋する小説スレPart2

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105【飛空艇が見ている…】(4)
 上昇気流に乗って、コンドルが天空を目指す。
チョコボファームに戻ると、クリンが飛び出して来た。
幼いクリンの腕の中で。小さな、小さな雛が、震えながら鳴いた。
「産まれたよ!この牝チョコボに、何て名前つける?」
「シエラ!」
艇長が眼を丸くしますた。
「親とカップリングさせて、トウホウフハイに勝つ!」
「鬼畜か━━━━━━(゚Д゚;)━━━━━━ ??」
ふと、クラウドの背後にモップが。
牧場で、シドが大乱闘しますた。

 上空にアルテマウエポンが浮かび、
砂漠でルビーウエポンがゆらゆらしてる、平和な昼下がり。
「つったく。やってらんねぇぜ!」
紅茶の芳香が、笑うシエラの指に吸い寄せられる。
彼女がシドの顔を、覗き込んだ。
「艇長。艇長は、帰って来ますよね?」
「ここにいるじゃねぇか」
空色の眼に、シエラの、花色をした瞳が映る。
「宇宙までは、お供出来ましたが。
 ここから先、私、何も出来ないです」
そう云って俯き、カップを握る。
唇を噛み締めながら。
「お願いです。無事に…っ、帰って来てくださ…」
不意に。
椅子の倒れる音が響く。
そのひとの身体が、扉に押し付けられた。
シドに、きつく、全身を抱きすくめられて。
────柔らかく。
シエラの吐息が、艇長の耳に触れ、溶ける。