スクウェア・エニックスの株

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7名前が無い@ただの名無しのようだ
「あっ!」
静寂を破るかのように突然ファリスが声をあげた。
「どうしたッスか?」
「ちょっとそこで待っててくれ。すぐ戻ってくる」
ファリスはそう言うと素早く森の中へ消えていってしまった。
状況の飲み込めない他の者達はそれでも言われるままに待つこと数分。
ファリスは言ったとおり戻ってきた。
しかしその姿は先ほどとは違い長い魔導師風のローブを身に纏っている。
そのローブの色は純白の白。
「その格好まさか…」
「白魔導師ッスか?」
シャドウとティーダが驚いたようにファリスの姿を見つめた。
「わりい、オレが白魔導師になれるの忘れてた」
ファリスは悪戯っぽく笑う。
「これで治療できるか!?」
サラマンダーは今度こそ、と言わんばかりに威勢良く跳ね起きた。
「ああ、おそらくは。でもやってみないとわからないけどな…それに…」
「ん?なんだ。できれば早くしてくれないか」
「い、いや、なんでもない。それじゃあ試してみるよ」
ファリスは目を閉じてゆっくりと呪文の詠唱を始めた。

レベルの高い魔法はMPを消費するために場合によっては自らの精神力の消費が激しいこと。
そして時には術者の命すら奪いかねないということをファリスは口に出さなかった。