>>150 ※凡例
その日も疲れ果てたギップルは寝室のベッドにようやく辿り着くと考える間もなく眠りについた。
どれくらい眠ったのだろう。
圧迫感を感じてうっすら目を開くと、リュックがいた。
「ギップル〜♥」
「うわっ!なんだよシドの娘!何してんだお前!」
あわてて起き上がり、ベッド脇の照明に手を伸ばす。
「あ〜、何だとはヒドイ。せーっかくアタシが来てあげたのにさ〜」
そこでギップルが見たのは、肌も露な姿のリュックだった。
概してアルベドの服装は露出が多いが、リュックの今の服は薄い布で作られた、世間で言う「勝負下着」に近いものだった。
「それに『シドの娘』じやなくてリュックって呼べ〜」
ぷうっとふくれるリュックはなかなかに可愛らしいが、状況としてはかなり異常だ。
「わ…悪かった、リュック。謝るから、自分の部屋に戻ってくれ」
ギップルとしては『アニキの妹』というくらいしか意識していないリュックの突然の行動に面食らい、頭が真っ白だった。
「やだ」
リュックはぷいと横を向く。
「やだって、お前」
「ギップルがアタシの事恋人にしてくれるまで帰らないもん」
「こ・・・恋人ってどういう」
ギップルがぱくぱくと口を動かすとリュックはふん、と鼻を鳴らす。
「女の子が夜中に男の子の部屋にこーんな格好でいるんだよ? する事なんて一つじゃん」
数秒後、言葉の意味を理解したギップルは真っ赤になって絶叫した。
「モ・・・モレミニヤネオツヌレダ、ハシミッセウンガ〜!!!!」
そういう所で、ギップルは案外古風な男だった(藁
リュック×ギップルってこういうことですぜ?
つか何書いてんだアタシ(藁
ちなみに
「モ・・・モレミニヤネオツヌレダ、ハシミッセウンガ〜!!!!」
↓
「よ…嫁入り前の娘が、何言ってんだ〜!!!!」
で、ございます。
一人塔に残ったエドガーは、何とかこの炎を鎮火させる方法を考えていた。
できれば延焼は少ない方が良い。最悪でもこの城の地下機関部だけは、
なんとか火の手を免れて欲しかった。
「こんな時、魔法があれば便利なんだがな……そう言う訳にもいかないか」
ケフカと三闘神を葬り去った世界――それは自分たちが望んだ平和であり、手
にした結果――もちろん、それを後悔しているのではない。
しかし、この猛火のただ中に一人身を置いて、成す統べなく炎に包まれる城を
見ていれば、そんな希望を呟きたくなるのも仕方がない。
「虫のいい事を言うものだな、エドガーよ」
炎が迫る中、背後から聞こえてきたのは先ほどの兵士の声。それはどこか満足気な
ものを含んでいる様だった。
エドガーはさして驚いた様子もみせず、男の方を向いて尋ねた。
「なぜここへ来た? 急がないと君も崩落に巻き込まれるだろうに」
「それはお互い様だろ? ……まぁ、焼け死ぬ前に俺が殺してやるがな」
二人の立つ塔の直下で燃え盛る炎の光を映し出し、臙脂色の光をたたえた剣
を再びエドガーに向けながら、男は笑った。
抵抗の素振りは示さないが、エドガーは彼を正面から見据えたまま静かに問う。
「リルムは君を『帝国兵の生き残り』と言っていたが……本当は違うな。いや、
寧ろもっと身近な人間……そう、たとえば王族の誰かだろう?」
「…………」
ほんの少しだけ、剣を持つ男の手が震えた。
構わずにエドガーは先を続ける。
「城にこれだけ被害を及ぼし、私達の退路を断つべくうまく仕掛けられた爆薬の
事を考えれば、城の内部構造に詳しい者だろうとは……すぐに察しがつくさ」
フィガロ城稼働のシステムは門外不出の最高機密である。城の機関部分に精通
しているのは、一部の技術者か王族の関係者だけだった。
それに、王族の人間ならば反乱を起こす動機は十分にあるとも思ったからだ。
既存の体制を変えようとするとき、多かれ少なかれ必ず内部からの抵抗が起きる。
それはどんな世界でも同じだ。
「これが君の望んだ姿か? 私利私欲に走った末路がこの惨状だ」
男を責めるわけでもなく、ただエドガーは淡々と句を繋ぐ。
「私利私欲? ……それは違うな、『理想』だよ。私と君とではその形が違うだ
けだ」
「…………」
何も言わず依然として男を見据えるエドガーの胸中に、けれどやり場のない感
情がこみ上げてくる。自らの理想である『秩序のある国づくり』は安易な事では
ないと、そしてそれに反発する者も出てくる事も、全て承知しているはずだった
のに……。
それでも拭いきれない感情が、確かにあった。
「さあ武器を取れ。でないとお前はこの場で私に斬り殺される事になる」
刹那、二人の間を熱風が横切った。
「……言ったはずです。私一人殺してたところで何も変わりはしない、と。王の
代わりはいくらでもいるし、以前の帝国のような支配体制に戻りたいと願う民は
多くない。この流れは誰にも止められない」
剣を突き付けられても、エドガーは武器を取るどころか防御すらもしなかった。
焦りや恐怖心で身動きできないのではなく、逆に余裕さえ感じられる口振りだ。
「それを、あなた自身分かっていた。だからこんな方法を選んだのではないか?」
男の行動は、自らの身を危険に晒してまで王の命を狙うという最大の抵抗。
失敗した時はもちろん、たとえ成功しても自分が還る場所のない選択だった。
「……ふん。全てお見通しという訳か」
エドガーの放つ鋭い指摘は、言葉それ自体が武器となって男を追い詰めていた。
観念したと言う代わりに、男は剣を構え直すと冷淡とも思える口調で告げた。
「地獄で会おう」
「そうはいかないさ」
対照的に、エドガーは僅かな笑みを浮かべながら言葉を返す。
「そうか。では私を殺し、ここから無事に脱出するのだな!」
「どこまで行ってもお互い、平行線のままなのか……?」
諦めと嘆きを含んだ複雑な声を漏らし、エドガーは静かに槍を構えた。
火の手はもうすぐ後ろまで迫っている――残された猶予はない。それは即ち、
“迷い”が死に直結していると言う事を意味する。
「……だが忘れないで欲しい……お前も、フィガロの民であるという事を」
だが、彼には捨てきれない思いがある。どうしても、どんな状況におかれても
捨てきれない物をたくさん抱えていた。
「ギャンブルでも女でも、多くを求めすぎると自滅するもんだ」
セッツァーが以前言っていた、そんな言葉をふと思い出して苦笑する。
それまで、男の前で決して見せなかった穏やかな表情を浮かべながら、エドガー
は呟いた。
「私はフィガロを愛している。……その為に、この身が滅びると言うなら本望だ」
FF10-2やりたいよ〜。でも金と時間がねぇYO!!
>>154 ギップルって誰でつか?・゚・(ノД`)・゚・(……10-2?)
それにしても、アルベド語ってこういう所に出てくると新鮮な感じがするなぁ。
(ネタとして使えそう……いやなんとなく。w)
ところで、このスレにFF6のマニアックな(実際にはそれ程マニアックではないけれど)
アイテムネタ書いても(・∀・)イイ!って人はいませんか?
『血塗られた盾』って結構面白いシチュエーション作れないかな〜? とか妄想して
みたんですが。(これなら辛うじてエドリルでもエロ展開あり得るかな? なんて…)
血塗られた盾ですよ、血塗られた盾。
(参照)
『血塗られた盾』:これを装備した状態で255回戦闘に勝つと『英雄の盾』に変化する。
『英雄の盾』は最高の防御力を誇り、属性防御・吸収と
その名に相応しい高性能の盾。アルテマ習得も可能。但し装備車は
混乱・バーザク・死の宣告など様々なステータス異常に陥り、各能力値
も低下するという、全く使えない防具。リボン装備以外でのステータス異常回避は不可。
スマンカッタ。
乙ですた。
ハラハラする展開でどきどきでつ。
ラストのセッツァーのセリフがカコイイ!
なんか寝れなかったので続き書いてみますた。
↓
「うちのオヤジみたいな事言うな〜」
リュックはぴっ!と人差し指を立ててギップルの鼻先を突付いた。
「だいたい、ヘンだよ。なんでみんなアタシにばっかりそ〜いう事言う訳?」
「そっ……そりゃあ、お前……」
ギップルは回らない頭で必死に言葉を探す。
そうなのだ。
アルベド族は15才前後から、労働力として役に立つとみなされた時点で一人前として扱う。
迫害を受けて一族内での結束が固い事もあるが恋愛に関しては開放的で比較的早熟だ。
ギップル自身、少年期に好奇心から年上の女性と付きあった(あるいは遊ばれた?)経験がある。
しかし、自分より年下の少女、中でもリュックはちょっと特別だった。
自分の経験から、あまり年若い女の子が好奇心だけで男と付き合うのはできれば避けさせたかった。
男女間でのトラブルで負うリスクはどうしても女の子の方が高いのだ。
リュックは因習や既成概念に囚われる事のない思考の持ち主で、一族の大人達からも一目置かれていた。
シドの娘だからというより、リュック本人の資質はアルベドにとっての宝なのだ。
しかしその性格は、裏を返せば向こう見ずな上に無防備という欠点ともなる。
リュックが伸びやかな心を失わずに育つよう、周囲の人間達は常に心を砕いて守ってきた。
アルベドでも三本の指に入るといわれた美人だった母に似た容姿を持つリュックは、いろいろな意味で
同世代の少年から遠巻きに眺められている存在なのだ。
「だいたいさぁ〜、ギップルもマキナ派のリーダーなんだから、も〜ちょっと自分の身辺に気を配ったら〜?」
ギップルの考えがまとまらない内に、リュックは次の問題を提起する。
そこで初めてギップルは不自然な点に気付いた。
「お前……どうやってこの部屋に入った?」
「ん?ドアから」
「鍵がかかってただろ?」
「あ〜んなの、ちょいちょいってやったらす〜ぐ開いたよ」
ギップルは絶句する。
それなりの立場にいるために不穏な客が来る事もあるので寝室の鍵は色々工夫して現時点で不法侵入はまず無理という、
最新式の物を使っている。マキナ派のメンバーの自信作だった。
目が覚めたら美少女が夜這いに来ていたなんていう、普通の男ならラッキーとしか言えない状況なのだが
ギップルは色んな意味で頭痛がしてきた。
「シ……じゃない、リュック」
とにかく部屋に返さなければ、とギップルは説得を試みる事にした。
「な〜によう」
「頼むから、部屋に帰ってくれないか。話は明日ちゃんと聞くから」
平静を装って頼んだもののリュックは口をきゅっとへの字に結んでギップルを見た後、冷たく言った。
「イヤ」
リュックがずいっ、と体ごと前に出る。顔と顔がぶつかりそうな所まで接近した。
いつもはターバンで結い上げた髪をまとめているが、今夜のリュックは髪を下ろしている。
のしかかられたギップルの肩や腕にさらさらとリュックの髪が触れる。
「どうしてもって言うなら、キスしてくれたら帰る」
そんな事したらどういう展開になるかわかってるのか、とギップルは叫びたくなった。
「……お前、酒飲んでるのか!?」
「悪い?」
リュックからかすかにアルコールの匂いがしていた。
「考えてもみてよぅ〜。女の子が夜中に男の子の部屋にこ〜んなカッコで、あ〜んな理由で来るなんて
素面で出来るわけないじゃん。乙女心がわかんないやつぅ〜」
そのわかんないやつに迫っているのはお前だと突っ込みたい気持ちを抑えてギップルはその話題から離れようとした。
「そうか。で、どんだけ飲んだんだ?」
「いっぱい」
グラス一杯にしてはまわりが良すぎる。
「たくさん、て事か?」
ギップルの質問にリュックは首をぶんぶんと振る。
「一杯だけ。カップに一杯」
「何飲んだんだ?」
「んとね、野いちごのお酒。このあいだルチル隊長にミヘン名物ですってもらったの〜」
その答えにギップルの顔から血の気が引いた。
「おい!お前が飲んだの「貴婦人」と「騎士」どっちだ!」
「え〜?」
「色だ!ピンクと赤!どっちの色だった!」
「ん〜と、ピンク……」
ギップルは絶句した。
ミヘンの旅行公司でも扱っているが野いちご酒には2種類ある。
まず色が赤いのが「騎士」で、ミヘン街道の野いちごを使って作るワイン。
黒いちごを混ぜて作るので少し渋みがあるが、さほど度数は強くない。
そしてピンクは「貴婦人」と呼ばれ、野いちごをアルコール度数の高い酒に漬けて作る。
基本的に貴婦人は小さなリキュールグラスで供される。
なぜなら優雅な名前と甘い飲み口とは裏腹にアルコール度数がとても高いため、酒に弱い人間が
ビアカップ1杯くらいの量を一気に飲むと大抵アルコール中毒になるからだ。
ギップルが知る限りリュックは酒があまり得意でなかったはずだ。
「大丈夫なのか!?」
血相を変えたギップルの質問にリュックはきょとんとしたように首を傾げた。
「何が?」
「その……気持ち悪いとか、寒気がするとか」
「……ん〜……ちょっと……眠いかも」
リュックの目がとろん、としていかにも眠たげになっていた。
「あ……おい!」
突然、ぱたりという風にリュックが倒れた。
中毒か、とあせってリュックを抱えてみると寝息はごく安らかで熟睡しているようだった。
その一瞬はほっとしたものの、再びギップルは途方にくれた。
こんな格好のリュックを抱えてリュックの部屋に行く所を他人に見られたらどう考えてもいい逃れできない。
それに、酔いつぶれている可能性のある人間に対して絶対してはいけない事が一つある。
それは『絶対に一人にしない事』だった。
「こりゃあ、寝ずの番だな……」
ギップルは半ばぐったりしながらリュックを見た。その寝顔は子供みたいに安らかだった。
「……シドに見つかったら、殺されるな……」
また新しい頭痛の種に気付き、ギップルは再び額を押えた。
×→『絶対に一人にしない事』
○→『一人して放置する事』
かーっ、何書いてるんだよアタシ・・・。と思いつつ適当に書いてみますた。
中途半端ですがとりあえず以上。
スコールの話を書いてる途中に思いついて書いてみたのでギップルが
私の書くスコール風味に・・・。
リュックはリュックでセルフィ風味ですが。
]−2はキャラ立てるの難しいっす。
ここのスレでは大人向きは書かない事にしてるので期待した方いたら謝ります。
正直すまんかったです(藁